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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170909
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】製氷機
(51)【国際特許分類】
   F25C 1/04 20180101AFI20231124BHJP
【FI】
F25C1/04 302Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022083004
(22)【出願日】2022-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石富 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】石榑 秀雄
(72)【発明者】
【氏名】傅 強飛
(57)【要約】
【課題】所望の部分に適時に紫外線を照射可能な製氷機を提供する。
【解決手段】氷生成部11と、貯水タンク13と、少なくとも貯水本体部26の内壁の一部を含む所定範囲Yに、紫外線を照射する紫外線照射部50と、貯水タンク13の貯水位Lを検出可能なフロートスイッチ17と、制御部82と、を備え、氷生成部11における氷の生成に伴い、貯水位Lが低下する構成とされ、制御部82は、フロートスイッチ17が検出した貯水位Lが、第1水位L1以上である場合に、氷生成部11において氷を生成する運転を行い、フロートスイッチ17が検出した貯水位Lが、第1水位L1以上の水位とされる第2水位L2以上である場合に、紫外線照射部50において紫外線の照射を行い、フロートスイッチ17が検出した貯水位Lが、第1水位L1よりも低い場合には、紫外線照射部50における紫外線の照射を停止する、製氷機10。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
氷を生成する氷生成部と、
水を貯める貯水タンクと、
前記貯水タンクから前記氷生成部に水を送るポンプと、
少なくとも前記貯水タンクの内壁の一部を含む所定範囲に、紫外線を照射する紫外線照射部と、
前記貯水タンクに貯められる水の貯水位を検出可能な水位検出部と、
制御部と、を備え、
前記氷生成部における氷の生成に伴い、前記貯水位が低下する構成とされ、
前記制御部は、
前記水位検出部が検出した前記貯水位が、第1水位以上である場合に、前記氷生成部において氷を生成する運転を行い、
前記水位検出部が検出した前記貯水位が、前記第1水位以上の水位とされる第2水位以上である場合に、前記紫外線照射部において紫外線の照射を行い、
前記水位検出部が検出した前記貯水位が、前記第1水位よりも低い場合には、前記紫外線照射部における紫外線の照射を停止する、製氷機。
【請求項2】
前記制御部は、
前記紫外線照射部が紫外線を継続して照射する照射継続時間を設定可能とし、
前記照射継続時間内において、前記水位検出部が検出した前記貯水位が、前記第1水位よりも低い場合は、前記紫外線照射部における紫外線の照射を優先して停止する、請求項1に記載の製氷機。
【請求項3】
前記制御部は、前記氷生成部が氷を生成する運転を継続する製氷継続時間を設定可能とし、
前記製氷継続時間内において、前記水位検出部が検出した前記貯水位が、第1水位よりも低い場合は、前記氷生成部が氷を生成する運転を継続し、前記紫外線照射部における紫外線の照射を停止する、請求項1または請求項2に記載の製氷機。
【請求項4】
前記氷生成部の温度を検出可能な温度検出部を備え、
前記制御部は、前記温度検出部が検出した前記氷生成部の温度が、所定温度以下である場合に、前記製氷継続時間の計時を行う、請求項3に記載の製氷機。
【請求項5】
表示部を備え、
前記制御部は、前記紫外線照射部が紫外線を照射した時間が所定累積時間を超えた場合に、前記表示部に所定の表示を行う、請求項1または請求項2に記載の製氷機。
【請求項6】
前記制御部は、前記水位検出部が検出した前記貯水位が、前記第1水位以上である場合に、前記紫外線照射部における紫外線の照射を行う、請求項1に記載の製氷機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、製氷機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製氷機として、特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1には、ウォータバルブから供給される水道水(製氷水)を収容する製氷水タンクと、製氷水タンクの上方に配置された製氷板と、製氷板で形成された氷を貯める貯氷庫と、製氷水タンク内の製氷水を製氷板に送る循環ポンプと、を備える製氷機(流下式製氷機)が、開示されている。この製氷機は、循環ポンプによって製氷水タンク内から製氷板に送られた製氷水を、製氷板の表面付近にて凍結させることで氷を生成する。氷とならなかった余剰の製氷水は、製氷水タンクに再度流入する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-87050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、水道水は、殺菌のために塩素を含んでいるが、塩素臭が生ずるため、塩素が除去されたものが製氷水として用いられることがある。その場合、製氷水や製氷水タンク等において菌が繁殖し易くなることが懸念されるため、製氷水を定期的に排水したり、製氷水タンクを洗浄剤によって洗浄したりする必要がある。すると、製氷水を水道水の温度から冷却し直さなければならず、再び氷が生成されるまでに時間がかかる。
【0005】
特許文献1に開示の構成において、製氷水を殺菌するために、例えば製氷水タンク内等の所定範囲に向けて紫外線を照射することが考えられる。その場合、メンテナンス等により製氷水タンクが作業者によって取り外されると、本来製氷水タンクに照射されるべき紫外線が、他部(例えば貯氷庫等)に照射される可能性がある。
【0006】
本開示は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、所望の部分に適時に紫外線を照射可能な製氷機を提供することを目的の一つとする。また、効果的に製氷水を殺菌することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、氷を生成する氷生成部と、水を貯める貯水タンクと、前記貯水タンクから前記氷生成部に水を送るポンプと、少なくとも前記貯水タンクの内壁の一部を含む所定範囲に、紫外線を照射する紫外線照射部と、前記貯水タンクに貯められる水の貯水位を検出可能な水位検出部と、制御部と、を備え、前記氷生成部における氷の生成に伴い、前記貯水位が低下する構成とされ、前記制御部は、前記水位検出部が検出した前記貯水位が、第1水位以上である場合に、前記氷生成部において氷を生成する運転を行い、前記水位検出部が検出した前記貯水位が、前記第1水位以上の水位とされる第2水位以上である場合に、前記紫外線照射部において紫外線の照射を行い、前記水位検出部が検出した前記貯水位が、前記第1水位よりも低い場合には、前記紫外線照射部における紫外線の照射を停止する、製氷機である。
【0008】
このような製氷機によると、例えばメンテナンス等によって貯水タンクが作業者によって取り外される等により、貯水タンクに貯められた水が排水され、貯水位が第1水位よりも低くなった場合は、紫外線照射部における紫外線の照射を制御部が停止することができる。これにより、貯水タンクが取り付けられ、生成部が氷を生成する運転(第1運転と呼ぶことがある)を行い、少なくとも貯水位が第2水位以上である場合は、紫外線を貯水タンクの内壁等、所望の部分に対し照射することができ、上記のように貯水位が第1水位よりも低くなった場合は、紫外線の照射を停止することができるので、適時に紫外線を照射し、貯水タンクの殺菌を行うことができる。そして、作業者に紫外線が照射されることを回避することができる。
【0009】
上記構成において、前記制御部は、前記紫外線照射部が紫外線を継続して照射する照射継続時間を設定可能とし、前記照射継続時間内において、前記水位検出部が検出した前記貯水位が、前記第1水位よりも低い場合は、前記紫外線照射部における紫外線の照射を優先して停止してもよい。
【0010】
このような製氷機によると、照射継続時間が設定され、その照射継続時間内に例えば貯水タンクが取り外されて貯水位が第1水位よりも低くなった場合でも、紫外線照射部における紫外線の照射を確実に停止することができる。また、照射継続時間が経過する前に氷の生成が完了することで、貯水位が第1水位よりも低くなった場合でも、紫外線照射部における紫外線の照射を停止することができるので、紫外線照射部が紫外線を必要以上に照射することを抑制し、紫外線照射装置の寿命(正常に作動可能な期間)を延ばすことができる。
【0011】
上記構成において、前記制御部は、前記氷生成部が氷を生成する運転を継続する製氷継続時間を設定可能とし、前記製氷継続時間内において、前記水位検出部が検出した前記貯水位が、第1水位よりも低い場合は、前記氷生成部が氷を生成する運転を継続し、前記紫外線照射部における紫外線の照射を停止してもよい。
【0012】
氷生成部において氷をある程度の大きさまで成長させるために、第1運転を継続する製氷継続時間が、制御部にて設定可能とされることがある。上記のような製氷機によると、このような製氷継続時間内において、貯水タンクが作業者によって取り外され、貯水位が第1水位よりも低下した場合でも、氷の生成を継続しつつ、紫外線照射部における紫外線の照射を強制的に停止することができる。
【0013】
当該製氷機は、前記氷生成部の温度を検出可能な温度検出部を備え、前記制御部は、前記温度検出部が検出した前記氷生成部の温度が、所定温度以下である場合に、前記製氷継続時間の計時を行うこととしてもよい。
【0014】
このような製氷機によると、第1運転が開始され、製氷継続時間の計時が開始されるまでの間の時間を、氷生成部の温度に基づいて調整することができる。これにより、氷生成部における氷の成長を精度よく行うことができ、効率的に第1運転を実行可能な製氷機を提供することができる。
【0015】
当該製氷機は、表示部を備え、前記制御部は、前記紫外線照射部が紫外線を照射した時間が所定累積時間を超えた場合に、前記表示部に所定の表示を行うこととしてもよい。
【0016】
このような製氷機によると、例えば紫外線照射部の寿命が近付いたことを作業者が認知することができ、紫外線照射部を交換する等の対応を行うことができる。
【0017】
上記構成において、前記制御部は、前記水位検出部が検出した前記貯水位が、前記第1水位以上である場合に、前記紫外線照射部における紫外線の照射を行う、請求項1に記載の製氷機。
【0018】
貯水タンクでは、貯められた製氷水の減少(又は増加)に伴い、貯水タンクに流入する気体(貯水タンクにおいて製氷水に対する気体の割合)が増加(又は減少)する。上記のような製氷機によると、貯水位が第1水位以上である場合に、製氷水と気体の割合が変化したとしても、製氷水と気体とを好適に殺菌することができる。例えば、貯水位が比較的低く、製氷水に対する気体の割合が高い場合でも、製氷水と気体に対し紫外線を照射して貯水タンクにおける殺菌を好適に行うことができる。
【発明の効果】
【0019】
本開示によれば、所望の部分に適時に紫外線を照射できる製氷機の提供が可能となる。また、効果的に製氷水を殺菌できる製氷機の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態1に係る製氷機の模式図
図2】氷生成部と貯水タンク等を後上方から視た斜視図
図3】氷生成部と貯水タンクと板部材等を後上方から視た斜視図
図4】貯水タンクを前上方から視た斜視図
図5】製氷機において紫外線照射部付近の断面図(図2のV-V線断面)
図6】製氷機において紫外線照射部付近の断面図(図2のVI-VI線断面)
図7】紫外線照射部とホルダを左上方から視た斜視図
図8】紫外線照射部とホルダの断面図(図7のIIX-IIX線断面)
図9】紫外線照射部とホルダとブラケット等を後下方から視た斜視図
図10】製氷機を前上方から視た斜視図
図11】製氷機の断面図(図10のXI-XI線断面)
図12】機械室を前上方から視た斜視図
図13】電装箱を前上方から視た斜視図
図14】電装箱付近の断面を左方から視た図
図15】製氷機の電気的構成を示すブロック図
図16】制御部による各部の制御を示すフローチャート
図17】製氷運転を示すフローチャート
図18】実施形態2に係る紫外線照射部等を後下方から視た斜視図
【発明を実施するための形態】
【0021】
<実施形態1>
本開示の実施形態1を図1から図17によって説明する。本実施形態では、流下式の製氷機10を例示する。尚、矢印方向Fを前方、矢印方向Bを後方、矢印方向Uを上方、矢印方向Dを下方、矢印方向Lを左方、矢印方向Rを右方として各図を説明する場合がある。
【0022】
図1に示すように、製氷機10は、水を凍結させることで氷Iを生成する氷生成部11と、氷生成部11の製氷板12を冷却するための冷却装置40と、水を貯める貯水タンク13と、氷生成部11で生成された氷を内部に貯蔵するための貯氷室14と、貯水タンク13に貯められた水を貯水タンク13から氷生成部11に送るポンプ15と、を備える。
【0023】
また、製氷機10は、氷生成部11とポンプ15とを接続する第1通水管18と、第1通水管18の途中から引き出され、貯水タンク13内の水を外部に排水するための排水管20と、排水管20を開閉する排水バルブ21と、水道管31に接続される給水管29と、給水管29を開閉する給水バルブ30と、排水管20と給水管29とを接続する第2通水管32と、第2通水管32を開閉する通水バルブ34と、を備える。
【0024】
冷却装置40は、圧縮機41と、凝縮器42と、膨張弁(キャピラリーチューブ)43と、蒸発管44と、を備え、これらが冷媒管45により接続されて既知の蒸気圧縮式の冷凍回路(冷凍サイクル)を構成している。また、冷却装置40は、凝縮器42を空冷するための凝縮器ファン46と、冷凍回路に混入した水分を除去するためのドライヤ47と、を備える。蒸発管44は、2つの製氷板12の間に蛇行状にロウ付けされて配置されており(図2参照)、膨張弁43によって膨張された液体の冷媒が気化されることで、製氷板12を冷却する。冷媒管45において蒸発管44の下流側には、製氷板12の温度を検出するための製氷板用温度センサ16(氷生成部11の温度を検出可能な温度検出部)が設けられている。
【0025】
冷却装置40は、圧縮機41で圧縮された冷媒ガス(ホットガス)を蒸発管44に供給するためのバイパス管49と、バイパス管49に設けられた電磁弁であるホットガス弁48と、を備える。製氷機10は、ホットガス弁48を開くことで、圧縮機41から冷媒ガス(ホットガス)を蒸発管44に供給し、蒸発管44を加熱可能となっている。
【0026】
氷生成部11は、製氷板12と、製氷板12に氷Iを生成させるための水を散水する第1散水パイプ22及び散水ガイド24と、製氷板12に生成した氷Iを融解させる水を散水する第2散水パイプ23と、を備える。図1及び図2に示すように、製氷板12は、板面が上下方向に広がる形の板状体であり、前後方向に対向配置されるように2枚設けられている。2枚の製氷板12は、非対向の外側の面が製氷面12Aとされている。製氷板12は、上下方向に延び、製氷面12Aから外側に立ち上がり、製氷面12Aを複数の領域に仕切る複数の仕切部12Bを備える。
【0027】
ポンプ15の駆動により貯水タンク13から氷生成部11に供給された水は、製氷板12の上に設けられた第1散水パイプ22及び散水ガイド24によって各製氷面12Aに均一となるように散水され、製氷面12Aを流下する。図1に示すように、2枚の製氷板12の外側には、製氷面12Aに対向するように配置された板状のカバー37が設けられている。カバー37は、2枚の製氷板12の前側と後側とに1枚ずつ配されており、下部がキューブガイド28に近接するように折れ曲がっている。
【0028】
図1に示すように、第2散水パイプ23は、2枚の製氷板12間の上部に設けられており、給水管29及び給水バルブ30を介して水道管31と接続されている。製氷機10は、給水バルブ30を開くことで、第2散水パイプ23から水を散水し、この散水した水を、製氷板12の背面(対向した内側の面、製氷面12Aと反対側の面)に流下させて、貯水タンク13に流す。第2散水パイプ23は、製氷板12を水道水によって温める機能と、貯水タンク13に水道水を供給する給水機能を担っている。
【0029】
図1図2及び図4に示すように、貯水タンク13は、上方開口した箱状(凹状)をなし、水が貯められる貯水本体部26と、貯水本体部26の前端部26Aから左方に延び、貯水本体部26に向かうほど底面が下方に傾斜した貯水延在部25と、を備える。貯水延在部25は、製氷板12の下方に配されており、製氷板12を流下した水のうち、凍結しなかった水を受けて、貯水本体部26に流すことができる。
【0030】
図3に示すように、製氷機10は、側方視(左右方向から視た場合に)L字状をなす板部材27を備える。板部材27は、水平方向に広がる第1板部27Aと、第1板部27Aの前端から上方に立ち上がった第2板部27Bと、を備える。第1板部27Aは、貯水本体部26の上方を覆っている。第2板部27Bは、製氷板12の後方に配されており、製氷面12Aに対向している。
【0031】
第1板部27Aには、ポンプ15と、ポンプ15の後方に配され、貯水本体部26に貯められる水の貯水位Lを検出可能なフロートスイッチ(水位検出部)17と、が取り付けられている。ポンプ15及びフロートスイッチ17は、下部が貯水本体部26の内部に入る形で(貯水本体部26に水が貯められた場合に、部分的に水没する形で)、第1板部27Aに取り付けられている。また、第1板部27Aは、フロートスイッチ17が取り付けられた部分の左後方において、上下方向に開口した円形の開口部27A1を備える。開口部27A1には、後述するホルダ60が取り付けられる(図5及び図6参照)。尚、便宜上、図2では、板部材27を省略し、図3では、ホルダ60を省略し、図4では、ポンプ15、フロートスイッチ17及びホルダ60の各上部の外形を一点鎖線で示す。
【0032】
図4に示すように、貯水本体部26は、前後方向を長辺とする第1貯水部26Bと、第1貯水部26Bの左後部分から左方に張り出した第2貯水部26Cと、を備える。第1貯水部26Bは、底面の大部分を構成する第1底面部26B1と、第1底面部26B1の左側に位置し、第1底面部26B1よりも高い位置の底面を構成する第2底面部26B2と、を備える。第2貯水部26Cの底面を構成する第3底面部26C1は、第2底面部26B2と同じ高さとされる。第1底面部26B1の上方には、ポンプ15及びフロートスイッチ17が配されている。第3底面部26C1の上方には、ホルダ60(開口部27A1)が配されている。
【0033】
図1から図4に示すように、ポンプ15を駆動させることで、貯水タンク13と氷生成部11との間で水を循環可能となっている。貯水タンク13と氷生成部11は、2つの流水経路(第1流水経路、第2流水経路)の経路上に含まれており、ポンプ15は各流水経路の水を循環することができる。第1流水経路は、貯水タンク13から順にポンプ15、第1通水管18、第1散水パイプ22、製氷板12の製氷面12Aを通って貯水タンク13に戻る経路であり、第2流水経路は、貯水タンク13から順にポンプ15、第1通水管18、排水管20、第2通水管32、給水管29、第2散水パイプ23、製氷板12の背面を順に通って貯水タンク13に戻る経路である。第1流水経路と第2流水経路は、通水バルブ34の開閉によって切り替え可能である。
【0034】
貯水延在部25と製氷板12との間には、キューブガイド28が介在している。キューブガイド28は、複数の通過孔が形成されたスノコ状の部材である。製氷板12から流下した水は、キューブガイド28を通過して貯水延在部25に回収される。一方で、製氷板12から落下した氷は、キューブガイド28上を滑り落ちて貯氷室14に投入される。
【0035】
図1及び図11に示すように、貯水タンク13の下方には、キューブガイド28上を滑り落ちた氷を収容する貯氷室14が設けられている。一方、第1板部27Aの上方には、第1通水管18等の配管が設けられた配管室19が設けられている。貯氷室14に落下した氷は、貯氷室14の底壁部14Aに積み上がるようにして収容される。貯氷室14の上部には、貯氷室14内の氷の貯氷量を検出するための貯氷センサ33が設けられている。貯氷センサ33は、フラップ板33Aを備える貯氷スイッチであり、氷が貯氷室14内に積み上がって満氷になると、フラップ板33Aが氷によって上に押されて、満氷を検出する。
【0036】
給水バルブ30の開栓により氷生成部11を経て貯水延在部25に流下する水は、貯水本体部26の前端部26Aから後方に向かい、第1貯水部26Bを経て第2貯水部26Cに向かうように流れる。貯水本体部26では、この水の流れに沿って内部の空気も第2貯水部26Cに向かうように移動する。
【0037】
図4に示すように、貯水本体部26の内壁は、紫外線を反射する構成(紫外線を吸収し難い構成)とされる。貯水本体部26の内壁としては、第1底面部26B1、第2底面部26B2、第3底面部26C1、及び第3底面部26C1から立ち上がった貯水側壁部26C2が含まれる。貯水本体部26の内壁として、表面が鏡面加工された金属(例えばアルミニウム)からなる材料が用いられてもよい。また、貯水本体部26の内壁に対し、紫外線を反射するフィルム(例えばアルミニウムからなるフィルム)が貼られていてもよく、紫外線を反射する塗料が塗布されていてもよい。尚、貯水本体部26の内壁とは、上記第1底面部26B1等に限られず、内側(貯められる水に接触する面側)の壁面全体を指すこととしてもよい。
【0038】
ポンプ15は、動力源として回転速度が可変なモーターを備えており、モーターの駆動によって水を循環させると共に、モーターの回転速度によって水の循環量を変化させることができる。図1に示すように、フロートスイッチ17は、貯水本体部26の貯水位Lに合わせて浮力により上下に変位可能なフロート(浮き子)17Aと、図示しない2つのリードスイッチと、を備える。フロートスイッチ17は、フロート17Aが上下に変位して2つのリードスイッチがそれぞれオンまたはオフされることで、第1水位L1と、第1水位L1よりも高い水位(第1水位L1以上の水位)とされる第2水位L2と、を段階的に検出する。フロートスイッチ17は、貯水位Lが第1水位L1以上となったか否か、及び貯水位Lが第2水位L2以上となったか否か、を検出することができる。
【0039】
図1では、貯水位Lは、第1水位L1よりも低い位置とされており、2つのリードスイッチがオフの状態とされる。この状態から、例えば、貯水本体部26に水が徐々に給水されて貯められると、貯水位Lが上昇し、フロート17Aが上昇する。給水により貯水位Lが第1水位L1以上となった場合、第1水位L1に対応するリードスイッチがオンとなることで、貯水位Lが第1水位L1以上となったことをフロートスイッチ17が検出する。引き続き、給水により貯水位Lが第2水位L2以上となった場合、第2水位L2に対応するリードスイッチがオンとなることで、貯水位Lが第2水位L2以上となったことをフロートスイッチ17が検出する。
【0040】
その後、貯水本体部26への給水を停止し、製氷板12に氷Iが生成され始めると、この氷Iの生成に伴い、この貯水本体部26に貯められた水が徐々に減少することで、貯水位Lが低下し、フロート17Aが下降する。氷Iの生成に伴い、貯水位Lが第2水位L2未満となった場合、第2水位L2に対応するリードスイッチがオフとなることで、貯水位Lが第2水位L2未満となったことをフロートスイッチ17が検出する。引き続き、氷Iの生成に伴い、貯水位Lが第1水位L1未満となった場合、第1水位L1に対応するリードスイッチがオフとなることで、貯水位Lが第1水位L1未満となったことをフロートスイッチ17が検出する。
【0041】
図5から図9に示すように、製氷機10は、所定範囲Y(図5及び図6において一点鎖線の内側の範囲)に紫外線を照射する紫外線照射部50と、紫外線照射部50が取り付けられ、紫外線を遮光する樹脂からなるホルダ60と、ホルダ60と抵抗器79とが取り付けられた金属製のブラケット69と、を備える。図8に示すように、紫外線照射部50は、基板51と、基板51に実装され、紫外線を生ずる光源(LED)52と、光透過性を有し、光源52を下側(貯水本体部26側)から覆う軟質樹脂製のキャップ(被覆部)53と、これらを収容したケース(収容部)54と、基板51の上面とケース54との間に介在した導熱シート57と、を備える。ケース54の内部には、図示しない接着剤(ポッティング剤)が充填されている。この接着剤は、ケース54と、キャップ53、基板51、及び導熱シート57と、を接着している。ケース54の材料としては、特に限定されないが、光源52から生ずる熱を放熱し易い材料(合成樹脂等)を用いることができる。導熱シート57の材料としては、特に限定されないが、伝熱性が比較的高い材料を用いることができる。
【0042】
光源52から出光する紫外線の波長は特に限定されないが、殺菌効果の向上の観点から、その波長としては、例えば、100nm以上400nm以下の範囲が好ましく、100nm以上280nm以下の範囲(深紫外線)がより好ましく、260nm以上270nm以下の範囲がさらに好ましい。紫外線照射部50は、光源52から出光する紫外線がキャップ53を透過し、照射角θ2(図5及び図6参照)となる所定範囲Yに、紫外線を照射する。照射角θ2は、例えば130度の角度であってもよい。所定範囲Yには、少なくとも貯水本体部26の内壁の一部(第1底面部26B1、第2底面部26B2、第3底面部26C1、貯水側壁部26C2)が含まれる。
【0043】
ケース54は、光源52(紫外線照射部50)による紫外線の照射に伴い温度が上昇(変化)する変温部とされる。光源52から紫外線が照射されると、光源52が発熱し、基板51及び導熱シート57を介してケース54に伝熱する。紫外線照射部50が正常に作動する場合、ケース54は、例えば、光源52からの紫外線の照射が開始されてから少なくとも所定時間(3分又は10分等)が経過するまでは、一定の増加量で温度が上昇する。図7及び図8に示すように、ケース54の上面54Aには、ケース用温度センサ78がビス55の螺合によって取り付けられている。温度センサ78は、ケース54の上面54Aに当接しており、ケース54の温度を検出することが可能とされる。
【0044】
図7から図9に示すように、ホルダ60は、ケース54がビス56の螺合によって取り付けられる円盤状のホルダ本体部61と、ホルダ本体部61の内周端部(円形の開口部)61Aから下方に立ち上がった円柱状の遮光部62と、遮光部62の内面から内側に突出した環状の突出部63と、を備える。紫外線照射部50のキャップ53は、ホルダ本体部61の開口部61Aから遮光部62の内側に向けて一部嵌入している。突出部63は、遮光部62からキャップ53の下面53A(キャップ53の貯水本体部26側の面)側に突出している。キャップ53の下面53Aは、突出部63よりも上方に位置している。このような構成により、貯水タンク13を第1板部27Aに取り付ける際に、キャップ53に貯水タンク13が接触することをホルダ60により防止することができる。また、ホルダ60は、貯水タンク13の冷気が、ポンプ15の上部や第1板部27Aの上方部分(配管室19)に流れ込んで漏れることを防止することができる。
【0045】
遮光部62は、キャップ53の周囲(側方)に配されており、その下端部62Aが、キャップ53の下面53Aよりも下方に延びている。図5及び図6に示すように、遮光部62は、紫外線照射部50の光源52と貯水本体部26における第2貯水部26Cの上端部26C3との間を隔てる形となるように、光源52と上端部26C3との間に立設している。遮光部62の下端部62Aは、光源52と上端部26C3とを結ぶ線よりも下方に位置している。光源52から照射される紫外線は、遮光部62によって一部遮られることで、その所定範囲Yが、照射角θ2よりも小さい角度θ1である縮小範囲Xに縮小される。この角度θ1は、例えば100度であってもよい。遮光部62は、光源52が紫外線を照射する所定範囲Yのうち、上端部26C3を含む範囲と、上端部26C3よりも上方の範囲(上端部26C3を超える範囲)と、の範囲(即ち、照射角が角度θ1を超え角度θ2以下となる範囲であり、例えば紫外線の照射角が100度を超え130度以下となる範囲)に照射される紫外線を遮っている。尚、上端部26C3と板部材27の第1板部27Aとの間は、離間しており、隙間Sが設けられている。
【0046】
図5及び図9に示すように、ホルダ本体部61には、クランク状に折れ曲がった板金であるブラケット69がビス68によって取り付けられている。ブラケット69は、上下方向を長辺とする長板部69Aと、長板部69Aの上端部から左下方に折れ曲がった折曲部69Bと、を備える。長板部69Aは、第1板部27A上に配された厚板状の構造体38(図5及び図6参照)を厚み方向(上下方向)に貫通している。長板部69Aにおいて折曲部69B側には、板金(例えばアルミニウム板)が曲げられてなるアースクランプ67に挟持された抵抗器79が取り付けられている。アースクランプ67は、ビス66の螺合によって長板部69Aに取り付けられている。抵抗器79は、分圧抵抗であり、紫外線照射部50とマイコンボード82(図13参照)とに対し直列回路となるようにハーネスを介して電気的に接続されている。アースクランプ67は、光源52(紫外線照射部50)による紫外線の照射に伴い抵抗器79から生じる熱を放熱することができる。
【0047】
図10及び図11に示すように、製氷機10は、氷生成部11、貯水タンク13、配管室19、貯氷室14等を有する上部10Aと、機械室5を有し、上部10Aの下方に位置する下部10Bと、を備える。また、製氷機10は、上部10Aの前面に取り付けられ、貯氷室14を開閉可能な下開き式の扉2と、下部10Bの前面と上部10Aの前面の一部(下側部分)とに跨るように取り付けられた板状のフロントパネル3と、を備える。
【0048】
図11に示すように、貯氷室14は、下側の壁部である底を構成する底壁部14Aと、前側(側方)の壁部を構成し、底壁部14Aの前端部から立ち上がる側壁部14Bと、を備える。底壁部14Aは、氷生成部11から落下した氷を受ける(氷に当接する)第1底壁部14A1と、第1底壁部14A1に対し間隔を開けて室外側(下側)に配された第2底壁部14A2と、を備える。第2底壁部14A2は、第1底壁部14A1よりも前方に延びている。第2底壁部14A2は、機械室5の上側の壁部である天井を構成している。側壁部14Bは、第1底壁部14A1の前端部から立ち上がり、第1底壁部14A1に積み上がった氷が当接する第1側壁部14B1と、第2底壁部14A2の前端部から立ち上がり、第1側壁部14B1に対し間隔を開けて室外側(前側)に配された第2側壁部14B2と、を備える。第2側壁部14B2は、第1側壁部14B1よりも下方に延びた下端部14B21を備える。第2側壁部14B2の上端部は、第1側壁部14B1の上端部に対し、断面視逆U字型をなす接続部14Cによって接続している。尚、第1底壁部14A1と第2底壁部14A2との間や、第1側壁部14B1と第2側壁部14B2との間には、ウレタンフォーム等の断熱材が充填されていてもよい。
【0049】
図11及び図12(フロントパネルを取り外した図)に示すように、機械室5は、上方開口した箱型をなしており、第2底壁部14A2の下側に隣接している。機械室5は、左右両側の壁部5A,5Bの上端部、及び後側の壁部5Cの上端部が、第2底壁部14A2に対し取り付けられている。機械室5には、圧縮機41、凝縮器42、凝縮器ファン46、及び電装箱80等が設けられている。
【0050】
図13に示すように、電装箱80は、前後方向を長辺とする長板状の底板部80Eと、底板部80Eの前後両端部及び左右両端部から立ち上がった4つの板状の側板部80A,80B,80C,80Dと、を備え、上方(貯氷室14側)に開口した箱状をなしている。電装箱80の開口縁(右側板部80Aの上端部80A1、左側板部80Bの上端部80B1、及び後側板部80Cの上端部80C1)は、図11及び図14に示すように、第2底壁部14A2に当接している。図13及び図14に示すように、後側板部80Cは、上端部80C1から後方に延びた係止部80C2を備える。係止部80C2は、第2底壁部14A2において前方に向かうほど下方に傾斜して延びる被係止部14A21に差し込まれることで、電装箱80を第2底壁部14A2に固定する。
【0051】
図11図13及び図14に示すように、右側板部80Aの上端部80A1、及び左側板部80Bの上端部80B1は、それぞれ、第2側壁部14B2の下端部14B21よりも前方に延出した延出縁部80A2,80B2を備える。一方、前側板部80Dは、延出縁部80A2,80B2よりも上方に延出した上延出部80D1と、上延出部80D1の上端から後方に折れ曲がった片部80D2と、を備える。製氷機10は、第2側壁部14B2の下端部14B21と延出縁部80A2,80B2と上延出部80D1との間を塞ぐ形で配された、凹形状のスペーサ89を備える。スペーサ89は、2つの延出縁部80A2,80B2を跨ぐようにこれらの上方に位置し、水平方向に広がるスペーサ本体部89Bと、スペーサ本体部89Bの後端部から上方に立ち上がり、第2側壁部14B2の下端部14B21に取り付けられた後側立上部89Aと、スペーサ本体部89Bの前端部から上方に立ち上がり、上延出部80D1に取り付けられた前側立上部89Cと、を備える。前側板部80Dの片部80D2は、その後端部が、前側立上部89Cよりも後方に位置するように延びている。
【0052】
図13に示すように、電装箱80は、直流電圧を交流電圧に変換するスイッチングレギュレータ81と、ポンプ15や紫外線照射部50等の駆動を制御するマイコンボード(制御部)82と、リレー83と、図示しないハーネス(配線類)と、を備える。また、電装箱80は、前側板部80Dに設けられた表示部84及び入力部85を備える。
【0053】
図15では、製氷機10の電気的構成を示している。制御部82は、フロートスイッチ17、貯氷センサ33、製氷板用温度センサ16、ケース用温度センサ78、抵抗器79、紫外線照射部50、表示部84、及び入力部85に電気的に接続されている。また、制御部82は、圧縮機41、ドライヤ47、ホットガス弁48、ポンプ15、給水バルブ30,排水バルブ21,及び通水バルブ34に電気的に接続されている。
【0054】
制御部82は、入力部85が作業者により操作されることで、紫外線照射部50が紫外線を継続して照射する照射継続時間M1と、紫外線照射部50が紫外線の照射を停止してから再び開始するまでの間の時間である照射間隔時間M2と、氷生成部11が氷を生成する製氷運転(第1運転)を継続する製氷継続時間M3と、をそれぞれ任意の値で設定することができる。製氷継続時間M3が設定されることにより、氷が十分に成長するための時間(例えば、氷が自重で製氷板12から落下可能な程度に成長するために必要な時間)を確保することができる。照射継続時間M1は、例えば、5分以上30分以下の値で設定可能としてもよく、好ましくは、10分で設定してもよい。また、照射継続時間M1は、0分で設定可能としてもよく、その場合は、紫外線照射部50からの紫外線の照射を行わない設定とすることができる。照射間隔時間M2は、例えば、30分以上300分以下の値で設定可能としてもよく、好ましくは、120分で設定してもよい。製氷継続時間M3は、特に限定されないが、例えば5分で設定してもよい。
【0055】
続いて、制御部82が各部を制御する流れを、図16及び図17に示すフローチャートを用いて説明する。制御部82は、製氷機10の主電源がONになり、貯氷センサ33が貯氷室14の満氷を検出していない場合、給水バルブ30を開いて貯水タンク13への給水を開始する(S1)。次に、制御部82は、フロートスイッチ17が検出した貯水位Lが、第1水位L1以上であるか否かを判定する(S2)。制御部82は、貯水位Lが、第1水位L1以上である場合に(S2でYES)、氷生成部11において氷を生成する製氷運転を行う(S3)。制御部82は、貯水位Lが、第1水位L1未満である場合に(S2でNO)、S2の判定を再び行う。
【0056】
尚、制御部82は、S3にて第1運転としての製氷運転を行った後、製氷運転とは異なる第2運転としての除氷運転(S4からS6)を行う。制御部82は、除氷運転を行った後、再びS1に戻り、その後、製氷運転S3と除氷運転S4からS6を再び行う。このようにして、制御部82は、製氷運転S3と除氷運転S4からS6を繰り返す。
【0057】
図17に示すように、製氷運転では、制御部82は、冷却装置40(圧縮機41、凝縮器ファン46等)を駆動して製氷板12を冷却する(S10)。次に、制御部82は、ポンプ15を駆動して水を循環させ、貯水タンク13から製氷板12の製氷面12Aに水を流下させる(S20)。
【0058】
次に、制御部82は、製氷板用温度センサ16が検出した製氷板12(氷生成部11)の温度が、所定温度T1(例えば2度)以下であるか否かを判定する(S30)。制御部82は、氷生成部11の温度が、所定温度T1以下である場合に(S30でYES)、製氷継続時間M3(例えば5分)の計時を開始する(S40)。一方、制御部82は、氷生成部11の温度が、所定温度T1以下ではない場合に(S30でNO)、S30の判定を再び行う。
【0059】
次に、制御部82は、フロートスイッチ17が検出した貯水位Lが、第2水位L2以上であるか否かを判定する(S50)。制御部82は、貯水位Lが第2水位L2以上である場合に(S50でYES)、紫外線照射部50をOFFからONにして紫外線照射部50において紫外線の照射を開始する(S60)。一方、制御部82は、貯水位Lが第2水位L2以上でない場合に(S50でNO)、S50の判定を再び行う。尚、制御部82は、貯水位Lが第2水位L2以上となり、紫外線照射部50をONにしてから、所定時間経過後、給水バルブ30を閉じて貯水タンク13への給水を停止する。
【0060】
製氷板12が冷却され、製氷板12の温度が十分に低下すると、製氷面12Aにおいてその背面の蒸発管44が接触している部分を中心に氷の核(種氷)が付着し始め、この種氷が拡大成長することで所定の大きさの氷Iが生成される。貯水タンク13への給水を停止した状態では、氷Iの生成に伴い、貯水タンク13に貯められた水の貯水位Lが徐々に低下する。
【0061】
次に、制御部82は、紫外線照射部50が紫外線の照射を開始してから所定時間M4が経過するまでの、ケース用温度センサ78が検出したケース(変温部)54の上昇温度が、所定温度T2未満であるか否かを判定する(S70)。制御部82は、所定時間M4が経過するまでのケース54の上昇温度が、所定温度T2未満である場合に(S70でYES)、S72に進み、そうでない場合(S70でNO)、S80に進む。
【0062】
制御部82は、照射継続時間M1未満の時間が、所定時間M4として設定できるものとする。この所定時間M4としては、例えば1分以上30分以下の範囲において任意の時間で設定してもよく、15分以下が好ましく、10分以下がさらに好ましく、5分以下が一層好ましい。その中でも、所定時間M4としては、3分とすることができる。制御部82において所定時間M4がこのような値に設定されると、ケース54が安定して温度上昇するために必要な時間をある程度確保し、紫外線照射部50が正常であるか否かを、制御部82が精確に判定しやすくなる。
【0063】
また、所定時間M4を3分とした場合、所定温度T2は、4度とすることができる。他にも、所定時間M4を10分とした場合、所定温度T2は、10度とすることができる。尚、紫外線照射部50が正常に作動している場合、紫外線照射部50が紫外線の照射を開始してから所定時間M4が経過するまでの、ケース54の上昇温度は、ケース54の周囲の温度に関わらず、所定時間M4が3分のとき、7.9度~8.8度程度であり、所定時間M4が10分のとき、14.6度~16.3度程度である。
【0064】
制御部82は、S72では、製氷運転(S3)と除氷運転(S4からS6)の繰り返しを行うなかで、連続してS70にてYES(上昇温度が所定温度未満である状態)となった回数をカウントし、その連続した回数が3回以上となったか否かを判定する。制御部82は、2つの運転の繰り返しにおいて、S70にてYESが3回以上連続した場合(S72でYES)、表示部84に例えば「n32」といったエラー表示を行い(S74)、紫外線照射部50をONからOFFに切り替えて紫外線照射部50における紫外線の照射を停止する(S90)。一方、制御部82は、2つの運転の繰り返しにおいて、S70にてYESが3回以上連続していない場合(S72でNO)、表示部84にてエラー表示を行うことなく、紫外線照射部50をONからOFFに切り替えて紫外線照射部50における紫外線の照射を停止する(S90)。
【0065】
制御部82は、S80では、フロートスイッチ17が検出した貯水位Lが、第1水位L1よりも低いか否かを判定する。制御部82は、貯水位Lが、第1水位L1よりも低い場合には(S80でYES)、紫外線照射部50における紫外線の照射を停止する(S90)。一方、制御部82は、貯水位Lが、第1水位L1よりも低くない(第1水位L1以上である)場合には(S80でNO)、S80の判定を再び行う。尚、制御部82は、照射継続時間M1内において、フロートスイッチ17が検出した貯水位Lが、第1水位L1よりも低い場合は、紫外線照射部50における紫外線の照射を優先して停止する(照射継続時間M1の経過を待たずして紫外線の照射を停止する)。
【0066】
次に、制御部82は、紫外線照射部50が紫外線を照射した累積時間(製氷運転と除氷運転とを繰り返すことで累積した照射時間を含む)が所定累積時間M5(例えば1万時間)を超えた場合に(S100でYES)、表示部84に例えば「n32」といったエラー表示を行い(S102)、S110に進む。一方、そうでない場合は(S100でNO)、制御部82は、表示部84にてエラー表示を行うことなく、S110に進む。続いて、制御部82は、製氷継続時間M3が経過したか否かを判定する(S110)。制御部82は、製氷継続時間M3が経過していない場合に(S110でNO)、紫外線照射部50をOFFの状態のまま、引き続き製氷運転を継続する。一方、制御部82は、製氷継続時間M3が経過した場合に(S110でYES)、製氷運転を終えて図16のS4に進み、除氷運転を開始する。
【0067】
除氷運転では、制御部82は、ホットガス弁48を開き、給水バルブ30を開いて、第2散水パイプ23から製氷板12の背面に水を流す(S4)。これにより製氷板12が温まり、氷Iにおいて製氷面12Aとの接触部分が溶けることで、氷Iが製氷面12Aから剥がれて落下し、除氷される。
【0068】
そして、制御部82は、製氷板用温度センサ16が検知した製氷板12の温度が所定温度T3(例えば9℃)以上になった場合(S5でYES)、ホットガス弁48を閉じ(S6)、除氷運転を停止する。このようにして、制御部82は、一連の運転を実行した後、再びS1に戻り、S3にて製氷運転を開始することで、製氷運転と除氷運転とを繰り返す。
【0069】
続いて、本実施形態の効果について説明する。本実施形態では、氷を生成する氷生成部11と、上方開口形状をなした貯水本体部26を有する貯水タンク13と、貯水タンク13から氷生成部11に水を送るポンプ15と、少なくとも貯水本体部26の内壁の一部を含む所定範囲Yに、紫外線を照射する紫外線照射部50と、紫外線照射部50が取り付けられるホルダ60と、を備え、ホルダ60は、所定範囲Yのうち、貯水本体部26の上端部26C3を超える範囲に照射される紫外線を遮る遮光部62を備える、製氷機10を示した。
【0070】
このような製氷機10によると、紫外線照射部50が取り付けられるホルダ60の遮光部62により、紫外線照射部50から照射される紫外線の照射範囲Yのうち、貯水本体部26の上端部26C3を超える範囲に照射される紫外線が遮られるので、貯水本体部26の上端部26C3から貯水本体部26の外部に紫外線が漏れてしまうことを防ぐことができる。
【0071】
ホルダ60は、紫外線照射部50が取り付けられるホルダ本体部61を備え、遮光部62は、ホルダ本体部61から立ち上がり、紫外線照射部50と貯水本体部26の上端部26C3との間を隔てる形をなしている。
【0072】
このような製氷機10によると、遮光部62により、紫外線照射部50から照射される紫外線の照射範囲のうち、貯水本体部26の上端部26C3を超える範囲と、上端部26C3と、に照射される紫外線が遮られるので、貯水本体部26の上端部26C3から貯水本体部26の外部に紫外線が漏れてしまうことを確実に防ぐことができる。
【0073】
紫外線照射部50は、紫外線を生ずる光源52と、光透過性を有し、光源52を貯水本体部26側から覆うキャップ53と、を備え、ホルダ60は、ホルダ本体部61から貯水本体部26側に立ち上がる形をなし、キャップ53の側方に配された遮光部62と、遮光部62からキャップ53における貯水本体部26側の面側に突出した突出部63と、を備えている。
【0074】
このような製氷機10によると、キャップ53によって光源52を貯水本体部26側から保護することができる。また、キャップ53が貯水本体部26に脱落することを突出部63によって抑制し、貯水本体部26に異物が入ることを防ぐことができる。
【0075】
貯水本体部26の内壁は、紫外線を反射する構成とされている。氷生成部11において氷が生成される等により、貯水本体部26に貯められた水(製氷水)の貯水位Lが低下すると、紫外線照射部50と製氷水(製氷水の水面)との距離が長くなり、例えば貯水本体部26の底面(第1底面部26B1,第2底面部26B2,第3底面部26C1)に照射される紫外線の照度が低下する。しかしながら、上記のような製氷機10によると、仮に貯水位が低下したとしても、その低下した分、製氷水上に露出した内壁の一部(例えば貯水側壁部26C2)が紫外線を製氷水側に反射させることができる。これにより、紫外線の照度の低下や、これに伴う殺菌能力の低下を抑制することができる。また、貯水本体部26の内壁において、紫外線照射装置から直接紫外線が照射され難い部分においても、当該内壁における反射により紫外線を行き届かせることができる。これにより、紫外線による殺菌能力を向上させることができる。
【0076】
製氷機10は、氷生成部11において生成された氷を貯める貯氷室14と、貯氷室14の壁部に隣接した機械室5と、を備え、機械室5は、少なくともポンプ15の駆動を制御する制御部82を有する電装箱80を備え、電装箱80は、貯氷室14側に開口した箱状をなし、その開口縁80A1,80B1,80C1が、貯氷室14の壁部に取り付けられている。
【0077】
このような製氷機10によると、電装箱80内で生じた熱を、貯氷室14の壁部に伝えて放熱させることができる。また、氷生成部11を冷却する冷却装置40の一部(圧縮機41、凝縮器42、凝縮器ファン46等の発熱体)が電装箱80と共に機械室5に設けられていた場合でも、これらの発熱体が生ずる熱によって電装箱80の放熱が妨げられることを抑制することができる。
【0078】
機械室5は、貯氷室14の底を構成する底壁部14Aに隣接し、電装箱80は、上方に開口し、その開口縁80A1,80B1,80C1が、底壁部14Aに当接している。
【0079】
このような製氷機10によると、比較的面積が大きく、生成された氷が当接する底壁部14Aに対し、電装箱80内で生じた熱を伝えることができるので、電装箱80内で生じた熱を効果的に放熱させることができる。また、底壁部14Aにおいて室外側(機械室5側)の面は、貯氷室14の冷気によって結露が生じ易い。しかしながら、上記のような製氷機10のよると、底壁部14Aの室外側面に生じる結露を電装箱80の放熱によって抑制することができる。
【0080】
貯氷室14は、底壁部14Aから立ち上がる側壁部14Bを備え、電装箱80は、開口縁80A1,80B1,80C1のうち側壁部14Bよりも側方に延出した延出縁部80A2,80B2を備え、製氷機10は、側壁部14Bと延出縁部80A2,80B2との間を塞ぐ形で配されたスペーサ89を備えている。
【0081】
このような製氷機10によると、虫、埃、水滴等の異物が側壁部14Bと延出縁部80A2,80B2との間から電装箱80内に入ることを、スペーサ89によって防ぐことができる。
【0082】
底壁部14Aは、第1底壁部14A1と、第1底壁部14A1の室外側に配された第2底壁部14A2と、を備え、貯氷室14は、第1底壁部14A1から立ち上がる第1側壁部14B1と、第2底壁部14A2から立ち上がり、第1側壁部14B1の室外側に配され、第1側壁部14B1に対し一部が接続した第2側壁部14B2と、を備え、電装箱80の開口縁80A1,80B1,80C1は、第2底壁部14A2に取り付けられている。
【0083】
このような製氷機10によると、生成された氷が当接する第1底壁部14A1に対し、電装箱80内で生じた熱を、第2底壁部14A2から、第2側壁部14B2、第1側壁部14B1の順で伝えることができるので、電装箱80内で生じた熱を一層効果的に放熱させることができる。
【0084】
また、本実施形態では、紫外線照射部50による紫外線の照射に伴い温度が変化する変温部54と、変温部54の温度を検出するセンサ78と、制御部82と、を備え、制御部82は、紫外線照射部50が紫外線の照射を開始してから所定時間M4が経過するまでの、センサ78が検出した変温部54の上昇温度が、所定温度T2未満である場合に、紫外線照射部50における紫外線の照射を停止する、製氷機10を示した。
【0085】
このような製氷機10によると、例えば、紫外線照射部50が正常に作動するときの変温部54の上昇温度を、所定温度T2として制御部82にて設定することで、仮に、変温部54における上昇温度が所定温度T2未満である場合、紫外線照射部50が正常に作動していない(変温部54において適正な温度上昇がみられなかった)ものとして、当該紫外線照射部50における紫外線の照射を停止することができる。これにより、紫外線照射部50が異常な状態で作動することを防ぎ、紫外線の照射を正常に行うことができる。また、例えば紫外線照射部50に流れる電流値をモニタリングする等といった方法を行うことなく、比較的簡便な方法で紫外線照射部50が正常に作動しているか否かを判定することができる。
【0086】
製氷機10は、表示部84を備え、制御部82は、氷生成部11が氷を生成する製氷運転と製氷運転とは異なる除氷運転とを繰り返し、その繰り返しにおいて上昇温度が所定温度T2未満である状態が所定回数連続した場合に、表示部84に所定の表示を行う。
【0087】
このような製氷機10によると、紫外線照射部50が故障していることを作業者が認知することができ、紫外線照射部50を交換する等の対応を行うことができる。
【0088】
制御部82は、紫外線照射部50が紫外線を継続して照射する照射継続時間M1を設定可能とし、照射継続時間M1未満の時間を、所定時間M4として設定する。
【0089】
このような製氷機10によると、照射継続時間M1を超え、紫外線照射部50が紫外線の照射を停止しているときに、検出した発熱部の上昇温度が所定温度未満であるか否かを、制御部82が判定することが無くなるので、制御部82による無駄な制御を省いて効率的に運転可能な製氷機10を提供することができる。
【0090】
紫外線照射部50は、光源52を収容し、センサ78が取り付けられたケース54を備え、変温部は、ケース54であり、センサ78は、ケース54の温度を検出する。
【0091】
このような製氷機10によると、光源52にて生じた熱をケース54(ひいてはセンサ78)に上手く伝えることができる。これにより、紫外線照射部50による紫外線の照射に伴うケース54の温度変化が、より相関的となり、ケース54に取り付けられたセンサ78がケース54の熱を精確に検出することができる。また、光源52がケース54に収容されていることで、光源52にて生じた熱をケース54によって放熱することができるので、紫外線照射部50が過度に温度上昇してしまうことを抑制することができる。
【0092】
また、本実施形態では、貯水タンク13に貯められる水の貯水位Lを検出可能なフロートスイッチ17を備え、氷生成部11における氷の生成に伴い、貯水位Lが低下する構成とされ、制御部82は、フロートスイッチ17が検出した貯水位Lが、第1水位L1以上である場合に、氷生成部11において氷を生成する運転を行い、フロートスイッチ17が検出した貯水位Lが、第1水位L1以上の水位とされる第2水位L2以上である場合に、紫外線照射部50において紫外線の照射を行い、フロートスイッチ17が検出した貯水位Lが、第1水位L1よりも低い場合には、紫外線照射部50における紫外線の照射を停止する、製氷機10を示した。
【0093】
このような製氷機10によると、紫外線照射部50からの紫外線の照射開始後に、例えばメンテナンス等によって貯水タンク13が作業者によって取り外される等により、貯水タンク13に貯められた水が排水され、貯水位Lが第1水位L1よりも低くなった場合は、紫外線照射部50における紫外線の照射を制御部82が停止することができる。これにより、貯水タンク13が取り付けられ、生成部が氷を生成する製氷運転(第1運転)を行い、少なくとも貯水位Lが第2水位L2以上である場合は、紫外線を貯水タンク13の内壁等、所望の部分に対し照射することができ、上記のように貯水位Lが第1水位L1よりも低くなった場合は、紫外線の照射を停止することができるので、適時に紫外線を照射し、貯水タンク13の殺菌を行うことができる。そして、作業者に紫外線が照射されることを回避することができる。
【0094】
制御部82は、紫外線照射部50が紫外線を継続して照射する照射継続時間M1を設定可能とし、照射継続時間M1内において、フロートスイッチ17が検出した貯水位Lが、第1水位L1よりも低い場合は、紫外線照射部50における紫外線の照射を優先して停止する。
【0095】
このような製氷機10によると、照射継続時間M1が設定され、その照射継続時間M1内に例えば貯水タンク13が取り外されて貯水位Lが第1水位L1よりも低くなった場合でも、紫外線照射部50における紫外線の照射を確実に停止することができる。また、照射継続時間M1が経過する前に氷の生成が完了することで、貯水位Lが第1水位L1よりも低くなった場合でも、紫外線照射部50における紫外線の照射を停止することができるので、紫外線照射部50が紫外線を必要以上に照射することを抑制し、紫外線照射装置の寿命(正常に作動可能な期間)を延ばすことができる。
【0096】
制御部82は、氷生成部11が氷を生成する運転を継続する製氷継続時間M3を設定可能とし、製氷継続時間M3内において、フロートスイッチ17が検出した貯水位Lが、第1水位L1よりも低い場合は、氷生成部11が氷を生成する運転を継続し、紫外線照射部50における紫外線の照射を停止する。
【0097】
氷生成部11において氷をある程度の大きさまで成長させるために、第1運転を継続する製氷継続時間M3が、制御部82にて設定可能とされることがある。上記のような製氷機10によると、このような製氷継続時間M3内において、貯水タンク13が作業者によって取り外され、貯水位Lが第1水位L1よりも低下した場合でも、氷の生成を継続しつつ、紫外線照射部50における紫外線の照射を強制的に停止することができる。
【0098】
製氷機10は、氷生成部11の温度を検出可能な温度センサ16を備え、制御部82は、温度センサ16が検出した氷生成部11の温度が、所定温度T1以下である場合に、製氷継続時間M3の計時を行う。
【0099】
このような製氷機10によると、第1運転が開始され、製氷継続時間M3の計時が開始されるまでの間の時間を、氷生成部11の温度に基づいて調整することができる。これにより、氷生成部11における氷の成長を精度よく行うことができ、効率的に第1運転を実行可能な製氷機10を提供することができる。
【0100】
製氷機10は、表示部84を備え、制御部82は、紫外線照射部50が紫外線を照射した累積時間が所定累積時間M5を超えた場合に、表示部84に所定の表示を行う。
【0101】
このような製氷機10によると、例えば紫外線照射部50の寿命が近付いたことを作業者が認知することができ、紫外線照射部50を交換する等の対応を行うことができる。
【0102】
<実施形態2>
次に、本開示の実施形態2を図18によって説明する。本実施形態では、上記実施形態と同じ部位には、同一の符号を用い、構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0103】
ブラケット69の長板部69Aには、板金(例えばアルミニウム板)が曲げられてなるアースクランプ67に挟持された抵抗器79と、アースクランプ67を介して抵抗器79の温度を検出することが可能な抵抗器用温度センサ278と、が取り付けられている。アースクランプ67は、ビス66の螺合によって長板部69Aに対しセンサ278と共に共締めされるように取り付けられている。抵抗器79は、分圧抵抗であり、紫外線照射部50(図8参照)とマイコンボード82(図13参照)とに対し直列回路となるようにハーネスを介して電気的に接続されている。本実施形態では、抵抗器79は、光源52(紫外線照射部50)による紫外線の照射に伴い温度が上昇(変化)する変温部とされる。紫外線照射部50が正常に作動する場合、抵抗器79は、例えば、光源52からの紫外線の照射が開始されてから所定時間(3分又は10分等)が経過するまでは、一定の増加量で温度が上昇する。尚、本実施形態では、上記実施形態1とは異なり、ケース54にケース用温度センサ78が取り付けられていないものとする。
【0104】
このような構成によると、紫外線照射部50による紫外線の照射に伴う温度変化が、より相関的である抵抗器79の温度を、センサ278が検出するので、制御部82が精確な制御を行うことができる。また、ホルダ60及び抵抗器79をブラケット69によって上手く放熱させることができ、高温になること防止できる。
【0105】
本実施形態では、図17に示すS70と同様、制御部82は、紫外線照射部50が紫外線の照射を開始してから所定時間M4が経過するまでの、抵抗器用温度センサ278が検出した抵抗器79の上昇温度が、所定温度T2未満であるか否かを判定する。所定時間M4を3分とした場合、所定温度T2は、20度とすることができる。他にも、所定時間M4を10分とした場合、所定温度T2は、30度とすることができる。尚、紫外線照射部50が正常に作動している場合、紫外線照射部50が紫外線の照射を開始してから所定時間M4が経過するまでの、抵抗器79の上昇温度は、抵抗器79の周囲の温度に関わらず、所定時間M4が3分のとき、26.9度~29.5度であり、所定時間M4が10分のとき、39.8度~42.3度である。
【0106】
また、本実施形態では、制御部82は、紫外線照射部50が紫外線の照射を開始してから所定時間M4が経過するまでの、温度センサ278が検出した抵抗器79の上昇温度が、所定温度T2よりも高い上限温度T4以上である場合に、紫外線照射部50における紫外線の照射を停止する。これにより、抵抗器79や紫外線照射部50等の部品が高温になって故障することや、高温になった部品によって作業者が火傷することを防止できる。このような上限温度T4は、例えば、所定時間M4を3分とし、所定温度T2を20度とした場合に、40度とすることができる。
【0107】
<他の実施形態>
本開示は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本開示の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0108】
(1)上記実施形態以外にも、貯水タンクの形は適宜変更可能である。貯水本体部は、第2貯水部を備えていなくてもよい。また、ホルダは、第1貯水部の第1底面部の上方に配されていてもよい。さらに、貯水本体部と板部材との間の隙間は第2貯水部の上端部と板部材の第1板部との間に限らず、貯水本体部の他の上端部と第1板部との間に設けられていてもよい。遮光部は、貯水本体部と板部材との間の隙間に向かう紫外線を遮る構成であってもよい。
【0109】
(2)上記実施形態では、水位検出部は、フロートが変位することでリードスイッチがオンまたはオフされ、貯水位を段階的に検出する、フロートスイッチとしたが、これに限定されない。例えば、水位検出部は、赤外線により水面との距離を検出する赤外線センサとされ、貯水位を定量的に検出する構成としてもよい。
【0110】
(3)上記実施形態では、機械室は、貯氷室の下方に隣接することとしたが、これに限定されない。例えば、機械室は、貯氷室の左方又は右方に隣接していてもよい。いずれの場合でも、電装箱は、貯氷室において機械室に隣接した壁部に取り付けられる。
【0111】
(4)制御部は、水位検出部が検出した貯水位が、第1水位以上である場合に、紫外線照射部における紫外線の照射を行ってもよい。このような製氷機によると、貯水位が第1水位以上となり、製氷運転を開始すると同時に、紫外線照射部からの紫外線の照射を開始するため、例えば貯水タンクに給水して残水を希釈する排水等が行われなくとも、貯水タンクにおいて菌の発生を効果的に抑制することができる。また、貯水タンクでは、貯められた製氷水の減少(又は増加)に伴い、貯水タンクに流入する気体(貯水タンクにおいて製氷水に対する気体の割合)が増加(又は減少)する。上記のような製氷機によると、貯水位が第1水位以上である場合に、製氷水と気体の割合が変化したとしても、製氷水と気体とを好適に殺菌することができる。例えば、貯水位が比較的低く、製氷水に対する気体の割合が高い場合でも、製氷水と気体に対し紫外線を照射して貯水タンクにおける殺菌を好適に行うことができる。
【0112】
(5)制御部は、センサ(ケース用温度センサや抵抗器用温度センサ)からの信号を受信しない場合は、センサが未接続である(断線している)と判断し、製氷機の運転を停止してもよい。これにより、センサに不具合等がある状態で紫外線の照射が実行されることを防ぐことができる。
【0113】
(6)給水バルブから貯水タンクに給水される水は、塩素を含んでいてもよい。また、製氷機は、製氷運転と除氷運転の他に、洗浄剤によって貯水タンクを洗浄する運転を実行可能な構成であってもよい。
【符号の説明】
【0114】
5…機械室、10…製氷機、11…氷生成部、13…貯水タンク、14…貯氷室、14A1…第1底壁部、14A2…第2底壁部、14A…底壁部、14B1…第1側壁部、14B2…第2側壁部、14B…側壁部、15…ポンプ、16…製氷板用温度センサ(温度検出部)、17…フロートスイッチ(水位検出部)、26…貯水本体部、26C3…上端部、50…紫外線照射部、52…光源、53…キャップ(被覆部)、54…ケース(収容部、変温部)、60…ホルダ、61…ホルダ本体部、62…遮光部、63…突出部、67…アースクランプ、69…ブラケット、78…ケース用温度センサ(センサ)、278…抵抗器用温度センサ(センサ)、79…抵抗器、80…電装箱、80A1,80B1,80C1…上端部(開口縁)、80A2,80B2…延出縁部、82…マイコンボード(制御部)、84…表示部、89…スペーサ、L1…第1水位、L2…第2水位、L…貯水位
図1
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