(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170754
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】空調用放射パネルの開閉構造
(51)【国際特許分類】
F24F 5/00 20060101AFI20231124BHJP
F24D 3/14 20060101ALI20231124BHJP
F24D 19/02 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
F24F5/00 101B
F24D3/14
F24D19/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022082751
(22)【出願日】2022-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390022666
【氏名又は名称】協立エアテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【弁理士】
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(74)【代理人】
【識別番号】100219483
【弁理士】
【氏名又は名称】宇野 智也
(72)【発明者】
【氏名】弘本 真一
(72)【発明者】
【氏名】新田目 泰行
(72)【発明者】
【氏名】八木 崇
(72)【発明者】
【氏名】益田 太平
(72)【発明者】
【氏名】上野 武司
(72)【発明者】
【氏名】重松 拓也
【テーマコード(参考)】
3L070
3L073
【Fターム(参考)】
3L070AA04
3L073BB07
(57)【要約】
【課題】シンプルな構造で開閉操作も簡単であり、空調空間内に設置された空調用放射パネルの上面部分の配管の点検作業や空調用放射パネルのメンテナンス作業を容易に行うことができる空調用放射パネルの開閉構造を提供する。
【解決手段】空調用パネル10は、熱放射用の表面材1と、表面材1の上面側に設けられた冷温水用配管2と、表面材1の上面側に設けられ表面材1を支持する支持フレーム5と、を有し、空調空間の躯体部から垂下された複数の吊りボルト6に吊り金具4を介して係止された固定枠7に取り付けることにより空調空間内に設置され、空調用放射パネル10の一方の端部10aは、固定枠7に対して回動可能なヒンジ機構8を介して固定枠7に係止され、空調用放射パネル10の他方の端部10bはラッチ機構9を介して固定枠7に係脱可能に係止されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調空間の躯体部から垂下された複数の吊りボルトに複数の空調用放射パネルを取り付けることにより前記空調空間内に所定面積の連続した天井面を形成するように設置された空調用放射パネル群のうちの少なくとも1枚の前記空調用放射パネルを前記空調用放射パネル群の下方から開閉可能とする空調用放射パネルの開閉構造であって、
前記空調用放射パネルは、熱放射用の表面材と、前記表面材の上面側に設けられた冷温水用配管と、前記表面材の上面側に設けられ前記表面材を支持する支持フレームと、を有するとともに、前記空調用放射パネルは、前記空調空間の躯体部から垂下された吊りボルトに係止された固定枠に取り付けることにより前記空調空間内に設置され、
前記空調用放射パネルの一方の端部は、前記固定枠に対して回動可能なヒンジ機構を介して前記固定枠に係止され、
前記空調用放射パネルにて前記一方の端部と対向する位置にある他方の端部は、前記固定枠に対して係脱可能なラッチ機構を介して前記固定枠に係止された空調用放射パネルの開閉構造。
【請求項2】
前記空調用放射パネルの一方の端部は、前記ヒンジ機構を介して前記固定枠に着脱可能に係止された請求項1記載の空調用放射パネルの開閉構造。
【請求項3】
前記ヒンジ機構若しくはその近傍に、前記ラッチ機構及び前記ヒンジ機構を解除して前記固定枠から離脱させた前記空調用放射パネルを前記固定枠の一部に垂下状に保持可能なフック機構を設けた請求項2記載の空調用放射パネルの開閉構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調空間内に設置された複数の空調用放射パネルのうちの少なくとも1枚を空調用放射パネルの下方から開閉するための空調用放射パネルの開閉構造に関する。
【背景技術】
【0002】
建物内部の空調空間内の空気の温度調節を行う手段として、空調用放射パネルを使用した空調システムが知られている。この空調システムにおいては、熱放射機能を有する空調用放射パネルを建物内部の空調空間の天井部付近に宙吊り状態で設置し、空調用放射パネルに設けられた配管内を熱媒(例えば冷温水)を流動することで放射パネル表面に熱が伝わり、パネル表面から放射される熱によって空調空間の空調が行われる。
【0003】
前記空調システムにおいて、複数の空調用放射パネル群は、空調空間内に所定面積の連続した天井面を形成するように設置されているので、天井裏の配管の点検作業や空調用放射パネルのメンテナンスや交換作業を行う場合、一部の空調用放射パネルを取り外す必要がある。
【0004】
そこで、空調空間の天井部付近に設置された空調用放射パネル群の一部を開閉できるようにした発明が、例えば、特許文献1において開示されている。特許文献1に記載された「放射パネルの連結体」は、構造物の天井に設けられた複数の支持部に取り付けられる放射パネルの連結体であって、隣り合う支持部間に2枚の放射パネルが隣接して配置され、それぞれの放射パネルの支持部側の側縁が蝶番を介して支持部に回動自在に連結されており、2枚の放射パネルは蝶番を中心に観音開き状に開閉可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された「放射パネルの連結体」においては、2枚の放射パネルは蝶番を中心に観音開き状に開閉することができるので、放射パネルの上面部分の点検作業やメンテナンス作業などを行う際には便利であるが、2枚の放射パネルに開閉機構を設けなければならないので、構造が複雑であり、開閉操作も面倒である。
【0007】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、シンプルな構造で開閉操作も簡単であり、空調空間内に設置された空調用放射パネルの上面部分の配管の点検作業や空調用放射パネルのメンテナンス作業を容易に行うことができる空調用放射パネルの開閉構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る空調用放射パネルの開閉構造は、空調空間の躯体部から垂下された複数の吊りボルトに複数の空調用放射パネルを取り付けることにより前記空調空間内に所定面積の連続した天井面を形成するように設置された空調用放射パネル群のうちの少なくとも1枚の前記空調用放射パネルを前記空調用放射パネル群の下方から開閉可能とする空調用放射パネルの開閉構造であって、
前記空調用放射パネルは、熱放射用の表面材と、前記表面材の上面側に設けられた冷温水用配管と、前記表面材の上面側に設けられ前記表面材を支持する支持フレームと、を有するとともに、前記空調用放射パネルは、前記空調空間の躯体部から垂下された吊りボルトに係止された固定枠に取り付けることにより前記空調空間内に設置され、
前記空調用放射パネルの一方の端部は、前記固定枠に対して回動可能なヒンジ機構を介して前記固定枠に係止され、
前記空調用放射パネルにて前記一方の端部と対向する位置にある他方の端部は、前記固定枠に対して係脱可能なラッチ機構を介して前記固定枠に係止されたことを特徴とする。
【0009】
このような構成とすれば、前記空調空間内に所定面積の連続した天井面を形成するように設置された空調用放射パネル群のうちの少なくとも1枚の空調用放射パネルが開閉可能となるので、当該空調用放射パネルに天井点検口としての機能を付加することができ、天井裏(空調用放射パネル群の上面部分)の配管などの点検作業やメンテナンス作業を容易に行うことができる。また、空調用放射パネルの一方の端部のみがヒンジ機構を介して固定枠に係止された構造であるため、シンプルな構造で開閉操作も簡単である。
【0010】
前記空調用放射パネルの開閉構造においては、前記空調用放射パネルの一方の端部を、前記ヒンジ機構を介して前記固定枠に着脱可能に係止することができる。
【0011】
このような構成とすれば、空調用放射パネルが固定枠に着脱可能であることにより、空調用放射パネルを固定枠から取り外すことができるので、隣接する他の(開閉構造を有していない)空調用放射パネル群のメンテナンスや交換作業を容易に行うことができる。
【0012】
前記空調用放射パネルの開閉構造においては、前記ヒンジ機構若しくはその近傍に、前記ラッチ機構及び前記ヒンジ機構を解除して前記固定枠から離脱させた前記空調用放射パネルを前記固定枠の一部に垂下状に保持可能なフック機構を設けることができる。
【0013】
このような構成とれば、固定枠から離脱させた空調用放射パネルをフック機構利用して固定枠の一部に垂下状に保持することができるので、着脱作業時の作業性が向上し、特に、大型サイズの空調用放射パネルの設置若しくは交換などを行うときの作業性並びに安全性が向上する。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、シンプルな構造で開閉操作も簡単であり、空調空間内に設置された空調用放射パネルの上面部分の配管の点検作業や空調用放射パネルのメンテナンス作業を容易に行うことができる空調用放射パネルの開閉構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態である空調用放射パネルの開閉構造を示す一部省略斜視図である。
【
図2】
図1に示す空調用放射パネルの開閉構造において開閉可能な空調用放射パネルを固定枠から離脱させた状態を示す一部省略斜視図である。
【
図3】
図1中の矢線A方向から見た一部省略正面図である。
【
図4】空調用放射パネルが開状態にあるときの一部省略正面図である。
【
図5】空調用放射パネルを固定枠から離脱させる手順を示す工程図である。
【
図6】
図5(a)のヒンジ金具付近の一部拡大図である。
【
図7】空調用放射パネルを固定枠に取り付ける手順を示す工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、
図1~
図7に基づいて、本発明の実施形態である空調用放射パネルの開閉構造について説明する。
図1は、空調空間の躯体部(図示せず)から垂下された複数の吊りボルト6に複数の空調用放射パネル10,10Xを取り付けることにより、空調空間内に所定面積の連続した天井面を形成するように設置された空調用放射パネル群の一部を示している。
図1中の右側に位置する空調用放射パネル10Xは固定式であり、同
図1中の左側に位置する空調用放射パネル10が開閉式である。
【0017】
図1,
図2に示すように、固定式の空調用放射パネル10Xは、熱放射用の表面材1と、表面材1の上面側に設けられた冷温水用配管2と、表面材1の上面側に設けられ表面材1を支持する支持フレーム3と、支持フレーム3に設けられた複数の吊り金具4と、を有し、空調空間の躯体部(図示せず)から垂下された吊りボルト6に吊り金具4を取り付けることにより空調空間内に設置されている。
【0018】
図1,
図3に示すように、開閉式の空調用放射パネル10は、熱放射用の表面材1と、表面材1の上面側に設けられた冷温水用配管2と、表面材1の上面側に設けられ表面材1を支持する支持フレーム5と、を有している。空調用放射パネル10は、空調空間の躯体部(図示せず)から垂下された複数の吊りボルト6に吊り金具4を介して係止された固定枠7に取り付けることにより空調空間内に設置されている。
【0019】
図3に示すように、空調用放射パネル10の一方(右側)の端部10aは、固定枠7に対して回動可能なヒンジ機構8を介して固定枠7に係止され、空調用放射パネル10にて一方(右側)の端部10aと対向する位置にある他方(左側)の端部10bは、固定枠7に対して係脱可能なラッチ機構9を介して固定枠7に係止されている。固定枠7の右側は連結金具12を介して隣接する空調用放射パネル10Xに係止され、固定枠7の左側は連結金具13を介して隣接する空調用放射パネル10Yに係止されている。
【0020】
図3に示すように、ヒンジ機構8は、固定枠7に取り付けられた鉤状のヒンジ金具8aと、ヒンジ金具8aの先端部に空調用放射パネル10を回動可能に軸支するヒンジ軸8bと、を備え、ヒンジ軸8bはヒンジ金具8aに着脱可能に取り付けられている。
【0021】
図3に示すように、ラッチ機構9は、空調用放射パネル10の支持フレーム5に矢線B方向に傾動可能に取り付けられたラッチ金具9aと、ラッチ金具9aを傾動させるため空調用放射パネル10の下面側に突設されたラッチ解除ボタン9bと、ラッチ金具9aの先端部を引き掛けるため固定枠7に開設された係止穴(図示せず)と、を備えている。
【0022】
図3に示すように、空調空間に設置された空調用放射パネル10は、固定枠7に設けられたナット部材14,14に向かって、当該空調用放射パネル10の下面側から複数の固定ボルト11,11を螺着することによって固定枠7に固定されている。
【0023】
ここで、
図3,
図4に基づいて、空調用放射パネルの開閉構造における空調用放射パネル10の開閉操作について説明する。
図3に示すように、閉状態にある空調用放射パネル10は、固定ボルト11,11をナット部材14,14に螺着することによって固定枠7に固定されているので、まず初めに、空調用放射パネル10の下面側から固定ボルト11,11を緩めてナット部材14,14から離脱させる。固定ボルト11,11はストッパ11a,11aにより支持フレーム5に回転自在に取り付けられているので、固定ボルト11,11をナット部材14,14から離脱させても、固定ボルト11,11は脱落することなく支持フレーム5に保持される。
【0024】
固定ボルト11,11がナット部材14,14から離脱したら、空調用放射パネル10の端部10b寄りの部分を下面側から支えた状態でラッチ解除ボタン9bを上方に押圧すると、ラッチ金具9aが傾動して、ラッチ金具9aの先端部が固定枠7に開設された係止穴(図示せず)から離脱し、空調用放射パネル10はヒンジ機構8のヒンジ軸8bを中心に下方へ回動可能となる。
【0025】
従って、
図4に示すように、空調用放射パネル10の端部10b寄りの部分を下面側から支えながら、重力に従って、空調用放射パネル10の端部10bを下降させていくと、空調用放射パネル10はヒンジ軸8bによって垂下状に支えられた状態(開状態)となるので、固定枠7の部分に開口部Vが形成される。
【0026】
一方、空調用放射パネル10を閉じるときは、前述と逆に、空調用放射パネル10の端部10b寄りの部分を下面側から支えながら上昇させていくと、空調用放射パネル10はヒンジ軸8bを中心に水平状態に向かって回動していき、空調用放射パネル10の端部10b寄りの部分が固定枠7に当接したところで、空調用放射パネル10の端部10b寄りの部分を下面側から上方に押圧すると、ラッチ金具9aの先端部が固定枠7に開設された係止穴(図示せず)に係合され、空調用放射パネル10は固定枠7に仮固定される。
【0027】
この後、空調用放射パネル10の下面側からパネル固定ボルト11,11をそれぞれナット部材14,14に螺合させて締め付けると、空調用放射パネル10は固定枠7に固定され、元の状態に復帰する。
【0028】
本実施形態に係る空調用放射パネルの開閉構造においては、空調空間内に所定面積の連続した天井面を形成するように設置された空調用放射パネル群10X,10,10Yなどのうちの少なくとも1枚の空調用放射パネル10が開閉可能となるので、空調用放射パネル10に天井点検口としての機能を付加することができ、天井裏(空調用放射パネル群10X,10,10Yなどの上面部分)の配管などの点検作業やメンテナンス作業を容易に行うことができる。また、空調用放射パネル10の一方の端部10aのみがヒンジ機構8を介して固定枠7に係止された構造であるため、シンプルな構造であり、開閉操作も簡単である。
【0029】
次に、
図4~
図7に基づいて、前述した空調用放射パネルの開閉構造に設けられた空調用放射パネル10の着脱機構について説明する。
【0030】
図4に示すように、空調用放射パネル10を垂下状態(開状態)にした後、ヒンジ軸8bをヒンジ金具8aから取り外すと、
図5(a)に示すように、空調用放射パネル10は重力で下降するので、
図6に示すように、ヒンジ金具8aの凸部8cに、空調用放射パネル10の端部10a寄りの部分の凹部10cを引き掛ける。これにより、空調用放射パネル10はヒンジ金具8aによって垂下状に保持された状態となる。
【0031】
次に、
図5(b)に示すように、空調用放射パネル10の端部10aの内側コーナーをヒンジ金具8aに当てながら、空調用放射パネル10を矢線C方向(閉方向)に上昇(回動)させていき、
図5(c)の状態とする。
【0032】
この後、
図5(d)に示すように、空調用放射パネル10の端部10aを矢線D方向に沿って下降させ、端部10aをヒンジ金具8aから離すと、空調用放射パネル10全体を固定枠7から離脱させることができる。
【0033】
次に、
図7(a)~(e)に基づいて、空調用放射パネル10を固定枠7に取り付ける手順について説明する。
【0034】
図7(a)に示すように、空調用放射パネル10を、端部10aを上に向けた傾斜状態に保持して、固定枠7の下面側から端部10aをヒンジ金具8aに近づけていき、ヒンジ金具8aに、空調用放射パネル10の端部10a寄りの部分を引き掛ける。
【0035】
次に、
図7(b)に示すように、空調用放射パネル10の端部10aの内側コーナーをヒンジ金具8aに当てながら、空調用放射パネル10を矢線E方向(開方向)に下降(回動)させていき、
図6で示したように、ヒンジ金具8aの凸部8cに、空調用放射パネル10の端部10a寄りの部分の凹部10cを引き掛ける。
【0036】
これにより、
図7(c)に示すように、空調用放射パネル10はヒンジ金具8aによって垂下された状態となるので、ヒンジ金具8aにヒンジ軸8bを装着すると、空調用放射パネル10はヒンジ軸8bを中心に回動可能となる。
【0037】
次に、
図7(d)に示すように、空調用放射パネル10の端部10b側を持ち上げていき、空調用放射パネル10が固定枠7に当接したところで、端部10bを上方に押圧すると、ラッチ金具9aの先端部が固定枠7に開設された係止穴(図示せず)に係合され、
図7(e)示すように、空調用放射パネル10は固定枠7に仮固定される。
【0038】
この後、空調用放射パネル10の下面側からパネル固定ボルト11,11をそれぞれナット部材14,14に螺合させて締め付けると、空調用放射パネル10は固定枠7に固定され、元の状態に復帰する。
【0039】
このように、空調用放射パネル10が固定枠7に着脱可能であることにより、必要に応じて、空調用放射パネル10を固定枠7から取り外すことができるので、隣接する他の(開閉構造を有していない)空調用放射パネル群(10X,10Yなど)のメンテナンスや交換作業を容易に行うことができる。
【0040】
また、前述した空調用放射パネルの開閉構造においては、
図6に示すように、
図3に示すラッチ機構9の解除及びヒンジ軸8bの取り外しを行って固定枠7から離脱させた空調用放射パネル10を固定枠7の一部に垂下状に保持可能なフック機構として、ヒンジ機構8を構成するヒンジ金具8aに凸部8cを設けている。
【0041】
このような構成とすれば、固定枠7から離脱させた空調用放射パネル10を、フック機構(凸部8c)を利用して固定枠7の一部に垂下状に保持することができるので、着脱作業時の作業性が向上し、特に、大型サイズの空調用放射パネルの設置若しくは交換などを行うときの作業性並びに安全性が向上する。
【0042】
なお、
図1~
図7に基づいて説明した空調用放射パネルの開閉構造は、本発明に係る空調用放射パネルの開閉構造の一例を示すものであり、本発明に係る空調用放射パネルの開閉構造は、前述した空調用放射パネルの開閉構造に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明に係る空調用放射パネルの開閉構造は、建物内に設置される空調システムの一部として、土木建設業や土木建築業などの産業分野において広く利用することができる。
【符号の説明】
【0044】
1 表面材
2 冷温水用配管
3,5 支持フレーム
4 吊り金具
6 吊りボルト
7 固定枠
8 ヒンジ機構
8a ヒンジ金具
8b ヒンジ軸
8c 凸部
9 ラッチ機構
9a ラッチ金具
9b ラッチ解除ボタン
10,10X,10Y 空調用放射パネル
10c 凹部
11 パネル固定ボルト
11a ストッパ
12,13 連結金具
14 ナット部材
V 開口部