(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170943
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、車両側システムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20231124BHJP
G08G 1/14 20060101ALI20231124BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20231124BHJP
G16Y 40/60 20200101ALI20231124BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20231124BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20231124BHJP
【FI】
G06Q50/10
G08G1/14 A
G08G1/00 X
G16Y40/60
G16Y20/20
G16Y10/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022083063
(22)【出願日】2022-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹田 厳太朗
(72)【発明者】
【氏名】脊尾 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】松原 彰
【テーマコード(参考)】
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181EE10
5H181FF01
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF32
5H181KK01
5H181KK03
5H181KK04
5H181KK06
5H181KK07
5H181KK08
5H181LL09
5H181MC06
5H181MC27
5L049CC13
(57)【要約】
【課題】自動バレーパーキングシステムの駐車場の利便性を向上させることが可能な情報処理装置、車両側システムおよび情報処理方法を提供する。
【解決手段】情報処理装置は、自動バレーパーキングシステムで用いられる情報処理装置であって、所定装置から受け付けた、所定車両における所定駐車場の利用予約に対応する時間帯で所定駐車場の乗降場が利用可能であるか否かについて判定する判定部と、判定部の判定結果に応じて、時間帯で前記乗降場を予約する予約部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動バレーパーキングシステムで用いられる情報処理装置であって、
所定装置から受け付けた、所定車両における所定駐車場の利用予約に対応する時間帯で前記所定駐車場の乗降場が利用可能であるか否かについて判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に応じて、前記時間帯で前記乗降場を予約する予約部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記乗降場の予約状況に応じて、前記所定駐車場の利用の可否を前記所定装置に通知する通知部を備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記通知部は、前記予約部により前記時間帯での前記乗降場が予約できない場合、前記時間帯とは異なる時間帯での利用予約を提案する情報を前記所定装置に通知する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記通知部は、前記予約部により前記時間帯での前記乗降場が予約できない場合、前記所定駐車場とは異なる駐車場の利用を提案する情報を前記所定装置に通知する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
ユーザの利用目的に基づいて前記所定駐車場の駐車スペースを選択する選択部を備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記選択部は、前記利用目的が、トイレ休憩または飲食物の購入の何れかである場合、前記利用目的が食事である場合と比べ、前記乗降場と前記駐車スペースとが近い位置の駐車スペースを選択する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記予約部は、前記時間帯における降車時間帯と乗車時間帯とで前記乗降場が利用可能となるよう前記乗降場を予約する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記時間帯における降車時間帯と、乗車時間帯との間の時間帯で、前記乗降場と前記所定駐車場の駐車スペースとの間で前記所定車両を移動させる移動制御部を備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記移動制御部は、前記所定車両から乗員が降りて、前記乗降場から前記駐車スペースに向けて前記所定車両の移動を開始した後、前記乗員の要求に応じて前記所定車両を前記乗降場に引き返させる、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記乗降場と、所定駐車場の駐車スペースとの距離に応じて、前記所定車両の乗員に対してインセンティブを付与する付与部を備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
自動バレーパーキングシステムの駐車場に駐車可能な車両の車両側システムであって、
所定駐車場の利用予約の情報を前記所定駐車場の情報処理装置に送信する送信部と、
前記情報処理装置から前記所定駐車場の乗降場の予約結果を受信する受信部と、
を備える車両側システム。
【請求項12】
前記所定駐車場の乗降場の予約ができない場合、前記所定駐車場とは異なる駐車場の利用を提案する提案部を備える、
請求項11に記載の車両側システム。
【請求項13】
前記乗降場の予約時間に合わせて前記所定駐車場への到着時間を調整するよう提案を行う調整提案部、を備える、
請求項11に記載の車両側システム。
【請求項14】
前記乗降場の予約時間に合わせて前記所定駐車場への到着時間を調整するように前記車両の速度を制御する走行制御部を備える、
請求項11に記載の車両側システム。
【請求項15】
自動バレーパーキングシステムで用いられる情報処理方法であって、
所定装置から受け付けた、所定車両における所定駐車場の利用予約に対応する時間帯で前記所定駐車場の乗降場が利用可能であるか否かについて判定し、
判定結果に応じて、前記時間帯で前記乗降場を予約する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、車両側システムおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、駐車場内の複数の駐車スペースの何れかに車両を自動で移動させるバレーパーキングシステムが知られている。この技術では、予約した駐車スペースに対応する駐車場の乗降場で車両から乗員が降りた後、車両を自動で駐車スペースに移動させて駐車させ、乗員が乗車するタイミングで、車両を駐車スペースから乗降場に自動で移動させる。
【0003】
例えば、特許文献1には、予約した入庫時間まで車両が駐車できずに待機させられることを抑制するため、駐車するエリアの予約時に他の車両が駐車している場合、一次退避を行うエリアを設ける技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、駐車場においては、一般的に駐車エリアに比べて、目的施設に近い場所に配置する必要がある乗降場は、土地の制約等から利用数に制限がでてくる。そのため、駐車場に入出庫する際に乗降場が混雑することにより、乗降場を利用することができずに車両の乗り降りがスムーズに行えないおそれがあり、ひいては駐車場の利便性が低下するおそれがあった。
【0006】
本開示の目的は、自動バレーパーキングシステムの駐車場の利便性を向上させることが可能な情報処理装置、車両側システムおよび情報処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る情報処理装置は、
自動バレーパーキングシステムで用いられる情報処理装置であって、
所定装置から受け付けた、所定車両における所定駐車場の利用予約に対応する時間帯で前記所定駐車場の乗降場が利用可能であるか否かについて判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に応じて、前記時間帯で前記乗降場を予約する予約部と、
を備える。
【0008】
本開示に係る車両側システムは、
自動バレーパーキングシステムの駐車場に駐車可能な車両の車両側システムであって、
所定駐車場の利用予約の情報を前記所定駐車場の情報処理装置に送信する送信部と、
前記情報処理装置から前記所定駐車場の乗降場の予約結果を受信する受信部と、
を備える。
【0009】
本開示に係る情報処理方法は、
自動バレーパーキングシステムで用いられる情報処理方法であって、
所定装置から受け付けた、所定車両における所定駐車場の利用予約に対応する時間帯で前記所定駐車場の乗降場が利用可能であるか否かについて判定し、
判定結果に応じて、前記時間帯で前記乗降場を予約する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、自動バレーパーキングシステムの駐車場の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の実施の形態に係る車両の制御部およびサーバの情報処理部を示す図である。
【
図2】表示部における所定駐車場を有する施設の情報の表示例を示す図である。
【
図3】本開示の実施の形態に係る情報処理部を示す図である。
【
図5】情報処理部における乗降場の予約制御の動作例を示すフローチャートである。
【
図8】表示部における駐車スペースの情報の表示例を示す図である。
【
図11】変形例に係る端末装置の制御部、サーバの情報処理部および車両の制御部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施の形態)
以下、本開示の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本開示の実施の形態に係る車両1の制御部100およびサーバ2の情報処理部200を示す図である。
【0013】
図1に示すように、車両1は、自動バレーパーキングシステムの駐車場に駐車可能であり、サーバ2と通信することにより、所定駐車場の駐車スペースおよび乗降場の利用予約を行う車両側システムを構成する。車両1は、例えば、通信部11と、入力部12と、表示部13と、制御部100とを有する。
【0014】
通信部11は、例えば、サーバ2(情報処理部200)との間で情報のやり取りが可能な通信装置である。通信部11は、例えば、所定駐車場の駐車スペースおよび乗降場の利用予約に関する情報をサーバ2に送信し、かつ、サーバ2から、駐車スペースの利用の可否に関する情報を受信する。通信部11は、本開示の「送信部」および「受信部」に対応する。
【0015】
入力部12は、例えば、カーナビゲーション装置等のユーザインターフェース、具体的には、タッチパネル、ボタン、音声入力装置などの入力装置である。入力部12では、例えば、車両1の乗員が所定駐車場の駐車スペースの利用予約に関する情報が入力される。
【0016】
利用予約に関する情報は、例えば、利用予約を要求する情報、所定駐車場の利用時間の情報である。また、利用予約に関する情報には、所定駐車場の利用目的の情報(例えば、食事、買い物、休憩等)が含まれていても良い。所定駐車場の利用時間の情報は、利用予約に対応する時間帯の情報であっても良い。
【0017】
表示部13は、例えば、カーナビゲーション装置等の表示装置である。表示部13では、サービスエリアや商業施設等の所定駐車場を有する施設の情報(走行中の車両1からサービスエリアや商業施設までの距離の情報を含む)が表示される。
【0018】
例えば、
図2には、カーナビゲーションに関する情報13Aと、サービスエリア(施設)に関する情報13Bとが並べて表示された表示部13の例が示されている。
図2には、サービスエリアに関する情報13Bにおいて、サービスエリアの名称の他、サービスエリアまでの距離に関する情報も表示されている。なお、表示部13には、サービスエリアに関する情報において、自動バレーパーキングシステムに対応しているか否かを示す情報が表示されても良い。
【0019】
車両1の乗員が表示部13に表示された、例えばサービスエリアを選択すると、表示部13では、サービスエリアの利用予約に関する情報を入力する画面が表示される。その後、乗員が入力部12を介して、その情報を入力する。これにより、通信部11を介して、所定駐車場の駐車スペースの利用予約に関する情報がサーバ2に向けて送信される。
【0020】
また、表示部13には、通信部11を介してサーバ2から受信した所定駐車場の利用の可否の情報が表示される。例えば、表示部13に所定駐車場の利用ができることを示す情報が表示された場合、制御部100等の走行制御に基づいて、車両1は、所定駐車場に向けて走行することになる。また、表示部13に所定駐車場の利用ができないことを示す情報が表示された場合、再び、車両1の乗員は、表示部13に表示される別の駐車場に関する情報等を入力部12に入力することになる。
【0021】
制御部100は、例えば、車両1の電子制御ユニットであり、CPU101、ROM102、RAM103および入出力回路を備えている。制御部100は、予め設定されたプログラムに基づいて、所定駐車場および所定駐車場の乗降場の利用予約に関する情報を送信し、かつ、サーバ2(情報処理部200)から所定駐車場の乗降場の予約結果を受信するように通信部11を制御する。また、制御部100は、車両1の走行制御等を行っても良い。
【0022】
また、制御部100は、乗員が入力した所定駐車場の利用時間などの利用予約に関する情報に基づいて、利用予約に対応する時間帯を算出する。例えば、制御部100は、車両1の現在の位置から所定駐車場を有する施設までの距離と、車両1の現在の速度とから、所定駐車場への到着予定時間を算出し、到着予定時間と利用時間の情報に基づいて、利用予約に対応する時間帯を算出してサーバ2に送信する。制御部100は、利用予約に対応する時間帯の情報を、利用予約に関する情報としてサーバ2に送信するようにしても良い。
【0023】
また、制御部100は、所定駐車場の利用予約が完了した場合、所定駐車場の利用の決済処理を行うようにしても良い。例えば、制御部100は、決済処理に関する情報を表示部13に表示させる。そして、入力部12を介して乗員が、決済処理に関する情報(例えば、クレジットカードの情報や二次元コードの情報等)を入力したら、制御部100は、車両1の外部にある決済サーバ(不図示)と通信部11を介して通信を行い、決済処理を完了する。
【0024】
サーバ2は、自動バレーパーキングシステムで用いられるサーバであり、例えば、自動バレーパーキングシステムの所定駐車場を管理する。なお、サーバ2は、複数の駐車場を管理していても良い。サーバ2は、通信部21と、情報処理部200とを有する。
【0025】
通信部21は、車両1(制御部100)との間で情報のやり取り可能な通信装置である。通信部21は、例えば、所定駐車場の駐車スペースおよび乗降場の利用予約に関する情報を車両1から受信し、かつ、駐車スペースの利用の可否に関する情報を車両1に送信する。
【0026】
情報処理部200は、CPU201、ROM202、RAM203および入出力回路を備えており、車両1の制御部100(所定装置)から受け付けた、車両1における所定駐車場の利用予約に関する情報に基づいて、所定駐車場の駐車スペースおよび乗降場の予約、割り当て等の管理、および車両1の移動制御等を行う。情報処理部200は、本開示の「情報処理装置」に対応する。
【0027】
図3に示すように、情報処理部200は、判定部210と、予約部220と、通知部230と、移動制御部240とを有する。
【0028】
判定部210は、車両1から受け付けた所定駐車場の利用予約に対応する時間帯で所定駐車場の乗降場が利用可能であるか否かについて判定する。
【0029】
図4に示すように、自動バレーパーキングシステムにおける所定駐車場には、車両1の乗員が乗り降りするための乗降場が、いくつか設けられている。なお、
図4等の説明においては、直交座標系(X,Y)を使用する。例えば、X軸方向が
図4の左右方向を示し、Y軸方向が
図4の上下方向を示している。
【0030】
図4に示す例では、所定駐車場に存在する施設のY軸方向の-側に5つの乗降場がX軸方向に並んで設けられ、乗降場よりもY軸方向の-側に駐車場エリアが設けられている。駐車場エリアには、2つの駐車スペースエリアがY軸方向に並んで設けられている。各駐車スペースエリアには、複数の駐車スペースが並んでいる。
【0031】
また、
図4に示す矢印は、駐車場エリアにおける車両1の進行方向である。
図4に示す例では、駐車スペースエリアよりもX軸方向の+側に位置する経路が、Y軸方向の-側に進行する経路であり、例えば、乗降場から駐車スペースに向かう経路の一部となっている。また、駐車スペースエリアよりもX軸方向の-側に位置する経路が、Y軸方向の+側に進行する経路であり、例えば、駐車スペースから乗降場に向かう経路の一部となっている。また、2つの駐車スペースエリアにY軸方向で挟まれた経路、および2つの駐車場スペースエリアよりもY軸方向の-側に位置する経路は、車両がX軸方向の-側に進行する経路である。
【0032】
車両が所定駐車場の駐車スペースに駐車する際に、所定駐車場の利用予約に対応する時間帯に含まれる降車時間帯と乗車時間帯とにおいて乗降場が確保される必要がある。降車時間帯は、乗員が乗降場で降車する時間帯であり、所定駐車場の利用予約に対応する時間帯の冒頭の時間帯である。乗車時間帯は、乗員が乗降場で乗車する時間帯であり、所定駐車場の利用予約に対応する時間帯の末尾の時間帯である。降車時間帯および乗車時間帯は、例えば5分等、所定駐車場の利用時間に応じて適宜設定され得る。
【0033】
判定部210は、利用予約に対応する時間帯における降車時間帯と乗車時間帯とで乗降場が利用可能である場合、利用予約に対応する時間帯で乗降場が利用可能であると判定する。
【0034】
また、判定部210は、所定駐車場の駐車スペースに空きがあるか否かについて判定しても良い。なお、駐車スペースに空きがあるか否かについての判定は、判定部210以外で行われても良いし、情報処理部200以外の別のCPUを有する装置によって行われても良い。
【0035】
予約部220は、判定部210の判定結果に応じて、利用予約に対応する時間帯で乗降場を予約する。具体的には、予約部220は、乗降場が利用可能であると判定部210が判定した場合、利用予約に対応する時間帯における、降車時間帯と乗車時間帯とで乗降場を予約する。
【0036】
また、予約部220は、所定駐車場の駐車スペースに空きがある場合、駐車スペースを予約しても良い。より詳細には、駐車スペースの予約は、予約部220によって行われても良いし、予約部220以外で行われても良いし、情報処理部200以外の別のCPUを有する装置によって行われても良い。
【0037】
このように乗降場を予約することで、乗降場での車両1の乗り降りをスムーズに行うことができるので、自動バレーパーキングシステムの所定駐車場の利便性を向上させることができる。
【0038】
通知部230は、予約部220の予約結果を車両1(所定装置)に通知する。より詳細には、通知部230は、予約部220の予約状況に応じて、所定駐車場の利用の可否を車両1に通信部21を介して通知する。
【0039】
例えば、予約部220により、乗降場の予約がされ、かつ、駐車スペースに空きがある場合、通知部230は、所定駐車場を利用できることを示す情報を、通信部21を介して車両1に通知する。
【0040】
また、予約部220により、乗降場の予約がされない場合、駐車スペースに空きがあるか否かに関わらず、通知部230は、例えば、所定駐車場を利用できないことを示す情報を、通信部21を介して車両1に通知する。
【0041】
移動制御部240は、降車時間帯と、乗車時間帯との間の時間帯で、乗降場と所定駐車場の駐車スペースとの間で車両1を移動させる。例えば、移動制御部240は、降車時間帯で車両1の乗員が降車した場合、乗降場から駐車スペースまで車両1を遠隔操作で移動させる。そして、移動制御部240は、乗車時間帯に乗降場に到着するように、駐車スペースから乗降場まで車両1を遠隔操作で移動させる。
【0042】
また、移動制御部240は、車両1から乗員が降りて、乗降場から駐車スペースに向けて車両1の移動を開始した後、乗員の要求に応じて車両1を乗降場に引き返させるようにしても良い。
【0043】
例えば、乗員が降車した後、車両1内にある物(忘れ物等)が必要になる場合がある。しかし、車両1が駐車スペースに移動したまま、利用予約に対応する時間帯が終わるまで戻ってこないと、乗員にとって不便である。
【0044】
そのため、乗員の要求に応じて車両1を乗降場に引き返すようにすることで、乗員にとって利便性を向上させることができる。
【0045】
乗員の要求は、例えば、乗員が所持するスマートフォン等の携帯端末から、情報処理部200に通知することによって行われる。また、乗員の要求は、乗員が所定駐車場の管理者等に問い合わせて、情報処理部200を制御してもらうこと等によって行われても良い。
【0046】
また、引き返してきた車両1の乗降場は、例えば、所定駐車場の空きスペースを割り当てれば良く、引き返してきた車両用の乗降場が別途設けられている場合は、別途設けられた乗降場を割り当てても良い。また、空いている乗降場がある場合、その乗降場を、引き返してきた車両1の乗降場としても良い。
【0047】
別途設けられた乗降場には、例えば、
図4に示す5つの乗降場よりも、X軸方向の+側または-側のスペース等が割り当てられても良い。
【0048】
移動制御部240は、割り当てられた乗降場まで車両1を移動させる。そして、乗降場で乗員が車両1内の物を取り出すことができる。その後、移動制御部240は、乗降場から駐車スペースまで車両1を移動させる。
【0049】
また、車両1が引き返すときの移動経路は、例えば、乗降場から駐車スペースまでの経路の移動中に、経路をショートカットして戻る経路であっても良い。
【0050】
例えば、
図4に示す2つの駐車スペースエリアにY軸方向で挟まれた経路をショートカットして戻る経路として活用しても良い。また、矢印の進行方向を逆走可能である場合、乗降場から駐車スペースまでの経路をUターンして戻る経路を活用しても良い。
【0051】
次に、情報処理部200の動作例について説明する。
図5は、情報処理部200における乗降場の予約制御の動作例を示すフローチャートである。
【0052】
図5に示すように、情報処理部200は、所定駐車場の利用予約に関する情報(利用予約に対応する時間帯の情報)を取得して(ステップS101)、乗降場が利用可能であるか否かについて判定する(ステップS102)。
【0053】
判定の結果、乗降場が利用可能ではない場合(ステップS102、NO)、情報処理部200は、所定駐車場を利用できないことを示す情報を通知する(ステップS103)。一方、乗降場が利用可能である場合(ステップS102、YES)、情報処理部200は、駐車スペースに空きがあるか否かについて判定する(ステップS104)。
【0054】
駐車スペースに空きがあるか否かの判定は、情報処理部200で駐車スペースの空き情報を確認して行っても良いし、他の処理装置から空き情報を取得して行っても良い。
【0055】
判定の結果、駐車スペースに空きがない場合(ステップS104、NO)、ステップS103の処理が行われる。一方、駐車スペースに空きがある場合(ステップS104、YES)、情報処理部200は、乗降場を予約し(ステップS105)、所定駐車場を利用できることを示す情報を通知する(ステップS106)。ステップS103またはステップS106の後、本制御は終了する。
【0056】
以上のように構成された本実施の形態によれば、所定駐車場の利用予約に対応する時間帯で乗降場が利用可能である場合、その時間帯で乗降場を予約するので、所定駐車場に入出庫する際に、乗降場を確実に利用することができる。その結果、乗降場での車両1の乗り降りをスムーズに行うことができ、ひいては所定駐車場の利便性を向上させることができる。
【0057】
また、乗降場の予約結果を車両1に通知するので、所定駐車場(乗降場)を利用可能か否かについて車両1の乗員が迅速に把握することができる。
【0058】
なお、上記実施の形態では、どの駐車スペースが利用されるかについて言及されていなかったが、本開示はこれに限定されず、駐車スペースをユーザの利用目的に応じて選択できるようにしても良い。
【0059】
例えば、
図6に示すように、情報処理部200は、
図3に示す構成に加えて、選択部250を有していても良い。選択部250は、ユーザの利用目的に基づいて所定駐車場の駐車スペースを選択する。より詳細には、選択部250は、ユーザの利用目的がトイレ休憩または飲食物の購入の何れかである場合、利用目的が食事である場合と比べ、乗降場と駐車スペースとが近い位置の駐車スペースを選択する。
【0060】
例えば、ユーザの利用目的が小時間の休憩(例えば、トイレ休憩や、飲食物の購入等)である場合、駐車スペースでの駐車時間が比較的短くなるため、乗降場と駐車スペースとが近い方が、車両1の移動を迅速に行うことができて、利便性が高くなる。
【0061】
そのため、この場合、選択部250は、乗降場から比較的近い位置の駐車スペースを選択する。例えば、
図4に示す例では、Y軸方向の+側の駐車スペースエリアの駐車スペースが選択される。
【0062】
また、ユーザの利用目的が長時間の休憩(例えば、食事等)である場合、駐車スペースでの駐車時間が比較的長くなるため、乗降場と駐車スペースとが遠くても、車両1を移動させる時間に余裕がある。
【0063】
そのため、この場合、選択部250は、乗降場から比較的遠い位置の駐車スペースを選択する。例えば、
図4に示す例では、Y軸方向の-側の駐車スペースエリアの駐車スペースが選択される。
【0064】
これにより、ユーザの利用目的を考慮して、駐車スペースを割り当てることができるので、所定駐車場内の車両の移動の効率を向上させることができる。
【0065】
なお、選択部250は、ユーザの利用目的に基づいて、必要となる時間を推定して、その推定時間に基づいて、駐車スペースを選択しても良い。推定時間は、例えば、施設の利用に対する待ち時間(食事の際の注文に対する待ち時間)や、過去の利用目的毎の平均時間から、推定される時間である。
【0066】
また、乗降場から比較的遠い位置にある駐車スペースを利用する場合、車両の移動距離が長くなるので、乗降場から比較的近い位置にある駐車スペースを利用する場合よりも、電気で走行する車両のバッテリーのエネルギー消費量が多くなる。そのため、乗降場から比較的遠い位置にある駐車スペースを利用するユーザに対して、何らかのインセンティブを付与しても良いと考えられる。そこで、例えば、乗降場と所定駐車場の駐車スペースとの距離に応じて、インセンティブを付与しても良い。
【0067】
例えば、
図7に示すように、情報処理部200は、
図3に示す構成に加えて、付与部260を有する。なお、情報処理部200は、
図6に示す構成に加えて付与部260を有していても良い。
【0068】
付与部260は、乗降場と所定駐車場の駐車スペースとの距離に応じて、ユーザに対してインセンティブを付与する。具体的には、付与部260は、乗降場と駐車スペースとの距離が長くなるにつれ、ユーザに対して多くのインセンティブを付与する。
【0069】
インセンティブとしては、例えば、所定駐車場の利用料金を安くすること、所定のポイントカードのポイントを付与すること、またはポイントの付与率を上げること、何らかのクーポン券を付与すること等が挙げられる。
【0070】
これにより、乗降場から離れた位置にある駐車スペースの利用頻度を向上させることができる。
【0071】
また、割り当てられる駐車スペースについては、ユーザが選択できるようにしても良い。この場合、例えば、通知部230により、空いている駐車スペースの情報が車両1に通知され、制御部100が、駐車スペースの情報を表示部13に表示させる。
【0072】
例えば、
図8に示すように、カーナビゲーション画面13Aの隣に、駐車スペースの情報を示す画面13Cを表示部13に表示させる。
図8には、一例としてスペースA、スペースB、スペースC、スペースDの4つの駐車スペースが表示されている。また、
図8には、各スペースに対応する料金(インセンティブ)の情報が併記されている。なお、乗降場と駐車スペースとの間の距離の情報が併記されていても良い。
【0073】
これにより、車両1の乗員が希望する駐車スペースを選択することができる。
【0074】
また、上記実施の形態では、予約部220により乗降場の予約ができない場合は、所定駐車場の利用ができない旨を通知していたが、本開示はこれに限定されず、何らかの提案をユーザに行っても良い。
【0075】
例えば、通知部230が、予約部220により利用予約に対応する時間帯での乗降場が予約できない場合、上記時間帯とは異なる時間帯での利用予約を提案する情報を車両1に通知しても良い。
【0076】
また、通知部230は、予約部220により利用予約に対応する時間帯での乗降場が予約できない場合、所定駐車場とは異なる駐車場の利用を提案する情報を車両1に通知しても良い。
【0077】
また、情報処理部200ではなく、車両1の制御部100が上記の提案を行っても良い。この場合、例えば、
図9に示すように、制御部100は、上記の提案を行う提案部110を有していても良い。
【0078】
提案部110は、所定駐車場の乗降場の予約ができない場合、所定駐車場とは異なる駐車場の利用を提案する。具体的には、提案部110は、サーバ2から、所定駐車場の乗降場の予約ができないことを示す情報を、通信部11を介して取得した場合、ユーザによって入力された、利用予約に係る所定駐車場(例えば、
図2に示すサービスエリア)を除いた、駐車場の施設の情報を表示部13に表示する。
【0079】
また、提案部110は、乗降場の予約時間に合わせて所定駐車場への到着時間を調整する提案を行っても良い。この場合の提案部110は、本開示の「調整提案部」に対応する。
【0080】
例えば、走行中の車両1の速度を維持して、所定駐車場に向かった場合の到着予定時間では利用可能な乗降場がないが、到着予定時間よりも例えば数分後には、乗降場が利用可能になる場合がある。この場合、現状の到着予定時間とは異なる到着予定時間となるように、車両1の速度を調整することにより、乗降場を利用可能となる。
【0081】
そのため、提案部110の提案を乗員が受け入れて、提案を受け入れる情報が入力部12を介して入力された場合、通信部11を介して、調整後の到着時間の情報がサーバ2に送信される。そして、サーバ2の予約部220が、到着時間に係る時間帯で乗降場を予約する。また、車両1の速度の調整は、乗員の操作や、車両1の走行制御部によって行われる。
【0082】
例えば、
図10に示すように、車両1の制御部100が、自動運転に係る走行制御部120を有する場合、走行制御部120が、乗降場の予約時間に合わせて所定駐車場への到着時間を調整するように車両1の速度を制御するようにしても良い。
【0083】
走行制御部120の制御は、上記の提案部110の提案に応じて行われても良いし、自動で行われても良い。
【0084】
また、上記実施の形態では、利用予約に対応する時間帯を変更することについて言及されていなかったが、本開示はこれに限定されず、ユーザの要求に応じて利用予約に対応する時間帯を変更可能であっても良い。
【0085】
例えば、車両1が所定駐車場の施設に到着する前である場合、乗員が、時間帯を変更する情報を、入力部12を介して行うことにより、当該情報がサーバ2に送信される。サーバ2では、変更された時間帯における乗降場の予約が可能である場合、乗降場を予約部220が予約し、予約変更ができた旨を、通知部230を介して、車両1に通知する。また、変更された時間帯における乗降場の予約ができない場合、予約変更ができない旨を、通知部230を介して、車両1に通知する。
【0086】
また、車両1が所定駐車場の施設に到着して、乗降場で乗員が降車した後である場合、例えば、乗員がスマートフォン等の携帯端末を操作して、サーバ2に所定駐車場の利用の時間帯の変更を依頼する情報を送信する。サーバ2では、変更された時間帯(乗車時間帯)における乗降場の予約が可能である場合、乗降場を予約部220が予約し、時間帯変更ができた旨を、通知部230を介して、乗員の携帯端末に通知する。また、変更された時間帯における乗降場の予約ができない場合、予約変更ができない旨を、通知部230を介して、乗員の携帯端末に通知する。
【0087】
また、上記実施の形態では、車両1が車両側システムを構成していたが、本開示はこれに限定されない。例えば、車両側システムが車両内に持ち込み可能な端末装置等(乗員が所持するスマートフォン等の携帯端末)や、車両の外部に設置された装置(パーソナルコンピュータ等)を含んでいても良い。
【0088】
例えば、
図11に示すように、端末装置3は、通信部31、入力部32、表示部33および端末側制御部300を有する。端末装置3は、乗員が所持するスマートフォン等の携帯端末やパーソナルコンピュータ等の装置(所定装置)である。
【0089】
端末装置3の通信部31、入力部32および表示部33は、
図1における車両1の通信部11、入力部12および表示部13における所定駐車場の利用予約に関する機能と同様の機能を有する。
【0090】
端末側制御部300は、CPU301、ROM302、RAM303および入出力回路を備えており、
図1における車両1の制御部100における所定駐車場の利用予約に関する制御と同様の制御を行う。
【0091】
また、サーバ2の情報処理部200は、端末装置3から、車両1における所定駐車場の利用予約を受け付けた場合、利用予約に対応する車両1を識別する機能を有する。例えば、端末側制御部300は、利用予約に対応する車両1を識別する情報を利用予約の情報とともにサーバ2に送信するように通信部31を制御する。そして、情報処理部200は、車両1の通信部11と通信を行い、利用予約に対応する車両1を識別する情報と、乗降場に到着した車両1の情報とを照合し、これらの情報が一致した場合、乗降場と駐車スペースとの間で、車両1を移動させる制御を行う。また、これらの情報が一致しない場合、サーバ2は、例えば、乗降場に設けられた報知装置や、乗降場に到着した車両1の音声発生装置等に、乗降場の利用予約がされていない旨の情報を通知するようにしても良い。
【0092】
また、車両1では、端末装置3で利用予約を行うことができる場合、制御部100が、利用予約に関する制御を行うことができなくても良い。そのため、この場合、車両1では、入力部12および表示部13が設けられなくても良い。また、端末装置3で利用予約と行う琴ができる場合であっても、制御部100が、利用予約に関する制御を行うことができても良い。
【0093】
また、上記実施の形態では、情報処理部200がサーバ2に含まれていたが、本開示はこれに限定されず、サーバ2と通信可能である他の装置に設けられても良い。
【0094】
その他、上記実施の形態は、何れも本開示を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本開示の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本開示はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本開示の情報処理装置は、自動バレーパーキングシステムの駐車場の利便性を向上させることが可能な情報処理装置、車両側システムおよび情報処理方法として有用である。
【符号の説明】
【0096】
1 車両
2 サーバ
11 通信部
12 入力部
13 表示部
21 通信部
100 制御部
110 提案部
200 情報処理部
210 判定部
220 予約部
230 通知部
240 移動制御部
250 選択部
260 付与部