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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171003
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】包装体
(51)【国際特許分類】
   B65D 75/30 20060101AFI20231124BHJP
   B65D 75/62 20060101ALI20231124BHJP
   B65D 83/04 20060101ALI20231124BHJP
   B65D 75/34 20060101ALI20231124BHJP
   A61J 1/03 20230101ALI20231124BHJP
【FI】
B65D75/30 A
B65D75/62 A
B65D83/04 D
B65D75/34
A61J1/03 370
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022083165
(22)【出願日】2022-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】000129057
【氏名又は名称】株式会社カナエ
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】守安 晴香
(72)【発明者】
【氏名】吉田 灯薫
【テーマコード(参考)】
3E067
4C047
【Fターム(参考)】
3E067AA17
3E067AB82
3E067AC03
3E067AC12
3E067BA31A
3E067BB12A
3E067BB15A
3E067BB25A
3E067BC04A
3E067EA06
3E067EB02
3E067EB20
3E067FA01
3E067FB04
3E067FC01
4C047AA25
4C047BB04
4C047BB13
4C047BB30
4C047CC15
4C047FF06
(57)【要約】
【課題】 収容部から固形物を取り出すときに、比較的容易に折り曲げることができ、しかも、前記固形物を飛び出させることなく比較的容易に開封することができる包装体を提供する。
【解決手段】 本発明に係る包装体は、二枚のシートがシールされて構成されている包装体であって、固形物を収容している収容部と、前記収容部を囲むシール部と、前記収容部を横断する開封補助線と、を備え、前記開封補助線が前記収容部と前記シール部との境界線と交差する二点を結ぶ仮想線は、前記固形物と重なっており、前記開封補助線は、前記収容部に形成された収容部側補助線と、前記シール部に形成され、かつ、前記収容部側補助線と連結されたシール部側補助線と、を有し、前記収容部側補助線は、前記固形物との重複を緩和するように迂回する迂回部を有しており、前記開封補助線に沿って開封する際の前記シートの破断強度が、4.0N以上10.5N以下の範囲である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二枚のシートがシールされて構成されている包装体であって、
固形物を収容している収容部と、
前記収容部を囲むシール部と、
前記収容部を横断する開封補助線と、を備え、
前記開封補助線が前記収容部と前記シール部との境界線と交差する二点を結ぶ仮想線は、前記固形物と重なっており、
前記開封補助線は、前記収容部に形成された収容部側補助線と、前記シール部に形成され、かつ、前記収容部側補助線と連結されたシール部側補助線と、を有し、
前記収容部側補助線は、前記固形物との重複を緩和するように迂回する迂回部を有しており、
前記開封補助線に沿って開封する際の前記シートの破断強度が、4.0N以上10.5N以下の範囲である
包装体。
【請求項2】
矩形状に形成されており、
前記シール部側補助線は、前記二枚のシートの対角線に沿って延びている
請求項1に記載の包装体。
【請求項3】
前記開封補助線は、視認可能となる色で着色されている
請求項1または2に記載の包装体。
【請求項4】
前記二枚のシートの少なくとも一方は、アルミ層の一方側に基材層としての樹脂層が積層された積層シートとして構成され、アルミ層が内層となるようにシールされており、
前記開封補助線は、前記樹脂層に形成され、前記アルミ層を露出させることにより、視認可能となっている
請求項1または2記載の包装体。
【請求項5】
前記開封補助線は、前記二枚のシートのうちの一方のシートに備えられ、
前記二枚のシートのうちの他方のシートには、前記シール部用補助線に沿うように、折り曲げ補助線が備えられている
請求項1または2に記載の包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二枚のシートをシールして構成された包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
二枚のシートをシールして構成された包装体として、固形物を収容する収容部と、該収容部を横断する開封補助線とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1の包装体では、前記収容部に収容された前記被収容物を横断するように、一方のシートにおける前記収容部の形成部分のみに開封補助線が備えられている。
このような包装体において、前記収容部に収容された前記固形物を取り出すには、前記収容部を形成する二枚のシートのうちの他方のシート表面から前記収容部に収容された前記固形物を指などで押圧し、押圧された前記固形物によって前記開封補助線を破断させて開口を形成する。そして、前記開封補助線の破断により形成された開口から前記固形物を取り出す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-201437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したように、特許文献1の包装体における前記固形物の取り出しにおいては、他方のシート表面から、前記収容部に収容された前記固形物を指などで押圧する必要があるものの、手指に力を入れ難い高齢者などにとっては、前記収容部を形成する他方のシート部分のみを指で押圧して前記開封補助線を破断させること、すなわち、指による押圧力のみにより前記開封補助線を破断させることは必ずしも容易ではない。
【0006】
手指に力を入れ難い高齢者などに、比較的容易に前記開封補助線を破断させる手法として、他方のシート表面から前記固形物を指などで押圧しつつ、シールされた二枚のシートを一方のシート側から他方のシート側に向けて折り曲げて開封すること、すなわち、指による押圧力に加えて、二枚のシートの折り曲げ中に前記開封補助線に加わる力を利用して、包装体を開封することが考えられる。
【0007】
しかしながら、特許文献1の包装体は、一方のシートにおける前記収容部の形成部分のみに開封補助線が備えられているため、必ずしも、折り曲げて開封し易いものではない。
【0008】
また、特許文献1の包装体では、前記開封補助線は、前記収容部に収容された前記固形物を横断するように形成されているため、上記のように、シールされた二枚のシートを折り曲げて前記開封補助線を破断させることにより開口を形成した場合、該開口から前記固形物が飛び出してしまう虞もある。
【0009】
さらに、上記のように、シールされた二枚のシートを折り曲げつつ前記開封補助線を破断して開口を形成する場合、他方のシート表面から前記固形物を押圧しつつ、シールされた二枚のシートを一方のシート側から他方のシート側に向けて折り曲げても、前記開封補助線を破断させ難い虞もある。
【0010】
このような問題点に鑑み、本発明は、収容部から固形物を取り出すときに、比較的容易に折り曲げることができ、しかも、前記固形物を飛び出させることなく比較的容易に開封することができる包装体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る包装体は、
二枚のシートをシールして構成された包装体であって、
固形物を収容する収容部と、
前記収容部を囲むシール部と、
前記収容部を横断する開封補助線と、を備え、
前記開封補助線が前記収容部と前記シール部との境界線と交差する二点を結ぶ仮想線は、前記固形物と重なっており、
前記開封補助線は、前記収容部に形成された収容部側補助線と、前記シール部に形成され、かつ、前記収容部側補助線と連結されたシール部側補助線と、を有し、
前記収容部側補助線は、前記固形物との重複を緩和するように迂回する迂回部を有しており、
前記開封補助線に沿って開封する際の前記シートの破断強度が、4.0N以上10.5N以下の範囲である。
【0012】
斯かる構成によれば、前記開封補助線は、前記収容部に形成された収容部側補助線と、前記シール部に形成され、かつ、前記収容部側補助線と連結されたシール部側補助線と、を有しているので、前記シール部側補助線に沿って、シールされた前記二枚のシートを折り曲げることができる。
そのため、比較的容易に折り曲げることができる。
また、前記収容部側補助線は、前記固形物との重複を緩和するように迂回する迂回部を有しているので、他方のシート表面から前記固形物を指で押圧しつつ、シールされた二枚のシートを一方のシート側から他方のシート側に向けて折り曲げて開封したときに、前記固形物を飛び出し難くすることができる。
さらに、前記開封補助線に沿って開封する際の前記シートの破断強度が、4.0N以上10.5N以下の範囲であるので、他方のシート表面から前記固形物を指で押圧しつつ、シールされた二枚のシートを一方のシート側から他方のシート側に向けて折り曲げた際に、比較的容易に開封することができる。
【0013】
また、上記包装体においては、
矩形状に形成されており、
前記シール部側補助線は、前記二枚のシートの対角線に沿って延びていることが好ましい。
【0014】
斯かる構成によれば、前記包装体は矩形状に形成されており、前記シール部側補助線は、前記二枚のシートの対角線に沿って延びているので、前記シール部側補助線と交差する対角線の端部側に位置する角部分を摘まむことができ、これにより、前記包装体を指で摘まむ摘み代をより大きくすることができる。
そのため、上記包装体は、より一層、開封し易いものとなる。
【0015】
また、上記包装体においては、
前記開封補助線は、視認可能となる色で着色されていることが好ましい。
【0016】
斯かる構成によれば、前記開封補助線は、視認可能となる色で着色されているので、前記開封補助線をより一層容易に視認することができる。
【0017】
また、上記包装体においては、
前記二枚のシートの少なくとも一方は、アルミ層の一方側に基材層としての樹脂層が積層された積層シートとして構成され、アルミ層が内層となるようにシールされており、
前記開封補助線は、前記樹脂層に形成され、前記アルミ層を露出させることにより、視認可能となっていることが好ましい。
【0018】
斯かる構成によれば、前記開封補助線は、前記樹脂層に形成され、前記アルミ層を露出させることにより、視認可能となっているので、前記開封補助線の着色の有無に関わらず、前記開封補助線をより一層容易に視認することができる。
また、前記開封補助線に沿って開封する際の前記シートの破断強度を、4.0N以上10.5N以下となるように、比較的容易に調整することができる。
【0019】
また、上記包装体においては、
前記開封補助線は、前記二枚のシートのうちの一方のシートに備えられ、
前記二枚のシートのうちの他方のシートには、前記シール部用補助線に沿うように、折り曲げ補助線が備えられていることが好ましい。
【0020】
斯かる構成によれば、前記二枚のシートのうちの他方のシートには、前記開封補助線の前記延在部に沿うように、折り曲げ補助線が備えらえているので、前記シートをより一層容易に折り曲げることができる。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明によれば、収容部から固形物を取り出すときに、比較的容易に折り曲げることができ、しかも、前記固形物を飛び出させることなく比較的容易に開封することができる包装体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態に係る包装体の構成を一方面側から示した平面図。
図2】本発明の一実施形態に係る包装体の構成を他方面側から示した平面図。
図3】本発明の一実施形態に係る包装体の一開封例を示す図。
図4】本発明の他の実施形態に係る包装体の構成を他方面側から示した平面図。
図5】本発明のさらに他の実施形態に係る包装体の構成を一方面側から示した図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態に係る包装体について、図面を参照しながら説明する。以下では、包装体の収容部に収容する固形物を錠剤とした例について説明する。
【0024】
本発明の一実施形態に係る包装体1は、図1及び2に示したように、二枚のシート10、20をシールして構成されたSP包装体である。本実施形態に係る包装体1は、矩形状、より詳しくは、長方形状をなしている。
【0025】
シート10、20としては、例えば、アルミ層の一方側に基材層としての樹脂層が積層された積層シートなどが挙げられる。前記積層シートは、前記アルミ層の他方側にシーラント層としての樹脂層が積層されていてもよい。二枚のシート10、20が、アルミ層の一方側に基材層としての樹脂層が積層され、かつ、アルミ層の他方側にシーラント層としての樹脂層が積層された積層シートである場合、二枚のシート10、20は、シーラント層同士を内側に向けて配されて、例えば、ヒートシールなどでシールされる。
基材層としての樹脂層を構成する樹脂、及び、シーラント層としての樹脂層を構成する樹脂としては、各種公知の樹脂を使用することができる。
【0026】
シート10、20としては、例えば、腰強度が10~75mN/20mmに設定された比較的軟質なフィルムを用いることができる。シート10、20の腰強度は、ループスティフネステスター(株式会社東洋精機製作所製)を用いて、長さ160mm(ループ長80mm)、幅20mmの試験片3個を、圧縮距離20mm、圧縮時間3秒の条件で測定し、3個の試験片についての測定値を算術平均することにより得ることができる。
【0027】
本実施形態に係る包装体1は、固形物50を収容する収容部40と、収容部40を囲むシール部30と、備える。すなわち、本実施形態に係る包装体1では、シール部30以外の部分が収容部40となっている。本実施形態に係る包装体1では、図1及び2に示したように、二枚のシート10、20は、シート10、20の上方から見た収容部40の形状が略矩形状となるようにシールされている。
【0028】
本実施形態では、固形物50は、その中心が収容部40の中心と略一致するように収容されている。
一般に、二枚のシートをシールして構成されたSP包装体は、二枚のシートの間に保持させた固形物の厚みによって、シールされたときに二枚のシートがそれぞれ離反するように広げられて、収容部が形成される。そのため、固形物は、その中心が収容部の中心と略一致するように収容されることが多い。
固形物50としては、錠剤やカプセル剤などが挙げられる。
【0029】
本実施形態に係る包装体1は、図1及び2に示したように、複数が連結されて、包装体シート1’を構成している。より具体的には、本実施形態に係る包装体1は、5個が連結されて形成された列が列方向と交差する方向に二列連結されて、包装体シート1’を構成している。
【0030】
本実施形態では、包装体シート1’には、シート10、20のそれぞれに、固形物50を1錠ずつ切り取るための切り取り線70が形成されている。本実施形態では、切り取り線70は、複数の固形物50のそれぞれを矩形状に区画するように形成されている。本実施形態では、切り取り線70は、シート10、20の互いに対応する位置に形成されている。
切り取り線70は、例えば、レーザによって形成されるハーフカット線やミシン目などが挙げられる。
【0031】
本実施形態に係る包装体1は、図1に示したように、シールされた二枚のシートのうちの一方のシート(シート10)に、収容部40を横断する開封補助線60を備えている。
本実施形態に係る包装体1では、開封補助線60は、収容部40に形成された収容部側補助線61と、シール部30に形成され、かつ、収容部側補助線61と連結されたシール部側補助線62と、を有している。本実施形態に係る包装体1では、シール部側補助線62は、収容部側補助線61の両端に連結されている。
本実施形態に係る包装体1では、収容部側補助線61は、固形物50との重複を緩和するように迂回する迂回部61aを有している。このように、収容部側補助線61が迂回部61aを有することにより、服用者が、シート20の表面から固形物50を押圧しつつ、シールされたシート10、20を、シート10側からシート20側に向けて折り曲げることにより、開封補助線60を破断して包装体1を開封したときに、シート10によって固形物50の少なくとも一部が覆われる。
そのため、シート20の表面から固形物50を押圧する押圧力が加わっている場合でも、固形物50を飛び出し難くすることができる。
【0032】
本実施形態に係る包装体1では、開封補助線60が収容部40とシール部30との境界線L1と交差する二点を結ぶ仮想線L2は、固形物50の中央部を通っており、迂回部61aは、固形物50の中央部を通っていない。固形物50の中央部とは、固形物50の中心から固形物50の周端縁に向かって放射状に延びる線分の、中心から1/4までの領域を意味する。
【0033】
本実施形態に係る包装体1では、シール部側補助線62は、図1に示したように、二枚のシート10、20の対角線D1に沿って延びている。なお、本実施形態では、対角線D1は、前記した仮想線L2と重なっている。
ここで、服用者が、シート20の表面から固形物50を押圧しつつ、シールされたシート10、20を、シート10側からシート20側に向けて折り曲げることにより、開封補助線60を破断して包装体1を開封しようとする場合、固形物50を押圧する押圧力を開封補助線60により十分に加え、かつ、二枚のシート10、20の折り曲げ中に開封補助線60に加わる力をより十分に大きくするために、迂回部61aの上部領域R1(迂回部61aが迂回している側の領域)の角部分及び迂回部61aの下部領域R2(迂回部61aが迂回している側と反対側の領域)の角部分を指で摘まむ摘み代とすることができる。すなわち、シール部側補助線62と交差する対角線の端部側に位置する角部分を摘まむことができる。
そのため、図1に示したように、シール部側補助線62が二枚のシート10、20の対角線D1に沿って延びていると、図5に示したように、シール部側補助線62が包装体1の一辺と平行となるように延びている場合に比べて、指で摘まむ摘み代を大きく取れるようになる。
その結果、シール部側補助線62が二枚のシート10、20の対角線D1に沿って延びている場合には、包装体1は、より一層、開封し易いものとなる。
【0034】
本実施形態に係る包装体1では、収容部側補助線61の迂回部61aは、固形物50と重複していない。このように、収容部側補助線61が固形物50と重複していないことから、固形物50に、切断したフィルムが当たることなく、包装体1を開封することができる。また、開封補助線60が固形物50と重複していないことから、包装体1の開封後に、フィルムからの固形物50の露出部分を比較的少なくすることができる。そのため、固形物50の服用時に、服用者の手指が固形物50に触れ難くなるので、衛生面に優れる。
また、固形物50が割線を有しており、かつ1錠を複数回に分けて服用するものである場合には、開封補助線を上記構成とすれば、固形物50の露出部分を比較的少なくすることができるので、1回の服用後に残りの固形物50を服用するまでの間、残りの固形物50を比較的衛生的に保管することができる。
本実施形態では、固形物50が平面視において円形状であることから、迂回部61aは、固形物50を迂回するように円弧状をなしている。
【0035】
本実施形態に係る包装体1は、開封補助線60に沿って開封する際のシート10の破断強度が、4.0N以上10.5N以下の範囲である。
シート10の破断強度が上記数値範囲内にあることにより、シート20の表面から固形物50を指で押圧しつつ、シールされた二枚のシート10、20をシート10側からシート20側に向けて折り曲げた際に、包装体1を確実に開封することができる。
上記破断強度は、島津製作所社製の卓上形精密万能試験機AGS-Jを用いて、以下の手順にしたがって、5個の試験体について測定した各測定値を算術平均した値を意味する。

(1)棒状部材と、該棒状部材の延在方向に移動可能に取り付けられた2個の把持部材とを備える把持治具を用いて、包装体1を把持する。具体的には、2個の把持部材によって、シート10、20を介して固形物50を把持することによって、包装体1を把持する。
(2)2個の把持部材によって包装体1を把持した状態で、開封補助線60が備えられている側が下側となるように、卓上形精密万能試験機の下側の掴み手に、棒状部材の一端側を固定させる。
(3)長さ100mm、幅25mmの長尺状にガムテープを切り出し、この長尺状のガムテープを粘着面同士が重なるように幅方向に半分に折り畳むことにより(長さ100mm、幅12.5mm)、長尺状のガムテープの長手方向の一端側で、包装体1の摘み代(シール部30)を固定し、卓上形精密万能試験機の上側の掴み手(以下、上側掴み手という)に、前記ガムテープの長手方向の他端側を固定する。なお、後述するように、上側掴み手を鉛直上方に向けて移動させたときに、長尺状のガムテープが鉛直方向に沿って移動するように、ガムテープの長手方向の他端側を上側掴み手に固定する。
(4)前記上側掴み手を鉛直上方に向けて速度300mm/minで移動させて、包装体1の開封補助線60を破断させる。このとき、上側掴み手の鉛直上方への移動距離(単位はmm)と、移動距離ごとに包装体1に掛かる力(単位はN)との関係を、卓上形精密万能機のコンピュータに保管させる。
(5)卓上形精密万能試験機のコンピュータから、上側掴み手の鉛直上方への移動距離(単位はmm)を横軸とし、移動距離ごとに包装体1に掛かる力(単位はN)を縦軸として描いた測定チャートを読み出し、読み出した測定チャートにおいて、移動距離ごとに包装体1に掛かる力が最も高くなっている部分の値を読み取り、この値を測定値とする。
【0036】
本実施形態に係る包装体1は、開封補助線60に沿って開封する際のシート10の破断強度が、7.8N未満であることが好ましく、7.5N以下であることがより好ましく、7.0N以下であることがさらに好ましく、6.5N以下であることがよりさらに好ましい。
また、本実施形態に係る包装体1は、開封補助線60に沿って開封する際のシート10の破断強度が、4.5N以上であることが好ましく、4.8N以上であることがさらに好ましい。
【0037】
本実施形態に係る包装体1では、開封補助線60には、使用者が視認し易くするための加工が施されていてもよい。
【0038】
例えば、開封補助線60は、視認可能となる色で着色されていてもよい。開封補助線60を視認可能となる色で着色することの一例としては、収容部40及びシール部30を暖色で着色し、開封補助線60を寒色で着色することなどが考えられる。
【0039】
また、二枚のシート10、20が、アルミ層の一方側に基材層としての樹脂層が積層されたシートとして構成され、アルミ層が内層となるようにシールされている場合、開封補助線60は、前記樹脂層に形成され、前記アルミ層を露出させることにより、視認可能となっていてもよい。
このような場合、開封補助線60の着色の有無に関わらず、開封補助線60をより一層容易に視認することができる。
また、開封補助線60に沿って開封する際のシート10の破断強度を、4.0N以上10.5N以下となるように、比較的容易に調整することができる。
このような開封補助線60は、基材層としての樹脂層にレーザを照射することにより形成することができる。レーザ照射の条件は、基材層を構成する樹脂種、及び、基材層の厚さに応じて、適宜設定することができる。
【0040】
上記のごとく構成された包装体1は、二枚のシートの間に固形物50を保持させた状態で、二枚のシートの所定領域をヒートシールなどでシールすることにより、得ることができる。
なお、上記のように、二枚のシート10、20の間に保持させた固形物50の厚みによって、シールされたときに二枚のシート10、20がそれぞれ離反するように広げられて、収容部40が形成される。
【0041】
次に、本実施形態に係る包装体1の一開封例について、図1図3を参照しながら説明する。
【0042】
まず、切り取り線70に沿って、包装体シート1’から包装体1を切り取る。
次に、一方の手の親指をシート10における収容部40に当接させ、他方の手の親指をシート10におけるシール部30に当接させるとともに、両手の人差指をシート20における収容部40の中央部に当接させて、すなわち、シート20を介して、両手の人差指を固形物50に当接させて、包装体1を摘まむ。
次に、両手の人差指で、シート20の表面から固形物50を押圧しつつ、シールされた二枚のシート10、20を、シート10側からシート20側に向けて折り曲げる。
そして、固形物50を押圧する押圧力と、シールされた二枚のシート10、20を折り曲げ中に開封補助線60に加わる力との総和が、シート10の破断強度を上回ると、開封補助線60が破断されて開口が形成され、図3に示されているように、固形物50の一部が露出される。このように固形物50の一部が露出された状態において、開口と逆側から固形物50を押し出すことにより、服用者は固形物50を服用することができる。
【0043】
本発明に係る包装体は、上記実施形態の構成に限定されるものではない。また、本発明に係る包装体は、上記した作用効果により限定されるものでもない。本発明に係る包装体は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0044】
上記実施形態では、二枚のシート10、20の間に保持させて固形物50の厚みによって、シールされたときに二枚のシート10、20がそれぞれ離反するように広げられて、収容部40が形成される例について説明したが、収容部40を形成する例はこれに限られない。
例えば、シールされる二枚のシート10、20の対応する位置に固形物50の厚みよりも浅い窪みをそれぞれ予備成形しておき、一方のシートの窪み(例えば、シート10の窪み)に、一部が露出するように固形物50を収容した後、他方のシートの窪み(例えば、シート20の窪み)で固形物50の露出部分を覆うように、一方のシートに他方のシートを重ね合わせた状態でシールすることにより、収容部40を形成してもよい。
このように、二枚のシート10、20に予備形成された窪みで収容部40を形成すれば、固形物50の厚みによって二枚のシート10、20がそれぞれ離反するように広げられて収容部40が形成された場合に比べて、固形物50の収容空間を小さくすることができる。
【0045】
上記実施形態では、平面視における収容部40の形状を矩形状とする例について説明したが、平面視における収容部40の形状は、固形物50を収容できる形状であれば、これに限られるものではない。例えば、平面視における収容部40の形状は、円形状であってもよいし、楕円形状であってもよい。
【0046】
上記実施形態では、シール部側補助線62が収容部側補助線61の両端に連結されている例について説明したが、シール部側補助線62を設ける例はこれに限られない。収容部側補助線61の一端のみに連結されるようにシール部側補助線62を設けてもよい。シール部側補助線62をこのように設けても、シールされた二枚のシート10、20を、比較的容易に折り曲げることができる。
【0047】
上記実施形態では、二枚のシート10、20のうちの一方のシート10のみに開封補助線60を設ける例について説明したが、開封補助線60は他方のシート20にも設けられていてもよい。
このような場合には、一方のシート10に設けられた開封補助線60と対応する位置に、開封補助線60が設けられることが好ましい。
このように、二枚のシート10、20の両方に開封補助線60が設けられれば、シート10、20のいずれの表面側からでも包装体1を開封することができる。
【0048】
また、二枚のシート10、20のうちの他方のシート20には、図4に示したように、二枚のシート10、20を折り曲げることを補助する折り曲げ補助線L3が設けられていてもよい。
このような場合、折り曲げ補助線L3は、図4に示したように、一方のシート10に設けられた開封補助線60のシール部側補助線62に沿うように設けられていることが好ましい。
折り曲げ補助線L3は、例えば、レーザによって形成されるハーフカット線やミシン目などが挙げられる。
【0049】
上記実施形態では、シール部側補助線62が二枚のシート10、20の対角線D1に沿って延びている例について説明したが、シール部側補助線62の構成はこれに限られるものではない。
例えば、図5に示したように、シール部側補助線62は、包装体1の一辺と平行となるように延びるように構成されていてもよい。
また、図5に示したように、包装体シート1’では、包装体1のシール部側補助線62同士が連結されていてもよい。
【0050】
上記実施形態では、二枚のシート10、20の両方が、アルミ層の一方側に基材層としての樹脂層が積層された積層シートである例について説明したが、二枚のシート10、20のうちの一方が、アルミ層の一方側に基材層としての樹脂層が積層された積層シートであり、他方が、基材層としての樹脂層にシーラント層としての樹脂層が積層された樹脂積層シート(すなわち、アルミ層を含まない積層シート)であってもよい。また、前記樹脂積層シートは、基材層としての樹脂層とシーラント層としての樹脂層との間に、バリア層としての樹脂層を介装させたものであってもよい。バリア層としての樹脂層を構成する樹脂としては、各種公知の樹脂を使用することができる。
【0051】
上記実施形態では、固形物50が平面視において円形状であることから、収容部側補助線61の迂回部61aの形状が円弧状である例について説明したが、迂回部61aの形状は円弧状に限られない。収容部40に収容する固形物50の形状等によって、適宜変更することができる。
【実施例0052】
次に、試験例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。以下の試験例は本発明をさらに詳しく説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0053】
(試験例1)
シーラント層たるポリエチレンフィルム(PEフィルム、厚さ30μm)上に、アルミ箔(AL箔、厚さ9μm)を積層させ、アルミ箔上にポリエチレンフィルム(厚さ15μm)を積層させ、さらに、厚さ15μmのポリエチレンフィルム上にポリエチレンテレフタラートフィルム(PETフィルム、厚さ12μm)を積層させて、4層構造のシート(第1構成のシート)を得た。
次に、前記4層構造のシートの2枚について、錠剤を収容する箇所に窪みを5行×2列で予備成形し、一方のシートの各窪みに錠剤を収容した後、前記シーラント層同士が重なるように、他方のシートを重ね合わせてヒートシールした。
次に、ヒートシールされた二枚のシートの一方面に、アルミ箔を露出させるように、レーザマーカ(パナソニックデバイスSUNX社製、型式LP-430U)を用いて、下記表1に示した第1条件でレーザ照射を行うことにより、図1に示したように開封補助線を入れて、試験例1に係る包装体及び包装体シートを得た。
なお、試験例1に係る包装体シートは、10個の包装体を備えていた。
【0054】
(試験例2)
下記表1に示した第2条件でレーザ照射を行った以外は、試験例1と同様にして、試験例2に係る包装体及び包装体シートを得た。
【0055】
(試験例3)
下記表1に示した第3条件でレーザ照射を行った以外は、試験例1と同様にして、試験例3に係る包装体及び包装体シートを得た。
【0056】
(試験例4)
下記表1に示した第4条件でレーザ照射を行った以外は、試験例1と同様にして、試験例3に係る包装体及び包装体シートを得た。
【0057】
(試験例5)
下記表1に示した第5条件でレーザ照射を行った以外は、試験例1と同様にして、試験例5に係る包装体及び包装体シートを得た。
【0058】
(試験例6)
下記表1に示した第6条件でレーザ照射を行った以外は、試験例1と同様にして、試験例6に係る包装体及び包装体シートを得た。
【0059】
(試験例7)
アルミ箔の厚さを20μmとした(第2構成とした)以外は、試験例1と同様にして、試験例7に係る包装体及び包装体シートを得た。
すなわち、試験例7では、下記表1に示した第1条件でレーザ照射を行った。
【0060】
(試験例8)
下記表1に示した第2条件でレーザ照射を行った以外は、試験例7と同様にして、試験例8に係る包装体及び包装体シートを得た。
【0061】
(試験例9)
下記表1に示した第3条件でレーザ照射を行った以外は、試験例7と同様にして、試験例9に係る包装体及び包装体シートを得た。
【0062】
(試験例10)
下記表1に示した第4条件でレーザ照射を行った以外は、試験例7と同様にして、試験例10に係る包装体及び包装体シートを得た。
【0063】
(試験例11)
下記表1に示した第5条件でレーザ照射を行った以外は、試験例7と同様にして、試験例11に係る包装体及び包装体シートを得た。
【0064】
(試験例12)
下記表1に示した第6条件でレーザ照射を行った以外は、試験例7と同様にして、試験例12に係る包装体及び包装体シートを得た。
【0065】
(試験例13)
アルミ箔(AL箔、厚さ20μm)の一方面に塩化ビニル樹脂(VC)を含む樹脂組成物をコーティングして(前記樹脂組成物のコーティング量は4.20g/m)、前記アルミ箔の一方面にシーラント層たるVC層を形成した。
次に、VC層が形成された前記アルミ箔をポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、厚さ16μm)上に積層させて、VC層、アルミ箔、PETフィルムがこの順に積層された3層構造のシート(第3構成のシート)を得た。
そして、上記のごとき3層構造のシートの2枚を用いて、試験例1と同様にして、試験例13に係る包装体及び包装体シートを得た。
すなわち、試験例13では、下記表1に示した第1条件でレーザ照射を行った。
【0066】
(試験例14)
下記表1に示した第2条件でレーザ照射を行った以外は、試験例13と同様にして、試験例14に係る包装体及び包装体シートを得た。
【0067】
(試験例15)
下記表1に示した第3条件でレーザ照射を行った以外は、試験例13と同様にして、試験例15に係る包装体及び包装体シートを得た。
【0068】
(試験例16)
下記表1に示した第4条件でレーザ照射を行った以外は、試験例13と同様にして、試験例16に係る包装体及び包装体シートを得た。
【0069】
(試験例17)
下記表1に示した第5条件でレーザ照射を行った以外は、試験例13と同様にして、試験例17に係る包装体及び包装体シートを得た。
【0070】
(試験例18)
下記表1に示した第6条件でレーザ照射を行った以外は、試験例13と同様にして、試験例18に係る包装体及び包装体シートを得た。
【0071】
【表1】
【0072】
なお、以下の表2にシート構成(第1構成~第3構成)についてまとめるとともに、以下の表3にシート構成(第1構成~第3構成)、レーザ照射条件(第1条件~第6条件)、及び、試験例(試験例1~試験例18)の対応関係についてまとめた。
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】
【0075】
<破断強度>
試験例1~18に係る包装体シートから切り取った包装体について、島津製作所社製の卓上形精密万能試験機AGS-Jを用いて、以下の手順にしたがって破断強度を測定した。その結果を、以下の表1に示した。
破断強度は、5個の包装体について測定して得た各測定値を算術平均して求めた。

(1)棒状部材と、該棒状部材の延在方向に移動可能に取り付けられた2個の把持部材とを備える把持治具を用いて、包装体を把持する。具体的には、2個の把持部材によって、4層構造の2枚のシートを介して錠剤を把持することによって、包装体を把持する。
(2)2個の把持部材によって包装体を把持した状態で、開封補助線が備えられている側が下側となるように、卓上形精密万能試験機の下側の掴み手に、棒状部材の一端側を固定させる。
(3)長さ100mm、幅25mmの長尺状にガムテープを切り出し、この長尺状のガムテープを粘着面同士が重なるように幅方向に半分に折り畳むことにより(長さ100mm、幅12.5mm)、長尺状のガムテープの長手方向の一端側で、包装体1の摘み代(シール部30)を固定し、卓上形精密万能試験機の上側の掴み手(以下、上側掴み手という)に、前記ガムテープの長手方向の他端側を固定する。なお、後述するように、上側掴み手を鉛直上方に向けて移動させたときに、長尺状のガムテープが鉛直方向に沿って移動するように、ガムテープの長手方向の他端側を上側掴み手に固定する。
(4)前記上側掴み手を鉛直上方に向けて速度300mm/minで移動させて、包装体の開封補助線を破断させる。このとき、上側掴み手の鉛直上方への移動距離(単位はmm)と、移動距離ごとに包装体に掛かる力(単位はN)との関係を、卓上形精密万能機のコンピュータに保管させる。
(5)卓上形精密万能試験機のコンピュータから、上側掴み手の鉛直上方への移動距離(単位はmm)を横軸とし、移動距離ごとに包装体に掛かる力(単位はN)を縦軸として描いた測定チャートを読み出し、読み出した測定チャートにおいて、移動距離ごとに包装体に掛かる力が最も高くなっている部分の値を読み取り、この値を測定値とする。
【0076】
<開封性>
5名のパネラーに、各例に係る包装体を手で開封させることにより、開封性を評価した。そのときの開封性を、以下の段階尺度の中から、各パネラーに選ばせた。

開封性の段階尺度
1 開封が極めて困難であり、開封そのものができない。
2 開封がかなり困難であり、開封補助線補助線に沿って開封できない。
3 開封がやや困難であるものの、開封補助線に沿って開封できる。
4 開封補助線に沿った開封が比較的容易である。
5 開封補助線に沿った開封が極めて容易である

各パネラーが選んだ段階尺度を算術平均した結果を、以下の表4に示した。
【0077】
また、試験例1~18に係る包装体について、対角線上にあるシール部分のそれぞれを片手ずつで摘まんで、錠剤の収容部分(図1における収容部40)に向かって縮めた後、引き延ばすことを10回繰り返したときに、各包装体に意図せぬ開封(シートの破断)が生じるか否かについて試験をした。すなわち、意図せぬ開封性の評価をした。
上記試験は、5名のパネラーに行わせた。その試験結果を、以下の表4に示した。表4において、×は全てのパネラーの試験において、シートが破断したことを意味し、〇は全てのパネラーにおいて、シートが破断しなかったことを意味する。
【0078】
さらに、「開封性」の評価結果と「意図せぬ開封性」の評価結果とを踏まえて、各例に係る包装体について、総合的な評価(以下、総合評価ともいう)を行った。
なお、総合評価は、以下の基準にしたがって行った。

◎:「開封性」の評価結果が4.0以上であり、かつ、「意図せぬ開封性」の評価結果が〇である。
○:「開封性」の評価結果が3.5以上4.0未満であり、かつ、「意図せぬ開封性」の評価結果が〇である。
△:「開封性」の評価結果が3.0以上3.5未満であり、かつ、「意図せぬ開封性」の評価結果が〇である。
×:「開封性」の評価結果が3.0未満であるか、あるいは、「意図せぬ開封性」の評価結果が×である。

総合評価についても、以下の表4に示した。
【0079】
【表4】
【0080】
上記表4より、試験例1に係る包装体は、開封性の評価が5であり、極めて良好であるのに対し、意図せぬ開封性の評価については×と不良であることが分かる。
そのため、試験例1に係る包装体についての総合評価は、「×」であった。
また、試験例3に係る包装体は、意図せぬ開封性の評価については〇と良好であるものの、開封性の評価は1.5であり、極めて不良であることが分かる。
さらに、試験例9に係る包装体及び試験例15に係る包装体についても、これと同様の傾向が認められる。
これは、シートの意図せぬ開封を抑制するために、シートの破断強度を高くし過ぎたことが原因と考えられる。
そのため、試験例3、9、及び、15に係る包装体についての総合評価も、「×」であった。
これに対し、試験例2に係る包装体、試験例4~8に係る包装体、試験例10~14に係る包装体、及び、試験例16~18に係る包装体は、いずれも、開封性の評価が3.0以上と比較的良好であり、意図せぬ開封性の評価も〇と良好であることが分かる。
上記の結果から、シートの破断強度を4.0N以上10.5N以下の数値範囲内に設定することにより、開封性を比較的良好にしつつ、意図せぬ開封性を十分に抑制できることが分かる。
なお、試験例2に係る包装体、試験例4~8に係る包装体、試験例10~14に係る包装体、及び、試験例16~18に係る包装体について、開封性の評価結果、及び、意図せぬ開封性の評価結果を基準とした総合評価の結果を見ると、試験例7に係る包装体、試験例10~12に係る包装体、及び、試験例14に係る包装体は、「△」の評価であり、試験例8に係る包装体は、「〇」の評価であり、試験例2に係る包装体、試験例4~6に係る包装体、試験例13に係る包装体、及び、試験例16~18に係る包装体は、「◎」の評価であった。
この結果から、シートの破断強度を4.0N以上7.8N未満とすることにより、開封性を良好にすることと、意図せぬ開封性を十分に抑制することとを、より一層十分に両立させ得ることが把握される。
【符号の説明】
【0081】
1 包装体、1’ 包装体シート、
10 シート、20 シート、30 シール部、40 収容部、50 固形物、60 開封補助線、61 収容部側補助線、62 シール部側補助線、70 切り取り線、
61a 迂回部、
D1 対角線、L1 境界線、L2 仮想線、L3 折り曲げ補助線。
図1
図2
図3
図4
図5