(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171104
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】端子付き電線
(51)【国際特許分類】
H01R 4/18 20060101AFI20231124BHJP
H01R 13/6473 20110101ALI20231124BHJP
H01R 13/655 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
H01R4/18 A
H01R13/6473
H01R13/655
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022083346
(22)【出願日】2022-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】松浦 伸也
【テーマコード(参考)】
5E021
5E085
【Fターム(参考)】
5E021FB11
5E021FC23
5E021FC32
5E021LA01
5E021LA19
5E021LA21
5E085BB04
5E085BB12
5E085DD05
5E085DD13
5E085DD18
5E085EE01
5E085EE11
5E085EE34
5E085FF01
5E085GG11
5E085JJ03
5E085JJ38
(57)【要約】
【課題】インピーダンス不整合を抑制するとともに、製造作業性に優れる端子付き電線を提供すること。
【解決手段】端子付き電線1は、電線10と、電線10における編組13の外周面を覆うように電線10に圧着される第2バレル部22を有する端子20と、編組13と端子20とを導通接続する導電性の介在部材40と、を備えて、第2バレル部22は、バレル本体22a及び一対のバレル片22bを有し、バレル本体22aには、電線10への第2バレル部22の圧着時に介在部材40が載置される凹部32が設けられ、バレル片22bには、凹部32と連続するとともに交差方向に延び且つ圧着時に介在部材40が流入する凹条部33が設けられ、介在部材40は、少なくとも編組13と凹部32及び凹条部33との間に画成される空隙Sに配置される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体芯線、前記導体芯線の外周面を覆う絶縁被覆、及び、前記絶縁被覆の外周面を覆う導電部材を有する電線と、
内径が前記電線における前記導電部材の外径よりも大きくなるように前記導電部材の外周面を覆うようにして前記電線に圧着されるバレル部を、有する端子と、
前記導電部材と前記端子とを導通接続する、流動可能な介在部材と、
を備えた端子付き電線であって、
前記バレル部は、
前記電線の軸方向に沿って延びるバレル本体と、前記バレル本体から前記軸方向と交差する交差方向の両側にそれぞれ延びる一対のバレル片と、を有し、
前記バレル本体には、前記電線への前記バレル部の圧着時に前記介在部材が載置される凹部が設けられ、
前記バレル片には、前記凹部と連続するとともに前記交差方向に延び、且つ、前記圧着時に前記介在部材が流入する凹条部が設けられ、
前記介在部材は、
少なくとも前記導電部材と前記凹部及び前記凹条部との間に画成される空隙に配置される、
端子付き電線。
【請求項2】
請求項1に記載の端子付き電線において、
前記凹部は、前記凹条部よりも窪みが深い、
端子付き電線。
【請求項3】
請求項1に記載の端子付き電線において、
前記バレル片には、複数の前記凹条部が前記軸方向に間隔を空けて並設され、
前記凹部は、柱状の形状を有する、
端子付き電線。
【請求項4】
請求項1に記載の端子付き電線において、
前記軸方向において、前記バレル本体の少なくとも一方の端部には、孔部が設けられる、
端子付き電線。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子付き電線に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、導体芯線、導体芯線の外周面を覆う絶縁被覆、及び絶縁被覆の外周面を覆う編組を有する電線(いわゆるシールド電線)と、編組と導通接続される端子と、を備えた端子付き電線が提案されている。従来の端子付き電線の一つは、電線の軸方向における少なくとも一部にて露出された編組を覆うように、筒状の端子(スリーブ)が電線に圧着されて(加締められて)、編組と端子とが導通接続されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、上述したように端子を電線に圧着して編組と端子とを導通接続させる場合、端子と編組とが接触するように、端子は内径が編組の外径よりも小さくなるようにプレス等によって圧縮される。ところが、端子が圧縮(電線に圧着)されることで、電線が変形してしまい、インピーダンス不整合となる部分が発生するおそれがあった。
【0005】
特許文献1では、編組と端子との環状の隙間に導電性接着剤を注入することで、端子の圧縮量を小さくして、電線の変形、即ちインピーダンス不整合を抑制している。しかしながら、この方法では、電線を端子に挿入した後に、上記隙間に導電性接着剤を注入する必要があり、作業が煩雑であった。このように、従来の端子付き電線は、インピーダンス不整合の抑制と、製造作業性と、の両立が困難であった。
【0006】
本発明は、上述した状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、インピーダンス不整合を抑制するとともに、製造作業性に優れる端子付き電線を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために、本発明に係る端子付き電線は、下記を特徴としている。
【0008】
導体芯線、前記導体芯線の外周面を覆う絶縁被覆、及び、前記絶縁被覆の外周面を覆う導電部材を有する電線と、
内径が前記電線における前記導電部材の外径よりも大きくなるように前記導電部材の外周面を覆うようにして前記電線に圧着されるバレル部を、有する端子と、
前記導電部材と前記端子とを導通接続する、流動可能な介在部材と、
を備えた端子付き電線であって、
前記バレル部は、
前記電線の軸方向に沿って延びるバレル本体と、前記バレル本体から前記軸方向と交差する交差方向の両側にそれぞれ延びる一対のバレル片と、を有し、
前記バレル本体には、前記電線への前記バレル部の圧着時に前記介在部材が載置される凹部が設けられ、
前記バレル片には、前記凹部と連続するとともに前記交差方向に延び、且つ、前記圧着時に前記介在部材が流入する凹条部が設けられ、
前記介在部材は、
少なくとも前記導電部材と前記凹部及び前記凹条部との間に画成される空隙に配置される、
端子付き電線であること。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る端子付き電線について以下に述べる。
本構成の端子付き電線によれば、端子のバレル部は、内径が導電部材の外径よりも大きくなるように導電部材の外周面を覆うようにして電線に圧着されるため、バレル部の圧着による電線の変形が抑制される。つまり、電線の変形に起因するインピーダンス不整合が抑制される。なお、これにより、電線の伝送特性の劣化も抑制される。更に、電線へのバレル部の圧着時、バレル本体の凹部に載置された介在部材が凹条部に流入して空隙に配置されて、導電部材と端子とが導通接続されるため、電線へのバレル部の圧着作業性、ひいては端子付き電線の製造作業性に優れる。このように、本構成の端子付き電線は、インピーダンス不整合の抑制と、製造作業性と、の両立が可能である。
【0010】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る端子付き電線の斜視図である。
【
図3】
図3は、端子におけるバレル部を展開した上面図である。
【
図6】
図6は、電線への端子の圧着前の態様を示す概略図であって、
図3のB-B断面図に相当する図である。
【
図7】
図7は、電線への端子の圧着後の態様を示す概略図であって、
図3のA-A断面図に相当する図である。
【
図8】
図8は、電線への端子の圧着後の態様を示す概略図であって、
図3のB-B断面図に相当する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施形態>
以下、
図1~
図8を参照して、本発明の実施形態に係る端子付き電線1について説明する。端子付き電線1は、電線10、端子20、及び介在部材40を含んで構成される、いわゆる同軸ケーブルである。
【0013】
以下、説明の便宜上、
図1~
図8に示すように、「前後方向」、「上下方向」、「幅方向」、「前」、「後」、「上」及び「下」を定義する。「前後方向」、「上下方向」及び「幅方向」は、互いに直交している。前後方向は、本発明の「軸方向」に対応している。左右方向は、本発明の「交差方向」に対応している。以下、端子付き電線1を構成する電線10、端子20、及び介在部材40について順に説明する。
【0014】
<電線10>
まず、
図2を参照して、電線10について説明する。電線10は、同軸ケーブルのいわゆるシールド電線であり、前後方向に延びる導体芯線11と、導体芯線11の外周面を覆う絶縁被覆12と、絶縁被覆12の外周面を覆う編組13と、編組13の外周面を覆うシース14と、を有している。編組13は、本発明の「導電部材」に対応し、いわゆるシールド導体である。
【0015】
電線10は、前方端末にて導体芯線11が露出するように絶縁被覆12が除去され、相手側部材との接続部材(図示省略)が、露出した導体芯線11に外装される。更に、電線10は、導体芯線11の露出箇所よりも後方にて編組13が露出するようにシース14が除去され、後述する端子20の第2バレル部22が、露出した編組13に外装される。
【0016】
<端子20>
次いで、
図1~
図5を参照して、端子20について説明する。端子20は、導電性を有し、板状部材が加工されて形成されている。
図1及び
図2に示すように、端子20は、シース14の外周面を覆うように電線10に圧着される第1バレル部21と、編組13の外周面を覆うように電線10に圧着される第2バレル部22と、電線10の前方端末及び上記接続部材(図示省略)が挿入される筒状部23と、第1バレル部21と第2バレル部22とを前後方向に連結する第1連結部24と、第2バレル部22と筒状部23とを前後方向に連結する第2連結部25と、が一体に構成されている。なお、筒状部23及び導体芯線11に外装される接続部材は、互いに導通接続されないように構成されている。
【0017】
以下、インピーダンス不整合を抑制するとともに、製造作業性に優れる端子付き電線を実現する、端子20における第2バレル部22の具体的な構成について説明する。
図3に示すように、第2バレル部22は、前後方向に沿って延びるバレル本体22aと、バレル本体22aの左右方向両端からそれぞれ左右方向に延びる一対のバレル片22bと、が一体に構成されている。第2バレル部22は、電線10への圧着時の内径が、電線10における編組13の外径(電線10の中心軸から編組13の外周面までの距離)よりも大きいように構成される(
図7~
図8参照)。
【0018】
図2に示すように、バレル本体22aは、前端が第1連結部24と連続し、後端が第2連結部25と前後方向に連続している。
図3に示すように、バレル本体22aには、左右方向に延びる略矩形状の孔部31と、略円柱状(上方視は略正円状)の凹部32と、が設けられている。
【0019】
孔部31は、上下方向に貫通する孔であり、凹部32よりも前端(導体芯線11が露出された側、即ち筒状部23側)に配置されている(
図4及び
図7も参照)。凹部32は、バレル本体22aの板厚方向(
図5では上下方向)に窪む窪みであり、上記圧着時に介在部材40が載置されることになる(
図5~
図6及び
図8も参照)。
【0020】
図3に示すように、一対のバレル片22bには、それぞれ、左右方向に延びる複数(本例では、3本)の凹条部33が、前後方向に間隔を空けて並設されている。凹条部33は、バレル片22bの板厚方向(
図5では上下方向)に窪む窪みであり、上記圧着時に介在部材40が流入することになる
図5及び
図8も参照)。
【0021】
図3に示すように、凹部32と凹条部33とは、バレル本体22aに設けられる接続凹部34によって互いに連続するように構成されている。
図5に示すように、凹部32における窪みの深さd1は、凹条部33における窪みの深さd2よりも大きく構成される。なお、接続凹部34における窪みの深さは、深さd2である。
【0022】
<介在部材40>
次いで、
図8を参照して、介在部材40について説明する。
図8に示すように、介在部材40は、後述する空隙Sに配置されて、編組13と端子20とを導通接続する機能を果たす。介在部材40としては、例えば、導電性接着剤やクリームはんだ等が用いられる。
【0023】
<電線10への端子20の装着>
次いで、
図2を参照して、電線10への端子20の圧着について説明する。まず、電線10における前方端末にて露出した導体芯線11に接続部材(図示省略)を外装し、接続部材が外装された電線の前方端末を、端子20の後端から筒状部23に挿入する(
図2の矢印参照)。そして、シース14の外周面を覆うように、第1バレル部21を電線10に圧着し、編組13の外周面を覆うように、第2バレル部22を電線10に圧着する。これにより、端子付き電線1が完成される(
図1参照)。なお、電線10への第2バレル部22の圧着についての具体的な説明は後述する。また、電線10への第1バレル部21の圧着工程、及び、電線10への第2バレル部22の圧着工程の順番は特に限定されるものではない。
【0024】
<電線10への第2バレル部22の圧着>
次いで、
図6~
図8を参照して、電線10への第2バレル部22の圧着について説明する。まず、第2バレル部22の凹部32に介在部材40を載置し、プレス等によって第2バレル部22を加締める(圧縮する)。この加締め(圧縮)は、電線10の変形を抑制すべく、第2バレル部22の内径が電線10における編組13の外径よりも大きくなるように行われる。これにより、編組13と、凹部32及び凹条部33(接続凹部34も含む)との間には、空隙Sが画成される。
【0025】
第2バレル部22が加締められることで、介在部材40には、電線10及び端子20によって圧力が加わる。これにより、介在部材40は、凹部32から溢れるように凹条部33に流入し、凹条部33の端部まで押し広げられるように流れて空隙Sを埋める(
図8の矢印参照)。このとき、例えば凹部32へ載置する介在部材40の量が多い場合、電線10の前方端末に向けて流れる余分な介在部材40については、孔部31から第2バレル部22の外側に排出され(
図7参照)、導体芯線11と編組13との短絡が抑止される。
【0026】
この結果、介在部材40が空隙Sに配置されて、編組13と端子20とが導通接続される。これにより、電線10への第2バレル部22の圧着が完了される。
【0027】
<作用・効果>
本実施形態に係る端子付き電線1によれば、端子20の第2バレル部22は、内径が編組13の外径よりも大きくなるように編組13の外周面を覆うようにして電線10に圧着される。このため、第2バレル部22の圧着による電線10の変形が抑制されて、電線10の変形に起因するインピーダンス不整合が抑制される。なお、これにより、電線10の伝送特性の劣化も抑制される。更に、電線10への第2バレル部22の圧着時、バレル本体22aの凹部32に載置された介在部材40が凹条部33に流入し空隙Sに配置されて、編組13と端子20とが導通接続される。このため、端子付き電線1は、電線10への第2バレル部22の圧着作業性、ひいては端子付き電線1の製造作業性に優れる。このように、端子付き電線1は、インピーダンス不整合の抑制と、製造作業性と、の両立が可能である。
【0028】
更に、本実施形態に係る端子付き電線1によれば、凹部32が凹条部33よりも窪みが深いことで、上記圧着時に介在部材40が凹部32から凹条部33へ容易に流入する。
【0029】
更に、本実施形態に係る端子付き電線1によれば、凹部32が柱状の形状を有することで、上記圧着時に介在部材40が凹部32から複数の凹条部33へ均等に流入する。
【0030】
更に、本実施形態に係る端子付き電線に1よれば、バレル本体22aの前端に孔部31が設けられることで、凹部32に載置された介在部材40の量が多い場合には、上記圧着時に孔部31から余分な介在部材40が排出される。
【0031】
<他の形態>
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0032】
ここで、上述した本発明に係る端子付き電線の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[4]に簡潔に纏めて列記する。
[1]
導体芯線(11)、前記導体芯線の外周面を覆う絶縁被覆(12)、及び、前記絶縁被覆の外周面を覆う導電部材(編組13)を有する電線(10)と、
内径が前記電線における前記導電部材(編組13)の外径よりも大きくなるように前記導電部材(編組13)の外周面を覆うようにして前記電線(10)に圧着されるバレル部(第2バレル部22)を、有する端子(20)と、
前記導電部材(編組13)と前記端子(20)とを導通接続する、流動可能な介在部材(40)と、
を備えた端子付き電線(1)であって、
前記バレル部(第2バレル部22)は、
前記電線(10)の軸方向に沿って延びるバレル本体(22a)と、前記バレル本体から前記軸方向と交差する交差方向の両側にそれぞれ延びる一対のバレル片(22b)と、を有し、
前記バレル本体(22a)には、前記電線(10)への前記バレル部(第2バレル部22)の圧着時に前記介在部材(40)が載置される凹部(32)が設けられ、
前記バレル片(22b)には、前記凹部(32)と連続するとともに前記交差方向に延び、且つ、前記圧着時に前記介在部材(40)が流入する凹条部(33)が設けられ、
前記介在部材(40)は、
少なくとも前記導電部材(編組13)と前記凹部(32)及び前記凹条部(33)との間に画成される空隙(S)に配置される、
端子付き電線(1)。
[2]
上記[1]に記載の端子付き電線(1)において、
前記凹部(32)は、前記凹条部(33)よりも窪みが深い、
端子付き電線(1)。
[3]
上記[1]又は上記[2]に記載の端子付き電線(1)において、
前記バレル片(22b)には、複数の前記凹条部(33)が前記軸方向に間隔を空けて並設され、
前記凹部(32)は、柱状の形状を有する、
端子付き電線(1)。
[4]
上記[1]から上記[3]の何れか一つに記載の端子付き電線(1)において、
前記軸方向において、前記バレル本体(22a)の少なくとも一方の端部には、孔部(31)が設けられる、
端子付き電線(1)。
【0033】
上記[1]の構成の端子付き電線によれば、端子のバレル部は、内径が導電部材の外径よりも大きくなるように導電部材の外周面を覆うようにして電線に圧着されるため、バレル部の圧着による電線の変形が抑制される。つまり、電線の変形に起因するインピーダンス不整合が抑制される。なお、これにより、電線の伝送特性の劣化も抑制される。更に、電線へのバレル部の圧着時、バレル本体の凹部に載置された介在部材が凹条部に流入して空隙に配置されて、導電部材と端子とが導通接続されるため、電線へのバレル部の圧着作業性、ひいては端子付き電線の製造作業性に優れる。このように、本構成の端子付き電線は、インピーダンス不整合の抑制と、製造作業性と、の両立が可能である。
【0034】
上記[2]の構成の端子付き電線によれば、凹部が凹条部よりも窪みが深いことで、上記圧着時に介在部材が凹部から凹条部へ容易に流入する。
【0035】
上記[3]の構成の端子付き電線によれば、凹部が柱状の形状を有することで、上記圧着時に介在部が凹部から複数の凹条部へ均等に流入する。
【0036】
上記[4]の構成の端子付き電線によれば、バレル本体の端部に孔部が設けられることで、凹部に載置された介在部材材の量が多い場合には、上記圧着時に孔部から余分な介在部材が排出される。
【符号の説明】
【0037】
1 端子付き電線
10 電線
11 導体芯線
12 絶縁被覆
13 編組(導電部材)
14 シース
20 端子
21 第1バレル部
22 第2バレル部(バレル部)
22a バレル本体
22b バレル片
23 筒状部
24 第1連結部
25 第2連結部
31 孔部
32 凹部
33 凹条部
34 接続凹部
40 介在部材
S 空隙