(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170889
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】高周波モジュール
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20231124BHJP
H01L 25/04 20230101ALI20231124BHJP
【FI】
H01L23/12 301C
H01L25/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022082974
(22)【出願日】2022-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】000000572
【氏名又は名称】アンリツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003694
【氏名又は名称】弁理士法人有我国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤田 卓
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 靖雄
(57)【要約】
【課題】MMICなどの半導体ICにビアホールを形成することなく、半導体ICにおける使用周波数帯域内での基板モードの発生を抑制できる高周波モジュールを提供する。
【解決手段】半導体基板21の表面側に機能素子部22が形成されてなる半導体IC20と、半導体IC20を内部に収容する筐体10と、を備え、筐体10は、半導体IC20が実装される金属製のIC実装部14を有し、IC実装部14の表面側に少なくとも1つの筐体凹部17が形成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板(21)の表面側に機能素子部(22)が形成されてなる半導体IC(20)と、
前記半導体ICを内部に収容する筐体(10)と、を備える高周波モジュール(1)であって、
前記筐体は、前記半導体ICが実装される金属製のIC実装部(14)を有し、
前記IC実装部における前記半導体ICが実装される表面側に少なくとも1つの筐体凹部(17)が形成されたことを特徴とする高周波モジュール。
【請求項2】
前記筐体凹部に電波吸収体(19)が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の高周波モジュール。
【請求項3】
前記半導体ICの平面視における形状が長方形であり、
前記筐体凹部は、前記半導体ICの平面視におけるいずれかの辺に平行な方向に延びることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の高周波モジュール。
【請求項4】
前記筐体凹部の平面視における形状が長方形又は楕円形であることを特徴とする請求項3に記載の高周波モジュール。
【請求項5】
前記IC実装部の表面側に、深さの異なる複数の前記筐体凹部が形成されたことを特徴とする請求項3に記載の高周波モジュール。
【請求項6】
前記半導体ICが、モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の高周波モジュール。
【請求項7】
半導体基板(21)の表面側に機能素子部(22)が形成されてなる半導体IC(20)と、
表面接地導体(72)上に前記半導体ICが実装されるIC実装用基板(70)と、
前記半導体IC及び前記IC実装用基板を内部に収容する筐体(10)と、を備える高周波モジュール(2)であって、
前記筐体は、前記半導体ICが実装された前記IC実装用基板が実装される金属製のIC実装部(14)を有し、
前記IC実装用基板は、誘電体基板(71)と、前記誘電体基板の表面に設けられた前記表面接地導体と、前記誘電体基板の裏面に設けられた裏面接地導体(73)と、前記表面接地導体と前記裏面接地導体を電気的に接続する少なくとも1つの導通ビアホール(74)と、を含み、
前記IC実装部と前記IC実装用基板の前記裏面接地導体とが電気的に接続されるように、前記IC実装用基板が前記IC実装部に実装され、
前記IC実装部における前記IC実装用基板が実装される表面側に少なくとも1つの筐体凹部が形成され、
前記表面接地導体には、平面視における前記筐体凹部と重なる位置に、導体が形成されていない導体除去部(75)が設けられていることを特徴とする高周波モジュール。
【請求項8】
複数の前記筐体凹部が前記IC実装部に形成されている場合、隣り合う前記筐体凹部の間隔が、前記半導体ICの動作周波数帯域の波長の1/4倍程度であることを特徴とする請求項1又は請求項7に記載の高周波モジュール。
【請求項9】
前記筐体凹部の幅又は長さが、前記半導体ICの動作周波数帯域の波長の1/4倍程度であることを特徴とする請求項1又は請求項7に記載の高周波モジュール。
【請求項10】
前記筐体凹部の深さが、数μmから前記半導体ICの動作周波数帯域の波長の1/100~1/10倍程度であることを特徴とする請求項1又は請求項7に記載の高周波モジュール。
【請求項11】
前記誘電体基板の表面側において、平面視における前記筐体凹部と重なる位置に基板凹部(76)が形成されたことを特徴とする請求項7に記載の高周波モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波モジュールに関し、特に、ミリ波帯のIC(Integrated Circuit)を実装搭載した高周波モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
ミリ波帯の半導体ICを実現する場合、ICチップの幅、長さ、及び厚さ寸法を、使用する周波数帯域の波長に対して十分小さくしないと、本来の信号伝搬路である配線での伝搬モード以外の不要な伝搬モード(以下、「基板モード」とも呼ぶ)が発生する。従来、基板モードの発生に起因する高周波特性の劣化を防ぐために、半導体IC内に複数のビアホールを設けることが行われている。
【0003】
例えば、
図10に示すように、コンタクト81、エアブリッジ82,83、コイル84、薄膜抵抗85、高電子移動度トランジスタ86などのような複数の回路コンポーネントが、半導体基板87の上面に形成された集積回路80が知られている(例えば、特許文献1参照)。集積回路80は、半導体基板87の裏面から基板内に達する複数のバイア(ビア)を含む。
【0004】
複数のバイアのいくつかは、半導体基板87を完全に通って延びるバイア88であり、半導体基板87の上面の回路コンポーネントと電気的コンタクトを作るようになっている。複数のバイアのいくつかは、半導体基板87の途中まで延びるバイア89であり、半導体基板87の上面の回路コンポーネントの反対側に配置され、半導体基板87の少なくとも半分まで延びることを特徴とする。半導体基板87での基板モードを抑制するのに必要なバイア89の数は、シミュレーションに基づいて決定される。
【0005】
また、モノリシックマイクロ波集積回路(Microwave Monolithic Integrated Circuit:MMIC)内に複数のビアホールを設けることで、基板モードの伝搬に関与する基板領域を削減して、基板モードの発生を抑圧する技術が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】H. Hamada, T. Tsutsumi, H. Sugiyama, H. Matsuzaki, H.-J. Song, G. Itami, T. Fujimura, I. Abdo, K. Okada, and H. Nosaka, "Millimeter-wave InP Device Technologies for Ultra-high Speed Wireless Communications toward Beyond 5G", 2019 IEEE International Electron Devices Meeting (IEDM)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、MMICなどの半導体IC内部に多くのビアホールを設けると、半導体ICに対して追加加工が必要となり、部品加工費が増加するという課題がある。また、半導体IC内部に多くのビアホールを設けると、半導体ICを筐体に実装して動作させる場合に、筐体との熱膨張の差による応力で半導体ICにクラックが発生し、信頼性劣化の原因となるという課題がある。
【0009】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであって、MMICなどの半導体ICにビアホールを形成することなく、半導体ICにおける使用周波数帯域内での基板モードの発生を抑制できる高周波モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明に係る高周波モジュールは、半導体基板の表面側に機能素子部が形成されてなる半導体ICと、前記半導体ICを内部に収容する筐体と、を備える高周波モジュールであって、前記筐体は、前記半導体ICが実装される金属製のIC実装部を有し、前記IC実装部における前記半導体ICが実装される表面側に少なくとも1つの筐体凹部が形成された構成である。
【0011】
この構成により、本発明に係る高周波モジュールは、金属製のIC実装部における半導体ICが実装される表面側に少なくとも1つの筐体凹部が形成されているため、基板モードの周波数を制御して使用周波数帯域外に変更することができる。これにより、本発明に係る高周波モジュールは、MMICなどの半導体ICにビアホールを形成することなく、半導体ICにおける使用周波数帯域内での基板モードの発生を抑制することができる。
【0012】
すなわち、本発明に係る高周波モジュールは、半導体ICにおけるビアホール形成が不要であるため、部品加工費を削減できるとともに、IC実装部との熱膨張の差による応力で半導体ICにクラックが発生して信頼性が劣化することを防ぐことができる。
【0013】
また、本発明に係る高周波モジュールは、前記筐体凹部に電波吸収体が配置されている構成であってもよい。
【0014】
この構成により、本発明に係る高周波モジュールは、筐体凹部に電波吸収体が配置されているため、基板モードの周波数を制御して使用周波数帯域外に変更した上で、更に基板モードを吸収することができる。
【0015】
また、本発明に係る高周波モジュールは、前記半導体ICの平面視における形状が長方形であり、前記筐体凹部は、前記半導体ICの平面視におけるいずれかの辺に平行な方向に延びる構成であってもよい。
【0016】
また、本発明に係る高周波モジュールは、前記筐体凹部の平面視における形状が長方形又は楕円形である構成であってもよい。
【0017】
また、本発明に係る高周波モジュールは、前記IC実装部の表面側に、深さの異なる複数の前記筐体凹部が形成された構成であってもよい。
【0018】
これらの構成により、本発明に係る高周波モジュールは、筐体凹部の形状、位置、及び数を適切に設定することで、使用周波数帯域内での基板モードの発生を抑制することができる。
【0019】
また、本発明に係る高周波モジュールは、前記半導体ICが、モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)である構成であってもよい。
【0020】
また、本発明に係る高周波モジュールは、半導体基板の表面側に機能素子部が形成されてなる半導体ICと、表面接地導体上に前記半導体ICが実装されるIC実装用基板と、前記半導体IC及び前記IC実装用基板を内部に収容する筐体と、を備える高周波モジュールであって、前記筐体は、前記半導体ICが実装された前記IC実装用基板が実装される金属製のIC実装部を有し、前記IC実装用基板は、誘電体基板と、前記誘電体基板の表面に設けられた前記表面接地導体と、前記誘電体基板の裏面に設けられた裏面接地導体と、前記表面接地導体と前記裏面接地導体を電気的に接続する少なくとも1つの導通ビアホールと、を含み、前記IC実装部と前記IC実装用基板の前記裏面接地導体とが電気的に接続されるように、前記IC実装用基板が前記IC実装部に実装され、前記IC実装部における前記IC実装用基板が実装される表面側に少なくとも1つの筐体凹部が形成され、前記表面接地導体には、平面視における前記筐体凹部と重なる位置に、導体が形成されていない導体除去部が設けられている構成である。
【0021】
この構成により、本発明に係る高周波モジュールは、半導体ICが実装されるIC実装用基板がIC実装部の表面に設けられており、IC実装用基板の表面接地導体において、平面視における筐体凹部と重なる位置に、導体が形成されていない導体除去部が設けられた構成である。これにより、本発明に係る高周波モジュールは、MMICなどの半導体ICにビアホールを形成することなく、基板モードの周波数を制御して使用周波数帯域外に変更して、半導体ICにおける使用周波数帯域内での基板モードの発生を抑制することができる。
【0022】
また、本発明に係る高周波モジュールは、複数の前記筐体凹部が前記IC実装部に形成されている場合、隣り合う前記筐体凹部の間隔が、前記半導体ICの動作周波数帯域の波長の1/4倍程度である構成であってもよい。
【0023】
また、本発明に係る高周波モジュールは、前記筐体凹部の幅又は長さが、前記半導体ICの動作周波数帯域の波長の1/4倍程度である構成であってもよい。
【0024】
また、本発明に係る高周波モジュールは、前記筐体凹部の深さが、数μmから前記半導体ICの動作周波数帯域の波長の1/100~1/10倍程度である構成であってもよい。
【0025】
また、本発明に係る高周波モジュールは、前記誘電体基板の表面側において、平面視における前記筐体凹部と重なる位置に基板凹部が形成された構成であってもよい。
【0026】
この構成により、本発明に係る高周波モジュールは、IC実装用基板の誘電体基板の表面側において、平面視における筐体凹部と重なる位置に基板凹部が形成された構成であってもよい。これにより、本発明に係る高周波モジュールは、筐体凹部、導体除去部、及び基板凹部の形状、位置、及び数を適切に設定することで、使用周波数帯域内での基板モードの発生を抑制することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明は、MMICなどの半導体ICにビアホールを形成することなく、半導体ICにおける使用周波数帯域内での基板モードの発生を抑制できる高周波モジュールを提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】(a)は本発明の第1の実施形態に係る高周波モジュールの構造を示す上面図であり、(b)は本発明の第1の実施形態に係る高周波モジュールの構造を示す部分断面図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係る高周波モジュールの筐体凹部の一例を示す上面図である。
【
図3】(a)はIC実装部に筐体凹部が形成されていない場合の高周波モジュールの通過損失S
21のシミュレーション結果を示すグラフであり、(b)はIC実装部に
図2の筐体凹部が形成されている場合の高周波モジュールの通過損失S
21のシミュレーション結果を示すグラフである。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る高周波モジュールの筐体凹部の他の例を示す上面図である。
【
図5】(a)はIC実装部に筐体凹部が形成されていない場合の高周波モジュールの通過損失S
21のシミュレーション結果を示すグラフであり、(b)はIC実装部に
図4の筐体凹部が形成されている場合の高周波モジュールの通過損失S
21のシミュレーション結果を示すグラフである。
【
図6】本発明の第1の実施形態に係る高周波モジュールの要部の断面図である。
【
図7】本発明の第1の実施形態に係る高周波モジュールの筐体凹部の他の例を示す上面図であって、(a)は平面視における形状が長方形である2つの筐体凹部が半導体ICの短辺に平行な方向に延びて設けられる例を示しており、(b)は平面視における形状が、長方形の角に丸みを設けた形状又は楕円形である3つの筐体凹部が半導体ICの短辺に平行な方向に延びて設けられる例を示しており、(c)は平面視における形状が長方形又は正方形である1つの筐体凹部が半導体ICの短辺及び長辺に平行に設けられる例を示しており、(d)は平面視における形状が長方形又は正方形である4つの筐体凹部が半導体ICの短辺及び長辺に平行に設けられる例を示しており、(e)は平面視における形状が円形又は楕円形である5つの筐体凹部がIC実装部に設けられる例を示しており、(f)は平面視における形状が半導体ICの短辺及び長辺に平行である長方形又は正方形の領域に4つの突起部と1つの筐体凹部が設けられる例を示しており、(g)は平面視における形状が長方形又は正方形である5つの筐体凹部が半導体ICの短辺及び長辺に平行に設けられる例を示しており、(h)は平面視における形状が半導体ICの短辺及び長辺に平行である長方形又は正方形の領域に、深さの異なる3つの筐体凹部が設けられる例を示している。
【
図8】本発明の第1の実施形態に係る高周波モジュールの筐体凹部に電波吸収体が配置された例を示す上面図である。
【
図9】(a)は本発明の第2の実施形態に係る高周波モジュールにおけるIC実装用基板の上面図であり、(b)及び(c)は本発明の第2の実施形態に係る高周波モジュールの要部の断面図である。
【
図10】従来の集積回路の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明に係る高周波モジュールの実施形態について、図面を用いて説明する。本発明の高周波モジュールは、例えばWR-3帯域(220GHz~320GHz)を通過帯域とするWR-3方形導波管に同軸ケーブルを介して接続されるようになっている。
【0030】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態に係る高周波モジュールの構成について、
図1(a)及び(b)並びに
図2を参照しながら説明する。
図1(a)及び(b)は、本実施形態の高周波モジュール1の上面図及び部分断面図である。
図2は、本実施形態の高周波モジュール1の要部の上面図である。
【0031】
図1(a),(b)及び
図2に示すように、高周波モジュール1は、筐体10と、半導体IC20、入出力信号を伝送する入出力基板30,40、半導体IC20の電源回路である単板コンデンサ50、電源基板51、SMT(Surface Mount Technology)部品52、電源端子53、及び、各部品同士を電気的に接続するワイヤ60と、を備えて構成したものである。
【0032】
筐体10は、半導体IC20、入出力基板30,40、単板コンデンサ50、電源基板51、SMT部品52、電源端子53、及びワイヤ60を内部に収容するようになっている。筐体10は、4つの側壁10a,10b,10c,10d、並びに底壁10eを有する。側壁10a,10bは、筐体10の幅方向に延びており、互いに対向している。側壁10c,10dは、筐体10の長手方向に延びており、互いに対向している。4つの側壁10a~10dは、底壁10eに立設している。
【0033】
筐体10は、全体が金属製であってもよく、少なくとも底壁10eが金属製であってもよい。底壁10eは、高周波グランド(RFグランド)に接続されるようになっている。筐体10全体、又は、底壁10eを構成する金属は、例えばアルミニウムや真鍮である。
【0034】
また、側壁10a~10dには、蓋部材11を筐体10の上部に取り付けるためのねじ穴12が形成されている。蓋部材11は、4つのねじ穴12に挿通される4つのねじ13により、筐体10の上部に固定されるようになっている。筐体10が蓋部材11で塞がれることにより、筐体10の内部が気密封止される。なお、
図1(a)では、蓋部材11の図示を省略している。
【0035】
また、筐体10は、半導体IC20が実装されるIC実装部14と、入出力基板30,40がそれぞれ実装される基板実装部15,16と、を底壁10eに有している。IC実装部14における半導体IC20が実装される表面側には、半導体IC20の実効的な共振器長を変更して、基板モードの周波数を使用周波数帯域(例えば、WR-3帯域)外に変更するための少なくとも1つの筐体凹部17が形成されている。
【0036】
電源端子53は、側壁10cの一部に設けられており、電源基板51の電源配線54に接続されている。電源基板51は、電源端子53を介して高周波モジュール1の外部から供給される電力を、単板コンデンサ50に好適な電圧に変換して供給するようになっている。SMT部品52は、電源基板51に表面実装される各種電子部品である。
【0037】
入出力基板30,40は、例えば、マイクロストリップ線路構造を成すものである。入出力基板30は、誘電体基板31と、誘電体基板31の表面に設けられた配線32と、誘電体基板31の裏面に設けられた接地導体33と、を含んでなる。同様に、入出力基板40は、誘電体基板41と、誘電体基板41の表面に設けられた配線42と、誘電体基板41の裏面に設けられた接地導体43と、を含んでなる。なお、入出力基板30,40は、マイクロストリップ線路構造に限定されず、コプレーナ線路構造又はグランデッドコプレーナ線路構造などの任意の線路構造を成すものであってもよい。誘電体基板31,41は、例えばGaAsなどからなる半導体基板、アルミナ基板、樹脂製の基板、又は石英ガラス基板などの基板である。
【0038】
基板実装部15,16と入出力基板30,40の各接地導体33,43との電気的な接続は、例えば、各接地導体33,43が、導電性の接着剤により基板実装部15,16に貼り付けられることによって実現できる。
【0039】
半導体IC20は、例えばミリ波帯に対応したMMICであり、半導体基板21と、半導体基板21の表面側に形成された機能素子部22と、半導体基板21の表面に設けられた信号電極23と、半導体基板21の表面に設けられた接地電極24と、半導体基板21の裏面に設けられた接地導体25と、を有する。半導体基板21は、例えばGaAs、GaN、InP、又はSiなどの任意の半導体材料からなるものであってよい。
【0040】
半導体IC20は、例えば増幅器、周波数変換器として機能する。半導体IC20の平面視における形状は例えば長方形であり、半導体IC20の幅は、例えば1mm~1.5mm程度である。機能素子部22は、例えば、トランジスタ、ダイオード、抵抗、キャパシタ、及びインダクタのうちの少なくとも1種以上の半導体素子を含む。
【0041】
半導体IC20の信号電極23は、例えばワイヤ60によって、入出力基板30,40の配線32,42に電気的に接続される。また、半導体IC20の接地電極24は、例えばボンディングワイヤやビアホールなどを介した層間接続によって、入出力基板30,40の接地導体33,43や、筐体10のIC実装部14に電気的に接続される。また、半導体IC20の接地導体25は、筐体10のIC実装部14に電気的に接続される。
【0042】
IC実装部14と接地導体25との電気的な接続は、例えば、接地導体25が、導電性の接着剤によりIC実装部14に貼り付けられることによって実現できる。接地導体25は、筐体10のIC実装部14を介して少なくともRFグランドに接続されていればよく、バイアス電圧が印加される構成となっていてもよい。
【0043】
筐体凹部17は、ワイヤ60を半導体IC20の信号電極23や接地電極24にワイヤボンディングする位置には設けられないことが望ましい。これは、ワイヤボンディング箇所の真下に空隙があると、ワイヤボンディング時の超音波振動が各電極に伝わりにくくなり、ワイヤ60の各電極への接続が困難になるためである。
【0044】
半導体IC20の信号電極23及び接地電極24と入出力基板30,40の配線32,42の上面の高さが同じになるように、IC実装部14と基板実装部15,16の上面の高さには差が設けられていることが好ましい。半導体IC20の信号電極23及び接地電極24と入出力基板30,40の配線32,42の上面の高さが等しければ、これらの電極と配線とを電気的に接続するワイヤ60の長さを短くできるため、通過損失などの周波数特性の劣化を低減することができる。
【0045】
側壁10a,10bには、同軸コネクタ61,62が取り付けられている。入出力基板30,40は、筐体10の底壁10eの上に固定された状態で、その表面に形成された配線32,42の一端側を同軸コネクタ61,62の各中心ピン61a,62aにそれぞれ半田63により接続されている。また、配線32,42の他端側と半導体IC20の信号電極23との間がワイヤ60によりそれぞれ接続されている。
【0046】
同軸コネクタ61は、例えば、高周波信号を出力する信号源に同軸ケーブルを介して接続される。また、同軸コネクタ62は、例えばWR-3帯域を通過帯域とするWR-3方形導波管に同軸ケーブルを介して接続されるようになっている。
【0047】
上記の構成により、同軸コネクタ61に入力された高周波信号は、半導体IC20で信号処理された後に、同軸コネクタ62から出力されて、不図示の同軸-導波管変換器を介してWR-3方形導波管の中を伝搬する。
【0048】
図2は、平面視における形状が長方形である3つの筐体凹部17a~17cが、IC実装部14に実装される半導体IC20の平面視における短辺に平行な方向に延びて設けられる例を示している。
【0049】
IC実装部14の幅及び長さは、それぞれ0.56mm及び0.84mmである。3つの筐体凹部17a~17cの幅及び深さは、いずれも0.46mm及び0.01mmである。筐体凹部17a,17cの長さは、いずれも0.17mmである。筐体凹部17bの長さは、0.20mmである。また、3つの筐体凹部17a~17cは、IC実装部14の両長辺から幅方向に0.05mm内側にある。
【0050】
筐体凹部17aは、IC実装部14の入出力基板30側の短辺から長さ方向に0.05mm内側にある。筐体凹部17cは、IC実装部14の入出力基板40側の短辺から長さ方向に0.05mm内側にある。筐体凹部17aと筐体凹部17bとの長さ方向の間隔、並びに、筐体凹部17bと筐体凹部17cとの長さ方向の間隔は、いずれも0.10mmである。
【0051】
図3(a)は、IC実装部14に筐体凹部17が形成されていない(筐体凹部なしの)高周波モジュールの通過損失S
21のシミュレーション結果を示すグラフである。一方、
図3(b)は、IC実装部14に
図2に示したサイズの筐体凹部17が形成されている(筐体凹部ありの)本実施形態の高周波モジュール1の通過損失S
21のシミュレーション結果を示すグラフである。
【0052】
図3(a)に示すように、筐体凹部なしの構成では、240GHz~250GHz及び300GHz~310GHzに基板モードが発生し、通過損失S
21が大きくなる特性が見られる。これに対して、
図3(b)に示すように、
図2に示す筐体凹部17ありの構成は、通過損失S
21が使用周波数帯域にわたってなだらかに変化する良好な特性を実現できる。これは、IC実装部14に筐体凹部17を設けたことで、半導体IC20の内部だけでなく、筐体凹部17の空間の中を高周波の電波が通るようになったことにより、半導体IC20の実効的な共振器長が変化して、半導体IC20内で基板モードが発生することを防ぐことができたためと考えられる。
【0053】
図4は、平面視における形状が長方形である2つの筐体凹部17d,17eが、IC実装部14に実装される半導体IC20の平面視における長辺に平行な方向に延びて設けられる例を示している。
【0054】
IC実装部14の幅及び長さは、それぞれ0.56mm及び0.84mmである。筐体凹部17d,17eの幅及び深さは、いずれも0.18mm及び0.01mmである。筐体凹部17d,17eの長さは、いずれも0.74mmである。また、筐体凹部17d,17eは、IC実装部14の両長辺から幅方向に0.05mm内側にあるとともに、IC実装部14の両短辺から幅方向に0.05mm内側にある。筐体凹部17dと筐体凹部17eとの幅方向の間隔は、0.10mmである。
【0055】
図5(a)は、IC実装部14に筐体凹部17が形成されていない(筐体凹部なしの)高周波モジュールの通過損失S
21のシミュレーション結果を示すグラフであり、
図3(a)に示したグラフと同一である。一方、
図5(b)は、IC実装部14に
図4に示したサイズの筐体凹部17が形成されている(筐体凹部ありの)本実施形態の高周波モジュール1の通過損失S
21のシミュレーション結果を示すグラフである。
【0056】
図5(a)に示すように、筐体凹部なしの構成では、240GHz~250GHz及び300GHz~310GHzに基板モードが発生し、通過損失S
21が大きくなる特性が見られる。これに対して、
図5(b)に示すように、
図4に示す筐体凹部17ありの構成は、これらの基板モードの周波数を230GHz以下及び310GHz以上に移動させることで良好な特性を実現できる。
【0057】
なお、
図1(b)には、半導体IC20の信号電極23及び接地電極24と入出力基板30,40の配線32,42の上面の高さを合わせるために、IC実装部14と基板実装部15,16の上面の高さに差を設ける例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、
図6に示すように、IC実装部14と基板実装部15,16の上面の高さを同一とし、IC実装部14に筐体凹部17を設けることで基板モードの発生を防ぐようにしてもよい。
【0058】
また、以上の説明では、筐体凹部17は半導体IC20の平面視における辺に対して平行に設けられるとしたが、筐体凹部17は半導体IC20の平面視における辺に対して斜めに設けられてもよい。
【0059】
また、以上の説明では筐体凹部17の平面視における形状が長方形である例を示したが、本発明はこれに限定されず、筐体凹部17の形状、位置、及び数は、使用周波数帯域内での基板モードの発生を抑制できる形状、位置、及び数であればいかなるものであってもよい。
図7(a)~(h)に筐体凹部17の平面視における形状の他の例を示す。
【0060】
図7(a)は、平面視における形状が長方形である2つの筐体凹部17が、IC実装部14に実装される半導体IC20の平面視における短辺に平行な方向に延びて設けられる例を示している。
【0061】
図7(b)は、平面視における形状が長方形の角に丸みを設けた形状又は楕円形である3つの筐体凹部17が、IC実装部14に実装される半導体IC20の平面視における短辺に平行な方向に延びて設けられる例を示している。
【0062】
図7(c)は、平面視における形状が長方形又は正方形である1つの筐体凹部17が、IC実装部14に実装される半導体IC20の平面視における短辺及び長辺に平行に設けられる例を示している。
【0063】
図7(d)は、平面視における形状が長方形又は正方形である4つの筐体凹部17が、IC実装部14に実装される半導体IC20の平面視における短辺及び長辺に平行に設けられる例を示している。
【0064】
図7(e)は、平面視における形状が円形又は楕円形である5つの筐体凹部17が、IC実装部14に設けられる例を示している。
【0065】
図7(f)は、平面視における形状が、IC実装部14に実装される半導体IC20の平面視における短辺及び長辺に平行である長方形又は正方形の領域に、4つの突起部18と、4つの突起部18を取り囲む1つの筐体凹部17が設けられる例を示している。例えば、突起部18の上面と、IC実装部14の他の箇所の上面とは面一である。
【0066】
図7(g)は、平面視における形状が長方形又は正方形である5つの筐体凹部17が、IC実装部14に実装される半導体IC20の平面視における短辺及び長辺に平行に設けられる例を示している。中央の筐体凹部17の4つの角には、他の筐体凹部17の角が接しており、5つの筐体凹部17全体で市松模様のようなパターンを成している。
【0067】
図7(h)は、平面視における形状が、IC実装部14に実装される半導体IC20の平面視における短辺及び長辺に平行である長方形又は正方形の領域に、2つの筐体凹部17と、2つの筐体凹部17に挟まれた1つの筐体凹部17が設けられる例を示している。例えば、中央の筐体凹部17の深さは、他の2つの筐体凹部17の深さよりも浅いか又は深くなっている。あるいは、3つの筐体凹部17の全ての深さが異なっていてもよい。
【0068】
筐体凹部17の内部は空気で満たされていてもよいが、例えば
図8に示すように、基板モードの周波数の電波を吸収する電波吸収体19が筐体凹部17の内部の少なくとも一部に配置されてもよい。あるいは、誘電体が筐体凹部17の内部の少なくとも一部に配置されてもよい。誘電体を筐体凹部17に配置することにより、実効的な共振器長を変更して、基板モードの周波数を変更することができる。
【0069】
なお、複数の筐体凹部17がIC実装部14に形成されている場合、隣り合う筐体凹部17の間隔は、例えば半導体IC20の動作周波数帯域(使用周波数帯域)の波長の1/4倍程度であってもよい。また、各筐体凹部17の幅又は長さは、例えば半導体IC20の動作周波数帯域の波長の1/4倍程度であってもよい。また、各筐体凹部17の深さは、例えば数μmから半導体IC20の動作周波数帯域の波長の1/100~1/10倍程度までであってもよい。
【0070】
なお、以上の説明では、同軸コネクタや同軸ケーブルで導波管との接続を行う例を示したが、MMIC上や配線に導波管との変換部を設けて同軸コネクタや同軸ケーブルを用いない構成としてもよいことは言うまでもない。
【0071】
以上説明したように、本実施形態に係る高周波モジュール1は、金属製のIC実装部14における半導体IC20が実装される表面側に少なくとも1つの筐体凹部17が形成されているため、基板モードの周波数を制御して使用周波数帯域外に変更することができる。これにより、本実施形態に係る高周波モジュール1は、MMICなどの半導体IC20にビアホールを形成することなく、半導体IC20における使用周波数帯域内での基板モードの発生を抑制することができる。
【0072】
すなわち、本実施形態に係る高周波モジュール1は、半導体IC20におけるビアホール形成が不要であるため、部品加工費を削減できるとともに、IC実装部14との熱膨張の差による応力で半導体IC20にクラックが発生して信頼性が劣化することを防ぐことができる。
【0073】
また、本実施形態に係る高周波モジュール1は、筐体凹部17に電波吸収体19が配置されているため、基板モードの周波数を制御して使用周波数帯域外に変更した上で、更に基板モードを吸収することができる。
【0074】
また、本実施形態に係る高周波モジュール1は、筐体凹部17の形状、位置、及び数を適切に設定することで、使用周波数帯域内での基板モードの発生を抑制することができる。
【0075】
(第2の実施形態)
続いて、本発明の第2の実施形態に係る高周波モジュール2について、
図9(a)~(c)を参照しながら説明する。
図9(a)は、本実施形態の高周波モジュール2におけるIC実装用基板70の上面図である。
図9(b)及び(c)は、本実施形態の高周波モジュール2の要部の断面図である。なお、第1の実施形態と同様の構成及び動作については適宜説明を省略する。
【0076】
図9(b)に示すように、本実施形態の高周波モジュール2は、第1の実施形態の高周波モジュール1の構成に加えて、表面接地導体72上に半導体IC20が実装されるIC実装用基板70が、IC実装部14と半導体IC20の間に設けられている。
【0077】
すなわち、本実施形態においては、筐体10は、半導体IC20、IC実装用基板70、入出力基板30,40、単板コンデンサ50、電源基板51、SMT部品52、電源端子53、及びワイヤ60を内部に収容するようになっている。また、筐体10のIC実装部14は、半導体IC20が実装されたIC実装用基板70を実装するようになっている。
【0078】
筐体凹部17は、第1の実施形態と同様に、使用周波数帯域内での基板モードの発生を抑制できる形状、位置、及び数で、IC実装部14におけるIC実装用基板70が実装される表面側に形成されていればよい。
【0079】
図9(a)及び(b)に示すように、IC実装用基板70は、誘電体基板71と、誘電体基板71の表面に設けられた表面接地導体72と、誘電体基板71の裏面に設けられた裏面接地導体73と、表面接地導体72と裏面接地導体73を電気的に接続する少なくとも1つの導通ビアホール74と、を含んでなる。誘電体基板71は、例えばGaAsなどからなる半導体基板、アルミナ基板、樹脂製の基板、又は石英ガラス基板などの基板である。
【0080】
導通ビアホール74は、誘電体基板71の表面から裏面に貫通するように、誘電体基板71をドリルやレーザ等で穴開けすることによって形成される。導通ビアホール74の穴の断面形状は、円、楕円、正方形、又は長方形などの任意の形状であってよい。導通ビアホール74は、その内壁面に金や銅などの導電性材料が蒸着されるか、あるいは、導電性材料が埋め込まれることにより、表面接地導体72と裏面接地導体73を導通させるようになっている。
【0081】
表面接地導体72には、平面視における筐体凹部17と重なる位置に、導体が形成されていない導体除去部75が設けられている。導体除去部75の真下に存在する誘電体基板71の部分と、筐体凹部17内部の空気層との組合せは、半導体IC20の実効的な共振器長を変更して、基板モードの周波数を使用周波数帯域外に変更するように機能する。なお、基板モードの周波数を使用周波数帯域外に変更できる構成であれば、導体除去部75は平面視における筐体凹部17と同じ位置に配置されていてもいなくてもよい。
【0082】
さらに、
図9(c)に示すように、誘電体基板71の表面側において、平面視における筐体凹部17と重なる位置に基板凹部76が形成されていてもよい。この場合には、基板凹部76内部の空気層、導体除去部75の真下に存在する誘電体基板71の部分、及び筐体凹部17内部の空気層の組合せが、半導体IC20の実効的な共振器長を変更して、基板モードの周波数を使用周波数帯域外に変更するように機能する。なお、基板モードの周波数を使用周波数帯域外に変更できる構成であれば、基板凹部76は平面視における筐体凹部17と同じ位置に配置されていてもいなくてもよい。
【0083】
IC実装用基板70は、裏面接地導体73とIC実装部14が電気的に接続されるように、IC実装部14に実装される。IC実装部14とIC実装用基板70の裏面接地導体73との電気的な接続は、例えば、IC実装用基板70の裏面接地導体73が、導電性の接着剤によりIC実装部14に貼り付けられることによって実現できる。また、IC実装用基板70の表面接地導体72と半導体IC20の接地導体25との電気的な接続は、例えば、半導体IC20の接地導体25が、導電性の接着剤によりIC実装用基板70の表面接地導体72に貼り付けられることによって実現できる。
【0084】
以上説明したように、本実施形態に係る高周波モジュール2は、半導体IC20が実装されるIC実装用基板70がIC実装部14の表面に設けられており、IC実装用基板70の表面接地導体72において、平面視における筐体凹部17と重なる位置に、導体が形成されていない導体除去部75が設けられた構成である。これにより、本実施形態に係る高周波モジュール2は、MMICなどの半導体IC20にビアホールを形成することなく、基板モードの周波数を制御して使用周波数帯域外に変更して、半導体IC20における使用周波数帯域内での基板モードの発生を抑制することができる。
【0085】
さらに、本実施形態に係る高周波モジュール2は、IC実装用基板70の誘電体基板71の表面側において、平面視における筐体凹部17と重なる位置に基板凹部76が形成された構成であってもよい。これにより、本実施形態に係る高周波モジュール2は、筐体凹部17、導体除去部75、及び基板凹部76の形状、位置、及び数を適切に設定することで、使用周波数帯域内での基板モードの発生を抑制することができる。
【符号の説明】
【0086】
1,2 高周波モジュール
10 筐体
14 IC実装部
15,16 基板実装部
17,17a~17e 筐体凹部
19 電波吸収体
20 半導体IC
21 半導体基板
22 機能素子部
70 IC実装用基板
71 誘電体基板
72 表面接地導体
73 裏面接地導体
74 導通ビアホール
75 導体除去部
76 基板凹部