(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171060
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】照明装置、及び、バイタル情報管理システム
(51)【国際特許分類】
F21V 23/04 20060101AFI20231124BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20231124BHJP
F21S 8/04 20060101ALI20231124BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20231124BHJP
【FI】
F21V23/04 500
F21V23/00 113
F21S8/04
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022083275
(22)【出願日】2022-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】田上 直紀
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
(57)【要約】
【課題】より適切に構成された照明装置等を提供する。
【解決手段】照明装置100は、光を発する発光素子103と、ユーザ(対象者)からの電波をセンシングすることによって、ユーザのバイタル情報を取得する電波センサ102と、取得したバイタル情報を、外部のサーバ装置200であって、バイタル情報に基づく分析を行うサーバ装置200に送信するための通信アンテナが内蔵された通信部101と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を発する発光素子と、
対象者からの電波をセンシングすることによって、前記対象者のバイタル情報を取得する電波センサと、
取得した前記バイタル情報を、外部のサーバ装置であって、前記バイタル情報に基づく分析を行うサーバ装置に送信するための通信アンテナと、を備える
照明装置。
【請求項2】
前記電波センサは、所定方向を中心に拡がる被センシング領域内の電波をセンシングし、
前記照明装置には、前記所定方向に直交する方向から見て、前記所定方向を0度としたときに前記電波センサの位置において50度で交差する第1境界線、及び、-50度で交差する第2境界線に挟まれた領域内において電波を遮蔽する遮蔽物が存在しない
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記発光素子が実装された発光素子基板を備え、
前記電波センサは、前記発光素子基板に実装されている
請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
表面及び前記表面とは反対側の裏面を有し、前記発光素子が前記表面に実装された発光素子基板を備え、
前記電波センサは、前記発光素子基板とは異なる電波センサ基板であって、前記発光素子基板よりも、前記発光素子基板の前記裏面側に配置された電波センサ基板に実装され、
前記発光素子基板には、前記第1境界線及び前記第2境界線に挟まれた領域と重なる位置において、前記表面と前記裏面とが連通している
請求項2に記載の照明装置。
【請求項5】
前記バイタル情報は前記対象者の脈波であり、
前記サーバ装置では、前記脈波に基づく分析により、前記対象者の心拍数、呼吸数、血圧値、及び、ストレスレベルの少なくとも1つを含む生体徴候を算出する
請求項1に記載の照明装置。
【請求項6】
前記電波センサは、
所定方向を中心に拡がる被センシング領域内の電波をセンシングし、
前記所定方向を変更可能に構成されている
請求項1に記載の照明装置。
【請求項7】
引掛シーリングボディと前記照明装置の本体とを接続するための照明装置用アダプタであって、前記引掛シーリングボディに対向する第1面、及び、前記第1面と反対側の第2面を有する筐体と、第1端子及び第2端子とを有し、前記第1端子及び前記第2端子のそれぞれは、一方の端部が前記筐体の前記第1面側に設けられた端子挿通孔から突出し、他方の端部が前記筐体の前記第2面側に設けられた前記照明装置の本体内に位置している
請求項1に記載の照明装置。
【請求項8】
E17口金ソケットにねじ込まれるE17口金を備える
請求項1に記載の照明装置。
【請求項9】
GX53口金ソケットにねじ込まれるGX53口金を備える
請求項1に記載の照明装置。
【請求項10】
前記電波センサは、24GHz帯域に属する電波をセンシングすることによって、前記バイタル情報を取得する
請求項1に記載の照明装置。
【請求項11】
前記照明装置は、着座姿勢で便器を利用する前記対象者からの電波をセンシング可能な位置に前記電波センサが配置されるように設置される
請求項1~10のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項12】
前記照明装置は、臥位姿勢で寝具を利用する前記対象者からの電波をセンシング可能な位置に前記電波センサが配置されるように設置される
請求項1~10のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項13】
請求項1に記載の照明装置と、
前記サーバ装置と、を備える
バイタル情報管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井に設けられる照明装置、及び、これを備えるバイタル情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天井から光を照射するようにして設置される照明装置が知られている。例えば、特許文献1では、このような照明装置の一例として人感センサ、照度センサ、及び、リモコン受信部等として電波センサを備える照明器具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、天井に設けられる照明装置は、機能面で十分に適切に構成されていない場合がある。そこで、本開示では、機能面で、より適切に構成された照明装置等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る照明装置は、光を発する発光素子と、対象者からの電波をセンシングすることによって、前記対象者のバイタル情報を取得する電波センサと、取得した前記バイタル情報を、外部のサーバ装置であって、前記バイタル情報に基づく分析を行うサーバ装置に送信するための通信アンテナと、を備える。
【0006】
本発明の一態様に係るバイタル情報管理システムは、上記に記載の照明装置と、前記サーバ装置とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、機能面で、より適切に構成された照明装置等が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施の形態に係るバイタル情報管理システムの概略構成を示す図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係るバイタル情報管理システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る照明装置を側方から見た概略構成図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係る照明装置の各基板を下方から見た配置図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0010】
また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0011】
(実施の形態)
以下、実施の形態に係る照明器具について説明する。
図1は、実施の形態に係るバイタル情報管理システムの概略構成を示す図である。また、
図2は、実施の形態に係るバイタル情報管理システムの機能構成を示す図である。なお、
図1では、
図2に示す端末装置300及び環境制御装置400を図示しておらず、
図2では、
図1に示す便器600を図示していない。
【0012】
図1及び
図2に示すように、本実施の形態におけるバイタル情報管理システム500は、照明装置100と、サーバ装置200と、端末装置300と、環境制御装置400と、を備える。
【0013】
照明装置100は、例えば、
図1に示すように、便器600が設置された個室空間を照らすために、便器600の略直上の天井等に配置され、光を照射する装置である。このような天井等の人よりも比較的上方に配置されている照明装置100では、その配置位置から、下方の便器600を利用するユーザをとらえやすい。ユーザをとらえやすいとは、ユーザと照明装置100とを結ぶ直線上に、他の物体が存在しにくいということを意味する。特に、照明装置100は、光を照射して便器を照らすので、必然的に便器600を利用するユーザとの間に遮蔽物が存在しにくい。さらに、
図1に例示される便器600はユーザが静止した状態で利用することが通常である。加えて、照明装置100には、電力線が引かれているので、そこから分岐させて電力の供給を受けることが可能になっている。このような状況から、天井等に設けられる照明装置100の配置位置は、便器を利用するユーザをセンシングすることに適している。
【0014】
そこで、本開示における照明装置100には、ユーザからの電波をセンシングすることで、ユーザのバイタル情報を取得可能な電波センサ102が設けられている。一方で、電波センサ102によって取得したユーザのバイタル情報を分析すれば、当該ユーザの生体徴候(バイタルサインともいう)を算出することができるが、このような分析にはある程度の規模の計算装置が必要である。しかしながら、照明装置100の内部という限られた空間内に、このような規模の計算装置を配置することは現実的ではないので、本開示におけるバイタル情報管理システム500では、この分析機能を実現するための外部のサーバ装置200を備えている。そのため、照明装置100は、サーバ装置200と通信可能に構成された通信部101を備える。ただし、半導体技術の進歩又は派生する別技術により、限られた空間内であっても比較的大規模の計算装置と同様の演算が可能な集積回路などが登場すれば、当然、その集積回路などを用いて照明装置100内に分析機能を実装してもよい。その場合、サーバ装置200には、分析結果だけが送信されて蓄積される構成となる。
【0015】
以下、
図2を参照して、バイタル情報管理システム500についてさらに詳しく説明する。
図2に示すように、照明装置100は、通信部101と、電波センサ102と、発光素子103と、電源部104と、照明装置用アダプタ105と、を備える。
【0016】
通信部101は、サーバ装置200、より具体的には、サーバ通信部201と通信するための通信モジュールである。通信部101は、通信アンテナと電波増幅器及び信号変換器と等から構成される。
【0017】
電波センサ102は、ユーザ(つまり対象者)から発せられた電波をセンシングすることによって、ユーザのバイタル情報を取得するセンシングモジュールである。電波センサ102は、電波を受波するための受波アンテナと電波増幅器及び信号変換器と等から構成される。本実施の形態では、例えば、電波センサ102として、24GHz帯域に属する電波を受波する電波センサ102が用いられる。24GHz帯域の電波は、ユーザの着衣状態によらず、皮膚表面の振動成分である脈波をセンシングすることが可能となっている。したがって、本実施の形態において、取得されるバイタル情報とは、ユーザの脈波のことを意味している。電波センサによって取得されたバイタル情報は、図示しない変換器により高速フーリエ変換されて、周波数ごとの信号強度のスペクトルとして出力される。
【0018】
発光素子103は、例えば、LED素子などの光電変換素子である。発光素子103としては、電力供給を受けて光を発することができれば、LED素子に限らず、あらゆる発光素子を適用することができる。
【0019】
電源部104は、後述する照明装置用アダプタ105を介して、系統電源から供給される電力を各部に供給するための電源供給モジュールである。電源部104は、AC-DC変換回路及びDC-DC変換回路等から構成される。
【0020】
照明装置用アダプタ105は、詳細な構成は後述するが、天井に設けられた引掛シーリングボディ150(
図3参照)に物理的及び電気的に接続され、照明装置100の主要部分である本体108(
図3参照)を引掛シーリングボディ150に固定するとともに、引掛シーリングボディ150から繋がっている系統電源からの電力を電源部104へと供給する接続機構である。
【0021】
サーバ装置200は、サーバ通信部201と、分析部202と、情報生成部203と、信号生成部204と、出力部205と、を備える。サーバ装置200は、照明装置100が設置された建物内に設けられたエッジサーバであってもよいし、当該建物とは異なるネットワーク上に構築された仮想的なクラウドサーバであってもよい。
【0022】
サーバ通信部201は、照明装置100から高速フーリエ変換が完了したバイタル情報を取得する処理部である。サーバ通信部201は、また、出力部205によって出力された情報及び信号を端末装置300及び環境制御装置400へと送信する処理部でもある。このため、サーバ通信部201は、バイタル情報を取得して、以降の処理に供するために変換するなどの処理を行う、あるいは、出力された情報及び信号を端末装置300及び環境制御装置400によって受信可能な形式に変換するなどの処理を行う機能を有する。
【0023】
分析部202は、取得したバイタル情報に基づく分析によって、ユーザの生体徴候を算出する処理部である。ここで算出される生体徴候は、ユーザの心拍数、呼吸数、血圧値、及び、ストレスレベル(LF/HFのパワー比率)の少なくとも1つを含む。これらの生体徴候は、バイタル情報とは異なる情報である。言い換えると、照明装置100の電波センサ102は、これらの生体徴候を直接にセンシングすることはしない。脈波としてセンシングすることで、1つの情報から分析手法によって種々の生体徴候を一挙に算出できるため、通信部101とサーバ通信部201との通信品質が低い場合であっても、比較的容易に生体徴候を得ることができるという点で有利である。
【0024】
なお、分析部202によるバイタル情報からの生体徴候の算出には、既存のいかなる技術が適用されてもよい。また、分析部202では、ユーザを他のユーザから識別するために、バイタル情報を利用してもよい。つまり、分析部202は、バイタル情報に基づいて、ユーザ認証を行ってもよい。これにより、バイタル情報を取得するだけで、どのユーザの生体徴候を得たのかをサーバ装置200で判断することができる。このため、サーバ装置200では、バイタル情報に含まれるユーザ認証のための特徴量を機械学習などによって学習させた学習済みのユーザ認証モデルをあらかじめ図示しない記憶部等に記憶している。あるいは、単に、バイタル情報を送受信する際のデータのヘッダに、ユーザ認証のための情報が含まれており、サーバ装置200において、この情報を利用してユーザ認証を行ってもよい。
【0025】
情報生成部203は、分析によって得られたユーザの生体徴候を、表示させるため、又は、経時分析のための情報を生成する処理部である。情報生成部203は、例えば、分析結果である生体徴候に含まれる各要素の数値を端末装置300の表示部302に表示させるための画像を生成する。あるいは、情報生成部203は、図示しない記憶部などに分析結果である生体徴候に含まれる各要素の数値を、当該分析に用いられたバイタル情報がセンシングによって得られた日時と紐づけて記憶させるためのデータベース用構築用のエントリを生成する。情報生成部203が生成した情報は、出力部205へと出力される。
【0026】
信号生成部204は、分析によって得られた生体徴候が、予め設定された条件を満たした場合に、環境制御装置400の動作を制御するための制御信号を生成する処理部である。例えば、照明装置100が便器600が設置された個室内に存在し、外気温が比較的低い冬季(例えば、11月~2月等の期間、又は、屋外の温度が屋内より10度以上低い等の条件)において、生体徴候として、心拍波形に不整脈の兆候が見られた場合、ヒートショックのリスクが高いといえるので、信号生成部204は、環境制御装置400の1つである空気調和装置を暖房動作で運転開始させる制御信号を生成する。
【0027】
また、例えば、生体徴候として、LF/HFのパワー比率が大きくなっている兆候が見られた場合、ストレスレベルが上昇している可能性があるので、信号生成部204は、環境制御装置400の1つである音響装置に対して、リラックスできる楽曲の再生を開始させる制御信号を生成する。
【0028】
また、例えば、生体徴候として、血圧値が低くなっている兆候が見られた場合、サーカディアンリズムを整えさせる必要がある可能性があるので、信号生成部204は、環境制御装置400の1つである照明装置(照明装置100であってもよいし、異なる照明装置であってもよい)に対して、光の照射輝度を上昇させる制御信号を生成する。信号生成部204が生成した信号は、出力部205へと出力される。
【0029】
出力部205は、情報生成部203が生成した情報及び信号生成部204が生成した信号の送信先を設定(端末装置300又は各種の環境制御装置400のいずれか)して、サーバ通信部201へと出力することで、適切な装置に生成された情報及び信号が送信されるようにする処理部である。
【0030】
端末装置300は、ユーザ又はユーザの生体徴候を管理する立場の人物(ユーザの両親、上長、又は、医師等)が所有するスマートフォン、PC、タブレット端末等の装置である。端末装置300は、端末通信部301と、表示部302と、を備える。
【0031】
端末通信部301は、サーバ装置200から情報生成部203が生成した情報を取得する処理部である。端末通信部301は、取得した情報(ここでは画像)を表示部302へと出力して、表示させる。
【0032】
表示部302は、端末通信部301から出力された情報を表示するディスプレイモジュールである。表示部302は、液晶、有機EL、マイクロLED等によって画像を表示することが可能に構成されている。
【0033】
環境制御装置400は、ユーザをとりまく環境の状態を変化させる装置であり、上記した空気調和装置、音響装置、又は、照明装置等である。環境制御装置400は、制御装置通信部401と、制御部402と、を備える。
【0034】
制御装置通信部401は、サーバ装置200から信号生成部204が生成した信号を取得する処理部である。制御装置通信部401は、取得した信号(ここでは制御信号)を制御部402へと出力して、環境制御装置400の動作を変化させる。
【0035】
制御部402は、制御装置通信部401から出力された信号に基づいて、環境制御装置400を動作させる処理部である。
【0036】
次に、
図3及び
図4を参照して、照明装置100のより詳細な構成について説明する。
図3は、実施の形態に係る照明装置を側方から見た概略構成図である。
図4は、実施の形態に係る照明装置の各基板を下方から見た配置図である。
図3では、電波センサ102によるセンシングの対象領域の中心軸である所定方向(図中の一点鎖線)に直交する方向である側方から見た場合の照明装置100の各部の構成を示している。なお、
図3では、照明装置100の内部構成が見えるように、本体部108の紙面手前側の図示をしていないが、照明装置100では、側方360度の全周にわたって、本体部の外殻が内部構成を覆うようになっている。
【0037】
また、
図4では、照明装置100を下方、すなわち、天井に設置された照明装置100を地上側(ここでは便器600の方)から見たときの様子が示されている。なお、
図4では、照明装置100が備える2つの基板の重なり合いを説明するために、当該2つの基板及び電波センサ102以外の構成の図示を省略している。
【0038】
図中に示すように、照明装置100は、発光素子103が下方側の表面に実装され、表面とは反対側の裏面側が天井側に対向する発光素子基板107を備える。また、照明装置100は、発光素子基板107と重なるようにして、発光素子基板107とは別体に設けられた電波センサ102が実装されている電波センサ基板106を備える。電波センサ基板106には、電波センサ102の他に、通信部101、及び、電源部104が実装されている。通信部101は、電波センサ102と同じ面に実装されている。また、電源部104は、電波センサ102とは反対側に実装されている。
【0039】
このような各構成の実装の態様に特に限定はなく、放熱、配線長、及び、電波の遮蔽等の観点で適切に構成されていればよい。ただし、電波センサ102は、ユーザから発せられる微弱な電波を受波するため、ユーザ側に露出している必要がある。本実施の形態では、発光素子103よりも本体108の奥側(つまり上方)に重なるようにして設けられた電波センサ基板106が下方から見て露出しているようにするために
図4に示すように、発光素子基板107の電波センサ102に重なる位置において、表面と裏面とが連通することで開口が設けられている。より具体的には、発光素子基板107事態は、電波を遮蔽する性質を有するため、電波センサ102によって電波を受波する領域にこのような電波の遮蔽物が存在しなくなるように、発光素子基板107が形成されている。
【0040】
一例として、
図3に示すように、本実施の形態における電波センサ102の電波の最大受波距離である2.0mが、座位姿勢で便器600を利用するユーザの頭頂部の平均的な高さ(電波センサから1.2m)となるように構成する場合、つまり、電波の最大受波距離以内の水平面(紙面手前奥、及び、紙面左右に平行な面)での面積を最大化するためには、電波センサ102のセンシング領域の中心軸である所定方向を0度としたときに、電波センサ102の受波端位置において50度で交差する第1境界線(紙面右側の斜線)、及び、-50度で交差する第2境界線(紙面左側の斜線)に挟まれた領域内に、基板又は金属筐体等の電波遮蔽物を存在しないようにすればよい。
【0041】
また、例えば、電波センサ102が、臥位姿勢で寝具(ベッド、布団、ソファ等)を利用するユーザからの電波をセンシングする場合、ユーザの最も電波センサ102に近い端部の平均的な高さが電波センサから1.2mよりも遠くなるため、第1境界線と及び第2境界線が所定方向にさらに狭角に交差するようになる。
【0042】
なお、上記を実現する構成として、発光素子103が実装された発光素子基板107の表面側に電波センサ102を実装してもよい。ただし、この場合、電波センサ102の分の光の影が発生し、照明性能に劣る場合があるので、照明性能がより重視される場合は、本実施の形態のように発光素子基板107及び電波センサ基板106を重ねて照明装置100を構成すればよい。
【0043】
さらに、上記の所定方向は固定された方向であるが、電波センサ基板106に対して、電波センサ102が回動可能に接続されていれば、所定方向を変更可能にすることもできる。その際、回動機構にアクチュエータを搭載し、ユーザの位置に応じて自動的に電波センサ102が回動するようにしてもよい。そのために、発光素子基板107に設けられる開口は回動機構が最大回動の状態と最小回動の状態とのそれぞれの状態での所定方向に対して、第1境界線及び第2境界線を設定して、必要分だけ開口を設ければよい。所定方向を変更可能にすることで、便器600と、引掛シーリングボディ150との位置関係に対して柔軟に対応可能な照明装置100を実現することができる。
【0044】
また、
図3に示すように、照明装置100の本体108は、照明装置用アダプタ105によって引掛シーリングボディ150に接続されている。照明装置用アダプタ105は、引掛シーリングボディ150に対向する第1面105a、及び、第1面105aと反対側の第2面105bを有する筐体部分(図中の照明装置用アダプタ105の概形矩形部分)と、第1端子109及び第2端子110とを有し、第1端子109及び第2端子110のそれぞれは、一方の端部が筐体の第1面105a側に設けられた端子挿通孔から突出し、他方の端部が筐体の第2面105b側に設けられた照明装置100の本体108内に位置している。第1端子109及び第2端子110は、本体108内部で電源部104に接続されている。言い換えると、第1端子109及び第2端子110を介して、照明装置用アダプタ105と電源部104とが電気的に接続されている。照明装置用アダプタ105と引掛シーリングボディ150とは、図示しない爪構造が引っ掛かることによって接続され、引掛シーリングボディ150から照明装置用アダプタ105が脱落しないように固定される。
【0045】
なお、系統電源と照明装置100の本体108とが電気的及び物理的に接続されれば、このような機構は必須ではない。例えば、引掛シーリングボディ150の代わりに、天井にE17口金ソケットが設けられ、照明装置用アダプタ105の代わりに、照明装置100に当該E17口金ソケットにねじ込まれるE17口金が備えられてもよい。また、引掛シーリングボディ150の代わりに、天井にGX53口金ソケットが設けられ、照明装置用アダプタ105の代わりに、照明装置100に当該GX53口金ソケットにねじ込まれるGX53口金が備えられてもよい。また、引掛シーリングボディ150の代わりに、天井にE26口金ソケットが設けられ、照明装置用アダプタ105の代わりに、照明装置100に当該E26口金ソケットにねじ込まれるE26口金が備えられてもよい。
【0046】
また、引掛シーリングボディ150の代わりに、天井に配線ダクトレールが設けられ、照明装置用アダプタ105の代わりに、照明装置100に当該配線ダクトレールに取り付けされる配線ダクト用アダプタが備えられてもよい。また、以上のように、照明装置100の物理的な接続と、電気的な接続とを一体的に行う機構は必須ではない。一例として、引掛シーリングボディ150の代わりに、天井固定用ブラケットと端子台とを設け、照明装置100には、照明装置用アダプタ105の代わりに、天井固定用ブラケットに物理的に接続するためのネジ止め構造と、端子台に電気的に接続するための配線とが備えられてもよい。
【0047】
[効果等]
以上説明したように、照明装置100は、光を発する発光素子103と、ユーザ(対象者)からの電波をセンシングすることによって、ユーザのバイタル情報を取得する電波センサ102と、取得したバイタル情報を、外部のサーバ装置200であって、バイタル情報に基づく分析を行うサーバ装置200に送信するための通信アンテナが内蔵された通信部101と、を備える。
【0048】
これにより、照明装置100の配置位置を活かして、ユーザのバイタル情報を取得することが可能な照明装置100を実現できる。具体的には、照明装置100は、天井側からユーザの活動領域を照らすように構成されるため、照明装置100とユーザとの間に発光素子103からの光を遮るものが存在する可能性が低い。そのため、ユーザから発せられる電波等も遮られる可能性が低く、質の良い電波のセンシングが行える。このように、照明装置100では、照明装置100配置位置を活かして、ユーザのバイタル情報の取得を行うことが可能となる。すなわち、電波のセンシング及びバイタル情報の取得が可能という、機能面でより適切に構成された照明装置100が実現される。
【0049】
また、例えば、電波センサ102は、所定方向を中心に拡がる被センシング領域内の電波をセンシングし、照明装置100には、所定方向に直交する方向から見て、所定方向を0度としたときに電波センサの位置において50度で交差する第1境界線、及び、-50度で交差する第2境界線に挟まれた領域内において電波を遮蔽する遮蔽物が存在しなくてもよい。
【0050】
これにより、所定方向を0度としたときに電波センサの位置において50度で交差する第1境界線、及び、-50度で交差する第2境界線に挟まれた領域内において電波を遮蔽する遮蔽物が存在しない照明装置100を実現できる。
【0051】
また、例えば、発光素子103が実装された発光素子基板107を備え、電波センサ102は、発光素子基板107に実装されていてもよい。
【0052】
これにより、1つの基板によって発光素子103及び電波センサ102を制御することができる。ここで、発光素子基板107のうち、発光素子103が実装された面と同じ面に電波センサ102が実装されていれば、所定方向を0度としたときに電波センサの位置において50度で交差する第1境界線、及び、-50度で交差する第2境界線に挟まれた領域内において電波を遮蔽する遮蔽物が存在しない照明装置100を容易に実現することができる。
【0053】
また、例えば、表面及び表面とは反対側の裏面を有し、発光素子103が表面に実装された発光素子基板107を備え、電波センサ102は、発光素子基板107とは異なる電波センサ基板106であって、発光素子基板107よりも、発光素子基板107の裏面側に配置された電波センサ基板106に実装され、発光素子基板107には、第1境界線及び第2境界線に挟まれた領域と重なる位置において、表面と裏面とが連通していてもよい。
【0054】
これにより、それぞれ別の基板によって発光素子103及び電波センサ102を制御することができる。こうすることで、基板同士を重ね合わせて配置できるので、基板の板面に垂直な方向から見たときの基板自体の面積を縮小できる。その結果、より小型な照明装置100を構成することもできる。また、1つの基板の同一面上に発光素子103と電波センサ102とを実装する場合に比べて、発光素子103からの光を電波センサ102が部分的に遮ることで影が形成されることがなく、照射される光の品質が高い照明装置100を容易に実現できるというメリットもある。
【0055】
また、例えば、バイタル情報はユーザの脈波であり、サーバ装置200では、脈波に基づく分析により、ユーザの心拍数、呼吸数、血圧値、及び、ストレスレベルの少なくとも1つを含む生体徴候を算出してもよい。
【0056】
これにより、バイタル情報として、ユーザの脈波を取得し、サーバ装置200において、取得した脈波を分析して、ユーザの心拍数、呼吸数、血圧値、及び、ストレスレベルの少なくとも1つを含む生体徴候を算出することができる。
【0057】
また、例えば、電波センサ102は、所定方向を中心に拡がる被センシング領域内の電波をセンシングし、所定方向を変更可能に構成されていてもよい。
【0058】
これにより、電波センサ102の非センシング領域の方向を任意に設定することができる。その結果、照明装置100と、ユーザが静止する領域との位置関係に依存しにくく、適用に必要な条件が少ない照明装置100を実現することができる。
【0059】
また、例えば、引掛シーリングボディ150と照明装置100の本体108とを接続するための照明装置用アダプタ105であって、引掛シーリングボディ150に対向する第1面105a、及び、第1面105aと反対側の第2面105bを有する筐体と、第1端子109及び第2端子110とを有し、第1端子109及び第2端子110のそれぞれは、一方の端部が筐体の第1面105a側に設けられた端子挿通孔から突出し、他方の端部が筐体の第2面105b側に設けられた照明装置100の本体108内に位置していてもよい。
【0060】
これにより、引掛シーリングボディ150に対して、照明装置用アダプタ105によって照明装置100を、物理的及び電気的に接続することができる。
【0061】
また、例えば、E17口金ソケットにねじ込まれるE17口金を備えてもよい。
【0062】
これにより、E17口金ソケットに対して、E17口金によって照明装置100を、物理的及び電気的に接続することができる。
【0063】
また、例えば、GX53口金ソケットにねじ込まれるGX53口金を備えてもよい。
【0064】
これにより、GX53口金ソケットに対して、GX53口金によって照明装置100を、物理的及び電気的に接続することができる。
【0065】
また、例えば、電波センサ102は、24GHz帯域に属する電波をセンシングすることによって、バイタル情報を取得してもよい。
【0066】
これにより、ユーザの着衣状態に依存しにくい24GHz帯域に属する電波を利用してユーザのバイタル情報を取得することができる。
【0067】
また、例えば、照明装置100は、着座姿勢で便器600を利用するユーザからの電波をセンシング可能な位置に電波センサ102が配置されるように設置されてもよい。
【0068】
これにより、着座姿勢で便器600を利用するユーザからの電波をセンシング可能な位置に電波センサ102が配置されるように照明装置100を設置して、照明装置100配置位置を活かして、ユーザのバイタル情報の取得を行うことができる。
【0069】
また、例えば、照明装置100は、臥位姿勢で寝具を利用するユーザからの電波をセンシング可能な位置に電波センサ102が配置されるように設置されてもよい。
【0070】
これにより、臥位姿勢で寝具を利用するユーザからの電波をセンシング可能な位置に電波センサ102が配置されるように照明装置100を設置して、照明装置100配置位置を活かして、ユーザのバイタル情報の取得を行うことができる。
【0071】
また、バイタル情報管理システム500は、上記に記載の照明装置100と、サーバ装置200と、を備える。
【0072】
これにより、上記の照明装置100の効果によりバイタル情報を取得してサーバ装置200によって分析することができる。
【0073】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0074】
例えば、上記実施の形態で説明された照明装置は一例であり、照明装置の具体的態様については特に限定されない。照明装置は、天井などの比較的高所に設置されるのであれば、どのような態様であってもよい。
【0075】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0076】
100 照明装置
101 通信部(通信アンテナを内蔵する)
102 電波センサ
103 発光素子 105 照明装置用アダプタ
105a 第1面
105b 第2面
106 電波センサ基板
107 発光素子基板
108 本体
109 第1端子
110 第2端子
150 引掛シーリングボディ
200 サーバ装置
600 便器