(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171005
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】電力供給支援装置、電力供給支援システム及び電力供給支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20231124BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022083167
(22)【出願日】2022-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000231729
【氏名又は名称】日本赤十字社
(74)【代理人】
【識別番号】100129838
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 典輝
(74)【代理人】
【識別番号】100101203
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100104499
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 達人
(72)【発明者】
【氏名】品川 知広
(72)【発明者】
【氏名】曽篠 恭裕
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】固定式の充電ステーションに替えて、電力供給モビリティから電動モビリティに電力を供給するための支援を行う電力供給支援装置、電力供給支援システム及び電力供給支援プログラムを提供する。
【解決手段】電力供給支援装置を用いて電力供給モビリティから電動モビリティに電力を供給するための支援を行う方法は、電動モビリティ稼働予定情報を受信するステップ、電力供給モビリティの位置情報を取得するステップ、一の電力供給可能場所及び一の電力供給可能場所において稼働予定情報が送信された一の電動モビリティに電力を供給するために派遣される少なくとも一の電力供給モビリティを決定するステップ、決定された情報に基づいて予約情報を作成するステップ及び予約情報を電動モビリティ及び電力供給モビリティに送信するステップを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力供給モビリティから電動モビリティに電力を供給するための支援を行う電力供給支援装置であって、
複数の前記電力供給モビリティに関する情報を記憶する電力供給モビリティ情報記憶部と、
複数の前記電動モビリティに関する情報を記憶する電動モビリティ情報記憶部と、
前記電力供給モビリティから前記電動モビリティに電力を供給することが可能な複数の電力供給可能場所に関する情報を記憶する電力供給可能場所記憶部と、
一の前記電動モビリティ若しくはそのユーザーの端末から送信された移動予定情報を含む前記電動モビリティの稼働予定情報を受信する電動モビリティ稼働予定情報受信部と、
前記電力供給モビリティの位置情報を取得する電力供給モビリティ位置情報取得部と、
前記電力供給モビリティに関する情報、前記電動モビリティに関する情報、前記電力供給可能場所に関する情報、前記電動モビリティの稼働予定情報、及び前記電力供給モビリティの位置情報に基づいて、一の前記電力供給可能場所及び一の前記電力供給可能場所において前記稼働予定情報が送信された一の前記電動モビリティに電力を供給するために派遣される少なくとも一の前記電力供給モビリティを決定する決定部と、
前記決定部により決定された情報に基づいて予約情報を作成する予約情報作成部と、
前記予約情報を、前記稼働予定情報を送信した前記電動モビリティ若しくはそのユーザーの前記端末、及び派遣される前記電力供給モビリティに送信する予約情報送信部と、を備える、
電力供給支援装置。
【請求項2】
前記稼働予定情報は前記電動モビリティのバッテリー情報を含む、請求項1に記載の電力供給支援装置。
【請求項3】
前記稼働予定情報は前記電動モビリティのユーザーが指定した前記電力供給可能場所の情報を含み、
前記決定部は前記電力供給可能場所として前記ユーザーが指定した前記電力供給可能場所を選択する、
請求項1又は2に記載の電力供給支援装置。
【請求項4】
前記決定部は電力調整器を備える前記電力供給モビリティを選択する、請求項1又は2に記載の電力供給支援装置。
【請求項5】
電力供給情報を取得する電力供給情報取得部を備え、
前記決定部はさらに前記電力供給情報に基づいて、前記電力供給モビリティ及び前記電力供給場所を決定する、
請求項1又は2に記載の電力供給支援装置。
【請求項6】
複数の電力供給モビリティと、複数の電動モビリティ若しくはそのユーザーの端末と、前記電力供給モビリティから前記電動モビリティに電力を供給するための支援を行う電力供給支援装置と、を備え、
前記電力供給モビリティは前記電力供給支援装置と双方向に情報を送受信することができ、
前記電動モビリティは前記電力供給支援装置と双方向に情報を送受信することができ、
前記端末はそのユーザーの前記電動モビリティ及び前記電力供給支援装置と双方向に情報を送受信することができ、
前記電力供給支援装置は、
複数の前記電力供給モビリティに関する情報を記憶する電力供給モビリティ情報記憶部と、
複数の前記電動モビリティに関する情報を記憶する電動モビリティ情報記憶部と、
前記電力供給モビリティから前記電動モビリティに電力を供給することが可能な複数の電力供給可能場所に関する情報を記憶する電力供給可能場所記憶部と、
一の前記電動モビリティ若しくはそのユーザーの端末から送信された移動予定情報を含む前記電動モビリティの稼働予定情報を受信する電動モビリティ稼働予定情報受信部と、
前記電力供給モビリティの位置情報を取得する電力供給モビリティ位置情報取得部と、
前記電力供給モビリティに関する情報、前記電動モビリティに関する情報、前記電力供給可能場所に関する情報、前記電動モビリティの稼働予定情報、及び前記電力供給モビリティの位置情報に基づいて、一の前記電力供給可能場所及び一の前記電力供給可能場所において前記稼働予定情報が送信された一の前記電動モビリティに電力を供給するために派遣される少なくとも一の前記電力供給モビリティを決定する決定部と、
前記決定部により決定された情報に基づいて予約情報を作成する予約情報作成部と、
前記予約情報を、前記稼働予定情報を送信した前記電動モビリティ若しくはそのユーザーの前記端末、及び派遣される前記電力供給モビリティに送信する予約情報送信部と、を備える、
電力供給支援システム
【請求項7】
コンピュータに電力供給モビリティから電動モビリティに電力を供給するための支援を行うように機能させるための電力供給支援プログラムであって、
複数の前記電力供給モビリティに関する情報を取得する電力供給モビリティ情報取得処理と、
複数の前記電動モビリティに関する情報を取得する電動モビリティ情報取得処理と、
前記電力供給モビリティから前記電動モビリティに電力を供給することが可能な複数の電力供給可能場所に関する情報を取得する電力供給可能場所取得処理と、
一の前記電動モビリティ若しくはそのユーザーの端末から送信された移動予定情報を含む前記電動モビリティの稼働予定情報を取得する電動モビリティ稼働予定情報取得処理と、
前記電力供給モビリティの位置情報を取得する電力供給モビリティ位置情報取得処理と、
前記電力供給モビリティに関する情報、前記電動モビリティに関する情報、前記電力供給可能場所に関する情報、前記電動モビリティの稼働予定情報、及び前記電力供給モビリティの位置情報に基づいて、一の前記電力供給可能場所及び一の前記電力供給可能場所において前記稼働予定情報が送信された一の前記電動モビリティに電力を供給するために派遣される少なくとも一の前記電力供給モビリティを決定する決定処理と、
前記決定部により決定された情報に基づいて予約情報を作成する予約情報作成処理と、
前記予約情報を、前記稼働予定情報を送信した前記電動モビリティ若しくはそのユーザーの前記端末、及び派遣される前記電力供給モビリティに送信する予約情報送信処理と、を実行する、
電力供給支援プログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、固定式の充電ステーションに替えて、電力供給モビリティから電動モビリティに電力を供給するための支援を行う電力供給支援装置、電力供給支援システム及び電力供給支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、気候変動対策としてのカーボンニュートラルの推進に伴い、電気自動車(BEV:Battery Electric Vehicle)及び電動ドローン等の電動モビリティの普及が加速している。電動モビリティは、静音性、排出ガスの観点で有効な技術である一方、バッテリー充電のために充電ステーションを必要とする。
【0003】
特許文献1は電気自動車と充電ステーションとの最適なマッチングを支援するシステムを開示している。具体的には、特許文献1は、複数の電気自動車による電気自動車ネットワークを管理するシステムであって、複数の電気自動車に搭載されたバッテリーの情報および車両の位置情報、最終目的地に関する情報を受信し、充電に適した充電ステーション候補を出力するシステムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、充電ステーションは固定式が一般的である。そのため、電気自動車の充電円滑化に関する既存技術は、固定式の充電ステーションにおける充電を想定している。
【0006】
しかしながら、充電ステーションの整備には高額な設置費用を要することから、設置数及び設置場所が制限されている。そのため、充電ステーションにおいて、ユーザーの集中による混雑が発生しやすい。混雑の発生によりユーザーに無為な待ち時間が発生する可能性がある。特に、大型連休や年末年始等の限られた期間において、ユーザーの充電需要の増大により上記の課題が発生しやすい。
【0007】
また、固定式の充電ステーション自身にも次の課題がある。すなわち、固定式の充電ステーションは災害時の浸水リスクを軽減することが難しく、浸水時には漏電による事故発生が懸念されている。
【0008】
さらに、電動モビリティは航続距離がバッテリー容量に限定されるところ、適切に充電することができない場合には、電欠の発生による渋滞や事故誘発が懸念されている。固定式の充電ステーションでは、任意の場所で充電サービスを提供することができない。
【0009】
加えて、例えば停電等が発生した場合、固定式の充電ステーションを用いて電動モビリティを充電することは困難である。
【0010】
このように固定式の充電ステーションを用いた場合、電動モビリティに対する充電サービスにいくつかの課題があった。そのため、電動モビリティに対する充電サービスのさらなる向上が望まれていた。
【0011】
そこで、本開示の主な目的は、上記実情を鑑み、電動モビリティに対する充電サービスを向上することができる電力供給支援装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示は、上記課題を解決するための一つの態様として、電力供給モビリティから電動モビリティに電力を供給するための支援を行う電力供給支援装置であって、複数の電力供給モビリティに関する情報を記憶する電力供給モビリティ情報記憶部と、複数の電動モビリティに関する情報を記憶する電動モビリティ情報記憶部と、電力供給モビリティから電動モビリティに電力を供給することが可能な複数の電力供給可能場所に関する情報を記憶する電力供給可能場所記憶部と、一の電動モビリティ若しくはそのユーザーの端末から送信された移動予定情報を含む電動モビリティの稼働予定情報を受信する電動モビリティ稼働予定情報受信部と、電力供給モビリティの位置情報を取得する電力供給モビリティ位置情報取得部と、電力供給モビリティに関する情報、電動モビリティに関する情報、電力供給可能場所に関する情報、電動モビリティの稼働予定情報、及び電力供給モビリティの位置情報に基づいて、一の電力供給可能場所及び一の電力供給可能場所において稼働予定情報が送信された一の電動モビリティに電力を供給するために派遣される少なくとも一の電力供給モビリティを決定する決定部と、決定部により決定された情報に基づいて予約情報を作成する予約情報作成部と、予約情報を、稼働予定情報を送信した電動モビリティ若しくはそのユーザーの端末、及び派遣される電力供給モビリティに送信する予約情報送信部と、を備える、電力供給支援装置を提供する。
【0013】
上記電力供給支援装置において、稼働予定情報は電動モビリティのバッテリー情報を含んでいてもよい。また、稼働予定情報は電動モビリティのユーザーが指定した電力供給可能場所の情報を含んでいてもよい。決定部は電力供給可能場所としてユーザーが指定した電力供給可能場所を選択してもよい。決定部は電力調整器を備える電力供給モビリティを選択してもよい。上記電力供給支援装置は電力供給情報を取得する電力供給情報取得部を備え、決定部はさらに電力供給情報に基づいて、電力供給モビリティ及び電力供給場所を決定してもよい。
【0014】
本開示は、複数の電力供給モビリティと、複数の電動モビリティ若しくはそのユーザーの端末と、電力供給モビリティから電動モビリティに電力を供給するための支援を行う電力供給支援装置と、を備え、電力供給モビリティは電力供給支援装置と双方向に情報を送受信することができ、電動モビリティは電力供給支援装置と双方向に情報を送受信することができ、端末はそのユーザーの電動モビリティ及び電力供給支援装置と双方向に情報を送受信することができ、電力供給支援装置は、一の電動モビリティ若しくはそのユーザーの端末から送信された移動予定情報を含む電動モビリティの稼働予定情報を受信する電動モビリティ稼働予定情報受信部と、電力供給モビリティの位置情報を取得する電力供給モビリティ位置情報取得部と、記電力供給モビリティに関する情報、電動モビリティに関する情報、電力供給可能場所に関する情報、電動モビリティの稼働予定情報、及び電力供給モビリティの位置情報に基づいて、一の電力供給可能場所及び一の電力供給可能場所において稼働予定情報が送信された一の電動モビリティに電力を供給するために派遣される少なくとも一の電力供給モビリティを決定する決定部と、決定部により決定された情報に基づいて予約情報を作成する予約情報作成部と、予約情報を、稼働予定情報を送信した電動モビリティ若しくはそのユーザーの端末、及び派遣される電力供給モビリティに送信する予約情報送信部と、を備える、電力供給支援システムを開示する。
【0015】
本開示は、コンピュータに電力供給モビリティから電動モビリティに電力を供給するための支援を行うように機能させるための電力供給支援プログラムであって、複数の電力供給モビリティに関する情報を取得する電力供給モビリティ情報取得処理と、複数の電動モビリティに関する情報を取得する電動モビリティ情報取得処理と、電力供給モビリティから電動モビリティに電力を供給することが可能な複数の電力供給可能場所に関する情報を取得する電力供給可能場所取得処理と、一の電動モビリティ若しくはそのユーザーの端末から送信された移動予定情報を含む電動モビリティの稼働予定情報を取得する電動モビリティ稼働予定情報取得処理と、電力供給モビリティの位置情報を取得する電力供給モビリティ位置情報取得処理と、電力供給モビリティに関する情報、電動モビリティに関する情報、電力供給可能場所に関する情報、電動モビリティの稼働予定情報、及び電力供給モビリティの位置情報に基づいて、一の電力供給可能場所及び一の電力供給可能場所において稼働予定情報が送信された一の電動モビリティに電力を供給するために派遣される少なくとも一の電力供給モビリティを決定する決定処理と、決定部により決定された情報に基づいて予約情報を作成する予約情報作成処理と、予約情報を、稼働予定情報を送信した電動モビリティ若しくはそのユーザーの端末、及び派遣される電力供給モビリティに送信する予約情報送信処理と、を実行する、電力供給支援プログラムを開示する。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、電動モビリティに対する充電サービスを向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】通信ネットワークNを介して、電力供給支援装置100により電力供給モビリティ10、電動モビリティ20若しくはそのユーザーの端末25、及び電力供給可能場所30のマッチングを行う様子を表す概略図である。
【
図2】電力供給支援装置100を用いて、電力供給モビリティ10から電動モビリティ20に電力を供給するための支援を行うことを示したフローチャートの一例である。
【
図3】ステップS4の他の形態であるステップS14のフローチャートを示した。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示は固定式の充電ステーションに替えて、電力供給モビリティを用いて電動モビリティを充電することを支援するための装置に関し、言い換えると、電力供給モビリティと電動モビリティとのマッチングを支援する装置に関する。
【0019】
本開示の電力供給支援装置について、一実施形態である電力供給支援装置100を用いて説明する。
図1に通信ネットワークNを介して、電力供給支援装置100により電力供給モビリティ10、電動モビリティ20若しくはそのユーザーの端末25、及び電力供給可能場所30のマッチングを行う様子を表す概略図を示した。
【0020】
ここで、本開示において、「モビリティ」は移動体を意味する。モビリティは移動体であれば特に限定されない。例えば自動車等の車両、ドローン、軽飛行機、及び航空機等の飛行体、並びに屋内外で搬送、監視、若しくは清掃などの業務を担う移動可能な業務ロボット等が挙げられる。
【0021】
<通信ネットワークN>
通信ネットワークNは少なくとも電力供給支援装置100、電力供給モビリティ10、及び電動モビリティ20若しくはそのユーザーの端末25と双方向に通信可能なネットワークである。通信ネットワークNは電力供給可能場所30と双方向に通信可能であってもよい。通信ネットワークNの形態は特に限定されず、公知の通信ネットワークを適宜採用することができる。例えば、インターネットやWiFiネットワーク等が挙げられる。
【0022】
<電力供給モビリティ10>
電力供給モビリティ10は電力を電動モビリティ20に供給することができるモビリティである。
【0023】
電力供給モビリティ10は電力を電動モビリティ20に供給することができる電力供給装置11を備えている。電力供給装置11は、電力を電動モビリティ20に供給することができれば特に限定されない。例えば、電力供給装置11は、蓄電した電力を供給することができるバッテリーでもよい。また、電力供給装置11は、発電した電気を供給することができる発電装置でもよい。発電装置としては、例えば燃料電池が挙げられる。
【0024】
電力供給モビリティ10は電力供給装置11を積載していてもよいが、それを動力源としてもよい。バッテリーを動力源とする電力供給モビリティ10としては、例えば電気自動車(BEV)やハイブリッド車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)、プラグインハイブリッド車(PHEV:Plug-in Hybrid Electric Vehicle)等や、電動ドローン等が挙げられる。燃料電池を動力源とする電力供給モビリティ10としては、燃料電池車(FCEV:Fuel Cell Electric Vehicle)や燃料電池ドローンが挙げられる。
【0025】
電力供給装置11としては、電力供給能力が高い燃料電池を選択してよい。また、同様に、電力供給モビリティ10として燃料電池車や燃料電池ドローンを選択してよい。
【0026】
電力供給モビリティ10は通信ネットワークNと双方向に通信するための通信装置12を備えている。従って、電力供給モビリティ10は通信ネットワークNを介して、電力供給支援装置100と双方向に情報を送受信することができる。具体的には、電力供給モビリティ10は電力供給支援装置100に位置情報を送信することができる。また、電力供給モビリティ10は電力供給支援装置100から予約情報を受信することができる。
【0027】
電力供給モビリティ10は、電圧を調整可能な電力調整器13を備えていてもよい。これにより、電動モビリティ20に適した電圧で電力を供給することができる。
【0028】
<電動モビリティ20>
電動モビリティ20は電力で駆動するモビリティである。電動モビリティ20は、電動の移動体であれば特に限定されない。例えば電気自動車(BEV)やハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、電動ドローン、電動車いす等が挙げられる。電動モビリティ20は屋内外で搬送、監視、若しくは清掃などの業務を担う移動可能な業務ロボットでもよい。これにより、業務ロボットの稼働効率化、台数の最適化が可能である。
【0029】
電動モビリティ20は動力源であるバッテリー21を有している。バッテリー21は電力供給モビリティ10から電力を供給可能な形態であれば特に限定されない。例えばリチウムイオン電池等の二次電池が挙げられる。
【0030】
電動モビリティ20は通信ネットワークNと双方向に通信するための通信装置22を備えている。電動モビリティ20は通信ネットワークNを介して、電力供給支援装置100と双方向に情報を送受信することができる。具体的には、電動モビリティ20は電力供給支援装置100に稼働予定情報を送信することができる。また、電動モビリティ20は電力供給支援装置100から予約情報を受信することができる。
【0031】
稼働予定情報は移動予定情報を含む。「移動予定情報」は、電動モビリティ20の現在地、目的地、及び現在地から目的地までの推定道程のうち少なくとも1を含む。「目的地」とは、電動モビリティ20に入力されている目的地であってもよく、電動モビリティ20の過去の移動履歴から推定された目的地であってもよい。例えば、現在地から目的地までの推定道程からから算出されてた推定時刻であってもよい。「推定道程」とは、現在地から目的地まで電動モビリティ20が移動する推定道程である。推定道程は特に限定されず、現在地から目的地までの最短の道程であってもよく、過去の履歴から推定される道程であってもよい。「バッテリー情報」とは、電動モビリティ20のバッテリー残量を含む。また、電動モビリティ20のバッテリーの状態等の情報を含んでいてもよい。「ユーザーが指定した電力供給可能場所30の情報」とは、ユーザーに指定された電力供給可能場所30の情報である。
【0032】
稼働予定情報はバッテリー情報を含んでいてもよい。例えば、バッテリー情報には現在のバッテリー残量やバッテリーの状態等の情報が含まれいてよい。また、稼働予定情報は電動モビリティ20のユーザーが指定した電力供給可能場所30の情報を含んでいてもよい。さらに、稼働予定情報は、時間情報が含まれていてもよい。例えば、移動予定情報に目的地を含む場合、時間情報に目的地の到着予定時刻を含んでいてもよい。また、時間情報は充電希望時刻を含んでいてもよい。時間情報はユーザーによって入力されてもよく、推定された時刻であってもよい。
【0033】
稼働予定情報は、リアルタイムで送信されてもよく、所定の時間間隔で定期的に送信されてもよく、電動モビリティ20のユーザーによって任意の時間に送信されてもよい。
【0034】
<電動モビリティ20のユーザーの端末25>
電動モビリティ20のユーザーの端末25は、電動モビリティ20及び通信ネットワークNと双方向に通信可能な端末であれば特に限定されない。例えば、PCや携帯電話、及びスマートフォン等が挙げられる。
【0035】
電動モビリティ20のユーザーの端末25は、そのユーザーの電動モビリティ20及び電力供給支援装置100と双方向に情報を送受信することができる。すなわち、端末25は電動モビリティ20及び電力供給支援装置100と双方向に情報を送受信することができる通信装置を備えている。
【0036】
端末25と電動モビリティ20とは、有線又は無線ネットワーク(通信ネットワークNを含む)を介して接続され、双方向に情報を送受信することができる。また、端末25と電力供給支援装置100とは、通信ネットワークNを介して接続され、双方向に情報を送受信することができる。具体的には、端末25は電動モビリティ20の稼働予定情報を受信することができる。また、端末25は電動モビリティ20の稼働予定情報を電力供給支援装置100に送信することができる。さらに、端末25は電力供給支援装置100から予約情報を受信することができる。典型的には、端末25に内蔵された所定のアプリケーションを介して、電動モビリティ20電力供給支援装置100と通信し、マッチングを行う。
【0037】
<電力供給可能場所30>
電力供給可能場所30は電力供給モビリティ10から電動モビリティ20に電力を供給することが可能な場所である。具体的には、電力供給モビリティ10及び電動モビリティ20が停車・駐車可能であり、電力供給モビリティ10から電動モビリティ20に電力を供給するための十分なスペースを有する場所である。
【0038】
電力供給可能場所30はこのような場所であれば特に限定されない。例えば、駐車場や駐車場を有する施設、ドローンポート、EVステーション、病院、介護施設、テーマパーク、大学等の学校施設、大規模集客施設等が挙げられる。また、電力供給可能場所30は、電力モビリティ20を運搬可能な運搬モビリティでもよい。運搬モビリティとは、例えばフェリーや鉄道、自動車運搬車等である。従って、本開示は運搬モビリティにおいて、電動モビリティ20を運搬しながら、電力供給モビリティ10によって充電する態様も含む。充電は運搬モビリティが移動中であっても、停止中であってもよい。
【0039】
例えば、病院や大規模集客施設であれば、車いすが置いてある入口が電力供給可能場所30となる。また、病院において、患者を搬送する電動車いすを充電する場合は、待合室も電力供給可能場所30となりえる。
【0040】
<電力供給支援装置100>
電力供給支援装置100は、通信ネットワークNと双方向に通信可能なコンピュータである。電力供給支援装置100はコンピュータとして必要な構成を有している。例えば、プロセッサや、メモリ、通信インターフェース等を備えている。
【0041】
電力供給支援装置100は電力供給モビリティ10から電動モビリティ20に電力を供給するための支援を行うために、次の構成を備える。すなわち、電力供給支援装置100は複数の電力供給モビリティ10に関する情報を記憶する電力供給モビリティ情報記憶部と、複数の電動モビリティ20に関する情報を記憶する電動モビリティ情報記憶部と、電力供給モビリティ10から電動モビリティ20に電力を供給することが可能な複数の電力供給可能場所30に関する情報を記憶する電力供給可能場所記憶部と、一の電動モビリティ20若しくはそのユーザーの端末25から送信された移動予定情報を含む電動モビリティ20の稼働予定情報を受信する電動モビリティ稼働予定情報受信部と、電力供給モビリティ10の位置情報を取得する電力供給モビリティ位置情報取得部と、電力供給モビリティ10に関する情報、電動モビリティ20に関する情報、電力供給可能場所30に関する情報、電動モビリティ20の稼働予定情報、及び電力供給モビリティ10の位置情報に基づいて、一の電力供給可能場所30及び一の電力供給可能場所30において稼働予定情報が送信された一の電動モビリティ20に電力を供給するために派遣される少なくとも一の電力供給モビリティ10を決定する決定部と、決定部により決定された情報に基づいて予約情報を作成する予約情報作成部と、予約情報を、稼働予定情報を送信した電動モビリティ20若しくはそのユーザーの端末25、及び派遣される電力供給モビリティ10に送信する予約情報送信部と、を備えている。
【0042】
(電力供給モビリティ情報記憶部)
電力供給モビリティ情報記憶部は複数の電力供給モビリティ10に関する情報を記憶している。電力供給モビリティ10に関する情報には、電力供給モビリティ10の種類や電力供給能力等の情報が含まれていてもよい。
【0043】
(電動モビリティ情報記憶部)
電動モビリティ情報記憶部は、複数の電動モビリティ20に関する情報を記憶している。電動モビリティ20に関する情報には、電力供給モビリティ20の種類や内蔵しているバッテリーの種類等の情報が含まれていてもよい。
【0044】
(電力供給可能場所記憶部)
電力供給可能場所記憶部は、電力供給モビリティ10から電動モビリティ20に電力を供給することが可能な複数の電力供給可能場所30に関する情報を記憶している。電力供給可能場所30に関する情報には、電力供給可能場所30の位置や建物の種類等の情報が含まれていてもよい。
【0045】
(電動モビリティ稼働予定情報受信部)
電動モビリティ稼働予定情報受信部は、一の電動モビリティ20若しくはそのユーザーの端末25から送信された移動予定情報を含む電動モビリティ20の稼働予定情報を受信する。稼働予定情報は通信ネットワークNを介して受信される。
【0046】
(電力供給モビリティ位置情報取得部)
電力供給モビリティ位置情報取得部は、電力供給モビリティ10の位置情報を取得する。電力供給モビリティ位置情報取得部は、電力供給モビリティ10から送信された位置情報を受信してもよく、予め電力供給支援装置100に記憶されている電力供給モビリティ10の位置情報を取得してもよい。
【0047】
(決定部)
決定部は、電力供給モビリティ10に関する情報、電動モビリティ20に関する情報、電力供給可能場所30に関する情報、電動モビリティ20の稼働予定情報、及び電力供給10モビリティの位置情報に基づいて、一の電力供給可能場所30及び一の電力供給可能場所30において稼働予定情報が送信された一の電動モビリティ20に電力を供給するために派遣される少なくとも一の電力供給モビリティ10を決定する。電力供給モビリティ10は複数派遣されてもよい。
【0048】
決定部は、電力供給モビリティ情報記憶部から電力供給モビリティ10に関する情報を取得し、電動モビリティ情報記憶部から電動モビリティ20に関する情報を取得し、電力供給可能場所記憶部から電力供給可能場所30に関する情報を取得し、電動モビリティ稼働予定情報受信部から電動モビリティ20の稼働予定情報を取得し、電力供給モビリティ位置情報取得部から電力供給10モビリティの位置情報を取得する。決定部は電動モビリティ20に関する情報と稼働予定情報を送信した電動モビリティ20とを照会する。
【0049】
決定部は、電動モビリティ20の移動予定情報に基づいて、電動モビリティ20の目的地若しくは該目的地に最も近い電力供給可能場所30を電力供給可能場所30として選択してもよい。決定部は、電動モビリティ20の移動予定情報に基づいて、電動モビリティ20の現在位置若しくは該現在位置に最も近い電力供給可能場所30を電力供給可能場所30として選択してもよい。決定部は、電動モビリティ20の移動予定情報に基づいて、電動モビリティ20の現在位置から目的地までの推定道程に含まれる電力供給可能場所30の中から電力供給可能場所30を選択してもよい。「推定道程に含まれる電力供給可能場所30」とは、推定道程に配置される電力供給可能場所30に加えて、推定道程の周辺(「周辺」とは、例えば周囲10kmの範囲を意味する。ただし、これに限定されない。以下、同じ。)に配置される電力供給可能場所30を含む。決定部は、電動モビリティ20のバッテリー情報に基づいて、電動モビリティ20が現在のバッテリー残量で到達可能な電力供給可能場所30を選択してもよい。決定部は、電動モビリティ20のユーザーが指定した電力供給可能場所30の情報に基づいて、ユーザーが指定した電力供給可能場所30を選択してもよい。
【0050】
稼働予定情報に時間情報が含まれている場合、時間情報に基づいて、決定される電力供給可能場所30を制限してもよい。例えば、時間情報に充電希望時刻が含まれる場合であって、当該充電希望時刻又は充電希望時刻から推定される充電終了予定時刻までの間において、電力供給可能場所30が使用できない場合、決定部はこのような電力供給可能場所30を除外した上で、一の電力供給可能場所30を決定してもよい。
【0051】
決定部は、電力供給10モビリティの位置情報に基づいて、決定された電力供給可能場所30に最も近くに位置する電力供給モビリティ10を選択してもよい。決定部は、電力供給モビリティ10に関する情報に基づいて、電力調整器を備える電力供給モビリティ10を選択してもよい。決定部は、電動モビリティ20のバッテリーの種類に応じて、電力供給モビリティ10を選択してもよい。
【0052】
決定部は、電力供給モビリティ10に関する情報、電動モビリティ20に関する情報、電力供給可能場所30に関する情報、電動モビリティ20の稼働予定情報、及び電力供給10モビリティの位置情報に基づいて、稼働予定情報を送信した電動モビリティ20若しくはそのユーザーの端末25に少なくとも1つの電力供給可能場所30を提案し、提案された電力供給可能場所30の中からユーザーが1つの電力供給可能場所30を指定し、指定された電力供給可能場所30を一の電力供給可能場所30として決定してもよい。このように、決定部にはユーザーに電力供給可能場所を提案して、ユーザーが適宜選択する態様も含まれる。
【0053】
決定部は、電動モビリティ20の移動予定情報に基づいて、電動モビリティ20の目的地の周辺に含まれる電力供給可能場所30をユーザーに提案してもよい。決定部は、電動モビリティ20の移動予定情報に基づいて、電動モビリティ20の現在位置の周辺に含まれる電力供給可能場所30をユーザーに提案してもよい。決定部は、電動モビリティ20の移動予定情報に基づいて、電動モビリティ20の現在位置から目的地までの推定道程に含まれる電力供給可能場所30をユーザーに提案してもよい。決定部は、電動モビリティ20のバッテリー情報に基づいて、電動モビリティ20が現在のバッテリー残量で到達可能な電力供給可能場所30を提案してもよい。
【0054】
決定部はユーザーに対し、例えば地図上に電力供給可能場所30を示して提案してもよく、電力供給可能場所30のリストを示して提案してもよい。稼働予定情報に時間情報が含まれている場合、時間情報に基づいて、提案される電力供給可能場所30を制限してもよい。
【0055】
決定部は電力供給可能場所30をユーザーに提案する際に、電力供給モビリティ10に関する情報、電力供給モビリティ10の位置情報、及び時間情報(稼働予定情報)に基づいて、その電力供給可能場所30において、電力供給モビリティ10が電動モビリティ20に対して電力供給を実施することが可能な時刻(充電可能時刻)をユーザーに提案してもよい。ユーザーに提案される充電可能時刻は1つでもよく、複数でもよい。
【0056】
このような充電可能時刻は、ユーザーに提案される電力供給可能場所30に最も近い電力供給モビリティ10が当該電力供給可能場所30に派遣されると仮定した場合の移動時間を考慮して、決定されてもよい。また、到着予定時刻又は充電希望時刻(時間情報)に最も近い充電可能時刻をユーザーに提案してもよい。このような充電可能時刻はユーザーにとって、最適な充電可能時刻であると考えられる。
【0057】
(予約情報作成部)
予約情報作成部は、決定部により決定された情報に基づいて予約情報を作成する。予約情報には決定部により決定された情報に加えて、その他の情報が含めれていてもよい。例えば、その他の情報には、充電開始予定時刻、充電終了予定時刻、充電予定時間等が含まれていてよい。稼働予定情報に時間情報が含まれている場合、時間情報に基づいて、到着予定時刻又は充電希望時刻を充電開始予定時刻としてよい。または、充電可能時刻を充電開始予定時刻としてよい。充電終了予定時刻は充電開始予定時刻及び充電予定時間に基づいて算出することができる。充電予定時間は電力供給モビリティ10の電力供給能力や電動モビリティ20のバッテリーの容量等に応じて、適宜設定することができる。
【0058】
(予約情報送信部)
予約情報送信部は、予約情報を、稼働予定情報を送信した電動モビリティ20若しくはそのユーザーの端末25、及び派遣される電力供給モビリティ10に送信する。また、決定部で決定された電力供給可能場所30に予約情報を送信してもよい。
【0059】
(電力供給支援の具体例)
図2に、電力供給支援装置100を用いて、電力供給モビリティ10から電動モビリティ20に電力を供給するための支援を行うフローチャートの一例を示した。
図2に示した通り、フローチャートはステップS1~S7を有している。
【0060】
ステップS1において、電動モビリティ20若しくはそのユーザーの端末25は通信ネットワークNを介して電動モビリティ20の稼働予定情報を電力供給支援装置100に送信する。
【0061】
ステップS2において、電力供給支援装置100(稼働予定情報受信部)は通信ネットワークNを介して送信された電動モビリティ20の稼働予定情報を受信する。
【0062】
ステップS3において、稼働情報を受信した後、電力供給支援装置100(電力供給モビリティ位置情報取得部)は電力供給モビリティ10の位置情報を取得する。
【0063】
ステップS4において、電力供給支援装置100(決定部)は、電力供給モビリティ10に関する情報、電動モビリティ20に関する情報、電力供給可能場所30に関する情報、電動モビリティ20の稼働予定情報、及び電力供給10モビリティの位置情報に基づいて、一の電力供給可能場所30及び一の電力供給可能場所30において稼働予定情報が送信された一の電動モビリティ20に電力を供給するために派遣される少なくとも一の電力供給モビリティ10を決定する。
【0064】
ステップS5において、電力供給支援装置100(予約情報作成部)は、決定された情報に基づいて予約情報を作成する。
【0065】
ステップS6において、電力供給支援装置100(予約情報送信部)は、予約情報を、稼働予定情報を送信した電動モビリティ20若しくはそのユーザーの端末25、及び派遣される電力供給モビリティ10に送信する。また、電力供給支援装置100(予約情報送信部)は、予約情報を決定された電力供給可能場所30に送信してもよい。
【0066】
ステップS7において、予約情報を受信した電力供給モビリティ10及び電動モビリティ20は決定された電力供給可能場所30に向かい、その場所で電力供給モビリティ10は電動モビリティ20に対し電力を供給する(充電サービスを提供する)。
【0067】
このように電力供給支援装置100は、電動モビリティ20にとって最適な場所、最適なタイミングで電力供給モビリティ10からの電力の供給を支援することができる。
【0068】
続いて、ステップS4の他の形態であるステップS14のフローチャートを
図3に示した。
図3に示した通り、ステップS14はステップ14a~14dを有している。
【0069】
ステップS14において、電力供給支援装置100(決定部)は、電力供給モビリティ10に関する情報、電動モビリティ20に関する情報、電力供給可能場所30に関する情報、電動モビリティ20の稼働予定情報、及び電力供給10モビリティの位置情報に基づいて、一の電力供給可能場所30及び一の電力供給可能場所30において稼働予定情報が送信された一の電動モビリティ20に電力を供給するために派遣される少なくとも一の電力供給モビリティ10を決定する際に、電動モビリティ20の稼働予定情報を送信した電動モビリティ20若しくはそのユーザーの端末25に少なくとも1つの電力供給可能場所30を提案し、提案された電力供給可能場所30からユーザーが1つの電力供給可能場所30を指定し、指定された電力供給可能場所30を一の電力供給可能場所30を決定する。
【0070】
図3に示した通り、ステップS14はステップS14a~14dに分解される。まず、ステップ14aにおいて、電動モビリティ20の稼働予定情報を送信した電動モビリティ20若しくはそのユーザーの端末25に少なくとも1つの電力供給可能場所30を提案する。次に、ステップ14bにおいて、提案された電力供給可能場所30からユーザーが1つの電力供給可能場所30を指定する。続いて、ステップ14cにおいて、ユーザーに指定された電力供給可能場所30を一の電力供給可能場所30に決定する。最後に、ステップ14dにおいて、一の電力供給可能場所30において稼働予定情報が送信された一の電動モビリティ20に電力を供給するために派遣される少なくとも一の電力供給モビリティ10を決定する。
【0071】
例えば、端末25に内蔵されたアプリを用いて、目的地(移動予定情報)及び充電希望時刻(時間情報)を含む電動モビリティ20の稼働予定情報を電力供給支援装置100に送信した場合について検討する。
【0072】
この場合、まずステップ14aにおいて、目的地の周辺に含まれる電力供給可能場所30をユーザーに提案する。この際、目的地の周辺に含まれる電力供給可能場所30の中から、充電希望時刻から充電終了予定時刻までの間において使用できない電力供給可能場所30を除外して、ユーザーに提案してもよい。次に、ステップS14bにおいて、提案された電力供給可能場所30からユーザーが1つの電力供給可能場所30を指定する。続いて、ステップS14cにおいて、ユーザーに指定された電力供給可能場所30を一の電力供給可能場所30を決定する。最後に、ステップS14dにおいて、一の電力供給可能場所30において稼働予定情報が送信された一の電動モビリティ20に電力を供給するために派遣される少なくとも一の電力供給モビリティ10を決定する。
【0073】
また、端末25に内蔵されたアプリを介して、バッテリー情報を含む電動モビリティ20の稼働予定情報を適宜電力供給支援装置100に送信した場合について検討する。この場合、まずステップS14aにおいて、電動モビリティ20のバッテリー情報に基づいて、電動モビリティ20が現在のバッテリー残量で到達可能な電力供給可能場所30を提案する。続く、ステップS14b~S14dは上記と同じである。
【0074】
なお、ステップ14aにおいて、電力供給可能場所30の提案と一緒に、その電力供給可能場所30における充電可能時刻をユーザーに提案してもよい。
【0075】
(効果)
上述した通り、固定式の充電ステーションを用いる場合、充電ステーションの整備には高額な設置費用を要することから、設置数及び設置場所が制限されている。そのため、充電ステーションにおいて、ユーザーの集中による混雑が発生しやすい。混雑の発生によりユーザーに無為な待ち時間が発生する可能性がある。特に、大型連休や年末年始等の限られた期間において、ユーザーの充電需要の増大により上記の課題が発生しやすい。また、固定式の充電ステーションは災害時の浸水リスクを軽減することが難しく、浸水時には漏電による事故発生が懸念されている。さらに、電動モビリティは航続距離がバッテリー容量に限定されるところ、適切に充電することができない場合には、電欠の発生による渋滞や事故誘発が懸念されている。固定式の充電ステーションでは、任意の場所で充電サービスを提供することができない。加えて、例えば停電等が発生した場合、固定式の充電ステーションを用いて電動モビリティを充電することは困難である。
【0076】
一方で、電力供給装置100により、電力供給モビリティ10を用いて電動モビリティ20の充電を支援することができるため、最適な場所、最適なタイミングで充電サービスを提供することができる。これにより、充電における無為な待ち時間が解消される。また、充電の場所が制限されないことから、限られた季節、時間における充電需要への対応が可能となる。さらに、電動モビリティ20の電欠時、電力供給モビリティ10による迅速な救援が可能となる。加えて、災害時には、電力供給モビリティ10を、電動モビリティ20が駐車された避難所に派遣することで、電動モビリティ20を避難所での電力供給用の電池として活用することが可能となる。
【0077】
例えば、電気自動車(電動モビリティ)のユーザーの目的地が病院(電力供給可能場所)である場合、その目的地情報を電力供給支援装置に送信することで、燃料電池車(電力供給モビリティ)を派遣し、例えば診察待ち時間において電気自動車の充電を実施することができる。また、電気自動車のバッテリー残量が少ない場合、そのバッテリー情報を電力供給支援装置に送信することで、そのバッテリー残量で到達可能な場所を指定し、そこに燃料電池車(電力供給モビリティ)を派遣し、電気自動車の充電を実施することができる。さらに、電気自動車(電動モビリティ)のユーザーが指定した電力供給可能場所を電力供給支援装置に送信することで、そこに燃料電池車(電力供給モビリティ)を派遣し、電気自動車の充電を実施することができる。電動モビリティとして電動ドローンを用いた場合も同様である。
【0078】
以上のことから、電力供給支援装置100によれば、電動モビリティ20に対する充電サービスを向上することができる。
【0079】
<電力供給支援装置の他の形態1>
上述の通り、電力供給支援装置は停電時においての活躍も見込まれる。そこで、他の形態では、停電時においても、電力供給モビリティ10から電動モビリティ20への電力の供給を支援可能である電力供給支援装置を提供する。
【0080】
(電力供給情報取得部)
他の形態の電力供給支援装置は、さらに電力供給情報を取得する電力供給情報取得部を備え、決定部はさらに電力供給情報に基づいて、電力供給モビリティ10及び電力供給場所30を決定する。
【0081】
「電力供給情報」とは、電力のひっ迫、停電が予想される地域、又は実際に停電が発生した地域に関する情報である。電力供給情報は公的機関のwebページ等や管理者による入力により取得することができる。
【0082】
停電が発生した場合、派遣可能な電力供給モビリティ10及び電力供給場所30が制限される。例えば、停電により道路が封鎖された場合、決定部は電力供給モビリティ10及び電動モビリティが到達できない電力供給場所30を除外して、電力供給場所30を決定してもよい。また、停電により電力供給モビリティ10が正常に起動できない場合、決定部はその電力供給モビリティ10を除外して、派遣される電力供給モビリティ10を決定してもよい。
【0083】
このように、決定部が、電力供給情報に基づいて、電力供給モビリティ10及び電力供給場所30を決定することにより、停電時においても最適な場所、最適なタイミングで充電サービスを実施することができる。
【0084】
他の形態の電力供給支援装置において、電力供給モビリティ10に関する情報は停電対策用電力供給モビリティに関する情報を含み、停電時において、決定部は派遣される電力供給モビリティとして停電対策用電力供給モビリティを選択してもよい。これにより、停電時に動員可能な電力供給モビリティを確保することができるため、停電等の時における充電サービスを向上することができる。
【0085】
「停電対策用電力供給モビリティ」とは、停電時に動員可能な電力供給モビリティである。停電対策用電力供給モビリティは予め登録された電力供給モビリティであってもよい。
【0086】
(搬送情報記憶部)
他の形態の電力供給支援装置は、電力供給情報取得部に加えて、搬送情報記憶部を備えていてもよい。すなわち、他の形態の電力供給支援装置は、電力供給モビリティ10が搬送可能な人員及び物資に関する情報である搬送情報を記憶する搬送情報記憶部を備え、停電等の時において、決定部はさらに搬送情報に基づいて、電力供給モビリティ10及び電力供給場所30を決定すると共に電力供給モビリティ10が搬送する人員及び物資のうち少なくとも一方を決定してもよい。
【0087】
「搬送情報」とは、電力供給モビリティ情報記憶部に記憶されている電力供給モビリティ10に関する情報において、停電等の時に人員及び物資のうち少なくとも一方を搬送可能な電力供給モビリティ10並びにその電力供給モビリティ10が搬送可能な人員及び/又は物資に関する情報である。「人員に関する情報」とは、電力供給モビリティ10が搬送可能な人数を含む。人員に関する情報は、停電等の時に派遣可能な人間に関する情報(例えば、名前等)を含んでもよい。「物資に関する情報」とは、停電等の時に搬送される物資の種類及び量に関する情報である。
【0088】
上記の他の形態において、決定部が決定する電力供給モビリティ10は、人員及び物資のうち少なくとも一方を搬送可能な電力供給モビリティ10である。決定部が決定する人員及び/又は物資は、予め登録された人員及び/又は物資であってもよく、決定の際に管理者により入力された人員及び/又は物資であってもよい。
【0089】
このような他の形態によれば、停電時において、電動モビリティ20に対し充電サービスを提供することができるとともに、電力供給モビリティ10を利用して人員及び物資を搬送することができる。すなわち、停電等の時における支援活動も可能である。
【0090】
例えば、停電等の時において、支援のために電気自動車のバッテリーを用いて、電力を避難所に供給していたところ、バッテリー残量がほとんどなくなりそうになった場合、その避難所に燃料電池車を派遣し、電気自動車の充電を実施するとともに、支援のための人員及び/又は物資を提供することができる。
【0091】
<電力供給支援装置の他の形態2>
電力供給モビリティ10から電動モビリティ20への充電時間を有効活用するために、充電時間を利用して電動モビリティ20のユーザーは他の役務を受けてもよい。従って、他の形態の電力供給支援装置は、電力供給モビリティ10による電力供給時に実施可能な役務に関する情報を記憶する役務情報記憶部と、一の電動モビリティ若しくはそのユーザーの端末から送信された役務情報を受信する役務情報受信部と、を有し、決定部は、役務に関する情報及び役務情報に基づいて、派遣される電力供給モビリティ10から電動モビリティ20への電力の供給時に実施される役務を決定してもよい。
【0092】
この場合、電動モビリティ20又はそのユーザーの端末25は電力供給時に受ける役務を電力供給支援装置に送信する。送信される役務は、上記の役務情報記憶部に記憶されている役務の中から選択される。電力供給時に実施される役務は特に限定されない。例えば、電力供給時に医師がユーザーの往診を行ってもよく、理容師がユーザーの散髪を行ってもよく、自動車整備士が電動モビリティ20の整備を行ってもよい。
【0093】
[電力供給支援システム]
本開示は次の電力供給支援システムを開示する。すなわち、複数の電力供給モビリティと、複数の電動モビリティ若しくはそのユーザーの端末と、電力供給モビリティから電動モビリティに電力を供給するための支援を行う電力供給支援装置と、を備え、電力供給モビリティは電力供給支援装置と双方向に情報を送受信することができ、電動モビリティは電力供給支援装置と双方向に情報を送受信することができ、端末はそのユーザーの電動モビリティ及び電力供給支援装置と双方向に情報を送受信することができ、電力供給支援装置は、一の電動モビリティ若しくはそのユーザーの端末から送信された移動予定情報を含む電動モビリティの稼働予定情報を受信する電動モビリティ稼働予定情報受信部と、電力供給モビリティの位置情報を取得する電力供給モビリティ位置情報取得部と、記電力供給モビリティに関する情報、電動モビリティに関する情報、電力供給可能場所に関する情報、電動モビリティの稼働予定情報、及び電力供給モビリティの位置情報に基づいて、一の電力供給可能場所及び一の電力供給可能場所において稼働予定情報が送信された一の電動モビリティに電力を供給するために派遣される少なくとも一の電力供給モビリティを決定する決定部と、決定部により決定された情報に基づいて予約情報を作成する予約情報作成部と、予約情報を、稼働予定情報を送信した電動モビリティ若しくはそのユーザーの端末、及び派遣される電力供給モビリティに送信する予約情報送信部と、を備える、電力供給支援システムである。
【0094】
電力供給支援システムの詳しい内容は上述したため、ここでは説明を省略する。
【0095】
[電力供給支援プログラム]
本開示は次の電力供給支援プログラムを開示する。すなわち、コンピュータに電力供給モビリティから電動モビリティに電力を供給するための支援を行うように機能させるための電力供給支援プログラムであって、複数の電力供給モビリティに関する情報を取得する電力供給モビリティ情報取得処理と、複数の電動モビリティに関する情報を取得する電動モビリティ情報取得処理と、電力供給モビリティから電動モビリティに電力を供給することが可能な複数の電力供給可能場所に関する情報を取得する電力供給可能場所取得処理と、一の電動モビリティ若しくはそのユーザーの端末から送信された移動予定情報を含む電動モビリティの稼働予定情報を取得する電動モビリティ稼働予定情報取得処理と、電力供給モビリティの位置情報を取得する電力供給モビリティ位置情報取得処理と、電力供給モビリティに関する情報、電動モビリティに関する情報、電力供給可能場所に関する情報、電動モビリティの稼働予定情報、及び電力供給モビリティの位置情報に基づいて、一の電力供給可能場所及び一の電力供給可能場所において稼働予定情報が送信された一の電動モビリティに電力を供給するために派遣される少なくとも一の電力供給モビリティを決定する決定処理と、決定部により決定された情報に基づいて予約情報を作成する予約情報作成処理と、予約情報を、稼働予定情報を送信した電動モビリティ若しくはそのユーザーの端末、及び派遣される電力供給モビリティに送信する予約情報送信処理と、を実行する、電力供給支援プログラムである。
【0096】
本開示の電力供給支援プログラムは、上述の電力供給支援装置の処理内容をプログラム化したものである。従って、電力供給支援プログラムの詳しい内容はここでは説明を省略する。また、電力供給支援プログラムは上述の電力供給支援装置の内容を適宜援用することができる。
【符号の説明】
【0097】
10 電力供給モビリティ
11 電力供給装置
12 通信装置
13 電力調整器
20 電動モビリティ
21 バッテリー
22 通信装置
25 端末
30 電力供給可能場所
100 電力供給支援装置
N 通信ネットワーク