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特開2023-170703集合体シート支持具、および、集合体シートの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170703
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】集合体シート支持具、および、集合体シートの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/18 20060101AFI20231124BHJP
   H05K 3/00 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
H05K3/18 L
H05K3/00 X
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022082647
(22)【出願日】2022-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103517
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 寛之
(74)【代理人】
【識別番号】100149607
【弁理士】
【氏名又は名称】宇田 新一
(72)【発明者】
【氏名】恒川 誠
【テーマコード(参考)】
5E343
【Fターム(参考)】
5E343AA05
5E343DD33
5E343FF20
5E343GG20
(57)【要約】
【課題】集合体シートの取り扱い性の向上を図ることができる集合体シート支持具、および、その集合体シート支持具を用いた集合体シートの製造方法を提供する。
【解決手段】
集合体シート支持具10は、支持部材11を備える。支持部材11は、配線回路基板2と、配線回路基板2を支持するフレーム3であって、貫通穴31を有するフレーム3とを備える集合体シート1を支持可能である。支持部材11は、集合体シート1が支持部材11に支持された状態で、集合体シート1の面方向に延び、集合体シート1の厚み方向に厚みを有するベース部111と、ベース部111の厚み方向においてベース部111の一方側に配置され、集合体シート1が支持部材11に支持された状態で集合体シート1の貫通穴31に挿通される軸部112とを有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線回路基板と、前記配線回路基板を支持するフレームであって、貫通穴を有するフレームとを備える集合体シートを支持可能な支持部材を備え、
前記支持部材は、
前記集合体シートが前記支持部材に支持された状態で、前記集合体シートの面方向に延び、前記集合体シートの厚み方向に厚みを有するベース部と、
前記ベース部の厚み方向において前記ベース部の一方側に配置され、前記集合体シートが前記支持部材に支持された状態で前記集合体シートの前記貫通穴に挿通される軸部と
を有する、集合体シート支持具。
【請求項2】
前記支持部材は、
前記厚み方向において前記ベース部の一方側に配置され、前記集合体シートが前記支持部材に支持された状態で、前記集合体シートの前記フレームと前記ベース部との間に配置されるスペーサ部を、さらに有する、請求項1に記載の集合体シート支持具。
【請求項3】
前記スペーサ部は、前記軸部の周囲に配置される、請求項2に記載の集合体シート支持具。
【請求項4】
前記支持部材の一方側にスタック可能であり、前記集合体シートを支持可能な第2支持部材をさらに備え、
前記第2支持部材は、
前記厚み方向に厚みを有する第2ベース部と、
前記厚み方向において前記第2ベース部の一方側に配置され、前記集合体シートが前記第2支持部材に支持された状態で前記集合体シートの前記貫通穴に挿通される第2軸部と、
前記厚み方向における前記第2ベース部の他方側に配置される穴と
を有し、
前記支持部材と前記第2支持部材とがスタックされた状態で、前記支持部材の前記軸部は、前記第2支持部材の前記穴に挿入される、請求項1に記載の集合体シート支持具。
【請求項5】
前記第2支持部材は、
前記厚み方向において前記第2ベース部の他方側に配置され、前記集合体シートが前記支持部材に支持され、前記支持部材と前記第2支持部材とがスタックされた状態で、前記集合体シートの前記フレームと前記第2ベース部との間に配置される第2スペーサ部を、さらに有する、請求項4に記載の集合体シート支持具。
【請求項6】
前記第2スペーサ部は、前記穴を有する、請求項5に記載の集合体シート支持具。
【請求項7】
前記集合体シート支持具は、
前記支持部材および前記第2支持部材を吊るすためのロッドと、
前記ロッドの一端を支持する第1部材と、
前記ロッドの他端を支持する第2部材と
をさらに備える、請求項4に記載の集合体シート支持具。
【請求項8】
前記支持部材は、前記ロッドに係合する係合部を、さらに有し、
前記第2支持部材は、前記ロッドに係合する第2係合部を、さらに有する、請求項7に記載の集合体シート支持具。
【請求項9】
前記集合体シート支持具は、
前記支持部材を吊るすためのロッドと、
前記ロッドの一端を支持する第1部材と、
前記ロッドの他端を支持する第2部材と
をさらに備える、請求項1に記載の集合体シート支持具。
【請求項10】
前記支持部材は、前記ロッドに係合する係合部を、さらに有する、請求項9に記載の集合体シート支持具。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の集合体シート支持具を用いた前記集合体シートの製造方法であって、
金属箔のロールである第1ロールから引き出された前記金属箔の一方面上に、絶縁層と、前記絶縁層の一方面上に配置される導体パターンとを形成し、前記金属箔に前記貫通穴を形成して、複数の前記集合体シートを有する第2ロールを製造するパターン工程と、
前記第2ロールから複数の前記集合体シートのそれぞれをカットするカット工程と、
を含み、
前記集合体シート支持具は、カットされた前記集合体シートを支持する、集合体シートの製造方法。
【請求項12】
さらに、前記集合体シート支持具に前記集合体シートが支持されている状態で、前記導体パターンの端子をメッキするメッキ工程を含む、請求項11に記載の集合体シートの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集合体シート支持具、および、集合体シートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の回路付サスペンション基板と、複数の回路付サスペンション基板を支持する枠体とを有する集合体シートが知られている(例えば、下記特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-153687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されるような集合体シートを搬送等する場合の取り扱い性を向上させたいという要望がある。
【0005】
本発明は、集合体シートの取り扱い性の向上を図ることができる集合体シート支持具、および、その集合体シート支持具を用いた集合体シートの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明[1]は、配線回路基板と、前記配線回路基板を支持するフレームであって、貫通穴を有するフレームとを備える集合体シートを支持可能な支持部材を備え、前記支持部材が、前記集合体シートが前記支持部材に支持された状態で、前記集合体シートの面方向に延び、前記集合体シートの厚み方向に厚みを有するベース部と、前記ベース部の厚み方向において前記ベース部の一方側に配置され、前記集合体シートが前記支持部材に支持された状態で前記集合体シートの前記貫通穴に挿通される軸部とを有する、集合体シート支持具を含む。
【0007】
このような構成によれば、集合体シートの貫通穴に支持部材の軸部を挿通するという簡単な構成で、集合体シートを集合体シート支持具に支持できる。
【0008】
そして、集合体シートを、集合体シート支持具に支持した状態で取り扱うことにより、集合体シートの取り扱い性の向上を図ることができる。
【0009】
本発明[2]は、前記支持部材が、前記厚み方向において前記ベース部の一方側に配置され、前記集合体シートが前記支持部材に支持された状態で、前記集合体シートの前記フレームと前記ベース部との間に配置されるスペーサ部を、さらに有する、上記[1]の集合体シート支持具を含む。
【0010】
このような構成によれば、スペーサ部により、集合体シートを、ベース部から離した状態で、支持部材に支持できる。
【0011】
本発明[3]は、前記スペーサ部が、前記軸部の周囲に配置される、上記[2]の集合体シート支持具を含む。
【0012】
このような構成によれば、集合体シートにおいて、軸部に支持される部分と、スペーサ部と接触する部分とを集中的に配置することができる。
【0013】
そのため、集合体シートと支持部材との接触面積を低減して、支持部材との接触による集合体シートの変形を抑制できる。
【0014】
本発明[4]は、前記支持部材の一方側にスタック可能であり、前記集合体シートを支持可能な第2支持部材をさらに備え、前記第2支持部材が、前記厚み方向に厚みを有する第2ベース部と、前記厚み方向において前記第2ベース部の一方側に配置され、前記集合体シートが前記第2支持部材に支持された状態で前記集合体シートの前記貫通穴に挿通される第2軸部と、前記厚み方向における前記ベース部の他方側に配置される穴とを有し、前記支持部材と前記第2支持部材とがスタックされた状態で、前記支持部材の前記軸部が、前記第2支持部材の前記穴に挿入される、上記[1]~[3]のいずれか1つの集合体シート支持具を含む。
【0015】
このような構成によれば、複数の支持部材(支持部材および第2支持部材)のそれぞれが集合体シートを支持した状態で、複数の支持部材を連結できる。
【0016】
その結果、複数の集合体シートを容易に取り扱うことができる。
【0017】
本発明[5]は、前記第2支持部材が、前記厚み方向において前記第2ベース部の他方側に配置され、前記集合体シートが前記支持部材に支持され、前記支持部材と前記第2支持部材とがスタックされた状態で、前記集合体シートの前記フレームと前記第2ベース部との間に配置される第2スペーサ部を、さらに有する、上記[4]の集合体シート支持具を含む。
【0018】
このような構成によれば、第2スペーサ部により、集合体シートを、第2ベース部から離した状態で、支持部材に支持できる。
【0019】
本発明[6]は、前記第2スペーサ部が、前記穴を有する、上記[5]の集合体シート支持具を含む。
【0020】
このような構成によれば、集合体シートにおいて、軸部に支持される部分と、第2スペーサ部と接触する部分とを集中的に配置することができる。
【0021】
そのため、集合体シートと第2支持部材との接触面積を低減して、第2支持部材との接触による集合体シートの変形を抑制できる。
【0022】
本発明[7]は、前記集合体シート支持具が、前記支持部材および前記第2支持部材を吊るすためのロッドと、前記ロッドの一端を支持する第1部材と、前記ロッドの他端を支持する第2部材とをさらに備える、上記[4]~[6]のいずれか1つの集合体シート支持具を含む。
【0023】
このような構成によれば、複数の支持部材(支持部材および第2支持部材)を、ロッドでまとめて取り扱うことができる。
【0024】
本発明[8]は、前記支持部材が、前記ロッドに係合する係合部を、さらに有し、前記第2支持部材が、前記ロッドに係合する第2係合部を、さらに有する、上記[7]の集合体シート支持具を含む。
【0025】
本発明[9]は、前記集合体シート支持具が、前記支持部材を吊るすためのロッドと、前記ロッドの一端を支持する第1部材と、前記ロッドの他端を支持する第2部材とをさらに備える、上記[1]~[3]のいずれか1つの集合体シート支持具を含む。
【0026】
本発明[10]は、前記支持部材が、前記ロッドに係合する係合部を、さらに有する、上記[9]の集合体シート支持具を含む。
【0027】
本発明[11]は、上記[1]~[10]のいずれか1つの集合体シート支持具を用いた前記集合体シートの製造方法であって、金属箔のロールである第1ロールから引き出された前記金属箔の一方面上に、絶縁層と、前記絶縁層の一方面上に配置される導体パターンとを形成し、前記金属箔に前記貫通穴を形成して、複数の前記集合体シートを有する第2ロールを製造するパターン工程と、前記第2ロールから複数の前記集合体シートのそれぞれをカットするカット工程とを含み、前記集合体シート支持具が、カットされた前記集合体シートを支持する、集合体シートの製造方法を含む。
【0028】
このような構成によれば、カットされた集合体シートを、集合体シート支持具で取り扱うことができる。
【0029】
そのため、カットされた集合体シートの取り扱い性の向上を図ることができる。
【0030】
本発明[12]は、さらに、前記集合体シート支持具に前記集合体シートが支持されている状態で、前記導体パターンの端子をメッキするメッキ工程を含む、上記[11]の集合体シートの製造方法を含む。
【0031】
このような構成によれば、メッキ工程において、カットされた集合体シートの取り扱い性の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明の集合体シート支持具によれば、集合体シートの取り扱い性の向上を図ることができる。
【0033】
本発明の集合体シートの製造方法によれば、集合体シート支持具を用いて集合体シートを取り扱うので、集合体シートを安定に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1図1は、集合体シートの平面図である。
図2図2Aは、図1に示す集合体シートのA-A断面図である。図2Bは、図1に示す集合体シートのB-B断面図である。
図3図3は、本発明の集合体シート支持具の概略構成図である。
図4図4は、図3に示す支持部材の平面図である。
図5図5Aは、図4に示す軸部、第1スペーサ部および第2スペーサ部の側面図である、図5Bは、図5Aに示す第2スペーサ部の、他方側から見た側面図である。
図6図6は、図3に示す第1部材の平面図である。
図7図7Aから図7Dは、図1に示す集合体シートの製造方法のパターン工程を説明するための説明図であって、図7Aは、金属箔の上にベース絶縁層を形成する工程を示し、図7Bは、ベース絶縁層の上に導体層を形成するとともに、金属箔の上に補強部を形成する工程を示し、図7Cは、金属箔をエッチングして、金属箔に貫通穴を形成し、フレームと配線回路基板との間に切欠きを形成する工程を示す。
図8図8Aは、図7Cに続いて、集合体シートの製造方法のカット工程を説明するための説明図である。図8Bは、図8Aに続いて、集合体シートの製造方法のメッキ工程を説明するための説明図である。
図9図9は、変形例(1)を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
1.集合体シート
まず、集合体シートについて説明する。
【0036】
図1に示すように、集合体シート1は、第1方向および第2方向に延びるシート形状を有する。第2方向は、第1方向と直交する。集合体シート1は、複数の配線回路基板2と、フレーム3とを備える。
【0037】
(1)配線回路基板
複数の配線回路基板2は、第1方向に互いに間隔を隔てて並ぶとともに、第2方向に互いに間隔を隔てて並ぶ。複数の配線回路基板2のそれぞれは、同じ構造を有する。そのため、複数の配線回路基板2のうちの1つの配線回路基板2について説明し、その他の配線回路基板2の説明を省略する。
【0038】
配線回路基板2は、第1方向および第2方向に延びる。本実施形態では、配線回路基板2は、略矩形状を有する。なお、配線回路基板2の形状は、限定されない。
【0039】
図2Aおよび図2Bに示すように、配線回路基板2は、支持層21と、絶縁層の一例としてのベース絶縁層22と、導体パターン23と、カバー絶縁層24とを有する。
【0040】
(1-1)支持層
支持層21は、ベース絶縁層22、導体パターン23、および、カバー絶縁層24(図2B参照)を支持する。本実施形態では、支持層21は、金属箔からなる。金属として、例えば、ステンレス合金、および、銅合金が挙げられる。
【0041】
金属箔の厚み、すなわち、支持層21の厚みは、例えば、200μm以下、好ましくは、150μm以下、より好ましくは、50μm以下、より好ましくは、30μm以下であり、例えば、10μm以上、好ましくは、15μm以上である。
【0042】
(1-2)ベース絶縁層
ベース絶縁層22は、厚み方向における支持層21の一方面S1上に配置される。厚み方向は、第1方向および第2方向と直交する。ベース絶縁層22は、厚み方向において、支持層21と導体パターン23との間に配置される。ベース絶縁層22は、支持層21と導体パターン23とを絶縁する。ベース絶縁層22は、樹脂からなる。樹脂として、例えば、ポリイミドが挙げられる。
【0043】
ベース絶縁層22の厚みは、例えば、30μm以下、好ましくは、15μm以下であり、例えば、1μm以上、好ましくは、3μm以上である。
【0044】
(1-3)導体パターン
導体パターン23は、厚み方向におけるベース絶縁層22の一方面S11上に配置される。導体パターン23は、厚み方向において、ベース絶縁層22に対して、支持層21の反対側に配置される。導体パターン23の形状は、限定されない。
【0045】
本実施形態では、図1に示すように、導体パターン23は、複数の端子231A,231B,231C,231Dと、複数の端子232A,232B,232C,232Dと、複数の配線233A,233B,233C,233Dとを有する。なお、端子の数、および、配線の数は、限定されない。
【0046】
(1-3-1)端子
端子231A,231B,231C,231Dは、第2方向における配線回路基板2の一端部に配置される。本実施形態では、端子231A,231B,231C,231Dは、互いに間隔を隔てて、第1方向に並ぶ。端子231A,231B,231C,231Dのそれぞれは、角ランド形状を有する。
【0047】
図2Aに示すように、端子231Aは、導体層2311と、メッキ層2312とを有する。
【0048】
導体層2311は、端子231Aの本体部分である。導体層2311は、厚み方向におけるベース絶縁層22の一方面S11上に配置される。導体層2311は、金属からなる。金属として、例えば、銅が挙げられる。
【0049】
導体層2311の厚みは、例えば、3μm以上、好ましくは、5μm以上であり、例えば、50μm以下、好ましくは、30μm以下である。
【0050】
メッキ層2312は、導体層2311の表面を覆う。メッキ層2312は、導体層2311の腐食を抑制する。メッキ層2312は、金属からなる。金属として、例えば、金が挙げられる。
【0051】
メッキ層2312の厚みは、例えば、0.1μm以上、好ましくは、0.2μm以上であり、例えば、5μm以下、好ましくは、4μm以下である。
【0052】
端子231B,231C,231Dは、端子231Aと同じ構造を有する。そのため、端子231B,231C,231Dの説明を省略する。
【0053】
図1に示すように、端子232A,232B,232C,232Dは、第2方向における配線回路基板2の他端部に配置される。本実施形態では、端子232A,232B,232C,232Dは、互いに間隔を隔てて、第1方向に並ぶ。端子232A,232B,232C,232Dのそれぞれは、角ランド形状を有する。
【0054】
端子232A,232B,232C,232Dは、端子231Aと同じ構造を有する。そのため、端子232A,232B,232C,232Dの説明を省略する。
【0055】
(1-3-2)配線
配線233Aの一端は、端子231Aと接続する。配線233Aの他端は、端子232Aと接続する。配線233Aは、端子231Aと端子232Aとを電気的に接続する。
【0056】
配線233Bの一端は、端子231Bと接続する。配線233Bの他端は、端子232Bと接続する。配線233Bは、端子231Bと端子232Bとを電気的に接続する。
【0057】
配線233Cの一端は、端子231Cと接続する。配線233Cの他端は、端子232Cと接続する。配線233Cは、端子231Cと端子232Cとを電気的に接続する。
【0058】
配線233Dの一端は、端子231Dと接続する。配線233Dの他端は、端子232Dと接続する。配線233Dは、端子231Dと端子232Dとを電気的に接続する。
【0059】
なお、以下の説明において、端子231A,231B,231C,231Dのそれぞれを、端子231と記載し、端子232A,232B,232C,232Dのそれぞれを、端子232と記載し、配線233A,233B,233C,233Dのそれぞれを、配線233と記載する。
【0060】
図2Bに示すように、配線233は、端子231の導体層2311(図2A参照)と同じ金属からなる。配線233の厚みは、例えば、3μm以上、好ましくは、5μm以上であり、例えば、50μm以下、好ましくは、30μm以下である。
【0061】
(1-4)カバー絶縁層
図1に示すように、カバー絶縁層24は、全ての配線233を覆う。カバー絶縁層24は、厚み方向において、ベース絶縁層22の上に配置される。なお、カバー絶縁層24は、端子231および端子232を覆わない。カバー絶縁層24は、樹脂からなる。樹脂としては、例えば、ポリイミドが挙げられる。
【0062】
カバー絶縁層24の厚みは、例えば、30μm以下、好ましくは、15μm以下であり、例えば、1μm以上、好ましくは、3μm以上である。
【0063】
(2)フレーム
フレーム3は、集合体シート1の外周に配置される。フレーム3は、複数の配線回路基板2を囲む。本実施形態では、フレーム3は、枠形状を有する。詳しくは、フレーム3は、第1フレーム3A、第2フレーム3B、第3フレーム3C、および、第4フレーム3Dを有する。
【0064】
第1フレーム3Aは、第1方向における集合体シート1の一端部に配置される。第1フレーム3Aは、第2方向に延びる。
【0065】
第2フレーム3Bは、第1方向における集合体シート1の他端部に配置される。第2フレーム3Bは、第1方向において、第1フレーム3Aから離れて配置される。複数の配線回路基板2は、第1方向において、第1フレーム3Aと第2フレーム3Bとの間に配置される。第2フレーム3Bは、第2方向に延びる。
【0066】
第3フレーム3Cは、第2方向における集合体シート1の一端部に配置される。第3フレーム3Cは、第1方向に延びる。第1方向における第3フレーム3Cの一端部は、集合体シート1のコーナーC1において、第2方向における第1フレーム3Aの一端部に接続する。第1方向における第3フレーム3Cの他端部は、集合体シート1のコーナーC2において、第2方向における第2フレーム3Bの一端部に接続する。
【0067】
第4フレーム3Dは、第2方向における集合体シート1の他端部に配置される。第4フレーム3Dは、第2方向において、第3フレーム3Cから離れて配置される。複数の配線回路基板2は、第2方向において、第3フレーム3Cと第4フレーム3Dとの間に配置される。第4フレーム3Dは、第1方向に延びる。第1方向における第4フレーム3Dの一端部は、集合体シート1のコーナーC3において、第2方向における第1フレーム3Aの他端部に接続する。第1方向における第4フレーム3Dの他端部は、集合体シート1のコーナーC4において、第2方向における第2フレーム3Bの他端部に接続する。
【0068】
図2Aに示すように、フレーム3は、金属箔からなる。フレーム3は、配線回路基板2の支持層21と同じ金属箔からなる。金属として、例えば、ステンレス合金、銅合金が挙げられる。金属箔の厚み、すなわち、フレーム3の厚みT11は、例えば、200μm以下、好ましくは、150μm以下、より好ましくは、50μm以下、より好ましくは、30μm以下であり、例えば、10μm以上、好ましくは、15μm以上である。
【0069】
ここで、フレーム3の剛性が低いと、集合体シート1を取り扱うときに、集合体シート1に、シワが出来てしまう可能性がある。そのため、集合体シート1の取り扱いが難しい。特に、フレーム3の厚みT11が薄い場合、フレーム3の剛性が不足する傾向にある。具体的には、フレーム3の厚みT11が50μm以下であると、フレーム3の剛性が不足する傾向にある。
【0070】
集合体シート1の取り扱いが難しい場面として、例えば、集合体シート1を持ち運ぶ場面、および、後述する集合体シート1の製造方法におけるメッキ工程が挙げられる。
【0071】
また、本実施形態では、集合体シート1は、フレーム3と配線回路基板2との間、および、2つの配線回路基板2の間において、切欠き5を有する。そのため、集合体シート1全体の剛性が、さらに低い。そのため、集合体シート1の取り扱いが、より難しい。
【0072】
なお、集合体シート1は、フレーム3と配線回路基板2とを接続する接続部6A(図1参照)、および、2つの配線回路基板2同士を接続する接続部6B(図1参照)を有する。複数の配線回路基板2は、接続部6Bを介して互いに接続された状態で、接続部6Aを介して、フレーム3に支持される。
【0073】
図1に示すように、フレーム3は、複数の貫通穴31A,31B,31C,31Dを有する。
【0074】
本実施形態では、貫通穴31Aは、コーナーC1に位置する。貫通穴31Bは、コーナーC2に位置する。貫通穴31Cは、コーナーC3に位置する。貫通穴31Dは、コーナーC4に位置する。本実施形態では、貫通穴31A,31B,31C,31Dのそれぞれは、円形状を有する。
【0075】
なお、以下の説明において、貫通穴31A,31B,31C,31Dのそれぞれを、貫通穴31と記載する。貫通穴31の数、配置および形状は、限定されない。
【0076】
2.集合体シート支持具
次に、集合体シート1を支持するための集合体シート支持具10について説明する。
【0077】
図3に示すように、集合体シート支持具10は、複数の支持部材11(11A,11B,11C,11D,11E)と、複数のロッド12(12A,12B,12C,12D)と、第1部材13と、第2部材14とを備える。なお、ロッド12B,12Dについては、図示されていない。
【0078】
(1)支持部材
複数の支持部材11A,11B,11C,11D,11Eは、それぞれ、集合体シート1を支持可能である。本実施形態では、支持部材11Aは、集合体シート1Aを支持し、支持部材11Bは、集合体シート1Bを支持し、支持部材11Cは、集合体シート1Cを支持し、支持部材11Dは、集合体シート1Dを支持する。本実施形態では、支持部材11Eは、集合体シート1を支持していない。支持部材11の数は、限定されない。
【0079】
図4に示すように、支持部材11Aは、ベース部111と、複数の軸部112(112A,112B,112C,112D)と、スペーサ部の一例としての複数の第1スペーサ部113(113A,113B,113C,113D)と、複数の第2スペーサ部114(114A,114B,114C,114B)と、複数の係合部115(115A,115B,115C,115D)とを有する。
【0080】
(1-1)ベース部
図3および図4に示すように、集合体シート1Aが支持部材11Aに支持された状態で、ベース部111は、集合体シート1Aの面方向(第1方向および第2方向)に延びる。集合体シート1Aが支持部材11Aに支持された状態で、ベース部111は、集合体シート1Aの厚み方向に厚みを有する。
【0081】
本実施形態では、ベース部111は、矩形の枠形状を有する。ベース部111の形状は限定されない。ベース部111は、平板形状であってもよい。
【0082】
ベース部111は、例えば、樹脂からなる。樹脂として、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネートが挙げられる。
【0083】
(1-2)軸部
図4および図5に示すように、複数の軸部112のそれぞれは、ベース部111の厚み方向において、ベース部111の一方側に配置される。集合体シート1Aが支持部材11Aに支持された状態で、軸部112Aは、集合体シート1Aの貫通穴31A(図1参照)に挿通され、軸部112Bは、集合体シート1Aの貫通穴31B(図1参照)に挿通され、軸部112Cは、集合体シート1Aの貫通穴31C(図1参照)に挿通され、軸部112Dは、集合体シート1Aの貫通穴31D(図1参照)に挿通される。言い換えると、軸部112Aが集合体シート1Aの貫通穴31Aに挿通され、軸部112Bが集合体シート1Aの貫通穴31Bに挿通され、軸部112Cが集合体シート1Aの貫通穴31Cに挿通され、軸部112Dが集合体シート1Aの貫通穴31Dに挿通されることにより、支持部材11Aは、集合体シート1Aを支持する。
【0084】
軸部112Aは、厚み方向に延びる。軸部112Aは、円柱形状を有する。なお、軸部112Aの形状は、限定されない。軸部112Aの形状は、角柱形状であってもよい。軸部112B,112C,112Dは、軸部112Aと同じ構造を有する。そのため、軸部112B,112C,112Dの説明を省略する。
【0085】
(1-3)第1スペーサ部
複数の第1スペーサ部113のそれぞれは、厚み方向において、ベース部111の一方側に配置される。第1スペーサ部113Aは、軸部112Aの周囲に配置される。第1スペーサ部113Bは、軸部112Bの周囲に配置される。第1スペーサ部113Cは、軸部112Cの周囲に配置される。第1スペーサ部113Dは、軸部112Dの周囲に配置される。
【0086】
図3に示すように、第1スペーサ部113Aは、集合体シート1Aが支持部材11Aに支持された状態で、厚み方向において、集合体シート1Aのフレーム3(図1参照)とベース部111との間に配置される。
【0087】
図5Aに示すように、第1スペーサ部113Aは、厚み方向に延びる。第1スペーサ部113Aは、円柱形状を有する。なお、第1スペーサ部113Aの形状は、限定されない。第1スペーサ部113Aの形状は、角柱形状であってもよい。第1スペーサ部113Aの径は、軸部112Aの径よりも大きく、かつ、貫通穴31Aの径よりも大きい。
【0088】
厚み方向において、ベース部111の一方面から第1スペーサ部113Aの先端までの寸法L1は、ベース部111の一方面から軸部112Aの先端までの寸法L2よりも短い。
【0089】
第1スペーサ部113B,113C,113Dは、第1スペーサ部113Aと同じ構造を有する。そのため、第1スペーサ部113B,113C,113Dの説明を省略する。
【0090】
(1-4)第2スペーサ部
第2スペーサ部114Aは、厚み方向において、ベース部111に対して、第1スペーサ部113Aの反対側に配置される。第2スペーサ部114B(図4参照)は、厚み方向において、ベース部111に対して、第1スペーサ部113Bの反対側に配置される。第2スペーサ部114C(図4参照)は、厚み方向において、ベース部111に対して、第1スペーサ部113Cの反対側に配置される。第2スペーサ部114D(図4参照)は、厚み方向において、ベース部111に対して、第1スペーサ部113Dの反対側に配置される。すなわち、複数の第2スペーサ部114は、厚み方向において、ベース部111の他方側に配置される。
【0091】
本実施形態では、第2スペーサ部114Aは、軸部112Aおよび第1スペーサ部113Aとともに、ベース部111を貫通する1つの部材を構成する。第2スペーサ部114Bは、軸部112Bおよび第1スペーサ部113Bとともに、ベース部111を貫通する1つの部材を構成する。第2スペーサ部114Cは、軸部112Cおよび第1スペーサ部113Cとともに、ベース部111を貫通する1つの部材を構成する。第2スペーサ部114Dは、軸部112Dおよび第1スペーサ部113Dとともに、ベース部111を貫通する1つの部材を構成する。
【0092】
第2スペーサ部114Aは、厚み方向に延びる。第2スペーサ部114Aは、円柱形状を有する。なお、第2スペーサ部114Aの形状は、限定されない。第2スペーサ部114Aの形状は、角柱形状であってもよい。第2スペーサ部114Aの径は、貫通穴31Aの径よりも大きい。
【0093】
図5Aおよび図5Bに示すように、第2スペーサ部114Aは、穴1141を有する。言い換えると、支持部材11Aは、穴1141を有する。穴1141は、厚み方向におけるベース部111の他方側に配置される。穴1141は、円形状を有する。穴1141の形状は、限定されない。穴1141は、矩形状であってもよい。
【0094】
(1-5)係合部
係合部115A,115B,115C,115Dは、ベース部111の外周に配置される。係合部115A,115B,115C,115Dは、互いに間隔を隔てて配置される。本実施形態では、係合部115A,115B,115C,115Dのそれぞれは、ベース部111の4つのコーナーに1つずつ配置される。係合部115Aは、ロッド12Aに係合する。係合部115Bは、ロッド12Bに係合する。係合部115Cは、ロッド12Cに係合する。係合部115Dは、ロッド12Dに係合する。
【0095】
係合部115Aは、円形状を有する。係合部115Aの形状は、限定されない。係合部115Aの形状は、矩形状でもよい。係合部115Aは、貫通穴1151を有する。貫通穴1151は、円形状を有する。貫通穴1151の形状は、限定されない。貫通穴1151の形状は、矩形状でもよい。係合部115Aの貫通穴1151には、ロッド12Aが挿通される。これにより、係合部115Aは、ロッド12Aに係合する。なお、係合部115Aは、ロッド12Aに係合できれば、貫通穴1151の代わりに、切欠きを有してもよい。
【0096】
係合部115B,115C,115Dは、係合部115Aと同じ構造を有する。そのため、係合部115B,115C,115Dの説明を省略する。
【0097】
(1-6)複数の支持部材のスタック構造
支持部材11B,11C,11D,11Eのそれぞれは、支持部材11Aと同じ構造を有する。つまり、支持部材11B(第2支持部材)は、支持部材11Aと同様に、ベース部111(第2ベース部)と、複数の軸部112A,112B,112C,112D(第2軸部)と、複数の第1スペーサ部113A,113B,113C,113Dと、複数の第2スペーサ部114A,114B,114C,114Bと、複数の係合部115A,115B,115C,115D(第2係合部)とを有する。
【0098】
支持部材11A,11B,11C,11D,11Eは、厚み方向にスタック可能である。詳しくは、支持部材11Bは、厚み方向において、支持部材11Aの一方側にスタック可能である。支持部材11Cは、厚み方向において、支持部材11Bの一方側にスタック可能である。支持部材11Dは、厚み方向において、支持部材11Cの一方側にスタック可能である。支持部材11Eは、厚み方向において、支持部材11Dの一方側にスタック可能である。
【0099】
支持部材11Aと支持部材11Bとがスタックされた状態で、支持部材11Aの軸部112Aは、支持部材11Bの第2スペーサ部114Aの穴1141に挿入され、支持部材11Aの軸部112Bは、支持部材11Bの第2スペーサ部114Bの穴1141に挿入され、支持部材11Aの軸部112Cは、支持部材11Bの第2スペーサ部114Cの穴1141に挿入され、支持部材11Aの軸部112Dは、支持部材11Bの第2スペーサ部114Dの穴1141に挿入される。
【0100】
これにより、支持部材11Aと支持部材11Bとが連結される。
【0101】
また、集合体シート1Aが支持部材11Aに支持され、支持部材11Aと支持部材11Bとがスタックされた状態で、支持部材11Aに支持されている集合体シート1AのコーナーC1(図1参照)は、支持部材11Aの第1スペーサ部113Aと、支持部材11Bの第2スペーサ部114Aとの間に配置され、コーナーC2(図1参照)は、支持部材11Aの第1スペーサ部113Bと、支持部材11Bの第2スペーサ部114Bとの間に配置され、コーナーC3(図1参照)は、支持部材11Aの第1スペーサ部113Cと、支持部材11Bの第2スペーサ部114Cとの間に配置され、コーナーC4(図1参照)は、支持部材11Aの第1スペーサ部113Dと、支持部材11Bの第2スペーサ部114Dとの間に配置される。
【0102】
また、集合体シート1Aが支持部材11Aに支持され、支持部材11Aと支持部材11Bとがスタックされた状態で、複数の第2スペーサ部114A,114B,114C,114Dは、集合体シート1Aのフレーム3と、支持部材11Bのベース部111との間に配置される。
【0103】
これにより、集合体シート1Aは、厚み方向において、支持部材11Aのベース部111から離れて配置される。
【0104】
(2)ロッド
ロッド12A,12B,12C,12Dは、支持部材11A,11B,11C,11D,11Eを吊るすための部材である。
【0105】
ロッド12Aは、支持部材11A,11B,11C,11D,11Eのそれぞれの係合部115Aと係合する。本実施形態では、ロッド12Aは、支持部材11A,11B,11C,11D,11Eのそれぞれの係合部115Aの貫通穴1151に挿通される。
【0106】
ロッド12Bは、支持部材11A,11B,11C,11D,11Eのそれぞれの係合部115Bと係合する。本実施形態では、ロッド12Bは、支持部材11A,11B,11C,11D,11Eのそれぞれの係合部115Bの貫通穴1151に挿通される。
【0107】
ロッド12Cは、支持部材11A,11B,11C,11D,11Eのそれぞれの係合部115Cと係合する。本実施形態では、ロッド12Cは、支持部材11A,11B,11C,11D,11Eのそれぞれの係合部115Cの貫通穴1151に挿通される。
【0108】
ロッド12Dは、支持部材11A,11B,11C,11D,11Eのそれぞれの係合部115Dと係合する。本実施形態では、ロッド12Dは、支持部材11A,11B,11C,11D,11Eのそれぞれの係合部115Dの貫通穴1151に挿通される。
【0109】
(3)第1部材
図3に示すように、第1部材13は、厚み方向において、スタックされた支持部材11A,11B,11C,11D,11Eの一方側に配置される。第1部材13は、ロッド12A,12B,12C,12Dのそれぞれの一端を支持する。
【0110】
詳しくは、図6に示すように、本実施形態では、第1部材13は、矩形の枠形状を有する。第1部材13は、複数の穴131A,131B,131C,131Dと、取っ手132とを有する。
【0111】
穴131Aには、ロッド12Aの一端が挿通される。穴131Bには、ロッド12Bの一端が挿通される。穴131Cには、ロッド12Cの一端が挿通される。穴131Dには、ロッド12Dの一端が挿通される。
【0112】
取っ手132は、第2方向において、第1部材13の一端部に配置される。取っ手132は、作業者によって把持される。取っ手132は、作業機械のアームによって把持されてもよい。取っ手132の形状は、限定されない。本実施形態では、取っ手132は、略矩形の枠形状を有する。
【0113】
(4)第2部材
図3に示すように、第2部材14は、厚み方向において、スタックされた支持部材11A,11B,11C,11D,11Eの他方側に配置される。第2部材14は、厚み方向において、スタックされた支持部材11A,11B,11C,11D,11Eに対して、第1部材13の反対側に配置される。第2部材14は、ロッド12A,12B,12C,12Dのそれぞれの他端を支持する。本実施形態では、第2部材14は、第1部材13と同じ形状を有する。そのため、第2部材14についての説明を省略する。なお、第2部材14は、第1部材13と異なる形状を有してもよい。
【0114】
3.集合体シートの製造方法
次に、上記した集合体シート1の製造方法について説明する。
【0115】
本実施形態では、集合体シート1は、アディティブ法により製造される。集合体シート1の製造方法は、パターン工程(図7Aから図7C参照)と、カット工程(図8A参照)と、メッキ工程(図8B参照)とを含む。
【0116】
(1)パターン工程
図7Aから図7Cに示すように、パターン工程では、金属箔のロールである第1ロールR1(図示せず)から引き出された金属箔Mの一方面S31上に、ベース絶縁層22(図7A参照)と導体パターン23(図7B参照)とを形成し、金属箔Mに貫通穴31(図7C参照)を形成して、複数の集合体シート1を有する第2ロールR2(図8A参照)を製造する。なお、パターン工程が実施されている間、金属箔Mは、第1ロールR1と第2ロールR2との間に張られている。
【0117】
詳しくは、ベース絶縁層22を形成するには、まず、金属箔Mの一方面S31に感光性樹脂の溶液(ワニス)を塗布して乾燥し、感光性樹脂の塗膜を形成する。次に、感光性樹脂の塗膜を露光および現像する。
【0118】
これにより、図7Aに示すように、ベース絶縁層22が、金属箔Mの一方面S31上に形成される。
【0119】
導体パターン23は、電解メッキにより形成される。
【0120】
電解メッキにより導体パターン23を形成するには、まず、ベース絶縁層22の一方面S11、および、金属箔Mの一方面S31にシード層を形成する。シード層は、例えば、スパッタリングにより形成される。シード層の材料としては、例えば、クロム、銅、ニッケル、チタン、および、これらの合金が挙げられる。
【0121】
次に、ベース絶縁層22の一方面S11、および、金属箔Mの一方面S31に、メッキレジストを貼り合わせる。
【0122】
次に、導体層2311(図2A参照)および配線233(図2B参照)が形成される部分を遮光した状態で、メッキレジストを露光する。
【0123】
次に、露光されたメッキレジストを現像する。すると、遮光された部分のメッキレジストが除去され、導体層2311および配線233が形成される部分にシード層が露出する。なお、露光された部分、すなわち、導体層2311および配線233が形成されない部分のメッキレジストは、残る。
【0124】
次に、露出したシード層の上に、電解メッキにより、導体層2311および配線233を形成する。電解メッキが終了した後、メッキレジストを剥離する。その後、メッキレジストによって覆われていたシード層を、エッチングにより除去する。
【0125】
これにより、図3Bに示すように、導体層2311および配線233が、ベース絶縁層22の一方面S11上に形成される。
【0126】
次に、ベース絶縁層22の形成と同様にして、ベース絶縁層22および導体パターン23の上にカバー絶縁層24(図1および図2B参照)を形成する。
【0127】
次に、図7Cに示すように、金属箔Mをエッチングして、貫通穴31を形成する。また、フレーム3と配線回路基板2との間、および、2つの配線回路基板2の間に、切欠き5を形成する。
【0128】
以上により、複数の集合体シート1を有する第2ロールR2を製造する。
【0129】
(2)カット工程
次に、パターン工程の後、カット工程を実施する。
【0130】
図8Aに示すように、カット工程では、第2ロールR2から、複数の集合体シート1のそれぞれをカットする。詳しくは、第2ロールR2から繰り出された集合体シート1を、カッターで切り出す。カットする方法は、限定されない。これにより、互いに独立した複数の集合体シート1を得る。
【0131】
(3)メッキ工程
次に、カット工程の後、メッキ工程を実施する。
【0132】
メッキ工程では、カットされた集合体シート1の全ての端子231の導体層2311、および、全ての端子232の導体層2311をメッキする。メッキ工程では、無電解メッキにより、導体層2311をメッキする。これにより、導体層2311の表面にメッキ層2312(図2A参照)が形成される。
【0133】
詳しくは、図8Bに示すように、カットされた集合体シート1を、集合体シート支持具10に取り付けて、集合体シート支持具10ごとメッキ液に浸ける。
【0134】
これにより、カットされた集合体シート1の取り扱い性の向上を図ることができる。また、集合体シート1は、集合体シート支持具10に取り付けられた状態で、支持部材11の4つの軸部112(図4参照)により、4つのコーナーC1,C2,C3、C4の移動が規制される。そのため、メッキ工程中において、集合体シート1にシワが出来てしまうことを、抑制できる。
【0135】
3.作用効果
(1)集合体シート支持具10によれば、図3に示すように、集合体シート1の貫通穴31(図1参照)に支持部材11の軸部112(図4参照)を挿通するという簡単な構成で、集合体シート1を集合体シート支持具10に支持できる。
【0136】
そして、集合体シート1を、集合体シート支持具10に支持した状態で取り扱うことにより、集合体シート1の取り扱い性の向上を図ることができる。
【0137】
(2)集合体シート支持具10によれば、図3および図5Aに示すように、支持部材11が、複数の第1スペーサ部113を有する。複数の第1スペーサ部113は、図3に示すように、集合体シート1が支持部材11に支持された状態で、集合体シート1のフレーム3(図1参照)とベース部111との間に配置される。
【0138】
そのため、複数の第1スペーサ部113により、集合体シート1を、ベース部111から離した状態で、支持部材11に支持できる。
【0139】
これにより、例えば、メッキ工程において、厚み方向における集合体シート1の他方面に、メッキ液を確実に接触させることができる。
【0140】
(3)集合体シート支持具10によれば、図4に示すように、第1スペーサ部113が、軸部112の周囲に配置される。
【0141】
そのため、集合体シート1において、軸部112に支持される部分と、第1スペーサ部113と接触する部分とを集中的に配置することができる。
【0142】
そのため、集合体シート1と支持部材11との接触面積を低減して、支持部材11との接触による集合体シート1の変形を抑制できる。
【0143】
(4)集合体シート支持具10によれば、図3に示すように、支持部材11Aと支持部材11Bとがスタックされた状態で、支持部材11Aの軸部112(図5A参照)が、支持部材11Bの穴1141(図5A参照)に挿入される。
【0144】
これにより、支持部材11Aが集合体シート1Aを支持し、支持部材11Bが集合体シート1Bを支持した状態で、支持部材11Aと支持部材11Bとを連結できる。
【0145】
その結果、複数の集合体シート1A,1Bを容易に取り扱うことができる。
【0146】
(5)集合体シート支持具10によれば、図3および図5Aに示すように、支持部材11が、複数の第2スペーサ部114を有する。複数の第2スペーサ部114は、図3に示すように、集合体シート1Aが支持部材11Aに支持され、支持部材11Aと支持部材11Bとがスタックされた状態で、集合体シート1のフレーム3(図1参照)と、支持部材11Bのベース部111との間に配置される。
【0147】
そのため、複数の第2スペーサ部114により、集合体シート1を、支持部材11Bのベース部111から離した状態で、支持部材11Aに支持できる。
【0148】
これにより、例えば、メッキ工程において、厚み方向における集合体シート1の一方面に、メッキ液を確実に接触させることができる。
【0149】
(6)集合体シート支持具10によれば、図5Bに示すように、第2スペーサ部114が、穴1411を有する。
【0150】
そのため、集合体シート1Aにおいて、軸部112に支持される部分と、支持部材11Bの第2スペーサ部114と接触する部分とを集中的に配置することができる。
【0151】
そのため、集合体シート1Aと支持部材11Bとの接触面積を低減して、支持部材11Bとの接触による集合体シート1Aの変形を抑制できる。
【0152】
(7)集合体シート支持具10によれば、図3に示すように、複数の支持部材11A,11B,11C,11D,11Eを、ロッド12A,12B,12C,12Dでまとめて取り扱うことができる。
【0153】
(8)集合体シート1の製造方法によれば、図8Bに示すように、カットされた集合体シート1を、集合体シート支持具10で取り扱うことができる。
【0154】
そのため、カットされた集合体シート1の取り扱い性の向上を図ることができる。
【0155】
(9)集合体シート1の製造方法によれば、図8Bに示すように、メッキ工程において、カットされた集合体シート1の取り扱い性の向上を図ることができる。
【0156】
4.変形例
次に、変形例について説明する。変形例において、上記した実施形態と同様の部材には同じ符号を付し、説明を省略する。
【0157】
(1)図9に示すように、集合体シート100は、貫通穴31の縁を補強する補強部4を有してもよい。詳しくは、集合体シート100は、貫通穴31Aの縁を補強する補強部4Aと、貫通穴31Bの縁を補強する補強部4Bと、貫通穴31Cの縁を補強する補強部4Cと、貫通穴31Dの縁を補強する補強部4Dとを有する。なお、補強部4A,4B,4C,4Dの形状は、限定されない。
【0158】
貫通穴31の縁が補強部4で補強されていることにより、貫通穴31を起点としてフレーム3が破れることを抑制でき、集合体シート1を集合体シート支持具10に安定に吊り付けることができる。
【0159】
(2)第1スペーサ部113は、軸部112の周りに無くてもよい。第1スペーサ部113は、軸部112から離れて設けられていてもよい。
【0160】
(3)変形例(1)および(2)においても、上記した実施形態を同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0161】
1 集合体シート
2 配線回路基板
3 フレーム
10 集合体シート支持具
11A 支持部材
11B 支持部材(第2支持部材)
111 ベース部
112 軸部
113 第1スペーサ部(スペーサ部)
114 第2スペーサ部
1141 穴
115 係合部
12 ロッド
13 第1部材
14 第2部材
22 ベース絶縁層
23 導体パターン
231 端子
232 端子
31 貫通穴
S11 ベース絶縁層の一方面
M 金属箔
R1 第1ロール
R2 第2ロール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9