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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171139
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/09 20060101AFI20231124BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
G08G1/09 V
G08G1/16 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022083387
(22)【出願日】2022-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100132045
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 伸
(72)【発明者】
【氏名】浅羽 淳一郎
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC04
5H181CC14
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF27
5H181FF33
5H181LL09
5H181MB06
(57)【要約】
【課題】操作者の負荷を低減する。
【解決手段】情報処理装置10は取得部21と制御部22とを有する。取得部21は操作命令を要求する移動体の周囲状況に関する情報を取得する。制御部22は移動体14を周囲状況に関する情報に基づいて複数の状況に対応する複数の群のいずれかに区分けする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作命令を要求する移動体から、該移動体の周囲状況に関する情報を取得する取得部と、
前記移動体を、前記周囲状況に関する情報に基づいて、複数の状況に対応する複数の群のいずれかに区分けする制御部と、を備える
情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記制御部は、
前記移動体を遠隔操作可能な複数の遠隔操作ユニットのいずれかに、前記移動体の遠隔操作タスクを割当可能であり、
任意の前記移動体の前記遠隔操作タスクを割当てる前記遠隔操作ユニットを、該任意の移動体と同じ群に含まれていた移動体に対して前記遠隔操作タスクを直前に実行済みの前記遠隔操作ユニットの中から選択する
情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置において、
前記制御部は、前記任意の移動体と同じ群に含まれていた移動体に対する前記遠隔操作タスクを直前に実行済みの前記遠隔操作ユニットが、前記複数の遠隔操作ユニットの中に含まれていない場合、前記遠隔操作タスクを実行済みの前記遠隔操作ユニットの中から選択する
情報処理装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の情報処理装置において、
前記制御部は、所定の第1の条件に基づいて、前記遠隔操作タスクを優先して前記遠隔操作ユニットに割当てる前記群を、前記複数の群の中から決定する
情報処理装置。
【請求項5】
請求項2又は3に記載の情報処理装置において、
前記制御部は、所定の第2の条件に基づいて、同一の前記群の中において、前記遠隔操作タスクを優先して前記遠隔操作ユニットに割当てる前記移動体を、複数の前記移動体の中から決定する
情報処理装置。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前周囲状況に関する情報は、前記移動体の周囲状況を示す情報を含み、
前記制御部は、前記周囲状況を示す情報に基づいて、前記移動体が予め想定される前記複数の状況のいずれに属するかを判別する
情報処理装置。
【請求項7】
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記周囲状況に関する情報は、前記移動体が予め想定される前記複数の状況の中のいずれに対応するかを示す情報である
情報処理装置。
【請求項8】
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記操作命令を要求する移動体は、自律運転可能でありながら、該移動体の周囲状況に起因して前記自律運転が不可能である移動体である
情報処理装置。
【請求項9】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記制御部は、
前記移動体を遠隔操作可能な複数の遠隔操作ユニットに、前記移動体の遠隔操作タスクを割当可能であり、
同じ群に含まれる複数の前記移動体の前記遠隔操作タスクを、同一の前記遠隔操作ユニットに連続して割当てる
情報処理装置。
【請求項10】
操作命令を要求する複数の移動体の各々が属する周囲状況に関する情報を取得する取得部と、
前記移動体を遠隔操作可能な遠隔操作ユニットに、類似する状況に遭遇している前記移動体の前記遠隔操作タスクを連続して割当てる制御部と、を備える
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両等の移動体の自動運転技術の開発が進められている。自動運転が可能であっても、緊急時に備えて遠隔支援を行うことが求められている。遠隔支援を効率的に行うために、遠隔操作を行う操作者の操作能力を評価し、最新の評価結果に基づいて遠隔操作を行うオペレータを割当てる遠隔支援装置が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-170191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遠隔支援が必要になる移動体の状況は多様であるため、操作者は各状況に対応する必要がある。そのため、操作者の負担が大きい。
【0005】
従って、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされた本開示の目的は、遠隔支援において遠隔支援のための操作を行う操作者の負担を低減する情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の観点による情報処理装置は、
操作命令を要求する移動体から、該移動体の周囲状況に関する情報を取得する取得部と、
前記移動体を、前記周囲状況に関する情報に基づいて、複数の状況に対応する複数の群のいずれかに区分けする制御部と、を備える。
【0007】
第2の観点による情報処理装置は、
操作命令を要求する複数の移動体の各々が属する周囲状況に関する情報を取得する取得部と、
前記移動体を遠隔操作可能な遠隔操作ユニットに、類似する状況に遭遇している前記移動体の前記遠隔操作タスクを連続して割当てる制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
上記のように構成された本開示に係る情報処理装置によれば、操作者の負担が低減され得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、一実施形態に係る情報処理装置を備える遠隔支援システムの構成例を示す図である。
図2図1の移動体の概略構成を示すブロック図である。
図3図1の遠隔操作ユニットの概略構成を示すブロック図である。
図4図1の情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
図5】複数の移動体の周囲状況を例示する図である。
図6図4の制御部が実行する区分け処理を説明するためのフローチャートである。
図7図4の制御部が実行する割当処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示を適用した情報処理装置の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
図1に示すように、一実施形態に係る情報処理装置10を備える遠隔支援システム11は、遠隔操作ユニット12及び情報処理装置10を含んで構成されてよい。遠隔支援システム11は、ネットワーク13を介して移動体14と通信可能であってよい。遠隔支援システム11は、無線通信により移動体14と通信してよい。
【0012】
移動体14は、自律運転を実行可能である。移動体14は、遠隔支援システム11から取得する操作命令に基づいて遠隔運転を実行可能である。更に、移動体14は、移動体14の乗員によって、手動運転を実行可能であってよい。
【0013】
移動体14は、例えば車両、船舶、および航空機等を含んでよい。車両は、例えば自動車、産業車両、鉄道車両、生活車両、および滑走路を走行する固定翼機等を含んでよい。自動車は、例えば乗用車、トラック、バス、二輪車、およびトロリーバス等を含んでよい。産業車両は、例えば農業および建設向けの産業車両等を含んでよい。産業車両は、例えばフォークリフトおよびゴルフカート等を含んでよい。農業向けの産業車両は、例えばトラクター、耕耘機、移植機、バインダー、コンバイン、および芝刈り機等を含んでよい。建設向けの産業車両は、例えばブルドーザー、スクレーバー、ショベルカー、クレーン車、ダンプカー、およびロードローラ等を含んでよい。車両は、人力で走行するものを含んでよい。車両の分類は、上述した例に限られない。例えば、自動車は、道路を走行可能な産業車両を含んでよい。複数の分類に同じ車両が含まれてよい。船舶は、例えばマリンジェット、ボート、およびタンカー等を含んでよい。航空機は、例えば固定翼機および回転翼機等を含んでよい。
【0014】
図2に示すように、移動体14は、センサ部15、通信部16、運転制御システム17、及び制御部18を含んで構成されてよい。
【0015】
センサ部15は、周期的に移動体14の周囲状況を検出してよい。センサ部15は、例えば、カメラ及び測距センサを含んでよい。測距センサは、周囲状況を、移動体14の周囲に存在する物体との距離として検出してよい。カメラは、周囲状況を画像として検出してよい。測距センサは、周囲状況を、測距センサからの方向別の物体の距離値を含む距離分布として検出してよい。
【0016】
通信部16は、制御部18によって制御されて、ネットワーク13を介して情報処理装置10と無線通信を行ってよい。通信部16は、他の移動体14、路側機等の他の機器、又は情報処理装置10の他の情報処理装置等を更に介して情報処理装置10と無線通信を行ってよい。通信部16は、後述するように、操作命令の要求を情報処理装置10に送信してよい。通信部16は、後述するように、移動体14の周囲状況に関する情報を情報処理装置10に送信してよい。通信部16は、移動体14の周囲状況を示す情報を情報処理装置10に送信してよい。通信部16は、操作命令を情報処理装置10から受信してよい。
【0017】
運転制御システム17は、移動体14のエンジン又はモータ等の駆動部、操舵輪等の方向調整部、及びブレーキを制御して、移動体14を運転してよい。運転制御システム17は、センサ部15が検出する周囲状況を示す情報に基づいて自律運転の可否を判別してよい。運転制御システム17は、例えば、周囲状況を示す情報だけに基づく自律運転に対して算出される安全性等の評価値を閾値と比較することにより判別されてよい。
【0018】
運転制御システム17は、自律運転可能であると判断する場合、周囲状況に基づいて自律運転を行ってよい。運転制御システム17は、移動体14の周囲状況に起因して自律運転不可能であると判断する場合、自律運転不可であることを制御部18に通知してよい。運転制御システム17は、後述する操作命令に基づいて、移動体14を制御してよい。運転制御システム17は、移動体14のアクセルペダル、ブレーキペダル、及びステアリングホイール等への手動入力に基づいて、移動体14を手動運転してよい。
【0019】
制御部18は、1以上のプロセッサおよびメモリを含む。プロセッサは、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ、および特定の処理に特化した専用のプロセッサを含んでよい。専用のプロセッサは、特定用途向けIC(ASIC;Application Specific Integrated Circuit)を含んでよい。プロセッサは、プログラマブルロジックデバイス(PLD;Programmable Logic Device)を含んでよい。PLDは、FPGA(Field-Programmable Gate Array)を含んでよい。制御部18は、1つ又は複数のプロセッサが協働するSoC(System-on-a-Chip)、およびSiP(System In a Package)のいずれかであってもよい。
【0020】
制御部18は、遠隔操作に基づく移動体14の動作を制御してよい。制御部18は、例えば、運転制御システム17から自律運転不可であることの通知を受ける場合、操作命令の要求を情報処理装置10に送信するように通信部16を制御してよい。制御部18は、操作命令を要求する場合、周囲状況に関する情報を生成してよい。
【0021】
周囲状況に関する情報は、センサ部15が検出する周囲状況を示す情報であってよい。前述のように周囲状況は物体の距離、周囲の画像、及び距離分布等であるので、周囲状況を示す情報は、例えば移動体14の周囲の画像又は物体の距離分布であってよい。周囲状況に関する情報は、移動体14が複数の状況の中のいずれに属するかを示す情報であってよい。複数の状況の中のいずれに属するかを示す情報とは、例えば移動体14が属する状況を示す識別子であってもよい。移動体14がある状況に属しているとは、当該移動体14がその状況に遭遇しており、例えば走行を継続するためには当該状況に対処せねばならないことを意味する。複数の状況は、例えば、移動体14がその状況に遭遇することで、運転制御システム17による自律運転が不可と判定される可能性が高いと予め想定される状況である。予め想定される複数の状況は、例えば、移動体14が車両である構成において、路上駐車の側の通過、対向車とのすれ違い、自転車及び歩行者側の通過、追越及び道譲り、雪及び雑草上の走行、並びに交差点右折等であるが、これらに限られない。周囲状況に関する情報は、移動体14がこれらの状況の中のいずれに遭遇しているかに応じて制御部18により生成されてよい。周囲状況に関する情報は、当該情報を取得した移動体14を特定する情報を含んでよい。
【0022】
制御部18は、操作命令の要求後自律運転が再開されるまで、センサ部15が検出する周囲状況を示す情報を情報処理装置10に送信するように通信部16を制御してよい。制御部18は、情報処理装置10から操作命令を受信する場合、当該操作命令を運転制御システム17に転送して、遠隔運転を実行させてよい。
【0023】
遠隔操作ユニット12は、図3に示すように、出力部19及び入力部20を含んで構成されてよい。遠隔操作ユニット12は、遠隔操作ユニット12の操作者に、移動体14の周囲状況を出力部19により認識させ、当該操作者の操作入力を入力情報として入力部20が検出することにより、移動体14を遠隔操作可能である
【0024】
出力部19は、後述する、割当てられる遠隔操作タスクの操作対象である移動体14の周囲状況を示す情報を出力してよい。出力部19は、例えば、ディスプレイであり、遠隔操作タスクの割当てにより付与される周囲状況を示す情報としての画像又は物体の距離分布を表示してよい。
【0025】
入力部20は、後述する、割当てられる遠隔操作タスクの操作対象である移動体14を移動させるための操作入力を検出してよい。入力部20は、例えば、ステアリングホイール、アクセルペダル、及びブレーキペダルの組合せ、又は方向レバーとボタンとの組合せであってよい。入力部20は、検出した操作入力に相当する入力情報を生成してよい。入力部20は、入力情報に基づく操作命令を、情報処理装置10を介して間接的に、又は直接的に移動体14に付与してよい。
【0026】
情報処理装置10は、図4に示すように、通信部(取得部)21及び制御部22を含んで構成される。情報処理装置10は、更に記憶部23を含んで構成されてよい。
【0027】
通信部21は、制御部22によって制御されて移動体14とネットワーク13を介して通信してよい。通信部21は、移動体14から操作命令の要求を取得してよい。通信部21は、操作命令を要求する移動体14から、周囲状況に関する情報を取得する。通信部21は、操作命令を要求する移動体14から、センサ部15が検出する周囲状況を情報として取得してよい。通信部21は、操作命令を要求する移動体14に、遠隔操作ユニット12から取得する操作命令を付与してよい。
【0028】
記憶部23は、例えば、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)など、任意の記憶デバイスを含む。記憶部23は、制御部22を機能させる多様なプログラム及び制御部22が用いる多様な情報を記憶してよい。
【0029】
制御部22は、1以上のプロセッサおよびメモリを含む。プロセッサは、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ、および特定の処理に特化した専用のプロセッサを含んでよい。専用のプロセッサは、特定用途向けICを含んでよい。プロセッサは、プログラマブルロジックデバイス(PLD)を含んでよい。PLDは、FPGAを含んでよい。制御部22は、1つ又は複数のプロセッサが協働するSoC及びSiPのいずれかであってもよい。
【0030】
制御部22は、操作命令を要求する移動体14から取得する周囲状況に関する情報を記憶部23に格納してよい。制御部22は、当該情報の格納に際して、対応する移動体14に対する操作命令が未付与であるか付与済みであるかの情報を付してよい。操作命令が未付与であるとは、移動体14が遠隔操作ユニット12に遠隔操作タスクが割当てられていない状態である。操作命令が付与済みであるとは、移動体14が遠隔操作ユニット12による遠隔操作タスクが実行中である状態、又は完了した状態である。
【0031】
制御部22は、移動体14に関連付けられた周囲状況に関する情報に基づいて、当該移動体14を、複数の状況にそれぞれ対応する複数の群のいずれかに区分けする。複数の状況は、前述のように、予め想定されていてよい。例えば、複数の群は、第1の群から第nの群を含む(nは自然数)。上述の路上駐車の側の通過の状況は、第1の群に対応付けられていてよい。上述の対向車とのすれ違いの状況は、第2の群に対応付けられていてよい。上述の自転車及び歩行者側の通過の状況は、第3の群に対応付けられていてよい。上述の追越及び道譲りの状況は、第4の群に対応付けられていてよい。上述の雪上及び雑草上の走行の状況は、第5の群に対応付けられていてよい。上述の交差点右折の状況は、第6の群に対応付けられていてよい。
【0032】
制御部22は、周囲状況に関する情報が移動体14の周囲状況を示す情報である場合、当該周囲状況を示す情報に基づいて、移動体14が予め想定される複数の状況のいずれに属するかを判別してよい。制御部22は、判別結果に基づいて、移動体14を複数の群のいずれかに区分けしてよい。制御部22は、類似する周囲状況を示す情報に対応する移動体14を、同一の群に区分けしてよい。言換えれば、制御部22は、類似する状況に遭遇している移動体14を同一の群に区分けしてよい。制御部22は、移動体14が複数の状況に属する場合には、当該移動体14を複数の群の中の単一の群でなく、複数の群に属するように区分けしてよい。
【0033】
制御部22は、周囲状況に関する情報が、移動体14が複数の状況の中のいずれに属するかを示す情報である場合、当該情報に基づいて移動体14を複数の群のいずれかに区分けしてよい。制御部22は、同一の周囲状況を示す情報に対応する移動体14を、同一の群に区分けてよい。
【0034】
図5に示すように、第1の移動体14aから第5の移動体14eを含む複数の移動体14から周囲状況に関する情報を取得する場合を例に用いて、複数の群のいずれかへの区分けを説明する。例示における第1の移動体14aが属する状況は、直進車線上に位置する駐車車両の側の通過である。例示における第2の移動体14bが属する状況は、直進車線上を歩行する歩行者の側通過である。例示における第3の移動体14cが属する状況は、第3の移動体14cの対向車線に片側交互交通規制等による対向車とのすれ違いである。例示における第4の移動体14dが属する状況は、十字路における右折待機である。例示における第5の移動体14eが属する状況は、T字路における右折待機である。
【0035】
上述の例示において、制御部22は、第1の移動体14aを、第1の群に区分けしてよい。又、制御部22は、第2の移動体14bを、第3の群に区分けしてよい。また、制御部22は、第3の移動体14cを、第2の群に区分けしてよい。又、制御部22は、第4の移動体14d及び第5の移動体14eを、第6の群に区分けしてよい。
【0036】
制御部22は、移動体14の区分け後、複数の遠隔操作ユニット12のいずれかに、遠隔操作タスクの割当てを行ってよい。遠隔操作タスクは、遠隔操作ユニット12において、操作命令を要求する移動体14の遠隔操作を行うタスクである。遠隔操作タスクの割当てについて以下に説明する。
【0037】
制御部22は、任意の1台の移動体14の遠隔操作タスクを割当てる遠隔操作ユニット12を、当該任意の移動体14と同じ群に含まれていた移動体14に対して遠隔操作タスクを直前に実行済みの遠隔操作ユニット12の中から選択してよい。言換えれば、同一の遠隔操作ユニット12に対して、連続して同一の状況に属する移動体14の遠隔操作タスクが割当てられる。制御部22は、任意の1台の移動体14と同じ群に含まれていた移動体14に対する前記遠隔操作タスクを直前に実行済みの遠隔操作ユニット12が複数の遠隔操作ユニット12の中に含まれていない場合、いずれかの移動体14の遠隔操作タスクを実行済みの遠隔操作ユニット12の中から、選択してよい。制御部22は、更には、同じ群に含まれる複数の移動体14それぞれに対する遠隔操作タスクを、同一の遠隔操作ユニット12に連続して割当ててよい。
【0038】
制御部22は、第1の条件に基づいて、遠隔操作タスクを優先して遠隔操作ユニット12に割当てる群を、区分けした複数の群の中から決定してよい。第1の条件は予め定められる条件であって、例えば、群に含まれる移動体14の待ち時間の平均値、予め定められた順序等である。待ち時間は、操作命令の要求後、遠隔操作タスクが割当てられないまま経過している時間である。制御部22は、第2の条件に基づいて、同一の群の中において遠隔操作を優先して遠隔操作ユニット12に割当てる移動体14を、複数の移動体14の中から決定してよい。第2の条件は予め定められる条件であって、例えば、待ち時間の長い順番、移動経路に移動させるための操作が簡単な順番等である。遠隔操作タスクを実行可能な遠隔操作ユニット12の数に対して、操作命令を要求する移動体14の数が多い場合、第1の条件、又は第2の条件に基づいて、移動体14の遠隔操作タスクが割当てられる順が決定されてよい。
【0039】
次に、本実施形態において情報処理装置10の制御部22が実行する、区分け処理について、図6のフローチャートを用いて説明する。区分け処理は、例えば、周期的に開始する。
【0040】
ステップS100において、制御部22は、群に区分けされていない移動体14、言換えると群を識別する情報と関連付けられていない移動体14の周囲状況を記憶部23から読出す。読出し後、プロセスはステップS101に進む。
【0041】
ステップS101では、制御部22は、ステップS100において読出した移動体14の周囲状況を、複数の予め想定されるそれぞれの状況と比較する。比較後、プロセスはステップS103に進む。
【0042】
ステップS102では、制御部22は、ステップS101における周囲状況の比較に基づいて、各移動体14を、複数の状況のいずれかに対応する群に区分けする。区分け後、プロセスはステップS103に進む。
【0043】
ステップS103では、制御部22は、ステップS102において区分けした群を識別する情報を、移動体14の周囲状況に関する情報に関連付けて記憶部23に格納する。格納後、区分け処理は終了する。
【0044】
次に、本実施形態において情報処理装置10の制御部22が実行する、割当処理について、図7のフローチャートを用いて説明する。割当処理は、例えば周期的に開始する。
【0045】
ステップS200において、制御部22は、操作命令が未付与の状態である移動体14が存在するか否か判別する。当該移動体14の存否は、記憶部23に格納されている周囲状況に関する情報に操作命令が未付与であることを示す情報が付されているか否かに基づいて判別されてよい。当該移動体14が存在しない場合、割当処理は終了する。当該移動体14が存在する場合、プロセスはステップS201に進む。
【0046】
ステップS201では、制御部22は、ステップS200において操作命令が未付与の状態であることが判別された移動体14の中から1台の移動体14を選択する。選択後、プロセスはステップS202に進む。移動体14は、前述のように、第1の条件又は他の条件に基づいて最初に群を選択した後に、当該選択した群の中で移動体14を選択されても、第2の条件又は他の条件に基づいて操作命令が未付与の状態である複数の移動体14から選択されてよい。
【0047】
ステップS202では、制御部22は、ステップS201において選択した移動体14を含む群を特定する。特定後、プロセスはステップS203に進む。
【0048】
ステップS203では、制御部22は、ステップS302において特定した群に含まれる移動体14に対して遠隔操作タスクを直前に実行した遠隔操作ユニット12の有無を判別する。遠隔操作ユニット12の有無は、情報処理装置10と通信可能な遠隔操作ユニット12の現在状態を確認することにより判別されてよい。当該遠隔操作ユニット12がある場合、プロセスはステップS204に進む。当該遠隔操作ユニット12がない場合、プロセスはステップS205に進む。
【0049】
ステップS204では、制御部22は、ステップS202において特定した群に含まれる移動体14に対して遠隔操作タスクを直前に実行した遠隔操作ユニット12に、ステップS201において選択した移動体14に対する遠隔操作タスクを割当てる。更に、制御部22は、遠隔操作タスクを割当てた遠隔操作ユニット12による、当該遠隔操作タスクの実行の完了を監視する。更に、制御部22は、当該遠隔操作タスクの実行完了後、対応する移動体14の周囲状況に関する情報に関連付けられている操作命令が未付与であることを示す情報を、付与済みであることを示す情報に入替えて関連付けて記憶部23に格納する。格納後、割当処理は終了する。
【0050】
ステップS205では、制御部22は、遠隔操作タスクの実行を完了した任意の遠隔操作ユニット12に、ステップS201において選択した移動体14に対する遠隔操作タスクを割当てる。更に、制御部22は、遠隔操作タスクを割当てた遠隔操作ユニット12による、当該遠隔操作タスクの実行の完了を監視する。更に、制御部22は、当該遠隔操作タスクの実行完了後、対応する移動体14の周囲状況に関する情報に関連付けられている操作命令が未付与であることを示す情報を、付与済みであることを示す情報に入替えて関連付けて記憶部23に格納する。格納後、割当処理は終了する。
【0051】
以上のような構成の本実施形態の情報処理装置10は、操作命令を要求する移動体14から当該移動体14の周囲状況に関する情報を取得する通信部(取得部)21と、移動体14を周囲状況に関する情報に基づいて複数の状況に対応する複数の群のいずれかに区分けする制御部22とを備える。自律運転ができない状態にある移動体14の周囲状況は多様であるため、操作命令の要求に対して、無作為に遠隔操作ユニット12を選択すると当該遠隔操作ユニット12を操作する操作者の負担が大きい。このような事象に対して、上述の構成を有する情報処理装置10は、同じ周囲状況に分類される移動体14同士でまとめるので、遠隔操作ユニット12を操作する操作者の負担を低減し得る。
【0052】
また、本実施形態の情報処理装置10は、任意の移動体14の遠隔操作タスクを割当てる遠隔操作ユニット12を、当該任意の移動体14と同じ群に含まれていた移動体14に対して遠隔操作タスクを直前に実行済みの遠隔操作ユニット12の中から選択する。このような構成により、情報処理装置10は、同一と想定される周囲状況の移動体14の遠隔操作を、連続して遠隔操作ユニット12の操作者に行わせ得る。したがって、情報処理装置10は、異なる周囲状況である移動体14遠隔操作が連続する場合に比べて、操作者の負担を低減し得る。
【0053】
また、本実施形態の情報処理装置10は、任意の移動体14と同じ群に含まれていた移動体14に対する遠隔操作タスクを直前に実行済みの遠隔操作ユニット12が複数の遠隔操作ユニット12に含まれていない場合、遠隔操作タスクを実行済みの遠隔操作ユニット12の中から、当該任意の移動体14の遠隔操作タスクを割当る遠隔操作ユニット12を選択する。このような構成により、情報処理装置10は、同じ群に含まれていた移動体14に対する遠隔操作タスクを直前に実行した遠隔操作ユニット12が含まれない場合であっても、遠隔操作タスクの割当てを停止することなく、いずれかの遠隔操作ユニット12を選択し得る。
【0054】
また、本実施形態の情報処理装置10は、第1の条件に基づいて遠隔操作タスクを優先して割当てる群を、複数の群の中から決定する。このような構成により、情報処理装置10は、遠隔操作タスクを割当てる群を任意に決定する構成に比べて、操作命令を要求する全移動体14それぞれの搭乗者の満足度を最適化させ得る。
【0055】
また、本実施形態の情報処理装置10は、第2の条件に基づいて、同一の群の中において遠隔操作タスクを優先して割当てる移動体14を、複数の移動体14の中から決定する。このような構成により、情報処理装置10は、遠隔操作タスクを割当てる移動体14を任意に決定する構成に比べて、同一の群に含まれる全移動体14それぞれの搭乗者の満足度を最適化させ得る。
【0056】
また、本実施形態の情報処理装置10では、周囲状況に関する情報は移動体14の周囲状況を示す情報を含み、制御部22において周囲状況を示す情報に基づいて移動体が予め想定される複数の状況のいずれに属するかを判別する。このような構成により、情報処理装置10では、操作命令を要求する移動体14が周囲状況に関して情報処理装置10で用いられる通信仕様と異なっていても、画像データ等の汎用の通信仕様用いられ得る周囲状況を示す情報に基づいて、移動体14を複数の群のいずれかに区分けし得る。したがって、情報処理装置10は、移動経路に関して用いる通信仕様の違いにかかわらず、移動体14を群に区分けし得る。
【0057】
また、本実施形態の情報処理装置10は、同じ群に含まれる複数の移動体14の遠隔操作タスクを、同一の遠隔操作ユニット12に連続して割当てる。このような構成により、情報処理装置10は、類似した移動経路に沿って移動させる移動体14の遠隔操作を、連続して遠隔操作ユニット12の操作者に行わせ得る。したがって、情報処理装置10は、非類似である移動経路に沿って移動させる遠隔操作が連続する場合に比べて、操作者の負担を低減し得る。
【0058】
一実施形態において、(1)情報処理装置は、
操作命令を要求する移動体から、該移動体の周囲状況に関する情報を取得する取得部と、
前記移動体を、前記周囲状況に関する情報に基づいて、複数の状況に対応する複数の群のいずれかに区分けする制御部と、を備える。
【0059】
(2)上記(1)の情報処理装置では、
前記制御部は、
前記移動体を遠隔操作可能な複数の遠隔操作ユニットのいずれかに、前記移動体の遠隔操作タスクを割当可能であり、
任意の前記移動体の前記遠隔操作タスクを割当てる前記遠隔操作ユニットを、該任意の移動体と同じ群に含まれていた移動体に対して前記遠隔操作タスクを直前に実行済みの前記遠隔操作ユニットの中から選択する。
【0060】
(3)上記(2)の情報処理装置では、
前記制御部は、前記任意の移動体と同じ群に含まれていた移動体に対する前記遠隔操作タスクを直前に実行済みの前記遠隔操作ユニットが、前記複数の遠隔操作ユニットの中に含まれていない場合、前記遠隔操作タスクを実行済みの前記遠隔操作ユニットの中から選択する。
【0061】
(4)上記(2)又は(3)の情報処理装置では、
前記制御部は、所定の第1の条件に基づいて、前記遠隔操作タスクを優先して前記遠隔操作ユニットに割当てる前記群を、前記複数の群の中から決定する。
【0062】
(5)上記(2)乃至(4)のいずれかの情報処理装置では、
前記制御部は、所定の第2の条件に基づいて、同一の前記群の中において、前記遠隔操作タスクを優先して前記遠隔操作ユニットに割当てる前記移動体を、複数の前記移動体の中から決定する。
【0063】
(6)上記(1)乃至(5)のいずれかの情報処理装置では、
前周囲状況に関する情報は、前記移動体の周囲状況を示す情報を含み、
前記制御部は、前記周囲状況を示す情報に基づいて、前記移動体が予め想定される前記複数の状況のいずれに属するかを判別する。
【0064】
(7)上記(1)乃至(5)のいずれかの情報処理装置では、
前記周囲状況に関する情報は、前記移動体が予め想定される前記複数の状況の中のいずれに対応するかを示す情報である。
【0065】
(8)上記(1)乃至(7)のいずれかの情報処理装置では、
前記操作命令を要求する移動体は、自律運転可能でありながら、該移動体の周囲状況に起因して前記自律運転が不可能である移動体である。
【0066】
(9)上記(1)の情報処理装置では、
前記制御部は、
前記移動体を遠隔操作可能な複数の遠隔操作ユニットに、前記移動体の遠隔操作タスクを割当可能であり、
同じ群に含まれる複数の前記移動体の前記遠隔操作タスクを、同一の前記遠隔操作ユニットに連続して割当てる。
【0067】
(10)
一実施形態において、情報処理装置は、
操作命令を要求する複数の移動体の各々が属する周囲状況に関する情報を取得する取得部と、
前記移動体を遠隔操作可能な遠隔操作ユニットに、類似する状況に遭遇している前記移動体の前記遠隔操作タスクを連続して割当てる制御部と、を備える。
【0068】
以上、情報処理装置10の実施形態を説明してきたが、本開示の実施形態としては、装置を実施するための方法又はプログラムの他、プログラムが記録された記憶媒体(一例として、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、CD-RW、磁気テープ、ハードディスク、又はメモリカード等)としての実施態様をとることも可能である。
【0069】
また、プログラムの実装形態としては、コンパイラによってコンパイルされるオブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード等のアプリケーションプログラムに限定されることはなく、オペレーティングシステムに組み込まれるプログラムモジュール等の形態であってもよい。さらに、プログラムは、制御基板上のCPUにおいてのみ全ての処理が実施されるように構成されてもされなくてもよい。プログラムは、必要に応じて基板に付加された拡張ボード又は拡張ユニットに実装された別の処理ユニットによってその一部又は全部が実施されるように構成されてもよい。
【0070】
本開示に係る実施形態について説明する図は模式的なものである。図面上の寸法比率等は、現実のものとは必ずしも一致していない。
【0071】
本開示に係る実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は改変を行うことが可能であることに注意されたい。従って、これらの変形又は改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0072】
本開示に記載された構成要件の全て、及び/又は、開示された全ての方法、又は、処理の全てのステップについては、これらの特徴が相互に排他的である組合せを除き、任意の組合せで組み合わせることができる。また、本開示に記載された特徴の各々は、明示的に否定されない限り、同一の目的、同等の目的、または類似する目的のために働く代替の特徴に置換することができる。したがって、明示的に否定されない限り、開示された特徴の各々は、包括的な一連の同一、又は、均等となる特徴の一例にすぎない。
【0073】
さらに、本開示に係る実施形態は、上述した実施形態のいずれの具体的構成にも制限されるものではない。本開示に係る実施形態は、本開示に記載された全ての新規な特徴、又は、それらの組合せ、あるいは記載された全ての新規な方法、又は、処理のステップ、又は、それらの組合せに拡張することができる。
【0074】
本開示において「第1」及び「第2」等の記載は、当該構成を区別するための識別子である。本開示における「第1」及び「第2」等の記載で区別された構成は、当該構成における番号を交換することができる。例えば、第1の移動体は、第2の移動体と識別子である「第1」と「第2」とを交換することができる。識別子の交換は同時に行われる。識別子の交換後も当該構成は区別される。識別子は削除してよい。識別子を削除した構成は、符号で区別される。本開示における「第1」及び「第2」等の識別子の記載のみに基づいて、当該構成の順序の解釈、小さい番号の識別子が存在することの根拠に利用してはならない。
【符号の説明】
【0075】
10 情報処理装置
11 遠隔支援システム
12 遠隔操作ユニット
13 ネットワーク
14 移動体
14a、14b、14c、14d、14e 第1の移動体、第2の移動体、第3の移動体、第4の移動体、第5の移動体
15 センサ部
16 通信部
17 運転制御システム
18 制御部
19 出力部
20 入力部
21 通信部(取得部)
22 制御部
23 記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7