(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170706
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】判定装置、判定方法、および、判定プログラム
(51)【国際特許分類】
G06V 10/22 20220101AFI20231124BHJP
G06V 20/13 20220101ALI20231124BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20231124BHJP
G06Q 50/02 20120101ALI20231124BHJP
【FI】
G06V10/22
G06V20/13
G06T7/00 640
G06Q50/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022082652
(22)【出願日】2022-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内田 幸宏
(72)【発明者】
【氏名】大石 憲児
(72)【発明者】
【氏名】植村 英生
【テーマコード(参考)】
5L049
5L096
【Fターム(参考)】
5L049CC01
5L096DA02
5L096FA59
5L096GA51
5L096JA11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】伐採が適切に遂行されたかどうかを、人手を用いて主観的に判定するのではなく、データに基づいて客観的に判定し、その結果を提供する判定装置、判定方法および判定プログラムを提供する。
【解決手段】判定装置100は、対象エリアについて立木を伐採する伐採計画を示す計画データを取得する計画データ取得部110と、対象エリアについて伐採よりも前に撮影された第1画像を示す第1画像データを取得する第1画像データ取得部120と、対象エリアについて伐採よりも後に撮影された第2画像を示す第2画像データを取得する第2画像データ取得部130と、計画データ、第1画像データおよび第2画像データに基づいて伐採の適否を判定する判定部150と、判定した結果に応じた出力を実行する出力部160と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象エリアについて立木を伐採する伐採計画を示す計画データを取得する計画データ取得部と、
前記対象エリアについて前記伐採よりも前に撮影された第1画像を示す第1画像データを取得する第1画像データ取得部と、
前記対象エリアについて前記伐採よりも後に撮影された第2画像を示す第2画像データを取得する第2画像データ取得部と、
前記計画データ、前記第1画像データ、および、前記第2画像データに基づいて、前記伐採の適否を判定する判定部と、
前記判定された結果に応じた出力を実行する出力部と、
を備える、判定装置。
【請求項2】
前記第1画像データおよび前記第2画像データに基づいて、立木が伐採された伐採領域または伐採量の少なくともいずれかを推定する推定部を更に備える、請求項1に記載の判定装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記推定された伐採領域の面積が前記伐採計画における伐採面積よりも広い場合に、前記伐採が適切でないと判定する、請求項2に記載の判定装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記推定された伐採領域が前記伐採計画における伐採区域外の領域を含む場合に、前記伐採が適切でないと判定する、請求項2または3に記載の判定装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記推定された伐採量が前記伐採計画における伐採量よりも多い場合に、前記伐採が適切でないと判定する、請求項2または3に記載の判定装置。
【請求項6】
前記第1画像データおよび前記第2画像データに基づいて、伐採された立木を特定する特定部を更に備える、請求項1に記載の判定装置。
【請求項7】
前記判定部は、前記特定された立木の樹種が前記伐採計画における伐採樹種と異なる場合に、前記伐採が適切でないと判定する、請求項6に記載の判定装置。
【請求項8】
前記判定部は、前記特定された立木の林齢が前記伐採計画における最低林齢を下回る場合に、前記伐採が適切でないと判定する、請求項6または7に記載の判定装置。
【請求項9】
前記判定部は、前記特定された立木の林齢が前記伐採計画における最高林齢を上回る場合に、前記伐採が適切でないと判定する、請求項6または7に記載の判定装置。
【請求項10】
前記第1画像データ取得部は、前記伐採計画における伐採期間の始期に応じて前記伐採よりも前である第1タイミングを特定し、前記第1タイミングに基づいて前記第1画像データを取得する、請求項1、2、3、6、および、7のいずれか一項に記載の判定装置。
【請求項11】
前記第2画像データ取得部は、前記伐採計画における伐採期間の終期に応じて前記伐採よりも後である第2タイミングを特定し、前記第2タイミングに基づいて前記第2画像データを取得する、請求項1、2、3、6、および、7のいずれか一項に記載の判定装置。
【請求項12】
前記第1画像および前記第2画像は、衛星画像である、請求項1、2、3、6、および、7のいずれか一項に記載の判定装置。
【請求項13】
前記衛星画像は、SAR画像である、請求項12に記載の判定装置。
【請求項14】
前記出力部は、前記伐採計画における連絡先を宛先として、前記判定された結果に応じたメッセージを送信する、請求項1、2、3、6、および、7のいずれか一項に記載の判定装置。
【請求項15】
対象エリアについて立木を伐採する伐採計画を示す計画データを取得することと、
前記対象エリアについて前記伐採よりも前に撮影された第1画像を示す第1画像データを取得することと、
前記対象エリアについて前記伐採よりも後に撮影された第2画像を示す第2画像データを取得することと、
前記計画データ、前記第1画像データ、および、前記第2画像データに基づいて、前記伐採の適否を判定することと、
前記判定された結果に応じた出力を実行することと、
を備える、判定方法。
【請求項16】
コンピュータにより実行され、前記コンピュータを、
対象エリアについて立木を伐採する伐採計画を示す計画データを取得する計画データ取得部と、
前記対象エリアについて前記伐採よりも前に撮影された第1画像を示す第1画像データを取得する第1画像データ取得部と、
前記対象エリアについて前記伐採よりも後に撮影された第2画像を示す第2画像データを取得する第2画像データ取得部と、
前記計画データ、前記第1画像データ、および、前記第2画像データに基づいて、前記伐採の適否を判定する判定部と、
前記判定された結果に応じた出力を実行する出力部と、
して機能させる、判定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、判定装置、判定方法、および、判定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「木材情報DB13Aは…伐採等に関する許可の種別が格納される許可フィールド114、並びに、その許可を識別する許可番号が格納される許可番号フィールド115を少なくとも有している」と記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2016-212833
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、判定装置を提供する。前記判定装置は、対象エリアについて立木を伐採する伐採計画を示す計画データを取得する計画データ取得部と、前記対象エリアについて前記伐採よりも前に撮影された第1画像を示す第1画像データを取得する第1画像データ取得部と、前記対象エリアについて前記伐採よりも後に撮影された第2画像を示す第2画像データを取得する第2画像データ取得部と、前記計画データ、前記第1画像データ、および、前記第2画像データに基づいて、前記伐採の適否を判定する判定部と、前記判定された結果に応じた出力を実行する出力部と、を備える。
【0004】
前記判定装置は、前記第1画像データおよび前記第2画像データに基づいて、立木が伐採された伐採領域または伐採量の少なくともいずれかを推定する推定部を更に備えてもよい。
【0005】
前記判定装置のいずれかにおいて、前記判定部は、前記推定された伐採領域の面積が前記伐採計画における伐採面積よりも広い場合に、前記伐採が適切でないと判定してもよい。
【0006】
前記判定装置のいずれかにおいて、前記判定部は、前記推定された伐採領域が前記伐採計画における伐採区域外の領域を含む場合に、前記伐採が適切でないと判定してもよい。
【0007】
前記判定装置のいずれかにおいて、前記判定部は、前記推定された伐採量が前記伐採計画における伐採量よりも多い場合に、前記伐採が適切でないと判定してもよい。
【0008】
前記判定装置のいずれかは、前記第1画像データおよび前記第2画像データに基づいて、伐採された立木を特定する特定部を更に備えてもよい。
【0009】
前記判定装置のいずれかにおいて、前記判定部は、前記特定された立木の樹種が前記伐採計画における伐採樹種と異なる場合に、前記伐採が適切でないと判定してもよい。
【0010】
前記判定装置のいずれかにおいて、前記判定部は、前記特定された立木の林齢が前記伐採計画における最低林齢を下回る場合に、前記伐採が適切でないと判定してもよい。
【0011】
前記判定装置のいずれかにおいて、前記判定部は、前記特定された立木の林齢が前記伐採計画における最高林齢を上回る場合に、前記伐採が適切でないと判定してもよい。
【0012】
前記判定装置のいずれかにおいて、前記第1画像データ取得部は、前記伐採計画における伐採期間の始期に応じて前記伐採よりも前である第1タイミングを特定し、前記第1タイミングに基づいて前記第1画像データを取得してもよい。
【0013】
前記判定装置のいずれかにおいて、前記第2画像データ取得部は、前記伐採計画における伐採期間の終期に応じて前記伐採よりも後である第2タイミングを特定し、前記第2タイミングに基づいて前記第2画像データを取得してもよい。
【0014】
前記判定装置のいずれかにおいて、前記第1画像および前記第2画像は、衛星画像であってもよい。
【0015】
前記判定装置のいずれかにおいて、前記衛星画像は、SAR画像であってもよい。
【0016】
前記判定装置のいずれかにおいて、前記出力部は、前記伐採計画における連絡先を宛先として、前記判定された結果に応じたメッセージを送信してもよい。
【0017】
本発明の第2の態様においては、判定方法を提供する。前記判定方法は、対象エリアについて立木を伐採する伐採計画を示す計画データを取得することと、前記対象エリアについて前記伐採よりも前に撮影された第1画像を示す第1画像データを取得することと、前記対象エリアについて前記伐採よりも後に撮影された第2画像を示す第2画像データを取得することと、前記計画データ、前記第1画像データ、および、前記第2画像データに基づいて、前記伐採の適否を判定することと、前記判定された結果に応じた出力を実行することと、を備える。
【0018】
本発明の第3の態様においては、判定プログラムを提供する。前記判定プログラムは、コンピュータにより実行され、前記コンピュータを、対象エリアについて立木を伐採する伐採計画を示す計画データを取得する計画データ取得部と、前記対象エリアについて前記伐採よりも前に撮影された第1画像を示す第1画像データを取得する第1画像データ取得部と、前記対象エリアについて前記伐採よりも後に撮影された第2画像を示す第2画像データを取得する第2画像データ取得部と、前記計画データ、前記第1画像データ、および、前記第2画像データに基づいて、前記伐採の適否を判定する判定部と、前記判定された結果に応じた出力を実行する出力部と、して機能させる。
【0019】
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本実施形態に係る判定装置100のブロック図の一例を示す。
【
図4】本実施形態に係る判定装置100が伐採の適否を判定するフローの一例を示す。
【
図5】本実施形態の変形例に係る判定装置100のブロック図の一例を示す。
【
図6】本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ9900の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0022】
図1は、本実施形態に係る判定装置100のブロック図の一例を示す。本実施形態に係る判定装置100は、伐採計画を示す計画データおよび伐採前後に撮影された画像データを取得する。そして、本実施形態に係る判定装置100は、これらデータに基づいて、伐採の適否を判定し、判定結果に応じた出力を実行する。
【0023】
判定装置100は、PC(パーソナルコンピュータ)、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、ワークステーション、サーバコンピュータ、または汎用コンピュータ等のコンピュータであってよく、複数のコンピュータが接続されたコンピュータシステムであってもよい。このようなコンピュータシステムもまた広義のコンピュータである。また、判定装置100は、コンピュータ内で1または複数実行可能な仮想コンピュータ環境によって実装されてもよい。これに代えて、判定装置100は、伐採の適否判定用に設計された専用コンピュータであってもよく、専用回路によって実現された専用ハードウェアであってもよい。また、判定装置100がインターネットに接続可能な場合、判定装置100は、クラウドコンピューティングにより実現されてもよい。
【0024】
判定装置100は、計画データ取得部110と、第1画像データ取得部120と、第2画像データ取得部130と、推定部140と、判定部150と、出力部160とを備える。なお、これらブロックは、それぞれ機能的に分離された機能ブロックであって、実際のデバイス構成とは必ずしも一致していなくてもよい。すなわち、本図において、1つのブロックとして示されているからといって、それが必ずしも1つのデバイスにより構成されていなくてもよい。また、本図において、別々のブロックとして示されているからといって、それらが必ずしも別々のデバイスにより構成されていなくてもよい。
【0025】
計画データ取得部110は、対象エリアについて立木を伐採する伐採計画を示す計画データを取得する。森林所有者などが森林の立木を伐採する場合、事前に伐採の計画を届け出ることが義務づけられている。計画データ取得部110は、例えば、このような届出に基づいて計画データを取得してよい。計画データ取得部110は、取得した計画データを少なくとも判定部150へ供給する。
【0026】
第1画像データ取得部120は、対象エリアについて伐採よりも前に撮影された第1画像を示す第1画像データを取得する。このような第1画像は、例えば、アーカイブ画像から選択されたものであってもよいし、新規に撮影されたものであってもよい。第1画像データ取得部120は、取得した第1画像データを推定部140へ供給する。
【0027】
第2画像データ取得部130は、対象エリアについて伐採よりも後に撮影された第2画像を示す第2画像データを取得する。このような第2画像もまた、例えば、アーカイブ画像から選択されたものであってもよいし、新規に撮影されたものであってもよい。第2画像データ取得部130は、取得した第2画像データを推定部140へ供給する。
【0028】
推定部140は、第1画像データおよび第2画像データに基づいて、立木が伐採された伐採領域または伐採量の少なくともいずれかを推定する。推定部140は、例えば、第1画像データと第2画像データに基づいて、第1画像と第2画像とにおける変化を検出する。そして、推定部140は、検出した変化に応じて、伐採領域または伐採量の少なくともいずれかを推定する。推定部140は、推定した情報を判定部150へ供給する。
【0029】
判定部150は、計画データ、第1画像データ、および、第2画像データに基づいて、伐採の適否を判定する。判定部150は、例えば、計画データ取得部110が取得した計画データと、第1画像データおよび第2画像データに基づいて推定部140が推定した情報とに基づいて、伐採の適否を判定する。判定部150は、判定した結果を出力部160へ供給する。
【0030】
出力部160は、判定部150により判定された結果に応じた出力を実行する。このように、本実施形態に係る判定装置100は、計画データおよび画像データに基づいて、伐採の適否を判定し、判定結果に応じた出力を実行する。このような判定装置100が、伐採の適否を判定するにあたって取得する計画データおよび画像データの一例を、それぞれ詳細に説明する。
【0031】
図2は、伐採の届出書の一例を示す。農林水産省の外局である林野庁によれば、森林の立木を伐採する場合、森林所有者や立木を買い受けた者は、伐採を始める90日前から30日前までに、伐採する森林が所在する市町村の長へ、伐採の計画を届け出ることが義務づけられている。したがって、判定装置100は、例えばこのような届出書を基に伐採計画を示す計画データを取得するとよい。
【0032】
伐採の届出書は、農林水産省告示において様式が定められたものであってもよいし、自治体毎に様式が定められたものであってもよい。本図に示されるように、伐採の届出書には、届出人の氏名、住所、および、連絡先を記入する欄が設けられていてよい。また、伐採の届出書には、立木を伐採する対象となる森林の所在場所を記入する欄が設けられていてよい。また、伐採の届出書には、伐採の計画、より詳細には、伐採面積、伐採方法、伐採率、伐採樹種、伐採齢(最低林齢および最高林齢)、伐採期間(始期および終期)を記入する欄が設けられていてよい。判定装置100は、伐採の届出書に設けられたこれら項目の少なくとも1つを計画データとして取得してよい。
【0033】
図3は、第1画像および第2画像の一例を示す。本図左は、対象エリアについて伐採前に撮影された第1画像を示している。また、本図右は、対象エリアについて伐採後に撮影された第2画像を示している。本図左と本図右とを比較すると、画像の中央部分におけるL字型の領域において、色が変化していることが分かる。これは、L字型の領域において、立木が伐採されたことを示している。このように、第1画像および第2画像は、互いに比較することで、立木が伐採されたことを画像の変化として検出可能な様々な画像であってよい。
【0034】
一例として、第1画像および第2画像は、衛星画像であってよい。これにより、判定装置100は、宇宙からの監視の目により、伐採の適否を判定することができる。特に、このような衛星画像は、SAR(Synthetic Aperture Radar)画像であってよい。SAR画像は、電波の一つであるマイクロ波を用いたレーダー画像である。SAR衛星のマイクロ波は、雲を透過することができ、観測に太陽光を必要としないため、全天候で観測でき、夜間の観測も可能である。これにより、判定装置100は、伐採前後の画像をいつでも取得することができ、また、第1画像と第2画像とを比較するにあたって、伐採以外の要因(例えば、天候や撮影時間の違い)による画像の変化を低減させることができる。判定装置100は、例えばこのような第1画像および第2画像を示すデータを、第1画像データおよび第2画像データとして取得してよい。
【0035】
しかしながら、これに限定されるものではない。第1画像および第2画像は、SAR画像とは異なる他の衛星画像であってもよいし、例えば、航空機やドローン等から撮影された衛星画像以外の画像であってもよい。判定装置100は、対象エリアの広さや位置、画像単価等を考慮して、第1画像および第2画像をどのような画像とするかを決定すればよい。
【0036】
判定装置100は、例えばこのような計画データおよび画像データに基づいて、伐採の適否を判定し、判定結果に応じた出力を実行する。このような判定方法の一例を、フローを用いて詳細に説明する。
【0037】
図4は、本実施形態に係る判定装置100が伐採の適否を判定するフローの一例を示す。ステップS410において、判定装置100は、計画データを取得する。例えば、計画データ取得部110は、対象エリアについて立木を伐採する伐採計画を示す計画データを取得する。この際、計画データ取得部110は、例えば、
図2に示されるような伐採の届出書に基づいて、計画データを取得してよい。一例として、計画データ取得部110は、伐採の届出書が保存されたファイルを、ネットワークを介して受信してよい。そして、取得したファイルがテキスト形式で保存されている場合、計画データ取得部110は、受信したファイルから各項目に記入されているテキストを読み出し、それらを計画データとして取得してよい。この際、計画データ取得部110は、届出人の氏名、住所、連絡先、森林の所在場所、伐採面積、伐採方法、伐採率、伐採樹種、伐採齢(最低林齢および最高林齢)、伐採期間(始期および終期)の全ての項目に記入されているテキストを読み出し、それらを計画データとして取得してよい。
【0038】
なお、上述の説明では、受信したファイルがテキスト形式で保存されている場合を一例として示した。しかしながら、受信したファイルが画像形式で保存されている場合、計画データ取得部110は、受信したファイルを、例えば、OCR(Optical Character Reader)等により文字認識することによりテキストを読み出せばよい。また、上述の説明では、計画データ取得部110が、ネットワークを介した通信により、伐採の届出書が保存されたファイルを入手する場合を一例として示したが、これに限定されるものではない。計画データ取得部110は、各種メモリデバイスから読み出すことによりこのようなファイルを入手してもよい。
【0039】
また、計画データ取得部110は、ユーザ入力を介して、計画データを取得することもできる。例えば、計画データ取得部110は、
図2に示されるような伐採の届出書をモニタに表示することにより、各項目の記入をユーザに促してよい。これに応じて、ユーザは、各項目に記入してよい。計画データ取得部110は、例えばこのようにしてユーザにより記入されたデータを、計画データとして取得してもよい。計画データ取得部110は、取得した計画データを少なくとも判定部150へ供給する。この際、計画データ取得部110は、取得した計画データの一部または全部を判定部150以外の他の機能部へも供給してもよい。
【0040】
ステップS420において、判定装置100は、第1画像データを取得する。例えば、第1画像データ取得部120は、対象エリアについて伐採よりも前に撮影された第1画像を示す第1画像データを取得する。この際、第1画像データ取得部120は、計画データの一部または全部が計画データ取得部110から供給される場合、当該計画データに示されている伐採期間の始期よりも前の任意のタイミングを第1タイミングとして特定してよい。このような第1タイミングは、伐採期間の始期よりも前であって、かつ、伐採期間の始期に近いタイミングであるとより好ましい。次に、第1画像データ取得部120は、アーカイブ画像から対象エリアについて第1タイミングに撮影された画像を第1画像として選択してよい。そして、第1画像データ取得部120は、当該第1画像を示す第1画像データを、ネットワークや各種メモリデバイスを介して取得してよい。なお、望ましい画像がアーカイブされていない場合、第1画像データ取得部120は、第1タイミングに対象エリアを撮影する旨の撮影依頼メッセージを送信し、新規に撮影された第1画像を示す第1画像データを受信することによって、第1画像データを取得してもよい。第1画像データ取得部120は、例えばこのようにして、伐採計画における伐採期間の始期に応じて伐採よりも前である第1タイミングを特定し、第1タイミングに基づいて第1画像データを取得してよい。第1画像データ取得部120は、取得した第1画像データを推定部140へ供給する。
【0041】
ステップS430において、判定装置100は、第2画像データを取得する。例えば、第2画像データ取得部130は、対象エリアについて伐採よりも後に撮影された第2画像を示す第2画像データを取得する。この際、第2画像データ取得部130は、計画データの一部または全部が計画データ取得部110から供給される場合、当該計画データに示されている伐採期間の終期よりも後の任意のタイミングを第2タイミングとして特定してよい。このような第2タイミングは、伐採期間の終期よりも後であって、かつ、伐採期間の終期に近いタイミングであるとより好ましい。次に、第2画像データ取得部130は、アーカイブ画像から対象エリアについて第2タイミングに撮影された画像を第2画像として選択してよい。そして、第2画像データ取得部130は、当該第2画像を示す第2画像データを、ネットワークや各種メモリデバイスを介して取得してよい。なお、望ましい画像がアーカイブされていない場合、第2画像データ取得部130は、第2タイミングに対象エリアを撮影する旨の撮影依頼メッセージを送信し、新規に撮影された第2画像を示す第2画像データを受信することによって、第2画像データを取得してもよい。第2画像データ取得部130は、例えばこのようにして、伐採計画における伐採期間の終期に応じて伐採よりも後である第2タイミングを特定し、第2タイミングに基づいて第2画像データを取得してよい。第2画像データ取得部130は、取得した第2画像データを推定部140へ供給する。
【0042】
ステップS440において、判定装置100は、伐採領域または伐採量を推定する。例えば、推定部140は、ステップS420において取得された第1画像データおよびステップS430において取得された第2画像データに基づいて、立木が伐採された伐採領域または伐採量の少なくともいずれかを推定する。この際、推定部140は、例えば、第1画像および第2画像を画素毎に比較して、変化が予め定められた閾値以上である画素を検出してよい。そして、推定部140は、検出された画素を合わせた領域を伐採領域として推定してよい。
【0043】
また、推定部140は、第1画像および第2画像における変化の度合いから伐採率を推定してよい。この際、推定部140は、画像における変化の度合いと伐採率との関係が予め対応付けられたテーブルを用いてもよいし、画像における変化の度合いを入力したことに応じて伐採率を出力するように機械学習されたモデルを用いてもよい。そして、推定部140は、推定された伐採領域の面積と伐採率とに基づいて(例えば、乗算して)、伐採量を推定してよい。
【0044】
なお、上述の説明では、推定部140が第1画像および第2画像を画素毎に比較する場合を一例として示したが、これに限定されるものではない。推定部140は、第1画像および第2画像を緯線および経線を用いて格子状に分割し、第1画像および第2画像を当該格子毎に比較してもよい。推定部140は、推定した情報を判定部150へ供給する。
【0045】
ステップS450において、判定装置100は、伐採の適否を判定する。例えば、判定部150は、ステップS410において取得された計画データと、ステップS420において取得された第1画像データおよびステップS430において取得された第2画像データに基づいてステップS440において推定された情報とに基づいて、伐採の適否を判定する。
【0046】
一例として、判定部150は、ステップS440において推定された伐採領域の面積がステップS410において取得された計画データによって示される伐採計画における伐採面積よりも広い場合に、伐採が適切でないと判定してよい。一方、判定部150は、推定された伐採領域の面積が伐採計画における伐採面積と同じか狭い場合に、伐採が適切であると判定してよい。
【0047】
また、判定部150は、ステップS440において推定された伐採領域がステップS410において取得された計画データによって示される伐採計画における伐採区域外(一例として、森林の所在場所以外)の領域を含む場合に、伐採が適切でないと判定してよい。一方、判定部150は、推定された伐採領域の全てが伐採計画における伐採区域内である場合に、伐採が適切であると判定してよい。
【0048】
判定部150は、ステップS440において推定された伐採量がステップS410において取得された計画データによって示される伐採計画における伐採量(一例として、伐採面積×伐採率)よりも多い場合に、伐採が適切でないと判定してよい。一方、判定部150は、推定された伐採量が伐採計画における伐採量と同じか少ない場合に、伐採が適切であると判定してよい。
【0049】
判定部150は、例えばこのようにして、計画データ、第1画像データ、および、第2画像データに基づいて、伐採の適否を判定することができる。判定部150は、判定した結果を出力部160へ供給する。
【0050】
ステップS460において、判定装置100は、出力を実行する。例えば、出力部160は、計画データの一部または全部が計画データ取得部110から供給される場合、当該計画データに示されている届出人の連絡先を読み出してよい。そして、当該連絡先を宛先にセットして、ステップS450において判定された結果、すなわち、伐採が適切であったか否かを示すメッセージを送信してよい。出力部160は、例えばこのようにして、伐採計画における連絡先を宛先として、判定された結果に応じたメッセージを送信してよい。
【0051】
しかしながら、これに限定されるものではない。出力部160は、他の機関における連絡先を宛先として、当該メッセージを送信してもよい。また、出力部160は、当該メッセージを送信することに代えて、または、加えて、判定された結果をモニタにより表示出力してもよいし、プリンタにより印字出力してもよいし、スピーカにより音声出力してもよい。
【0052】
近年、木材のトレーサビリティの重要性が増してきている。そこで、従来、木材を管理するデータベースに伐採の許可を登録することが検討されている。しかしながら、伐採の許可は、伐採の届出書が承認されさえすれば比較的容易に下りてしまう。また、伐採後の報告も伐採者による自己申告に依存する点が多く、実際に立木の伐採が適切に遂行されたか否かについてはチェックしていない、または、簡易的にのみチェックしているのが現状であった。
【0053】
そこで、本実施形態に係る判定装置100は、計画データおよび画像データに基づいて、伐採の適否を判定し、判定結果に応じた出力を実行する。これにより、本実施形態に係る判定装置100によれば、伐採が適切に遂行されたかどうかを、人手を用いて主観的に判定するのではなく、データに基づいて客観的に判定し、その結果を提供することができる。
【0054】
この際、本実施形態に係る判定装置100によれば、画像として衛星画像を用いることもできるので、広い範囲に亘って伐採が遂行される場合であっても、全ての伐採領域を網羅した画像を比較的容易に取得することができるとともに、宇宙からの監視の目により、伐採の適否を判定することができる。
【0055】
また、本実施形態に係る判定装置100は、伐採計画における伐採期間に応じて第1タイミングおよび第2タイミングを特定し、当該タイミングに基づいて第1画像および第2画像を取得することもできる。これにより、本実施形態に係る判定装置100によれば、伐採前後の画像の撮影タイミングを自動的に特定し、第1画像および第2画像を人手を介することなく取得することもできる。
【0056】
また、本実施形態に係る判定装置100は、伐採領域の面積、伐採領域の範囲、および、伐採量の少なくとも何れかに基づいて伐採の適否を判定することができる。これにより、本実施形態に係る判定装置100によれば、伐採計画として、これらのうちのいずれかの情報が欠落している場合であっても、他の情報を基に伐採の適否を判定することができる。また、本実施形態に係る判定装置100は、これらのうちの少なくとも2つ以上、好ましくは全ての情報を基に伐採の適否を判定することもできる。これにより、本実施形態に係る判定装置100によれば、伐採の適否を誤って判定してしまうリスクを低減することができる。このような効果は、画像として衛星画像のような空間分解能の低い画像を用いる場合に、特に有効である。
【0057】
また、本実施形態に係る判定装置100は、伐採計画における連絡先を宛先として、判定結果に応じたメッセージを送信することもできる。これにより、本実施形態に係る判定装置100によれば、伐採を届け出た者に対して、自動的に判定結果を提供することができる。
【0058】
図5は、本実施形態の変形例に係る判定装置100のブロック図の一例を示す。
図5においては、
図1と同じ機能および構成を有する部材に対して同じ符号を付すとともに、以下相違点を除き説明を省略する。上述の実施形態においては、判定装置100が伐採された領域や量に着目して伐採の適否を判定する場合を一例として示したが、本実施形態においては、判定装置100は、伐採された立木に着目して伐採の適否を判定する。本実施形態に係る判定装置100は、特定部510を更に備える。
【0059】
本実施形態において、第1画像データ取得部120は、取得した第1画像データを特定部510へ供給する。また、第2画像データ取得部130は、取得した第2画像データを特定部510へ供給する。なお、本実施形態においては、伐採された立木を特定しやすくするために、第1画像および第2画像として、光学画像が用いられてもよい。
【0060】
特定部510は、第1画像データおよび第2画像データに基づいて、伐採された立木を特定する。例えば、特定部510は、画像を解析することにより立木の樹冠を識別し、樹冠の分光反射特性に基づいて樹種(一例として、アカマツ、カラマツ、スギ、ヒノキ、広葉樹等)を特定可能である。また、特定部510は、樹冠直径や樹高から、立木の林齢を特定可能である。したがって、特定部510は、第1画像データおよび第2画像データに基づいて、伐採された立木の樹種や林齢を特定することができる。なお、このような特定方法は公知であるので、ここでは詳細な説明を省略する。特定部510は、特定した情報を判定部150へ供給する。
【0061】
判定部150は、例えば、計画データ取得部110が取得した計画データと、第1画像データおよび第2画像データに基づいて特定部510が特定した情報とに基づいて、伐採の適否を判定する。
【0062】
一例として、判定部150は、特定部510により特定された立木の樹種が伐採計画における伐採樹種と異なる場合に、伐採が適切でないと判定してよい。一方、特定された立木の樹種が伐採計画における伐採樹種と同じ場合に、伐採が適切であると判定してよい。
【0063】
また、判定部150は、特定部510により特定された立木の林齢が伐採計画における最低林齢を下回る場合に、伐採が適切でないと判定してよい。一方、特定された立木の林齢が伐採計画における最低林齢と同じか高い場合に、伐採が適切であると判定してよい。
【0064】
また、判定部150は、特定部510により特定された立木の林齢が伐採計画における最高林齢を上回る場合に、伐採が適切でないと判定してよい。一方、特定された立木の林齢が伐採計画における最高林齢と同じか低い場合に、伐採が適切であると判定してよい。
【0065】
判定部150は、例えばこのようにして計画データ、第1画像データ、および、第2画像データに基づいて、伐採の適否を判定してもよい。このように、本実施形態に係る判定装置100は、伐採された立木の樹種、および、林齢の少なくとも何れかに基づいて伐採の適否を判定することができる。これにより、本実施形態に係る判定装置100によれば、伐採された領域や量とは異なる観点から伐採の適否を判定することができる。
【0066】
なお、上述の説明では、便宜上、判定装置100が推定部140に代えて特定部510を備える場合を一例として示したが、判定装置100は、推定部140に加えて特定部510を備えていてもよい。すなわち、判定装置100は、伐採された領域や量に加えて、伐採された立木に着目して伐採の適否を判定してもよい。これにより、本実施形態に係る判定装置100によれば、伐採の適否を判定するための観点を増やすことができ、伐採計画における情報の欠落に対してより柔軟に対応できるほか、伐採の適否を誤って判定してしまうリスクをさらに低減することができる。なお、複数の観点を組み合わせて伐採の適否を判定する場合、判定装置100は、観点毎に重みを設定し、観点毎の判定結果を重み付け加算したスコアに基づいて、伐採の適否を判定することもできる。
【0067】
本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0068】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0069】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0070】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0071】
図6は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ9900の例を示す。コンピュータ9900にインストールされたプログラムは、コンピュータ9900に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ9900に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ9900に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU9912によって実行されてよい。
【0072】
本実施形態によるコンピュータ9900は、CPU9912、RAM9914、グラフィックコントローラ9916、およびディスプレイデバイス9918を含み、それらはホストコントローラ9910によって相互に接続されている。コンピュータ9900はまた、通信インターフェイス9922、ハードディスクドライブ9924、DVDドライブ9926、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ9920を介してホストコントローラ9910に接続されている。コンピュータはまた、ROM9930およびキーボード9942のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ9940を介して入/出力コントローラ9920に接続されている。
【0073】
CPU9912は、ROM9930およびRAM9914内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ9916は、RAM9914内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU9912によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス9918上に表示されるようにする。
【0074】
通信インターフェイス9922は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ9924は、コンピュータ9900内のCPU9912によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVDドライブ9926は、プログラムまたはデータをDVD-ROM9901から読み取り、ハードディスクドライブ9924にRAM9914を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0075】
ROM9930はその中に、アクティブ化時にコンピュータ9900によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ9900のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ9940はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ9920に接続してよい。
【0076】
プログラムが、DVD-ROM9901またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ9924、RAM9914、またはROM9930にインストールされ、CPU9912によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ9900に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ9900の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
【0077】
例えば、通信がコンピュータ9900および外部デバイス間で実行される場合、CPU9912は、RAM9914にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インターフェイス9922に対し、通信処理を命令してよい。通信インターフェイス9922は、CPU9912の制御下、RAM9914、ハードディスクドライブ9924、DVD-ROM9901、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0078】
また、CPU9912は、ハードディスクドライブ9924、DVDドライブ9926(DVD-ROM9901)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM9914に読み取られるようにし、RAM9914上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU9912は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
【0079】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU9912は、RAM9914から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM9914に対しライトバックする。また、CPU9912は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU9912は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0080】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ9900上またはコンピュータ9900近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ9900に提供する。
【0081】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0082】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0083】
100 判定装置
110 計画データ取得部
120 第1画像データ取得部
130 第2画像データ取得部
140 推定部
150 判定部
160 出力部
510 特定部
9900 コンピュータ
9901 DVD-ROM
9910 ホストコントローラ
9912 CPU
9914 RAM
9916 グラフィックコントローラ
9918 ディスプレイデバイス
9920 入/出力コントローラ
9922 通信インターフェイス
9924 ハードディスクドライブ
9926 DVDドライブ
9930 ROM
9940 入/出力チップ
9942 キーボード