(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171084
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/60 20060101AFI20231124BHJP
H01L 23/29 20060101ALI20231124BHJP
H01L 29/78 20060101ALI20231124BHJP
H01L 29/06 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
H01L21/60 321E
H01L23/30 D
H01L29/78 652Q
H01L29/78 652P
H01L29/78 652M
H01L29/78 653C
H01L29/78 652K
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022083314
(22)【出願日】2022-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】大森 謙伍
【テーマコード(参考)】
4M109
【Fターム(参考)】
4M109AA01
4M109BA01
4M109CA21
4M109EA02
4M109EA07
4M109ED03
(57)【要約】
【課題】ゲート配線上に形成されたパッシベーション層におけるクラックの発生を抑制する。
【解決手段】半導体装置10は、ゲート配線32、第1および第2接続パッド34,36、ゲート配線32上に形成されたパッシベーション層60、およびパッシベーション層60上に形成された有機膜層58を含む半導体素子16と、平面視でゲート配線32、第1接続パッド34、および第2接続パッド36と少なくとも部分的に重なる導電性接合材18と、導電性接合材18上に配置された導電部材20とを備える。第1接続パッド34および第2接続パッド36は、導電性接合材18を介して導電部材20に電気的に接続され、ゲート配線32は、平面視で第1接続パッド34と第2接続パッド36との間に配置されている。ゲート配線32上に形成されたパッシベーション層60は、パッシベーション層60よりも厚い有機膜層58によって、導電性接合材18から離隔されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子であって、
ゲート電極、ソース電極、およびドレイン電極を有するトランジスタと、
前記ゲート電極に電気的に接続されるとともに、第1方向に延びるゲート配線と、
前記ソース電極および前記ドレイン電極のうちの一方に電気的に接続されるとともに、平面視で前記第1方向と直交する第2方向に互いに離隔された第1および第2接続パッドと、
前記ゲート配線上に形成されたパッシベーション層と、
前記パッシベーション層上に形成された有機膜層と
を含む、半導体素子と、
前記半導体素子上に配置されるとともに、平面視で前記ゲート配線、前記第1接続パッド、および前記第2接続パッドと少なくとも部分的に重なる導電性接合材と、
前記導電性接合材上に配置された導電部材と
を備え、前記第1接続パッドおよび前記第2接続パッドは、前記導電性接合材を介して前記導電部材に電気的に接続され、前記ゲート配線は、平面視で前記第1接続パッドと前記第2接続パッドとの間に配置され、
前記ゲート配線上に形成された前記パッシベーション層は、前記パッシベーション層よりも厚い前記有機膜層によって、前記導電性接合材から離隔されている、半導体装置。
【請求項2】
前記有機膜層は、5~10μmの厚さを有している、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記パッシベーション層は、0.5~2μmの厚さを有している、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記有機膜層は、ポリイミド系有機膜によって形成されている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記有機膜層は、ポリベンゾオキサゾールまたはポリイミドによって形成されている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記パッシベーション層は、SiN膜およびSiO2膜のうちの少なくとも一方を含む、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記有機膜層は、前記パッシベーション層よりも小さいヤング率を有する材料によって形成されている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記有機膜層は、前記パッシベーション層の1/10未満のヤング率を有する材料によって形成されている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記導電部材は、前記半導体素子の上面と対向する平坦な接合面を含み、前記ゲート配線、前記第1接続パッド、および前記第2接続パッドは、前記平坦な接合面の下方に位置している、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記導電部材は、Cuクリップである、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記導電性接合材は、はんだである、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記パッシベーション層は、前記第1接続パッドを露出させる第1パッド開口と、前記第2接続パッドを露出させる第2パッド開口とを含み、
前記半導体素子は、前記導電性接合材と前記第1接続パッドとの間に介在する第1金属層と、前記導電性接合材と前記第2接続パッドとの間に介在する第2金属層とをさらに含み、前記第1および第2金属層は、それぞれ前記第1パッド開口および前記第2パッド開口に埋め込まれている、請求項1~11のうちのいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記第1金属層および前記第2金属層は、平面視でそれぞれ前記第1パッド開口および前記第2パッド開口よりも広い領域に形成されている、請求項12に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記有機膜層は、前記第1金属層の一部を露出させる第1開口および前記第2金属層の一部を露出させる第2開口を有している、請求項12に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記トランジスタは、Si MOSFET、SiC MOSFET、またはGaN HEMTである、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項16】
前記トランジスタは、縦型トランジスタである、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項17】
前記導電部材は、第1導電部材であり、
前記導電性接合材は、第1導電性接合材であり、
前記第1および第2接続パッドは、前記ソース電極に電気的に接続されており、
前記半導体素子は、前記ドレイン電極に電気的に接続されるとともに、平面視で前記第2方向に互いに離隔された第3および第4接続パッドをさらに含み、
前記半導体装置は、
前記半導体素子上に配置されるとともに、平面視で前記ゲート配線、前記第3接続パッド、および前記第4接続パッドと少なくとも部分的に重なる第2導電性接合材と、
前記第2導電性接合材上に配置された第2導電部材と
をさらに備え、
前記第3接続パッドおよび前記第4接続パッドは、前記第2導電性接合材を介して前記第2導電部材に電気的に接続され、前記ゲート配線は、平面視で前記第3接続パッドと前記第4接続パッドとの間に配置され、
前記ゲート配線上に形成された前記パッシベーション層は、前記パッシベーション層よりも厚い前記有機膜層によって、前記第2導電性接合材から離隔されている、請求項1~11のうちのいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項18】
前記トランジスタは、横型トランジスタである、請求項17に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体パッケージにおいて、板状の金属クリップを半導体素子(ダイ)の上面に接続することにより電気的接続を提供することができる。このような金属クリップを採用することにより、従来のワイヤボンディングに比べてパッケージの放熱性向上および低抵抗化を実現できることが知られている。
【0003】
特許文献1には、ダイとクリップの接着方法が開示されている。ダイを基板の上に載置し、次いで、ダイおよび基板の上にクリップを載置して、基板/ダイ/クリップパッケージが形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
金属クリップのような導電部材に接続される半導体素子の上面には、絶縁性のパッシベーション層と、パッシベーション層から露出された接続パッドが形成されている。半導体素子の上面と導電部材との間に、はんだなどの導電性接合材を設け、次いで、導電性接合材の熱処理(例えば、はんだのリフロー)を行うことにより、接続パッドと導電部材との電気的接続を確保することができる。
【0006】
しかしながら、導電性接合材の熱処理における温度変化が、導電部材の下方の導電性接合材と直接接触するパッシベーション層にクラックを生じさせる場合がある。特に、本来異なる電位であるはずの互いに絶縁された複数の配線(電極)が導電部材の下方に配置されている場合、これらの配線を覆うパッシベーション層に生じたクラックは、配線間のショートの原因となり得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様による半導体装置は、半導体素子であって、ゲート電極、ソース電極、およびドレイン電極を有するトランジスタと、前記ゲート電極に電気的に接続されるとともに、第1方向に延びるゲート配線と、前記ソース電極および前記ドレイン電極のうちの一方に電気的に接続されるとともに、平面視で前記第1方向と直交する第2方向に互いに離隔された第1および第2接続パッドと、前記ゲート配線上に形成されたパッシベーション層と、前記パッシベーション層上に形成された有機膜層とを含む、半導体素子と、前記半導体素子上に配置されるとともに、平面視で前記ゲート配線、前記第1接続パッド、および前記第2接続パッドと少なくとも部分的に重なる導電性接合材と、前記導電性接合材上に配置された導電部材とを備えている。前記第1接続パッドおよび前記第2接続パッドは、前記導電性接合材を介して前記導電部材に電気的に接続され、前記ゲート配線は、平面視で前記第1接続パッドと前記第2接続パッドとの間に配置されている。前記ゲート配線上に形成された前記パッシベーション層は、前記パッシベーション層よりも厚い前記有機膜層によって、前記導電性接合材から離隔されている。
【発明の効果】
【0008】
本開示の半導体装置によれば、ゲート配線上に形成されたパッシベーション層におけるクラックの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1実施形態による例示的な半導体装置の概略断面図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態の半導体装置の例示的な半導体素子の概略平面図である。
【
図3】
図3は、導電部材と
図2に示す半導体素子との例示的な配置を示す半導体装置の概略平面図である。
【
図4】
図4は、半導体素子と導電部材との導電性接合材を介した接合を説明するための半導体装置の概略断面図である。
【
図5】
図5は、
図2に示す半導体素子に含まれる例示的なトランジスタを示す概略断面図である。
【
図6】
図6は、比較例の半導体装置の概略断面図である。
【
図7】
図7は、別の比較例の半導体装置の概略断面図である。
【
図8】
図8は、第2実施形態による例示的な半導体装置の概略平面図である。
【
図9】
図9は、第2実施形態の半導体装置の例示的な半導体素子の概略平面図である。
【
図10】
図10は、
図9に示す半導体素子に含まれる例示的なトランジスタを示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本開示の半導体装置のいくつかの実施形態を説明する。なお、説明を簡単かつ明確にするために、図面に示される構成要素は必ずしも一定の縮尺で描かれていない。また、理解を容易にするために、断面図においてハッチング線が省略されている場合があり、平面図においてハッチング線が付されている場合もある。添付の図面は、本開示の実施形態を例示するに過ぎず、本開示を制限するものとみなされるべきではない。
【0011】
以下の詳細な記載は、本開示の例示的な実施形態を具体化する装置、システム、および方法を含む。この詳細な記載は本来説明のためのものに過ぎず、本開示の実施形態またはこのような実施形態の適用および使用を限定することを意図しない。
【0012】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態による例示的な半導体装置10の概略断面図である。半導体装置10は、例えばリードフレーム構造を有していてよい。
図1の例では、半導体装置10は、導電板12と、導電端子14とを含んでいる。導電板12ならびに導電端子14は、任意の形状(外形)および厚さを有していてよい。なお、文脈上別段の意味を有することが明らかな場合を除き、厚さとは、
図1に示すZ軸方向の寸法を指す。
図1の例では、導電板12および導電端子14は、それぞれ平板状であってよい。導電端子14は、導電板12から電気的に絶縁されている。導電板12および導電端子14は、例えば、銅(Cu)またはアルミニウム(Al)等の金属材料で形成されている。
【0013】
半導体装置10は、半導体素子16と、半導体素子16上に配置された導電性接合材18と、導電性接合材18上に配置された導電部材20とを含む。本開示の半導体装置10は、シリコン(Si)、炭化ケイ素(SiC)、ヒ化ガリウム(GaAs)、または窒化ガリウム(GaN)などの半導体材料を用いて構成された任意のトランジスタを含む半導体素子16に適用可能である。半導体素子16は、金属-酸化膜-半導体電界効果トランジスタ(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor,MOSFET)、金属-絶縁体-半導体電界効果トランジスタ(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor,MISFET)、または高電子移動度トランジスタ(High Electron Mobility Transistor,HEMT)を含み得る。本実施形態の半導体素子16は、
図5を参照して後述するトランジスタ70が形成された半導体チップ(ダイ)であってよい。
【0014】
半導体素子16は、導電性接合材18に接する上面16A、および上面16Aと反対側の底面16Bとを含む。半導体素子16は、導電板12上に実装されている。半導体装置10は、半導体素子16の底面16Bを導電板12に接合する導電性接合材22をさらに含んでいてよい。
【0015】
導電部材20は、任意の形状(外形)および厚さを有し得る。
図1の例では、導電部材20は、1枚の曲げられた金属板の形態であってよい。このような導電部材20は、クリップとも呼ばれ得る。導電部材20は、一例ではCuで形成されていてよい。この場合、導電部材20は、Cuクリップと呼ばれ得る。導電部材20は、第1接続部24および第2接続部26を含んでいてよい。第1接続部24は、半導体素子16の上面16Aと対向する平坦な接合面24Aを含む。導電性接合材18は、半導体素子16の上面16Aと第1接続部24の接合面24Aとの間に配置されるとともに、両方の面16A,24Aに接している。第2接続部26は、導電端子14との接合のために、第1接続部24の接合面24Aと交差する方向に延びていてよい。半導体装置10は、第2接続部26を導電端子14に接合する導電性接合材28をさらに含み得る。第2接続部26は、第1接続部24と一体的に形成されている。
【0016】
一例では、導電性接合材18,22,28は、はんだまたは導電性ペーストであってよい。はんだは、例えば錫(Sn)-銀(Ag)-銅(Cu)系等の鉛(Pb)フリーはんだであってもよいし、または例えばSn-Pb-Ag系等の鉛含有はんだであってもよい。導電性ペーストは、例えばAgペーストであってよい。半導体装置10は、半導体素子16を封止する封止部材30をさらに含んでいてよい。
【0017】
封止部材30は、エポキシ樹脂等の絶縁性樹脂材料によって形成されていてよい。一例では、封止部材30は、絶縁性樹脂材料をモールドすることによって形成され得る。
(半導体素子の詳細)
半導体素子16は、ゲート配線32と、第1接続パッド34および第2接続パッド36とを含む。ゲート配線32は、平面視で第1接続パッド34と第2接続パッド36との間に配置されるとともに、X軸方向に延びている。なお、本開示において使用される「平面視」という用語は、互いに直交するXYZ軸のZ軸方向に対象物(半導体装置10またはその構成要素)を視ることをいう。本明細書ではX軸方向を第1方向とも呼ぶ。本実施形態では、半導体素子16は、底面電極38をさらに含んでいてよい。底面電極38は、半導体素子16の底面16Bを含む。一例では、ゲート配線32、第1接続パッド34、第2接続パッド36、および底面電極38は、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、およびAlCu合金のうちの少なくとも1つから形成することができる。
【0018】
ゲート配線32、第1接続パッド34、および第2接続パッド36は、第1接続部24の平坦な接合面24Aの下方に位置している。
図1に模式的に示されるように、第1接続パッド34および第2接続パッド36は、導電性接合材18を介して導電部材20に電気的に接続されているが、ゲート配線32は、導電部材20に電気的に接続されていない。この結果、第1接続パッド34と第2接続パッド36とは同電位になるが、ゲート配線32は第1接続パッド34および第2接続パッド36とは異なる電位となってよい。より詳細には、第1接続パッド34および第2接続パッド36は、導電性接合材18を介して第1接続部24の平坦な接合面24Aに電気的に接続されている。なお、
図1に示す半導体素子16の断面構造は、説明のために簡略化して示されていることに留意されたい。半導体素子16の断面構造のさらなる詳細は、
図4を参照して後述する。
【0019】
図2は、例示的な半導体素子16の概略平面図である。半導体素子16は、半導体層40を含む。半導体層40は、平面視で矩形状であってよい。
図2に示すように、半導体素子16は、半導体層40の矩形状の外縁に沿って延びる外周ゲート配線42をさらに含んでいてよい(
図1では、説明を簡単かつ明確にするために外周ゲート配線42は省略されている)。
図2の例では、X軸方向に延びるゲート配線32が、外周ゲート配線42のY軸方向に延びる部分に接続されている。なお、本明細書ではY軸方向を第2方向とも呼ぶ。
図2に示すように、ゲート配線32は、平面視で少なくとも部分的に半導体素子16の中央部を横切っていてよい。半導体素子16は、外周ゲート配線42に電気的に接続されたゲートパッド44をさらに含んでいてもよい。
【0020】
半導体素子16は、平面視で外周ゲート配線42に囲まれるとともに、ゲート配線32、外周ゲート配線42、およびゲートパッド44から離隔されたソース配線46をさらに含んでいてよい。ソース配線46は、平面視で外周ゲート配線42に囲まれるとともに、ゲート配線32、外周ゲート配線42、およびゲートパッド44から離隔されている。ソース配線46は、X軸方向に延びるゲート配線32によってY軸方向に隔てられた第1部分48と第2部分50とを含んでいてよい。
図2の例では、第1部分48と第2部分50とは、ゲート配線32が分断されている半導体素子16の中央部で連結されていてよい。
【0021】
図2においては、
図4を参照して後述する有機膜層58およびパッシベーション層60は、理解を容易にするために省略されている。
図2では、パッシベーション層60に形成されたパッド開口52,54,56が、二点鎖線で描かれている。パッド開口52およびパッド開口54は、それぞれソース配線46の第1部分48および第2部分50上に形成されている。パッド開口56は、ゲートパッド44上に形成されている。
【0022】
第1接続パッド34は、パッド開口52によって露出されたソース配線46の部分である。したがって、第1接続パッド34は、ソース配線46に電気的に接続されている。本明細書では、パッド開口52を第1パッド開口とも呼ぶ。また、第2接続パッド36は、パッド開口54によって露出されたソース配線46の部分である。したがって、第2接続パッド36は、ソース配線46に電気的に接続されている。本明細書では、パッド開口54を第2パッド開口とも呼ぶ。
【0023】
第1接続パッド34および第2接続パッド36は、Y軸方向に互いに離隔されている。ゲート配線32は、平面視で第1接続パッド34と第2接続パッド36との間に配置されるとともに、Y軸方向に第1および第2接続パッド34,36から離隔されている。
【0024】
図3は、半導体素子16と導電部材20との例示的な配置を示す半導体装置10の概略平面図である。
図3では、半導体素子16に含まれる有機膜層58(
図4参照)が示されている。なお、図示は省略するが、ゲートパッド44も別の導電部材と接続されていてよい。
【0025】
図3に示すように、導電部材20は、平面視で第1接続パッド34および第2接続パッド36と少なくとも部分的に重なるように配置されている。
図2を参照して説明したように、ゲート配線32が平面視で第1接続パッド34と第2接続パッド36との間に配置されているため、導電部材20の下方にはゲート配線32の少なくとも一部も配置されている。半導体素子16と導電部材20との間には、導電性接合材18が配置されている。導電性接合材18は、導電部材20の下に配置されるとともに、第1接続パッド34および第2接続パッド36の両方と少なくとも部分的に重なるように広がっている。
【0026】
導電部材20は、平面視で半導体素子16とは重ならない位置にある導電端子14(
図1参照)と接合するために、半導体素子16を超えてY軸方向に延びていてよい。
(半導体素子と導電部材との接合の詳細)
図4は、半導体素子16と導電部材20との導電性接合材18を介した接合を説明するための、
図3のF4-F4線に沿った半導体装置10の概略断面図である。なお、説明の便宜上、
図4に示す半導体装置10は、
図3に示す半導体装置10と縮尺が異なっていることに留意されたい。
【0027】
半導体素子16は、ゲート配線32上に形成されたパッシベーション層60をさらに含む。なお、
図4では、半導体層40に形成されたトランジスタ70(
図5参照)は省略されている。パッシベーション層60は、半導体層40上にも形成されていてよい。半導体層40上に形成されたソース配線46は、パッシベーション層60によって部分的に覆われている。パッシベーション層60は、第1接続パッド34を露出させるパッド開口52と、第2接続パッド36を露出させるパッド開口54とを有している。パッシベーション層60は、窒化シリコン(SiN)膜および二酸化シリコン(SiO
2)膜のうちの少なくとも一方を含んでいてよい。一例では、パッシベーション層60は、0.5~2μmの厚さを有していてよい。
【0028】
半導体素子16は、導電性接合材18と第1接続パッド34との間に介在する第1金属層62と、導電性接合材18と第2接続パッド36との間に介在する第2金属層64とをさらに含んでいてよい。第1金属層62および第2金属層64は、それぞれ第1パッド開口52および第2パッド開口54に埋め込まれている。第1金属層62および第2金属層64は、平面視でそれぞれ第1パッド開口52および第2パッド開口54よりも広い領域に形成されていてよい。したがって、第1金属層62の一部および第2金属層64の一部は、パッシベーション層60の上に形成され得る。第1金属層62および第2金属層64は、任意の金属材料、例えば、Cu、Ti、Ni、およびAuのうちの1つまたは複数から形成されていてよい。
【0029】
有機膜層58は、パッシベーション層60上に形成されている。有機膜層58は、パッシベーション層60よりも厚い。また、有機膜層58は、ゲート配線32やソース配線46よりも厚く形成されていてよい。有機膜層58は、第1金属層62および第2金属層64上にも形成されるとともに、第1金属層62の一部を露出させる第1開口58Aおよび第2金属層64の一部を露出させる第2開口58Bを有している。
【0030】
有機膜層58は、ポリイミド系有機膜によって形成されていてよい。例えば、有機膜層58は、ポリベンゾオキサゾール(PBO)膜またはポリイミド膜によって形成されていてよい。有機膜層58は、液体材料を塗布(例えばスピンコーティング)して形成する塗布膜であってよく、その場合、有機膜層58の表面は、下層の構造に段差があっても比較的平坦であり得る。一例では、有機膜層58は、5~10μmの厚さを有していてよい。
【0031】
半導体素子16の最上層は、有機膜層58であってよい。すなわち、半導体素子16の上面16Aは、有機膜層58の上面に対応し得る。したがって、有機膜層58は、半導体素子16の上面16Aを含んでいてよい。
【0032】
有機膜層58は、パッシベーション層60よりも内部応力の小さい膜によって形成されている。すなわち、有機膜層58は、パッシベーション層60よりも小さいヤング率を有する材料によって形成されている。一例では、有機膜層58は、パッシベーション層60の1/10未満のヤング率を有する材料によって形成されていてよい。
【0033】
導電性接合材18は、有機膜層58上に配置されている。有機膜層58の開口58Aは、半導体素子16の上面16A(有機膜層58の上面)からZ軸方向に延びて、第1金属層62の表面まで達している。開口58AのZ軸方向の深さは、第1金属層62上に形成された有機膜層58の厚さに対応し得る。導電性接合材18は、有機膜層58の開口58A内に入り込むことにより、第1接続パッド34上に形成された第1金属層62に接している。同様に、有機膜層58の開口58Bは、半導体素子16の上面16A(有機膜層58の上面)からZ軸方向に延びて、第2金属層64の表面まで達している。開口58BのZ軸方向の深さは、第2金属層64上に形成された有機膜層58の厚さに対応し得る。導電性接合材18は、有機膜層58の開口58B内に入り込むことにより、第2接続パッド36上に形成された第2金属層64に接している。これにより、導電性接合材18上に配置された導電部材20は、導電性接合材18を介して第1接続パッド34および第2接続パッド36に電気的に接続されている。
【0034】
導電性接合材18は、第1接続パッド34および第2接続パッド36の上方だけではなく、ゲート配線32の上方にも配置されている。有機膜層58は、ゲート配線32の上方において、パッシベーション層60と導電性接合材18との間に配置されている。有機膜層58の存在により、導電性接合材18は、ゲート配線32を覆うパッシベーション層60と直接接触していない。
【0035】
図5は、半導体素子16に含まれる例示的なトランジスタ70を示す概略断面図である。
図5は、トランジスタ70のアクティブ領域を示している。トランジスタ70は、例えばトレンチゲート構造を有するMOSFETであってよい。トランジスタ70は、ゲート電極72、ソース電極74、およびドレイン電極76を有している。なお、本実施形態では、ソース電極74およびドレイン電極76は、
図2に示すソース配線46および
図1に示す底面電極38にそれぞれ対応している。
【0036】
半導体層40は、半導体基板78と、半導体基板78上に形成されたエピタキシャル層80とを含んでいてよい。半導体基板78は、一例では、Si基板であってよい。半導体基板78は、MOSFETのドレイン領域に対応する。エピタキシャル層80は、Si基板上にエピタキシャル成長されたSi層であってよい。エピタキシャル層80は、ドリフト領域82と、ドリフト領域82上に形成されたボディ領域84と、ボディ領域84上に形成されたソース領域86とを含むことができる。
【0037】
ドレイン領域(半導体基板78)は、n型不純物を含むn型領域であってよい。ドレイン領域(半導体基板78)のn型不純物濃度は、1×1018cm-3以上1×1020cm-3以下とすることができる。ドレイン領域(半導体基板78)は、50μm以上450μm以下の厚さを有していてよい。
【0038】
ドリフト領域82は、ドレイン領域(半導体基板78)よりも低い濃度のn型不純物を含むn型領域であってよい。ドリフト領域82のn型不純物濃度は、1×1015cm-3以上1×1018cm-3以下とすることができる。ドリフト領域82は、1μm以上25μm以下の厚さを有していてよい。
【0039】
ボディ領域84は、p型不純物を含むp型領域であってよい。ボディ領域84のp型不純物濃度は、1×1016cm-3以上1×1018cm-3以下とすることができる。ボディ領域84は、0.2μm以上1.0μm以下の厚さを有していてよい。
【0040】
ソース領域86は、ドリフト領域82よりも高い濃度のn型不純物を含むn型領域であってよい。ソース領域86のn型不純物濃度は、1×1019cm-3以上1×1021cm-3以下とすることができる。ソース領域86は、0.1μm以上1μm以下の厚さを有していてよい。
【0041】
なお、本開示において、n型を第1導電型、およびp型を第2導電型ともいう。n型不純物は、例えば、リン(P)、ヒ素(As)などであってよい。また、p型不純物は、例えば、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)などであってよい。
【0042】
図5に示すように、ゲート電極72は、半導体層40に形成されたゲートトレンチ88内に配置されている。ゲートトレンチ88は、半導体層40のソース領域86およびボディ領域84を貫通してドリフト領域82まで延びている。ゲートトレンチ88内において、ゲート電極72の下方にフィールドプレート電極90が配置されていてよい。フィールドプレート電極90は、ソース電極74に電気的に接続することができる。ゲート電極72およびフィールドプレート電極90は、絶縁層92とともにゲートトレンチ88内に埋め込まれている。ゲート電極72およびフィールドプレート電極90は、導電性のポリシリコンによって形成されていてよい。絶縁層92は、一例では、SiO
2から形成することができる。絶縁層92は、追加的または代替的に、SiO
2とは異なる絶縁材料、例えばSiNなどから形成された層を含んでいてもよい。
【0043】
ソース電極74は、ソースコンタクトプラグ94によって半導体層40に電気的に接続されている。ソースコンタクトプラグ94は、2つのゲートトレンチ88の間に配置することができる。半導体層40は、p型不純物を含むp型領域であるコンタクト領域96をさらに含む。ソースコンタクトプラグ94は、絶縁層92およびソース領域86を貫通して、ボディ領域84まで延びるとともに、コンタクト領域96と接触している。これにより、ソースコンタクトプラグ94は、絶縁層92上に形成されたソース電極74を、半導体層40のコンタクト領域96に電気的に接続することができる。
【0044】
ゲート電極72は、
図2に示すゲート配線32に電気的に接続されている。ソース電極74は、本実施形態では、
図2に示すソース配線46に対応し、したがって、第1接続パッド34および第2接続パッド36に電気的に接続されている。
【0045】
図5に示すトランジスタ70は、ドレイン電極76が半導体基板78の底面に形成されているため、半導体基板78の面と交差する方向に電流が流れる縦型トランジスタである。本実施形態の半導体装置10は、任意の縦型トランジスタに適用可能である。
図5の例では、トランジスタ70はSiMOSFETであるが、別の例では、トランジスタ70はSiC MOSFETであってもよい。
【0046】
(作用)
以下、本実施形態の半導体装置10の作用について説明する。
本実施形態の半導体装置10では、第1接続パッド34および第2接続パッド36は、導電性接合材18を介して導電部材20に電気的に接続されている。ゲート配線32は、平面視で第1接続パッド34と第2接続パッド36との間に配置されている。ゲート配線32上に形成されたパッシベーション層60は、パッシベーション層60よりも厚い有機膜層58によって、導電性接合材18から離隔されている。
【0047】
これにより、ゲート配線32を覆うパッシベーション層60でのクラックの発生が抑制されて、ゲート配線32と、第1接続パッド34および第2接続パッド36との間のショートの発生を抑制することができる。以下、
図6および
図7に示す比較例を参照して、本実施形態の半導体装置10の利点についてさらに説明する。
【0048】
図6は、比較例の半導体装置100の概略断面図である。
図6において、半導体装置10と同様の構成要素には同じ符号が付されている。また、半導体装置10と同様な構成要素については詳細な説明を省略する。
【0049】
半導体装置100では、ゲート配線32上に形成されたパッシベーション層60は、導電性接合材18と直接接している。したがって、半導体装置100のゲート配線32と導電部材20とは、パッシベーション層60のみによって互いに絶縁されている。しかしながら、導電性接合材18の接合には熱処理が用いられるため、パッシベーション層60にはクラックが発生しやすい。例えば、導電性接合材18がはんだである場合、リフロー工程における温度変化は、室温から200℃を超える温度の範囲であり得る。このような温度変化は、パッシベーション層60におけるクラックの発生を誘発する可能性がある。パッシベーション層60におけるクラックの発生は、ゲート配線32と導電部材20とのショートを発生させ得る。また、半導体装置100では、半導体装置10と比較して、パッシベーション層60と導電部材20との間の距離が小さいため、ゲート配線32と導電部材20とのショートがさらに発生しやすい可能性がある。
【0050】
図7は、別の比較例の半導体装置200の概略断面図である。
図7において、半導体装置10と同様の構成要素には同じ符号が付されている。また、半導体装置10と同様な構成要素については詳細な説明を省略する。
【0051】
半導体装置200は、半導体装置200がゲート配線32の上方で曲げられた導電部材202を含んでいるという点で半導体装置10と相違している。半導体装置10では、ゲート配線32、第1接続パッド34、および第2接続パッド36は、導電部材20の第1接続部24の平坦な接合面24Aの下方に位置している。一方、半導体装置200の導電部材202は、ゲート配線32の上方に位置する湾曲部204を含んでいるため、ゲート配線32、第1接続パッド34、および第2接続パッド36の全てが導電部材202の1つの平坦な面の下に配置されているわけではない。
【0052】
半導体装置200では、湾曲部204を含む導電部材202を用いることにより、ゲート配線32を覆うパッシベーション層60と湾曲部204との間に導電性接合材18が配置されないようにすることができる。湾曲部204は、半導体素子16から離れる方向に凸となるように導電部材202を曲げることにより形成されている。この場合、パッシベーション層60と導電部材202との間には、導電部材202を導電性接合材18により半導体素子16に接合させた後に、封止部材30が配置される。したがって、半導体装置200では、パッシベーション層60は、導電性接合材18と接していない。
【0053】
しかしながら、半導体装置200は、(1)導電部材202に湾曲部204を形成する追加の加工が必要であり、(2)湾曲部204をゲート配線32の上方に位置合わせするために、第1接続パッド34と第2接続パッド36との間の距離を小さくすることが困難であるという欠点を有している。したがって、本実施形態の半導体装置10は、製造コストおよびサイズの点で、半導体装置200よりも優れている。
【0054】
このように、本実施形態の半導体装置10では、製造コストおよびサイズの増大を抑制しつつ、ゲート配線32を覆うパッシベーション層60でのクラックの発生を抑制することができる。
【0055】
本実施形態の半導体装置10は、以下の利点を有する。
(1)第1接続パッド34および第2接続パッド36は、導電性接合材18を介して導電部材20に電気的に接続されている。ゲート配線32は、平面視で第1接続パッド34と第2接続パッド36との間に配置されている。ゲート配線32上に形成されたパッシベーション層60は、パッシベーション層60よりも厚い有機膜層58によって、導電性接合材18から離隔されている。
【0056】
これにより、ゲート配線32を覆うパッシベーション層60でのクラックの発生が抑制されて、ゲート配線32と、第1接続パッド34および第2接続パッド36との間のショートの発生を抑制することができる。
【0057】
(2)有機膜層58は、5~10μmの厚さを有していてよい。これにより、ゲート配線32と導電部材20との距離を比較的大きくすることができるので、ゲート配線32と導電部材20とのショートの発生を抑制することができる。
【0058】
(3)パッシベーション層60は、0.5~2μmの厚さを有していてよい。これにより、パッシベーション層60の厚さを比較的小さくすることができるので、パッシベーション層60の内部応力によるクラックの発生を抑制することができる。
【0059】
(4)有機膜層58は、パッシベーション層60よりも小さいヤング率を有する材料によって形成されていてよい。これにより、パッシベーション層60よりも厚い有機膜層58の内部応力の上昇を抑制することができる。
【0060】
(5)導電部材20は、半導体素子16の上面16Aと対向する平坦な接合面24Aを含み、ゲート配線32、第1接続パッド34、および第2接続パッド36は、平坦な接合面24Aの下方に位置していてよい。導電部材20は、ゲート配線32の上方で曲げられていないため、半導体装置10の製造コストおよびサイズの増大を抑制しつつ、ゲート配線32を覆うパッシベーション層60でのクラックの発生を抑制することができる。
【0061】
(6)半導体素子16は、導電性接合材18と第1接続パッド34との間に介在する第1金属層62と、導電性接合材18と第2接続パッド36との間に介在する第2金属層64とをさらに含んでいてよく、第1金属層62および第2金属層64は、それぞれ第1パッド開口52および第2パッド開口54に埋め込まれている。これにより、導電性接合材18が、第1接続パッド34および第2接続パッド36と直接接触しなくなるので、導電性接合材18の、第1接続パッド34および第2接続パッド36との反応を抑制することができる。
【0062】
(7)第1金属層62および第2金属層64は、平面視でそれぞれ第1パッド開口52および第2パッド開口54よりも広い領域に形成されていてよい。これにより、第1パッド開口52および第2パッド開口54に隣接するパッシベーション層60が、導電性接合材18に接することを抑制することができる。
【0063】
(8)有機膜層58は、第1金属層62の一部を露出させる第1開口58Aおよび第2金属層64の一部を露出させる第2開口58Bを有していてよい。これにより、比較的厚い有機膜層58を形成してゲート配線32を覆うパッシベーション層60を導電性接合材18とから離隔しつつ、第1接続パッド34および第2接続パッド36を導電性接合材18に電気的に接続することができる。
【0064】
[第2実施形態]
図8は、第2実施形態による例示的な半導体装置300の概略平面図である。
図8において、半導体装置10と同様の構成要素には同じ符号が付されている。また、半導体装置10と同様な構成要素については詳細な説明を省略する。
【0065】
半導体装置300の半導体素子16は、平面視でY軸方向に互いに離隔された第3接続パッド302および第4接続パッド304をさらに含んでいる。半導体装置300は、半導体素子16上に配置されるとともに、平面視で第3接続パッド302および第4接続パッド304と少なくとも部分的に重なる第2導電性接合材306と、第2導電性接合材306上に配置された第2導電部材308とをさらに含んでいる。なお、第2導電性接合材306および第2導電部材308と区別するために、導電性接合材18を第1導電性接合材と呼び、導電部材20を第1導電部材と呼んでもよい。
【0066】
パッシベーション層60は、第3接続パッド302を露出させるパッド開口310と、第4接続パッド304を露出させるパッド開口312とを有している。
図9は、第2実施形態の半導体装置300の例示的な半導体素子16の概略平面図である。
図9に示すように、半導体素子16は、ドレイン配線314をさらに含んでいてよい。ドレイン配線314は、平面視で外周ゲート配線42に囲まれるとともに、ゲート配線32、外周ゲート配線42、ゲートパッド44、およびソース配線46から離隔されている。ドレイン配線314は、X軸方向に延びるゲート配線32によってY軸方向に隔てられた第1部分316と第2部分318とを含んでいてよい。なお、
図2の例では、ゲート配線32は半導体素子16の中央部で分断されていたが、
図9の例では、ゲート配線32は分断されていなくてもよい。
【0067】
図9においては、有機膜層58およびパッシベーション層60は、理解を容易にするために省略されている。
図9では、パッシベーション層60に形成されたパッド開口52,54,56,310,312が、二点鎖線で描かれている。パッド開口310およびパッド開口312は、それぞれドレイン配線314の第1部分316および第2部分318上に形成されている。
【0068】
図9に示すように、ゲート配線32が平面視で第3接続パッド302と第4接続パッド304との間に配置されているため、
図8に示す第2導電部材308の下方にはゲート配線32の少なくとも一部も配置されている。したがって、第2導電性接合材306は、平面視でゲート配線32と少なくとも部分的に重なっている。
【0069】
図10は、
図9に示す半導体素子16に含まれる例示的なトランジスタ320を示す概略断面図である。
図10は、トランジスタ320のアクティブ領域を示している。トランジスタ320は、一例では、窒化物半導体を含む高電子移動度トランジスタであってよい。トランジスタ320は、ゲート電極322、ソース電極324、およびドレイン電極326を有している。なお、本実施形態では、半導体素子16は、
図1に示す底面電極38のような底面電極を含んでいなくてよい。
【0070】
トランジスタ320は、半導体基板328と、半導体基板328上に形成されたバッファ層330と、バッファ層330上に形成された電子走行層332と、電子走行層332上に形成された電子供給層334とを含んでいてよい。
【0071】
半導体基板328は、シリコン(Si)、シリコンカーバイド(SiC)、GaN、サファイア、または他の基板材料で形成することができる。一例では、半導体基板328は、Si基板であってよい。半導体基板328の厚さは、例えば200μm以上1500μm以下とすることができる。
【0072】
バッファ層330は、半導体基板328と電子走行層332との間に位置することができる。一例では、バッファ層330は、電子走行層332のエピタキシャル成長を容易にすることができる任意の材料によって構成することができる。バッファ層330は、1つまたは複数の窒化物半導体層を含んでいてよい。一例では、バッファ層330は、窒化アルミニウム(AlN)層、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)層、および異なるアルミニウム(Al)組成を有するグレーテッドAlGaN層のうちの少なくとも1つを含むことができる。例えば、バッファ層330は、単一のAlN層、単一のAlGaN層、AlGaN/GaN超格子構造を有する層、AlN/AlGaN超格子構造を有する層、またはAlN/GaN超格子構造を有する層によって構成されてもよい。
【0073】
電子走行層332は、窒化物半導体によって構成されている。電子走行層332は、例えば、GaN層であってよい。電子走行層332の厚さは、例えば、0.5μm以上2μm以下とすることができる。
【0074】
電子供給層334は、電子走行層332よりも大きなバンドギャップを有する窒化物半導体によって構成されている。電子供給層334は、例えばAlGaN層であってよい。Al組成が大きいほどバンドギャップが大きくなるため、AlGaN層である電子供給層334は、GaN層である電子走行層332よりも大きなバンドギャップを有している。一例では、電子供給層334は、AlxGa1-xNによって構成され、xは0.1<x<0.4であり、より好ましくは、0.1<x<0.3である。電子供給層334は、5nm以上20nm以下の厚さを有していてよい。
【0075】
電子走行層332と電子供給層334とは、互いに異なる格子定数を有する窒化物半導体によって構成されている。したがって、電子走行層332を構成する窒化物半導体(例えば、GaN)と電子供給層334を構成する窒化物半導体(例えば、AlGaN)とは、格子不整合系のヘテロ接合を形成する。電子走行層332および電子供給層334の自発分極と、ヘテロ接合界面付近の結晶歪みに起因するピエゾ分極とによって、ヘテロ接合界面付近における電子走行層332の伝導帯のエネルギーレベルはフェルミ準位よりも低くなる。これにより、電子走行層332と電子供給層334とのヘテロ接合界面に近い位置(例えば、界面から数nm程度の範囲内)において電子走行層332内には二次元電子ガス(2DEG)が広がっている。この2DEGが、トランジスタ320の電流経路(チャネル)として機能する。
【0076】
トランジスタ320は、電子供給層334上に形成されたゲート層336と、パッシベーション層338とをさらに含む。ゲート層336は、アクセプタ型不純物を含む窒化物半導体によって構成されている。ゲート層336は、例えばAlGaN層である電子供給層334よりも小さなバンドギャップを有するGaN層であってよい。一例では、ゲート層336は、アクセプタ型不純物がドーピングされたGaN層(p型GaN層)である。アクセプタ型不純物は、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、および炭素(C)のうちの少なくとも1つを含むことができる。ゲート層336中のアクセプタ型不純物の最大濃度は、一例では、7×1018cm-3以上1×1020cm-3以下である。
【0077】
パッシベーション層338は、電子供給層334、ゲート層336、およびゲート電極322を覆うとともに、ソース開口338Aおよびドレイン開口338Bを有している。ソース電極324は、ソース開口338Aを介して電子供給層334に接している。ドレイン電極326は、ドレイン開口338Bを介して電子供給層334に接している。
【0078】
図10に示す例では、ゲート層336は、ゲート電極322が形成されるゲートリッジ部340と、ゲートリッジ部340よりも小さい厚さを有するソース側延在部342およびドレイン側延在部344とを含んでいてよい。ソース側延在部342およびドレイン側延在部344は、平面視でゲートリッジ部340から外側に延びている。
【0079】
ソース側延在部342は、平面視でゲートリッジ部340からソース開口338Aに向けて延びている。ソース側延在部342は、ソース開口338Aまでは達していない。ソース側延在部342は、パッシベーション層338によってソース電極324から離隔されている。
【0080】
ドレイン側延在部344は、平面視でゲートリッジ部340からドレイン開口338Bに向けて延びている。ドレイン側延在部344は、ドレイン開口338Bまでは達していない。ドレイン側延在部344は、パッシベーション層338によってドレイン電極326から離隔されている。
【0081】
ゲートリッジ部340は、ソース側延在部342とドレイン側延在部344との間にあり、ソース側延在部342およびドレイン側延在部344と一体に形成されている。
ゲートリッジ部340は、ゲート層336の比較的厚い部分に相当する。ゲートリッジ部340は、例えば、80nm以上150nm以下の厚さを有していてよい。
【0082】
ゲート電極322は、ゲートリッジ部340上に形成されている。ゲート電極322の厚さは、例えば、50nm以上200nm以下であってよい。ゲート電極322は、1つまたは複数の金属層によって構成されており、一例ではTiN層である。あるいは、ゲート電極322は、Tiからなる第1層と、第1層上に設けられたTiNからなる第2層とによって構成されていてもよい。ゲート電極322の厚さは、例えば、50nm以上200nm以下であってよい。ゲート電極322は、ゲート層336とショットキー接合を形成することができる。
【0083】
ソース電極324は、ソース開口338Aに充填されたソースコンタクトプラグ部324Aと、パッシベーション層338を覆うソースフィールドプレート部324Bとを含んでいてよい。ソースフィールドプレート部324Bは、ソースコンタクトプラグ部324Aと一体に形成され得る。ソースフィールドプレート部324Bは、平面視でドレイン開口338Bとゲート層336との間に位置する端部324Cを含んでいる。ソースフィールドプレート部324Bは、ゲート電極322にゲート電圧が印加されていないゼロバイアスの状態でドレイン電極326にドレイン電圧が印加された場合に、ゲート電極322の端部近傍の電界集中を緩和する役割を果たしている。
【0084】
ソース電極324の少なくとも一部は、ソース開口338A内に充填されているので、ソース開口338Aを介して電子供給層334直下の2DEGとオーミック接触することができる。同様に、ドレイン電極326の少なくとも一部は、ドレイン開口338B内に充填されているので、ドレイン開口338Bを介して電子供給層334直下の2DEGとオーミック接触することができる。
【0085】
トランジスタ320上には、1つまたは複数の配線層(図示略)を形成することができる。これにより、トランジスタ320のゲート電極322、ソース電極324、およびドレイン電極326を、
図9に示すゲート配線32、ソース配線46、ドレイン配線314にそれぞれ電気的に接続することができる。したがって、第1接続パッド34および第2接続パッド36は、ソース電極324に電気的に接続されるとともに、第3接続パッド302および第4接続パッド304は、ドレイン電極326に電気的に接続されている。
【0086】
図10に示すトランジスタ320では、ソース電極324およびドレイン電極326の両方が半導体基板328の上方に形成されている。したがって、トランジスタ320は、半導体基板328の面と平行な方向に電流が流れる横型トランジスタである。
図10の例では、トランジスタ320はGaNHEMTであるが、本実施形態の半導体装置300は、任意の横型トランジスタに適用可能である。
【0087】
第2実施形態の半導体装置300においても、ゲート配線32上に形成されたパッシベーション層60は、パッシベーション層60よりも厚い有機膜層58によって、第2導電性接合材306から離隔されている。
【0088】
これにより、ゲート配線32を覆うパッシベーション層60でのクラックの発生が抑制されて、ゲート配線32と、第3接続パッド302および第4接続パッド304との間のショートの発生を抑制することができる。
【0089】
上記に加え、第2実施形態の半導体装置300は、第1実施形態の半導体装置10の上記した利点(1)~(8)と同様の利点を有している。
[変更例]
上記実施形態の各々は、以下のように変更して実施することができる。
【0090】
・
図2に示す半導体素子16のゲート配線32およびソース配線46のレイアウトは、任意のレイアウトに変更することができる。例えば、外周ゲート配線42は、必ずしも半導体素子16の外縁に沿って閉じたループを形成していなくてもよい。外周ゲート配線42は、任意の場所で分断されていてよい。
【0091】
・
図9に示す半導体素子16のソース配線46およびドレイン配線314のレイアウトは、任意のレイアウトに変更することができる。例えば、
図9とは異なる数の(例えばより多くの)ソース配線46およびドレイン配線314が配置されてもよい。
【0092】
・
図1では、導電部材20の一例として、金属クリップが示されているが、導電部材20は、金属膜の形態であってもよい。
・パッシベーション層60を、ポリイミド系有機膜によって形成されるように変更してもよい。パッシベーション層60を比較的低いヤング率を有する材料によって形成することにより、パッシベーション層60の内部応力を低減することができる。この結果、パッシベーション層60におけるクラックの発生を抑制することができる。
【0093】
・半導体層40内の各領域の導電型は、反転されてもよい。すなわち、p型領域がn型領域とされ、n型領域がp型領域とされてもよい。
・
図5に示すトランジスタ70では、ゲートトレンチ88内にゲート電極72およびフィールドプレート電極90が配置されているが、ゲートトレンチ88内にフィールドプレート電極90が配置されていなくてもよい。
【0094】
・
図10に示すトランジスタ320では、ゲート層336は、ゲートリッジ部340を含むが、ゲート層336は、ソース側延在部342およびドレイン側延在部344を含んでいなくてもよい。
【0095】
本明細書に記載の様々な例のうちの1つまたは複数を、技術的に矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
本明細書において、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」とは、「Aのみ、または、Bのみ、または、AおよびBの両方」を意味するものとして理解されるべきである。
【0096】
本明細書で使用される「~上に」という用語は、文脈によって明らかにそうでないことが示されない限り、「~上に」と「~の上方に」の意味を含む。したがって、「第1層が第2層上に形成される」という表現は、或る実施形態では第1層が第2層に接触して第2層上に直接配置され得るが、他の実施形態では第1層が第2層に接触することなく第2層の上方に配置され得ることが意図される。すなわち、「~上に」という用語は、第1層と第2層との間に他の層が形成される構造を排除しない。
【0097】
本明細書で使用される「垂直」、「水平」、「上方」、「下方」、「上」、「下」、「前方」、「後方」、「縦」、「横」、「左」、「右」、「前」、「後」などの方向を示す用語は、説明および図示された装置の特定の向きに依存する。本開示においては、様々な代替的な向きを想定することができ、したがって、これらの方向を示す用語は、狭義に解釈されるべきではない。
【0098】
例えば、本明細書で使用されるZ軸方向は必ずしも鉛直方向である必要はなく、鉛直方向に完全に一致している必要もない。例えば、X軸方向が鉛直方向であってもよく、またはY軸方向が鉛直方向であってもよい。
【0099】
[付記]
本開示から把握できる技術的思想を以下に記載する。なお、限定する意図ではなく理解の補助のために、付記に記載される構成要素には、実施形態中の対応する構成要素の参照符号が付されている。参照符号は、理解の補助のために例として示すものであり、各付記に記載された構成要素は、参照符号で示される構成要素に限定されるべきではない。
【0100】
(付記1)
半導体素子(16)であって、
ゲート電極(72)、ソース電極(74)、およびドレイン電極(76)を有するトランジスタ(70)と、
前記ゲート電極(72)に電気的に接続されるとともに、第1方向に延びるゲート配線(32)と、
前記ソース電極(74)および前記ドレイン電極(76)のうちの一方に電気的に接続されるとともに、平面視で前記第1方向と直交する第2方向に互いに離隔された第1および第2接続パッド(34,36)と、
前記ゲート配線(32)上に形成されたパッシベーション層(60)と、
前記パッシベーション層(60)上に形成された有機膜層(58)と
を含む、半導体素子(16)と、
前記半導体素子(16)上に配置されるとともに、平面視で前記ゲート配線(32)、前記第1接続パッド(34)、および前記第2接続パッド(36)と少なくとも部分的に重なる導電性接合材(18)と、
前記導電性接合材(18)上に配置された導電部材(20)と
を備え、前記第1接続パッド(34)および前記第2接続パッド(36)は、前記導電性接合材(18)を介して前記導電部材(20)に電気的に接続され、前記ゲート配線(32)は、平面視で前記第1接続パッド(34)と前記第2接続パッド(36)との間に配置され、
前記ゲート配線(32)上に形成された前記パッシベーション層(60)は、前記パッシベーション層(60)よりも厚い前記有機膜層(58)によって、前記導電性接合材(18)から離隔されている、半導体装置。
【0101】
(付記2)
前記有機膜層(58)は、5~10μmの厚さを有している、付記1に記載の半導体装置。
【0102】
(付記3)
前記パッシベーション層(60)は、0.5~2μmの厚さを有している、付記1または2に記載の半導体装置。
【0103】
(付記4)
前記有機膜層(58)は、ポリイミド系有機膜によって形成されている、付記1~3のうちのいずれか1つに記載の半導体装置。
【0104】
(付記5)
前記有機膜層(58)は、ポリベンゾオキサゾールまたはポリイミドによって形成されている、付記1~4のうちのいずれか1つに記載の半導体装置。
【0105】
(付記6)
前記パッシベーション層(60)は、SiN膜およびSiO2膜のうちの少なくとも一方を含む、付記1~5のうちのいずれか1つに記載の半導体装置。
【0106】
(付記7)
前記有機膜層(58)は、前記パッシベーション層(60)よりも小さいヤング率を有する材料によって形成されている、付記1~6のうちのいずれか1つに記載の半導体装置。
【0107】
(付記8)
前記有機膜層(58)は、前記パッシベーション層(60)の1/10未満のヤング率を有する材料によって形成されている、付記1~7のうちのいずれか1つに記載の半導体装置。
【0108】
(付記9)
前記導電部材(20)は、前記半導体素子(16)の上面と対向する平坦な接合面(24A)を含み、前記ゲート配線(32)、前記第1接続パッド(34)、および前記第2接続パッド(36)は、前記平坦な接合面(24A)の下方に位置している、付記1~8のうちのいずれか1つに記載の半導体装置。
【0109】
(付記10)
前記導電部材(20)は、Cuクリップである、付記1~9のうちのいずれか1つに記載の半導体装置。
【0110】
(付記11)
前記導電性接合材(18)は、はんだである、付記1~10のうちのいずれか1つに記載の半導体装置。
【0111】
(付記12)
前記パッシベーション層(60)は、前記第1接続パッド(34)を露出させる第1パッド開口(52)と、前記第2接続パッド(36)を露出させる第2パッド開口(54)とを含み、
前記半導体素子(16)は、前記導電性接合材(18)と前記第1接続パッド(34)との間に介在する第1金属層(62)と、前記導電性接合材(18)と前記第2接続パッド(36)との間に介在する第2金属層(64)とをさらに含み、前記第1および第2金属層(64)は、それぞれ前記第1パッド開口(52)および前記第2パッド開口(54)に埋め込まれている、付記1~11のうちのいずれか1つに記載の半導体装置。
【0112】
(付記13)
前記第1金属層(62)および前記第2金属層(64)は、平面視でそれぞれ前記第1パッド開口(52)および前記第2パッド開口(54)よりも広い領域に形成されている、付記12に記載の半導体装置。
【0113】
(付記14)
前記有機膜層(58)は、前記第1金属層(62)の一部を露出させる第1開口(58A)および前記第2金属層(64)の一部を露出させる第2開口(58B)を有している、付記12または13に記載の半導体装置。
【0114】
(付記15)
前記トランジスタ(70;320)は、Si MOSFET、SiC MOSFET、またはGaN HEMTである、付記1~14のうちのいずれか1つに記載の半導体装置。
【0115】
(付記16)
前記トランジスタ(70)は、縦型トランジスタである、付記1~14のうちのいずれか1つに記載の半導体装置。
【0116】
(付記17)
前記導電部材(20)は、第1導電部材(20)であり、
前記導電性接合材(18)は、第1導電性接合材(18)であり、
前記第1および第2接続パッド(34,36)は、前記ソース電極(324)に電気的に接続されており、
前記半導体素子(16)は、前記ドレイン電極(326)に電気的に接続されるとともに、平面視で前記第2方向に互いに離隔された第3および第4接続パッド(302,304)をさらに含み、
前記半導体装置は、
前記半導体素子(16)上に配置されるとともに、平面視で前記ゲート配線(32)、前記第3接続パッド(302)、および前記第4接続パッド(304)と少なくとも部分的に重なる第2導電性接合材(306)と、
前記第2導電性接合材(306)上に配置された第2導電部材(308)と
をさらに備え、
前記第3接続パッド(302)および前記第4接続パッド(304)は、前記第2導電性接合材(306)を介して前記第2導電部材(308)に電気的に接続され、前記ゲート配線(32)は、平面視で前記第3接続パッド(302)と前記第4接続パッド(304)との間に配置され、
前記ゲート配線(32)上に形成された前記パッシベーション層(60)は、前記パッシベーション層(60)よりも厚い前記有機膜層(58)によって、前記第2導電性接合材(306)から離隔されている、付記1~15のうちのいずれか1つに記載の半導体装置。
【0117】
(付記18)
前記トランジスタ(320)は、横型トランジスタである、付記17に記載の半導体装置。
【0118】
(付記19)
前記パッシベーション層(60)は、ポリイミド系有機膜によって形成されている、付記1~5のうちのいずれか1つに記載の半導体装置。
【0119】
以上の説明は単に例示である。本開示の技術を説明する目的のために列挙された構成要素および方法(製造プロセス)以外に、より多くの考えられる組み合わせおよび置換が可能であることを当業者は認識することができる。本開示は、特許請求の範囲を含む本開示の範囲内に含まれるすべての代替、変形、および変更を包含することが意図されている。
【符号の説明】
【0120】
10,100,200,300…半導体装置
12…導電板
14…導電端子
16…半導体素子
18,22,28,306…導電性接合材
20,202,308…導電部材
24…第1接続部
26…第2接続部
30…封止部材
32…ゲート配線
34…第1接続パッド
36…第2接続パッド
38…底面電極
40…半導体層
42…外周ゲート配線
44…ゲートパッド
46…ソース配線
48…第1部分
50…第2部分
52,54,56,310,312…パッド開口
58…有機膜層
58A,58B…開口
60…パッシベーション層
62…第1金属層
64…第2金属層
70,320…トランジスタ
72,322…ゲート電極
74,324…ソース電極
76,326…ドレイン電極
78,328…半導体基板
80…エピタキシャル層
82…ドリフト領域
84…ボディ領域
86…ソース領域
88…ゲートトレンチ
90…フィールドプレート電極
92…絶縁層
94…ソースコンタクトプラグ
96…コンタクト領域
204…湾曲部
302…第3接続パッド
304…第4接続パッド
314…ドレイン配線
316…第1部分
318…第2部分
330…バッファ層
332…電子走行層
334…電子供給層
336…ゲート層
338…パッシベーション層
338A…ソース開口
338B…ドレイン開口
340…ゲートリッジ部
342…ソース側延在部
344…ドレイン側延在部