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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170686
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】情報処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20120101AFI20231124BHJP
【FI】
G06Q50/16
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022082601
(22)【出願日】2022-05-19
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】畑 憲太郎
(72)【発明者】
【氏名】谷口 由季
(72)【発明者】
【氏名】▲徳▼弘 龍太郎
(72)【発明者】
【氏名】伊東 純也
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC27
(57)【要約】
【課題】売却物件情報が不特定者に知られる前の段階で物件の所有者に対する不動産取引の営業を可能にする。
【解決手段】インフラ事業の契約又は使用状況に基づいて人が住まなくなる空き家になる可能性のある空き家可能性情報を取得する空き家可能性情報取得部14と、空き家可能性情報取得部14により取得した空き家可能性情報を不動産取引の営業先の候補として出力する出力部15と、を備えることを特徴とする管理サーバ10である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インフラ事業の契約又は使用状況に基づいて人が住まなくなる空き家になる可能性のある空き家可能性情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した前記空き家可能性情報を不動産取引の営業先の候補として出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記空き家可能性情報は、前記空き家になるときの人の作為又は不作為の情報に基づくものである、ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記人の作為又は不作為の情報は、前記インフラ事業についての契約者側の事由によるサービス停止又はサービス利用量の変化に関する情報である、ことを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記人の作為又は不作為の情報は、前記インフラ事業についての使用量の変化に関する情報である、ことを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記人の作為又は不作為の情報は、前記インフラ事業についての使用傾向の変化に関する情報である、ことを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記人の作為又は不作為の情報は、前記インフラ事業としての通信を利用するユーザの所在を示す位置情報に当該ユーザが住む家の位置情報が含まれないことを示す情報である、ことを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記インフラ事業の契約者の属性情報に対する条件で前記空き家可能性情報を絞り込む処理を行う処理手段をさらに備え、
前記出力手段は、前記不動産取引の営業先の候補として、前記処理手段による絞り込み処理の結果を出力する、ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記属性情報に対する条件は、前記契約及び/又は前記契約者の住所により特定される建物に関する条件である、ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記属性情報に対する条件は、当該属性情報に、前記契約の年数が予め定められている値以上であることを示す情報が含まれていることである、ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記属性情報に対する条件は、当該属性情報に、前記建物の築年数が予め定められている値以上であることを示す情報が含まれていることである、ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記属性情報に対する条件は、当該属性情報に、分譲マンションの建物であることを特定する情報が含まれていることである、ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記分譲マンションの建物であることを特定する情報には、部屋の広さ及び/又は間取りを示す情報が含まれている、ことを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記分譲マンションの建物であることを特定する情報には、最寄り駅を示す情報が含まれている、ことを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記分譲マンションの建物であることを特定する情報には、前記最寄り駅からの距離を直接的又は間接的に示す情報が含まれている、ことを特徴とする請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記分譲マンションの建物であることを特定する情報には、過去の不動産取引に関する情報が含まれている、ことを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記属性情報に対する条件は、当該属性情報に、前記契約者の契約に関する条件として、前記インフラ事業の契約の複数の種類を示す情報が含まれている、ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記属性情報に対する条件は、当該属性情報に、エネルギー使用傾向に変化があり当該変化は減少であることを示す情報が含まれている、ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記属性情報に対する条件は、当該属性情報に、前記契約者以外の者から当該契約者を特定する情報を受け付けた場合であって当該者と当該契約者との関係を示す情報が含まれている、ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項19】
前記属性情報に対する条件は、前記インフラ事業を行う事業者側が前記建物の居住者との過去に遡った直近の接点以降の期間を示す情報が含まれていることである、ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項20】
前記属性情報に対する条件は、前記インフラ事業による提供に関して用いられる機器が前記建物の居住部に設置された時期以降の期間を示す情報が含まれていることである、ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項21】
前記属性情報に対する条件は、前記建物が所在するエリアにおける人及び/又は世帯に関する統計情報が含まれることである、ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項22】
情報処理装置に、
インフラ事業の契約又は使用状況に基づいて人が住まなくなる空き家になる可能性を示す情報を取得し、当該可能性を示す情報の属性情報を取得する取得機能と、
前記取得機能により取得した前記可能性を示す情報の群について、前記属性情報に対する条件を用いて絞り込み処理を行う処理機能と、
を実現させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
環境問題や資源有効活用への意識の高まりにより不動産の新築偏重の傾向が見直されつつある中で、中古マンション等の中古住宅市場が活性化されている。
例えば特許文献1には、ネットワークに接続されて不動産の買取を支援する不動産買取システムとして、ネットワークに接続され、不動産情報やユーザ情報の送受信を行うネットワーク通信手段と、ネットワーク通信手段で受信した不動産の物件情報を登録する物件登録手段と、物件登録手段で登録された物件情報からネットワーク上に提供する物件提供情報を準備する物件提供手段と、を備え、ネットワーク通信手段は、物件提供手段で準備された物件提供情報を、ネットワークを介して開示する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-024596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、近年では、中古物件を仲介業者経由で売買する個人間取引の他、中古物件を仲介業者が買い取ってリフォームやリノベーションにより資産価値を高めた上で新築よりも割安な価格で再販する買取再販ビジネスがある。かかる買取再販ビジネスでは、従前からの仲介ビジネス同様に中古物件を大量に仕入れることが事業継続性の点で重要である。
売却を検討している中古物件の所有者においては、一般的には、ビラ、DM(Direct Mail)、TVコマーシャル、街での看板、などを介して知った不動産業者(仲介業者、買取再販業者問わず)に所有者自身が連絡をし、自ら売却の意思を伝えるが、不動産業者から所有者へのアプローチ方法は前述のように限られており、受動的に待ち受けることになる。すなわち、売却意思のある所有者を不動産業者が特定することは難しく、特定できないと中古物件を大量に安定的に仕入れることは難しい。
【0005】
本発明の目的は、このような課題を解決することであり、具体的には、売却物件情報が不特定者に知られる前の段階で物件の所有者に対する不動産取引の営業を可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的のもと、本発明は、インフラ事業の契約又は使用状況に基づいて人が住まなくなる空き家になる可能性のある空き家可能性情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得した前記空き家可能性情報を不動産取引の営業先の候補として出力する出力手段と、を備えることを特徴とする情報処理装置である。
ここで、前記空き家可能性情報は、前記空き家になるときの人の作為又は不作為の情報に基づくものである、ことを特徴とすることができる。すなわち、前記人の作為又は不作為の情報は、前記インフラ事業についての契約者側の事由によるサービス停止又はサービス利用量の変化に関する情報である、ことを特徴とすることができる。また、前記人の作為又は不作為の情報は、前記インフラ事業についての使用量の変化に関する情報である、ことを特徴とすることができ、前記人の作為又は不作為の情報は、前記インフラ事業についての使用傾向の変化に関する情報である、ことを特徴とすることができ、前記人の作為又は不作為の情報は、前記インフラ事業としての通信を利用するユーザの所在を示す位置情報に当該ユーザが住む家の位置情報が含まれないことを示す情報である、ことを特徴とすることができる。
また、前記インフラ事業の契約者の属性情報に対する条件で前記空き家可能性情報を絞り込む処理を行う処理手段をさらに備え、前記出力手段は、前記不動産取引の営業先の候補として、前記処理手段による絞り込み処理の結果を出力する、ことを特徴とすることができる。かかる場合に、前記属性情報に対する条件は、前記契約及び/又は前記契約者の住所により特定される建物に関する条件である、ことを特徴とすることができる。前記属性情報に対する条件は、当該属性情報に、前記契約の年数が予め定められている値以上であることを示す情報が含まれていることである、ことを特徴とすることができ、前記属性情報に対する条件は、当該属性情報に、前記建物の築年数が予め定められている値以上であることを示す情報が含まれていることである、ことを特徴とすることができ、前記属性情報に対する条件は、当該属性情報に、分譲マンションの建物であることを特定する情報が含まれていることである、ことを特徴とすることができる。さらにまた、前記分譲マンションの建物であることを特定する情報には、部屋の広さ及び/又は間取りを示す情報が含まれている、ことを特徴とすることができ、前記分譲マンションの建物であることを特定する情報には、最寄り駅を示す情報が含まれている、ことを特徴とすることができ、前記分譲マンションの建物であることを特定する情報には、前記最寄り駅からの距離を直接的又は間接的に示す情報が含まれている、ことを特徴とすることができ、前記分譲マンションの建物であることを特定する情報には、過去の不動産取引に関する情報が含まれている、ことを特徴とすることができる。
ここで、前記属性情報に対する条件は、当該属性情報に、前記契約者の契約に関する条件として、前記インフラ事業の契約の複数の種類を示す情報が含まれている、ことを特徴とすることができる。また、前記属性情報に対する条件は、当該属性情報に、エネルギー使用傾向に変化があり当該変化は減少であることを示す情報が含まれている、ことを特徴とすることができる。さらに、前記属性情報に対する条件は、当該属性情報に、前記契約者以外の者から当該契約者を特定する情報を受け付けた場合であって当該者と当該契約者との関係を示す情報が含まれている、ことを特徴とすることができる。
ここで、前記属性情報に対する条件は、前記インフラ事業を行う事業者側が前記建物の居住者との過去に遡った直近の接点以降の期間を示す情報が含まれていることである、ことを特徴とすることができ、前記属性情報に対する条件は、前記インフラ事業による提供に関して用いられる機器が前記建物の居住部に設置された時期以降の期間を示す情報が含まれていることである、ことを特徴とすることができ、さらに、前記属性情報に対する条件は、前記建物が所在するエリアにおける人及び/又は世帯に関する統計情報が含まれることである、ことを特徴とすることができる。
上記の目的を達成する他の本発明は、情報処理装置に、インフラ事業の契約又は使用状況に基づいて人が住まなくなる空き家になる可能性を示す情報を取得し、当該可能性を示す情報の属性情報を取得する取得機能と、前記取得機能により取得した前記可能性を示す情報の群について、前記属性情報に対する条件を用いて絞り込み処理を行う処理機能と、を実現させるプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、売却物件情報が不特定者に知られる前の段階で物件の所有者に対する不動産取引の営業を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態に係る不動産取引案内システムの全体構成例を示す図である。
図2】管理サーバ及び端末のハードウェア構成例を示す図である。
図3】管理サーバの機能構成例を示す図である。
図4】不動産取引案内を説明するフローチャートである。
図5】絞り込み条件を説明する図である。
図6】第2の実施の形態に係る不動産取引案内を説明するフローチャートである。
図7】ガス消費量の変化があった顧客の抽出を説明する図であり、(a)及び(c)は、3月までの毎月の消費量、(b)は、同じ顧客の昨年の毎月の消費量を示す。
図8】第3の実施の形態に係る不動産取引案内システムの全体構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<第1の実施の形態の不動産取引案内システムの構成>
図1は、第1の実施形態に係る不動産取引案内システム1の全体構成例を示す図である。
第1の実施形態に係る不動産取引案内システム1は、インフラ事業の契約又は使用に関する情報を用いて人が住まなくなる空き家の推定を行い、不動産取引の営業効率が向上する不動産取引先の候補を案内するシステムである。
なお、空き家と推定される不動産には、現在の居住者が引っ越しする予定がある場合のほか、すでに引っ越ししている場合も含まれる。
【0010】
ここにいうインフラ事業とは、産業や生活を支える基盤としての事業をいい、電力やガス等のエネルギーインフラ事業が含まれる。エネルギーインフラ事業の契約や使用状況の変化は、空き家推定に有用な情報である。また、ここにいうインフラ事業に、空き家推定に有用な可能性がある他のインフラ事業を含ませることができる。インフラ事業の分類には様々なものがあるが、例えば、上下水道や放送受信のほか、電話網及び通信網の通信インフラ等の生活インフラ事業を挙げることができる。
【0011】
不動産取引案内システム1は、管理サーバ10と、端末20と、端末30と、端末40を備える。管理サーバ10と端末20、管理サーバ10と端末30、および管理サーバ10と端末40とは、ネットワーク50を介して接続されている。
【0012】
端末20は、インフラ事業に関する消費者ないし利用者、使用者(以下、使用者という)の装置であり、電話機T20と共に居住用建物内にある。
端末30は、インフラ事業の供給者ないし提供者、事業者(以下、事業者という)の装置である。事業者には、使用者の電話機T20と通話するための電話機T30がある。
端末40は、不動産取引例えば不動産買取取引や不動産仲介取引を行う取引業者の装置である。取引業者には、端末40から各種の印刷を行うためのプリンターP40がある。
【0013】
不動産取引案内システム1の管理サーバ10は、中古マンション等の中古住宅の情報を取得し、また、中古住宅におけるガスや電力、水道、電話、通信等の契約や利用状況の情報を取得する。より詳細には、上述した中古住宅の情報は、住宅情報等のデータベースにより取得してもよく、インターネット等で公開されている情報から自動取得ないし手動での取得をしてもよい。
ここにいう中古住宅は、現在住居者がいる居住用建物であり、新築時から居住者がいない居住用建物は含まれない。さらに説明すると、中古住宅は、現在の住居者が新築当時から居住している場合の他、現居住者の前に前居住者がいた場合も含まれる。また、建築後予め定められている年数が経過しても売買契約が成立していない新築のマンションは、新古マンションとも呼ばれるが、かかる新古マンションは中古住宅に含まれない。
【0014】
そして、管理サーバ10は、取引業者の端末40からの指示に応じて、取得した情報を基に、現在又は近い将来、空き家の可能性が高い不動産を推定した情報を取得する。かかる推定は、上述したインフラ事業の契約や使用状況の変化の情報等の情報を用いた絞り込み処理により行われる。かかる絞り込み処理に用いられる情報である絞り込み情報は、使用者の端末20から直接取得してもよく、使用者の端末20に入力された情報の一部又は全部を事業者の端末30を介して取得してもよく、また、使用者から端末20を介さずに電話等で事業者に通知された情報の一部又は全部を事業者の端末30から直接取得してもよい。
また、管理サーバ10は、絞り込み処理により取得した推定の情報を不動産取引先の候補として端末40に出力する。
【0015】
管理サーバ10は、例えば、コンピュータにより実現される。管理サーバ10は、単一のコンピュータにより構成しても良いし、複数のコンピュータによる分散処理により実現しても良い。管理サーバ10は、情報処理装置の一例である。
【0016】
端末20は、上述したように、インフラ事業の使用者の装置であり、例えば、PC(PersonalComputer)等により実現される。
端末30は、上述したように、インフラ事業の事業者の装置であり、例えば、PC等により実現される。事業者としては、例えば、ガスを供給するガス事業者や、電力を供給する電力事業者である。かかるガス事業者や電力事業者は、サービス提供者ということができる。
端末40は、上述したように、不動産取引の取引業者の装置であり、例えば、PC等により実現される。取引業者としては、不動産買取業者や不動産仲介業者である。
【0017】
なお、第1の実施の形態では、端末30と端末40とが互いに異なる装置である構成例を採用するが、これに限られず、端末30及び端末40が同じ装置である構成例を採用してもよい。また、第1の実施の形態では、管理サーバ10と端末40とが互いに異なる装置である構成例を採用するが、これに限られず、管理サーバ10及び端末40が同じ装置である構成例を採用してもよい。
さらに、第1の実施の形態では、管理サーバ10と端末30と端末40とが互いに異なる装置である構成例を採用するが、これに限られず、管理サーバ10、端末30及び端末40が同じ装置である構成例を採用してもよい。
【0018】
また、管理サーバ10と端末20との接続、管理サーバ10と端末30との接続、および管理サーバ10と端末40との接続に用いられるネットワーク50は、データの送受信が可能であれば、その種類は特に限定されず、例えばインターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等として良い。データ通信に用いられる通信回線は、有線であっても無線であっても良い。また、複数のネットワーク50や通信回線を介して各装置を接続する構成としても良い。
【0019】
<ハードウェア構成例>
図2は、管理サーバ10及び端末20~40のハードウェア構成例を示す図である。
図2に示すように、管理サーバ10、使用者の端末20、事業者の端末30および取引業者の端末40の各々は、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)100aと、主記憶手段であるメモリ100cとを備える。また、各装置は、外部デバイスとして、磁気ディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)100g、ネットワークインターフェイス100f、表示機構100d、音声機構100h、キーボードやマウス等の入力デバイス100i等を備える。
【0020】
メモリ100cおよび表示機構100dは、システムコントローラ100bを介してCPU100aに接続されている。また、ネットワークインターフェイス100f、磁気ディスク装置100g、音声機構100hおよび入力デバイス100iは、I/Oコントローラ100eを介してシステムコントローラ100bと接続されている。各構成要素は、システムバスや入出力バスなどの各種のバスによって接続される。
【0021】
磁気ディスク装置100gには、各機能を実現するためのプログラムが格納されている。そして、このプログラムがメモリ100cにロードされ、このプログラムに基づく処理がCPU100aにより実行されることで、各種の機能が実現される。
【0022】
<管理サーバの機能構成>
次に、管理サーバ10の機能構成について説明する。
図3は、管理サーバ10の機能構成例を示す図である。
管理サーバ10は、送受信部11と、取得部12と、絞り込み処理部13と、空き家可能性情報取得部14と、出力部15と、を備える。
【0023】
送受信部11は、ネットワーク50(図1参照)を介して使用者の端末20、事業者の端末30および取引業者の端末40と接続するためのネットワークインターフェイスである。これにより、管理サーバ10は、端末20~40とデータ交換を行う。
【0024】
取得部12は、絞り込み処理部13により空き家可能性情報を絞り込む処理を行うのに必要な情報を取得する。すなわち、取得部12は、事業者の端末30(図1参照)に格納されている契約している顧客の情報(顧客情報)である顧客の属性情報及び後述の閉栓依頼顧客リストを端末30からネットワーク50(図1参照)を介して取得する。また、取得部12は、ネットワーク50を介して後述の分譲マンションリストを取得する。また、取得部12は、販売されている分譲マンションリストのデータを取得してもよい。
さらに、取得部12は、後述の絞り込み条件(例えば図5参照)を取得する。
【0025】
このように、取得部12は、使用者の情報である母集団を基に空き家可能性情報を取得するために必要な情報を取得する。ここにいう母集団は、インフラ事業の契約又は使用に関する情報を取得可能な顧客の情報により特定される顧客群である。母集団には、契約者の氏名や住所(住居表示)、契約者番号等の属性情報が含まれる。また、母集団は、全契約者の場合の他、全契約者のうち契約や使用状況の変化があった契約者であってもよい。
【0026】
顧客の属性情報は、インフラ事業の契約者の属性情報の一例である。後述の閉栓依頼顧客リスト及び分譲マンションリスト、並びに絞り込み条件(図5参照)は、インフラ事業の契約者の属性情報に対する条件の一例である。分譲マンションリスト及び絞り込み条件は、契約及び/又は契約者の住所により特定される建物に関する条件の一例である。絞り込み条件は、属性情報に、契約の年数が予め定められている値以上であることを示す情報が含まれていることの一例である。また、絞り込み条件は、属性情報に、建物の築年数が予め定められている値以上であることを示す情報が含まれていることの一例であり、属性情報に、分譲マンションの建物であることを特定する情報が含まれていることの一例である。契約者番号又は契約者の氏名は、契約者を特定する情報の一例である。
【0027】
管理サーバ10の絞り込み処理部13は、絞り込み条件(図5参照)等を用いた母集団のデータ分析を行うことにより、母集団から絞り込んだ空き家可能性情報を取得する。かかる絞り込み条件(同図参照)は、複数の絞り込み情報を用いて母集団をどのように絞り込むかを示す条件であり、詳細は後述する。
【0028】
空き家可能性情報取得部14は、絞り込み処理部13により、事前に設定された複数の絞り込み条件の各々について行った絞り込み処理の結果を、空き家可能性情報として取得する。空き家可能性情報は、後述するように、例えば中古分譲マンションにおける分譲単位である部屋を示す情報が含まれ、不動産取引の営業を行うとされる不動産取引の営業先の候補である。
ここにいう空き家可能性情報は、引っ越し等により不動産取引の対象になり得る物件の情報等の、インフラ事業の契約又は使用状況に基づいて人が住まなくなる空き家になる可能性のある情報であり、家を売却する可能性のあるインフラ事業の契約者の情報が含まれる。
【0029】
出力部15は、空き家可能性情報取得部14により取得された空き家可能性情報を不動産取引の営業先の候補として出力する。出力先は、取引業者の端末40であり、ネットワーク50(図1参照)を介して行われる。
【0030】
ここで、管理サーバ10の空き家可能性情報取得部14は、取得手段の一例である。また、空き家可能性情報取得部14は、取得部12と共に取得機能の一例をなす。出力部15は、出力手段の一例である。
絞り込み処理部13は、処理手段の一例であり、処理機能の一例である。
【0031】
なお、「不動産取引の営業」は、不動産仲介の営業や不動産買取の営業が含まれる概念である。すなわち、「不動産取引の営業」は、所有者が売却しようとする不動産を不動産業者が買い取る不動産買取の場合と、不動産の買い手を不動産業者が見つける不動産仲介の場合が含まれる。第1の実施の形態は、中古物件の所有者が自ら不動産業者に売却の意思を伝える前の段階で所有者にアプローチするためのシステムであるところ、かかる観点から、不動産買取の場合と不動産仲介の場合に大きな差異がないことから、不動産買取の場合について以下説明し、不動産仲介の場合の説明を省略する。
また、中古物件は、居住用建物としての分譲マンション等の集合住宅のほか、分譲一戸建てであるが、以下の説明は、分譲マンションの場合である。
【0032】
図4は、不動産取引案内を説明するフローチャートであり、インフラ事業がガス事業である場合の処理例である。なお、ガス事業者は、電力の供給を行うことができるものとする。
同図に示すように、予めインターネット等からの分譲マンションの情報、例えばマンション名ないし建物名や、所在地、築年ないし築年月、階数等の情報を含む分譲マンションの情報を管理サーバ10の取得部12(図3参照)が取得し、分譲マンションリストを作成する(ステップ101)。
【0033】
顧客のガス閉栓依頼を、事業者の端末30(図1参照)からネットワーク50(同図参照)を介して管理サーバ10の取得部12(図3参照)が受け付ける(ステップ102)。なお、顧客のガス閉栓依頼は、例えば契約者氏名、連絡先、閉栓希望日等の情報と共に行われる。
【0034】
ここで、閉栓依頼は、主に、使用者の電話機T20(図1参照)から事業者の電話機T30(同図参照)で受け付ける電話受付や、使用者の端末20(同図参照)によるWeb申込みを事業者の端末30(同図参照)で受け付けるWeb受付により、受領することになる。受領した閉栓依頼は、ネットワーク50(同図参照)を介して管理サーバ10の送受信部11(図3参照)に送信される。上述の電話受付は、電話閉栓である。また、Web受付は、Webでの申し込みによる閉栓の場合である。
【0035】
ここにいう閉栓依頼は、ガスの使用停止のためのガスの閉栓依頼の場合を説明するが、これに限られず、インフラ事業に含まれるライフライン、例えば電力や水道の使用停止のための依頼の場合を含んでもよい。
なお、閉栓依頼には、引っ越しの場合のほか、しばらくの間留守にする長期不在等の場合も含まれるが、いずれの場合も閉栓により供給が停止され、契約が解約される。
付言すると、閉栓依頼は、予め定められている書式の葉書により行われることも想定されるが、かかる葉書の場合には、上述した電話閉栓に準じて処理することができる。
【0036】
そして、受け付けた閉栓依頼の情報を用いて、ガスの閉栓依頼を行った顧客のリストである閉栓依頼顧客リストを取得部12(図3参照)が作成する(ステップ103)。閉栓依頼顧客リストには、上述した電話閉栓とWeb閉栓の双方が区別可能な情報に含まれている。
閉栓依頼顧客リストは、ガス閉栓の連絡をした顧客の情報であり、空き家になるときの人の作為の情報の一例である。なお、閉栓依頼顧客リストに、料金滞納の顧客が含まれないようにしてもよい。
【0037】
事業者が保有する顧客の属性情報を、取得部12(図3参照)がネットワーク50(図1参照)を介して取得する(ステップ104)。かかる顧客の属性情報としては、事業者が保有するエネルギー消費の小売りの情報、例えばガスの小売り情報のほか、電力の小売り情報が含まれる。
さらに説明すると、顧客の属性情報は、事業者が保有する全顧客のうち閉栓依頼顧客リストにある顧客の属性情報としてもよく、また、閉栓依頼顧客リストとは関係なく全顧客の属性情報とする場合のほか、例えば営業地区ごとに分けられた顧客の属性情報とする場合でもよい。なお、ここにいう営業地区は、例えば分譲マンションが比較的多い地区に限ってもよい。
【0038】
そして、分譲マンションリスト、閉栓依頼顧客リスト及び顧客の属性情報を用いて絞り込み処理部13(図3参照)が絞り込み処理を行う(ステップ105)。かかる絞り込み処理により、人が住まなくなる空き家になる可能性のある空き家可能性情報を取得する。
なお、図4における分譲マンションリスト、閉栓依頼顧客リスト及び顧客の属性情報の作成ないし取得の順番は、その一例を示したものであり、他の順番であってもよい。
【0039】
第1の実施の形態における空き家可能性情報は、閉栓依頼顧客リストに基づくものであり、空き家になるときの人の作為の情報に基づくものの一例であり、サービス停止に関する情報の一例である。
【0040】
ステップ105の絞り込み処理では、例えば、閉栓依頼顧客リストにある顧客を、顧客の属性情報から住所等が分譲マンションリストに存在する物件であることで絞り込んだりすることが考えられる。また、分譲マンションリストの築年数の情報から、築年数が予め定められている値以上であることで絞り込んだり、顧客の属性情報からエネルギー契約年数が一定以上であることで絞り込んだりすることも考えられる。詳細は後述する。
【0041】
なお、閉栓依頼後に開栓依頼があった場合、契約者が同じであるかどうかにかかわらず、新たな顧客番号が付与されるが、顧客の住所等を基に、空き家可能性情報から除外するような処理を行うことが考えられる。
【0042】
絞り込み処理により取得した空き家可能性情報を出力部15(図3参照)が取引業者の端末40(図1参照)に出力する(ステップ106)。これにより、現在又は近い将来において空き家の可能性が高いと推定された物件が顕在化される前の段階で、管理サーバ10から取引業者の端末40に対して不動産取引の営業先の候補を提示することを可能にする。
【0043】
なお、取引業者の端末40では、管理サーバ10(図1参照)からの空き家可能性情報を表示装置に表示し、また、プリンターP40(同図参照)で印刷することができる。さらに説明すると、プリンターP40は、取引業者が不動産の所有者に対し不動産取引営業のために営業電話をかけるための架電リストを印刷する。
【0044】
さらに説明すると、顧客からの閉栓依頼の情報を用いて空き家可能性を判断する第1の実施の形態では、空き家可能性情報の出力は、営業先の電話番号を示す架電リストの形式で行われる。すなわち、閉栓依頼の顧客について架電リストが作成される。これは、電話閉栓の場合のみならずWeb閉栓の場合であっても、閉栓依頼を受け付ける際、後日連絡がとれる電話番号を取得するようにしているからである。
なお、第1の実施の形態の場合であっても、閉栓依頼の顧客に対してDMリストを作成してもよい。すなわち、プリンターP40は、DM送付するための送付先リストを印刷したり、不動産取引用の営業資料を送付する封筒に送付先を差し込み印刷したりしてもよい。
【0045】
ここで、絞り込み処理を行う場合の絞り込み条件について説明する。
図5は、絞り込み条件を説明する図であり、その一例を示す。絞り込み条件は、属性情報に対する条件の一例である。
かかる絞り込み条件としては、例えば築年数や、Web閉栓/電話閉栓の別、契約期間等の情報またはこれらの組み合わせが用いられる。
【0046】
ここにいう築年数は、竣工からある程度の年数が経った物件に絞られ、竣工して間もない築浅の物件が除外される。
築年数が数年である築浅物件は、資産価値が新築の場合に比べてさほど落ちていないこと及び売却物件としての数が多くないことから、買取や仲介の不動産業者間の競争が厳しい。その一方で、ある程度の年数が経った中古物件については、標準仕様でリフォームすることで資産価値をより高めることができる。また、築年数により、新耐震基準であるか否かの区別や、アスベスト不使用の建物特性等をある程度反映させることが可能であり、リフォーム時の作業負担を軽減することができる。なお、新耐震基準は、建築確認の日付が1981年6月1日以降の建物に対して適用されていることから、新耐震基準の適用の有無の観点で、築年数の上限値を設定することができる。
【0047】
Web閉栓/電話閉栓の別は、閉栓依頼の方法であり、Web閉栓と電話閉栓を区別しておくことで、営業資料としての付加価値を高めることができる。その一例を示すと、Web閉栓の場合は、一般的に比較的若い世代の割合が高いことが推定され、電話閉栓の場合は、一般的に比較的高齢者の割合が高いことが推定される。
Web閉栓の場合は、ネット情報の収集に長けている割合が高いと推定されることから、例えば、ガス事業者が不動産取引の営業についてネットで広告を行っておく場合に営業効率が高いグループであると考えられる。また、電話閉栓の顧客に対して不動産取引の電話営業を行う場合に、ビジネスの親和性が高いと考えられる。
ガスのWeb閉栓と電話閉栓の区別について説明したが、電気の利用停止についてもWebと電話の双方があり、ガスの場合と同様に区別することが可能であり、また、区別する意義がある。
さらに説明すると、ガスの開栓や電気の利用開始についても、電話のほかにWebで依頼する場合がある。このため、エネルギー開始時とエネルギー停止時の双方をWebで依頼する顧客は一定の割合で存在することから、不動産取引の営業広告をネットで行っておくことで、営業効率の高いグループを見出すことができる。
【0048】
契約期間を絞り込み条件に含むのは、賃貸の場合は契約更新時またはその契約更新の少し前というタイミングで引っ越してエネルギー契約を解約するという傾向があり、エネルギーの契約年数は賃貸マンションの居住者の方が分譲マンションの居住者の場合よりも短い可能性が高いことから、エネルギー契約年数が短い顧客を除外することで、実需案件の割合を高めるためである。
ここにいう契約期間は、ガスの契約の場合のほか、ガス以外の例えば電力の契約を含んでもよい。電力の自由化により、ガス事業者であってもガスと電力の両方を契約していたり電力だけを契約していたりする顧客の属性情報を有することによる。
【0049】
図5を用いて具体的に説明する。
図5の(1)~(2)は、築年数と契約期間を組み合わせて絞り込み条件としている。すなわち、(1)の場合は、「築年15年以上かつ契約期間3年以上」であり、(2)の場合は、「築年10年以上かつ契約期間3年以上」である。これにより、物件の資産価値をより高めることが可能な比較的築年数のある分譲マンションが含まれる可能性の高いグループに絞り込みすることができる。
なお、上述の(1)~(2)における契約期間は、ガスの契約期間であり、電力の契約期間をも含む後述の例えば(10)~(11)とは異なる。
【0050】
付言すると、分譲マンションには、購入者ないしその関係者が居住するいわゆる実需の場合と、購入者ないしその関係者が居住せず貸し出すいわゆる投資の場合が含まれるが、実需に絞り込むことは困難である。
【0051】
図5の(3)~(6)では、築年数、契約期間及び閉栓依頼方法を組み合わせて絞り込み条件としている。すなわち、「契約期間3年以上」とした上で、築年が「5年以上」と「15年以上」、閉栓依頼方法を「Web閉栓」と「電話閉栓」とした場合の4つの組み合わせが上述の(3)~(6)である。
【0052】
さらに説明すると、上述の(3)~(4)の「築年15年以上かつ契約期間3年以上」の場合は、新築時から入居している居住者の場合の他、その後の売買等により居住者が変わった新たな居住者の場合も含まれ得る。
その一方で、上述の(5)~(6)の「築年5年以上かつ契約期間3年以上」の場合は、上述の(3)~(4)に比べて、新築時から入居している居住者の割合が高くなる。また、分譲マンションは、築年が10年超よりも10年以内に売りに出される傾向があると仮定したとき、上述の(5)~(6)の場合は築年5年以上であることから、閉栓依頼の情報と組み合わせることで、現在入居している分譲マンションを売りに出そうと考えている顧客の割合が上述の(3)~(4)よりも高くなることが期待できる。
【0053】
図5の(7)~(8)は、「築年5年以上かつ契約期間4年以上」を、閉栓依頼方法が「Web閉栓」の場合と「電話閉栓」の場合とで別々に絞り込みしている。築年と契約期間の差が上述の(5)~(6)の場合よりも小さいことから、新築時から入居している居住者の割合がさらに高くなる。人生で不動産の売買を経験する回数は一般的に多くないことから、上述の(7)~(8)の場合は、不動産の売買を経験したことがなく初めてである割合が、上述の(5)~(6)の場合よりも高いと考えられる。
【0054】
図5の(9)は、「Web閉栓」の場合で「築年15年以上かつ契約期間5年以上」であり、上述の(3)よりも契約期間の閾値が2年長い。これにより、上述の(3)の場合よりも賃貸マンションの居住者が除外され、実需案件の割合を高めることが期待される。また、上述の(9)では「Web閉栓」を条件とすることから、上述したように、ネット広告の効果が高いことが考えられる。
【0055】
図5の(10)~(11)は、「築年5年以上かつ契約期間3年以上」の顧客のうち、その契約がガス契約及び電力契約である顧客を、閉栓依頼方法が「Web閉栓」の場合と「電話閉栓」の場合とで別々に絞り込みしている。
上述の(10)~(11)は、ガス契約のみならず、電力自由化により電力契約も行っている契約者の場合である。一般的に、ガス事業者にガス及び電力の契約を行っている顧客は、いずれか一方のみの契約を行っている顧客に比べて、ガス事業者に対して高い信頼性を持っていることが推定され、ガス事業者の名前を用いた不動産取引の電話営業を行う際に、関心をもって最後まで説明を聞いてもらえる割合が高いことが期待できる。
【0056】
さらに説明すると、上述の(10)~(11)の築年数や契約期間は、上述の(5)~(6)と同じであることから、上述の(5)と(10)、又は上述の(6)と(11)をそれぞれ組み合わせることで、ガス契約のみの顧客や、ガスと電力の双方を契約している顧客、電力契約のみの顧客をリスト化することが可能である。なお、電力契約のみの顧客の場合は、オール電化の物件である可能性が高いと考えられる。
また、電力契約をしている場合、ガスは閉栓したが、電力契約をしている場合には、まだ定期的に自宅に戻る可能性があるが、今後空き家になる可能性が高いと考えられる。電気もガスも契約が終了した場合は、現時点で空き家と推定されるマンションの可能性が高い。
【0057】
図5の(12)~(13)は、「築年2年以上かつ契約期間2年以上」を、閉栓依頼方法が「Web閉栓」の場合と「電話閉栓」の場合とで別々に絞り込みしている。築年と契約期間が同じであることから、上述の(7)~(8)よりも、新築時から入居している居住者の割合がさらに高くなる。
【0058】
図5の(14)~(15)は、「契約期間2年未満の電力契約者」を、閉栓依頼方法が「Web閉栓」の場合と「電話閉栓」の場合とで別々に絞り込みしている。上述の(14)~(15)は、築年数を含んでいない点及び電力契約者である点で、ガス契約者である上述の(12)~(13)とは異なることから、観点が異なる条件で絞り込みを行うことができる。
【0059】
図5の(16)~(17)は、「築年12年以上かつ契約期間3年以上」を、閉栓依頼方法が「Web閉栓」の場合と「電話閉栓」の場合とで別々に絞り込みしている。築年15年以上である上述の(3)~(4)の場合よりもヒット件数が多くなる。
【0060】
ここで、顧客の属性情報を用いて中古物件の不動産取引の案内を行う際、顧客情報として多くのガス契約者がある場合、ガス契約者に対し一律に不動産取引の案内を行うことは、契約者の数に対する不動産の売却を考えている契約者の割合が高くないと想定されるため、効率的に成約獲得を行うことが困難になってしまう。
そこで、第1の実施の形態では、顧客の属性情報を、閉栓依頼顧客リストや分譲マンションリスト、絞り込み条件で絞り込むことで、不動産の売却を考えていない契約者等のノイズを減らした空き家可能性情報を取得することができる。このため、空き家可能性情報には、売却物件情報が不特定者に知られる前の段階の物件の所有者が含まれている割合が高いことが想定される。
【0061】
また、空き家可能性情報を不動産取引の営業先リストとして行う不動産取引の営業は、売却物件情報に対して今までとは異なる手法でアプローチすることを可能にするものであり、売却物件情報が不特定者に知られる前の段階で物件の所有者に対する不動産取引の営業を可能にする。
出力させた空き家可能性情報を用いてガス事業者自らがその顧客に対して不動産取引の営業を行う場合の他、不動産取引業者に空き家可能性情報を提供し、不動産取引業者が空き家可能性情報に含まれる不動産所有者に対して不動産取引の営業を行う場合も考えられる。
【0062】
絞り込み条件は、図5に示す場合のほか、種々のものが考えられる。例えば、各種営業活動や定期点検(電気設備点検・ガス定期保安点検)や機器修理といった事業者が建物居住者との過去最終接点から現在までの期間(事業者側が建物の居住者との過去に遡った直近の接点以降の期間の一例)による絞り込み条件である。また、各種機器(電気・ガス・通信事業者が販売または提供し、宅内に設置されているもの(例えば終端装置・ガス警報器))など最終設置から現在までの期間(設置された時期以降の期間の一例)による絞り込み条件である。
さらに、例えば、国内の人及び世帯の実態把握のために行われる国勢調査による人口流出率等の人口変動の統計情報のほか、各年代の数や世帯構成の割合等の統計情報(人及び/又は世帯に関する統計情報の一例)を用いた、建物の所在するエリアによる絞り込み条件である。なお、かかる統計情報は、複数の調査時期による統計の比較による同一エリアにおける変動に着目してもよく、単一の調査時期の統計におけるエリアの比較による相違に着目してもよい。
【0063】
また、分譲マンションリストに、部屋の広さ及び/又は間取りを示す情報が含まれている場合に、部屋の広さ(m)や間取り情報から流通性の高い物件かどうか判断し、優先したフラグ立てや絞り込みに使用してもよい。例えば、実需として人気の高い50m~80mの場合優先したフラグ立てを行い、その一方で、30m以下のワンルームなどは優先度を落とした絞り込みとすることが考えられる。
また、分譲マンションリストに、最寄り駅を示す情報や最寄り駅からの距離を直接的又は間接的に示す情報である住所情報例えば徒歩分数情報が含まれている場合に、最寄り駅名や徒歩分数情報から流通性の高い物件かどうか判断し、フラグ立てや絞り込みに使用してもよい。例えば、横浜駅には複数路線があり最寄り駅として人気であるので、優先したフラグ立て、絞り込みを行うことが考えられる。また、例えば、最寄り駅徒歩25分はバスを使用して移動することになり(バス圏)、流通性が低いと想定されることから、優先度を落とした絞り込みとすることが考えられる。
さらに、分譲マンションリストに、過去の不動産取引に関する情報が含まれている場合、過去の不動産取引データ(外部情報含む)から、成約価格(又は坪単価)から一件当たりの利幅が大きい、つまりは営業効率が高い物件を特定してもよい。
【0064】
また、顧客の属性情報に、契約者の契約に関する条件として、エネルギー業者との契約情報・その他確認できるサービスの契約情報(インフラ事業の契約の複数の種類を示す情報の一例)が含まれている場合、契約情報の種類や数などから優先したフラグ立てや絞り込みをしてもよい。例えば、ガスに加えて、電気の契約がある(あった)顧客は、そのエネルギー会社に対して高いロイヤリティを持っているため営業効率が高い可能性があると考えられることから、優先フラグや絞込みを行うことが考えられる。そのほか、エネルギー業者の展開する付帯サービスを契約している場合も同様に行うことが考えられる。
【0065】
また、顧客の属性情報に、過去のエネルギー使用状況が含まれている場合、過去のエネルギー使用状況によって、エネルギー停止の事由を推定し、優先したフラグ立てや絞り込みをしてもよい。例えば、エネルギー使用停止タイミングより数か月前からエネルギー使用量が極端に少ない場合は、住戸居住者が何らかの理由で住まなくなり、相続されたパターンであることを推定し、優先したフラグ立て・絞り込みを行ってもよい。言い換えると、エネルギー使用傾向に変化がある場合であってその変化が使用量の減少である場合に、売却案件になる可能性があるとして、優先したフラグ立てや絞り込みを行うことが考えられる。使用量の減少を示す情報は、サービス利用量の変化に関する情報の一例である。
【0066】
さらに、顧客の属性情報に、契約者と申し込み者の関係が異なる場合などエネルギー契約者とエネルギー停止申込者の関係性を示す情報が含まれる場合、特に名字が同一で関係性が子などの場合、相続された建物である可能性が高いことから、優先したフラグ立て、絞り込みを行ってもよい。言い換えると、契約者以外の者から例えばガス閉栓依頼を受け付けた場合に、その者が契約者の親族である等の例えば家族関係を有する場合に、相続された案件の可能性があるとして、優先したフラグ立てや絞り込みを行うことが考えられる。ここにいう親族とは、6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族をいう。
【0067】
<第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について図6及び図7を用いて説明する。上述の第1の実施の形態では、顧客によりなされたエネルギーに関する閉栓ないし利用停止の依頼の情報を用いて空き家推定を行っているが、第2の実施の形態では、検針による顧客ごとのエネルギー消費量の変化の情報を用いて空き家推定を行う。
なお、第2の実施の形態の説明では、上述の第1の実施の形態と同じ事項の説明及び図示を省略ないし簡略化することがある。
【0068】
図6は、第2の実施の形態に係る不動産取引案内を説明するフローチャートであり、第1の実施の形態での図4に対応する。
図6に示す処理例では、取得部12(図3参照)が取得した分譲マンションの情報により分譲マンションリストを作成する(ステップ201)。
【0069】
エネルギー消費量変化のあった顧客の情報を、管理サーバ10の取得部12(図3参照)がネットワーク50(図1参照)を介して事業者の端末30(同図参照)から受け付ける(ステップ202)。
【0070】
ここで、事業者の端末30では、毎月の検針によりエネルギー消費量の情報を取得している。このようなエネルギー消費量を確認し、予め定められているエネルギー消費量変化のあった顧客を抽出することができる。
さらに説明すると、エネルギー消費量のゼロを含む減少が生じた場合には、例えば居住していない時間の割合が従来よりも増えたり、生活パターンが従来とは異なる事情が生じていたりすることが想定される。その原因は様々なことが考えられるが、引っ越しの予定がある場合には、エネルギー消費量は減少する傾向がある。このため、直近の検針日によるエネルギー消費量に変化があった顧客を抽出することで、第1の実施の形態における閉栓依頼の情報に代替可能な情報を取得できる。
そこで、管理サーバ10の取得部12(図3参照)は、エネルギー消費量に変化があった顧客の情報を用いて、消費量変化顧客リストを作成する(ステップ203)。かかる消費量変化顧客リストは、ガスないし電気の消費量低下(消費量がない場合を含む)をした顧客の情報であり、空き家になるときの人の不作為の情報の一例である。
【0071】
第2の実施の形態における空き家可能性情報は、消費量変化顧客リストに基づくものであり、空き家になるときの人の不作為の情報に基づくものの一例であり、エネルギーの使用量の変化に関する情報に基づくものの一例であり、エネルギーの使用傾向の変化に関する情報に基づくものの一例である。
【0072】
事業者が保有する顧客の属性情報を取得部12が取得し(ステップ204)、分譲マンションリスト、消費量変化顧客リスト及び顧客の属性情報を用いて絞り込み処理部13(図3参照)が絞り込み処理を行う(ステップ205)。かかる絞り込み処理は、上述の第1の実施の形態におけるステップ105の場合と同様に行うことができる。
【0073】
絞り込み処理により取得した空き家可能性情報を出力部15(図3参照)が出力する(ステップ206)。
付言すると、エネルギー消費量変化があったとして抽出された顧客に対しては、架電リストではなく、DMリストを作成して出力する。これは以下の理由による。
すなわち、エネルギー消費量変化があった顧客の場合は、閉栓依頼の場合に比べて、長期不在が原因である割合が高いと考えられる。例えば、居住者が施設に入ったり入院したりすることでエネルギー消費量が変化した場合、その居住者に電話で連絡をつけることが困難である。その一方で、その居住者の別居家族が郵便物の転送サービスを申し込む場合があったり定期的に郵便物を確認している場合があったりすることが想定される。また、その居住者が携帯電話を手元に置いていたとしても、入院中に連絡をとることは差し支えた方がよい。そのため、架電リストではなく、DMリストを作成する。
なお、エネルギー消費量変化があったとして抽出された顧客について架電リストを作成してもよい。
【0074】
図7は、より詳細には、(a)~(c)は、同じ顧客の消費量を示すものであり、(a)は直近の検針による3月のガス消費量の一例、(b)は昨年の毎月の消費量、(c)は直近の検針による3月のガス消費量の他の例をそれぞれ示す。なお、参考のために、(a)及び(c)の3月分については、(b)の3月のガス消費量を破線で示している。
【0075】
図7(a)~(c)は、ガス暖房を使用する顧客の月ごとのガス消費量を示している。このため、寒くなる12月頃から3月頃までは、ガス消費量が比較的多く、ガス暖房を使用しないそれ以外の時期は、ガス消費量が少ないという季節変動がある。また、日々使用する温水を作るためのガス消費量も寒い時期にはガス消費量が多くなるという季節変動もある。したがって、同図(b)に示すように、年間のガス消費量が変動する。その一方で、寒さが例年よりも厳しかったりそうでもなかったりすることで、ガス消費量の増減があるものの、年間のガス消費量の動向は変わらない。
【0076】
しかしながら、ガス消費量が例年よりも減少していたり消費量がなかったりする場合には、そのような季節変動の要因以外の要因が想定される。そのため、昨年度とのガス消費量の変動に着目することで、引っ越しが完了していることや、近い将来に引っ越しの予定があることを推定することができる。
【0077】
以下、具体的に説明する。
図7(a)に示す今年1月及び2月は、同図(b)に示す昨年1月及び2月と比べると、大きな変化は確認できない。その一方で、今年3月のガス消費量は、(b)に示す昨年3月と比べると、減少している。
また、図7(c)に示す今年1月及び2月は、同図(b)に示す昨年1月及び2月と比べると、大きな変化は確認できない。その一方で、今年3月のガス消費量はなく、ガスを消費していない。
【0078】
このように、同図(a)や(c)の3月として示すガス消費量には、ガス使用傾向の変化が見られる。ガス消費量の変化があった顧客の抽出は、過去の対応する期間のガス消費量と比べて減少している場合のほか、過去の対応する期間のガス消費があるものの今年はガス消費量がなかった場合も行われる。
【0079】
なお、このように、過去の対応する期間のガス消費量と比べることにより、1年のうち長期出張を行う等の不在期間があったとしても、季節変動要因で減少等した場合に対応でき、空き家推定の精度が低下する事態を防止することができる。図7に示す場合、契約期間が1年以上の顧客に対して適用できる。
【0080】
ここで、図7の場合とは異なる場合を説明する。
すなわち、寒い時期にガス暖房機を使用しなかったり通年であまり浴室を使わなかったりする場合には、年間を通じてガス消費量がほぼ一定である。そのため、先月まではガス消費量が通常であったが、直近の検針による今月のガス消費量が先月と比べて減少している場合や、今月のガス消費量がなかった場合に、ガス消費量の変化があった顧客として抽出するようにしてもよい。
【0081】
第2の実施の形態における消費量変化顧客リストは、第1の実施の形態における絞り込み処理部13(図3参照)の絞り込み処理に用いられる空き家可能性情報に相当するものである。また、上述した抽出の条件は、絞り込み処理に用いられる絞り込み条件に相当するものである。
なお、第2の実施の形態では、ガス消費量の場合について説明したが、これに限られず、電力消費量、水道使用量、通信量、通話量等について適用することができる。
【0082】
<第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態について図8を用いて説明する。第3の実施の形態は、エネルギー消費に関する情報を用いる第1の実施の形態及び第2の実施の形態とは異なり、居住者の帰宅状況を例えば携帯電話の位置情報を用いて検知し、これにより空き家推定を行う。
なお、第3の実施の形態の説明では、上述の第1ないし第2の実施の形態と同じ事項の説明及び図示を省略することがある。
【0083】
図8は、第3の実施の形態に係る不動産取引案内システム1の全体構成例を示す図であり、第1の実施の形態における図1に対応するものであり、第1の実施の形態や第2の実施の形態と同じ構成については同じ符号を用いる。
第3の実施形態に係る不動産取引案内システム1は、管理サーバ10と、端末90と、携帯端末70と、携帯端末80を備える。管理サーバ10と端末90とは、ネットワーク50を介して接続されている。携帯端末70、80は、無線通信を行うためのアクセスポイント60を介してネットワーク50と接続されている。なお、図8では、取引業者の端末40の図示を省略している。
【0084】
携帯端末70、80は、例えば、モバイルコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、タブレット等のモバイル端末である。携帯端末70は、通信業者と契約している顧客が所有するものであり、携帯端末80は、通信業者と契約している他の顧客が所有するものである。
【0085】
端末90は、インフラ事業として通信を提供する通信業者の装置であり、携帯端末70の識別情報「abc001」及び携帯端末80の識別情報「abc002」を保持する。また、端末90は、携帯端末70、80の顧客の所在を示す位置情報を定期的に取得する。
【0086】
さらに説明すると、通信業者の端末90は、携帯端末70、80の各顧客の住所情報を予め保有しており、かかる住所情報から、顧客の住む家の位置情報である自宅の位置情報を取得できる。すなわち、端末90は、携帯端末70に対応付けられた自宅の位置情報として、緯度「〇〇;〇〇;〇〇」及び経度「□□;□□;□□」の情報を取得している。また、携帯端末80に対応付けられた自宅の位置情報として、緯度「△△;△△;△△」及び経度「▽▽;▽▽;▽▽」を取得している。
【0087】
そして、通信業者の端末90は、携帯端末70、80の自宅の位置情報と現在の位置情報とを照合することで、携帯端末70の顧客が自宅にいるのかいないのかを検知でき、また、携帯端末80の顧客が自宅にいるのかいないのかを検知できる。
したがって、通信業者の端末90は、時間情報を用いることにより、携帯端末70、80の位置情報が自宅の位置情報とは異なる状態がどれくらいの間、継続しているかを計測できる。
【0088】
図8に示す時点では、識別情報が「abc001」である携帯端末70は、自宅を出てからの経過時間が5時間33分であり、当日に自宅から出掛けたことから、自宅に帰ってきていることを検知できる。
その一方で、識別情報が「abc002」である携帯端末80は、自宅を出てからの経過時間が156時間12分であり、自宅から出掛けたのは1週間ぐらい前であり、しばらくの間自宅に帰っていない。
したがって、通信業者の端末90は、予め定められている期間帰宅していないという情報を基に、携帯端末80の顧客が引っ越したか又は他の場所で生活していることを推定できる。すなわち、第3の実施の形態では、予め定められている期間帰宅していないという条件を用いることで、引っ越したか又は他の場所で生活している顧客の抽出を行うことができる。
【0089】
通信業者の端末90は、かかる推定の情報をリスト化する。すなわち、携帯端末80の位置情報を用いて家に帰っていない顧客のリストである不帰宅顧客リストを作成する。かかる不帰宅顧客リストは、顧客の住所情報を含むものであり、管理サーバ10に送信される。これにより、管理サーバ10は、第1の実施の形態における閉栓依頼顧客リスト(図4のステップ103参照)や第2の実施の形態における消費量変化顧客リスト(図6のステップ203参照)に相当する情報として利用することができる。
したがって、第3の実施の形態においては、第1の実施の形態において閉栓依頼顧客リストの代わりに不帰宅顧客リストを用いている。すなわち、不帰宅顧客リストを用いる絞り込み処理(図4のステップ105参照)によって空き家可能性情報を取得することができ、取得した空き家可能性情報を出力することができる(同図のステップ106参照)。
【0090】
第3の実施の形態では、第1の実施の形態や第2の実施の形態の場合と比べると、顧客が一人暮らしの場合に有用と考えられるが、家族で暮らしている場合にも利用することが考えられる。
【0091】
第3の実施の形態における不帰宅顧客リストは、第1の実施の形態における絞り込み処理部13の絞り込み処理に用いられる閉栓依頼顧客リストに相当するものである。また、予め定められている期間帰宅していないという抽出の条件は、絞り込み処理に用いられる絞り込み条件に相当するものであり、予め定められている期間として任意の値を設定することができる。
【0092】
ここで、第3の実施の形態における不帰宅顧客リストは、空き家になるときの人の作為又は不作為の情報の一例であり、インフラ事業としての通信を利用するユーザの所在を示す位置情報に当該ユーザが住む家の位置情報が含まれないことを示す情報の一例である。
【0093】
<変形例>
なお、上述した第1の実施の形態、第2の実施の形態及び第3の実施の形態の任意の組み合わせにより、空き家可能性情報を取得してもよい。かかる変形例を採用することで、各実施の形態のいずれか単独の場合よりも、空き家可能性情報の精度を高めることができる。
例えば、閉栓依頼顧客リスト(図4のステップ103参照)及び消費量変化顧客リスト(図6のステップ203参照)の双方に含まれている顧客のリストを用いることで、空き家可能性情報の確度を高めることができる。
【0094】
本発明の実施形態を実現するプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で提供し得る。また、インターネットなどの通信手段を用いて提供することも可能である。
【0095】
以上説明したように、本実施の形態に係る管理サーバ10は、ガス事業や電力事業、通信事業等のインフラ事業の契約又は使用状況に基づいて人が住まなくなる空き家になる可能性のある空き家可能性情報を取得する空き家可能性情報取得部14(図3参照)と、空き家可能性情報取得部14により取得した空き家可能性情報を不動産取引の営業先の候補として出力する出力部15(同図参照)と、を備える。
より詳細には、第1の実施の形態では、インフラ事業の契約に基づいて空き家可能性情報を取得し、第2の実施の形態及び第3の実施の形態では、インフラ事業の使用状況に基づいて空き家可能性情報を取得する。
【0096】
そして、空き家可能性情報は、第1の実施の形態では、分譲マンションリスト、閉栓依頼顧客リスト及び顧客の属性情報を用いて絞り込み処理を行うことで取得する。かかる閉栓依頼顧客リストは、ガスの閉栓依頼を行った顧客の情報であり、空き家になるときの閉栓依頼という人の作為に基づくものである。
また、空き家可能性情報は、第2の実施の形態では、分譲マンションリスト、消費量変化顧客リスト及び顧客の属性情報を用いて絞り込み処理を行うことで取得する。かかる消費量変化顧客リストは、エネルギー消費量に変化があった顧客のリストであり、空き家になるときに消費しなくなるという人の不作為の情報である。
さらに、空き家可能性情報は、第3の実施の形態では、分譲マンションリスト、不帰宅顧客リスト及び顧客の属性情報を用いて絞り込み処理を行うことで取得する。かかる不帰宅顧客リストは、携帯端末80の位置情報を用いて家に帰っていない顧客のリストであり、空き家になるときに帰宅しなくなるという人の不作為の情報である。
【0097】
閉栓依頼顧客リストや消費量変化顧客リストは、エネルギー等のインフラ事業についての契約者側の事由によるサービス停止又はサービス利用量の変化に関する情報である。消費量変化顧客リストは、エネルギー等のインフラ事業についての使用量の変化に関する情報であり、エネルギー等のインフラ事業についての使用傾向の変化に関する情報である。不帰宅顧客リストは、インフラ事業としての通信を利用するユーザの所在を示す位置情報に顧客が住む家の位置情報が含まれないことを示す情報である。
【0098】
また、第1の実施の形態では、インフラ事業の契約者の属性情報に対する絞り込み条件で空き家可能性情報を絞り込み処理を行う絞り込み処理部13をさらに備え、出力部15は、不動産取引の営業先の候補として、絞り込み処理部13による絞り込み処理の結果を出力する。
かかる絞り込み条件(図5参照)は、建物の築年数や、電話閉栓/Web閉栓の別、契約期間等の情報を含むものであり、契約及び/又は契約者の住所により特定される建物に関する条件である。より具体的には、絞り込み条件は、属性情報に、契約の年数が予め定められている値以上であることを示す情報が含まれていることである。また、絞り込み条件は、属性情報に、建物の築年数が予め定められている値以上であることを示す情報が含まれていることである。また、絞り込み条件は、属性情報に、分譲マンションの建物であることを特定する情報が含まれていることである。分譲マンションの建物であることを特定する情報には、部屋の広さ及び/又は間取りを示す情報が含まれている。また、分譲マンションの建物であることを特定する情報には、最寄り駅を示す情報が含まれ、最寄り駅からの距離を直接的又は間接的に示す情報が含まれている。また、分譲マンションの建物であることを特定する情報には、過去の不動産取引に関する情報が含まれている。
また、属性情報に対する条件は、属性情報に、契約者の契約に関する条件として、インフラ事業の契約の複数の種類を示す情報が含まれていることである。また、属性情報に対する条件は、属性情報に、エネルギー使用傾向に変化があり当該変化は減少であることを示す情報が含まれていることである。また、属性情報に対する条件は、属性情報に、契約者以外の者から契約者を特定する情報を受け付けた場合であって者と契約者との関係を示す情報が含まれていることである。
また、絞り込み条件は、インフラ事業を行う事業者側が建物の居住者との過去に遡った直近の接点以降の期間を示す情報が含まれていることであり、また、インフラ事業による提供に関して用いられる機器が建物の居住部に設置された時期以降の期間を示す情報が含まれていることであり、さらに、建物が所在するエリアにおける人及び/又は世帯に関する統計情報が含まれることである。
【0099】
また、本実施の形態に係るプログラムは、ガス事業や電力事業、通信事業等のインフラ事業の契約又は使用状況に基づいて人が住まなくなる空き家になる可能性を示す情報を取得し、可能性を示す情報の属性情報を取得する取得機能と、取得機能により取得した可能性を示す情報の群について、属性情報に対する条件を用いて絞り込み処理を行う処理機能と、を実現させるものである。
【0100】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記の実施形態に記載の範囲には限定されない。上記の実施形態に、種々の変更又は改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0101】
10…管理サーバ、12…取得部、13…絞り込み処理部、14…空き家可能性情報取得部、15…出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-10-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インフラ事業の契約又は使用状況に基づき賃貸の場合を除いて人が住まなくな空き家になる可能性のある空き家可能性情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した前記空き家可能性情報を不動産取引の営業先の候補として出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記空き家可能性情報は、前記空き家になるときの人の作為又は不作為の情報に基づくものである、ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記人の作為又は不作為の情報は、前記インフラ事業についての契約者側の事由によるサービス停止又はサービス利用量の変化に関する情報である、ことを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記人の作為又は不作為の情報は、前記インフラ事業についての使用量の変化に関する情報である、ことを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記人の作為又は不作為の情報は、前記インフラ事業についての使用傾向の変化に関する情報である、ことを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記人の作為又は不作為の情報は、前記インフラ事業としての通信を利用するユーザの所在を示す位置情報に当該ユーザが住む家の位置情報が含まれないことを示す情報である、ことを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記インフラ事業の契約者の属性情報に対する条件で前記空き家可能性情報を絞り込む処理を行う処理手段をさらに備え、
前記出力手段は、前記不動産取引の営業先の候補として、前記処理手段による絞り込み処理の結果を出力する、ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記属性情報に対する条件は、前記契約及び/又は前記契約者の住所により特定される建物に関する条件である、ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記属性情報に対する条件は、当該属性情報に、前記契約の年数が予め定められている値以上であることを示す情報が含まれていることである、ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記属性情報に対する条件は、当該属性情報に、前記建物の築年数が予め定められている値以上であることを示す情報が含まれていることである、ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記属性情報に対する条件は、当該属性情報に、分譲マンションの建物であることを特定する情報が含まれていることである、ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記分譲マンションの建物であることを特定する情報には、部屋の広さ及び/又は間取りを示す情報が含まれている、ことを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記分譲マンションの建物であることを特定する情報には、最寄り駅を示す情報が含まれている、ことを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記分譲マンションの建物であることを特定する情報には、前記最寄り駅からの距離を直接的又は間接的に示す情報が含まれている、ことを特徴とする請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記分譲マンションの建物であることを特定する情報には、過去の不動産取引に関する情報が含まれている、ことを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記属性情報に対する条件は、当該属性情報に、前記契約者の契約に関する条件として、前記インフラ事業の契約の複数の種類を示す情報が含まれている、ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記属性情報に対する条件は、当該属性情報に、エネルギー使用傾向に変化があり当該変化は減少であることを示す情報が含まれている、ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記属性情報に対する条件は、当該属性情報に、前記契約者以外の者から当該契約者を特定する情報を受け付けた場合であって当該者と当該契約者との関係を示す情報が含まれている、ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項19】
前記属性情報に対する条件は、前記インフラ事業を行う事業者側が前記建物の居住者との過去に遡った直近の接点以降の期間を示す情報が含まれていることである、ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項20】
前記属性情報に対する条件は、前記インフラ事業による提供に関して用いられる機器が前記建物の居住部に設置された時期以降の期間を示す情報が含まれていることである、ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項21】
前記属性情報に対する条件は、前記建物が所在するエリアにおける人及び/又は世帯に関する統計情報が含まれることである、ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項22】
前記賃貸の場合は、持ち家か賃貸かを推測し当該持ち家の可能性が低い物件又は当該賃貸の可能性が高い物件である、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置
【請求項23】
前記空き家可能性情報は、空き家になる可能性が高いと推定される物件を示す情報であって当該物件が顕在化される前の段階における情報である、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項24】
情報処理装置に、
インフラ事業の契約又は使用状況に基づき賃貸の場合を除いて人が住まなくなり空き家になる可能性のある空き家可能性情報を取得する取得機能
を実現させるプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
かかる目的のもと、本発明は、インフラ事業の契約又は使用状況に基づき賃貸の場合を除いて人が住まなくな空き家になる可能性のある空き家可能性情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得した前記空き家可能性情報を不動産取引の営業先の候補として出力する出力手段と、を備えることを特徴とする情報処理装置である。ここにいう「賃貸の場合を除いて」とは、「賃貸の場合のすべてを除い」たケースや「一部の賃貸の場合を除い」たケースも含まれる。すなわち、必ずしも「賃貸の場合のすべてを除い」たものではなく、「一部の賃貸の場合を除い」た結果として残部の「賃貸の場合」が含まれるケースも該当する。
ここで、前記空き家可能性情報は、前記空き家になるときの人の作為又は不作為の情報に基づくものである、ことを特徴とすることができる。すなわち、前記人の作為又は不作為の情報は、前記インフラ事業についての契約者側の事由によるサービス停止又はサービス利用量の変化に関する情報である、ことを特徴とすることができる。また、前記人の作為又は不作為の情報は、前記インフラ事業についての使用量の変化に関する情報である、ことを特徴とすることができ、前記人の作為又は不作為の情報は、前記インフラ事業についての使用傾向の変化に関する情報である、ことを特徴とすることができ、前記人の作為又は不作為の情報は、前記インフラ事業としての通信を利用するユーザの所在を示す位置情報に当該ユーザが住む家の位置情報が含まれないことを示す情報である、ことを特徴とすることができる。
また、前記インフラ事業の契約者の属性情報に対する条件で前記空き家可能性情報を絞り込む処理を行う処理手段をさらに備え、前記出力手段は、前記不動産取引の営業先の候補として、前記処理手段による絞り込み処理の結果を出力する、ことを特徴とすることができる。かかる場合に、前記属性情報に対する条件は、前記契約及び/又は前記契約者の住所により特定される建物に関する条件である、ことを特徴とすることができる。前記属性情報に対する条件は、当該属性情報に、前記契約の年数が予め定められている値以上であることを示す情報が含まれていることである、ことを特徴とすることができ、前記属性情報に対する条件は、当該属性情報に、前記建物の築年数が予め定められている値以上であることを示す情報が含まれていることである、ことを特徴とすることができ、前記属性情報に対する条件は、当該属性情報に、分譲マンションの建物であることを特定する情報が含まれていることである、ことを特徴とすることができる。さらにまた、前記分譲マンションの建物であることを特定する情報には、部屋の広さ及び/又は間取りを示す情報が含まれている、ことを特徴とすることができ、前記分譲マンションの建物であることを特定する情報には、最寄り駅を示す情報が含まれている、ことを特徴とすることができ、前記分譲マンションの建物であることを特定する情報には、前記最寄り駅からの距離を直接的又は間接的に示す情報が含まれている、ことを特徴とすることができ、前記分譲マンションの建物であることを特定する情報には、過去の不動産取引に関する情報が含まれている、ことを特徴とすることができる。
ここで、前記属性情報に対する条件は、当該属性情報に、前記契約者の契約に関する条件として、前記インフラ事業の契約の複数の種類を示す情報が含まれている、ことを特徴とすることができる。また、前記属性情報に対する条件は、当該属性情報に、エネルギー使用傾向に変化があり当該変化は減少であることを示す情報が含まれている、ことを特徴とすることができる。さらに、前記属性情報に対する条件は、当該属性情報に、前記契約者以外の者から当該契約者を特定する情報を受け付けた場合であって当該者と当該契約者との関係を示す情報が含まれている、ことを特徴とすることができる。
ここで、前記属性情報に対する条件は、前記インフラ事業を行う事業者側が前記建物の居住者との過去に遡った直近の接点以降の期間を示す情報が含まれていることである、ことを特徴とすることができ、前記属性情報に対する条件は、前記インフラ事業による提供に関して用いられる機器が前記建物の居住部に設置された時期以降の期間を示す情報が含まれていることである、ことを特徴とすることができ、さらに、前記属性情報に対する条件は、前記建物が所在するエリアにおける人及び/又は世帯に関する統計情報が含まれることである、ことを特徴とすることができる。
ここで、前記賃貸の場合は、持ち家か賃貸かを推測し当該持ち家の可能性が低い物件又は当該賃貸の可能性が高い物件である、ことを特徴とすることができる。
ここで、前記空き家可能性情報は、空き家になる可能性が高いと推定される物件を示す情報であって当該物件が顕在化される前の段階における情報である、ことを特徴とすることができる。
上記の目的を達成する他の本発明は、情報処理装置に、インフラ事業の契約又は使用状況に基づき賃貸の場合を除いて人が住まなくな空き家になる可能性のある空き家可能性情報を取得る取得機を実現させるプログラムである。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インフラ事業の契約又は使用状況に基づき賃貸の場合を除いて人が住まなくなり空き家になる可能性のある空き家可能性情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した前記空き家可能性情報を不動産取引の営業先の候補として出力する出力手段と、
を備え
前記賃貸の場合は、持ち家か賃貸かを推測し当該持ち家の可能性が低い物件又は当該賃貸の可能性が高い物件であり、
前記持ち家か賃貸かの推測は、前記インフラ事業の契約者の属性情報に対する条件として、当該属性情報に、前記契約の年数が予め定められている値以上であることを示す情報が含まれていること、当該属性情報に、当該契約及び/又は当該契約者の住所により特定される建物が分譲マンションであることを特定する情報であって部屋の広さが予め定められている値以上であること及び/又は複数居住者向けの間取りを示す情報が含まれていること乃至含まれていないこと、当該属性情報に、当該建物が分譲マンションであることを特定する情報であって過去の不動産取引に関する情報が含まれていること、当該属性情報に、当該契約者の契約に関する条件として、当該インフラ事業の契約の複数の種類を示す情報が含まれていること、当該属性情報に、予め定められている月の当該月に対応する前年の月に対するエネルギー使用傾向に変化があり当該変化は減少であることを示す情報が含まれていること、当該インフラ事業を行う事業者側が当該建物の居住者との過去に遡った直近の接点以降の期間を示す情報が含まれていること、当該インフラ事業による提供に関して用いられる機器が当該建物の居住部に設置された時期以降の期間を示す情報が含まれていること、当該建物が所在するエリアにおける人及び/又は世帯に関する統計情報が含まれること、のいずれか一つ以上を用いる、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記空き家可能性情報は、空き家になる可能性が高いと推定される物件を示す情報であって当該物件が顕在化される前の段階における情報である、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
情報処理装置に、
インフラ事業の契約又は使用状況に基づき賃貸の場合を除いて人が住まなくなり空き家になる可能性のある空き家可能性情報を取得する取得機能
を実現させ
持ち家の可能性が低い物件又は賃貸の可能性が高い物件であることの当該持ち家か当該賃貸かの推測は、前記インフラ事業の契約者の属性情報に対する条件として、当該属性情報に、前記契約の年数が予め定められている値以上であることを示す情報が含まれていること、当該属性情報に、当該契約及び/又は当該契約者の住所により特定される建物が分譲マンションであることを特定する情報であって部屋の広さが予め定められている値以上であること及び/又は複数居住者向けの間取りを示す情報が含まれていること乃至含まれていないこと、当該属性情報に、当該建物が分譲マンションであることを特定する情報であって過去の不動産取引に関する情報が含まれていること、当該属性情報に、当該契約者の契約に関する条件として、当該インフラ事業の契約の複数の種類を示す情報が含まれていること、当該属性情報に、予め定められている月の当該月に対応する前年の月に対するエネルギー使用傾向に変化があり当該変化は減少であることを示す情報が含まれていること、当該インフラ事業を行う事業者側が当該建物の居住者との過去に遡った直近の接点以降の期間を示す情報が含まれていること、当該インフラ事業による提供に関して用いられる機器が当該建物の居住部に設置された時期以降の期間を示す情報が含まれていること、当該建物が所在するエリアにおける人及び/又は世帯に関する統計情報が含まれること、のいずれか一つ以上を用いる、
プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
かかる目的のもと、本発明は、インフラ事業の契約又は使用状況に基づき賃貸の場合を除いて人が住まなくなり空き家になる可能性のある空き家可能性情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得した前記空き家可能性情報を不動産取引の営業先の候補として出力する出力手段と、を備え、前記賃貸の場合は、持ち家か賃貸かを推測し当該持ち家の可能性が低い物件又は当該賃貸の可能性が高い物件であり、前記持ち家か賃貸かの推測は、前記インフラ事業の契約者の属性情報に対する条件として、当該属性情報に、前記契約の年数が予め定められている値以上であることを示す情報が含まれていること、当該属性情報に、当該契約及び/又は当該契約者の住所により特定される建物が分譲マンションであることを特定する情報であって部屋の広さが予め定められている値以上であること及び/又は複数居住者向けの間取りを示す情報が含まれていること乃至含まれていないこと、当該属性情報に、当該建物が分譲マンションであることを特定する情報であって過去の不動産取引に関する情報が含まれていること、当該属性情報に、当該契約者の契約に関する条件として、当該インフラ事業の契約の複数の種類を示す情報が含まれていること、当該属性情報に、予め定められている月の当該月に対応する前年の月に対するエネルギー使用傾向に変化があり当該変化は減少であることを示す情報が含まれていること、当該インフラ事業を行う事業者側が当該建物の居住者との過去に遡った直近の接点以降の期間を示す情報が含まれていること、当該インフラ事業による提供に関して用いられる機器が当該建物の居住部に設置された時期以降の期間を示す情報が含まれていること、当該建物が所在するエリアにおける人及び/又は世帯に関する統計情報が含まれること、のいずれか一つ以上を用いる、ことを特徴とする情報処理装置である。ここにいう「賃貸の場合を除いて」とは、「賃貸の場合のすべてを除い」たケースや「一部の賃貸の場合を除い」たケースも含まれる。すなわち、必ずしも「賃貸の場合のすべてを除い」たものではなく、「一部の賃貸の場合を除い」た結果として残部の「賃貸の場合」が含まれるケースも該当する。
こで、前記空き家可能性情報は、空き家になる可能性が高いと推定される物件を示す情報であって当該物件が顕在化される前の段階における情報である、ことを特徴とすることができる。
上記の目的を達成する他の本発明は、情報処理装置に、インフラ事業の契約又は使用状況に基づき賃貸の場合を除いて人が住まなくなり空き家になる可能性のある空き家可能性情報を取得する取得機能を実現させ、持ち家の可能性が低い物件又は賃貸の可能性が高い物件であることの当該持ち家か当該賃貸かの推測は、前記インフラ事業の契約者の属性情報に対する条件として、当該属性情報に、前記契約の年数が予め定められている値以上であることを示す情報が含まれていること、当該属性情報に、当該契約及び/又は当該契約者の住所により特定される建物が分譲マンションであることを特定する情報であって部屋の広さが予め定められている値以上であること及び/又は複数居住者向けの間取りを示す情報が含まれていること乃至含まれていないこと、当該属性情報に、当該建物が分譲マンションであることを特定する情報であって過去の不動産取引に関する情報が含まれていること、当該属性情報に、当該契約者の契約に関する条件として、当該インフラ事業の契約の複数の種類を示す情報が含まれていること、当該属性情報に、予め定められている月の当該月に対応する前年の月に対するエネルギー使用傾向に変化があり当該変化は減少であることを示す情報が含まれていること、当該インフラ事業を行う事業者側が当該建物の居住者との過去に遡った直近の接点以降の期間を示す情報が含まれていること、当該インフラ事業による提供に関して用いられる機器が当該建物の居住部に設置された時期以降の期間を示す情報が含まれていること、当該建物が所在するエリアにおける人及び/又は世帯に関する統計情報が含まれること、のいずれか一つ以上を用いる、プログラムである。