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特開2023-170829車両接近音制御方法、車両接近音制御装置、及びサーバー
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  • 特開-車両接近音制御方法、車両接近音制御装置、及びサーバー 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170829
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】車両接近音制御方法、車両接近音制御装置、及びサーバー
(51)【国際特許分類】
   B60Q 5/00 20060101AFI20231124BHJP
【FI】
B60Q5/00 650B
B60Q5/00 620A
B60Q5/00 630B
B60Q5/00 660Z
B60Q5/00 660B
B60Q5/00 660N
B60Q5/00 640Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022082889
(22)【出願日】2022-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】弁理士法人とこしえ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】沖 恭平
(57)【要約】
【課題】複数の電動車両が接近していることを認識させることが可能な車両接近音制御方法、車両接近音制御装置、及びサーバーを提供する。
【解決手段】第1電動車両に設けられた検出装置から取得した第1電動車両の周囲情報に基づいて、第1電動車両の周囲に位置する対象物を探索し、対象物に第2電動車両が含まれる場合、第1電動車両及び第2電動車両のうち少なくとも何れか一方を、接近音を変更する変更対象車両として選択し、変更対象車両の接近音の音程及び音色のうち少なくとも何れか一方を変更することで、変更対象車両の変更接近音を生成し、変更接近音を変更対象車両から出力させることにより、上記課題を解決する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントローラにより実行され、電動車両の接近を外部に知らせるための接近音を制御する車両接近音制御方法であって、
第1電動車両に設けられた検出装置から取得した前記第1電動車両の周囲情報に基づいて、前記第1電動車両の周囲に位置する対象物を探索し、
前記対象物に第2電動車両が含まれる場合、前記第1電動車両及び前記第2電動車両のうち少なくとも何れか一方を、前記接近音を変更する変更対象車両として選択し、
前記変更対象車両の音程及び音色のうち少なくとも何れか一方を変更することで、前記変更対象車両の変更接近音を生成し、
前記変更接近音を前記変更対象車両から出力させる車両接近音制御方法。
【請求項2】
請求項1に記載の車両接近音制御方法であって、
前記第1電動車両が特定エリア内に位置するか否かを判定し、
前記第1電動車両が前記特定エリア内に位置すると判定した場合、前記対象物の探索を開始する車両接近音制御方法。
【請求項3】
請求項2に記載の車両接近音制御方法であって、
前記特定エリアは、市街地、街路、線路、及び駐車場のうち少なくとも何れか一つを含むエリアである車両接近音制御方法。
【請求項4】
請求項1~3の何れかに記載の車両接近音制御方法であって、
前記第1電動車両の車速が所定速度以下であるか否かを判定し、
前記車速が前記所定速度以下と判定した場合、前記対象物の探索を開始する車両接近音制御方法。
【請求項5】
請求項1~3の何れかに記載の車両接近音制御方法であって、
前記周囲情報は、撮像装置、測距センサ、及び収音装置のうち少なくとも何れか一つである前記検出装置により取得される車両接近音制御方法。
【請求項6】
請求項1~3の何れかに記載の車両接近音制御方法であって、
前記第1電動車両が前記第1電動車両の外部と通信可能な状態の場合、前記周囲情報に加えて、ネットワーク通信により取得される情報及び車車間通信により取得される情報のうち少なくとも何れか一方に基づいて、前記対象物に前記第2電動車両が含まれるか否かを判定する車両接近音制御方法。
【請求項7】
請求項1~3の何れかに記載の車両接近音制御方法であって、
前記第1電動車両が前記第1電動車両の外部と通信不可能な状態の場合、前記周囲情報に基づいて、前記対象物に前記第2電動車両が含まれるか否かを判定する車両接近音制御方法。
【請求項8】
請求項1~3の何れかに記載の車両接近音制御方法であって、
前記第1電動車両及び前記第2電動車両のうち周囲に電動車両が存在することを先に特定した車両を、前記変更対象車両として選択する車両接近音制御方法。
【請求項9】
請求項1~3の何れかに記載の車両接近音制御方法であって、
前記第1電動車両及び前記第2電動車両のうち車速が速い車両を、前記変更対象車両として選択する車両接近音制御方法。
【請求項10】
請求項1~3の何れかに記載の車両接近音制御方法であって、
データベースに格納された複数種の音色に基づいて、前記変更接近音を生成する車両接近音制御方法。
【請求項11】
請求項1~3の何れかに記載の車両接近音制御方法であって、
前記第1電動車両から出力される前記接近音である第1接近音及び前記第2電動車両から出力される前記接近音である第2接近音を周波数解析することで、前記第1接近音及び前記第2接近音が出力された際に不協和音となる音色を特定し、
特定された前記音色に基づき、前記変更接近音を生成する車両接近音制御方法。
【請求項12】
請求項1~3の何れかに記載の車両接近音制御方法であって、
前記対象物に前記第2電動車両が含まれないと判定した場合、前記周囲情報に基づいて、前記第1電動車両の周囲に歩行者又は二輪車が存在するか否かを判定し、
前記第1電動車両の周囲に前記歩行者又は前記二輪車が存在すると判定した場合、ネットワーク通信により取得される情報及び車車間通信により取得される情報のうち少なくとも何れか一方に基づいて、前記検出装置の検出範囲よりも外側の範囲内に前記第2電動車両が存在するか否かを判定する車両接近音制御方法。
【請求項13】
請求項12に記載の車両接近音制御方法であって、
前記第1電動車両の車速に応じて、前記外側の範囲を拡大又は縮小する車両接近音制御方法。
【請求項14】
請求項1~3に何れかに記載の車両接近音制御方法を実行するコントローラを備えたサーバーであって、
前記サーバーは、前記変更接近音を生成した後、前記変更接近音の出力指示を前記変更対象車両に出力するサーバー。
【請求項15】
請求項14に記載のサーバーであって、
前記サーバーは、前記電動車両の車速、寸法、及び重量のうち少なくとも何れか一つに基づいて、前記変更対象車両を選択するサーバー。
【請求項16】
電動車両の接近を外部に知らせるための接近音を制御するコントローラを備えた車両接近音制御装置であって、
前記コントローラは、
第1電動車両に設けられた検出装置から取得した第1電動車両の周囲情報に基づいて、前記第1電動車両の周囲に位置する対象物を探索し、
前記対象物に第2電動車両が含まれる場合、前記第1電動車両及び前記第2電動車両のうち少なくとも何れか一方を、前記接近音を変更する変更対象車両として選択し、
前記変更対象車両の前記接近音の音程及び音色のうち少なくとも何れか一方を変更することで、前記変更対象車両の変更接近音を生成し、
前記変更接近音を前記変更対象車両から出力させる車両接近音制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動車両の接近を外部に知らせるための接近音を制御する車両接近音制御方法、車両接近音制御装置、及びサーバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、自車両が接近していることを外部へ知らせるための電気自動車が発生させる車両接近音を制御する車両接近音制御装置が知られている(特許文献1)。この車両接近音制御装置は、動力源により分類される先行車両の特徴を判定する先行車両判定手段と、車両接近音を発生する告知音発生部と、自車両の走行状況を検出する走行検出手段と、走行状況検出手段により検出した自車両の走行状況と、先行車両判定手段により判定した先行車両の特徴についての判定結果とをもとに、告知音発生部で発生する車両接近音の音量レベルを制御する告知音量レベル制御部と、を備えている。告知音量レベル制御部は、先行車両判定手段により先行車両が電気自動車と判定すると、告知音発生部から発生させる告知音の音量レベルを高レベルに設定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-152842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された車両接近音制御装置では、告知音の音量レベルを高くすることで電動車両の接近を認識させるため、複数の電動車両が接近する場面では、接近している電動車両が複数台であることを認識させにくい、という問題がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、複数の電動車両が接近していることを認識させることが可能な車両接近音制御方法、車両接近音制御装置、及びサーバーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1電動車両に設けられた検出装置から取得した第1電動車両の周囲情報に基づいて、第1電動車両の周囲に位置する対象物を探索し、対象物に第2電動車両が含まれる場合、第1電動車両及び第2電動車両のうち少なくとも何れか一方を、接近音を変更する変更対象車両として選択し、変更対象車両の接近音の音程及び音色のうち少なくとも何れか一方を変更することで、変更対象車両の変更接近音を生成し、変更接近音を変更対象車両から出力させることにより、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数の電動車両が接近する場面で、音程及び音色のうち少なくとも何れか一方が変更された変更接近音が出力されるため、変更接近音によって、複数の電動車両が接近していることを認識させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る車両接近音出力システムの概略構成図である。
図2】本実施形態に係る車両接近音制御の手順を示すフローチャートの一例である。
図3】複数の電動車両が歩行者に接近する場面の一例を示す図である。
図4】第2実施形態に係る車両接近音出力システムの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る車両接近音制御方法、車両接近音制御装置、及びサーバーの実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
≪第1実施形態≫
図1は、第1実施形態に係る車両接近音出力システム100の構成概略図である。車両接近音出力システム100は、電動車両に設けられた音声出力装置(スピーカー)から疑似音である特定の車両接近音(以降、単に接近音ともいう)を出力させることで、電動車両外部に電動車両の接近を知らせるためのシステムである。電動モータ(以下、駆動用モータともいう)を駆動源とする車両、例えば、電気自動車は、低速走行時、ガソリン車とは異なりほとんど騒音を発することなく、いわゆる走行時の静寂性に特徴を有している。このため、歩行者などの対象者が電動車両の存在を視覚的に認識していない場合、対象者は、電動車両の接近に気付かないおそれがある。このため、電動車両は、特定の条件下において、電動車両に設けられたスピーカーから車両接近音を出力する。これにより、電動車両が接近していることを対象者に聴覚的に認識させる。しかしながら、複数の電動車両が対象者に接近する場合、例えば、対象者は、車両接近音により1台の電動車両が接近していることを認識できても、複数台の電動車両が接近していることを認識しづらいという問題がある。本発明は、上記問題の解決を図るために、車両接近音の音程及び音色のうち少なくとも何れか一方を変更した変更接近音によって、対象者に複数台の電動車両が接近していることを認識させるものである。
【0011】
図1に示すように、車両接近音出力システム100は、自車両1と、サーバー2と、他車両3を含んで構成される。自車両1は、携帯電話通信網やインターネット等の電気通信回線網を介して、リアルタイムにサーバー2と情報の送受信を行うことができる。電気通信回線網を介する通信は、ネットワーク通信ともいう。また自車両1は、車車間通信によって、リアルタイムに自車両1の周囲に位置する他車両3と情報の送受信を行うことができる。本実施形態では、自車両1及び他車両3として、電気モータのみを駆動源とする電気自動車を例に挙げて説明するが、車両接近音出力システム100は、自車両1及び他車両3のうち何れか一方がハイブリッド車、又はいずれの車両もハイブリッド車の場合にも適用できる。自車両1は、本発明における「第1電動車両」の一例であり、他車両3は、本発明における「第2電動車両」の一例である。以降の説明において、「自車両」の用語は「第1電動車両」と読み替え可能であり、また「他車両」の用語は「第2電動車両」と読み替え可能であるものとする。また本実施形態では、2台の電気自動車の場合を例に挙げて説明する。
【0012】
自車両1は、車速センサ11、自車位置検出装置12、撮像装置13、測距センサ14、収音装置15、通信装置16、音声出力装置17、及び車両接近音制御装置18を含む。
【0013】
車速センサ11は、自車両1の車速を検出する。例えば、車速センサ11は、自車両1のドライブシャフトなどの駆動系の回転速度を計測し、これに基づいて自車両1の車速を検出する。車速センサ11により検出された自車両1の車速情報は、車両接近音制御装置18に出力される。
【0014】
自車位置検出装置12は、GPSユニットを備え、自車両1の現在位置を検出する。自車位置検出装置12は、複数の衛星通信から送信される電波をロケータ(GPSアンテナ)により検出して、自車両1の位置情報を周期的に取得する。自車位置検出装置12は、取得した自車両1の位置情報と、ジャイロセンサ(図示しない)から取得した角度変化情報と、車速センサ11から取得した車速とに基づき、自車両1の現在位置を検出する。また、自車位置検出装置12は、周知のマップマッチング技術を用いて、自車両1の位置を検出することもできる。自車位置検出装置12により検出された自車両1の位置情報は、車両接近音制御装置18に出力される。
【0015】
撮像装置13は、自車両1の周囲に存在する対象物を撮像する。撮像装置13は、CCDやCMOSなどの撮像素子、光学レンズ、光学フィルタ、電源等の周辺電子回路を備え、撮像素子により画像を撮像する周知のカメラである。撮像装置13は、自車両1の周囲を撮像するように配置されている。例えば、撮像装置13は、自車両1の前後左右に配置された複数台のカメラで構成される。自車両1の前後左右にカメラを配置することで、自車両1を中心にして前後左右の所定範囲内の状況を撮像できる。また撮像装置13は、自車両1の周囲を所定の時間間隔で繰り返し撮像する。撮像装置13により撮像される対象物としては、例えば、自車両1以外の自動車(他車両3を含む)、自動二輪車(バイク)や自転車などの二輪車、歩行者が挙げられる。撮像装置13により撮像された自車両1の周囲の撮像画像は、自車両1の周囲情報として、車両接近音制御装置18に出力される。
【0016】
測距センサ14は、自車両1の周囲に存在する対象物を検出する。測距センサ14は、自車両1の位置に対する対象物の相対位置、自車両1から対象物までの距離、自車両1の車速に対する対象物の相対車速を演算する。測距センサ14としては、例えば、レーザーレーダー、ミリ波レーダー等(LRF等)、LiDAR(light detection and ranging)ユニット、超音波レーダーなどを用いることができる。測距センサ14は、自車両1の周囲に存在する対象物を検出するように配置されている。例えば、測距センサ14は、自車両1の前後左右に配置された複数の測距センサ14で構成される。自車両1の前後左右に測距センサ14を配置することで、自車両1を中心にして前後左右の所定範囲内に位置する対象物を検出できる。測距センサ14が検出する対象物としては、例えば、自車両1以外の自動車(他車両3を含む)、自動二輪車(バイク)や自転車などの二輪車、歩行者が挙げられる。測距センサ14により検出された対象物の情報は、自車両1の周囲情報として、車両接近音制御装置18に出力される。
【0017】
収音装置15は、自車両1の周囲で発生した音声及び自車両1から出力された音声を取得する。収音装置15としては、マイクロフォン(以降、マイクともいう)が挙げられる。例えば、収音装置15は、他車両3が自車両1の周囲を走行した際に、他車両3から発生する走行音や接近音を収音する。また例えば、収音装置15は、自車両1から出力された接近音を収音する。収音装置15は、自車両1の周囲で発生した音声及び自車両1から出力された音声を収音するように配置されている。例えば、収音装置15は、自車両1の前後左右に配置された複数台のマイクで構成される。自車両1の前後左右にマイクを配置することで、自車両1を中心にして前後左右の所定範囲内で発生した音声及び自車両1から出力された音声を収音できる。収音装置15により収音された自車両1の周囲の音声及び自車両1から出力された音声は、自車両1の周囲情報として、車両接近音制御装置18に出力される。撮像装置13、測距センサ14、収音装置15は、本発明における「検出装置」の一例である。
【0018】
通信装置16は、電話回線網などを介して、サーバー2の通信装置(図示しない)及び他車両3の通信装置(図示しない)と通信する。通信装置16は、サーバー2又は他車両3から受信した情報を車両接近音制御装置18に出力する。また通信装置16には、車両接近音制御装置18から入力され、通信装置16は、車両接近音制御装置18から入力される情報をサーバー2又は他車両3に送信する。
【0019】
音声出力装置17は、疑似音である自車両1の接近音を出力する。音声出力装置17としては、例えば、スピーカーが挙げられる。音声出力装置17には、車両接近音制御装置18から接近音の情報が入力され、音声出力装置17は、車両接近音制御装置18から入力された接近音を出力する。車両接近音制御装置18から入力される接近音の情報は、車両接近音制御装置18により変更される前の接近音、及び車両接近音制御装置18により変更された後の接近音の情報を含む。以降の説明では、便宜上、変更前の接近音を「通常接近音」と称し、変更後の接近音を「変更接近音」と称することもある。音声出力装置17は、自車両1の周囲に接近音を出力するように配置されている。例えば、音声出力装置17は、自車両1の前後左右に配置された複数のスピーカーで構成される。自車両1の前後左右にスピーカーを配置することで、自車両1を中心にして前後左右の所定範囲内に接近音(通常接近音又は変更接近音)を出力できる。
【0020】
車両接近音制御装置18は、ハードウェア及びソフトウェアを備えたコンピュータにより構成され、具体的には、プログラムを格納したROM(Read Only Memory)と、このROMに格納されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)とから構成されている。なお、動作回路としては、CPUに代えて又はこれとともに、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを用いることができる。図1に示すコントローラ20は、後述する本発明に係る車両接近音制御方法を実行する主体であり、コンピュータに相当する。
【0021】
なお、本実施形態では、車両接近音制御装置18により実行されるプログラムがROMに予め記憶されている構成を例に挙げて説明するが、プログラムが記憶される場所はROMに限定されない。例えば、プログラムは、コンピュータが読み取ることができ、かつ、可搬型のコンピュータ読み取り可能な記録媒体(例えば、ディスクメディア、フラッシュメモリなど)に記憶されていてもよい。この場合、車両接近音制御装置18は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体からプログラムをダウンロードし、ダウンロードしたプログラムを実行する。言い換えると、車両接近音制御装置18が動作回路のみを備え、プログラムを外部からダウンロードする構成であってもよい。車両接近音制御装置18が実現する機能については後述する。
【0022】
次に、図1に示すサーバー2及び他車両3について説明する。本実施形態では、サーバー2は、自車両1の外部に設けられ、自車両1からのアクセスに応じて、自車両1の周囲に存在する他車両3の情報を自車両1に提供する。サーバー2は、車両登録情報が格納された車両データベース4を有している。車両登録情報は、車両に関する情報として、例えば、各車両の駆動源の情報、各車両の位置情報、各車両の車種情報、各車両の寸法情報、各車両の重量情報を含む。駆動源の情報は、例えば、「電気自動車」、「ハイブリッド車」、「ガソリン車」などで表される。また車両の位置情報は、例えば、プローブデータとして車両から送信される緯度及び経度などで表される。その他、車両の車種情報、寸法情報、及び重量情報についての例示は省略するが、車両のこれらの情報は、周知の表現方法で表される。また車両登録情報は、上記の例以外の情報を含んでいてもよい。
【0023】
車両データベース4は、例えば、車両登録情報と車両の識別情報(以降、車両IDともいう)を対応付けて、車両の識別情報ごとに車両登録情報を格納している。例えば、自車両1が車車間通信によって自車両1の周囲に位置する他車両3の識別情報を取得し、サーバー2に対して他車両3の車両登録情報の要求を行ったとする。この場合、サーバー2は、車両データベース4から、他車両3の識別情報を検索条件にして、他車両3の識別情報に対応した車両登録情報を検索する。サーバー2は、車両データベース4に格納された他車両3の車両登録情報を特定すると、自車両1に対して他車両3の車両登録情報を出力する。他車両3の車両登録情報は、他車両3の駆動源の情報、他車両3の位置情報、他車両3の車種情報、他車両3の寸法情報、他車両3の重量情報を含む。本実施形態では、自車両1及び他車両3の車両登録情報は、車両データベース4に格納されているものとする。
【0024】
他車両3は、自車両1と同様、電動車両である。図1では省略されているが、本実施形態では、他車両3は、自車両1の構成と同様に、車速センサ11、自車位置検出装置12、撮像装置13、測距センサ14、収音装置15、通信装置16、車両接近音制御装置18、及び音声出力装置17を備えているものとする。車両接近音制御装置18を除く各構成の説明については、「自車両1」の用語を「他車両3」に置き換えることで、既述の説明を援用することができる。また以降の自車両1の車両接近音制御装置18の説明についても、他車両3の車両接近音制御装置18に援用できる。
【0025】
次に、車両接近音制御装置18が実現する機能について説明する。図1に示すように、車両接近音制御装置18のコントローラ20は、機能ブロックとして、探索部21と、電動車両判定部22と、変更対象車両選択部23と、変更接近音生成部24と、接近音出力部25とを有している。
【0026】
探索部21は、撮像装置13及び測距センサ14のうち少なくとも何れか一方から取得した自車両1の周囲情報に基づいて、自車両1の周囲に位置する対象物(以降、周囲対象物ともいう)を探索する。探索部21が探索を開始する条件と、探索部21による探索方法について説明する。
【0027】
本実施形態では、探索部21は、自車両1の車速及び位置のうち少なくとも何れか一方が所定の探索開始条件を満たす場合、周囲対象物の探索を開始する。例えば、探索部21は、車速センサ11から自車両1の車速情報を取得し、自車両1の車速が予め定められた所定速度以下であるか否かを判定する。探索部21は、自車両1の車速が所定速度以下の場合、周囲対象物の探索を開始し、自車両1の車速が所定速度よりも速い場合、周囲対象物の探索を開始しない。例えば、自車両1が徐行等の低速走行している場合、探索部21は、周囲対象物の探索を開始する。なお、自車両1が自車両1の外部と通信可能な状態を除き、自車両1の停車状態又は駐車状態では、自車両1の車速が所定速度以下であっても、探索部21は、周囲対象物の探索を開始しない。反対に、自車両1が自車両1の外部と通信可能な状態の場合、自車両1の停車状態であっても、探索部21は、自車両1の車速が所定速度以下であるため周囲対象物の探索を開始する。
【0028】
また例えば、探索部21は、自車位置検出装置12から自車両1の位置情報を取得し、自車両1が特定エリア内に位置するか否かを判定する。特定エリアは、高速道路を除くエリアであって、市街地、街路、線路、及び駐車場のうち少なくとも何れか一つを含むエリアである。探索部21は、自車両1の位置情報及び地図データベース(図示しない)に格納された地図情報に基づいて、自車両1が特定エリア内に位置するか否かを判定する。探索部21は、自車両1が特定エリア内に位置すると判定した場合、周囲対象物の探索を開始し、自車両1が特定エリア外に位置すると判定した場合、周囲対象物の探索を開始しない。例えば、自車両1が公道から所定施設の駐車場に進入した場合、探索部21は、周囲対象物の探索を開始する。
【0029】
探索部21は、周囲対象物の探索を開始すると、撮像装置13から自車両1の周囲の撮像画像を取得し、また測距センサ14から周囲対象物の情報を取得する。探索部21は、撮像装置13により撮像された撮像画像及び測距センサ14により検出された周囲対象物の情報のうち少なくとも何れか一方に基づいて、周囲対象物が存在するか否かを判定する。そして、探索部21は、周囲対象物が存在すると判定した場合、周囲対象物の数を特定し、また周囲対象物の種別を判別する。また探索部21は、自車両1の位置に対する周囲対象物の相対位置、自車両1から周囲対象物の距離、自車両1の車速に対する周囲対象物の相対車速を把握する。探索部21は、複数の周囲対象物が存在する場合、周囲対象物ごとに、自車両1の位置に対する周囲対象物の相対位置、自車両1から周囲対象物の距離、自車両1の車速に対する周囲対象物の相対車速を把握する。例えば、探索部21は、自車両1の周囲の撮像画像に対して画像処理を行うことで、撮像画像内の周囲対象物の種別、自車両1から周囲対象物までの距離を判定する。また例えば、探索部21は、測距センサ14から取得した情報に周囲対象物に関する情報が含まれる場合、周囲対象物が存在すると判定する。コントローラ20は、撮像装置13により撮像された撮像画像及び測距センサ14により検出された周囲対象物の情報のうち少なくとも何れか一方に基づいて、周囲対象物の種別、数、及び相対位置などを把握する。
【0030】
電動車両判定部22は、探索部21により探索された周囲対象物に電動車両が含まれるか否かを判定する。探索部21による周囲対象物の種別判定処理では、撮像装置13により撮像された撮像画像及び測距センサ14による検出された情報を用いるため、例えば、車両と歩行者を判別することはできるが、車両が電動車両であるか否かまでは判別できない。そのため、電動車両判定部22は、周囲対象物である車両の駆動源を特定することで、周囲対象物に電動車両が含まれるか否かを判定する。
【0031】
電動車両の判別方法について説明する。電動車両判定部22は、収音装置15から自車両1周囲の音声を取得し、自車両1の周囲の音声に基づき、周囲対象物に電動車両が含まれるか否かを判定する。例えば、電動車両判定部22は、自車両1の周囲の音声に対して周波数解析することで、自車両1の周囲の音声に他車両3の接近音が含まれているか否かを判定する。この際、電動車両判定部22は、自車両1から出力された接近音と他車両3から出力された接近音とを混同しないよう、事前に収音装置15により収音された自車両1の接近音に対してノイズキャンセル処理を行う。電動車両判定部22は、自車両1の周囲の音声に他車両3の接近音が含まれていると判定した場合、周囲対象物には電動車両が含まれると判定し、自車両1周囲の音声に他車両3の接近音が含まれていないと判定した場合、周囲対象物には電動車両が含まれないと判定する。
【0032】
また、電動車両判定部22は、自車両1が電波状況の良好なエリアに位置する等、自車両1が自車両1の外部と通信可能な場合、通信装置16を介してサーバー2から車両データベース4に格納された車両登録情報を取得し、取得した車両登録情報に基づき、周囲対象物に電動車両が含まれるか否かを判定してもよい。例えば、電動車両判定部22は、探索部21により周囲対象物に他車両3が含まれていることが判明すると、車車間通信により、他車両3の識別情報を取得する。電動車両判定部22は、取得した他車両3の識別情報とともに、他車両3の車両登録情報の要求を、サーバー2に送信する。電動車両判定部22は、サーバー2から、他車両3の駆動源の情報を含む他車両3の車両登録情報を取得すると、他車両3の駆動源の情報から他車両3が電動車両であるか否かを判定する。電動車両判定部22は、他車両3が電動車両と判定した場合、周囲対象物に電動車両が含まれると判定し、他車両3がガソリン車であると判定した場合、周囲対象物に電動車両が含まれないと判定する。車両データベース4に格納された車両登録情報を用いた例を挙げたが、車車間通信により、他車両3の駆動源を判別できる情報を他車両3から直接取得可能な場合、電動車両判定部22は、他車両3から取得した情報に基づいて、周囲対象物に電動車両が含まれるか否かを判定してもよい。
【0033】
変更対象車両選択部23は、電動車両判定部22により周囲対象物に電動車両が含まれると判定された場合、自車両1及び他車両3のうち少なくとも何れか一方を、接近音を変更する変更対象車両として選択する。
【0034】
変更対象車両の選択方法について説明する。変更対象車両選択部23は、自車両1及び他車両3のうち周囲に電動車両が存在することを先に特定した車両を、変更対象車両として選択する。例えば、変更対象車両選択部23は、電動車両判定部22が周囲対象物に電動車両が含まれると判定する前に、車車間通信により、他車両3から周囲対象物に電動車両(自車両1)が含まれることを判定した情報(以降、他車判定情報ともいう)を取得した場合、他車両3を変更対象車両として選択する。一方、変更対象車両選択部23は、他車判定情報を取得する前に、電動車両判定部22が周囲対象物に電動車両が含まれると判定した場合、自車両1を対象車両として選択する。
【0035】
また変更対象車両選択部23は、自車両1及び他車両3のうち車速が速い車両を変更対象車両として選択してもよい。例えば、変更対象車両選択部23は、車車間通信により取得した他車両3の車速と自車両1の車速を比較することで、自車両1及び他車両3のうち車速が速い車両を変更対象車両として選択する。
【0036】
変更接近音生成部24は、変更対象車両に自車両1が含まれる場合、自車両1の接近音の音程及び音色のうち少なくとも何れか一方を変更することで、自車両1の変更接近音を生成する。変更接近音とは、自車両1の接近音に対して音程及び音色のうち何れか一方が変更された疑似音である。なお、本実施形態では、通常接近音の音量レベルと変更接近音の音量レベルは同じものとする。
【0037】
変更接近音の生成法について説明する。変更接近音生成部24は、自車両1が備える接近音データベース(図示しない)に格納された複数種の音色に基づいて、自車両1の変更接近音を生成する。例えば、変更接近音生成部24は、接近音データベースから人間が聴覚で認知しやすい音色を取得し、自車両1の通常接近音の音色を、取得した音色に置換処理することで、自車両1の変更接近音を生成する。また変更接近音生成部24は、自車両1から出力される通常接近音(以降、自車接近音ともいう)及び他車両3から出力される通常接近音(以降、他車接近音ともいう)を周波数解析することで、自車接近音及び他車接近音が出力された際に不協和音となる音色を特定し、特定された音声に基づき、自車両1の変更接近音を生成してもよい。また変更接近音生成部24は、自車両1の通常接近音の音程を人間が聴覚で認知しやすい音程に変更することで、自車両1の変更接近音を生成してもよい。
【0038】
接近音出力部25は、変更接近音生成部24により生成された変更接近音の情報(変更接近音の音声データともいう)を、音声出力装置17に出力する。これにより、自車両1の音声出力装置17から、自車両1の変更接近音が出力される。また接近音出力部25は、電動車両の接近を外部に知らせるための周知の条件を満たした場合、通常接近音の情報(通常接近音の音声データともいう)を、音声出力装置17に出力する。これにより、自車両1の音声出力装置17から、自車両1の通常接近音が出力される。また接近音出力部25は、音声出力装置17から通常接近音が出力された状態から、変更接近音の情報を音声出力装置17に出力して、自車両1の接近音を通常接近音から変更接近音に切り替えてもよい。反対に、接近音出力部25は、音声出力装置17から変更接近音が出力された状態から、通常接近音の情報を音声出力装置17に出力して、自車両1の接近音を変更接近音から通常接近音に切り替えてもよい。
【0039】
次に、図2を用いて、コントローラ20が実行する車両接近音制御方法について説明する。図2は、本実施形態に係る車両接近音制御の手順を示すフローチャートの一例である。図2のフローチャートにおける各処理は、コントローラ20により実行される。またコントローラ20は、図2のフローチャートにおける処理を終了させた後、所定期間後にステップS1での処理を開始して、図2のフローチャートにおける処理を繰り返し実行する。
【0040】
ステップS1では、コントローラ20は、自車両1が特定エリア内に位置するか否かを判定する。例えば、コントローラ20は、自車位置検出装置12により検出された自車両1の位置情報及び地図データベースに格納された地図情報に基づき、自車両1が特定エリア内に位置するか否かを判定する。コントローラ20により肯定的な判定がされた場合、ステップS2に進み、コントローラ20により否定的な判定がされた場合、コントローラ20は、図2に示すフローチャートでの処理を終了させる。
【0041】
ステップS2では、コントローラ20は、自車両1の周囲情報に基づいて、自車両1の周囲に位置する対象物(周囲対象物)を探索する。コントローラ20は、撮像装置13により撮像された撮像画像及び測距センサ14により検出された周囲対象物の情報のうち少なくとも何れか一方に基づいて、周囲対象物を探索する。
【0042】
ステップS3では、コントローラ20は、ステップS2での処理の結果、周囲対象物に他車両3が含まれるか否かを判定する。このステップでは、コントローラ20は、他車両3の駆動源は問わず、他車両3の存否を判定する。例えば、コントローラ20は、撮像装置13により撮像された自車両1周囲の撮像画像を画像解析することで、探索された周囲対象物に他車両3が含まれるか否かを判定する。また例えば、コントローラ20は、測距センサ14により検出された周囲対象物の情報に基づいて、探索された周囲対象物に他車両3が含まれるか否かを判定する。コントローラ20により肯定的な判定がされた場合、ステップS4に進み、コントローラ20により否定的な判定がされた場合、ステップS12に進む。
【0043】
ステップS4では、コントローラ20は、通信装置16の通信状況を確認し、自車両1が自車両1の外部と通信可能な状態か否かを判定する。例えば、コントローラ20は、通信装置16から通信状況を示す情報(例えば、電波レベルの情報)を取得することで、自車両1が自車両1の外部と通信可能な状態か否かを判定する。コントローラ20により肯定的な判定がされた場合、ステップS5に進み、コントローラ20により否定的な判定がされた場合、ステップS11に進む。なお、コントローラ20は、通信可能な状態であっても、電波レベルが所定レベル以下の場合、通信不可能と判定してもよい。これにより、電波状況が不安定な状況で誤判定するのを防ぐことができる。
【0044】
ステップS5では、コントローラ20は、サーバー2の車両データベース4に格納された車両登録情報及び自車両1の周囲情報に基づいて、ステップS3で特定された他車両3が電動車両であるか否かの判定処理を行う(電動車両の特定処理)。例えば、コントローラ20は、収音装置15から収音された自車両1の周囲音の音声に対して周波数解析することで、自車両1周囲の音声に他車両3の接近音が含まれているかを判定する。また例えば、コントローラ20は、車車間通信により、他車両3から他車両3の識別情報を取得すると、他車両3の識別情報とともに、他車両3の車両登録情報の要求をサーバー2に送信する。コントローラ20は、サーバー2から、他車両3の駆動源の情報を含む他車両3の車両登録情報を取得すると、他車両3が電動車両か否かを判定する。
【0045】
ステップS4でコントローラ20により否定的な判定がされた場合、ステップS11に進む。ステップS11では、ステップS5での処理と異なり、コントローラ20は、自車両1の周囲情報に基づいて、ステップS3で特定された他車両3が電動車両であるか否かを判定する。自車両1の周囲情報に基づいて他車両3が電動車両であるか否かの判定については、ステップS5での説明を援用する。
【0046】
ステップS3でコントローラ20により否定的な判定がされた場合、ステップS12に進む。ステップS12では、コントローラ20は、ステップS2での処理の結果、周囲対象物に歩行者が含まれるか否かを判定する。例えば、コントローラ20は、撮像装置13により撮像された自車両1の周囲の撮像画像を画像解析することで、探索された周囲対象物に歩行者が含まれるか否かを判定する。また例えば、コントローラ20は、測距センサ14により検出された周囲対象物の情報に基づいて、探索された周囲対象物に歩行者が含まれるか否かを判定する。コントローラ20により肯定的な判定がされた場合、ステップS13に進み、コントローラ20により否定的な判定がされた場合、コントローラ20は、図2に示すフローチャートでの処理を終了させる。
【0047】
ステップS13では、コントローラ20は、自車両1の通信状況を確認し、自車両1が自車両1外部と通信可能な状態か否かを判定する。ステップS13での処理はステップS4での処理に対応するため、ステップS4での説明を援用する。コントローラ20により肯定的な判定がされた場合、ステップS14に進み、コントローラ20は、図2に示すフローチャートでの処理を終了させる。
【0048】
ステップS14では、コントローラ20は、ネットワーク通信により取得される情報及び車車間通信により取得される情報のうち少なくとも何れか一方に基づいて、撮像装置13の撮像範囲及び測距センサ14の検出範囲よりも外側の範囲内に他車両3が存在するか否かを判定する。例えば、コントローラ20は、車車間通信により、他車両3から他車両3の位置情報を取得することで、自車両1の周囲に他車両3が存在するか否かを判定する。また例えば、コントローラ20は、ネットワーク通信により、自車両1の位置情報とともに、自車両1周囲に位置する他車両3の位置情報の要求をサーバー2に送信する。コントローラ20は、サーバー2から受信した他車両3の位置情報に基づき、自車両1の周囲に他車両3が存在するか否かを判定する。またコントローラ20は、他車両3の位置情報だけでなく、駆動源の情報を含む他車両3の車両登録情報をサーバー2に要求してもよい。コントローラ20により肯定的な判定がされた場合、ステップS6に進み、コントローラ20により否定的な判定がされた場合、コントローラ20は、図2に示すフローチャートでの処理を終了させる。
【0049】
ステップS5又はステップS11での処理が終了した場合、又はステップS14でコントローラ20により肯定的な判定がされた場合、ステップS6に進む。ステップS6では、コントローラ20は、ステップS5、ステップS11、又はステップS14での処理に基づいて、自車両1の周囲に電動車両が存在するか否かを判定する。例えば、コントローラ20は、自車両1の周囲の音声に他車両3の接近音が含まれていると判定した場合、自車両1の周囲に電動車両が存在すると判定する。また例えば、コントローラ20は、他車両3の車両登録情報のうち駆動源の情報が電動車両を示す場合、自車両1の周囲に電動車両が存在すると判定する。コントローラ20により肯定的な判定がされた場合、ステップS7に進み、コントローラ20により否定的な判定がされた場合、コントローラ20は、図2に示すフローチャートでの処理を終了させる。
【0050】
ステップS7では、コントローラ20は、接近音を変更する対象である変更対象車両を選択する。コントローラ20は、ステップS6での処理結果に基づいて、自車両1の周囲に自車両1以外の電動車両が存在することを把握している。コントローラ20は、自車両1及び他車両3のうち周囲に電動車両が存在することを先に特定した車両を変更対象車両として選択する。例えば、コントローラ20は、ステップS6での処理終了前に、車車間通信により、他車両3から他車判定情報を取得した場合、他車両3を変更対象車両として選択する。一方、例えば、コントローラ20は、他車判定情報の取得前に、ステップS6での処理が終了した場合、自車両1を変更対象車両として選択する。またコントローラ20は、自車両1及び他車両3のうち車速が速い車両を、接近音を変更する変更対象車両として選択してもよい。例えば、コントローラ20は、車車間通信により取得した他車両3の車速と自車両1の車速を比較することで、自車両1及び他車両3のうち車速が速い車両を変更対象車両として選択する。
【0051】
ステップS8では、コントローラ20は、ステップS7での処理結果に基づいて、自車両1が変更対象車両であるか否かを判定する。コントローラ20により肯定的な判定がされた場合(自車両1が変更対象車両の場合)、ステップS9に進み、コントローラ20により否定的な判定がされた場合(他車両3が変更対象車両の場合)、コントローラ20は、図2に示すフローチャートでの処理を終了させる。
【0052】
ステップS9では、コントローラ20は、自車両1の通常接近音の音程及び音色のうち少なくとも何れか一方を変更することで、自車両1の変更接近音を生成する。例えば、コントローラ20は、自車両1が備える接近音データベース(図示しない)に格納された複数種の音色に基づいて、自車両1の変更接近音を生成する。また例えば、コントローラ20は、自車両1の接近音及び他車両3の接近音を周波数解析することで、自車接近音及び他車接近音が出力された際に不協和音となる音色を特定し、特定された音声に基づき、自車両1の変更接近音を生成してもよい。またコントローラ20は、自車両1の接近音の音程を人間が聴覚で認知しやすい音程に変更することで、自車両1の変更接近音を生成してもよい。
【0053】
ステップS10では、コントローラ20は、ステップS9で生成した自車両1の変更接近音の情報を音声出力装置17に出力して、自車両1から変更接近音を出力させる。ステップS10での処理が終了すると、コントローラ20は、図2に示すフローチャートでの処理を終了させる。
【0054】
以上のように、本実施形態に係る車両接近音制御方法は、コントローラ20により実行され、電動車両の接近を外部に知らせるための接近音を制御する車両接近音制御方法である。コントローラ20は、自車両1に設けられた撮像装置13及び測距センサ14により取得された自車両1の周囲情報に基づいて、自車両1の周囲に位置する周囲対象物を探索し、周囲対象物に電動車両である他車両3が含まれる場合、自車両1及び他車両3のうち少なくとも何れか一方を、電動車両の接近音を変更する変更対象車両として選択し、自車両1が変更対象車両の場合、自車両1の接近音の音程及び音色のうち少なくとも何れか一方を変更することで、自車両1の変更接近音を生成し、変更接近音を自車両1から出力させる。これにより、複数の電動車両が接近する場面で、音程及び音色のうち少なくとも何れか一方が変更された変更接近音が出力されるため、変更接近音によって、複数の電動車両が接近していることを認識させることができる。
【0055】
図3を用いて、具体的に、本実施形態に係る車両接近音制御方法及び車両接近装置によって奏する作用・効果について説明する。図3は、複数の電動車両が歩行者に接近する場面の一例を示す図である。図3(A)は、他車両3が自車両1の背後にいる状態で歩行者Aに接近する場面の一例を示す図であり、図3(B)は、自車両1が歩行者Aの前方から接近し、他車両3が歩行者Aの背後から接近する場面の一例であり、図3(C)は、自車両1及び他車両3が歩行者Aの背後から接近する場面の一例である。なお、図3(A)~図3(C)では、歩行者Aの顔の向き、すなわち、歩行者Aの視線方向は矢印で表される。
【0056】
図3(A)の例のように、他車両3(2台目の電動車両)が自車両1(1台目の電動車両)の背後にいる状態で歩行者Aに接近する場合、歩行者Aは、自車両1の接近を視覚的に認識できるものの、他車両3の接近を視覚的に認識することは困難である。また図3(B)の例のように、自車両1が歩行者Aの前方から接近し、他車両3が歩行者Aの背後から接近する場合においても、歩行者Aは、自車両1の接近を視覚的に視認できるものの、他車両3の接近を視覚的に認識することは困難である。また図3(C)の例のように、自車両1及び他車両3が歩行者Aの背後から接近する場合、歩行者は、自車両1及び他車両3の接近を視覚的に認識することは困難である。このような複数の電動車両の接近を歩行者が視覚的に認識するのが困難な場面であっても、本実施形態の車両接近音制御方法及び車両接近装置では、例えば、変更対象車両である自車両1から変更接近音を出力させることができる。通常接近音の音程や音色に対して変更された変更接近音の音程や音色によって、歩行者は変更接近音に注意を傾け易くなる。その結果、複数の電動車両の接近を歩行者が視覚的に認識するのが困難な場面であっても、複数の電動車両が接近していることを歩行者に聴覚的に認識させることができる。なお、図3(A)~図3(C)において、自車両1のスピーカーから出力された音符Bは、自車両1の変更接近音を表し、他車両3のスピーカー出力された波形Cは、他車両3の通常接近音を表している。
【0057】
また本実施形態では、コントローラ20は、自車両1が特定エリア内に位置するか否かを判定し、自車両1が特定エリア内に位置すると判定した場合、周囲対象物の探索を開始する。これにより、例えば、高速道路のように、歩行者と電動車両が接近することが極めて低く、変更接近音を出力する意義が乏しいエリアにおいて、周囲対象物の探索が開始されるのを防ぐことができる。その結果、コントローラ20での不要な処理を防ぎ、演算負荷の軽減を図ることができる。
【0058】
また本実施形態では、特定エリアは、市街地、街路、線路、及び駐車場のうち少なくとも何れか一つを含むエリアである。歩行者と複数の電動車両が接近することが比較的高いエリアにおいて、周囲対象物の探索が開始される。その結果、複数の電動車両の接近が想定されるエリアで適切に変更接近音を出力することができる。
【0059】
また本実施形態では、コントローラ20は、自車両1の車速が所定速度以下であるか否かを判定し、自車両1の車速が所定速度以下と判定した場合、周囲対象物の探索を開始する。複数の電動車両から、同じ音程及び音色の接近音が出力されるおそれがある場面でも、変更接近音の音程や音色によって、歩行者は変更接近音に注意を傾け易くなり、複数の電動車両が接近していることを歩行者に聴覚的に認識させることができる。
【0060】
また本実施形態では、自車両1の周囲情報は、撮像装置13、測距センサ14、及び収音装置15のうち少なくとも何れか一つにより取得される。車両に搭載された検出装置から取得した自車両1の周囲情報に基づいて、周囲対象物を探索できる。
【0061】
また本実施形態では、コントローラ20は、自車両1が自車両1の外部と通信可能な状態の場合、自車両1の周囲情報に加えて、ネットワーク通信により取得される情報及び車車間通信により取得される情報のうち少なくとも何れか一方に基づいて、周囲対象物に電動車両である他車両3が含まれるか否かを判定する。これにより、周囲対象物に他車両3が含まれるか否かをより精度よく判定できる。
【0062】
また本実施形態では、コントローラ20は、自車両1が自車両1の外部と通信不可能な状態の場合、自車両1の周囲情報に基づいて、周囲対象物に電動車両である他車両3が含まれるか否かを判定する。これにより、例えば、電波状況の不安定又は不可能なエリア(例えば、トンネル内等)において、サーバー2や他車両3からの情報受信待ちとなるのを防ぎ、周囲対象物に他車両3が含まれるか否かの判定処理を適切に進めることができる。
【0063】
また本実施形態では、コントローラ20は、自車両1及び他車両3のうち周囲に電動車両が存在することを先に特定した車両を、変更対象車両として選択する。これにより、複数の電動車両の存在を先に特定した車両から、変更接近音を出力することができ、変更接近音の出力が遅れるのを防ぐことができる。
【0064】
また本実施形態では、コントローラ20は、自車両1及び他車両3のうち車速が速い車両を、変更対象車両として選択する。これにより、歩行者に速く接近する可能性がある車両から、変更接近音を出力できるため、複数の電動車両の接近をより早く聴覚的に認識させることができる。
【0065】
また本実施形態では、コントローラ20は、自車両1が変更対象車両の場合、接近音データベースに格納された複数種の音色に基づいて、自車両1の変更接近音を生成する。これにより、通常接近音の音色とは異なる音色によって、複数の電動車両の接近を聴覚的に認識させることができる。
【0066】
また本実施形態では、コントローラ20は、自車両1が変更対象車両の場合、自車両1から出力される接近音(自車接近音)及び他車両3から出力される接近音(他車接近音)を周波数解析することで、自車接近音及び他車接近音が出力された際に不協和音となる音色を特定し、特定された音声に基づき、自車両1の変更接近音を生成する。これにより、2つの接近音による不協和音によって、複数の電動車両の接近を聴覚的に認識させることができる。
【0067】
また本実施形態では、コントローラ20は、周囲対象物に電動車両である他車両3が含まれないと判定した場合、自車両1の周囲情報に基づいて、自車両1の周囲に歩行者が存在するか否かを判定し、自車両1の周囲に歩行者が存在すると判定した場合、ネットワーク通信により取得される情報及び車車間通信により取得される情報のうち少なくとも何れか一方に基づいて、撮像装置13の撮像範囲及び測距センサ14の検出範囲よりも外側の範囲内に電動車両である他車両3が存在するか否かを判定する。他車両3が自車両1の撮像装置13の撮像範囲及び測距センサ14の検出範囲よりも外側の範囲内に位置した場面であっても、自車両1及び他車両3が歩行者に接近する可能性がある。このような自車両1に搭載された検出装置では他車両3を検出できない場面であっても、変更接近音によって、複数の電動車両の接近を聴覚的に認識させることができる。
【0068】
≪第2実施形態≫
図4は、第2実施形態に係る車両接近音出力システム200の構成概略図である。第2実施形態に係る車両接近音出力システム200では、第1実施形態におけるコントローラ20が実現する機能の一部がサーバー2側で実現される点と、サーバー2で実現される場合のサーバー2特有の処理が実行される点以外は、第1実施形態に係る車両接近音出力システム100の構成と同様である。このため、図4では、車両接近音出力システム100と同じ構成については、図1に示す符号と同じ符号が付されている。また以降では、車両接近音出力システム100と異なる構成について説明し、車両接近音出力システム100と同じ構成については既述の説明を援用する。
【0069】
図4に示すように、車両接近音制御装置18は、探索部21及び接近音出力部25を機能ブロックとして有する車載コントローラ20を備えている。図4では、便宜上、車載コントローラ20として表現されているが、図4に示す車載コントローラ20は、図1に示すコントローラ20に相当する。
【0070】
本実施形態では、第1実施形態と異なり、後述するサーバーコントローラ40が、電動車両判定部41、変更対象車両選択部42、及び変更接近音生成部43の機能ブロックを有している。このため、探索部21は、周囲対象物の探索処理が終了すると、通信装置16を介して、自車両1の位置情報とともに、周囲対象物の探索結果の情報をサーバー2に送信する。また接近音出力部25は、通信装置16を介して、サーバー2から、変更接近音の出力指示を含む変更接近音の情報を受信すると、出力指示に従い、変更接近音の情報を音声出力装置17にする。
【0071】
次に、本実施形態に係るサーバー2について説明する。本実施形態では、図4に示すように、サーバー2は、車両データベース4に加えて、サーバーコントローラ40を備えている。サーバーコントローラ40は、機能ブロックとして、電動車両判定部41、変更対象車両選択部42、及び変更接近音生成部43を有している。サーバーコントローラ40における各機能ブロックについて説明する。
【0072】
電動車両判定部41は、自車両1を含む複数の車両からの位置情報及び探索結果の情報のうち少なくとも何れか一つに基づいて、自車両1の周囲に電動車両が存在するか否かを判定する。例えば、電動車両判定部41は、自車両1の位置情報及び他車両3の位置情報から、自車両1の周囲に他車両3が位置することを特定すると、当該他車両3の駆動情報を車両データベース4から取得する。そして、電動車両判定部41は、他車両3の駆動情報に基づいて、他車両3が電動車両であるか否かを判定する。また例えば、電動車両判定部41は、自車両1から送信された探索結果の情報に基づいて、周囲対象物に電動車両である他車両3が含まれるか否かを判定してもよい。
【0073】
変更対象車両選択部42は、自車両1及び他車両3のうち周囲に電動車両が存在することを先に特定した車両を、変更対象車両として選択する。例えば、変更対象車両選択部42は、他車両3から情報を受信する前に、探索結果として他車両3を電動車両として判定した情報を自車両1から受信した場合、自車両1が他車両3よりも先に電動車両の判定をしたものとして、自車両1を変更対象車両として選択する。また例えば、変更対象車両選択部42は、自車両1から情報を受信する前に、探索結果として自車両1を電動車両として判定した情報を他車両3から受信した場合、他車両3が自車両1よりも先に電動車両の判定をしたものとして、他車両3を変更対象車両として選択する。
【0074】
また変更対象車両選択部42は、電動車両の車速、寸法、及び重量のうち少なくとも何れか一つに基づいて、変更対象車両を選択してもよい。例えば、変更対象車両選択部42は、自車両1から送信される自車両1の車速情報と他車両3から送信される他車両3の車速情報とを比較して、自車両1及び他車両3のうち車速が速い車両を変更対象車両として選択してもよい。また例えば、変更対象車両選択部42は、自車両1の車両登録情報に含まれる自車両1の寸法情報と他車両3の車両登録情報に含まれる他車両3の寸法情報とを比較して、自車両1及び他車両3のうち寸法が長い車両を変更対象車両として選択してもよい。また例えば、変更対象車両選択部42は、自車両1の車両登録情報に含まれる自車両1の重量情報と他車両3の車両登録情報に含まれる他車両3の重量情報とを比較して、重量が重い車両を変更対象車両として選択してもよい。
【0075】
また本実施形態では、変更対象車両選択部42は、自車両1及び他車両3の両車両を変更対象車両として選択してもよい。例えば、変更接近音生成部43によって、自車両1の接近音及び他車両3の接近音が周波数解析され、自車接近音及び他車接近音が出力された際に不協和音となる音色が特定された場合、変更対象車両選択部42は、自車両1の接近音の音色を変更するとともに、他車両3の接近音の音色を変更するために、自車両1及び他車両3を変更対象車両として選択してもよい。
【0076】
変更接近音生成部43の機能は、第1実施形態に係る変更接近音生成部24と同様のため、既述の説明を援用する。変更接近音生成部43は、変更対象車両(自車両1若しくは他車両3、又は自車両1及び他車両3)の変更車両接近音を生成した後、変更接近音の出力指示を含む変更接近音の情報を、変更対象車両に出力する。
【0077】
以上のように、本実施形態では、サーバー2は、変更接近音を生成した後、変更接近音の出力指示を変更対象車両に出力する。これにより、変更対象車両では、出力指示に基づいて変更車両接近音が出力され、第1実施形態での効果と同様、複数の電動車両が接近していることを聴覚的に認識させることができる。
【0078】
また本実施形態では、サーバー2は、電動車両の車速、寸法、及び重量のうち少なくとも何れか一つに基づいて、変更対象車両を選択する。電動車両側で変更対象車両を選択するよりも変更対象車両の選択方法が増えるため、変更対象車両として適切な電動車両を選択することができる。
【0079】
なお、以上に説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0080】
例えば、上述の第2実施形態では、サーバー2が機能ブロックとして電動車両判定部41、変更対象車両選択部42、及び変更接近音生成部43を有する構成を例に挙げて説明した。この場合、図2に示すフローチャートにおいて、ステップS8が削除され、ステップS6、ステップS7、及びステップS9での処理の実行主体がサーバー2であってもよい。またサーバー2が、ステップS9での処理が終了した後、変更車両接近音の出力指示を含む変更車両接近音の情報を、変更対象車両に出力するステップを設けてもよい。
【0081】
また例えば、上述の第1実施形態では、図2に示すフローチャートにおいて、ステップS12で周囲対象物に歩行者が含まれるか否かの判定を説明したが、ステップS12では、コントローラ20は、周囲対象物に二輪車(自転車及び自動二輪車を含む)が含まれるか否かを判定してもよい。つまり、ステップS12では、コントローラ20は、自車両1の周囲に歩行者又は二輪車が含まれるか否かを判定してもよい。
【0082】
また例えば、上述の第1実施形態では、図2に示すフローチャートにおいて、ステップS14で撮像装置13の撮像範囲及び測距センサ14の検出範囲よりも外側の範囲内に他車両3が存在するか否かの判定を説明した。ステップS14では、コントローラ20は、自車両1の車速に応じて、他車両3の存否判定を行う範囲を変更してもよい。例えば、コントローラ20は、自車両1の車速が速いほど、他車両3の存否判定を行う対象範囲を拡大させ、自車両1の車速が遅いほど、他車両3の存否判定を行う対象範囲を縮小させる。これにより、自車両1の変更接近音が届く適切な範囲で他車両3の存否を判定することができる。
【0083】
また例えば、上述の第1実施形態では、変更対象車両として自車両1が選択された場合を例に挙げて説明したが、第1実施形態において、コントローラ20は、他車両3を変更対象車両として選択した場合、車車間通信により、変更接近音の出力指示を含む変更車両接近音の情報を他車両3に出力し、他車両3から変更接近音を出力させてもよい。
【符号の説明】
【0084】
1…自車両(第1電動車両)
2…サーバー
3…他車両(第2電動車両)
4…車両データベース
11…車速センサ
12…自車位置検出装置
13…撮像装置
14…測距センサ
15…収音装置
16…通信装置
17…音声出力装置
18…車両接近音制御装置
20…コントローラ(車載コントローラ)
21…探索部
22…電動車両判定部
23…変更対象車両選択部
24…変更接近音生成部
25…接近音出力部
40…サーバーコントローラ
41…電動車両判定部
42…変更対象車両選択部
43…変更接近音生成部
100…車両接近音出力システム
200…車両接近音出力システム
図1
図2
図3
図4