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特開2023-170758サービス提供システム及びサービス提供方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170758
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】サービス提供システム及びサービス提供方法
(51)【国際特許分類】
   B64C 13/20 20060101AFI20231124BHJP
   G05D 1/02 20200101ALI20231124BHJP
   G05D 1/00 20060101ALI20231124BHJP
   G05D 1/10 20060101ALI20231124BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20231124BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20231124BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
B64C13/20 Z
G05D1/02 T
G05D1/00 B
G05D1/10
G08G1/09 H
B65G61/00 530
B64C39/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022082755
(22)【出願日】2022-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】毛利 悠平
(72)【発明者】
【氏名】堀 淳史
(72)【発明者】
【氏名】白井 大
【テーマコード(参考)】
5H181
5H301
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181AA26
5H181BB02
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF05
5H181FF07
5H181LL04
5H181LL09
5H301AA01
5H301AA06
5H301FF09
5H301FF15
5H301FF25
5H301GG08
5H301GG09
5H301GG10
(57)【要約】
【課題】移動体に対する飛行体を利用したサービスを高精度に実施可能にする。
【解決手段】サービス提供システムは、路面を走行可能な移動体と、飛行可能な飛行体とを含み、移動体は、複数の発光パターンで発光可能な発光体と、伝達情報に応じて発光パターンを変化させるように発光体の発光を制御する発光制御部と、を備え、飛行体は、発光体から発せられる光の輝度の時系列変化を示すイベントデータを取得するイベントセンサと、イベントデータに基づいて飛行体を制御する飛行制御部と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
路面を走行可能な移動体と、飛行可能な飛行体とを含み、
前記移動体は、
複数の発光パターンで発光可能な発光体と、
伝達情報に応じて前記発光パターンを変化させるように前記発光体の発光を制御する発光制御部と、
を備え、
前記飛行体は、
前記発光体から発せられる光の輝度の時系列変化を示すイベントデータを取得するイベントセンサと、
前記イベントデータに基づいて前記飛行体を制御する飛行制御部と、
を備える、
サービス提供システム。
【請求項2】
前記伝達情報は、前記移動体を識別可能な情報を含む、
請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項3】
前記伝達情報は、前記移動体の目的地を含む、
請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項4】
前記伝達情報は、前記移動体の速度を含む、
請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項5】
前記伝達情報は、前記移動体の周辺環境に関する情報を含む、
請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項6】
前記伝達情報は、前記移動体の室内環境に関する情報を含む、
請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項7】
前記発光パターンは、1kHz以上の点滅速度の発光を含む、
請求項1~6のいずれか1項に記載のサービス提供システム。
【請求項8】
1つの前記移動体に、発光パターンをそれぞれ独立して変更可能な複数の前記発光体が設置されている、
請求項1~6のいずれか1項に記載のサービス提供システム。
【請求項9】
前記移動体は、前記移動体を識別可能な識別情報を表示する表示部を更に備え、
前記飛行体は、前記表示部に表示された識別情報の撮像データを取得するカメラを更に備え、
前記飛行制御部は、前記撮像データに基づいて飛行体を制御する、
請求項1~6のいずれか1項に記載のサービス提供システム。
【請求項10】
路面を走行可能な移動体の利用者に対し、飛行可能な飛行体を利用したサービスを提供する方法であって、
前記移動体に搭載され複数の発光パターンで発光可能な発光体の前記発光パターンを伝達情報に応じて変化させる工程と、
前記飛行体に搭載されたイベントセンサにより、前記発光体から発せられる光の輝度の時系列変化を示すイベントデータを取得する工程と、
前記イベントデータに基づいて飛行体を制御する工程と、
を含むサービス提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、サービス提供システム及びサービス提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ドローン等の飛行体を利用して物品の配送等を行うサービスの開発が進められている。このようなサービスを提供する際には、飛行体を物品の配送先等の目的地点に誘導する技術が必要となる。例えば、目的地点に設置された誘導灯の発光を飛行体に設置されたカメラにより取得される撮像データに基づいて検知することにより飛行体を目的地点に誘導する技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-31164号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなサービスにおいて、目的地点が車両等の移動体である場合、飛行体を正確に制御するために、移動体から飛行体に多くの情報を伝達することが必要となる。しかしながら、従来技術のようにカメラにより取得される撮像データに基づいて光を検知する場合、カメラにおける分解能の限界等の理由から、検知対象となる光の発光パターン(例えば点滅速度等)が制限され、移動体から飛行体に十分な情報を伝達できない可能性がある。
【0005】
そこで、本発明の実施形態は、移動体に対する飛行体を利用したサービスを高精度に実施可能なサービス提供システム及びサービス提供方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態としてのサービス提供システムは、路面を走行可能な移動体と、飛行可能な飛行体とを含み、移動体は、複数の発光パターンで発光可能な発光体と、伝達情報に応じて発光パターンを変化させるように発光体の発光を制御する発光制御部と、を備え、飛行体は、発光体から発せられる光の輝度の時系列変化を示すイベントデータを取得するイベントセンサと、イベントデータに基づいて飛行体を制御する飛行制御部と、を備える。
【0007】
上記構成によれば、移動体に搭載された発光体から発せられる光が高い分解能を有するイベントセンサにより取得されるイベントデータに基づいて検知される。これにより、発光体の発光パターンの自由度を向上させることができ、移動体から飛行体へ伝達する情報(伝達情報)の情報量を増加させることができ、移動体に対する飛行体を利用したサービスを高精度に実施することが可能となる。
【0008】
また、上記構成において、伝達情報は、移動体を識別可能な情報を含んでもよい。
【0009】
上記構成によれば、飛行体はサービスの対象となる移動体を高精度に特定できる。
【0010】
また、上記構成において、伝達情報は、移動体の目的地を含んでもよい。
【0011】
上記構成によれば、移動体の目的地に合わせて飛行体の着地点の設定等を適切に実施できる。
【0012】
また、上記構成において、伝達情報は、移動体の速度を含んでもよい。
【0013】
上記構成によれば、移動体の速度に合わせて飛行体の飛行等を適切に制御できる。
【0014】
また、上記構成において、伝達情報は、移動体の周辺環境に関する情報を含んでもよい。
【0015】
上記構成によれば、移動体の周辺に存在する障害物等に応じて飛行体の飛行等を適切に制御できる。
【0016】
また、上記構成において、伝達情報は、移動体の室内環境に関する情報を含んでもよい。
【0017】
上記構成によれば、移動体の室内環境に応じて飛行体を適切に制御できる。
【0018】
また、上記構成において、発光パターンは、1kHz以上の点滅速度の発光を含んでもよい。
【0019】
上記構成によれば、イベントセンサの特性を利用して、従来検知できなかった高速な点滅速度の発光を利用して情報を伝達できる。これにより、発光パターンの自由度を向上させることができ、伝達情報の情報量を向上させることができる。
【0020】
また、上記構成において、1つの移動体に、発光パターンをそれぞれ独立して変更可能な複数の発光体が設置されてもよい。
【0021】
上記構成によれば、発光パターンの自由度を更に向上させることができ、伝達情報の情報量を更に増加させることができる。
【0022】
また、上記構成において、移動体は、移動体を識別可能な識別情報を表示する表示部を更に備え、飛行体は、表示部に表示された識別情報の撮像データを取得するカメラを更に備え、飛行制御部は、撮像データに基づいて飛行体を制御してもよい。
【0023】
上記構成によれば、イベントデータに加え、撮像データも利用してサービスの対象となる移動体を特定できる。
【0024】
また、本発明の他の実施形態としてのサービス提供方法は、路面を走行可能な移動体の利用者に対し、飛行可能な飛行体を利用したサービスを提供する方法であって、移動体に搭載され複数の発光パターンで発光可能な発光体の発光パターンを伝達情報に応じて変化させる工程と、飛行体に搭載されたイベントセンサにより、発光体から発せられる光の輝度の時系列変化を示すイベントデータを取得する工程と、イベントデータに基づいて飛行体を制御する工程と、を含む。
【0025】
上記構成によれば、移動体に搭載された発光体から発せられる光が高い分解能を有するイベントセンサにより取得されるイベントデータに基づいて検知される。これにより、発光体の発光パターンの自由度を向上させることができ、伝達情報な情報量を増加させることができ、移動体に対する飛行体を利用したサービスを高精度に実施することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、実施形態のサービス提供システムの利用状態の一例を示す概念図である。
図2図2は、実施形態の車両及びドローンのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態の発光体及び表示部の構成の一例を示す車両の上面図である。
図4図4は、実施形態のサービス提供システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図5図5は、実施形態のサービス提供システムにおける処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、並びに当該構成によりもたらされる作用、結果、及び効果は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によりも実現可能であるとともに、基本的な構成に基づく種々の効果や派生的な効果のうち、少なくとも一つを得ることが可能である。
【0028】
図1は、実施形態のサービス提供システム1の利用状態の一例を示す概念図である。サービス提供システム1は、車両11(移動体の一例)の利用者(乗員等)に対してドローン12(飛行体の一例)を利用した所定のサービスを提供するためのシステムである。本実施形態のドローン12は、小型の無人航空機であり、所定の通信ネットワークを介して通信可能なサーバ15からの制御信号等に基づいて制御される。サービス提供システム1により実現されるサービスの種類は特に限定されるべきものではないが、例えば、利用者から要求された物品の配送等であり得る。本実施形態のサービス提供システム1は、サービスの提供を受ける車両11から発せられる光Lの発光パターンをドローン12が検知することにより、車両11からドローン12に様々な情報を伝達するための手段を有する。
【0029】
図2は、実施形態の車両11及びドローン12のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。車両11は、走行機構21、測位システム22、車外センサ23、車内センサ24、発光体25、表示部26、通信装置27、走行制御ECU(Electronic Control Unit)31、周辺監視ECU32、車内監視ECU33及びサービス制御ECU34を備え、これらがCAN(Controller Area Network)30を介して通信可能となっている。
【0030】
走行機構21は、車両11の走行(加速、減速、方向変換等)を実現するための機構であり、駆動機構、制動機構、操舵機構、変速機構等を含む。駆動機構は、車両11を加速させる動力を発生させる機構であり、例えばエンジン、モータ、ハイブリッドシステム等を利用して構成され得る。制動機構は、車両11を減速又は停止させる制動力を発生させる機構であり、例えばブレーキロータ、ブレーキパッド、油圧機構等を利用して構成され得る。操舵機構は、車両11の進行方向を変化させる機構であり、例えばステアリングホイール、リンク機構等を利用して構成され得る。変速機構は、駆動機構の動力のトルク(回転数)、回転方向等を変化させる機構であり、複数の歯車を組み合わせたギアボックス等を利用して構成され得る。
【0031】
測位システム22は、車両11の現在位置を示す位置情報を取得するシステムであり、GPS(Global Positioning System)、GNSS(Global Navigation Satellite System)等を利用して構成され得る。
【0032】
車外センサ23は、車両11の車外(ボディの外側)に設置され、車両11の周辺に存在する物体に関する情報を取得するセンサであり、例えば超音波センサ、ミリ波レーダ、LiDAR(Light Detection and Ranging)センサ、カメラ等であり得る。
【0033】
車内センサ24は、車両11の車内に設置され、車内に存在する物体(乗員、荷物等)に関する情報を取得するセンサであり、例えば超音波センサ、ミリ波レーダ、LiDARセンサ、カメラ等であり得る。
【0034】
発光体25は、車両11の車外に設置され、車両11の外側へ向けて発光し、複数の発光パターンで発光可能なデバイスである。発光体25は、1kHz以上の点滅速度で発光可能であることが好ましい。発光体25の具体的構成は特に限定されるべきものではないが、例えばLED等を利用して構成され得る。
【0035】
表示部26は、車両11の車外に設置され、車両11の外側へ向けて所定の表示を行うデバイス又は部材である。表示部26の具体的構成は特に限定されるべきものではないが、例えば、所定の識別情報(二次元コード等)を表示可能なディスプレイ、パネル等であり得る。
【0036】
通信装置27は、車両11と外部機器との間で所定の規格に準拠する通信を確立するための処理を行う装置である。外部機器は、例えば、車両11の乗員が使用するスマートフォン、タブレット端末、PC(Personal Computer)等であり得る。通信装置27は、ドローン12やサーバ15との通信を確立してもよい。
【0037】
走行制御ECU31は、CAN30を介して入力される各種の信号に基づいて走行機構21を制御するための処理を行う電子制御ユニットである。走行制御ECU31は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、メモリ等を含むプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等を利用して構成され得る。
【0038】
周辺監視ECU32は、車両11の周辺環境を監視するための処理を行う電子制御ユニットである。周辺監視ECU32は、CAN30を介して入力される車外センサ23の検知信号等に基づいて車両11の周辺環境に関する周辺環境情報を生成する。周辺環境情報は、例えば、障害物(例えば他車両、歩行者、路上構造物等)の存否、車両11から障害物までの距離、車両11と障害物との相対速度等を含み得る。周辺監視ECU32は、例えば、プロセッサ、ASIC、FPGA等を利用して構成され得る。
【0039】
車内監視ECU33は、車両11の車内環境を監視するための処理を行う電子制御ユニットである。車内監視ECU33は、CAN30を介して入力される車内センサ24の検知信号等に基づいて車両11の車内環境に関する車内環境情報を生成する。車内環境情報は、例えば、乗員の存否、人数、着座位置、体格、姿勢、心拍数等を含み得る。車内監視ECU33は、例えば、プロセッサ、ASIC、FPGA等を利用して構成され得る。
【0040】
サービス制御ECU34は、サービス提供システム1によるサービスを実現するための処理を行う電子制御ユニットである。サービス制御ECU34は、CAN30を介して入力される各種の信号に基づいて発光体25等を制御する。サービス制御ECU34は、例えば、プロセッサ、ASIC、FPGA等を利用して構成され得る。
【0041】
ドローン12は、飛行機構51、測位システム52、イベントセンサ53、カメラ54、通信装置55、飛行制御ECU61及びサービス制御ECU62を備え、これらが通信バス60を介して通信可能になっている。
【0042】
飛行機構51は、ドローン12の飛行(上昇、下降、平行移動、方向転換等)を実現するための機構である。飛行機構51の具体的構成はドローン12の形態に応じて適宜設計されるべきものであるが、飛行機構51は、例えば複数のプロペラ、各プロペラを独立して回転させる駆動機構等を利用して構成され得る。
【0043】
測位システム52は、ドローン12の現在位置を示す位置情報を取得するシステムであり、GPS、GNSS等を利用して構成され得る。
【0044】
イベントセンサ53は、所定の検知範囲における輝度の時系列変化を示すイベントデータを取得するセンサである。イベントセンサ53は、イベントベースビジョンセンサ等と称される場合がある。イベントデータは、例えば、検知領域に対応するピクセルマップにおける各ピクセルの輝度の時系列変化を示す情報等を含み得る。イベントセンサ53の具体的構成は使用状況等に応じて適宜選択されるべきものであるが、イベントセンサ53は、例えばSPAD(Single Photon Avalanche Diode)等を利用して構成され得る。イベントセンサ53は、CMOS、CCD等を利用して構成されるイメージセンサに比べ、輝度変化を高解像度且つ高フレームレートで検知可能なものである。
【0045】
カメラ54は、撮像データを取得するセンサである。カメラ54の具体的構成は特に限定されるべきものではないが、例えばCMOS、CCD等のイメージセンサを利用して構成され得る。
【0046】
通信装置55は、ドローン12とサーバ15との間で所定の規格に準拠する通信を確立するための処理を行う装置である。通信装置55は、車両11と通信を確立してもよい。
【0047】
飛行制御ECU61は、通信バス60を介して入力される各種の信号に基づいて飛行機構51を制御するための処理を行う電子制御ユニットである。飛行制御ECU61は、例えば、プロセッサ、ASIC、FPGA等を利用して構成され得る。
【0048】
サービス制御ECU62は、サービス提供システム1によるサービスを実現するための処理を行う電子制御ユニットである。サービス制御ECU62は、通信バス60を介して入力される測位システム52、イベントセンサ53、カメラ54、通信装置55等からの信号に基づいて、飛行制御ECU61、サービス専用機構(例えば物品を把持する機構)等を制御する。サービス制御ECU62は、例えば、プロセッサ、ASIC、FPGA等を利用して構成され得る。
【0049】
なお、車両11及びドローン12のハードウェア構成は上記に限定されるものではなく、使用状況等に応じて適宜設計されるべきものである。
【0050】
図3は、実施形態の発光体25及び表示部26の構成の一例を示す車両11の上面図である。ここでは、車両11のルーフ41の上面に3つの発光体25及び1つの表示部26が設置された構成が例示されている。本例では、3つの発光体25のそれぞれがルーフ41の四隅部分のうちの3箇所に配置され、表示部26がルーフ41の略中央部に配置されている。各発光体25は、伝達情報に応じて発光パターンを変化させる。各発光体25は、発光パターンをそれぞれ独立して変更可能であることが好ましい。表示部26は、車両11を識別可能な二次元コード等の識別情報を表示させる。なお、上記発光体25及び表示部26の数、配置、形状等は例示であり、上記に限定されるものではない。
【0051】
図4は、実施形態のサービス提供システム1の機能構成の一例を示すブロック図である。車両11は、伝達情報取得部101及び発光制御部102を有する。これらの機能部101,102は、例えば、図2に示されるような車両11のハードウェア要素及びソフトウェア要素(プログラム等)の協働により実現され得る。
【0052】
伝達情報取得部101は、サービス提供システム1のサービスを実現するために車両11からドローン12に伝達すべき情報である伝達情報を取得する。伝達情報は、例えば、車両11を識別可能な情報(予め登録された識別番号等)、車両11の目的地(物品の受け渡し場所)、車両11の速度、車両11の周辺環境に関する周辺環境情報、車両11の車内環境に関する車内環境情報等であり得る。伝達情報取得部104は、例えば、車両11に搭載されたCAN30から伝達情報又は伝達情報の元となる情報を取得する。
【0053】
発光制御部102は、発光体25を制御するものであり、伝達情報取得部104により取得された伝達情報に応じて発光体25の発光パターンを変化させる。発光パターンの変化は、例えば、光の点滅速度、輝度等を変化させることにより実現され得る。発光パターンは、1kHz以上の点滅速度の発光を含んでもよい。このような高速な点滅速度の発光を利用することにより、発光パターンの自由度を向上させることができ、伝達情報の情報量を増加させることができる。また、図3に例示されるように、発光体25が複数設置される場合には、各発光体25の発光パターンをそれぞれ独立して変化させてもよい。これにより、発光パターンの自由度を向上させることができ、伝達可能な情報量を増加させることができる。
【0054】
ドローン12は、通信部201及び飛行制御部202を有する。これらの機能部201,202は、例えば、図2に示されるようなドローン12のハードウェア要素及びソフトウェア要素(プログラム等)の協働により実現され得る。
【0055】
通信部201は、ドローン12とサーバ15との間の通信を確立し、ドローン12の制御に必要な各種データの送受信を行う。例えば、通信部203は、サーバ15から出力される制御信号を受信する。
【0056】
飛行制御部202は、イベントセンサ53により取得されたイベントデータ、カメラ54により取得された撮像データ、通信部201により受信された制御信号等に基づいて、ドローン12を制御する。具体的には、飛行制御部202は、イベントデータに基づいて特定される発光体25の発光パターンに対応する伝達情報に基づいて、ドローン12の飛行や、所定のサービスを実現するための動作(例えば物品の受け渡し動作等)を制御する。また、飛行制御部202は、撮像データに基づいて特定される識別情報に基づいて、ドローン12の飛行や、所定のサービスを実現するための動作を制御する。
【0057】
サーバ15は、処理部301及びデータベース302を有する。これらの機能部301,302は、所定のハードウェア要素(プロセッサ、メモリ、通信装置等)とソフトウェア要素(プログラム等)との協働により実現され得る。
【0058】
処理部301は、サービス提供システム1のサービスを実現するための各種情報処理を実行する。処理部301は、例えば、ドローン12との通信処理、利用者からの受注処理、データベース302の管理処理(書き込み、読み出し、更新等)を行う。処理部301は、例えば、ドローン12から受信したイベントデータに対応する発光パターンや制御信号等をデータベース302から抽出してドローン12へ送信する。
【0059】
データベース302は、サービスを実現するために必要な各種データを格納する。データベース302には、例えば、イベントデータ、発光パターン、制御信号等を関連付けるデータ等が保持される。
【0060】
図5は、実施形態のサービス提供システム1における処理の一例を示すフローチャートである。ここでは、車両11の乗員に物品を配送するサービスを提供する場合について例示する。
【0061】
利用者(例えば車両11の乗員等)が適宜な端末装置(例えばスマートフォン、タブレット端末、PC等)にインストールされた所定のアプリケーションを操作して注文情報を入力すると(S101)、注文情報はドローン12を管理する管理機関の情報処理装置に送信される(S102)。注文情報には、例えば、利用者に関する情報、利用者が乗車している(配送先となる)車両11に関する情報、配送の対象となる物品に関する情報、物品の受け渡し方法に関する情報、車両11又は端末装置の大まかな位置を示す位置情報等が含まれる。大まかな位置情報としては、車両11に備えられた測位システム22から取得される位置情報や、利用者が使用している端末装置に備えられたGPS機能から取得される位置情報等が利用され得る。その後、管理機関において受信された注文情報に基づいて物品がドローン12に積載され(S103)、物品を積載したドローン12は大まかな位置情報に基づいて飛行を開始する(S104)。
【0062】
その後、車両11に搭載された発光体25は伝達情報に対応する発光パターンで発光する(S105)。伝達情報には、車両11を識別可能な情報(予め登録された識別番号等)、車両11の目的地(物品の受け渡し場所)、車両11の速度、車両11の周辺環境(障害物の有無等)に関する周辺環境情報、車両11の車内環境(乗員の状態等)に関する車内環境情報等が含まれ得る。
【0063】
大まかな位置情報に基づいて車両11にある程度近い位置まで飛行してきたドローン12は、イベントセンサ53により取得されるイベントデータ又はカメラ54により取得される撮像データに基づいて、サービスの対象となる車両11を特定する(S106)。車両11の特定後、イベントデータに基づいてドローン12の飛行や物品の受け渡し動作が制御される(S107)。例えば、ドローン12の着地点を車両11の目的地に設定したり、ドローン12の飛行速度を車両11の速度に応じて変化させたり、車両11の周辺に存在する障害物に応じてドローン12の速度や高度を調整したり、車内に存在する乗員の状態に応じて物品の受け渡し動作を調整したりすることが考えられる。
【0064】
以上のように、本実施形態によれば、輝度の時系列変化を示すイベントデータに基づいて車両11に搭載された発光体25の発光パターンが検知され、検知された発光パターンに基づいてドローン12が制御される。このように、イベントセンサ53により取得されるイベントデータを利用して光を検知することにより、従来よりも複雑な発光パターンを用いて車両11からドローン12へ情報を伝達できる。これにより、車両11からドローン12への伝達情報の情報量を増加させることができ、ドローン12の制御を車両11の状態に合わせてより緻密に制御することが可能となる。
【0065】
上述したような実施形態の機能を実現するための処理をコンピュータ(例えばサービス制御ECU34,62等)に実行させるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、メモリカード、DVD(Digital Versatile Disk)、フレキシブルディスク(FD)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されてコンピュータプログラムプロダクトとして提供されるようにしてもよい。また、当該プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するようにしてもよい。また、当該プログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するようにしてもよい。
【0066】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0067】
1…サービス提供システム、11…車両、12…ドローン、15…サーバ、21…走行機構、22…測位システム、23…車外センサ、24…車内センサ、25…発光体、26…表示部、27…通信装置、30…CAN、31…走行制御ECU、32…周辺監視ECU、33…車内監視ECU、34…サービス制御ECU、41…ルーフ、51…飛行機構、52…測位システム、53…イベントセンサ、54…カメラ、55…通信装置、60…通信バス、61…飛行制御ECU、62…サービス制御ECU、101…伝達情報取得部、102…発光制御部、201…通信部、202…飛行制御部、301…処理部、302…データベース、L…光
図1
図2
図3
図4
図5