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特開2023-170772プログラム、情報処理装置、方法、及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170772
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置、方法、及びシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20231124BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20231124BHJP
   A63F 13/52 20140101ALI20231124BHJP
   A63F 13/49 20140101ALI20231124BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/58
A63F13/52
A63F13/49
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022082787
(22)【出願日】2022-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】511249637
【氏名又は名称】株式会社Cygames
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100210239
【弁理士】
【氏名又は名称】富永 真太郎
(72)【発明者】
【氏名】高木 謙一郎
(72)【発明者】
【氏名】荒木 与利
(72)【発明者】
【氏名】帰山 真人
(57)【要約】
【課題】キャラクタに特別感を持たせることができ、ゲームの興趣性を向上させることのできるプログラム、情報処理装置、方法、及びシステムを提供する。
【解決手段】複数の情報処理装置10を有するゲームシステム1は、少なくとも何れかの情報処理装置10が、グループが第1ゲーム空間で対戦する対戦ゲームを実行するゲーム実行部255として機能し、少なくとも何れかの情報処理装置10が、いずれかのグループがゲーム中に所定条件を満たすか否かの判定を実行する条件判定部256として機能し、条件判定部256が、いずれかのグループがゲーム中に所定条件を満たすと判定した場合に、ゲーム実行部255は、所定条件を満たすと判定されたグループ内のキャラクタに対応付けられた、第1ゲーム空間とは異なる第2ゲーム空間でグループが対戦する対戦ゲームを実行するとともに、当該対戦ゲームにおいて、所定条件を満たしたグループに対する有利化処理を実行する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のキャラクタを含むグループで対戦するゲームを実行するプログラムであって、
コンピュータを、
前記グループが第1ゲーム空間で対戦する対戦ゲームを実行するゲーム実行手段と、
いずれかの前記グループが前記ゲーム中に所定条件を満たすか否かの判定を実行する条件判定手段として機能させ、
前記条件判定手段が、いずれかの前記グループが前記ゲーム中に前記所定条件を満たすと判定した場合に、
前記ゲーム実行手段は、前記所定条件を満たすと判定された前記グループ内の前記キャラクタに対応付けられた、前記第1ゲーム空間とは異なる第2ゲーム空間で前記グループが対戦する対戦ゲームを実行するとともに、当該対戦ゲームにおいて、前記所定条件を満たした前記グループに対する有利化処理を実行する、
プログラム。
【請求項2】
前記ゲームは、前記対戦ゲームが実行される複数の対戦ラウンドを含み、
前記所定条件は、前記条件判定手段が前記判定を実行する前記対戦ラウンドが指定されることを含む、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記所定条件は、前記対戦ラウンド開始前に前記判定の対象となる前記グループが指定されることを含む、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記所定条件は、前記対戦ラウンド開始前に前記判定の対象となる前記キャラクタが指定されることを含む、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項5】
前記所定条件は、指定された前記キャラクタの所定パラメータであって、当該指定された前記キャラクタの前記グループとは異なる他の前記グループの前記キャラクタによる攻撃により変動する所定パラメータが、前記対戦ラウンドの開始から所定時間経過までに所定値以上であることを含む、
請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記所定条件は、前記判定の回数が前記グループ毎に所定回数以内であることを含む、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項7】
前記所定条件は、
前記対戦ラウンド開始前に前記判定の対象となる前記グループが指定されること、
前記対戦ラウンド開始前に前記判定の対象となる前記キャラクタが指定されること、
前記対戦ラウンド開始前に前記判定の対象として指定された前記キャラクタの所定パラメータであって、当該指定された前記キャラクタの前記グループとは異なる他の前記グループの前記キャラクタによる攻撃により変動する所定パラメータが、前記対戦ラウンドの開始から所定時間経過までに所定値以上であること、及び、
前記判定の回数が前記グループ毎に所定回数以内であることの2以上の組み合わせを含む、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項8】
前記有利化処理は、前記所定条件を満たした前記グループ内の前記キャラクタに関連付けられたプレイヤの入力に基づいて、前記第2ゲーム空間においてのみ発動可能な技の実行処理を含む、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項9】
前記ゲーム実行手段は、
前記第2ゲーム空間での前記対戦ゲームの開始から所定時間経過後に、当該対戦ゲームを終了する、又は、
前記第2ゲーム空間での前記対戦ゲームの開始から所定時間経過後に、当該対戦ゲームを終了して、前記第1ゲーム空間での前記対戦ゲームを実行する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項10】
前記コンピュータを、
前記コンピュータに接続された表示手段に前記対戦ゲームを表示させる表示制御手段として更に機能させ、
前記条件判定手段が、いずれかの前記グループが前記ゲーム中に前記所定条件を満たすと判定した場合に、
前記表示制御手段は、前記グループが前記第2ゲーム空間で対戦する対戦ゲームを前記表示手段に表示させる、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項11】
前記条件判定手段が、いずれかの前記グループが前記ゲーム中に前記所定条件を満たすと判定した場合に、
前記表示制御手段は、前記第2ゲーム空間における前記対戦ゲームの状況に応じて増減する制限ポイントを前記表示手段に表示させ、
前記ゲーム実行手段は、前記第2ゲーム空間における前記対戦ゲームを実行して前記制限ポイントを当該対戦ゲームの状況に応じて増減させ、前記制限ポイントが所定値まで減った場合に前記第2ゲーム空間における前記対戦ゲームを終了する、
請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
前記キャラクタは、プレイヤにより選択可能であり、
前記ゲームで選択可能なすべての前記キャラクタに対して、前記第2ゲーム空間が対応付けられている、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項13】
次の構成[2]、[7]~[12]の少なくとも1つ以上を有する、
請求項1に記載のプログラム。
[2] 前記ゲームは、前記対戦ゲームが実行される複数の対戦ラウンドを含み、
前記所定条件は、前記条件判定手段が前記判定を実行する前記対戦ラウンドが指定されることを含む。
[7] 前記構成[2]において、前記所定条件は、
前記対戦ラウンド開始前に前記判定の対象となる前記グループが指定されること、
前記対戦ラウンド開始前に前記判定の対象となる前記キャラクタが指定されること、
前記対戦ラウンド開始前に前記判定の対象として指定された前記キャラクタの所定パラメータであって、当該指定された前記キャラクタの前記グループとは異なる他の前記グループの前記キャラクタによる攻撃により変動する所定パラメータが、前記対戦ラウンドの開始から所定時間経過までに所定値以上であること、及び、
前記判定の回数が前記グループ毎に所定回数以内であることの何れか、又はこれらの2以上の組み合わせを含む。
[8] 前記有利化処理は、前記所定条件を満たした前記グループ内の前記キャラクタに関連付けられたプレイヤの入力に基づいて、前記第2ゲーム空間においてのみ発動可能な技の実行処理を含む。
[9] 前記ゲーム実行手段は、
前記第2ゲーム空間での前記対戦ゲームの開始から所定時間経過後に、当該対戦ゲームを終了する、又は、
前記第2ゲーム空間での前記対戦ゲームの開始から所定時間経過後に、当該対戦ゲームを終了して、前記第1ゲーム空間での前記対戦ゲームを実行する。
[10] 前記コンピュータを、
前記コンピュータに接続された表示手段に前記対戦ゲームを表示させる表示制御手段として更に機能させ、
前記条件判定手段が、いずれかの前記グループが前記ゲーム中に前記所定条件を満たすと判定した場合に、
前記表示制御手段は、前記グループが前記第2ゲーム空間で対戦する対戦ゲームを前記表示手段に表示させる。
[11] 前記構成[10]において、前記条件判定手段が、いずれかの前記グループが前記ゲーム中に前記所定条件を満たすと判定した場合に、
前記表示制御手段は、前記第2ゲーム空間における前記対戦ゲームの状況に応じて増減する制限ポイントを前記表示手段に表示させ、
前記ゲーム実行手段は、前記第2ゲーム空間における前記対戦ゲームを実行して前記制限ポイントを当該対戦ゲームの状況に応じて増減させ、前記制限ポイントが所定値まで減った場合に前記第2ゲーム空間における前記対戦ゲームを終了する。
[12] 前記キャラクタは、プレイヤにより選択可能であり、
前記ゲームで選択可能なすべての前記キャラクタに対して、当該キャラクタに固有の前記第2ゲーム空間が対応付けられている。
【請求項14】
複数のキャラクタを含むグループで対戦するゲームを実行する情報処理装置であって、
前記グループが第1ゲーム空間で対戦する対戦ゲームを実行するゲーム実行手段と、
いずれかの前記グループが前記ゲーム中に所定条件を満たすか否かの判定を実行する条件判定手段と、
を備え、
前記条件判定手段が、いずれかの前記グループが前記ゲーム中に前記所定条件を満たすと判定した場合に、
前記ゲーム実行手段は、前記所定条件を満たすと判定された前記グループ内の前記キャラクタに対応付けられた、前記第1ゲーム空間とは異なる第2ゲーム空間で前記グループが対戦する対戦ゲームを実行するとともに、当該対戦ゲームにおいて、前記所定条件を満たした前記グループに対する有利化処理を実行する、
情報処理装置。
【請求項15】
複数のキャラクタを含むグループで対戦するゲームを情報処理装置が実行する方法であって、
前記グループが第1ゲーム空間で対戦する対戦ゲームを実行するゲーム実行ステップと、
いずれかの前記グループが前記ゲーム中に所定条件を満たすか否かの判定を実行する条件判定ステップとして機能させ、
前記条件判定ステップが、いずれかの前記グループが前記ゲーム中に前記所定条件を満たすと判定した場合に、
前記ゲーム実行ステップは、前記所定条件を満たすと判定された前記グループ内の前記キャラクタに対応付けられた、前記第1ゲーム空間とは異なる第2ゲーム空間で前記グループが対戦する対戦ゲームを実行するとともに、当該対戦ゲームにおいて、前記所定条件を満たした前記グループに対する有利化処理を実行する、
方法。
【請求項16】
複数のキャラクタを含むグループで対戦するゲームを実行するシステムであって、
前記システムは、複数の情報処理装置を有し、
少なくとも何れかの前記情報処理装置が、前記グループが第1ゲーム空間で対戦する対戦ゲームを実行するゲーム実行手段として機能し、
少なくとも何れかの前記情報処理装置が、いずれかの前記グループが前記ゲーム中に所定条件を満たすか否かの判定を実行する条件判定手段として機能し、
前記条件判定手段が、いずれかの前記グループが前記ゲーム中に前記所定条件を満たすと判定した場合に、
前記ゲーム実行手段は、前記所定条件を満たすと判定された前記グループ内の前記キャラクタに対応付けられた、前記第1ゲーム空間とは異なる第2ゲーム空間で前記グループが対戦する対戦ゲームを実行するとともに、当該対戦ゲームにおいて、前記所定条件を満たした前記グループに対する有利化処理を実行する、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム等に関するものであり、特に複数のキャラクタを含むグループで対戦するゲームを実行するプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、対戦ゲームではキャラクタが通常発動できる通常技の他に、特別な技を発動することができるものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6235669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の対戦ゲームでは、キャラクタと特別な技とが対応付けられており、特別な技によってキャラクタの特別感を高めていた。しかし、従来の対戦ゲームでは、通常技より攻撃力が上がる程度の特別な技を発動するにとどまっており、キャラクタの特別感をより高めたいという要望があった。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、キャラクタに特別感を持たせることができ、ゲームの興趣性を向上させることのできるプログラム、情報処理装置、方法、及びシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様としてのプログラムは、複数のキャラクタを含むグループで対戦するゲームを実行するプログラムであって、
コンピュータを、
前記グループが第1ゲーム空間で対戦する対戦ゲームを実行するゲーム実行手段と、
いずれかの前記グループが前記ゲーム中に所定条件を満たすか否かの判定を実行する条件判定手段として機能させ、
前記条件判定手段が、いずれかの前記グループが前記ゲーム中に前記所定条件を満たすと判定した場合に、
前記ゲーム実行手段は、前記所定条件を満たすと判定された前記グループ内の前記キャラクタに対応付けられた、前記第1ゲーム空間とは異なる第2ゲーム空間で前記グループが対戦する対戦ゲームを実行するとともに、当該対戦ゲームにおいて、前記所定条件を満たした前記グループに対する有利化処理を実行する、ことを特徴とする。
【0007】
本発明の一態様としてのプログラムは、次の構成[2]、[7]~[12]の少なくとも1つ以上を有していても良い。
[2] 前記ゲームは、前記対戦ゲームが実行される複数の対戦ラウンドを含み、
前記所定条件は、前記条件判定手段が前記判定を実行する前記対戦ラウンドが指定されることを含む。
[7] 前記構成[2]において、前記所定条件は、
前記対戦ラウンド開始前に前記判定の対象となる前記グループが指定されること、
前記対戦ラウンド開始前に前記判定の対象となる前記キャラクタが指定されること、
前記対戦ラウンド開始前に前記判定の対象として指定された前記キャラクタの所定パラメータであって、当該指定された前記キャラクタの前記グループとは異なる他の前記グループの前記キャラクタによる攻撃により変動する所定パラメータが、前記対戦ラウンドの開始から所定時間経過までに所定値以上であること、及び、
前記判定の回数が前記グループ毎に所定回数以内であることの何れか、又はこれらの2以上の組み合わせを含む。
[8] 前記有利化処理は、前記所定条件を満たした前記グループ内の前記キャラクタに関連付けられたプレイヤの入力に基づいて、前記第2ゲーム空間においてのみ発動可能な技の実行処理を含む。
[9] 前記ゲーム実行手段は、
前記第2ゲーム空間での前記対戦ゲームの開始から所定時間経過後に、当該対戦ゲームを終了する、又は、
前記第2ゲーム空間での前記対戦ゲームの開始から所定時間経過後に、当該対戦ゲームを終了して、前記第1ゲーム空間での前記対戦ゲームを実行する。
[10] 前記コンピュータを、
前記コンピュータに接続された表示手段に前記対戦ゲームを表示させる表示制御手段として更に機能させ、
前記条件判定手段が、いずれかの前記グループが前記ゲーム中に前記所定条件を満たすと判定した場合に、
前記表示制御手段は、前記グループが前記第2ゲーム空間で対戦する対戦ゲームを前記表示手段に表示させる。
[11] 前記構成[10]において、前記条件判定手段が、いずれかの前記グループが前記ゲーム中に前記所定条件を満たすと判定した場合に、
前記表示制御手段は、前記第2ゲーム空間における前記対戦ゲームの状況に応じて増減する制限ポイントを前記表示手段に表示させ、
前記ゲーム実行手段は、前記第2ゲーム空間における前記対戦ゲームを実行して前記制限ポイントを当該対戦ゲームの状況に応じて増減させ、前記制限ポイントが所定値まで減った場合に前記第2ゲーム空間における前記対戦ゲームを終了する。
[12] 前記キャラクタは、プレイヤにより選択可能であり、
前記ゲームで選択可能なすべての前記キャラクタに対して、当該キャラクタに固有の前記第2ゲーム空間が対応付けられている。
【0008】
本発明の一態様としてのゲームの情報処理装置は、複数のキャラクタを含むグループで対戦するゲームを実行する情報処理装置であって、
前記グループが第1ゲーム空間で対戦する対戦ゲームを実行するゲーム実行手段と、
いずれかの前記グループが前記ゲーム中に所定条件を満たすか否かの判定を実行する条件判定手段と、
を備え、
前記条件判定手段が、いずれかの前記グループが前記ゲーム中に前記所定条件を満たすと判定した場合に、
前記ゲーム実行手段は、前記所定条件を満たすと判定された前記グループ内の前記キャラクタに対応付けられた、前記第1ゲーム空間とは異なる第2ゲーム空間で前記グループが対戦する対戦ゲームを実行するとともに、当該対戦ゲームにおいて、前記所定条件を満たした前記グループに対する有利化処理を実行する、ことを特徴とする。
【0009】
本発明の一態様としての方法は、複数のキャラクタを含むグループで対戦するゲームを情報処理装置が実行する方法であって、
前記グループが第1ゲーム空間で対戦する対戦ゲームを実行するゲーム実行ステップと、
いずれかの前記グループが前記ゲーム中に所定条件を満たすか否かの判定を実行する条件判定ステップとして機能させ、
前記条件判定ステップが、いずれかの前記グループが前記ゲーム中に前記所定条件を満たすと判定した場合に、
前記ゲーム実行ステップは、前記所定条件を満たすと判定された前記グループ内の前記キャラクタに対応付けられた、前記第1ゲーム空間とは異なる第2ゲーム空間で前記グループが対戦する対戦ゲームを実行するとともに、当該対戦ゲームにおいて、前記所定条件を満たした前記グループに対する有利化処理を実行する、ことを特徴とする。
【0010】
本発明の一態様としてのシステムは、複数のキャラクタを含むグループで対戦するゲームを実行するシステムであって、
前記システムは、複数の情報処理装置を有し、
少なくとも何れかの前記情報処理装置が、前記グループが第1ゲーム空間で対戦する対戦ゲームを実行するゲーム実行手段として機能し、
少なくとも何れかの前記情報処理装置が、いずれかの前記グループが前記ゲーム中に所定条件を満たすか否かの判定を実行する条件判定手段として機能し、
前記条件判定手段が、いずれかの前記グループが前記ゲーム中に前記所定条件を満たすと判定した場合に、
前記ゲーム実行手段は、前記所定条件を満たすと判定された前記グループ内の前記キャラクタに対応付けられた、前記第1ゲーム空間とは異なる第2ゲーム空間で前記グループが対戦する対戦ゲームを実行するとともに、当該対戦ゲームにおいて、前記所定条件を満たした前記グループに対する有利化処理を実行する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、キャラクタに特別感を持たせることができ、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係るゲームシステムの全体構成の一例を示す図である。
図2】情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】情報処理装置の機能ブロック図の一例である。
図4】サーバのゲーム制御部の機能ブロック図の一例である。
図5】対戦ラウンドが第1種戦であり、第1ゲーム空間での対戦を示すゲーム画面の一例である。
図6】対戦ラウンドが第2種戦であり、所定条件を満たすかの判定をする前の第1ゲーム空間での対戦を示すゲーム画面の一例である。
図7】対戦ラウンドが第2種戦であり、所定条件を満たした場合の第2ゲーム空間での対戦を示すゲーム画面の一例である。
図8】対戦ラウンドが第2種戦であり、所定条件を満たした場合の第2ゲーム空間での対戦を示すゲーム画面の他の一例である。
図9】本発明の一実施形態に係るゲームシステムの動作フローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面を参照して、本発明の実施形態に係るゲームシステムについて説明する。本明細書においては、説明の便宜上、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成についての重複説明を省略する場合がある。
【0014】
本ゲームシステムは、ネットワークを介して複数の情報処理装置が接続されるシステムによって実現することができるが、ネットワークを介さずに通信する複数の情報処理装置によっても実現することができる。まず、ネットワークに接続されたシステムで実現する実施形態を説明し、次に、ネットワークを介さないシステムについて説明する。
【0015】
[ネットワークを介したシステムにより実現される実施形態]
[概略構成]
図1は、本発明の一実施形態に係るゲームシステムの全体構成の一例を示す図である。図1に示すように、ゲームシステム1は、複数の情報処理装置10を備える。情報処理装置10は、サーバ及び各プレイヤが使用する端末装置を含む。すなわち、情報処理装置10がサーバの場合は、サーバ10Aと称し、情報処理装置10が端末装置の場合は、端末装置10Bとも称すると、情報処理装置10の一態様がサーバ10Aであり、他の態様が端末装置10Bである。サーバ10Aと端末装置10Bは、情報処理装置10のハードウェア構成を備えることができ、インターネットなどのネットワーク60と互いに通信可能に接続されている。なお、本実施形態のゲームシステム1は、サーバ-クライアントシステムを想定して説明するが、P2P(Peer to Peer)のようなサーバ10Aを備えないシステムで構成することもできる。
【0016】
サーバ10Aは、端末装置10Bにおいて再現可能なゲームを提供する1又は複数のコンピュータから構成することができる。端末装置10Bは、本実施形態ではコンシューマ向けのゲーム機器である。但し、情報処理装置10のハードウェア構成を備えるものであれば、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、ノートパソコン、デスクトップ型コンピュータなどのコンピュータとすることができる。
【0017】
サーバ10Aは、オンラインゲームの進行を制御するための制御用プログラムなどの様々なプログラム及びゲームにおいて用いられる各種データを記憶する。サーバ10Aは、端末装置10Bと定期的又は必要に応じてデータの送受信を行い、ゲームを進行する。
【0018】
端末装置10Bには、1つの例では、端末装置10Bにおいて実行可能なゲームアプリケーションプログラムが予め記憶されており、各端末装置10Bは、ゲームに関する入力(例えば操作)を受け付け、当該入力及び/又は当該入力に関する情報をサーバ10Aに送信する。サーバ10Aは、受信した入力及び/又は当該入力に関する情報に基づいて、ゲームを実行し、その実行結果及び端末装置10Bで表示するために必要な情報を端末装置10Bに送信し、端末装置10Bの出力装置13にゲームに関する情報を画面に表示させる。なお、本実施形態の端末装置10Bは、ゲームアプリケーションプログラムをサーバ10Aからダウンロードすることにより取得することができるが、ゲームアプリケーションプログラムが記憶されたメモリカード、光学ディスクなどの記録媒体から読み出すようにしても良い。
【0019】
別の例では、サーバ10Aはウェブサーバであり、端末装置10Bに対してゲームサービスを提供する。端末装置10Bは、ウェブページを表示するためのHTMLデータをサーバ10Aから取得し、取得したHTMLデータを解析して当該ウェブページを表示する。この場合、端末装置10Bと通信するサーバ10Aが、後述のゲーム制御部25の全部又は一部の機能を有する。
【0020】
[詳細構成]
図2は、情報処理装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。図2に示すように、情報処理装置10は、プロセッサ11、入力装置12、出力装置13、記憶装置14及び通信装置15を備える。各構成11~15はバス16によって接続される。なお、バス16と各構成11~15との間には必要に応じてインターフェースが介在していても良い。
【0021】
プロセッサ11は、情報処理装置10全体の動作を制御するものであり、例えばCPU、MPU等の電子回路である。プロセッサ11は、記憶装置14に格納されているプログラム、データを読み込んで実行することにより、様々な処理を実行する。1つの例では、プロセッサ11は、複数のプロセッサから構成される。
【0022】
入力装置12は、情報処理装置10に対するユーザからの入力を受け付けるユーザインタフェースであり、例えば、タッチパネル、タッチパッド、キーボード又はマウスである。情報処理装置10はタッチパネルを備える場合は、このタッチパネルを例えばタッチスクリーンとすることができ、入力装置12としても出力装置13としても機能する。入力装置12と出力装置13は、別の位置に配置される別個の形態であっても良い。
【0023】
出力装置13は、プロセッサ11の制御に従って、アプリケーション画面などを情報処理装置10のユーザ、すなわちプレイヤに提示する。出力装置13としては、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイなどのディスプレイ、音を発するスピーカを含むことができる。
【0024】
記憶装置14は、メインメモリ、バッファメモリ及びストレージを含み、揮発性メモリであるRAM及び不揮発性メモリであるeMMC、UFS、SSDのようなフラッシュメモリを用いた記憶装置及び磁気記憶装置等の一般的なスマートフォン又はコンピュータが備える記憶装置である。記憶装置14は外部メモリを含むことができる。記憶装置14は、例えば、ゲームアプリケーションを記憶する。ゲームアプリケーションは、ゲームを実行するためのゲームプログラム及び当該ゲームプログラム実行時に参照する各種データを含む。ゲームプログラムは、情報処理装置10に対するユーザの操作に応じて起動され、情報処理装置10に予め実装されるオペレーティングシステム(OS)上で実行される。
【0025】
1つの例では、記憶装置14は、主記憶装置及び補助記憶装置を含む。主記憶装置は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、プロセッサ11が情報を処理する際の記憶領域及び作業領域として用いられる。補助記憶装置は、様々なプログラム及び各プログラムの実行に際してプログラムが使用するデータを格納する。補助記憶装置は、例えばSSD、ハードディスク装置であるが、情報を格納できるものであればいかなる不揮発性ストレージ又は不揮発性メモリであっても良く、着脱可能なものであっても良い。補助記憶装置は、例えばオペレーティングシステム(OS)、ミドルウェア、アプリケーションプログラム、これらのプログラムの実行に伴って参照され得る各種データなどを格納する。
【0026】
通信装置15は、ネットワーク60を介してサーバなどの他のコンピュータ又は他の情報処理装置10との間でデータの授受を行う。例えば通信装置15は、移動体通信、無線LANなどの無線通信を行い、ネットワーク60へ接続する。1つの例では、情報処理装置10は、通信装置15によって、プログラムをサーバからダウンロードして、記憶装置14に格納する。但し、通信装置15は、イーサネット(登録商標)ケーブル等を用いた有線通信を行っても良い。他のコンピュータとの間でデータの送受信を行わない場合、情報処理装置10は通信装置15を備えなくても良い。
【0027】
図3は、情報処理装置10の機能ブロック図の一例である。情報処理装置10は、入力部21、出力部22、記憶部23、通信部24、及びゲーム制御部25を備える。本実施形態においては、プロセッサ11がプログラムを実行することによりこれらの機能が実現される。例えば実行されるプログラムは、記憶装置14に記憶されている又は通信装置15を介して受信したゲームプログラムである。このように、各種機能がプログラム読み込みにより実現されるため、1つのパート(機能)の一部又は全部を他のパートが有していても良い。各種機能は、プログラムの実行により各手段として実現される。各機能の一部又は全部を実現するための電子回路等を構成することによりハードウェアによってこれらの機能を実現しても良い。
【0028】
入力部21は、入力装置12を用いて構成され、情報処理装置10に対するユーザからの入力を受け付ける。出力部22は、出力装置13を用いて構成され、情報処理装置10に対するユーザに提示するためにゲームに関する情報を提示する。記憶部23は、記憶装置14を用いて構成され、各種のゲームに関する情報及びプログラムを記憶する。通信部24は、通信装置15を用いて構成され、他の情報処理装置10との情報を送受信するインターフェースとして機能する。通信部24は、入力部21が受け付けたユーザからの入力情報を、ネットワーク60を介して他の情報処理装置10に送信する。また、通信部24は、他の情報処理装置10からの情報を受信し、当該情報を各部に伝達する。
【0029】
ゲーム制御部25は、本実施形態のゲームを実行するにあたっての基本制御を行う。ゲーム制御部25は、プロセッサ11を含み構成され、ゲームを実行し、ゲームに関する画面を出力装置13に表示させる。ゲーム制御部25によるゲームの実行には、当該実行に必要な情報を記憶装置14から取得すること、入力装置12、通信装置15及び/又はネットワーク60を介してプレイヤの操作情報を取得すること、当該必要な情報に基づいてゲームの情報処理をすること、当該情報処理に基づいて、出力装置13に表示させる画面の表示に必要な情報を生成及び/又は取得することを含むことができる。
【0030】
次に、本実施形態のゲーム及びゲーム制御部25について、詳細に説明する。
【0031】
(ゲーム)
本実施形態のゲームは、グループで対戦する対戦ゲームである。各グループは、複数のキャラクタを含んで構成され、各キャラクタには、プレイヤが関連付けられる。すなわち、本実施形態のゲームは、各々のプレイヤが各々に対応するキャラクタを操作することにより、移動、攻撃、防御及び/又は回復などのアクションを実行し、当該アクションの総合的な結果に応じてグループ間の勝敗を決定する対戦アクションゲームである。なお、ここでは、各グループが複数のキャラクタを含むが、少なくとも何れかのグループが1つのキャラクタを含むようにしても良い。すなわち、対戦ゲームは、1つのキャラクタを含むグループと1又は複数のキャラクタを含むグループとの対戦を含んでも良い。
【0032】
本実施形態のゲームは、対戦ゲームが実行される複数の対戦ラウンドを含む。すなわち、対戦ラウンドは、1回の対戦ゲームであり、対戦ラウンド毎にグループ間の勝敗が決定される。各対戦ラウンドでは、個々のアクションに対してスコアが決定され、決定されたスコアをグループ毎に合計することによりラウンドスコアが決定され、当該ラウンドスコアの大小により対戦ラウンドでの勝敗を決定することができる。例えば、ラウンドスコアが高い(或いは最も高い)グループを勝利とすることができる。対戦ラウンドの勝利数が多い(或いは最も多い)グループを勝利グループとすることができる。アクションには、例えば、敵キャラクタの体力パラメータ(HP)をゼロにすること、味方キャラクタの体力パラメータを回復することを含むことができる。
【0033】
なお、ゲームは、必ずしも複数の対戦ラウンドを含まなくても良く、1回の対戦ゲームでグループ間の勝敗を決定しても良い。また、対戦ラウンド毎に勝敗を決定せずに、各対戦ラウンドで獲得したラウンドスコアの合計でグループ間の勝敗を決定しても良い。また、対戦ゲームに参加するグループは、3つ以上であっても良い。本実施形態では、対戦ゲームに参加するグループは2つであるとして説明する。
【0034】
本実施形態のゲームは、各対戦ラウンドで対戦の種類を選択することができる。対戦の種類は、第1種戦、第2種戦を含むことができる。第1種戦は、グループが第1ゲーム空間で対戦する対戦ゲームであり、各キャラクタが各々のキャラクタに対応付けられた通常技(第1類の技(以下、「第1類技」ともいう。))を発動できる通常戦である。通常技は、攻撃、防御、又は回復に係るアクションを含むことができる。第1種戦では、対戦に係るグループの全てのキャラクタは、第1ゲーム空間で各々の通常技を繰り出すことで攻撃、防御、回復などのアクションを行ってスコアを獲得する。第1ゲーム空間は、グループが第1種戦での対戦を繰り広げる舞台であり、仮想空間、ゲームフィールドと称することができる。第1ゲーム空間は、各キャラクタが自由に動き回ることのできる仮想空間、ゲームフィールドである。第2種戦は、第1種戦(つまり、第1ゲーム空間での対戦ゲーム)を含むことができ、何れかのグループがゲーム中に所定条件を満たした場合に、当該所定条件を満たすグループ内のキャラクタに対応付けられた大技(第2類の技(以下、「第2類技」ともいう。))を発動する対戦ゲームである。1つの例では、第2種戦は、第2種戦の中で第1種戦を行い、当該第1種戦の終了段階で何れかのグループが所定条件を満たした場合、当該第1種戦において第1ゲーム空間にいたすべてのキャラクタが、当該所定条件を満たすグループ内のキャラクタに対応付けられた第2ゲーム空間に移動し、第2ゲーム空間で対戦する対戦ゲームである。別の例では、第2種戦は、対戦ラウンド開始前に条件判定部256がいずれかのグループが所定条件を満たしていると判定した場合に、対戦ラウンドが開始されると対戦に係るグループの全てのキャラクタが第2ゲーム空間で対戦する対戦ゲームであっても良い。
【0035】
第2ゲーム空間は、グループが第2種戦での対戦を繰り広げる舞台であり、仮想空間、ゲームフィールドと称することができる。第2ゲーム空間は、各キャラクタが自由に動き回ることのできる仮想空間、ゲームフィールドである。第2ゲーム空間は、第1ゲーム空間と異なり、ゲームで選択可能なすべてのキャラクタに対してそれぞれ対応付けられたゲーム空間(仮想空間又はゲームフィールド)である。第2ゲーム空間では、所定条件を満たしたグループが所定条件を満たさないグループよりも有利な状況になる。第2ゲーム空間とキャラクタとの対応付けは、例えば、各キャラクタIDに対して第2ゲーム空間を識別する第2ゲーム空間IDを対応付けたテーブル又はリストにより実現することができ、これらのテーブル又はリストは記憶装置14に記憶させることができる。第1ゲーム空間は、キャラクタとの関連付けはなくキャラクタと無関係である。そのため、どのキャラクタでも対戦ゲームのゲーム空間は第1ゲーム空間になり得る。これに対し、第2ゲーム空間は、キャラクタにそれぞれ対応付けられているため、当該キャラクタが対戦ゲームの何れかのグループに含まれ、かつ、所定条件が満たされない限り、第2ゲーム空間での対戦は行われない。そのため、キャラクタと第2ゲーム空間との対応付けにより、キャラクタの特別感を高めることができる。ここでは、第1ゲーム空間及び第2ゲーム空間は、3次元のゲーム空間であるが、2次元のゲーム空間としても良い。なお、第2ゲーム空間は、何れかの第1ゲーム空間と同じゲームフィールドであっても良い。
【0036】
(ゲーム制御部)
図4は、サーバのゲーム制御部の機能ブロック図の一例である。図4に示すように、ゲーム制御部25は、対戦要求受付部251、グループ作成部252、対戦相手決定部253、キャラクタ決定部254、ゲーム実行部255、条件判定部256、及び表示制御部257を備える。
【0037】
対戦要求受付部251は、プロセッサ11及び通信装置14を含み構成され、各プレイヤの端末装置10Bからの対戦要求をそれぞれ受け付ける。対戦要求は、プレイヤIDを含んでいても良いし、プレイヤIDと関連付けられていても良い。
【0038】
グループ作成部252は、プロセッサ11を含み構成され、対戦に係るグループを作成する。例えば、グループ作成部252は、対戦要求受付部251が受け付けた対戦要求のうちの所定数の対戦要求に基づいて、グループを作成する。具体的には、グループ作成部252は、各々の対戦要求に係るプレイヤIDとグループIDとを関連付けて記憶装置14に記憶する。例えば、1つのグループが3キャラクタで構成される場合、グループ作成部252は、3つの対戦要求で1つのグループを作成し、別の3つの対戦要求で別の1つのグループを作成する。グループの作成は、友人、仲間、知り合いのなどの関係者の各々のプレイヤIDをグループIDと関連付けてグループを作成しても良いし、他人同士の各々のプレイヤIDをグループIDと関連付けてグループを作成しても良い。
【0039】
対戦相手決定部253は、プロセッサ11を含み構成され、作成されたグループの中から対戦に参加するグループを決定する。1つの例では、対戦相手決定部253は、作成されたグループの中から抽選で(ランダムに)対戦参加グループを決定する。別の例では、あるグループによる対戦相手グループの指定(例えば、対戦希望のグループIDの入力)により、対戦参加グループを決定する。対戦は、2つのグループ同士の対戦であっても良いし、3つ以上のグループの対戦であっても良い。本実施形態では、2つのグループ同士の対戦として説明する。他の例では、対戦相手決定部253は、トーナメント又はリーグ戦により対戦相手となるグループを決定することができる。トーナメント又はリーグ戦の参加グループは、作成されたグループの中から抽選又はグループの指定により決定することができる。
【0040】
キャラクタ決定部254は、プロセッサ11を含み構成され、プレイヤによるキャラクタの選択を受け付けて当該プレイヤが操作するキャラクタを決定する。記憶装置14には、ゲームで選択可能なキャラクタが記憶されており、各キャラクタには、キャラクタID、攻撃力、防御力などの各種パラメータ、第1類技、第1類技のレベル、第2類技、第2ゲーム空間などが関連付けられている。各プレイヤの端末装置10Bが選択可能なキャラクタ群を表示し、プレイヤからキャラクタの選択を受け付ける。キャラクタ決定部254は、端末装置10Bからこの選択を受信し、当該選択に基づいて、当該プレイヤのキャラクタを決定する。キャラクタ決定部254は、対戦に係るグループの全てのプレイヤに対して、プレイヤの選択に基づきキャラクタを決定する。
【0041】
ゲーム実行部255は、プロセッサ11を含み構成され、第1ゲーム空間又は第2ゲーム空間での対戦ゲームを実行し、ゲーム実行結果情報を生成する。ゲーム実行結果情報は、表示制御部257でゲーム画面を生成するために必要な各種情報であり、ゲーム実行部255により表示制御部257に送信される。ゲーム実行結果情報には、各キャラクタの動き、パラメータなどの情報、データを含むことができる。
【0042】
対戦ゲームの実行について具体的に説明する。ゲーム実行部255は、端末装置10Bのコントローラ等の入力装置12を介したプレイヤの操作入力に基づいて、第1ゲーム空間又は第2ゲーム空間においてキャラクタの操作を実行する。例えば、ゲーム実行部255は、プレイヤの操作入力に基づいて、アクションを実行する。アクションには、移動、攻撃、防御、回復などの種々のアクションを含むことができる。移動、攻撃、防御、回復などのアクションは、第2ゲーム空間でのみ実行可能なアクション(例えば第2類技に含まれる特別技)を除いて第1ゲーム空間、第2ゲーム空間で共通に及び/又は第1種戦、第2種戦で共通に実行することができる。
【0043】
ゲーム実行部255は、キャラクタの移動を指示するプレイヤの操作入力に基づいて、キャラクタを第1ゲーム空間及び/又は第2ゲーム空間において移動させる処理を実行する。
【0044】
ゲーム実行部255は、プレイヤの操作入力に基づいて、第1ゲーム空間及び/又は第2ゲーム空間において攻撃、移動、回復などのアクションを実行し、当該アクションに基づいて対応する各キャラクタの各種パラメータを変更する。攻撃により敵キャラクタにダメージを与えることができる。すなわち、ゲーム実行部255は、プレイヤの操作入力に基づいて、当該プレイヤのキャラクタの敵キャラクタへの攻撃を実行し、当該キャラクタの攻撃力(又は当該キャラクタの攻撃力と敵キャラクタの防御力との関係)に基づいて、当該敵キャラクタへのダメージ量を決定し、このダメージ量の分、当該敵キャラクタの体力パラメータを減少させる。防御により、敵キャラクタからの攻撃によるダメージを回避又は軽減することができる。ゲーム実行部255は、プレイヤの操作入力に基づいて、敵キャラクタからの攻撃に対する当該プレイヤのキャラクタの防御を実行し、当該キャラクタの防御力(又は当該キャラクタの防御力と敵キャラクタの攻撃力との関係)に基づいて、当該キャラクタのダメージ量を決定し、このダメージ量の分、当該キャラクタの体力パラメータを減少させる。このダメージ量は0であっても良い。回復により、対象となるキャラクタの体力パラメータを増加させることができる。回復対象となるキャラクタは、回復のアクションを実行するキャラクタ自身であっても良いし、回復のアクションを実行するキャラクタと同じグループの他のキャラクタであっても良い。
【0045】
攻撃、防御、回復などのアクションは、第1類技(通常技)、第2類技に含まれる特別技、アイテムの使用などにより行うことができる。第1種技、第2類技の特別技、アイテムの使用は、タッチパネル、コントローラなどのボタン操作により実行することができる。第1類技は、発動回数が無制限の技と、発動回数に制限が設けられている技とを含むことができる。発動回数が無制限の技は、対戦ゲーム中何度でも発動可能である。発動回数に制限が設けられている技は、所定回数(例えば3回)発動することができる。発動回数に制限が設けられている技は、所定回数発動した後に、対戦終了まで発動不能にしても良いし、所定時間(例えば15秒)経過後に再び所定回数発動可能にしても良い。
【0046】
ゲーム実行部255は、敵キャラクタを倒した数、与えたダメージ量、第1種技の発動、特別技の発動、味方キャラクタ(同一グループ内の他のキャラクタ)の回復回数、回復量、第1ゲーム空間におけるエリアの占領時間、ミッションの達成、対戦ラウンド勝利に基づいて、スコアをそれぞれ決定することができる。また、ゲーム実行部255は、対戦ラウンドにおいて決定したスコアの合計を算出し、対戦ラウンドのラウンドスコアを決定する。ラウンドスコアは、対戦ラウンドにおいて、各グループが獲得したスコアの合計スコアである。なお、各スコアの決定方法及びそのスコア値は、これらに限定されず、適宜設計、変更することができる。
【0047】
ゲーム実行部255は、ラウンドスコアの大小により対戦ラウンドにおける勝敗を決定する。具体的には、ゲーム実行部255は、ラウンドスコアが大きいグループを対戦ラウンドにおける勝利グループとして決定し、ラウンドスコアが小さいグループを対戦ラウンドにおける敗北グループとして決定する。また、ゲーム実行部255は、最終勝利グループを決定する。1つの例では、ゲーム実行部255は、対戦ラウンドの勝利数が大きいグループを最終勝利グループとして決定し、最終勝利グループ以外のグループを最終敗北グループとして決定する。別の例では、ゲーム実行部255は、ラウンドスコアの合計値が大きいグループを最終勝利グループとして決定し、それ以外のグループを最終敗北グループとして決定する。
【0048】
上記の通り、本実施形態のゲームは複数の対戦ラウンドを含んで構成されている。対戦ラウンドは、第1種戦、第2種戦を含み、これらの何れかとすることができる。ゲーム実行部255は、対戦ラウンドの開始前に第1種戦、第2種戦の何れかをグループ(又はプレイヤ)による指定を受け付けることができる。本実施形態では、複数の対戦ラウンドを含む1セットの対戦ゲームにおいて、各グループで第2種戦を指定可能な回数が各々のグループで所定回数以内(例えば1回)に制限されている。また、本実施形態では、何れかのグループが、ある対戦ラウンドにおいて第2種戦を指定した場合は、他のグループはその対戦ラウンドでは第2種戦を指定することができない。すなわち、第2種戦に指定された対戦ラウンドでは、第2種戦を指定したグループが第2類技を発動できる機会を有し、他のグループは、第2類技を発動する機会が与えられない。ある対戦ラウンドで2以上のグループが第2種戦を指定した場合は、ゲーム内外のチャット等の通信手段によりグループ間で調整するか、ゲーム実行部255が抽選で第2種戦を指定可能なグループを決定することができる。なお、第2種戦の指定回数に制限を設けなくても良いし、何れのグループでも同一対戦ラウンドで第2種戦を指定できるようにしても良い。
【0049】
ゲーム実行部255は、対戦ラウンド開始前に、条件判定部256が判定を実行する対戦ラウンドの指定、条件判定部256の判定の対象となるグループの指定、及び/又は条件判定部256の判定の対象となるキャラクタの指定を受け付けることができる。各指定は、プレイヤ又はグループによる指定である。ゲーム実行部255は、受け付けた指定を条件判定部256に通知する。
【0050】
条件判定部256が判定を実行する対戦ラウンドは、対戦ラウンドでの対戦を第2種戦と指定された対戦ラウンドである。すなわち、ゲーム実行部255は、何れかのグループが対戦ラウンドの対戦を第2種戦と指定した対戦ラウンドを、条件判定部256が判定を実行する対戦ラウンドとして条件判定部256に通知する。
【0051】
条件判定部256の判定の対象となるグループは、対戦ラウンドでの対戦を第2種戦と指定したグループである。すなわち、ゲーム実行部255は、対戦ラウンドの対戦を第2種戦と指定したグループを、判定の対象となるグループとして条件判定部256に通知する。
【0052】
条件判定部256の判定の対象となるキャラクタは、第2種戦と指定された対戦ラウンドにおいて、第2種戦を指定したグループ内のキャラクタの中からプレイヤ又はグループにより指定されたキャラクタである。すなわち、ゲーム実行部255は、第2種戦を指定したグループ内のキャラクタの中から指定されたキャラクタを条件判定部256に通知する。この指定されたキャラクタが条件判定部256の判定により第2類技を発動可能なキャラクタ(以下、「第2類技発動キャラクタ」ともいう。)である。ゲーム実行部255は、対戦ラウンドを第2種戦として指定するグループの各プレイヤから各々の端末装置10Bを介して、各操作キャラクタを第2類技発動キャラクタ又は第2類技発動キャラクタをサポートするサポートキャラクタとする指定を受け付けることができる。サポートキャラクタは、第2種戦において第2類技発動キャラクタを、敵グループのキャラクタの攻撃から守るなどのサポートをするキャラクタである。
【0053】
ゲーム実行部255は、対戦ラウンド開始前に、グループ又はプレイヤの入力に基づいて、第1種戦又は第2種戦のいずれの対戦ゲームを実行するかを決定する。例えば、ゲーム実行部255は、第2種戦の指定がいずれのグループからも指定がなければ、対戦ラウンドを第1種戦として決定することができる。ゲーム実行部255は、何れかのグループから第2種戦の指定を受け付けた場合は、対戦ラウンドを第2種戦として決定することができる。第1種戦は、各グループの各キャラクタが第1ゲーム空間においてする対戦である。第1ゲーム空間はいずれのキャラクタとも関連付けられていない。ゲーム実行部255は、第1種戦では、第1類技(通常技)及び/又はアイテム使用のプレイヤ操作入力に基づいて、移動、攻撃、防御、回復などのアクションを実行し、当該アクションに対応するキャラクタの各種パラメータを変更する。
【0054】
図5は、対戦ラウンドが第1種戦であり、第1ゲーム空間での対戦を示すゲーム画面の一例である。図5に示す例は、ゲーム実行部255が実行したゲーム実行結果情報に基づいて表示制御部257により端末装置10Bの出力装置13(表示装置)に表示させたゲーム画面G1である。図5に示す例の場面では、第1ゲーム空間GS1においてキャラクタAが対戦相手グループの敵キャラクタEAに攻撃し、283のスコアSを獲得している。ゲーム画面G1には、第1ゲーム空間GS1が画面全体に表示され、第1ゲーム空間GS1内にプレイヤの操作対象のキャラクタAと、その他のキャラクタ(例えば味方グループ内の他のキャラクタB、C及び/又は敵グループ(対戦相手グループ)のキャラクタEA、EB、EC)とが表示され得る。また、ゲーム画面G1には、残り時間R11、味方情報R12、体力メータR13、操作情報R14が含まれる。残り時間R11は、第1種戦(対戦ラウンド)の残り時間である。すなわち、第1種戦には制限時間が設けられており、第1種戦開始から時間経過とともに残り時間R11が減少する。図5に示す例では、残り時間R11は、2分42秒である。残り時間R11の変更はゲーム実行部255により行うことができる。
【0055】
味方情報R12は、操作キャラクタ(ここではキャラクタA)と同一グループ(味方グループ)の他のキャラクタ(ここではキャラクタB、C)の名称、画像、体力パラメータのメータ表示を含むことができる。体力メータR13は、操作キャラクタAの残存する体力パラメータのメータ表示である。操作情報R14は、操作キャラクタAの第1類技(通常技)の情報及び当該技の操作ボタンを含むことができる。操作情報R14は、発動無制限技情報R14a、発動制限技情報R14b、R14cを含むことができる。発動無制限技情報R14aは、発動回数に制限がない技の情報であり、技の内容を画像で表示するとともに、当該技のレベル及び操作ボタンとを対応付けて表示することができる。発動制限技情報R14b、R14cは、発動回数に制限が設けられている技の情報であり、技の内容を画像で表示するとともに、当該技のレベル及び操作ボタンを技の画像と対応付けて表示することができる。発動制限技は、所定回数のみ発動可能としても良いし、所定回数の発動後は所定時間発動不能とし、その後再び所定回数発動可能としても良い。図5に示す例では、発動制限技情報R14b、R14cは、発動制限技が3回発動可能であることを示している。発動制限技情報R14bについては、発動制限技が3回発動可能な状態を示し、発動制限技情報R14cについては、発動不能の状態を示している。発動制限技情報R14cは、20秒待つことで、再度所定回数発動制限技が発動可能であることを示している。
【0056】
本実施形態では、第1種戦に制限時間が設けられており、ゲーム実行部255は、例えば時間の経過に伴って制限時間の残り時間パラメータを変更する。ゲーム実行部255は、残り時間パラメータが0になった場合、第1種戦を終了することができる。第2種戦の終了については後述する。
【0057】
ゲーム実行部255は、対戦ラウンド開始前に、何れかのグループ又はプレイヤにより第2種戦が指定された場合、第2種戦の対戦ゲームを実行する。第2種戦は、第2類技発動攻防戦を含み、条件判定部256により所定条件を満たすと判定された場合には、第2ゲーム空間での対戦を含むことができる。第2類技攻防戦は、第2類技の発動を賭けた第1ゲーム空間での対戦であり、基本的には第1種戦と同様とすることができる。但し、第2類技攻防戦では、ゲーム実行部255は、第2類技発動キャラクタの移動を、第1種戦での当該キャラクタの移動及び/又は第2類技発動キャラクタを含まないグループのキャラクタの移動よりも遅くすることができる。これにより、第2類技発動キャラクタが相手グループのキャラクタからの攻撃を受けやすくすることができる。サポートキャラクタはこの攻撃を阻止し、及び/又は、この攻撃から第2類技発動キャラクタから守る。ゲーム実行部255は、第2類技発動キャラクタの発動可能な通常技を一部に制限しても良い。また、ゲーム実行部255は、サポートキャラクタ及び、第2類技発動キャラクタを含まない相手グループのキャラクタの通常技を、第1種戦と同様に発動可能とすることができる。
【0058】
ゲーム実行部255は、制限時間内で第2類技発動攻防戦の対戦ゲームを実行する。制限時間は、例えば対戦ラウンド開始からの所定時間であり、例えば3分とすることができる。但し、制限時間はこれに限定されず、適宜設定、変更可能である。
【0059】
ゲーム実行部255は、第2類技攻防戦の終了段階で条件判定部256が指定されたグループが所定条件を満たすと判定した場合、当該判定されたグループ内のキャラクタの第2類技(大技)の発動処理を実行する。すなわち、ゲーム実行部255は、第2類技攻防戦の第1ゲーム空間に代えて、当該判定されたグループ内のキャラクタに対応付けられた第2ゲーム空間でグループが対戦する対戦ゲームを実行し、第2ゲーム空間での対戦ゲームにおいて、所定条件を満たしたグループに対する有利化処理を実行する。例えば、ゲーム実行部255は、指定された第2類技発動キャラクタのキャラクタIDと、キャラクタIDと第2ゲーム空間のIDとが対応付けられたテーブルとに基づいて、当該第2類技発動キャラクタの第2ゲーム空間のデータを記憶装置14から読み出して、有利化処理を含む当該第2ゲーム空間での対戦ゲームを実行する。このように、第2類技の発動により、対戦に係るグループの全てのキャラクタを第1ゲーム空間から第2ゲーム空間に移動させ、所定条件を満たしたグループに有利な状況を発生させる。
【0060】
第2ゲーム空間は、キャラクタ毎に関連付けられたゲーム空間である。第2ゲーム空間は、第2類技発動キャラクタの固有のゲーム空間とすることができる。但し、同じ第2ゲーム空間が複数のキャラクタに対応付けられていても良い。
【0061】
有利化処理は、所定条件を満たしたグループが有利になる処理であれば、任意の処理を含むことができる。例えば、有利化処理は、(1)所定条件を満たしたグループ(「味方グループ」ともいう。)のキャラクタの攻撃力及び/又は防御力が著しく上がる、(2)所定条件を満たしていないグループ(「敵グループ」ともいう。)のキャラクタからの攻撃によって味方グループのキャラクタの体力パラメータが減らない又は減少量を少なくする、(3)敵グループのキャラクタが攻撃できない又は攻撃しても味方グループのキャラクタの体力パラメータを維持する、(4)敵グループのアクションによる算出されるはずのスコア値を既定値より少なくする又は0にする、(5)味方グループのキャラクタを有利な位置又は場所に位置させ、敵グループのキャラクタを不利な位置又は場所に位置させる(例えば、味方グループのキャラクタは敵グループのキャラクタを攻撃しやすい位置又は場所に位置させ、敵グループのキャラクタは味方グループのキャラクタから攻撃を受けやすい位置又は場所に位置させるようにしても良いし、味方グループのキャラクタの方が敵グループのキャラクタよりもゲームを有利に進めることができる武器又はアイテムを獲得しやすい位置又は場所に位置させるようにしても良い。)、などの処理を含むことができる。このように、有利化処理は、所定条件を満たしたグループ又はキャラクタを無敵状態にする処理である。有利化処理は、所定条件を満たしたグループの第2類技を発動したキャラクタを少なくとも含んで適用することができる。
【0062】
有利化処理は、所定条件を満たしたグループ内のキャラクタに対応付けられたプレイヤの入力に基づいて、第2ゲーム空間においてのみ発動可能な技の実行処理を含むことができる。第2ゲーム空間においてのみ発動可能な技は、第2類技に含まれる特別技であり、キャラクタ毎、又は、第2ゲーム空間毎の何れかに対応付けられて記憶装置14に記憶されている。当該特別技は、キャラクタ毎に固有であることが好ましいが、同一の特別技が複数のキャラクタに関連付けられていても良い。特別技によるパラメータ変動量は、通常技のパラメータ変動量よりも大きくすることができる。特別技は、発動回数を無制限とすることができる。ゲーム実行部255は、プレイヤ操作入力に基づいて、特別技を発動し、特別技に対応付けられた体力パラメータの変動量を決定し、決定した変動量分、攻撃対象の敵グループのキャラクタの体力パラメータを減少させる。このように、有利化処理は、所定条件を満たしたグループを圧倒的に有利にすることができる。そのため、第2類技の発動がゲームの形勢逆転を図ったり、ゲームの勝敗に大きく影響させたりすることができる。
【0063】
図6は、対戦ラウンドが第2種戦であり、所定条件を満たすかの判定をする前の第1ゲーム空間での対戦を示すゲーム画面の一例である。ゲーム実行部255は、第2種戦が指定された場合、指定されたキャラクタの第2類技発動攻防戦の対戦ゲームを実行する。図6に示す例は、ゲーム実行部255が実行したゲーム実行結果情報に基づいて表示制御部257により端末装置10Bの出力装置13(表示装置)に表示させたゲーム画面G2である。ゲーム画面G2は、第2類技発動攻防戦の対戦ゲームを示す。ゲーム画面G2には、所定条件情報R21、味方情報R12、体力メータR13、操作情報R14を含むことができる。所定条件情報R21は、第2類技発動のための条件を含む。ここでは、所定条件情報R21は、残り時間R21aと、体力メータR21bとを含む。残り時間R21aは、第2類技発動攻防戦が続行可能な残り時間である。図6に示す例では、残り56秒である。体力メータR21bは、第2類技発動キャラクタの残りの体力パラメータを示すメータ表示である。第2類技発動キャラクタの残りの体力パラメータは、当該キャラクタの周りに球を表示しても良い。図6に示す例では、第2類技発動キャラクタAの周りに球Kが表示されている。この球Kの大きさ(例えば半径)が体力パラメータの残りを示すことができる。例えば、球Kの大きさが小さいほど体力パラメータの残りが少ないことを示すことができる。
【0064】
本実施形態のゲーム実行部255は、残り時間R21aが0になるか、第2類技発動キャラクタの残りの体力パラメータが0になるかの何れか早い方まで第2類技攻防戦の対戦ゲームを実行する。図6の味方情報R12、体力メータR13は、図5の味方情報R12、体力メータR13と同じである。操作情報R14は、図6に示すように、第2類技発動キャラクタのプレイヤに対するゲーム画面G2では表示しなくても良く、サポートキャラクタ及び条件判定部256による判定対象でないグループのキャラクタのプレイヤに対するゲーム画面G2では表示しても良い。ゲーム実行部255は、第2類技発動攻防戦において、第2類技発動キャラクタの通常技の一部を実行可能とし、残りを実行不能としても良い。ゲーム実行部255は、第2類技発動攻防戦において、プレイヤ操作に基づく第2類技発動キャラクタの移動を、第1種戦での移動又は他のキャラクタと比べて遅くしても良い。このように第2類技発動キャラクタの移動速度を相対的に小さくすることで、相手グループのキャラクタが第2類技発動キャラクタに攻撃を加えやすくなり、第2類技発動攻防戦を白熱化させることができる。
【0065】
図7は、対戦ラウンドが第2種戦であり、所定条件を満たした場合の第2ゲーム空間での対戦を示すゲーム画面の一例である。図7に示すように、ゲーム実行部255は、条件判定部256がいずれかのグループが所定条件を満たしたと判定した場合、味方及び敵グループの全てのキャラクタを第1ゲーム空間から、当該所定条件を満たしたグループ内のキャラクタに対応付けられた第2ゲーム空間に移動させ、第2ゲーム空間での対戦ゲームを実行する。すなわち、ゲーム実行部255は、所定条件を満たしたことにより、ゲームフィールドのデータを第1ゲーム空間のデータから第2ゲーム空間のデータに切り替える。なお、ゲーム実行部255によるゲーム空間の切り替えは、ゲーム空間の全てのデータを差し替えるものであっても良いし、ゲーム空間の一部のデータを差し替えるものであっても良い。また、ゲーム空間の表示態様の一部又は全部を変更する画像処理であっても良い。
【0066】
図7に示すゲーム画面G3は、所定条件を満たした場合の第2ゲーム空間での対戦を示すゲーム画面であり、対戦に係るグループのキャラクタが第2ゲーム空間GS2に移動している。
【0067】
第2ゲーム空間では、所定条件を満たしたグループ内のキャラクタが、特別技を実行することができる。すなわち、ゲーム実行部255は、所定条件を満たしたグループ内のキャラクタのプレイヤ操作入力に基づいて、特別技を実行する。図7に示す例では、特別技SSは「竜巻を放つ」技である。図7に示す例では、ゲーム画面G3に操作情報R14が表示され、操作情報R14に特別技情報表示R14d、カメラ操作情報表示R14eが含まれている。特別技情報表示R14dは、特別技の名称と特別技の操作ボタンを含む。カメラ操作情報表示R14eは、特別技を発動する方向及び/又は位置を制御するターゲットTの操作ボタンを含む。ターゲットTは、例えば端末装置10Bに接続されたコントローラの所定のボタン及び十字キーにより所望の位置に移動させることができる。
【0068】
ここでは、ゲーム実行部255は、所定条件を満たしたグループ内の指定されたキャラクタのみが特別技を発動可能としたが、所定条件を満たしたグループ内の全てのキャラクタが、各々のキャラクタに対応付けられた特別技を発動可能としても良い。
【0069】
ゲーム実行部255は、所定の場合に第2ゲーム空間での対戦ゲームを終了する。1つの例では、ゲーム実行部255は、第2ゲーム空間での対戦ゲームの開始から所定時間経過後に当該対戦ゲームを終了することができる。別の例では、ゲーム実行部255は、第2ゲーム空間での対戦ゲームの開始から所定時間経過後に、当該対戦ゲームを終了して、第1ゲーム空間での対戦ゲームを実行するようにしても良い。更に別の例では、ゲーム実行部255は、敵グループのキャラクタが全滅した場合に第2ゲーム空間での対戦ゲームを終了することができる。他の例では、ゲーム実行部255は、第2ゲーム空間における対戦ゲームを実行して制限ポイントを当該対戦ゲームの状況に応じて増減させ、制限ポイントが所定値まで減った場合に第2ゲーム空間における対戦ゲームを終了しても良い。図7に示す例では、ゲーム画面G3に制限ポイントR31が表示されている。ここでは、制限ポイントR31は、ゲーム画面G3の上部中央に表示されているが、表示場所は適宜設定、変更可能である。
【0070】
制限ポイントは、第2ゲーム空間における対戦ゲームの状況に応じて増減することができる。ゲーム実行部255は、第2ゲーム空間における対戦ゲームの開始から時間が経過するに従って、制限ポイントを減少させることができる。ゲーム実行部255は、第2ゲーム空間における対戦ゲームの開始から時間が経過するに従って、制限ポイントの減少幅を大きくしても良い。ゲーム実行部255は、制限ポイントを増加させても良い。図8に示す例では、制限ポイント105にボーナスポイント50が加算されている。ゲーム実行部255は、所定条件を満たしたグループ内のキャラクタ(例えば、第2類技発動キャラクタ又は当該グループ内の1以上のキャラクタ)が敵キャラクタを倒す度に制限ポイントを増加することができる。ゲーム実行部255は、敵キャラクタを倒した数が多くなる程、及び/又は、時間が経過する程、制限ポイントの増加量を小さくすることができる。制限ポイントの増減の態様は、上記の態様を個別に任意に組み合わせることができる。
【0071】
このように、基本的には、ゲーム実行部255は、制限ポイントを減少させるように変更し、制限ポイントが所定値(例えば0)まで減った場合に第2ゲーム空間における対戦ゲームを終了する。一時的に制限ポイントが増加しても、増加量が次第に小さくなり、また減少量が次第に大きくすることで第2ゲーム空間における対戦ゲームを終了させることができる。ゲーム実行部255は、制限ポイントの減少量又は減少速度が大きくなる程、制限ポイントの表示色を変更しても良い。
【0072】
本実施形態では、ゲーム実行部255は、第2ゲーム空間における対戦ゲームの終了に伴って第2種戦の対戦ゲームを終了する。但し、ゲーム実行部255は、第2ゲーム空間における対戦ゲームの終了後、第1種戦の対戦ゲームを実行しても良い。この場合、ゲーム実行部255は、対戦に係る全てのキャラクタを第2ゲーム空間から第1ゲーム空間に移動させる。この第1ゲーム空間での対戦は所定の制限時間内とすることができる。
【0073】
条件判定部256は、プロセッサ11を含み構成され、いずれかのグループがゲーム中に所定条件を満たすか否かの判定を実行する。
【0074】
所定条件は、次の(1)~(5)の何れか、(1)~(5)の2以上の組み合わせを含むことができる。
(1)条件判定部256が判定を実行する対戦ラウンドが指定されること。
(2)対戦ラウンド開始前に条件判定部256の判定の対象となるグループが指定されること。
(3)対戦ラウンド開始前に条件判定部256の判定の対象となるキャラクタが指定されること。
(4)対戦ラウンド開始前に条件判定部256の判定の対象として指定されたキャラクタの所定パラメータであって、当該指定されたキャラクタのグループとは異なる他のグループのキャラクタによる攻撃により変動する所定パラメータが、対戦ラウンドの開始から所定時間経過までに所定値以上であること。
(5)条件判定部256の判定の回数がグループ毎に所定回数以内であること。
【0075】
なお、上記(4)の指定されたキャラクタのグループとは異なる他のグループのキャラクタによる攻撃により変動する所定パラメータは、例えば体力パラメータとすることができる。上記(5)の判定の回数とは、対戦において過去になされた条件判定の回数である。上記(5)の所定回数は、例えば1回とすることができるが、これに限定されない。所定回数が1回の場合、ゲームを構成する複数の対戦ラウンドのうち、何れかの対戦ラウンドでのみ判定が可能である。
【0076】
条件判定部256は、所定条件に含まれる条件を全て満たす場合に所定条件を満たすと判定する。一方、条件判定部256は、所定条件に含まれる条件の何れかの条件を満たさない場合に所定条件を満たさないと判定する。条件判定部256は、所定条件を満たすか否かの判定を条件判定の回数としてカウントし、当該回数をグループ毎に記憶装置14に記憶させることができる。
【0077】
条件判定部256の条件判定のタイミングは、所定条件に含まれる条件のうちの最も遅くに判定可能となるタイミング以降で行うことができる。例えば、所定条件が上記(1)~(5)を含む場合、上記(4)が最も遅くに判定可能となる。上記(1)~(3)及び(5)は、対戦ラウンド開始前に判定可能であるのに対し、上記(4)は対戦ラウンド開始後でなければ判定できないからである。条件判定部256は、所定条件に含まれる条件のうちの個別の条件を、判定可能となったタイミングで判定しても良い。この場合、所定条件に含まれる条件のうちの何れかの条件を満たさない場合は、その段階で条件判定部256は、所定条件を満たさないと判定するようにしても良い。但し、所定条件を満たすとの判定は、所定条件に含まれる条件のうちの最も遅くに判定可能となるタイミング以降で行う。また、条件判定部256は、上記(5)の条件を満たさないと判定した場合、ゲーム実行部255が上記(1)~(3)の指定を受け付けないようにしても良い。
【0078】
本実施形態の所定条件は、上記(1)~(5)の条件を全て含む。そのため、条件判定部256の判定は、第2種戦中に実行することができる。例えば、条件判定部256は、第2種戦の第2類技発動攻防戦の終了段階で所定条件を満たすかの判定をすることができる。
【0079】
表示制御部257は、プロセッサ11を含み構成され、サーバ10Aに接続された出力装置13(表示装置)に対戦ゲームを表示させる。この出力装置13は、本実施形態では、サーバ10Aにネットワーク60を介して接続された端末装置10Bの出力装置13である。表示制御部257は、ゲーム実行部255で実行されたゲーム実行結果情報に基づいて、各種のゲーム画面(例えば、ゲーム画面G1~G3)を生成し、当該ゲーム画面を端末装置10Bの出力装置13に表示させる。表示制御部257は、各プレイヤの操作キャラクタを含めたゲーム画面をそれぞれ生成する。換言すれば、各端末装置10Bの出力装置13に表示されるゲーム画面は、各々視点が異なる。
【0080】
表示制御部257は、条件判定部256がいずれかのグループがゲーム中に所定条件を満たすと判定した場合に、グループが第2ゲーム空間で対戦する対戦ゲームを各端末装置10Bの出力装置13に表示させる。この場合、表示制御部257は、第2ゲーム空間における対戦ゲームの状況に応じて増減する制限ポイントを各端末装置10Bの出力装置13に表示させることができる。
【0081】
[動作]
本発明の一実施形態に係るゲームシステム1の動作について説明する。図9は、本発明の一実施形態に係るゲームシステム1の動作フローチャートの一例である。
【0082】
サーバ10Aは、対戦要求受付部251により、各端末装置10Bからプレイヤ入力に基づく対戦要求を受け付ける(S01:対戦要求の受付け)。次に、サーバ10Aは、グループ作成部252により、対戦に係るグループを作成する(S02:グループの作成)。ここでは、グループ作成部252は、6人のプレイヤの端末装置10Bからそれぞれ受け付けた対戦要求により、3プレイヤで1つのグループIを作成し、他の3プレイヤで他のグループIIを作成する。グループ作成部252は、各々のグループIDとグループに所属するプレイヤのプレイヤIDとを関連付けて記憶装置14に記憶する。
【0083】
サーバ10Aは、対戦相手決定部253により、作成されたグループの中から対戦に参加するグループを決定する(S03:対戦相手の決定)。ここでは、対戦相手決定部253は、グループIとグループIIとの対戦を決定する。
【0084】
次に、サーバ10Aは、ゲーム実行部255により、ゲームを開始し、対戦ラウンドが第2種戦であるかを判定する(S05:対戦ラウンドが第2種戦である?)。この判定は、ゲーム実行部255が対戦ラウンドを第2種戦とする指定をグループ又はプレイヤから受け付けたか否かにより実行することができる。
【0085】
ゲーム実行部255は、対戦ラウンド開始前に当該対戦ラウンドを第2種戦とする指定をグループ又はプレイヤから受け付けなかった場合(S05のNO)、当該対戦ラウンドは第1種戦であるとして、第1ゲーム空間での対戦ゲームを実行する(S11:第1ゲーム空間での対戦ゲームの実行)。ゲーム実行部255は、当該ゲーム中での各グループが獲得したスコアをグループ毎に合計して、各グループのラウンドスコアを算出する(S12:ラウンドスコアの算出)。ゲーム実行部255は、算出したラウンドスコアを記憶装置14に記憶させても良い。ゲーム実行部255は、ラウンドスコアが大きい方のグループを勝利グループとして対戦ラウンドでの勝敗を決定する(S13:対戦ラウンドでの勝敗決定)。ゲーム実行部255は、勝利グループとなったグループに勝利カウントパラメータをインクリメントして記憶装置14に記憶させる。
【0086】
ゲーム実行部255は、対戦ラウンド開始前に当該対戦ラウンドを第2種戦とする指定をグループ又はプレイヤから受け付けた場合(S05のYES)、条件判定部256の判定対象のグループを決定し(S21:判定対象のグループの決定)、条件判定部256の判定対象のキャラクタを決定する(S22:判定対象のキャラクタの決定)。
【0087】
本実施形態では、ゲーム実行部255は、第2種戦とする指定を行ったグループを条件判定部256の判定対象のグループとして決定し、当該グループ内でプレイヤ又はグループにより指定されたキャラクタを、条件判定部256の判定対象のキャラクタとして決定する。この指定されたキャラクタは、第2類技を発動し得るキャラクタ(第2類技発動キャラクタ)である。当該グループ内の第2類技発動キャラクタ以外のキャラクタは、第2類技発動キャラクタを護衛などサポートするサポートキャラクタとして決定する。
【0088】
ゲーム実行部255は、第2類技発動キャラクタ、サポートキャラクタの指定を、対戦ラウンドを第2種戦と指定したグループの各プレイヤからそれぞれ受け付ける。本実施形態では、第2類技発動キャラクタとして決定できるのは1キャラクタであり、残りのキャラクタがサポートキャラクタであるという制約が設けられている。複数のプレイヤが第2類技発動キャラクタとして指定した場合、1つの例では、ゲーム内外のチャット等の通信手段を用いてプレイヤ同士で調整し、何れかのプレイヤのキャラクタを第2類技発動キャラクタとして決定する。別の例では、ゲーム実行部255が、抽選又はランダムで、何れかのプレイヤのキャラクタを第2類技発動キャラクタとして決定する。
【0089】
判定対象となる対戦ラウンド、グループ、キャラクタが指定又は決定されると、ゲーム実行部255は、指定又は決定された対戦ラウンド、グループ、キャラクタを条件判定部256に通知する。条件判定部256は、これらの通知を受けた段階で上記(1)~(3)及び(5)の個々の条件を満たすと判定することができ、ここでは、上記(1)~(3)及び(5)の個々の条件を満たすものとする。但し、所定条件の判定はこの段階では行わない。
【0090】
これらの指定又は決定、通知の後、ゲーム実行部255は、第2種戦の対戦ゲームを実行する。まず、ゲーム実行部255は、第1ゲーム空間での対戦ゲームを実行する(S23:第1ゲーム空間での対戦ゲームの実行)。この対戦ゲームは第1種戦と同様とすることができる。ここでは、条件判定部256が判定する所定条件の1つとして、制限時間内の第2類技発動キャラクタの体力パラメータが所定値以上であるという条件が課される点が第1種戦の対戦ゲームと少なくとも異なる。ここでの対戦ゲームは、第2類技発動キャラクタの第2類技の発動を賭けた第2類技発動攻防戦である。
【0091】
条件判定部256は、第2種戦に指定したグループの第2類技発動キャラクタが所定条件を満たすか否かを判定する(S24:所定条件を満たす?)。ここでは、条件判定部256は、制限時間の終了までに、第2種戦に指定したグループの第2類技発動キャラクタの体力パラメータが所定値(例えば1)以上である場合には(S24のYES)、所定条件を満たすと判定し、ゲーム実行部255は、対戦に係る全てのキャラクタを、第2類技発動キャラクタに関連付けられた第2ゲーム空間に移動させ、第2ゲーム空間での対戦ゲームを実行する(S25:第2ゲーム空間での対戦ゲームの実行)。この対戦ゲームでは、ゲーム実行部255は、プレイヤの操作入力に基づき、第2種戦に指定したグループのキャラクタに対して有利化処理を実行する。
【0092】
ゲーム実行部255は、当該ゲーム中での各グループが獲得したスコアをグループ毎に合計して、各グループのラウンドスコアを算出する(S26:ラウンドスコアの算出)。なお、ラウンドスコアの算出は、第2類技発動攻防戦で獲得したスコアと、第2ゲーム空間での対戦で獲得したスコアとを合計しても良い。ゲーム実行部255は、算出したラウンドスコアは、記憶装置14に記憶させても良い。ゲーム実行部255は、ラウンドスコアが大きい方のグループを勝利グループとして対戦ラウンドでの勝敗を決定する(S27:対戦ラウンドでの勝敗決定)。ゲーム実行部255は、勝利グループとなったグループに勝利カウントパラメータをインクリメントして記憶装置14に記憶させる。
【0093】
一方、条件判定部256は、第2類技発動攻防戦の制限時間の終了までに、第2種戦に指定したグループの第2類技発動キャラクタの体力パラメータが所定値未満(例えば0)であると判定した場合は(S24のNO)、所定条件を満たさないと判定する。この場合、ゲーム実行部255は、第2種戦の対戦ゲームを終了し、当該対戦ゲームで各グループが獲得したスコアをグループ毎に合計して、各グループのラウンドスコアを算出する(S28:ラウンドスコアの算出)。ゲーム実行部255は、算出したラウンドスコアは、記憶装置14に記憶させても良い。ゲーム実行部255は、ラウンドスコアが大きい方のグループを勝利グループとして対戦ラウンドでの勝敗を決定する(S29:対戦ラウンドでの勝敗決定)。ゲーム実行部255は、勝利グループとなったグループに勝利カウントパラメータをインクリメントして記憶装置14に記憶させる。
【0094】
S13、S27、S29の後、ゲーム実行部255は、最後に勝敗を決定した対戦ラウンドが最終ラウンドでない場合は(S06のNO)、S05に戻って次の対戦ラウンドに進む。ゲーム実行部255は、最後に勝敗を決定した対戦ラウンドが最終ラウンドである場合は(S06のYES)、最終勝利グループを決定し(S07:最終勝利グループの決定)、ゲームを終了する。例えば、ゲーム実行部255は、対戦ラウンドの勝利数(処理カウントパラメータ)が大きい方のグループを最終勝利グループとして決定し、そうでないグループを最終敗北グループとして決定する。
【0095】
[作用・効果]
(1)本実施形態のゲームシステム1は、複数のキャラクタを含むグループで対戦するゲームを実行するシステムであって、システムは、複数の情報処理装置10を有し、少なくとも何れかの情報処理装置10が、グループが第1ゲーム空間で対戦する対戦ゲームを実行するゲーム実行部255として機能し、少なくとも何れかの情報処理装置10が、いずれかのグループがゲーム中に所定条件を満たすか否かの判定を実行する条件判定部256として機能し、条件判定部256が、いずれかのグループがゲーム中に所定条件を満たすと判定した場合に、ゲーム実行部255は、所定条件を満たすと判定されたグループ内のキャラクタに対応付けられた、第1ゲーム空間とは異なる第2ゲーム空間でグループが対戦する対戦ゲームを実行するとともに、当該対戦ゲームにおいて、所定条件を満たしたグループに対する有利化処理を実行するようにした。
【0096】
これにより、所定条件を満たすと判定されたグループ内のキャラクタに対応付けられた第2ゲーム空間での有利な状況が発動するので、当該キャラクタに特別感を持たせることができ、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0097】
(2)ゲームは、対戦ゲームが実行される複数の対戦ラウンドを含み、所定条件は、条件判定部256が判定を実行する対戦ラウンドが指定されることを含むようにした。これにより、第2ゲーム空間での有利な状況が発動し得る対戦ラウンドが決まるので、第2ゲーム空間での有利な状況の発動をめぐって対戦ゲームを白熱させることができる。
【0098】
(3)所定条件は、対戦ラウンド開始前に判定の対象となるグループが指定されることを含むようにした。これにより、第2ゲーム空間での有利な状況が発動し得るグループが決まるので、第2ゲーム空間での有利な状況の発動をめぐって対戦ゲームを白熱させることができる。
【0099】
(4)所定条件は、対戦ラウンド開始前に判定の対象となるキャラクタが指定されることを含むようにした。これにより、第2ゲーム空間での有利な状況が発動し得るキャラクタが決まるので、第2ゲーム空間での有利な状況の発動をめぐって対戦ゲームを白熱させることができる。
【0100】
(5)所定条件は、指定されたキャラクタの所定パラメータであって、当該指定されたキャラクタのグループとは異なる他のグループのキャラクタによる攻撃により変動する所定パラメータが、対戦ラウンドの開始から所定時間経過までに所定値以上であることを含むようにした。
【0101】
これにより、対戦ラウンドにおける対戦を、第2類技発動攻防戦とすることができ、各グループのプレイヤのゲームの興趣性を向上させることができる。すなわち、指定キャラクタを含まないグループにとっては、指定キャラクタ(第2類技発動キャラクタ)の所定パラメータ(例えば、体力パラメータ)を所定値未満まで減らすことで有利な状況の発動を阻止することができるため、指定キャラクタの体力パラメータを減らしたいという欲求がある。一方で、指定キャラクタを含むグループにとっては、指定キャラクタの所定パラメータを減らしたくないという欲求がある。このように本実施形態によれば、両グループの相反する欲求を惹起させることができるので、対戦ラウンドにおける対戦を、第2ゲーム空間での有利な状況の発動の是非をめぐる攻防戦とすることができ、対戦をより白熱させることができる。
【0102】
(6)所定条件は、判定の回数がグループ毎に所定回数以内であることを含むようにした。これにより、第2ゲーム空間での有利な状況の発動に制限回数を設けられるので、どの対戦ラウンドで当該有利な状況を発動させるかの戦略をプレイヤ又はグループに考えさせることができ、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0103】
(7)有利化処理は、所定条件を満たしたグループ内のキャラクタに関連付けられたプレイヤの入力に基づいて、第2ゲーム空間においてのみ発動可能な技の実行処理を含むようにした。これにより、キャラクタを選択することに特別感を持たせつつ、ゲームを有利に進めることができる。
【0104】
(8)ゲーム実行部255は、第2ゲーム空間での対戦ゲームの開始から所定時間経過後に、当該対戦ゲームを終了する、又は、第2ゲーム空間での対戦ゲームの開始から所定時間経過後に、当該対戦ゲームを終了して、第1ゲーム空間での対戦ゲームを実行するようにした。これにより、所定条件を満たすと判定されたグループ又はそのキャラクタに対応付けられたプレイヤは、第2ゲーム空間における有利な状況を有限時間享受することができる。
【0105】
(9)情報処理装置10(例えばサーバ10A)は、他の情報処理装置10(例えば端末装置10B)の表示装置(出力装置13)又は当該他の情報処理装置10に接続された表示装置(出力装置13)に対戦ゲームを表示させる表示制御部257を更に有し、条件判定部256が、いずれかのグループがゲーム中に所定条件を満たすと判定した場合に、表示制御部257は、グループが第2ゲーム空間で対戦する対戦ゲームを表示装置(出力装置13)に表示させるようにした。
【0106】
これにより、何れかのグループが所定条件を満たすことにより、各グループの全てのキャラクタが、当該所定条件を満たすグループ内のキャラクタに対応付けられた第2ゲーム空間に移動して対戦するという特別な状況を各グループの各々のプレイヤが把握することができる。
【0107】
(10)条件判定部256が、いずれかのグループがゲーム中に所定条件を満たすと判定した場合に、表示制御部257は、第2ゲーム空間における対戦ゲームの状況に応じて増減する制限ポイントを表示手段に表示させ、ゲーム実行部255は、第2ゲーム空間における対戦ゲームを実行して制限ポイントを当該対戦ゲームの状況に応じて増減させ、制限ポイントが所定値まで減った場合に第2ゲーム空間における対戦ゲームを終了するようにした。
【0108】
これにより、第2ゲーム空間での対戦ゲームの終了に関与する制限ポイントにより、当該対戦ゲーム期間を変動しつつも有限にすることができ、第2ゲーム空間での対戦ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0109】
(11)キャラクタは、プレイヤにより選択可能であり、ゲームで選択可能なすべてのキャラクタに対して、当該キャラクタに固有の第2ゲーム空間が対応付けられているようにした。これにより、キャラクタに特別感を持たせることができる。
【0110】
[ネットワークを介さないシステムにより実現される実施形態]
ゲームシステム1は、P2P(Peer to Peer)のように、ネットワーク60を介さずに複数の情報処理装置10が有線及び/又は無線で通信するようにしても良い。この場合、全て又は一部の情報処理装置10が各部251~257の機能を有していても良い。すなわち、ゲームシステム1を構成する複数の情報処理装置10のうちの一部の情報処理装置10が各部251~257の機能を有して上記実施形態でのサーバ10Aの役割を果たすようにしても良い。各部251~257の機能は、1台の情報処理装置10に集約しても良いし、複数台の情報処理装置10に分散させても良い。
【0111】
[他の実施形態]
本発明の他の実施形態では、上記で説明した本発明の実施形態の機能やフローチャートに示す情報処理を実現するプログラムや該プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体とすることもできる。また他の実施形態では、上記で説明した本発明の実施形態の機能やフローチャートに示す情報処理を実現する方法とすることもできる。また他の実施形態では、上記で説明した本発明の実施形態の機能やフローチャートに示す情報処理を実現するプログラムをコンピュータに供給することができるサーバとすることもできる。また他の実施形態では、上記で説明した本発明の実施形態の機能やフローチャートに示す情報処理を実現する仮想マシンとすることもできる。
【0112】
以上に説明した処理又は動作において、あるステップにおいて、そのステップではまだ利用することができないはずのデータを利用しているなどの処理又は動作上の矛盾が生じない限りにおいて、処理又は動作を自由に変更することができる。また以上に説明してきた各実施例は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、種々の形態で実施することができる。
【0113】
例えば、上記の実施形態では、対戦ゲームの対戦は、複数のキャラクタを含むグループでの対戦としたが、1つのキャラクタを含むグループと1又は複数のキャラクタを含むグループとの対戦を含んでも良い。グループが1つのキャラクタで構成される場合は、当該キャラクタを第2類技発動キャラクタとすることができ、当該グループにはサポートキャラクタを含まないようにしても良い。
【符号の説明】
【0114】
1 ゲームシステム
10 情報処理装置
10A サーバ
10B 端末装置
11 プロセッサ
12 入力装置
13 出力装置
14 記憶装置
15 通信装置
16 バス
21 入力部
22 出力部
23 記憶部
24 通信部
25 ゲーム制御部
251 対戦要求受付部
252 グループ作成部
253 対戦相手決定部
254 キャラクタ決定部
255 ゲーム実行部
256 条件判定部
257 表示制御部
60 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9