(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170630
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】電源装置ユニットおよび照明装置
(51)【国際特許分類】
F21V 23/00 20150101AFI20231124BHJP
F21S 8/02 20060101ALI20231124BHJP
F21V 29/508 20150101ALI20231124BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20231124BHJP
【FI】
F21V23/00 120
F21S8/02 430
F21V29/508
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022082522
(22)【出願日】2022-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】505455945
【氏名又は名称】コイズミ照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】片山 照夫
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
(57)【要約】
【課題】電源装置の種類が多くなることを抑制することが可能な電源装置ユニットおよび照明装置を提供する。
【解決手段】電源装置ユニット1は、電源装置100と、電源カバー200とを備える。電源カバー200は、電源装置100を覆うように電源装置100に取り付けられる。電源装置100は、電源部品110と、電源部品110を収容する電源ケース120とを有する。電源カバー200は、第1カバー部210と、第1カバー部210に対向する第2カバー部220と、第1カバー部210および第2カバー部220を接続する第3カバー部230とを有する。電源ケース120は、第1ケース部121と、第2ケース部122と、第3ケース部123とを有する。第1ケース部121と第1カバー部210との間、および、第2ケース部122と第2カバー部220との間の少なくとも一方には、空間S201が形成される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明器具に電気的に接続される電源装置ユニットであって、
電源装置と、
前記電源装置を覆うように前記電源装置に取り付けられる電源カバーと
を備え、
前記電源装置は、電源部品と、前記電源部品を収容する電源ケースとを有し、
前記電源カバーは、第1カバー部と、前記第1カバー部に対向する第2カバー部と、前記第1カバー部および前記第2カバー部を接続する第3カバー部とを有し、
前記電源ケースは、前記第1カバー部に対向する第1ケース部と、前記第2カバー部に対向する第2ケース部と、前記第3カバー部に対向する第3ケース部とを有し、
前記第1ケース部と前記第1カバー部との間、および、前記第2ケース部と前記第2カバー部との間の少なくとも一方には、空間が形成される、電源装置ユニット。
【請求項2】
前記電源ケースは、前記第3ケース部から前記第3カバー部に向かって突出する固定部をさらに有し、
前記固定部は、前記第3カバー部に固定され、
前記第3ケース部と前記第3カバー部との間には、空間が形成される、請求項1に記載の電源装置ユニット。
【請求項3】
前記電源カバーは、前記第1カバー部の前記第3カバー部とは反対側の端部に配置される第1突出部と、前記第2カバー部の前記第3カバー部とは反対側の端部に配置される第2突出部とを有し、
前記第1突出部は、前記第1カバー部から前記第2カバー部に向かって突出し、
前記第2突出部は、前記第2カバー部から前記第1カバー部に向かって突出する、請求項1または請求項2に記載の電源装置ユニット。
【請求項4】
前記第3カバー部は、前記第1カバー部および前記第2カバー部を第1方向に接続し、
前記電源カバーは、前記第3カバー部の前記第1方向と交差する第2方向の端部に配置される傾斜部をさらに有し、
前記第1カバー部および前記第2カバー部は、前記第3カバー部から、前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向の一方側に突出し、
前記傾斜部は、前記第3カバー部から遠ざかるにしたがって前記第3方向の一方側に向かって傾斜する、請求項1または請求項2に記載の電源装置ユニット。
【請求項5】
前記電源装置と前記照明器具とを電気的に接続する電線をさらに備え、
前記電源カバーは、前記電線を保持する保持部をさらに有する、請求項1または請求項2に記載の電源装置ユニット。
【請求項6】
前記電源カバーは、前記電源装置に対して着脱可能である、請求項1または請求項2に記載の電源装置ユニット。
【請求項7】
請求項1に記載の電源装置ユニットと、
前記電源装置ユニットに電気的に接続される照明器具と
を備える、照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置ユニットおよび照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ダウンライト等の埋め込み型の照明装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、灯具と、灯具に電気的に接続される電源ユニットとを備えた照明装置が記載されている。灯具は、LED光源と、LED光源を収容する枠体等とを有する。灯具は、天井に設けられた埋込穴に配置される。電源ユニットは、回路基板と、回路基板を収容する筐体と、端子台とを有する。電源ユニットは、天井裏に配置され、天井裏の面にネジ止めされる。回路基板で発生した熱は、筐体を介して大気中に放熱される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、断熱施工として天井裏に断熱材が配置される場合がある。この場合、電源ユニットは、天井と断熱材との間に配置される。つまり、電源ユニットは、断熱材に覆われる。このため、電源ユニットの放熱性が低下する。
【0005】
そこで、断熱施工に対応した電源ユニットとして、通常の電源ユニットよりも筐体のサイズを大きくした電源ユニットが知られている。この電源ユニットでは、筐体の内部空間を大きくし、回路基板で発生する熱を内部空間の空気中にも放熱することによって、電源ユニットの放熱性が低下することを抑制することが可能である。
【0006】
しかしながら、断熱施工および非断熱施工の両方の施工に対応するために、断熱施工に対応する電源ユニットと、非断熱施工に対応する電源ユニットとを準備する場合、2種類の電源ユニットを製造する必要があり、部品の管理が煩雑である。なお、断熱施工に対応する電源ユニットは、非断熱施工の天井にも適応可能であるが、非断熱施工に対応する電源ユニットに比べて大型であるため、製造、管理および輸送のコストの増加に繋がる。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、電源装置の種類が多くなることを抑制することが可能な電源装置ユニットおよび照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願に開示する電源装置ユニットは、照明器具に電気的に接続される。前記電源装置ユニットは、電源装置と、電源カバーとを備える。前記電源カバーは、前記電源装置を覆うように前記電源装置に取り付けられる。前記電源装置は、電源部品と、前記電源部品を収容する電源ケースとを有する。前記電源カバーは、第1カバー部と、前記第1カバー部に対向する第2カバー部と、前記第1カバー部および前記第2カバー部を接続する第3カバー部とを有する。前記電源ケースは、前記第1カバー部に対向する第1ケース部と、前記第2カバー部に対向する第2ケース部と、前記第3カバー部に対向する第3ケース部とを有する。前記第1ケース部と前記第1カバー部との間、および、前記第2ケース部と前記第2カバー部との間の少なくとも一方には、空間が形成される。
【0009】
本願に開示する電源装置ユニットにおいて、前記電源ケースは、前記第3ケース部から前記第3カバー部に向かって突出する固定部をさらに有する。前記固定部は、前記第3カバー部に固定される。前記第3ケース部と前記第3カバー部との間には、空間が形成される。
【0010】
本願に開示する電源装置ユニットにおいて、前記電源カバーは、第1突出部と、第2突出部とを有する。前記第1突出部は、前記第1カバー部の前記第3カバー部とは反対側の端部に配置される。前記第2突出部は、前記第2カバー部の前記第3カバー部とは反対側の端部に配置される。前記第1突出部は、前記第1カバー部から前記第2カバー部に向かって突出する。前記第2突出部は、前記第2カバー部から前記第1カバー部に向かって突出する。
【0011】
本願に開示する電源装置ユニットにおいて、前記第3カバー部は、前記第1カバー部および前記第2カバー部を第1方向に接続する。前記電源カバーは、前記第3カバー部の前記第1方向と交差する第2方向の端部に配置される傾斜部をさらに有する。前記第1カバー部および前記第2カバー部は、前記第3カバー部から、前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向の一方側に突出する。前記傾斜部は、前記第3カバー部から遠ざかるにしたがって前記第3方向の一方側に向かって傾斜する。
【0012】
本願に開示する電源装置ユニットは、前記電源装置と前記照明器具とを電気的に接続する電線をさらに備える。前記電源カバーは、前記電線を保持する保持部をさらに有する。
【0013】
本願に開示する電源装置ユニットにおいて、前記電源カバーは、前記電源装置に対して着脱可能である。
【0014】
本願に開示する照明装置は、上記の電源装置ユニットと、前記電源装置ユニットに電気的に接続される照明器具とを備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、電源装置の種類が多くなることを抑制することが可能な電源装置ユニットおよび照明装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態に係る電源装置ユニットおよび照明器具を備えた照明装置を+Z方向から示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る電源装置ユニットおよび照明器具を備えた照明装置を天井に配置した状態を示す断面図である。
【
図3】本発明の実施形態の電源装置ユニットの電源装置を示す斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態の電源装置ユニットの電源装置を示す断面図である。
【
図5】本発明の実施形態の電源装置ユニットを示す断面図である。
【
図6】本発明の実施形態の電源装置ユニットを示す斜視図である。
【
図7】本発明の実施形態の電源装置ユニットをC方向の一方側C1から示す底面図である。
【
図8】本発明の実施形態の電源装置ユニットの電源カバーを示す平面図である。
【
図9】照明装置を天井に設置する方法を説明するための断面図である。
【
図10】電源装置ユニットを天井とグラスウールとの間に配置した状態を示す断面図である。
【
図11】本発明の第1変形例による電源装置ユニットの構造を示す断面図である。
【
図12】本発明の第2変形例による電源装置ユニットの構造を示す断面図である。
【
図13】本発明の第3変形例による電源装置ユニットの構造を示す断面図である。
【
図14】本発明の第4変形例による電源装置ユニットの構造を示す断面図である。
【
図15】本発明の第5変形例による電源装置ユニットの構造を示す断面図である。
【
図16】本発明の第6変形例による電源装置ユニットの電源カバーの構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。また、図中、理解を容易にするために、Z軸を適宜記載している。一例として、Z軸は鉛直方向に平行である。Z軸の正方向は鉛直上方向を示し、Z軸の負方向は鉛直下方向を示す。
【0018】
図1~
図10を参照して、本発明の実施形態に係る電源装置ユニット1を備えた照明装置500について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る電源装置ユニット1および照明器具300を備えた照明装置500を+Z方向(ここでは上方)から示す斜視図である。
図2は、本発明の実施形態に係る電源装置ユニット1および照明器具300を備えた照明装置500を天井1000に配置した状態を示す断面図である。
【0019】
図1および
図2に示すように照明装置500は、例えば、天井または壁に埋め込まれる埋込型の照明装置である。本実施形態では、照明装置500は、天井1000に埋め込まれるダウンライトである。また、本実施形態では、天井1000の上面の略全面にグラスウール1100が配置されている。
【0020】
照明装置500は、電源装置ユニット1と、電源装置ユニット1に電気的に接続される照明器具300とを備える。
【0021】
照明器具300は、光源(図示せず)と、光源の周囲を覆う反射部材302と、取付部材(図示せず)と、放熱部材304とを有する。光源(図示せず)は、例えば、LED素子を有する。反射部材302は、光源から出射した光を-Z方向(ここでは下方)に向かって反射する反射面(図示せず)を有する。取付部材(図示せず)は、照明器具300を天井1000の開口1000aに取り付けるための部材である。取付部材(図示せず)は、例えば、開口1000aの周縁に係合する板バネであってもよい。放熱部材304は、反射部材302に取り付けられる。放熱部材304は、光源で発生した熱を放熱する。放熱部材304は、例えば複数の放熱フィンを有する。
【0022】
電源装置ユニット1は、天井1000上に配置される。本実施形態では、電源装置ユニット1は、天井1000とグラスウール1100との間に配置される。電源装置ユニット1は、電源装置100と、電源カバー200とを備える。
【0023】
図3は、本実施形態の電源装置ユニット1の電源装置100を示す斜視図である。
図4は、本実施形態の電源装置ユニット1の電源装置100を示す断面図である。
図5は、本実施形態の電源装置ユニット1を示す断面図である。なお、
図3および
図4では、
図1および
図2に対して電源装置100をZ軸方向に反転した状態で示している。
【0024】
図3および
図4に示すように、電源装置100は、電源部品110と、電源部品110を収容する電源ケース120とを有する。電源部品110は、例えば、商用電源から供給される交流電流を直流電流に変換する。電源部品110は、例えば、回路基板111を有する。回路基板111は、B方向に延びる略長方形状を有する。B方向は、回路基板111の長手方向、および、電源装置100の長手方向を示す。本明細書では、B方向の一方側を一方側B1と記載し、B方向の他方側を他方側B2と記載する。なお、B方向は、本発明の「第2方向」の一例である。
【0025】
また、電源部品110は、例えば、電源回路を構成する複数の回路部品112a、112bおよび112cをさらに有する。回路部品112a、112bおよび112cは、回路基板111に実装される。
【0026】
図3および
図5に示すように、電源ケース120は、第1ケース部121と、第2ケース部122と、第3ケース部123と、第4ケース部124とを有する。第1ケース部121および第2ケース部122は、A方向に互いに対向する。第1ケース部121および第2ケース部122は、A方向に互いに離隔する。A方向は、B方向と交差する方向である。また、A方向は、回路基板111の短手方向、および、電源装置100の短手方向を示す。本明細書では、A方向の一方側を一方側A1と記載し、A方向の他方側を他方側A2と記載する。なお、A方向は、本発明の「第1方向」の一例である。
【0027】
第3ケース部123および第4ケース部124は、C方向に互いに対向する。第3ケース部123および第4ケース部124は、C方向に互いに離隔する。C方向は、A方向およびB方向と交差する方向である。また、C方向は、回路基板111の厚み方向を示す。本明細書では、C方向の一方側を一方側C1と記載し、C方向の他方側を他方側C2と記載する。なお、C方向は、本発明の「第3方向」の一例である。本実施形態では、C方向は、Z方向と略平行である。
【0028】
第3ケース部123は、第1ケース部121および第2ケース部122のC方向の他方側C2の端部同士を接続するように配置される。言い換えると、第3ケース部123は、C方向の他方側C2において第1ケース部121から第2ケース部122に跨って配置される。第4ケース部124は、第1ケース部121および第2ケース部122のC方向の一方側C1の端部同士を接続するように配置される。言い換えると、第4ケース部124は、C方向の一方側C1において第1ケース部121から第2ケース部122に跨って配置される。
【0029】
本実施形態では、第1ケース部121、第2ケース部122および第3ケース部123は、1つの部材で形成されている。具体的には、1枚の板金を所定位置で折り曲げることによって、第1ケース部121、第2ケース部122および第3ケース部123を有する部材が形成される。この部材が第4ケース部124に取り付けられることによって、第1ケース部121、第2ケース部122、第3ケース部123および第4ケース部124を有する電源ケース120が構成されている。なお、例えば、第1ケース部121、第2ケース部122および第4ケース部124を有する部材が、第3ケース部123に取り付けられてもよい。また、例えば、1枚の板金を折り曲げることによって、第1ケース部121、第2ケース部122、第3ケース部123および第4ケース部124を有する部材が形成されてもよい。
【0030】
図3および
図4に示すように、電源ケース120は、第5ケース部125と、第6ケース部126とをさらに有する。第5ケース部125および第6ケース部126は、互いに対向する。第5ケース部125および第6ケース部126は、B方向に互いに離隔する。第5ケース部125は、第1ケース部121~第4ケース部124のB方向の一方側B1の端部に配置される。第6ケース部126は、第1ケース部121~第4ケース部124のB方向の他方側B2の端部に配置される。
【0031】
第1ケース部121、第2ケース部122、第3ケース部123および第4ケース部124によって、電源部品110を収容する収容空間S100が形成される。本実施形態では、第1ケース部121、第2ケース部122、第3ケース部123、第4ケース部124、第5ケース部125および第6ケース部126によって、収容空間S100が形成される。
【0032】
また、本実施形態では、電源部品110は、第3ケース部123に固定される。具体的には、第3ケース部123のうち収容空間S100に面する部分123aに、回路基板111が固定される。
【0033】
第1ケース部121、第2ケース部122および第4ケース部124は、B方向に略同じ長さを有する。一方、第3ケース部123は、第1ケース部121、第2ケース部122および第4ケース部124よりもB方向に長い長さを有する。具体的には、第3ケース部123は、第5ケース部125よりもB方向の一方側B1に突出する突出部123bを有する。
【0034】
電源装置ユニット1は、端子台10、コネクタ20および電線30をさらに備える。端子台10は、第3ケース部123の突出部123bに配置される。端子台10は、電源線(図示せず)を介して商用電源に電気的に接続される。また、端子台10は、ケーブル11(
図4参照)を介して回路基板111に電気的に接続される。これにより、商用電源から端子台10を介して電源部品110に電力が供給される。なお、第5ケース部125には、ケーブル11が挿通されるケーブル用開口125aが形成されている。
【0035】
コネクタ20は、回路基板111のB方向の他方側B2の端部に配置される。コネクタ20は、電線30を介して照明器具300(
図1参照)に電気的に接続される。これにより、電源部品110から照明器具300に電力が供給される。なお、第6ケース部126には、電線30が挿通される配線用開口126aが形成されている。
【0036】
電源ケース120は、第3ケース部123から突出する固定部127および固定部128をさらに有する。固定部127および固定部128は、第1ケース部121および第2ケース部122とは反対側(C方向の他方側C2)に向かって突出する。言い換えると、固定部127および固定部128は、第3ケース部123から後述する第3カバー部230に向かって突出する。なお、本実施形態では、固定部127、固定部128および第3ケース部123は、単一の部材により形成されているが、固定部127および固定部128は、第3ケース部123に取り付けられてもよい。
【0037】
具体的には、固定部127は、第3ケース部123のB方向の一方側B1の端部に配置される。固定部127は、略L字形状に形成されている。固定部127は、第3ケース部123に対して略直交する第1部分127aと、第1部分127aからB方向の一方側B1に延びる第2部分127bとを有する。本実施形態では、第2部分127bには、ネジ挿入孔127cが形成されている。
【0038】
また、固定部128は、第3ケース部123のB方向の他方側B2の端部に配置される。固定部128は、略L字形状に形成されている。固定部128は、第3ケース部123に対して略直交する第1部分128aと、第1部分128aからB方向の他方側B2に延びる第2部分128bとを有する。本実施形態では、第2部分128bには、ネジ挿入孔128cが形成されている。
【0039】
図6は、本実施形態の電源装置ユニット1を示す斜視図である。
図7は、本実施形態の電源装置ユニット1をC方向の一方側C1から示す底面図である。
図8は、本実施形態の電源装置ユニット1の電源カバー200を示す平面図である。
【0040】
図5~
図7に示すように、電源カバー200は、電源装置100を覆うように電源装置100に取り付けられる。本実施形態では、電源カバー200は、電源装置100に対して着脱可能に取り付けられる。電源カバー200は、第1カバー部210と、第2カバー部220と、第3カバー部230とを有する。第1カバー部210および第2カバー部220は、互いに対向する。第1カバー部210および第2カバー部220は、A方向に互いに離隔する。第3カバー部230は、第1カバー部210および第2カバー部220のC方向の他方側C2の端部同士を接続する。
【0041】
第1カバー部210は、電源ケース120の第1ケース部121に対向する。第1カバー部210は、第1ケース部121に対して略平行に配置される。第2カバー部220は、電源ケース120の第2ケース部122に対向する。第2カバー部220は、第2ケース部122に対して略平行に配置される。第3カバー部230は、電源ケース120の第3ケース部123に対向する。第3カバー部230は、第3ケース部123に対して略平行に配置される。
【0042】
本実施形態では、第1カバー部210、第2カバー部220および第3カバー部230は、1つの部材で形成されている。具体的には、1枚の板金を所定位置で折り曲げることによって、電源カバー200が形成される。
【0043】
ここで、第1ケース部121と第1カバー部210との間、および、第2ケース部122と第2カバー部220との間の少なくとも一方には、空間S201(
図5参照)が形成される。本実施形態では、電源装置100は、電源カバー200のA方向の中央に配置される。従って、第1ケース部121と第1カバー部210との間、および、第2ケース部122と第2カバー部220との間の両方に、空間S201が形成される。つまり、第1カバー部210は、第1ケース部121に対して離隔し、第2カバー部220は、第2ケース部122に対して離隔する。
【0044】
また、電源カバー200は、第1突出部241と、第2突出部242とをさらに有する。第1突出部241は、第1カバー部210の第3カバー部230とは反対側(C方向の一方側C1)の端部に配置される。第1突出部241は、第1カバー部210から第2カバー部220に向かって突出する。第2突出部242は、第2カバー部220の第3カバー部230とは反対側の端部に配置される。第2突出部242は、第2カバー部220から第1カバー部210に向かって突出する。つまり、第1突出部241および第2突出部242は、互いに近づくように、第1カバー部210および第2カバー部220から突出する。
【0045】
第1突出部241は、ネジ挿入孔241aを有する。ネジ挿入孔241aは、第1突出部241のうちB方向の他方側B2の端部に配置される。第2突出部242は、ネジ挿入孔242aを有する。ネジ挿入孔242aは、第2突出部242のうちB方向の一方側B1の端部に配置される。つまり、ネジ挿入孔241aおよびネジ挿入孔242aは、B方向において互いに反対側に配置される。ネジ挿入孔241aおよびネジ挿入孔242aは、電源カバー200を天井1000の上面(天井裏側の面)等にネジ止めするための孔である。
【0046】
第3カバー部230は、切欠き部230aおよび切欠き部230bを有する。切欠き部230aおよび切欠き部230bは、ネジ挿入孔241aおよびネジ挿入孔242aにそれぞれ対応する位置に配置される。具体的には、
図6および
図8に示すように、切欠き部230aは、第1突出部241のネジ挿入孔241aを含む所定領域に対向する。また、切欠き部230bは、第2突出部242のネジ挿入孔242aを含む所定領域に対向する。従って、電源カバー200をC方向の他方側C2から見た場合、切欠き部230aを介してネジ挿入孔241aが見え、切欠き部230bを介してネジ挿入孔242aが見える。
【0047】
また、第3カバー部230は、取付孔230cと、複数の取付孔230dとを有する。取付孔230cおよび複数の取付孔230dは、電源装置100を電源カバー200にネジ止めするための孔である。取付孔230cおよび複数の取付孔230dは、第3カバー部230のうちA方向の中央に略一直線状に配置される。取付孔230cは、第3カバー部230のうちB方向の他方側B2の端部に配置される。複数の取付孔230dは、取付孔230cから所定距離を隔てて配置される。
【0048】
ここで、電源カバー200は、複数種類の電源装置100に対応している。つまり、複数種類の電源装置100に対して1種類の電源カバー200が準備される。そして、取付孔230cは、共通孔であり、いずれの種類の電源装置100を電源カバー200に取り付ける場合であっても、電源装置100の一端が取付孔230cを用いてネジ止めされる。一方、複数の取付孔230dは、電源装置100のB方向の長さに応じて設けられている。電源装置100のB方向の長さに応じて複数の取付孔230dのうちいずれか一つが選択され、選択された取付孔230dに電源装置100の他端がネジ止めされる。
【0049】
電源カバー200は、傾斜部250をさらに有する。傾斜部250は、第3カバー部230のB方向の一方側B1の端部に配置される。傾斜部250は、第3カバー部230から遠ざかるにしたがってC方向の一方側C1に向かって傾斜する。本実施形態では、傾斜部250は、第3カバー部230に対して例えば30°以上、60°以下傾斜する。また、傾斜部250のうちの第3カバー部230とは反対側のコーナー部は、R形状を有する。言い換えると、傾斜部250のうちの第3カバー部230から最も遠い部分のコーナー部は、R形状を有する。
【0050】
図5に示すように、本実施形態の電源装置ユニット1では、電源装置100が電源カバー200に取り付けられた状態で、第3ケース部123と第3カバー部230との間には、空間S202が形成される。つまり、第3ケース部123は、第3カバー部230から離隔する。第3ケース部123は、第3カバー部230から例えば5mm以上、20mm以下離隔する。
【0051】
また、電源装置100が電源カバー200に取り付けられた状態で、第4ケース部124と仮想天井面P1000との間には、空間が形成される。つまり、電源装置ユニット1を天井1000上に配置した状態で、第4ケース部124と天井1000との間には、空間S203が形成される。第4ケース部124は、仮想天井面P1000から例えば5mm以上、20mm以下離隔する。なお、仮想天井面P1000は、例えば、第1突出部241の外面、および、第2突出部242の外面を含む仮想面である。
【0052】
本実施形態の電源装置ユニット1は、天井1000上にグラスウール1100が配置されている場合(断熱施工時)にも、天井1000上にグラスウール1100が配置されていない場合(非断熱施工時)にも、対応している。具体的には、天井1000上にグラスウール1100が配置されている場合、電源装置100に電源カバー200が取り付けられた電源装置ユニット1を用いる。このとき、電源カバー200のネジ挿入孔241aおよび242aを用いて、電源装置ユニット1が天井1000の上面に固定される。なお、電源装置ユニット1は、天井1000に固定せず、天井1000の上面に置いてもよい。
【0053】
一方、天井1000上にグラスウール1100が配置されていない場合、電源装置100に電源カバー200が取り付けられていない電源装置ユニット1を用いる。このとき、電源ケース120のネジ挿入孔127cおよび128cを用いて、電源装置100が天井1000の上面に固定される。なお、電源装置100は、天井1000に固定せず、天井1000の上面に置いてもよい。
【0054】
このように、本実施形態では、断熱施工および非断熱施工のいずれの場合にも、同じ電源装置100を用いることができるため、電源装置100の種類が多くなることを抑制できる。
【0055】
また、本実施形態では、上述したように、電源カバー200は、電源装置100に対して着脱可能に取り付けられる。従って、電源装置100に電源カバー200が一旦取り付けられた後であっても、電源装置100を電源カバー200から取り外して非断熱施工の天井1000に用いることができる。
【0056】
次に、照明装置500を天井1000に設置する方法について説明する。ここでは、天井1000上にグラスウール1100が配置されている場合について説明する。
図9は、照明装置500を天井1000に設置する方法を説明するための断面図である。
図10は、電源装置ユニット1を天井1000とグラスウール1100との間に配置した状態を示す断面図である。
【0057】
図9に示すように、照明装置500を天井1000に設置する場合、まず、電源装置ユニット1を天井1000上に配置する。具体的には、電源装置ユニット1をB方向の一方側B1から天井1000の開口1000aに挿入する。そして、電源装置ユニット1でグラスウール1100を押し上げて天井1000とグラスウール1100との間に隙間を作り、電源装置ユニット1を天井1000とグラスウール1100との間に押し込む。このとき、電源カバー200には傾斜部250が形成されており、傾斜部250がグラスウール1100に対して面で接触するため、電源カバー200がグラスウール1100に引っ掛かることを抑制できる。これにより、電源装置ユニット1を天井1000とグラスウール1100との間に配置する際の作業性が低下することを抑制できるとともに、グラスウール1100が損傷することを抑制できる。
【0058】
次に、照明器具300を天井1000の開口1000aに挿入し、取付部材(図示せず)により照明器具300(
図2参照)を天井1000に取り付ける。そして、必要に応じて、電源装置ユニット1の電源カバー200を天井1000にネジ止めする。
【0059】
図10に示すように、電源装置ユニット1を天井1000上に配置した状態で、電源装置ユニット1の上方および側方は、グラスウール1100に覆われる。
【0060】
本実施形態では、上述したように、第1ケース部121と第1カバー部210との間、および、第2ケース部122と第2カバー部220との間の少なくとも一方には、空間S201が形成される。従って、回路基板111で発生する熱を空間S201に放熱できるので、電源装置100の放熱性が低下することを抑制できる。また、本実施形態では、第1ケース部121と第1カバー部210との間、および、第2ケース部122と第2カバー部220との間の両方に、空間S201が形成されるので、電源装置100の放熱性が低下することをより抑制できる。
【0061】
また、上述したように、第3ケース部123と第3カバー部230との間には、空間S202が形成される。従って、回路基板111で発生する熱を空間S202にも放熱できるので、電源装置100の放熱性が低下することをさらに抑制できる。
【0062】
また、上述したように、第4ケース部124と天井1000との間には、空間S203が形成される。従って、回路基板111で発生する熱を空間S203にも放熱できるので、電源装置100の放熱性が低下することをより抑制できる。
【0063】
また、上述したように、電源カバー200の第1突出部241は、第1カバー部210から第2カバー部220に向かって突出する。また、第2突出部242は、第2カバー部220から第1カバー部210に向かって突出する。従って、電源カバー200の外形が大きくなることを抑制できる。よって、電源装置ユニット1を天井1000の開口1000aに挿入しにくくなることを抑制できる。つまり、第1突出部241および第2突出部242を設ける場合であっても、第1カバー部210と第2カバー部220との距離を短くする必要がないので、空間S201が狭くなることを抑制できる。
【0064】
次に、
図11~
図16を参照して、本発明の変形例による電源装置ユニット1について説明する。
【0065】
図11は、本発明の第1変形例による電源装置ユニット1の構造を示す断面図である。
図11に示すように、第1変形例の電源装置ユニット1では、上記実施形態の第4ケース部124に相当する部分129aが電源カバー200の第3カバー部230に対向する。第1変形例では、部分129aが、第3ケース部123である。また、上記実施形態の第3ケース部123に相当する部分129bが、第4ケース部124である。第3変形例では、例えば、部分129aが電源カバー200の第3カバー部230に固定されてもよい。
【0066】
図12は、本発明の第2変形例による電源装置ユニット1の構造を示す断面図である。
図12に示すように、第2変形例の電源装置ユニット1では、上記実施形態とは異なり、第1ケース部121と第1カバー部210との間、および、第2ケース部122と第2カバー部220との間の一方のみに、空間S201が形成される。この場合、上記実施形態と同様、電源ケース120は電源カバー200の第3カバー部230に固定されてもよい。また、例えば、電源ケース120の第1ケース部121が電源カバー200の第1カバー部210に固定されてもよい。
【0067】
図13は、本発明の第3変形例による電源装置ユニット1の構造を示す断面図である。
図13に示すように、第3変形例の電源装置ユニット1では、上記実施形態とは異なり、空間S203は、空間S202に比べて狭くなっている。具体的には、第4ケース部124は、仮想天井面P1000から例えば数mmだけ離隔する。
【0068】
図14は、本発明の第4変形例による電源装置ユニット1の構造を示す断面図である。
図14に示すように、第4変形例の電源装置ユニット1では、上記実施形態とは異なり、電源カバー200は、第4カバー部240を有する。電源カバー200は、第1カバー部210、第2カバー部220、第3カバー部230および第4カバー部240によって、筒状に形成されている。第4カバー部240は、電源ケース120の第4ケース部124に対向する。第4カバー部240は、例えば、第1カバー部210および第2カバー部220を接続してもよい。
【0069】
図15は、本発明の第5変形例による電源装置ユニット1の構造を示す断面図である。
図15に示すように、第5変形例の電源装置ユニット1では、上記実施形態とは異なり、第1突出部241および第2突出部242は、互いに遠ざかるように、第1カバー部210および第2カバー部220から突出する。具体的には、第1突出部241は、第1カバー部210から第2カバー部220とは反対側(A方向の一方側A1)に向かって突出する。第2突出部242は、第2突出部242は、第2カバー部220から第1カバー部210とは反対側(A方向の他方側A2)に向かって突出する。第5変形例の電源装置ユニット1では、電源カバー200が天井1000の開口1000aの周縁に接触することを抑制するために、第3カバー部230のA方向の長さは、上記実施形態の第3カバー部230のA方向の長さよりも短くなっている。
【0070】
図16は、本発明の第6変形例による電源装置ユニット1の電源カバー200の構造を示す斜視図である。
図16に示すように、第6変形例の電源装置ユニット1では、上記実施形態とは異なり、電源カバー200は、電線30(
図1参照)を保持する保持部260をさらに有する。保持部260は、例えば、第3カバー部230のB方向の端部に配置される。保持部260は、例えば、電線30が挿通される挿通孔260aを有する。第6変形例では、電源カバー200に保持部260を設けることによって、例えば電線30を引っ張った際に、電線30とコネクタ20との接続部分に負荷がかかることを抑制できる。
【0071】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合がある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質や形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0072】
例えば、上記の実施形態では、電源カバー200は、電源装置100に対して着脱可能に取り付けられる例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば、電源カバー200は、電源装置100に対して溶接等によって取り付けられてもよい。つまり、電源カバー200は、電源装置100に対して取り外しできないように固定されてもよい。
【0073】
また、上記の実施形態では、電源カバー200が傾斜部250を有する例について示したが、本発明はこれに限らず、電源カバー200は傾斜部250を有しなくてもよい。
【0074】
また、例えば第3変形例では、空間S203が空間S202に比べて狭い例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば、第4ケース部124は、第1突出部241および第2突出部242の外面と面一に配置されてもよい。言い換えると、第4ケース部124と天井1000(仮想天井面P1000)との間には、空間S203が形成されなくてもよい。
【0075】
また、例えば第6変形例では、電源カバー200が電線30を保持する保持部260を有する例について示したが、本発明は限らない。例えば、電源カバー200は、電源線(図示せず)を保持する保持部を有してもよい。電源線(図示せず)は、商用電源から電源装置100に電力を供給する電線である。
【0076】
また、上記の実施形態では、回路基板111が第3ケース部123に取り付けられる例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば、回路基板111が第4ケース部124に取り付けられてもよい。
【0077】
また、上記の実施形態では、照明装置500を天井に配置する例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば、照明装置500を側壁に配置してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、電源装置ユニットおよび照明装置の分野に有用である。
【符号の説明】
【0079】
1 :電源装置ユニット
30 :電線
100 :電源装置
110 :電源部品
111 :回路基板(電源部品)
112a、112b、112c :回路部品(電源部品)
120 :電源ケース
121 :第1ケース部
122 :第2ケース部
123 :第3ケース部
127、128 :固定部
200 :電源カバー
210 :第1カバー部
220 :第2カバー部
230 :第3カバー部
241 :第1突出部
242 :第2突出部
250 :傾斜部
260 :保持部
300 :照明器具
500 :照明装置
S201、S202 :空間