(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171160
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】皮膚外用剤
(51)【国際特許分類】
A61K 8/41 20060101AFI20231124BHJP
A61Q 17/04 20060101ALI20231124BHJP
A61K 31/14 20060101ALI20231124BHJP
A61P 17/16 20060101ALI20231124BHJP
A61K 8/27 20060101ALI20231124BHJP
A61K 8/29 20060101ALI20231124BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
A61K8/41
A61Q17/04
A61K31/14
A61P17/16
A61K8/27
A61K8/29
A61K47/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022083440
(22)【出願日】2022-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】513244753
【氏名又は名称】カーリットホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 みなみ
(72)【発明者】
【氏名】長井 敦史
(72)【発明者】
【氏名】梅山 晃典
(72)【発明者】
【氏名】田村 正明
【テーマコード(参考)】
4C076
4C083
4C206
【Fターム(参考)】
4C076BB31
4C076CC18
4C076DD29
4C076DD38
4C076DD39
4C076EE12
4C076EE27
4C076EE50
4C076FF68
4C083AB211
4C083AB212
4C083AB241
4C083AB242
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC551
4C083AC552
4C083AC691
4C083AC692
4C083AD092
4C083AD152
4C083AD172
4C083BB46
4C083CC02
4C083CC19
4C083EE05
4C083EE06
4C083EE17
4C206AA01
4C206AA02
4C206FA41
4C206MA01
4C206MA02
4C206MA04
4C206MA06
4C206MA83
4C206NA05
4C206NA14
4C206ZA89
(57)【要約】
【課題】優れた近赤外線防御効果を発揮しながら、皮膚へ塗布した際に素肌感のある自然な見た目になる皮膚外用剤を提供する。
【解決手段】特定のジイモニウム塩を皮膚外用剤に含有させることで、高い近赤外線防御効果を発揮しながら、皮膚へ塗布した際に素肌感のある皮膚外用剤を提供できる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表されるジイモニウム塩を含有する皮膚外用剤。
【化2】
(式中、R
1~R
8はそれぞれ同一でも異なっていても良い有機基を表し、R
1~R
8のうちの少なくとも一つが、ハロゲン原子で置換されていてもよい直鎖または分岐状のC1-18アルキル基、C3-12シクロアルキル基、アリール基、ケトン基が置換されていてもよい直鎖または分岐状のC1-18アルキル基、シクロアルキル環が置換されていてもよいC3-12シクロアルキル-C1-10アルキル基、芳香環を含むC1-18アルキル基であり、X
-はアニオンを示す。)
【請求項2】
一般式(1)中のR1~R8のうちの少なくとも一つが、直鎖または分岐状のC1-18アルキル基であることを特徴とする請求項1記載の皮膚外用剤。
【請求項3】
一般式(1)中のR1~R8のうちの少なくとも一つが、C3-12シクロアルカンを含むC1-18アルキル基であることを特徴とする請求項1記載の皮膚外用剤。
【請求項4】
一般式(1)中のR1~R8のうちの少なくとも一つが、芳香環を含むC1-18アルキル基であることを特徴とする請求項1記載の皮膚外用剤。
【請求項5】
一般式(1)中のX-が、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン等のハロゲンイオン、過塩素酸イオン、過ヨウ素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸イオン又はビス(フルオロスルホニル)イミド酸イオンを表す請求項1に記載の皮膚外用剤。
【請求項6】
皮膚外用剤100質量%中に、前記ジイモニウム塩を0.01質量%以上20質量%未満含む、請求項1~請求項5のいずれかに記載の皮膚外用剤。
【請求項7】
光散乱剤を含有する、請求項1~請求項5のいずれかに記載の皮膚外用剤。
【請求項8】
紫外線散乱剤を含有する請求項1~請求項5のいずれかに記載の皮膚外用剤。
【請求項9】
ジイモニウム塩に対する光散乱剤の割合が0.1~500である請求項7に記載の皮膚外用剤。
【請求項10】
皮膚外用剤を石英ガラス板上に、膜厚50μmとなるように塗布し、25℃にて30分静置させた後に分光光度計を用いて波長1200nm(近赤外領域)の透過率を測定した場合の近赤外線防御率(100%-透過率)が、10%以上である請求項1~請求項5のいずれかに記載の皮膚外用剤。
【請求項11】
請求項1~請求項5のいずれかに記載の皮膚外用剤を皮膚に塗布することを含む、近赤外線防御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
紫外線(100nm~400nm)による皮膚への悪影響は知られており、様々な紫外線防御化粧料が開発されている(特許文献1)。しかし、紫外線のエネルギーは太陽光エネルギー中の僅か6%程度に過ぎない。
それに比べて、波長の長い近赤外線(波長域約800~2000nm)は、太陽光エネルギーの約半分を占めており、皮膚や眼などの深部にまで到達するため、近赤外線の生体への様々な悪影響が懸念される波長光である。近年では、近赤外線の悪影響にも注目が集まり、近赤外線防御に対するニーズが高まっている。近赤外線防御に有効な成分としては、酸化亜鉛および酸化チタン、酸化セリウム、タルク、酸化アルミニウムなどの無機紛体の複合物質が知られている(特許文献2、特許文献3、特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-177689号公報
【特許文献2】特開2006-151916号公報
【特許文献3】特表2013-511515号公報
【特許文献4】特開2015-086157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
皮膚外用剤の近赤外線防御効果を高めるためには、酸化亜鉛や酸化チタンなどの光散乱剤を高配合する必要があるが、皮膚に塗布した際に白くなり、不自然に見えるという課題を本発明者らは見出した。
従って、本発明は、優れた近赤外線防御効果を発揮しながら、皮膚へ塗布した際に素肌感のある皮膚外用剤を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定のジイモニウム塩を皮膚外用剤に含有させることで、高い近赤外線防御効果を発揮しながら、皮膚へ塗布した際に素肌感のある皮膚外用剤となることを見出した。
すなわち、本発明は以下に示すものである。
【0006】
[1]下記一般式(1)で表されるジイモニウム塩を含有する皮膚外用剤。
【0007】
【化1】
(式中、R
1~R
8はそれぞれ同一でも異なっていても良い有機基を表し、R
1~R
8のうちの少なくとも一つが、ハロゲン原子で置換されていてもよい直鎖または分岐状のC1-18アルキル基、C3-12シクロアルキル基、アリ-ル基、ケトン基が置換されていてもよい直鎖または分岐状のC1-18アルキル基、シクロアルキル環が置換されていてもよいC3-12シクロアルキル-C1-10アルキル基、芳香環を含むC1-18アルキル基であり、X
-はアニオンを示す。)
【0008】
[2]一般式(1)中のR1~R8のうちの少なくとも一つが、直鎖または分岐状のC1-18アルキル基であることを特徴とする[1]記載の皮膚外用剤。
【0009】
[3]一般式(1)中のR1~R8のうちの少なくとも一つが、C3-12シクロアルカンを含むC1-18アルキル基であることを特徴とする[1]~[2]記載の皮膚外用剤。
【0010】
[4]一般式(1)中のR1~R8のうちの少なくとも一つが、芳香環を含むC1-18アルキル基であることを特徴とする[1]~[3]記載の皮膚外用剤。
【0011】
[5]一般式(1)中のX-が、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン等のハロゲンイオン、過塩素酸イオン、過ヨウ素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸イオン又はビス(フルオロスルホニル)イミド酸イオンを表す[1]~[4]に記載の皮膚外用剤。
【0012】
[6]皮膚外用剤100質量%中に、前記ジイモニウム塩を0.01質量%以上20質量%未満含む、[1]~[5]のいずれかに記載の皮膚外用剤。
【0013】
[7]光散乱剤を含有する、[1]~[6]のいずれかに記載の皮膚外用剤。
【0014】
[8]紫外線散乱剤を含有する[1]~[7]のいずれかに記載の皮膚外用剤。
【0015】
[9]ジイモニウム塩に対する光散乱剤の割合が0.1~500である[1]~[8]のいずれかに記載の皮膚外用剤。
【0016】
[10]皮膚外用剤を石英ガラス板上に、膜厚50μmとなるように塗布し、25℃にて30分静置させた後に分光光度計を用いて波長1200nm(近赤外領域)の透過率を測定した場合の近赤外線防御率(100%-透過率)が、10%以上である[1]~[9]のいずれかに記載の皮膚外用剤。
【0017】
[11][1]~[10]のいずれかに記載の皮膚外用剤を皮膚に塗布することを含む、近赤外線防御方法。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、特定のジイモニウム塩を皮膚外用剤に含有することで、優れた近赤外線防御効果を発揮しながら、皮膚へ塗布した際に素肌感のある皮膚外用剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に本発明について説明する。
【0020】
[近赤外線吸収色素]
本発明に係る近赤外線吸収色素は非晶質体のジイモニウム塩を含むことを特徴としている。なお、本発明において、近赤外線とは、波長750~2000nmの範囲の光を意味する。
本発明で用いるジイモニウム塩は下記一般式(1)で表される。
【0021】
【0022】
上記一般式(1)中のR1~R8はそれぞれ同一でも異なっていても良い有機基を表し、R1~R8のうちの少なくとも一つが、ハロゲン原子で置換されていてもよい直鎖または分岐状のC1-18アルキル基、C3-12シクロアルキル基、アリール基、ケトン基が置換されていてもよい直鎖または分岐状のC1-18アルキル基、シクロアルキル環が置換されていてもよいC3-12シクロアルキル-C1-10アルキル基、芳香環を含むC1-18アルキル基であり、X-はアニオンを示す。
【0023】
R1~R8の好ましい有機基としては、ハロゲン原子で置換されても良い直鎖又は分岐状のC1-10のアルキル基、C3-12のシクロアルキル基、シクロアルキル環が置換されていてもよいC3-12シクロアルキル-C1-10のアルキル基、芳香環を含むC1-10アルキル基等が挙げられる。
【0024】
直鎖又は分岐状のC1-10アルキル基として、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、iso-プロピル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-アミル基、iso-アミル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、1-エチルブチル基、2-エチルブチル基、2-ジメチルプロピル基、1,1-ジメチルプロピル基等が例示できる。
【0025】
C3-12のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
【0026】
C3-12シクロアルキル-C1-10アルキル基としては、シクロアルキル環が置換されていても非置換であってもよく、置換され得る置換基としては、アルキル基、水酸基、スルホン酸基、アルキルスルホン酸基、ニトロ基、アミノ基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、またはハロゲン原子等が挙げられるが、好ましくは非置換であり、下記一般式(2)で表されるシクロアルキル-アルキル基は皮膚外用剤に用いられる分散媒への分散性に優れるという理由から好ましい。
【0027】
【0028】
上記一般式(2)中、Aは炭素数1~10の直鎖または分岐状のアルキル基を示し、mは3~12の整数を示す。
【0029】
Aの炭素数は1~4であることが好ましく、mは5~8が好ましく、特に5又は6であることが好ましい。
【0030】
具体的には、シクロペンチルメチル基、2-シクロペンチルエチル基、2-シクロペンチルプロピル基、3-シクロペンチルプロピル基、4-シクロペンチルブチル基、2-シクロヘキシルメチル基、2-シクロヘキシルエチル基、3-シクロヘキシルプロピル基、4-シクロヘキシルブチル基等が例示でき、これらの中でもシクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、2-シクロヘキシルエチル基、2-シクロヘキシルプロピル基、3-シクロヘキシルプロピル基、4-シクロヘキシルブチル基が好ましく、より好ましくはシクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基である。
【0031】
ハロゲン原子で置換された直鎖又は分岐状のC1-10アルキル基としては、2-ハロゲノエチル基、2,2-ジハロゲノエチル基、2,2,2-トリハロゲノエチル基、3-ハロゲノプロピル基、3,3-ジハロゲノプロピル基、3,3,3-トリハロゲノプロピル基、4-ハロゲノブチル基、4,4-ジハロゲノブチル基、4,4,4-トリハロゲノブチル基、5-ハロゲノペンチル基、5,5-ジハロゲノペンチル基、5,5,5-トリフルオロペンチル基等のハロゲン化アルキル基が挙げられる。
【0032】
また、芳香環を含むC1-18アルキル基として、前記芳香環は単環でも縮合環でもよく、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、及びテトラセン環が例示されるが、これらに限定されるわけではない。これらの中でも、好ましくはベンゼン環である。
一般式(1)中のX-はジイモニウムカチオンの電荷を中和させるのに必要なアニオンであり、有機酸アニオン、無機アニオン等が使用できる。
アニオンとして具体的には、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン等のハロゲンイオン、過塩素酸イオン、過ヨウ素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸イオン、ビス(フルオロスルホニル)イミド酸イオン等が挙げられる。
【0033】
これらのうち、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸イオン、ビス(フルオロスルホニル)イミド酸イオンが、皮膚外用剤に用いられる分散媒中に分散しやすく特に好ましく用いられる。
【0034】
本発明に用いる一般式(1)で表されるジイモニウム塩として具体的には、ヘキサフルオロリン酸-N,N,N',N'-テトラキス{p-ジ(シクロヘキシルメチル)アミノフェニル}-p-フェニレンジイモニウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸-N,N,N',N'-テトラキス{p-ジ(シクロヘキシルメチル)アミノフェニル}-p-フェニレンジイモニウム、ヘキサフルオロリン酸-N,N,N',N'-テトラキス{p-ジ(n-プロピル)アミノフェニル}-p-フェニレンジイモニウム、ヘキサフルオロアンチモン酸-N,N,N',N'-テトラキス{p-ジ(n-ブチル)アミノフェニル}-p-フェニレンジイモニウム、ヘキサフルオロアンチモン酸-N,N,N',N'-テトラキス{p-ジ(n-ペンチル)アミノフェニル}-p-フェニレンジイモニウム等が皮膚外用剤に用いられる分散媒への分散性に優れる点より、特に好ましく挙げられる。
【0035】
一般式(1)で表されるジイモニウム塩は、以下の方法によって製造することができる。
【0036】
すなわち、ウルマン反応及び還元反応で得られる、下記一般式(3)で表されるアミノ体を、N-メチル-2-ピロリドン(以下、「NMP」と略記する)、ジメチルホルムアミド(以下、「DMF」と略記する)等の極性溶剤中、R1~R8に対応するヨウ化物と、脱ヨウ素化剤としてアルキル金属の炭酸塩を加え、30℃~150℃、好ましくは70~120℃で反応させ、下記一般式(4)で表されるジイモニウム塩を得る。例えば、R1~R8がすべてシクロヘキシルメチル基の場合は、対応するヨウ化物としてヨウ化シクロヘキシルアルカンを反応させる。一方、R1~R8が、2種以上の異なる有機基である場合は、それぞれの有機基の数に対応するモル数のヨウ化物を上記と同様にして順次反応させるか、またはこれらを同時に添加して反応させることにより得られる。例えば、R1~R8がシクロヘキシルメチル基とその他の有機基である場合には、置換基の数に対応するモル数のヨウ化シクロヘキシルアルカンを添加し、反応後、順次対応するモル数のヨウ化物(例えば、ヨウ化フルオロアルカン、ヨードアルカン、アルコキシヨード、ヨウ化ベンゼン、ヨウ化ベンジル、ヨウ化フェネチル等のフェニル-1-ヨードアルカン等)を加え反応させるか、又はこれらの異種のヨウ化物を同時に加えて反応させることによって得ることができる。
【0037】
【0038】
【0039】
上式中、R1~R8は、前記の通りである。
【0040】
次いで、一般式(4)で示されるジイモニウム塩及び対応するアニオンX-の銀塩を、NMP、DMF、アセトニトリル等の有機溶媒中、温度30~150℃、好ましくは40~80℃で反応させ、析出した銀を濾別した後、水、酢酸エチル、ヘキサン等の溶媒を加え生じた沈殿を濾過して、一般式(1)で表されるジイモニウム塩を得ることができる。
【0041】
本発明に用いるジイモニウム塩としては、前記製造方法で得られるジイモニウム塩をそのまま使用してもよいが、通常は溶媒中に溶解または分散したものを用いる。
【0042】
優れた近赤外線防御効果を発揮しながら、皮膚上に塗り広げやすく、かつ素肌感のある自然な見た目になるという観点から、本発明の皮膚外用剤は、皮膚外用剤100質量%中に、ジイモニウム塩を0.01~20質量%含むことが好ましく、0.05~10質量%含むことがより好ましく、0.05~5質量%含むことがより好ましく、0.05~2質量%含むことが特に好ましい。なお、本発明での素肌感とは、皮膚外用剤を皮膚に塗布しても素肌のような自然な見た目となることを意味する。
【0043】
本発明の皮膚外用剤は、上記ジイモニウム塩を含有するものであれば、特に限定されないが、その他の成分を任意に含有してもよい(以下、その他の成分を、任意成分とも記す)。
任意成分としては、例えば光散乱剤紫外線吸収剤、油剤類、界面活性剤類、保湿成分類、有機色素類、低級アルコール類、ビタミン類、防腐剤、シリコーン油、水等が挙げられる。
任意成分は、本発明の効果を損なわない範囲(量)で適宜用いることができる。
【0044】
光散乱剤は、100~2000nmの波長領域の光を散乱するものを示し、例えば紫外線散乱剤、粉体類、無機顔料類、パール剤類が挙げられる。紫外線散乱剤は、特に100~400nmの波長領域の光を散乱するものを示し、例えば表面処理をされていてもよい、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化スズ、ケイ酸チタン、ケイ酸亜鉛、無水ケイ酸、ケイ酸セリウム、含水ケイ酸、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫化亜鉛、硫酸バリウムが挙げられる。粉体類としては、例えば表面処理をされていてもよい、セリサイト、マイカ、タルク、カオリン、合成金雲母、硫酸バリウムが挙げられる。無機顔料類としては、例えば表面処理をされていてもよい、窒化ホウ素、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青が挙げられる。パール剤類としては、例えば表面処理をされていてもよい、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマスが挙げられる。これらのうち、紫外線の散乱性に優れる点から紫外線散乱剤が好ましく挙げられる。
【0045】
光散乱効果及び近赤外線吸収効果を有することになるため、本発明の皮膚外用剤は、光散乱剤を含有することが好ましい。光散乱剤及びジイモニウム塩を含有する皮膚外用剤は、ジイモニウム塩を含まず光散乱剤を含む皮膚外用剤よりも、皮膚に塗布した際に自然な見た目となり素肌感が向上する。メカニズムの詳細は明らかではないが、光散乱剤が散乱した光を、本発明のジイモニウム塩が吸収することで、皮膚外用剤による光の散乱が抑えられ白浮きしにくくなるものと推定される。また、光散乱剤及びジイモニウム塩を含有する皮膚外用剤は、近赤外線吸収効果がより向上する。メカニズムの詳細は明らかではないが、光散乱剤とジイモニウム塩が共に分散しやすくなり、近赤外線吸収効果がより向上するものと推定される。
【0046】
優れた近赤外線防御効果を発揮しながら、皮膚上に塗り広げやすく、かつ素肌感のある自然な見た目になるという観点から、本発明の皮膚外用剤は、皮膚外用剤100質量%中に、好ましくは光散乱剤を0.01~20質量含み、より好ましくは0.1~15質量%含み、特に好ましくは0.5~12質量%含む。また、本発明の皮膚外用剤に含まれる、ジイモニウム塩に対する光散乱剤の割合は0.1~500が好ましく、0.5~400がより好ましく、1~200が特に好ましい。
【0047】
優れた近赤外線防御効果を発揮しながら、皮膚上に塗り広げやすく、かつ素肌感のある自然な見た目になるという観点から、本発明の皮膚外用剤は、皮膚外用剤100質量%中に、好ましくは紫外線散乱剤を0.01~20質量含み、より好ましくは0.1~15質量%含み、特に好ましくは0.5~12質量%含む。また、本発明の皮膚外用剤に含まれる、ジイモニウム塩に対する紫外線散乱剤の割合は0.1~500が好ましく、0.5~400がより好ましく、1~200が特に好ましい。
【0048】
紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸(以下PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N、N-ジプロポキシPABAエチルエステル、N、N-ジエトキシPABAエチルエステル、N、N-ジメチルPABAメチルエステル、N、N-ジメチルPABAエチルエステル、N、N-ジメチルPABAブチルエステル等の安息香酸系紫外線吸収剤、ホモメンチル-N-アセチルアントラニレート等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、アントラニレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p-イソプロパノールフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤、オクチルシンナメート、エチル-4-イソプロピルシンナメート、メチル-2,5-ジイソプロピルシンナメート、エチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、メチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、プロピル-p-メ-トキシシンナメート、イソプロピル-p-メートキシシンナメート、イソアミル-p-メートキシシンナメート、オクチル-p-メートキシシンナメート(2-エチルへキシル-p-メートキシシンナメート)、2-エトキシエチル-p-メートキシシンナメート、シクロへキシル-p-メートキシシンナメート、エチル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、2-エチルへキシル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、グリセリルモノ-2-エチルヘキサノイル-ジパラメートキシシンナメート等の桂皮酸系紫外線吸収剤、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メートキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメートキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メートキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メートキシ-4’-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メートキシベンゾフェノン-5-スルホン酸塩、4-フェニルベンゾフェノン、2-エチルへキシル-4’-フェニル-ベンゾフェノン-2-カルボキシレート、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、4-ヒドロキシ-3-カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、3-(4’-メチルベンジリデン)-d、l-カンファー、3-ベンジリデン-d、1-カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル、2-フェニル-5-メチルベンゾキサゾール、2,2’-ヒドロキシ-5-メチルフェニルベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニルベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4-メートキシ-4’-t-ブチルジベンゾイルメタン、5-(3,3-ジメチル-2-ノールボルニリデン)-3-ペンタン-2-オン等が挙げられる。
【0049】
油剤類としては、例えばアボカド油、ツバキ油、タードル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、バオバブ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、パルミチン酸エチルヘキシル等の液体油脂、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等の固体油脂、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、べイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等のロウ類、流動パラフィン、オゾケライト、スクワレン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワラン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、イソドデカン等の炭化水素が挙げられる。
【0050】
界面活性剤類としては、例えばアニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、半極性界面活性剤等が挙げられる。
【0051】
アニオン性界面活性剤としては、例えばカルボン酸基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基を分子内に一種又は二種以上有するアニオン性界面活性剤が挙げられる。カルボン酸基を有するものとしては脂肪酸セッケン、エーテルカルボン酸およびその塩、アミノ酸と脂肪酸の縮合物等のカルボン酸塩等を、又、スルホン酸塩を有するものとしては、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸、エステルスルホン酸塩、アルキルアリル及びアルキルナフタレンスルホン酸塩、N-アシルスルホン酸塩、ホルマリン縮合系スルホン酸塩等を、硫酸エステル基を有するものとしては、硫酸化油、エステル硫酸塩、アルキル硫酸塩、エーテル硫酸塩、アルキルアリルエーテル硫酸塩、アミド硫酸塩等を、リン酸エステル基を有するものとしては、アルキルリン酸塩、アミドリン酸塩、エーテルリン酸塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩等を挙げることができる。
【0052】
両性界面活性剤としては、例えばアルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アルキルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
【0053】
半極性界面活性剤としては、例えばジメチルセチルアミンオキシド、ジメチルミリスチルアミンオキシド、ジメチルセチルアミンオキシド、ジメチルステアリルアミンオキシド、ジメチルオレイルアミンオキシド、ジメチルベヘニルアミンオキシド、メチルジラウリルアミンオキシド等が、非イオン性界面活性剤としては、脂肪酸アルカノールアミト、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アルカノールアミン等が、カチオン性界面活性剤としては、脂肪酸アミン塩、アルキル四級アンモニウム塩、芳香族四級アンモニウム塩、ピリジウム塩、イミダゾリウム塩等が挙げられる。
【0054】
保湿成分類としては、例えばポリエチレングリコール、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2-ペンタンジオール、2,4-ヘキサンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール等の多価アルコ-ル類;ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、グリセリルグルコシド等が挙げられる。
【0055】
有機色素類としては、例えばレーキ化されていてもよい赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等が挙げられる。
【0056】
低級アルコール類としては、例えばエタノール、イソプロパノール等が挙げられる。
【0057】
ビタミン類としては、例えばビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2又はその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類、アスコルビン酸とその塩、アスコルビン酸誘導体等のビタミンC類、α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等が挙げられる。
【0058】
防腐剤としては、例えば安息香酸、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、イソプロピルメチルフェノール、フェノキシエタノール、ピロ亜硫酸ナトリウム等が挙げられる。
【0059】
シリコーン油としては、例えばジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ステアロキシメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、フルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサン、アルキル変性オルガノポリシロキサン、末端変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、シリコーンゲル、アクリルシリコーン、トリメチルシロキシケイ酸、シリコーンRTVゴム、シクロペンタシロキサン等のシリコーン化合物等が挙げられる。
【0060】
また、皮膚外用剤として適用される場合の剤型は、通常知られているローション剤形、乳液剤形、エッセンス剤形、クリーム剤形、粉体含有剤形の何れをも取ることができる。
【実施例0061】
以下、本発明について実施例を挙げ、より詳細に説明する。なお、本発明は本実施例により何ら限定されるものでない。以下の記載において、特に言及の無い限り、「部」は「重量部」を意味する。
【0062】
[製造例1]
ビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド酸N,N,N',N'-テトラキス(p-ジブチルアミノフェニル)-p-フェニレンジイモニウムの製造方法:DMF100部に、ビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド酸銀10部及びN,N,N',N'-テトラキス(p-ジブチルアミノフェニル)-p-フェニレンジアミン11.8部を加え、60℃で3時間反応させ、生成した銀を濾別した。
次いで、該濾液に水200部を添加し、生成した沈殿を濾過後、乾燥させて、ビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド酸N,N,N',N'-テトラキス(p-ジブチルアミノフェニル)-p-フェニレンジイモニウム15.7部を得た。このものは近赤外線吸収色素であり、最大吸収波長(以下、「λmax」と略記する。)が1074nm、モル吸光係数が105000[L・mol-1・cm-1]であった。
【0063】
[製造例2]
ビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド酸N,N,N',N'-テトラキス(p-ジシクロヘキサンアミノフェニル)-p-フェニレンジイモニウムの製造方法:
製造例1のN,N,N',N'-テトラキス(p-ジブチルアミノフェニル)-p-フェニレンジアミン11.8部に代えて、N,N,N',N'-テトラキス(p-ジシクロヘキサンアミノフェニル)-p-フェニレンジアミン13.1部を用いた以外は、製造例1と同様にして、ビス(ペンタフロロエタンスルホン)イミド酸N,N,N',N'-テトラキス(p-ジシクロヘキサンアミノフェニル)-p-フェニレンジイモニウムを得た。このものは近赤外線吸収色素であり、λmaxが1072nm、モル吸光係数が102000[L・mol-1・cm-1]であった。
【0064】
[製造例3]
ビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド酸N,N,N',N'-テトラキス(p-ジアリ-ルアミノフェニル)-p-フェニレンジイモニウムの製造方法:
製造例1のN,N,N',N'-テトラキス(p-ジブチルアミノフェニル)-p-フェニレンジアミン11.8部に代えて、N,N,N',N'-テトラキス(p-ジアリ-ルアミノフェニル)-p-フェニレンジアミン12.9部を用いた以外は、製造例1と同様にして、ビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド酸N,N,N',N'-テトラキス(p-ジアリ-ルアミノフェニル)-p-フェニレンジイモニウムを得た。このものは近赤外線吸収色素であり、λmaxが1077nm、モル吸光係数が101000[L・mol-1・cm-1]であった。
【0065】
[実施例及び比較例]
表1及び表2に示す組成(質量%)の近赤外線防御皮膚外用剤を、次のようにして製造した。すなわち、(A)の近赤外線吸収色素を(B)のシクロペンタシロキサン中に超音波にて分散させ、近赤外線吸収色素の湿式分散液(C)を得た。作製した(C)の湿式分散液を(D)の成分中に添加してホモジナイザーを用いて均一に混合し、近赤外線防御皮膚外用剤を得た。得られた近赤外線防御皮膚外用剤について、以下に示す評価を行った。その結果を表1に示す。
【0066】
<評価方法>
・塗り広げやすさ
得られた近赤外線防御皮膚外用剤について、近赤外防御皮膚外用剤50mgを皮膚上の2cm×5cmの面積に塗布した際の塗り広げやすさについて、下記「塗り広げやすさの評点」に基づいて判断した。専門パネル間で評点の基準を統一し、専門パネル10人の評点の平均点を素肌感の評価結果とした。
(塗り広げやすさの評点)
3点:非常に塗り広げやすい。2点:やや塗り広げやすい。1点:やや塗り広げにくい。0点:塗り広げにくい。
・塗布時の素肌感
得られた近赤外線防御皮膚外用剤について、近赤外防御皮膚外用剤50mgを皮膚上の2cm×5cmの面積に塗布した際の素肌感を、下記「素肌感の評点」に基づいて判断した。専門パネル間で評点の基準を統一し、専門パネル10人の評点の平均点を素肌感の評価結果とした。
(素肌感の評点)
3点:白さを感じない(素肌と同等)。2点:自然な白さで違和感がない。1点:白くてやや不自然に感じる。0点:白すぎて不自然さを非常に感じる。
【0067】
・近赤外線防御効果
得られた近赤外線防御皮膚外用剤(実施例1~10、比較例1~2)を石英ガラス板上に、膜厚50μmとなるように塗布した。塗布した後、室温(25℃)にて30分静置させた後に分光光度計(株式会社日立製作所製分光光度計U-4100)を用いて、波長1200nm(近赤外領域)の透過率を測定し、(100%-透過率)を近赤外線防御率(%)の指標とした。
【0068】
分析結果を表1に示す。
【0069】
【0070】
上記のとおり、本発明のジイモニウム塩を含有する皮膚外用剤は、優れた近赤外線防御効果を発揮しながら、皮膚上に塗り広げやすく、かつ皮膚へ塗布した際に素肌感のある自然な見た目になるものである。