(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170696
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20231124BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022082630
(22)【出願日】2022-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100137589
【弁理士】
【氏名又は名称】右田 俊介
(74)【代理人】
【識別番号】100217984
【弁理士】
【氏名又は名称】川條 英明
(72)【発明者】
【氏名】逵井 真嘉
(72)【発明者】
【氏名】北村 純
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 充康
(72)【発明者】
【氏名】馬場 俊宏
(72)【発明者】
【氏名】加藤 良太
(72)【発明者】
【氏名】倉本 悠司
(72)【発明者】
【氏名】中村 直樹
【テーマコード(参考)】
2C333
【Fターム(参考)】
2C333AA02
2C333AA05
2C333AA11
2C333CA02
2C333CA06
2C333CA13
2C333CA53
2C333FA08
(57)【要約】
【課題】演出制御の安定化を図ることができ、その結果として遊技の興趣向上又は遊技の興趣低下の防止を図ることができる遊技機を提供する。
【解決手段】遊技機は、演出に関する複数の項目について、操作手段が受け付けた操作に基づいてカスタマイズ可能であり、複数の項目の少なくとも一部についてカスタマイズ可能である第一状態(通常モード)と第二状態(チャンスタイム)とがあり、第二状態が終了した後に第一状態になる場合に、第一状態においてカスタマイズ可能である項目の少なくとも一部についてカスタマイズが不能となるカスタマイズ制限期間(期間T1)に、第二状態の終了以後になり、第一状態において第一項目について操作を受け付けてからカスタマイズが反映されるタイミングと、第一状態において第二項目について操作を受け付けてからカスタマイズが反映されるタイミングと、が異なり得る、ことを特徴とする。
【選択図】
図20
【特許請求の範囲】
【請求項1】
始動口への遊技球の入賞に基づいて図柄変動を実行可能な遊技機であって、
操作手段と、
演出を制御する演出制御手段と、
を備え、
前記演出制御手段は、演出に関する複数の項目について、前記操作手段が受け付けた操作に基づいてカスタマイズ可能であり、
前記複数の項目の少なくとも一部についてカスタマイズ可能である第一状態と第二状態とがあり、
前記第一状態においてカスタマイズ可能な項目の少なくとも一部が前記第二状態においてカスタマイズ可能な項目に含まれず、又は、前記第二状態においてカスタマイズ可能な項目の少なくとも一部が前記第一状態においてカスタマイズ可能な項目に含まれず、
前記第二状態が終了した後に前記第一状態になる場合に、前記第一状態においてカスタマイズ可能になる項目の少なくとも一部についてカスタマイズが不能となるカスタマイズ制限期間に、前記第二状態の終了以後になり、
前記第一状態においてカスタマイズ可能な項目には、第一項目と第二項目とが含まれ、
前記第一状態において前記第一項目について操作を受け付けてからカスタマイズが反映されるタイミングと、前記第一状態において前記第二項目について操作を受け付けてからカスタマイズが反映されるタイミングと、が異なり得る、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記カスタマイズ制限期間においてカスタマイズが可能である項目の数が、前記第一状態においてカスタマイズ可能な項目の数、及び、前記第二状態においてカスタマイズ可能な項目の数、のいずれと比べても小さい、
請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
更に、第三状態があり、
前記第一状態においてカスタマイズ可能な項目の少なくとも一部が前記第三状態においてカスタマイズ可能な項目に含まれず、又は、前記第三状態においてカスタマイズ可能な項目の少なくとも一部が前記第一状態においてカスタマイズ可能な項目に含まれず、
前記第三状態、前記第二状態、前記第一状態の順に有利であり、
前記第二状態の終了後に前記第一状態になる第一の場合と、前記第三状態の終了後に前記第一状態になる第二の場合と、があり、
前記第一の場合と前記第二の場合の比較において、前記カスタマイズ制限期間の長さが異なる、
請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記第二状態が終了した後に前記第一状態になる場合において、前記カスタマイズ制限期間の開始前に開始された演出が当該第一状態の開始後まで継続して行われ、当該第二状態において受け付けた操作に基づくカスタマイズによって当該演出が制御されている場合、当該第一状態の開始後も同じカスタマイズによって当該演出が制御され得る、
請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項5】
前記第二状態が終了した後に前記第一状態になる場合において、前記カスタマイズ制限期間の開始前に開始された演出が当該第一状態の開始後まで継続して行われ、当該第一状態が開始してから当該演出が終了するまでの間にカスタマイズの操作を受け付けた場合、当該カスタマイズが制限され得る、
請求項1又は2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機に代表される遊技機には、遊技が行われていない状態(待機デモ画面の表示中)において、遊技中に行われる演出について、遊技者が任意にカスタマイズできる機能(以下、演出カスタマイズ機能と称する)を有するものがある。例えば、特許文献1。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、例えば遊技機への電力供給が開始されたときや、遊技者が遊技を開始したとき、遊技者が遊技を行っていないと判定されたときに、演出カスタマイズに関する情報を、ディスプレイ装置に表示する遊技機が開示されている。
【0005】
ところで、遊技機には複数の状態を遷移しながら遊技が進行し、その状態の遷移に応じてカスタマイズ可能な演出が変化するものがある。このような遊技機の場合、状態の遷移(カスタマイズ可能な演出の変化)の影響を考慮せずに、演出カスタマイズに関する操作を受け付け可能とすると演出制御が不安定になる(遊技者が予期せぬカスタマイズとなる)虞がある。
特許文献1の遊技機は、上記のような観点で演出カスタマイズ機能について配慮がされておらず、未だ改善の余地がある。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、適切な演出カスタマイズ機能を実現し、遊技の興趣向上又は遊技の興趣低下の防止を図ることができる遊技機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、始動口への遊技球の入賞に基づいて図柄変動を実行可能な遊技機であって、操作手段と、演出を制御する演出制御手段と、を備え、前記演出制御手段は、演出に関する複数の項目について、前記操作手段が受け付けた操作に基づいてカスタマイズ可能であり、前記複数の項目の少なくとも一部についてカスタマイズ可能である第一状態と第二状態とがあり、前記第一状態においてカスタマイズ可能な項目の少なくとも一部が前記第二状態においてカスタマイズ可能な項目に含まれず、又は、前記第二状態においてカスタマイズ可能な項目の少なくとも一部が前記第一状態においてカスタマイズ可能な項目に含まれず、前記第一状態が終了した後に前記第二状態になる場合に、前記第一状態においてカスタマイズ可能であった項目の少なくとも一部についてカスタマイズが不能となるカスタマイズ制限期間に、前記第一状態の終了以後になり、前記第一状態においてカスタマイズ可能な項目には、第一項目と第二項目とが含まれ、前記第一状態において前記第一項目について操作を受け付けてからカスタマイズが反映されるタイミングと、前記第一状態において前記第二項目について操作を受け付けてからカスタマイズが反映されるタイミングと、が異なり得る、ことを特徴とする遊技機が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、第二状態から第一状態へに切り替わる際に、演出のカスタマイズを制限する期間(カスタマイズ制限期間)を設けるので、演出制御の安定化を図ることができ、その結果として遊技の興趣向上又は遊技の興趣低下の防止を図ることができる遊技機が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】
図2は、
図1に示す領域IIに配設される図柄表示装置を示す図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す領域IIIに配設される操作ボタン群およびその周辺を示す鳥瞰図である。
【
図4】
図4は、遊技機内に設置される遊技盤を示す図である。
【
図6】
図6は、遊技機が備える制御構成を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、遊技機が備える機能構成を示すブロック図である。
【
図8】
図8(a)は、特図当否判定用の抽選テーブルを、
図8(b)は、特
図1停止図柄抽選用の抽選テーブルを、
図8(c)は、特
図2停止図柄抽選用の抽選テーブルを、模式的に示す図である。
【
図9】
図9(a)は、特図変動パターン導出状態PAで用いられる特図変動パターン抽選テーブルを、
図9(b)は、特図変動パターン導出状態PAにおいて特図変動パターンHNPが決定された場合に用いられる特図変動パターン抽選テーブルを、模式的に示す図である。
【
図10】
図10(a)は、特図変動パターン導出状態PBで用いられる特図変動パターン抽選テーブルを、
図10(b)は、特図変動パターン導出状態PBにおいて特図変動パターンHNPが決定された場合に用いられる特図変動パターン抽選テーブルを、模式的に示す図である。
【
図11】
図11(a)は、特図変動パターン導出状態PCで用いられる特図変動パターン抽選テーブルを、
図11(b)は、特図変動パターン導出状態PCにおいて特図変動パターンHNPが決定された場合に用いられる特図変動パターン抽選テーブルを、模式的に示す図である。
【
図12】
図12(a)は、特図変動パターン導出状態PDで用いられる特図変動パターン抽選テーブルを、
図12(b)は、特図変動パターン導出状態PDにおいて特図変動パターンHNPが決定された場合に用いられる特図変動パターン抽選テーブルを、模式的に示す図である。
【
図13】
図13(a)は、特図変動パターン導出状態の遷移を示す状態遷移図であり、
図13(b)は、特図変動パターン導出状態ごとの平均変動時間の関係を示す図である。
【
図14】
図14は、通常モードにおける図柄変動が開始してから停止するまでの演出カスタマイズ処理に関する表示の表示態様を表す図である。
【
図15】
図15は、通常モードにおける図柄変動停止中の演出カスタマイズ処理に関する表示の表示態様を表す図である。
【
図16】
図16は、通常モードにおける図柄変動停止中の演出カスタマイズ処理に関する表示の表示態様を表す図である。
【
図17】
図17は、チャンスタイムにおける演出カスタマイズ処理に関する表示の表示態様を表す図である。
【
図18】
図18は、チャンスタイムから通常モードに遷移する場合におけるメイン表示部の表示態様を表す図である。
【
図19】
図19は、確変モードから通常モードに遷移する場合におけるメイン表示部81の表示態様を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。また、以下の説明では、「前」「後」「左」「右」「上」「下」とは、特に断りのない限り、
図1に示すように遊技機10を正面側(遊技者側)から見た状態で指称するものとする。
なお、以降の説明における「有利(有利度)」とは、遊技者に対して有利であることを指し、さらに、特に断りがない限り、いわゆるプレミア画像等の演出面を除き、賞球(遊技媒体)の獲得量(遊技球の払い出しに限らず、メダルの払い出しを含む)に関して有利であることを指す。
【0011】
<本発明の特徴について>
本実施形態における遊技機10の詳細を説明する前に、本実施形態に記載されている発明(本発明)の特徴を説明する。
なお、当該特徴を説明するにあたり、括弧内の構成は、直前の構成に対応する本実施形態の構成を例示したものであり、当該説明以降の遊技機10の説明においても同様の用途で括弧内に構成を記載する場合がある。
【0012】
本発明に係る遊技機10は、始動口への遊技球の入賞に基づいて図柄変動を実行可能な、いわゆるパチンコ遊技機である。
遊技機10は、操作手段(演出ボタン37及びカーソルボタン38)と、演出を制御する演出制御手段(第1副制御基板200)と、を備え、演出制御手段は、演出に関する複数の項目について、操作手段が受け付けた操作に基づいてカスタマイズ可能である。
ここで演出に関する項目とは、例えば、スピーカ33の音量の調整、枠ランプ35の輝度の調整、BGMとして使用される楽曲の選択、特定の演出(例えば、プレミアム演出や先読み演出)の出現率や信頼度、演出に関する特定の機能(例えば、いわゆるオートボタンや3D表示)のうち少なくとも一つが該当しうる。
【0013】
複数の項目の少なくとも一部についてカスタマイズ可能である第一状態と第二状態とがある。
第一状態においてカスタマイズ可能な項目の少なくとも一部が第二状態においてカスタマイズ可能な項目に含まれない。又は、第二状態においてカスタマイズ可能な項目の少なくとも一部が第一状態においてカスタマイズ可能な項目に含まれない。
言い換えると、「第一状態においてカスタマイズ可能な項目」及び「第二状態においてカスタマイズ可能な項目」とを比較したとき、(イ)前者と後者が完全不一致である(いずれにも重複して含まれる項目が存在しない)、(ロ)前者と後者が部分的に一致する(いずれにも含まれる項目が存在するが、全部は一致しない)、(ハ)前者が後者に包含される(前者に含まれる項目の全部が後者に含まれるが、後者に含まれる項目の一部が前者に含まれない)、(ニ)後者が前者に包含される(後者に含まれる項目の全部が前者に含まれるが、前者に含まれる項目の一部が後者に含まれない)、のいずれかである。
【0014】
第一状態が終了した後に第二状態になる場合に、第一状態においてカスタマイズ可能であった項目の少なくとも一部についてカスタマイズが不能となるカスタマイズ制限期間に、第一状態の終了以後になる、ことを特徴とする。
すなわち、遊技機10は、カスタマイズ可能な項目が変化するタイミング(第二状態から第一状態へに切り替わる際)に制限を設けずに全てのカスタマイズを受け付け可能とすると、カスタマイズに関する制御が不安定になる(遊技者が予期せぬカスタマイズとなる虞がある)ので、上記のカスタマイズ制限期間を設けた、ことを特徴とする。
また、第一状態においてカスタマイズ可能な項目には、第一項目と第二項目とが含まれ、第一状態において第一項目について操作を受け付けてからカスタマイズが反映されるタイミングと、第一状態において第二項目について操作を受け付けてからカスタマイズが反映されるタイミングと、が異なり得る、ことを特徴とする。
すなわち、カスタマイズの種類によって操作から反映までのタイミングに差異を設けることによって、状況に応じた適切な演出のカスタマイズを実現する、ことを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、演出制御の安定化を図ることができ、その結果として遊技の興趣向上又は遊技の興趣低下の防止を図ることができる。
【0016】
上記の特徴を有する遊技機10について、以下の実施形態に基づいて具体的に説明する。
【0017】
<遊技機10の構造について>
まず、
図1~
図5を用いて、遊技機10の構造について説明する。
図1は、遊技機10の正面図であり、
図2は、
図1に示す領域IIに配設される図柄表示装置90を示す図であり、
図3は、
図1に示す領域IIIに配設される操作ボタン群およびその周辺を示す鳥瞰図であり、
図4は、遊技機10内に設置される遊技盤50を示す図であり、
図5は、遊技機10の背面図である。
なお、
図1から
図5に図示される各構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要なものを挙げたに過ぎず、ここに図示しない構成および機能を遊技機10に追加してもよい。また、遊技機10はここに図示する構成の全部を必ずしも備えなくてもよく、本発明の効果を阻害しない範囲で一部の構成または機能が省かれてもよい。
【0018】
本実施形態の遊技機10は、いわゆるパチンコ機であり、多数の遊技釘(図示省略)が立設された遊技盤50の前面領域(以下、「遊技領域50a」と称する)に遊技球を発射し、遊技球が入賞口(例えば、大入賞口55等)に入球すると賞球が得られる遊技を行うものである。なお、以下の説明では、入賞口に遊技球が入球することを、単に「(入賞口に)入賞する」と表現する場合がある。
【0019】
遊技機10は、前後に開口する矩形枠状の外枠15と、外枠15の開口前面側に遊技盤50を着脱可能に保持する中枠17と、遊技盤50の前面側を覆うよう構成された前枠20と、を備える。
【0020】
中枠17は、ヒンジ機構21と同一側にあるヒンジ機構(図示省略)により左端側を中心に回動自在に支持され、外枠15の前側に開閉可能となっている。なお、中枠17は、シリンダ錠23により、施錠および解錠(シリンダ錠23に扉キーを差し込み、扉キーを前枠20の解錠方向とは逆の方向(本実施形態では、右)に回す)が可能となっている。
【0021】
前枠20は、ヒンジ機構21により左端側を中心に回動自在に支持され、中枠17に対して開閉可能となっている。なお、前枠20は、シリンダ錠23により施錠および解錠(シリンダ錠23に扉キーを差し込み、扉キーを中枠17の解錠方向とは逆の方向(本実施形態では、左)に回す)が可能となっている。
また、前枠20は、遊技領域50aを覆うように配置された透明部材25を備え、透明部材25によって遊技領域50aおよび遊技盤50を透視保護している。
また、前枠20は、遊技球を貯留する上球受け皿27および下球受け皿29を備え、上球受け皿27と下球受け皿29は上下に離間して前枠20と一体的に設けられている。
また、前枠20は、下球受け皿29の右側方に操作ハンドル31を備え、操作ハンドル31の回動操作によって、上球受け皿27に貯留された遊技球が遊技領域50aに向けて発射されるようになっている。
【0022】
なお、
図1~
図5において図示は省略するが、中枠17には、中枠17が外枠15に対して開放状態であるか閉鎖状態であるかを検知する中枠開扉センサ76と、中枠17に対して前枠20が開放状態であるか閉鎖状態であるかを検知する前枠開扉センサ77と、を有している。本実施形態において、これらの開扉センサは、いずれも、開放状態でONとなり、閉鎖状態でOFFとなる。ただし、これらの開扉センサは、開放状態でOFFとなり、閉鎖状態でONとなるように構成されてもよい。
これにより、遊技機10が、中枠17の外枠15に対する開閉状態、および前枠20の中枠17に対する開閉状態の双方を検知することができる。
【0023】
また、
図3に示すように、上球受け皿27の上面には、遊技者に操作される操作ボタン群が配置されている。この操作ボタン群には、後述する主制御基板100に電気的に接続されているメイン操作部39として、玉貸ボタン39a、およびプリペイドカードの返却操作を受け付ける返却ボタン39bが設けられ、後述する第1副制御基板200に電気的に接続されている操作部として、遊技中に発生する演出を切り替えるまたは遊技機10に関わる種々の情報を得るために行う遊技者の操作を受け付けることができる演出ボタン37、およびそれぞれ上、下、左、右への操作を指示するためのカーソルボタン38(上カーソルボタン38a、下カーソルボタン38b、左カーソルボタン38c、右カーソルボタン38d、中カーソルボタン38e)等が含まれる。なお、各操作部には、操作を検知するためのセンサが設けられており、接続対象の制御基板は、当該センサの検知状態の変化によって各操作部の操作を検知している。
また、上球受け皿27の側方には、図示しないモータ等のアクチュエータにより動作する可動装飾体22が設けられている。
【0024】
下球受け皿29の下部には、下球受け皿29に貯留された遊技球を下方へ排出する球抜き機構36が設けられている。この球抜き機構36を操作することにより、下球受け皿29の底面に形成された底面口(図示省略)が開口して、当該底面口から遊技球が自然落下して排出される。
なお、図示は省略するが、上球受け皿27には、球抜き機構36と同様に、操作することで貯留している球を下球受け皿29へ移動させる機構が設けられ、この機構と球抜き機構36の双方を操作することで、貯留している球を排出することが可能となる。
【0025】
図1に示すように、前枠20の上枠部32の左側と右側にそれぞれ一対のスピーカ33(33a、33b)が配設されている。また、前枠20の上枠部32と左右側枠部34a、34bは光透過性のカバーにより形成されており、その内部にはそれぞれ枠ランプ35(35a、35b、35c)が配設されている。スピーカ33や枠ランプ35は、遊技中に発生する演出やエラー演出等と連動して音声の出音または点灯若しくは消灯することができる。
【0026】
演出表示装置80は、遊技盤50の略中央に配設されているメイン表示部81と、メイン表示部81の周囲に配設されているサブ表示部82で構成されている。サブ表示部82は、さらに、メイン表示部81の上方に配設されている上サブ表示部82aと、メイン表示部81の左側に配設されている左サブ表示部82bと、メイン表示部81の右側に配設されている右サブ表示部82cと、を含んでいる。
ここで、メイン表示部81は、固定式の液晶表示装置であり、上サブ表示部82a、左サブ表示部82b、右サブ表示部82cは、図示しないモータ等のアクチュエータにより動作する可動式の液晶表示装置である。
【0027】
メイン表示部81は、後述する第1特別図柄表示装置91または第2特別図柄表示装置92における変動表示に連動して行われる図柄列の変動表示を表示することができ、さらに他の各種の演出も表示することができる。
メイン表示部81に表示される図柄列(装飾図柄)の変動表示において、表示される装飾図柄は、3つの図柄列をなす。本実施形態における各図柄列の変動表示の方向は下方向であるが、当該方向は特に制限されない。例えば、上方向、左右方向、奥行き方向、またはこれらの組合せ(斜め方向)のいずれであってもよい。
ここで、奥行き方向とは、実際にはメイン表示部81の表示画面上の平面的な変動表示であるにも関わらず、メイン表示部81の奧方から手前方向またはその逆方向に図柄列が変動表示しているかのように認識させる手法(例えば、遠近法)を用いた表示態様において、遊技者が認識する仮想的な方向をいう。
また、本実施形態における装飾図柄には、数字の「1」を模した「1図柄」、数字の「2」を模した「2図柄」、数字の「3」を模した「3図柄」、数字の「4」を模した「4図柄」、数字の「5」を模した「5図柄」、数字の「6」を模した「6図柄」、数字の「7」を模した「7図柄」、数字の「8」を模した「8図柄」、および数字の「9」を模した「9図柄」があり、これらの図柄は、各図柄列に設けられている。以降の説明では、「1図柄」、「3図柄」、「5図柄」、「7図柄」、および「9図柄」を総称して「奇数図柄」と称し、「2図柄」、「4図柄」、「6図柄」、「8図柄」を総称して「偶数図柄」と称する場合がある。
【0028】
サブ表示部82のそれぞれは、主として演出に関連する演出画像を表示するために設けられるだけでなく、移動可能に構成されている。
なお、それぞれの初期位置は、上サブ表示部82aはメイン表示部81を基準として上側であり、左サブ表示部82bはメイン表示部81を基準として左側であり、右サブ表示部82cはメイン表示部81を基準として右側であり、サブ表示部82のそれぞれは、これらの初期位置からサブ表示部82の表示領域の全域がメイン表示部81の表示領域に重なる位置まで移動可能に構成されている。
【0029】
また、本実施形態における演出表示装置80(メイン表示部81、上サブ表示部82a、左サブ表示部82b、右サブ表示部82c)には、いずれも液晶表示装置が採用されているが、本発明の実施はこれに限るものではない。例えば、ドラム式やドットマトリックス式等、多様な方式の表示装置を演出表示装置80として採用することができる。
【0030】
メイン表示部81の右下側には、複数の発光ダイオード(light emitting diode、以下、「LED」と略称する)が配設されており、これらのLEDによって図柄表示装置90の表示領域が構成されており、図柄表示装置90には、特別図柄および普通図柄が表示される。
また、図柄表示装置90は、メイン表示部81よりも遊技者が視認しにくい位置に配設され、図柄表示装置90の表示領域は、メイン表示部81の表示領域よりも小さい面積になっている。
なお、本実施形態における図柄表示装置90に係るLEDの配置や数は
図2に示すとおりであるが、これは一例であって、図柄表示装置90に係るLEDの配置や数はこの例に制限されるものではない。
【0031】
特別図柄は、特別電動役物(例えば、特別電動役物65)を作動させるか否かを決定する図柄変動の結果として停止表示される図柄である。本実施形態における特別図柄には、第1特別図柄表示装置91に表示される第1特別図柄と第2特別図柄表示装置92に表示される第2特別図柄とが含まれる。
なお、特別図柄は「特図」、第1特別図柄は「特
図1」、第2特別図柄は「特
図2」と略称される場合がある。
【0032】
普通図柄は、普通電動役物(例えば、普通電動役物61)を作動させるか否かを決定する図柄変動の結果として停止表示される図柄である。本実施形態における普通図柄は、普通図柄表示装置93に表示される。
なお、普通図柄は、「普図」と略称される場合があり、普通電動役物は「電チュー」と称される場合がある。
【0033】
また、図柄表示装置90には、上述の表示装置以外に、第1特別図柄保留ランプ94、第2特別図柄保留ランプ95、普通図柄保留ランプ96が設けられている。
第1特別図柄保留ランプ94は、保留されている特
図1の図柄変動の数を特定可能とし、第2特別図柄保留ランプ95は、保留されている特
図2の図柄変動の数を特定可能とし、普通図柄保留ランプ96は、保留されている普図の図柄変動の数を特定可能とし、いずれも2つのLEDの点灯態様(本実施形態では、右常時点灯のみ=1、左右常時点灯=2、右側点滅+左側常時点灯=3、左右点滅=4)によって対応する図柄変動の数を特定可能とするものである。
【0034】
以下の説明では、第1特別図柄表示装置91または第2特別図柄表示装置92で特図を変動表示させた後に特図を停止表示させる図柄変動を「特図の図柄変動」と称し、以下の説明では、普通図柄表示装置93を変動表示させた後に普図を停止表示させる図柄変動を「普図の図柄変動」と称する場合がある。
また、以下の説明では、上述のメイン表示部81に表示される図柄列(装飾図柄)の変動表示は、「特図の図柄変動」や「普図の図柄変動」と区別して「装飾図柄の図柄変動」と称する場合がある。
なお、以下の説明では、単に「図柄変動」と称した場合には、特に断りがない限り特図の図柄変動を意味する。
【0035】
遊技盤50の前面には、
図4に示すように、多数の遊技釘(図示省略)や風車52、装飾部材といった障害物が配置されていることにより、打ち出された遊技球が転動するように遊技領域50aが画成されている。
また、遊技領域50aの左側および上側には、操作ハンドル31の回転操作により発射された遊技球を遊技領域50aの上部に案内するために設けられた湾曲形状の外レール51および内レール53が配置されている。なお、外レール51は、遊技領域50a中央を基準として内レール53より外側に位置している。ここで、風車52とは、遊技球の落下の方向に変化を与えるための機構であって、くぎ状のものをいう。
【0036】
遊技機10は操作ハンドル31の回転操作量(例えば回転角度)の大小によって遊技球の打ち出しの強弱をつけることが可能になっており、より弱く打ち出された遊技球が転動する第1流路X(いわゆる左打ち)、より強く打ち出された遊技球が転動する第2流路Y(いわゆる右打ち)、のいずれか一方を遊技球が転動するように各種障害物が遊技領域50aに配置されている。
【0037】
図4には、主要な入賞口として、大入賞口55、第1始動口57、第2始動口59、ゲート63、一般入賞口67を図示しているが、図示されている入賞口は一例であり、その数や配置は適宜変更しても構わない。
【0038】
大入賞口55は遊技領域50aの右下部に配置されている。大入賞口55には大入賞口センサ72が付設されており、大入賞口センサ72の検知結果によって大入賞口55への入賞が判定されて、大入賞口55に対応づけられた数(本実施形態では、15)の賞球が付与される。
なお、本実施形態において、第1流路Xから転動する場合と比較して、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球が大入賞口55に向けて転動するように各障害物が配置されている。
【0039】
大入賞口55の上方には特別電動役物65が配設されている。特別電動役物65は、大入賞口55への入賞が容易である開放状態または入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、特別電動役物ソレノイド66により開放状態または閉鎖状態のいずれかに遷移する。
より具体的には、特別電動役物65は、後述する特図当否判定によって大当りが導出されたことに起因して開始される大当り遊技の一部において開放状態になり、これに伴って大入賞口55への入賞が許容される。このように、特別電動役物65が開放状態である場合には、大入賞口55への入賞が容易となるため、賞球を獲得できる機会が大幅に増大する大当り遊技は、有利な遊技状態であると言える。
大当り遊技では、特別電動役物65の開放状態と閉鎖状態が交互に設定され、1回の開放状態(「ラウンド遊技」と称する場合があり、1回の大当りで発生するラウンド遊技の総数を「ラウンド数」と称する場合がある)は、あらかじめ定められた数(本実施形態では、10)の遊技球が大入賞口55に入賞したことに基づいて終了し、特別電動役物65が閉鎖状態となる。
なお、1回の開放状態は、あらかじめ定められた数の遊技球が大入賞口55に入賞するのに十分な時間(本実施形態では、30s(秒))が経過したことに基づいても終了する。
ここで、1回のラウンド遊技において、10球の遊技球が入賞したことに基づいて特別電動役物65が開放状態から閉鎖状態に設定される場合に、すぐに閉鎖状態となることはできない。そのため、1回のラウンド遊技において、10球を超える遊技球が大入賞口55に入賞する場合が発生し得る。
【0040】
第1始動口57は、遊技領域50aの中央下部に配置されている。第1始動口57には第1始動口センサ70が付設されており、第1始動口センサ70の検知結果によって第1始動口57への入賞が判定されて、第1始動口57に対応づけられた数(本実施形態では、4)の賞球が付与される。第1始動口57への入賞が判定された場合の少なくとも一部において、特
図1の図柄変動が行われることとなる。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第2流路Yから転動した場合に比べて、第1流路Xから転動した場合に多くの遊技球が第1始動口57に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
【0041】
第2始動口59は、遊技領域50aの右下部に配置されている。第2始動口59には第2始動口センサ71が付設されており、第2始動口センサ71の検知結果によって第2始動口59への入賞が判定されて、第2始動口59に対応づけられた数(本実施形態では、1)の賞球が付与される。
第2始動口59への入賞が判定された場合の少なくとも一部において、特
図2の図柄変動が行われることとなる。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第1流路Xから転動した場合に比べて、第2流路Yから転動した場合に多くの遊技球が第2始動口59に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
【0042】
第2始動口59に繋がる流路には普通電動役物61が配設されている。普通電動役物61は、第2始動口59に遊技球への入球が容易である開放状態または入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、普通電動役物ソレノイド62により開放状態または閉鎖状態のいずれかに遷移する。
より具体的には、普通電動役物61は、普図の図柄変動で当選して行われる普図当り遊技の少なくとも一部において開放状態になり、これに伴って第2始動口59への入賞が許容される。このように、普通電動役物61が開放状態である場合には、第2始動口59への入賞が容易となるため、賞球により遊技球の減少を抑えつつ、特
図2の図柄変動が実行される機会を大幅に増大し得る。
【0043】
ゲート63は、遊技領域50aの右中央部に配置されている。ゲート63には、ゲートセンサ74が付設されており、ゲートセンサ74の検知結果によってゲート63への入賞が判定される。ゲート63への入賞が判定された場合の少なくとも一部において、普図の図柄変動が行われることとなる。
【0044】
一般入賞口67は、遊技領域50aの左下部に配置されている。一般入賞口67には、一般入賞口センサ73が付設されており、一般入賞口センサ73の検知結果によって一般入賞口67への入賞が判定されて、一般入賞口67に対応づけられた数(本実施形態では、4)の賞球が付与される。
なお、本実施形態において、第2流路Yから転動する場合と比較して、第1流路Xから転動する場合に多くの遊技球が一般入賞口67に向けて転動するように各障害物が配置されているが、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球が一般入賞口67に向けて転動するように各障害物が配置されるようにしてもよい。また、一般入賞口67を複数個設けるようにしてもよい。
【0045】
アウト口69は、遊技領域50aの最下部に配置されている。遊技領域50aに打ち込まれ、上述の各入賞口に入球しなかった遊技球はアウト口69に落入し、アウト球として処理される。
なお、本実施形態では、上記入賞口およびアウト口に入球した遊技球であるアウト球を検出するためのアウト球センサ75(図示省略)を備えている。
【0046】
遊技盤50の背面には、
図5に示すように、主制御基板100が格納された主制御基板ケース109、第1副制御基板200が格納された第1副制御基板ケース209、第2副制御基板300が格納された第2副制御基板ケース309、電源制御基板500が格納された電源制御基板ケース509、および払出制御基板400が格納された払出制御基板ケース409が装着され、第1副制御基板ケース209および第2副制御基板ケース309の背面に加え、主制御基板ケース109の背面の一部を覆う開閉カバー45が着脱自在に装着されている。
なお、主制御基板100には、RAMクリアスイッチ43が設けられている。
また、各基板を覆う基板ケースおよびカバーは、透明性を有する部材によって構成されており、各ケースおよびカバーを通して対応する基板が視認可能となっている。
【0047】
電源制御基板500は、遊技島の電源設備から供給される一次電源を基に、上述の制御基板等の電子部品や電気部品に供給する通常電源を生成する通常電源回路501、バックアップ電源を生成するバックアップ電源回路502、および電断(通常電源による供給電圧が所定の電圧低下となること)を検出する電断検出回路503で構成されている。
また、電源制御基板500には、電源スイッチ40が接続されており、遊技島の電源設備から1次電源が供給されていることを前提として、電源スイッチ40がONになると、電源制御基板500の通常電源回路501で通常電源が生成され、上述の制御基板(主制御基板100、第1副制御基板200、第2副制御基板300、および払出制御基板400)を含む電子部品や電気部品に電源が供給される。
また、電源制御基板500は、電断検出回路503によって電断が検出された場合には、電断信号(NMI信号)を主制御基板100、第1副制御基板200、払出制御基板400のそれぞれに送信する。
また、バックアップ電源回路502は、遊技島の電源設備から遊技機10に電源が供給されているときに充電される仕組みとなっている。
なお、バックアップ電源回路502を払出制御基板400上に設けるようにしてもよく、電断検出回路503を電源制御基板500に設けず、主制御基板100、第1副制御基板200、および払出制御基板400のそれぞれに設けるようにしてもよい。
【0048】
また、遊技盤50の背面には、開閉カバー45の上部に、遊技島の球供給設備から供給される遊技球が貯留される遊技球タンク46が配置されている。遊技球タンク46は、さらに、タンクレール47および払出ユニット48を介して、上球受け皿27に繋がる払出通路49と接続されており、払出ユニット48によって払い出された球は、払出通路49を通って上球受け皿27に払い出される。
【0049】
ここまで、本実施形態における遊技機10の構造について説明してきたが、これらは一具体例であって、別の構成によって本発明を実施することもできる。
【0050】
<遊技機10の制御構成について>
次に、
図6を用いて、本実施形態に係る遊技機10が備える制御構成を説明する。
図6は、遊技機10が備える制御構成を示すブロック図である。なお、
図6に示す制御構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要となるものであり、遊技機10は、
図6で図示しない制御構成を備えていてもよい。
【0051】
主制御基板100は、遊技に関する各種の演算処理を行うCPU101と、制御プログラムや各種抽選テーブル等のデータを記憶したROM102と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM103と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート104と、CPU101によるプログラム処理とは別系統で動作して乱数(ハード乱数)を生成する乱数回路105と、を備えており、これらが内部バスを介して相互に接続されている。
【0052】
CPU101は、ROM102に格納された各種の制御プログラムを読み出して演算処理を行うことで、遊技の主制御に係る各種処理を実行する。
RAM103は、後述するバックアップ電源回路において生成されるバックアップ電源によってバックアップがなされる。具体的には、RAM103に格納される情報のうち、電断が生じた後の復電時(電源投入時)にそのデータを用いて電断直前の状態で遊技機10が復帰できるような各種情報がバックアップされるように構成されている。例えば、電断が生じた際に保持されていたスタックポインタや各レジスタ等のデータに加え、そのときの遊技機10の状態(遊技停止状態または遊技可能状態)、現在の特図抽選状態、現在の普図抽選状態などといった遊技に係る情報がバックアップ対象とされる。なお、これらの情報は、RAMクリア処理によってクリア(初期化)される。そのため、RAMクリアされた後は、後述する特図変動パターン導出状態PA(後述する特図低確かつ普図低確)が新たに設定されることとなる。さらに、RAMクリア処理が実行された場合には、装飾図柄に係る図柄列は、初期図柄組合せ(本実施形態では、「1図柄-3図柄-5図柄」)が停止表示された状態となり、電源投入時にRAMクリア処理が実行されなかった場合かつ直前の電断時に図柄変動の実行中でない場合にも初期図柄組合せが停止表示された状態となる。また、この初期図柄組合せは、電源投入時にのみ停止表示されるものであり、図柄変動の実行により停止されることがない。
【0053】
本実施形態では、少なくとも、そのような遊技に係る情報が格納される領域(RAM103の遊技に係る領域と表記される場合がある)に加えて、RAM103の遊技に係る領域に関するチェックサムの補数およびバックアップフラグが格納される領域(RAM103の遊技に係るバックアップ情報領域と表記される場合がある)がバックアップされる。そして、遊技機10は、復電時に、そのバックアップされた、RAM103の遊技に係る領域と、RAM103の遊技に係るバックアップ情報領域とに格納される各種情報を用いて復帰する。
なお、本実施形態におけるバックアップの具体的手法については何ら制限されない。例えば、RAM103のうちバックアップ対象とされる領域は、電断状態においても不揮発的にデータを保持可能な構成で実現されてもよい。他の例としては、RAM103の中でも、電断状態においても不揮発的にデータを保持可能に構成される第一メモリと、遊技機10が動作時に参照される第二メモリとで異なるハードウェアが設けられていてもよく、その場合には、遊技機10は、電断時に第二メモリから第一メモリにバックアップ対象となる情報を退避し、その退避された情報を復電時に第一メモリから第二メモリへリカバリすればよい。
【0054】
また、主制御基板100は、第1始動口センサ70、第2始動口センサ71、大入賞口センサ72、一般入賞口センサ73、ゲートセンサ74、アウト球センサ75、中枠開扉センサ76、前枠開扉センサ77等と電気的に接続されており、I/Oポート104を介して、これらのセンサからの検出信号をCPU101に入力可能に構成されている。
【0055】
また、主制御基板100は、第1特別図柄表示装置91、第2特別図柄表示装置92、普通図柄表示装置93、第1特別図柄保留ランプ94、第2特別図柄保留ランプ95、普通図柄保留ランプ96、普通電動役物ソレノイド62および特別電動役物ソレノイド66に電気的に接続されており、I/Oポート104を介してこれらを制御可能に構成されている。
同様に、主制御基板100は、メイン操作部39やRAMクリアスイッチ43に電気的に接続されており、メイン操作部39の操作を検知可能に構成されている。
【0056】
主制御基板100と第1副制御基板200との間は、8本のパラレル信号線および1本のストローブ線で接続されており、主制御基板100から第1副制御基板200へと向かう単一方向のみで通信可能に接続され、主制御基板100から第1副制御基板200へ各種の演出制御コマンドが送信される。
なお、第1副制御基板200から主制御基板100へデータを送信することはできず、また、第1副制御基板200は、主制御基板100に対してデータの送信を要求することはできないように構成されている。
また、本実施形態では、主制御基板100から第1副制御基板200へのデータ送信にパラレル伝送方式を採用しているが、シリアル伝送方式を採用してもよい。
【0057】
第1副制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づき遊技演出に関する各種の演算処理を行うCPU201、演出制御プログラムや各種抽選テーブル等のデータを記憶したROM202、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM203と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート204と、を備え、これらが内部バスを介して相互に接続され、CPU201がROM202に記憶された制御プログラムに従って遊技演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。
なお、第1副制御基板200は、演出ボタン37およびカーソルボタン38に電気的に接続されており、当該操作部の操作を検知可能に構成されている。
【0058】
また、第1副制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づく演出制御処理にて、第2副制御基板300へ表示させる画像を指示する画像制御コマンド、輝度の調整を指示する輝度調整コマンド、音声制御基板310へ出力させる音声を指示する音声制御コマンド、音量の調整を指示する音量調整コマンド、枠ランプ35等の各種ランプの点灯を制御するためのランプ制御データ、可動装飾体22、およびサブ表示部82等の可動を制御するための可動制御データ等を生成する。
ここで、第1副制御基板200は、第2副制御基板300および音声制御基板310と双方向通信が可能に接続されており、各制御コマンド(画像制御コマンド、輝度調整コマンド、音声制御コマンド、音量調整コマンド)が第1副制御基板200から第2副制御基板300または音声制御基板310へ送信される一方、その応答として、当該制御コマンドを正常に受信できた旨を示す応答コマンド(ACKコマンド)が各制御基板(第2副制御基板300、音声制御基板310)から第1副制御基板200へ送信される。
【0059】
また、第1副制御基板200は、枠ランプ35と電気接続されており、I/Oポート204を介して、ランプ制御データを送信する。そして、枠ランプ35は、第1副制御基板200から送信されるランプ制御データによって点灯が制御されるように構成されている。
さらに、第1副制御基板200は、可動装飾体22およびサブ表示部82と電気接続されており、I/Oポート204を介して、可動制御データを送信する。そして、可動装飾体22およびサブ表示部82は、第1副制御基板200から送信される可動制御データによって可動が制御されるように構成されている。
【0060】
第2副制御基板300は、第1副制御基板200からの画像制御コマンドに基づき画像演出に関する各種の演算処理を行うCPU301と、画像制御プログラムや各種データ等を記憶したROM302と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM303と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート304とを備えており、CPU301がROM302に記憶された制御プログラムに従って画像演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。
その他、第2副制御基板300には、図示省略するが、CPU301から受信した制御信号に基づき、後述する演出内容決定手段225によって決定された演出の内容に沿った画像データを生成するVDPと、CPU301から受信した制御信号に基づき当該演出の内容に沿った音響データを生成する音源ICとを搭載している。VDPは、いわゆる画像プロセッサであり、CPU301からの指示に応じて画像ROMに記憶された画像データを読み込み、これを画像処理して生成した画像データを、メイン表示部81やサブ表示部82へ送信する。また、このVDPには、画像ROMから読み出された画像データの展開・加工に使用される高速のVRAMが接続されている。
【0061】
音声制御基板310は、第1副制御基板200からの音声制御コマンドに基づき音声演出に関する各種の演算処理を行うCPU311と、音声制御プログラムや音声データ等を記憶したROM312と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM313と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート314とを備えており、CPU311がROM312に記憶された制御プログラムに従って音声演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。したがって、音声制御基板310は、第1副制御基板200から受信した音声制御コマンドに応じて、ROM312に記憶された音声データを読み込み、読み込んだ音声データを合成し、合成後の最終的な音声データを、増幅器を介してスピーカ33に送信し、スピーカ33に音声を出音させることができる。
【0062】
払出制御基板400は、CPU、ROMおよびRAM(いずれも図示省略)を主体として構成されている。
また、払出制御基板400は、主制御基板100と双方向通信可能に接続されており、主制御基板100からの払出制御コマンドに基づいて払出ユニット48を駆動させて遊技球を払い出すための制御を実行するとともに、操作ハンドル31の操作量に基づき球送り機構と発射機構とを同期的に駆動させて遊技球の発射を制御する。
【0063】
電源制御基板500は、遊技島の電源設備から供給される一次電源を基に、上述の制御基板等の電子部品や電気部品に供給する通常電源を生成する通常電源回路、バックアップ電源を生成するバックアップ電源回路、および電断(通常電源による供給電圧が所定の電圧低下となること)を検出する電断検出回路(いずれも図示省略)で構成されている。
また、電源制御基板500には、電源スイッチ40が接続されており、遊技島の電源設備から1次電源が供給されていることを前提として、電源スイッチ40がONになると、電源制御基板500の通常電源回路で通常電源が生成され、上述の制御基板(主制御基板100、第1副制御基板200、第2副制御基板300、および払出制御基板400)を含む電子部品や電気部品に電源が供給される。
また、電源制御基板500は、電断検出回路によって電断が検出された場合には、電断信号(NMI信号)を主制御基板100、第1副制御基板200、払出制御基板400のそれぞれに送信する。
また、バックアップ電源回路は、遊技島の電源設備から遊技機10に電源が供給されているときに充電される仕組みとなっている。
なお、バックアップ電源回路を払出制御基板400上に設けるようにしてもよく、電断検出回路を電源制御基板500に設けず、主制御基板100、第1副制御基板200、および払出制御基板400のそれぞれに設けるようにしてもよい。
【0064】
<遊技機10の機能構成について>
次に、
図7を用いて、本実施形態に係る遊技機10が備える機能構成を説明する。
図7は、遊技機10が備える機能構成を示すブロック図である。なお、
図7に示す機能構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要となるものであり、遊技機10は、
図7で図示しない機能構成を備えていてもよい。また、機能構成を説明する際に、必要に応じて
図8~
図13を参照することとする。
【0065】
主制御基板100は、
図7に示すように、入球判定手段110、メイン乱数発生手段115、メイン保留制御手段120、事前判定手段125、特図抽選手段130、普図抽選手段135、大当り遊技制御手段140、図柄表示制御手段145、電動役物制御手段150、遊技状態制御手段155、メイン情報記憶手段160、メインエラー制御手段165、メインコマンド管理手段170、復電処理実行手段175、および電断処理実行手段180を備えており、これらの手段は、
図6を用いて説明した主制御基板100上の各制御構成によって実現されるものを機能的に表したものである。
【0066】
まず、メイン情報記憶手段160は、主制御基板100が備える手段によって読み出されたデータや、当該手段における演算によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。特に、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶されたデータ(演出制御コマンド)は、記憶された後にコマンド送信手段によって後述する第1副制御基板200のサブコマンド管理手段270に向けて送信される。
【0067】
入球判定手段110は、各入賞口に設けられたセンサの検知結果に基づいて各入賞口への入賞を判定する。
【0068】
メイン乱数発生手段115は、乱数回路105によって更新範囲が異なる複数種類の乱数を生成可能であり、入賞口への入賞が判定されたタイミングで乱数回路105から当該入賞口に対応する一または複数の乱数を取得(ラッチ)する。
より具体的には、メイン乱数発生手段115は、第1始動口57または第2始動口59への入賞が判定された場合には、後述する、特図当否判定用の乱数、特図停止図柄抽選用の乱数、および特図変動パターン抽選用の乱数を取得する。ゲート63への入賞が判定された場合には、後述する普図当否判定用の乱数、普図停止図柄抽選用の乱数、および普図変動パターン抽選用の乱数をメイン情報記憶手段160の対応する格納領域に格納する。
なお、乱数回路105は、自身が更新している複数種類の乱数が正常に更新されているか否かを監視し、乱数が正常に更新されない更新異常が発生した場合には、乱数回路105が有する特定の記憶領域に当該異常が発生したことを示す情報が書き込まれる。そのため、CPU101は、乱数回路105の更新異常が発生したことを把握可能となっている。
【0069】
メイン保留制御手段120は、特図の図柄変動の保留、および普図の図柄変動の保留に関する制御を行う。特
図1に関しては、第1始動口57への入賞を契機として取得された、特図当否判定用の乱数、特図停止図柄抽選用の乱数、および特図変動パターン抽選用の乱数を、特
図1の作動保留情報として保留する(記憶させる)。
より具体的には、メイン保留制御手段120は、特
図1の作動保留情報が保留されるごとに1加算され、特
図1の作動保留情報が使用される(特図抽選手段130の抽選で用いられる)ごとに1減算される保留カウンタ(以下、「特
図1保留カウンタ」と称する)を備え、特
図1保留カウンタの値が上限値(本実施形態では、4)となるまで、当該作動保留情報をメイン情報記憶手段160の現在の特
図1保留カウンタに対応する格納領域に記憶させ、作動保留情報が使用されるごとに、使用された作動保留情報をクリアし、残りの作動保留情報を、特
図1保留カウンタの小さいものから順に、現在の格納領域から現在の特
図1保留カウンタよりも1少ない特
図1保留カウンタに対応する格納領域に移動(シフト)させる制御を行う。
また、メイン保留制御手段120は、特
図2および普図に関しても、特
図1とは別に上述の制御と同様の制御を行い、特
図2の保留カウンタを特
図2保留カウンタと称する。
また、以降の説明では、「作動保留情報の保留」を、「図柄変動の保留」、または単に「保留」と表現する場合がある。
また、メイン保留制御手段120は、特
図1または特
図2の作動保留情報(保留カウンタ)を更新(加算または減算)した際に、特
図1保留カウンタおよび特
図2保留カウンタを含む演出制御コマンド(保留コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
なお、本実施形態では、特
図1に対応する作動保留情報および特
図2に対応する作動保留情報の双方が保留されている場合には、特
図2に対応する作動保留情報が優先的に使用される優先変動が行われる。
【0070】
事前判定手段125は、所定の事前判定のタイミングにおいて特図の作動保留情報が保留された場合の少なくとも一部で、当該作動保留情報を対象とした先読み演出のための事前判定を実行する。
より具体的には、事前判定手段125は、今回保留した作動保留情報の各乱数を読み出し、後述する、特図当否判定、特図停止図柄抽選、および特図変動パターン抽選のそれぞれに対する事前判定を実行する。各事前判定では、各事前判定に対応する抽選に用いられる抽選テーブルと同一または同等の抽選テーブル(図示省略)が用いられる。そのため、これらの事前判定の結果は、後に実行される抽選の結果と同一の結果となる。
また、事前判定手段125は、導出された事前判定の結果を含む演出制御コマンド(事前判定コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
事前判定コマンドは、所定の事前判定のタイミングの少なくとも一部で送信される(生成され、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶される)ものであるため、上述の保留コマンドに続いて送信されることとなる。ここで、所定の事前判定のタイミングとは、大当り遊技中ではないタイミングを指し、例えば、特図の作動保留情報が保留されたタイミングがある。なお、本実施形態では、後述する普図高確中に特
図1の作動保留情報が保留された場合には、事前判定が規制されるため、当該事前判定に対応する事前判定コマンドの送信も規制される。一方、後述する普図低確中に特
図2の作動保留情報が保留された場合については、事前判定を規制してもよいし、事前判定を規制しなくてもよい。
【0071】
特図抽選手段130は、特図当否判定手段131、特図停止図柄抽選手段132、および特図変動パターン導出手段133を備え、特図当否判定手段131、特図停止図柄抽選手段132、特図変動パターン導出手段133の順に各手段による処理を実行する。特図抽選手段130は、特図の変動開始条件が充足された際に、メイン情報記憶手段160に保留されている作動保留情報のうちの最先の作動保留情報を読み出す。
なお、「特図の変動開始条件が充足される」とは、その一例として、大当り遊技中ではないこと、特
図1および特
図2のいずれも図柄変動の実行中でないこと(特
図1または特
図2に係る図柄変動の停止表示中も含む)、特
図1および特
図2のうちの少なくともいずれか一方に作動保留情報が存在することのすべての条件が充足されたことである。
【0072】
ここで、
図8~
図12は、主制御基板100で用いられる抽選テーブルを模式的に示す図であり、以下の説明において必要に応じて参照する。
なお、これらの抽選テーブル以外も含め、抽選テーブルを用いた抽選では、読み出した乱数に対して抽選テーブルに記憶された抽選値をあらかじめ定められた順序に従って順次加算(対象となる抽選値が一つである場合には、加算回数は一回)され、キャリー(桁あふれ)が発生した抽選値に対応する結果が当該抽選の結果として導出される。同様に、抽選テーブルに関する説明では、説明の便宜上、抽選テーブルに名前を付しているが、名前に対応する抽選テーブルに含まれる抽選値等のデータが各ROMに識別可能に記憶されていればよく、これらの名前は、当該データが記憶される領域を特定するものではない。図示される抽選テーブルには、説明の便宜上記載された項目や、抽選値として「-」や「0」が記載されている場合があれば、これらは必ずしも各ROMに記憶されたデータを示すものではない。そして、抽選値として「-」や「0」が記載された結果は当選することはない。さらに、抽選に使用される乱数範囲(当該範囲で取得され得る乱数の数)と同一の抽選値が抽選テーブルに記載されている場合には、当該結果が100%導出されるため、必ずしも抽選を行う必要はない。また、一回の抽選に用いられる抽選値の合計値が、抽選に使用される乱数範囲と一致した場合には、最後の抽選値の加算で必ずキャリーが発生するため、当該加算を行わなくてよく、その場合には、当該加算に用いられる抽選値自体も不要となる。
【0073】
特図当否判定手段131は、図柄変動ごとに、特図当否判定用の乱数を読み出し、読み出した乱数と特図当否判定用の抽選テーブルを用いて大当り、ハズレのいずれに当選するかを抽選によって判定する特図当否判定を実行する。
図8(a)は、特図当否判定用の抽選テーブルを模式的に示す図であり、当該抽選テーブルは、特
図1および特
図2で共通して用いられる。当該判定で用いられる乱数の範囲は、0~65535であるため、特図抽選状態が低確率の場合(以下、「特図低確」と略称する場合がある)には、205/65536(約1/320)の確率で大当りが導出される。
同様に、特図抽選状態が高確率の場合(以下、「特図高確」と略称する場合がある)には、600/65536(約1/109)の確率で大当りが導出される。
【0074】
特図停止図柄抽選手段132は、特図当否判定の結果が大当りとなった場合に、特図停止図柄抽選用の乱数を読み出し、読み出した乱数と特図停止図柄抽選用の抽選テーブルを用いて特図の停止図柄を抽選によって決定する。
図8(b)は、特
図1停止図柄抽選用の抽選テーブルを模式的に示す図であり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、0~99である。そのため、特
図1で大当りが導出された場合には、50/100(1/2)の確率で図柄Aが、50/100(1/2)の確率で図柄Bが、停止図柄として決定される。
ここで、図柄Aは、ラウンド数が4であり、大当り遊技終了後に特図高確かつ後述する普図高確となる図柄(以下、「確変図柄」と称する場合があり、当該図柄に係る大当りを「確変大当り」と称する場合がある)である。一方、図柄Bは、ラウンド数が4であり、大当り遊技終了後に特図低確かつ普図高確となる図柄(以下、「通常図柄」と称する場合があり、当該図柄に係る大当りを「通常大当り」と称する場合がある)である。よって、図柄Aは、大当り遊技後の特図抽選状態において図柄Bよりも有利な図柄であると言える。
図8(c)は、特
図2停止図柄抽選用の抽選テーブルを模式的に示す図であり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、特
図1停止図柄抽選と同様に、0~99である。そのため、特
図2で大当りが導出された場合には、75/100(約1/1.33)の確率で図柄aが、25/100(1/4)の確率で図柄bが、停止図柄として決定される。
ここで、図柄aは、ラウンド数が10、かつ大当り遊技終了後に特図高確かつ普図高確となる確変図柄であり、図柄bは、ラウンド数が4、かつ大当り遊技終了後に特図高確かつ普図高確となる通常図柄である。よって、図柄aは、ラウンド数において図柄bよりも有利な図柄であると言える。なお、以降の説明では、図柄aに係る大当りを10R確変大当り、図柄bに係る大当りを4R確変大当り、と称する場合がある。
また、特図停止図柄抽選手段132は、特図当否判定の結果が大当りとならなかった場合には、特
図1のハズレ時は図柄C、特
図2のハズレ時は図柄cを停止図柄として一律に決定する。
また、本実施形態は、特
図1による大当り遊技終了後の特図高確となる割合(50/100)と、特
図2による大当り遊技終了後の特図高確となる割合(100/100)とが異なっている(特
図1の図柄変動よりも特
図2の図柄変動が有利になっている)。詳細は省略するが、この違いは、大当り遊技中に遊技球が大入賞口55内に設けられたV入賞領域を通過した場合(V入賞領域に設けられたセンサが遊技球を検知した場合)に大当り遊技終了後に特図高確とする機能を備え、V入賞領域の通過が容易となるラウンド遊技(本実施形態では、確変大当りに係る入賞容易期間の4回目のラウンド遊技に設けられる)を設けるか否かを特図の停止図柄によって変えることで実現している。
【0075】
このように、上述の本実施形態では、特
図2に係る図柄変動において当選した大当りは、特
図1に係る図柄変動において当選した大当りよりも有利度が高い。これによれば、後述する特図変動パターン導出状態PAから特図変動パターン導出状態PDへの遷移によって遊技興趣をより高めることができる。
【0076】
特図変動パターン導出手段133は、特図変動パターンを決定する際に参照する特図変動パターン抽選テーブルを複数種類備え、現在の特図変動パターン導出状態と今回の特図当否判定の結果とに基づいて、今回の特図変動パターンを決定するための一つの特図変動パターン抽選テーブルを選択し、選択した特図変動パターン抽選テーブルと特図変動パターン抽選用の乱数とを用いて一つの特図変動パターンを決定し、決定した特図変動パターンに基づいて変動時間を決定する。ここで、変動時間とは、特図(特
図1または特
図2)に係る図柄変動が開始されてから当該図柄変動が終了するまでの時間を指す。
遷移条件等の詳細は後述するが、本実施形態における特図変動パターン導出状態には、特図変動パターン導出状態PA、特図変動パターン導出状態PB、特図変動パターン導出状態PC、および特図変動パターン導出状態PDが存在する。そして、上述の特図変動パターンの決定方法は、特図変動パターン導出状態PAでは、特
図1の図柄変動で採用され、特図変動パターン導出状態PB、特図変動パターン導出状態PC、および特図変動パターン導出状態PDでは、特
図2の図柄変動で採用される。なお、各特図変動パターン導出状態における他方の特図に係る図柄変動では、特図当否判定の結果に応じてあらかじめ定められた一の特図変動パターンが決定される。
【0077】
図9(a)は、特図変動パターン導出状態PA時の特
図1に係る図柄変動で用いられる特図変動パターン抽選テーブルを模式的に示す図であり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、0~999である。
図9(a)に示す通り、特図変動パターン導出状態PA時の特
図1に係る図柄変動では、特図変動パターンHNP~特図変動パターンASP-Cが決定され得る。
具体的には、特図変動パターン導出状態PA時の特
図1に係る図柄変動において特図当否判定の結果がハズレとなった場合には、900/1000(約1/1.11)の確率で特図変動パターンHNP、52/1000(約1/19.2)の確率で特図変動パターンHRP、13/1000(約1/76.9)の確率でHSP1-A、11/1000(約1/90.9)の確率でHSP1-B、9/1000(約1/111)の確率でHSP2-A、7/1000(約1/143)の確率でHSP2-B、5/1000(1/200)の確率でHSP3-A、3/1000(約1/333)の確率でHSP3-Bが決定され、当該場合には、特図変動パターンASP1-A~特図変動パターンASP-Cが決定されることはない。なお、詳細は
図9(b)を用いて後述するが、特図変動パターンHNPが決定された場合には、今回の図柄変動開始時における特
図1保留カウンタの値を用いて特図変動パターンがさらに特定される。
一方、特図変動パターン導出状態PA時の特
図1に係る図柄変動において特図当否判定の結果が大当りとなった場合には、90/1000(約1/11.1)の確率で特図変動パターンASP1-A、110/1000(約1/約9.09)の確率で特図変動パターンASP1-B、135/1000(約1/7.41)の確率で特図変動パターンASP2-A、165/1000(約1/約6.06)の確率で特図変動パターンASP2-B、180/1000(約1/5.56)の確率で特図変動パターンASP3-A、220/1000(約1/4.56)の確率で特図変動パターンASP3-B、100/1000(1/10)の確率で特図変動パターンASP-Cが決定され、当該場合には、特図変動パターンHNP~特図変動パターンHSP3-Bが決定されることはない。
このように、本実施形態では、特図変動パターン導出状態PA時の特
図1に係る図柄変動において特図当否判定の結果がハズレとなった場合には、100/1000(1/10)の割合で、特図変動パターンHRP~特図変動パターンHSP3-Bのいずれかが決定され、900/1000(約1/1.11)の割合で、特図変動パターンHNPが決定される。さらに、特図変動パターン導出状態PA時の特
図1に係る図柄変動において特図当否判定の結果が大当りとなった場合には、1000/1000(1/1)の割合で、特図変動パターンASP1-A~特図変動パターンASP-Cのいずれかが決定される。
ここで、本実施形態の特図変動パターンに係る説明において、2つの特図変動パターンを、「~」を挟んで記載した場合、特図変動パターン導出状態ごとの特図変動パターン抽選テーブルに係る図面に記載した順序に従って、手前に記載された特図変動パターンと、後に記載された特図変動パターンとの間に存在する特図変動パターンの記載を省略したものとする。また、本実施形態の特図変動パターンに係る説明において、対応する変動時間の記載があるか否かに関わらず、特図変動パターンの名称が異なる場合は、異なる特図変動パターンであることを指すが、対応する変動時間が同一の場合には、同一の特図変動パターンとして扱ってもよい。
【0078】
図9(b)は、特図変動パターン導出状態PA時の特
図1に係る図柄変動において特図変動パターンHNPが決定された場合に用いられる特図変動パターン抽選テーブルを模式的に示す図であり、当該抽選で用いられる乱数(
図9(a)で示した特図変動パターン抽選テーブルに係る抽選で用いられる乱数とは異なる)の範囲は0~999である。
図9(b)に示す通り、特図変動パターン導出状態PA時の特
図1に係る図柄変動において決定され得る特図変動パターンHNPには、変動時間が3200ms(ミリ秒)の特図変動パターンHNP-A、変動時間が5600msの特図変動パターンHNP-B、変動時間が8000msの特図変動パターンHNP-C、および変動時間が11200msの特図変動パターンHNP-Dがあり、この順に変動時間が長くなっている。
具体的には、今回の図柄変動開始時における特
図1保留カウンタ=3である場合には、1000/1000(1/1)の確率で特図変動パターンHNP-Aが決定される。同様に、今回の図柄変動開始時における特
図1保留カウンタ=2である場合には、150/1000(約1/6.67)の確率で特図変動パターンHNP-Aが、850/1000(約1/1.18)の確率で特図変動パターンHNP-Bが決定され、今回の図柄変動開始時における特
図1保留カウンタ=1である場合には、50/1000(1/20)の確率で特図変動パターンHNP-Aが、150/1000(約1/6.67)の確率で特図変動パターンHNP-Bが、800/1000(1/1.25)の確率で特図変動パターンHNP-Cが決定され、今回の図柄変動開始時における特
図1保留カウンタ=0である場合には、50/1000(1/20)の確率で特図変動パターンHNP-Bが、100/1000(1/10)の確率で特図変動パターンHNP-Cが、850/1000(約1/1.18)の確率で特図変動パターンHNP-Dが決定される。なお、以降の説明では、参照対象となる特図保留カウンタの値が3である場合には、「保3」、当該特図保留カウンタの値が2である場合には、「保2」、当該特図保留カウンタの値が1である場合には、「保1」、当該特図保留カウンタの値が0である場合には、「保0」、と称する場合がある。
このように、特図変動パターン導出状態PAにおいて特図変動パターンHNPが決定された場合には、今回の図柄変動開始時における特
図1保留カウンタの値によって決定され易い特図変動パターン(変動時間)が異なる。より具体的には、今回の図柄変動開始時における特
図1保留カウンタの値が小さくなるほど長い図柄変動が決定され易くなる(今回の図柄変動開始時における特
図1保留カウンタの値が大きくなるほど短い変動時間が決定され易くなる)。
また、このような特図変動パターンHNP(以下、「基本特図変動パターン」と称する場合がある)は、特図変動パターン導出状態PB、特図変動パターン導出状態PC、および特図変動パターン導出状態PDにおいても存在し、これらの特図変動パターン導出状態では、参照される保留カウンタが特図変動パターン導出状態PAとは異なり、いずれも特
図2保留カウンタの値が参照される。
【0079】
また、上述の
図9(a)および
図9(b)に係る説明における特図変動パターン導出状態PAには、特図変動パターン導出状態PDへ遷移する前の特図変動パターン導出状態PA(遊タイムスルー前)だけでなく、特図変動パターン導出状態PDから特図変動パターン導出状態PAに遷移した後の当該特図変動パターン導出状態PA(遊タイムスルー後)も含まれる。すなわち、特
図1の図柄変動に係る特図変動パターンを決定するにあたり、本実施形態では、特図変動パターン導出状態PDへ遷移する前の特図変動パターン導出状態PA時、および特図変動パターン導出状態PDから特図変動パターン導出状態PAに遷移した後の当該特図変動パターン導出状態PA時で、同一の特図変動パターン抽選テーブルが用いられる。
【0080】
図10(a)は、特図変動パターン導出状態PB時の特
図2に係る図柄変動で用いられる特図変動パターン抽選テーブルを模式的に示す図であり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は0~999である。
図10(a)に示す通り、特図変動パターン導出状態PB時の特
図2に係る図柄変動では、特図変動パターンHNP~特図変動パターンASP-Fが決定され得る。
具体的には、特図変動パターン導出状態PB時の特
図2に係る図柄変動において特図当否判定の結果がハズレとなった場合には、960/1000(約1/1.04)の確率で特図変動パターンHNP、20/1000(1/50)の確率で特図変動パターンHSP-D、15/1000(約1/66.7)の確率でHSP-E、5/1000(1/200)の確率でHSP-Fが決定され、当該場合には、特図変動パターンASP-D~特図変動パターンASP-Fが決定されることはない。なお、詳細は
図10(b)を用いて後述するが、特図変動パターンHNPが決定された場合には、今回の図柄変動開始時における特
図2保留カウンタの値を用いて特図変動パターンがさらに特定される。そして、この特
図2保留カウンタを用いた特図変動パターンの決定方法は、後述する特図変動パターン導出状態PCおよび特図変動パターン導出状態PDにおいても同様である。
一方、特図変動パターン導出状態PB時の特
図2に係る図柄変動において特図当否判定の結果が大当りとなった場合には、500/1000(1/2)の確率で特図変動パターンASP-D、350/1000(約1/2.86)の確率でASP-E、150/1000(約1/6.67)の確率でASP-Fが決定され、当該場合には、特図変動パターンHNP~特図変動パターンHSP-Fが決定されることはない。
このように、本実施形態では、特図変動パターン導出状態PB時の特
図2に係る図柄変動において特図当否判定の結果がハズレとなった場合には、40/1000(1/25)の割合で、特図変動パターンHSP-D~特図変動パターンHSP-Fのいずれかが決定され、960/1000(約1/1.04)の割合で、特図変動パターンHNPが決定される。さらに、特図変動パターン導出状態PB時に特図当否判定の結果が大当りとなった場合には、1000/1000(1/1)の割合で、特図変動パターンASP-D~特図変動パターンASP-Fのいずれかが決定される。
【0081】
図10(b)は、特図変動パターン導出状態PB時の特
図2に係る図柄変動において特図変動パターンHNPが決定された場合に用いられる特図変動パターン抽選テーブルを模式的に示す図であり、当該抽選で用いられる乱数(
図10(a)で示した特図変動パターン抽選テーブルに係る抽選で用いられる乱数とは異なる)の範囲は0~999である。
図10(b)に示す通り、特図変動パターン導出状態PBの特
図2に係る図柄変動において決定され得る特図変動パターンHNPには、変動時間が1500msの特図変動パターンHNP-E、および変動時間が10000msの特図変動パターンHNP-Fがある。
具体的には、今回の図柄変動開始時における特
図2保留カウンタ=3である場合、今回の図柄変動開始時における特
図2保留カウンタ=2である場合、および今回の図柄変動開始時における特
図2保留カウンタ=1である場合、1000/1000(1/1)の確率で特図変動パターンHNP-Eが決定され、これらの場合には、特図変動パターンHNP-Fが決定されることはない。一方、今回の図柄変動開始時における特
図2保留カウンタ=0である場合、1000/1000(1/1)の確率で特図変動パターンHNP-Fが決定され、これらの場合には、特図変動パターンHNP-Eが決定されることはない。
なお、特図変動パターンHNP-Eおよび特図変動パターンHNP-Fは、上述の特図変動パターン導出状態PAの特
図1に係る図柄変動において特図変動パターンHNPが決定された場合に決定され得る特図変動パターン、後述の特図変動パターン導出状態PCの特
図2に係る図柄変動において特図変動パターンHNPが決定された場合に決定され得る特図変動パターン、および後述の特図変動パターン導出状態PDの特
図2に係る図柄変動において特図変動パターンHNPが決定された場合に決定され得る特図変動パターンのいずれとも異なる。
【0082】
図11(a)は、特図変動パターン導出状態PC時の特
図2に係る図柄変動で用いられる特図変動パターン抽選テーブルを模式的に示す図であり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は0~999である。
図11(a)に示す通り、特図変動パターン導出状態PCの特
図2に係る図柄変動では、特図変動パターンHNP~特図変動パターンASP-Iが決定され得る。
具体的には、特図変動パターン導出状態PC時の特
図2に係る図柄変動において特図当否判定の結果がハズレとなった場合には、950/1000(約1/1.05)の確率で特図変動パターンHNP、25/1000(1/40)の確率で特図変動パターンHSP-G、15/1000(約1/66.7)の確率でHSP-H、10/1000(1/100)の確率でHSP-Iが決定され、当該場合には、特図変動パターンASP-G~特図変動パターンASP-Iが決定されることはない。
一方、特図変動パターン導出状態PC時の特
図2に係る図柄変動において特図当否判定の結果が大当りとなった場合には、500/1000(1/2)の確率で特図変動パターンASP-G、350/1000(約1/2.86)の確率でASP-H、150/1000(約1/6.67)の確率でASP-Iが決定され、当該場合には、特図変動パターンHNP~特図変動パターンHSP-Iが決定されることはない。
このように、本実施形態では、特図変動パターン導出状態PC時の特
図2に係る図柄変動において特図当否判定の結果がハズレとなった場合には、50/1000(1/20)の割合で、特図変動パターンHSP-G~特図変動パターンHSP-Iのいずれかが決定され、950/1000(約1/1.05)の割合で、特図変動パターンHNPが決定される。さらに、特図変動パターン導出状態PC時の特
図2に係る図柄変動において特図当否判定の結果が大当りとなった場合には、1000/1000(1/1)の割合で、特図変動パターンASP-G~特図変動パターンASP-Iのいずれかが決定される。
【0083】
図11(b)は、特図変動パターン導出状態PCの特
図2に係る図柄変動において特図変動パターンHNPが決定された場合に用いられる特図変動パターン抽選テーブルを模式的に示す図であり、当該抽選で用いられる乱数(
図11(a)で示した特図変動パターン抽選テーブルに係る抽選で用いられる乱数とは異なる)の範囲は0~999である。
図11(b)に示す通り、特図変動パターン導出状態PCの特
図2に係る図柄変動において決定され得る特図変動パターンHNPには、変動時間が2000msの特図変動パターンHNP-G、および変動時間が12000msの特図変動パターンHNP-Hがある。
具体的には、今回の図柄変動開始時における特
図2保留カウンタ=3である場合、今回の図柄変動開始時における特
図2保留カウンタ=2である場合、および今回の図柄変動開始時における特
図2保留カウンタ=1である場合、1000/1000(1/1)の確率で特図変動パターンHNP-Gが決定され、これらの場合には、特図変動パターンHNP-Hが決定されることはない。一方、今回の図柄変動開始時における特
図2保留カウンタ=0である場合、1000/1000(1/1)の確率で特図変動パターンHNP-Hが決定され、これらの場合には、特図変動パターンHNP-Gが決定されることはない。
なお、特図変動パターンHNP-Gおよび特図変動パターンHNP-Hは、上述の特図変動パターン導出状態PAの特
図1に係る図柄変動において特図変動パターンHNPが決定された場合に決定され得る特図変動パターン、後述の特図変動パターン導出状態PBの特
図2に係る図柄変動において特図変動パターンHNPが決定された場合に決定され得る特図変動パターン、および後述の特図変動パターン導出状態PDの特
図2に係る図柄変動において特図変動パターンHNPが決定された場合に決定され得る特図変動パターンのいずれとも異なる。
【0084】
図12(a)は、特図変動パターン導出状態PDの特
図2に係る図柄変動で用いられる特図変動パターン抽選テーブルを模式的に示す図であり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は0~999である。
図12(a)に示す通り、特図変動パターン導出状態PDの特
図2に係る図柄変動では、特図変動パターンHNP~特図変動パターンASP-Iが決定され得る。特に、特図変動パターンHSP-G~特図変動パターンASP-Iは、特図変動パターン導出状態PCと共通である。
具体的には、特図変動パターン導出状態PD時の特
図2に係る図柄変動において特図当否判定の結果がハズレとなった場合には、965/1000(約1/1.04)の確率で特図変動パターンHNP、30/1000(約1/33.3)の確率で特図変動パターンHSP-G、3/1000(約1/333)の確率でHSP-H、2/1000(1/500)の確率でHSP-Iが決定され、当該場合には、特図変動パターンASP-G~特図変動パターンASP-Iが決定されることはない。
一方、特図変動パターン導出状態PD時の特
図2に係る図柄変動において特図当否判定の結果が大当りとなった場合には、800/1000(1/1.25)の確率で特図変動パターンASP-G、150/1000(約1/6.67)の確率でASP-H、50/1000(1/20)の確率でASP-Iが決定され、当該場合には、特図変動パターンHNP~特図変動パターンHSP-Iが決定されることはない。
なお、詳細は後述するが、本実施形態では、特図変動パターン導出状態PDの1回転目の図柄変動では、当該図柄変動が特
図1に係る図柄変動である場合、および当該図柄変動が特
図2に係る図柄変動である場合の双方で、当該図柄変動における特図当否判定の結果に関わらず、
図12(a)を用いて説明した決定方法とは異なる決定方法で特図変動パターンが決定される。
【0085】
以上の通り、本実施形態では、特図変動パターン導出状態PD時の特
図2に係る図柄変動において特図当否判定の結果がハズレとなった場合には、35/1000(約1/28.6)の割合で、特図変動パターンHSP-G~特図変動パターンHSP-Iのいずれかが決定され、当該割合は、特図変動パターン導出状態PC時の特
図2に係る図柄変動において特図当否判定の結果がハズレとなった場合に特図変動パターンHSP-G~特図変動パターンHSP-Iのいずれかが決定される割合(1/20)よりも低い。一方、特図変動パターン導出状態PD時の特
図2に係る図柄変動において特図当否判定の結果がハズレとなった場合には、965/1000(約1/1.04)の割合で、特図変動パターンHNPが決定され、当該割合は、特図変動パターン導出状態PC時の特
図2に係る図柄変動において特図当否判定の結果がハズレとなった場合に特図変動パターンHNPが決定される割合(約1/1.05)よりも高い。
なお、特図変動パターン導出状態PD時の特
図2に係る図柄変動において特図当否判定の結果が大当りとなった場合には、1000/1000(1/1)の割合で、特図変動パターンASP-G~特図変動パターンASP-Iのいずれかが決定される。
【0086】
また、特図変動パターン導出状態PD時の特
図2に係る図柄変動において特図当否判定の結果がハズレとなった場合に特図変動パターンHSP-Gが決定される確率(約1/33.3)は、特図変動パターン導出状態PC時の特
図2に係る図柄変動において特図当否判定の結果がハズレとなった場合に特図変動パターンHSP-Gが決定される確率(1/40)よりも高い。一方、特図変動パターン導出状態PD時の特
図2に係る図柄変動において特図当否判定の結果がハズレとなった場合に特図変動パターンHSP-Hが決定される確率(約1/333)は、特図変動パターン導出状態PC時の特
図2に係る図柄変動において特図当否判定の結果がハズレとなった場合に特図変動パターンHSP-Hが決定される確率(約1/66.7)よりも低く、かつ特図変動パターン導出状態PD時の特
図2に係る図柄変動において特図当否判定の結果がハズレとなった場合に特図変動パターンHSP-Iが決定される確率(1/500)は、特図変動パターン導出状態PC時の特
図2に係る図柄変動において特図当否判定の結果がハズレとなった場合に特図変動パターンHSP-Iが決定される確率(1/100)よりも低い。
さらに、特図変動パターン導出状態PD時の特
図2に係る図柄変動において特図当否判定の結果が大当りとなった場合に特図変動パターンASP-Gが決定される確率(1/1.25)は、特図変動パターン導出状態PC時の特
図2に係る図柄変動において特図当否判定の結果が大当りとなった場合に特図変動パターンASP-Gが決定される確率(1/2)よりも高い。一方、特図変動パターン導出状態PD時の特
図2に係る図柄変動において特図当否判定の結果が大当りとなった場合に特図変動パターンASP-Hが決定される確率(約1/6.67)は、特図変動パターン導出状態PC時の特
図2に係る図柄変動において特図当否判定の結果が大当りとなった場合に特図変動パターンASP-Hが決定される確率(約1/2.86)よりも低く、かつ特図変動パターン導出状態PD時の特
図2に係る図柄変動において特図当否判定の結果が大当りとなった場合に特図変動パターンASP-Iが決定される確率(1/20)は、特図変動パターン導出状態PC時の特
図2に係る図柄変動において特図当否判定の結果が大当りとなった場合に特図変動パターンASP-Iが決定される確率(約1/6.67)よりも低い。
【0087】
図12(b)は、特図変動パターン導出状態PBの特
図2に係る図柄変動において特図変動パターンHNPが決定された場合に用いられる特図変動パターン抽選テーブルを模式的に示す図であり、当該抽選で用いられる乱数(
図12(a)で示した特図変動パターン抽選テーブルに係る抽選で用いられる乱数とは異なる)の範囲は0~999である。
図12(b)に示す通り、特図変動パターン導出状態PDの特
図2に係る図柄変動において決定され得る特図変動パターンHNPには、変動時間が1000msの特図変動パターンHNP-I、および変動時間5000msの特図変動がある。
具体的には、今回の図柄変動開始時における特
図2保留カウンタ=3である場合、今回の図柄変動開始時における特
図2保留カウンタ=2である場合、および今回の図柄変動開始時における特
図2保留カウンタ=1である場合、1000/1000(1/1)の確率で特図変動パターンHNP-Iが決定され、これらの場合には、特図変動パターンHNP-Jが決定されることはない。一方、今回の図柄変動開始時における特
図2保留カウンタ=0である場合、1000/1000(1/1)の確率で特図変動パターンHNP-Jが決定され、これらの場合には、特図変動パターンHNP-Iが決定されることはない。
なお、特図変動パターンHNP-Iおよび特図変動パターンHNP-Jは、上述の特図変動パターン導出状態PAの特
図1に係る図柄変動において特図変動パターンHNPが決定された場合に決定され得る特図変動パターン、後述の特図変動パターン導出状態PBの特
図2に係る図柄変動において特図変動パターンHNPが決定された場合に決定され得る特図変動パターン、および後述の特図変動パターン導出状態PCの特
図2に係る図柄変動において特図変動パターンHNPが決定された場合に決定され得る特図変動パターンのいずれとも異なる。
また、本実施形態では、
図12(b)を用いて説明した通り、特図変動パターン導出状態PBの特
図2に係る図柄変動では、当該図柄変動開始時における特
図2保留カウンタの値に基づいて変動パターンが決定されるが、当該図柄変動において、当該図柄変動開始時における特
図2保留カウンタの値に関わらず、あらかじめ定められた一の特図変動パターン(例えば、特図変動パターンHNP-I)が決定されるようにしてもよい。
【0088】
このように、本実施形態では、特図変動パターン導出状態PDに係る開発コスト(データ容量)負担を低減することを目的として、特図変動パターン導出状態PDの特
図2に係る図柄変動で用いられる特図変動パターン抽選テーブルを用いた抽選によって決定され得る特図変動パターンには、特図変動パターン導出状態PCの特
図2に係る図柄変動で用いられる特図変動パターン抽選テーブルを用いた抽選によって決定され得る特図変動パターンの一部(特図変動パターンHSP-G~特図変動パターンASP-I)が含まれるように構成している。なお、特図変動パターン導出状態PDの特
図2に係る図柄変動で用いられる特図変動パターン抽選テーブルを用いた抽選によって決定され得る特図変動パターンは、特図変動パターン導出状態PCの特
図2に係る図柄変動で用いられる特図変動パターン抽選テーブルを用いた抽選によって決定され得る特図変動パターンのみで構成されるようにしてもよいし、特図変動パターン導出状態PDと、特図変動パターン導出状態PCとで、同一の特図変動パターン抽選テーブルを用いてもよい。
なお、本実施形態における特図変動パターン導出状態PCの特
図2に係る図柄変動で決定され得る特図変動パターンと特図変動パターン導出状態PDの特
図2に係る図柄変動で決定され得る特図変動パターンとの関係性を、特図変動パターン導出状態PBと特図変動パターン導出状態PCとの関係性に適用してもよい。さらに、この場合には、特図変動パターン導出状態PBの特
図2に係る図柄変動において決定され得る特図変動パターンの少なくとも一部と、特図変動パターン導出状態PCの特
図2に係る図柄変動において決定され得る特図変動パターンの少なくとも一部とを一致させるようにしてもよい。
【0089】
また、特図変動パターン導出手段133は、図柄変動の開始時に、特図当否判定の結果、決定された特図の停止図柄、および決定された特図変動パターンを含む演出制御コマンド(変動開始コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
【0090】
普図抽選手段135は、特図抽選手段130と同様に、普図の図柄変動中でない場合に、メイン情報記憶手段160に保留されている作動保留情報のうちの最先の作動保留情報を読み出し、読み出した乱数を用いて、普図の当否を判定する普図当否判定を実行し、当該普図当否判定によって普通電動役物61が開放状態に制御されることとなる普図当りに当選した場合に普図の停止図柄を抽選により決定する普図停止図柄抽選、および普図の変動パターン(変動時間)を抽選により決定する普図変動パターン抽選を実行する。
より具体的には、普図当否判定では、普図抽選状態が高確率の状態(「普図高確」と略称する場合がある)と、普図抽選状態が低確率の状態(「普図低確」と略称する場合がある)とがあり、抽選テーブルの図示は省略するが、本実施形態では、普図高確では、65535/65536の確率で普図当りとなり、残りの1/65536の確率でハズレとなる一方、普図低確では、1/65536の確率で普図当りとなり、残りの65535/65536の確率でハズレとなる。なお、普図低確では、普図当りとならない(65536/65536でハズレとなる)ようにしてもよい。
【0091】
普図停止図柄抽選では、特図停止図柄抽選と同様に、普通電動役物61の開放状態となるパターンが異なる複数種類の停止図柄から、普図停止図柄抽選用の抽選テーブル(図示省略)を用いた抽選によって一つの停止図柄が決定される。なお、普図当否判定でハズレとなった場合には、特
図1、特
図2と同様に、停止図柄が一律に決定される。
【0092】
また、普図変動パターン抽選では、特図変動パターン抽選と同様に、複数種類の普図変動パターンから、普図変動パターン抽選用の抽選テーブル(図示省略)を用いた抽選によって一つの普図変動パターンが決定される。
【0093】
このように、普図高確は、普図低確よりも普図当りが導出される確率が高く、普図低確よりも有利度が高い状態であると言える。
【0094】
大当り遊技制御手段140は、特図当否抽選の結果が大当りである場合、決定された大当り図柄に応じて、大当り開始デモに係るデモ時間、および大当り終了デモに係るデモ時間を決定する。
また、大当り遊技制御手段140は、大当り開始時には、大当り開始デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(大当り開始コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させ、大当り終了時には、大当り終了デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(大当り終了コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
【0095】
図柄表示制御手段145は、特
図1の特図変動パターンに基づく変動時間に従って、特
図1を第1特別図柄表示装置91に変動表示させるとともに、変動時間の経過後に特図停止図柄抽選によって決定された停止図柄で特
図1を停止表示させる。同様に、第2特別図柄の特図変動パターンに基づく変動時間に従って、特
図2を第2特別図柄表示装置92に変動表示させるとともに、変動時間の経過後に特図停止図柄抽選によって決定された停止図柄で特
図2を停止表示させる。
なお、図柄表示制御手段145は、特
図1および特
図2の表示に係る時間(変動時間、停止表示時間)を管理するための特図遊技タイマを有し、特図を停止表示させる際に(特図遊技タイマの値が「0」となるタイミングで)、装飾図柄の確定停止表示を要求するための演出制御コマンド(変動停止コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に格納する。
ここで、装飾図柄の確定停止表示とは、図柄変動における装飾図柄の最終的な停止表示を指し、図柄変動の実行途中において発生し得る装飾図柄の仮停止表示とは異なる。そして、装飾図柄の仮停止表示では、例えば、停止表示されている装飾図柄が上下に小刻みに揺れる動作(いわゆる、揺れ変動)を伴う一方、装飾図柄の確定停止表示では、停止表示されている装飾図柄が揺れ変動を伴わない等、同一の装飾図柄が停止表示された場合であっても、確定停止表示された装飾図柄の停止表示態様と、仮停止表示された装飾図柄の停止表示態様と、が異なる。そのため、遊技者は、装飾図柄の停止表示が、確定停止表示であるか仮停止表示であるかを認識することができる。
【0096】
また、図柄表示制御手段145は、普図の普図変動パターン(変動時間)に従って、普図を普通図柄表示装置93に変動表示させるとともに、変動時間の経過後に普図を普図停止図柄抽選によって決定された停止図柄で停止表示させる。
なお、図柄表示制御手段145は、普図の表示に係る時間(変動時間、停止表示時間)を管理するための普図遊技タイマを有する。
【0097】
電動役物制御手段150は、上述の大当り遊技において、特別電動役物ソレノイド66に制御信号を出力し、特別電動役物65を特図の停止図柄に対応する開放パターンに従って開放させる。
【0098】
また、電動役物制御手段150は、普図当否抽選に当選した場合、普通電動役物ソレノイド62に制御信号を出力して、普通電動役物61を普図の停止図柄に対応する開放パターンに従って開放させる。
【0099】
遊技状態制御手段155は、特図抽選状態を制御する。具体的には、遊技状態制御手段155は、上述の通り、大当り遊技の開始時には、大当りに係る図柄に関わらず特図低確とし、通常大当りに係る大当り遊技の終了時には、特図低確を維持し、確変大当りに係る大当り遊技の終了時には、特図高確とする。
また、遊技状態制御手段155は、普図抽選状態を制御する。具体的には、遊技状態制御手段155は、大当り開始時に大当りに係る図柄に関わらず普図低確とし、規定条件が充足された場合には、規定回数の図柄変動が行われるまで普図高確とし、規定回数の図柄変動が行われた後は普図低確とする。
【0100】
このような特図抽選状態および普図抽選状態は、上述の特図変動パターン導出状態とリンクして変化し、特図変動パターン導出状態の遷移は遊技状態制御手段155によって管理される。以下、特図変動パターン導出状態の遷移について、
図13(a)および
図13(b)を参照しながら説明する。なお、
図13(a)は、特図変動パターン導出状態の遷移を示す状態遷移図であり、
図13(b)は、特図変動パターン導出状態ごとの平均変動時間の関係を示す図である。
図13(a)に示す通り、特図変動パターン導出状態は、特図低確かつ普図低確に対応する特図変動パターン導出状態PA、特図高確かつ普図高確に対応する特図変動パターン導出状態PB、特図低確かつ普図高確に対応する特図変動パターン導出状態PC、および特図低確かつ普図高確に対応する特図変動パターン導出状態PDで構成され、大当り遊技中を除いて、これらの特図変動パターン導出状態のいずれかが設定される。そして、特図変動パターン導出状態PA~特図変動パターン導出状態PD間の遷移条件には、遷移条件(i)~遷移条件(vi)がある。
具体的には、遷移条件(i)は確変大当りに係る大当り遊技の終了、遷移条件(ii)は通常大当りに係る大当り遊技の終了、遷移条件(iii)は100回目の図柄変動の終了、遷移条件(iv)は160回目の図柄変動の終了となる。さらに、遷移条件(v)は、特図低確で大当り遊技を挟まずに連続して実行された図柄変動の回数が1000回となる図柄変動の終了、遷移条件(vi)は、特図変動パターン導出状態PDで大当り遊技を挟まずに連続して実行された図柄変動の回数が1200回となる図柄変動の終了となる。
【0101】
なお、本実施形態において、特図変動パターン導出状態PCおよび特図変動パターン導出状態は、いずれも特図低確かつ普図高確である。そのため、有利度の観点では、これらの特図変動パターン導出状態は同一の特図変動パターン導出状態と言うこともできる。
また、特図変動パターン導出状態PCにおいて通常大当りに係る大当り遊技が実行される場合には、当該大当り遊技の終了後に再び特図変動パターン導出状態PCが設定される(遷移条件(iii)における図柄変動のカウントが0から開始される)こととなる。同様に、特図変動パターン導出状態PBにおいて確変大当りに係る大当り遊技が実行される場合には、当該大当り遊技の終了後に再度特図変動パターン導出状態PBが設定される(遷移条件(iv)における図柄変動のカウントが0から開始される)こととなる。
特図変動パターン導出状態PBから遷移条件(ii)を経由して特図変動パターン導出状態PCとなる場合(図示省略)は、大当り遊技中の4回目のラウンド遊技において遊技球が大入賞口55内に設けられたV入賞領域を通過しなかったイレギュラーケースであり、特
図2で当選した大当りに係る大当り遊技中に遊技球を第2流路Yに向けて発射していれば、当該大当り遊技の終了後に遷移条件(ii)に基づく特図変動パターン導出状態PCに設定されることはない。
さらに、本実施形態では、特
図2に係る図柄変動において通常大当りが導出されることがないが、特
図2に係る図柄変動において通常大当りを導出可能とし、通常大当りに係る大当り遊技を経由して特図変動パターン導出状態PDから特図変動パターン導出状態PCに遷移可能に構成してもよい。ただし、この場合には、特
図2に係る図柄変動における特図当否判定で大当りとなった場合の通常大当りの割合を、特
図1に係る図柄変動における特図当否判定の結果で大当りとなった場合の通常大当りの割合よりも低くすることが好ましい。
【0102】
また、本実施形態では、遷移条件(v)を、特図低確で大当り遊技を挟まずに連続して実行された図柄変動の回数としている。そのため、特図変動パターン導出状態PCから特図変動パターン導出状態PAに遷移した後は、既に100回の図柄変動がカウントされており、特図変動パターン導出状態PAで大当り遊技を挟まずに900回の図柄変動が実行されると遷移条件(v)が充足される。ただし、当該場合には、図柄変動の回数に係るカウント開始タイミングを特図変動パターン導出状態PCが設定されたタイミングとする必要は必ずしもなく、図柄変動の回数に係るカウント開始タイミングを特図変動パターン導出状態PAに遷移したタイミングとし、その閾値を900としてもよい。
一方、特図変動パターン導出状態PBから特図変動パターン導出状態PAに遷移した後は、当該遷移時点から図柄変動のカウントが始まるため、特図変動パターン導出状態PAで大当り遊技を挟まずに1000回の図柄変動が実行されると遷移条件(v)が充足される。ただし、当該場合においても、図柄変動の回数に係るカウント開始タイミングを特図変動パターン導出状態PAに遷移したタイミングとする必要は必ずしもなく、図柄変動の回数に係るカウント開始タイミングを特図変動パターン導出状態PBが設定されたタイミングとし、その閾値を1160としてもよい。
なお、RAMクリア処理の実行を伴う電断復電が発生した場合には、遷移条件(v)に係る図柄変動の実行回数がクリア(初期化)される一方、RAMクリア処理の実行を伴わない電断復電が発生した場合には、当該実行回数は維持される。
【0103】
また、上述の遷移条件(i)~遷移条件(vi)のうちの図柄変動の実行回数によって充足される遷移条件には、遷移条件に対応する図柄変動の終了が含まれている、すなわち、遷移条件に対応する図柄変動の終了時に遷移条件が充足されて特図変動パターン導出状態の遷移が発生するように構成されているが、これに限らない。これらの遷移条件の一部または全部において、遷移条件に当該遷移条件に対応する図柄変動の開始が含まれる、すなわち、遷移条件に対応する図柄変動の開始時に遷移条件が充足されて特図変動パターン導出状態の遷移が発生するようにしてもよい。
【0104】
さらに、遷移条件(vi)によって特図変動パターン導出状態PDから特図変動パターン導出状態PAに遷移した場合には、新たに大当り遊技が実行された場合、およびRAMクリア処理が実行された場合を除き、図柄変動の実行回数に基づいて特図変動パターン導出状態PDに遷移することがない。したがって、RAMクリア処理の実行を伴わない電断復電が発生した場合には、図柄変動の実行回数に基づいて特図変動パターン導出状態PDに遷移することはない。ただし、一度大当り遊技が実行された場合には、遷移条件(v)によって特図変動パターン導出状態PAから特図変動パターン導出状態PDへ遷移し得る。
【0105】
図13(b)に示す通り、特図変動パターン導出状態PA、特図変動パターン導出状態PB、特図変動パターン導出状態PC、および特図変動パターン導出状態PDのそれぞれの平均変動時間は、特図変動パターン導出状態PA、特図変動パターン導出状態PC、特図変動パターン導出状態PB、特図変動パターン導出状態PDの順に短くなる。これは、各特図変動パターン導出状態で最も決定され易い基本特図変動パターンに係る変動時間の長短に起因する。
【0106】
また、遊技状態制御手段155は、特図抽選状態、普図抽選状態、および特図変動パターン導出状態の更新が発生した場合に、更新後の各状態を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
さらに、遊技状態制御手段155は、各特図変動パターン導出状態において、他の特図変動パターン導出状態への遷移に係る図柄変動の実行回数をカウントし、図柄変動が開始されるごとに、カウントしている図柄変動の回数を含む演出制御コマンドを生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド領域に記憶させる。なお、当該演出制御コマンドに含まれる情報は、上述の変動開始コマンドに含まれるようにしてもよい。
【0107】
メイン情報記憶手段160は、上述の通り、各手段によって読み出されたデータや、各手段による演算等によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。
【0108】
メインエラー制御手段165は、I/Oポート104の入力情報を監視し、遊技機10がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態であると判定された場合には、当該エラー状態を特定可能な情報を含む演出制御コマンド(エラーコマンド)をメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に格納する。
【0109】
メインコマンド管理手段170は、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に演出制御コマンドが記憶されている場合に、当該演出制御コマンドを第1副制御基板200に向けて送信する。
なお、各演出制御コマンドは、原則として、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶された順番に従って送信される。
【0110】
復電処理実行手段175は、復帰状態設定手段176および遊技可能状態移行手段179を備える。
【0111】
復帰状態設定手段176は、復電時にRAM103に異常があるか否か、当該復電の直前の電断時の状態、復電時のRAMクリアスイッチ43の状態、および復電時の中枠開扉センサ76の状態に基づいて、復帰状態を設定する復帰状態設定処理を実行する。当該処理によって設定される復帰状態には、遊技停止状態および遊技可能状態(RAMクリア処理の実行を伴う場合と、RAMクリア処理の実行を伴わない場合とがある)がある。
具体的には、復電時にRAM103に異常がある場合には、復電時のRAMクリアスイッチ43の状態および中枠開扉センサ76の状態に関わらず、遊技停止状態が設定される。また、復電時にRAM103に異常がなく、復電時のRAMクリアスイッチ43がON(押下された状態)であれば、復電時の中枠開扉センサ76がONであることを条件にRAMクリア処理が実行されて遊技可能状態が設定され(復電時の中枠開扉センサ76がOFFである場合には、RAMクリア処理が実行されずに遊技可能状態が設定される)、復電時にRAM103に異常がなく、復電時のRAMクリアスイッチ43がOFF(押下されていない状態)であれば、RAMクリア処理が実行されずに遊技可能状態が設定される。
ここで、遊技停止状態とは、各入賞口に設けられたセンサの検知結果に応じた処理を実行しない(当該センサの検知結果自体を見なくてもよい)ことで、遊技の進行が不可能となる復帰状態である。
一方、遊技可能状態とは、各入賞口に設けられたセンサの検知結果に応じた処理を実行することで、遊技の進行が可能となる復帰状態である。特に、復電時にRAMクリア処理が実行されない場合には、直前の電断時における遊技可能状態に復帰する。例えば、直前の電断時が大当り遊技の実行中であれば、実行中であった大当り遊技に復帰し、直前の電断時が図柄変動の実行中であれば、実行中であった図柄変動に復帰する。
【0112】
また、RAM103に異常があるか否かとは、復帰状態設定処理の先頭で行われるRAM異常チェック(具体的には、対象となる領域に係るバックアップ情報領域にバックアップフラグが記憶されているか否か(バックアップフラグがONであるか否か)を判定し、当該バックアップフラグが記憶されている場合(当該バックアップフラグがONである場合)には、対象となる領域と当該領域に係るバックアップ情報領域に記憶されている補数のチェックサムを導出し、当該演算結果が0である場合には、対象となる領域が正常であると判断し、それ以外は、対象となる領域が異常であると判断する処理)をRAM103の遊技に係る領域に対して実行して判断される。
【0113】
遊技可能状態移行手段179は、遊技可能状態が設定された場合に、遊技可能状態へ移行させる遊技可能状態移行処理を実行する。
具体的に説明すると、遊技可能状態移行処理では、セキュリティ信号の出力がONになっている場合には、セキュリティ信号の出力をOFFにする処理、およびデバイスの初期設定が実行される。
また、デバイスの初期設定では、払出制御基板400に遊技球の発射を許可するための発射許可コマンドの送信や、各入賞口への入球が有効となる状態の設定や、乱数回路105を起動させるためのデータの設定等の処理が実行される。
【0114】
電断処理実行手段180は、電源制御基板500からの電断信号を受信したことに基づいて電断処理を実行する。
具体的には、RAM103のうちの遊技に係る領域に対しては、当該領域のチェックサムを導出し、当該チェックサムの補数をRAM103の遊技に係るバックアップ情報領域に記憶させる処理、および当該領域に対する電断処理が実行されたことを示すバックアップフラグをONにする(RAM103の遊技に係るバックアップ情報領域にバックアップフラグを記憶させる)処理を実行する。
【0115】
第1副制御基板200は、
図7に示すように、サブ乱数発生手段210、通常演出制御手段220、サブエラー制御手段230、ランプ制御手段240、可動役物制御手段245、演出カスタマイズ手段250、サブ情報記憶手段260、およびサブコマンド管理手段270を備えており、これらの手段は、
図6を用いて説明した第1副制御基板200上の各制御構成によって実現されるものを機能的に表したものである。
ここで、サブ情報記憶手段260は、第1副制御基板200が備える手段によって読み出されたデータや、当該手段における演算によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。また、メインコマンド管理手段170から送信された演出制御コマンドは、サブコマンド管理手段270によってサブ情報記憶手段260の受信コマンド格納領域に記憶される。なお、以降の説明では、メインコマンド管理手段170から送信された演出制御コマンドが、サブコマンド管理手段270によってサブ情報記憶手段260の受信コマンド格納領域に記憶されることを、単に、演出制御コマンドの受信と表現する場合がある。
【0116】
サブ乱数発生手段210は、CPU201によってプログラム処理で更新される乱数(ソフトウェア乱数)を生成可能であり、通常演出制御手段220による各抽選(詳細は後述)が実行されるタイミングで乱数を取得する。
【0117】
通常演出制御手段220は、演出モード制御手段221、演出ルート決定手段222、サブ保留制御手段223、先読み演出制御手段224、演出内容決定手段225、装飾図柄制御手段226、および大当り演出制御手段227を備える。
【0118】
演出モード制御手段221は、遊技状態指定コマンドを受信した場合に、主制御基板100側で管理された特図変動パターン導出状態との整合性を取るかたちで、演出モードの遷移を制御する。
本実施形態における演出モードは、通常モード、確変モード、チャンスタイム、遊タイムに大別され、特図変動パターン導出状態PAには通常モード、特図変動パターン導出状態PBには確変モード、特図変動パターン導出状態PCにはチャンスタイム、特図変動パターン導出状態PDには遊タイムが対応する。
また、本発明に係る第一状態には通常モード及び図変動パターン導出状態PA、第二状態にはチャンスタイム及び図変動パターン導出状態PC、第三状態には確変モード及び図変動パターン導出状態PB、第四状態には遊タイム及び図変動パターン導出状態PDが対応する。
【0119】
演出ルート決定手段222は、事前判定コマンドを受信した場合に、当該コマンドに含まれる事前判定の結果(本実施形態では、特図変動パターン)に基づいて、今回保留された図柄変動に対応する演出ルートを決定(設定)する。なお、演出ルート決定手段222は、当該図柄変動に対応する特図変動パターンが上述の特図変動パターンHNPであった場合には、事前判定コマンドが送信された場合に演出ルートは決定せず、図柄変動の開始時に、変動開始コマンドに含まれる特図変動パターン(例えば、特図変動パターン導出状態PAであれば、特図変動パターンHNP-A~特図変動パターンHNP-D)に基づいて演出ルートを決定する。
ここで、演出ルートとは、図柄変動の開始から終了までの演出であって当該図柄変動における特図当否判定の結果を報知する演出の過程を規定するものであり、当該図柄変動で実行される演出の内容は、後述する演出内容決定手段225によって当該図柄変動に対応する演出ルートに従って決定されることとなる。
【0120】
本実施形態における演出ルートは、今回の図柄変動における特図当否判定の結果がハズレであること(今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りではないこと)を報知するハズレ演出ルートと、今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りであることを報知する大当り演出ルートに大別される。さらに、ハズレ演出ルートには、発展演出が実行されない非発展ハズレ演出ルートと、発展演出が実行される発展ハズレ演出ルートがある。なお、後述する通り、大当り演出ルートが決定された場合には、特段の説明がない限り、発展演出が実行される。
ここで、発展演出とは、装飾図柄がリーチ状態(一つの図柄列を除いて装飾図柄が停止表示され、残りの図柄列が変動表示されている状態)となった以降に実行される演出であって、その終盤に今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りであるか否かを報知する演出を指す。したがって、発展ハズレ演出ルートに対応する発展演出では、当該発展演出に対応する一連の演出が実行され、その終盤に今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りでないことが報知される。一方、大当り演出ルートに対応する発展演出では、当該発展演出に対応する一連の演出が実行され、その終盤に今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りであることが報知される。
また、後述する通り、本実施形態では、一の演出モードにおいて、決定された特図変動パターンのそれぞれに対し、互いに異なる一の演出ルートが対応する。そのため、以降の説明では、特図変動パターンに対する演出ルートを、単に、特図変動パターンで表現する場合がある。ただし、一の特図変動パターンに対して複数の演出ルートを対応させてもよく、この場合には、決定された特図変動パターンに対応する複数の演出ルートから一の演出ルートを決定するようにすればよい。
以下、各演出モードにおいて決定される各特図変動パターンに対応する演出ルートの内容を説明する。
【0121】
まず、通常モード(特図変動パターン導出状態PA)において決定される、特図変動パターンHNP-A~特図変動パターンHNP-Dおよび特図変動パターンHRPに対応する演出ルートには、上述の非発展ハズレ演出ルートが対応する。
具体的には、特図変動パターンHNP-A~特図変動パターンHNP-Dには、装飾図柄がリーチ状態とならずに装飾図柄がバラケ目(すべての図柄列が停止され、各図柄列に同一の装飾図柄が停止されていない状態)で停止表示されることで、今回の図柄変動における特図当否判定の結果がハズレであることを報知する演出ルートが対応する。ここで、同一の装飾図柄とは、同一の数字を模した装飾図柄を指し、装飾図柄を構成する数字以外の部分が異なる態様であってもよい。同様に、異なる装飾図柄とは、異なる数字を模した装飾図柄を指す。
特図変動パターンHRPには、疑似変動を介さずに装飾図柄がリーチ状態となり、その後、後述する発展演出が実行されずに装飾図柄がバラケ目で停止表示されることで、今回の図柄変動における特図当否判定の結果がハズレであることを報知する演出ルートが対応する。ここで、疑似変動とは、発展演出が開始される前の期間において、一定のルールに基づいた装飾図柄の停止(例えば、「5図柄-7図柄-6図柄」のように、真ん中の図柄列に7図柄が停止した態様となる装飾図柄の停止)等で区切られる期間を指す。したがって、疑似変動の回数が2回となって初めて疑似変動が発生するとも言える。すなわち、リーチ状態を構成するまでの装飾図柄の変動が1回の場合には、疑似変動が発生しないと言うこともできるし、当該場合には、1回の疑似変動が実行されるとも言える。なお、本実施形態における疑似変動の最大回数は3回であるが、疑似変動の最大回数は、これに限らず、2以上の回数であれば、いずれの回数を採用してもよい。
【0122】
特図変動パターンHSP1-A~特図変動パターンHSP3-Bには、上述の発展ハズレ演出ルートが対応する。
具体的には、特図変動パターンHSP1-Aおよび特図変動パターンHSP1-Bには、疑似変動を介さずに装飾図柄がリーチ状態となり、その後、今回の図柄変動における特図当否判定の結果がハズレであることを報知する発展演出が実行され、当該発展演出の終了後に装飾図柄がバラケ目で停止表示される演出ルートが対応する。
特図変動パターンHSP2-Aおよび特図変動パターンHSP2-Bには、2回の疑似変動を介して装飾図柄がリーチ状態となり、その後、今回の図柄変動における特図当否判定の結果がハズレであることを報知する発展演出が実行され、当該発展演出の終了後に装飾図柄がバラケ目で停止表示される演出ルートが対応する。
特図変動パターンHSP3-Aおよび特図変動パターンHSP3-Bには、3回の疑似変動を介して装飾図柄がリーチ状態となり、その後、今回の図柄変動における特図当否判定の結果がハズレであることを報知する発展演出が実行され、当該発展演出の終了後に装飾図柄がバラケ目で停止表示される演出ルートが対応する。
【0123】
特図変動パターンASP1-Aおよび特図変動パターンASP1-Bには、上述の大当り演出ルートが対応する。
具体的には、特図変動パターンASP1-Aおよび特図変動パターンASP1-Bには、疑似変動を介さずに装飾図柄がリーチ状態となり、その後、今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りであることを報知する発展演出が実行され、当該発展演出の終了後に装飾図柄が図柄揃い(すべての図柄列が停止され、各図柄列に同一の装飾図柄が停止された状態)で停止表示される演出ルートが対応する。
特図変動パターンASP2-Aおよび特図変動パターンASP2-Bには、2回の疑似変動を介して装飾図柄がリーチ状態となり、その後、今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りであることを報知する発展演出が実行され、当該発展演出の終了後に装飾図柄が図柄揃いで停止表示される演出ルートが対応する。
特図変動パターンASP3-Aおよび特図変動パターンASP3-Bには、3回の疑似変動を介して装飾図柄がリーチ状態となり、その後、今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りであることを報知する発展演出が実行され、当該発展演出の終了後に装飾図柄が図柄揃いで停止表示される演出ルートが対応する。
特図変動パターンASP-Cには、疑似変動を介さずに装飾図柄がリーチ状態となり、その後、今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りであることを報知する発展演出が実行され、当該発展演出の終了後に装飾図柄が図柄揃いで停止表示される演出ルートが対応する。
【0124】
さらに、
図9(a)で示した通り、特図当否判定の結果がハズレの場合には、同種の発展演出となる範囲において、疑似変動が発生しない演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンHSP1-A)、疑似変動の回数が2回となる演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンHSP2-A)、疑似変動の回数が3回となる演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンHSP3-A)の順に決定され難くなる。そして、特図当否判定の結果が大当りの場合には、同種の発展演出となる範囲において、疑似変動が発生しない演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンASP1-A)、疑似変動の回数が2回となる演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンASP2-A)、疑似変動の回数が3回となる演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンASP3-A)の順に決定され易くなる。
そのため、疑似変動が実行される回数が多くなるにつれて大当り当選の期待感を高めることができる。
【0125】
また、上述の通り、特図変動パターンHSP1-A、特図変動パターンHSP1-B、特図変動パターンHSP-C、特図変動パターンASP1-A、特図変動パターンASP1-B、および特図変動パターンASP-Cでは、疑似変動を介さずにリーチ状態となり、特図変動パターンHSP2-A、特図変動パターンHSP2-B、特図変動パターンASP2-A、および特図変動パターンASP2-Bでは、2回の疑似変動でリーチ状態となり、特図変動パターンHSP3-A、特図変動パターンHSP3-B、特図変動パターンASP3-A、特図変動パターンASP3-Bでは、3回の疑似変動でリーチ状態となる。
そのため、リーチ状態となるまでの時間は、疑似変動を介さずにリーチ状態となる特図変動パターン、2回の疑似変動でリーチ状態となる特図変動パターン、3回の疑似変動でリーチ状態となる特図変動パターンの順に長くなる。ただし、特図変動パターンASP-Cが決定される図柄変動では、他の疑似変動を介さずにリーチ状態となる特図変動パターン(特図変動パターンHSP1-A、特図変動パターンHSP1-B、特図変動パターンASP1-A、および特図変動パターンASP1-B)よりもリーチ状態となるまでの時間が長い。
【0126】
次に、特図変動パターン導出状態PBで決定され得る基本特図変動パターン(特図変動パターンHNP-Eおよび特図変動パターンHNP-F)に対応する演出ルートには、上述の非発展ハズレ演出ルートが対応する。具体的には、特図変動パターンHNP-Eおよび特図変動パターンHNP-Fには、装飾図柄がリーチ状態とならずに装飾図柄がバラケ目で停止表示されることで、今回の図柄変動における特図当否判定の結果がハズレであることを報知する演出ルートが対応する。これは、後述する特図変動パターン導出状態PCおよび特図変動パターン導出状態PDにおける基本特図変動パターンにおいても同様であるため、これらの特図変動パターン導出状態では説明を省略する。
【0127】
特図変動パターンHSP-D~特図変動パターンHSP-Fには、上述の発展ハズレ演出ルートが対応する。
具体的には、特図変動パターンHSP-D~特図変動パターンHSP-Fには、疑似変動を介さずに装飾図柄がリーチ状態となり、その後、今回の図柄変動における特図当否判定の結果がハズレであることを報知する発展演出が実行され、当該発展演出の終了後に装飾図柄がバラケ目で停止表示される演出ルートが対応する。
また、特図変動パターンASP-D~特図変動パターンASP-Fには、上述の大当り演出ルートが対応する。
具体的には、特図変動パターンASP-D~特図変動パターンASP-Fには、疑似変動を介さずに装飾図柄がリーチ状態となり、その後、今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りであることを報知する発展演出が実行され、当該発展演出の終了後に装飾図柄が図柄揃いで停止表示される演出ルートが対応する。
【0128】
特図変動パターン導出状態PCおよび特図変動パターン導出状態PDで決定され得る、特図変動パターンHSP-G~特図変動パターンHSP-Iには、上述の発展ハズレ演出ルートが対応する。
具体的には、特図変動パターンHSP-G~特図変動パターンHSP-Iには、疑似変動を介さずに装飾図柄がリーチ状態となり、その後、今回の図柄変動における特図当否判定の結果がハズレであることを報知する発展演出が実行され、当該発展演出の終了後に装飾図柄がバラケ目で停止表示される演出ルートが対応する。
また特図変動パターンASP-G~特図変動パターンASP-Iには、上述の大当り演出ルートが対応する。
具体的には、特図変動パターンASP-G~特図変動パターンASP-Iには、疑似変動を介さずに装飾図柄がリーチ状態となり、その後、今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りであることを報知する発展演出が実行され、当該発展演出の終了後に装飾図柄が図柄揃いで停止表示される演出ルートが対応する。
【0129】
上述の通り、本実施形態では、特図変動パターン導出状態PD時に特図当否判定の結果がハズレとなった場合に、特図変動パターンHSP-G~特図変動パターンHSP-I(いずれも発展演出が実行される演出ルートに対応する特図変動パターン)のいずれかが決定される割合(約1/28.6)は、特図変動パターン導出状態PC時に特図当否判定の結果がハズレとなった場合に特図変動パターンHSP-G~特図変動パターンHSP-Iのいずれかが決定される割合(1/20)よりも低い。一方、特図変動パターン導出状態PD時に特図当否判定の結果がハズレとなった場合に特図変動パターンHNP(発展演出が実行されない演出ルートに対応する特図変動パターン)が決定される割合(約1/1.04)は、特図変動パターン導出状態PC時に特図当否判定の結果がハズレとなった場合に特図変動パターンHNPが決定される割合(約1/1.05)よりも高い。
さらに、特図変動パターン導出状態PC時に特図当否判定の結果が大当りとなった場合、および特図変動パターン導出状態PD時に特図当否判定の結果が大当りとなった場合には、いずれも、1000/1000(1/1)の割合で、特図変動パターンASP-G~特図変動パターンASP-Iのいずれかが決定される。
【0130】
したがって、本実施形態では、特図変動パターン導出状態PDに係る特図変動パターン抽選テーブルを用いた抽選によって発展演出が実行される演出ルートに対応する特図変動パターンが決定される割合は、特図変動パターン導出状態PCに係る特図変動パターン抽選テーブルを用いた抽選によって当該特図変動パターンが決定される割合よりも低くなる。一方、特図変動パターン導出状態PDに係る特図変動パターン抽選テーブルを用いた抽選によって発展演出が実行されない演出ルートに対応する特図変動パターンが決定される割合は、特図変動パターン導出状態PCに係る特図変動パターン抽選テーブルを用いた抽選によって当該特図変動パターンが決定される割合よりも高くなる。
これは、特図変動パターン導出状態PDを経由した後の特図変動パターン導出状態PCにおいて、発展演出に対する目新しさを害し難くし、当該特図変動パターン導出状態PCにおける遊技興趣の低下を抑えることに寄与する。
【0131】
サブ保留制御手段223は、保留コマンドを受信した場合(以下、単に、保留入賞の発生と表現する場合がある)に、当該コマンドに含まれる特
図1保留カウンタと特
図2保留カウンタの情報に基づいて、メイン表示部81の保留表示領域(図示省略)に、特
図1保留カウンタに対応する数の保留画像と、特
図2保留カウンタに対応する数の保留画像とを表示させるための演出データを設定する。なお、保留画像とは、大当り遊技の期待度等の有利度を示唆する種々の態様に変化する保留先読み演出の対象となる画像である。
【0132】
先読み演出制御手段224は、事前判定コマンドを受信した場合に、当該コマンドに含まれる事前判定の結果に基づいて先読み演出の内容を決定する。
先読み演出とは、遊技興趣の向上を目的として、先読み対象の図柄変動が開始される前から、先読み対象の図柄変動における特図当否判定の結果に対する期待度や、先読み対象の図柄変動において実行される演出の内容を示唆する演出である。先読み対象の図柄変動とは、主たる特図(特図変動パターン導出状態PAでは、特
図1であり、特図変動パターン導出状態PB、特図変動パターン導出状態PC、または特図変動パターン導出状態PDでは、特
図2である)に係る図柄変動であって、保1~保3の状態で保留される図柄変動、または保0の状態かつ当該特図に係る図柄変動の実行中に保留される図柄変動を指す。
【0133】
演出内容決定手段225は、変動開始コマンドを受信した場合に、演出ルート決定手段222によって既に決定された演出ルートに従って今回の図柄変動において実行する演出の内容を決定する。
より具体的には、演出内容決定手段225は、図柄変動における演出実行タイミングごとの演出の内容(演出パターン)を、演出ルート決定手段222によって決定された演出ルートに対応する演出パターン抽選テーブルを用いた抽選等によって決定する。このようにすることで、決定された演出ルートに係る(に従って実行される)演出の内容を変えることができるとともに、一つの図柄変動における演出に繋がりを持たせることができる。また、同一の演出ルートが決定された場合であっても、実行される演出を多彩にすることもできる。なお、演出の内容を決定するタイミングとしては、例えば、図柄変動の開始時が挙げられる。
【0134】
装飾図柄制御手段226は、変動開始コマンドを受信した場合に、決定された特図の停止図柄に基づいて、装飾図柄の最終的な(確定停止表示される)装飾図柄の組合せ(左図柄・中図柄・右図柄)を決定する。
具体的には、図柄Aには奇数図柄で構成される図柄揃いを、図柄Bには偶数図柄で構成される図柄揃いを、図柄Cまたは図柄cにはバラケ目を、対応させている。さらに、図柄aには7図柄で構成される図柄揃いが対応し、図柄bには、7図柄を除く奇数図柄で構成される図柄揃いが対応する。
なお、決定される装飾図柄の組合せを特図の停止図柄に対応させるにあたっては、必ずしも上述の対応関係とする必要はない。
【0135】
大当り演出制御手段227は、大当り開始コマンドを受信した場合に、当該コマンドに含まれる情報等に基づいて、大当り遊技中であることを報知する大当り演出の内容を決定する。なお、大当り演出には、大当り遊技の開始を報知する開始デモ演出、ラウンド遊技中であることを報知するラウンド演出、及び大当り遊技の終了を報知する終了デモ演出が存在する。
【0136】
通常演出制御手段220は、第1副制御基板200が備える上述の手段によって決定された演出の内容に従って、各演出の実行タイミングで当該演出に対応する各デバイスの演出データを読み出す。なお、読み出した演出データに画像に係る演出データがある場合には、当該演出データに基づいて画像制御コマンドを生成し、当該コマンドをサブ情報記憶手段260の送信コマンド格納領域に格納する。さらに、読み出した演出データに音響に係る演出データがある場合には、当該演出データに基づいて音響に関する音声制御コマンドを生成し、当該コマンドをサブ情報記憶手段260の送信コマンド格納領域に格納する。
特に、通常演出制御手段220は、RAMクリア処理の実行を伴って復電時の復帰状態が遊技可能状態となった場合には、RAMクリア処理の実行を伴って遊技可能状態となったことを報知させるための演出データを読み出し、RAMクリア処理の実行を伴わずに復電時の復帰状態が遊技可能状態となった場合には、RAMクリア処理の実行を伴わずに遊技可能状態となったことを報知させるための演出データを読み出す。
さらに、通常演出制御手段220は、復電時の復帰状態が遊技停止状態となった場合には、遊技停止状態となったことに加え、RAMクリア処理の実行が必要となったことを報知させるための演出データを読み出す。
なお、これらの報知の詳細は省略するが、実行が開始されてから一定時間(例えば、30s)継続して実行されることが好ましく、当該報知を実行する演出デバイスは問わない。
【0137】
サブエラー制御手段230は、エラーコマンドが送信された場合に、エラー演出パターンを決定し、当該エラー演出パターンに従ってエラー演出を実行するための演出データを読み出す。
なお、エラー演出は、図柄変動に係る変動演出よりも優先して実行される(エラー演出の実行によって変動演出の実行が規制される)。ここで、エラー演出が優先して実行されるとは、エラー演出の実行に係るデバイスと変動演出の実行に係るデバイスが同一のデバイスである場合に、当該デバイスにおいてエラー演出のみが実行される場合に限らず、当該デバイスにおいてエラー演出が変動演出よりも認識され易い態様で実行されることを含む。
また、サブエラー制御手段230は、独自に(メインエラー制御手段165と独立して)遊技機10がエラー状態であるか否かを判定し、エラー状態であると判定した場合にエラー演出を実行する演出データを読み出すようにしてもよい。
【0138】
ランプ制御手段240は、枠ランプ35等の各種ランプの点灯を制御するためのランプ制御データを保持しており、例えば、通常演出制御手段220によって読み出された演出データにランプに対応する演出データがある場合には、ランプ制御手段240は、当該演出データに基づいてランプ制御データを読み出し、読み出したランプ制御データを実行対象のランプへ送信する。
【0139】
可動役物制御手段245は、通常演出制御手段220によって読み出された演出データに可動役物に対応する演出データがある場合には、当該演出データに基づいてROM202から可動装飾体22やサブ表示部82の可動を制御するための可動制御データを読み出し、読み出した可動制御データを可動装飾体22やサブ表示部82へ送信し、可動装飾体22やサブ表示部82の可動を制御する。
【0140】
演出カスタマイズ手段250は、音量を調整する音量調整処理、および上述の音量調整コマンドを生成する音量調整コマンド生成処理を実行する。
音量調整処理とは、復電時または音量調整操作(本実施形態では、左カーソルボタン38cまたは右カーソルボタン38dに対する操作)がなされた場合に実行される処理である。
復電時に実行される音量調整処理では、復電時の音量調整部83の段階によって復電時における初期の音量が設定される。より具体的には、当該処理では、復電時の音量調整部83の段階が音量大である場合には、特定の音声再生チャネル(本実施形態では、音声再生チャネルCH1、および音声再生チャネルCH2)を除いた音声再生チャネルの音量に音量10が設定され、復電時の音量調整部83の段階が音量中である場合には、特定の音声再生チャネルを除いた音声再生チャネルの音量に音量5が設定され、復電時の音量調整部83の段階が音量小である場合には、特定の音声再生チャネルを除いた音声再生チャネルの音量に音量1が設定される。なお、当該音量調整処理は、復電時に限らず、直近の図柄変動の終了からあらかじめ定められた時間経過したことに基づいて実行されてもよく、この場合には、特定の音声再生チャネルを除く音声再生チャネルの音量(現在の音量)が音量調整部83の現在の段階に対応する音量よりも小さい場合にのみ実行されるようにしてもよい。
また、音量調整操作がなされた場合に実行される音量調整処理では、当該音量調整操作に基づいて現在の音量が更新される。より具体的には、当該処理では、当該処理が右カーソルボタン38dの操作によって実行された場合には、特定の音声再生チャネルを除いた音声再生チャネルの音量に、音量10を上限として当該処理の前に設定されていた音量よりも1段階大きい音量が設定され、当該処理が左カーソルボタン38cの操作によって実行された場合には、音量1を下限として特定の音声再生チャネルを除いた音声再生チャネルの音量に、当該処理の前に設定されていた音量よりも1段階小さい音量が設定される。なお、音量調整操作がなされた場合に実行される音量調整処理は、後述する輝度調整処理とは異なり、図柄変動が実行されているか否かに関わらず実行される。
ここで、音量調整処理において音声再生チャネルに音量が設定されるとは、RAM203の音声再生チャネルに対応する記憶領域に音量が設定されることを指し、当該記憶領域に音量が設定された場合には、音量調整コマンド生成処理によって当該音声再生チャネルの音量調整に対応する音量調整コマンドが生成され、その後、当該コマンドが音声制御基板310に向けて送信される。
【0141】
また、演出カスタマイズ手段250は、輝度を調整する輝度調整処理、および上述の輝度調整コマンドを生成する輝度調整コマンド生成処理を実行する。
輝度調整処理とは、復電時、または図柄変動が実行されていない状態において輝度調整操作(本実施形態では、上カーソルボタン38aまたは下カーソルボタン38bに対する操作)がなされた場合に実行される処理である。
復電時に実行される輝度調整処理では、復電時の輝度調整部84の段階によって復電時における初期の輝度が設定される。より具体的には、当該処理では、復電時の輝度調整部84の段階が輝度高である場合には、輝度10が設定され、復電時の輝度調整部84の段階が輝度中である場合には、輝度5が設定され、復電時の輝度調整部84の段階が輝度低である場合には、輝度1が設定される。なお、当該輝度調整処理は、復電時に限らず、最新の図柄変動の終了からあらかじめ定められた時間経過したことに基づいて実行されてもよく、この場合には、現在の輝度が輝度調整部84の現在の段階に対応する輝度よりも小さい場合にのみ実行されるようにしてもよい。
また、輝度調整操作がなされた場合に実行される輝度調整処理では、当該輝度調整操作に基づいて現在の輝度が更新される。より具体的には、当該処理では、当該処理が上カーソルボタン38aの操作によって実行された場合には、輝度10を上限として当該処理の前に設定されていた輝度よりも1段階大きい輝度が設定され、当該処理が下カーソルボタン38bの操作によって実行された場合には、輝度1を下限として当該処理の前に設定されていた輝度よりも1段階小さい輝度が設定される。
ここで、輝度調整処理において輝度が設定されるとは、RAM203の輝度に対応する記憶領域に輝度が設定されることを指し、当該記憶領域に輝度が設定された場合には、輝度調整コマンド生成処理によって調整後の輝度を特定可能な輝度調整コマンドが生成され、その後、当該コマンドが第2副制御基板300に向けて送信される。
【0142】
また、本実施形態では、図柄変動が実行されていない状態における音量調整操作がなされたことによって音量調整処理が実行された場合には、音量調整音が出音される(音量調整音に係る演出データが設定される)とともに、メイン表示部81に音量調整表示が実行される(音量調整表示に係る演出データが設定される)。一方、図柄変動が実行されている状態における音量調整操作がなされたことによって音量調整処理が実行された場合には、音量調整音は出音されずに、メイン表示部81によって音量調整表示が実行される。
なお、音量調整音は、音量調整処理によって調整された後の音量で出音されることで、調整後の音量を実際に聞かせて当該音量を認識させるものである。さらに、音量調整表示は、音量調整処理によって調整された後の音量の段階(音量1~音量10のいずれか)を特定可能な表示であり、これにより調整後の音量の段階を視覚的に認識させるものである。
さらに、本実施形態では、図柄変動が実行されていない状態において輝度調整操作がなされたことによって輝度調整処理が実行された場合には、輝度調整音が出音される(輝度調整音に係る演出データが設定される)とともに、メイン表示部81に輝度調整表示が実行される(輝度調整表示に係る演出データが設定される)。
なお、輝度調整音は、聴覚を通して輝度調整処理によって輝度が調整されたことを認識させるものであり、当該音声は、輝度調整処理によって調整された輝度によって出音に係る音量が変化しない。さらに、輝度調整表示は、輝度調整処理によって調整された後の輝度の段階(輝度1~輝度10のいずれか)を特定可能な表示であり、これにより調整後の輝度の段階を視覚的に認識させるものである。
【0143】
また、演出カスタマイズ手段250は、各種の演出をカスタマイズする演出カスタマイズ処理を実行する。演出カスタマイズ処理の詳細については、後述する。
【0144】
サブ情報記憶手段260は、上述の通り、第1副制御基板200が備える手段によって読み出されたデータや、当該手段における演算によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。
【0145】
サブコマンド管理手段270は、主制御基板100から送信された演出制御コマンドを受信し、受信した演出コマンドをサブ情報記憶手段260の受信コマンド格納領域に記憶させる、また、サブコマンド管理手段270は、サブ情報記憶手段260の送信コマンド格納領域に画像制御コマンドが記憶されている場合には、当該画像制御コマンドを第2副制御基板300に向けて送信する。さらに、サブコマンド管理手段270は、当該格納領域に音声制御コマンドまたは音量調整コマンドが記憶されている場合には、これらのコマンドを音声制御基板310に向けて送信される。なお、これらのコマンドは、原則として、サブ情報記憶手段260の送信コマンド格納領域に記憶された順番に従って送信される。
【0146】
以上説明した通り、本実施形態に係る遊技機10では、図柄変動の実行回数によって特図変動パターン導出状態PAから特図変動パターン導出状態PD(遊タイム)に遷移させる遊タイム機能を有しており、当該機能は、上述の特図変動パターン導出状態PD遷移図柄変動となるまで大当りに当選しなかった場合に得られる特典であり、当該特典の付与により、それまで低下した遊技興趣を向上させることに寄与する。
ただし、本実施形態に係る遊技機では、遊タイム機能を有することによってホール側が不利益になり過ぎないように、特図変動パターン導出状態PDから特図変動パターン導出状態PAに一度遷移した後は、大当り遊技を経由するか、RAMクリア処理が実行されない限り、図柄変動の実行回数(遷移条件(v))によって当該特図変動パターン導出状態PAから再び特図変動パターン導出状態PDへ遷移しないように構成されている。
【0147】
<通常モードにおける演出カスタマイズ処理に関する表示について>
続いて、通常モードにおける演出カスタマイズ処理に関する表示について、
図14~
図16を用いて説明する。上述したように、本実施形態における通常モードは、特図変動パターン導出状態PAに対応する演出モードであり、
図14~
図16に図示する状態はいずれも特図変動パターン導出状態PA及び演出モードに該当する。
図14は、通常モードにおける図柄変動が開始してから停止するまでの演出カスタマイズ処理に関する表示の表示態様を表す図である。
図14(a)と
図14(b)では変動表示している装飾図柄を矢印に代えて図示し、
図14(c)では停止している装飾図柄を図示するが、いずれの符号も装飾図柄81aで統一して説明する。
図15及び
図16は、通常モードにおける図柄変動停止中の演出カスタマイズ処理に関する表示の表示態様を表す図である。
なお、
図14~
図16は、本発明の説明に必要な要素を図示したものであり、これらの図面で表す状況において、図示した要素以外の要素(例えば、背景表示や保留画像など)がメイン表示部81に表示され得る。
【0148】
通常モードにおけるメイン表示部81に表示される演出カスタマイズ処理に関する表示には、ミニ楽曲選択表示81b、ミニプレミアモード表示81c、ミニ色変化激熱モード表示81dが含まれる。
ミニ楽曲選択表示81bは、演出カスタマイズの一項目である楽曲選択に関する表示である。
図14(a)において図示されるミニ楽曲選択表示81bの表示態様は、現在選択されている楽曲が楽曲Aであることを表している。楽曲選択は、その状態において音声出力されるBGMを選択する演出カスタマイズ機能である。
ミニプレミアモード表示81cは、演出カスタマイズの一項目であるプレミアモードの選択に関する表示である。
図14(a)において図示されるミニプレミアモード表示81cの表示態様は、プレミアモードがONであることを表している。プレミアモードは、いわゆるプレミア演出(通常は発生頻度が少ない演出)が実行される頻度を高める演出カスタマイズ機能である。
ミニ色変化激熱モード表示81dは、演出カスタマイズの一項目である色変化激熱モードの選択に関する表示である。
図14(a)において図示されるミニ色変化激熱モード表示81dの表示態様は、色変化激熱モードがOFFであることを表している。色変化激熱モードは、保留変化演出において保留画像が特定の色態様(例えば、赤色)になった場合の大当り期待度を高める演出カスタマイズ機能である。ここで、保留変化演出とは、保留画像が複数段階の色態様のいずれになるかによって、当該保留画像に対応する図柄変動において大当りが導出される期待度を示す演出である。
なお、本実施形態の仕様とは異なるが、小当りに当選し、小当り遊技を経由して大当り遊技を生起可能なパチンコ遊技機(いわゆる1種2種混合機)である場合、保留変化演出が示す期待度は、大当り当選と小当り当選の双方を加味したものであってもよい。
【0149】
従って、カスタマイズ可能な複数の項目には、複数段階の演出態様のいずれになるかによって特定結果(大当り)が導出される期待度を示す特定演出(保留変化演出)の演出制御に影響を与える特定項目(色変化激熱モード)が含まれ、特定演出が特定の演出態様(赤色の保留画像)になった際の期待度は、特定項目に係るカスタマイズによって、第一期待度(デフォルトの期待度)又は第一期待度より高い第二期待度に変更可能である、ものと言える。
【0150】
メイン表示部81にミニ楽曲選択表示81b、ミニプレミアモード表示81c、ミニ色変化激熱モード表示81dが表示されている場合、所定の操作を受け付けると、それぞれのモードのON/OFFを切り替えることができる(例えば、左カーソルボタン38c及び右カーソルボタン38dを操作することによって選択中の楽曲が切り替わり、上カーソルボタン38aを操作すると、プレミアモードのON/OFFが切り替わり、下カーソルボタン38bを操作すると、色変化激熱モードのON/OFFが切り替わる)。
上述したように、本実施形態におけるカーソルボタン38は音量調整及び輝度調整に用いられる操作手段であるが、メイン表示部81にミニ楽曲選択表示81b、ミニプレミアモード表示81c、ミニ色変化激熱モード表示81dが表示されている期間においては、カーソルボタン38に対する操作が、楽曲選択、ミニプレミアモード、色変化激熱モードに関する操作であるものとして扱われ、音量調整と輝度調整が不能となる。
【0151】
本実施形態では、図柄変動の実行中に楽曲選択について操作を受け付けた場合、その操作を契機に直ぐに(当該図柄変動中に)BGMの切替が反映される。
一方で、図柄変動の実行中にプレミアモードのON/OFFの切替について操作を受け付けた場合、当該図柄変動の次の図柄変動の開始時(次の図柄変動の変動開始コマンドの受信時)にプレミアモードの切替が反映される。当該操作を受け付けた図柄変動の実行中にプレミアモードの切替が反映されると、当該図柄変動において実行される演出内容は既に決まっており、その演出内容に矛盾する又は反する処理が行われる虞があるからである。
更に、図柄変動の実行中に色変化激熱モードのON/OFFの切替について操作を受け付けた場合、その操作の受付時に保留されている図柄変動の全てが消化され、消化後に実行される図柄変動の開始時に色変化激熱モードの切替が反映される。当該操作の受付時に保留されている図柄変動については、それぞれの保留入賞時に事前判定手段125による処理及び先読み演出制御手段24による処理が既に済んでおり、上記の変動開始コマンドの受信より前に色変化激熱モードの切替が反映されると、その処理に矛盾する又は反する演出制御となる虞があるからである。
【0152】
上述したように、楽曲選択、ミニプレミアモード、色変化激熱モードは、操作してから反映されるまでのタイミングに際があるため、同一の図柄変動中にそれぞれが操作されたとしても、それぞれの表示態様の変化タイミングに差異が生じる。
【0153】
図14(b)は、
図14(a)に示される状態において楽曲選択、プレミアモード、色変化激熱モードのそれぞれについて操作が行われた場合において、操作の直後(操作を受け付けた図柄変動の変動中)におけるメイン表示部81の表示態様を示している。
図14(b)に図示される通り、ミニ楽曲選択表示81bに表示される楽曲名が楽曲Bになることによって、楽曲選択の操作を受け付け、BGMが変化したことが報知される。また、ミニプレミアモード表示81cとミニ色変化激熱モード表示81dの表示態様の変化(同図では網掛けでその変化を表している)によって、それぞれの機能についてON/OFFを切り替える操作を受け付けたことが報知される。そして、ミニプレミアモード表示81cとミニ色変化激熱モード表示81dに「切替準備中」と表示されることによって、その操作による切替が未だ反映されていないことが報知される。
【0154】
図14(c)は、
図14(a)に示される状態において楽曲選択、プレミアモード、色変化激熱モードのそれぞれについて操作が行われた場合において、操作を受け付けた図柄変動の次の図柄変動の変動中におけるメイン表示部81の表示態様を示している。
図14(c)に図示される通り、ミニプレミアモード表示81cに「OFF」と表示されることによって、プレミアモードがOFFになったことが報知される。そして、ミニ色変化激熱モード表示81dの「切替準備中」との表示が継続されることによって、色変化激熱モードの切替が未だ反映されていないことが報知される。
【0155】
以上説明したように、第一状態(通常モード)においてカスタマイズ可能な項目には、第一項目(例えば、プレミアモード)と第二項目(例えば、色変化激熱モード)とが含まれ、第一状態において第一項目について操作を受け付けてからカスタマイズが反映されるタイミングと、第一状態において第二項目について操作を受け付けてからカスタマイズが反映されるタイミングと、が異なり得る、ものと言える。
なお、第一項目と第二項目に相当する演出カスタマイズの項目は、上記の組合せに本発明の実施はこれに限られず、本発明の目的を達する範囲において適宜変更可能である。
【0156】
続いて、通常モードにおいて図柄変動が停止し図柄アイドリング状態になったものとする。このとき、図柄変動中に表示されていたミニ楽曲選択表示81b、ミニプレミアモード表示81c、ミニ色変化激熱モード表示81dが、引き続きメイン表示部81に表示される(
図15(a)参照)。
また、通常モードにおいて図柄変動が停止した後に所定条件を充足すると、メイン表示部81に表示される演出カスタマイズに関する表示態様が変化し、ミニ楽曲選択表示81b、ミニプレミアモード表示81c、ミニ色変化激熱モード表示81dが非表示になると共に、案内表示81eがメイン表示部81に表示される(
図15(b)参照)。
【0157】
ここで案内表示81eは、音量調整に関する表示(破線で囲われている領域の左側のアイコン)と、輝度調整に関する表示(当該領域の中央のアイコン)と、メニュー呼出に関する表示(当該領域の右側のアイコン)と、の総称である。
音量調整に関する表示は、スピーカ33を摸したアイコンと、音量調整の操作が左カーソルボタン38cと右カーソルボタン38dによって行われることを示すアイコンと、からなる。スピーカ33を摸したアイコンに重畳して表示される数値は、その時点で設定されている音量を表している。
輝度調整に関する表示は、枠ランプ35を摸したアイコンと、輝度調整の操作が上カーソルボタン38aと下カーソルボタン38bによって行われることを示すアイコンと、からなる。枠ランプ35を摸したアイコンに重畳して表示される数値は、その時点で設定されている輝度を表している。
メニュー呼出に関する表示は、「メニュー」の文字からなるテキスト表示と、メニュー呼出に係る操作が演出ボタン37の押下であることを示すアイコンと、からなる。
上記の所定条件(案内表示81eがメイン表示部81に表示される条件)は、例えば、図柄変動が停止した時点から所定時間経過すること、又は、図柄変動が実行されていない状態で演出ボタン37又はカーソルボタン38が操作されること、などが挙げられる。
【0158】
ここで、案内表示81eが表示されている状態で演出ボタン37が操作されると、メニュー表示81fがメイン表示部81に表示される(
図16(a)参照)。
メニュー表示81fに表される演出カスタマイズの項目は、プレミアモード、色変化激熱モード、音量・輝度調整、リセット、が含まれる。
プレミアモード、色変化激熱モード、音量・輝度調整については、既に説明したとおりなので、ここでの説明は省略する。
リセットは、各演出カスタマイズにより変更された設定を初期化する演出カスタマイズである。
メニュー表示81fの左側に表示される矢印アイコンは、その時点で選択しているメニューを示すものであり、上カーソルボタン38aと下カーソルボタン38bを操作すると選択中のメニューが変更され、演出ボタン37を操作するとその操作時に選択しているメニューに関する画面に切り替わる。
【0159】
メニュー表示81fにおいてプレミアモードが選択されている状態で演出ボタン37が操作されると、
図16(b)に示すとおり、プレミアモード表示81gがメイン表示部81に表示される。プレミアモード表示81gは、左カーソルボタン38cと右カーソルボタン38dを操作することによってプレミアモードのON/OFFのいずれを選択するかを切り替えることを表しており、演出ボタン37を操作するとその操作時に選択している方が設定されることを表している。
プレミアモード表示81gにおいてプレミアモードのONを選択しているときに演出ボタン37を操作すると、
図16(b)に示すとおり、「プレミアモードをONにしました」とのテキスト表示81hがメイン表示部81に表示される。
【0160】
上述したように、
図14に図示した通常モード中の図柄変動中にメイン表示部81に表示されるカスタマイズの操作に関する表示態様(例えば、
図14(a)の表示態様)と、
図15や
図16に図示した通常モード中の図柄変動停止中にメイン表示部81に表示されるカスタマイズの操作に関する表示態様(例えば、
図15(b)や
図16(a)の表示態様)と、が相違する。
双方の表示態様に、上記のような差異を設けることにより、一方において不能なカスタマイズを、他方において実行可能とすることができる。
【0161】
従って、カスタマイズに関する複数の項目の少なくとも一部についてカスタマイズ可能であり且つ図柄変動を実行可能である第一状態(通常モード)と、複数の項目の少なくとも一部についてカスタマイズ可能であり且つ前記第一状態における図柄変動の停止中になり得る特定状態(上記のメニュー呼出が可能な状態又は呼び出したメニュー操作が可能な状態)と、があり、特定状態におけるカスタマイズの操作に関する表示が、第一状態において実行される図柄変動の変動中に表示されるカスタマイズの操作に関する表示と比べて、表示態様が異なる、ものと言える。
【0162】
<チャンスタイムにおける演出カスタマイズ処理に関する表示について>
続いて、チャンスタイムにおける演出カスタマイズ処理に関する表示について、
図17を用いて説明する。上述したように、本実施形態におけるチャンスは、特図変動パターン導出状態PCに対応する演出モードであり、
図17に図示する状態は特図変動パターン導出状態PC及びチャンスタイムに該当する。
図17は、チャンスタイムにおける演出カスタマイズ処理に関する表示の表示態様を表す図である。なお、
図17(a)は変動表示している装飾図柄を矢印に代えて図示する点、及び、図示した要素以外の要素(例えば、背景表示や保留画像など)がメイン表示部81に表示され得る点については、これまでの説明と同様である。
【0163】
図17(a)は、チャンスタイムにおける図柄変動中に、メイン表示部81に表示される演出カスタマイズ処理に関する表示の表示態様を表している。
図17(a)と
図14(a)とを比較すれば明らかであるように、通常モードにおいて表示されない演出モード表示81iが、チャンスタイムにおいてメイン表示部81に表示され得る。
また、通常モードにおいて表示され得るミニ楽曲選択表示81bが、チャンスタイムにおいてメイン表示部81に表示されない。本実施形態に係る遊技機10は、チャンスタイム中については専用のBGMが設定されており、楽曲選択の演出カスタマイズを必要としない(楽曲選択が不能になっている)からである。
【0164】
演出モード表示81iは、チャンスタイムの他に、確変モード及び遊タイムにおいてもメイン表示部81に表示され得る。このとき、演出モード表示81iは、確変モード(又は遊タイム)に滞在していることが視認可能な表示態様で表示される。
ミニ楽曲選択表示81bは、チャンスタイムと同様に、確変モード及び遊タイムにおいてもメイン表示部81に表示されない。確変モード及び遊タイムも、楽曲選択が不能になっているからである。
【0165】
図17(b)は、チャンスタイムにおける図柄変動の停止中にメニュー呼出をしたときにメイン表示部81に表示される演出カスタマイズ処理に関する表示の表示態様を表している。
図17(b)と
図16(a)とを比較すれば明らかであるように、メニュー表示81fに含まれる楽曲選択に関する表示の表示態様が変化している(網掛けの有無でその変化を表している)。このメニュー表示81fの表示態様は、楽曲選択が不能になっていることを表している。
確変モード及び遊タイムにおいてメニュー呼出をしたときも、
図17(b)に図示する表示態様で、メニュー表示81fがメイン表示部81に表示される。
【0166】
<状態遷移時における演出カスタマイズ処理に関する表示について>
続いて、状態遷移時における演出カスタマイズ処理に関する表示について、
図18~
図20を用いて説明する。
図18は、チャンスタイムから通常モードに遷移する場合におけるメイン表示部81の表示態様を表す図である。
図19は、確変モードから通常モードに遷移する場合におけるメイン表示部81の表示態様を表す図である。なお、
図18及び
図19は変動表示している装飾図柄を矢印に代えて図示する点、及び、図示した要素以外の要素(例えば、背景表示や保留画像など)がメイン表示部81に表示され得る点については、これまでの説明と同様である。
図20は、
図18及び
図19に図示する表示態様の変化に関するタイムチャートの一具体例である。なお、
図20に図示するタイムチャートは、遷移元の状態(チャンスタイム又は確変モード)における最終変動中に色変化激熱モードの切替に係る操作を行い、その操作に基づくカスタマイズが反映されていない(すなわち、その操作の受付時に保留されている図柄変動が未だ実行されていない状態である)ことを前提として、以下説明する。
【0167】
先ず、チャンスタイムから通常モードに遷移する場合(すなわち、
図13に図示した遷移条件(iii)を充足した場合)について説明する。
図20(a)は、当該場合におけるタイムチャートである。
チャンスタイムの最終変動において色変化激熱モードの切替に係る操作をし、且つ、その操作の受付時に保留されている図柄変動が未実行である場合、ミニ色変化激熱モード表示81dに「切替準備中」と表示され、「切替準備中」と表示されている期間において色変化激熱モードの切替に係る操作を受け付けなくなる(
図18(a)参照)。また、チャンスタイム中は、楽曲選択の操作を受け付けることができない。そして、図柄変動中は、音量調整及び輝度調整についてもカスタマイズ不能である。従って、
図18(a)に図示される状態において、演出のカスタマイズが可能な項目は、プレミアモードの一つだけである。
そして、最終変動が停止し、次の図柄変動が開始されると、演出モードがチャンスタイムから通常モードに遷移する。このとき、次の図柄変動の開始時に、遊技者に左打ちを促す左打ち表示81jがメイン表示部81に表示される(
図18(b)参照)。左打ち表示81jの表示期間(
図20(a)における期間T1)において、その直前までメイン表示部81に表示されていたミニプレミアモード表示81c及びミニ色変化激熱モード表示81dは非表示になり、遊技機10においてカスタマイズ可能な項目の全てについて操作を受け付けなくなる。従って、
図18(b)に図示される状態において、演出のカスタマイズが可能な項目は、0(零)である。
更に、左打ち表示81jが非表示になると、メイン表示部81は、ミニプレミアモード表示81c及びミニ色変化激熱モード表示81dを再表示し、更にミニ楽曲選択表示81bを表示する。但し、この時点では、色変化激熱モードの操作の受付時に保留されていた図柄変動が未実行であるため、ミニ色変化激熱モード表示81dに「切替準備中」と表示される。従って、
図18(c)に図示される状態において、演出のカスタマイズが可能な項目は、楽曲選択とプレミアモードの二つである。
【0168】
図20(a)に示すとおり、同図において「非表示」と図示される期間T1は、同図において「切替準備中」とされる期間T2に包含される期間(期間T2と重複する期間)であり、期間T2に比べて短く、チャンスタイムの終了時に開始する。
そして、この期間T2の中で、演出のカスタマイズ可能な項目の数が、1→0→2と変化する。
【0169】
従って、遊技機10は、複数の項目の少なくとも一部についてカスタマイズ可能である第一状態(通常モード)と第二状態(チャンスタイム)とがあり、第二状態が終了した後に第一状態になる場合(
図20(a)に示す場合)に、第一状態においてカスタマイズ可能になる項目(楽曲選択とプレミアモード)の少なくとも一部についてカスタマイズが不能となるカスタマイズ制限期間(期間T1)に、第一状態の終了以後になる、ものと言える。
上記のようなカスタマイズ制限期間を設けることによって、遊技者が予期せぬカスタマイズとなることを抑制し、演出のカスタマイズに関する制御の安定化を図ることができる。
【0170】
なお、本実施形態では、第一状態(通常モード)においてカスタマイズ可能な項目の一部(楽曲選択)が、第二状態(チャンスタイム)においてカスタマイズ可能な項目に含まれない態様で本発明を実施することを例示したが、第二状態から第一状態への遷移時に、カスタマイズ可能な項目に変化がある状況において本発明が適用されれば、同様の効果を奏する。
従って、第一状態においてカスタマイズ可能な項目の全部が、第二状態においてカスタマイズ可能な項目に含まれない態様であってもよく、第二状態においてカスタマイズ可能な項目の一部又は全部(すなわち少なくとも一部)が第一状態においてカスタマイズ可能な項目に含まれない、態様であってもよい。
【0171】
また、遊技機10は、カスタマイズ制限期間(期間T1)においてカスタマイズが可能である項目の数(0)が、第一状態(通常モード)においてカスタマイズ可能な項目の数(2)、及び、第二状態(チャンスタイム)においてカスタマイズ可能な項目の数(1)、のいずれと比べても小さい、ものと言える。
これにより、演出のカスタマイズに関する制御の安定化を図るという本発明の効果を、より高めることができる。
【0172】
なお、本実施形態では、カスタマイズ制限期間においてカスタマイズが可能である項目の数が零である(カスタマイズ可能な項目が無い)態様で本発明を実施することを例示したが、当該項目の数は上記の要件を充足する範囲において適宜変更可能であり、1以上の整数(自然数)であってもよい。
例えば、本実施形態では、カーソルボタン38が図柄変動中においてプレミアモードと色変化激熱モードの切替の操作に使用されるため、同じくカーソルボタン38を使用する音量調整・光量調整が不能である旨を説明したが、それぞれのカスタマイズの項目に別々の操作手段を対応付けることによって図柄変動中に音量調整・光量調整を実行可能としてもよく、上記のカスタマイズ制限期間において音量調整・光量調整のうち少なくとも一方が実行可能であってもよい。
【0173】
図20(a)に示す場合において、期間T2より前に保留変化演出が開始された場合(例えば、チャンスタイムの最終変動の開始前に、最終変動より後に実行される図柄変動に対応する保留画像がデフォルト色から赤色に変化した場合)、その図柄変動の保留入賞時において色変化激熱モードがONである場合、その保留変化演出の期待度は高期待度となり、その図柄変動の保留入賞時において色変化激熱モードがOFFである場合、その保留変化演出の期待度は低期待度(デフォルトの期待度)となる。
従って、上記のような状況で開始された保留変化演出について、カスタマイズ制限期間(期間T1)が終了し、通常モードが開始されて色変化激熱モードのON/OFFを切り替えることができたとしても、その保留変化演出の期待度は変化しない(色変化激熱モードの操作は受け付けるが、その操作に基づく演出制御がその保留変化演出に対して適用されない)。
【0174】
従って、遊技機10は、第二状態が終了した後に第一状態になる場合(
図20(a)に示す場合)において、カスタマイズ制限期間の開始前に開始された演出(上記の保留変化演出)が当該第一状態の開始後まで継続して行われ、当該第二状態において受け付けた操作に基づくカスタマイズによって当該演出が制御されている場合、当該第一状態の開始後も同じカスタマイズによって当該演出が制御され得る、ものと言える。
また、遊技機10は、第二状態が終了した後に第一状態になる場合(
図20(a)に示す場合)において、カスタマイズ制限期間の開始前に開始された演出が当該第一状態の開始後まで継続して行われ、当該第一状態が開始してから当該演出が終了するまでの間にカスタマイズの操作を受け付けた場合、当該カスタマイズが制限され得る、ものと言える。
このような演出制御とすることにより、演出を適切に制御することができる。
【0175】
また、
図20(a)に示す場合において、期間T2の期間より前に保留入賞している図柄変動に対して色変化激熱モードON/OFFを切り替える操作をし、期間T2の期間中に保留変化演出が開始された場合(例えば、チャンスタイムの最終変動の変動中に、最終変動より後に実行される図柄変動に対応する保留画像がデフォルト色から赤色に変化した場合)、その図柄変動の保留入賞時において色変化激熱モードがONである場合、その保留変化演出の期待度は高期待度となり、その図柄変動の保留入賞時において色変化激熱モードがOFFである場合、その保留変化演出の期待度は低期待度(デフォルトの期待度)となる。
【0176】
従って、遊技機10は、特定演出(保留変化演出)が特定の演出態様(赤色の保留画像)になった際の期待度を第一期待度から第二期待度に変更するカスタマイズの操作を受け付けた場合(色変化激熱モードをONにした場合)に当該操作の受付以後に期待度変更制限期間(
図20(a)の期間T2)を設けるときがあり、期待度変更制限期間において特定演出が特定の演出態様になった際の期待度が第一期待度(低期待度)であり、当該期待度変更制限期間の終了後に特定演出が特定の演出態様になった際の期待度が第二期待度(高期待度)である、ものと言える。
これにより、状況に応じた適切な演出制御を実現することができる。
【0177】
なお、チャンスタイムの最終変動において最終変動中に色変化激熱モードの切替に係る操作を行った場合(
図20(a)に示す場合)に、チャンスタイムと通常モードに跨がって期間T2を設ける旨を説明したが、同じチャンスタイムや通常モードの滞在中であっても図柄変動が停止している期間に色変化激熱モードを切り替えた場合(具体的には、メニュー表示81fに対する操作によって色変化激熱モードを切り替えた場合)、遊技の進行に伴う演出が実行されていないので(待機デモ中なので)、期間T1や期間T2に相当する制限期間を設けなくてもよく、設けるとしても
図20(a)に示す期間T2に比べてごく短い制限期間とすることが好ましい。
言い換えると、第一状態(通常モード)又は第二状態(チャンスタイム)から特定状態(メニュー表示81fが表示されている状態)になる場合にカスタマイズ制限期間が無い、又は、第二状態から特定状態になる場合のカスタマイズ制限期間が、第二状態が終了した後に第一状態になる場合のカスタマイズ制限期間に比べて短い、ことが好ましい。
或いは、第一状態(通常モード)又は第二状態(チャンスタイム)において期待度変更制限期間が設けられ得る一方、特定状態(メニュー表示81fが表示されている状態)において期待度変更制限期間が設けられ得ない、又は、特定状態において設けられ得る期待度変更制限期間が第一状態又は第二状態において設けられ得る期待度変更制限期間に比べて短い、ことが好ましい。
【0178】
次に、確変モードから通常モードに遷移する場合(すなわち、
図13に図示した遷移条件(iv)を充足した場合)について説明する。
図20(b)は、当該場合におけるタイムチャートである。
確変モードの最終変動において色変化激熱モードの切替に係る操作をし、且つ、その操作の受付時に保留されている図柄変動が未実行である場合、ミニ色変化激熱モード表示81dに「切替準備中」と表示され、「切替準備中」と表示されている期間において色変化激熱モードの切替に係る操作を受け付けなくなる(
図19(a)参照)。また、確変モード中は、楽曲選択の操作を受け付けることができない。そして、図柄変動中は、音量調整及び輝度調整についてもカスタマイズ不能である。従って、
図19(a)に図示される状態において、演出のカスタマイズが可能な項目は、プレミアモードの一つだけである。
そして、最終変動が終了する前に、その確変モード中に実行された大当り遊技の回数と獲得した賞球数を示すリザルト画面81kがメイン表示部81に表示される(
図19(b)参照)。リザルト画面81kの表示期間(
図20(b)における期間T3)において、その直前までメイン表示部81に表示されていたミニプレミアモード表示81c及びミニ色変化激熱モード表示81dは非表示になり、遊技機10においてカスタマイズ可能な項目の全てについて操作を受け付けなくなる。従って、
図19(b)に図示される状態において、演出のカスタマイズが可能な項目は、0(零)である。
更に、最終変動が停止し、次の図柄変動が開始されると、演出モードが確変モードから通常モードに遷移する。このとき、次の図柄変動の開始時に、遊技者に左打ちを促す左打ち表示81jがメイン表示部81に表示される(
図19(c)参照)。
図19(c)に図示される状態は、
図18に図示される状態と概ね同じ(演出カスタマイズに関する要素については同じ)であり、演出のカスタマイズが可能な項目は、期間T3に引き続き0(零)である。
更に、左打ち表示81jが非表示になると、メイン表示部81は、ミニプレミアモード表示81c及びミニ色変化激熱モード表示81dを再表示し、更にミニ楽曲選択表示81bを表示する。但し、この時点では、色変化激熱モードの操作の受付時に保留されていた図柄変動が未実行であるため、ミニ色変化激熱モード表示81dに「切替準備中」と表示される。従って、
図19(d)に図示される状態において、演出のカスタマイズが可能な項目は、楽曲選択とプレミアモードの二つである。
【0179】
図20(b)に示すとおり、リザルト画面81kが表示される期間T3と、同図において「非表示」と図示される期間T1とは、いずれも「切替準備中」とされる期間T4に包含される期間(期間T4と重複する期間)である。期間T3と期間T1の合計長さは、期間T4に比べて短く、チャンスタイムの終了時に開始する。
そして、この期間T4の中で、演出のカスタマイズ可能な項目の数が、1→0→2と変化する。
【0180】
従って、遊技機10は、第二状態の終了後に第一状態になる第一の場合(
図20(a)に示す場合)と、第三状態の終了後に第一状態になる第二の場合(
図20(b)に示す場合)と、があり、第一の場合と第二の場合とを比べると、第一の場合におけるカスタマイズ制限期間の長さ(期間T1)と第二の場合におけるカスタマイズ制限期間の長さ(期間T3と期間T1)とが異なる、ものと言える。
上記のように、本実施形態では、第三状態(確変モード)、第二状態(チャンスタイム)、第一状態(通常モード)の順に有利であり、第二状態から第一状態になる場合と、第三状態から第一状態になる場合と、を比べると、有利度合いの変化の大きさが異なる。このため、状態遷移のルートによって状態遷移時の演出カスタマイズをする遊技者のモチベーションが変化するので、カスタマイズ制限期間の長さを調整している。これにより、演出のカスタマイズに関する制御の安定化を図るという本発明の効果を、より高めることができる。
【0181】
なお、本実施形態では、第二の場合におけるカスタマイズ制限期間の長さが、と第二の場合におけるカスタマイズ制限期間の長さに比べて長い、すなわち有利度合いの変化の多い状態遷移時においてカスタマイズ制限期間が長くなる態様で本発明を実施することを例示したが、本発明の実施はこれに限られない。
例えば、上記とは逆の関係となる態様(第一の場合におけるカスタマイズ制限期間の長さが、と第一の場合におけるカスタマイズ制限期間の長さに比べて長い態様)で本発明を実施することも許容される。
或いは、有利度合いの変化が小さい状態遷移の比較(例えば、チャンスタイムから通常モードに遷移する場合と、遊タイムから通常モードに遷移する場合と、の比較)においてカスタマイズ制限期間の長さを異ならせることも許容される。
【0182】
また、上記の第一の場合と第二の場合とを比べると、第一の場合になるカスタマイズ制限期間においてカスタマイズが可能である項目の数(零)と、第二の場合になるカスタマイズ制限期間においてカスタマイズが可能である項目の数(零)と、が同じである、ものと言える。
カスタマイズ可能な項目数を上記のように設定することにより、状態遷移のルートの差異に関わらず、同様の制限とすることができる。これにより、演出のカスタマイズに関する制御の安定化を図るという本発明の効果を、より高めることができる。
【0183】
なお、本実施形態では、第一状態(通常モード)においてカスタマイズ可能な項目の一部(楽曲選択)が、第三状態(確変モード)においてカスタマイズ可能な項目に含まれない態様で本発明を実施することを例示したが、第三状態から第一状態への遷移時に、カスタマイズ可能な項目に変化がある状況において本発明が適用されれば、同様の効果を奏する。
従って、第一状態においてカスタマイズ可能な項目の全部が、第三状態においてカスタマイズ可能な項目に含まれない態様であってもよく、第三状態においてカスタマイズ可能な項目の一部又は全部(すなわち少なくとも一部)が第一状態においてカスタマイズ可能な項目に含まれない態様であってもよい。
【0184】
<他の変形例について>
以上の説明に記載されていない変形例について、以下に列挙する。
【0185】
上記の実施形態では、第一状態:通常モード:図変動パターン導出状態PA、第二状態:チャンスタイム:図変動パターン導出状態PC、第三状態:確変モード:図変動パターン導出状態PB、第四状態:遊タイム:図変動パターン導出状態PD、とする対応関係によって本発明を説明したが、本発明の実施はこれに限られない。
本発明の目的を達する範囲において、異なる組合せで対応付けてもよい。
【0186】
上記の実施形態では、本発明に係る第一状態、第二状態、第三状態、及び第四状態のそれぞれについて、演出モード及び特図変動パターン導出状態が一つずつ対応付いている態様を説明したが、本発明の実施はこれに限られない。
例えば、一の状態に対して複数の演出モード又は特図変動パターン導出状態が対応付けてもよい。例えば、チャンスタイムの特定期間(例えば、100回転分のチャンスタイムのうち当該チャンスタイムの最終変動を含む所定回数分の期間)と、同一のチャンスタイムのうち特定期間を除く期間と、が異なる特図変動パターン導出状態になっている場合、これらの特図変動パターン導出状態の双方を一の状態に対応付けてもよい。
或いは、複数の状態に対して一の演出モード又は特図変動パターン導出状態を対応付けてもよい。例えば、同一の演出モードや特図変動パターン導出状態において、カスタマイズ可能な項目の数が変化する仕様である場合には、その変化の前後を別々の状態の見做してもよい。
【0187】
上記の実施形態では、本発明に係る第一状態、第二状態、第三状態、及び第四状態のそれぞれについて、演出モード及び特図変動パターン導出状態が対応付いている態様を説明したが、本発明の実施において、上記の状態のそれぞれを区別可能であれば足り、上記の状態のうち少なくとも一部は演出モードや特図変動パターン導出状態を除く対象に対応付けてもよい。
例えば、上記のいずれかの状態は、大当り遊技に対応付けてもよいし、待機デモ状態に対応付けてもよいし、所定のエラーが検知されている状態(所定のエラー報知が行われている状態)に対応付けてもよい。また、上記の状態のうち一の状態が図柄変動の前半部分に対応付けてもよいし、他の状態が当該図柄変動の後半部分に対応付けてもよい。また、上記の状態のうち一の状態が大当り遊技の前半部分に対応付けてもよいし、他の状態が当該大当り遊技の後半部分に対応付けてもよい。
なお、この段落で説明した図柄変動の前半部分と後半部分、又は、大当り遊技の前半部分と後半部分は、ヒトが認識可能な事象(例えば、開始時から所定時間が経過したタイミング、開始時から所定回数のラウンド遊技が実行されたタイミング、電断復電がなされたタイミングなど)によって区別されればよい。
【0188】
上記の実施形態では、本発明に係るカスタマイズ制限期間及び期待度変更制限期間が設けられる契機となる演出カスタマイズを、色変化激熱モードの切替であるものとして説明したが本発明の実施はこれに限られない。
本明細書内に記載した他の演出カスタマイズを、カスタマイズ制限期間及び期待度変更制限期間を設ける契機としてもよいし、本明細書では言及されていない演出カスタマイズを、カスタマイズ制限期間及び期待度変更制限期間を設ける契機としてもよい。
【0189】
上記の実施形態では、遊タイムから通常モードに遷移する場合について詳細な説明はしなかったが、この実施形態においてチャンスタイム中にカスタマイズ可能な項目と、遊タイム中にカスタマイズ可能な項目と、が全く同じであるため、この仕様を前提とすると、チャンスタイムから通常モードに遷移する場合(
図20(a)に示す場合)と同様の流れとなることが好ましい。
しかしながら、チャンスタイムと遊タイムとの間にカスタマイズ可能な項目に差異がある(言い換えると、通常モードにおいてカスタマイズ可能な項目の少なくとも一部が第四状態においてカスタマイズ可能な項目に含まれず、又は、第四状態においてカスタマイズ可能な項目の少なくとも一部が第一状態においてカスタマイズ可能な項目に含まれない)のであれば、チャンスタイムが終了した後に通常モードになる場合と、遊タイムが終了した後に通常モードになる場合と、の比較において、カスタマイズ制限期間の長さを異ならせてもよい。
当然ながら、この変形例におけるチャンスタイム及び遊タイムは、上記の実施形態と同様に、双方が特図低確かつ普図低確の状態である。
【0190】
上記の実施形態では詳細な説明はしなかったが、色変化激熱モードに関するカスタマイズがされた結果が反映されている期間において特定のエラー状態が検知されるイレギュラーケースが想定される。
このとき、そのエラー状態に対応するエラー制御の態様(エラー報知の報知態様)によっては、色変化激熱モードに関するカスタマイズが制限されることも想定される。具体的には、そのエラー報知が音声出力(スピーカ33からのエラー音)によって報知されるものであり、色変化激熱モードのカスタマイズがメイン表示部81からの表示出力とスピーカ33からの音声出力に影響を与えるものである場合、エラー報知と色変化激熱モードのカスタマイズが重複することによって、メイン表示部81からの表示出力(例えば、保留画像の色態様)はエラー報知の影響なくカスタマイズが適正に反映される一方、スピーカ33の音声出力(例えば、色態様の変化に伴う効果音)がエラー音の出力に伴ってミュートとさせることによってカスタマイズされた結果が制限され得る。
上記のようなイレギュラーケースであっても、本発明に係るカスタマイズ制限期間や期待度変更制限期間を設けることによって、演出制御の安定化を図るという発明の効果は損なわれない。また、状況に応じた適切なエラー制御を実現することもできる。
【0191】
以上で説明した本発明は、上述の説明に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
【0192】
<付記>
本実施形態は、次のような技術思想を包含する。
(1)始動口への遊技球の入賞に基づいて図柄変動を実行可能な遊技機であって、操作手段と、演出を制御する演出制御手段と、を備え、前記演出制御手段は、演出に関する複数の項目について、前記操作手段が受け付けた操作に基づいてカスタマイズ可能であり、前記複数の項目の少なくとも一部についてカスタマイズ可能である第一状態と第二状態とがあり、前記第一状態においてカスタマイズ可能な項目の少なくとも一部が前記第二状態においてカスタマイズ可能な項目に含まれず、又は、前記第二状態においてカスタマイズ可能な項目の少なくとも一部が前記第一状態においてカスタマイズ可能な項目に含まれず、前記第二状態が終了した後に前記第一状態になる場合に、前記第一状態においてカスタマイズ可能になる項目の少なくとも一部についてカスタマイズが不能となるカスタマイズ制限期間に、前記第二状態の終了以後になり、前記第一状態においてカスタマイズ可能な項目には、第一項目と第二項目とが含まれ、前記第一状態において前記第一項目について操作を受け付けてからカスタマイズが反映されるタイミングと、前記第一状態において前記第二項目について操作を受け付けてからカスタマイズが反映されるタイミングと、が異なり得る、ことを特徴とする遊技機。
(2)前記カスタマイズ制限期間においてカスタマイズが可能である項目の数が、前記第一状態においてカスタマイズ可能な項目の数、及び、前記第二状態においてカスタマイズ可能な項目の数、のいずれと比べても小さい、(1)に記載の遊技機。
(3)更に、第三状態があり、前記第一状態においてカスタマイズ可能な項目の少なくとも一部が前記第三状態においてカスタマイズ可能な項目に含まれず、又は、前記第三状態においてカスタマイズ可能な項目の少なくとも一部が前記第一状態においてカスタマイズ可能な項目に含まれず、前記第三状態、前記第二状態、前記第一状態の順に有利であり、前記第二状態の終了後に前記第一状態になる第一の場合と、前記第三状態の終了後に前記第一状態になる第二の場合と、があり、前記第一の場合と前記第二の場合の比較において、前記カスタマイズ制限期間の長さが異なる、(1)又は(2)に記載の遊技機。
(4)前記第二状態が終了した後に前記第一状態になる場合において、前記カスタマイズ制限期間の開始前に開始された演出が当該第一状態の開始後まで継続して行われ、当該第二状態において受け付けた操作に基づくカスタマイズによって当該演出が制御されている場合、当該第一状態の開始後も同じカスタマイズによって当該演出が制御され得る、(1)又は(2)に記載の遊技機。
(5)前記第二状態が終了した後に前記第一状態になる場合において、前記カスタマイズ制限期間の開始前に開始された演出が当該第一状態の開始後まで継続して行われ、当該第一状態が開始してから当該演出が終了するまでの間にカスタマイズの操作を受け付けた場合、当該カスタマイズが制限され得る、(1)又は(2)に記載の遊技機。
(a)更に、第三状態があり、前記第一状態においてカスタマイズ可能な項目の少なくとも一部が前記第三状態においてカスタマイズ可能な項目に含まれず、又は、前記第三状態においてカスタマイズ可能な項目の少なくとも一部が前記第一状態においてカスタマイズ可能な項目に含まれず、前記第二状態の終了後に前記第一状態になる第一の場合と、前記第三状態の終了後に前記第一状態になる第二の場合と、があり、前記第一の場合になる前記カスタマイズ制限期間においてカスタマイズが可能である項目の数と、前記第二の場合になる前記カスタマイズ制限期間においてカスタマイズが可能である項目の数と、が同じである、(1)又は(2)に記載の遊技機。
(b)更に、第四状態があり、第二状態においてカスタマイズ可能な項目の少なくとも一部が第四状態においてカスタマイズ可能な項目に含まれず、又は、第四状態においてカスタマイズ可能な項目の少なくとも一部が第二状態においてカスタマイズ可能な項目に含まれず、第四状態が終了した後に第一状態になる第三の場合があり、第一の場合と第三の場合の比較において、カスタマイズ制限期間の長さが異なる、(3)に記載の遊技機。
【符号の説明】
【0193】
10 遊技機
15 外枠
17 中枠
20 前枠
21 ヒンジ機構
22 可動装飾体
23 シリンダ錠
25 透明部材
27 上球受け皿
29 下球受け皿
31 操作ハンドル
32 上枠部
33(33a、33b) スピーカ
34a、34b 左右側枠部
35(35a、35b、35c) 枠ランプ
36 球抜き機構
37 演出ボタン
38 カーソルボタン
38a 上カーソルボタン
38b 下カーソルボタン
38c 左カーソルボタン
38d 右カーソルボタン
38e 中カーソルボタン
39 メイン操作部
39a 玉貸ボタン
39b 返却ボタン
40 電源スイッチ
43 RAMクリアスイッチ
46 遊技球タンク
47 タンクレール
48 払出ユニット
49 払出通路
50 遊技盤
50a 遊技領域
51 外レール
52 風車
53 内レール
54 保護部材
55 大入賞口
57 第1始動口
59 第2始動口
61 普通電動役物
62 普通電動役物ソレノイド
63 ゲート
65 特別電動役物
66 特別電動役物ソレノイド
67 一般入賞口
69 アウト口
70 第1始動口センサ
71 第2始動口センサ
72 大入賞口センサ
73 一般入賞口センサ
74 ゲートセンサ
75 アウト球センサ
76 中枠開扉センサ
77 前枠開扉センサ
80 演出表示装置
81 メイン表示部
82 サブ表示部
82a 上サブ表示部
82b 左サブ表示部
82c 右サブ表示部
90 図柄表示装置
91 第1特別図柄表示装置
92 第2特別図柄表示装置
93 普通図柄表示装置
94 第1特別図柄保留ランプ
95 第2特別図柄保留ランプ
96 普通図柄保留ランプ
100 主制御基板
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 I/Oポート
105 乱数回路
109 主制御基板ケース
110 入球判定手段
115 メイン乱数発生手段
120 メイン保留制御手段
125 事前判定手段
130 特図抽選手段
131 特図当否判定手段
132 特図停止図柄抽選手段
133 特図変動パターン導出手段
135 普図抽選手段
140 大当り遊技制御手段
145 図柄表示制御手段
150 電動役物制御手段
155 遊技状態制御手段
160 メイン情報記憶手段
165 メインエラー制御手段
170 メインコマンド管理手段
175 復電処理実行手段
176 復帰状態設定手段
179 遊技可能状態移行手段
180 電断処理実行手段
200 第1副制御基板
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 I/Oポート
209 第1副制御基板ケース
210 サブ乱数発生手段
220 通常演出制御手段
221 演出モード制御手段
222 演出ルート決定手段
223 サブ保留制御手段
224 先読み演出制御手段
225 演出内容決定手段
226 装飾図柄制御手段
227 大当り演出制御手段
230 サブエラー制御手段
240 ランプ制御手段
245 可動役物制御手段
260 サブ情報記憶手段
270 サブコマンド管理手段
300 第2副制御基板
301 CPU
302 ROM
303 RAM
304 I/Oポート
309 第2副制御基板ケース
310 音声制御基板
311 CPU
312 ROM
313 RAM
314 I/Oポート
400 払出制御基板
409 払出制御基板ケース
500 電源制御基板
501 通常電源回路
502 バックアップ電源回路
503 電断検出回路
509 電源制御基板ケース
X 第1流路
Y 第2流路