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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171012
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】幌付き車両
(51)【国際特許分類】
   B60P 7/04 20060101AFI20231124BHJP
   B60J 7/10 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
B60P7/04 A
B60J7/10 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022083180
(22)【出願日】2022-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平谷 望恵
(72)【発明者】
【氏名】神谷 光真
(57)【要約】
【課題】荷台上に設けられた幌部材を、荷台上から車両外側に極力突出させることなく、比較的簡単な操作で開閉できるようにすることにある。
【解決手段】幌部材20の形状を保持する枠部材30を備えると共に、枠部材30は、荷台上に位置固定されて取付けられた固定枠31と、固定枠31に設けられた回転軸41(42)と、回転軸41(42)に回動可能に取付けられた可動枠32(33)とを有し、
固定枠31と可動枠32(33)間に張られた幌部材20は、回転軸41(42)とは反対側に位置する可動枠32(33)の先端部320(330)が固定枠31から離れる方向に回動することで立体的な形状に広げられた閉じ状態と、可動枠32(33)の先端部320(330)が固定枠31に近づく方向に回動することで固定枠31側に寄せ集められた開き状態間を変位するように構成されている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の荷台上で立体的な形状に広げられる幌部材を備えた幌付き車両において、
前記幌部材の形状を保持する枠部材を備えると共に、前記枠部材は、荷台上に位置固定されて取付けられた固定枠と、前記固定枠に設けられた回転軸と、前記回転軸に回動可能に取付けられた可動枠とを有し、
前記固定枠と前記可動枠間に張られた前記幌部材は、前記回転軸とは反対側に位置する前記可動枠の先端部が前記固定枠から離れる方向に回動することで立体的な形状に広げられた閉じ状態と、前記可動枠の先端部が前記固定枠に近づく方向に回動することで固定枠側に寄せ集められた開き状態間を変位するように構成されている幌付き車両。
【請求項2】
前記固定枠と前記可動枠の少なくとも一方の枠の寸法を、前記幌部材の立体的な形状を拡大又は縮小させる向きに伸縮させる伸縮機構が設けられている請求項1に記載の幌付き車両。
【請求項3】
前記幌部材が立体的に広げられた状態を基準として、荷台側に位置する前記幌部材の縁端側を保持するように構成された第一の可動枠と、前記幌部材の縁端よりも車両の高さ方向上側を保持するように構成された第二の可動枠とを有し、
前記第一の可動枠は、第一の回転軸を介して前記固定枠に取付けられていると共に、前記第二の可動枠は、前記第一の回転軸とは異なる第二の回転軸を介して前記固定枠に取付けられている請求項1に記載の幌付き車両。
【請求項4】
前記枠部材に対して前記幌部材を着脱可能に留めておく留め機構が設けられている請求項1に記載の幌付き車両。
【請求項5】
前記幌部材は、前記幌部材の縁端が荷台側に配置されるように広げられた全閉状態と、前記幌部材の縁端が固定枠側に引き上げられるように寄せ集められた全開状態と、前記幌部材の縁端が前記全閉状態と前記全開状態の間の位置で停止した中間状態間で変位するように構成されていると共に、
前記幌部材と前記枠部材の少なくとも一方には、前記幌部材の各状態を保持する保持機構が設けられている請求項1~4のいずれか一項に記載の幌付き車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷台上で立体的な形状に広げられる幌部材を備えた幌付き車両に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の車両には、荷台上の運搬物等を覆うように幌部材が取付けられることがある。この幌部材は、適度な可撓性を備えた面材で形成されており、その周縁には、荷台側に掛け止められる掛止具が取付けられている。そして運搬物の運搬時には、適切な形に広げられた展開状態の幌部材で運搬物を覆いつつ、掛止具を荷台側に掛け止めておく。また運搬物の搬入出時には、掛止具を荷台から外して幌部材を取外しておく。上記した構成では、運搬物の配送時等に幌部材の取外し作業や展開作業、即ち、幌部材の開閉作業を頻繁に行うことがあり、当該開閉作業を簡略化したいとの要請があった。
【0003】
そこで特許文献1に開示の自動三輪車では、その車室の後部にトランクが設けられている。このトランクは、運搬物を収容可能なトランク本体と、このトランク本体を開閉する蓋体とを有している。ここでトランク本体は、立方体状に形成されていると共に、その後面や側面等が解放されている(特許文献1の第10図を参照)。またトランク本体の後面には、その下縁に板状の蓋体が上下回動可能に取付けられていると共に、トランク本体の側面にも、その下縁に板状の蓋体が上下回動可能に取付けられている。そして各蓋体を上回動させて各面を閉じるように起立させることで、トランク本体が閉じられるようになる。また、蓋体を下回動させて車両外側に向けて倒すことにより、トランク本体が開かれるようになる。上記した構成では、トランク本体に対して各蓋体を回動させる簡単な操作により、このトランク本体の後面から側面にかけての部分が大きく開かれるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平03-24487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし特許文献1の技術では、トランク本体を開く際に、各蓋体が倒れて車両外側に突出する。このため特許文献1の技術では、運搬物の搬入出時に蓋体が車両外側に突出することを考慮して、車両の停車場所を選定しなければならなかった。本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、荷台上に設けられた幌部材を、荷台上から車両外側に極力突出させることなく、比較的簡単な操作で開閉できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための手段として、第1発明の幌付き車両は、車両の荷台上で立体的な形状に広げられる幌部材を備えている。この種の構成では、荷台上に設けられた幌部材を、荷台上から車両外側に極力突出させることなく、比較的簡単な操作で開閉できることが望ましい。そこで本発明の幌付き車両は、幌部材の形状を保持する枠部材を備えると共に、枠部材は、荷台上に位置固定されて取付けられた固定枠と、固定枠に設けられた回転軸と、回転軸に回動可能に取付けられた可動枠とを有している。そして固定枠と可動枠間に張られた幌部材は、回転軸とは反対側に位置する可動枠の先端部が固定枠から離れる方向に回動することで立体的な形状に広げられた閉じ状態と、可動枠の先端部が固定枠に近づく方向に回動することで固定枠側に寄せ集められた開き状態間を変位するように構成されている。本発明では、固定枠に対する可動枠の先端部の回動動作、即ち、固定枠と可動枠との角度変化により、幌部材を、立体的に広げられた閉じ状態と、固定枠側に寄せ集められた開き状態間で変位させられるようになる。そして、荷台上に位置固定された固定枠側に幌部材を寄せ集めることで、開き状態の幌部材が車両外側に突出し難くなる。
【0007】
第2発明の幌付き車両は、第1発明の幌付き車両において、固定枠と可動枠の少なくとも一方の枠の寸法を、幌部材の立体的な形状を拡大又は縮小させる向きに伸縮させる伸縮機構が設けられている。本発明では、固定枠と可動枠の少なくとも一方を伸縮させることで、幌部材の立体的な形状を拡大又は縮小させられるようになる。
【0008】
第3発明の幌付き車両は、第1発明の幌付き車両において、幌部材が立体的に広げられた状態を基準として、荷台側に位置する幌部材の縁端側を保持するように構成された第一の可動枠と、幌部材の縁端よりも車両の高さ方向上側を保持するように構成された第二の可動枠とを有している。そして第一の可動枠は、第一の回転軸を介して固定枠に取付けられていると共に、第二の可動枠は、第一の回転軸とは異なる第二の回転軸を介して固定枠に取付けられている。本発明では、幌部材の立体的な形状が、第一の可動枠と第二の可動枠と固定枠とによって保持される。そして第一の可動枠と第二の可動枠とは独立に回動させられるようになっている。これにより、第一の可動枠だけを回動させた場合、第二の可動枠と固定枠間に張られた幌部材の形状が極力維持されて、幌部材の立体形状の意図しない縮小を極力回避できる。また可動枠毎に回転軸を設けたことで、回転軸の構成を過度に複雑にしなくとも、可動枠のスムーズな回動を可能にできる。
【0009】
第4発明の幌付き車両は、第1発明の幌付き車両において、枠部材に対して幌部材を着脱可能に留めておく留め機構が設けられている。本発明では、留め機構によって枠部材に幌部材を留めることで、この幌部材の形状再現性をより確実に確保することができる。
【0010】
第5発明の幌付き車両は、第1発明~第4発明のいずれかの幌付き車両において、幌部材は、幌部材の縁端が荷台側に配置されるように広げられた全閉状態と、幌部材の縁端が固定枠側に引き上げられるように寄せ集められた全開状態と、幌部材の縁端が全閉状態と全開状態の間の位置で停止した中間状態間で変位するように構成されている。そして幌部材と枠部材の少なくとも一方には、幌部材の各状態を保持する保持機構が設けられている。本発明では、運搬物の搬入出時や運搬時において、適切な状態に変位した幌部材を、保持機構で保持しておけるようになる。また、中間状態の幌部材では、途中で停止した可動枠と固定部材間に幌部材が庇状に張られるため、この庇状の幌部材を雨除け等に利用することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る第1発明によれば、荷台上に設けられた幌部材を、荷台上から車両外側に極力突出させることなく、比較的簡単な操作で開閉できるようになる。また第2発明によれば、幌部材を、状況に応じて適切な立体形状に広げられるようになる。また第3発明によれば、幌部材を、より適切に開閉させられるようになる。また第4発明によれば、幌部材を、より確実に適切な立体形状に広げられるようになる。そして第5発明によれば、幌部材を、更に適切に開閉させられるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】全閉状態の幌部材を示す車両の斜視図である。
図2】荷台の拡大斜視図である。
図3】裏側を部分的に透視して示す幌部材の透視斜視図である。
図4】全開状態の幌部材を示す荷台の斜視図である。
図5】中間状態の幌部材を示す荷台の斜視図である。
図6】幌部材を透視して枠部材を示す斜視図である。
図7】回転軸を示す枠部材の拡大斜視図である。
図8図7のVIII-VIII線断面図である。
図9】留め機構を示す幌部材と枠部材の拡大斜視図である。
図10】全閉状態時の保持機構を示す幌部材と荷台の拡大斜視図である。
図11】縮小時の可動枠を示す斜視図である。
図12】伸長時の可動枠を示す斜視図である。
図13】全閉状態から中間状態に変位する際の枠部材を示す斜視図である。
図14】中間状態時の保持機構を示す幌部材の拡大斜視図である。
図15】中間状態から全開状態に変位する際の枠部材を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態を、図1図15を参照して説明する。各図には、車両の前後方向と左右方向(車幅方向)と上下方向(車両の高さ方向)を示す矢線を適宜図示する。
【0014】
[車両の概要]
幌部材及び枠部材について説明する前に、先ず、車両2の概要について説明する。図1に示す車両2の前部には車室3が形成されており、この車室3の車両上側には、車室3の天井を構成するルーフパネル4が設けられている。また車室3の後面側は、面状のリヤキャンバス5で覆われていると共に、このリヤキャンバス5の上部には、リヤ窓部6が車幅方向に延びるように形成されている。そして車室3の車両後側には、運搬物等を載置するための荷台7が車両前後方向に延びるように形成されている。また荷台7の後端側には、左右にリヤランプ9,9aの設けられた車両2の後面8が車幅方向に延びる縦壁状に設けられている。
【0015】
ここで図2に示す荷台7は、上方視で略矩形に形成されていると共に、その車幅方向の右縁と左縁とにそれぞれサイドアオリ10,11が車両前後方向に延びるように設けられている。この左右のサイドアオリ10,11は、その前後端が車両下側に曲げられていると共に、この曲げられた前後端が荷台7の側縁に固定されている。また荷台7の後縁には、リヤアオリ12が車幅方向に延びるように設けられている。このリヤアオリ12は、荷台7の後端に沿うように車幅方向に延びる枠状に形成されており、その左端部13と右端部14とが車両上下方向に延びている。
【0016】
また図2に示すリヤアオリ12は、その左端部13が、左側のサイドアオリ10から車両後側に延びる左側の連結板15に軸支されている。即ち、リヤアオリ12の左端部13は、その下端が左側の連結板15に設けられた左軸材15Aに上下回動可能に軸支されている。またリヤアオリ12の右端部14も、右側のサイドアオリ11から車両後側に延びる右側の連結板16(右軸材16A)に上下回動可能に軸支されている。そしてリヤアオリ12は、左右の軸材15A,16Aを中心に上下回動することで、車両上側に起立した起立姿勢と、車両後側に倒れた倒れ姿勢間で変位できるようになる。なお倒れたリヤアオリ12の後端には、車両2の高さ方向上側に起立するガイド部(図示省略)を設けることができる。そしてリヤアオリ12を車両後側に倒すことで、荷台7に対して運搬物をスムーズに搬入出できるようになる。またガイド部付きのリヤアオリ12は、荷台7上に載置する運搬物の数を増やしたり、大きな寸法の運搬物を載置したりする場合に適している。
【0017】
そして図1に示す荷台7上には、概ね立方体状(立体的な形状)に広げられた幌部材20と、この幌部材20の形状を保持する枠部材30とが設けられている。このように荷台7に設けられた幌部材20を立体的に広げて閉じておくことで、荷台7上の運搬物(図示省略)を運搬時に被覆しておけるようになる。そして車両2を停車させて運搬物を搬入出する場合には、幌部材20を開いて荷台7上の運搬物を外部に露出させる。この種の構成では、荷台7上に設けられた幌部材20を、比較的簡単な操作で開閉できることが望ましい。また車両2の停止位置を考慮して、開き状態の幌部材20を、荷台7上から車両外側(図1では後側や右側や左側)に極力突出させないように配慮すべきである。そこで本実施例では、後述する構成によって、荷台7上に設けられた幌部材20を、荷台7上から車両外側に極力突出させることなく、比較的簡単な操作で開閉できるようにした。以下、幌付きの車両2の詳細を、幌部材20と枠部材30の順に詳述する。
【0018】
[幌部材]
先ず図1及び図3を参照して、幌部材20は、適度な可撓性を備えた面材であり、上記したように概ね立方体状に広げられるようになっている。そして立方体状に広げられた幌部材20は、荷台7の車両上側を覆う天井部21と、この天井部21の後端から車両下側に延びる後面部22と、天井部21の左右端から車両下側に延びる左右の側面部23,24とを有している。また幌部材20は、その下面側が解放されており、荷台7上の運搬物を被覆できるように構成されている。そして幌部材20は、その天井部21の高さ位置が調節されることで、上記したリヤ窓部6が天井部21の車両上側に露出するようになっている。これにより、リヤ窓部6からの後方視認性が確保される。また立体的な形状に広げられた幌部材20は、その周縁端となる後縁端22Eと左縁端23Eと右縁端24Eとが荷台7側に配置されている。この状態の周縁端22E等は、その高さ位置が、上記したリヤランプ9,9aよりも車両上側となるように設定されている。
【0019】
そして上記した幌部材20は、後述する枠部材30の働きによって、図1に示す全閉状態と、図4に示す全開状態と、図5に示す中間状態間で変位できるように構成されている。図1に示す全閉状態の幌部材20は、上記したように略立方体状に広げられて、その周縁端22E等が荷台7側に配置された閉じ状態となる。また図4に示す全開状態の幌部材20は、その周縁端22E等が後述する枠部材30の固定枠31側に引き上げられるように寄せ集められた開き状態となる。さらに図5に示す中間状態の幌部材20は、その周縁端22E等が全閉状態と全開状態の間に位置することで、その幌部材20の天井部21の車両下側の部分だけが開かれるようになる。
【0020】
[枠部材]
次に図1及び図6を参照して、枠部材30は、上記したように幌部材20の形状を保持する部材であり、固定枠31と、第一の可動枠32と、第二の可動枠33とを備えている。ここで固定枠31は、荷台7に対して車両2の高さ方向に起立しており、車幅方向に延びる本体部310と、この本体部310の右端と左端から車両下側に延びる左右の支柱部311,312とから構成されている。そして固定枠31は、荷台7の前端側に配置された状態で、この荷台7に対して着脱可能に取付けられている。即ち、各支柱部311(312)の下端部にはそれぞれ取付部313(314)が設けられており、この各取付部313(314)が、荷台7の車幅方向の端部に着脱可能に取付けられている。
【0021】
また図6に示す固定枠31には、その各支柱部311(312)に、ブラケット34(34A)がそれぞれ固定されている。この各ブラケット34(34A)は、各支柱部311(312)の下端部よりも高さ方向上側に固定されており、上記した荷台7の各アオリ10等よりも車両上側に配置されている。また各ブラケット34(34A)は、側面視で頂点を車両後側に向けた直角台形状に形成されており、その後端下部が相対的に車両後側に突出している。そして各ブラケット34(34A)の後端下部には、後述する第一の可動枠32用の第一回転軸41(41A)が設けられている。また各ブラケット34(34A)の後端上部には、後述する第二の可動枠33用の回転軸として、第一回転軸とは異なる第二回転軸42(42A)が設けられている。
【0022】
そして図6に示す第一の可動枠32は、上記した固定枠31の左右のブラケット34,34Aに上下回動可能に取付けられている。この第一の可動枠32は、車幅方向に延びる第一先端部320と、この第一先端部320の右端と左端からブラケット側に略直角に曲げられた左右の第一支柱部321,322とから構成されている。ここで幌部材20が立体的に広げられている状態を基準とした場合、左右の第一支柱部321,322は、第一先端部320から車両前側に延びていると共に、その前端部が車両前側に向かうにつれて次第に車両上側に傾斜している。そしてこの傾斜した各第一支柱部321(322)の前端部が、第一回転軸41(41A)を介して左右のブラケット34(34A)に対して上下回動可能に取付けられている。
【0023】
ここで図6に示す各ブラケット34,34Aに対する第一の可動枠32の取付け構造を、右側の第一支柱部322と右側のブラケット34Aを一例に説明する。図7及び図8を参照して、右側の第一支柱部322には、その前端部に連結孔323が設けられており、この連結孔323にフランジナット43が嵌められている。またフランジナット43には、右側のブラケット34Aの連通孔35に通された第一回転軸41(段付きボルト)が、樹脂製のワッシャ44が介装された状態で締結されている。これにより、図6に示す第一の可動枠32は、各第一回転軸41(41A)を中心にスムーズに上下回動可能とされて、各ブラケット34(34A)の後端下側に取付けられる。また第一の可動枠32の重心位置は、第一回転軸41(41A)側ではなく第一先端部320側に設定されている。このため自由状態の第一の可動枠32は、その自重により固定枠31に対して後倒れするようになる。
【0024】
また図6に示す第二の可動枠33も、車幅方向に延びる第二先端部330と、この第二先端部330の右端と左端からブラケット側に略直角に曲げられた左右の第二支柱部331,332とから構成されている。そして各第二支柱部331(332)は、第一の可動枠32と同様の構成によって、第二回転軸42(42A)を介して各ブラケット34(34A)の後端上側に上下回動可能に取付けられている。こうして第二の可動枠33は、各ブラケット34(34A)の後端上側に取付けられることで、第一の可動枠32よりも車両上側に配置されている。また第二の可動枠33の重心位置は、第二回転軸42(42A)側ではなく第二先端部330側に設定されている。このため自由状態の第二の可動枠33も、その自重により固定枠31に対して後倒れするようになる。
【0025】
[留め機構]
そして図3及び図6を参照して、幌部材20は、その適宜の位置が固定枠31と各可動枠32,33とに保持されるように構成されている。先ず、幌部材20と固定枠31とには、これらを着脱可能に留めておく留め機構50が設けられている。即ち、図6に示す固定枠31の本体部310には、留め機構50としてのロットホック機構のオスボタン51が、車幅方向に適宜の間隔で固定されている。また図3に示す幌部材20にも、その天井部21の前縁に沿う位置にロットホック機構のメスボタン52が固定されている。そして、図9を参照して、固定枠31の本体部310に幌部材20を巻き付けたのちに、メスボタン52とオスボタン51を留めることで、この固定枠31に幌部材20を留めておけるようになる。そして立体的に広げられた幌部材20を基準とした場合、図6に示す固定枠31の本体部310は、荷台7の前端で車幅方向に延びるように配置されて、幌部材20の天井部21の前縁側を保持するようになる。このとき固定枠31と幌部材20とを留め機構50で留めておくことで、この幌部材20が固定枠31から脱落し難くなる。
【0026】
また図3に示す幌部材20には、その適宜の位置を各可動枠32,33に対して着脱可能に留めておく別の留め機構が設けられている(図3では、便宜上、一部の別の留め機構(50A)のみ実線で図示する)。例えば第一の可動枠32の第一先端部320を一例に説明すると、この第一先端部320に対応する幌部材20の裏側には、別の留め機構としての略矩形の第一留め布50Aが設けられている。この第一留め布50Aは、第一先端部320に沿うように車幅方向に延びることで、この第一先端部320の周回りに巻き付けられるようになっている。そして第一留め布50Aには、布側オスボタン51Aと布側メスボタン52Aとが適宜の位置に固定されている。そこで第一留め布50Aを第一先端部320に巻き付けつつ、布側オスボタン51Aと布側メスボタン52Aを留めておく。これにより、第一先端部320に対する第一留め布50Aの巻き付け状態が保持されて、この第一先端部320の設けられた第一の可動枠32に幌部材20を留めておけるようになる。そして立体的に広げられた幌部材20を基準とした場合、図6に示す第一の可動枠32は、上記した固定枠31の各ブラケット34(34A)から略水平に後倒れした状態となって、幌部材20の周端縁側を保持できるようになる。また倒れた状態の第一の可動枠32は、上記した荷台7の各アオリ10等の直上に近接配置される。
【0027】
また図3に示す幌部材20には、第二の可動枠33の第二先端部330に対応する裏側の位置に、別の留め機構としての第二留め布50Bが車幅方向に延びるように設けられている。そこで第二留め布50Bを第二先端部330に巻き付けて留めておく。これにより、第二先端部330に対する第二留め布50Bの巻き付け状態が保持されて、この第二先端部330の設けられた第二の可動枠33と幌部材20とを留めておけるようになる。そして立体的に広げられた幌部材20を基準とした場合、図6に示す第二の可動枠33は、幌部材20の天井部21の後縁を保持しつつ、車両後側且つ上側に傾くまで自重で後傾する。これにより、第二の可動枠33と固定枠31間に幌部材20の天井部21が張られるようになる。また第一の可動枠32の車両上側に第二の可動枠33が配置されることで、この第一の可動枠32と第二の可動枠33間に、幌部材20の後面部22と左右の側面部23,24とが張られるようになる。
【0028】
[保持機構]
また図3及び図6を参照して、枠部材30と幌部材20とには、上記した幌部材20の各状態を保持するための保持機構60を設けることができる。この保持機構60は、固定枠31に設けられた第一保持部61と、幌部材20に設けられた第二保持部62とから構成することができる。図6に示す第一保持部61は、可撓性を備えた帯材で形成されていると共に、その先端に、J字形に曲げられたフック材611が固定されている。そして第一保持部61は、固定枠31の本体部310の車幅方向中央に取付けられた状態で車両下側に延びている。また第一保持部61は、その帯材部分がバックル612に巻き回し状に通されており、この巻き回し量を調節することで伸長及び伸縮可能になっている。そして第一保持部61は、後述するように、幌部材20の全開状態において、ルーフパネル側に掛け留められるように構成されている(図4参照)。また図3に示す第二保持部62は、可撓性を備えた帯材で形成されていると共に、その先端に、矩形のリング材620が固定されている。この第二保持部62は、幌部材20裏面の車幅方向中央に取付けられた状態で車両下側に延びている。そして第二保持部62は、後述するように、幌部材20の全閉状態において荷台側に掛け留められるように構成されている(図10参照)。
【0029】
[伸縮機構]
また図6に示す枠部材30には、固定枠31と各可動枠32,33の少なくとも一方の枠の寸法を、幌部材20の立体的な形状を拡大又は縮小させる向きに伸縮させる伸縮機構70を設けることができる。例えば図11及び図12に示す第一の可動枠32には、その各第一支柱部を車両前後方向に伸長又は縮小させる伸縮機構70が設けられている(各図では、便宜上、左側の第一支柱部321のみ図示する)。そして伸縮機構70は、第一支柱部321の前部を構成する第一筒材71と、第一支柱部321の後部を構成する第二筒材72と、両筒材を位置固定する連結軸材73とから構成されている。
【0030】
そして図11及び図12に示す第一筒材71には、その後端部に設けられた基準調節孔710が、車幅方向に貫通するように設けられている。また第二筒材72は、第一筒材71よりも径寸法が小さくされていることで、この第一筒材71に対して車両前後方向から挿入及び抜き出しすることができる。そして第二筒材72には、前後一対の調節孔721,722が車幅方向に貫通するように設けられている。即ち、第二筒材72には、その前端側に配置された前側調節孔722と、この前側調節孔722よりも後側に配置された後側調節孔721とが設けられている。そして図11に示す通常時(縮小時)の第一の可動枠32では、第二筒材72の後側調節孔721と第一筒材71の基準調節孔710とに軸状の連結軸材73が通されてナットNTに締結固定される。また図12に示すように第一の可動枠32を伸長させる場合には、第二筒材72を第一筒材71から車両後側に抜き出すことで、第一支柱部321の車両前後方向の寸法を大きくする。つづいて第二筒材72の前側調節孔722と第一筒材71の基準調節孔710とに連結軸材73を通して位置固定する。これにより、前側調節孔722と後側調節孔721の前後の離間寸法分だけ、第一の可動枠32を車両後側に伸長させられるようになる。
【0031】
[幌部材の挙動]
図1に示す幌付きの車両2では、荷台7に設けられた幌部材20を立体的に広げて閉じておくことで、荷台7上の運搬物(図示省略)を運搬時に被覆しておけるようになる。また、車両2を停車させて運搬物を搬入出する場合には、幌部材20を開いて荷台7上の運搬物を外部に露出させる(図4及び図5参照)。この種の構成においては、上記したように、荷台7上に設けられた幌部材20を、荷台7上から車両外側に極力突出させることなく、比較的簡単な操作で開閉できることが望ましい。
【0032】
そこで幌付き車両2は、図1及び図6を参照して、幌部材20の形状を保持する枠部材30を備える。また枠部材30は、荷台7上に位置固定されて取付けられた固定枠31と、固定枠31に設けられた回転軸41,41A(42,42A)と、回転軸に回動可能に取付けられた可動枠32(33)とを有している。そして固定枠31と可動枠32(33)間に張られた幌部材20は、回転軸とは反対側に位置する可動枠32(33)の先端部320(330)が固定枠31から離れる方向に回動することで立体的な形状に広げられた閉じ状態と、可動枠32(33)の先端部320(330)が固定枠31に近づく方向に回動することで固定枠31側に寄せ集められた開き状態間を変位できるように構成されている。上記した構成によると、固定枠31に対する可動枠32(33)の先端部320(330)の回動動作、即ち、固定枠31と可動枠32(33)との角度変化により、幌部材20を閉じ状態と開き状態間で変位させられるようになる。そこで以下に、幌部材20の挙動に応じた枠部材30の働きを詳述する。
【0033】
[全閉状態における枠部材の働き]
先ず、図1に示す全閉状態の幌部材20は、その天井部21が固定枠31と第二の可動枠33間に張られて保持されている。また幌部材20の後面部22と左右の側面部23,24とが第一の可動枠32と第二の可動枠33間に張られて保持されている。そして幌部材20の周縁端22E等側は、第一の可動枠32に保持されることで荷台7側に配置されている。さらに図10に示すように、幌部材20の第二保持部62のリング材620に、リヤアオリ12側の引掛具120のフック121が掛け留められている。これにより、図1に示す立体的に広げられた幌部材20の形状が枠部材30によって保持されるようになり、この幌部材20の意図しない型崩れが抑制される。そして幌部材20の天井部21を適切な形状に保持することで、上記したリヤ窓部6からの後方視認性が確保される。また幌部材20の周縁端22E等がリヤランプ9,9aの車両上側に配置されるため、このリヤランプ9,9aの視認性も確保される。
【0034】
[中間状態における枠部材の働き]
次に図1に示す全閉状態の幌部材20を開いて、荷台7に対して運搬物を搬入出する場合を説明する。このとき幌付きの車両2では、図13に示すように、第一の可動枠32だけを上回動させることで、この幌部材20を中間状態に変位させることができる。即ち、上記した構成では、第一の可動枠32と第二の可動枠33とを独立に回動させられるため、第二の可動枠33の位置を極力維持した状態で、第一の可動枠32だけを上回動させていくことができる。そして第一の可動枠32を角度θ1だけ上回動させて、第一の可動枠32の第一先端部320を、第二可動枠の第二先端部330に近接させる。これにより、両可動枠32,33間に張られた幌部材20部分が寄せ集められて、図5に示す幌部材20の周縁端22E等が第二の可動枠33側に引き上げられるようになる。更にこの状態で、図5及び図14に示すように、固定枠31の第一保持部61と幌部材20の第二保持部62とを互いに近づくように引張して、第一保持部61のフック材611を第二保持部62のリング材620に掛け留める。なお中間状態の幌部材20の周縁端22E等の位置は、第一保持部61の長さを調整することで調節できる。
【0035】
こうして幌部材20を図5に示す中間状態で保持することができ、この中間状態の幌部材20は、その天井部21から下側の部分が開かれた状態となる。さらに固定枠31と第二の可動枠33間に張られた天井部21が車両前後に延びる庇状に配置される。このため、庇状の天井部21を雨除け等に利用しつつ、幌部材20の開かれた部分から運搬物を荷台7に対して搬入出できる。また、対一の可動枠32だけを上回動させられるようにしたことから、幌部材20を全閉状態から中間状態に変位させる際の操作力の増加を極力抑制できるようになる。
【0036】
[全開状態における枠部材の働き]
次に、図15に示すように両可動枠32(33)を更に上回動させて、その先端部320(330)を固定枠31の本体部310に近接させていく。そして第一の可動枠32の先端部320を固定枠31の本体部310に近づく方向に角度θ2だけ上回動させることで、図4に示す幌部材20の周縁端22E等が固定枠31側に引き上げられた全開状態になる。更にこの状態で、固定枠31に設けられた第一保持部61を、寄せ集められた幌部材20を束ねるように車両上側且つ前側に引張し、この第一保持部61のフック材611をルーフパネル4に設けた引掛部400に引っ掛ける。こうすることで幌部材20を全開状態で保持することができ、この全開状態の幌部材20は、その上面側から周面側(後面及び左右の面)にかけての部分が大きく開かれるようになる。そして、荷台7上に位置固定された固定枠31側に幌部材20を寄せ集めることで、開き状態の幌部材20が車両外側に突出し難くなる。こうして幌部材20を大きく開くことで、運搬物を荷台7に対してスムーズに搬入出できる。また開き状態の幌部材20が車両外側に突出し難くなるため、車両2の停車位置の選定が容易になる。そして運搬物の搬入出を終えたのち、上記した手順と逆の手順で図4に示す幌部材20を全閉状態に変位させる。即ち、図6に示すように、各可動枠32(33)の先端部320(330)を固定枠31の本体部310から離れる方向に下回動させることで、幌部材20が立体的な形状に広げられた閉じ状態となる。
【0037】
[幌部材の立体形状の拡大]
ところで幌付き車両2では、運搬物の数や寸法を考慮して、図2に示すようにリヤアオリ12を倒れ姿勢で維持しておくことがある。このような場合には、幌部材の閉め動作前等において、図12に示す第一の可動枠32を伸縮機構70によって伸長させておく。これにより、全閉状態の幌部材20の立体形状を、第一の可動枠32が伸長した分だけ後方に拡大することができ、この拡大した幌部材20部分によって、倒したリヤアオリ12上の運搬物を被覆できるようになる(図1及び図2参照)。
【0038】
以上説明した通り、本実施例では、固定枠31に対する可動枠32(33)の先端部320(330)の回動動作、即ち、固定枠31と可動枠32(33)との角度変化により、幌部材20を、立体的に広げられた閉じ状態と、固定枠31側に寄せ集められた開き状態間で変位させられるようになる。そして、荷台7上に位置固定された固定枠31側に幌部材20を寄せ集めることで、開き状態の幌部材20が車両外側に突出し難くなる。このため本実施例によれば、荷台7上に設けられた幌部材20を、荷台7上から車両外側に極力突出させることなく、比較的簡単な操作で開閉できるようになる。
【0039】
更に本実施例では、第一の可動枠32を伸縮させることで、幌部材20の立体的な形状を拡大又は縮小させられるようになる。また本実施例では、幌部材20の立体的な形状が、第一の可動枠32と第二の可動枠33と固定枠31とによって保持される。そして第一の可動枠32と第二の可動枠33とは独立に回動させられるようになっている。これにより、第一の可動枠32だけを回動させた場合、第二の可動枠33と固定枠31間に張られた幌部材20の形状が極力維持されて、幌部材20の立体形状の意図しない縮小を極力回避できる。また可動枠毎に回転軸を設けたことで、各回転軸41,42等の構成を過度に複雑にしなくとも、各可動枠32,33のスムーズな回動を可能にできる。また本実施例では、留め機構50によって枠部材30に幌部材20を留めることで、この幌部材20の形状再現性をより確実に確保することができる。そして本実施例では、運搬物の搬入出時や運搬時において、適切な状態に変位した幌部材20を、保持機構60で保持しておけるようになる。また、中間状態の幌部材20では、途中で停止した可動枠と固定部材間に幌部材20が庇状に張られるため、この庇状の幌部材20を雨除け等に利用できる。
【0040】
本実施形態の幌付き車両は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。本実施形態では、幌部材の構成を例示したが、幌部材の構成を限定する趣旨ではない。この幌部材は、各種の立体形状に広げることができ、立方体状等のように多面的に広げる場合のほか、四半球状や半球状のように曲面的に広げることもできる。また幌部材は、荷台の略全面を覆うように設けられていてもよく、荷台の一部を覆うように設けられていてもよい。そして幌部材は、閉め状態と開き状態間を変位するように構成されればよく、必ずしも中間状態で停止させる必要はない。なお中間状態の幌部材は、その天井部が延びきった状態でもよく、天井部が若干緩んだ状態でもよい。
【0041】
また本実施形態では、枠部材の構成を例示したが、枠部材の構成を限定する趣旨ではない。例えば、図1に示す第一の枠部材の位置に固定枠を配置し、図1に示す固定枠の位置に第一の可動枠を配置することもできる。また枠部材は、幌部材の形状に応じて、複数又は単数の固定枠と複数又は単数の可動枠を有することができ、各枠の外形形状も幌部材の立体形状に合わせて適宜設定することができる。なお複数の可動枠を設ける場合、可動枠毎に回転軸を設けてもよく、一つの回転軸で複数の可動枠を回動させられるように構成することもできる。なお回転軸の構成も適宜変更可能である。そして可動枠は、その自重で回動できるように構成してもよく、付勢部材や回動をロックする機構などによって所定の角度間だけ回動できるように構成してもよい。また伸縮機構は、固定枠と可動枠の少なくとも一方の枠に設けることができ、例えば図1に示す固定枠に伸縮機構を設けて車両の高さ方向に伸長又は縮小させられるようにしてもよい。また伸縮機構の構成も適宜変更可能であり、伸縮機構を省略することもできる。また留め機構として、ロットホック機構などの点ファスナのほか、線ファスナや面ファスナ等の各種の機構を採用できる。また留め機構は、幌部材を枠部材に着脱不能に留める構成を有していてもよい。そして保持機構の構成も適宜変更可能であり、例えば回転軸にターンオーバースプリングを設けて、幌部材を閉じるように可動枠を付勢し、且つ幌部材を開くように可動枠を付勢することもできる。
【0042】
そして車両の構成も適宜変更可能であり、荷台の構成も適宜変更可能である。また幌部材は、運搬物のほか、荷台に載置される各種の部材や、荷台に設置される各種の部材を被覆することができる。
【符号の説明】
【0043】
2 車両
3 車室
4 ルーフパネル
5 リヤキャンバス
6 リヤ窓部
7 荷台
8 (車両の)後面
9,9a リヤランプ
10,11 サイドアオリ
12 リヤアオリ
13 (リヤアオリの)左端部
14 (リヤアオリの)右端部
15 左側の連結板
15A 左軸材
16 右側の連結板
16A 右軸材
20 幌部材
21 天井部
22 後面部
23,24 側面部
22E 後縁端(本発明の幌部材の縁端)
23E 左縁端
24E 右縁端
30 枠部材
31 固定枠
310 本体部
311,312 支柱部
313,314 取付部
32 第一の可動枠
320 第一先端部
321,322 第一支柱部
323 連結孔
33 第二の可動枠
330 第二先端部
331,332 第二支柱部
34 左側のブラケット
34A 右側のブラケット
35 連通孔
41,41A 第一回転軸(本発明の第一の回転軸)
42,42A 第二回転軸(本発明の第二の回転軸)
43 フランジナット
44 ワッシャ
50 留め機構
51 オスボタン
52 メスボタン
50A 第一留め布
51A 布側オスボタン
52A 布側メスボタン
50B 第二留め布
60 保持機構
61 第一保持部
611 フック材
612 バックル
62 第二保持部
620 リング材
70 伸縮機構
71 第一筒材
72 第二筒材
73 連結軸材
710 基準調節孔
721 後側調節孔
722 前側調節孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15