IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 戸田建設株式会社の特許一覧 ▶ 株式会社北川鉄工所の特許一覧

<>
  • 特開-吊荷の旋回制御装置 図1
  • 特開-吊荷の旋回制御装置 図2
  • 特開-吊荷の旋回制御装置 図3
  • 特開-吊荷の旋回制御装置 図4
  • 特開-吊荷の旋回制御装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170995
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】吊荷の旋回制御装置
(51)【国際特許分類】
   B66C 13/08 20060101AFI20231124BHJP
【FI】
B66C13/08 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022083148
(22)【出願日】2022-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】000166432
【氏名又は名称】戸田建設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000154901
【氏名又は名称】株式会社北川鉄工所
(74)【代理人】
【識別番号】100104927
【弁理士】
【氏名又は名称】和泉 久志
(72)【発明者】
【氏名】浅野 均
(72)【発明者】
【氏名】沖田 佳隆
(72)【発明者】
【氏名】可児 幸嗣
(72)【発明者】
【氏名】大河内 孝彦
(72)【発明者】
【氏名】北原 慎也
(72)【発明者】
【氏名】阿藻 徳彦
(72)【発明者】
【氏名】河本 清道
(72)【発明者】
【氏名】夛田 雅次
(57)【要約】
【課題】装置がコンパクト化できるとともに、消費電力を抑えることができ、安定した制御が可能な吊荷の旋回制御装置を提供する。
【解決手段】吊り下げられた吊荷3の姿勢を、回転するフライホイール4の回転軸を傾動させることで生じるジャイロ効果により旋回制御する。前記フライホイール4が複数設けられており、これら複数のフライホイール4が一体に1つの傾動軸(Y軸)で傾動される。これによって、各フライホイール4でジャイロ効果による出力が得られるため、旋回制御装置1の大きさを抑えながら、旋回制御能力が向上できる。また、回転駆動するフライホイール4の数を調整して、吊荷3に見合った旋回制御能力に調整できるため、消費電力を抑えることができる。傾動制御系が1つにでき、安定した制御が可能となる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吊り下げられた吊荷の姿勢を、回転するフライホイールの回転軸を傾動させることで生じるジャイロ効果により旋回制御する吊荷の旋回制御装置であって、
前記フライホイールが複数設けられており、これら複数のフライホイールが一体に1つの傾動軸で傾動されることを特徴とする吊荷の旋回制御装置。
【請求項2】
前記フライホイールが2つ設けられており、前記2つのフライホイールが回転軸方向に離隔して配置され、これらフライホイール間の離隔幅の中央位置に前記傾動軸が配置される請求項1記載の吊荷の旋回制御装置。
【請求項3】
複数の前記フライホイールは、同じ方向に同じ回転速度で回転可能となっている請求項1記載の吊荷の旋回制御装置。
【請求項4】
前記複数のフライホイールがそれぞれ別の回転軸に支持され、各回転軸が同軸上に直列配置されている請求項1記載の吊荷の旋回制御装置。
【請求項5】
前記複数のフライホイールが連続する回転軸に支持されている請求項1記載の吊荷の旋回制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレーンなどで吊り下げられた吊荷の姿勢を、高速回転するフライホイールの回転軸を強制的に傾動させることで生じるジャイロ効果により旋回制御する吊荷の旋回制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、クレーンなどで吊り下げられた吊荷の姿勢を制御する吊荷の旋回制御装置として、高速回転するフライホイールのジャイロ効果を利用して、吊荷を旋回させたり、吊荷を目的の位置で正確に静止させたり、風などの外乱に抵抗して吊荷の姿勢を一定に保ったりして、クレーンを用いた揚重作業の効率化を図ったものが知られている。
【0003】
このような吊荷の旋回制御装置は、1つのフライホイールで構成されたものが広く用いられていたが、近年では、例えば下記の特許文献1に示されるように、複数のフライホイールを備えたものも開発されている。
【0004】
特許文献1には、姿勢制御装置の一実施例として、図4及び図5に示されるように、姿勢制御装置50が吊荷51に固定され、この姿勢制御装置50内に2個のジャイロ52L、52Rが収容された形態(特許文献1の図6及び図7)が示されている。その作動として、ジャイロ52Lを軸53Lのまわりに矢印イ方向から見て時計回りに回転させ、同時にジャイロ52Rを軸53Rのまわりに矢印ロ方向から見て時計回りに回転させる。この状態でジャイロ52Lを軸54Lのまわりに矢印ハ方向から見て時計回りに、ジャイロ52Rを軸54Rのまわりに矢印ニ方向から見て反時計回りに同時にある角度だけ回転させると、ジャイロ52L、52Rにはそれぞれ軸55L、55Rのまわりに矢印ホ及びヘ方向から見て反時計回りにトルクが発生する。そして、このトルクは姿勢制御装置50を介して吊荷51に伝わり、これを軸56のまわりに矢印ト方向から見て反時計回りに回動させ、姿勢を変更する。このように、特許文献1では、複数のジャイロがそれぞれ独立的に異なった動きをすることによって吊荷の姿勢が制御されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7-252087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
吊荷の旋回制御装置の旋回制御能力は、フライホイールの慣性モーメントと回転速度によって決定されるものであり、フライホイールの慣性モーメントは、フライホイールの径の大きさ及び重量によって決定される。このため、装置の能力を向上させるには、フライホイールの径を大きくし、回転速度を上げる必要があるが、回転速度は安全性や駆動装置の能力などから上限があるため、装置の能力向上には、フライホイールの径を大きくせざるを得ず、これに伴い装置が大型化する問題があった。
【0007】
また、制御の複雑化を避けるなどの理由から、フライホイールの回転速度は一定に保持する必要があるため、吊荷の重量などに応じて装置の能力を調整することができず、無駄に電力を消費する問題があった。
【0008】
上記特許文献1記載の装置では、対のジャイロ52L、52Rが、それぞれ独立して異なった動きをするように制御されているため、各ジャイロ52L、52Rのジャイロ効果による出力がそれぞれ独立的に作用する。このため、両者の制御を精密に同期させないと、つまり両者の出力のタイミングや量が僅かでもずれると、吊荷に揺れが生じ、制御が安定しないことやジャイロ効果による出力にバラツキが生じ最大限の能力を発揮でない問題があった。
【0009】
そこで本発明の主たる課題は、装置をコンパクト化でき、消費電力が抑えられ、安定した制御や最大限の能力発揮が可能な吊荷の旋回制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、吊り下げられた吊荷の姿勢を、回転するフライホイールの回転軸を傾動させることで生じるジャイロ効果により旋回制御する吊荷の旋回制御装置であって、
前記フライホイールが複数設けられており、これら複数のフライホイールが一体に1つの傾動軸で傾動されることを特徴とする吊荷の旋回制御装置が提供される。
【0011】
上記請求項1記載の発明では、吊荷の旋回制御装置において、回転軸を傾動させることでジャイロ効果による出力を発生させるフライホイールが複数設けられているため、旋回制御装置の大きさを抑えながら、旋回制御能力を向上することができる。
【0012】
また、吊荷の重量等に対して旋回制御能力が大きすぎる場合は、回転駆動するフライホイールの数を低減し、吊荷の重量等に見合った旋回制御能力が得られる数のフライホールのみを回転駆動し、残りのフライホイールの回転を停止することで、消費電力を抑えることができる。
【0013】
更に、これら複数のフライホイールが1つの傾動軸で一体に傾動するようになっているため、傾動制御系が1つで済み、制御のズレが生じなくなり、安定した制御や最大限の能力発揮が可能となる。
【0014】
請求項2に係る本発明として、前記フライホイールが2つ設けられており、前記2つのフライホイールが回転軸方向に離隔して配置され、これらフライホイール間の離隔幅の中央位置に前記傾動軸が配置される請求項1記載の吊荷の旋回制御装置が提供される。
【0015】
上記請求項2記載の発明では、前記フライホイールを2つ配置した場合の具体的な構造について規定しており、2つのフライホイールが回転軸方向に離隔して配置され、これら2つのフライホイール間の離隔幅の中央位置に前記傾動軸が配置されている。
【0016】
請求項3に係る本発明として、複数の前記フライホイールは、同じ方向に同じ回転速度で回転可能となっている請求項1記載の吊荷の旋回制御装置が提供される。
【0017】
上記請求項3記載の発明では、制御を簡単にするため、複数のフライホイールについては回転方向及び回転速度を同じにしている。
【0018】
請求項4に係る本発明として、前記複数のフライホイールがそれぞれ別の回転軸に支持され、各回転軸が同軸上に直列配置されている請求項1記載の吊荷の旋回制御装置が提供される。
【0019】
上記請求項4記載の発明では、複数のフライホイールがそれぞれ別の回転軸に支持されているため、複数のフライホイールのうち任意のフライホイールのみを回転駆動し、残りのフライホイールの回転を停止することができる。
【0020】
請求項5に係る本発明として、前記複数のフライホイールが連続する回転軸に支持されている請求項1記載の吊荷の旋回制御装置が提供される。
【0021】
上記請求項5記載の発明では、複数のフライホイールが連続する回転軸に支持されているため、複数のフライホイールの回転速度が完全に一致し、ジャイロ効果の出力が同一となり、制御の安定性が高まるとともに、機械損失が低減し、かつ回転軸を回転駆動する駆動装置が1つで済むため、消費エネルギーが低減できる。
【発明の効果】
【0022】
以上詳説のとおり本発明によれば、装置をコンパクト化でき、消費電力が抑えられ、安定した制御や最大限の能力発揮が可能な吊荷の旋回制御装置が提供できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明に係る旋回制御装置1を用いて吊荷3を吊り上げた状態を示す斜視図である。
図2】フライホイール4及びジンバル6の配置を示す平面図である。
図3】他の形態例に係るフライホイール4及びジンバル6の配置を示す平面図である。
図4】従来の姿勢制御装置50を用いて吊荷51を吊り上げた状態を示す斜視図である。
図5】従来の姿勢制御装置50を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
【0025】
本発明に係る吊荷の旋回制御装置1は、図1に示されるように、クレーン等の揚重装置のフック2からワイヤロープ等を介して吊り下げられた吊荷3の姿勢を、水平面内で旋回制御するためのものである。
【0026】
前記旋回制御装置1は、フック2と吊荷3との間に配されており、それぞれワイヤロープを介して吊持されている。旋回制御装置1の設置は、吊荷3を旋回制御できればどのような形態、位置としてもよく、例えば旋回制御装置1を吊治具に固定し、この吊治具をワイヤロープを介して吊持してもよいし、旋回制御装置1を吊荷3に直接固定してもよい。
【0027】
前記旋回制御装置1は、回転するフライホイール4の回転軸を強制的に傾動させることで生じるジャイロ効果により吊荷3を水平面内で旋回制御するものである。
【0028】
前記旋回制御装置1は、詳細には、図2及に示されるように、フライホイール4と、このフライホイール4を回転軸(X軸)回りに回転駆動する回転用駆動装置5と、前記フライホイール4をX軸回りの回転とY軸回りの傾動とを許容可能に支持するジンバル6(吊枠)と、前記ジンバル6をY軸回りに傾動駆動する傾動用駆動装置7と、前記回転用駆動装置5及び傾動用駆動装置7に電力を供給するバッテリー(図示せず)とを備えている。前記回転用駆動装置5及び傾動用駆動装置7としては、通常、電動機(モータ)が用いられ、このうち、傾動用駆動装置7としては、減速機付電動機を好適に用いることができる。前記フライホイール4の回転軸であるX軸と傾動軸であるY軸とは、非平行な状態とされ、通常、直交した状態とされる。図示例では、傾動用駆動装置7の回転軸が直接ジンバル6に接続されているが、傾動用駆動装置7の動力をベルトやチェーンなどの動力伝達要素によってジンバル6に伝達してもよい。
【0029】
前記旋回制御装置1では、回転用駆動装置5を稼働してフライホイール4をX軸回りに回転駆動させている状態で、傾動用駆動装置7を稼働し、フライホイール4をY軸回りに傾動駆動させると、ジャイロ効果によりZ軸回りのジャイロモーメントが発生し、旋回制御装置1がZ軸回りに旋回する。旋回制御装置1の旋回に伴って、吊荷3も同様にZ軸回りに旋回する(図1)。吊荷3の旋回方向は、フライホイール4を傾動させる向きによって変化することができる。
【0030】
本発明に係る旋回制御装置1では、前記フライホイール4が複数設けられている。複数のフライホイール4は、回転軸の軸方向(X軸方向)に互いに所定の間隔を空けて並列して配置されている。これら複数のフライホイール4が配置されたX軸方向の区間の中央部に、傾動軸(Y軸)が通っている。複数のフライホイール4は、全て同じ寸法、同じ重量で形成されており、配置間隔も同じ離隔幅で配置されている。
【0031】
前記フライホイール4を設置する数としては2個以上の任意の数とすることができ特に限定されないが、好ましくは2~10個、特に好ましくは2~5個、図示例では2個である。
【0032】
複数のフライホイール4は、回転駆動する際、同じ方向に同じ回転速度で回転可能なように制御されている。これら複数のフライホイール4は、任意のフライホイール4を単独で回転することもできるし、複数のフライホイール4を同時に回転することも、全てのフライホイール4を同時に回転することもできるようになっている。全てのフライホイール4を同時に回転させたとき以外は、回転駆動するフライホイール4以外のフライホイール4は、回転を停止できるようなっている。
【0033】
これら複数のフライホイール4は、一体に1つの傾動軸(Y軸)で傾動するようになっている。すなわち、複数のフライホイール4は、これらが配置されたX軸方向区間の少なくとも両端部で前記ジンバル6に軸支され、このジンバル6が、X軸方向の中央部でY軸回りに傾動可能な状態で旋回制御装置1のフレームFに軸支されている。
【0034】
従来のように、1つのフライホイールが備えられた旋回制御装置では、旋回制御能力を向上させるには、前述の通り、フライホイールを大径化する必要があり、旋回制御装置が大型化していたが、本発明に係る旋回制御装置1では、フライホイール4が複数設けられているため、旋回制御装置が大型化するのを抑えつつ、旋回制御能力の向上を図ることができる。
【0035】
また、フライホイール4が小型化できるため、フライホイール4の製作精度が向上し、フライホイール4回転時の低騒音化が可能となる。更に、フライホイール4回転時の抵抗が低減するため、省エネルギー化も図れる。
【0036】
フライホイール4の小型化に伴って装置自体もコンパクト化できるため、装置の高さが減少することによるクレーン揚程の損失が減少し、クレーン選定時のサイズダウンが可能となる。また、装置の重量が軽減することによっても、クレーン選定時のサイズダウンが可能となる。
【0037】
複数のフライホイール4は、吊荷3の重量や風などの外乱の受けやすさに応じて、1つ又は複数のフライホイール4を回転駆動させ、残りのフライホイール4を停止した状態とすることができるようになっている。これによって、吊荷3の重量等に見合った最小限の動力でフライホイール4を回転駆動することで、消費電力を抑えることができ、省エネルギー化が実現できる。
【0038】
従来の旋回制御装置では、複数のフライホイールがそれぞれ別個に傾動制御され、これらの傾動制御にズレが生じないように精密に同期させる必要があったが、本発明に係る旋回制御装置1では、複数のフライホイール4が一体に1つの傾動軸(Y軸)で傾動されるため、傾動制御系が1つで済み、制御のズレが生じなくなり、安定した制御が可能となり、制御機器の故障リスクが低減できる。
【0039】
ここで、ジャイロ機構による旋回力Tは、次式(1)に示されるように、ジンバル6の傾動角度や傾動速度によって異なるところ、本発明に係る旋回制御装置1では、複数のフライホイール4を一体に1つの傾動軸で傾動しているため、全てのフライホイール4の傾動角度と速度が等しくなり、最大限の旋回力を出力することができる。
【数1】
また、ジンバル6を傾動する傾動用駆動装置6が1つで済み、機械損失が減少するとともに、消費電力を抑えることができる。
【0040】
前記ジンバル6は、複数のフライホイール4を一体に囲う枠体からなり、X軸と直交する辺部6aにそれぞれ、フライホイール4の回転軸を軸支する軸受部10が設けられるとともに、Y軸と直交する辺部6bの中央部にそれぞれ、外側に突出する傾動中心となる軸部11が備えられている。一方の軸部11には、傾動用駆動装置6が設けられている。前記軸部11は、旋回制御装置1のフレームFに設けられた軸受部に回動自在に支持されている。
【0041】
図4に示される形態例では、フライホイール4が2つ設けられており、この2つのフライホイール4がX軸方向に離隔して配置され、これらフライホイール4、4間の離隔幅の中央位置に前記軸部11が配置されることにより、傾動軸(Y軸)が設けられるようになっている。
【0042】
前記複数のフライホイール4は、図4に示されるように、それぞれが別の回転軸13に軸支され、各回転軸13が同軸上に直列配置されることにより、回転軸方向(X軸方向)に間隔を空けて並列して配置されるようになっている。すなわち、各フライホイール4を支持する回転軸13が独立して回転駆動するように配置されている。
【0043】
隣り合うフライホイール4、4間には、ジンバル6のY軸と直交する辺部6b、6b間に跨がる中間フレーム6cが設けられており、各回転軸13がジンバル6のX軸と直交する辺部6a及び前記中間フレーム6cに対して軸受部10で軸支されている。
【0044】
各回転軸13には、個別的に回転用駆動装置5が備えられ、各回転軸13が独立的に回転用駆動装置5によって回転駆動されている。これによって、吊荷3の重量などに応じて回転駆動するフライホイール4の数を任意に調整することができる。
【0045】
〔他の形態例〕
(1)上記形態例では、複数のフライホイール4がそれぞれ別の回転軸に支持されていたが、図3に示されるように、複数のフライホイール4が連続する回転軸14に支持されるようにしてもよい。本形態例では、複数のフライホイール4の回転軸14が連続しているため、吊荷3の重量などに応じて回転駆動するフライホイール4の数を調整することはできないが、複数のフライホイール4の回転速度が完全に一致するため、各フライホイール4の回転軸を傾動させることで生じるジャイロ効果の出力が同一となり、制御の安定性が高まる。また、複数のフライホイール4をそれぞれ別の回転軸で支持した場合に比べて機械損失が低減できるとともに、回転用駆動装置5が1つで済むため、装置の重量が軽減できるとともに消費エネルギーが低減できる。前記回転軸14は、複数のフライホイール4で連続して形成されていればよく、1本の回転軸で形成してもよいし、各フライホイール4を支持する回転軸同士を連結して連続する回転軸としてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1…旋回制御装置、2…フック、3…吊荷、4…フライホイール、5…回転用駆動装置、6…ジンバル、7…傾動用駆動装置、10…軸受部、11…軸部、13・14…回転軸
図1
図2
図3
図4
図5