(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170886
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】画像読取装置及び発光制御装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20231124BHJP
【FI】
H04N1/00 L
H04N1/00 127B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022082969
(22)【出願日】2022-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀 昌宏
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA35
5C062AA37
5C062AB17
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB42
5C062AC02
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC34
5C062AC42
5C062AE16
(57)【要約】
【課題】設置されている複数台の画像読取装置の中から原稿の画像の読取を行う画像読取装置を直感的に判別すること。
【解決手段】端末装置20と通信可能な画像読取装置10において、発光部13は、複数の色のうちの何れかの色で発光可能であり、記憶部14は、複数の色のうち自装置に割り当てられた色である割当色と、ネットワーク上の自装置のアドレスである自装置アドレスとを記憶し、制御部12は、端末装置に割当色で表示される自装置アドレスを含む発光要求が端末装置から送信されたときに、割当色で発光部を発光させ、読取部16は、割当色で発光部が発光した後に読取開始操作が為されたときに原稿の画像を読み取り、通信部18は、読み取られた画像である読取画像を送信する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置と通信可能な画像読取装置であって、
複数の色のうちの何れかの色で発光可能な発光部と、
前記複数の色のうち自装置に割り当てられた色である割当色と、ネットワーク上の自装置のアドレスである自装置アドレスとを記憶する記憶部と、
前記端末装置に前記割当色で表示される前記自装置アドレスを含む発光要求が前記端末装置から送信されたときに、前記割当色で前記発光部を発光させる制御部と、
前記割当色で前記発光部が発光した後に読取開始操作が為されたときに、原稿の画像を読み取る読取部と、
読み取られた前記画像である読取画像を送信する通信部と、
を具備する画像読取装置。
【請求項2】
音出力部、をさらに具備し、
前記制御部は、前記自装置アドレスを含む音出力要求が前記端末装置から送信されたときに、前記音出力部から所定の音を出力させる、
請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記端末装置から指定される前記割当色を前記記憶部に登録する、
請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記自装置アドレスを含む消灯要求が前記端末装置から送信されたときに、前記発光部を消灯させる、
請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記読取画像の送信時点から次の前記読取開始操作が為されることなく所定時間が経過したときに、前記発光部を消灯させる、
請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記制御部は、自装置が前記端末装置と接続中であることを前記端末装置以外の他の端末装置へ通知する、
請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項7】
端末装置と通信可能な画像読取装置に搭載される発光制御装置であって、
複数の色のうちの何れかの色で発光可能な発光部と、
前記複数の色のうち自装置に割り当てられた色である割当色と、ネットワーク上の自装置のアドレスである自装置アドレスとを記憶する記憶部と、
前記端末装置に前記割当色で表示される前記自装置アドレスを含む発光要求が前記端末装置から送信されたときに、前記割当色で前記発光部を発光させる制御部と、
を具備する発光制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像読取装置及び発光制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
端末装置からの指示に従って、LAN(Local Area Network)上に存在する複数台のスキャナのうちの何れか1台に原稿の画像を読み取らせる場合がある。この場合、複数台のスキャナの各々を区別することが可能な情報が端末装置に表示され、オペレータは、端末装置に表示された複数のスキャナの中から、原稿の画像の読取に使用するスキャナを選択する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、スキャナの選択に際して端末装置に表示される情報は、スキャナのモデル名や、複数台のスキャナの各々に割り当てられたIPアドレス(Internet Protocol Address)であるため、オペレータは、実際に設置されている複数台のスキャナの中から何れのスキャナを選択したのか判別することが困難な場合がある。特に、設置されている複数台のスキャナが同一の形状を有する場合には、判別が困難になることが多い。
【0005】
そこで、本開示では、設置されている複数台の画像読取装置の中から原稿の画像の読取を行う画像読取装置を直感的に判別することができる技術を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の画像読取装置は、端末装置と通信可能であり、発光部と、記憶部と、制御部と、読取部と、通信部とを有する。前記発光部は、複数の色のうちの何れかの色で発光可能である。前記記憶部は、前記複数の色のうち自装置に割り当てられた色である割当色と、ネットワーク上の自装置のアドレスである自装置アドレスとを記憶する。前記制御部は、前記端末装置に前記割当色で表示される前記自装置アドレスを含む発光要求が前記端末装置から送信されたときに、前記割当色で前記発光部を発光させる。前記読取部は、前記割当色で前記発光部が発光した後に読取開始操作が為されたときに、原稿の画像を読み取る。前記通信部は、読み取られた前記画像である読取画像を送信する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、設置されている複数台の画像読取装置の中から原稿の画像の読取を行う画像読取装置を直感的に判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本開示の実施例1の画像処理システムの構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、本開示の実施例1の画像読取装置の構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、本開示の実施例1の画像処理システムの動作例を示す図である。
【
図4】
図4は、本開示の実施例1の端末装置における画面表示例を示す図である。
【
図5】
図5は、本開示の実施例1の端末装置における画面表示例を示す図である。
【
図6A】
図6Aは、本開示の実施例2の画像処理システムの動作例を示す図である。
【
図6B】
図6Bは、本開示の実施例2の画像処理システムの動作例を示す図である。
【
図7】
図7は、本開示の実施例2の端末装置における画面表示例を示す図である。
【
図8】
図8は、本開示の実施例2の端末装置における画面表示例を示す図である。
【
図9】
図9は、本開示の実施例2の端末装置における画面表示例を示す図である。
【
図10A】
図10Aは、本開示の実施例3の画像処理システムの動作例を示す図である。
【
図10B】
図10Bは、本開示の実施例3の画像処理システムの動作例を示す図である。
【
図11】
図11は、本開示の実施例3の端末装置における画面表示例を示す図である。
【
図12】
図12は、本開示の実施例3の端末装置における画面表示例を示す図である。
【
図13】
図13は、本開示の実施例3の端末装置における画面表示例を示す図である。
【
図14A】
図14Aは、本開示の実施例4の画像処理システムの動作例を示す図である。
【
図14B】
図14Bは、本開示の実施例4の画像処理システムの動作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施例を図面に基づいて説明する。図面において同一の構成、同一の処理ステップには同一の符号を付す。
【0010】
[実施例1]
<画像処理システムの構成>
図1は、本開示の実施例1の画像処理システムの構成例を示す図である。
図1において、画像処理システム1は、画像読取装置10a,10b,10cと、端末装置20a,20bとを有する。以下では、画像読取装置10a,10b,10cを「画像読取装置10」と総称し、端末装置20a,20bを「端末装置20」と総称することがある。画像読取装置10と端末装置20とは、LAN(Local Area Network)30を介して接続可能である。LAN30は、有線LANまたは無線LANの何れであっても良い。例えば、LAN30上の画像読取装置10のアドレスとして、“192.168.3.101“のIPアドレスが画像読取装置10aに割り当てられ、“192.168.3.102“のIPアドレスが画像読取装置10bに割り当てられ、“192.168.3.103“のIPアドレスが画像読取装置10cに割り当てられている。画像読取装置10の一例として、スキャナ、プリンタ、複合機等が挙げられる。端末装置20の一例として、スマートフォンやタブレット端末等のスマートデバイス、ラップトップ型のコンピュータ、デスクトップ型のコンピュータ等が挙げられる。
【0011】
<画像読取装置の構成>
図2は、本開示の実施例1の画像読取装置の構成例を示す図である。画像読取装置10a,10b,10cは、
図2に示す同一の構成を有する。
図2において、画像読取装置10は、発光制御装置11と、読取開始ボタン15と、読取部16と、音出力部17と、通信部18とを有する。発光制御装置11は、制御部12と、発光部13と、記憶部14とを有する。制御部12の一例として、プロセッサが挙げられる。プロセッサの一例として、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)が挙げられる。発光部13の一例として、LED(Light Emitting Diode)が挙げられる。記憶部14の一例として、メモリが挙げられる。メモリの一例として、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリが挙げられる。読取部16の一例として、CIS(Contact Image Sensor)が挙げられる。通信部18の一例として、ネットワークインタフェースモジュールが挙げられる。
【0012】
発光部13は、制御部12からの制御に基づいて発光する。発光部13は複数の色のうちの何れかの色で発光可能であり、発光部13の発光形態には、点灯と点滅とがある。
【0013】
記憶部14には、画像読取装置10に割当済のIPアドレス(以下では「自装置アドレス」と呼ぶことがある)が記憶されている。
【0014】
読取部16は、オペレータによって読取開始ボタン15が押下されたときに、制御部12からの制御に基づいて、画像読取装置10にセットされた原稿の画像を読み取る。
【0015】
音出力部17は、制御部12からの制御に基づいて、所定の音を出力する。
【0016】
通信部18は、LAN30を介して端末装置20と通信可能であり、制御部12からの制御に基づいて、読取部16によって読み取られた画像(以下では「読取画像」と呼ぶことがある)を端末装置20へ送信する。
【0017】
このように、発光制御装置11は、端末装置20と通信可能な画像読取装置10に搭載される。
【0018】
<画像処理システムの動作>
図3は、本開示の実施例1の画像処理システムの動作例を示す図である。
図4及び
図5は、本開示の実施例1の端末装置における画面表示例を示す図である。
図3には、無線LAN30上に、画像読取装置10a,10b,10cの3台の画像読取装置が存在する場合を一例として挙げる。
【0019】
以下では、画像読取装置10aの制御部12を「制御部12a」と、画像読取装置10aの発光部13を「発光部13a」と、画像読取装置10aの記憶部14を「記憶部14a」と、画像読取装置10aの読取開始ボタン15を「読取開始ボタン15a」と、画像読取装置10aの読取部16を「読取部16a」と、画像読取装置10aの音出力部17を「音出力部17a」と、画像読取装置10aの通信部18を「通信部18a」と呼ぶことがある。また以下では、画像読取装置10bの制御部12を「制御部12b」と、画像読取装置10bの発光部13を「発光部13b」と、画像読取装置10bの記憶部14を「記憶部14b」と、画像読取装置10bの読取開始ボタン15を「読取開始ボタン15b」と、画像読取装置10bの読取部16を「読取部16b」と、画像読取装置10bの音出力部17を「音出力部17b」と、画像読取装置10bの通信部18を「通信部18b」と呼ぶことがある。また以下では、画像読取装置10cの制御部12を「制御部12c」と、画像読取装置10cの発光部13を「発光部13c」と、画像読取装置10cの記憶部14を「記憶部14c」と、画像読取装置10cの読取開始ボタン15を「読取開始ボタン15c」と、画像読取装置10cの読取部16を「読取部16c」と、画像読取装置10cの音出力部17を「音出力部17c」と、画像読取装置10cの通信部18を「通信部18c」と呼ぶことがある。
【0020】
図3のステップS101において端末装置20aにおいて画像読取装置10への接続開始操作が為されると、端末装置20aは、装置情報要求コマンドを画像読取装置10a,10b,10cへ一斉に送信する(ステップS103)。接続開始操作の一例として、端末装置20aにおいて画像読取アプリケーションを起動させる操作が挙げられる。
【0021】
次いで、ステップS105では、制御部12aは、装置情報要求コマンドに応じて、ステップS105時点での画像読取装置10aの装置情報DIaaを通信部18aを用いて端末装置20aへ送信する。また、ステップS107では、制御部12bは、装置情報要求コマンドに応じて、ステップS107時点での画像読取装置10bの装置情報DIbaを通信部18bを用いて端末装置20aへ送信する。また、ステップS109では、制御部12cは、装置情報要求コマンドに応じて、ステップS109時点での画像読取装置10cの装置情報DIcaを通信部18cを用いて端末装置20aへ送信する。
【0022】
ここで、装置情報DIには、自装置アドレスを示す情報(以下では「アドレス情報」と呼ぶことがある)と、画像読取装置10が接続中の端末装置20を示す情報(以下では「端末情報」と呼ぶことがある)と、画像読取装置10に割当済の発光色を示す情報(以下では「発光色情報」と呼ぶことがある)と、画像読取装置10での無線LANの電波の受信強度を示す情報(以下では「電波強度情報」と呼ぶことがある)とが含まれる。また、
図3には、ステップS101の処理が開始される時点で、画像読取装置10a,10bは何れの端末装置20とも接続されていない一方で、画像読取装置10cは端末装置20bと既に接続されている場合(つまり、画像読取装置10a,10bは何れの端末装置20にも占有されていない一方で、画像読取装置10cは端末装置20bによって占有中である場合)を一例として挙げる。また、
図3には、ステップS101の処理が開始される時点で、画像読取装置10a,10bに発光色が未だ割り当てられていない一方で、画像読取装置10cに“黄色”の発光色が既に割り当てられている場合を一例として挙げる。よって、装置情報DIaaにおいて、アドレス情報は“192.168.3.101“であり、端末情報及び発光色情報は空欄である。また、装置情報DIbaにおいて、アドレス情報は“192.168.3.102“であり、端末情報及び発光色情報は空欄である。また、装置情報DIcaにおいて、アドレス情報は“192.168.3.103“であり、端末情報は“端末装置20b”であり、発光色情報は“黄色”である。このように、制御部12a,12bは、装置情報DIaa,DIba内の端末情報を空欄にすることにより、画像読取装置10a,10bが何れの端末装置20とも接続されていないことを端末装置20aへ通知する。一方で、制御部12cは、装置情報DIca内の端末情報に“端末装置20b”をセットすることにより、画像読取装置10cが端末装置20bと接続中であることを端末装置20aへ通知する。
【0023】
ステップS111では、端末装置20aは、画像読取装置10a,10bに対して発光色を割り当てる。“黄色”の発光色情報を含む装置情報DIcaを送信した画像読取装置10cには既に“黄色”の発光色が割当済であるため、端末装置20aは、空欄の発光色情報を含む装置情報DIaa,DIbaを送信した画像読取装置10a,10bに対して黄色以外の発光色を割り当てる。端末装置20aは、例えば、画像読取装置10aに対して“赤色”の発光色を割り当て、画像読取装置10bに対して“緑色”の発光色を割り当てる。
【0024】
次いで、ステップS113,S115では、端末装置20aは、発光色の割当を示す情報(以下では「割当情報」と呼ぶことがある)を画像読取装置10a,10bへ送信する。ステップS113で端末装置20aから画像読取装置10aへ送信される割当情報AIaaは“赤色”を示し、ステップS115で端末装置20aから画像読取装置10bへ送信される割当情報AIabは“緑色”を示す。また、割当情報AIaaには画像読取装置10aのアドレス情報である“192.168.3.101“が含まれ、割当情報AIabには画像読取装置10bのアドレス情報である“192.168.3.102“が含まれる。このようにして、端末装置20aは、画像読取装置10の各々に対して割り当てられた発光色(以下では「割当色」と呼ぶことがある)を画像読取装置10の各々に対して指定する。
【0025】
次いで、ステップS117では、制御部12aは、割当情報AIaaに含まれているアドレス情報が示すIPアドレスが、記憶部14aに記憶されているIPアドレスに一致するため、割当情報AIaaに示された割当色である“赤色”を記憶部14aに登録して記憶部14aに記憶させる。また、ステップS119では、制御部12bは、割当情報AIabに含まれているアドレス情報が示すIPアドレスが、記憶部14bに記憶されているIPアドレスに一致するため、割当情報AIabに示された割当色である“緑色”を記憶部14bに登録して記憶部14bに記憶させる。
【0026】
次いで、ステップS121,S123では、端末装置20aは、ステップS111で発光色を割り当てた画像読取装置10a,10bへ点灯要求コマンドLRを送信する。ステップS121で端末装置20aから画像読取装置10aへ送信される点灯要求コマンドLRaaには、画像読取装置10aのアドレス情報である“192.168.3.101“が含まれ、ステップS123で端末装置20aから画像読取装置10bへ送信される点灯要求コマンドLRabには、画像読取装置10bのアドレス情報である“192.168.3.102“が含まれる。
【0027】
次いで、ステップS125では、制御部12aは、点灯要求コマンドLRaaに含まれているアドレス情報が示すIPアドレスが、記憶部14aに記憶されているIPアドレスに一致するため、記憶部14aに記憶されている割当色である“赤色”で発光部13aを点灯させる。また、ステップS127では、制御部12bは、点灯要求コマンドLRabに含まれているアドレス情報が示すIPアドレスが、記憶部14bに記憶されているIPアドレスに一致するため、記憶部14bに記憶されている割当色である“緑色”で発光部13bを点灯させる。
【0028】
一方で、ステップS129では、端末装置20aは、ステップS105,S107,S109で受信された装置情報DIと、ステップS111で割り当てた発光色とに基づいて、端末装置20aが有するディスプレイまたはタッチスクリーンに、画像読取装置10の現在の状態を示す情報(以下では「装置状態情報」と呼ぶことがある)を表示させる。ステップS129での画面表示例を
図4に示す。
図4において、画面Sa11には、装置状態情報として、画像読取装置10a,10b,10cの各々の自装置アドレスと、画像読取装置10a,10b,10cの各々の接続状態とが、画像読取装置10a,10b,10cの各々の電波強度の降順に、画像読取装置10a,10b,10cの各々の割当色と同一の色で表示される。但し、他の端末装置20と既に接続中である(つまり、他の端末装置20によって占有中である)画像読取装置10の装置状態情報は“黒色”で表示される。ステップS103の時点では、画像読取装置10a,10bは何れの端末装置20とも接続されていない一方で、画像読取装置10cは端末装置20bと既に接続されているため、画面Sa11では、赤色の“192.168.3.101”の自装置アドレスに対応付けて「接続待ち」と赤色で表示され、緑色の“192.168.3.102”の自装置アドレスに対応付けて「接続待ち」と緑色で表示され、黒色の“192.168.3.103”の自装置アドレスに対応付けて「他ユーザ占有中」と黒色で表示される。また、装置状態情報の表示画面には、
図4に示すように、接続実行ボタンB1と、点滅ボタンB2と、音出力ボタンB3と、接続解除ボタンB4とが表示される。
【0029】
次いで、ステップS131では、オペレータによって、画面Sa11を用いて、複数の画像読取装置10の中から自端末装置と接続する画像読取装置10(以下では「接続対象装置」と呼ぶことがある)が選択される。画面Sa11を用いた接続対象装置の選択は、画面Sa11に表示された自装置アドレスに対するクリック操作またはタッチ操作によって行われる。画面Sa11において、赤色の“192.168.3.101”及び緑色の“192.168.3.102”は「接続待ち」であるため選択可能である一方で、黒色の“192.168.3.103”は「他ユーザ占有中」であるため選択不可である。ここでは、電波強度が最大の画像読取装置10aの自装置アドレスである“192.168.3.101”がオペレータによって選択されたものとする。
【0030】
また、画面Sa11においてオペレータによって“192.168.3.101”が選択された後、ステップS133では、オペレータによって接続実行ボタンB1がクリックまたはタッチされることにより端末装置20aにおける接続実行操作が為される。
【0031】
ステップS131,S133での処理に応じて、ステップS135では、端末装置20aは、“192.168.3.101”のアドレス情報を含む接続要求コマンドCRaaを画像読取装置10aへ送信し、接続要求コマンドCRaaに応じて、ステップS137では、制御部12aは、接続応答コマンドREaaを通信部18aを用いて端末装置20aへ送信する。これにより、ステップS139では、端末装置20aと画像読取装置10aとが接続され、画像読取装置10aは端末装置20aによって占有された状態となる。よって、ステップS139では、端末装置20aにおける装置状態情報は、画面Sa11(
図4)から画面Sa12(
図5)に更新され、画面Sa12には、端末装置20aと画像読取装置10aとの接続が完了したことと、画像読取装置10aが端末装置20aによって占有中であることとが表示される。
【0032】
端末装置20aと画像読取装置10aとの接続が完了した後、ステップS141,S143では、端末装置20aは、消灯要求コマンドORを画像読取装置10a,10bへ送信する。ステップS141で端末装置20aから画像読取装置10aへ送信される消灯要求コマンドORaaには、画像読取装置10aのアドレス情報である“192.168.3.101“が含まれ、ステップS143で端末装置20aから画像読取装置10bへ送信される消灯要求コマンドORabには、画像読取装置10bのアドレス情報である“192.168.3.102“が含まれる。
【0033】
次いで、ステップS145では、制御部12aは、消灯要求コマンドORaaに含まれているアドレス情報が示すIPアドレスが、記憶部14aに記憶されているIPアドレスに一致するため、発光部13aを消灯させる。また、ステップS147では、制御部12bは、消灯要求コマンドORabに含まれているアドレス情報が示すIPアドレスが、記憶部14bに記憶されているIPアドレスに一致するため、発光部13bを消灯させる。
【0034】
次いで、ステップS149では、オペレータによって画像読取装置10aに原稿がセットされ読取開始ボタン15aが押下されることにより画像読取装置10aに対して読取開始操作が為される。そして、読取開始操作が為されたときに、読取部16aは、制御部12aからの指示に従って原稿の画像を読み取り、読取画像を制御部12aへ出力する。
【0035】
次いで、ステップS151では、制御部12aは、読取画像を通信部18aへ出力し、通信部18aは、読取画像を端末装置20aへ送信する。
【0036】
また、端末装置20aでの読取画像の受信の完了後、オペレータによって接続解除ボタンB4がクリックまたはタッチされることにより、端末装置20aと画像読取装置10aとの接続が解除される。
【0037】
以上、実施例1について説明した。
【0038】
[実施例2]
<画像処理システムの動作>
図6A及び
図6Bは、本開示の実施例2の画像処理システムの動作例を示す図である。
図7、
図8及び
図9は、本開示の実施例2の端末装置における画面表示例を示す図である。
図6には、無線LAN30上に、画像読取装置10a,10bの2台の画像読取装置が存在する場合を一例として挙げる。
図6において、ステップS101~S151の処理は実施例1(
図3)と同一であるため、ステップS101~S151の処理についての説明は省略する。
【0039】
図6のステップS201において端末装置20bにおいて画像読取装置10への接続開始操作が為されると、端末装置20bは、装置情報要求コマンドを画像読取装置10a,10bへ一斉に送信する(ステップS203)。接続開始操作の一例として、端末装置20bにおいて画像読取アプリケーションを起動させる操作が挙げられる。
【0040】
次いで、ステップS205では、制御部12aは、装置情報要求コマンドに応じて、ステップS205時点での画像読取装置10aの装置情報DIabを通信部18aを用いて端末装置20bへ送信する。また、ステップS207では、制御部12bは、装置情報要求コマンドに応じて、ステップS207時点での画像読取装置10bの装置情報DIbbを通信部18bを用いて端末装置20bへ送信する。
【0041】
ここで、
図6には、ステップS201の処理が開始される時点で、画像読取装置10a,10bは何れの端末装置20とも接続されていない場合(つまり、画像読取装置10a,10bは何れの端末装置20にも占有されていない場合)を一例として挙げる。また、
図6には、ステップS201の処理が開始される時点で、画像読取装置10aに“赤色”の発光色が既に割り当てられ、画像読取装置10bに“緑色”の発光色が既に割り当てられている場合を一例として挙げる。よって、装置情報DIabにおいて、アドレス情報は“192.168.3.101“であり、端末情報は空欄であり、発光色情報は“赤色”である。また、装置情報DIbbにおいて、アドレス情報は“192.168.3.102“であり、端末情報は空欄であり、発光色情報は“緑色”である。このように、制御部12a,12bは、装置情報DIab,DIbb内の端末情報を空欄にすることにより、画像読取装置10a,10bが何れの端末装置20とも接続されていないことを端末装置20bへ通知する。
【0042】
ステップS209では、端末装置20bは、ステップS205,S207で受信された装置情報DIに基づいて、端末装置20bが有するディスプレイまたはタッチスクリーンに、装置状態情報を表示させる。ステップS209での画面表示例を
図7に示す。
図7において、画面Sb21には、装置状態情報として、画像読取装置10a,10bの各々の自装置アドレスと、画像読取装置10a,10bの各々の接続状態とが、画像読取装置10a,10bの各々の電波強度の降順に、画像読取装置10a,10bの各々の割当色と同一の色で表示される。ステップS209の時点では、画像読取装置10a,10bは何れの端末装置20とも接続されていないため、画面Sb21では、緑色の“192.168.3.102”の自装置アドレスに対応付けて「接続待ち」と緑色で表示され、赤色の“192.168.3.101”の自装置アドレスに対応付けて「接続待ち」と赤色で表示される。
【0043】
次いで、ステップS211では、端末装置20bは、色情報要求コマンドを画像読取装置10a,10bへ一斉に送信する。色情報要求コマンドは、端末装置20bから所定の時間間隔で定期的に送信される。
【0044】
ステップS213では、制御部12aは、色情報要求コマンドに応じて、ステップS213時点での画像読取装置10aの色情報CIabを通信部18aを用いて端末装置20bへ送信する。また、ステップS215では、制御部12bは、色情報要求コマンドに応じて、ステップS215時点での画像読取装置10bの色情報CIbbを通信部18bを用いて端末装置20bへ送信する。ここで、色情報CIには、装置情報DIと同様に、アドレス情報と、端末情報と、発光色情報と、電波強度情報とが含まれる。また、ステップS213,S215で画像読取装置10a,10bから端末装置20bへ色情報CIab,CIbbが送信される時点で、画像読取装置10aは端末装置20aと既に接続されている一方で(ステップS139)、画像読取装置10bは何れの端末装置20とも接続されていない(つまり、画像読取装置10aは端末装置20aによって占有中である一方で、画像読取装置10bは何れの端末装置20にも占有されていない)。よって、色情報CIabにおいて、アドレス情報は“192.168.3.101“であり、端末情報は“端末装置20a”であり、発光色情報は“赤色”である。また、色情報CIbbにおいて、アドレス情報は“192.168.3.102“であり、端末情報は空欄であり、発光色情報は“緑色”である。このように、制御部12aは、色情報CIab内の端末情報に“端末装置20a”をセットすることにより、画像読取装置10aが端末装置20aと接続中であることを端末装置20bへ通知する。一方で、制御部12bは、色情報CIbb内の端末情報を空欄にすることにより、画像読取装置10bが何れの端末装置20とも接続されていないことを端末装置20bへ通知する。
【0045】
次いで、ステップS217では、端末装置20bは、ステップS213,S215で受信された色情報CIに基づいて、端末装置20bが有するディスプレイまたはタッチスクリーンに表示される装置状態情報を更新する。ステップS217での画面表示例を
図8に示す。ステップS217では、端末装置20bにおける装置状態情報は、画面Sb21(
図7)から画面Sb22(
図8)に更新され、画面Sb22では、緑色の“192.168.3.102”の自装置アドレスに対応付けて「接続待ち」と緑色で表示され、黒色の“192.168.3.101”の自装置アドレスに対応付けて「他ユーザ占有中」と黒色で表示される。
【0046】
次いで、ステップS219では、端末装置20bは、何れの端末装置20とも接続されていない画像読取装置10bへ点灯要求コマンドLRbbを送信する。ステップS219で端末装置20bから画像読取装置10bへ送信される点灯要求コマンドLRbbには、画像読取装置10bのアドレス情報である“192.168.3.102“が含まれる。
【0047】
次いで、ステップS221では、制御部12bは、点灯要求コマンドLRbbに含まれているアドレス情報が示すIPアドレスが、記憶部14bに記憶されているIPアドレスに一致するため、記憶部14bに記憶されている割当色である“緑色”で発光部13bを点灯させる。
【0048】
一方で、ステップS223では、オペレータによって、画面Sb22(
図8)を用いて、複数の画像読取装置10の中から接続対象装置が選択される。画面Sb22を用いた接続対象装置の選択は、画面Sb22に表示された自装置アドレスに対するクリック操作またはタッチ操作によって行われる。画面Sb22において、緑色の“192.168.3.102”は「接続待ち」であるため選択可能である一方で、黒色の“192.168.3.101”は「他ユーザ占有中」であるため選択不可である。よって、ここでは、画像読取装置10bの自装置アドレスである“192.168.3.102”がオペレータによって選択されたものとする。
【0049】
また、画面Sb22においてオペレータによって“192.168.3.102”が選択された後、ステップS225では、オペレータによって接続実行ボタンB1がクリックまたはタッチされることにより端末装置20bにおける接続実行操作が為される。
【0050】
ステップS223,S225での処理に応じて、ステップS227では、端末装置20bは、“192.168.3.102”のアドレス情報を含む接続要求コマンドCRbbを画像読取装置10bへ送信し、接続要求コマンドCRbbに応じて、ステップS229では、制御部12bは、接続応答コマンドREbbを通信部18bを用いて端末装置20bへ送信する。これにより、ステップS231では、端末装置20bと画像読取装置10bとが接続され、画像読取装置10bは端末装置20bによって占有された状態となる。よって、ステップS231では、端末装置20bにおける装置状態情報は、画面Sb22(
図8)から画面Sb23(
図9)に更新され、画面Sb23には、端末装置20bと画像読取装置10bとの接続が完了したことと、画像読取装置10bが端末装置20bによって占有中であることとが表示される。
【0051】
端末装置20bと画像読取装置10bとの接続が完了した後、ステップS233では、端末装置20bは、消灯要求コマンドORbbを画像読取装置10bへ送信する。ステップS233で端末装置20bから画像読取装置10bへ送信される消灯要求コマンドORbbには、画像読取装置10bのアドレス情報である“192.168.3.102“が含まれる。
【0052】
次いで、ステップS235では、制御部12bは、消灯要求コマンドORbbに含まれているアドレス情報が示すIPアドレスが、記憶部14bに記憶されているIPアドレスに一致するため、発光部13bを消灯させる。
【0053】
次いで、ステップS237では、オペレータによって画像読取装置10bに原稿がセットされ読取開始ボタン15bが押下されることにより画像読取装置10bに対して読取開始操作が為される。そして、読取開始操作が為されたときに、読取部16bは、制御部12bからの指示に従って原稿の画像を読み取り、読取画像を制御部12bへ出力する。
【0054】
次いで、ステップS239では、制御部12bは、読取画像を通信部18bへ出力し、通信部18bは、読取画像を端末装置20bへ送信する。
【0055】
また、端末装置20bでの読取画像の受信の完了後、オペレータによって接続解除ボタンB4がクリックまたはタッチされることにより、端末装置20bと画像読取装置10bとの接続が解除される。
【0056】
以上、実施例2について説明した。
【0057】
[実施例3]
<画像処理システムの動作>
図10A及び
図10Bは、本開示の実施例3の画像処理システムの動作例を示す図である。
図11、
図12及び
図13は、本開示の実施例3の端末装置における画面表示例を示す図である。
図10には、ステップS103の処理が行われる時点で、無線LAN30上に、画像読取装置10a,10bの2台の画像読取装置が存在し、ステップS303の処理が行われる時点で、無線LAN30上に、画像読取装置10a,10b,10cの3台の画像読取装置が存在する場合を一例として挙げる。つまり、
図10には、無線LAN30上に画像読取装置10a,10bの画像読取装置が既に存在する状態で、画像読取装置10cが無線LAN30上に増設された場合を一例として挙げる。
図10において、ステップS101~S151の処理は実施例1(
図3)と同一であるため、ステップS101~S151の処理についての説明は省略する。
【0058】
図10のステップS301において端末装置20bにおいて画像読取装置10への接続開始操作が為されると、端末装置20bは、装置情報要求コマンドを画像読取装置10a,10b,10cへ一斉に送信する(ステップS303)。接続開始操作の一例として、端末装置20bにおいて画像読取アプリケーションを起動させる操作が挙げられる。
【0059】
次いで、ステップS305では、制御部12aは、装置情報要求コマンドに応じて、ステップS305時点での画像読取装置10aの装置情報DIabを通信部18aを用いて端末装置20bへ送信する。また、ステップS307では、制御部12bは、装置情報要求コマンドに応じて、ステップS307時点での画像読取装置10bの装置情報DIbbを通信部18bを用いて端末装置20bへ送信する。また、ステップS309では、制御部12cは、装置情報要求コマンドに応じて、ステップS309時点での画像読取装置10cの装置情報DIcbを通信部18cを用いて端末装置20bへ送信する。
【0060】
ここで、
図10には、ステップS301の処理が開始される時点で、画像読取装置10a,10b、10cは何れの端末装置20とも接続されていない場合(つまり、画像読取装置10a,10b、10cは何れの端末装置20にも占有されていない場合)を一例として挙げる。また、
図10には、ステップS301の処理が開始される時点で、画像読取装置10aに“赤色”の発光色が既に割り当てられ、画像読取装置10bに“緑色”の発光色が既に割り当てられている場合を一例として挙げる。一方で、
図10では、ステップS301の処理が開始される時点で、画像読取装置10cには発光色が未だ割り当てられていない。よって、装置情報DIabにおいて、アドレス情報は“192.168.3.101“であり、端末情報は空欄であり、発光色情報は“赤色”である。また、装置情報DIbbにおいて、アドレス情報は“192.168.3.102“であり、端末情報は空欄であり、発光色情報は“緑色”である。また、装置情報DIcbにおいて、アドレス情報は“192.168.3.103“であり、端末情報及び発光色情報は空欄である。このように、制御部12a,12b,12cは、装置情報DIab,DIbb,DIcb内の端末情報を空欄にすることにより、画像読取装置10a,10b,10cが何れの端末装置20とも接続されていないことを端末装置20bへ通知する。
【0061】
ステップS311では、端末装置20bは、装置情報DIcb内の発光色情報が空欄であるため、発光色が未だ割り当てられていない画像読取装置10cに対して発光色を割り当てる。“赤色”の発光色情報を含む装置情報DIabを送信した画像読取装置10aには既に“赤色”の発光色が割当済であり、“緑色”の発光色情報を含む装置情報DIbbを送信した画像読取装置10bには既に“緑色”の発光色が割当済であるため、端末装置20bは、空欄の発光色情報を含む装置情報DIcbを送信した画像読取装置10cに対して赤色及び緑色以外の発光色を割り当てる。端末装置20bは、例えば、画像読取装置10cに対して“黄色”の発光色を割り当てる。
【0062】
次いで、ステップS313では、端末装置20bは、“黄色”を示す割当情報AIbcを画像読取装置10cへ送信する。また、割当情報AIbcには画像読取装置10cのアドレス情報である“192.168.3.103“が含まれる。このようにして、端末装置20bは、“黄色”の割当色を画像読取装置10cに対して指定する。
【0063】
次いで、ステップS315では、制御部12cは、割当情報AIbcに含まれているアドレス情報が示すIPアドレスが、記憶部14cに記憶されているIPアドレスに一致するため、割当情報AIbcに示された割当色である“黄色”を記憶部14cに登録して記憶部14cに記憶させる。
【0064】
次いで、ステップS317では、端末装置20bは、ステップS311で発光色を割り当てた画像読取装置10cへ点灯要求コマンドLRbcを送信する。ステップS317で端末装置20bから画像読取装置10cへ送信される点灯要求コマンドLRbcには、画像読取装置10cのアドレス情報である“192.168.3.103“が含まれる。
【0065】
次いで、ステップS319では、制御部12cは、点灯要求コマンドLRbcに含まれているアドレス情報が示すIPアドレスが、記憶部14cに記憶されているIPアドレスに一致するため、記憶部14cに記憶されている割当色である“黄色”で発光部13cを点灯させる。
【0066】
一方で、ステップS321では、端末装置20bは、ステップS305,S307,S309で受信された装置情報DIと、ステップS311で割り当てた発光色とに基づいて、端末装置20bが有するディスプレイまたはタッチスクリーンに、装置状態情報を表示させる。ステップS321での画面表示例を
図11に示す。
図11において、画面Sb31には、装置状態情報として、画像読取装置10a,10b,10cの各々の自装置アドレスと、画像読取装置10a,10b,10cの各々の接続状態とが、画像読取装置10a,10b,10cの各々の電波強度の降順に、画像読取装置10a,10b,10cの各々の割当色と同一の色で表示される。ステップS303の時点では、画像読取装置10a,10b,10cは何れの端末装置20とも接続されていないため、画面Sb31では、黄色の“192.168.3.103”の自装置アドレスに対応付けて「接続待ち」と黄色で表示され、緑色の“192.168.3.102”の自装置アドレスに対応付けて「接続待ち」と緑色で表示され、赤色の“192.168.3.101”の自装置アドレスに対応付けて「接続待ち」と赤色で表示される。
【0067】
次いで、ステップS323では、端末装置20bは、色情報要求コマンドを画像読取装置10a,10b,10cへ一斉に送信する。色情報要求コマンドは、端末装置20bから所定の時間間隔で定期的に送信される。
【0068】
ステップS325では、制御部12aは、色情報要求コマンドに応じて、ステップS325時点での画像読取装置10aの色情報CIabを通信部18aを用いて端末装置20bへ送信する。また、ステップS327では、制御部12bは、色情報要求コマンドに応じて、ステップS327時点での画像読取装置10bの色情報CIbbを通信部18bを用いて端末装置20bへ送信する。また、ステップS327では、制御部12bは、色情報要求コマンドに応じて、ステップS327時点での画像読取装置10bの色情報CIbbを通信部18bを用いて端末装置20bへ送信する。また、ステップS329では、制御部12cは、色情報要求コマンドに応じて、ステップS329時点での画像読取装置10cの色情報CIcbを通信部18cを用いて端末装置20bへ送信する。色情報CIには、装置情報DIと同様に、アドレス情報と、端末情報と、発光色情報と、電波強度情報とが含まれる。また、ステップS325,S327,S329で画像読取装置10a,10b,10cから端末装置20bへ色情報CIab,CIbb,CIcbが送信される時点で、画像読取装置10aは端末装置20aと既に接続されている一方で(ステップS139)、画像読取装置10b,10cは何れの端末装置20とも接続されていない(つまり、画像読取装置10aは端末装置20aによって占有中である一方で、画像読取装置10b,10cは何れの端末装置20にも占有されていない)。よって、色情報CIabにおいて、アドレス情報は“192.168.3.101“であり、端末情報は“端末装置20a”であり、発光色情報は“赤色”である。また、色情報CIbbにおいて、アドレス情報は“192.168.3.102“であり、端末情報は空欄であり、発光色情報は“緑色”である。また、色情報CIcbにおいて、アドレス情報は“192.168.3.103“であり、端末情報は空欄であり、発光色情報は“黄色”である。このように、制御部12aは、色情報CIab内の端末情報に“端末装置20a”をセットすることにより、画像読取装置10aが端末装置20aと接続中であることを端末装置20bへ通知する。一方で、制御部12b,12cは、色情報CIbb,CIcb内の端末情報を空欄にすることにより、画像読取装置10b,10cが何れの端末装置20とも接続されていないことを端末装置20bへ通知する。
【0069】
次いで、ステップS331では、端末装置20bは、ステップS325,S327,S329で受信された色情報CIに基づいて、端末装置20bが有するディスプレイまたはタッチスクリーンに表示される装置状態情報を更新する。ステップS331での画面表示例を
図12に示す。ステップS331では、端末装置20bにおける装置状態情報は、画面Sb31(
図11)から画面Sb32(
図12)に更新され、画面Sb32では、黄色の“192.168.3.103”の自装置アドレスに対応付けて「接続待ち」と黄色で表示され、緑色の“192.168.3.102”の自装置アドレスに対応付けて「接続待ち」と緑色で表示され、黒色の“192.168.3.101”の自装置アドレスに対応付けて「他ユーザ占有中」と黒色で表示される。
【0070】
次いで、ステップS333,S335では、端末装置20bは、何れの端末装置20とも接続されていない画像読取装置10b,10cへ点灯要求コマンドLRを送信する。ステップS333で端末装置20bから画像読取装置10bへ送信される点灯要求コマンドLRbbには、画像読取装置10bのアドレス情報である“192.168.3.102“が含まれ、ステップS335で端末装置20bから画像読取装置10cへ送信される点灯要求コマンドLRbcには、画像読取装置10cのアドレス情報である“192.168.3.103“が含まれる。
【0071】
次いで、ステップS337では、制御部12bは、点灯要求コマンドLRbbに含まれているアドレス情報が示すIPアドレスが、記憶部14bに記憶されているIPアドレスに一致するため、記憶部14bに記憶されている割当色である“緑色”で発光部13bを点灯させる。また、ステップS339では、制御部12cは、点灯要求コマンドLRbcに含まれているアドレス情報が示すIPアドレスが、記憶部14cに記憶されているIPアドレスに一致するため、記憶部14cに記憶されている割当色である“黄色”で発光部13cを点灯させる。
【0072】
一方で、ステップS341では、オペレータによって、画面Sb32(
図12)を用いて、複数の画像読取装置10の中から接続対象装置が選択される。画面Sb32を用いた接続対象装置の選択は、画面Sb32に表示された自装置アドレスに対するクリック操作またはタッチ操作によって行われる。画面Sb32において、黄色の“192.168.3.103”及び緑色の“192.168.3.102”は「接続待ち」であるため選択可能である一方で、黒色の“192.168.3.101”は「他ユーザ占有中」であるため選択不可である。よって、ここでは、画像読取装置10cの自装置アドレスである“192.168.3.103”がオペレータによって選択されたものとする。
【0073】
また、画面Sb32においてオペレータによって“192.168.3.103”が選択された後、ステップS343では、オペレータによって接続実行ボタンB1がクリックまたはタッチされることにより端末装置20bにおける接続実行操作が為される。
【0074】
ステップS341,S343での処理に応じて、ステップS345では、端末装置20bは、“192.168.3.103”のアドレス情報を含む接続要求コマンドCRbcを画像読取装置10cへ送信し、接続要求コマンドCRbcに応じて、ステップS347では、制御部12cは、接続応答コマンドREcbを通信部18cを用いて端末装置20bへ送信する。これにより、ステップS349では、端末装置20bと画像読取装置10cとが接続され、画像読取装置10cは端末装置20bによって占有された状態となる。よって、ステップS349では、端末装置20bにおける装置状態情報は、画面Sb32(
図12)から画面Sb33(
図13)に更新され、画面Sb33には、端末装置20bと画像読取装置10cとの接続が完了したことと、画像読取装置10cが端末装置20bによって占有中であることとが表示される。
【0075】
端末装置20bと画像読取装置10cとの接続が完了した後、ステップS351では、端末装置20bは、消灯要求コマンドORbcを画像読取装置10cへ送信する。ステップS351で端末装置20bから画像読取装置10cへ送信される消灯要求コマンドORbcには、画像読取装置10cのアドレス情報である“192.168.3.103“が含まれる。
【0076】
次いで、ステップS353では、制御部12cは、消灯要求コマンドORbcに含まれているアドレス情報が示すIPアドレスが、記憶部14cに記憶されているIPアドレスに一致するため、発光部13cを消灯させる。
【0077】
次いで、ステップS355では、オペレータによって画像読取装置10cに原稿がセットされ読取開始ボタン15cが押下されることにより画像読取装置10cに対して読取開始操作が為される。そして、読取開始操作が為されたときに、読取部16cは、制御部12cからの指示に従って原稿の画像を読み取り、読取画像を制御部12cへ出力する。
【0078】
次いで、ステップS357では、制御部12cは、読取画像を通信部18cへ出力し、通信部18cは、読取画像を端末装置20bへ送信する。
【0079】
また、端末装置20bでの読取画像の受信の完了後、オペレータによって接続解除ボタンB4がクリックまたはタッチされることにより、端末装置20bと画像読取装置10cとの接続が解除される。
【0080】
以上、実施例3について説明した。
【0081】
[実施例4]
<画像処理システムの動作>
実施例4では、発光部13が消灯した後に、オペレータが割当色を確認したい場合の画像処理システムの動作について説明する。
図14A及び
図14Bは、本開示の実施例4の画像処理システムの動作例を示す図である。
図14において、ステップS101~S151の処理は実施例1(
図3)と同一であるため、ステップS101~S151の処理についての説明は省略する。
【0082】
発光部13a,13bが消灯した状態で(ステップS145,S147)、ステップS401では、画面Sa12(
図5)においてオペレータによって、端末装置20aが占有中である画像読取装置10aのIPアドレスである“192.168.3.101”(赤色)が選択された後、ステップS403では、オペレータによって点滅ボタンB2がクリックまたはタッチされることにより端末装置20aにおける点滅操作が為される。
【0083】
ステップS401,S403での処理に応じて、ステップS405では、端末装置20aは、“192.168.3.101”のアドレス情報を含む点滅要求コマンドFRaaを画像読取装置10aへ送信する。
【0084】
次いで、ステップS407では、制御部12aは、点滅要求コマンドFRaaに含まれているアドレス情報が示すIPアドレスが、記憶部14aに記憶されているIPアドレスに一致するため、記憶部14aに記憶されている割当色である“赤色”で発光部13aを所定時間だけ点滅させる。
【0085】
また、発光部13a,13bが消灯した状態で(ステップS145,S147)、ステップS409では、画面Sa12(
図5)においてオペレータによって、端末装置20aが占有中である画像読取装置10aのIPアドレスである“192.168.3.101”(赤色)が選択された後、ステップS411では、オペレータによって音出力ボタンB3がクリックまたはタッチされることにより端末装置20aにおける音出力操作が為される。
【0086】
ステップS409,S411での処理に応じて、ステップS413では、端末装置20aは、“192.168.3.101”のアドレス情報を含む音出力要求コマンドSRaaを画像読取装置10aへ送信する。
【0087】
次いで、ステップS415では、制御部12aは、音出力要求コマンドSRaaに含まれているアドレス情報が示すIPアドレスが、記憶部14aに記憶されているIPアドレスに一致するため、音出力部17から所定の音を所定時間だけ出力させる。音出力部17の一例として、スピーカ、ブザー、画像読取装置10が有する原稿搬送機構が挙げられる。音出力部17が原稿搬送機構である場合、制御部12aは、所定時間だけ原稿搬送機構を動作させることにより、原稿搬送機構から機械音を出力させる。
【0088】
以上、実施例4について説明した。
【0089】
[実施例5]
<画像処理システムの動作>
実施例1~4では、端末装置20と画像読取装置10との接続が完了した直後に発光部13を消灯させる場合を一例として説明した。しかし、端末装置20と画像読取装置10との接続が完了した直後に発光部13を消灯させるのではなく、通信部18による読取画像の送信時点から次の読取開始操作が為されることなく所定時間が経過したときに制御部12が発光部を消灯させても良い。
【0090】
以上、実施例5について説明した。
【0091】
以上のように、本開示の画像読取装置(実施例の画像読取装置10,10a,10b,10c)は、端末装置(実施例の端末装置20,20a,20b)と通信可能であり、発光部(実施例の発光部13)と、記憶部(実施例の記憶部14)と、制御部(実施例の制御部12)と、読取部(実施例の読取部16)と、通信部(実施例の通信部18)とを有する。発光部は、複数の色のうちの何れかの色で発光可能である。記憶部は、複数の色のうち自装置に割り当てられた色である割当色と、ネットワーク上の自装置のアドレスである自装置アドレスとを記憶する。制御部は、端末装置に割当色で表示される自装置アドレスを含む発光要求(実施例の点灯要求及び点滅要求)が端末装置から送信されたときに、割当色で発光部を発光させる。読取部は、割当色で発光部が発光した後に読取開始操作が為されたときに、原稿の画像を読み取る。通信部は、読み取られた画像である読取画像を送信する。
【0092】
こうすることで、オペレータは、端末装置に表示される自装置アドレスの色と、画像読取装置の発光部の点灯色との一致に基づいて各々の画像読取装置を区別することが可能になるため、設置されている複数台の画像読取装置の中から原稿の画像の読取を行う画像読取装置を視覚で直感的に判別することができる。
【0093】
また、本開示の画像読取装置は音出力部(実施例の音出力部17)を有し、制御部は、自装置アドレスを含む音出力要求が端末装置から送信されたときに、音出力部から所定の音を出力させる。
【0094】
こうすることで、オペレータは、所定の音を出力した画像読取装置が原稿の画像の読取を行う画像読取装置であると聴覚で直感的に判別することができる。
【0095】
また、制御部は、端末装置から指定される割当色を記憶部に登録する。
【0096】
こうすることで、複数台の画像読取装置の間で割当色が互いに重複してしまうことを防止できる。
【0097】
また、制御部は、自装置アドレスを含む消灯要求が端末装置から送信されたときに、発光部を消灯させる。また、制御部は、読取画像の送信時点から次の読取開始操作が為されることなく所定時間が経過したときに、発光部を消灯させる。
【0098】
こうすることで、発光部の発光による無駄な消費電力を抑制できる。
【0099】
また、制御部は、自装置が端末装置と接続中であることを他の端末装置へ通知する。
【0100】
こうすることで、原稿の画像の読取を行う画像読取装置として自装置を選択することができないことを他の端末装置のオペレータに知らせることができる。
【符号の説明】
【0101】
1 画像処理システム
10,10a,10b,10c 画像読取装置
20,20a,20b 端末装置
11 発光制御装置
12 制御部
13 発光部
14 記憶部
15 読取開始ボタン
16 読取部
17 音出力部
18 通信部