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特開2023-171024雨除けカバー装置、雨除け制御システム、雨除けカバー制御方法、雨除け制御方法、及び、雨除けカバー制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171024
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】雨除けカバー装置、雨除け制御システム、雨除けカバー制御方法、雨除け制御方法、及び、雨除けカバー制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   D06F 57/00 20060101AFI20231124BHJP
   G01W 1/00 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
D06F57/00 330
G01W1/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022083203
(22)【出願日】2022-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】青木 望
(57)【要約】
【課題】 より適切に、洗濯物の雨除けカバーを動作させる
【解決手段】 本発明における雨除けカバー装置は、天候情報を取得する天候情報取得手段と、洗濯物の雨除けカバーを格納するカバー格納手段と、格納された雨除けカバーを展開するカバー展開手段と、近隣の他の雨除けカバー装置と情報を通信する通信手段と、天候情報と、通信手段を介して取得した他の雨除けカバー装置における判定結果とに基づいて雨除けカバーを展開するか否かを判定する判定手段と、判定手段が雨除けカバーを展開すると判定した場合にカバー展開手段に雨除けカバーの展開を指示する指示手段とを含む。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天候情報を取得する天候情報取得手段と、
洗濯物の雨除けカバーを格納するカバー格納手段と、
格納された前記雨除けカバーを展開するカバー展開手段と、
近隣の他の雨除けカバー装置と情報を通信する通信手段と、
前記天候情報と、前記通信手段を介して取得した他の雨除けカバー装置における判定結果とに基づいて前記雨除けカバーを展開するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段が前記雨除けカバーを展開すると判定した場合に前記カバー展開手段に前記雨除けカバーの展開を指示する指示手段と
を含む雨除けカバー装置。
【請求項2】
前記判定手段は、前記天候情報と、前記通信手段を介して取得した他の雨除けカバー装置における判定結果とに基づいて前記雨除けカバーを格納するか否かを判定し、
前記指示手段は、前記判定手段が前記雨除けカバーを格納すると判定した場合に前記カバー展開手段に前記雨除けカバーの格納を指示し、
前記カバー展開手段は、前記雨除けカバーを前記カバー格納手段に格納する
請求項1に記載の雨除けカバー装置。
【請求項3】
前記判定手段は、近隣の他の雨除けカバー装置における前記天候情報に基づいて前記雨除けカバーを展開するか否かを判定する
請求項1に記載の雨除けカバー装置。
【請求項4】
前記天候情報取得手段は、雨除けカバー装置の周辺の画像を取得し、
前記判定手段は、周辺の画像に含まれる人物が登録した人物と異なる場合、警報を出力する
請求項1に記載の雨除けカバー装置。
【請求項5】
位置情報を取得する位置情報取得手段をさらに含み、
前記通信手段は、情報提供装置と情報を通信し、
前記判定手段は、
前記通信手段を介して、情報提供装置に、前記位置情報と、前記判定手段の判定結果とを出力し、
情報提供装置から、他の雨除けカバー装置における前記判定手段の判定結果を取得し、
情報提供装置から取得した前記判定手段の判定結果に基づいて前記雨除けカバーを展開するか否かを判定する
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の雨除けカバー装置。
【請求項6】
複数の請求項5に記載の雨除けカバー装置と、
雨除けカバー装置と通信する第2通信手段と、
前記第2通信手段を介して雨除けカバー装置から取得した雨除けカバー装置の前記位置情報と前記判定手段の判定結果とに基づいて、雨除けカバー装置における前記判定手段の判定結果を提供する雨除けカバー装置を抽出する提供先抽出手段と、
抽出した雨除けカバー装置に、雨除けカバー装置おける前記判定手段の判定結果を提供する情報提供手段と
を含む情報提供装置と
を含む雨除け制御システム。
【請求項7】
洗濯物の雨除けカバーを格納するカバー格納手段と、格納された前記雨除けカバーを展開するカバー展開手段とを備える雨除けカバー装置が、
天候情報を取得し、
前記天候情報と、近隣の他の雨除けカバー装置における判定手段の判定結果とに基づいて前記雨除けカバーを展開するか否かを判定し、
前記雨除けカバーを展開すると判定した場合に前記カバー展開手段に前記雨除けカバーの展開を指示する
雨除けカバー制御方法。
【請求項8】
位置情報を取得し、
情報提供装置に、前記位置情報と、判定結果とを出力し、
情報提供装置から、他の雨除けカバー装置における判定結果を取得し、
情報提供装置から取得した判定結果に基づいて前記雨除けカバーを展開するか否かを判定する
請求項7に記載の雨除けカバー制御方法。
【請求項9】
複数の雨除けカバー装置が、請求項8に記載の雨除けカバー制御方法を実行し、
情報提供装置が、
雨除けカバー装置から取得した雨除けカバー装置の前記位置情報と前記判定手段の判定結果とに基づいて、雨除けカバー装置における判定結果を提供する雨除けカバー装置を抽出し、
抽出した雨除けカバー装置に、雨除けカバー装置おける判定結果を提供する
雨除け制御方法。
【請求項10】
洗濯物の雨除けカバーを格納するカバー格納手段と、格納された前記雨除けカバーを展開するカバー展開手段とを備える雨除けカバー装置に、
天候情報を取得する処理と、
前記天候情報と、近隣の他の雨除けカバー装置における判定手段の判定結果とに基づいて前記雨除けカバーを展開するか否かを判定する処理と、
前記雨除けカバーを展開すると判定した場合に前記カバー展開手段に前記雨除けカバーの展開を指示する処理と
を実行させる雨除けカバー制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯物に関し、特に、洗濯物の雨除けカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、湿気及び雨水を感知して自動的に落下する雨除けカバーを備えた洗濯物干し用ハンガーを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-158464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ベランダなどにおいて物干しハンガーを掛ける場合、ベランダのひさしなどに遮られて、湿気及び雨水の感知が、難しい場合がある。このように、特許文献1に開示された洗濯物干し用ハンガーは、湿気及び雨水を感知が難しい場合がある。
【0005】
本発明の目的は、装置間の連携に基づいて、より適切に、洗濯物の雨除けカバーを動作させる雨除けカバー装置などを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態における雨除けカバー装置は、天候情報を取得する天候情報取得手段と、洗濯物の雨除けカバーを格納するカバー格納手段と、格納された雨除けカバーを展開するカバー展開手段と、近隣の他の雨除けカバー装置と情報を通信する通信手段と、天候情報と、通信手段を介して取得した他の雨除けカバー装置における判定結果とに基づいて雨除けカバーを展開するか否かを判定する判定手段と、判定手段が雨除けカバーを展開すると判定した場合にカバー展開手段に雨除けカバーの展開を指示する指示手段とを含む。
【0007】
本発明の一形態における雨除け制御システムは、複数の上記の雨除けカバー装置と、雨除けカバー装置と通信する第2通信手段と、第2通信手段を介して雨除けカバー装置から取得した雨除けカバー装置の位置情報と判定手段の判定結果とに基づいて、雨除けカバー装置における判定手段の判定結果を提供する雨除けカバー装置を抽出する提供先抽出手段と、抽出した雨除けカバー装置に、雨除けカバー装置おける判定手段の判定結果を提供する情報提供手段とを含む情報提供装置とを含む。
【0008】
本発明の一形態における雨除けカバー制御方法は、洗濯物の雨除けカバーを格納するカバー格納手段と、格納された雨除けカバーを展開するカバー展開手段とを備える雨除けカバー装置が、天候情報を取得し、天候情報と、近隣の他の雨除けカバー装置における判定手段の判定結果とに基づいて雨除けカバーを展開するか否かを判定し、雨除けカバーを展開すると判定した場合にカバー展開手段に雨除けカバーの展開を指示する。
【0009】
本発明の一形態における雨除け制御方法は、複数の雨除けカバー装置が上記の雨除けカバー方法を実行し、情報提供装置が、雨除けカバー装置から取得した雨除けカバー装置の位置情報と判定手段の判定結果とに基づいて、雨除けカバー装置における判定結果を提供する雨除けカバー装置を抽出し、抽出した雨除けカバー装置に、雨除けカバー装置おける判定結果を提供する。
【0010】
本発明の一形態における雨除けカバー制御プログラムは、洗濯物の雨除けカバーを格納するカバー格納手段と、格納された雨除けカバーを展開するカバー展開手段とを備える雨除けカバー装置に、天候情報を取得する処理と、天候情報と、近隣の他の雨除けカバー装置における判定手段の判定結果とに基づいて雨除けカバーを展開するか否かを判定する処理と、雨除けカバーを展開すると判定した場合にカバー展開手段に雨除けカバーの展開を指示する処理とを実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に基づけば、装置間の連携に基づいて、洗濯物の雨除けカバーを、より適切に動作させるとの効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明における第1の実施形態にかかる雨除けカバー装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2】一着の衣類を吊り下げる物干しハンガーに取り付けられている場合における雨除けカバー装置の一例を示す概略図である。
図3】複数の洗濯物を吊り下げるように構成された物干しハンガーに取り付けられた場合における、雨除けカバー装置の一例を示す概略図である。
図4】洗濯物を干した状態を示す図である。
図5】雨除けカバーを展開した状態を示す図である。
図6】第1実施形態にかかる雨除けカバー装置における判定部及び指示部の動作の一例を示すフロー図である。
図7】第2実施形態にかかる雨除けカバー装置を利用する雨除け制御システムの構成の一例を示すブロック図である。
図8】第2実施形態にかかる雨除けカバー装置の構成の一例を示すブロック図である。
図9】情報提供装置の構成の一例を示すブロック図である。
図10】第2実施形態にかかる雨除けカバー装置における判定部及び指示部の動作の一例を示すフロー図である。
図11】雨除けカバー装置に含まれるコンピュータ装置を構成するハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明における実施形態について、図面を参照して説明する。ただし、実施形態は、図面の記載に限られるわけではない。以下の説明において、各図面における同様の構成には、同じ番号を付し、その繰り返しの説明を、省略する場合がある。なお、以下の説明において、雨除けカバー装置を適用する洗濯物の物干しハンガーの一例として、一着の衣類を吊り下げるハンガーを用いる。ただしこれは、実施形態を適用する物干しハンガーを限定するものではない。例えば、各実施形態は、マルチハンガーとも呼ばれている複数のハンガーを備えた物干しハンガー、又は、「角ハンガー」又は「ピンチハンガー」などとも呼ばれている複数の洗濯ばさみを備えた物干しハンガーに適用されてもよい。
【0014】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態にかかる雨除けカバー装置6の構成の一例を示すブロック図である。雨除けカバー装置6は、天候情報取得部1と、判定部2と、カバー格納部3と、通信部4と、雨除けカバー7と、指示部8と、カバー展開部9とを含む。
【0015】
天候情報取得部1は、天候情報を取得する。具体的には、天候情報取得部1は、天候情報として、雨除けカバー装置6の周辺における天候に関連する情報を取得する。天候情報は、雨除けカバー7の展開の判定に用いられる情報であり、例えば、「晴れ」又は「雨」である。ただし、天候情報は、これらに限定されない。例えば、天候情報は、「晴れ」、「曇り」、及び、「雨」でもよい。あるいは、天候情報取得部1は、雨に限らず、霞、霧、雪、霰、及び、雹など、洗濯物を濡らす可能性がある天候情報を取得してもよい。天候情報は、温度、湿度、又は、風速など、気象の情報を含んでいてもよい。そして、天候情報取得部1は、天候情報を判定部2に出力する。
【0016】
天候情報取得部1は、天候情報を取得するため、周辺の天候を判定するための状態を計測するセンサを備えてもよい。そして、天候情報取得部1は、センサの計測結果を用いて天候を判定し、判定結果を天候情報としてもよい。以下、天候情報取得部1が天候情報を取得する一例として、天候情報取得部1が、センサを備え、センサの測定結果に基づいて天候情報を取得するとする。ただし、天候情報取得部1は、雨除けカバー装置6の近隣に取り付けられてセンサから測定結果を取得してもよい。例えば、通信部4がコネクタを備える場合、天候情報取得部1は、コネクタに接続された外部のセンサから測定結果を取得してもよい。
【0017】
センサは、例えば、湿度を測定する湿度センサ、大気中の水分量を検出する水分センサ、日照量を測定する日照センサ、周辺を撮影するカメラ、又は、雨音を取得するマイクであるが、これらに限定されない。以下、一例として、天候情報取得部1が上記のセンサを用いて「晴れ」及び「雨」を判定する場合を説明する。ただし、天候情報取得部1における判定は、以下の説明に限定されるものではない。なお、以下の説明において、晴れは、洗濯物が濡れない状態の一例である。そのため、以下の説明における晴れは、曇りを含むとする。
【0018】
(1)水分センサ
雨が降ると、水分センサは、水分を検出する。そこで、天候情報取得部1は、水分センサが水分を未検出の場合に晴れと判定し、水分センサが水分を検出している場合に雨と判定してもよい。
【0019】
(2)湿度センサ
雨が降り出す前には、湿度が上昇する。そこで、天候情報取得部1は、湿度が閾値以下の場合に晴れと判定し、湿度が閾値を超えている場合に雨と判定してもよい。
【0020】
(3)日照センサ
雨雲が広がる場合、日照量の減少速度は、夕方などにおける通常の太陽の移動に伴う減少速度より大きくなる。そこで、天候情報取得部1は、日照量の減少速度が通常の太陽の移動に伴う減少速度以下の場合に晴れと判定し、日照量の減少速度が通常の太陽の移動に伴う減少速度を超えている場合に雨と判定してもよい。
【0021】
(4)カメラ
雨が降る場合、雨雲の範囲が広がる。そこで、天候情報取得部1は、カメラが撮影した空の画像に基づいて、空における雨雲の比率を判定してもよい。そして、天候情報取得部1は、雨雲の比率が閾値以下の場合に晴れと判定し、雨雲の比率が閾値を超えている場合に雨と判定してもよい。
【0022】
(5)マイク
豪雨など雨音が大きい場合、マイクは、雨の音を取得できる。そこで、天候情報取得部1は、マイクが取得した音の発生源を判定して、天候情報を取得してもよい。例えば、天候情報取得部1は、音の発生源が雨の場合に雨と判定し、発生源が雨以外の場合に晴れと判定してもよい。
【0023】
洗濯物は、雨に濡れる場合に限られず、例えば、花粉、黄砂、又は、火山灰など、大気中に浮遊している粒子状物質(Particulate Matter(PM))の付着を避けることが望ましい。そこで、天候情報取得部1は、花粉センサ又はPMセンサなど粒子を検出するセンサを備えてもよい。そして、天候情報取得部1は、天候情報に加え、又は、天候情報に替えて、火山灰又は花粉など、天候とは異なるが洗濯物を保護した方がよい状態に関連する情報を出力してもよい。なお、PMは、例えば、2.5μm以下の小さな粒子であるPM2.5など、粒子の大きさを用いて呼ばれることもある。
【0024】
カバー格納部3は、洗濯物を雨から保護する雨除けカバー7を格納する。そのため、例えば、カバー格納部3は、雨除けカバー7を格納する機械構成を備える。そして、カバー展開部9は、指示部8の指示に対応して、カバー格納部3が格納している雨除けカバー7を展開して、洗濯物を雨から保護する。そのため、例えば、カバー展開部9は、雨除けカバー7を展開する動力、及び、動力を制御するコントローラを備える。例えば、カバー格納部3が雨除けカバー7を格納する構造の下部に蓋を備える場合、カバー展開部9は、蓋を開く構成を備え、蓋を開くことによって雨除けカバー7を展開してもよい。あるいは、カバー展開部9は、ばね又はモーターなどの動力を用いて、雨除けカバー7を展開してもよい。このように、カバー展開部9は、雨除けカバー7を展開する動力として、任意に動力を用いてもよい。モーターなどの動力を用いる場合、カバー展開部9は、雨除けカバー7を、カバー格納部3に格納する機構又は手段を備え、指示部8からの指示に対応して、展開した雨除けカバー7を格納してもよい。雨除けカバー7を格納可能とする場合、カバー展開部9は、雨除けカバー7を展開する動力と、雨除けカバー7を格納する動力として、異なる動力を用いてもよい。例えば、カバー展開部9は、ばねを用いて雨除けカバー7を展開し、モーターを用いて雨除けカバー7を格納してもよい。雨除けカバー7の素材は、洗濯物への浸水を防止できる材質であればよく、例えば、ポリ塩化ビニル、又は、ポリエチレンであるが、これらに限定されない。例えば、雨除けカバー7は、防水性を備えた布でもよい。
【0025】
通信部4は、近隣の他の雨除けカバー装置6と情報を通信する。なお、近隣とは、例えば、利用者のベランダなど、利用者が洗濯物の干している範囲であるが、これに限定されず、予め利用者が指定した範囲でもよい。通信部4は、雨除けカバー7の展開の判定に関連する情報として、少なくとも次の2つの情報を通信する。
【0026】
(1)通信部4は、判定部2における判定結果を、他の雨除けカバー装置6に送信する。
【0027】
(2)通信部4は、他の雨除けカバー装置6から、その雨除けカバー装置6における判定部2の判定結果を取得する。
【0028】
通信部4は、近距離通信などを用いて直接的に他の雨除けカバー装置6と情報を通信してもよいし、ホームネットワークのような通信網を介して他の雨除けカバー装置6と情報を通信してもよい。通信部4は、一つに限られず、複数の雨除けカバー装置6と情報を通信してもよい。複数の雨除けカバー装置6と通信する場合、通信部4は、通信する雨除けカバー装置6として、固定した雨除けカバー装置6と通信してもよい。例えば、通信部4は、利用者から指定された雨除けカバー装置6と通信してもよい。あるいは、通信部4は、通信の際に、所定のプロトコルに従って通信相手となる雨除けカバー装置6を決定し、決定した雨除けカバー装置6と通信してもよい。
【0029】
判定部2は、天候情報取得部1から取得した天候情報と、通信部4を介して取得した他の雨除けカバー装置6における判定部2の判定結果とに基づいて、カバー格納部3における雨除けカバー7を展開するか否かを判定する。例えば、天候情報が雨など雨除けカバー7を展開する情報の場合、判定部2は、雨除けカバー7を展開すると判定する。あるいは、他の雨除けカバー装置6における判定部2の判定結果が雨除けカバー7を展開するとの判定の場合、判定部2は、雨除けカバー7を展開すると判定する。あるいは、天候情報が雨など雨除けカバー7を展開する情報であり、かつ、他の雨除けカバー装置6における判定部2の判定結果が雨除けカバー7を展開するとの判定の場合に、判定部2は、雨除けカバー7を展開すると判定してもよい。なお、判定部2は、天候情報取得部1が天候情報を取得できない場合に、他の雨除けカバー装置6における判定部2の判定結果を用いてもよい。判定部2は、複数の雨除けカバー装置6における判定部2の判定結果を用いてもよい。例えば、判定部2は、複数の雨除けカバー装置6における判定部2の判定結果において多数となった判定結果を用いてもよい。そして、判定部2が雨除けカバー7を展開すると判定した場合に、指示部8は、カバー展開部9に、雨除けカバー7の展開を指示する。
【0030】
なお、雨に加えて、霞、霧、雪、霰、及び、雹など洗濯物を濡らす可能性がある天候情報を、天候情報取得部1が取得している場合、判定部2は、それらすべての天候情報を用いてもよいし、一部の天候情報を用いてもよい。あるいは、天候情報取得部1が火山灰又は花粉など天候とは異なるが洗濯物を保護した方がよい状態に関連する情報を取得する場合、判定部2は、そのような情報を用いて、雨除けカバー7を展開するか否かを判定してもよい。
【0031】
なお、判定部2は、通信部4を介して、他の雨除けカバー装置6における判定部2の判定結果に加え、又は、判定結果に替えて、天候情報を連携してもよい。この場合、判定部2は、他の雨除けカバー装置6から取得した天候情報を用いて、雨除けカバー7を展開するか否かを判定してもよい。
【0032】
雨除けカバー装置6における連携動作の一例について説明する。例えば、二本の物干しざおを備えるベランダにおいて、雨除けカバー装置6は、外側の物干しざおに掛けられた物干しハンガーと、内側の物干しざおに掛けられた物干しハンガーとに設置されたとする。以下、外側の物干しざおに掛けられた物干しハンガーに設置された雨除けカバー装置6を「外側の雨除けカバー装置6」と呼び、内側の物干しざおに掛けられた物干しハンガーに設置された雨除けカバー装置6を「内側の雨除けカバー装置6」と呼ぶ。
【0033】
このような場合、内側の雨除けカバー装置6における天候情報取得部1は、天候情報の取得が難しい場合がある。例えば、天候情報取得部1がカメラを備える場合、内側の雨除けカバー装置6におけるカメラは、内側の雨除けカバー装置6の位置において、ベランダの天井、及び、他の物干しハンガーに掛けられた洗濯物に遮られて、外部の画像を取得できない場合が想定される。あるいは、天候情報取得部1が湿度センサを備える場合、内側の雨除けカバー装置6における湿度センサは、周辺の洗濯物の湿気の影響で、大気の湿度を検出できない場合が想定される。このような場合、内側の雨除けカバー装置6における判定部2は、天候情報取得部1から取得する天候情報に基づいて、雨除けカバー7を展開するか否かの判定することが難しい。
【0034】
しかし、判定部2は、通信部4を介して、他の雨除けカバー装置6における判定部2の判定結果を取得する。例えば、雨が降り出した場合、外側の雨除けカバー装置6における天候情報取得部1は、雨を検出できる。その結果、外側の雨除けカバー装置6における判定部2は、天候情報に基づいて、雨除けカバー7を展開すると判定できる。そして、内側の雨除けカバー装置6における判定部2は、外側の雨除けカバー装置6における判定部2の判定結果を取得する。この場合の判定結果は、雨除けカバー7を展開するとの判定結果である。そのため、内側の雨除けカバー装置6における判定部2は、取得した判定結果に基づいて、雨除けカバー7を展開すると判定できる。このように、天候情報取得部1が天候情報の取得が難しい場合でも、判定部2は、他の雨除けカバー装置6における判定部2の判定結果に基づいて、適切に、雨除けカバー7の展開を判定できる。つまり、判定部2は、他の雨除けカバー装置6との連携を用いて、より適切に、雨除けカバー7の展開を判定できる。
【0035】
なお、カバー展開部9が、展開した雨除けカバー7を、カバー格納部3に格納できる場合、判定部2は、雨除けカバー7を格納するか否かを判定してもよい。格納を判定する場合も、判定部2は、天候情報取得部1からの天候情報、及び、他の雨除けカバー装置6における判定部2の判定結果を用いてもよい。例えば、判定部2は、天候情報と、通信部4を介して取得した他の雨除けカバー装置6における判定部2の判定結果とに基づいて、雨除けカバー7を格納するか否かを判定する。そして、判定部2が雨除けカバー7を格納すると判定した場合、指示部8は、カバー展開部9に雨除けカバー7の格納を指示してもよい。例えば、雨除けカバー7を展開後に、天候情報取得部1から晴れである天候情報を取得した場合、判定部2は、雨除けカバー7を格納すると判定する。そして、指示部8は、カバー展開部9に、雨除けカバー7の格納を指示してもよい。あるいは、雨除けカバー7を展開後に、他の雨除けカバー装置6から雨除けカバー7を格納との判定結果を取得した場合、判定部2は、雨除けカバー7を格納すると判定する。そして、指示部8は、カバー展開部9に、雨除けカバー7の格納を指示してもよい。
【0036】
次に、図面を参照して、雨除けカバー装置6における雨除けカバー7の展開について説明する。図2は、一着の衣類を吊り下げる物干しハンガーに取り付けられている場合における雨除けカバー装置6の一例を示す概略図である。なお、雨除けカバー装置6は、物干しハンガーを含んでいてもよい。ただし、雨除けカバー装置6は、展開した雨除けカバー7が洗濯物を雨から防ぐことができれば、物干しハンガーとは異なる位置に設けられてもよい。例えば、雨除けカバー装置6は、物干しハンガーを掛ける物干しざおに取り付けられていてもよい。なお、雨除けカバー装置6を設置する物干しハンガーは、図2に示されているような一着の衣類を吊り下げる物干しハンガーに限られない。例えば、雨除けカバー装置6は、複数の洗濯ばさみを備え、複数の洗濯物を吊り下げるように構成された物干しハンガーに取り付けられてもよい。図3は、複数の洗濯物を吊り下げるように構成された物干しハンガーに取り付けられた場合における、雨除けカバー装置6の一例を示す概略図である。図3の物干しハンガーは、複数の洗濯ばさみを備えて複数の洗濯物を吊り下げるように構成されている。ただし、以下の説明では、図2に示した物干しハンガーを用いて説明する。図4は、洗濯物を干した状態を示す図である。図4において、雨除けカバー装置6は、雨除けカバー7を未展開である。図5は、雨除けカバー7を展開した状態を示す図である。なお、図5に示されている雨除けカバー7は、透明な素材を用いている。そのため、図5において、洗濯物は、目視可能となっている。ただし、雨除けカバー7は、半透明、又は、遮光性の素材を用いて構成されてもよい。
【0037】
図6は、第1実施形態にかかる雨除けカバー装置6における判定部2及び指示部8の動作の一例を示すフロー図である。判定部2は、天候情報取得部1から天候情報を取得する(ステップS101)。判定部2は、天候情報に基づいて雨除けカバー7を展開するか否か判定する(ステップS102)。雨除けカバー7を展開しないと判定した場合(ステップS102でNo)、判定部2は、通信部4を介して、他の雨除けカバー装置6から、他の雨除けカバー装置6における判定部2の判定結果を取得する(ステップS103)。判定部2は、他の雨除けカバー装置6における判定部2の判定結果に基づいて雨除けカバー7を展開するか否か判定する(ステップS104)。雨除けカバー7を展開しないと判定した場合(ステップS104でNo)、判定部2は、天候情報の取得の動作、つまり、ステップS101に戻る。なお、判定部2は、他の雨除けカバー装置6から、他の雨除けカバー装置6における判定部2の判定結果を取得できない場合にも、ステップS101に戻るように動作してもよい。判定部2が雨除けカバー7を展開すると判定した場合(ステップS102及びS104でYes)、指示部8は、カバー展開部9に雨除けカバー7の展開を指示する(ステップS105)。カバー展開部9は、指示部8からの指示に対応して雨除けカバー7を展開する。
【0038】
このように、判定部2は、天候情報取得部1が取得した天候情報に加え、他の雨除けカバー装置6における判定部2の判定結果を用いる。つまり、雨除けカバー装置6は、他の雨除けカバー装置6との連携機能を備える。そのため、雨除けカバー装置6は、天候情報取得部1が天候情報を取得できない場合でも、適切に、雨除けカバー7を動作させることができる。例えば、天候情報取得部1において、天候情報の取得が難しい場合でも、雨除けカバー装置6は、他の雨除けカバー装置6から取得した判定結果を用いて、適切に、雨除けカバー7を動作させることができる。
【0039】
<第2実施形態>
図面を参照して、第2実施形態の雨除けカバー装置6Aについて説明する。図7は、第2実施形態にかかる雨除けカバー装置6Aを利用する雨除け制御システム16の構成の一例を示すブロック図である。雨除け制御システム16は、複数の雨除けカバー装置6Aと、情報提供装置10とを含む。雨除け制御システム16は、雨除けカバー装置6を含んでいてもよい。情報提供装置10は、インターネットなどの所定の通信網を介して、雨除けカバー装置6Aに接続されている。雨除けカバー装置6Aは、第1実施形態の雨除けカバー装置6と同様に、相互の通信可能である。ただし、少なくとも一部の雨除けカバー装置6Aは、他の雨除けカバー装置6Aと通信できなくてもよい。例えば、一部の雨除けカバー装置6Aは、相互の通信に用いられる近距離通信可能な範囲より離れた位置に置かれていてもよい。なお、相互に通信可能な場合は、雨除けカバー装置6Aは、第1実施形態における雨除けカバー装置6と同様に動作してもよい。
【0040】
図8は、第2実施形態にかかる雨除けカバー装置6Aの構成の一例を示すブロック図である。雨除けカバー装置6Aは、天候情報取得部1と、判定部2と、カバー格納部3と、通信部4と、位置情報取得部5と、雨除けカバー7と、指示部8と、カバー展開部9とを含む。天候情報取得部1、カバー格納部3、雨除けカバー7、指示部8、及び、カバー展開部9は、第1実施形態の同様である。そこで、以下、第1実施形態と同様の構成及び動作に関する説明を適宜省略し、第2実施形態に特有の構成及び動作を中心に説明する。
【0041】
位置情報取得部5は、雨除けカバー装置6Aの位置情報を取得する。例えば、位置情報取得部5は、グローバル・ポジショニング・システム(Global Positioning System(GPS))を備え、GPSから位置情報を取得してもよい。
【0042】
通信部4は、第1実施形態の同様に他の雨除けカバー装置6Aとの情報の通信に加え、情報提供装置10と情報を通信する。
【0043】
判定部2は、第1実施形態の判定部2と同様の機能に加え、次のような機能を実現する。判定部2は、通信部4を介して、情報提供装置10に、位置情報取得部5から取得した位置情報と、判定部2が判定した判定結果とを出力する。そして、判定部2は、通信部4を介して、情報提供装置10から、他の雨除けカバー装置6Aにおける判定部2の判定結果を取得する。そして、判定部2は、雨除けカバー7を展開するか否かの判定において、第1実施形態における判定部2が用いる情報に加え、情報提供装置10から取得した他の雨除けカバー装置6Aにおける判定部2の判定結果を用いる。なお、第1実施形態における判定部2が用いる情報は、天候情報取得部1が取得した天候情報と、通信部4を介して取得した他の雨除けカバー装置6Aにおける判定部2の判定結果とである。つまり、第2実施形態の判定部2は、判定に用いる判定部2の判定結果として、第1実施形態と同様に取得した他の雨除けカバー装置6Aにおける判定部2の判定結果に加え、情報提供装置10から取得した判定結果を用いる。
【0044】
図9は、情報提供装置10の構成の一例を示すブロック図である。情報提供装置10は、通信部12と、提供先抽出部13と、情報提供部14とを含む。通信部12は、雨除けカバー装置6Aと情報を通信する。なお、通信部12を通信部4と区別するため、通信部12を「第2通信部」と呼ぶ場合もある。
【0045】
提供先抽出部13は、通信部12を介して、雨除けカバー装置6Aから、その雨除けカバー装置6Aの位置情報と判定部2が判定した判定結果とを取得する。そして、提供先抽出部13は、取得した雨除けカバー装置6Aの位置情報と判定部2が判定した判定結果とに基づいて、判定部2の判定結果を提供する雨除けカバー装置6Aを抽出する。例えば、雨除けカバー7を展開した雨除けカバー装置6Aの周辺は、降雨などが発生していて、雨除けカバー7を展開することが望ましい範囲である。そこで、提供先抽出部13は、次のように動作する。
【0046】
まず、提供先抽出部13は、判定部2の判定結果が、雨除けカバー7を展開するとなっている雨除けカバー装置6Aを抽出する。以下、ここで抽出された雨除けカバー装置6Aを「情報元の雨除けカバー装置6A」と呼ぶ。そして、提供先抽出部13は、情報元の雨除けカバー装置6Aの位置情報を抽出する。そして、提供先抽出部13は、抽出した位置情報に対応する所定に範囲を設定する。例えば、提供先抽出部13は、抽出した位置情報を中心とした1kmの円の範囲を設定する。なお、1kmは、例示であり、これに限定されない。なお、複数の雨除けカバー装置6Aが「情報元の雨除けカバー装置6A」となっている場合、提供先抽出部13は、雨除けカバー装置6Aを抽出する範囲として、全ての「情報元の雨除けカバー装置6A」の位置情報の対応した範囲を設定してもよい。ただし、提供先抽出部13は、判定部2における判定時刻、又は、雨除けカバー装置6Aの位置関係など、所定の情報に基づいて、一部の「情報元の雨除けカバー装置6A」に対応した範囲を抽出してもよい。
【0047】
そして、提供先抽出部13は、雨除けカバー装置6Aの位置情報に基づいて、情報を提供する雨除けカバー装置6Aとして、設定した範囲に含まれる雨除けカバー装置6Aを抽出する。以下、ここで抽出された雨除けカバー装置6Aを「提供先の雨除けカバー装置6A」と呼ぶ。そして、情報提供部14は、通信部12を介して、提供先の雨除けカバー装置6Aに、情報元の雨除けカバー装置6Aにおける判定部2の判定結果、つまり、雨除けカバー7を展開するとの判定結果を提供する。
【0048】
情報提供装置10は、位置情報及び判定結果に加え、他の情報を用いてもよい。例えば、情報提供装置10は、雨除けカバー装置6Aから天候情報を取得して、判定結果に加え、天候情報を提供してもよい。あるいは、情報提供装置10は、提供先の雨除けカバー装置6Aの抽出に、雨除けカバー装置6Aから取得した天候情報を用いてもよい。あるいは、情報提供装置10は、天気情報提供業者などから天候情報を取得して、取得した天候情報を提供してもよい。あるいは、情報提供装置10は、天気情報提供業者などから雨の降り出し予測時間を取得し、予測時間を用いて、提供先の雨除けカバー装置6Aに抽出してもよい。あるいは、情報提供装置10は、衛星が撮影した写真など天候に関連する画像を取得し、機械学習などを活用して生成した判定モデルに取得した画像を適用して天候を予測し、予測に基づいて提供先の雨除けカバー装置6Aを抽出してもよい。あるいは、情報提供装置10は、雨除けカバー7を展開するとの判定結果に加え、雨除けカバー7を格納するとの判定結果を用いて雨除けカバー7を格納するとの判定結果を提供してもよい。
【0049】
なお、情報提供装置10は、雨除けカバー装置6Aと通信可能であり、上記の動作を実行できる装置であれば、特に制限はない。例えば、情報提供装置10は、インターネットを利用してサービスを提供するサービスプロバイダーにおけるサーバでもよい。あるいは、情報提供装置10は、雨除けカバー装置6Aの利用者が所持するスマートフォンでもよい。この場合、利用者は、情報提供装置10としての機能を実現するアプリケーションをスマートフォンにインストールして利用すればよい。
【0050】
図10は、第2実施形態にかかる雨除けカバー装置6Aにおける判定部2及び指示部8の動作の一例を示すフロー図である。判定部2は、天候情報取得部1から天候情報を取得する(ステップS101)。判定部2は、天候情報に基づいて雨除けカバー7を展開するか否か判定する(ステップS102)。雨除けカバー7を展開しないと判定した場合(ステップS102でNo)、判定部2は、通信部4を介して、他の雨除けカバー装置6Aから、他の雨除けカバー装置6Aにおける判定部2の判定結果を取得する(ステップS103)。そして、判定部2は、他の雨除けカバー装置6Aにおける判定部2の判定結果に基づいて雨除けカバー7を展開するか否か判定する(ステップS104)。
【0051】
雨除けカバー7を展開しないと判定した場合(ステップS104でNo)、判定部2は、通信部4を介して、情報提供装置10から、他の雨除けカバー装置6Aにおける判定部2の判定結果を取得する(ステップS106)。なお、通信部4を介して、近隣の他の雨除けカバー装置6Aから、判定部2の判定結果を取得できた場合、判定部2は、情報提供装置10からの情報の取得を省略してもよい。つまり、近隣の他の雨除けカバー装置6Aから、判定部2の判定結果を取得できない場合に、判定部2は、情報提供装置10から、他の雨除けカバー装置6Aにおける判定部2の判定結果を取得してもよい。
【0052】
そして、判定部2は、情報提供装置10から取得した、他の雨除けカバー装置6Aにおける判定部2の判定結果に基づいて雨除けカバー7を展開するか否か判定する(ステップS107)。雨除けカバー7を展開しないと判定した場合(ステップS107でNo)、判定部2は、天候情報の取得の動作、つまり、ステップS101に戻る。判定部2が雨除けカバー7を展開すると判定した場合(ステップS102、S104、及び、S107でYes)、指示部8は、カバー展開部9に雨除けカバー7の展開を指示する(ステップS105)。カバー展開部9は、判定部2からの指示に対応して雨除けカバー7を展開する。さらに、判定部2は、位置情報と雨除けカバー7を展開するとの判定結果を、情報提供装置10に出力する(ステップS108)。
【0053】
このように、判定部2は、天候情報取得部1が取得した天候情報、及び、他の雨除けカバー装置6Aから取得した判定結果に加え、情報提供装置10から取得した情報を用いる。つまり、雨除けカバー装置6Aは、情報提供装置10を介して、連携する雨除けカバー装置6Aの範囲を広げる。その結果、雨除けカバー装置6Aは、相互には通信ができない位置における雨除けカバー装置6Aが判定した結果を用いて動作できる。例えば、活動が激しい積乱雲は、移動速度が速い場合がある。このような場合でも、雨除けカバー装置6Aは、ある程度は離れた位置における降雨に対応した雨除けカバー装置6Aにおける判定結果に基づいて、雨除けカバー7を展開できる。このように、雨除けカバー装置6Aは、第1実施形態の雨除けカバー装置6と比較して、より広い範囲の雨除けカバー装置6Aと連携できる。
【0054】
<変形例>
以下、雨除けカバー装置6及び6Aの変形例を説明する。
【0055】
(1)雨除けカバー7の数及び天候
カバー格納部3は、複数の雨除けカバー7を格納してもよい。カバー格納部3が複数の雨除けカバー7を格納する場合、判定部2は、判定する天候として、晴れ及び雨のような2つ天候ではなく、3つ以上の天候を判定してもよい。例えば、雨除けカバー装置6及び6Aが設置されている物干しハンガーが、洗濯物を吊り下げる洗濯ばさみとして、2列の洗濯ばさみを備えるとする。なお、2列は、外側の列と、内側の列とする。そして、カバー格納部3は、外側及び内側それぞれの列の洗濯物を覆う2つの雨除けカバー7を備えるとする。さらに、カバー展開部9は、2つの雨除けカバー7を個別に展開できるとする。以下、外側の洗濯ばさみの列に対応した雨除けカバー7を「外側の雨除けカバー7」と呼び、内側の洗濯ばさみの列に対応した雨除けカバー7を「内側の雨除けカバー7」と呼ぶ。この場合、判定部2は、天候として、晴れと、小雨と、雨とを判定する。そして、判定部2は、小雨と判定した場合に、外側の雨除けカバー7を展開すると判定する。そして、指示部8は、カバー展開部9に外側の雨除けカバー7の展開を指示する。天候が小雨から雨に変化した場合、判定部2は、内側の雨除けカバー7を展開すると判定する。そして、指示部8は、カバー展開部9に内側の雨除けカバー7の展開を指示する。このように、判定部2は、複数の天候の状態に対応して、複数の雨除けカバー7の展開を別々に判定してもよい。なお、判定部2は、豪雨時など最初から雨と判定した場合には、両方の雨除けカバー7を同時に展開すると判定してもよい。この場合、指示部8は、カバー展開部9に2つの雨除けカバー7の展開を指示してもよい。なお、カバー格納部3が3つ以上の雨除けカバー7を格納する場合、判定部2は、3つ以上の天候の状態を判定してもよい。例えば、判定部2は、「小雨」、「雨」、及び、「豪雨」を判定してもよい。
【0056】
(2)天候以外の判定
判定部2は、洗濯物以外のものに関連する情報を判定してもよい。例えば、天候情報取得部1がカメラを含む場合、天候情報取得部1は、雨除けカバー装置6Aの周辺の画像を取得できる。そこで、判定部2は、カメラが撮影した周辺の画像に含まれる人物を判定してもよい。そして、判定部2は、人物が利用者の家族など予め登録した人物を異なる場合、警報を出力してもよい。例えば、判定部2は、予め登録した利用者の家族の顔画像と、カメラが撮影した顔画像とを比較して、画像に含まれる人物が利用者の家族か否かを判定する。なお、判定部2は、比較の処理として、外部の装置を用いてもよい。例えば、判定部2は、通信部4を介して、第2実施形態における情報提供装置10など他の装置に撮影した画像を送信し、その装置から判定の結果を取得してもよい。あるいは、天候情報取得部1がマイクを含む場合、判定部2は、カメラの画像に加え、マイクが取得した音声を分析して、人物を判定してもよい。そして、人物が家族ではない場合、判定部2は、通信部4を介して、利用者のスマートフォンなど所定の装置に警報を出力してもよい。あるいは、判定部2は、第2実施形態における情報提供装置10に対して警報を出力してもよい。判定部2は、警報に加え、位置情報、画像、及び、音声の少なくとも一つを出力してもよい。この場合、スマートフォン又は情報提供装置10などの出力先の装置は、警報に合わせて、警報を出力した雨除けカバー装置6Aの位置情報、画像、及び、音声の少なくとも一つを出力してよい。
【0057】
<ハードウェア構成>
雨除けカバー装置6及び6Aにおいて、構成の機能を実現するハードウェア構成について雨除けカバー装置6を用いて説明する。雨除けカバー装置6の各構成部は、それぞれ、ハードウェアで構成されてもよい。あるいは、雨除けカバー装置6において、複数の構成部は、1つのハードウェアで構成されてもよい。雨除けカバー装置6は、コンピュータ装置を含んで実現されてもよい。コンピュータ装置とは、少なくとも、中央処理装置(Central Processing Unit(CPU))と、読み取り専用メモリ(Read Only Memory(ROM))と、ランダム・アクセス・メモリ(Random Access Memory(RAM))とを含む装置である。コンピュータ装置は、上記の構成に加え、他の構成、例えば、記憶装置、データ通信カード(Data Communication Card(DCC))、又は、インタフェースカード(Interface card(IFC))を含んでもよい。
【0058】
次に、雨除けカバー装置6に含まれるコンピュータ装置の構成を説明する。なお、カバー格納部3及びカバー展開部9は、雨除けカバー7に対応した機械の構成を含む。また、雨除けカバー7は、コンピュータ装置のハードウェアとは独立したハードウェアである。また、天候情報取得部1がセンサを備える場合、センサは、コンピュータ装置のハードウェアとは独立したハードウェアである。つまり、雨除けカバー装置6及び6Aは、以下でハードウェアを説明するコンピュータ装置と、カバー格納部3及びカバー展開部9に含まれる機械構成、雨除けカバー7、及び、センサなどとを含む装置として構成される。そのため、以下のコンピュータ装置の説明において、これらの構成の説明を省略する。
【0059】
図11は、雨除けカバー装置6に含まれるコンピュータ装置600の構成の一例を示すブロック図である。コンピュータ装置600は、CPU610と、ROM620と、RAM630と、記憶装置640と、DCC650と、IFC660とを含む。
【0060】
CPU610は、ROM620及び記憶装置640の少なくとも一方からプログラムを読み込む。そして、CPU610は、読み込んだプログラムに基づいて、RAM630と、記憶装置640と、DCC650とを制御する。そして、CPU610は、これらの構成を制御し、図1に示されている、天候情報取得部1と、判定部2と、カバー格納部3と、通信部4と、指示部8としての各機能を実現する。CPU610は、図8に示されている天候情報取得部1と、判定部2と、カバー格納部3と、通信部4と、位置情報取得部5と、指示部8としての機能を実現してもよい。
【0061】
CPU610は、各機能を実現する際に、RAM630又は記憶装置640を、プログラム及びデータの一時的な記憶媒体として使用してもよい。また、CPU610は、図示しない記録媒体読み取り装置を用いて、プログラムをコンピュータで読み取り可能に記憶した記録媒体690が保存しているプログラムを読み込んでもよい。なお、記録媒体690は、例えば、SDメモリカードである。あるいは、CPU610は、DCC650を介して、図示しない外部の装置からプログラムを受け取り、RAM630又は記憶装置640に保存して、保存したプログラムを基に動作してもよい。
【0062】
ROM620は、CPU610が実行するプログラム及び固定的なデータを記憶する。ROM620は、例えば、プログラマブルROM(Programmable-ROM(P-ROM))又はフラッシュROMである。RAM630は、CPU610が実行するプログラム及びデータを一時的に記憶する。RAM630は、例えば、ダイナミックRAM(Dynamic-RAM(D-RAM))である。記憶装置640は、コンピュータ装置600が長期的に保存するデータ及びプログラムを記憶する。また、記憶装置640は、CPU610の一時記憶装置として動作してもよい。記憶装置640は、例えば、フラッシュROM、ソリッド・ステート・ドライブ(Solid State Drive(SSD))、又は、ハードディスク装置である。
【0063】
ROM620と記憶装置640とは、不揮発性(non-transitory)の記録媒体である。一方、RAM630は、揮発性(transitory)の記録媒体である。そして、CPU610は、ROM620、記憶装置640、又は、RAM630に記憶されているプログラムを基に動作可能である。つまり、CPU610は、不揮発性記録媒体及び揮発性記録媒体のどちらを用いても動作可能である。
【0064】
DCC650は、所定の通信手段を用いて他の雨除けカバー装置6及び6Aとのデータのやり取りを中継する。つまり、DCC650は、通信部4としての機能を実現する。雨除けカバー装置6AにおけるDCC650は、さらに、情報提供装置10とのデータのやり取りを中継する。なお、雨除けカバー装置6Aは、他の雨除けカバー装置6及び6Aと通信するDCC650と、情報提供装置10と通信するDCC650とを含んでもよい。DCC650は、例えば、通信カードである。
【0065】
IFC660は、カバー格納部3の機械部分又はセンサなど、コンピュータ装置600に含まれない雨除けカバー装置6及び6Aの構成との情報のやり取りを中継する。例えば、IFC660は、カバー格納部3に対する雨除けカバー7の展開の指示を中継する。IFC660は、例えば、入出力カード、又は、シリアルインターフェースカードである。
【0066】
なお、情報提供装置10が、図11に示されているハードウェアの少なくとも一部を用いて構成されてもよい。例えば、情報提供装置10は、CPU610と、ROM620と、RAM630と、記憶装置640と、DCC650とを用いて構成されてもよい。
【0067】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0068】
(付記1)
天候情報を取得する天候情報取得手段と、
洗濯物の雨除けカバーを格納するカバー格納手段と、
格納された雨除けカバーを展開するカバー展開手段と、
近隣の他の雨除けカバー装置と情報を通信する通信手段と、
天候情報と、通信手段を介して取得した他の雨除けカバー装置における判定結果とに基づいて雨除けカバーを展開するか否かを判定する判定手段と、
判定手段が雨除けカバーを展開すると判定した場合にカバー展開手段に雨除けカバーの展開を指示する指示手段と
を含む雨除けカバー装置。
【0069】
(付記2)
判定手段は、天候情報と、通信手段を介して取得した他の雨除けカバー装置における判定結果とに基づいて雨除けカバーを格納するか否かを判定し、
指示手段は、判定手段が雨除けカバーを格納すると判定した場合にカバー展開手段に雨除けカバーの格納を指示し、
カバー展開手段は、雨除けカバーをカバー格納手段に格納する
付記1に記載の雨除けカバー装置。
【0070】
(付記3)
判定手段は、近隣の他の雨除けカバー装置における天候情報に基づいて雨除けカバーを展開するか否かを判定する
付記1又は2に記載の雨除けカバー装置。
【0071】
(付記4)
天候情報取得手段は、雨除けカバー装置の周辺の画像を取得し、
判定手段は、周辺の画像に含まれる人物が登録した人物と異なる場合、警報を出力する
付記1ないし3のいずれか1項に記載の雨除けカバー装置。
【0072】
(付記5)
天候情報取得手段は、複数の天候を含む天候情報を取得し、
カバー格納手段は、複数の雨除けカバーを格納し、
カバー展開手段は、雨除けカバーをそれぞれ展開し、
判定手段は、天候情報に基づいて、複数の雨除けカバーのいずれを展開するか判定し、
指示手段は、判定手段が展開すると判定した雨除けカバーの展開を、カバー展開手段に指示する
付記1ないし4のいずれか1項に記載の雨除けカバー装置。
【0073】
(付記6)
位置情報を取得する位置情報取得手段をさらに含み、
通信手段は、情報提供装置と情報を通信し、
判定手段は、
通信手段を介して、情報提供装置に、位置情報と、判定手段の判定結果とを出力し、
情報提供装置から、他の雨除けカバー装置における判定手段の判定結果を取得し、
情報提供装置から取得した判定手段の判定結果に基づいて雨除けカバーを展開するか否かを判定する
付記1ないし5のいずれか1項に記載の雨除けカバー装置。
【0074】
(付記7)
複数の付記6に記載の雨除けカバー装置と、
雨除けカバー装置と通信する第2通信手段と、
第2通信手段を介して雨除けカバー装置から取得した雨除けカバー装置の位置情報と判定手段の判定結果とに基づいて、雨除けカバー装置における判定手段の判定結果を提供する雨除けカバー装置を抽出する提供先抽出手段と、
抽出した雨除けカバー装置に、雨除けカバー装置おける判定手段の判定結果を提供する情報提供手段と
を含む情報提供装置と
を含む雨除け制御システム。
【0075】
(付記8)
洗濯物の雨除けカバーを格納するカバー格納手段と、格納された雨除けカバーを展開するカバー展開手段とを備える雨除けカバー装置が、
天候情報を取得し、
天候情報と、近隣の他の雨除けカバー装置における判定手段の判定結果とに基づいて雨除けカバーを展開するか否かを判定し、
雨除けカバーを展開すると判定した場合にカバー展開手段に雨除けカバーの展開を指示する
雨除けカバー制御方法。
【0076】
(付記9)
位置情報を取得し、
情報提供装置に、位置情報と、判定結果とを出力し、
情報提供装置から、他の雨除けカバー装置における判定結果を取得し、
情報提供装置から取得した判定結果に基づいて雨除けカバーを展開するか否かを判定する
付記8に記載の雨除けカバー制御方法。
【0077】
(付記10)
複数の雨除けカバー装置が、付記9に記載の雨除けカバー制御方法を実行し、
情報提供装置が、
雨除けカバー装置から取得した雨除けカバー装置の位置情報と判定手段の判定結果とに基づいて、雨除けカバー装置における判定結果を提供する雨除けカバー装置を抽出し、
抽出した雨除けカバー装置に、雨除けカバー装置おける判定結果を提供する
雨除け制御方法。
【0078】
(付記11)
洗濯物の雨除けカバーを格納するカバー格納手段と、格納された雨除けカバーを展開するカバー展開手段とを備える雨除けカバー装置に、
天候情報を取得する処理と、
天候情報と、近隣の他の雨除けカバー装置における判定手段の判定結果とに基づいて雨除けカバーを展開するか否かを判定する処理と、
雨除けカバーを展開すると判定した場合にカバー展開手段に雨除けカバーの展開を指示する処理と
を実行させる雨除けカバー制御プログラム。
【0079】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成及び詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0080】
1 天候情報取得部
2 判定部
3 カバー格納部
4 通信部
5 位置情報取得部
6 雨除けカバー装置
7 雨除けカバー
8 指示部
9 カバー展開部
10 情報提供装置
12 通信部
13 提供先抽出部
14 情報提供部
16 雨除け制御システム
600 コンピュータ装置
610 CPU
620 ROM
630 RAM
640 記憶装置
650 DCC
660 IFC
690 記録媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11