(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171030
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】除袋装置
(51)【国際特許分類】
B65B 69/00 20060101AFI20231124BHJP
【FI】
B65B69/00 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022083212
(22)【出願日】2022-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】503466705
【氏名又は名称】株式会社 ツネザワ工業
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】弁理士法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】経澤 幸弘
【テーマコード(参考)】
3E058
【Fターム(参考)】
3E058AA04
3E058BA05
3E058BA20
3E058CA02
3E058DA01
3E058EA01
3E058FA05
(57)【要約】
【課題】より確実な除袋作業を可能とする除袋装置を提供することを目的とする。
【解決手段】内容物が袋で包装された包装体から前記袋を除去する除袋装置であって、前記包装体を搬送するメインコンベアと、前記メインコンベアで搬送中に前記包装体の前記袋の少なくとも一部を切断するカッターを有するカッター機構と、前記カッターによる前記袋の切断後に前記袋を前記包装体から分離して排出するローラ機構とを備え、前記ローラ機構は、周囲に歯車が設けられた第1ローラと、周囲に歯車が設けられ前記第1ローラと噛み合う第2ローラとを備え、前記袋は、回転する前記第1ローラと前記第2ローラの間を通過して排出される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が袋で包装された包装体から前記袋を除去する除袋装置であって、
前記包装体を搬送するメインコンベアと、前記メインコンベアで搬送中に前記包装体の前記袋の少なくとも一部を切断するカッターを有するカッター機構と、前記カッターによる前記袋の切断後に前記袋を前記包装体から分離して排出するローラ機構とを備え、
前記ローラ機構は、周囲に歯車が設けられた第1ローラと、周囲に歯車が設けられ前記第1ローラと噛み合う第2ローラとを備え、前記袋は、回転する前記第1ローラと前記第2ローラの間を通過して排出されることを特徴とする除袋装置。
【請求項2】
請求項1に記載の除袋装置において、
前記第1ローラと前記第2ローラは、上側を前記第1ローラ、下側を前記第2ローラとして、上下に平行に設けられることを特徴とする除袋装置。
【請求項3】
請求項2に記載の除袋装置において、
前記第1ローラと前記第2ローラの回転中心軸の方向は、前記メインコンベアの搬送方向に対して搬送方向後方側が横方向外側に傾いて設けられることを特徴とする除袋装置。
【請求項4】
請求項2に記載の除袋装置において、
前記第2ローラの歯車の直径は、前記第1ローラの歯車の直径より小さいことを特徴とする除袋装置。
【請求項5】
請求項1に記載の除袋装置において、
前記カッター機構は、当該除袋装置のフレーム側に対して支点を中心として回動することにより前記カッターの高さが変更可能な可変機構を備え、前記包装体が前記カッターの下部を通過した際に、前記包装体の厚みに応じて前記カッターが上方に移動可能であることを特徴とする除袋装置。
【請求項6】
請求項1に記載の除袋装置において、
前記メインコンベアの上方に設けられる上部コンベアを備え、前記包装体が、前記カッター機構及び前記ローラ機構を通過する際は、前記メインコンベアの上側と前記上部コンベアの下側に挟まれて搬送されることを特徴とする除袋装置。
【請求項7】
請求項6に記載の除袋装置において、
前記上部コンベアは、テンション機構を備え、
前記テンション機構は、前記上部コンベアのコンベアベルトをバネの弾性力を用いて内側から下方に付勢するローラを有することを特徴とする除袋装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除袋装置に関し、特に、内容物が袋で包装された包装体から袋を除去する除袋装置に関する。
【背景技術】
【0002】
袋に入れられた内容物を包装体から取り出す場合、人手による作業は、手間と時間がかかり、その量が多ければ多いほど作業者の負担は増加する。一方、食肉等の食品の場合は、内容物を大きく傷つけることなく、除袋作業を行う必要が生じる。
【0003】
例えば、特許文献1には、包装体を搬送するコンベアと、コンベアで搬送中の包装体に接触することで袋を切り開くカッターと、袋が切り開かれた包装体に接触するようにコンベアの上方に配置されたローラとを備え、ローラは、コンベアで搬送中の包装体の搬送方向に対して斜めに交差する軸を中心に回転し、コンベアおよびローラは、袋を挟んで搬送方向に搬送するとともに、内容物を搬送方向に対して交差する方向に搬送し、袋と内容物とを分離する除袋装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1は、ローラとコンベアで袋を挟むために、ローラとコンベアの間で滑りやすくなり、確実な除袋作業が行えない可能性が生じる。特に、食肉などの食品による油がローラやコンベアに付着すると、その傾向が強く生じる可能性が高くなる。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みて、より確実な除袋作業を可能とする除袋装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、代表的な本発明の除袋装置の一つは、内容物が袋で包装された包装体から前記袋を除去する除袋装置であって、前記包装体を搬送するメインコンベアと、前記メインコンベアで搬送中に前記包装体の前記袋の少なくとも一部を切断するカッターを有するカッター機構と、前記カッターによる前記袋の切断後に前記袋を前記包装体から分離して排出するローラ機構とを備え、前記ローラ機構は、周囲に歯車が設けられた第1ローラと、周囲に歯車が設けられ前記第1ローラと噛み合う第2ローラとを備え、前記袋は、回転する前記第1ローラと前記第2ローラの間を通過して排出されることを特徴とする除袋装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、除袋装置において、より確実な除袋作業を行うことができる。
上記以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の除袋装置の基本構成の一例を示す上面図である。
【
図2】本発明の除袋装置の基本構成の一例を示す側面図である。
【
図3】本発明の除袋装置のモータを含めた一例を示す上面図である。
【
図4】本発明の除袋装置のモータを含めた一例を示す正面図である。
【
図5】本発明の除袋装置のローラ機構の一例を示す側面図である。
【
図6】本発明の除袋装置のローラ部の一例を示す断面図である。
【
図7】本発明の除袋装置のカッター機構の一例を示す側面図である。
【
図8】本発明の除袋装置のカッター機構の一例を示す上面図である。
【
図9】本発明の除袋装置の上部コンベアの一例を示す側面図である。
【
図10】本発明の除袋装置のフレーム構成まで含めた一例を示す側面図である。
【
図11】本発明の除袋装置のフレーム構成まで含めた一例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための形態を説明する。
【0011】
各図において、x方向がメインコンベア10の搬送方向であり、y方向がメインコンベア10の幅方向もしくは横方向(メインコンベア10の搬送方向に直角な方向)であり、z方向が除袋装置1の高さ方向(上下方向)であることを示す。
【0012】
(基本構成)
図1は、本発明の除袋装置の基本構成の一例を示す上面図である。
図2は、本発明の除袋装置の基本構成の一例を示す側面図である。
【0013】
除袋装置1の基本構成として、メインコンベア10、上部コンベア20、カッター機構30、ローラ機構50を備えている。
【0014】
メインコンベア10は、コンベアベルト11と、コンベアベルト11のx方向の両端内側に設けられた2つの軸12、13を備えている。2つの軸12、13は、メインコンベア10のフレーム15に対して回転可能に取り付けられている。軸12、13のいずれかを回転駆動させることでコンベアベルト11の上側をx方向に移動させることが可能となる。これにより、メインコンベア10は、コンベアベルト11の上部に置いた包装体201を一方向へ搬送することが可能となる。メインコンベア10は、傾斜11aを備えていてもよい。傾斜11aは、搬送方向前方に行くに従い高さが高くなる傾斜であり、上部コンベア20よりも搬送方向前方の先まで存在する。
【0015】
ここで、包装体201は、内容物202が袋203で覆われた状態を示すものである。内容物202としては、食肉等の食品であり、冷凍品でもよい。また、袋203は、食品等に用いる袋であればよい。例えば、ナイロンやポリエチレンのフィルムなどである。
【0016】
上部コンベア20は、コンベアベルト21と、コンベアベルト21のx方向の両端内側に設けられた2つの軸22、23を備えている。2つの軸22、23は、上部コンベア20のフレーム25に対して回転可能に取り付けられている。上部コンベア20は、メインコンベア10の上部に設けられており、軸22、23のいずれかを回転駆動させることでコンベアベルト21の下側を搬送方向前方へ移動させることが可能となる。メインコンベア10のコンベアベルト11の上側と、上部コンベア20のコンベアベルト21の下側との間には、包装体201が挟まるように隙間が設定されている。また、上部コンベア20は、後述するテンション機構60を備えることができる。なお、上部コンベア20の幅はメインコンベア10の幅よりも狭く、また、包装体201の幅よりも狭く設定される。
【0017】
カッター機構30は、カッター31、軸32、可変機構40を備えている。カッター31は、周囲が円形の回転刃31aを備えている。軸32はy方向に沿って設けられカッター31の中心に固定されている。軸32を回転駆動させるとカッター31が回転する。回転刃31aの設置方向は、包装体201の搬送方向に沿って設けられる。カッター31は、メインコンベア10の上部で、上部コンベア20のy方向の一端側側方に、上部コンベア20よりも少しずれて設けられている。メインコンベア10のコンベアベルト11の上側と、カッター31の下側には、包装体201が入り込む隙間が設定されている。この隙間は、カッター31が少なくとも包装体201の袋203の上側を切断できるように設定されている。また、カッター機構30は、後述する可変機構40を備えることができる。
【0018】
ローラ機構50は、第1ローラ51と第2ローラ52を備えている。第1ローラ51と第2ローラ52は、同じ長さの円筒形状で、高さ方向(z方向)に平行に上下に2つが並んで設置されている。さらに、第1ローラ51と第2ローラ52は、周囲に設けられた歯車で構成することができ、互いに噛み合って構成される。これにより、第1ローラ51と第2ローラ52のうち一方が回転すると、その噛み合いにより、他方も回転する。回転方向は、上下に並んだ第1ローラ51と第2ローラ52の間の方向が
図1の矢印Bの方向となる方向である。また、第1ローラ51は軸53(
図2では図示省略)を、第2ローラ52は、軸54を備えている。
【0019】
また、ローラ機構50は、上部コンベア20に対して、カッター機構30とはy方向の反対側(y方向の他端側)側方に、上部コンベア20よりも少しずれて設けられている。また、ローラ機構50は、メインコンベア10に対して、y方向の他端側側方に設けられている。ローラ機構50の第1ローラ51と第2ローラ52の回転中心軸の方向は、コンベアの搬送方向(x方向)に平行よりも少し傾いて設けられる。
図1のように上から見た場合、第1ローラ51と第2ローラ52の長手方向は、x方向に対して角度θだけ搬送方向後方側が横方向(y方向)外側に傾いて設けられる。この角度は、例えば、3°以上20°以下、さらには5°以上10°以下の範囲などで適用できる。
【0020】
また、第1ローラ51と第2ローラ52の高さ方向は、その間の位置Pが、メインコンベア10よりも上の位置である。好ましくは、包装体201の高さ方向の中央付近に位置Pを設定するとよい。
図2では、上部コンベア20が包装体201で上部に持ち上がることを想定して、上部コンベア20のコンベアベルト21の下側よりも上方側に設定してある。
【0021】
(モータまで含めた構成)
図3は、本発明の除袋装置のモータを含めた一例を示す上面図である。
図4は、本発明の除袋装置のモータを含めた一例を示す正面図である。なお、
図3ではコンベアベルト11、21の図示は簡略化している。また、
図4では、モータ102や軸22の図示は省略し、フレームの図示も簡略化している。
【0022】
除袋装置1は、
図1、2で示した基本構成に加えて、駆動装置であるモータ101、102、103、104の構成を備えている。
【0023】
モータ101は、メインコンベア10に対して、幅方向(y方向)におけるローラ機構50とは逆側の側面で、メインコンベア10の搬送方向前方側の軸13の延長上に備えられる。モータ101を稼働させると、軸13が回転(
図2の矢印の方向)し、メインコンベア10のコンベアベルト11を動かすことができる。
【0024】
モータ102は、メインコンベア10に対して、幅方向(y方向)におけるローラ機構50とは逆側の側面で、上部コンベア20の搬送方向後方側の軸22の延長上に備えられる。モータ102を稼働させると、軸22が回転(
図2の矢印の方向)し、上部コンベア20のコンベアベルト21を動かすことができる。
【0025】
モータ103は、メインコンベア10に対して、幅方向(y方向)におけるローラ機構50とは逆側の側面で、カッター機構30の軸32の延長上に備えられる。モータ103を稼働させると、軸32が回転し、カッター機構30のカッター31を回転させることができる。回転方向は、下側がメインコンベア10の搬送の前進方向と同じ方向になるようにすることで、包装体201を搬送の前進方向に送りながら、袋203をカッター31で切断できる。一方、逆の回転方向でもよく、この場合は、包装体201が抵抗を受けながらカッター31による袋203の切断力を強くすることができる。
【0026】
モータ101、102、103は、メインコンベア10の幅方向(y方向)の同じ側面側に設置されており、搬送方向後方から前方にいくに従って、モータ102、モータ103、モータ101の順で設けられている。
【0027】
モータ104は、メインコンベア10の幅方向(y方向)において、モータ101、102、103とは逆側の側面で、第1ローラ51の軸53の搬送方向後方側の延長上に備えられる。モータ104を稼働させると、軸53が回転し、第1ローラ51が回転するとともに、第1ローラ51に噛み合う第2ローラ52も回転する。また、モータ104は、上側をメインコンベア10側にやや傾けて配置され、近傍の作業者の邪魔にならないように構成している。
【0028】
(ローラ機構)
図5は、本発明の除袋装置のローラ機構の一例を示す側面図である。
図6は、本発明の除袋装置のローラ部の一例を示す断面図である。
図5は、ローラ機構50の長手方向の側面図である。
図6は、
図5のDD断面に相当する。
【0029】
上側の第1ローラ51と下側の第2ローラ52は、互いに噛み合う構成であるが、それぞれが噛み合う歯車で構成することができる。第1ローラ51と第2ローラ52の直径(ピッチ円直径)や歯数は同じものを使用できるが、ここでは、第2ローラ52は、第1ローラ51よりも小さい直径(歯数の少ない)歯車を用いることができる。例えば、第2ローラ52の直径が、第1ローラ51の直径の0.7倍以上0.95倍以下、さらには0.8倍以上0.9倍以下等である。下側の第2ローラ52の直径を上側の第1ローラ51の直径よりも小さくすることで、噛み込みがよくなることが実験で確かめられている。これは、包装体201が第2ローラ52に当接しにくくして、第1ローラ51と第2ローラ52の間に袋203の噛み込みをしやすくなるためであると考えられる。
【0030】
図6では、インボリュート歯車を使用しており、第1ローラ51の歯数が25であり、第2ローラ52の歯数が22である。モジュールが同じであるため、直径もこれに比例する。また、
図6では、右側がメインコンベア10側となる。
【0031】
モータ104を稼働させると、軸53が回転し、第1ローラ51が
図6の矢印の方向に回転する。すると、第1ローラ51に噛み合う第2ローラ52は、第1ローラ51と反対方向の
図6の矢印の方向に回転する。すると、第1ローラ51と第2ローラ52の間では
図6のBで示される矢印の方向へ向かう力が発生している。このため、ローラ機構50に達した袋203は、第1ローラ51と第2ローラ52の間で噛み込まれながら通過して、
図6で示す大きな矢印Bの方向に搬送する。
【0032】
(カッター機構の可変機構)
図7は、本発明の除袋装置のカッター機構の一例を示す側面図である。
図8は、本発明の除袋装置のカッター機構の一例を示す上面図である。
【0033】
カッター機構30は、可変機構40を備えており、可変機構40は、固定軸41、ボス42、調節プレート43、フレーム44、取付プレート45、ストッパ46を備えている。
【0034】
フレーム44は、モータ103のカッター31側の側面に設けられ、モータ103よりもx方向両側にはみ出して構成される。
【0035】
調節プレート43は、フレーム44に取り付けられx方向の一端側(
図7、8の例では、搬送方向後方側)にはみ出して構成される。ネジとx方向に延びる溝による構成により、取付位置(特にx方向の位置)を調整するように構成してもよい。調節プレート43のフレーム44よりはみ出した方の端部にはボス42が固定される。
【0036】
ボス42は、y方向に延びる固定軸41に対して回動可能に取付可能とする部材である。例えば、ベアリングなどを介して回動させることができる。ボス42の中心が回動中心Eとなり、カッター31の中心よりもx方向にずれて構成される。
【0037】
固定軸41は、一端がねじ部41aを構成し、後述する基礎フレーム80側へ固定される。また、途中の軸部41bでは、ボス42に対して回動可能に取り付けられる。
図7、8の例では、固定軸41は、カッター31の中心に対して、搬送方向(x方向)後方側に位置する。
【0038】
取付プレート45は、フレーム44に取り付けられx方向の他端側(
図7、8の例では、搬送方向前方側)にはみ出して構成される。取付プレート45のフレーム44よりはみ出した方の端部にはストッパ46が固定される。取付プレート45は、ナットなどの固定調整部材45aを備え、ストッパ46のz方向の位置を調整できるようになる。
【0039】
ストッパ46は、下端が基礎フレーム80側に固定される受け部91に当接することによりストッパの機能を果たす部材で、取付プレート45に固定される。具体的には、雌ネジ部を有するボルト形状で構成することができ、雌ネジ部が固定調整部材45aと螺合してz方向の調整可能に設けられる。この場合、下端部はボルトの頭部となる。
【0040】
上記の構成により、モータ103やカッター31よりも、x方向の一方に回動中心Eが、x方向の他方にストッパ46を配置する構成となる。回動中心Eを中心としてカッター機構30全体が回動してカッター31を上下動可能に構成される。作業を行わない場合は、モータ103やカッター31等の自重によりストッパ46が受け部91に当接している。一方で、カッター31が下端側に包装体201が通過すると、その切断の際の抵抗に応じて、モータ103やカッター31等の自重に抗して持ち上がることが可能となる。このとき、ストッパ46は、受け部91から離れて上側に移動する。
【0041】
(上部コンベアのテンション機構)
図9は、本発明の除袋装置の上部コンベアの一例を示す側面図である。ここでは、上部コンベア20に備えるテンション機構60を説明する。なお、テンション機構60は、
図1~4では図示を省略した。
【0042】
テンション機構60は、ローラ61、支持フレーム62、バネ63、調節部64、取付部65を備えている。
【0043】
ローラ61は、円筒形状であり、円筒が支持フレーム62に回転可能に取り付けられる。このときの中心軸はy方向となる。ローラ61の外周は、上部コンベア20の下側のコンベアベルト21の内側に接触する。コンベアベルト21が動くとローラ61の外周が当接するため、コンベアベルト21の動きに合わせて回転する。
【0044】
支持フレーム62は、上部コンベア20のフレーム25に対して回動中心Gで回動可能に構成される。支持フレーム62は、全体として途中で折れ曲がる形状であり、折れ曲がる部分に回動中心Gが存在する。支持フレーム62は、回動中心Gよりも上部側の端部にはバネ63の一端が取り付けられ、回動中心Gよりも搬送方向前方の端部にローラ61が取り付けられる。
【0045】
バネ63は、引きバネの形状であり、一端は支持フレーム62に、他端は調節部64の一端に取り付けられる。バネ63は、x方向に沿って設けられ、バネが長くなるほど弾性力が縮む方向に働く。
【0046】
調節部64は、一端はバネ63が取り付けられ、他端は取付部65に固定される。調節部64は雄ネジ部を備えて、ナットなどを用いて固定される。これにより、取付部65に対してx方向の位置を調節可能となり、バネ63の弾性力を変更可能となる。
【0047】
取付部65は、上部コンベア20のフレーム25に固定される。位置は、コンベアベルト21よりも高い位置で調節部64を固定する構成とすることで、バネ63の弾性力の調整を行いやすくできる。なお、上部コンベア20のフレーム25は、後述する基礎フレーム80に固定される。
【0048】
テンション機構60は、
図9に示すようにx方向に沿って2つ設けられる。これにより、コンベアベルト21の下側を内側か下方に向けて2カ所で付勢する。なお、テンション機構60の数は1つでも、3つ以上でもよい。複数設けることで所定距離にわたって確実な付勢を行える。
【0049】
上記の構成により、包装体201が上部コンベア20の下側を通過する際に、包装体201の厚みにより上に向けて力がかかる。この際、ローラ61が上昇するため支持フレーム62が回動中心Gを中心として回動する(
図9では時計回り)。すると、支持フレーム62の上端側では、バネ63を伸ばす方向に移動するため、バネ63を縮む方向に力が働く。すると、支持フレーム62に対して、もとに戻す逆の回動方向(
図9では反時計回り)に力が伝わる。このことで、ローラ61が包装体201を押さえる方向に力がはたらき、包装体201をずれにくくすることができる。
【0050】
(フレーム構成)
図10は、本発明の除袋装置のフレーム構成まで含めた一例を示す側面図である。
図11は、本発明の除袋装置のフレーム構成まで含めた一例を示す正面図である。
【0051】
除袋装置1の基礎フレーム80は、メインコンベア10の高さを作業しやすい高さに設定できる除袋装置1側のフレームである。基礎フレーム80は、パイプ部材80a等で構成すことができ、下方にキャスタ85を設け移動しやすい構成とすることができる。基礎フレーム80は、メインコンベア10のフレーム15、上部コンベア20のフレーム25、可変機構40の固定軸41、ローラ機構50のフレーム55、56に対して固定する。なお、
図11では、上部コンベア20のフレーム25に対する固定の図示は省略している。各モータ101、102、103、104も基礎フレーム80側に固定されている。
【0052】
(作用)
次に除袋装置1の作用について説明する。最初に
図1や3に示すように包装体201は、メインコンベア10上で、上部コンベア20よりも搬送方向の手前側に配置している。この状態からモータ101を稼働させると、メインコンベア10の上側のコンベアベルト11が矢印A1の方向に動き、包装体201もそれに合わせて矢印A1の方向に移動する。最初は
図2に示す傾斜11aを移動することで、上部コンベア20の下側に包装体201が入りやすいように設定されている。
【0053】
次に、包装体201が上部コンベア20に達すると、包装体201は、メインコンベア10の上側のコンベアベルト11と、上部コンベア20の下側のコンベアベルト21とで上下に挟まれて搬送される。このとき、上部コンベア20のコンベアベルト21は、モータ102を稼働させることにより、コンベアベルト21を動かすことができる。ここで、メインコンベア10の上側のコンベアベルト11と、上部コンベア20の下側のコンベアベルト21は、搬送方向と搬送速度が同じになるように設定される。上部コンベア20には、
図9で説明したテンション機構60を備えるため、包装体201を下側に押さえながら、ずれにくくして搬送することが可能となる。
【0054】
次に、包装体201は、カッター機構30に達する。カッター機構30は、モータ103を稼働することでカッター31を回転することができる。カッター機構30の回転するカッター31により、包装体201の幅方向(y方向)の一端側の端部付近を、搬送方向(x方向)に沿って上部から切断する。これにより、包装体201の幅方向(y方向)の一端側の端部付近において、少なくとも包装体201の袋203の上側が、搬送方向に沿ってすべて切断される。このとき、可変機構40を備えることで、包装体201の袋203の上側に沿って切断することが可能となり、必要以上に内容物202の切断を防止し、また、切断抵抗を必要以上に大きくすることを防止する。
【0055】
次に、包装体201は、ローラ機構50に達する。ローラ機構50は、モータ104を稼働することで一方のローラである第1ローラ51を回転して、それと噛み合う第2ローラ52も同時に回転させることができる。第1ローラ51及び第2ローラ52は、包装体201の幅方向(y方向)の他端側(カッター機構30と反対側)の端部の袋203を噛み込む。このとき、第1ローラ51及び第2ローラ52の傾き角度θ(
図1、3)により、包装体201の幅が異なっても、袋203の幅方向の他端側の端部を噛み込みやすくすることが可能となる。
【0056】
ローラ機構50により、一端側の端部付近が切断された包装体201の袋203は、内容物202をメインコンベア10上に置いたまま分離する。このとき、袋203は、第1ローラ51と第2ローラ52の間を通って、メインコンベア10の横方向(幅方向)の外側(
図1、3の矢印Bの方向)に排出される。袋203は噛み合うローラの間を通るため、確実な排出が可能となる。一方、内容物202は、そのまま、メインコンベア10及び上部コンベア20に挟まれて搬送方向に搬送される。そして、ローラ機構50を通過すると、上部コンベア20はなくなり、内容物202は、メインコンベア10のみで搬送方向前側(
図1、3の矢印A2の方向)へ搬送される。
【0057】
このようにして、包装体201から袋203を取り除き、内容物202のみを取り出すことができる除袋作業を行うことが可能となる。
【0058】
(効果)
以上のような実施形態により、包装体201から袋203を確実に取り除くことができる。特に、2つのローラが噛み合うローラ機構50は、袋203等に油がついていても、滑ることにより排出できなくなるリスクを避けることが可能となる。また、下側のローラの直径を小さくすることで、噛み込みをよくできる。また、ローラ機構50を側面に設けることで、内容物202はメインコンベア10に載ったままなので、内容物202を必要以上に傷つけることは防止でき、さらに、その後の作業も行いやすくなる。このとき、ローラを斜めに配置することで、包装体201の大きさに応じて袋203の噛み込みがやりやすくなる。さらに、上部コンベア20のテンション機構60により、包装体201がずれずに確実な除袋作業を行うことができる。また、カッター機構30の可変機構40により、包装体201の袋203を的確に切断することが可能となる。
【0059】
以上の様に、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、上述した以外の様々な変形例も含まれる。例えば、上記した実施形態に設けられた全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を削除したり、他の構成に置き換えたりすることも可能である。
【0060】
例えば、内容物202として食品を示したが、食品以外の内容物でも本発明を適用することが可能である。
【0061】
また、メインコンベア10に対して包装体201及び内容物202がずれにくいものであれば、上部コンベア20はなくても適用可能である。
【符号の説明】
【0062】
1 除袋装置
10 メインコンベア
11 コンベアベルト
15 フレーム
20 上部コンベア
21 コンベアベルト
25 フレーム
30 カッター機構
31 カッター
40 可変機構
41 固定軸
42 ボス
46 ストッパ
50 ローラ機構
51 第1ローラ
52 第2ローラ
60 テンション機構
61 ローラ
62 支持フレーム
63 バネ
80 基礎フレーム
101、102、103、104 モータ
201 包装体
202 内容物
203 袋