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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171029
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】使用済み紙おむつ処理方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   B09B 5/00 20060101AFI20231124BHJP
   B09B 101/67 20220101ALN20231124BHJP
【FI】
B09B5/00 M ZAB
B09B101:67
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022083211
(22)【出願日】2022-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100091524
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 充夫
(72)【発明者】
【氏名】松田 源一郎
(72)【発明者】
【氏名】片岡 秀直
(72)【発明者】
【氏名】日野 直文
【テーマコード(参考)】
4D004
【Fターム(参考)】
4D004AA02
4D004AB01
4D004CA13
4D004CA15
4D004CB01
4D004CB05
4D004CB09
4D004CB42
4D004CB43
4D004CC11
4D004DA11
(57)【要約】
【課題】使用済み紙おむつの減量処理を、短時間で完了することが可能である使用済み紙おむつ処理方法及び装置を提供する。
【解決手段】排泄物に含まれる水分を吸収した高吸水性ポリマーと2価の金属イオンなどを含む薬品を混合した高濃度の処理液19でつけ置き処理することで、高吸水性ポリマーが持つ吸収機能を低下させて、水分を離水させ、使用済み紙おむつ18が含む水分量の大半を低下させたのちに、処理槽20において低濃度の処理液を用いて短時間攪拌することで、完全に離水させた後に脱水することで重量を減量する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理槽内で使用済み紙おむつと処理液とを撹拌することにより前記使用済み紙おむつが吸収している水分を前記使用済み紙おむつから離水させる使用済み紙おむつ処理方法であって、
前記使用済み紙おむつから水分を離水させるために必要な薬剤の必要量の半分以上の量の薬剤と、処理する使用済み紙おむつが浸る程度の液体とを混合した前処理液に、前記処理する使用済み紙おむつを所定の時間以上浸漬するつけ置き処理工程を実施し、
前記つけ置き処理工程を実施した後に、前記浸漬した使用済み紙おむつと前記前処理液とを前記処理槽に投入するとともに、前記処理槽に前記薬剤の必要量の残りの量と前記処理槽内で前記使用済み紙おむつの撹拌に必要な量の液体とを投入し、前記処理槽内で前記使用済み紙おむつと前記処理液とを撹拌することにより、前記使用済み紙おむつから水分を離水させる攪拌離水処理工程を実施する、使用済み紙おむつ処理方法。
【請求項2】
前記つけ置き処理工程において、前記処理する使用済み紙おむつが浸る程度の液体の量が、前記処理槽内で前記使用済み紙おむつの撹拌に必要な量の1/20~1/8の量である、請求項1記載の使用済み紙おむつ処理方法。
【請求項3】
前記つけ置き処理工程を実施した後に、前記攪拌離水処理工程を実施している間に、次に処理する使用済み紙おむつの前記つけ置き処理工程を実施する、請求項1又は2に記載の使用済み紙おむつ処理方法。
【請求項4】
使用済み紙おむつを処理する処理槽と、
前記処理槽に処理液を供給する液供給部と、
前記処理槽から前記処理液を排出する液排出部と、
前記処理槽で処理した使用済み紙おむつを前記処理槽の下方で前記処理槽から取り出し可能な取出部とを備えた使用済み紙おむつ処理装置であって、
前記処理槽は、側面又は底面に前記使用済み紙おむつより小さい複数の貫通穴を有する円筒形状の内槽と、前記内槽の側面と底面とを囲う外槽とを有し、
前記内槽を前記内槽の軸周りに回転させる回転駆動部と、
前記処理槽で処理する前の使用済み紙おむつを処理液に浸漬するつけ置き槽と、前記つけ置き槽に前記処理液を供給する液供給部とを備えるつけ置き処理部と、
前記つけ置き処理部と前記処理槽とが連結されており、前記つけ置き槽で前記浸漬された使用済み紙おむつが前記つけ置き処理部から前記処理槽に投入可能である、使用済み紙おむつ処理装置。
【請求項5】
前記つけ置き処理部が、前記処理液でのつけ置き処理が実施可能なつけ置き位置と前記処理槽に前記使用済紙おむつを投入可能な投入位置とに選択的に位置決め可能な複数のスロットを有する円筒部と、前記円筒部が内部に回転可能に配置されたケースと、前記ケースに対して前記円筒部を回転駆動する円筒部回転駆動部とを有する連続投入部を備え、
前記つけ置き位置に位置決めされた前記スロットが、前記液供給部から前記処理液を供給する前記つけ置き槽として機能する請求項4に記載の使用済み紙おむつ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用済み紙おむつに含まれる高吸水性ポリマーから水分を離水させることで、減量する使用済み紙おむつ処理方法及び装置に関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、排泄物に含まれる水分を吸収した高吸水性ポリマーと2価の金属イオンなどを含む薬品とを混合することで、高吸水性ポリマーが持つ吸水機能を低下させて水分を離水させ、使用済み紙おむつが含む水分量を低下させた後に、脱水することで重量を減量する使用済み紙おむつ処理方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
使用済み紙おむつは、大量の水分を含むために、介護施設など、多量の使用済み紙おむつを扱う場合に、その重量が課題になることがある。紙おむつは、体に接触する内側は水分を透過する表面材シートが使われており、外側には、水分を透過しない防水材シートが使われている。そして、表面材シートと防水材シートとの間に、吸水剤としてパルプと高吸水性ポリマーとが充填されている。高吸水性ポリマーは、大量の水分を保持することが可能になっており、一度、高吸水性ポリマーに吸水された水分は、そのままでは離水することが難しいものになっている。
【0004】
そこで、使用済み紙おむつを2価の金属イオンなどを含む薬品と一緒に攪拌して、高吸水性ポリマーが持つ吸水機能を低下させることで水分を離水させた後に、脱水処理を行うことで使用済み紙おむつが含む水分量を低下させて重量を減量する使用済み紙おむつ処理装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
図10に、特許文献1に記載されている従来の使用済み紙おむつ処理装置101の側面図を示す。図10の従来の使用済み紙おむつ処理装置101は、処理槽120と、液供給部110と、液排出部109と、取出部106と、投入扉102と、装置本体103と、格納容器107と、廃棄用袋108と、制御装置111と、シャフト113及びベルト114とを備えている。処理槽120は、内槽105と外槽104で構成されている。さらに、処理槽120の下部には、開閉することができる外槽底部115及び内槽底部117を備える。
【0006】
次に、従来の使用済み紙おむつ処理装置101の動作を説明する。
【0007】
液供給部110から水が外槽104に投入され、一定量の水が外槽104内に蓄えられる。
【0008】
次に、高吸水性ポリマーの吸水機能を低下させる薬剤を液供給部110から外槽104に投入して、外槽104内に既に投入された水と混合し、外槽104内に処理液を貯水する。薬剤としては、塩化カルシウムなどの2価の金属イオンを含むものが好ましい。
【0009】
次に、使用済み紙おむつが、投入扉102から内槽105内に投入され、制御装置111の制御の下にモータ112が回転することで、ベルト114を介してシャフト113が回転し、内槽105が回転し、処理槽120内で攪拌処理が実行される。10分から30分程度、攪拌動作を続けると、使用済み紙おむつ18の高吸水性ポリマーと薬剤中の例えば2価の金属イオンとが反応することで、高吸水性ポリマーに含有されていた水分が離水される。
【0010】
次に、液排出部109から、外槽104に溜まっている処理液等の液体を排出した後、内槽105を外槽104に対して高速に回転させることで、使用済み紙おむつを脱水して、使用済み紙おむつを減量させる。脱水が終わった状態で、外槽底部115及び内槽底部117を開口すると、使用済み紙おむつは、格納容器107に設置された廃棄用袋108内に落下する。
【0011】
このようにして、作業者の手を煩わせることなく廃棄用袋108に減量した使用済み紙おむつを格納することが可能であり、作業者の作業負担及び衛生上の負担を軽減することが出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2020-131157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、特許文献1に記載の使用済み紙おむつ処理装置101では、使用済み紙おむつに含まれる水分を離水させるために、10分から30分程度の攪拌動作が必要であり、その後の脱水動作も含めた処理時間としては、20分から40分程度の長い時間が掛かってしまう課題が発生する。
【0014】
本発明は、このような点に鑑み、使用済み紙おむつ処理の攪拌処理時間を短くすることで、1台の処理装置で多くの使用済み紙おむつを処理することが可能である使用済み紙おむつ処理方法及び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、本発明の1つの態様にかかる使用済み紙おむつ処理方法は、処理槽内で使用済み紙おむつと処理液とを撹拌することにより前記使用済み紙おむつが吸収している水分を前記使用済み紙おむつから離水させる使用済み紙おむつ処理方法であって、
前記使用済み紙おむつから水分を離水させるために必要な薬剤の必要量の半分以上の量の薬剤と、処理する使用済み紙おむつが浸る程度の液体とを混合した前処理液に、前記処理する使用済み紙おむつを所定の時間以上浸漬するつけ置き処理工程を実施し、
前記つけ置き処理工程を実施した後に、前記浸漬した使用済み紙おむつと前記前処理液とを前記処理槽に投入するとともに、前記処理槽に前記薬剤の必要量の残りの量と前記処理槽内で前記使用済み紙おむつの撹拌に必要な量の液体とを投入し、前記処理槽内で前記使用済み紙おむつと前記処理液とを撹拌することにより、前記使用済み紙おむつから水分を離水させる攪拌離水処理工程を実施する。
【0016】
上記課題を解決するために、本発明の別の態様にかかる使用済み紙おむつ処理方法は、使用済み紙おむつを処理する処理槽と、
前記処理槽に処理液を供給する液供給部と、
前記処理槽から前記処理液を排出する液排出部と、
前記処理槽で処理した使用済み紙おむつを前記処理槽の下方で前記処理槽から取り出し可能な取出部とを備えた使用済み紙おむつ処理装置であって、
前記処理槽は、側面又は底面に前記使用済み紙おむつより小さい複数の貫通穴を有する円筒形状の内槽と、前記内槽の側面と底面とを囲う外槽とを有し、
前記内槽を前記内槽の軸周りに回転させる回転駆動部と、
前記処理槽で処理する前の使用済み紙おむつを処理液に浸漬するつけ置き槽と、前記つけ置き槽に前記処理液を供給する液供給部とを備えるつけ置き処理部と、
前記つけ置き処理部と前記処理槽とが連結されており、前記つけ置き槽で前記浸漬された使用済み紙おむつが前記つけ置き処理部から前記処理槽に投入可能である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の前記態様にかかる使用済み紙おむつ処理方法及び装置によれば、攪拌処理前に、使用済み紙おむつから水分を離水させるために必要な薬剤の必要量の半分以上の量の薬剤と、処理する使用済み紙おむつが浸る程度の液体とを混合した処理液を用いて、つけ置き処理を行うことで、離水処理及び排泄物の分離に必要な攪拌処理時間を短くすることができるので、1台の処理装置で多くの使用済み紙おむつを処理することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態1にかかる使用済み紙おむつ処理装置の構成を示す図
図2】本発明の実施形態1にかかる使用済み紙おむつ処理方法を示すフローチャート
図3】本発明の実施形態1にかかる使用済み紙おむつ処理装置において、つけ置き槽内に使用済み紙おむつが配置され、つけ置き処理を行っている状態を示す側面断面図
図4】本発明の実施形態1にかかる使用済み紙おむつ処理装置において、処理槽内に使用済み紙おむつが配置され、攪拌処理を行っている状態を示す側面断面図
図5】本発明の実施形態1にかかる使用済み紙おむつ処理装置において、内槽を高速回転させて、脱水処理を行っている状態を示す側面断面図
図6】本発明の実施形態1にかかる使用済み紙おむつ処理装置において、処理槽底部を開き、処理後の使用済み紙おむつの取り出し動作を行っている状態を示す側面断面図
図7】本発明の実施形態1にかかるつけ置き処理時の処理液の濃度と、減量処理時の処理液の濃度の違いによる離水処理の結果を示す図
図8A】本発明の実施形態2にかかる使用済み紙おむつ処理装置の構成を示す図
図8B】本発明の実施形態2にかかる使用済み紙おむつ処理装置の円筒部25と貯蔵タンク26の上面図
図8C図8BのC-C線の断面図
図9】本発明の実施形態2にかかる使用済み紙おむつ処理方法を示すフローチャート
図10】従来の使用済み紙おむつ処理装置液体処理装置の断面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
[実施形態1]
以下、図面を参照し、本発明の実施形態に係る使用済み紙おむつ処理装置1を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。なお、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化又は模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
【0020】
[全体構成]
まず、使用済み紙おむつ処理装置1の全体構成について説明する。図1は、本発明の実施形態1にかかる使用済み紙おむつ処理装置1の構成を示す。図1は、側面断面図である。
【0021】
使用済み紙おむつ処理装置1は、少なくとも、処理槽20と、液供給部10と、液排出部9と、取出部6と、つけ置き処理部51と、回転駆動部70とを備えている。より詳しくは、使用済み紙おむつ処理装置1は、さらに、投入扉21と、装置本体3と、格納容器7と、廃棄用袋8と、制御装置11とを備えている。
【0022】
使用済み紙おむつ18を処理する処理槽20は、装置本体3内の上部に配置され、例えば円形の筒状の外槽4、及び、使用済み紙おむつ18を収納可能でかつ例えば円形の筒状の内槽5で構成されている。内槽5は外槽4内に配置されている。
【0023】
内槽5の上部は、使用済み紙おむつ18を入れやすくするため広い口部として構成する上側の円錐部5bとし、中間部は、上側の円錐部5bに続く円筒部5cで構成されている。
【0024】
外槽4は、内槽5の側面を囲う円筒で構成されている。
【0025】
つけ置き処理部51は、内槽5の中心部から外れた位置の上方に配置されている。つけ置き処理部51には、使用済み紙おむつ18が格納される筒状のつけ置き槽52が配置されている。つけ置き槽52の下部には、つけ置き槽底蓋53が開閉可能に配置されており、開閉部の一例としてのヒンジ部53aにより、つけ置き槽底蓋53が回動軸周りに開閉して、使用済み紙おむつ18がつけ置き槽52から内槽内に落下可能又はつけ置き槽52内に格納保持可能になっている。つけ置き槽52には、薬液供給部57の配管から供給される薬液タンク54a内の薬液54と水道管などの液供給部10の配管から供給される水とを混合する混合機55aが薬液供給パイプ56を介して接続されており、処理液19を貯留することができる。
【0026】
外槽4は、水を溜めることができる容器になっている。液供給部10から水を処理槽20内に導入することで貯水することが可能である。なお、詳しくは後述するが、水を供給する代わりに、水と薬剤とを混合した処理液19を液供給部10から処理槽20内に供給してもよい。
【0027】
また、液排出部9を用いて、外槽4内の液体を外部に排出する。外槽4の内部には、少なくとも側面又は底面のどちらかに複数の貫通穴5aを持つ円筒形状の内槽5が配置されている。各貫通穴5aは、紙おむつ18より小さく、貫通穴5aから紙おむつ18が抜け落ちないようにしている。
【0028】
また、内槽5は、回転駆動部70に回転可能に接続されている。回転駆動部70は、制御装置11の制御の下に、内槽5を少なくとも2つの異なる回転数で回転可能に駆動される。回転駆動部70は、一例として、内槽5の回転軸沿いに内槽5に固定されたシャフト13と、シャフト13と係合してシャフト13を回転させるベルト14と、ベルト14が係合したギヤが固定された回転軸を有するモータ12とで構成されている。この結果、制御装置11の制御の下にモータ12の駆動で内槽5を外槽4に対して回転することが可能である。内槽5の回転軸は、一例として、鉛直方向沿いに配置することができる。
【0029】
回転駆動部70は、例えば、制御装置11の制御の下に、以下のような動作を行う。
【0030】
モータ12は、処理槽20の内槽5を回転させることで、攪拌処理を行って、使用済み紙おむつ18から離水させる。
【0031】
また、モータ12は、攪拌処理後に、攪拌処理の回転よりも速く、処理液19が排出された内槽5を高速回転させることで、脱水処理を行う。
【0032】
処理槽20の下方。すなわち、外槽底部15と内槽底部17との下方の装置本体3内の下部には、取出部6が配置されている。外槽底部15と内槽底部17とは、外槽4と内槽5とに対して、それぞれ、開閉部の一例としてのヒンジ部71,72により、回動軸周りにそれぞれ開閉して、処理槽20で処理した使用済み紙おむつ18を処理槽20の底部から取出部6に排出することが可能になっている。
【0033】
処理後の紙おむつ18は、取出部6から取り出すことが可能になっている。取出部6の内部には、廃棄用袋8が取り付けられた格納容器7が配置されている。廃棄用袋8は内槽底部17の直下に配置されている。
【0034】
[動作]
次に、使用済み紙おむつ処理装置1の処理動作について説明する。
【0035】
まず、全体の処理フローを、図2を用いて説明する。制御装置11の制御の下に各動作を実施すれば、自動的に処理することができるが、一部は手動でもよい。
【0036】
ステップS1において、使用済み紙おむつ18が投入扉21を開けて装置本体3の投入口21aからつけ置き槽52に投入される。このとき、つけ置き槽底蓋53は閉じられている。
【0037】
次いで、ステップS2において、液供給部10から水と薬液供給部57から薬液54とが混合機55aを介して混合されてつけ置き槽52に処理液19として貯えられて、各使用済み紙おむつ18が処理液19に浸かる状態になる。
【0038】
次いで、ステップS3において、各使用済み紙おむつ18が処理液19によって、例えば5分~20分つけ置き処理されることで、各使用済み紙おむつ18に含まれる高吸水性ポリマーの吸水機能を低下させられ、離水処理が進行する。
【0039】
次いで、ステップS4において、つけ置き槽52の下部に取り付けられたつけ置き槽底蓋53を開口し、各使用済み紙おむつ18及び処理液19を処理槽20の内槽5に投入する。処理液19は内槽5から貫通穴5aを通って外槽4にも入る。各紙おむつ18は内槽5のみに入る。
【0040】
次いで、ステップS5において、さらに、液供給部10から水が、薬液供給部57から薬液54が混合機55bを介して、処理槽20にそれぞれ貯えられて処理液19となる。
【0041】
次いで、ステップS6において、処理槽20の内槽5を回転させることで、攪拌処理を行い、各使用済み紙おむつ18から水分を離水させる。
【0042】
次いで、ステップS7において、液排出部9から、外槽4に溜まっている液体を排出した後、内槽5を攪拌処理の回転よりも速い高速で回転させることで、各使用済み紙おむつ18を脱水する。
【0043】
次いで、ステップS8において、外槽底部15及び内槽底部17を開口すると、各使用済み紙おむつ18は、格納容器7に設置された廃棄用袋8内に落下する。
【0044】
次いで、ステップS9において、一連の処理が終了する。
【0045】
次に、各処理動作の詳細について説明する。
【0046】
以下では、説明の便宜上、図2に示した処理フローにおいて、ステップS1及びステップS2が完了し、ステップS3でつけ置き処理を行っている状態(図3)と、ステップS4及びステップS5が完了し、ステップS6で攪拌処理を行っている状態(図4)と、ステップS7で内槽5を高速回転させて脱水処理を行っている状態(図5)と、ステップS8で外槽底部15及び内槽底部17を開き、処理後の使用済み紙おむつ18の取出部6への取り出し動作を行っている状態(図6)とに分けて説明する。
【0047】
まず、図3について説明する。
【0048】
図3において、ステップS1で使用済み紙おむつ18がつけ置き槽52に投入された後、ステップS2で薬液供給部57から供給された高吸水性ポリマーの吸水機能を低下させる薬液54と液供給部10から供給された水とが混合機55aで混合されて処理液19となり、つけ置き槽52に供給されている。
【0049】
図3において、ステップS3では、使用済み紙おむつ18が、処理液19に浸かる状態になっており、この状態で一例として5分~20分のつけ置き処理が行われる。高吸水性ポリマーの吸水機能を低下させる薬剤としては、一例として、金属イオンを含むものが好ましく、特に2価の金属を含む、塩化カルシウム、又は、石灰などを用いることが可能である。つけ置き処理では、各使用済み紙おむつ18の高吸水性ポリマーと薬剤中の例えば2価の金属イオンとが反応することで、高吸水性ポリマーに含有されていた水分が、使用済み紙おむつ18から離水し、離水した水が処理液19と混合される。つけ置き処理時の処理液19における薬液の濃度を高くすることで、短時間で高吸水性ポリマーからの離水を進行させることが可能となる。どの程度の濃度が良いかについては、詳しくは後述する。
【0050】
次に、図4は、ステップS3のつけ置き処理が終了後に、ステップS4でつけ置き槽52の下部に取り付けられたつけ置き槽底蓋53を開口し、使用済み紙おむつ18及び処理液19を処理槽20に投入された状態を示している。そして、薬液供給部57から供給された高吸水性ポリマーの吸水機能を低下させる薬液54と、液供給部10から供給された水とが混合機55bで混合され、処理槽20に処理液19を供給開始し、処理槽20内に処理液19を貯水する(ステップS5参照)。
【0051】
次に、図4において、制御装置11の制御の下にモータ12が回転制御されて、内槽5を第1の回転数で回転させることで、攪拌処理を実行する(ステップS6参照)。具体的には、モータ12が第1の回転数で回転することで、ベルト14を介してシャフト13が回転し、内槽5が外槽4に対して回転する。これにより、処理液19と使用済み紙おむつ18とが攪拌される。この攪拌処理において、内槽5は回転し続けるのではなく、一定時間の回転後、停止、一定時間の逆回転、停止を繰り返すか、又は、一定時間の回転後、停止、再度同一方向で一定時間の回転を繰り返すほうが、攪拌が進展しやすく好ましい。
【0052】
図4において、攪拌処理を続けると、ステップS3のつけ置き処理で処理しきれなかった使用済み紙おむつ18の高吸水性ポリマーの離水が進展し、短い攪拌時間で離水処理を完了させることができる。ここでの攪拌処理は、処理液19と使用済み紙おむつ18の高吸水性ポリマーとが反応すればよく、攪拌処理によって、使用済み紙おむつ18が分離解体しない様に、制御装置11の制御の下に緩やかに攪拌することが重要である。具体的な回転数の例としては、40~160rpm程度の回転数で攪拌することが好ましい。
【0053】
次に、使用済み紙おむつ18の脱水処理について、図5を用いて説明する(ステップS7参照)。液排出部9から、外槽4に溜まっている処理液等の液体を排出した後、内槽5を外槽4に対して攪拌動作の回転数より速い回転数で高速に回転させることで、使用済み紙おむつ18を脱水することができ、使用済み紙おむつ18を減量することができる。具体的な回転数の例としては、800~1300rpm程度の回転数で脱水することが好ましい。
【0054】
次に、使用済み紙おむつ18の取り出しを、図6を用いて説明する(ステップS8参照)。脱水が終わった状態で、ヒンジ部71,72を介して外槽底部15及び内槽底部17を開口すると、使用済み紙おむつ18は、格納容器7に設置された廃棄用袋8内に落下する。使用済み紙おむつ18を排出する場合には、装置本体3に対して取出部6を横方向にスライドさせるなどして装置本体3から取り出し、格納容器7から廃棄用袋8を取り出すだけで排出が可能となる。
【0055】
以上、説明した本実施形態1によれば、使用済み紙おむつ18をつけ置き槽52で、使用済み紙おむつ18から水分を離水させるために必要な薬剤の必要量の半分以上の量の薬剤と、処理する使用済み紙おむつ18が浸る程度の液体とを混合した処理液19、例えば攪拌処理ときよりも高濃度の処理液19でつけ置き処理により離水処理を実施する。その後に、処理槽20で低濃度の処理液19で攪拌処理を行うことで、使用済み紙おむつ18に含まれる水分を完全に離水するために必要な攪拌処理の時間を短くすることができる。このため、処理装置の短い稼働時間で使用済み紙おむつ18を処理していくことが可能である。
【0056】
ここで、つけ置き処理に用いる高濃度の処理液19と、攪拌に用いる低濃度の処理液19とについて詳しく説明する。図7に、つけ置き処理時の処理液の濃度と、減量処理時の処理液の濃度との違いによる離水処理の結果を示す。条件1~2は、つけ置き処理をしなかった場合であり、条件3~5はつけ置き処理を実施した場合である。つけ置き処理の行に、使用した水、塩化カルシウム(CaCl)の量と、その時の濃度を示す。攪拌処理の行は、つけ置き処理で使用した処理液に、水と塩化カルシウム(CaCl)を追加した量を示しており、最終的な濃度は全て0.2%になっている。離水処理の結果は、処理後の使用済み紙おむつの高吸水性ポリマーから完全に離水することができたかどうかを示している。
【0057】
ここで、条件1~2はつけ置き処理無しの場合であり、攪拌時間が30分であった条件1では離水処理が成功したのに対し、条件2では攪拌時間が20分と短かったために、離水処理が不十分であった。
【0058】
次に、条件3では、使用する塩化カルシウム合計の半分の量である25gを用いてつけ置き処理を実施した場合である。この時、攪拌時間が10分と条件1の1/3と短いにも関わらず離水処理が成功している。
【0059】
一方で、条件4では、使用する塩化カルシウム合計の量の約1/3である16gを用いて、つけ置き処理を実施した場合である。この時は、離水処理が不十分な結果となった。
【0060】
最後に条件5では、使用する塩化カルシウムの全ての量を用いてつけ置き処理を行った。この場合、攪拌時間が5分でも離水処理が成功した。
【0061】
以上の事から、処理に必要な塩化カルシウム量の1/2以上を用いてつけ置き処理をすることで、攪拌時間を短縮することが可能であることが分かる。また、つけ置き処理の処理液の濃度が高いほど、攪拌時間を短くできる傾向があることがわかる。
【0062】
以上から、使用済み紙おむつ18から水分を離水させるために必要な薬剤の必要量の半分以上の量の薬剤と、処理する使用済み紙おむつ18が浸る程度の液体、例えば水とを混合した処理液19を用いて、つけ置き処理をすることで、攪拌処理に必要な攪拌時間を削減することが可能である。なお、処理する使用済み紙おむつ18が浸る程度の液体の量については、使用済み紙おむつ18が浸かる最小量が1.4Lであったことから、処理槽20での攪拌処理に必要な水量25Lの約1/20は必要である。また、濃度としては、攪拌処理時の8倍は必要なことから、つけ置き処理時に使用する薬剤のすべてを使った場合でも1/8より少なくしなければならない。よって、処理する使用済み紙おむつ18が浸る程度の液体の量としては、処理槽20内で前記使用済み紙おむつ18の撹拌に必要な量の約1/20~1/8が好ましい。言い換えれば、使用済み紙おむつ18に含まれる水分を離水させるために必要な薬剤の1/2以上を含み、攪拌時に必要な水量の1/20~1/5である処理液19でつけ置き処理することで、高吸水性ポリマーの離水処理を攪拌処理よりも高濃度の処理液19で実施可能となる。その結果、離水処理及び排泄物の分離に必要な攪拌動作を1/6から1/2程度の短い時間で可能となる。
【0063】
また、前記実施形態1によれば、攪拌処理前のつけ置き処理が開始されても、途中で使用済み紙おむつを投入することが可能であり、攪拌処理完了時にすぐにおむつ取出し処理作業を必ずしも実施できなくても、つけ置き処理は実施可能であり、非稼働時間(待機時間)が発生してしまうこともない。これに対して、従来は、一度処理が開始されると途中で使用済み紙おむつを投入することができず、また作業者は、攪拌処理完了時にすぐにおむつ取出し処理作業を必ずしも実施できないため、次のおむつ処理を開始するまでの間に非稼働時間(待機時間)が発生してしまい、処理量が限定されてしまう課題が発生していた。
【0064】
また、前記実施形態1によれば、処理後の使用済み紙おむつ18を内槽上方から作業者が直接取り出す必要がなく、作業者の手を煩わせることなく廃棄用袋8に格納することが可能であり、作業者の作業負担及び衛生上の負担を軽減することが出来る。
【0065】
よって、作業者の手を煩わせることなく、使用済み紙おむつ18の減量処理及び排出容器への格納という一連の動作が可能である。
【0066】
なお、本実施形態1では、格納容器7に廃棄用の廃棄用袋8を設置しているが、廃棄用袋8を設置せず、直接、格納容器7に格納するようにしても良い。
【0067】
また、水と薬剤とが混合された処理液19を別途作成しておき、作成した処理液19を、直接、つけ置き槽52及び処理槽20に貯留する代わりに、つけ置き槽52及び処理槽20に金属イオンなどを含む薬剤を投入した後に、水を貯水して処理液19を作成する構成にしても良い。
【0068】
また、内槽5を回転させるのに、ベルト14を用いることなく、モータ12の回転軸と内槽5とを直結して、直接、モータ12で内槽5を回転駆動することも可能である。
【0069】
[実施形態2]
図8A図8Cは、本発明の実施形態2の処理装置1Bの装置構成を示している。すなわち、図8Aが装置側面図を示し、図8Bは円筒部25と貯蔵タンク26の上面図を示し、図8C図8BのC-C線の断面図を示す。
【0070】
実施形態1におけるつけ置き処理部51が、複数のスロット24で構成され、連続投入部23を備える点が、実施形態2との違いである。
【0071】
連続投入部23は、使用済み紙おむつ18が格納されるスロット24が複数配置された円筒部25と、円筒部25が内部配置されたケースの一例としての底付きの円筒状の貯蔵タンク26と、貯蔵タンク26の底面に設けられかつ貯蔵タンク26と処理槽20を開閉可能に連結する開口蓋部27と、制御装置11の制御の下に貯蔵タンク26に対して円筒部25を回転させるモータなどの円筒部駆動部28とで構成されている。図8Bに貯蔵タンク26と円筒部25の上面図を示す。
【0072】
円筒部25の円筒部分は、上部と下部が開口しており、この例では、スロット24が径方向に延在した仕切り板36によって区切られて、4つ配置されている。円筒部25は、装置本体3に固定された貯蔵タンク26に対してモータなどの円筒部駆動部28によって回転し、例えば上方から見て時計回りに円筒部25を回転させる。便宜上、円筒部25を時計回りに1スロット分回転すると開口蓋部27と重なる投入位置のスロット24を投入スロット24cと呼び、投入位置から図8Bにおいて反時計方向に90度ずれたつけ置き位置のスロット24をつけ置きスロット24aと呼び、その他の待機位置のスロット24を待機スロット24bと呼ぶとする。円筒部回転駆動部28により円筒部25を時計周りに回転駆動することにより、各スロット24を待機位置、待機位置、つけ置き位置、投入位置に順に位置決めすることができる。つけ置きスロット24aには、薬液供給パイプ56から処理液19が供給可能となっている。また、つけ置きスロット24aの位置の貯蔵タンク26の底部には、防水シート29が貼られており、薬液供給パイプ56からつけ置きスロット24aに供給された処理液19が貯水可能となっている。図8Cに連続投入部23の拡大図を示す。つけ置きスロット24aの下部に仕切り板36と接触する防水シート29が敷いてあり、つけ置きスロット24aで処理液19を貯水することが可能となっている。
【0073】
なお、2つの待機位置の内の1つはつけ置き位置として待機スロット24bをつけ置きスロット24aとしたり、又は、2つの待機位置の両方ともつけ置き位置として待機スロット24bを無くして、つけ置きスロット24aとしてもよい。このとき、薬液供給パイプ56から処理液19が供給可能とするスロット24は、円筒部25の回転方向の上流側に位置するつけ置き位置のつけ置きスロット24aとしてもよいし、全てのつけ置き位置のつけ置きスロット24aとしてもよい。よって、スロット24としては、少なくとも、1つのつけ置きスロット24aと1つの投入スロット24cとを備えればよい。
【0074】
格納用投入扉22は、連続投入部23の上部を開閉可能に装置本体3の上端に取り付けられている。格納用投入扉22を開けて投入された使用済み紙おむつ18は、投入スロット24c以外のつけ置きスロット24aもしくは待機スロット24bに貯蔵される。
【0075】
[動作]
次に、実施形態2の使用済み紙おむつ処理装置1Bの処理動作について説明する。
【0076】
まず、全体の処理フローを、図9を用いて説明する。
【0077】
ステップS11において、使用済み紙おむつ18が格納用投入扉22を開けて装置本体3の投入口21aからつけ置きスロット24aに投入される。
【0078】
次いで、ステップS12において、つけ置きスロット24aに使用済み紙おむつ18が貯蔵されているかを確認する。つけ置きスロット24aに使用済み紙おむつ18が貯蔵されているかの確認は、例えば、近接センサー又は光学センサーなどのセンサーを配置して、確認する方法が考えられる。つけ置きスロット24aに使用済み紙おむつ18があった場合、ステップS12を省略してステップS13に進んでもよい。
【0079】
次いで、ステップS13において、使用済み紙おむつ18に含まれる高吸水性ポリマーの吸水機能を低下させる高濃度の処理液19が、薬液供給パイプ56からつけ置きスロット24a内に供給され、貯水される。この状態で、予め決められた時間のつけ置き処理が実行される。
【0080】
次いで、ステップS14において、制御装置11の制御の下、円筒部駆動部28が回転し、例えば上方から見て時計回りに円筒部25を回転させる。使用済み紙おむつ18が格納されたつけ置きスロット24aが開口蓋部27の位置に来ると、開口蓋部27が開かれて開口蓋部27を通って、使用済み紙おむつ18が落下し、処理槽20に格納される。
【0081】
次いで、ステップS15~S18は、実施形態1のステップS5~S8と同様であり、ステップS15で水と薬液が混合された低濃度の処理液19を処理槽20に貯水した後、ステップS16で攪拌処理を実施される。そして、ステップS17では処理槽20から排水を行った後に、脱水処理が実行され、ステップS18で、取り出しが行われる。
【0082】
次いで、ステップS19において、制御装置11の制御の下に円筒部駆動部28が回転し、例えば上方から見て時計回りに円筒部25を回転させたのち、つけ置きスロット24aに使用済み紙おむつ18があることが確認された場合は、再度、ステップS12からステップS18までの処理が繰り返されることにより、使用済み紙おむつ18の減量処理が実行される。そして、再度、ステップS19を実行する。
【0083】
ステップS19において、つけ置きスロット24に使用済み紙おむつがないことが確認されると、ステップS20に進み、一連の処理が終了する。
【0084】
なお、つけ置きスロット24aに空きがあれば、いつでも使用済み紙おむつ18をつけ置きスロット24aに投入することが出来る。
【0085】
なお、待機スロット24bに使用済み紙おむつ18がある状態で、ステップS14が実行されて円筒部25が回転し、つけ置きスロット24aに使用済み紙おむつ18が検知出来た際に、ただちに、ステップS13を実行するようにすることで、つけ置き処理と処理槽20での減量処理を並行して動作させることが可能となる。
【0086】
本実施形態2の構成によれば、複数のスロット24で構成された連続投入部23を備えるために、処理槽20に投入した使用済み紙おむつ18の減量処理が完了した際に、つけ置きスロット24aに貯蔵されていた使用済み紙おむつ18の減量処理が自動的に開始され、連続して減量処理を実施することができる。そのため、処理装置1Bの非稼働時間なしで使用済み紙おむつ18を処理していくことが可能である。また、作業者は使用済み紙おむつ処理装置1Bが稼働中でも、回収した使用済み紙おむつ18を連続投入部23のつけ置きスロット24aに投入してつけ置き処理を実施することが可能である。そのため、減量処理が完了したタイミングを見計らって、次のつけ置き処理を開始させる必要がなく、処理装置1Bを操作するための作業者の負担を軽減することも可能である。すなわち、作業者の手を煩わせることなく、効率的に使用済み紙おむつの減量処理を実施することが可能である。
【0087】
以上、説明した本実施形態2によれば、実施形態1の作用効果に加えて、複数のスロット24で構成された連続投入部23を備えるために、複数の使用済み紙おむつ18を連続して減量処理することができる。そのため、処理装置1Bの非稼働時間なしで使用済み紙おむつ18を処理することが可能である。また、作業者は使用済み紙おむつ処理装置が稼働中でも、回収した使用済み紙おむつ18を投入することが可能であるため、効率的に使用済み紙おむつ18の減量処理を実施することが可能である。
【0088】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施形態を適宜変形して実施することが可能である。
【0089】
例えば、前記様々な実施形態又は変形例のうちの任意の実施形態又は変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。また、実施形態同士の組み合わせ又は実施例同士の組み合わせ又は実施形態と実施例との組み合わせが可能であると共に、異なる実施形態又は実施例の中の特徴同士の組み合わせも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明の前記態様にかかる使用済み紙おむつ処理方法及び装置は、排泄物に含まれる水分を吸収した高吸水性ポリマーと2価の金属イオンなどを含む薬品を混合することで、高吸水性ポリマーが持つ吸水機能を低下させることで水分を離水させ、使用済み紙おむつが含む水分量を低下させることで重量を減量することが可能である。また、本発明の前記態様にかかる使用済み紙おむつ処理方法及び装置は、脱水処理後の使用済み紙おむつを作業者が直接、内槽から取り出す必要がないため、作業者の作業負担及び衛生面での負担を低減することが可能であり、紙おむつを多量に使う高齢者施設、又は、保育施設での作業改善等に利用することが可能である。
【符号の説明】
【0091】
1 使用済み紙おむつ処理装置
1B 使用済み紙おむつ処理装置
2 投入扉
3 装置本体
4 外槽
5 内槽
5a 貫通穴
5b 円錐部
5c 円筒部
6 取出部
7 格納容器
8 廃棄用袋
9 液排出部
10 液供給部
11 制御装置
12 モータ
13 シャフト
14 ベルト
15 外槽底部
17 内槽底部
18 使用済み紙おむつ
19 処理液
20 処理槽
21 投入扉
21a 投入口
22 格納用投入扉
23 連続投入部
24 スロット
24a つけ置きスロット
24b 待機スロット
24c 投入スロット
25 円筒部
26 貯蔵タンク
27 開口蓋部
28 円筒部駆動部
29 防水シート
36 仕切り板
51 つけ置き処理部
52 つけ置き槽
53 つけ置き槽底蓋
53a ヒンジ部
54 薬液
54a 薬液タンク
55a 混合機
55b 混合機
56 薬液供給パイプ
57 薬液供給部
70 回転駆動部
71 ヒンジ部
72 ヒンジ部
101 使用済み紙おむつ処理装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10