IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ブイキューブの特許一覧

特開2023-170803会議管理装置、会議管理方法及びプログラム
<>
  • 特開-会議管理装置、会議管理方法及びプログラム 図1
  • 特開-会議管理装置、会議管理方法及びプログラム 図2
  • 特開-会議管理装置、会議管理方法及びプログラム 図3
  • 特開-会議管理装置、会議管理方法及びプログラム 図4
  • 特開-会議管理装置、会議管理方法及びプログラム 図5
  • 特開-会議管理装置、会議管理方法及びプログラム 図6
  • 特開-会議管理装置、会議管理方法及びプログラム 図7
  • 特開-会議管理装置、会議管理方法及びプログラム 図8
  • 特開-会議管理装置、会議管理方法及びプログラム 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170803
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】会議管理装置、会議管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/15 20060101AFI20231124BHJP
   H04L 67/141 20220101ALI20231124BHJP
   H04L 67/01 20220101ALI20231124BHJP
   H04L 65/403 20220101ALI20231124BHJP
   G06Q 10/109 20230101ALI20231124BHJP
【FI】
H04N7/15
H04L67/141
H04L67/01
H04L65/403
G06Q10/10 340
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022082839
(22)【出願日】2022-05-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-30
(71)【出願人】
【識別番号】505024431
【氏名又は名称】株式会社ブイキューブ
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】亀崎 洋介
(72)【発明者】
【氏名】塗師 宏規
(72)【発明者】
【氏名】曹 睿
(72)【発明者】
【氏名】古関 謙
【テーマコード(参考)】
5C164
5L049
【Fターム(参考)】
5C164FA10
5C164PA41
5C164UB92S
5C164VA07S
5C164VA09P
5C164VA11P
5C164VA16P
5L049AA13
(57)【要約】
【課題】ネットワークを介した複数のグループ会議においてユーザの利便性を向上させられるようにする。
【解決手段】会議管理装置1は、複数の通信端末それぞれが参加可能な複数のグループ会議を管理する会議管理装置であって、複数のグループ会議の中から選択されたグループ会議である個別会議と、複数の通信端末のうち個別会議に参加している通信端末である複数の参加者端末と、を関連付けた情報を取得する情報取得部132と、複数の参加者端末の間で音声を送受信させる個別会議と、所定の送信元端末から複数の通信端末に対して音声を送信させる全体会議と、を並行して実行する端末制御部133と、を有する。
【選択図】図4

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の通信端末それぞれが参加可能な複数のグループ会議を管理する会議管理装置であって、
前記複数のグループ会議の中から選択されたグループ会議である個別会議と、前記複数の通信端末のうち前記個別会議に参加している通信端末である複数の参加者端末と、を関連付けた情報を取得する情報取得部と、
前記複数の参加者端末の間で音声を送受信させる前記個別会議と、所定の送信元端末から前記複数の通信端末に対して音声を送信させる全体会議と、を並行して実行する端末制御部と、
を有する、会議管理装置。
【請求項2】
前記端末制御部が前記個別会議及び前記全体会議を並行して行っている最中に、前記複数のグループ会議の中から前記参加者端末が参加している前記個別会議とは異なるグループ会議である指定個別会議の指定を受け付ける受付部をさらに有し、
前記端末制御部は、前記指定個別会議に前記参加者端末を参加させる、
請求項1に記載の会議管理装置。
【請求項3】
前記端末制御部は、前記参加者端末において、前記全体会議に対応する画面とともに、前記複数のグループ会議の一覧を表示させ、
前記受付部は、前記参加者端末に表示された前記複数のグループ会議の中から、前記指定個別会議の指定を受け付ける、
請求項2に記載の会議管理装置。
【請求項4】
前記端末制御部は、前記参加者端末において、前記全体会議に対応する画面とともに、前記複数の通信端末を利用している複数のユーザの一覧を表示させ、
前記受付部は、前記参加者端末に表示された前記複数のユーザの中から前記参加者端末を利用している参加者とは異なるユーザである指定参加者の指定を受け付け、
前記端末制御部は、前記参加者が利用している前記参加者端末と前記指定参加者が利用している通信端末との間で音声を送受信させる前記指定個別会議を開始する、
請求項2に記載の会議管理装置。
【請求項5】
前記端末制御部は、前記複数の参加者端末の中から選択された前記参加者端末を前記個別会議から退出させるとともに、当該参加者端末を前記全体会議の前記送信元端末にする、
請求項1から3のいずれか一項に記載の会議管理装置。
【請求項6】
前記端末制御部は、前記参加者端末又は前記送信元端末の少なくとも一方において、前記複数の通信端末の中で、前記個別会議に参加している通信端末と、前記個別会議に参加していていない通信端末と、を異なる表示態様で表示させる、
請求項1から3のいずれか一項に記載の会議管理装置。
【請求項7】
前記端末制御部は、前記個別会議及び前記全体会議を並行して行っていることを条件として、前記参加者端末から前記全体会議への画像又は音声の少なくとも一方の送信を無効にする、
請求項1から3のいずれか一項に記載の会議管理装置。
【請求項8】
前記個別会議及び前記全体会議を並行して行っているか否かに応じて、前記参加者端末における前記個別会議又は前記全体会議の少なくとも一方の音量を変更する音処理部をさらに有する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の会議管理装置。
【請求項9】
前記音処理部は、前記個別会議の最中に前記全体会議が開始したことを条件として、前記参加者端末における前記個別会議の音量を小さくする、
請求項8に記載の会議管理装置。
【請求項10】
前記音処理部は、前記個別会議及び前記全体会議を並行して行っており、かつ前記個別会議において前記複数の参加者端末のいずれかから音声が送信されたことを条件として、前記参加者端末における前記全体会議の音量を小さくする、
請求項8に記載の会議管理装置。
【請求項11】
前記個別会議において送信される音声から前記全体会議において送信される音声を除去する音処理部をさらに有する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の会議管理装置。
【請求項12】
前記音処理部は、前記複数の参加者端末から送信される音声に対して行われるエコーキャンセル処理において、前記全体会議の前記送信元端末から送信される音声を前記個別会議の前記参加者端末から送信される音声として扱うことによって、前記個別会議において送信される音声から前記全体会議において送信される音声を除去する、
請求項11に記載の会議管理装置。
【請求項13】
前記端末制御部が前記個別会議及び前記全体会議を並行して行っている最中に、前記参加者端末から、前記個別会議の音量と前記全体会議の音量との比率に対応する単一の設定値の設定を受け付ける受付部と、
前記単一の設定値に従って、前記参加者端末における前記個別会議の音量及び前記全体会議の音量を決定する音処理部と、
をさらに有する、
請求項1に記載の会議管理装置。
【請求項14】
複数の通信端末それぞれが参加可能な複数のグループ会議を管理するための会議管理方法であって、
プロセッサが実行する、
前記複数のグループ会議の中から選択されたグループ会議である個別会議と、前記複数の通信端末のうち前記個別会議に参加している通信端末である複数の参加者端末と、を関連付けた情報を取得するステップと、
前記複数の参加者端末の間で音声を送受信させる前記個別会議と、所定の送信元端末から前記複数の通信端末に対して音声を送信させる全体会議と、を並行して実行するステップと、
を有する、会議管理方法。
【請求項15】
複数の通信端末それぞれが参加可能な複数のグループ会議を管理するためのプログラムであって、
プロセッサに、
前記複数のグループ会議の中から選択されたグループ会議である個別会議と、前記複数の通信端末のうち前記個別会議に参加している通信端末である複数の参加者端末と、を関連付けた情報を取得するステップと、
前記複数の参加者端末の間で音声を送受信させる前記個別会議と、所定の送信元端末から前記複数の通信端末に対して音声を送信させる全体会議と、を並行して実行するステップと、
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して行われる会議を管理するための会議管理装置、会議管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを介して音声信号を送受信することにより会議を行う技術が知られている。特許文献1には、複数のグループ会議を行うことができる会議システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-144476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ネットワークを介した講演会や商談会等において、全てのユーザに対してプレゼンテーションを行う全体会議と、一部のユーザ同士で会話をする複数の個別会議と、が行われる場合がある。従来、ネットワークを介したグループ会議では、ユーザの通信端末は全体会議又は個別会議の一方のみに参加することができる。そのため、ユーザは、対面式の講演会や商談会等のようにユーザ同士で会話をしながら全体のプレゼンテーションを聞くことができず、不便であった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ネットワークを介した複数のグループ会議においてユーザの利便性を向上させられるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の会議管理装置は、複数の通信端末それぞれが参加可能な複数のグループ会議を管理する会議管理装置であって、前記複数のグループ会議の中から選択されたグループ会議である個別会議と、前記複数の通信端末のうち前記個別会議に参加している通信端末である複数の参加者端末と、を関連付けた情報を取得する情報取得部と、前記複数の参加者端末の間で音声を送受信させる前記個別会議と、所定の送信元端末から前記複数の通信端末に対して音声を送信させる全体会議と、を並行して実行する端末制御部と、を有する。
【0007】
前記会議管理装置は、前記端末制御部が前記個別会議及び前記全体会議を並行して行っている最中に、前記複数のグループ会議の中から前記参加者端末が参加している前記個別会議とは異なるグループ会議である指定個別会議の指定を受け付ける受付部をさらに有し、前記端末制御部は、前記指定個別会議に前記参加者端末を参加させてもよい。
【0008】
前記端末制御部は、前記参加者端末において、前記全体会議に対応する画面とともに、前記複数のグループ会議の一覧を表示させ、前記受付部は、前記参加者端末に表示された前記複数のグループ会議の中から、前記指定個別会議の指定を受け付けてもよい。
【0009】
前記端末制御部は、前記参加者端末において、前記全体会議に対応する画面とともに、前記複数の通信端末を利用している複数のユーザの一覧を表示させ、前記受付部は、前記参加者端末に表示された前記複数のユーザの中から前記参加者端末を利用している参加者とは異なるユーザである指定参加者の指定を受け付け、前記端末制御部は、前記参加者が利用している前記参加者端末と前記指定参加者が利用している通信端末との間で音声を送受信させる前記指定個別会議を開始してもよい。
【0010】
前記端末制御部は、前記複数の参加者端末の中から選択された前記参加者端末を前記個別会議から退出させるとともに、当該参加者端末を前記全体会議の前記送信元端末にしてもよい。
【0011】
前記端末制御部は、前記参加者端末又は前記送信元端末の少なくとも一方において、前記複数の通信端末の中で、前記個別会議に参加している通信端末と、前記個別会議に参加していていない通信端末と、を異なる表示態様で表示させてもよい。
【0012】
前記端末制御部は、前記個別会議及び前記全体会議を並行して行っていることを条件として、前記参加者端末から前記全体会議への画像又は音声の少なくとも一方の送信を無効にしてもよい。
【0013】
前記会議管理装置は、前記個別会議及び前記全体会議を並行して行っているか否かに応じて、前記参加者端末における前記個別会議又は前記全体会議の少なくとも一方の音量を変更する音処理部をさらに有してもよい。
【0014】
前記音処理部は、前記個別会議の最中に前記全体会議が開始したことを条件として、前記参加者端末における前記個別会議の音量を小さくしてもよい。
【0015】
前記音処理部は、前記個別会議及び前記全体会議を並行して行っており、かつ前記個別会議において前記複数の参加者端末のいずれかから音声が送信されたことを条件として、前記参加者端末における前記全体会議の音量を小さくしてもよい。
【0016】
前記会議管理装置は、前記個別会議において送信される音声から前記全体会議において送信される音声を除去する音処理部をさらに有してもよい。
【0017】
前記音処理部は、前記複数の参加者端末から送信される音声に対して行われるエコーキャンセル処理において、前記全体会議の前記送信元端末から送信される音声を前記個別会議の前記参加者端末から送信される音声として扱うことによって、前記個別会議において送信される音声から前記全体会議において送信される音声を除去してもよい。
【0018】
前記会議管理装置は、前記端末制御部が前記個別会議及び前記全体会議を並行して行っている最中に、前記参加者端末から、前記個別会議の音量と前記全体会議の音量との比率に対応する単一の設定値の設定を受け付ける受付部と、前記単一の設定値に従って、前記参加者端末における前記個別会議の音量及び前記全体会議の音量を決定する音処理部と、をさらに有してもよい。
【0019】
本発明の第2の態様の会議管理方法は、複数の通信端末それぞれが参加可能な複数のグループ会議を管理するための会議管理方法であって、プロセッサが実行する、前記複数のグループ会議の中から選択されたグループ会議である個別会議と、前記複数の通信端末のうち前記個別会議に参加している通信端末である複数の参加者端末と、を関連付けた情報を取得するステップと、前記複数の参加者端末の間で音声を送受信させる前記個別会議と、所定の送信元端末から前記複数の通信端末に対して音声を送信させる全体会議と、を並行して実行するステップと、を有する。
【0020】
本発明の第3の態様のプログラムは、複数の通信端末それぞれが参加可能な複数のグループ会議を管理するためのプログラムであって、プロセッサに、前記複数のグループ会議の中から選択されたグループ会議である個別会議と、前記複数の通信端末のうち前記個別会議に参加している通信端末である複数の参加者端末と、を関連付けた情報を取得するステップと、前記複数の参加者端末の間で音声を送受信させる前記個別会議と、所定の送信元端末から前記複数の通信端末に対して音声を送信させる全体会議と、を並行して実行するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ネットワークを介した複数のグループ会議においてユーザの利便性を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】会議管理システムの構成を示す図である。
図2】ユーザ端末に表示される画面の例を示す図である。
図3】ユーザ端末に表示される画面の例を示す図である。
図4】会議管理装置及びユーザ端末の構成を示す図である。
図5】ユーザ端末において全体会議が開始されることを通知する画面の例を示す図である。
図6】参加者端末において個別会議及び全体会議のデータを表示する画面の例を示す図である。
図7】参加者端末において個別会議及び全体会議のデータを表示する画面の別の例を示す図である。
図8】参加者端末において個別会議及び全体会議のデータを表示する画面の別の例を示す図である。
図9】会議管理装置における処理の流れを示すフローチャートの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[会議管理システムSの概要]
図1は、会議管理システムSの構成を示す図である。会議管理システムSは、オンラインで複数のグループ会議を並行して実施することを可能にするためのシステムである。会議管理システムSは、例えば、ビジネス、研究、交流、学習等を目的として複数のユーザが複数のグループに分かれて交流するオンラインでのイベントに好適であるが、会議管理システムSの用途は限定されない。
【0024】
図1に示す例において、会議管理システムSは、会議管理装置1と、主催者端末2と、複数のユーザ端末3と、を備える。会議管理装置1は、複数のユーザ端末3それぞれが参加可能な複数のグループ会議を管理するための装置である。会議管理装置1は、例えば、複数のグループ会議を実現するためのデータ処理を実行するサーバである。
【0025】
会議管理装置1は、ネットワークNを介して、複数のユーザが複数のグループ会議に参加できるように、複数のユーザ端末3に複数のグループ会議に参加するための画面を表示させる。会議管理装置1は、例えば、予め登録されたユーザ端末3に対してウェブアプリケーションを提供することにより、ユーザ端末3がグループ会議に参加できるようにする。会議管理装置1の詳細については後述する。
【0026】
主催者端末2は、複数のグループ会議を含むイベントの主催者が使用する通信端末であり、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット端末又はスマートフォンである。主催者端末2は、情報を入力するためのタッチパネル、マイクロフォン、カメラ等の入力部と、情報を出力するための液晶ディスプレイ、スピーカ等の出力部と、を有する。主催者端末2は、例えば主催者が操作することにより、会議管理装置1を介してユーザ端末3との間で各種のデータを送受信する。主催者端末2は、例えば、プレゼンテーション用の画像データ、主催者が発した音声データ、及び主催者が入力したテキストデータを会議管理装置1に送信する。
【0027】
ユーザ端末3は、複数のグループ会議を含むイベントに参加するユーザが使用する通信端末であり、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット端末又はスマートフォンである。ユーザ端末3は、情報を入力するためのタッチパネル、マイクロフォン、カメラ等の入力部と、情報を出力するための液晶ディスプレイ、スピーカ等の出力部と、を有する。ユーザ端末3は、例えばユーザが操作することにより、会議管理装置1を介して主催者端末2又は他のユーザ端末3との間で各種のデータを送受信する。ユーザ端末3は、主催者端末2又は他のユーザ端末3が送信した画像データ、音声データ及びテキストデータを受信し、受信したデータを画面に表示する。
【0028】
会議管理装置1は、複数のグループ会議を実行するための各種のデータを作成し、作成した各種のデータをユーザ端末3の画面に表示させる。会議管理装置1は、例えば複数のユーザ端末3が参加することができる複数のグループ会議に対応するブースを示す画像をユーザ端末3の画面に表示させ、ユーザが参加したいグループ会議を選択できるようにする。本実施形態におけるグループ会議は、イベント会場におけるブースやテーブルに対応しており、ユーザは、ユーザ端末3を操作することにより、予め申し込んだグループ会議に参加したり、他のグループ会議に移動したりすることができる。
【0029】
ユーザは、ユーザ端末3において、音声通話機能を用いて他のユーザと音声を送受信したり、チャット機能を用いて他のユーザとテキストメッセージを送受信したりしてコミュニケーションをとることができる。また、ユーザは、ユーザ端末3において、所定の送信元端末(例えば、主催者端末2又は複数のユーザ端末3のいずれか)から送信されたプレゼンテーションや講演を視聴することができる。
【0030】
[画面例]
図2及び図3は、ユーザ端末3に表示される画面の例を示す図である。図2は、ユーザが参加するグループ会議を選択するための画面である。図2の領域R1には、複数のグループ会議の概要として、グループ会議の名称(例えば、グループ会議を運営する出展企業の名称)が表示されている。図2の例では、ブースB1としてABC電気のグループ会議、ブースB2としてDシステムのグループ会議、ブースB3としてE通信のグループ会議、ブースB4としてFロボットのグループ会議が表示されている。
【0031】
各ブースに示されている円形の斜線の画像は、ユーザに対応するアイコン画像である。図2におけるアイコン画像は斜線で示されているが、アイコン画像は、ユーザの顔画像のように、ユーザを識別するための情報を含む画像であってもよい。
【0032】
ユーザは、図2の画面において参加したいブースを選択する操作(例えば、クリック操作又はタッチ操作)を行うことにより、選択したブースに対応するグループ会議に参加することができる。図2は、ユーザがブースB4のグループ会議を選択した状態を示している。
【0033】
図2の領域R2には、ユーザが活用することができる各種の情報が表示される。領域R2には、例えば、ユーザが参加可能なブースの一覧、イベントに参加しているユーザの一覧、テキストメッセージを用いたチャット等が表示される。図2において、領域R2には、イベントに参加しているユーザの一覧が表示されている。
【0034】
図2の画面において選択されたブースB4に表示された「着席する」という表示領域をユーザが選択すると、ユーザがグループ会議に参加することが確定する。複数のユーザ端末3の間で音声を送受信させるグループ会議を個別会議という。
【0035】
ユーザ端末3は、個別会議内の画面を表示させる。図3は、個別会議内の画面の一例を示す図である。図3の領域R1には、図2と同様に、複数のグループ会議の概要が表示されている。図3の領域R2には、図2と同様に、イベントに参加しているユーザの一覧が表示されている。図3の領域R3には、ユーザ端末3が備えるカメラによって撮像された、個別会議に参加しているユーザの画像データが表示されている。
【0036】
本実施形態に係る会議管理システムSは、後述の処理により、複数のユーザ端末3の間で音声を送受信させる個別会議と、所定の送信元端末からイベントに参加している全てのユーザ端末3に対して音声を送信させる全体会議と、を並行して実行する。これにより、会議管理システムSは、ユーザが個別会議で会話をしながら全体会議を視聴することを可能にし、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0037】
[会議管理装置1及びユーザ端末3の概要]
図4は、会議管理装置1及びユーザ端末3の構成を示す図である。主催者端末2は、ユーザ端末3と同等の構成を有するので説明を省略する。
【0038】
会議管理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、を有する。制御部13は、受付部131と、情報取得部132と、端末制御部133と、音処理部134と、を有する。
【0039】
通信部11は、ネットワークNを介して各種のデータを送受信するための通信コントローラを有する。通信部11は、例えば、主催者端末2又はユーザ端末3から受信した設定操作用のデータを受付部131に通知する。また、通信部11は、例えば、グループ会議において発生する画像データ又は音データを情報取得部132に通知する。また、通信部11は、例えば、端末制御部133から通知された画像データ又は音データを主催者端末2又はユーザ端末3に送信する。
【0040】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びSSD(Solid State Drive)等の記憶媒体を有する。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶する。また、記憶部12は、グループ会議に関連する各種のデータを記憶する。
【0041】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを有する。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、受付部131、情報取得部132、端末制御部133及び音処理部134として機能する。受付部131、情報取得部132、端末制御部133及び音処理部134の詳細は後述する。
【0042】
ユーザ端末3は、通信部31と、出力部32と、入力部33と、記憶部34と、制御部35と、を有する。制御部35は、受信部351と、出力制御部352と、送信部353と、を有する。
【0043】
通信部31は、通信部11と同様に、ネットワークNを介して各種のデータを送受信するための通信コントローラを有する。通信部31は、例えば、ネットワークN及び会議管理装置1を介して、主催者端末2及び他のユーザ端末3が送信した画像データ及び音データを受信し、受信したデータを受信部351に通知する。また、通信部31は、例えば、ユーザ端末3を使用するユーザが入力した音声に基づく音データ、及びユーザ端末3を使用するユーザが入力したテキストデータ等を送信部353から取得し、取得したデータを送信する。
【0044】
出力部32は、例えば、画像データを表示する液晶ディスプレイ等の表示部と、音データを出力するスピーカ等の音出力部と、を含む。出力部32は、例えば、出力制御部352の指示により、図2及び図3に示したようなグループ会議に関連する画像を液晶ディスプレイに表示するとともに、ユーザが参加しているグループ会議で発せられた音をスピーカに出力する。
【0045】
入力部33は、例えば、ユーザの操作を受け付けるタッチパネル等の操作部と、音データを入力するマイクロフォン等の音入力部と、所定の撮像範囲を撮像して画像データを生成するカメラ等の撮像部と、を含む。入力部33は、入力されたデータを送信部353に通知する。
【0046】
記憶部34は、ROM、RAM及びSSD等の記憶媒体を有する。記憶部34は、制御部35が実行するプログラムを記憶する。
【0047】
制御部35は、例えばCPU等のプロセッサを有する。制御部35は、記憶部34に記憶されたプログラムを実行することにより、受信部351、出力制御部352及び送信部353として機能する。
【0048】
受信部351は、通信部31を介して、会議管理装置1から各種のデータを受信する。受信部351は、受信したデータを出力制御部352に入力する。出力制御部352は、会議管理装置1が送信したデータを出力部32に出力させる。出力制御部352は、例えば、画像データに基づく画像を液晶ディスプレイに表示させ、音データに基づく音をスピーカに出力させる。送信部353は、入力部33を介してユーザが入力したデータを会議管理装置1に送信する。
【0049】
[制御部13の構成]
続いて、制御部13の構成及び機能を詳細に説明する。受付部131は、通信部11を介して、主催者端末2及びユーザ端末3から各種の操作を受け付ける。受付部131は、例えば、複数のグループ会議のうち少なくとも一つを選択するための選択操作をユーザ端末3から受け付ける。受付部131は、例えば図2に示した画面が表示された複数のグループ会議からユーザが選択したグループ会議を特定するための情報を取得することにより、グループ会議を選択する操作を受け付ける。
【0050】
受付部131は、例えば、図2に示した画面において「着席する」という操作を行ったことを特定するための情報を取得することにより、着席する操作を受け付ける。着席する操作をしたユーザが使用するユーザ端末3は、複数のグループ会議のうち当該操作に対応するグループ会議に参加する。以下、複数のユーザ端末3の間で音声を送受信させるグループ会議を個別会議といい、複数のユーザ端末3のうち個別会議に参加しているユーザ端末3を参加者端末3Aといい、参加者端末3Aを使用しているユーザを参加者という。受付部131は、個別会議と、個別会議に参加している複数の参加者端末3Aと、を関連付けた参加情報を、記憶部12に記憶させる。
【0051】
情報取得部132は、通信部11を介して、ユーザ端末3から、各種のデータを取得する。情報取得部132は、例えば、ユーザ端末3から、当該端末の使用者が発した音を示す音データを取得したり、ユーザ端末3が備えるカメラによって撮像された当該端末の使用者の画像データを取得したりする。情報取得部132は、取得した音データ及び画像データを端末制御部133に通知する。
【0052】
また、情報取得部132は、記憶部12から、複数のグループ会議の中から選択されたグループ会議である個別会議と、当該個別会議に参加しているユーザ端末3と、を関連付けた参加情報を取得する。
【0053】
端末制御部133は、通信部11を介してユーザ端末3に各種のデータを送信することによりユーザ端末3に各種の画面を表示させる。端末制御部133は、例えば図2及び図3に示した画面をユーザ端末3が表示するために必要なデータを送信することにより、図2及び図3に示した画面をユーザ端末3に表示させる。そして、端末制御部133は、ユーザ端末3から送信された各種のデータを中継して、ユーザ同士が各種の情報をやり取りできるようにすることで、グループ会議を実行する。
【0054】
個別会議において、端末制御部133は、例えば、情報取得部132が取得した参加情報が示す個別会議に参加しているいずれかの参加者端末3Aから送信された音声データ及び画像データを、当該個別会議に参加している他の参加者端末3Aに送信することにより、個別会議を実行する。参加者端末3Aから送信される画像データは、例えば、参加者端末3Aが備えるカメラによって撮像された参加者の画像データである。
【0055】
以下、会議管理システムSが個別会議と全体会議とを並行して実行するための処理を詳細に説明する。受付部131は、例えば、全体会議を開始するための開始操作を主催者端末2から受け付ける。全体会議は、所定の送信元端末からイベントに参加している全てのユーザ端末3に対して音声を送信させるグループ会議である。本実施形態において、主催者端末2が全体会議における送信元端末として機能する例を説明するが、複数のユーザ端末3から選択されたいずれかのユーザ端末3が全体会議における送信元端末として機能してもよい。
【0056】
受付部131が全体会議の開始操作を受け付けたことを条件として、端末制御部133は、複数のユーザ端末3に、全体会議が開始されることを示すデータを送信することにより、全体会議が開始されることをユーザに通知する。
【0057】
図5は、ユーザ端末3において全体会議が開始されることを通知する画面の例を示す図である。図5の画面は、図3と同様に、複数のグループ会議の概要を表示する領域R1と、イベントに参加しているユーザの一覧を表示する領域R2と、個別会議に参加している複数のユーザそれぞれの画像データを表示する領域R3と、を含む。また、図5の領域R1には、全体会議が開始されることを示すメッセージMが表示されている。これにより、ユーザは、他ユーザと個別会議を行っている最中に、全体会議が開始されることを知ることができる。
【0058】
受付部131が全体会議の開始操作を受け付けたことを条件として、端末制御部133は、情報取得部132が取得した参加情報に基づいて、複数の参加者端末3Aの間で音声を送受信させる個別会議と、所定の送信元端末(例えば、主催者端末2又は複数のユーザ端末3のいずれか)から複数のユーザ端末3に対して音声を送信させる全体会議と、を並行して実行する。
【0059】
端末制御部133は、個別会議に参加している複数の参加者端末3Aのいずれかを、全体会議の送信元端末に変更してもよい。この場合に、受付部131は、主催者端末2又は複数のユーザ端末3のいずれかにおいて、複数の参加者端末3A(例えば、参加者端末3Aを使用している参加者の名前)のいずれかの選択を受け付ける。端末制御部133は、複数の参加者端末3Aの中から選択された参加者端末3Aを個別会議から退出させるとともに、当該参加者端末3Aを全体会議の送信元端末にし、全体会議を開始する。これにより、会議管理装置1は、参加者端末3Aが個別会議に参加している状態であっても、参加者端末3Aを全体会議の送信元端末に変更することができる。
【0060】
個別会議及び全体会議が並行して実行されている間に、情報取得部132は、通信部11を介して、送信元端末及び参加者端末3Aから、各種のデータを取得する。端末制御部133は、例えば、情報取得部132が取得した参加情報が示す個別会議に参加しているいずれかの参加者端末3Aから送信された音声データ及び画像データを、当該個別会議に参加している他の参加者端末3Aに送信することにより、個別会議を実行する。参加者端末3Aから送信される画像データは、例えば、参加者端末3Aが備えるカメラによって撮像された参加者の画像データである。
【0061】
また、端末制御部133は、例えば、送信元端末から送信された音声データ及び画像データを、参加者端末3Aを含む全てのユーザ端末3に送信する。送信元端末から送信される画像データは、例えば、送信元端末が備えるカメラによって撮像された主催者又はユーザの画像データや、プレゼンテーション用の画像データである。
【0062】
図6は、参加者端末3Aにおいて個別会議及び全体会議のデータを表示する画面の例を示す図である。図6の画面は、イベントに参加しているユーザの一覧を表示する領域R2と、個別会議に参加している複数のユーザそれぞれの画像データを表示する領域R3と、全体会議において送信元端末から送信された画像データを表示する領域R4と、を含む。
【0063】
参加者端末3Aが図6の画面を表示している状態で、参加者端末3Aを使用している参加者は、参加者端末3Aから出力される個別会議の音声及び全体会議に音声を同時に聞くことができる。また、参加者端末3Aを使用している参加者は、領域R3に表示された個別会議に対応するデータと、領域R4に表示された全体会議に対応するデータと、を同時に見ることができる。
【0064】
このように、端末制御部133は、個別会議に参加している複数の参加者端末3Aの間でデータを中継するとともに、送信元端末から複数のユーザ端末3へデータを中継することにより、個別会議と全体会議とを並行して実行する。これにより、会議管理装置1は、ユーザが個別会議で会話をしながら全体会議を視聴することを可能にし、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0065】
以上、個別会議が行われている最中に全体会議が開始された例を説明したが、全体会議が行われている最中に個別会議が開始された場合にも、端末制御部133は、同様に個別会議及び全体会議を並行して実行することを開始する。
【0066】
端末制御部133は、個別会議及び全体会議を並行して行っていることを条件として、参加者端末3Aから全体会議への画像又は音声の少なくとも一方の送信を無効にするとともに、参加者端末3Aから個別会議への画像又は音声の少なくとも一方の送信を維持することが望ましい。この場合に、端末制御部133は、個別会議に参加しているいずれかの参加者端末3Aから送信された音声データ及び画像データを、当該個別会議に参加している他の参加者端末3Aに送信する一方で、当該個別会議に参加していないユーザ端末3に送信しない。これにより、個別会議の参加者は、全体会議を妨げることなく、個別会議内での会話を継続することができる。
【0067】
また、端末制御部133は、個別会議及び全体会議を並行して行っている場合であって、参加者端末3Aから全体会議への画像又は音声の少なくとも一方の送信を無効にしている場合に、参加者端末3Aにおいて参加者による所定操作(例えば、所定キーを押したままにすること等)が行われたことを条件として、参加者端末3Aから全体会議への画像又は音声の少なくとも一方の送信を有効にしてもよい。これにより、個別会議の参加者は、必要に応じて全体会議に対して発言等を行うことができる。
【0068】
また、端末制御部133は、参加者端末3Aにおいて、送信元端末において指定された位置を示すポインタPを表示する。受付部131は、例えば、全体会議の送信元端末において、マウス等の操作によって位置の指定を受け付ける。端末制御部133は、複数の参加者端末3Aを含む、全体会議に参加している全てのユーザ端末3において、全体会議の画像データを表示する領域R4上に、指定された位置に対応するポインタPを表示させる。ポインタPは、例えば、矢印等の記号である。これにより、全体会議を発信している主催者又はユーザは、全体会議の画像データ上で注目すべき位置を全てのユーザに通知し、全体会議を円滑に進めることができる。
【0069】
また、端末制御部133は、参加者端末3A又は送信元端末の少なくとも一方において、複数のユーザ端末3の中で、個別会議に参加しているユーザ端末3と、個別会議に参加していていないユーザ端末3と、を異なる表示態様で表示させる。図6の例では、端末制御部133は、イベントに参加しているユーザの一覧を表示する領域R2において、個別会議に参加しているユーザ端末3を使用しているユーザの名前の近傍に「個別会議参加中」というラベルを表示し、個別会議に参加していないユーザ端末3を使用しているユーザの名前の近傍に当該ラベルを表示しない。また、端末制御部133は、ユーザ端末3が個別会議に参加しているか否かに応じて、ユーザ端末3を使用しているユーザの名前の色、大きさ、模様等を変更してもよい。これにより、主催者又はユーザは、他のユーザが個別会議に参加しているかを容易に把握することができる。
【0070】
音処理部134は、参加者端末3Aにおいて設定された設定値に応じて、参加者端末3Aにおける個別会議の音量と全体会議の音量とを変更する。図6の画面には、例えば、個別会議の音量と全体会議の音量との比率に対応する単一の設定値の設定を受け付けるための音量設定欄Vが表示されている。参加者は、例えば、音量設定欄V内のバーを左右に動かすことによって、バーの位置に対応する値を設定することができる。
【0071】
受付部131は、端末制御部133が個別会議及び全体会議を並行して行っている最中に、音量設定欄Vにおいて設定された値を、個別会議の音量と全体会議の音量との比率に対応する単一の設定値として受け付ける。音処理部134は、受付部131が受け付けた単一の設定値に従って、参加者端末3Aにおける個別会議の音量及び全体会議の音量を決定する。音処理部134は、例えば、設定値が大きいほど個別会議の音量を大きくするとともに全体会議の音量を小さくし、設定値が小さいほど個別会議の音量を小さくするとともに全体会議の音量を大きくする。端末制御部133は、音声データを音処理部134が決定した音量に設定した上で、参加者端末3Aに送信する。これにより、参加者は、1つの値を設定するだけで、容易に個別会議及び全体会議の音量のバランスを調整できる。
【0072】
また、音処理部134は、端末制御部133が参加者端末3Aに送信する音声データに対して、端末制御部133が個別会議及び全体会議を並行して行っているか否かに応じて、参加者端末3Aにおける個別会議又は全体会議の少なくとも一方の音量を変更してもよい。音処理部134は、例えば、個別会議の最中に全体会議が開始したことを条件として、参加者端末3Aにおける個別会議の音量を小さくし、又は全体会議の音量を大きくする。また、音処理部134は、例えば、個別会議の最中に全体会議が開始したことを条件として、参加者端末3Aにおける個別会議の音量を大きくし、又は全体会議の音量を小さくしてもよい。これにより、会議管理装置1は、個別会議及び全体会議を並行して行っているかに応じて自動的に音量を調整し、参加者が個別会議及び全体会議それぞれの音声を聞きやすくすることができる。
【0073】
また、音処理部134は、端末制御部133が個別会議及び全体会議を並行して行っており、かつ個別会議において複数の参加者端末3Aのいずれかから音声が送信されたことを条件として、参加者端末3Aにおける全体会議の音量を小さくしてもよい。これにより、会議管理装置1は、参加者が発言したことに応じて全体会議の音量を自動的に小さくし、参加者が個別会議の音声を聞きやすくすることができる。
【0074】
また、音処理部134は、端末制御部133が参加者端末3Aに送信する音声データに対して、個別会議において送信される音声から全体会議において送信される音声を除去する処理を行ってもよい。音処理部134は、例えば、個別会議に参加している複数の参加者端末3Aから送信される音声に対して行われる既知のエコーキャンセル処理において、全体会議の送信元端末から送信される音声を個別会議の参加者端末3Aの1つから送信される音声として扱う。これにより、会議管理装置1は、複数の参加者端末3A間の音声に対して行われるエコーキャンセル処理を全体会議の音声にも適用し、複数の参加者端末3Aが備えるマイクロフォンに全体会議の音声が入力されることにより発生し得るエコー等を抑制することができる。
【0075】
また、音処理部134は、端末制御部133が参加者端末3Aに送信する音声データに対して、全体会議の音声と個別会議の音声とを参加者端末3Aが備える音出力部の別々のチャンネル(例えば、左のチャンネル及び右のチャンネル)を介して出力する処理を行ってもよい。これにより、会議管理装置1は、全体会議及び個別会議が並行して行われている状況で、参加者が全体会議の音声と個別会議の音声とを区別しやすくすることができる。
【0076】
端末制御部133は、参加者端末3Aにおける操作に応じて、参加者端末3Aが参加する個別会議を変更してもよい。この場合に、受付部131は、端末制御部133が個別会議及び全体会議を並行して行っている最中に、複数のグループ会議の中から参加者端末3Aが参加している個別会議とは異なるグループ会議である指定個別会議の指定を受け付ける。端末制御部133は、受付部131が指定個別会議の指定を受け付けたことに応じて、指定個別会議に参加者端末3Aを参加させる。
【0077】
参加者端末3Aが参加する個別会議を変更する第1の方法として、端末制御部133は、例えば、全体会議及び個別会議が並行して行われている最中に参加者によって指定されたユーザと、参加者と、が参加する新たな指定個別会議を開始する。図6の画面には、例えば、イベントに参加しているユーザの一覧を表示する領域R2において、ユーザを指定するためのユーザ指定ボタンBT1が表示されている。参加者は、個別会議の相手として希望する、参加者とは異なるユーザに対応するユーザ指定ボタンBT1を選択する。
【0078】
受付部131は、選択されたユーザ指定ボタンBT1に対応するユーザを、指定参加者として受け付ける。端末制御部133は、受付部131が指定参加者の指定を受け付けたことに応じて、参加者が利用している参加者端末3Aと指定参加者が利用しているユーザ端末3との間で音声を送受信させる指定個別会議を開始する。これにより、会議管理装置1は、全体会議及び個別会議が並行して行われている最中に新たな個別会議を開始することを可能にし、イベントの自由度を向上させることができる。
【0079】
参加者端末3Aが参加する個別会議を変更する第2の方法として、端末制御部133は、例えば、全体会議及び個別会議が並行して行われている最中に参加者によって指定された指定個別会議に、参加者端末3Aを参加させる。図7は、参加者端末3Aにおいて個別会議及び全体会議のデータを表示する画面の別の例を示す図である。
【0080】
図7の画面は、個別会議に参加している複数のユーザそれぞれの画像データを表示する領域R3と、全体会議において送信元端末から送信された画像データを表示する領域R4と、実行されている複数のグループ会議の一覧を表示する領域R5と、を含む。領域R5には、例えば、複数のグループ会議それぞれの名称(例えば、出展企業の名称)と、当該グループ会議それぞれに参加しているユーザの名前及び人数と、が表示されている。
【0081】
図7の画面には、例えば、実行されている複数のグループ会議の一覧を表示する領域R5において、グループ会議を指定するためのグループ会議指定ボタンBT2が表示されている。参加者は、現在参加している個別会議とは異なるグループ会議に対応するグループ会議指定ボタンBT2を選択する。
【0082】
受付部131は、選択されたグループ会議指定ボタンBT2に対応するグループ会議を、指定個別会議として受け付ける。端末制御部133は、受付部131が指定個別会議の指定を受け付けたことに応じて、指定個別会議に参加者端末3Aを参加させる。これにより、会議管理装置1は、全体会議及び個別会議が並行して行われている最中に参加者を別の個別会議に参加させることを可能にし、イベントの自由度を向上させることができる。
【0083】
端末制御部133は、個別会議及び全体会議を並行して行っている最中に、参加者端末3Aにおいて入力されたメッセージやアイコン等の入力データを他のユーザ端末3に送信してもよい。図8は、参加者端末3Aにおいて個別会議及び全体会議のデータを表示する画面の別の例を示す図である。
【0084】
図8の画面は、個別会議に参加している複数のユーザそれぞれの画像データを表示する領域R3と、全体会議において送信元端末から送信された画像データを表示する領域R4と、各ユーザ端末3が送信した入力データを表示する領域R6と、を含む。参加者は、領域R6において、操作部を用いてメッセージやアイコン等の入力データを入力する。
【0085】
受付部131は、参加者端末3Aにおいて参加者により入力された入力データを受け付ける。端末制御部133は、受付部131が入力データの入力を受け付けたことに応じて、全体会議に参加している、参加者端末3Aを含む全てのユーザ端末3上の領域R6に入力データを表示させる。これにより、会議管理装置1は、全体会議に参加している各ユーザがメッセージやアイコン等を発信することを可能にし、ユーザ間のコミュニケーションを促進することができる。
【0086】
また、端末制御部133は、入力データを入力した参加者が使用している参加者端末3Aと同じ個別会議に参加している複数の参加者端末3A上の領域R6に入力データを表示させ、それ以外のユーザ端末3及び送信元端末に入力データを表示させなくてもよい。これにより、会議管理装置1は、参加者が1つの個別会議に限定してメッセージやアイコン等を発信することを可能にし、参加者間のコミュニケーションの利便性を向上させることができる。
【0087】
[会議管理装置1における処理の流れ]
図9は、会議管理装置1における処理の流れを示すフローチャートの一例を示す図である。情報取得部132は、通信部11を介して、個別会議の参加者端末3Aから、各種のデータを取得する。端末制御部133は、例えば、個別会議に参加しているいずれかの参加者端末3Aから送信された音声データ及び画像データを、当該個別会議に参加している他の参加者端末3Aに送信することにより、個別会議を実行する(S11)。
【0088】
端末制御部133は、受付部131が送信元端末において全体会議を開始するための開始操作を受け付けるまでの間(S12のNO)、個別会議を継続する。情報取得部132は、受付部131が送信元端末において全体会議を開始するための開始操作を受け付けた場合に(S12のYES)、記憶部12から、複数のグループ会議の中から選択されたグループ会議である個別会議と、当該個別会議に参加しているユーザ端末3と、を関連付けた参加情報を取得する(S13)。
【0089】
端末制御部133は、情報取得部132が取得した参加情報が示す複数の参加者端末3Aの間で音声を送受信させる個別会議と、所定の送信元端末から複数のユーザ端末3に対して音声を送信させる全体会議と、を並行して実行する(S14)。
【0090】
端末制御部133は、受付部131が複数のグループ会議の中から参加者端末3Aが参加している個別会議とは異なるグループ会議である指定個別会議の指定を受け付けていない場合に(S15のNO)、ステップS17に進む。
【0091】
端末制御部133は、受付部131が複数のグループ会議の中から参加者端末3Aが参加している個別会議とは異なるグループ会議である指定個別会議の指定を受け付けた場合に(S15のYES)、指定個別会議に参加者端末3Aを参加させることにより、参加者端末3Aが参加する個別会議を変更する(S16)。指定個別会議は、例えば、参加者が参加者端末3Aにおいて他のユーザ又は他のグループ会議を指定することによって指定される。
【0092】
端末制御部133は、受付部131が送信元端末において全体会議を終了する操作を受け付け、又は参加者端末3Aにおいて個別会議を終了する操作を受け付けるまでの間(S17のNO)、全体会議及び個別会議を並行して実行することを継続する。端末制御部133は、受付部131が送信元端末において全体会議を終了する操作を受け付け、又は参加者端末3Aにおいて個別会議を終了する操作を受け付けた場合に(S17のYES)、全体会議及び個別会議を並行して実行することを終了する。端末制御部133は、全体会議が終了された場合に個別会議を継続し、個別会議が終了された場合に全体会議を継続してもよい。
【0093】
[会議管理システムSによる効果]
本実施形態に係る会議管理システムSは、記憶部12から、複数のグループ会議の中から選択されたグループ会議である個別会議と、当該個別会議に参加している参加者端末3Aと、を関連付けた参加情報を取得し、取得した参加者情報が示す複数の参加者端末3Aの間で音声を送受信させる個別会議と、所定の送信元端末からイベントに参加している全てのユーザ端末3に対して音声を送信させる全体会議と、を並行して実行する。これにより、会議管理システムSは、ユーザが個別会議で会話をしながら全体会議を視聴することを可能にし、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0094】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0095】
S 会議管理システム
1 会議管理装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 受付部
132 情報取得部
133 端末制御部
134 音処理部
2 主催者端末
3 ユーザ端末
31 通信部
32 出力部
33 入力部
34 記憶部
35 制御部
351 受信部
352 出力制御部
353 送信部
3A 参加者端末

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-08-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の通信端末それぞれが参加可能な複数のグループ会議を管理する会議管理装置であって、
前記複数のグループ会議の中から選択されたグループ会議である個別会議と、前記複数の通信端末のうち前記個別会議に参加している通信端末である複数の参加者端末と、を関連付けた情報を取得する情報取得部と、
前記複数の参加者端末の間で音声を送受信させる前記個別会議と、所定の送信元端末から前記複数の通信端末に対して音声を送信させる全体会議と、を並行して実行する端末制御部と、
前記個別会議及び前記全体会議が並行して行われており、かつ前記個別会議において前記複数の参加者端末のいずれかから音声が送信されたことを条件として、前記個別会議に参加している複数の前記参加者端末から出力される前記全体会議の音量を、前記個別会議において前記複数の参加者端末のいずれかから音声が送信される前に複数の前記参加者端末から出力される前記全体会議の音量よりも小さくする音処理部と、
を有する、会議管理装置。
【請求項2】
前記端末制御部が前記個別会議及び前記全体会議を並行して行っている最中に、前記複数のグループ会議の中から前記参加者端末が参加している前記個別会議とは異なるグループ会議である指定個別会議の指定を受け付ける受付部をさらに有し、
前記端末制御部は、前記指定個別会議に前記参加者端末を参加させる、
請求項1に記載の会議管理装置。
【請求項3】
前記端末制御部は、前記参加者端末において、前記全体会議に対応する画面とともに、前記複数のグループ会議の一覧を表示させ、
前記受付部は、前記参加者端末に表示された前記複数のグループ会議の中から、前記指定個別会議の指定を受け付ける、
請求項2に記載の会議管理装置。
【請求項4】
前記端末制御部は、前記参加者端末において、前記全体会議に対応する画面とともに、前記複数の通信端末を利用している複数のユーザの一覧を表示させ、
前記受付部は、前記参加者端末に表示された前記複数のユーザの中から前記参加者端末を利用している参加者とは異なるユーザである指定参加者の指定を受け付け、
前記端末制御部は、前記参加者が利用している前記参加者端末と前記指定参加者が利用している通信端末との間で音声を送受信させる前記指定個別会議を開始する、
請求項2に記載の会議管理装置。
【請求項5】
前記端末制御部は、前記複数の参加者端末の中から選択された前記参加者端末を前記個別会議から退出させるとともに、当該参加者端末を前記全体会議の前記送信元端末にする、
請求項1から3のいずれか一項に記載の会議管理装置。
【請求項6】
前記端末制御部は、前記参加者端末又は前記送信元端末の少なくとも一方において、前記複数の通信端末の中で、前記個別会議に参加している通信端末と、前記個別会議に参加していていない通信端末と、を異なる表示態様で表示させる、
請求項1から3のいずれか一項に記載の会議管理装置。
【請求項7】
前記端末制御部は、前記個別会議及び前記全体会議を並行して行っていることを条件として、前記参加者端末から前記全体会議への画像又は音声の少なくとも一方の送信を無効にする、
請求項1から3のいずれか一項に記載の会議管理装置。
【請求項8】
前記音処理部は、前記個別会議の最中に前記全体会議が開始したことを条件として、前記参加者端末における前記個別会議の音量を小さくする、
請求項1から3のいずれか一項に記載の会議管理装置。
【請求項9】
前記音処理部は、前記個別会議において送信される音声から前記全体会議において送信される音声を除去する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の会議管理装置。
【請求項10】
前記音処理部は、前記複数の参加者端末から送信される音声に対して行われるエコーキャンセル処理において、前記全体会議の前記送信元端末から送信される音声を前記個別会議の前記参加者端末から送信される音声として扱うことによって、前記個別会議において送信される音声から前記全体会議において送信される音声を除去する、
請求項に記載の会議管理装置。
【請求項11】
前記端末制御部が前記個別会議及び前記全体会議を並行して行っている最中に、前記参加者端末から、前記個別会議の音量と前記全体会議の音量との比率に対応する単一の設定値の設定を受け付ける受付部をさらに有し
前記音処理部は、前記単一の設定値に従って、前記参加者端末における前記個別会議の音量及び前記全体会議の音量を決定する、
請求項1に記載の会議管理装置。
【請求項12】
複数の通信端末それぞれが参加可能な複数のグループ会議を管理するための会議管理方法であって、
プロセッサが実行する、
前記複数のグループ会議の中から選択されたグループ会議である個別会議と、前記複数の通信端末のうち前記個別会議に参加している通信端末である複数の参加者端末と、を関連付けた情報を取得するステップと、
前記複数の参加者端末の間で音声を送受信させる前記個別会議と、所定の送信元端末から前記複数の通信端末に対して音声を送信させる全体会議と、を並行して実行するステップと、
前記個別会議及び前記全体会議が並行して行われており、かつ前記個別会議において前記複数の参加者端末のいずれかから音声が送信されたことを条件として、前記個別会議に参加している複数の前記参加者端末から出力される前記全体会議の音量を、前記個別会議において前記複数の参加者端末のいずれかから音声が送信される前に複数の前記参加者端末から出力される前記全体会議の音量よりも小さくするステップと、
を有する、会議管理方法。
【請求項13】
複数の通信端末それぞれが参加可能な複数のグループ会議を管理するためのプログラムであって、
プロセッサに、
前記複数のグループ会議の中から選択されたグループ会議である個別会議と、前記複数の通信端末のうち前記個別会議に参加している通信端末である複数の参加者端末と、を関連付けた情報を取得するステップと、
前記複数の参加者端末の間で音声を送受信させる前記個別会議と、所定の送信元端末から前記複数の通信端末に対して音声を送信させる全体会議と、を並行して実行するステップと、
前記個別会議及び前記全体会議が並行して行われており、かつ前記個別会議において前記複数の参加者端末のいずれかから音声が送信されたことを条件として、前記個別会議に参加している複数の前記参加者端末から出力される前記全体会議の音量を、前記個別会議において前記複数の参加者端末のいずれかから音声が送信される前に複数の前記参加者端末から出力される前記全体会議の音量よりも小さくするステップと、
を実行させる、プログラム。