(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170724
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20231124BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022082680
(22)【出願日】2022-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】000144153
【氏名又は名称】株式会社三共
(72)【発明者】
【氏名】小倉 敏男
(72)【発明者】
【氏名】和田 幸大
【テーマコード(参考)】
2C333
【Fターム(参考)】
2C333AA11
2C333CA29
2C333CA50
2C333CA51
2C333CA53
2C333FA05
2C333FA09
2C333FA16
(57)【要約】
【課題】遊技者の動作を適切に促す遊技機を提供する。
【解決手段】プッシュボタンは、例えば押下操作といった遊技者の動作態様を示唆する文字情報が示されている。装飾ボタンは、遊技者の動作態様を示唆する文字情報が示されていない。促進演出01AKH1は、ボタン表示BG01となる画像表示、メータ表示MT01となる画像表示により、プッシュボタンの設置位置を示さない態様である演出画像を表示可能にする。促進演出01AKH2は、キャラクタCH01の画像表示、矢印AR01の画像表示、文字情報MJ01の画像表示により、装飾ボタンの設置位置を示す態様である演出画像を表示可能にする。キャラクタCH01の画像表示と矢印AR01の画像表示とは、装飾ボタンの設置位置に向けて移動表示する。
【選択図】
図10-25
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技を行うことが可能な遊技機であって、
遊技者の動作を検出可能な検出手段と、
演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、
前記検出手段は、
第1位置に設けられ、遊技者の動作態様を示唆する文字情報が示された第1検出手段と、
第2位置に設けられ、遊技者の動作態様を示唆する文字情報が示されない第2検出手段と、を含み、
前記演出実行手段は、
前記第1検出手段に対応した動作を促す第1促進演出を実行可能であり、
前記第2検出手段に対応した動作を促す第2促進演出を実行可能であり、
演出画像の視認性を変化させる特殊演出を実行可能であり、
前記第1促進演出は、前記第1位置を示さない態様である第1促進画像の表示を含み、
前記第2促進演出は、前記第2位置を示す態様である第2促進画像の表示を含み、
前記第2促進演出における前記第2促進画像の表示は、少なくとも、前記第2位置に向けて移動表示される第1画像および第2画像の表示を含み、
前記第1画像は、キャラクタを示す画像であり、
前記第2画像は、前記第2検出手段により遊技者の動作を検出可能な残り期間を示唆する画像である、
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技を行うことが可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
打球供給皿の近傍に配置された演出ボタンと、前枠の右方に配置された剣部材と、剣部材の上端部分に配置された剣ボタンと、を備え、剣ボタンの外観を表すボタン画像が含まれる剣画像を表示して、遊技者に操作を促す遊技機が提案されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の遊技機は、異なる位置に設けられた検出手段に対応した遊技者の動作を促す演出に改善の余地があった。
【0005】
この発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、遊技者の動作を適切に促す遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本願発明に係る遊技機は、
遊技を行うことが可能な遊技機(例えばパチンコ遊技機1など)であって、
遊技者の動作を検出可能な検出手段(例えばプッシュボタン31B、装飾ボタン31C、プッシュセンサ35B、35Cなど)と、
演出を実行可能な演出実行手段(例えば演出制御用マイクロプロセッサ100AのCPU120Aなど)と、を備え、
前記検出手段は、
第1位置(例えば打球供給皿の近傍など)に設けられ、遊技者の動作態様を示唆する文字情報(例えば「PUSH」を示す装飾など)が示された第1検出手段(例えばプッシュボタン31B、プッシュセンサ35Bなど)と、
第2位置(例えば遊技機用枠3の上部など)に設けられ、遊技者の動作態様を示唆する文字情報が示されない第2検出手段(例えば装飾ボタン31C、プッシュセンサ35Cなど)と、を含み、
前記演出実行手段は、
前記第1検出手段に対応した動作を促す第1促進演出(例えば操作前演出パターン01AKQ1-1、01AKQ1-2による促進演出01AKH1など)を実行可能であり、
前記第2検出手段に対応した動作を促す第2促進演出(例えば操作前演出パターン01AKQ2-1~01AKQ2-3による促進演出01AKH2など)を実行可能であり、
演出画像の視認性を変化させる特殊演出(例えば操作前演出パターン01AKQ2-1、01AKQ2-2による特殊演出01AKE2など)を実行可能であり、
前記第1促進演出は、前記第1位置を示さない態様である第1促進画像の表示を含み、
前記第2促進演出は、前記第2位置を示す態様である第2促進画像の表示を含み、
前記第2促進演出における前記第2促進画像の表示は、少なくとも、前記第2位置に向けて移動表示される第1画像(例えばキャラクタCH01)および第2画像(例えば矢印AR01)の表示を含み、
前記第1画像は、キャラクタを示す画像であり、
前記第2画像は、前記第2検出手段により遊技者の動作を検出可能な残り期間を示唆する画像である。
このような構成においては、第2促進演出の注目度を高めることで、遊技者の動作を適切に促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図4】遊技制御用のメイン処理を示すフローチャートである。
【
図5】遊技制御用のタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】特別図柄プロセス処理ジャンプテーブルの構成例を示す図である。
【
図8】演出制御用のメイン処理を示すフローチャートである。
【
図9】演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートなどである。
【
図10-1】特徴部01AKに対応するパチンコ遊技機の正面図である。
【
図10-2】プッシュボタンおよび装飾ボタンの構成例を示す図である。
【
図10-3】演出制御基板に搭載された各種回路の構成例を示す図である。
【
図10-5】エフェクト用描画コマンドの構成例を示す図である。
【
図10-6】各種の演出画像を含む画面表示の構成例を示す図である。
【
図10-7】変動パターンの構成例を示す図である。
【
図10-8】変動パターンの決定例を示す図である。
【
図10-9】演出図柄変動開始処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10-10】演出決定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10-11】操作演出の実行可能タイミングを示す図である。
【
図10-13】操作後演出パターン決定例を示す図である。
【
図10-16】操作前演出パターン決定例を示す図である。
【
図10-17】操作前演出パターンに対応したタイミング図である。
【
図10-18】操作前演出パターンに対応したタイミング図である。
【
図10-19】操作前演出パターンに対応したタイミング図である。
【
図10-20】操作前演出パターンに対応したタイミング図である。
【
図10-26】発光パターン設定例を示す図である。
【
図10-27】演出図柄変動中処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(基本説明)
まず、パチンコ遊技機1の基本的な構成および制御について説明する。
【0009】
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
【0010】
遊技盤2の所定位置には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bと、が設けられている。
図1に示す例では、遊技領域の右側方に設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとは、それぞれ、複数種類の特別識別情報としての特別図柄の可変表示を行うことができる。特別図柄は、「特図」ともいう。特別図柄の可変表示は、「特図ゲーム」ともいう。第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとは、いずれも7セグメントのLEDなどを用いて構成される。特別図柄は、「0」~「9」を示す数字や「-」を示す記号、その他、任意の点灯パターンなどにより表される。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
【0011】
特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである。演出図柄や小図柄、普通図柄など、他の図柄についても、「可変表示」は同じく複数種類の図柄を変動可能に表示することである。演出図柄は、飾り図柄あるいは装飾図柄ともいう。可変表示は、変動表示、あるいは単に、変動ともいう。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、拡大、縮小などがある。変動には、ある図柄を点滅表示する態様が含まれてもよい。特別図柄や普通図柄の可変表示では、複数種類の特別図柄または普通図柄が更新可能に表示される。演出図柄の可変表示では、複数種類の演出図柄がスクロール表示または更新表示されたり、1以上の演出図柄が変形、拡大、縮小されたりする。任意の図柄の可変表示において、最後には表示結果として所定図柄が停止表示される。停止表示は、導出表示、あるいは単に、導出ともいう。可変表示において最終的に停止表示される図柄は、最終停止図柄あるいは確定図柄ともいう。特図ゲームにおける最終停止図柄は、確定特別図柄ともいう。可変表示の表示結果は、特別図柄の表示結果を含み、可変表示結果ともいう。特別図柄の表示結果は、特図表示結果ともいう。可変表示の実行時間は、特別図柄の変動時間である特図変動時間を含み、可変表示時間ともいう。特図変動時間は、複数パターンが予め用意された特別図柄の変動パターンに対応して、異なる時間を設定可能である。
【0012】
第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄は「第1特図」ともいう。第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄は「第2特図」ともいう。第1特図を用いた特図ゲームは「第1特図ゲーム」ともいう。第2特図を用いた特図ゲームは「第2特図ゲーム」ともいう。特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
【0013】
遊技盤2の所定位置には、普通図柄表示器20が設けられている。
図1に示す例では、遊技領域の左側方に設けられている。普通図柄表示器20は、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行うことができる。普通図柄は、「普図」ともいう。普通図柄の可変表示は、「普図ゲーム」ともいう。普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどを用いて構成される。普通図柄は、「0」~「9」を示す数字や「-」を示す記号、その他、任意の点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、複数のLEDにおける一部または全部を点灯したパターンや、複数のLEDを全て消灯したパターンが、含まれてもよい。普図ゲームにおける最終停止図柄は、確定普通図柄ともいう。普通図柄の表示結果は、普図表示結果ともいう。普図ゲームにおいて普通図柄が可変表示される実行時間は、普図変動時間ともいう。普図変動時間は、複数パターンが予め用意された普通図柄の変動パターンに対応して、異なる時間を設定可能である。
【0014】
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)、有機EL(Electro Luminescence)、ドットマトリクスLED、プロジェクタおよびスクリーン、立体画像投影装置、その他、任意の画像を形成可能な機構を用いた構成であればよい。画像表示装置5は、各種の演出画像を表示可能である。また、画像表示装置5は、演出画像に限定されず、検査用画像や設定用画像といった、任意の制御関連画像を表示可能である。
【0015】
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、演出図柄の可変表示を実行可能である。演出図柄は、数字などを示す表示図柄であり、特別図柄や普通図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報となる。
図1に示す画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rが設けられ、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームに同期して、例えば演出図柄が上下方向のスクロール表示や更新表示されることにより、演出図柄の可変表示が行われる。可変表示の同期は、図柄の変動が開始されるタイミングと、その変動が終了して図柄が最終的に停止表示されるタイミングとが、異なる種類の図柄について共通のタイミングとなるものであればよい。演出図柄の可変表示における最終停止図柄は、確定演出図柄、確定飾り図柄、確定装飾図柄ともいう。演出図柄の可変表示は第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期するので、演出図柄の可変表示時間は、特図変動時間と同じになる。
【0016】
画像表示装置5の画面上には、保留表示とアクティブ表示とに対応した演出画像を表示可能な表示エリアが設けられてもよい。保留表示は、未だ実行されずに保留されている可変表示に対応する表示である。アクティブ表示は、実行中の可変表示に対応する表示である。保留表示およびアクティブ表示は、可変表示に対応する可変表示対応表示とも総称される。保留表示を行う表示エリアは、保留表示エリアともいう。アクティブ表示を行う表示エリアは、アクティブ表示エリアともいう。保留されている可変表示の数は、保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数は、第1保留記憶数ともいう。第2特図ゲームに対応する保留記憶数は、第2保留記憶数ともいう。第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値は、合計保留記憶数ともいう。
【0017】
図1に示す第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bの上方には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられる。第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示する。第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。
図1に示す普通図柄表示器20の上方には、複数のLEDを含んで構成された普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、LEDの点灯個数によって、普図保留記憶数を表示する。普図保留記憶数は、普図ゲームに対応する保留記憶数である。
【0018】
画像表示装置5の下方には、入賞球装置6Aと、可変入賞球装置6Bと、が設けられている。入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって、常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、普通電動役物として、
図2に示す普通電動役物ソレノイド81により閉鎖状態と開放状態とに変化可能な第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、例えば一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、普通電動役物ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が進入しない閉鎖状態あるいは第2始動入賞口を遊技球が進入しにくい通常開放状態となる。可変入賞球装置6Bは、普通電動役物ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が進入可能な開放状態あるいは第2始動入賞口を遊技球が進入しやすい拡大開放状態となる。第2始動入賞口を遊技球が進入可能な開放状態や進入しやすい拡大開放状態は、第1可変状態ともいう。第2始動入賞口を遊技球が進入しない閉鎖状態や進入しにくい通常開放状態は、第2可変状態ともいう。なお、可変入賞球装置6Bは、第1可変状態と第2可変状態とに変化可能なものであればよく、電動チューリップ型役物を備えるものに限定されない。
【0019】
入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に遊技球が進入することは、第1始動入賞ともいう。可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入することは、第2始動入賞ともいう。第1始動入賞口に進入した遊技球は、
図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。第2始動入賞口に進入した遊技球は、
図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動入賞の発生にもとづいて、例えば3個といった、所定個数の賞球が払い出され、第1保留記憶数が1加算されるように更新可能である。ただし、第1保留記憶数が上限数に達している場合に、第1始動入賞が発生しても第1保留記憶数は更新されない。第1保留記憶数が1加算される場合に対応して、第1始動条件が成立し、第1特別図柄表示装置4Aにより特別図柄を可変表示する第1特図ゲームが実行可能になる。第2始動入賞の発生にもとづいて、例えば3個といった、所定個数の賞球が払い出され、第2保留記憶数が1加算されるように更新可能である。ただし、第2保留記憶数が上限数に達している場合に、第2始動入賞が発生しても第2保留記憶数は更新されない。第2保留記憶数が1加算される場合に対応して、第2始動条件が成立し、第2特別図柄表示装置4Bにより特別図柄を可変表示する第2特図ゲームが実行可能になる。
【0020】
遊技盤2の所定位置には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。
図1に示す例では、遊技領域の左下方2箇所に一般入賞口10が設けられている。一般入賞口10のいずれかに遊技球が進入したときに、例えば10個といった、所定個数の賞球が払い出される。
【0021】
遊技盤2が形成する遊技領域においては、遊技球が流下する流下経路として、第1経路と、第2経路と、が設けられている。第1経路は、正面から見て画像表示装置5よりも左側の領域に主に設けられている。第2経路は、正面から見て画像表示装置5よりも右側の領域に主に設けられている。画像表示装置5の左側領域は、左側遊技領域あるいは左遊技領域ともいう。画像表示装置5の右側領域は、右側遊技領域あるいは右遊技領域ともいう。左側遊技領域と右側遊技領域とは、例えば遊技領域における画像表示装置5の端面や、遊技釘の配列などにより区分けされていればよい。第1経路に遊技球を流下させるために左側遊技領域に向けて遊技球を発射させることは、左打ちともいう。第2経路に遊技球を流下させるために右側遊技領域に向けて遊技球を発射させることは、右打ちともいう。第1経路は、左打ち経路ともいう。第2経路は、右打ち経路ともいう。第1経路と第2経路とは、別の経路により構成されてもよく、一部が共通化された経路であってもよい。
【0022】
打球発射装置が備える打球操作ハンドルの操作に応じて、遊技球が打球発射装置から発射されて遊技領域に打ち込まれる。遊技領域に打ち込まれた遊技球は、左側遊技領域へと誘導されて第1経路を流下する場合に、例えば遊技釘の配列に沿って誘導されることにより、右側遊技領域における第2経路へは誘導不可能または誘導困難となる。遊技領域に打ち込まれた遊技球は、右側遊技領域へと誘導されて第2経路を流下する場合に、例えば遊技釘の配列に沿って誘導されることにより、左側遊技領域における第1経路へは誘導不可能または誘導困難となる。
【0023】
入賞球装置6Aは、左側遊技領域における第1経路に設けられ、第1経路を流下する遊技球が進入可能となる。可変入賞球装置6Bは、右側遊技領域における第2経路に設けられ、第2経路を流下する遊技球が進入可能となる。なお、可変入賞球装置6Bは、左側遊技領域における第1経路を流下する遊技球が進入可能となってもよい。可変入賞球装置6Bは、左側遊技領域における第1経路を流下する遊技球よりも、右側遊技領域における第2経路を流下する遊技球の方が、進入しやすくなるように配置されてもよい。
【0024】
右側遊技領域における第2経路には、通過ゲート41と、特別可変入賞球装置50と、が設けられている。通過ゲート41は、遊技球が通過可能な通過領域を形成する。通過ゲート41を通過した遊技球は、
図2に示すゲートスイッチ21によって検出される。遊技球が通過ゲート41を通過したことにもとづいて、普通保留記憶数の加算更新が可能になり、普図ゲームとして、普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示が実行可能になる。通過ゲート41は、遊技球が進入可能な普通図柄作動口として構成可能である。この場合に、ゲートスイッチ21は、普通図柄作動口に進入した遊技球を検出可能な普通図柄作動口スイッチとして構成可能である。
【0025】
特別可変入賞球装置50は、特別電動役物として、大入賞口ソレノイド82により閉鎖状態と開放状態とに変化可能な大入賞口を形成する。特別可変入賞球装置50の上部は、遊技球が通過可能な程度に前後方向の通路幅を有する誘導通路が形成されている。この誘導経路は、右側から左側へと向けて下降するように傾斜し、延在した通路の両側となる手前側および奥側に壁部が設けられる。誘導通路の中央部には、大入賞口となる役物進入口が形成されている。特別可変入賞球装置50において、大入賞口を開閉可能な位置には、大入賞口開閉部材として、前後方向に移動可能な可動部材52が設けられている。特別可変入賞球装置50において、誘導通路の大入賞口が形成されていない部分は、固定された通路を形成する固定部材53が設けられている。
【0026】
可動部材52は、大入賞口ソレノイド82により駆動され、大入賞口となる役物進入口を開閉するための進退動作が可能である。特別可変入賞球装置50において、大入賞口から内部に進入した遊技球は、カウントスイッチ23によって検出される。特別可変入賞球装置50の内部には、遊技球が通過可能な入賞領域として、特定領域となるV入賞領域51が設けられている。また、特別可変入賞球装置50の内部には、V入賞領域51とは異なる通常領域が設けられている。V入賞領域51の上部には、V入賞口開閉部材として、V入賞領域51を開放状態と閉鎖状態とに切替え可能な板状の振分部材が設けられている。振分部材は、特定領域ソレノイド83により駆動され、V入賞領域51を開閉するための進退動作が可能である。V入賞領域51は、開放状態であるときに遊技球が通過可能であり、閉鎖状態であるときに遊技球が通過不可能である。V入賞領域51を通過した遊技球は、特定領域スイッチ24によって検出される。V入賞領域51を通過しなかった遊技球は、通常領域を通過する。V入賞領域51を通過した遊技球と、V入賞領域51を通過せずに通常領域を通過した遊技球とは、いずれも排出口スイッチ26によって検出された後に、特別可変入賞球装置50の外部へと排出される。
【0027】
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車および多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、遊技領域周辺部には、点灯演出用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。遊技盤2の所定位置には、演出に応じて動作する可動体32が設けられている。
【0028】
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドルが設けられている。打球操作ハンドルは、操作ノブともいう。遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持する打球供給皿が設けられている。打球供給皿は、上皿ともいう。上皿の下方には、上皿満タン時に払い出された賞球が流下して貯留される賞球貯留皿が設けられている。賞球貯留皿は、下皿ともいう。
【0029】
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、スティックコントローラ31Aと、プッシュボタン31Bと、が設けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持して傾倒操作を可能であり、遊技者が押引操作を可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントローラ31Aに対する操作は、
図2に示すコントローラセンサユニット35Aによって検出される。プッシュボタン31Bは、遊技者が押下操作を可能である。プッシュボタン31Bに対する操作は、
図2に示すプッシュセンサ35Bによって検出される。パチンコ遊技機1では、遊技者の操作などの動作を検出する検出手段として、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが用いられるが、これら以外の検出手段が用いられてもよい。
【0030】
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドルへの遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間などである場合に、遊技球が通過ゲート41を通過しても当該通過にもとづく普図ゲームを直ちに実行できないので、当該通過にもとづく普図ゲームは、例えば「4」といった所定の上限数まで保留される。普図ゲームでは、普図当り図柄といった、特定の普通図柄が確定普通図柄として停止表示された場合に、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。これに対し、確定普通図柄として、普図ハズレ図柄といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示された場合に、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」である場合に、可変入賞球装置6Bを所定期間において開放状態や拡大開放状態とする開放制御が行われる。このときに、第2始動入賞口が開放状態や拡大開放状態になる。
【0031】
入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を遊技球が通過して進入した場合に、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始可能になる。可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過して進入した場合に、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが開始可能になる。なお、特図ゲームを実行中の期間や、大当り遊技状態または小当り遊技状態に制御されている期間などである場合に、遊技球が始動入賞口に進入して始動入賞が発生しても当該始動入賞にもとづく特図ゲームを直ちに実行できないので、当該始動入賞にもとづく特図ゲームは、例えば「4」といった所定の上限数まで保留される。特図ゲームでは、大当り図柄といった、特定の特別図柄が確定特別図柄として停止表示された場合に、特別図柄の表示結果が「大当り」となる。これに対し、確定特別図柄として、小当り図柄といった、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄が停止表示された場合に、特別図柄の表示結果が「小当り」となる。また、確定特別図柄として、ハズレ図柄といった、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示された場合に、特別図柄の表示結果が「ハズレ」となる。さらに、確定特別図柄として、時短図柄といった、大当り図柄、小当り図柄、ハズレ図柄とは異なる特別図柄が停止表示された場合に、特別図柄の表示結果が「時短」となることがあってもよい。特別図柄は、時短図柄を含まないものであってもよい。すなわち、特別図柄の表示結果は、「時短」を含まないものであってもよい。
【0032】
特図ゲームにおいて、特別図柄の表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置50に形成された大入賞口が所定の態様で開放状態となることができる。このときの開放状態は、例えば29秒間や1.8秒間など、所定期間の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数が所定個数に達するタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。大入賞口を開放状態に制御可能な所定期間は、1ラウンドにおいて大入賞口を開放することができる上限期間であり、開放上限期間ともいう。大当り遊技状態において大入賞口が開放状態となる1のサイクルは、ラウンドあるいはラウンド遊技という。大当り遊技状態では、このようなラウンドを、例えば15回や2回など、所定の上限回数に達するまで繰り返し実行可能となっている。大当り遊技状態において、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。したがって、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な有利状態となる。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程、遊技者にとって有利になる。
【0033】
特別図柄の表示結果が「大当り」になる場合は、複数の大当り種別を含んでいる。例えば、ラウンド数や開放上限期間といった大入賞口の開放態様、通常状態や時短状態や確変状態といった大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、複数種類の異なる設定とし、各設定に対応して大当り種別が指定される。複数の大当り種別は、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない大当り種別、または、ほとんど賞球を得ることができない大当り種別のうち、一部または全部を含んでいてもよいし、獲得可能な賞球に関しては同程度の大当り種別を含んでいてもよい。特別図柄の表示結果が「大当り」であることにもとづいて大当り遊技状態に制御されることは、図柄大当り、特別図柄による大当り、可変表示大当り、あるいは直撃大当りともいう。
【0034】
特図ゲームにおいて、特別図柄の表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置50に形成された大入賞口が所定の開放態様で開放状態となることができる。例えば、小当り遊技状態では、一部の大当り種別のときの大当り遊技状態と同様の開放態様で大入賞口が開放状態となってもよい。大入賞口は、開放回数や開放期間が共通することにより、同様の開放態様にできればよい。あるいは、小当り遊技状態において、大当り遊技状態とは異なる開放態様で大入賞口が開放状態となってもよい。大当り種別と同様に、特別図柄の表示結果が「小当り」になる場合にも、複数の小当り種別が含まれてもよい。大当り種別や小当り種別は、当り種別とも総称される。小当り遊技状態において大入賞口を開閉させる動作は、始動動作ともいう。小当り遊技状態であるときに、特別可変入賞球装置50の大入賞口となる役物進入口が開放され、遊技球がV入賞領域51を通過して特定領域スイッチ24によって検出されると、大当りの発生条件が成立し、大当り遊技状態に制御可能となる。小当り遊技状態において遊技球がV入賞領域51を通過することによるV入賞の発生にもとづいて大当り遊技状態に制御されることは、小当り経由大当りともいう。
【0035】
大当り遊技状態が終了した後に、大当り種別と対応して、遊技状態を時短状態や確変状態に制御可能である。また、特図ゲームにおいて、特別図柄の表示結果が「時短」になった後には、大当り遊技状態に制御されずに、遊技状態が時短状態に制御される。時短状態は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが通常状態よりも実行されやすい遊技状態である。通常状態よりも第2特図ゲームが実行されやすい遊技状態は、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が通過して進入しやすい遊技状態である。第2始動入賞口を遊技球が通過しやすいか否かの制御は、ベース制御ともいう。通常状態におけるベース制御は、通常ベース制御あるいは低ベース制御ともいう。時短状態におけるベース制御は、高ベース制御を含んでいる。高ベース制御に加えて、時短状態が中ベース制御を含んでいてもよい。中ベース制御は、低ベース制御よりも第2始動入賞口を遊技球が通過しやすい一方で、高ベース制御よりも第2始動入賞口を遊技球が通過しにくいベース制御である。中ベース制御が行われる遊技状態は、中ベース状態ともいう。高ベース制御が行われる遊技状態は、高ベース状態ともいう。高ベース制御は、高開放制御ともいう。
【0036】
通常状態である場合と、中ベース状態である場合と、高ベース状態である場合とで、いずれも特別図柄の表示結果として時短図柄の停止表示が可能である。ただし、中ベース状態である場合と、高ベース状態である場合とでは、特別図柄の表示結果として時短図柄が停止表示されたとしても、その時短図柄にもとづくベース制御は行われず、中ベース状態や高ベース状態に移行する新たな制御は開始されない。時短状態では、平均的な可変表示時間を通常状態よりも短縮させる時短制御が可能である。これにより、時短状態は、時間短縮状態ともいう。
【0037】
時短状態は、特に第2特別図柄といった、特別図柄の変動効率が向上する状態であるので、大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な特別状態に含まれる。遊技状態が確変状態であるときに、時短制御に加えて、特別図柄の表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が可能である。これにより、確変状態は、確率変動状態ともいう。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な特別状態に含まれる。時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたこと、次回の大当り遊技状態に制御されたことなど、予め定められた終了条件のいずれか1つが先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切りともいう。回数切りの時短状態は、回数切り時短ともいう。回数切りの確変状態は、回数切り確変ともいう。
【0038】
通常状態となる遊技状態は、遊技者にとって有利な大当り遊技状態などの有利状態、小当り遊技状態などの所定状態、時短状態や確変状態などの特別状態には含まれない遊技状態である。通常状態は、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率、特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などが、パチンコ遊技機1の初期設定状態と同一に制御される遊技状態である。パチンコ遊技機1の初期設定状態は、例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復旧処理を実行せずに初期設定処理を実行した後の制御状態である。
【0039】
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組み合わせて、時短状態は低確高ベース状態、確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。なお、パチンコ遊技機1は、遊技状態として確変状態を含まないものであってもよい。
【0040】
小当り遊技状態が終了した後に、V入賞の発生にもとづいて大当り遊技状態に制御される場合と、V入賞が発生せずに小当り遊技状態となる前の遊技状態が変更されない場合と、がある。ただし、特図ゲームの表示結果が「小当り」となり、回数切りにおける所定回数の特図ゲームが実行された場合に、時短状態や確変状態の制御が終了して、通常状態となることがある。なお、パチンコ遊技機1は、遊技状態として小当り遊技状態を含まないものであってもよい。すなわち、特別図柄の表示結果は、「小当り」を含まないものであってもよい。
【0041】
可変表示の実行回数にもとづく時短条件が成立した場合に、遊技状態を時短状態に制御可能であってもよい。このような時短状態は、救済時短ともいう。時短条件は、パチンコ遊技機1への電源投入後や、大当り発生後、特図ゲームの表示結果が「時短」となった後に、特定回数の可変表示を実行しても新たな大当り遊技状態や時短状態への制御が行われなかった場合に、成立可能な条件であればよい。
【0042】
(演出の進行など)
パチンコ遊技機1では、遊技の進行にあわせて種々の演出を実行可能である。この演出は、遊技の進行状況を報知する演出と、遊技を盛り上げる演出と、を含む。これらの演出は、画像表示装置5に各種の演出画像を表示すること、スピーカ8L、8Rから効果音を出力すること、遊技効果ランプ9を点灯すること、可動体32を動作させること、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bを振動させること、あるいは、これらの一部または全部の組合せを含み、任意の演出装置を用いて実行可能なものであればよい。
【0043】
遊技の進行にあわせて実行可能な演出は、演出図柄の可変表示を含む。第1特図ゲームまたは第2特図ゲームが開始されることに対応して、画像表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、演出図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果となる確定特別図柄が停止表示されるときに、演出図柄の可変表示において表示結果となる確定演出図柄が停止表示される。確定演出図柄は、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rに対応した3つの演出図柄の組合せで構成される。演出図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間に、演出図柄の可変表示における表示態様がリーチ態様となることがある。リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止した演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに、未だ停止していない演出図柄について変動が継続している態様などである。演出図柄の可変表示における表示態様がリーチ態様となることは、リーチが成立するともいう。
【0044】
演出図柄の可変表示がリーチ態様となったことに対応して、リーチ演出を実行可能である。パチンコ遊技機1は、演出態様が異なる場合に、可変表示の表示結果が「大当り」となる割合が異なるように、複数種類のリーチ演出を実行可能である。演出態様に対応する「大当り」の割合は、大当り信頼度、大当り期待度ともいう。リーチ演出は、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度が高いスーパーリーチと、を含む。その他、リーチ演出の実行時間に対応して、ショートリーチと、ショートリーチよりも実行時間が長いロングリーチと、を含むものとしてもよい。
【0045】
特別図柄の表示結果が「大当り」となるときに、画像表示装置5の画面上において、予め定められた大当り組合せとなる確定演出図柄が、演出図柄の表示結果として停止表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rに、例えば「7」の数字を示す演出図柄といった、同一の演出図柄が揃って所定の有効ライン上に停止表示される。大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合に、例えば「7」の数字を示す演出図柄など、奇数の演出図柄が揃って停止表示されてもよい。大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り」である場合に、例えば「6」の数字を示す演出図柄など、偶数の演出図柄が揃って停止表示されてもよい。「非確変大当り」は、「通常大当り」ともいう。この場合に、奇数の演出図柄は、確変図柄ともいう。偶数の演出図柄は、非確変図柄あるいは通常図柄ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
【0046】
特別図柄の表示結果が「小当り」となるときに、画像表示装置5の画面上において、予め定められた小当り組合せとなる確定演出図柄が、演出図柄の表示結果として停止表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rに、例えば「7」以外の数字を示す演出図柄といった、同一の演出図柄が揃って所定の有効ライン上に停止表示されてもよい。特別図柄の表示結果が「大当り」になるときと「小当り」になるときとで、共通の確定演出図柄が停止表示されてもよい。
【0047】
特別図柄の表示結果が「ハズレ」となるときに、演出図柄の可変表示においてリーチ態様とならずに、表示結果が停止表示される場合がある。この場合に、演出図柄の表示結果として、非リーチ組合せの確定演出図柄が停止表示される。リーチ態様とならずに非リーチ組合せの確定演出図柄が停止表示される表示結果は、非リーチハズレともいう。特別図柄の表示結果が「ハズレ」となるときに、演出図柄の可変表示においてリーチ態様となり、リーチ演出が実行された後に表示結果が停止表示される場合がある。この場合に、演出図柄の表示結果として、大当り組合せや小当り組合せではないリーチ組合せの確定演出図柄が停止表示される。リーチ態様となった後にリーチ組合せの確定演出図柄が停止表示される表示結果は、リーチハズレともいう。
【0048】
パチンコ遊技機1が実行可能な演出は、保留表示やアクティブ表示などの可変表示対応表示を含む。その他に、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出などを、演出図柄の可変表示中に実行可能である。予告演出は、実行中の可変表示に対応した大当り信頼度を予告する当該変動予告演出と、実行が保留されている実行前の可変表示に対応した大当り信頼度を予告する先読み予告演出と、を含んでもよい。先読み予告演出は、例えば保留表示やアクティブ表示などの可変表示対応表示の表示態様を、通常とは異なる態様に変化させる変化演出を実行可能であってもよい。
【0049】
画像表示装置5の画面上において、演出図柄の可変表示中に演出図柄を一旦仮停止させた後に、可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行可能であってもよい。擬似連演出は、演出図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させる再変動回数が多い場合の方が、再変動回数が少ない場合よりも大当り信頼度が高くなるように設定されてもよい。演出図柄の可変表示において、リーチ態様となるより前に擬似連演出が実行される場合と、リーチ態様となった後に擬似連演出が実行される場合と、が含まれてもよい。その他、演出図柄の可変表示において、複数のタイミングで擬似連演出を実行可能であってもよい。
【0050】
大当り遊技状態の制御中に、大当り遊技状態を報知する大当り中演出を実行可能である。大当り中演出は、ラウンド数を報知する演出と、大当り遊技状態の有利度が向上することを示唆または報知する昇格演出と、を含んでいてもよい。小当り遊技状態の制御中に、小当り遊技状態を報知する小当り中演出を実行可能である。大当り遊技状態の制御中と、小当り遊技状態の制御中とで、共通の演出を実行することで、現在の遊技状態が大当り遊技状態であるか小当り遊技状態であるかを、遊技者が認識不可能または認識困難となるようにしてもよい。
【0051】
特図ゲームなどの実行がなく、遊技が進行していない非遊技状態では、画像表示装置5の画面上にデモンストレーション用の演出画像を表示可能である。デモンストレーション用の演出画像は、デモ画像ともいう。デモ画像の表示は、デモ表示ともいう。デモ表示による演出は、客待ちデモ演出ともいう。
【0052】
(基板構成)
パチンコ遊技機1には、例えば
図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15、電源基板17などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板など、各種の基板が配置されている。
【0053】
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御可能な機能を有する。遊技の進行は、保留の管理を伴う特図ゲームの実行、保留の管理を伴う普図ゲームの実行、大当り遊技状態、小当り遊技状態、時短状態、確変状態など、各種遊技の実行や遊技状態の移行を含む。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100と、スイッチ回路110と、ソレノイド回路111と、を備える。
【0054】
主基板11が備える遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105と、を備えて構成可能である。ROM101、RAM102、乱数回路104の一部または全部は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に対して外付可能な構成であってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵された構成であってもよい。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。遊技球検出用の各種スイッチは、例えばゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bといった始動口スイッチ、カウントスイッチ23、特定領域スイッチ24、排出口スイッチ26を含む。検出信号は、遊技球が通過または進入してスイッチがオンになったことなどを示す。検出信号の伝送により、遊技球の通過または進入が検出されたことになる。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物ソレノイド81と、大入賞口ソレノイド82と、特定領域ソレノイド83と、に供給可能である。ソレノイド駆動信号は、各ソレノイドをオンする信号などであればよい。
【0055】
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101は、遊技制御に用いられるコンピュータプログラムやデータを記憶する不揮発性記憶装置である。ROM101が記憶するデータは、変動パターン、演出制御コマンド、その他の各種設定や判定、決定に用いられるテーブルを構成するテーブルデータなどを含む。遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、遊技制御に用いられるワークエリアやデータを退避するためのスタックを提供する一時記憶装置である。RAM102は、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止した場合でも、所定期間内であれば記憶領域の一部または全部における記憶内容を復旧可能となるように保存するバックアップRAMとなっていればよい。RAM102は、RWM(Read/Write Memory)ともいう。RAM102のワークエリアは、カウンタ、タイマ、バッファ、その他の各種コードや数値の格納領域など、遊技制御に用いられる各種データを記憶可能な記憶領域を含んでいる。遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるCPU103は、ROM101に記憶されたプログラムに対応する処理を実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御可能である。
【0056】
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備える乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値を示す数値データを、更新可能にカウントする。遊技の進行を制御するときに使用される乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数の一部または全部は、専用回路を用いてハードウェアにより更新されるものであってもよいし、CPU103が実行するコンピュータプログラムなどのソフトウェアにより更新されるものであってもよい。
【0057】
図3は、遊技用乱数の一例を示している。遊技用乱数は、特別図柄判定用の乱数MR1-1と、当り図柄用の乱数MR1-2と、当り図柄用初期値となる乱数MR1-3と、普通図柄当り図柄用の乱数MR2-1と、普通図柄当り図柄用初期値となる乱数MR2-2と、普通図柄変動パターン用の乱数MR3-1と、ハズレ演出選択用の乱数MR3-2と、変動パターン種別選択用の乱数MR3-3と、変動パターン用の乱数MR3-4と、を含んでいる。
【0058】
特別図柄判定用の乱数MR1-1は、特別図柄の表示結果を「大当り」にするか否かや、特別図柄の表示結果を「小当り」にするか否かなど、特別図柄の表示結果を判定することに用いられる。当り図柄用の乱数MR1-2は、特別図柄の表示結果を「大当り」にする場合の大当り図柄や、特別図柄の表示結果を「小当り」にする場合の小当り図柄など、確定特別図柄を複数の特別図柄から選択することに用いられる。当り図柄用初期値となる乱数MR1-3は、乱数MR1-2の初期値を設定することに用いられる。普通図柄当り図柄用の乱数MR2-1は、普通図柄の可変表示において表示結果が「普図当り」の場合に表示される確定普通図柄を複数の普通図柄から選択することに用いられる。普通図柄当り図柄用初期値となる乱数MR2-2は、乱数MR2-1の初期値を設定することに用いられる。普通図柄変動パターン用の乱数MR3-1は、普通図柄の変動パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定することに用いられる。ハズレ演出選択用の乱数MR3-2は、特別図柄の表示結果が「ハズレ」となる場合に、演出図柄の可変表示においてリーチ態様となるか否かを選択することに用いられる。変動パターン種別選択用の乱数MR3-3は、特別図柄の変動パターン種別を選択することに用いられる。特別図柄の変動パターン種別は、例えば演出図柄の可変表示中における演出態様などにもとづいて、特別図柄の変動パターンを予め分類したグループであり、1または複数の変動パターンを含むように構成されていればよい。変動パターン用の乱数MR3-4は、特別図柄の変動パターンを選択することに用いられる。
【0059】
CPU103は、遊技用乱数の値を示す数値データといった、乱数値にもとづいて各種の判定や決定を行う場合に、各種のテーブルをROM101から読み出して参照する。乱数値を用いない場合でも、必要なテーブルをROM101から読み出して参照し、各種の判定や決定、設定などが行われてもよい。
【0060】
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、各種信号が入力される入力ポートと、各種信号が出力される出力ポートと、を含んで構成される。I/O105の入力ポートに入力される各種信号は、スイッチ回路110を介して伝送される各種スイッチからの検出信号を含んでいればよい。I/O105の出力ポートから出力される各種信号は、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御する信号と、普通電動役物ソレノイド81、大入賞口ソレノイド82、特定領域ソレノイド83などを駆動するソレノイド駆動信号と、を含んでいればよい。
【0061】
主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100により、遊技の進行を制御する動作の一部として、遊技の進行に応じた演出制御コマンドを、演出制御基板12に対して送信可能に出力する。演出制御コマンドは、遊技の進行状況などを指定または通知するコマンドである。主基板11から出力された演出制御コマンドは、中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。演出制御コマンドは、例えば特図ゲームの表示結果、当り種別、変動パターンなど、主基板11における各種の決定結果を指定するコマンドと、例えば可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態など、遊技の状況を指定するコマンドと、エラーの発生などを指定するコマンドと、を含むものであればよい。
【0062】
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドにもとづいて演出を制御可能な機能を有する。演出制御基板12において制御可能な演出は、例えば可動体32の駆動など、遊技の進行に応じた種々の演出であり、その他に、エラー報知、電断復旧の報知など、各種報知を含む。演出制御基板12は、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125と、を備える。
【0063】
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出の実行を制御するための処理を行う。この処理は、演出制御基板12の諸機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定などを含む。演出制御用CPU120は、各種テーブルのデータなど、ROM121が記憶する各種データを用いるとともに、RAM122をメインメモリとして使用する。演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bからの検出信号にもとづいて、演出の実行を表示制御部123に指示することもある。ここでの検出信号は、遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号であればよい。
【0064】
表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを含み、演出制御用CPU120からの演出の実行指示にもとづいて、主に表示に関する演出を実行可能に制御する。表示制御部123は、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置5に供給することにより、演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させる。表示制御部123は、さらに、音指定信号を音声制御基板13に供給したり、ランプ信号をランプ制御基板14に供給したりする。音指定信号は、スピーカ8L、8Rにて出力される音声を指定する。ランプ信号は、遊技効果ランプ9の点灯態様や消灯態様を指定する。音指定信号やランプ信号の供給により、演出画像の表示に同期して、スピーカ8L、8Rの音声出力や、遊技効果ランプ9の点灯または消灯が可能になる。表示制御部123は、可動体32を動作させる信号を、可動体32のモータやソレノイドに、または可動体32を駆動するドライバ回路に、供給可能であってもよい。演出制御基板12とは別に、可動体32を駆動するためのドライバ基板が設けられてもよい。
【0065】
乱数回路124は、各種演出の実行を制御するときに使用される各種の乱数値を示す数値データを更新可能にカウントする。演出の実行を制御するときに使用される乱数は、演出用乱数ともいう。演出用乱数は、演出制御用CPU120が実行するコンピュータプログラムなどのソフトウェアにより更新されるものであってもよい。演出制御用CPU120は、演出用乱数の値を示す数値データといった、乱数値にもとづいて各種の判定や決定を行う場合に、各種のテーブルをROM121から読み出して参照する。乱数値を用いない場合でも、演出制御用CPU120は必要なテーブルをROM121から読み出して参照し、各種の判定や決定、設定などが行われてもよい。
【0066】
I/O125は、例えば主基板11から伝送された演出制御コマンドなどを取り込むための入力ポートと、各種信号を伝送するための出力ポートと、を含んで構成される。I/O125の入力ポートは、コントローラセンサユニット35Aから供給される検出信号の入力端子と、プッシュセンサ35Bから供給される検出信号の入力端子と、を含んでいればよい。I/O125の出力ポートは、画像表示装置5に供給される映像信号の出力端子と、音声制御基板13に供給される音指定信号の出力端子と、ランプ制御基板14に供給されるランプ信号の出力端子と、を含んでいればよい。
【0067】
音声制御基板13は、スピーカ8L、8Rを駆動する各種回路を搭載しており、表示制御部123からの音指定信号にもとづいてスピーカ8L、8Rを駆動し、音指定信号が指定する音声をスピーカ8L、8Rから出力させる。ランプ制御基板14は、遊技効果ランプ9を駆動する各種回路を搭載しており、表示制御部123からのランプ信号にもとづいて遊技効果ランプ9を駆動し、ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ9を点灯または消灯する。このようにして、スピーカ8L、8Rからの音声出力と、遊技効果ランプ9の点灯や消灯とは、表示制御部123からの信号にもとづいて制御することができる。なお、音指定信号やランプ信号の供給など、音声出力およびランプの点灯や消灯の制御と、可動体32を動作させる信号の供給など、可動体32の制御とは、演出制御用CPU120が一部または全部を実行するようにしてもよい。演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、主基板11以外の基板は、サブ基板ともいう。
図2に示す構成例のように、サブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、
図2に示す構成例とは異なり、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
【0068】
電源基板17は、商用電源などの外部電源におけるAC100Vといった交流電源からの電力を、主基板11や演出制御基板12などの各種制御基板を含めた電気部品に供給可能である。電源基板17は、例えば交流(AC)を直流(DC)に変換するための整流回路、所定の直流電圧を特定の直流電圧(例えば直流12Vや直流5Vなど)に変換するための電源回路などを備えている。パチンコ遊技機1は、電源スイッチ91の操作により、電源投入の開始と終了とを切替可能である。主基板11のスイッチ回路110には、電源基板17からのリセット信号、電源断信号、クリア信号が取り込まれて遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送される。リセット信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ100などの制御回路を動作停止状態とするための動作停止信号であり、電源監視回路、ウォッチドッグタイマ内蔵IC、システムリセットICのいずれかを用いて出力可能であればよい。電源断信号は、パチンコ遊技機1において用いられる所定電源電圧が所定値を超えるとオフ状態となり、所定電源電圧が所定値以下になった期間が電断基準時間以上まで継続したときにオン状態となる。クリア信号は、例えば電源基板17に設けられたクリアスイッチ92に対する押下操作などに応じてオン状態となる。
【0069】
(動作)
次に、パチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
【0070】
(主基板11の主要な動作)
まず、主基板11における主要な動作を説明する。パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御用のメイン処理が実行される。
【0071】
図4は、主基板11においてCPU103が実行する遊技制御用のメイン処理P_MAINを示すフローチャートである。
図4に示す遊技制御用のメイン処理P_MAINを開始すると、CPU103は、電力供給開始対応処理P_POWER_ONを実行し(ステップS1)、続いてRWMチェック処理P_RWM_CHKを実行する(ステップS2)。ステップS1の電力供給開始対応処理P_POWER_ONは、パチンコ遊技機1における電力供給の開始に対応して、遊技制御用マイクロコンピュータ100の初期設定などを実行可能である。遊技制御用マイクロコンピュータ100の初期設定は、出力ポートの初期化、割込みベクタの設定、内蔵デバイスレジスタの設定、特定レジスタの設定を、含んでいればよい。ステップS2のRWMチェック処理P_RWM_CHKは、チェックサム算出処理を含み、処理結果として得られたチェックサムデータを、チェックサムバッファの記憶データと比較して、両者のデータが合致した場合に、RAM102における記憶内容が正常であると判断する。
【0072】
続いて、予め定められた復旧条件が成立したか否かを判定する(ステップS3)。復旧条件は、クリアスイッチ92の操作に対応したクリア信号がオフ状態であり、チェックサムバッファに正常な記憶データがあり、バックアップRAMとしてのRAM102における記憶内容が正常である場合に、成立可能である。パチンコ遊技機1の電源投入時に、例えば電源基板17に設けたクリアスイッチ92が押下操作されていれば、オン状態のクリア信号が遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される。このようなオン状態のクリア信号が入力されている場合に、ステップS3にて復旧条件が成立しないと判定すればよい。チェックサムバッファは、前回の電源断時にてバックアップ監視タイマによりバックアップ判定時間を計測したときに、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムデータが記憶される。バックアップ監視タイマの計時値がバックアップ判定時間に対応する特定値と合致しない場合に、ステップS3にて復旧条件が成立しないと判定すればよい。バックアップデータは、遊技制御用のバックアップRAMとなるRAM102における遊技ワーク領域の記憶データであればよい。ステップS3では、ステップS2のRWMチェック処理P_RWM_CHKによりバックアップデータの有無やデータ誤りの有無などを確認あるいは検査した結果にもとづいて、復旧条件が成立し得るか否かを判定すればよい。
【0073】
復旧条件が成立した場合に(ステップS3;Yes)、バックアップ時設定処理P_BACKUP_SETを実行する(ステップS4)。バックアップ時設定処理P_BACKUP_SETは、バックアップ時コマンド送信テーブルを用いて、バックアップ時に対応する演出制御コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して送信可能にする。また、バックアップ時設定処理P_BACKUP_SETは、バックアップ時設定テーブルにより指定されたプロセスコード、タイマ、カウンタ、フラグを、クリアすることにより初期化可能にする。
【0074】
復旧条件が成立しない場合に(ステップS3;No)、初期化時設定処理P_INIT_SETを実行する(ステップS5)。初期化時設定処理P_INIT_SETは、RAM102における作業領域となる遊技ワーク領域にクリアデータを転送可能にする。これにより、RAM102における遊技ワーク領域が初期化される。そして、初期化時設定処理P_INIT_SETは、初期化時コマンド送信テーブルを用いて、初期化時に対応する演出制御コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して送信可能にする。また、初期化時設定処理P_INIT_SETは、初期化時設定テーブルにより指定されたバッファ、タイマ、ポインタ、カウンタを、クリアすることにより初期化可能にする。
【0075】
その後、制御開始設定処理P_STACONを実行する(ステップS6)。制御開始設定処理P_STACONは、ウエイト処理を含んでもよい。ウエイト処理は、設定された待機時間が経過するまでループ処理を実行して待機することにより、演出制御基板12などのサブ基板が確実に起動可能とする。また、制御開始設定処理P_STACONは、特定回数コマンド送信処理またはチップ個別ナンバー情報用コマンド送信処理を、含んでもよい。特定回数コマンド送信処理は、電源投入時に特定回数カウンタの計数値を指定する演出制御コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して送信可能にする。特定回数カウンタは、RAM102の所定アドレスに設けられ、可変表示の実行回数が時短条件に対応する特定回数となるまでの残り回数を計数可能であればよい。チップ個別ナンバー情報用コマンド送信処理は、チップ個別ナンバーレジスタの格納値を指定する演出制御コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して送信可能にする。チップ個別ナンバーレジスタは、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内蔵レジスタに含められ、チップ毎に割り当てられた異なる値を、チップ個別ナンバーとして格納可能であればよい。
【0076】
制御開始設定処理P_STACONは、起動時領域外処理を含んでもよい。起動時領域外処理は、パチンコ遊技機1における電力供給の開始による起動時に対応して、ROM101の非遊技プログラム領域に記憶されたプログラムを読み出すことで実行される処理である。起動時領域外処理は、例えば性能表示RWM初期値設定処理であればよい。性能表示RWM初期値設定処理は、性能表示モニタを構成する7セグメントのLEDにより初期表示を行うための初期値を設定可能にする。性能表示モニタは、例えば主基板11に搭載され、設定値に関する内容やベースに関する内容を表示可能であればよい。設定値は、パチンコ遊技機1の設定を変更可能な設定変更状態であるときに、例えば6段階といった、複数段階のいずれかに変更可能であり、特別図柄の表示結果が「大当り」となる確率を設定可能にする。ベースは、例えば始動入賞口、一般入賞口、大入賞口といった、各入賞口を遊技球が通過することによって払い出される賞球数を、遊技領域に発射された遊技球の個数で除算することにより算出される。
【0077】
ステップS6における制御開始設定処理P_STACONの次に、タイマ割込み用カウンタ設定が行われる(ステップS7)。ステップS7では、例えば4[ms(ミリ秒)]といった、所定時間ごとに定期的なタイマ割込みが発生するようにPTCカウンタ出力値が設定される。その後、遊技制御用のメイン処理P_MAINはループ処理に入る。このループ処理では、割込み禁止が設定され(ステップS8)、初期値決定用乱数更新処理P_TFINITを実行するとともに(ステップS9)、ループ中領域外処理P_REGOUTを実行してから(ステップS10)、割込み許可が設定され(ステップS11)、ステップS8に戻る。そして、割込み許可状態であるときにPTCからCPU103に対する割込み要求信号の入力毎に、CPU103はタイマ割込み処理を実行可能になる。これにより、CPU103は、例えば4[ms]といった、所定時間が経過するごとに、タイマ割込み処理を実行することができる。
【0078】
図5は、遊技制御用のタイマ割込み処理P_PCTの一例を示すフローチャートである。
図5に示すタイマ割込み処理P_PCTでは、電源断処理P_POWER_OFFが実行される(ステップS51)。続いて、不正行為監視フラグが「0」であるか否かが判定される(ステップS52)。不正行為監視フラグは、磁石センサにより磁気が検知された場合や、枠電波センサにより電波が検知された場合に、オン状態と対応した「1」が設定される。それ以外の場合に、不正行為監視フラグは、オフ状態と対応した「0」に設定される。
【0079】
不正行為監視フラグが「1」である場合に(ステップS52;No)、遊技停止処理P_GAME_STOPを実行する(ステップS53)。遊技停止処理P_GAME_STOPは、出力ポートの初期化を行い、接続確認信号の出力をオフ状態にする処理であればよい。接続確認信号は、主基板11から払出制御基板に対して伝送され、オフ状態である場合に、払出制御基板における払出処理の実行が停止される。
【0080】
不正行為監視フラグが「0」である場合に(ステップS52;Yes)、スイッチ処理P_SWを実行し(ステップS54)、スイッチエラー報知処理P_CON_CHKを実行し(ステップS55)、乱数更新処理P_RANDOMを実行し(ステップS56)、初期値決定用乱数更新処理P_TFINITを実行する(ステップS57)。また、特別図柄プロセス処理P_TPROCを実行し(ステップS58)、普通図柄プロセス処理P_FPROCを実行し(ステップS59)、情報出力処理P_JYOUHOUを実行し(ステップS60)、賞球処理P_PAYを実行し(ステップS61)、表示処理P_HYOUZIを実行する(ステップS62)。さらに、その他のタイマ割込み対応処理を実行する(ステップS63)。その後、割込み許可が設定されてから(ステップS64)、タイマ割込み処理P_PCTが終了する。
【0081】
ステップS51の電源断処理P_POWER_OFFは、電源基板17から伝送される電源確認信号の判定を行い、電源断時のチェックサム算出処理などを実行可能にする。ステップS54のスイッチ処理P_SWは、入力ポートの状態判定を行い、スイッチオンバッファなどを更新可能にする。ステップS55のスイッチエラー報知処理P_CON_CHKは、例えばスイッチエラー報知判定テーブルにより指定されたセンサオンカウンタの計数値を更新可能であり、その計数値がセンサ異常エラー判定値に達した場合に、エラー報知表示を実行可能にする。ステップS56の乱数更新処理P_RANDOMは、遊技用乱数のうちで、ソフトウェア乱数となるものをソフトウェアによって更新可能にする。ステップS57の初期値決定用乱数更新処理P_TFINITは、遊技用乱数のうちで、乱数初期値として用いられるものをソフトウェアによって更新可能にする。
【0082】
ステップS58の特別図柄プロセス処理P_TPROCは、特図ゲームの実行および保留の管理や、大当り遊技状態および小当り遊技状態の制御、遊技状態の制御など、特別図柄の可変表示と遊技状態に関する処理が含まれる。ステップS59の普通図柄プロセス処理P_FPROCは、ゲートスイッチ21からの検出信号にもとづく普図ゲームの実行および保留の管理や、「普図当り」にもとづく可変入賞球装置6Bの開閉制御など、普通図柄の可変表示と第2始動入賞口の状態制御に関する処理が含まれる。ステップS60の情報出力処理P_JYOUHOUは、情報出力信号の設定を行う。情報出力信号は、大当り情報、始動情報、確率変動情報など、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される情報に対応した信号である。大当り情報は、大当りの発生回数などを示す。始動情報は、始動入賞の回数などを示す。確率変動情報は、確変状態となった回数などを示す。ステップS61の賞球処理P_PAYは、賞球コマンド出力カウンタ加算処理と、賞球制御処理と、が含まれる。賞球コマンド出力カウンタ加算処理は、賞球個数テーブルを使用してスイッチのオン判定を行い、オン検出時に、賞球コマンド出力カウンタの更新、入賞情報出力カウンタの更新を行う。賞球制御処理は、賞球プロセスコードに対応した処理を選択して、遊技球の検出にもとづく賞球を払出可能に制御する。ステップS62の表示処理P_HYOUZIは、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25C、その他、各種の状態表示灯による表示に関する設定を行う。
【0083】
図6は、特別図柄プロセス処理P_TPROCとして、
図5に示すステップS58にて実行可能な処理の一例を示すフローチャートである。CPU103は、特別図柄プロセス処理P_TPROCにおいて、第1始動入賞対応フラグ設定を行う(ステップS101)。第1始動入賞対応フラグ設定は、論理演算命令の実行などにより、スイッチオンバッファに含まれる第1始動口スイッチ22Aの状態をCPU103のフラグレジスタに反映させる。このとき、フラグレジスタにおけるゼロフラグがオン状態であることは、第1始動入賞対応フラグがオフ状態であることを示す。これに対し、ゼロフラグがオフ状態であることは、第1始動入賞対応フラグがオン状態であることを示す。続いて、テーブルポインタを設定するための転送命令により、第1始動口入賞テーブルをセットする(ステップS102)。その後、第1始動入賞対応フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS103)。第1始動入賞対応フラグがオンである場合に(ステップS103;Yes)、始動口スイッチ通過処理P_TZU_ONが実行される(ステップS104)。
【0084】
ステップS103に対応して第1始動入賞対応フラグがオフである場合や(ステップS103;No)、ステップS104における始動口スイッチ通過処理P_TZU_ONの後に、第2始動入賞対応フラグ設定を行う(ステップS105)。第2始動入賞対応フラグ設定は、論理演算命令の実行などにより、スイッチオンバッファに含まれる第2始動口スイッチ22Bの状態をCPU103のフラグレジスタに反映させる。このとき、フラグレジスタにおけるゼロフラグがオン状態であることは、第2始動入賞対応フラグがオフ状態であることを示す。これに対し、ゼロフラグがオフ状態であることは、第2始動入賞対応フラグがオン状態であることを示す。続いて、テーブルポインタを設定するための転送命令により、第2始動口入賞テーブルをセットする(ステップS106)。その後、第2始動入賞対応フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS107)。第2始動入賞対応フラグがオンである場合に(ステップS107;Yes)、始動口スイッチ通過処理P_TZU_ONが実行される(ステップS108)。
【0085】
ステップS104の始動口スイッチ通過処理P_TZU_ONは、ステップS102にてセットされた第1始動口入賞テーブルを用いて、第1保留記憶数が上限数未満である場合に、第1保留記憶数や合計保留記憶数を1加算する更新を行い、特別図柄判定用の乱数MR1-1と、ハズレ演出選択用の乱数MR3-2と、変動パターン種別選択用の乱数MR3-3と、変動パターン用の乱数MR3-4と、を抽出し、それぞれの乱数バッファにストアした後に、第1特別図柄保留バッファへと転送する。また、第1保留記憶情報指定コマンド送信テーブルを用いて、第1保留記憶数が指定される第1保留記憶情報指定コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して送信可能にする。そして、始動口入賞指定値として「1」を示す値を、始動口入賞バッファにストアする。
【0086】
ステップS108の始動口スイッチ通過処理P_TZU_ONは、ステップS106にてセットされた第2始動口入賞テーブルを用いて、第2保留記憶数が上限数未満である場合に、第2保留記憶数や合計保留記憶数を1加算する更新を行い、特別図柄判定用の乱数MR1-1と、ハズレ演出選択用の乱数MR3-2と、変動パターン種別選択用の乱数MR3-3と、変動パターン用の乱数MR3-4と、を抽出し、それぞれの乱数バッファにストアした後に、第2特別図柄保留バッファへと転送する。また、第2保留記憶情報指定コマンド送信テーブルを用いて、第2保留記憶数が指定される第2保留記憶情報指定コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して送信可能にする。そして、始動口入賞指定値として「2」を示す値を、始動口入賞バッファにストアする。
【0087】
ステップS104とステップS108とで、共通の始動口スイッチ通過処理P_TZU_ONを実行可能である。その一方、ステップS104の始動口スイッチ通過処理P_TZU_ONはステップS102にてセットされた第1始動口入賞テーブルを用いるのに対し、ステップS108の始動口スイッチ通過処理P_TZU_ONはステップS106にてセットされた第2始動口入賞テーブルを用いる。このように、共通の始動口スイッチ通過処理P_TZU_ONが異なる始動口入賞テーブルを用いて実行される。したがって、遊技球が第1始動入賞口に進入した場合と第2始動入賞口に進入した場合とで、共通となる処理により異なるデータ設定や制御が可能になる。なお、始動口スイッチ通過処理P_TZU_ONは、抽出した遊技用乱数を用いた入賞時演出処理が含まれてもよい。
【0088】
ステップS107に対応して第2始動入賞対応フラグがオフである場合や(ステップS107;No)、ステップS108における始動口スイッチ通過処理P_TZU_ONの後に、ポインタを設定する転送命令により、特別図柄プロセス処理ジャンプテーブルをセットする(ステップS109)。特別図柄プロセス処理ジャンプテーブルは、特別図柄プロセスコードの読出値に対応する処理を、選択して実行可能にするアドレス管理テーブルである。特別図柄プロセスコードは、パチンコ遊技機1における遊技制御の進行に対応して、00[H]~0B[H]のいずれかに更新設定が可能であり、特図プロセスコードともいう。ここで、[H]は16進数であることを示す。なお、[B]により2進数を示すこともある。
【0089】
ステップS109に続いて、記憶データを読み出すための転送命令により、特別図柄プロセスコードをロードする(ステップS110)。その次に、2バイトデータ選択処理P_ABXEXECを実行することにより(ステップS111)、特別図柄プロセスコードに対応して選択される処理のアドレスを取得する。このとき取得されたアドレスは、ポインタに設定される。この後、サブルーチンの呼出命令により、ポインタの指す処理を実行することで(ステップS112)、特別図柄プロセスコードに対応して選択された処理が実行可能になる。こうして選択された処理が終了して、復帰命令により特別図柄プロセス処理P_TPROCにリターンすると、この特別図柄プロセス処理P_TPROCも終了し、復帰命令により遊技制御用のタイマ割込み処理P_PCTにリターンする。
【0090】
図7は、特別図柄プロセス処理P_TPROCにおいて用いられる特別図柄プロセス処理ジャンプテーブルの構成例TT01を示している。特別図柄プロセス処理ジャンプテーブルは、特別図柄プロセスコードに対応して選択される処理のアドレスを、ポインタとして用いられるCPU103の内部レジスタに設定可能なテーブルデータを含んで構成される。構成例TT01の特別図柄プロセス処理ジャンプテーブルは、特別図柄プロセスコードが00[H]である場合の特別図柄通常処理P_TNORMALと、特別図柄プロセスコードが01[H]である場合の特別図柄変動処理P_TSTARTと、特別図柄プロセスコードが02[H]である場合の特別図柄停止処理P_TSTOPと、特別図柄プロセスコードが03[H]である場合の小当り開放前処理P_TLFANと、特別図柄プロセスコードが04[H]である場合の小当り開放中処理P_TLOPENと、特別図柄プロセスコードが05[H]である場合の小当り開放後処理P_TLCLSFと、特別図柄プロセスコードが06[H]である場合の小当り排出球待機処理P_TLOUTと、特別図柄プロセスコードが07[H]である場合の小当り終了処理P_TLENDと、特別図柄プロセスコードが08[H]である場合の大入賞口開放前処理P_TINTと、特別図柄プロセスコードが09[H]である場合の大入賞口開放中処理P_TOPENと、特別図柄プロセスコードが0A[H]である場合の大入賞口開放後処理P_TCLSFと、特別図柄プロセスコードが0B[H]である場合の大当り終了処理P_TENDと、に対応するアドレス値をポインタに設定可能なテーブルデータが含まれる。
【0091】
特別図柄通常処理P_TNORMALは、記憶された保留情報の有無などにもとづいて特図ゲームを開始するか否か判定と、特別図柄判定用の乱数MR1-1を用いた特図表示結果の判定と、特別図柄の可変表示において停止表示する確定特別図柄の決定と、特別図柄の変動パターンの決定と、を可能にする。特図表示結果は、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」などを含み、「大当り」とすることが判定された場合に、遊技者にとって有利な有利状態としての大当り遊技状態に制御することが決定される。また、特別図柄の表示結果が「大当り」である場合に、確定特別図柄となる大当り図柄に対応して、遊技者にとっての有利度が異なる複数種類の大当り遊技状態のうちで、いずれの大当り遊技状態に制御されるかが決定される。したがって、CPU103は、特別図柄通常処理P_TNORMALを実行することにより、遊技者にとって有利な有利状態に制御するか否かを判定可能であり、遊技者にとっての有利度が異なる複数種類の有利状態のうちのいずれに制御するかを決定可能である。さらに、CPU103は、特別図柄通常処理P_TNORMALを実行することにより、複数種類の変動パターンのいずれかに決定可能である。
【0092】
特別図柄変動処理P_TSTARTは、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測し、変動パターンに対応する特図変動時間が経過したか否かの判定を可能にする。特別図柄停止処理P_TSTOPは、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄が変動を停止してからの経過時間を計測し、図柄停止時間が経過したか否かの判定を可能にする。図柄停止時間は、特別図柄変動処理P_TSTARTにおいて特図変動時間が経過したと判定された場合に、特別図柄を停止表示する時間として設定可能であればよい。図柄停止時間が経過した場合に、特図表示結果に対応して、特別図柄プロセスコードの更新や各種設定が行われる。例えば、特図表示結果が「大当り」の場合に特別図柄プロセスコードを08[H]に更新可能であり、特図表示結果が「小当り」の場合に特別図柄プロセスコードを03[H]に更新可能であり、特図表示結果が「ハズレ」の場合に特別図柄プロセスコードを00[H]に更新可能であればよい。
【0093】
小当り開放前処理P_TLFAN、小当り開放中処理P_TLOPEN、小当り開放後処理P_TLCLSF、小当り排出球待機処理P_TLOUT、小当り終了処理P_TLENDは、小当り遊技状態における遊技の進行を制御するための処理である。大入賞口開放前処理P_TINT、大入賞口開放中処理P_TOPEN、大入賞口開放後処理P_TCLSF、大当り終了処理P_TENDは、大当り遊技状態における遊技の進行を制御するための処理である。
【0094】
(演出制御基板12の主要な動作)
次に、演出制御基板12における主要な動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板17などから電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、演出制御メイン処理を実行する。
【0095】
図8は、演出制御基板12において演出制御用CPU120が実行する演出制御用のメイン処理S_MAINを示すフローチャートである。
図8に示す演出制御用のメイン処理S_MAINを開始すると、演出制御用CPU120は、演出制御初期化処理S_INITを実行する(ステップS71)。演出制御初期化処理S_INITは、RAM122のクリアや各種初期値の設定、演出制御基板12に搭載されたタイマ回路用のレジスタ設定などを含む。続いて、初期動作制御処理S_SYOKIを実行する(ステップS72)。初期動作制御処理S_SYOKIは、可動体32を駆動して初期位置に戻す制御、所定の動作確認を行う制御など、可動体32の初期動作を制御可能にする。その後、タイマ割込みフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS73)。タイマ割込みフラグは、タイマ回路用のレジスタ設定にもとづいて、例えば2[ms(ミリ秒)]といった、所定時間が経過するごとに、オン状態にセットされる。タイマ割込みフラグがオフに対応して(ステップS73;No)、ステップS73を繰り返して待機する。
【0096】
タイマ割込みフラグがオンに対応して(ステップS73;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS74)、コマンド解析処理S_COMMANDを実行し(ステップS75)、演出制御プロセス処理S_CPROCを実行し(ステップS76)、演出用乱数更新処理S_RANDOMを実行し(ステップS77)、演出用出力処理S_OUTを実行する(ステップS78)。そして、その他のタイマ割込み対応処理を実行してから(ステップS79)、ステップS73に戻る。
【0097】
ステップS75のコマンド解析処理S_COMMANDは、演出制御コマンド受信用バッファに格納されている演出制御コマンドの読出と、読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御と、を可能にする。演出制御用CPU120は、コマンド解析処理S_COMMANDを実行することにより、主基板11から送信された演出制御コマンドに対応して、フラグの状態を示す記憶データ、レジスタの格納データ、その他、RAM122の作業領域における任意の記憶データなどを、更新可能である。ステップS76の演出制御プロセス処理S_CPROCは、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示と、スピーカ8L、8Rからの音声出力と、遊技効果ランプ9および装飾用LEDといった装飾発光体における点灯または消灯と、可動体32の駆動制御と、を含めた各種の演出装置を用いた演出の実行を制御可能にする。各種の演出装置を用いた演出の制御内容は、主基板11から送信された演出制御コマンドや、演出制御用CPU120による処理の実行結果などにもとづいて、判定や決定、設定などが可能になればよい。ステップS77の演出用乱数更新処理S_RANDOMは、演出制御基板12の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部を、ソフトウェアとしてのプログラムを実行することで更新可能にする。
【0098】
図9(A)は、演出制御プロセス処理S_CPROCとして、
図8に示すステップS76にて実行可能な処理の一例を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理において、先読み演出設定処理S_SAKI_SETを実行する(ステップS151)。先読み演出設定処理S_SAKI_SETは、例えば主基板11から送信された始動入賞時の演出制御コマンドにもとづいて、先読み予告演出の実行に関する判定や決定、設定などを可能にする。また、先読み演出設定処理S_SAKI_SETは、演出制御コマンドから特定される保留記憶数にもとづいて保留表示を更新可能にする。
【0099】
ステップS151における先読み演出設定処理S_SAKI_SETの後に、ポインタを設定する転送命令により、演出制御プロセス処理ジャンプテーブルをセットする(ステップS152)。演出制御プロセス処理ジャンプテーブルは、演出制御プロセスコードの読出値に対応する処理を、選択して実行可能にするアドレス管理テーブルである。演出制御プロセスコードは、パチンコ遊技機1における演出制御の進行に対応して、00[H]~0A[H]のいずれかに更新設定が可能であり、演出プロセスコードともいう。演出制御プロセスコードは、記憶データを読み出すための転送命令によりロードされる(ステップS153)。こうして取得された演出制御プロセスコードに対応して、選択される処理のアドレスが演出制御ポインタにセットされる(ステップS154)。したがって、演出制御ポインタの指す処理を実行することで(ステップS115)、演出制御プロセスコードに対応して選択された処理が実行可能になる。
【0100】
図9(B)は、演出制御プロセス処理S_CPROCにおいて用いられる演出制御プロセス処理ジャンプテーブルの構成例TT02を示している。演出制御プロセス処理ジャンプテーブルは、演出制御プロセスコードに対応して選択される処理のアドレスを、演出制御ポインタとして用いられるレジスタに設定可能なテーブルデータを含んで構成される。構成例TT02の演出制御プロセス処理ジャンプテーブルは、演出制御プロセスコードが00[H]である場合の変動パターンコマンド待ち処理と、演出制御プロセスコードが01[H]である場合の演出図柄変動開始処理と、演出制御プロセスコードが02[H]である場合の演出図柄変動中処理と、演出制御プロセスコードが03[H]である場合の演出図柄変動停止処理と、演出制御プロセスコードが04[H]である場合の小当り表示処理と、演出制御プロセスコードが05[H]である場合の小当り開放中処理と、演出制御プロセスコードが06[H]である場合の小当り終了演出処理と、演出制御プロセスコードが07[H]である場合の大当り表示処理と、演出制御プロセスコードが08[H]である場合のラウンド中処理と、演出制御プロセスコードが09[H]である場合のラウンド後処理と、演出制御プロセスコードが0A[H]である場合の大当り終了演出処理と、に対応するアドレス値を演出制御ポインタに設定可能なテーブルデータが含まれる。
【0101】
変動パターンコマンド受信待ち処理は、主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から伝送された変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判定可能にする。変動パターン指定コマンドの受信ありと判定された場合に、演出制御プロセスコードが演出図柄変動開始処理に対応する01[H]に更新され、変動パターン指定コマンドの受信なしと判定された場合に、デモ表示を制御可能にする。演出図柄変動開始処理は、特図ゲームに対応する変動時演出の開始を可能にする。例えば主基板11から送信された変動パターンコマンドに対応して、変動時演出の制御に用いる演出パターンの選択と、演出実行時間を計測する演出プロセスタイマの更新開始と、を可能にする。演出図柄変動中処理は、演出パターンを構成する各演出要素の切替えタイミングを制御可能にするとともに、演出プロセスタイマの計時値にもとづいて演出実行時間が経過したか否かを判定可能にする。演出実行時間が経過したと判定された場合に、演出制御プロセスコードが演出図柄変動停止処理に対応する03[H]に更新される。演出図柄変動停止処理は、演出実行時間が経過したこと、または演出図柄確定コマンドを受信したことなど、変動時演出の終了条件が成立したことにもとづいて、変動時演出の終了制御と、確定特別図柄に対応した演出結果の表示制御と、を可能にする。このときに、可変表示の表示結果に対応して、演出制御プロセスコードの更新や各種設定が行われる。例えば、可変表示の表示結果が「大当り」の場合に演出制御プロセスコードを07[H]に更新可能であり、可変表示の表示結果が「小当り」の場合に演出制御プロセスコードを04[H]に更新可能であり、可変表示の表示結果が「ハズレ」の場合に演出制御プロセスコードを00[H]に更新可能である。
【0102】
小当り表示処理、小当り開放中処理、小当り終了演出処理は、小当り遊技状態に対応した演出の進行を制御するための処理である。大当り表示処理、ラウンド中処理、ラウンド後処理、大当り終了演出処理は、大当り遊技状態に対応した演出の進行を制御するための処理である。
【0103】
(基本説明などの変形例)
パチンコ遊技機1は、基本説明その他の説明における構成、機能、処理、動作に限定されず、様々な変形および応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、実施の形態で示された全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、実施の形態で説明された一部の構成を備えたものであってもよい。実施の形態において、下位概念となる事項が記載されている場合に、同族的事項や同類的事項を用いた上位概念の発明、あるいは、共通する性質を用いた上位概念の発明は、本願発明として包含され、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、実施の形態で説明された一部の構造や特性を備えたものであってもよい。
【0104】
パチンコ遊技機1は、入賞の発生にもとづいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機であってもよいし、遊技媒体を封入して入賞の発生により得点を付与する封入式遊技機であってもよい。
【0105】
特別図柄の可変表示中に表示されるものは、例えば、「-」を示す記号など、1種類の図柄だけとして、この図柄の表示と消灯とを繰り返す可変表示を行うようにしてもよい。可変表示中に1種類の図柄が表示され、可変表示の停止時に、この図柄が表示されなくてもよい。例えば、表示結果としては「-」を示す記号が表示されず、特別図柄の表示がない非表示状態としてもよい。
【0106】
パチンコ遊技機1は、複数の設定値に対応して大当りの当選確率や出玉率が変わる構成を備えてもよい。例えば、特別図柄プロセス処理の特別図柄通常処理において、設定されている設定値ごとに異なる大当り判定値を用いることにより、大当りの当選確率や出玉率を変更可能であってもよい。具体的な一例として、設定値は1~6の6段階からなり、6が最も大当りの当選確率が高く、6、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど大当りの当選確率が低くなる。この場合に、設定値として6が設定されていれば遊技者にとって最も有利度が高く、6、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。設定値に応じて大当りの当選確率が変われば、出玉率も設定値に応じて変わってもよい。大当りの当選確率は設定値にかかわらず一定であるのに対し、大当り遊技状態におけるラウンド数が設定値に応じて変わってもよい。パチンコ遊技機1は、遊技者にとっての有利度が異なる複数の設定値のうちいずれかを設定可能に構成されていればよい。パチンコ遊技機1において設定されている設定値は、主基板11の側から演出制御基板12の側へ設定値指定コマンドが送信されることにより通知されてもよい。可変表示の実行中には、所定割合でパチンコ遊技機1における設定値を示唆する設定示唆演出を実行可能であってもよい。パチンコ遊技機1の設定値に関する示唆は、パチンコ遊技機1における設定値を示唆するものに限定されず、例えばパチンコ遊技機1における設定値が変更されたか否かを示唆するものであってもよい。設定示唆演出は、任意の演出によって大当り期待度を示唆するとともに、パチンコ遊技機1の設定値に関する示唆を行うことができるようにしてもよい。
【0107】
大当り遊技状態の制御に関する示唆の一部または全部に代えて、あるいは、大当り遊技状態の制御に関する示唆の一部または全部とともに、大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な状態の制御に関する示唆を行うものであってもよい。例えば、大当り遊技状態の終了後に制御される確変状態に関する示唆を行うものであってもよい。その他、有利状態として、遊技者にとって有利な任意の遊技価値が付与される状態に関して、制御されるか否かなどに応じた示唆を行うものであってもよい。
【0108】
遊技機に関する発明は、パチンコ遊技機1に限定されず、スロットマシンにも、適宜、適用することができる。スロットマシンは、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能である。スロットマシンにおいて、遊技者にとって有利な有利状態は、例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZといった、いわゆるボーナスのうち1以上のものを含んでいればよい。
【0109】
遊技の進行や演出の実行を含めた各種の制御を実現するためのプログラムおよびデータは、パチンコ遊技機1などの遊技機に含まれるコンピュータ装置に対して、着脱自在の記録媒体により配布と提供が可能なものであってもよいし、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にインストールしておくことで配布と提供が可能なものであってもよい。また、通信回線などを介してネットワーク上の外部機器に接続可能な通信処理部を備え、その外部機器からプログラムやデータをダウンロードすることにより配布や提供が可能なものであってもよい。遊技や演出の実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行可能なものであってもよいし、通信回線などを介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリなどに一旦格納することにより実行可能なものであってもよいし、通信回線などを介して接続されたネットワーク上の外部機器におけるハードウェア資源を用いて直接実行が可能なものであってもよいし、他のコンピュータ装置などとネットワークを介してデータの交換を行うことにより遊技や演出を実行可能なものであってもよい。
【0110】
処理やデータの決定割合、演出の実行割合など、各種割合を比較する場合に、「高い」、「低い」、「異なる」などの表現は、一方が「0%」または「100%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方の決定結果や実行内容について、「0%」の割合で決定や実行がない場合を含んでもよいし、「100%」の割合で必ず決定や実行がある場合を含んでもよい。
【0111】
(特徴部01AKに関する説明)
図10-1は、特徴部01AKに対応するパチンコ遊技機1の正面図である。特徴部01AKに対応するパチンコ遊技機1は、第1検出手段に含まれるプッシュボタン31Bと、第2検出手段に含まれる装飾ボタン31Cと、を備えている。プッシュボタン31Bは、例えば遊技機用枠3の下部における上皿の近傍といった、第1位置に設けられる。装飾ボタン31Cは、例えば遊技機用枠3の上部といった、第1位置とは異なる第2位置に設けられる。可動体32は、画像表示装置5の表示画面における所定縁部の近傍に設けられた演出用可動部材である。
図10-1に示された可動体32は、画像表示装置5の表示画面における下縁部となる下辺の近傍にて表示画面を装飾する装飾部材の内部に収容されていればよい。可動体32は、第1位置である退避位置と第2位置である進出位置との間で移動可能に構成される。例えば、可動体32は、退避位置から上方に移動して、画像表示装置5の表示画面の前方側に重複する進出位置で一旦停止した後に、再び退避位置に戻る動作演出を実行可能にする。可動体32は、退避位置と進出位置との間だけを移動可能なものに限定されず、第3位置である他の位置に移動可能であってもよい。
【0112】
図10-2(A)は、プッシュボタン31Bの構成例を示している。プッシュボタン31Bは、例えば押下操作といった遊技者の動作態様を、示唆する文字情報31BWが示されている。
図10-2(A)に示すプッシュボタン31Bは、例えば操作受付面となる上面に「PUSH」といった押下操作を示唆する装飾などによる文字情報31BWが表記されている。文字情報31BWは、遊技者が操作態様を認識可能な文字の記載と、その他の文字、図形、記号などの記載と、を含んでもよい。プッシュボタン31Bに対する押下操作といった遊技者の動作は、プッシュセンサ35Bにより検出可能である。プッシュセンサ35Bは、例えばフォトセンサを含んだ電子回路を用いて構成され、プッシュボタン31Bに対する押下操作を検出可能であればよい。
【0113】
プッシュボタン31Bは、例えば遊技機用枠3の下部における上皿の近傍といった第1位置に設けられ、遊技者の動作態様を示唆する文字情報が示される第1検出手段を構成可能である。プッシュセンサ35Bは、例えば遊技者によるプッシュボタン31Bの押下操作といった、遊技者の動作を検出可能な検出手段に含まれる。
【0114】
図10-2(B)は、装飾ボタン31Cの構成例を示している。装飾ボタン31Cは、例えば押下操作といった遊技者の動作態様を、示唆する文字情報が示されない。
図10-2(B)に示された装飾ボタン31Cは、形状、模様、色彩、光沢、質感、あるいは、これらの一部または全部の組合せにより、特定の装飾が施された構成を有する一方、例えば「PUSH」といった押下操作を示唆する文字情報などが表記されていない。装飾ボタン31Cに対する押下操作といった遊技者の動作は、プッシュセンサ35Cにより検出可能である。プッシュセンサ35Cは、プッシュセンサ35Bと同様の電子回路を用いて構成され、装飾ボタン31Cに対する押下操作を検出可能であればよい。
【0115】
装飾ボタン31Cは、例えば遊技機用枠3の上部といった第2位置に設けられ、遊技者の動作態様を示唆する文字情報が示されない第2検出手段を構成可能である。プッシュセンサ35Cは、例えば遊技者による装飾ボタン31Cの押下操作といった、遊技者の動作を検出可能な検出手段に含まれる。
【0116】
プッシュボタン31Bや装飾ボタン31Cに対する押下操作は、短期間の1回押下による単発操作であってもよいし、長期間の1回押下による長押し操作であってもよいし、複数回押下による連打操作であってもよい。検出手段により検出可能な遊技者の動作は、プッシュボタン31Bや装飾ボタン31Cに対する押下操作に限定されず、押圧操作、接触操作、押引操作、挿入操作、引出操作、その他、操作とは異なる遊技者による任意の動作を含めて、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できる任意の動作であればよい。検出手段は、例えば回動操作が可能なジョグダイアルを含んでもよいし、タッチセンサ、赤外線センサ、超音波センサ、CCDセンサ、CMOSセンサなど、任意のセンサを用いて構成されてもよいし、カメラによる撮影画像を用いて動作を検出可能に構成されてもよい。
【0117】
図10-3は、特徴部01AKに関して、演出制御基板12に搭載された各種回路の構成例を示している。
図10-3に示す構成例では、演出制御用マイクロプロセッサ100Aが演出制御基板12に搭載されている。演出制御用マイクロプロセッサ100Aは、主基板11から受信した演出制御コマンドに基づいて、データ処理や信号処理を実行することなどにより、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9その他の装飾用LED、可動体32などの演出用可動部材といった、複数の演出装置のうち、一部または全部を用いた演出の実行を制御可能である。
【0118】
演出制御用マイクロプロセッサ100Aは、内蔵する電子回路を統合化した演出制御用のマイクロコンピュータなどであってもよい。演出制御用マイクロプロセッサ100Aは、演出の実行を制御可能な回路が1チップに集積された統合型プロセッサであり、演出用プロセッサともいう。演出制御用マイクロプロセッサ100Aは、CPU120A、内部ROM121A、内部RAM122A、VDP123A、音声処理回路131、ランプ制御回路132 、モータ制御回路133を備えている。なお、演出制御用マイクロプロセッサ100Aは、CPU120A、内部ROM121A、内部RAM122A、VDP123Aを備える一方で、音声処理回路131、ランプ制御回路132、モータ制御回路133のうち、一部または全部が、演出制御用マイクロプロセッサ100Aの外部に設けられてもよい。
【0119】
CPU120Aは、基本説明における演出制御用CPU120と対応して、内部ROM121Aなどから読み出したコンピュータプログラムに従った処理を実行可能である。内部ROM121Aは、基本説明におけるROM121に含められ、例えばファームウェアといった、CPU120Aによって実行される処理の基本プログラムや、演出制御用マイクロプロセッサ100Aに固有のシステム設定データなどを固定的に記憶可能である。内部RAM122Aは、基本説明におけるRAM122に含められ、CPU120Aのワークエリアとなる一時記憶領域を提供可能である。VDP123Aは、基本説明における表示制御部123に含められ、画像表示装置5における画像表示に関するデータ処理などを実行可能である。
【0120】
VDP123Aは、CPU120Aからのディスプレイリストやレジスタ設定などに基づいて、画像表示装置5における画像表示の制御内容を決定する。例えばVDP123Aは、画像表示装置5の画面上に表示させる演出画像の切替タイミングを決定することなどにより、演出図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。VDP123Aは、高速描画機能や動画像データ分離機能、映像デコード機能といった画像データ処理機能を有する画像プロセッサである。なお、VDP123Aは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。VDP123Aは、命令デコーダ141、デマルチプレクサ142、映像デコーダ143、動画像レンダラ144、キャラクタ画像レンダラ145、テキスト画像レンダラ146、VRAM147、表示駆動回路148を含んでいる。
【0121】
命令デコーダ141は、CPU120Aからの表示制御指令に含まれる命令部(命令コード)を解読して、解読結果に応じた画像処理などを指示する。例えば解読結果に含まれる表示制御用の命令群は、VDP123Aの内部回路に供給される。命令デコーダ141は、解読結果に応じた制御信号を生成し、VDP123Aの内部回路に供給してもよい。解読結果に含まれる音声制御用の命令群は、音声処理回路131に供給されてもよい。解読結果に含まれるランプ制御用の命令群は、ランプ制御回路132に供給されてもよい。解読結果に含まれるモータ制御用の命令群は、モータ制御回路133に供給されてもよい。
【0122】
デマルチプレクサ142は、演出データメモリ163などから読み出された動画像データが入力され、映像データと音声データとに分離して出力する。デマルチプレクサ142から出力された映像データは、映像デコーダ143に入力される。デマルチプレクサ142から出力された音声データは、音声処理回路131の音声デコーダ151に入力される。映像デコーダ143は、圧縮符号化された映像データを伸張復号化して出力する。映像デコーダ143から出力された映像データは、動画像レンダラ144に供給される。映像デコーダ143は、演出データメモリ163などから圧縮符号化されたキャラクタ画像データやテキスト画像データを読み出し、伸張復号化した後に、キャラクタ画像レンダラ145やテキスト画像レンダラ146に供給してもよい。
【0123】
動画像レンダラ144は、映像デコーダ143から供給された映像データを、VRAM147の所定領域に書き込んで記憶させる。動画像レンダラ144は、映像データに示される映像の色相、彩度、明度、あるいは、これらの一部または全部を調整可能な画像処理を実行して、調整後の映像データをVRAM147に一時記憶させてもよい。キャラクタ画像レンダラ145は、演出データメモリ163などから読み出されたキャラクタ画像データや映像デコーダ143から供給されたキャラクタ画像データが入力され、VRAM147の所定領域に書き込んで記憶させる。キャラクタ画像レンダラ145は、ベクター形式のキャラクタ画像データをビットマップ形式に変換して、VRAM147に一時記憶させてもよい。キャラクタ画像レンダラ145は、キャラクタ画像指定情報により指定されたキャラクタ画像を、キャラクタ表示設定情報により設定された表示スタイルや表示レイアウトを含めた表示態様で表示するための画像変換処理などを実行してもよい。テキスト画像レンダラ146は、演出データメモリ163などから読み出されたテキスト画像データや映像デコーダ143から供給されたテキスト画像データが入力され、VRAM147の所定領域に書き込んで記憶させる。テキスト画像レンダラ146は、ベクター形式のテキスト画像データをビットマップ形式に変換して、VRAM147に一時記憶させてもよい。テキスト画像レンダラ146は、テキスト画像指定情報により指定されたテキスト画像を、テキスト表示設定情報により設定された表示スタイルや表示レイアウトを含めた表示態様で表示するための画像変換処理などを実行してもよい。
【0124】
VRAM147は、画像データを一時記憶して、VDP123Aによる画像データ処理のワークエリアを提供する。VRAM147には、例えばパレットデータが配置されるパレット領域、キャラクタ画像データが格納されるキャラクタ用バッファ、テキスト画像データが格納されるテキスト用バッファ、CG用バッファなどの各領域を提供できればよい。CG用バッファは、VDP123Aによる描画処理が実行されるときにキャラクタやテキストの表示色が定義されたパレットデータを一時的に保存したり、描画処理により作成される演出画像の表示データを一時的に保存したりするために用いられる。表示駆動回路148は、画像表示装置5の画面上に各種画像を表示させる信号を出力するための回路である。表示駆動回路148は、VDP123Aにおいて作成された表示データに応じた色信号(階調制御信号)とともに、所定のクロック信号(ドットクロック信号)や走査信号(駆動制御信号)を画像表示装置5に出力すればよい。
【0125】
VRAM147の内部、または内部RAM122AといったVRAM147とは別個のメモリモジュールには、フレームバッファが設けられてもよい。フレームバッファは、VDP123Aによる描画処理で作成される演出画像の表示データなどが展開記憶される仮想表示領域を提供する。フレームバッファに記憶される表示データは、例えばポイント、ライン、ポリゴンといった、ベクター形式の画像データ(ベクターデータ、ベクトルデータ)などに基づいて、VDP123Aが作成したビットマップ形式の画像データ(ピクセルデータ、ラスターデータ)などであればよい。なお、フレームバッファには、例えば画像表示装置5の画面上に表示される各種画像の表示データを記憶する実表示領域と、画像表示装置5の画面上には表示されない各種画像の表示データを記憶する仮想表示領域とが含まれていてもよい。あるいは、フレームバッファの仮想表示領域にて画像表示装置5の表示画面と同じ大きさの画面表示を行うための表示データが作成され、仮想表示領域の表示データが表示駆動回路148へと供給されることで、画像表示装置5の側に出力されるようにしてもよい。
【0126】
例えばフレームバッファの記憶領域には、画像表示領域と、画像描画領域とが割り当てられる。画像表示領域には、画像表示装置5の画面上に演出画像を表示させるための表示データが格納される。画像描画領域には、描画処理により作成された各演出画像の表示データが格納される。画像表示領域と画像描画領域は、Vブランクが発生するごとに互いに切り替わるようにしてもよい。Vブランクは、画像表示装置5の画面上に表示される画像を更新する周期で発生する。Vブランクが開始されるごとに、VDP123AからCPU120Aに対してVブランク割込信号が出力されるとともに、各種割込信号が、VDP123AからCPU120Aに対して出力されてもよい。Vブランクが発生するごとに画像表示領域と画像描画領域とを切り替えることで、あるVブランク周期(第1描画表示期間)において画像描画領域として割り当てられた記憶領域では各演出画像の表示データを作成する描画処理が行われるとともに、次のVブランク周期(第2描画表示期間)おいては、この記憶領域が画像表示領域に切り替わる。したがって、第1描画表示期間における描画処理で作成された表示データは、第2描画表示期間にて画像表示装置5に向けて出力され、また、第2描画表示期間にて画像描画領域が割り当てられた記憶領域では、描画処理で作成された表示データの格納が行われる。
【0127】
音声処理回路131は、CPU120AやVDP123Aからの命令やレジスタ設定に基づいて、スピーカ8L、8Rを用いた音声出力を可能にする音声信号を生成する。音声処理回路131は、音声デコーダ151を含んでいる。音声処理回路131の音声デコーダ151には、VDP123Aのデマルチプレクサ142から出力された音声データが供給される。音声デコーダ151は、圧縮符号化された音声データを伸張復号化して、音声信号を生成する。また、音声処理回路131は、動画像データに含まれない音声データを予め記憶可能な音声データメモリを含んでいてもよい。音声データメモリは、例えば演出データメモリ163や内部ROM121Aあるいは外部ROM121Bなどに含まれることで、音声処理回路131の外部に設けられてもよい。音声処理回路131は、CPU120AやVDP123Aからの命令やレジスタ設定に基づいて、音声データメモリから読み出した音声データを伸張復号化するなどして、音声信号を生成してもよい。
【0128】
ランプ制御回路132は、遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった発光部材の点灯、消灯、点滅などの点灯態様を制御する。点灯態様は発光態様ともいう。ランプ制御回路132は、CPU120AやVDP123Aからのコマンドやレジスタ設定に応じて、ランプ駆動データを伸長復号化するなどして、ランプ制御基板14やランプドライバ基板に出力可能であればよい。また、ランプ制御回路132は、伸長復号化したランプ駆動データを用いて、各種の発光部材による発光態様を直接に制御可能であってもよい。例えば、ランプ制御回路132は、プッシュボタンLEDによる発光部AKL1と、装飾ボタンLEDによる発光部AKL2と、枠部LEDによる発光部AKL3と、に対する発光態様の制御を行う発光制御手段に含まれる。プッシュボタンLEDは、プッシュボタン31Bに内蔵され、プッシュボタン31Bの表面部を所定の発光色で発光可能にする。装飾ボタンLEDは、装飾ボタン31Cに内蔵され、装飾ボタン31Cの表面部を所定の発光色で発光可能にする。枠部LEDは、遊技機用枠3の所定位置に内蔵され、遊技機用枠3の表面部を所定の発光色で発光可能にする。ランプ制御回路132は、発光部AKL1~AKL3に対応して、それぞれに異なる発光タイミングや発光色などを、発光パターンにより発光制御できればよい。
【0129】
モータ制御回路133は、可動体モータ32Aに対し、回転、停止、回転速度、回転角度(位相)などの作動状態を制御する。可動体モータ32Aは、所定のリンク機構を介して、可動体32に連結されていればよい。可動体モータ32Aは、可動体32に動力を伝達することにより、可動体32を、第1位置である退避位置と第2位置である進出位置との間で移動可能にする。モータ制御回路133は、CPU120AやVDP123Aからのコマンドやレジスタ設定に応じて、モータ制御データを生成し、可動体モータ32Aを制御可能であればよい。モータ制御回路133は、可動体モータ32Aにより可動体32を制御可能な可動体制御手段に含まれる。
【0130】
外部ROM121Bは、内部ROM121Aとともに、演出制御用のコンピュータプログラムや固定データなどを記憶可能である。外部RAM122Bは、内部RAM122Aとともに、演出制御用マイクロプロセッサ100AのCPU120Aにワークエリアを提供可能である。外部ROM121Bは、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のテーブルデータなどが格納されてもよい。例えば、外部ROM121Bは、テーブルデータ、パターンデータなどを記憶可能である。外部ROM121Bが記憶するテーブルデータは、演出制御用マイクロプロセッサ100AのCPU120Aが各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成する。外部ROM121Bが記憶するパターンデータは、各種の演出制御パターンを構成する。
【0131】
演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データや終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御実行データは、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データ、操作検出制御データ、これらの一部または全部の組合せなどを含んでいればよい。演出制御パターンや演出制御実行データの一部または全部は、ディスプレイリストとして構成されていてもよい。ディスプレイリストは、VDP123Aに実行させる一連の転送命令などを、画像処理の順番などにあわせて記述した命令群のデータである。ディスプレイリストには、表示制御用の命令群、音声制御用の命令群、ランプ制御用の命令群、モータ制御用の命令群が、混在して含まれていてもよい。このようなディスプレイリストを用いて演出の進行を制御することにより、演出用の電気部品を連携して制御できればよい。
【0132】
入力回路161は、演出制御基板12の外部から各種信号を入力可能にする。入力回路161は、例えばバッファ回路などを含んでいればよい。入力回路161のバッファ回路は、中継基板15を介して主基板11から伝送された演出制御コマンドを受信するために用いられる。メモリコントローラ162は、演出制御用マイクロプロセッサ100Aから供給される要求信号に応じて、演出データメモリ163の記憶データに対する読出処理や書込処理による記憶制御を可能にする。演出データメモリ163は、例えば画像表示装置5における表示画像を示す各種の画像データといった、演出装置を用いた演出の実行に使用可能な演出データを予め記憶している。ウォッチドッグタイマ164は、CPU120Aによるプログラムの実行が暴走状態となった場合に、CPU120Aを強制的にリセットして、演出制御用マイクロプロセッサ100Aを再起動可能にする。
【0133】
演出データメモリ163が記憶する画像データは、動画像データと、静止画像データと、を含んでもよい。静止画像データとして、例えば画像表示装置5の画面上において可変表示される複数種類の演出図柄といった、複数種類の演出画像に対応した複数種類の画像要素データとなるスプライト画像データが用意されていればよい。これらのスプライト画像データは、キャラクタ画像データとして使用可能である。演出図柄に対応する演出画像は、キャラクタ画像に含まれてもよい。その他、画像表示装置5の画面上に表示される任意のキャラクタ画像、具体的には、人物、図形、記号などを示す演出画像、および背景画像の画像データが、予め演出データメモリ163に記憶されていればよい。静止画像データとして、例えば画像表示装置5の画面上において文字を表示可能にするテキスト画像データが用意されてもよい。静止画像データは、二次元平面に対応する静止画像を生成可能な平面静止画像データと、仮想三次元空間に対応する静止画像である立体画像を生成可能な立体画像データと、を含んでもよい。
【0134】
画像データの他にも、演出データメモリ163は、スピーカ8L、8Rによる音声出力に用いられる音声データの一部または全部を記憶可能であってもよい。演出データメモリ163は、遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった発光部材に対する点灯駆動に用いられるランプ駆動データの一部または全部を記憶可能であってもよい。演出データメモリ163は、可動体32を動作させる可動体モータ32Aの回転駆動に用いられるモータ駆動データの一部または全部を可能であってもよい。演出データメモリ163は、例えばNAND型フラッシュメモリといった、電気的に消去や書込あるいは書換などが可能な不揮発性の半導体メモリを含んで構成されてもよい。ただし、不揮発性の半導体メモリであっても、パチンコ遊技機1における演出の進行が制御される通常使用の状態であるときには、読出専用の記憶装置として使用される。
【0135】
図10-4は、特徴部01AKに関して、画像表示装置5における画面表示の構成例01AKP0を示している。構成例01AKP0において、画像表示装置5の表示画面は、遊技の進行に関する特別情報表示が可能なインターフェース表示エリアとして、小図柄表示エリア01AKC1と、変動関連表示エリア01AKC2と、を含んでいる。変動関連表示エリア01AKC2は、アクティブ表示エリア01AKA1と、第1保留表示エリア01AKB1と、第2保留表示エリア01AKB2と、を含んでいる。
【0136】
小図柄表示エリア01AKC1は、特別図柄や演出図柄の縮小した表示態様である小図柄を用いて、可変表示を実行可能な表示エリアである。変動関連表示エリア01AKC2のアクティブ表示エリア01AKA1は、実行中の可変表示に対応した画像表示によるアクティブ表示を実行可能である。変動関連表示エリア01AKC2の第1保留表示エリア01AKB1は、第1保留記憶数に対応して、未だ開始されていない可変表示に対応した画像表示による保留表示を実行可能である。変動関連表示エリア01AKC2の第2保留表示エリア01AKB2は、第2保留記憶数に対応して、未だ開始されていない可変表示に対応した画像表示による保留表示を実行可能である。アクティブ表示エリア01AKA1、第1保留表示エリア01AKB1、第2保留表示エリア01AKB2では、可変表示に関する情報に基づいて特定表示となるアクティブ表示や保留表示が可能である。第1保留表示エリア01AKB1における保留表示は「第1保留表示」とも称され、第2保留表示エリア01AKB2における保留表示は「第2保留表示」とも称される。
【0137】
小図柄表示エリア01AKC1は、例えば画像表示装置5の表示画面における右側下端部といった所定位置に、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rよりも小さい表示エリアとして配置される。小図柄表示エリア01AKC1における小図柄の可変表示は、特別図柄や演出図柄の可変表示に対応して実行可能である。小図柄を示す画像表示は、演出図柄を示す画像表示である識別情報表示よりも縮小され、演出図柄を示す識別情報画像のそれぞれと一部または全部が共通する表示態様で、可変表示を実行可能な縮小識別情報表示となる。例えば小図柄を示す画像表示は、演出図柄に含まれる数字を示す部位と同様の図柄番号に対応した数字を示す画像表示である一方で、演出図柄に含まれるキャラクタを示す部位を含まないことにより、演出図柄を示す画像表示よりも簡素な表示態様であってもよい。画像表示装置5の表示画面に配置された小図柄表示エリア01AKC1は、縮小識別情報となる小図柄の可変表示を実行可能であり、表示結果となる確定小図柄が導出される。小図柄を示す画像表示は、常時視認可能な位置に配置されるとよい。
【0138】
第1保留表示エリア01AKB1は、例えば右端から順に保留番号の「1」、「2」、「3」、「4」と対応付けられた保留表示が可能であり、右詰めで第1保留表示が行われるように表示領域が構成されていればよい。第2保留表示エリア01AKB2は、例えば左端から順に保留番号の「1」、「2」、「3」、「4」と対応付けられた保留表示が可能であり、左詰めで第2保留表示が行われるように表示領域が構成されていればよい。アクティブ表示エリア01AKA1では、第1特図ゲームの開始により第1保留表示エリア01AKB1にて消去(消化)された第1保留表示に対応するアクティブ表示が開始され、第2特図ゲームの開始により第2保留表示エリア01AKB2にて消去(消化)された第2保留表示に対応するアクティブ表示が開始される。アクティブ表示エリア01AKA1にて表示可能なアクティブ表示は、第1保留表示や第2保留表示と色彩や模様が共通するものであればよく、例えばアクティブ表示は第1保留表示や第2保留表示と共通の演出画像が各保留表示よりも大きく表示されるものであってもよい。アクティブ表示の表示態様は、アクティブ表示変化演出が実行されることにより、第1保留表示や第2保留表示のときとは異なる表示態様に変化する場合があってもよい。また、アクティブ表示エリア01AKA1では、例えばアクティブ表示の下方に台座を示す演出画像が表示されることにより、アクティブ表示を第1保留表示や第2保留表示とは区別して認識可能にしてもよい。
【0139】
小図柄表示エリア01AKC1における小図柄は、特別図柄や演出図柄の可変表示に対応して可変表示を実行可能である点で、可変表示に関する特別情報に含められる。第1保留表示エリア01AKB1や第2保留表示エリア01AKB2における保留表示は、未だ実行されていない可変表示に対応して表示可能である点で、可変表示に関する特別情報の表示に含められる。アクティブ表示エリア01AKA1におけるアクティブ表示は、実行中の可変表示に対応して表示可能である点で、可変表示に関する特別情報の表示に含められる。このように、小図柄表示エリア01AKC1と、変動関連表示エリア01AKC2に含まれるアクティブ表示エリア01AKA1および第1保留表示エリア01AKB1および第2保留表示エリア01AKB2と、はいずれも可変表示に関する特別情報を表示可能である。
【0140】
図10-5は、エフェクト用描画コマンドの構成例を示している。この実施例では、複数のエフェクト用描画コマンドとして、コマンド01AKG01~01AKG06が予め用意されている。コマンド01AKG01は、バイリニアサンプリングによるぼかし用のカラーブレンドが命令される描画コマンドである。コマンド01AKG02は、色情報を反転させるカラーブレンドが命令される描画コマンドである。コマンド01AKG03は、倍率変更によるぼかし用のカラーブレンドが命令される描画コマンドである。コマンド01AKG04は、モノクロ変換させるカラーブレンドが命令される描画コマンドである。コマンド01AKG05は、回転によるぼかし用のカラーブレンドが命令される描画コマンドである。コマンド01AKG06は、画像位置のオフセット量を変更することが命令される描画コマンドである。
【0141】
エフェクト用描画コマンドは、1の描画コマンドとして用意されたものであってもよいし、ディスプレイリストとして用意されたものであってもよい。ディスプレイリストは、描画制御を行うコマンド群であり、VDP123Aに対する複数のコマンドを組み合わせたコマンド列として、CPU120Aにより作成可能である。VDP123Aでは、ディスプレイリストの記述順に描画処理を実行可能である。エフェクト用描画コマンドは、複数種類の画素間演算設定を行うコマンド群の組合せにより構成されてもよい。例えばカラーブレンドが命令される描画コマンドにおいて、適用するエフェクトに応じたパラメータを設定することにより、それぞれのエフェクト用描画コマンドとして機能できるものであってもよい。例えばVDP123Aの内部レジスタには、ディスプレイリストに含まれる演算対象を指定する制御データやパラメータを指定する数値データ、その他のレジスタ値が格納され、実行コマンドに応じたレジスタ値が格納されることにより、ディスプレイリストに従った描画が開始される。
【0142】
コマンド01AKG01に対応して、バイリニアサンプリングによるぼかし用のカラーブレンドを実行する場合には、例えば画像データに対するバイリニア補間方式のテクスチャマッピングにより縮小画像を生成する。この縮小画像を生成するときには、サンプリング点グループが異なる複数の縮小画像を生成してもよい。こうして生成された複数の縮小画像を用いて、例えばアルファブレンディングといった、カラーブレンドによる合成処理を実行することで、合成された縮小画像を生成する。その後、合成された縮小画像の拡大処理を実行することで、ぼかし処理が施された画像となるように、画像データに含まれる色情報を変更して生成された画像を描画することができる。
【0143】
コマンド01AKG02に対応して、色情報を反転させるカラーブレンドを実行する場合には、例えば画像データにて示される各画素(1ピクセル)の色情報であるRGB値について、最大値(例えば255)との差分演算処理を実行する。例えば「赤」に対応するR値が「80」である場合には、255-80=175が得られることで、色情報を反転させることができる。「緑」に対応するG値、「青」に対応するB値についても、同様の差分演算処理を実行することで、色情報を反転させた画像となるように、画像データに含まれる色情報を変更して生成された画像を描画することができる。
【0144】
コマンド01AKG03に対応して、倍率変更によるぼかし用のカラーブレンドを実行する場合には、例えば画像データに対するスケーリング処理により複数の拡大画像または縮小画像を生成する。このときには、画像の拡大率や縮小率といった倍率が異なる複数の拡大画像または縮小画像を生成する。例えば表示倍率100%の画像に対し、表示倍率102%の画像、表示倍率104%の画像といった、2種類の拡大画像を生成する。こうして生成された複数の拡大画像または縮小画像と、オリジナルの画像データに対応する画像(原画像)とを用いて、例えばアルファブレンディングといった、カラーブレンドによる合成処理を実行することで、ぼかし処理が施された画像となるように、画像データに含まれる色情報を変更して生成された画像を描画することができる。
【0145】
コマンド01AKG04に対応して、モノクロ変換させるカラーブレンドを実行する場合には、例えば画像データにて示される各画素(1ピクセル)の色情報であるRGB値について、画素ごとにモノクロ変換演算処理を実行する。モノクロ変換演算処理では、色調変換用の演算式にRGB値を代入することで、画像がモノクロ化するように色情報を変更することができる。このように、モノクロ変換演算処理を実行することで、モノクロ変換が施された画像となるように、画像データに含まれる色情報を変更して生成された画像を描画することができる。
【0146】
コマンド01AKG05に対応して、回転によるぼかし用のカラーブレンドを実行する場合には、例えば画像データに対する回転演算処理により複数の回転画像を生成する。このときには、画像の回転角度が異なる複数の回転画像を生成する。例えば回転角度0°の画像に対し、回転角度2°の画像、回転角度4°の画像といった、2種類の回転画像を生成する。こうして生成された複数の回転画像と、オリジナルの画像データに対応する画像(原画像)とを用いて、例えばアルファブレンディングといった、カラーブレンドによる合成処理を実行することで、ぼかし処理が施された画像となるように、画像データに含まれる色情報を変更して生成された画像を描画することができる。
【0147】
コマンド01AKG06に対応して、画像位置のオフセット量を変更する場合には、例えば画像データに対する座標値変換処理により画像の位置情報を変更する。座標値変換処理は、パラメータとして設定されたオフセット量に応じて、例えばUV座標値といった、画像を描画する場合の位置情報が変更する。UV座標値は、テクスチャをオブジェクトにマッピングする場合のテクスチャ座標属性値として与えられる。座標値変換処理を実行することで、テクスチャの配置が異なる画像となるように、画像データに対応する位置情報を変更して生成された画像を描画することができる。
【0148】
このように、エフェクト用描画コマンドは、コマンド01AKG01~01AKG05のように、画像データに含まれる色情報を変更して生成された画像を描画可能にするコマンドを含んでいてもよい。また、エフェクト用描画コマンドは、コマンド01AKG06のように、画像データに対応する位置情報を変更して生成された画像を描画可能にするコマンドを含んでいてもよい。その他、エフェクト用描画コマンドは、画像データに関する任意の属性情報を変更して生成された画像を描画可能にするコマンドを含んでいてもよい。これらのエフェクト用描画コマンドとは異なり、CPU120Aは、通常表示用描画コマンドも生成可能である。通常表示用描画コマンドは、カラーブレンドによる合成処理などを実行しないことで、画像データに含まれる色情報などを変更せずに、画像データに対応する画像を描画する処理を実行させる。
【0149】
図10-6は、画像表示装置5の画面上に表示可能な各種の演出画像を含む画面表示の構成例を示している。画像表示装置5に表示される複数の演出画像は、複数の表示レイヤに分けて描画される。複数の表示レイヤは、画像表示を行う表示層として、予め異なる表示優先度が設定されている。
図10-6に示す構成例では、複数の表示レイヤとして、レイヤ01AKL1~01AKL5が設けられている。レイヤ01AKL1は、表示優先度が最も高い表示レイヤであり、小図柄表示エリア01AKC1における小図柄を示す画像表示などの描画に用いられる。レイヤ01AKL2は、表示優先度がレイヤ01AKL1の次に高い表示レイヤであり、変動関連表示エリア01AKC2におけるアクティブ表示や保留表示となる画像表示などの描画に用いられる。レイヤ01AKL3は、表示優先度がレイヤ01AKL2の次に高い表示レイヤであり、促進演出を含めた操作演出における画像表示などの描画に用いられる。レイヤ01AKL4は、表示優先度がレイヤ01AKL3の次に高い表示レイヤであり、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける演出図柄を示す画像表示などの描画に用いられる。レイヤ01AKL5は、表示優先度が最も低い表示レイヤであり、背景表示となる画像表示などの描画に用いられる。
【0150】
画像表示の描画に用いられる表示レイヤは、例えばディスプレイリストに含まれる表示優先度情報などにより指定される。ディスプレイリストでは、レイヤ01AKL5が最初の描画対象に指定され、その後、レイヤ01AKL4、01AKL3、01AKL2、01AKL1の順に、各表示レイヤが描画対象に指定されてもよい。また、例えば各レイヤ01AKL1~01AKL5の描画に用いられる画像データは、それぞれに対応する画像を重畳して描画するときに用いられる奥行き値となるZ値が設定されてもよい。Z値設定テーブルによるZ値の設定により、各レイヤ01AKL1~01AKL5の描画に用いられる画像データが指定するZ値は、描画先のレイヤに応じて異なる値となればよい。例えばZ値として小さい値が割り当てられた表示レイヤは、Z値として大きい値が割り当てられた表示レイヤよりも、Z軸方向の手前側となる前方側に配置され、画像の表示優先度が高くなるようにすればよい。
【0151】
VDP123Aは、演出データメモリ163などから読み出した画像データをVRAM147などに設けられたフレームバッファに書き込むときに、Z値の比較演算を行うことで、表示優先度の判定を行えばよい。例えばZ値が小さい値である画像データは、Z値が大きい値である画像データよりも優先してフレームバッファに書き込まれる。この場合に、Z値として小さい値が割り当てられた表示レイヤに対応する画像表示は、Z値として大きい値が割り当てられた表示レイヤに対応する画像表示よりも表示優先度が高くなり、遊技者からみて手前側となる前方側に配置することができる。その逆に、Z値として大きい値が割り当てられた表示レイヤに対応する画像表示は、Z値として小さい値が割り当てられた表示レイヤに対応する画像表示よりも表示優先度が低くなり、遊技者からみて奥側となる後方側に配置することができる。なお、Z値と表示優先度との関係は、反対の関係であってもよく、Z値として大きい値が割り当てられた表示レイヤは、Z値として小さい値が割り当てられた表示レイヤよりも、Z軸方向の手前側となる前方側に配置され、画像の表示優先度が高くなるようにしてもよい。
【0152】
複数の表示レイヤに含まれるレイヤ01AKL1~01AKL5に対応した画像データの描画処理を実行して、複数の表示要素を含んだ画像表示01AKM1を実行可能にする。画像表示01AKM1は、表示優先度が異なる複数の表示レイヤとして、レイヤ01AKL1~01AKL5に描画される画像を重畳可能に合成した後、画像表示装置5の画面上にて実行可能となる。レイヤ01AKL1~01AKL5のうち、レイヤ01AKL1、01AKL2は特別レイヤとなってもよく、レイヤ01AKL3~01AKL5は特定レイヤとなってもよい。特定レイヤに含まれるレイヤ01AKL3~01AKL5と、特別レイヤに含まれるレイヤ01AKL1、01AKL2とで、異なる描画処理を実行して、画像データに対応した画像表示を実行する場合があってもよい。特定レイヤに含まれるレイヤ01AKL3~01AKL5と、特別レイヤに含まれるレイヤ01AKL1、01AKL2とで、共通の描画処理を実行して、画像データに対応した画像表示を実行する場合があってもよい。
【0153】
図10-7は、特徴部01AKに関する変動パターンの構成例を示している。これらの変動パターンは、特図変動時間や演出図柄の可変表示態様が異なる。特徴部01AKに関する複数の変動パターンには、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「大当り」のいずれかに対応した変動パターンが含まれている。「非リーチ(ハズレ)」に対応した変動パターンは非リーチ変動パターンであり、特別図柄の表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、リーチ態様とならずに非リーチ組合せの確定演出図柄が停止表示される場合に用いられる。「リーチ(ハズレ)」に対応した変動パターンはリーチ変動パターンであり、特別図柄の表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、リーチ態様となりリーチ組合せの確定演出図柄が停止表示される場合に用いられる。「大当り」に対応した変動パターンは大当り変動パターンであり、特別図柄の表示結果が「大当り」となる場合に用いられる。非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、あわせてハズレ変動パターンともいう。リーチ変動パターンや大当り変動パターンには、ノーマルリーチとなるリーチ演出を実行した後に可変表示の表示結果が停止表示される「ノーマル」の変動パターンと、ノーマルリーチとなるリーチ演出を実行した後にスーパーリーチとなるリーチ演出に発展し、スーパーリーチとなるリーチ演出を実行してから可変表示の表示結果が停止表示される「スーパー」の変動パターンとが含まれている。スーパーリーチとなるリーチ演出には、互いに演出態様が異なるスーパーAとスーパーBのリーチ演出がある。
【0154】
図10-8は、変動パターンの決定例を示している。変動パターンの決定例は、
図10-8(A)に示す大当り変動パターン決定例01AKD01と、
図10-8(B1)に示す通常時のハズレ変動パターン決定例01AKD02と、
図10-8(B2)に示す時短中のハズレ変動パターン決定例01AKD03とを含んでいる。大当り変動パターン決定例01AKD01は、特別図柄の表示結果が「大当り」となる場合に対応している。通常時のハズレ変動パターン決定例01AKD02は、時短制御が行われない通常状態にて、特別図柄の表示結果が「ハズレ」となる場合に対応している。時短中のハズレ変動パターン決定例01AKD03は、時短制御が行われる時短状態にて、特別図柄の表示結果が「ハズレ」となる場合に対応している。特別図柄プロセス処理P_TPROCのステップS112にて特別図柄プロセスコードが00[H]の場合に実行される特別図柄通常処理P_TNORMALは、特図ゲームの開始に伴い判定された特図表示結果が、「大当り」である場合、あるいは時短制御が行われない通常時に「ハズレ」である場合、時短制御が行われる時短中に「ハズレ」である場合、それぞれに対応して選択された変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時やハズレ時の変動パターンを決定可能にする。変動パターンを決定するときに、変動パターン種別選択用の乱数MR3-3と、変動パターン用の乱数MR3-4とが、第1特別図柄保留バッファまたは第2特別図柄保留バッファから読み出される。遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、変動パターン種別選択用の乱数MR3-3を用いて、変動パターン種別の選択を行う。次に、変動パターン用の乱数MR3-4を、変動パターン種別の選択結果に対応する変動パターン決定テーブルにおいて予め設定されている振り分け判定値と比較する。そして、変動パターン用の乱数MR3-4を超える振り分け判定値に対応した変動パターンが、使用パターンとして決定される。
【0155】
大当り変動パターン決定例01AKD01において、変動パターンPA3-2、PA3-3といった、「スーパー」の変動パターンに対応する決定割合は、変動パターンPA3-1といった、「ノーマル」の変動パターンに対応する決定割合よりも、高くなるように変動パターン決定テーブルの振り分け判定値が設定される。通常時のハズレ変動パターン決定例01AKD02や時短中のハズレ変動パターン決定例01AKD03において、変動パターンPA2-1といった、「ノーマル」の変動パターンに対応する決定割合は、変動パターンPA2-2、PA2-3といった、「スーパー」の変動パターンに対応する決定割合よりも、高くなるように変動パターン決定テーブルの振り分け判定値が設定される。これにより、スーパーリーチとなるリーチ演出が実行されてから可変表示の表示結果が停止表示されるときには、ノーマルリーチとなるリーチ演出が実行されてもスーパーリーチとなるリーチ演出が実行されずに可変表示の表示結果が停止表示されるときよりも、大当り期待度が高くなる。
【0156】
通常時のハズレ変動パターン決定例01AKD02では、第1保留記憶数が0、1、または2以上のうちで、いずれの値であるかに応じて、決定割合が異なる変動パターンを含むように設定されてもよい。このような設定により、第1保留記憶数に対応して、特別図柄や演出図柄の平均的な可変表示時間(特図変動時間)を異ならせることができればよい。第1保留記憶数が所定値(例えば2)以上であるときに、第1保留記憶数が所定値未満であるときよりも、平均的な可変表示時間を短くすることができるように、各変動パターンの決定割合に対応した振り分け判定値が設定されていればよい。時短中のハズレ変動パターン決定例01AKD03では、第2保留記憶数が0、1、または2以上のうちで、いずれの値であるかに応じて、決定割合が異なる変動パターンを含むように設定されてもよい。このような設定により、第2保留記憶数に対応して、特別図柄や演出図柄の平均的な可変表示時間(特図変動時間)を異ならせることができればよい。第2保留記憶数が所定値(例えば2)以上であるときに、第2保留記憶数が所定値未満であるときよりも、平均的な可変表示時間を短くすることができるように、各変動パターンの決定割合に対応した振り分け判定値が設定されていればよい。時短中のハズレ変動パターン決定例01AKD03では、通常時のハズレ変動パターン決定例01AKD02と比較して、特図変動時間が長い変動パターンよりも特図変動時間が短い変動パターンの決定割合が高くなるように、各変動パターンの振り分け判定値が設定されていればよい。これにより、時短制御が行われる時短中であるときに、時短制御が行われない通常時よりも、特別図柄や演出図柄の平均的な可変表示時間を短縮することができればよい。
【0157】
図10-9は、演出図柄変動開始処理として、演出制御プロセス処理S_CPROCのステップS115にて演出制御プロセスコードが01[H]である場合に実行可能な処理の一例を示すフローチャートである。演出制御用マイクロプロセッサ100AのCPU120Aは、演出図柄変動開始処理を実行した場合に、演出図柄の可変表示における最終停止図柄等を決定する(ステップ01AKS01)。演出図柄の可変表示における最終停止図柄は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、可変表示内容に基づいて決定可能であればよい。変動パターン指定コマンドや表示結果通知コマンドは、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。変動パターン指定コマンドは、使用パターンとして決定された変動パターンを指定する演出制御コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、特別図柄判定用の乱数MR1-1を用いて判定された特別図柄の表示結果である可変表示結果を指定する演出制御コマンドである。一例として、変動パターンや可変表示結果の組合せに応じた可変表示内容は、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「非確変(大当り)」、「確変(大当り)」を含んでいればよい。
【0158】
「非リーチ(ハズレ)」の可変表示内容は、特別図柄の表示結果が「ハズレ」である場合に、演出図柄の可変表示がリーチ態様にはならずに、非リーチ組合せの確定演出図柄が停止表示される。「リーチ(ハズレ)」の可変表示内容は、特別図柄の表示結果が「ハズレ」である場合に、演出図柄の可変表示がリーチ態様となった後に、リーチハズレ組合せの確定演出図柄が停止表示される。「非確変(大当り)」の可変表示内容は、特別図柄の表示結果が「大当り」である場合のうち、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が時短状態となる場合に対応した可変表示を実行可能である。「確変(大当り)」の可変表示内容は、特別図柄の表示結果が「大当り」である場合のうち、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態となる場合に対応した可変表示を実行可能である。
【0159】
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合に、CPU120Aは、「左」および「右」の演出図柄表示エリア5L、5Rにて異なる(不一致の)演出図柄を最終停止図柄に決定する。CPU120Aは、演出用ランダムカウンタなどにより更新される左確定図柄決定用の乱数となる数値データを抽出し、外部ROM121Bに予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定演出図柄のうち画像表示装置5の画面上における「左」の演出図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定演出図柄を決定する。次に、演出用ランダムカウンタなどにより更新される右確定図柄決定用の乱数となる数値データを抽出し、外部ROM121Bに予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定演出図柄のうち画像表示装置5の画面上における「右」の演出図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定演出図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定演出図柄の図柄番号が左確定演出図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、演出用ランダムカウンタなどにより更新される中確定図柄決定用の乱数となる数値データを抽出し、外部ROM121Bに予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定演出図柄のうち画像表示装置5の画面上における「中」の演出図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定演出図柄を決定する。
【0160】
可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」である場合に、CPU120Aは、「左」および「右」の演出図柄表示エリア5L、5Rにて同一の(一致する)演出図柄を最終停止図柄に決定する。CPU120Aは、演出用ランダムカウンタなどにより更新される左右確定図柄決定用の乱数となる数値データを抽出し、外部ROM121Bに予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定演出図柄のうち画像表示装置5の画面上における「左」と「右」の演出図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の演出図柄を決定する。次に、演出用ランダムカウンタなどにより更新される中確定図柄決定用の乱数となる数値データを抽出し、外部ROM121Bに予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定演出図柄のうち画像表示装置5の画面上における「中」の演出図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定演出図柄を決定する。ここで、例えば中確定演出図柄の図柄番号が左確定演出図柄および右確定演出図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定演出図柄が大当り組合せとなってしまう場合に、任意の値(例えば1)を中確定演出図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定演出図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定演出図柄を決定するときには、左確定演出図柄および右確定演出図柄の図柄番号との差分である図柄差を決定し、その図柄差に対応する中確定演出図柄を設定してもよい。
【0161】
可変表示内容が「非確変(大当り)」や「確変(大当り)」である場合に、CPU120Aは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の(一致する)演出図柄を最終停止図柄に決定する。CPU120Aは、演出用ランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数となる数値データを抽出し、外部ROM121Bに予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の画面上における「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の演出図柄を決定する。このときには、可変表示内容が「非確変(大当り)」と「確変(大当り)」のいずれであるかや、大当り中昇格演出が実行されるか否かなどに対応して、通常図柄と確変図柄のいずれを確定演出図柄とするかが決定されればよい。大当り中昇格演出は、演出図柄の可変表示において通常図柄による大当り組合せの確定演出図柄が停止表示され、その後に大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了に対応して、確変状態となるか否かを報知する演出である。一例として、可変表示内容が「非確変(大当り)」である場合に、複数種類の通常図柄のうちから、確定演出図柄となるものを決定する。また、可変表示内容が「確変(大当り)」で大当り中昇格演出を実行しないと決定されたときに、複数種類の確変図柄のうちから、確定演出図柄となるものを決定する。可変表示内容が「確変(大当り)」であっても大当り中昇格演出を実行すると決定されたときに、複数種類の通常図柄のうちから、確定演出図柄となるものを決定する。これにより、確定演出図柄として確変図柄が揃って導出表示されたにもかかわらず、大当り中昇格演出が実行されてしまうことを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすればよい。
【0162】
可変表示内容が「非確変(大当り)」または「確変(大当り)」である場合に、ステップ01AKS01において、再抽選演出や大当り中昇格演出といった確変昇格演出を実行するか否かの決定が行われてもよい。再抽選演出では、演出図柄の可変表示を実行中に同一の通常図柄による大当り組合せの演出図柄が一旦表示されることによって、確変状態に制御されることを一旦は認識困難または認識不能とし、演出図柄を再び可変表示させる再変動に対応して同一の確変図柄による大当り組合せの演出図柄が停止表示されることによって、確変状態に制御されることを遊技者が認識可能に報知できる。なお、再抽選演出にて演出図柄を再変動させた後に通常図柄による大当り組合せの演出図柄が停止表示されることにより、確変状態に制御されることを報知しない場合もある。ステップ01AKS01にて再抽選演出を実行すると決定された場合に、再抽選演出の実行前に仮停止表示する演出図柄の組合せなどを決定すればよい。
【0163】
ステップ01AKS01により演出図柄の最終停止図柄などを決定した後に、演出決定処理が実行される(ステップ01AKS02)。演出決定処理は、操作演出を実行するか否かに対応した操作演出の有無や、操作演出を実行する場合の演出パターンなど、操作演出に関する決定が可能であればよい。操作演出は、プッシュボタン31Bや装飾ボタン31Cに対応した遊技者の動作を促す促進演出などの操作前演出と、遊技者の動作を検出した結果に対応して実行可能な操作後演出と、が含まれる。演出決定処理は、操作演出を実行する場合に、操作前演出を実行するための操作前演出パターンと、操作後演出を実行するための操作後演出パターンと、を決定可能にする。
【0164】
ステップ01AKS02の演出決定処理に続いて、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップ01AKS03)。CPU120Aは、例えば変動パターン指定コマンドで示された変動パターンなどに対応して、複数用意された演出制御パターンのうち特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、CPU120Aは、例えばステップ01AKS02の演出決定処理による決定結果に対応して、複数用意された演出制御パターンのうち操作演出を実行するために用いられる操作前演出制御パターンや操作後演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットしてもよい。演出図柄の可変表示や促進演出に対応した演出制御パターンは、複数の演出制御パターンが個別に決定されてもよいし、演出図柄の可変表示や促進演出の実行設定の組合せに対応した単一の演出制御パターンが一括に決定されてもよい。
【0165】
演出制御パターンは、例えば、演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、モータ制御データ、終了コードなど、各種演出の実行を制御するために用いられる制御データを組み合わせたプロセスデータから構成されている。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御プロセスタイマの格納値である演出制御プロセスタイマ値と比較される値となり、各演出動作の実行時間である演出時間に対応した判定値が予め設定されている。演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、CPU120Aにおいて演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことなど、所定の制御内容や処理内容に対応して演出制御の切替タイミングを示すデータが設定されてもよい。
【0166】
表示制御データは、例えば演出図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の画面上における画像表示の表示態様を示すデータが含まれる。このように、表示制御データは、画像表示装置5の画面上における画像表示を指定するデータである。音声制御データは、例えば効果音などの出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれる。このように、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力内容を指定するデータである。ランプ制御データは、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった発光体の発光駆動態様を示すデータが含まれる。このように、ランプ制御データは、発光体の発光内容を指定するデータである。プッシュボタンLEDによる発光部AKL1と、装飾ボタンLEDによる発光部AKL2と、枠部LEDによる発光部AKL3といった、複数の発光部が設けられた場合に、ランプ制御データは、それぞれの発光部を発光制御するために用いられる発光パターンに対応した発光制御データを含んでいればよい。
【0167】
操作検出制御データは、例えばプッシュボタン31Bに対する押下操作、あるいは装飾ボタン31Cに対する押下操作、その他、スティックコントローラ31Aに対する操作といった、遊技者の動作を有効に検出する検出有効期間や、各々の動作を有効に検出した場合の演出内容を指定するデータなど、遊技者の動作検出に対応した演出態様を示すデータが含まれる。このように、操作検出制御データは、操作演出の制御内容を指定するデータである。モータ制御データは、例えば可動体モータ32Aといった演出用モータの駆動態様を示すデータが含まれる。このように、モータ制御データは、演出用モータの駆動制御内容を指定するデータである。演出制御パターンに含まれる制御データは、各演出内容に対応して、一部または全部のデータを含んで構成可能であればよい。演出制御パターンに含まれる複数種類のプロセスデータは、各タイミングで実行される演出内容に対応して、それぞれのプロセスデータを構成する制御データの種類が異なっていてもよい。表示制御データや音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、モータ制御データの全部を含んで構成されたプロセスデータと、これらの一部を含んで構成されたプロセスデータと、のいずれが演出制御パターンに含まれていてもよい。
【0168】
ステップ01AKS03により演出制御パターンが決定されると、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、内部RAM122Aの演出制御タイマ設定部などに設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップ01AKS04)。そして、画像表示装置5の画面上にて演出図柄などの変動表示を開始させるための設定を行う(ステップ01AKS05)。このときには、例えばステップ01AKS03により決定された特図変動時演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定するVDP123Aのコマンド伝送やレジスタ設定などにより、画像表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて演出図柄の変動を開始させればよい。
【0169】
ステップ01AKS05にて変動開始の設定を行った後に、可変表示の開始に対応して、第1保留表示エリア01AKB1における第1保留表示や第2保留表示エリア01AKB2における第2保留表示といった、保留表示などを更新するための設定を行う(ステップ01AKS06)。例えば、第1特図ゲームの実行が開始される場合に、第1保留表示エリア01AKB1において、保留番号が「1」に対応した右端の表示部位を消去して保留表示を消化するとともに、他の保留番号「2」~「4」に対応した表示部位における第1保留表示を1つずつ右方向に移動してシフトさせる。第2特図ゲームの実行が開始される場合に、第2保留表示エリア01AKB2において、保留番号が「1」に対応した左端の表示部位を消去して保留表示を消化するとともに、他の保留番号「2」~「4」に対応した表示部位における第2保留表示を1つずつ左方向に移動してシフトさせる。このように、保留表示のシフトが行われる。消去した保留表示に対応して、アクティブ表示エリア01AKA1におけるアクティブ表示を更新するための設定が行われる。アクティブ表示エリア87AKA1におけるアクティブ表示となる演出画像の表示は、可変表示の開始に伴い開始可能であればよい。その後、演出制御プロセスコードを演出図柄変動中処理に対応した02[H]に更新してから(ステップ01AKS07)、演出図柄変動開始処理を終了する。
【0170】
図10-10は、演出決定処理として、演出図柄変動開始処理のステップ01AKS02にて実行可能な処理の一例を示すフローチャートである。演出制御用マイクロプロセッサ100AのCPU120Aは、演出決定処理を実行した場合に、操作演出の決定として、操作演出の有無とタイミングを決定する(ステップ01AKS11)。操作演出の有無は、操作演出を実行しない場合に「操作演出なし」となり、操作演出を実行する場合に「操作演出あり」となる。「操作演出あり」の決定結果は、操作演出を実行するタイミングの決定結果を含む。こうしたステップ01AKS11の決定結果に対応して、「操作演出なし」であるか否かを判定する(ステップ01AKS12)。ステップ01AKS11による決定結果が「操作演出なし」の場合に(ステップ01AKS12;Yes)、演出決定処理を終了する。
【0171】
ステップ01AKS11による決定結果が「操作演出あり」の場合に(ステップ01AKS12;No)、操作後演出パターンを決定する(ステップ01AKS13)。次に、スーパーリーチとなるリーチ演出が実行されるか否かを判定する(ステップ01AKS14)。ステップ01AKS14では、変動パターン指定コマンドで示された変動パターンに対応して、スーパーリーチとなるリーチ演出の有無を判定可能であればよい。スーパーリーチとなるリーチ演出が実行されない場合に(ステップ01AKS14;No)、操作前演出パターン01AKQ1-1に決定し(ステップ01AKS15)、演出決定処理を終了する。
【0172】
スーパーリーチとなるリーチ演出が実行される場合に(ステップ01AKS14;Yes)、操作前演出パターン決定テーブルを選択する(ステップ01AKS16)。操作前演出パターン決定テーブルは、操作演出が実行されるタイミングに対応して、異なるテーブルデータにより構成された複数テーブルが予め用意されていればよい。01AKS16により選択された操作前演出パターン決定テーブルを用いて、操作前演出パターンを決定し(ステップ01AKS17)、演出決定処理を終了する。
【0173】
図10-11は、変動パターンに対応した操作演出の実行可能タイミングを示している。操作演出の実行可能タイミングは、
図10-11(A)に示す非リーチである場合と、
図10-11(B)に示すノーマルリーチである場合と、
図10-11(C)に示すスーパーAのスーパーリーチである場合と、
図10-11(D)に示すスーパーBのスーパーリーチである場合と、に対応して設定可能であり、全図柄変動中に対応した第1タイミングと、スーパー発展後に対応した第2タイミングと、当否報知時に対応した第3タイミングと、これらの一部または全部の組合せとが含まれる。
【0174】
図10-11(A)に示す非リーチである場合と、
図10-11(B)に示すノーマルリーチである場合に、第1タイミングとなるリーチ成立前の全図柄変動中にて操作演出を実行可能である。これらの場合に、第2タイミングや第3タイミングは、操作演出の実行可能タイミングに含まれない。演出図柄の可変表示がリーチ態様とならない場合と、演出図柄の可変表示はリーチ態様となるがリーチ演出はスーパーリーチを含まないノーマルリーチである場合とに対応して、演出図柄の可変表示を実行中に、単一のタイミングである第1タイミングにて操作演出を実行可能である。
【0175】
図10-11(C)に示すスーパーAのスーパーリーチである場合に、第1タイミングとなるリーチ成立前の全図柄変動中、第2タイミングとなるスーパー発展後、これらのいずれかにて操作演出を実行可能である。この場合に、第3タイミングは、操作演出の実行可能タイミングに含まれない。演出図柄の可変表示がリーチ態様となりスーパーAのスーパーリーチとなるリーチ演出が実行される場合に対応して、演出図柄の可変表示を実行中に、複数のタイミングである第1タイミングおよび第2タイミングのいずれかにて操作演出を実行可能である。
【0176】
図10-11(D)に示すスーパーBのスーパーリーチである場合に、第1タイミングとなるリーチ成立前の全図柄変動中、第2タイミングとなるスーパー発展後、第3タイミングとなる当否報知時、これらのいずれかにて操作演出を実行可能である。ただし、スーパーBのスーパーリーチとなるリーチ演出が実行される場合に対応して、第3タイミングとなる当否報知時は、常に操作演出を実行するものであればよい。演出図柄の可変表示がリーチ態様となりスーパーBのスーパーリーチとなるリーチ演出が実行される場合に対応して、演出図柄の可変表示を実行中に、複数のタイミングである第1タイミングと第2タイミングと第3タイミングとの少なくとも第3タイミングを含むいずれかにて操作演出を実行可能である。スーパーBのスーパーリーチとなるリーチ演出は、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御されることを示唆する特定演出となる。スーパーBのスーパーリーチとなるリーチ演出の実行期間において、第2タイミングと第3タイミングとに対応する期間で操作演出を実行可能である。操作演出は、操作前演出と、操作後演出と、を含む。操作前演出は、遊技者の動作を促す促進演出を含む。したがって、スーパーBのスーパーリーチとなるリーチ演出により実行可能となる特定演出の実行期間は、促進演出を実行可能な第1期間と第2期間とを含む。特定演出の実行期間に含まれる第1期間と第2期間とで促進演出を実行可能である。
【0177】
図10-12は、操作演出決定例として、操作演出の有無とタイミングの決定例を示している。操作演出の有無とタイミングは、
図10-12(A)に示す非リーチまたはノーマルリーチの場合と、
図10-12(B)に示す特別図柄の表示結果が「ハズレ」であるスーパーリーチの場合と、
図10-12(C)に示す特別図柄の表示結果が「大当り」であるスーパーリーチの場合と、に対応して異なるタイミングの決定や異なる割合による決定が可能である。
図10-12の決定例に加えて、スーパーBのスーパーリーチとなるリーチ演出が実行される変動パターンの場合に、第3タイミングとなる当否報知時に操作演出を実行することが決定される。
【0178】
図10-12(A)は、非リーチまたはノーマルリーチの場合に対応した操作演出の決定例01AKD11を示している。非リーチまたはノーマルリーチの場合に、80/100の決定割合で「操作演出なし」となり、20/100の決定割合で第1タイミングの「操作演出あり」となる。非リーチまたはノーマルリーチの場合に、操作演出が実行される割合よりも、操作演出が実行されない割合が高くなる。また、非リーチまたはノーマルリーチの場合に実行される操作演出は、第1タイミングとなる全図柄変動中のみにて実行可能である。
【0179】
図10-12(B)は、特別図柄の表示結果が「ハズレ」であるスーパーリーチの場合に対応した操作演出の決定例01AKD12を示している。この場合に、操作演出は、時短制御が行われない通常時と、時短制御が行われる時短中とで、異なる割合により決定される。このうち、通常時において、50/100の決定割合で「操作演出なし」となり、30/100の決定割合で第1タイミングの「操作演出あり」となり、20/100の決定割合で第2タイミングの「操作演出あり」となる。また、時短中において、80/100の決定割合で「操作演出なし」となり、20/100の決定割合で第1タイミングの「操作演出あり」となる。通常時の「ハズレ」であるスーパーリーチの場合に、第2タイミングにて操作演出が実行される割合よりも、第1タイミングにて操作演出が実行される割合が高くなり、また、第1タイミングにて操作演出が実行される割合や、第2タイミングにて操作演出が実行される割合よりも、操作演出が実行されない割合が高くなる。時短中の「ハズレ」であるスーパーリーチの場合に、操作演出が実行される割合よりも、操作演出が実行されない割合が高くなる。通常時の「ハズレ」であるスーパーリーチの場合に、第1タイミングとなる全図柄変動中、第2タイミングとなるスーパー発展後、さらにはスーパーBのスーパーリーチに対応して第3タイミングとなる当否報知時、これらを含んだ複数のタイミングにて操作演出を実行可能である。時短中の「ハズレ」であるスーパーリーチの場合に、第1タイミングとなる全図柄変動中、スーパーBのスーパーリーチに対応して第3タイミングとなる当否報知時、これらを含んだ複数のタイミングにて操作演出を実行可能である。
【0180】
図10-12(C)は、特別図柄の表示結果が「大当り」であるスーパーリーチの場合に対応した操作演出の決定例01AKD13を示している。この場合に、20/100の決定割合で「操作演出なし」となり、30/100の決定割合で第1タイミングの「操作演出あり」となり、50/100の決定割合で第2タイミングの「操作演出あり」となる。「大当り」であるスーパーリーチの場合に、第1タイミングにて操作演出が実行される割合よりも、第2タイミングにて操作演出が実行される割合が高くなり、また、第1タイミングにて操作演出が実行される割合や、第2タイミングにて操作演出が実行される割合は、操作演出が実行されない割合よりも高くなる。「大当り」であるスーパーリーチの場合に、第1タイミングとなる全図柄変動中、第2タイミングとなるスーパー発展後、さらにはスーパーBのスーパーリーチに対応して第3タイミングとなる当否報知時、これらを含んだ複数のタイミングにて操作演出を実行可能である。
【0181】
操作演出は、少なくとも第1タイミングと第2タイミングとを含む複数タイミングのうちいずれかのタイミングに対応した実行期間において実行可能であってもよいし、第1タイミングおよび第2タイミングとの両方に対応した実行期間において実行可能であってもよい。スーパーBのスーパーリーチとなるリーチ演出が実行される変動パターンの場合に、操作演出は、第3タイミングに対応した実行期間において実行可能であるとともに、少なくとも第1タイミングと第2タイミングとを含む複数タイミングのうちいずれかのタイミングに対応した実行期間において実行可能であってもよいし、第1タイミングおよび第2タイミングとの両方に対応した実行期間において実行可能であってもよい。
【0182】
図10-13は、操作後演出パターン決定例を示している。演出決定処理のステップ01AKS13では、操作後演出パターン決定用の乱数となる数値データを抽出し、その抽出結果に基づき、操作後演出パターン決定テーブルを参照することで、操作後演出パターンを決定すればよい。操作後演出パターンは、
図10-13(A)に示す第1タイミングの場合と、
図10-13(B)に示す第2タイミングの場合と、に対応して異なるパターンの決定や異なる割合による決定が可能である。
図10-13の決定例に加えて、スーパーBのスーパーリーチとなるリーチ演出が実行される変動パターンの場合に、第3タイミングとなる当否報知時に実行される操作演出は、変動パターンに対応した操作後演出パターンが決定される。
【0183】
図10-13(A)は、第1タイミングに対応した操作後演出パターンの決定例01AKD21を示している。第1タイミングに対応して決定可能な複数の操作後演出パターンとして、例えば操作後演出パターン01AKP1-1、01AKP1-2、01AKP1-3が予め用意されている。決定例01AKD21は、特別図柄の表示結果が「ハズレ」と「大当り」とに対応して、操作後演出パターン01AKP1-1、01AKP1-2、01AKP1-3までの決定割合が異なる場合を含む。例えば操作後演出パターン01AKP1-1は、特別図柄の表示結果が「ハズレ」である場合に、最も高い割合の60/100(=60%)で決定され、特別図柄の表示結果が「大当り」である場合に、最も低い割合の10/100(=10%)で決定される。操作後演出パターン01AKP1-3は、特別図柄の表示結果が「ハズレ」である場合に、最も低い割合の10/100(=10%)で決定され、特別図柄の表示結果が「大当り」である場合に、最も高い割合の60/100(=60%)で決定される。操作後演出パターン01AKP1-2は、特別図柄の表示結果が「ハズレ」の場合にも「大当り」の場合にも、共通となる割合の30/100(=30%)で決定される。こうした特別図柄の表示結果に対応した決定割合の相違により、第1タイミングに対応して実行可能な操作演出は、操作後演出の演出態様により大当り期待度を異ならせることができる。例えば操作後演出パターン01AKP1-3に対応した操作後演出が実行された場合に、大当り期待度が最も高くなる。操作後演出パターン01AKP1-2に対応した操作後演出が実行された場合に、大当り期待度が操作後演出パターン01AKP1-3の場合よりも低くなり操作後演出パターン01AKP1-1の場合よりも高くなる。操作後演出パターン01AKP1-1に対応した操作後演出が実行された場合に、大当り期待度が最も低くなる。
【0184】
図10-13(B)は、第2タイミングに対応した操作後演出パターンの決定例01AKD22を示している。第2タイミングに対応して決定可能な複数の操作後演出パターンとして、例えば操作後演出パターン01AKP2-1、01AKP2-2、01AKP2-3が予め用意されている。決定例01AKD22は、特別図柄の表示結果が「ハズレ」と「大当り」とに対応して、操作後演出パターン01AKP2-1、01AKP2-2、01AKP2-3の決定割合が異なる場合を含む。例えば操作後演出パターン01AKP2-1は、特別図柄の表示結果が「ハズレ」である場合に、最も高い割合の70/100(=70%)で決定され、特別図柄の表示結果が「大当り」である場合に、最も低い割合の5/100(=5%)で決定される。操作後演出パターン01AKP2-3は、特別図柄の表示結果が「ハズレ」である場合に、最も低い割合の5/100(=5%)で決定され、特別図柄の表示結果が「大当り」である場合に、最も高い割合の70/100(=70%)で決定される。操作後演出パターン01AKP2-2は、特別図柄の表示結果が「ハズレ」の場合にも「大当り」の場合にも、共通となる割合の25/100(=25%)で決定される。こうした特別図柄の表示結果に対応した決定割合の相違により、第2タイミングに対応して実行可能な操作演出は、操作後演出の演出態様により大当り期待度を異ならせることができる。例えば操作後演出パターン01AKP2-3に対応した操作後演出が実行された場合に、大当り期待度が最も高くなる。操作後演出パターン01AKP2-2に対応した操作後演出が実行された場合に、大当り期待度が操作後演出パターン01AKP2-3の場合よりも低くなり操作後演出パターン01AKP2-1の場合よりも高くなる。操作後演出パターン01AKP2-1に対応した操作後演出が実行された場合に、大当り期待度が最も低くなる。
【0185】
図10-14は、第1タイミングと第2タイミングとに対応した操作演出に含まれる操作後演出の実行例を示している。第1タイミングに対応した操作演出に含まれる操作後演出の実行例は、第1タイミング操作後演出実行例と称する。第2タイミングに対応した操作演出に含まれる操作後演出の実行例は、第2タイミング操作後演出実行例と称する。
【0186】
図10-14(A1)~(A3)は、第1タイミング操作後演出実行例を示している。第1タイミング操作後演出実行例は、第1タイミングに対応して実行可能な操作演出に含まれる操作後演出として、操作後演出パターン01AKP1-1から操作後演出パターン01AKP1-3までに対応した操作後演出の実行例を含んでいる。操作後演出パターン01AKP1-1から操作後演出パターン01AKP1-3までに対応した操作後演出は、例えばキャラクタのセリフを示す文字情報の表示といった、表示態様を含めた演出態様を異ならせて実行可能である。操作後演出パターン01AKP1-1に対応した操作後演出は、キャラクタのセリフが「・・・」となる文字情報の表示を含んでいればよい。操作後演出パターン01AKP1-2に対応した操作後演出は、キャラクタのセリフが「これから」となる文字情報の表示を含んでいればよい。操作後演出パターン01AKP1-3に対応した操作後演出は、キャラクタのセリフが「熱いかも」となる文字情報の表示を含んでいればよい。
【0187】
図10-14(B1)~(B3)は、第2タイミング操作後演出実行例を示している。第2タイミング操作後演出実行例は、第2タイミングに対応して実行可能な操作演出に含まれる操作後演出として、操作後演出パターン01AKP2-1から操作後演出パターン01AKP2-3までに対応した操作後演出の実行例を含んでいる。操作後演出パターン01AKP2-1から操作後演出パターン01AKP2-3までに対応した操作後演出は、カットイン表示に含まれるプラカードのメッセージを示す文字情報の表示といった、表示態様を含めた演出態様を異ならせて実行可能である。操作後演出パターン01AKP2-1に対応した操作後演出は、カットイン表示のメッセージが「???」となる文字情報の表示を含んでいればよい。操作後演出パターン01AKP2-2に対応した操作後演出は、カットイン表示のメッセージが「チャンス!!」となる文字情報の表示を含んでいればよい。操作後演出パターン01AKP2-3に対応した操作後演出は、カットイン表示のメッセージが「激熱!!」となる文字情報の表示を含んでいればよい。
【0188】
操作後演出は、キャラクタによるセリフやメッセージの内容、キャラクタの種類、サイズ、形状、模様、色彩、外枠として表示されるフレームの種類、サイズ、形状、模様、色彩、エフェクト表示の種類、サイズ、形状、模様、色彩、その他、任意の演出画像の表示態様などにより、異なる演出態様で実行可能であればよい。
【0189】
図10-15は、第3タイミングに対応した操作演出に含まれる操作後演出の実行例を示している。第3タイミングに対応した操作演出に含まれる操作後演出の実行例は、第3タイミング操作後演出実行例と称する。第3タイミングに対応した操作演出は、スーパーBのスーパーリーチとなるリーチ演出の当否報知時に、特別図柄の表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態に制御されるか否かを示唆可能な演出に含まれる。スーパーBのスーパーリーチとなるリーチ演出を実行可能な変動パターンとして、
図10-7に示された変動パターンPA2-3と変動パターンPA3-3とが、予め用意されている。スーパーBのスーパーリーチとなるリーチ演出は、例えば自キャラと敵キャラとがバトルを行うバトルリーチのリーチ演出を含んでもよい。
【0190】
図10-15(A1)および(A2)は、変動パターンPA2-3に対応した第3タイミング操作後演出実行例を示している。変動パターンPA2-3は、特別図柄の表示結果が「ハズレ」に対応して決定可能である。変動パターンPA2-3に対応した可変表示では、第3タイミングとなる当否報知時の操作演出として、プッシュボタン31Bに対する押下操作といった、プッシュボタン31Bに対応する動作が検出された場合や、動作が検出されずに検出有効期間が経過した場合に、
図10-15(A1)に示すような演出画像の表示などによる操作後演出が実行される。続いて、リーチ組合せとなる確定演出図柄の停止表示に伴い、
図10-15(A2)に示すような演出画像の表示などによる操作後演出が実行される。これらの場合に、バトルリーチといったリーチ演出において自キャラが敗北したことの報知などにより、特別図柄の表示結果が「ハズレ」となって大当り遊技状態に制御されないことを示唆できればよい。
【0191】
図10-15(B1)および(B2)は、変動パターンPA3-3に対応した第3タイミング操作後演出実行例を示している。変動パターンPA3-3は、特別図柄の表示結果が「大当り」に対応して決定可能である。変動パターンPA3-3に対応した可変表示では、第3タイミングとなる当否報知時の操作演出として、プッシュボタン31Bに対する押下操作といった、プッシュボタン31Bに対応する動作が検出された場合や、動作が検出されずに検出有効期間が経過した場合に、
図10-15(B1)に示すような演出画像の表示などによる操作後演出が実行される。続いて、大当り組合せとなる確定演出図柄の停止表示に伴い、
図10-15(B2)に示すような演出画像の表示などによる操作後演出が実行される。これらの場合に、バトルリーチといったリーチ演出において自キャラが勝利したことの報知などにより、特別図柄の表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態に制御されることを示唆できればよい。
【0192】
図10-16は、操作前演出パターン決定例を示している。演出決定処理のステップ01AKS17では、操作前演出パターン決定用の乱数となる数値データを抽出し、その抽出結果に基づき、ステップ01AKS16により選択された操作前演出パターン決定テーブルを参照することで、操作前演出パターンを決定すればよい。操作前演出パターンは、
図10-16(A)に示す通常時の第1タイミングである場合と、
図10-16(B)に示す時短中の第1タイミングである場合と、
図10-16(C)に示す第2タイミングの場合と、
図10-16(D)に示す第3タイミングの場合と、に対応して異なるパターンの決定や異なる割合による決定が可能である。なお、演出決定処理のステップ01AKS14によりスーパーリーチではないと判定された場合に、ステップ01AKS15により操作前演出パターン01AKQ1-1に決定される。
【0193】
操作演出を実行する場合に決定可能な複数の操作前演出パターンとして、操作前演出パターン01AKQ1-1、01AKQ1-2と、操作前演出パターン01AKQ2-1、01AKQ2-2、01AKQ2-3と、が予め用意されている。このうち、操作前演出パターン01AKQ1-1、01AKQ1-2は、例えばプッシュボタン31Bの押下操作といった、プッシュボタン31Bに対応した遊技者の動作を検出して操作後演出を実行する場合に使用可能な操作前演出パターンに含まれる。操作前演出パターン01AKQ2-1、01AKQ2-2、01AKQ2-3は、例えば装飾ボタン31Cの押下操作といった、装飾ボタン31Cに対応した遊技者の動作を検出して操作後演出を実行する場合に使用可能な操作前演出パターンに含まれる。このように、操作前演出パターン01AKQ1-1、01AKQ1-2は、プッシュボタン31Bを用いた操作演出を実行可能にする。操作前演出パターン01AKQ2-1、01AKQ2-2、01AKQ2-3は、装飾ボタン31Cを用いた操作演出を実行可能にする。
【0194】
図10-16(A)は、通常時の第1タイミングに対応した操作前演出パターンの決定例01AKD31を示している。通常時の第1タイミングに対応して決定可能な複数の操作前演出パターンとして、操作前演出パターン01AKQ1-1、01AKQ2-1、01AKQ2-2が予め用意されている。決定例01AKD31は、特別図柄の表示結果が「ハズレ」と「大当り」とに対応して、操作前演出パターン01AKQ1-1、01AKQ2-1、01AKQ2-2の決定割合が異なる場合を含む。例えば操作前演出パターン01AKQ1-1は、特別図柄の表示結果が「ハズレ」である場合に、最も高い割合の60/100(=60%)で決定され、特別図柄の表示結果が「大当り」である場合に、最も低い割合の10/100(=10%)で決定される。操作前演出パターン01AKQ2-2は、特別図柄の表示結果が「ハズレ」である場合に、最も低い割合の10/100(=10%)で決定され、特別図柄の表示結果が「大当り」である場合に、最も高い割合の60/100(=60%)で決定される。操作前演出パターン01AKQ2-1は、特別図柄の表示結果が「ハズレ」の場合にも「大当り」の場合にも、共通となる割合の30/100(=30%)で決定される。こうした特別図柄の表示結果に対応した決定割合の相違により、通常時の第1タイミングに対応して実行可能な操作演出は、操作前演出の演出態様により大当り期待度を異ならせることができる。例えば操作前演出パターン01AKQ2-2に対応した操作前演出が実行された場合に、大当り期待度が最も高くなる。操作前演出パターン01AKQ2-1に対応した操作前演出が実行された場合に、大当り期待度が操作前演出パターン01AKQ2-2の場合よりも低くなり操作前演出パターン01AKQ1-1の場合よりも高くなる。操作前演出パターン01AKQ1-1に対応した操作前演出が実行された場合に、大当り期待度が最も低くなる。
【0195】
図10-16(B)は、時短中の第1タイミングに対応した操作前演出パターンの決定例01AKD32を示している。時短中の第1タイミングに対応して決定可能な複数の操作前演出パターンとして、操作前演出パターン01AKQ1-1、01AKQ2-3が予め用意されている。決定例01AKD32は、特別図柄の表示結果が「ハズレ」と「大当り」とに対応して、操作前演出パターン01AKQ1-1、01AKQ2-3の決定割合が異なる。例えば操作前演出パターン01AKQ1-1は、特別図柄の表示結果が「ハズレ」である場合に100/100(=100%)なので常に決定され、特別図柄の表示結果が「大当り」である場合に60/100(=60%)で決定される。操作前演出パターン01AKQ2-3は、特別図柄の表示結果が「ハズレ」である場合に0/100(=0%)なので決定されず、特別図柄の表示結果が「大当り」である場合に40/100(=40%)で決定される。こうした特別図柄の表示結果に対応した決定割合の相違により、時短中の第1タイミングに対応して実行可能な操作演出は、操作前演出の演出態様により大当り期待度を異ならせることができる。例えば操作前演出パターン01AKQ2-3に対応した操作前演出が実行された場合に、特別図柄の表示結果が「大当り」となることが確定する。操作前演出パターン01AKQ1-1に対応した操作前演出は、時短中の第1タイミングにて実行される割合が高くなり、大当り期待度が低いものになる。
【0196】
図10-16(C)は、第2タイミングに対応した操作前演出パターンの決定例01AKD33を示している。第2タイミングに対応して決定可能な複数の操作前演出パターンとして、操作前演出パターン01AKQ2-1、01AKQ2-2が予め用意されている。決定例01AKD33は、特別図柄の表示結果が「ハズレ」と「大当り」とに対応して、操作前演出パターン01AKQ2-1、01AKQ2-2の決定割合が異なる。例えば操作前演出パターン01AKQ2-1は、特別図柄の表示結果が「ハズレ」である場合に、操作前演出パターン01AKQ2-2よりも高い割合の60/100(=60%)で決定され、特別図柄の表示結果が「大当り」である場合に、操作前演出パターン01AKQ2-2よりも低い割合の40/100(=40%)で決定される。操作前演出パターン01AKQ2-2は、特別図柄の表示結果が「ハズレ」である場合に、操作前演出パターン01AKQ2-1よりも低い割合の40/100(=40%)で決定され、特別図柄の表示結果が「大当り」である場合に、操作前演出パターン01AKQ2-1よりも高い割合の60/100(=60%)で決定される。こうした特別図柄の表示結果に対応した決定割合の相違により、第2タイミングに対応して実行可能な操作演出は、操作前演出の演出態様により大当り期待度を異ならせることができる。例えば操作前演出パターン01AKQ2-2に対応した操作前演出が実行された場合に、大当り期待度が操作前演出パターン01AKQ2-1の場合よりも高くなる。
【0197】
図10-16(D)は、第3タイミングに対応した操作前演出パターンの決定例01AKD34を示している。第3タイミングに対応して決定可能な操作前演出パターンは、操作前演出パターン01AKQ1-2のみが予め用意されている。すなわち、特別図柄の表示結果が「ハズレ」の場合にも「大当り」の場合にも、共通となる割合の100/100(=100%)なので常に決定される。第3タイミングに対応した操作演出は、スーパーBのスーパーリーチとなるリーチ演出が実行される場合に、特定演出の実行期間に含まれる当否報知時の操作演出である。この場合に、操作前演出パターン01AKQ1-2に対応した操作前演出に含まれる促進演出のみを実行可能になる。操作前演出パターン01AKQ1-2は、第3タイミングとなる当否報知時のみに対応して決定可能であり、スーパーBのリーチ演出における当否報知実行用の操作前演出パターンとなる。
【0198】
なお、操作前演出パターンは、操作演出の実行タイミングにかかわらず、特別図柄の表示結果が「ハズレ」の場合にも「大当り」の場合にも、共通となる割合で決定可能に設定されてもよい。この場合に、操作前演出の演出態様に対応した大当り期待度が共通になるので、大当り期待度が異なる操作後演出に対する遊技者の注目度が高められ、操作演出に対する遊技者の参加意欲を向上させることができる。
【0199】
図10-17は、操作前演出パターン01AKQ1-1に対応した操作前演出の実行制御例を示すタイミング図である。操作前演出パターン01AKQ1-1に対応した操作前演出は、
図10-17(A)に示す特殊演出01AKE1と、
図10-17(B)に示す促進演出01AKH1と、を含む。この操作前演出は、促進演出01AKH1の実行中に特殊演出01AKE1を実行可能である。例えば操作前演出パターン01AKQ1-1に対応した操作前演出の開始タイミングT01から終了タイミングT02まで3秒間の期間において、促進演出01AKH1とともに特殊演出01AKE1を実行可能である。
【0200】
促進演出01AKH1は、例えばプッシュボタン31Bを模した演出画像の表示によるボタン表示を含み、プッシュボタン31Bに対する遊技者の押下操作といった、プッシュボタン31Bに対応した動作を促す。促進演出01AKH1は、例えば画像表示装置5の画面表示よりも下方側といった、プッシュボタン31Bの設置位置である第1位置を示さない態様である第1促進画像の表示を含む。特殊演出01AKE1は、例えば画像表示装置5の画面表示において、特定の演出画像が表示される範囲内で他の演出画像を用いた表示の視認性を変化させるエフェクト表示演出を含む。
【0201】
操作前演出パターン01AKQ1-1に対応した操作前演出は、前段演出を含まない。前段演出は、促進演出の実行前に、促進演出が実行されることを示唆可能である。操作前演出パターン01AKQ1-1に対応した操作前演出が実行された場合に、特殊演出01AKE1および促進演出01AKH1が実行可能となり、前段演出が実行されない。
【0202】
図10-18は、操作前演出パターン01AKQ1-2に対応した操作前演出の実行制御例を示すタイミング図である。操作前演出パターン01AKQ1-2に対応した操作前演出は、
図10-18(A)に示す特殊演出01AKE1と、
図10-18(B)に示す前段演出01AKF1と、
図10-18(C)に示す促進演出01AKH1と、を含む。この操作前演出は、促進演出01AKH1の実行中に特殊演出01AKE1を実行可能である。また、促進演出AKH1の実行前に、促進演出AKH1が実行されることを示唆する前段演出01AKF1を実行可能である。特殊演出01AKE1は、前段演出01AKF1の実行中にも実行可能である。
【0203】
例えば操作前演出パターン01AKQ1-2に対応した操作前演出の開始タイミングT11からタイミングT13までの4秒間において、前段演出01AKF1を実行可能である。ここで、操作前演出の開始タイミングT11から3秒間が経過したタイミングT12にて、特殊演出01AKE1の実行を開始可能である。この特殊演出01AKE1は、タイミングT12からタイミングT14までの3秒間において、実行可能である。タイミングT14よりも前のタイミングT13にて、促進演出01AKH1の実行を開始可能である。したがって、操作前演出パターン01AKQ1-2に対応した操作前演出において、特殊演出01AKE1は、前段演出01AKF1の実行中にも、促進演出01AKH1の実行中にも、実行可能である。促進演出01AKH1は、タイミングT13からタイミングT15までの6秒間において、実行可能である。この場合に、前段演出01AKF1の実行期間と促進演出01AKH1の実行期間とを合計した期間は、10秒間となる。
【0204】
図10-16に示された操作前演出パターン決定例において、操作前演出パターン01AKQ1-1は、通常時の第1タイミングと、時短中の第1タイミングと、に対応して決定可能である。操作前演出パターン01AKQ1-2は、第3タイミングに対応して決定可能である。第3タイミングに対応して操作演出が実行可能になるのは、スーパーBといったスーパーリーチとなるリーチ演出が実行される場合である。このようなスーパーリーチとなるリーチ演出が実行される変動パターンを特定パターンとした場合に、特定パターンに対応する可変表示において、通常時および時短中の第1タイミングや第3タイミングといった、複数タイミングで促進演出01AKH1を含む操作前演出パターン01AKQ1-1、01AKQ1-2に対応した操作前演出を実行可能である。操作前演出パターン01AKQ1-1に対応した操作前演出は、促進演出01AKH1の実行期間が3秒間である。操作前演出パターン01AKQ1-2に対応した操作前演出は、促進演出01AKH1の実行期間が6秒間である。したがって、操作前演出パターン01AKQ1-1、01AKQ1-2に対応して実行可能な促進演出01AKH1を第1促進演出とした場合に、第1促進演出の実行期間は、複数タイミングに含まれる第1タイミングと第2タイミングとで異なるように設定可能である。
【0205】
図10-19は、操作前演出パターン01AKQ2-1、01AKQ2-2に対応した操作前演出の実行制御例を示すタイミング図である。操作前演出パターン01AKQ2-1に対応した操作前演出は、
図10-19(A)に示す特殊演出01AKE2と、
図10-19(B)に示す前段演出01AKF2と、
図10-19(C)に示す促進演出01AKH2と、を含む。この操作前演出は、少なくとも促進演出01AKH2の実行タイミングよりも前のタイミングで実行した特殊演出01AKE2を、促進演出01AKH2の実行タイミングとなるまでに終了させる。促進演出01AKH2の実行前に、促進演出01AKH2が実行されることを示唆する前段演出01AKF2を実行可能である。特殊演出01AKE2は、前段演出01AKF2の実行中に実行可能である。
【0206】
促進演出01AKH2は、例えば複数の演出画像の表示による促進表示を含み、装飾ボタン31Cに対する遊技者の押下操作といった、装飾ボタン31Cに対応した操作を促す。促進演出01AKH2は、例えば画像表示装置5の画面表示よりも上方側といった、装飾ボタン31Cの設置位置である第2位置を示す態様である第2促進画像の表示を含む。特殊演出01AKE2は、例えば画像表示装置5の画面表示において、特定の演出画像が表示される範囲内で他の演出画像を用いた表示の視認性を変化させるエフェクト表示演出を含む。
【0207】
例えば操作前演出パターン01AKQ2-1に対応した操作前演出の開始タイミングT21からタイミングT24までの5秒間において、前段演出01AKF2を実行可能である。ここで、操作前演出の開始タイミングT21から1.5秒が経過したタイミングT22にて、特殊演出01AKE2の実行を開始可能である。この特殊演出01AKE2は、タイミングT22からタイミングT23までの3秒間において、実行可能である。タイミングT23よりも後のタイミングT24にて、促進演出01AKH2の実行を開始可能である。したがって、操作前演出パターン01AKQ2-1に対応した操作前演出において、特殊演出01AKE2は、少なくとも促進演出01AKH2の実行タイミングであるタイミングT24よりも前のタイミングT22で実行が開始され、促進演出01AKH2の実行タイミングであるタイミングT24となるまでにタイミングT23にて終了させる。促進演出01AKH2は、タイミングT24からタイミングT25までの7秒間において、実行可能である。この場合に、前段演出01AKF2の実行期間と促進演出01AKH2の実行期間とを合計した期間は、12秒間となる。
【0208】
操作前演出パターン01AKQ2-2に対応した操作前演出は、
図10-19(A)に示す特殊演出01AKE2と、
図10-19(B)に示す前段演出01AKF3と、
図10-19(C)に示す促進演出01AKH2と、を含む。この場合に、特殊演出01AKE2、前段演出01AKF3、促進演出01AKH2の実行タイミングや実行期間は、操作前演出パターン01AKQ2-1に対応した操作前演出における特殊演出01AKE2、前段演出01AKF2、促進演出01AKH2と同様であればよい。この操作前演出も、少なくとも促進演出01AKH2の実行タイミングよりも前のタイミングで実行した特殊演出01AKE2を、促進演出01AKH2の実行タイミングとなるまでに終了させる。促進演出01AKH2の実行前に、促進演出01AKH2が実行されることを示唆する前段演出01AKF3を実行可能である。特殊演出01AKE2は、前段演出01AKF3の実行中に実行可能である。前段演出01AKF3の実行期間と促進演出01AKH2の実行期間とを合計した期間は、12秒間である。
【0209】
操作前演出パターン01AKQ2-1により前段演出01AKF2を実行可能であり、操作前演出パターン01AKQ2-2により前段演出01AKF3を実行可能である。したがって、操作前演出パターン01AKQ2-1を第1パターンとし、操作前演出パターン01AKQ2-2を第2パターンとした場合に、少なくとも第1パターンと第2パターンとを含む複数パターンのうちいずれかのパターンにより前段演出を実行可能である。
【0210】
操作前演出パターン01AKQ2-1に対応して実行可能な前段演出01AKF2の実行期間と促進演出01AKH2の実行期間とを合計した期間は、12秒間である。操作前演出パターン01AKQ2-2に対応して実行可能な前段演出01AKF3の実行期間と促進演出01AKH2の実行期間とを合計した期間も、12秒間である。
図10-18に示された操作前演出パターン01AKQ1-2に対応して実行可能な前段演出01AKF1の実行期間と促進演出01AKH1の実行期間とを合計した期間は、10秒間である。したがって、前段演出01AKF2や前段演出01AKF3を第2前段演出とし、促進演出01AKH2を第2促進演出とし、前段演出01AKF1を第1前段演出とし、促進演出01AKH1を第1促進演出とした場合に、第2前段演出の実行期間と第2促進演出の実行期間とを合計した期間は、第1前段演出の実行期間と第1促進演出の実行期間とを合計した期間よりも長くなるように設定可能である。
【0211】
操作前演出パターン01AKQ2-1に対応して実行可能な前段演出01AKF2と、操作前演出パターン01AKQ2-2に対応して実行可能な前段演出01AKF3とは、いずれも実行期間が5秒間である。
図10-18に示された操作前演出パターン01AKQ1-2に対応して実行可能な前段演出01AKF1は、実行期間が4秒間である。したがって、前段演出01AKF2や前段演出01AKF3を第2前段演出とし、前段演出01AKF1を第1前段演出とした場合に、第2前段演出の実行期間は、第1前段演出の実行期間よりも長くなるように設定可能である。
【0212】
操作前演出パターン01AKQ2-1、01AKQ2-2に対応して実行可能な促進演出01AKH2は、実行期間が7秒間である。
図10-18に示された操作前演出パターン01AKQ1-2に対応して実行可能な促進演出01AKH1は、実行期間が6秒間である。したがって、促進演出01AKH2を第2促進演出とし、促進演出01AKH1を第1促進演出とした場合に、第2促進演出の実行期間は、第1促進演出の実行期間よりも長くなるように設定可能である。
【0213】
図10-16に示された操作前演出パターン決定例において、操作前演出パターン01AKQ2-1、01AKQ2-2は、通常時の第1タイミングに対応して決定可能であり、第3タイミングに対応して決定されない。操作前演出パターン01AKQ1-1は、通常時の第1タイミングに対応して決定可能である。操作前演出パターン01AKQ1-2は、第3タイミングに対応して決定可能である。第3タイミングに対応して操作演出が実行可能になるのは、スーパーBのスーパーリーチとなるリーチ演出が実行される場合である。このようなスーパーBのスーパーリーチとなるリーチ演出を含んだ変動パターンによる可変表示中の演出を、大当り遊技状態といった有利状態に制御されることを示唆する特定演出とする。また、操作前演出パターン01AKQ1-1、01AKQ1-2に対応した操作前演出に含まれる促進演出01AKH1を、第1促進演出とする。操作前演出パターン01AKQ2-1、01AKQ2-2に対応した操作前演出に含まれる促進演出01AKH2を、第2促進演出とする。第1促進演出と第2促進演出とを、あわせて促進演出とする。そして、通常時の第1タイミングに対応した操作前演出の実行期間を、特定演出の実行期間に含まれる第1期間とする。第3タイミングに対応した操作前演出の実行期間を、特定演出の実行期間に含まれる第2期間とする。この場合に、特定演出の実行期間に含まれる第1期間と第2期間とで促進演出を実行可能である。また、第1期間において、第1促進演出と第2促進演出とのいずれかの促進演出を実行可能である。第2期間において、第1促進演出のみを実行可能である。
【0214】
図10-16に示された操作前演出パターン決定例において、操作前演出パターン01AKQ2-1、01AKQ2-2は、通常時の第1タイミングと、第2タイミングと、に対応して決定可能である。第2タイミングに対応して操作演出が実行可能になるのは、スーパーリーチとなるリーチ演出が実行される場合である。このようなスーパーリーチとなるリーチ演出が実行される変動パターンを特定パターンとした場合に、特定パターンに対応する可変表示において、通常時の第1タイミングや第2タイミングといった、複数タイミングで促進演出01AKH2を含む操作前演出パターン01AKQ2-1、01AKQ2-2に対応した操作前演出を実行可能である。操作前演出パターン01AKQ2-1、01AKQ2-2に対応した操作前演出は、いずれも促進演出01AKH2の実行期間が7秒間である。したがって、操作前演出パターン01AKQ2-1、01AKQ2-2に対応して実行可能な促進演出01AKH2を第2促進演出とした場合に、第2促進演出の実行期間は、複数タイミングのいずれであっても共通となるように設定可能である。
【0215】
図10-20は、操作前演出パターン01AKQ2-3に対応した操作前演出の実行制御例を示すタイミング図である。操作前演出パターン01AKQ2-3に対応した操作前演出は、促進演出01AKH2のみを含み、特殊演出や前段演出を含まない。例えば操作前演出パターン01AKQ2-3に対応した操作前演出の開始タイミングT31から終了タイミングT32まで5秒間の期間において、促進演出01AKH2を実行可能である。
【0216】
図10-16に示された操作前演出パターンの決定例において、操作前演出パターン01AKQ2-3は、時短中の第1タイミングに対応して決定可能である。
図10-18に示された操作前演出パターン01AKQ2-1、01AKQ2-2に対応した操作前演出は、操作前演出パターン01AKQ2-3に対応した操作前演出と、共通の促進演出01AKH2を含む。
図10-16に示された操作前演出パターンの決定例において、操作前演出パターン01AKQ2-1、01AKQ2-2は、通常時の第1タイミングと、第2タイミングと、に対応して決定可能である。通常時は時短制御が行われない通常状態であり、時短中は時短制御が行われる時短状態である。したがって、時短状態を特別状態とし、促進演出01AKH2を第2促進演出とした場合に、通常状態と特別状態との両方に対応して第2促進演出を実行可能である。また、操作前演出パターン01AKQ2-1、01AKQ2-2に対応した操作前演出は前段演出01AKF2、01AKF3を含む一方で、操作前演出パターン01AKQ2-3に対応した操作前演出は前段演出を含まないので、特別状態に対応して第2促進演出が実行される場合に、前段演出の実行を制限可能である。なお、前段演出を含まないことにより制限するものに限定されず、前段演出の実行期間が短くなることにより制限可能であってもよい。前段演出の視認性が低下することにより制限可能であってもよい。前段演出の実行割合が低くなることにより制限可能であってもよい。その他、特別状態に対応して第2促進演出が実行される場合に、前段演出の実行を任意に制限するように設定可能であればよい。
【0217】
操作前演出パターン01AKQ2-3に対応した操作前演出は、促進演出01AKH2の実行期間が5秒間である。
図10-19に示された操作前演出パターン01AKQ2-1、01AKQ2-2に対応した操作前演出は、いずれも促進演出01AKH2の実行期間が7秒間である。このように、操作前演出パターン01AKQ2-3に対応した操作前演出は、操作前演出パターン01AKQ2-1、01AKQ2-2に対応した操作前演出よりも、促進演出01AKH2の実行期間が短くなるので、特別状態に対応して第2促進演出が実行される場合に、促進演出の実行を制限可能である。したがって、時短状態を特別状態とし、促進演出01AKH2を第2促進演出とした場合に、特別状態に対応した第2促進演出の実行期間は、通常状態に対応した第2促進演出の実行期間よりも短いものになる。なお、特別状態に対応して第2促進演出が実行される場合に、第2促進演出の実行を制限しないように設定可能であってもよい。すなわち、第2促進演出の実行期間は、通常状態と特別状態とのいずれであっても共通であるものとしてもよい。
【0218】
促進演出01AKH1は、例えばプッシュボタン31Bに対する押下操作といった、プッシュボタン31Bに対応した遊技者の動作がプッシュセンサ35Bにより検出された場合に、実行期間の終了前であっても実行を終了し、操作後演出の実行を開始可能である。したがって、操作前演出パターン01AKQ1-1、01AKQ1-2に対応して設定可能な促進演出01AKH1の実行期間は、遊技者の動作が検出されない場合に促進演出01AKH1を実行可能な最長期間であればよい。
【0219】
促進演出01AKH2は、例えば装飾ボタン31Cに対する押下操作といった、装飾ボタン31Cに対応した遊技者の動作がプッシュセンサ35Cにより検出された場合に、実行期間の終了前であっても実行を終了し、操作後演出の実行を開始可能である。したがって、操作前演出パターン01AKQ2-1、01AKQ2-2、01AKQ2-3に対応して設定可能な促進演出01AKH2の実行期間は、遊技者の動作が検出されない場合に促進演出01AKH2を実行可能な最長期間であればよい。
【0220】
図10-21は、特殊演出実行例を示している。特殊演出は、操作前演出に含まれて実行可能であり、演出画像の視認性を変化させる演出である。なお、操作前演出パターンに対応して、特殊演出が操作前演出に含まれず実行されない場合もある。特殊演出は、
図10-21(A)に示す特殊演出01AKE1が実行される場合と、
図10-21(B)に示す特殊演出01AKE2が実行される場合と、に対応して異なる演出態様で実行可能である。なお、特殊演出01AKE1が実行される場合と、特殊演出01AKE2が実行される場合と、に対応して共通の演出態様で実行可能であってもよい。
【0221】
特殊演出01AKE1は、画像表示装置5の表示画面において、画面上部からプッシュボタン31Bの設置位置に対応した画面下部に向けて移動表示される画像表示を含んでいる。特殊演出01AKE1において移動表示される画像表示は、例えば速度AKV4により画面上部から画面下部に向けて移動表示される。特殊演出01AKE2は、画像表示装置5の表示画面において、画面下部から装飾ボタン31Cの設置位置に対応した画面上部に向けて移動表示される画像表示を含んでいる。特殊演出01AKE2において移動表示される画像表示は、例えば移動速度AKV4により画面下部から画面上部に向けて移動表示される。
【0222】
特殊演出01AKE1、01AKE2において移動表示された画像表示の部分は、例えば照明から出射された光を模した演出表示となる。このような画像表示の部分における他の画像表示は、光沢、陰影、色属性の明度といった表示態様の一部または全部が変化する。これにより、特殊演出01AKE1、01AKE2は、演出画像の視認性を変化させることができればよい。演出画像の視認性を変化させる画像処理は、例えばCPU120AからVDP123Aに送られたエフェクト用描画コマンドにもとづいて実行可能であり、変化対象範囲に含まれる演出画像について、モノクロ変化、色反転、ボケ効果付与、色属性に含まれる色相と明度と彩度の一部または全部を変更、その他、視認性を変化させる任意の描画処理を含んでいればよい。特殊演出01AKE1、01AKE2において演出画像の視認性を変化させる変化対象範囲は、画像表示装置5の表示画面における一部または全部の表示エリアであってもよい。ただし、例えば小図柄表示エリア01AKC1の描画に用いられるレイヤ01AKL1や、変動関連表示エリア01AKC2の描画に用いられるレイヤ01AKL2といった、表示優先度が高い特定レイヤにおける画像表示は、変化対象範囲に含まれないように設定してもよい。特殊演出01AKE1、01AKE2において演出画像の視認性を変化させる場合に、視認性を変化させない場合と共通の画像データを用いて、視認性を変化させない場合とは異なる画像処理を実行することで、画像表示における表示態様を変化可能にしてもよい。
【0223】
図10-22から
図10-24までは、前段演出実行例を示している。前段演出は、操作前演出に含まれて実行可能であり、促進演出の実行前に促進演出が実行されることを示唆する演出である。なお、操作前演出パターンに対応して、前段演出が操作前演出に含まれず実行されない場合もある。前段演出は、
図10-22に示す前段演出01AKF1が実行される場合と、
図10-23に示す前段演出01AKF2が実行される場合と、
図10-24に示す前段演出01AKF3が実行される場合と、に対応して異なる演出態様で実行可能である。
【0224】
前段演出01AKF1は、プッシュボタン31Bを用いた操作演出が実行される場合に対応して、促進演出01AKH1の実行前に促進演出01AKH1が実行されることを示唆する。前段演出01AKF1は、画像表示装置5の表示画面における画像表示による演出を含む。前段演出01AKF2、01AKF3は、装飾ボタン31Cを用いた操作演出が実行される場合に対応して、促進演出01AKH2の実行前に促進演出01AKH2が実行されることを示唆する。前段演出01AKF2、01AKF3は、可動体32を動作可能な演出と、画像表示装置5の表示画面における画像表示による演出と、を含む。このように、促進演出01AKH1の実行前に実行可能な前段演出01AKF1は、可動体32を動作可能な演出を含まない一方で、促進演出01AKH2の実行前に実行可能な前段演出01AKF2、01AKF3は、可動体32を動作可能な演出を含んでもよい。なお、促進演出01AKH1の実行前に実行可能な前段演出01AKF1も、可動体32を動作可能な演出を含んでもよい。
【0225】
前段演出01AKF2が実行される場合に、例えば前段演出01AKF2の開始に対応して
図10-23(A)に示す可動体32が退避位置から進出位置へと移動する。こうして前段演出01AKF2において、画像表示装置5の表示画面よりも前方側である手前側に重複して可動体32が進出するように動作可能である。その後、可動体32が進出位置から退避位置へと移動し、退避位置に戻って停止することで、画像表示装置5の表示画面を全体的に視認可能とする。この場合に、前段演出01AKF2は、
図10-23(B)に示すキャラクタCH00の画像表示を実行可能であればよい。
【0226】
前段演出01AKF3が実行される場合に、例えば前段演出01AKF3の開始に対応して
図10-24(A)に示す可動体32が退避位置から進出位置へと移動する。こうして前段演出01AKF3において、画像表示装置5の表示画面よりも前方側である手前側に重複して可動体32が進出するように動作可能である。その後、可動体32が進出位置から退避位置へと移動し、退避位置に戻って停止することで、画像表示装置5の表示画面を全体的に視認可能とする。この場合に、前段演出01AKF3は、
図10-24(C)に示す文字情報MJ00の画像表示およびボタン表示BG00となる画像表示を実行可能であればよい。
【0227】
前段演出01AKF2は、操作前演出パターン01AKQ2-1に対応した操作前演出に含まれる。前段演出01AKF3は、操作前演出パターン01AKQ2-2に含まれる。操作前演出パターン01AKQ2-1、01AKQ2-2は、いずれも促進演出01AKH2を含む操作前演出を実行可能にする。したがって、促進演出01AKH2を第2促進演出とした場合に、第2促進演出に対応した前段演出として、操作前演出パターン01AKQ2-1による前段演出01AKF2や操作前演出パターン01AKQ2-2による前段演出01AKF3といった、少なくとも第1パターンと第2パターンとを含む複数パターンのうちいずれかのパターンにより前段演出を実行可能である。前段演出01AKF2、01AKF3は、キャラクタCH00の画像表示と、文字情報MJ00の画像表示およびボタン表示BG00となる画像表示と、により異なる演出態様で実行可能である。なお、複数パターンに対応した前段演出は、キャラクタの種類、表示数、大きさ、色彩、模様、表示位置、表示タイミング、表示期間、通過速度、その他の動作、セリフ、あるいは、これらの一部または全部の組合せなど、キャラクタの画像表示における表示態様を異ならせることにより、異なる演出態様で実行可能であってもよい。あるいは、文字画像の内容、フォント、大きさ、色彩、模様、表示位置、表示タイミング、表示期間、通過速度、その他の動作、これらの一部または全部の組合せなど、文字情報の画像表示における表示態様を異ならせることにより、異なる演出態様で実行可能であってもよい。あるいは、ボタン表示の有無、表示数、大きさ、形状、色彩、模様、表示位置、表示タイミング、表示期間、通過速度、その他の動作、これらの一部または全部の組合せなど、ボタン表示における表示態様を異ならせることにより、異なる演出態様で実行可能であってもよい。
【0228】
図10-25は、促進演出実行例を示している。促進演出は、操作前演出に含まれて実行可能であり、プッシュボタン31Bや装飾ボタン31Cを含めた検出手段に対応した遊技者の動作を促す演出である。複数の操作前演出パターンは、いずれも促進演出を含んだ操作前演出を実行可能にする。促進演出は、
図10-25(A)に示す促進演出01AKH1が実行される場合と、
図10-25(B)に示す促進演出01AKH2が実行される場合と、に対応して異なる演出態様で実行可能である。促進演出01AKH1は、プッシュボタン31Bの設置位置である第1位置として、画像表示装置5の画面表示よりも下方側である遊技機用枠3の下部を示さない態様である画像表示を含む。促進演出01AKH2は、装飾ボタン31Cの設置位置である第2位置として、画像表示装置5の画面表示よりも上方側である遊技機用枠3の上部を示す態様である画像表示を含む。したがって、第1促進演出となる促進演出01AKH1における画像表示に用いられる演出画像を第1促進画像とし、第2促進演出となる促進演出01AKH2における画像表示に用いられる演出画像を第2促進画像とした場合に、第1促進演出は、第1位置を示さない態様である第1促進画像の表示を含み、第2促進演出は、第2位置を示す態様である第2促進画像の表示を含む。
【0229】
促進演出01AKH1が実行される場合に、画像表示装置5の表示画面における背景画像の表示は、促進演出01AKH1が実行される前と促進演出01AKH1が実行される期間とで、共通の背景画像を用いた画像表示HG01が可能である。画像表示HG01は、例えばスーパーリーチとなるリーチ演出における背景画像を用いた画像表示であればよい。促進演出01AKH2が実行される場合に、画像表示装置5の表示画面における背景画像の表示は、促進演出01AKH2が実行される前と促進演出01AKH2が実行される期間とで、異なる背景画像を用いた画像表示HG02が可能である。画像表示HG02は、例えばスーパーリーチとなるリーチ演出における背景画像とは異なり、促進演出01AKH2に対応して予め用意された背景画像を用いた画像表示であればよい。
【0230】
促進演出01AKH1における画像表示は、例えばプッシュボタン31Bを模したボタン表示BG01となる画像表示と、プッシュボタン31Bにより遊技者の動作を検出可能な残り期間を示唆するメータ表示MT01となる画像表示と、を含んでいる。ボタン表示BG01およびメータ表示MT01に用いられる演出画像は、プッシュボタン31Bの設置位置である第1位置に向けて移動表示されない態様で表示される。したがって、促進演出01AKH1を第1促進演出とし、促進演出01AKH1における画像表示に用いられる演出画像を第1促進画像とし、プッシュボタン31Bを第1検出手段とし、ボタン表示BG01に用いられる演出画像を第5画像とし、メータ表示MT01に用いられる演出画像を第6画像とした場合に、第1促進演出における第1促進画像の表示は、少なくとも、第1検出手段を模した第5画像と、第1検出手段により遊技者の動作を検出可能な残り期間を示唆する第6画像と、を含み、第5画像および第6画像は、第1位置に向けて移動表示されない態様で表示される。
【0231】
促進演出01AKH2における画像表示は、例えばキャラクタCH01の画像表示と、装飾ボタン31Cにより遊技者の動作を検出可能な残り期間を示唆する矢印AR01の画像表示と、を含んでいる。矢印AR01となる画像表示は、例えば経過時間に伴い赤色の表示色である表示エリアが減少するとともに、白色の表示色である表示エリアが増加することにより、装飾ボタン31Cにより遊技者の動作を検出可能な残り時間を示唆可能であればよい。キャラクタCH01の画像表示と矢印AR01の画像表示とに用いられる演出画像は、装飾ボタン31Cの設置位置である第2位置に向けて移動表示される態様で表示される。したがって、促進演出01AKH2を第2促進演出とし、促進演出01AKH2における画像表示に用いられる演出画像を第2促進画像とし、装飾ボタン31Cを第2検出手段とし、キャラクタCH01の画像表示に用いられる演出画像を第1画像とし、矢印AR01の画像表示に用いられる演出画像を第2画像とした場合に、第2促進演出における第2促進画像の表示は、少なくとも、第2位置に向けて移動表示される第1画像および第2画像の表示を含み、第1画像は、キャラクタを示す画像であり、第2画像は、第2検出手段により遊技者の動作を検出可能な残り期間を示唆する画像である。
【0232】
図10-4に示された画像表示装置5における画面表示の構成例01AKP0において、小図柄表示エリア01AKC1と、変動関連表示エリア01AKC2に含まれるアクティブ表示エリア01AKA1および第1保留表示エリア01AKB1および第2保留表示エリア01AKB2と、はいずれも可変表示に関する特別情報を表示可能である。
図10-6に示されたレイヤ01AKL1~01AKL5において、表示優先度が最も高いレイヤ01AKL1は、小図柄表示エリア01AKC1における小図柄を示す画像表示に用いられる。表示優先度がレイヤ01AKL1の次に高いレイヤ01AKL2は、変動関連表示エリア01AKC2におけるアクティブ表示や保留表示となる画像表示に用いられる。表示優先度が01AKL2よりも低いレイヤ01AKL3は、促進演出を含めた操作演出における画像表示に用いられる。小図柄表示エリア01AKC1や変動関連表示エリア01AKC2は、画像表示装置5の表示画面における下部に設けられ、促進演出01AKH2における画像表示に用いられるレイヤ01AKL3よりも表示優先度が高いレイヤ01AKL1、01AKL2において、可変表示に関する特別情報を表示可能である。促進演出01AKH2における画像表示は、キャラクタCH01の画像表示および矢印AR01の画像表示が、装飾ボタン31Cの設置位置に対応して表示画面の下方から上方に向けて移動表示される。したがって、キャラクタCH01の画像表示に用いられる演出画像を第1画像とし、矢印AR01の画像表示に用いられる演出画像を第2画像とした場合に、第1画像および第2画像の表示レイヤよりも優先度が高いレイヤにおいて、可変表示に関する特別情報を表示可能であり、特別情報は、第1画像および第2画像が移動表示される方向に表示されない。
【0233】
促進演出01AKH2における画像表示は、キャラクタCH01の画像表示が移動速度AKV1により表示画面の下方から上方に向けて移動表示され、矢印AR01の画像表示が移動速度AKV2により表示画面の下方から上方に向けて移動表示される。この場合に、矢印AR01の画像表示に対応した移動速度AKV2は、キャラクタCH01の画像表示に対応した移動速度AKV1よりも速くなるように、操作前演出制御パターンにおける表示制御データなどが設定されていればよい。したがって、キャラクタCH01の画像表示に用いられる演出画像を第1画像とし、移動速度AKV1を第1速度とし、矢印AR01の画像表示に用いられる演出画像を第2画像とし、移動速度AKV2を第2速度とした場合に、第1速度で第1画像を移動表示させ、第1速度よりも速い第2速度で第2画像を移動表示させる。
【0234】
促進演出01AKH2における画像表示は、文字情報MJ01の画像表示を含んでいる。文字情報MJ01の画像表示は、例えば「撃て」のメッセージを示すことにより、装飾ボタン31Cに対応した遊技者の動作態様を示唆する。文字情報MJ01の画像表示に用いられる演出画像は、キャラクタCH01や矢印AR01と同様に、装飾ボタン31Cの設置位置である第2位置に向けて移動表示される態様で表示される。この場合に、文字情報MJ01の画像表示に用いられる演出画像は、キャラクタCH01の画像表示に対応した移動速度AKV1や矢印AR01の画像表示に対応した移動速度AKV2とは、異なる移動速度AKV3により表示画面の下方から上方に向けて移動表示される。文字情報MJ01の画像表示に対応した移動速度AKV3は、キャラクタCH01の画像表示に対応した移動速度AKV1よりも速く、矢印AR01の画像表示に対応した移動速度AKV2よりも遅くなるように、操作前演出パターンにおける表示制御データなどが設定されていればよい。したがって、促進演出01AKH2を第2促進演出とし、促進演出01AKH2における画像表示に用いられる演出画像を第2促進画像とし、装飾ボタン31Cを第2検出手段とし、キャラクタCH01の画像表示に用いられる演出画像を第1画像とし、移動速度AKV1を第1速度とし、矢印AR01の画像表示に用いられる演出画像を第2画像とし、移動速度AKV2を第2速度とし、文字情報MJ01の画像表示に用いられる演出画像を第3画像とし、移動速度AKV3を第3速度とした場合に、第2促進演出における第2促進画像の表示は、第2検出手段に対応した遊技者の動作態様を示唆する第3画像を含み、第1速度よりも速く第2速度よりも遅い第3速度で第3画像を移動表示させる。
【0235】
キャラクタCH01の画像表示に用いられる演出画像は、例えばキャラクタCH01の右手が画面表示の上方側を指差すことなどにより、装飾ボタン31Cの設置位置である第2位置として、画像表示装置5の画面表示よりも上方側である遊技機用枠3の上部を示す態様であればよい。矢印AR01の画像表示に用いられる演出画像は、例えば矢印AR01の向きが画面表示の上方側であることなどにより、装飾ボタン31Cの設置位置である第2位置として、画像表示装置5の画面表示よりも上方側である遊技機用枠3の上部を示す態様であればよい。文字情報MJ01の画像表示に用いられる演出画像は、例えば「撃て」のメッセージを示す一部の線表示が矢印となり画面表示の上方側を向くことなどにより、装飾ボタン31Cの設置位置である第2位置として、画像表示装置5の画面表示よりも上方側である遊技機用枠3の上部を示す態様であればよい。促進演出01AKH2における画像表示は、一部または全部の画像表示に用いられる演出画像が、装飾ボタン31Cの設置位置である第2位置として、画像表示装置5の画面表示よりも上方側である遊技機用枠3の上部を示す態様であればよい。
【0236】
キャラクタCH01の画像表示は、移動速度AKV1により移動表示されるとともに、例えば「押せ」のメッセージを示す文字情報が右手部分に表示され、この文字情報が移動表示に伴い拡大表示されるように変化してもよい。文字情報MJ01の画像表示は、移動速度AKV3により移動表示されるとともに、例えば「撃て」のメッセージを示す一部の線表示が画面上部を示唆する矢印を示し、この矢印が移動表示に伴い伸長表示されるように変化してもよい。その他、任意の画像表示における拡大、伸長、表示色の変更、変形など、移動表示に伴い表示態様が変化可能であってもよい。
【0237】
図10-21(B)に示された特殊演出01AKE2における画像表示は、例えば光を模した演出表示に用いられる演出画像として、演出画像の視認性を変化させる特殊画像の表示を含んでいる。この特殊画像は、装飾ボタン31Cの設置位置である第2位置に向けて移動表示される態様で表示される。この場合に、特殊演出01AKE2における画像表示に用いられる特殊画像は、キャラクタCH01の画像表示に対応した移動速度AKV1、および矢印AR01の画像表示に対応した移動速度AKV2、および文字情報MJ01の画像表示に対応した移動速度AKV3よりも、速い移動速度AKV4により画面下部から画面上部に向けて移動表示される。したがって、移動速度AKV1を第1速度とし、移動速度AKV2を第2速度とし、移動速度AKV3を第3速度とし、移動速度AKV4を第4速度とした場合に、特殊演出は、演出画像の視認性を変化させる特殊画像が第2位置に向けて移動表示する演出であり、第1速度および第2速度および第3速度よりも速い第4速度で特殊画像を移動表示させる。
【0238】
促進演出01AKH2における画像表示は、キャラクタCH01の画像表示を含む。
図10-23に示された前段演出01AKF2における画像表示は、
図10-23(B)に示されたキャラクタCH00の画像表示を含む。キャラクタCH00、CH01は、前段演出01AKF2と促進演出01AKH2とにおいて共通の特定キャラクタとなる。前段演出01AKF2におけるキャラクタCH00の画像表示は、例えば三次元立体表示あるいはアニメーション表示や動画像表示といった、第1態様の表示であればよい。促進演出01AKH2におけるキャラクタCH01の画像表示は、例えば二次元平面表示あるいは静止画像表示といった、第1態様とは異なる第2態様の表示であればよい。したがって、促進演出01AKH2を第2促進演出とした場合に、前段演出と第2促進演出とにおいて共通の特定キャラクタを表示可能であり、前段演出は、第1態様で特定キャラクタの表示を含み、第2促進演出は、第2態様で特定キャラクタの表示を含む。
【0239】
図10-26は、発光パターン設定例01AKD51を示している。
図10-10に示された演出決定処理は、ステップ01AKS15により決定された操作前演出パターン01AKQ1-1に対応して、あるいは、ステップ01AKS17により決定された操作前演出パターンに対応して、複数の発光部を発光制御する場合に用いられる発光パターンを設定可能にすればよい。複数の発光部は、例えば
図10-3に示されたように、プッシュボタンLEDによる発光部AKL1と、装飾ボタンLEDによる発光部AKL2と、枠部LEDによる発光部AKL3と、が含まれる。
【0240】
発光パターン設定例01AKD51は、操作前演出パターン01AKQ1-1、01AKQ1-2に対応して、発光部AKL1の第1促進発光パターンと、発光部AKL2および発光部AKL3の所定発光パターンと、が設定される。この場合に、第1促進発光パターンにより発光部AKL1を発光制御するとともに、所定発光パターンにより発光部AKL2および発光部AKL3を発光制御する。第1促進発光パターンは、例えばプッシュボタンLEDによる発光部AKL1を、点滅させる発光パターンであればよい。所定発光パターンは、例えば装飾ボタンLEDによる発光部AKL2および枠部LEDによる発光部AKL3を、リーチ演出に対応した発光色や輝度で点灯あるいは点滅させる発光パターンであればよい。
【0241】
発光パターン設定例01AKD51は、操作前演出パターン01AKQ2-1、01AKQ2-2、01AKQ2-3に対応して、発光部AKL1の特定発光パターンと、発光部AKL2および発光部AKL3の第2促進発光パターンと、が設定される。この場合に、特定発光パターンにより発光部AKL1を発光制御するとともに、第2促進発光パターンにより発光部AKL2および発光部AKL3を発光制御する。特定発光パタ-ンは、例えばプッシュボタンLEDによる発光部AKL1を、消灯させる発光パターンであればよい。第2促進発光パターンは、例えば装飾ボタンLEDによる発光部AKL2を点滅させるとともに、枠部LEDによる発光部AKL3を装飾ボタン31Cの設置位置である第2位置に向けてウェーブするように点灯あるいは点滅させる発光パターンであればよい。
【0242】
操作前演出パターン01AKQ1-1、01AKQ1-2は、促進演出01AKH1を含めた操作前演出を実行可能にする。操作前演出パターン01AKQ2-1、01AKQ2-2、01AKQ2-3は、促進演出01AKH2を含めた操作前演出を実行可能にする。したがって、促進演出01AKH1を第1促進演出とし、促進演出01AKH2を第2促進演出とし、プッシュボタンLEDによる発光部AKL1を第1発光手段とし、装飾ボタンLEDによる発光部AKL2を第2発光手段とし、枠部LEDによる発光部AKL3を第3発光手段とした場合に、第1促進演出に対応して、第1促進発光パターンにより第1発光手段を発光制御するとともに、所定発光パターンにより第2発光手段および第3発光手段を発光制御し、第2促進演出に対応して、第2促進発光パターンにより第2発光手段および第3発光手段を発光制御するとともに、特定発光パターンにより第1発光手段を発光制御する。
【0243】
図10-27は、演出図柄変動中処理として、演出制御プロセス処理S_CPROCのステップS115にて演出制御プロセスコードが02[H]である場合に実行可能な処理の一例を示すフローチャートである。演出制御用マイクロプロセッサ100AのCPU120Aは、演出図柄変動中処理を実行した場合に、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップ01AKS21)。ステップ01AKS21では、例えば演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減算するなどして更新し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。可変表示時間の経過は、演出制御プロセスタイマのタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した特図変動時間の経過として判定可能であればよい。
【0244】
ステップ01AKS21にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップ01AKS21;No)、前段演出を実行するための前段演出期間であるか否かを判定する(ステップ01AKS22)。前段演出期間は、例えば演出図柄変動開始処理のステップ01AKS03にて決定された操作前演出制御パターンなどにおいて、予め定められていればよい。前段演出期間である場合に(ステップ01AKS22;Yes)、前段演出を実行するための制御が行われる(ステップ01AKS23)。ステップ01AKS23は、例えば操作前演出制御パターンの設定に基づいて作成したコマンドを、VDP123Aに対して伝送可能にする。あるいは、ステップ01AKS23は、例えば操作前演出制御パターンに含まれる演出制御データに対応して、VDP123Aのレジスタ設定を可能にしてもよい。VDP123Aは、CPU120Aによるコマンド伝送やレジスタ設定に対応して、各種の演出データ処理を実行する。これにより、画像表示装置5の表示画面における画像表示、スピーカ8L、8Rからの音声出力、遊技効果ランプ9および装飾用LEDの点灯または点滅または消灯、可動体モータ32Aの駆動力による可動体32の動作、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせることで、所定の演出装置にて前段演出を実行できればよい。
【0245】
例えば前段演出01AKF2、01AKF3のいずれかが実行される場合に、操作前演出制御パターンに含まれるモータ制御データに対応して、可動体モータ32Aの駆動制御が指定される。VDP123Aは、CPU120Aにより指定された駆動制御に対応した駆動制御データをモータ制御回路133に供給することで、可動体32を制御可能にする。このように、CPU120Aからの指定により、VDP123Aおよびモータ制御回路133が協働して、可動体32を制御可能であればよい。そして、前段演出01AKF2、01AKF3において可動体32を動作可能である。この場合、可動体32の動作は、例えば前段演出01AKF2、01AKF3の開始に対応して実行可能であり、促進演出の実行タイミングとなるまでに退避状態へ戻って停止させるように制御可能であればよい。
【0246】
ステップ01AKS22にて前段演出期間でない場合や(ステップ01AKS22;No)、ステップ01AKS23での制御を実行した後に、特殊演出を実行するための特殊演出期間であるか否かを判定する(ステップ01AKS24)。特殊演出期間は、例えば演出図柄変動開始処理のステップ01AKS03にて決定された操作前演出制御パターンなどにおいて、予め定められていればよい。特殊演出期間である場合に(ステップ01AKS24;Yes)、特殊演出を実行するための制御が行われる(ステップ01AKS25)。ステップ01AKS25は、例えば操作前演出制御パターンの設定に基づいて作成したコマンドを、VDP123Aに対して伝送可能にする。あるいは、ステップ01AKS25は、例えば操作前演出制御パターンに含まれる演出制御データに対応して、VDP123Aのレジスタ設定を可能にしてもよい。VDP123Aは、CPU120Aによるコマンド伝送やレジスタ設定に対応して、各種の演出データ処理を実行する。これにより、画像表示装置5の表示画面における画像表示、スピーカ8L、8Rからの音声出力、遊技効果ランプ9および装飾用LEDの点灯または点滅または消灯、可動体モータ32Aの駆動力による可動体32の動作、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせることで、所定の演出装置にて特殊演出を実行できればよい。
【0247】
ステップ01AKS24にて特殊演出期間でない場合や(ステップ01AKS24;No)、ステップ01AKS25での制御を実行した後に、促進演出を実行するための促進演出期間であるか否かを判定する(ステップ01AKS26)。促進演出期間は、例えば演出図柄変動開始処理のステップ01AKS03にて決定された操作前演出制御パターンなどにおいて、予め定められていればよい。促進演出期間である場合に(ステップ01AKS26;Yes)、促進演出を実行するための制御が行われる(ステップ01AKS27)。ステップ01AKS27は、例えば操作前演出制御パターンの設定に基づいて作成したコマンドを、VDP123Aに対して伝送可能にする。あるいは、ステップ01AKS27は、例えば操作前演出制御パターンに含まれる演出制御データに対応して、VDP123Aのレジスタ設定を可能にしてもよい。VDP123Aは、CPU120Aによるコマンド伝送やレジスタ設定に対応して、各種の演出データ処理を実行する。これにより、画像表示装置5の表示画面における画像表示、スピーカ8L、8Rからの音声出力、遊技効果ランプ9および装飾用LEDの点灯または点滅または消灯、可動体モータ32Aの駆動力による可動体32の動作、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせることで、所定の演出装置にて促進演出を実行できればよい。例えば操作前演出制御パターンに含まれるランプ制御データに対応して、発光部AKL1~AKL3の発光制御が指定される。VDP123Aは、CPU120Aにより指定された発光制御に対応した発光制御データをランプ制御回路132に供給することで、発光部AKL1~AKL3の発光制御を可能にすればよい。そして、促進演出01AKH1、01AKH2の実行期間において、プッシュボタンLEDによる発光部AKL1、装飾ボタンLEDによる発光部AKL2、枠部LEDによる発光部AKL3、それぞれの発光部を発光可能である。
【0248】
ステップ01AKS26にて促進演出期間でない場合や(ステップ01AKS26;No)、ステップ01AKS27での制御を実行した後に、操作後演出を実行するための操作後演出期間であるか否かを判定する(ステップ01AKS28)。操作後演出期間は、例えば演出図柄変動開始処理のステップ01AKS03にて決定された操作後演出制御パターンなどにおいて、予め定められていればよい。操作後演出期間である場合に(ステップ01AKS28;Yes)、操作後演出を実行するための制御が行われる(ステップ01AKS29)。ステップ01AKS29は、例えば操作後演出制御パターンの設定に基づいて作成したコマンドを、VDP123Aに対して伝送可能にする。あるいは、ステップ01AKS29は、例えば操作後演出制御パターンに含まれる演出制御データに対応して、VDP123Aのレジスタ設定を可能にしてもよい。VDP123Aは、CPU120Aによるコマンド伝送やレジスタ設定に対応して、各種の演出データ処理を実行する。これにより、画像表示装置5の表示画面における画像表示、スピーカ8L、8Rからの音声出力、遊技効果ランプ9および装飾用LEDの点灯または点滅または消灯、可動体モータ32Aの駆動力による可動体32の動作、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせることで、所定の演出装置にて操作後演出を実行できればよい。
【0249】
ステップ01AKS28にて操作後演出期間でない場合や(ステップ01AKS28;No)、ステップ01AKS29での制御を実行した後に、リーチ演出を実行するためのリーチ演出期間であるか否かを判定する(ステップ01AKS30)。リーチ演出期間は、例えば演出図柄変動開始処理のステップ01AKS03にて決定された特図変動時演出制御パターンなどにおいて、予め定められていればよい。リーチ演出期間である場合に(ステップ01AKS30;Yes)、リーチ演出を実行するための制御が行われる(ステップ01AKS31)。リーチ演出を実行するための制御は、他の演出を実行するための制御と同様であればよい。リーチ演出期間でない場合や(ステップ01AKS30;No)、ステップ01AKS31での制御を実行した後に、例えば変動パターンに対応して決定された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、演出図柄の可変表示を含め、その他の可変表示中における演出を実行するための制御が行われ(ステップ01AKS32)、演出図柄変動中処理を終了する。
【0250】
ステップ01AKS21にて可変表示時間が経過した場合には(ステップ01AKS21;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップ01AKS33)。図柄確定コマンドの受信がない場合に(ステップ01AKS33;No)、演出図柄変動中処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合に、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。図柄確定コマンドの受信があった場合に(ステップ01AKS33;Yes)、例えばVDP123Aに対して図柄停止用のコマンドを伝送させるといった、演出図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄の確定演出図柄を導出表示させる制御を行う(ステップ01AKS34)。このときには、大当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップ01AKS35)。また、演出制御プロセスコードを演出図柄変動停止処理に対応した03[H]に更新してから(ステップ01AKS36)、演出図柄変動中処理を終了する。
【0251】
図10-28および
図10-29は、操作演出の実行例を示している。
図10-28は、第2タイミングとなるスーパー発展後における操作演出の実行例を示している。
図10-29は、第3タイミングとなる当否報知時における操作演出の実行例を示している。
図10-10に示された演出決定処理を実行したCPU120Aは、例えば特別図柄の表示結果が「大当り」となる場合に、スーパーBのスーパーリーチとなるリーチ演出を実行可能な変動パターンPA3-3に対応して、第2タイミングおよび第3タイミングに対応した実行期間において操作演出を実行することに決定可能である。この場合、第2タイミングに対応して決定可能な複数の操作後演出パターンは、操作後演出パターン01AKP2-3を含んでいる。第2タイミングに対応して決定可能な複数の操作前演出パターンは、操作前演出パターン01AKQ2-1を含んでいる。第3タイミングに対応して決定可能な操作前演出パターンは、操作前演出パターン01AKQ1-2のみである。これらの決定や設定にもとづいて、操作演出が実行される場合について説明する。
【0252】
図10-28(A)に示す演出実行例01AK101は、演出図柄の可変表示がリーチ態様となった後に、スーパーBのスーパーリーチとなるリーチ演出に発展している。この場合に、例えばスーパーBのスーパーリーチとなるリーチ演出における背景画像を用いた画像表示が開始されてもよい。続いて、
図10-28(B)に示す演出実行例01AK102は、スーパー発展後に対応した第2タイミングにて、操作演出に含まれる操作前演出のうち、前段演出01AKF2の実行が開始されている。前段演出01AKF2の開始に対応して、可動体32が退避位置から進出位置へと移動する。
図10-28(C)に示す演出実行例01AK103は、可動体32が進出位置から退避位置に復帰して停止した後に、特殊演出01AKE2が実行されている。特殊演出01AKE2は、前段演出01AKF2の実行中に実行可能であり、例えば前段演出01AKF2におけるキャラクタCH00の画像表示に用いられる演出画像といった、演出画像の視認性を変化させる。
図10-28(D)に示す演出実行例01AK104は、前段演出01AKF2の実行終了に続いて促進演出01AKH2の実行が開始されている。この場合に、少なくとも促進演出01AKH2の実行タイミングよりも前のタイミングで実行した特殊演出01AKE2を、促進演出01AKH2の実行タイミングとなるまでに終了させる。促進演出01AKH2の実行に対応して、リーチ演出における背景画像を用いた画像表示は、異なる背景画像を用いた画像表示に変更される。
【0253】
図10-28(E)に示す演出実行例01AK105は、促進演出01AKH2の実行が進行している。
図10-28(F)に示す演出実行例01AK106は、さらに促進演出01AKH2の実行が進行している。これらの場合に、キャラクタCH01の画像表示は、移動速度AKV1により表示画面の下方から上方に向けて移動表示される。矢印AR01の画像表示は、移動速度AKV2により表示画面の下方から上方に向けて移動表示される。「撃て」のメッセージを示す文字情報MJ01の画像表示は、移動速度AKV3により表示画面の下方から上方に向けて移動表示される。移動速度AKV1は移動速度AKV2よりも遅く、移動速度AKV3は移動速度AKV1よりも速く移動速度AKV2よりも速い。こうした移動表示における速度が相違することで、キャラクタCH01の画像表示は、矢印AR01の画像表示よりも移動量が少なくなる。文字情報MJ01の画像表示は、キャラクタCH01の画像表示よりも移動量が多く矢印AR01の画像表示よりも移動量が少なくなる。キャラクタCH01の画像表示、矢印AR01の画像表示、文字情報MJ01の画像表示は、装飾ボタン31Cの設置位置である第2位置として、画像表示装置5の画面表示よりも上方側である遊技機用枠3の上部を示す態様である演出画像の表示を含んでいる。また、キャラクタCH01の画像表示における「押せ」のメッセージ、文字情報MJ01の画像表示における「撃て」のメッセージは、装飾ボタン31Cに対応した遊技者の動作を促すことができる。
【0254】
図10-28(G)に示す演出実行例01AK107は、促進演出01AKH2の実行期間において装飾ボタン31Cに対応した遊技者の動作が検出された場合や、促進演出01AKH2の実行期間が終了した場合に、操作後演出の実行が開始されている。ここでは、操作後演出パターン01AKP2-3に対応した操作後演出における画像表示が示されている。こうして、第2タイミングとなるスーパー発展後における操作演出を実行することができる。
【0255】
図10-29(A)に示す演出実行例01AK111は、スーパーBのスーパーリーチとなるリーチ演出における当否報知時に対応した第3タイミングにて、操作演出に含まれる操作前演出のうち、前段演出01AKF1の実行が開始されている。前段演出01AKF1において可動体32を動作させない。
図10-29(B)に示す演出実行例01AK112は、前段演出01AKF1の実行期間において特殊演出01AKE1が実行されている。特殊演出01AKE1は、例えば前段演出01AKF1における画像表示に用いられる演出画像といった、演出画像の視認性を変化させる。
図10-29(C)に示す演出実行例01AK113は、前段演出01AKF2の実行終了に続いて促進演出01AKH1の実行が開始されている。この場合に、促進演出01AKH1の実行タイミングよりも前のタイミングで実行した特殊演出01AKE1を、促進演出01AKH1の実行期間においても実行可能である。特殊演出01AKE1は、例えば促進演出01AKH1における画像表示に用いられる演出画像といった、演出画像の視認性を変化させる。
図10-29(D)に示す演出実行例01AK114は、促進演出01AKH1の実行期間において特殊演出01AKE1の実行が終了している。この場合に、促進演出01AKH1における画像表示に用いられる演出画像といった、特殊演出01AKE1により視認性を変化させた演出画像は、通常の視認性に復帰している。促進演出01AKH1において、ボタン表示BG01となる画像表示、メータ表示MT01となる画像表示は、プッシュボタン31Bの設置位置である第1位置として、画像表示装置5の画面表示よりも下方側である遊技機用枠3の下部を示さない態様である演出画像の表示を含み、遊技機用枠3の下部を示す態様である演出画像の表示を含んでいない。また、ボタン表示BG01となる画像表示は、プッシュボタン31Bに対応した遊技者の動作を促すことができる。
【0256】
図10-29(E)に示す演出実行例01AK115は、促進演出01AKH1の実行期間においてプッシュボタン31Bに対応した遊技者の動作が検出された場合や、促進演出01AKH1の実行期間が終了した場合に、操作後演出の実行が開始されている。ここでは、変動パターンPA3-3に対応した操作後演出における画像表示が示されている。こうして、第3タイミングとなる当否報知時における操作演出を実行することができる。
【0257】
以上のように、特徴部01AKに関するパチンコ遊技機1において、プッシュボタン31Bは、例えば押下操作といった遊技者の動作態様を示唆する文字情報が示されている。装飾ボタン31Cは、遊技者の動作態様を示唆する文字情報が示されていない。装飾ボタン31Cを用いた操作演出を実行可能にする操作前演出パターン01AKQ2-1、01AKQ2-2、01AKQ2-3は、促進演出01AKH2を含んだ操作前演出を実行可能にする。促進演出01AKH2は、キャラクタCH01の画像表示、矢印AR01の画像表示、文字情報MJ01の画像表示により、装飾ボタン31Cの設置位置である第2位置として、画像表示装置5の画面表示よりも上方側である遊技機用枠3の上部を示す態様である演出画像を表示可能にする。これにより、装飾ボタン31Cの押下操作といった遊技者の動作を認識しやすくなるので、遊技者の動作を適切に促して参加意欲を高めることで、遊技興趣を向上させることができる。また、少なくとも促進演出01AKH2の実行タイミングよりも前のタイミングで実行した特殊演出01AKE2を、促進演出01AKH2の実行タイミングとなるまでに終了させる。こうして、促進演出01AKH2の実行期間において特殊演出01AKE2が実行されないので、演出画像の視認性を変化させる特殊演出01AKE2により促進演出01AKH2の視認性が阻害されることを防止でき、促進演出01AKH2が実行されることに遊技者を注目させ、遊技者の動作を適切に促すことで、遊技興趣を向上させることができる。
【0258】
操作前演出パターン01AKQ1-1、01AKQ1-2に対応した操作前演出は、促進演出01AKH1の実行中に特殊演出01AKE1を実行可能である。このような特殊演出01AKE1によって促進演出01AKH1に対する遊技者の注目度が高められ、遊技者の動作を適切に促すことで、遊技興趣を向上させることができる。
【0259】
操作前演出パターン01AKQ2-1、01AKQ2-2に対応した操作前演出は、促進演出01AKH2の実行前に前段演出01AKF2、01AKF3を実行可能である。これら前段演出01AKF2、01AKF3の実行中に特殊演出01AKE2を実行可能である。前段演出01AKF2、01AKF3によって促進演出01AKH2が実行されることを事前に示唆できるとともに、特殊演出01AKE2によって前段演出01AKF2、01AKF3に対する遊技者の注目度が高められ、遊技者の動作を適切に促すことで、遊技興趣を向上させることができる。
【0260】
操作前演出パターン01AKQ2-1により前段演出01AKF2を実行可能であり、操作前演出パターン01AKQ2-2により前段演出01AKF3を実行可能である。操作前演出パターン01AKQ2-1、01AKQ2-2は、いずれも促進演出01AKH2を含む操作前演出を実行可能にするので、少なくとも操作前演出パターン01AKQ2-1、01AKQ2-2を含む複数パターンのうちいずれかのパターンにより促進演出01AKH2の実行前に前段演出を実行可能であり、多様な前段演出によって促進演出01AKH2が実行されることを事前に示唆することで、遊技者の動作を適切に促し、遊技興趣を向上させることができる。
【0261】
前段演出01AKF2はキャラクタCH00の画像表示を含み、促進演出01AKH2はキャラクタCH01の画像表示を含むことで、共通の特定キャラクタを表示可能になるので、前段演出01AKF2と促進演出01AKH2との関連性が高められる。前段演出01AKF2におけるキャラクタCH00の画像表示は例えば三次元立体表示などの第1態様であり、促進演出01AKH2におけるキャラクタCH01の画像表示は例えば二次元平面表示などの第2態様であることにより、前段演出01AKF2と促進演出01AKH2とを遊技者が容易に区別することができ、遊技者の動作を適切に促すことで、遊技興趣を向上させることができる。
【0262】
前段演出01AKF2、01AKF3は可動体32を動作可能なので、前段演出01AKF2、01AKF3に対する遊技者の注目度が高められる。また、促進演出01AKH2の実行タイミングとなるまでに可動体32の動作を停止させるので、可動体32の動作により促進演出01AKH2の視認性が阻害されることを防止でき、促進演出01AKH2が実行されることに遊技者を注目させ、遊技者の動作を適切に促すことで、遊技興趣を向上させることができる。
【0263】
操作前演出パターン01AKQ2-1、01AKQ2-2、01AKQ2-3に対応した操作前演出は、通常状態と時短状態との両方に対応して実行可能な促進演出01AKH2を含み、時短状態に対応して促進演出01AKH2が実行される場合に前段演出01AKF2、01AKF3の実行を制限可能なので、時短状態において円滑に促進演出01AKH2を実行して、遊技者の動作を適切に促すことで、遊技興趣を向上させることができる。
【0264】
発光パターン設定例01AKD51は、促進演出01AKH1に対応して、第1促進発光パターンにより発光部AKL1を発光制御するとともに、所定発光パターンにより発光部AKL2、AKL3を発光制御する設定を可能にする。また、発光パターン設定例01AKD51は、促進演出01AKH2に対応して、第2促進発光パターンにより発光部AKL2、AKL3を発光制御するとともに、特定発光パターンにより発光部AKL1を発光制御する設定を可能にする。このように、促進演出01AKH1、01AKH2の種類に対応した発光制御により、遊技者の動作を適切に促すことで、遊技興趣を向上させることができる。
【0265】
促進演出01AKH1は実行前と実行期間とで共通の背景画像を用いた画像表示HG01が可能であり、促進演出01AKH2は実行前と実行期間とで異なる背景画像を用いた画像表示HG02が可能であることにより、促進演出01AKH2を促進演出01AKH1よりも特別な演出として遊技者に認識させることで、遊技者の動作を適切に促し、遊技興趣を向上させることができる。
【0266】
通常時の第1タイミングに対応して促進演出01AKH1と促進演出01AKH2とのいずれかを実行可能であり、第3タイミングに対応して促進演出01AKH1のみを実行可能なので、促進演出01AKH2の特別感が高められ、遊技者の動作を適切に促すことで、遊技興趣を向上させることができる。
【0267】
促進演出01AKH2における画像表示は、キャラクタCH01の画像表示と、矢印AR01の画像表示とを、装飾ボタン31Cの設置位置である第2位置に向けて移動表示させるので、関連性が薄い画像表示にあえて不自然さを生じさせ、移動表示の先に注目させて装飾ボタン31Cを遊技者に認識させやすくすることで、遊技者の動作を適切に促し、遊技興趣を向上させることができる。
【0268】
表示優先度が高いレイヤ01AKL1、01AKL2を用いて描画される小図柄表示エリア01AKC1や変動関連表示エリア01AKC2は、画像表示装置5の表示画面における下部に設けられ、キャラクタCH01の画像表示や矢印AR01の画像表示が移動表示される方向に表示されないので、小図柄やアクティブ表示および保留表示の視認性を保つことができるとともに、装飾ボタン31Cに向かう移動表示を明確にすることで、遊技者の動作を適切に促し、遊技興趣を向上させることができる。
【0269】
移動速度AKV1でキャラクタCH01の画像表示を移動表示させ、移動速度AKV1よりも速い移動速度AKV2で矢印AR01の画像表示を移動表示させるので、移動表示の速度を異ならせることにより、促進演出01AKH2に対する遊技者の注目度を高めて、遊技者の動作を適切に促し、遊技興趣を向上させることができる。
【0270】
促進演出01AKH2における画像表示は、文字情報MJ01の画像表示を、移動速度AKV1よりも速く移動速度AKV2よりも遅い移動速度AKV3で移動表示させるので、移動表示の速度を異ならせることにより、促進演出01AKH2に対する遊技者の注目度を高めて、遊技者の動作を適切に促し、遊技興趣を向上させることができる。
【0271】
特殊演出01AKE2における画像表示は、特殊画像を移動速度AKV4で移動表示させる。移動速度AKV4は、移動速度AKV1および移動速度AKV2および移動速度AKV3よりも速いので、移動表示の速度を異ならせることにより、促進演出01AKH2に対する遊技者の注目度を高めて、遊技者の動作を適切に促し、遊技興趣を向上させることができる。
【0272】
促進演出01AKH1における画像表示は、ボタン表示BG01となる画像表示と、メータ表示MT01となる画像表示とを、移動表示させないので、促進演出01AKH2とは大きく異なる印象の促進演出01AKH1により、遊技者の動作を適切に促すことで、遊技興趣を向上させることができる。
【0273】
前段演出01AKF2、01AKF3の実行期間と促進演出01AKH2の実行期間とを合計した期間は、前段演出01AKF1の実行期間と促進演出01AKH1の実行期間とを合計した期間よりも長いので、焦燥感を抑制して装飾ボタン31Cに対応した遊技者の動作を適切に促すことにより、遊技興趣を向上させることができる。
【0274】
前段演出01AKF2、01AKF3の実行期間は、前段演出01AKF1の実行期間よりも長いので、促進演出01AKH2に対する遊技者の注目度を高めて、遊技者の動作を適切に促し、遊技興趣を向上させることができる。
【0275】
促進演出01AKH1の実行期間は通常時や時短中の第1タイミングと第3タイミングとで異なり、促進演出01AKH2の実行期間は通常時の第1タイミングと第2タイミングとのいずれであっても共通であるので、促進演出01AKH2に対する遊技者の認識を一定に維持することにより、遊技者の動作を適切に促し、遊技興趣を向上させることができる。
【0276】
促進演出01AKH2の実行期間は、促進演出01AKH1の実行期間よりも長いので、装飾ボタン31Cに対応した遊技者の動作を余裕あるものとすることで、遊技者の動作を適切に促し、遊技興趣を向上させることができる。
【0277】
時短状態に対応した促進演出01AKH2の実行期間は、通常状態に対応した促進演出01AKH2の実行期間よりも短いので、時短状態における促進演出01AKH2を円滑に実行することにより、遊技者の動作を適切に促し、遊技興趣を向上させることができる。
【0278】
(特徴部01AKの課題解決手段および効果)
[1] 遊技を行うことが可能な遊技機であって、
遊技者の動作を検出可能な検出手段と、
演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、
前記検出手段は、
第1位置に設けられ、遊技者の動作態様を示唆する文字情報が示された第1検出手段と、
第2位置に設けられ、遊技者の動作態様を示唆する文字情報が示されない第2検出手段と、を含み、
前記演出実行手段は、
前記第1検出手段に対応した動作を促す第1促進演出を実行可能であり、
前記第2検出手段に対応した動作を促す第2促進演出を実行可能であり、
演出画像の視認性を変化させる特殊演出を実行可能であり、
前記第1促進演出は、前記第1位置を示さない態様である第1促進画像の表示を含み、
前記第2促進演出は、前記第2位置を示す態様である第2促進画像の表示を含み、
前記演出実行手段は、少なくとも前記第2促進演出の実行タイミングよりも前のタイミングで実行した前記特殊演出を、該第2促進演出の実行タイミングとなるまでに終了させる。
ここで、遊技機は、例えばパチンコ遊技機1などであればよい。検出手段は、例えばプッシュボタン31B、装飾ボタン31C、プッシュセンサ35B、35Cなどであればよい。演出実行手段は、例えば演出制御用マイクロプロセッサ100AのCPU120AおよびVDP123A、画像表示装置5などであればよい。第1位置は、例えば遊技機用枠3の下部における打球供給皿の近傍などであればよい。文字情報は、例えば「PUSH」を示す装飾などであればよい。第1検出手段は、例えばプッシュボタン31B、プッシュセンサ35Bなどであればよい。第2位置は、例えば遊技機用枠3の上部などであればよい。第2検出手段は、例えば装飾ボタン31C、プッシュセンサ35Cなどであればよい。第1促進演出は、例えば操作前演出パターン01AKQ1-1、01AKQ1-2による促進演出01AKH1などであればよい。第2促進演出は、例えば操作前演出パターン01AKQ2-1~01AKQ2-3による促進演出01AKH2などであればよい。特殊演出は、例えば操作前演出パターン01AKQ2-1、01AKQ2-2による特殊演出01AKE2などであればよい。第2促進演出の実行タイミングは、例えばタイミングT24などであればよい。前のタイミングは、例えばタイミングT22などであればよい。
このような構成によれば、第2促進演出を認識しやすくなることで、遊技者の動作を適切に促すことができる。
【0279】
[2] 演出実行手段は、第1促進演出の実行中に特殊演出を実行可能であってもよい。
例えば操作前演出パターン01AKQ1-2による特殊演出01AKE1などを実行可能であればよい。
このような構成においては、第1促進演出の注目度を高めて、遊技者の動作を適切に促すことができる。
【0280】
[3] 演出実行手段は、
第2促進演出の実行前に、該第2促進演出が実行されることを示唆する前段演出を実行可能であり、
前段演出の実行中に特殊演出を実行可能であってもよい。
ここで、前段演出は、例えば操作前演出パターン01AKQ2-1による前段演出01AKF2や操作前演出パターン01AKQ2-2による前段演出01AKF3などであればよい。
このような構成においては、特殊演出により注目度が高められる前段演出を実行して第2促進演出を認識しやすくなることで、遊技者の動作を適切に促すことができる。
【0281】
[4] 演出実行手段は、少なくとも第1パターンと第2パターンとを含む複数パターンのうちいずれかのパターンにより前段演出を実行可能であってもよい。
ここで、第1パターンは、例えば操作前演出パターン01AKQ2-1などであればよい。第2パターンは、例えば操作前演出パターン01AKQ2-2などであればよい。
このような構成においては、多様な前段演出を実行して第2促進演出の注目度を高めることで、遊技者の動作を適切に促すことができる。
【0282】
[5] 演出実行手段は、前段演出と第2促進演出とにおいて共通の特定キャラクタを表示可能であり、
前段演出は、第1態様である特定キャラクタの表示を含み、
第2促進演出は、第2態様である特定キャラクタの表示を含んでもよい。
ここで、第1態様で表示する特定キャラクタは、例えば三次元立体表示あるいはアニメーション表示や動画像表示されるキャラクタCH00の画像表示などであればよい。第2態様で表示する特定キャラクタは、例えば二次元平面表示あるいは静止画像表示されるキャラクタCH01の画像表示などであればよい。
このような構成においては、前段演出と第2促進演出との関連性を高めるとともに区別を容易にして、遊技者の動作を適切に促すことができる。
【0283】
[6] 可動体と、
可動体を制御可能な可動体制御手段と、を備え、
可動体制御手段は、
前段演出において可動体を動作可能であり、
第2促進演出の実行タイミングとなるまでに可動体の動作を停止させてもよい。
ここで、可動体は、例えば可動体32などであればよい。可動体制御手段は、例えばステップ01AKS23を実行するCPU120Aと対応したVDP123A、モータ制御回路133などであればよい。
このような構成においては、前段演出の注目度を高めるとともに第2促進演出を認識しやすくすることで、遊技者の動作を適切に促すことができる。
【0284】
[7] 遊技状態として、通常状態と該通常状態よりも遊技者にとって有利な特別状態とに制御可能な制御手段を備え、
演出実行手段は、
通常状態と特別状態との両方に対応して第2促進演出を実行可能であり、
通常状態に対応して第2促進演出が実行される場合に、前段演出を実行可能であり、
特別状態に対応して第2促進演出が実行される場合に、前段演出の実行を制限可能であってもよい。
ここで、特別状態は、例えば時短状態などであればよい。通常状態に対応して実行される第2促進演出は、例えば操作前演出パターン01AKQ2-1、01AKQ2-2による促進演出01AKH2などであればよい。特別状態に対応して実行される第2促進演出は、例えば操作前演出パターン01AKQ2-3による促進演出01AKH2などであればよい。
このような構成においては、第2促進演出を円滑に実行することで、遊技者の動作を適切に促すことができる。
【0285】
[8] 第1発光手段と、
第2発光手段と、
第3発光手段と、
発光制御手段と、を備え、
発光制御手段は、
第1促進演出に対応して、第1促進発光パターンにより第1発光手段を発光制御するとともに、所定発光パターンにより第2発光手段および第3発光手段を発光制御し、
第2促進演出に対応して、第2促進発光パターンにより第2発光手段および第3発光手段を発光制御するとともに、特定発光パターンにより第1発光手段を発光制御してもよい。
ここで、第1発光手段は、例えばプッシュボタンLEDによる発光部AKL1などであればよい。第2発光手段は、例えば装飾ボタンLEDによる発光部AKL2などであればよい。第3発光手段は、例えば枠部LEDによる発光部AKL3などであればよい。発光制御手段は、例えばステップ01AKS27を実行するCPU120Aと対応したVDP123A、ランプ制御回路132などであればよい。第1促進演出や第2促進演出に対応した発光制御は、例えば発光パターン設定例02AKD51による発光制御などであればよい。
このような構成においては、第1促進演出と第2促進演出とに対応した発光制御によって、遊技者の動作を適切に促すことができる。
【0286】
[9] 演出実行手段は、
第1促進演出が実行される前と該第1促進演出が実行される期間とで、共通の背景画像を表示可能であり、
第2促進演出が実行される前と該第2促進演出が実行される期間とで、異なる背景画像を表示可能であってもよい。
ここで、共通の背景画像は、例えばリーチ演出における背景画像などであればよい。異なる背景画像は、例えば促進演出01AKH2における背景画像などであればよい。
このような構成においては、第2促進演出の注目度を高めて、遊技者の動作を適切に促すことができる。
【0287】
[10] 演出実行手段は、
遊技者にとって有利な有利状態に制御されることを示唆する特定演出を実行可能であり、
特定演出の実行期間に含まれる第1期間と第2期間とで促進演出を実行可能であり、
第1期間において、第1促進演出と第2促進演出とのいずれかの促進演出を実行可能であり、
第2期間において、第1促進演出のみを実行可能であってもよい。
ここで、特定演出は、例えばスーパーBとなるスーパーリーチのリーチ演出を含んだ変動パターンによる可変表示中の演出などであればよい。第1期間は、例えばリーチ成立前の第1タイミングにて開始される操作演出の実行期間などであればよい。第2期間は、例えば当否報知時の第3タイミングにて開始される操作演出の実行期間などであればよい。第1期間において実行可能な促進演出は、例えば操作前演出パターン決定例01AKD31にて決定可能な操作前演出パターンによる促進演出などであればよい。第2期間において実行可能な第1促進演出は、例えば操作前演出パターン決定例01AKD34にて決定可能な操作前演出パターン01AKQ1-2による促進演出01AKH1などであればよい。
このような構成においては、第2促進演出の特別感を高めることで、遊技者の動作を適切に促すことができる。
【0288】
[11] 第2促進演出における第2促進画像の表示は、少なくとも、第2位置に向けて移動表示される第1画像および第2画像の表示を含み、
第1画像は、キャラクタを示す画像であり、
第2画像は、第2検出手段により遊技者の動作を検出可能な残り期間を示唆する画像であってもよい。
ここで、第1画像は、例えばキャラクタCH01の画像表示に用いられる演出画像などであればよい。第2画像は、例えば矢印AR01の画像表示に用いられる演出画像などであればよい。
このような構成においては、第2促進演出の注目度を高めることで、遊技者の動作を適切に促すことができる。
【0289】
[12] 第1画像および第2画像の表示レイヤよりも優先度が高い表示レイヤにおいて、可変表示に関する特別情報を表示可能であり、
特別情報は、第1画像および第2画像が移動表示される方向に表示されなくてもよい。
ここで、第1画像および第2画像の表示レイヤは、例えば表示レイヤ01AKL3などであればよい。優先度が高い表示レイヤは、例えば表示レイヤ01AKL1、01AKL2などであればよい。移動表示される方向は、例えば表示画面の上部方向などであればよい。
このような構成においては、特別情報の視認性を確保しつつ第2促進演出の注目度を高めることで、遊技者の動作を適切に促すことができる。
【0290】
[13] 演出実行手段は、
第1速度で第1画像を移動表示させ、
第1速度よりも速い第2速度で第2画像を移動表示させてもよい。
ここで、第1速度は、例えばキャラクタCH01の移動速度AKV1などであればよい。第2速度は、例えば矢印AR01の移動速度AKV2などであればよい。
このような構成においては、第2促進演出の演出効果を高めることで、遊技者の動作を適切に促すことができる。
【0291】
[14] 第2促進演出における第2促進画像の表示は、第2検出手段に対応した遊技者の動作態様を示唆する第3画像を含み、
演出実行手段は、第1速度よりも速く第2速度よりも遅い第3速度で第3画像を移動表示させてもよい。
ここで、第3画像は、例えば文字情報MJ01を示す演出画像などであればよい。第3速度は、文字情報MJ01の移動速度AKV3などであればよい。
このような構成においては、第2促進演出の演出効果を高めることで、遊技者の動作を適切に促すことができる。
【0292】
[15] 特殊演出は、演出画像の視認性を変化させる特殊画像が第2位置に向けて移動表示する演出であり、
演出実行手段は、第1速度および第2速度および第3速度よりも速い第4速度で特殊画像を移動表示させてもよい。
ここで、特殊画像は、例えば特殊演出01AKE2にて表示される演出画像などであればよい。第4速度は、例えば特殊演出01AKE2における演出画像の移動速度AKV4などであればよい。
このような構成においては、第2促進演出の演出効果を高めることで、遊技者の動作を適切に促すことができる。
【0293】
[16] 第1促進演出における第1促進画像の表示は、少なくとも、第1検出手段を模した第5画像と、第1検出手段により遊技者の動作を検出可能な残り期間を示唆する第6画像と、を含み、
第5画像および第6画像は、第1位置に向けて移動表示されない態様で表示されてもよい。
ここで、第5画像は、例えばボタン表示BG01となる画像表示に用いられる演出画像などであればよい。第6画像は、例えばメータ表示MT01となる画像表示に用いられる演出画像などであればよい。
このような構成においては、第1促進演出の印象を異ならせて、遊技者の動作を適切に促すことができる。
【0294】
[17] 演出実行手段は、
第1促進演出の実行よりも前に、該第1促進演出が実行されることを示唆する第1前段演出を実行可能であり、
第2促進演出の実行よりも前に、該第2促進演出が実行されることを示唆する第2前段演出を実行可能であり、
第2前段演出の実行期間と第2促進演出の実行期間とを合計した期間は、第1前段演出の実行期間と第1促進演出の実行期間とを合計した期間よりも長くてもよい。
ここで、第1前段演出は、例えば前段演出01AKF1などであればよい。第2前段演出は、例えば前段演出01AKF2、01AKF3などであればよい。第2前段演出の実行期間は、例えば5秒間などであればよい。第2促進演出の実行期間は、例えば7秒間などであればよい。第1前段演出の実行期間は、例えば4秒間などであればよい。第1促進演出の実行期間は、例えば6秒間などであればよい。
このような構成においては、第2検出手段に対応した演出の実行期間を長くすることで、遊技者の動作を適切に促すことができる。
【0295】
[18] 第2前段演出の実行期間は、第1前段演出の実行期間よりも長くてもよい。
ここで、第2前段演出の実行期間は、例えば5秒間などであればよい。第1前段演出の実行期間は、例えば4秒間などであればよい。
このような構成においては、第2促進演出の注目度を高めることで、遊技者の動作を適切に促すことができる。
【0296】
[19] 演出実行手段は、特定パターンに対応する可変表示において、複数タイミングで第1促進演出または第2促進演出を実行可能であり、
第1促進演出の実行期間は、複数タイミングに含まれる第1タイミングと第2タイミングとで異なり、
第2促進演出の実行期間は、複数タイミングのいずれであっても共通であるものとしてもよい。
ここで、特定パターンに対応する可変表示は、例えばスーパーBとなるスーパーリーチのリーチ演出を含んだ変動パターンによる可変表示などであればよい。第1促進演出の実行期間は、例えば第1タイミングに対応して決定可能な操作前演出パターン01AKQ1-1による促進演出01AKH1が実行される3秒間と、第3タイミングに対応して決定可能な操作前演出パターン01AKQ1-2による促進演出01AKH1が実行される6秒間などであればよい。第2促進演出の実行期間は、例えば第1タイミングと第2タイミングとに対応して決定可能な操作前演出パターン01AKQ2-1、01AKQ2-2による促進演出01AKH2が実行される7秒間などであればよい。
このような構成においては、第2促進演出の演出効果を維持することで、遊技者の動作を適切に促すことができる。
【0297】
[20] 第2促進演出の実行期間は、第1促進演出の実行期間よりも長くてもよい。
ここで、第2促進演出の実行期間は、例えば7秒間などであればよい。第1促進演出の実行期間は、例えば6秒間などであればよい。
このような構成においては、第2検出手段に対応した遊技者の動作を容易にすることで、遊技者の動作を適切に促すことができる。
【0298】
[21] 遊技状態として、通常状態と該通常状態よりも遊技者にとって有利な特別状態とに制御可能な制御手段を備え、
特別状態に対応した第2促進演出の実行期間は、通常状態に対応した第2促進演出の実行期間よりも短くてもよい。
ここで、特別状態は、例えば時短状態などであればよい。特別状態に対応した第2促進演出の実行期間は、例えば5秒間などであればよい。通常状態に対応した第2促進演出の実行期間は、例えば7秒間などであればよい。
このような構成においては、第2促進演出を円滑に実行することで、遊技者の動作を適切に促すことができる。
【符号の説明】
【0299】
1 … パチンコ遊技機
3 … 遊技機用枠
5 … 画像表示装置
31B … プッシュボタン
31C … 装飾ボタン
35B、35C … プッシュセンサ
100A … 演出制御用マイクロプロセッサ
120A … CPU
123A … VDP