(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171164
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】RFタグ付き掲示物
(51)【国際特許分類】
G09F 3/00 20060101AFI20231124BHJP
G06K 19/07 20060101ALI20231124BHJP
G06K 19/077 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
G09F3/00 M
G06K19/07 230
G06K19/077 264
G06K19/07 210
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022083445
(22)【出願日】2022-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122529
【弁理士】
【氏名又は名称】藤枡 裕実
(74)【代理人】
【識別番号】100135954
【弁理士】
【氏名又は名称】深町 圭子
(74)【代理人】
【識別番号】100119057
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英生
(74)【代理人】
【識別番号】100131369
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100171859
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 英之
(72)【発明者】
【氏名】緒方 哲治
(57)【要約】
【課題】携帯情報端末をかざす箇所を示す絵柄をRFタグ付き掲示物にあえて設けなくとも、顧客2が携帯情報端末によりRFタグからタグメッセージを読み取れるように構成したRFタグ付き掲示物を提供する。
【解決手段】RFタグ付き掲示物1は、アンテナ110が互いに干渉しない状態で同じタグメッセージを記憶させた複数のRFタグ11を裏面に配置し、宣伝する広告12を表面に印刷した広告パネル10を備えている。RFタグ付き掲示物1では、複数のRFタグ11の総面積が広告パネル10の裏面の面積の30%以上になっていることが好適である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナが互いに干渉しない状態で同じタグメッセージを記憶させた複数のRFタグを裏面に配置し、宣伝する広告を表面に印刷した広告パネルを備えたことを特徴とするRFタグ付き掲示物。
【請求項2】
前記複数のRFタグの総面積が前記広告パネルの裏面の面積の30%以上になっていることを特徴とする、請求項1に記載したRFタグ付き掲示物。
【請求項3】
一枚の前記広告パネルのみを備えたポスターの形態をなしていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載したRFタグ付き掲示物。
【請求項4】
複数枚の前記広告パネルを備えたPOP広告の形態をなしていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載したRFタグ付き掲示物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、ポスターまたは広告POP(point of purchase)などの掲示物にRFタグ(RF: Radio Frequency)を付けた媒体であるRFタグ付き掲示物に関する。
【背景技術】
【0002】
掲示物にRFタグを付けたRFタグ付き掲示物が以前より考案されている。RFタグ付き掲示物の形態としては、ポスター(特許文献1)および広告POP(特許文献2)などがある。
【0003】
RFタグ付き掲示物が備えるRFタグは、近距離無線通信機能を有する携帯情報端末(例えば、スマートフォン)によって読み取られるタグメッセージをメモリに記憶する。携帯情報端末は、RFタグから読み取ったタグメッセージに対応する処理を実行する。
【0004】
RFタグに記憶させるタグメッセージに、URI(Uniform Resource Identifier)を含ませるのが一般的である。例えば、URIとしてURL(Uniform Resource Locator)をタグメッセージに含ませれば、RFタグに記憶させたURLで公開されているウェブページを携帯情報端末のウェブブラウザに表示させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-162918号公報
【特許文献2】特開2018-163632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
RFタグ付き掲示物を利用する顧客は、RFタグ付き掲示物においてRFタグが付けられた箇所に携帯情報端末をかざす必要がある。このため、従来のRFタグ付き掲示物では、RFタグを付けた箇所を示す絵柄をRFタグ付き掲示物の表面に印刷する必要があった。
【0007】
携帯情報端末をかざす箇所を分かり易くするため、携帯情報端末をかざす箇所を示す絵柄を大きくすると、RFタグ付き掲示物の表面におけるデザインスペースが小さくなってしまう。また、RFタグ付き掲示物の表面におけるデザインスペースを大きくするため、携帯情報端末をかざす箇所を示す絵柄を小さくすると、携帯情報端末をかざす箇所が分かりづらくなってしまう。
【0008】
そこで、本願発明は、携帯情報端末をかざす箇所を示す絵柄をRFタグ付き掲示物にあえて設けなくとも、不便さを感じることなく、顧客が携帯情報端末によりRFタグからタグメッセージを読み取れるように構成したRFタグ付き掲示物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決する本願発明は、アンテナが互いに干渉しない状態で同じタグメッセージを記憶させた複数のRFタグを裏面に配置し、宣伝する広告を表面に印刷した広告パネルを備えたことを特徴とするRFタグ付き掲示物である。
本願発明に係るRFタグ付き掲示物において、前記複数のRFタグの総面積が前記広告パネルの裏面の面積の30%以上になっていることが好適である。
本願発明に係るRFタグ付き掲示物は、一枚の前記広告パネルのみを備えたポスターの形態であってもよい。また、本願発明に係るRFタグ付き掲示物は、複数枚の前記広告パネルを備えたPOP広告の形態であってもよい。
【発明の効果】
【0010】
本願発明では、RFタグ付き掲示物が備える広告パネルの裏面に複数のRFタグを付けているので、携帯情報端末をかざす広告パネルの箇所によらず、携帯情報端末によりRFタグからタグメッセージを読み取ることができる。よって、本願発明に係るRFタグ付き掲示物では、携帯情報端末をかざす箇所を示す絵柄をRFタグ付き掲示物にあえて設けなくとも、不便さを感じることなく、顧客は携帯情報端末によりRFタグからタグメッセージを読み取れる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図4】RFタグ付き掲示物の効果を説明する第1図。
【
図5】RFタグ付き掲示物の効果を説明する第2図。
【
図6】テント型広告POPの形態をなしたRFタグ付き掲示物を説明する図。
【
図7】三角柱型広告POPの形態をなしたRFタグ付き掲示物を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここから,本願発明に係る実施形態について記載する。本願発明に係る実施形態は,本願発明の理解を容易にするためのものであり,本願発明は,これから説明する実施形態に限定されるものではない。また,特に断りのない限り,図面は,本願発明の理解を容易にするために描かれた模式的な図である。
【0013】
図1は、RFタグ付き掲示物を説明する図である。
図2は、広告パネルの表面を説明する図である。
図3は、広告パネルの裏面を説明する図である。
図4は、RFタグ付き掲示物の効果を説明する第1図である。
図5は、RFタグ付き掲示物の効果を説明する第2図である。
図6は、テント型広告POPの形態をなしたRFタグ付き掲示物を説明する図である。
図7は、三角柱型広告POPの形態をなしたRFタグ付き掲示物を説明する図である。
【0014】
実施形態で説明するRFタグ付き掲示物1は、公の施設や商業施設に掲示するO2O型(O2O: Online to Offline)の媒体である。
図1で図示したRFタグ付き掲示物1は、NFC(Near Field Communication)に準拠した複数のRFタグ11を裏面に配置し、RFタグ付き掲示物1を用いて宣伝する広告12を表面に印刷した広告パネル10を備え、NFCに対応した携帯情報端末にRFタグ11に記憶させた情報を送れるように構成されている。
【0015】
RFタグ付き掲示物1が備える広告パネル10の裏面にRFタグ11を付ける都合上、少なくとも広告パネル10には電波の透過性がよい素材を用いる必要がある。RFタグ付き掲示物1が備える広告パネル10に利用できる素材としては、紙、布およびプラスチック材料などがある。
【0016】
図1で図示したRFタグ付き掲示物1は、一枚の広告パネル10で構成されるスマートポスターの形態になっている。
図2で図示した通り、RFタグ付き掲示物1が備える広告パネル10の表面には、RFタグ付き掲示物1を用いて宣伝する広告12を印刷している。また、
図3で図示した通り、RFタグ付き掲示物1が備える広告パネル10の裏面には、複数のRFタグ11を付けている。
【0017】
実施形態において、RFタグ11は、近距離無線通信の規格であるNFCに準拠する。
図3で図示した通り、広告パネル10の裏面に付けるRFタグ11は、ICチップ111とこれに接続するコイル型のアンテナ110を備えている。RFタグ11が備えるICチップ111は、携帯情報端末に処理させる情報となるタグメッセージを記憶している。所定のサイトに携帯情報端末を導くために、RFタグ11に記憶させるタグメッセージにURIを含ませることが好適である。また、URIに加えて、RFタグ付き掲示物1を掲示する場所を示す情報をタグメッセージに含ませれば、RFタグ付き掲示物1を掲示した場所ごとに広告効果を調べることができる。
【0018】
RFタグ付き掲示物1が備える広告パネル10の裏面に複数のRFタグ11を付けているのは、携帯情報端末をかざす広告パネル10の箇所によらず、携帯情報端末によりRFタグ11からタグメッセージを読み取れるようにするためである。携帯情報端末をかざす広告パネル10の箇所によらず、携帯情報端末がRFタグ11から読み取るタグメッセージが同じになるように、RFタグ付き掲示物1において、複数のRFタグ11それぞれが記憶するタグメッセージは同じになっている。
【0019】
携帯情報端末をかざす広告パネル10の箇所によらず、携帯情報端末によりRFタグ11からタグメッセージを読み取れれば、携帯情報端末をかざす箇所を示す絵柄をRFタグ付き掲示物1の広告パネル10にあえて印刷しなくとも、顧客2は、不便さを感じることなく、携帯情報端末によりRFタグ11からタグメッセージを読み取れる。また、携帯情報端末をかざす箇所を示す絵柄を広告パネル10に印刷しなければ、広告パネル10の表面の前面すべてを広告12のためのデザインスペースとして利用できる。
【0020】
広告パネル10の裏面に複数のRFタグ11を付ける場合、アンテナ110が互いに干渉しない状態で複数のRFタグ11を配置することが必要になる。アンテナ110が他のアンテナ110に重なると、アンテナ110が互いに干渉してしまい、正常にタグメッセージを読み取れなくなる場合がある。よって、アンテナ110が重ならないように、複数のRFタグ11を広告パネル10の裏面に配置することが必要である。また、アンテナ110と他のアンテナ110の距離が短すぎても、アンテナ110が互いに干渉してしまう。このことに留意して、広告パネル10の裏面に配置する複数のRFタグ11の総面積を、広告パネル10の裏面の面積の30%以上になるようにすると、携帯情報端末をかざす広告パネル10の箇所によらず、携帯情報端末によりRFタグ11からタグメッセージを読み取り易くなる。なお、RFタグ11の面積とは、RFタグ11が備えるアンテナ110の外周が囲う面積を意味している。
【0021】
このように、RFタグ付き掲示物1が備える広告パネル10の裏面に複数のRFタグ11を配置することで、
図4で図示したごとく、携帯情報端末をかざす広告パネル10の箇所によらず、RFタグ11からタグメッセージを読み取れる。また、RFタグ11から読み取れるタグメッセージは同じである。
【0022】
また、広告パネル10の裏面に配置する複数のRFタグ11はそれぞれ独立しているため、
図4で図示した通り、複数の顧客2が同時に一つのRFタグ付き掲示物1を利用できる。また、同じタグメッセージを記憶させた複数のRFタグ11を広告パネル10の裏面に配置しているので、最初に携帯情報端末をかざした箇所でタグメッセージを読み取れなくても、携帯情報端末を動かすことでタグメッセージを読み取れる。
図5で図示した通り、顧客2は、広告パネル10に携帯情報端末をかざした状態で移動することで、RFタグ11からタグメッセージを読み取ることができる。
【0023】
図1で図示したRFタグ付き掲示物1は一枚の広告パネル10から構成されるスマートポスターの形態をなしているが、複数枚の広告パネル10を備えた立体的な広告POPにも本願発明を適用できる。
【0024】
図6では、二枚の広告パネル10を備えたテント型広告POP3Aを図示している。なお、
図6では、テント型広告POP3Aの形状を分かり易くするために、RFタグ11は図示していない。テント型広告POP3Aの場合、二枚の広告パネル3A0の裏面それぞれに、アンテナ110が互いに干渉しない状態で複数のRFタグ11を配置する。なお、宣伝する広告が広告パネル3A0ごとに異なる場合、RFタグ11に記憶させるタグメッセージを広告パネル3A0ごと変えることになる。広告パネル3A0aに付けるRFタグ11には、広告パネル3A0aを用いて宣伝する広告に対応するタグメッセージを記憶させ、広告パネル3A0bに付けるRFタグ11には、広告パネル3A0bを用いて宣伝する広告に対応するタグメッセージを記憶させる。
【0025】
図7では、三枚の広告パネル10を備えた三角柱型広告POP3Bを図示している。
図7では、三角柱型広告POP3Bの形状を分かり易くするために、RFタグ11は図示していない。三角柱型広告POP3Bの場合、三枚の広告パネル3B0の裏面それぞれに、アンテナが互いに干渉しない状態で複数のRFタグ11を配置する。なお、宣伝する広告が広告パネル3B0ごとに異なる場合、テント型広告POP3Aの場合と同様に、RFタグ11に記憶させるタグメッセージを広告パネル3B0ごとに変えることになる。
【符号の説明】
【0026】
1 RFタグ付き掲示物
10 広告パネル
11 RFタグ
110 アンテナ
12 広告
3A テント型広告POP
3B 三角柱型広告POP