(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171179
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】リニア振動モータ
(51)【国際特許分類】
B06B 1/04 20060101AFI20231124BHJP
【FI】
B06B1/04 S
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096509
(22)【出願日】2022-06-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-03-22
(31)【優先権主張番号】202221228964.8
(32)【優先日】2022-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】517409583
【氏名又は名称】エーエーシー マイクロテック(チャンヂョウ)カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】No.3 changcao road, Hi-TECH Industrial Zone, Wujin District, Changzhou City, Jiangsu Province, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】毛 路斌
(72)【発明者】
【氏名】崔 志勇
(72)【発明者】
【氏名】▲馬▼ 杰
(72)【発明者】
【氏名】李 子昂
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲尭▼
【テーマコード(参考)】
5D107
【Fターム(参考)】
5D107AA20
5D107BB08
5D107CC09
5D107DD03
5D107DD12
5D107FF10
(57)【要約】
【課題】本発明はリニア振動モータを提供する。
【解決手段】当該リニア振動モータは、収容空間を有するケースと、前記収容空間に設置された振動ユニットと、前記振動ユニットを前記収容空間に懸架する弾性部材と、前記ケースに固定され、且つ前記振動ユニットを振動駆動するコイルアセンブリとを含み、前記コイルアセンブリは、鉄芯と、前記鉄芯に固定されたコイルとを含み、前記鉄芯は、前記コイルを巻設するための鉄芯本体と、前記鉄芯本体の両端に外嵌された2つの鉄芯延伸部とを含み、前記2つの鉄芯延伸部のそれぞれの前記振動方向に沿って他方の前記鉄芯延伸部から離れる2つの外側面の面間隔は、d1であり、前記鉄芯本体の前記振動方向に沿う両端面の面間隔は、d2であり、前記d1、d2は、条件式d1≠d2を満たす。関連技術に比べて、本発明のリニア振動モータは、組み立てが容易であり、振動性能が良い。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リニア振動モータであって、
収容空間を有するケースと、前記収容空間に設置された振動ユニットと、前記振動ユニットを前記収容空間に懸架する弾性部材と、前記ケースに固定され、且つ前記振動ユニットを振動駆動するコイルアセンブリとを含み、前記振動ユニットは、貫通孔を有する質量体と、前記貫通孔内に收容された磁性鋼とを含み、前記コイルアセンブリは、前記貫通孔内に挿設され、且つ前記磁性鋼と間隔をあけて設けられた鉄芯と、前記鉄芯に固定されたコイルとを含み、前記鉄芯は、前記コイルを巻設するための鉄芯本体と、前記鉄芯本体の両端に外嵌された2つの鉄芯延伸部とを含み、2つの前記鉄芯延伸部は、第1鉄芯延伸部と、第2鉄芯延伸部とを含み、2つの前記鉄芯延伸部は、前記振動ユニットの振動方向に垂直な方向に沿って、前記ケースに固定されるように延伸し、2つの前記鉄芯延伸部のそれぞれの、前記振動方向に沿って他方の前記鉄芯延伸部から離れる面が外側面であり、2つの前記鉄芯延伸部のそれぞれの、前記振動方向に沿って他方の前記鉄芯延伸部に向かう面が内側面であり、前記2つの鉄芯延伸部の2つの外側面の面間隔は、d1であり、前記鉄芯本体の前記振動方向に沿う両端面の面間隔は、d2であり、前記d1、d2は、条件式d1≠d2を満たす、ことを特徴とするリニア振動モータ。
【請求項2】
前記d1、d2は、条件式d1<d2を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載のリニア振動モータ。
【請求項3】
前記2つの鉄芯延伸部の2つの内側面の面間隔は、d3であり、前記d1、d2、d3は条件式d3<d2<d1を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載のリニア振動モータ。
【請求項4】
前記コイルは、前記振動方向に沿って前記鉄芯本体に巻設され、前記コイルの前記振動方向に垂直な平面における正投影は、前記鉄芯延伸部の正投影と少なくとも部分的に重なる、ことを特徴とする請求項2又は3に記載のリニア振動モータ。
【請求項5】
前記鉄芯延伸部の幾何学的中心と前記コイルの幾何学的中心は、前記振動方向に沿って重なり合う、ことを特徴とする請求項4に記載のリニア振動モータ。
【請求項6】
前記磁性鋼は、第1磁性鋼と、前記第1磁性鋼に対向して設けられた第2磁性鋼とを含み、前記第1磁性鋼と前記第2磁性鋼は、前記振動方向に垂直な方向に沿って着磁され、且つ磁極が逆になる、ことを特徴とする請求項5に記載のリニア振動モータ。
【請求項7】
前記第1磁性鋼は、前記振動方向に沿って、順に第1着磁領域、第2着磁領域及び第3着磁領域が設けられ、前記第1着磁領域、前記第2着磁領域及び前記第3着磁領域は、前記振動方向に垂直な方向に沿って着磁され、前記第1着磁領域と前記第2着磁領域は、着磁方向が逆であり、且つその間に第1無磁領域が設けられ、前記第2着磁領域と前記第3着磁領域は、着磁方向が逆であり、且つその間に第2無磁領域が設けられている、ことを特徴とする請求項6に記載のリニア振動モータ。
【請求項8】
前記第2磁性鋼は、前記振動方向に沿って、それぞれ前記第1着磁領域、前記第2着磁領域及び前記第3着磁領域に対して磁極が逆になる第4着磁領域、第5着磁領域及び第6着磁領域が設けられ、前記第4着磁領域、前記第5着磁領域及び前記第6着磁領域は、前記振動方向に垂直な方向に沿って着磁され、前記第4着磁領域と前記第5着磁領域は、着磁方向が逆であり、且つその間に第3無磁領域が設けられ、前記第5着磁領域と前記第6着磁領域は、着磁方向が逆であり、且つその間に第4無磁領域が設けられている、ことを特徴とする請求項7に記載のリニア振動モータ。
【請求項9】
前記質量体は、非導磁性材料で製造される、ことを特徴とする請求項1に記載のリニア振動モータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータに関し、特にモバイル電子製品分野に応用されるリニア振動モータに関する。
【背景技術】
【0002】
電子技術の発展に伴い、例えば携帯電話、携帯ゲーム機、ナビゲーション装置又は携帯マルチメディア娯楽装置などの携帯型消費電子製品は益々人々に追求されている。これらの電子製品は、一般的に、リニア振動モータを用いて、例えば携帯電話の着信提示、情報提示、ナビゲーション提示、ゲーム機の振動フィードバックなどのシステムフィードバックを行う。このように広く応用されると、振動モータの性能が優れ、使用寿命が長いことが要求される。
【0003】
関連技術のリニア振動モータは、収容空間を有するケースと、前記収容空間に位置する振動ユニットと、前記振動ユニットを前記収容空間に固定して懸架する弾性部材と、前記ケースに固定されたコイルアセンブリとを含み、前記振動ユニットは、質量体、極芯及び磁性鋼を含み、前記コイルアセンブリは、コイル及び鉄芯を含み、前記コイルによって生じる磁界が前記振動ユニットによって生じる磁界と相互作用することにより、前記振動ユニットが往復直線運動するように駆動して振動を生成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、関連技術のリニア振動モータでは、前記鉄芯本体の両端面は、前記振動ユニットの振動方向に垂直な方向に沿って前記鉄芯延伸部の外側面と面一に設けられ、凹凸特徴がないことによって、コイルアセンブリは組立過程において迅速に位置を合わせにくく、組立難度が高い。
従って、上記問題を解決するために新たなリニア振動モータを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、組立が簡単であり、振動性能が良いリニア振動モータを提供することを目的とする。
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、リニア振動モータを提供し、当該リニア振動モータは、収容空間を有するケースと、前記収容空間に配置された振動ユニットと、前記振動ユニットを前記収容空間に懸架する弾性部材と、前記ケースに固定され、且つ前記振動ユニットが振動するように駆動するコイルアセンブリとを含み、前記振動ユニットは、貫通孔を有する質量体と、前記貫通孔内に收容された磁性鋼とを含み、前記コイルアセンブリは、前記貫通孔内に挿設され、且つ前記磁性鋼と間隔をあけて設けられた鉄芯と、前記鉄芯に固定されたコイルとを含み、前記鉄芯は、前記コイルを巻設するための鉄芯本体と、前記鉄芯本体の両端に外嵌された2つの鉄芯延伸部とを含み、2つの前記鉄芯延伸部は、第1鉄芯延伸部と、第2鉄芯延伸部とを含み、2つの前記鉄芯延伸部は、前記振動ユニットの振動方向に垂直な方向に沿って、前記ケースに固定されるように延伸し、2つの前記鉄芯延伸部のそれぞれの前記振動方向に沿って他方の前記鉄芯延伸部から離れる面が外側面であり、2つの前記鉄芯延伸部のそれぞれの前記振動方向に沿って他方の前記鉄芯延伸部に向かう面が内側面であり、前記2つの鉄芯延伸部の2つの外側面の面間隔はd1であり、前記鉄芯本体の前記振動方向に沿う両端面の面間隔はd2であり、前記d1、d2は、条件式d1≠d2を満たす。
【0007】
好ましくは、前記d1、d2は、条件式d1<d2を満たす。
【0008】
好ましくは、前記2つの鉄芯延伸部の2つの内側面の面間隔はd3であり、前記d1、d2、d3は条件式d3<d2<d1を満たす。
【0009】
好ましくは、前記コイルは、前記振動方向に沿って前記鉄芯本体に巻設され、前記コイルの前記振動方向に垂直な平面における正投影は、前記鉄芯延伸部の正投影と少なくとも部分的に重なる。
【0010】
好ましくは、前記鉄芯延伸部の幾何学的中心と前記コイルの幾何学的中心は、前記振動方向に沿って重なり合う。
【0011】
好ましくは、前記磁性鋼は、第1磁性鋼と、前記第1磁性鋼に対向して設けられた第2磁性鋼とを含み、前記第1磁性鋼と前記第2磁性鋼は、前記振動方向に垂直な方向に沿って着磁され、且つ磁極が逆になる。
【0012】
好ましくは、前記第1磁性鋼は、前記振動方向に沿って、順に第1着磁領域、第2着磁領域及び第3着磁領域が設けられ、前記第1着磁領域、前記第2着磁領域及び前記第3着磁領域は、前記振動方向に垂直な方向に沿って着磁され、前記第1着磁領域と前記第2着磁領域は、着磁方向が逆であり、且つその間に第1無磁領域が設けられ、前記第2着磁領域と前記第3着磁領域は、着磁方向が逆であり、且つその間に第2無磁領域が設けられている。
【0013】
好ましくは、前記第2磁性鋼は、前記振動方向に沿って、それぞれ前記第1着磁領域、前記第2着磁領域及び前記第3着磁領域に対して磁極が逆になる第4着磁領域、第5着磁領域及び第6着磁領域が設けられ、前記第4着磁領域、前記第5着磁領域及び前記第6着磁領域は、前記振動方向に垂直な方向に沿って着磁され、前記第4着磁領域と前記第5着磁領域は、着磁方向が逆であり、且つその間に第3無磁領域が設けられ、前記第5着磁領域と前記第6着磁領域は、着磁方向が逆であり、且つその間に第4無磁領域が設けられている。
【0014】
好ましくは、前記質量体は、非導磁性材料で製造される。
【発明の効果】
【0015】
関連技術に比べて、本発明のリニア振動モータは、前記2つの鉄芯延伸部のそれぞれの前記振動方向に沿って他方の前記鉄芯延伸部から離れる2つの外側面の面間隔d1と前記鉄芯本体の前記振動方向に沿った両端面の面間隔d2を不等値とすることにより、前記鉄芯端部が前記振動方向に垂直な平面において凹凸特徴を有する。他の製造プロセスに影響を与えない状況で、前記リニア振動モータは、前記鉄芯端部に凹凸特徴を設置することにより、コイルアセンブリを位置決めして組み立てることをより容易にできるとともに、d1、d2、d3がd3<d2<d1を満たすと、振動方向に垂直な方向において前記鉄芯に対する前記磁性鋼の吸引力を減少させることができ、d1、d2がd1<d2を満たすと、前記振動ユニットのリニアモータの振動方向での駆動力を向上させることができ、それにより前記リニア振動モータの振動性能が良い。
【0016】
本発明に係る実施例における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下に実施例の説明に必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下に記載の図面は本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的労働を要しない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明に係る実施例1におけるリニア振動モータの立体構造概略図である。
【
図2】本発明に係る実施例1におけるリニア振動モータの分解構造概略図である。
【
図3】
図1に示すリニア振動モータのA―A線における断面図である。
【
図4】
図1に示すリニア振動モータの上ケースがない平面図である。
【
図5】
図2に示す磁気回路構造の1種の電流方向の着磁方向の概略図である。
【
図6】本発明に係る実施例2におけるリニア振動モータの立体構造概略図である。
【
図7】
図6に示すリニア振動モータのB-B線における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明に係る実施例における技術的解決手段を明確で、完全に説明し、明らかに、説明された実施例は本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を要さずに取得した他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0019】
図1~5を参照すると、本発明は、リニア振動モータ100を提供し、リニア振動モータ100は、ケース1、振動ユニット2、弾性部材3及びコイルアセンブリ4を含む。
【0020】
前記ケース1は、収容空間10を有する。前記ケース1は、底板11と、前記底板11にカバーされ、且つ前記底板11と共に収容空間10を形成する上ケース12とを含み、前記上ケース12は、前記底板11に対向して設けられた頂板121と、前記頂板121から前記底板11の方向へ折り曲げて延伸する側板122とを含み、前記底板11は、前記側板122に当接する。
【0021】
前記振動ユニット2は、前記収容空間10に配置されている。本実施形態では、前記振動ユニット2は、前記弾性部材3により前記収容空間10内に支持されて懸架され、前記リニア振動モータ100は、さらに前記収容空間10内に收容され、且つ前記底板11に固定された2つのストッパ部5を含み、前記ストッパ部5は、それぞれ前記底板11の前記振動ユニット2の振動方向に沿う対向する両側に位置し、且つそれぞれ前記側板122に当接し、前記ストッパ部5を設けることは、前記リニア振動モータ100が落下する時に前記振動ユニット2が振動方向に垂直な方向に沿って前記ケース1の側板122へ衝突することを緩衝することができ、前記リニア振動モータの信頼性を向上させる。
【0022】
具体的には、前記振動ユニット2は、質量体21、極芯22及び磁性鋼23を含む。
【0023】
前記質量体21は、貫通孔210と、前記貫通孔210を囲んで形成するための孔壁211とを含む。前記質量体21は、非導磁性材料で製造される。
【0024】
前記極芯22は、矩形をなす。前記極芯22は、前記貫通孔210内に收容されている。具体的には、前記極芯22は、前記孔壁211に固定されている。前記極芯22は、第1極芯221と、対向し且つ間隔をあけて設けられた第2極芯222とを含む。具体的には、前記第1極芯221と前記第2極芯222は、長軸方向がいずれも前記振動ユニット2の振動方向と平行に設けられている。
【0025】
前記磁性鋼23は、矩形をなす。前記磁性鋼23は、第1磁性鋼231と、対向し且つ間隔をあけて設けられた第2磁性鋼232とを含み、具体的には、前記第1磁性鋼231と前記第2磁性鋼232は、それぞれ前記第1極芯221と前記第2極芯222に固定されている。具体的には、前記第1磁性鋼231と前記第2磁性鋼232は、長軸方向がいずれも前記振動ユニット2の振動方向と平行に設けられている。
【0026】
前記磁性鋼23は、前記振動ユニット2の振動方向に垂直な方向に沿って着磁され、より好ましくは、前記極芯22の磁束量を増加させるために、前記第1磁性鋼231及び前記第2磁性鋼232をいずれも三段着磁の着磁構造とするとともに、隣接する着磁領域同士の間に無磁領域が設けられている。具体的には、前記第1磁性鋼231は、前記第1磁性鋼231の長軸方向に沿って順に第1着磁領域2311、第2着磁領域2312及び第3着磁領域2313が設けられ、隣接する2つの着磁領域は、着磁方向が逆であり、且つ前記第1着磁領域2311と前記第2着磁領域2312との間、前記第2着磁領域2312と前記第3着磁領域2313との間に、それぞれ第1無磁領域2314と第2無磁領域2315が設けられ、前記第2磁性鋼232は、前記第1着磁領域2311、前記第2着磁領域2312及び前記第3着磁領域2313とそれぞれ着磁方向が逆である第4着磁領域2321、第5着磁領域2322及び第6着磁領域2323が設けられ、隣接する2つの着磁領域は、着磁方向が逆であり、且つ前記第4着磁領域2321と前記第5着磁領域2322との間、前記第5着磁領域2322と前記第6着磁領域2323との間に、それぞれ第3無磁領域2324と第4無磁領域2325が設けられ、それにより、磁力線の流通を拡大し、磁界強度を向上させ、磁束量が対応して10%程度向上し、前記リニア振動モータ100の振動性能を向上させる。
【0027】
前記弾性部材3は、前記振動ユニット2を前記収容空間10に懸架する。具体的には、前記弾性部材3は、一端が前記振動ユニット2に固定され、他端が前記ケース1に固定されている。具体的には、前記弾性部材3は、前記側板122に接続され、即ち、前記弾性部材3は、前記ケース1の前記側板122に固定されている。
【0028】
前記コイルアセンブリ4は、前記ケース1に固定され、且つ前記振動ユニット2を振動駆動する。具体的には、前記コイルアセンブリ4は、前記貫通孔210内に挿設され、且つ前記磁性鋼23と間隔をあけて設けられた鉄芯41と、前記鉄芯41に巻設されたコイル42とを含む。
【0029】
前記鉄芯41は、前記振動ユニット2の振動方向に沿って延伸する鉄芯本体411と、前記鉄芯本体411の両端に外嵌された鉄芯延伸部412とを含み、具体的には、前記鉄芯延伸部412は、第1鉄芯延伸部4121と第2鉄芯延伸部4122とを含み、前記鉄芯延伸部412は、前記振動方向に垂直な方向に沿って前記底板に固定されるように延伸する。前記第1鉄芯延伸部4121の前記振動方向に沿って第2鉄芯延伸部4122から離れる外側面は、4121Aであり、前記第2鉄芯延伸部4122の前記振動方向に沿って第1鉄芯延伸部4121から離れる外側面は、4122Aであり、2つの外側面の面間隔はd1であり、前記鉄芯本体411の前記振動方向に沿う両端面の面間隔はd2であり、d1、d2は、条件式d1≠d2を満たす。
【0030】
さらに、d1、d2は、条件式d1<d2を満たす。
【0031】
他の実施例では、前記第1鉄芯延伸部4121の前記振動方向に沿って第2鉄芯延伸部4122に向かう内側面は、4121Bであり、前記第2鉄芯延伸部4122の前記振動方向に沿って第1鉄芯延伸部4121に向かう内側面は、4122Bであり、2つの内側面の面間隔はd3であり、d1、d2、d3は、条件式d3<d2<d1を満たす。
【0032】
前記振動モータは、前記2つの鉄芯延伸部412のそれぞれの前記振動方向に沿って他方の前記鉄芯延伸部から離れる外側面の面間隔d1と前記鉄芯本体411の前記振動方向に沿う両端面の面間隔d2を不等値にすることにより、前記鉄芯41の両端部が前記振動方向に垂直な平面において凹凸特徴を有し、他の製造プロセスに影響を与えない状況で、コイルアセンブリ4を位置決めして組み立てることをより容易にでき、さらに、d1、d2が条件式d1<d2を満たす場合、前記鉄芯本体411の両端部が前記鉄芯延伸部の外側面4121A、4122Aよりも前記振動方向に突出する特徴の設定は、リニアモータの振動方向における前記振動ユニット2の駆動力を向上させることができ、それにより前記リニア振動モータ100の振動性能を向上させる。
【0033】
前記コイル42は、前記振動方向に沿って前記鉄芯本体411に巻設され、且つ2つの前記磁性鋼23の間に位置する。前記コイル42の前記振動方向に垂直な平面における正投影は、前記鉄芯延伸部412の正投影と部分的に重なる。且つ、前記鉄芯延伸部412の幾何学的中心と前記コイル42の幾何学的中心は、前記振動方向に沿って重なり合う。前記コイル42に通電した後、前記鉄芯41は、磁界を形成し、前記磁性鋼23的磁界と相互作用することによって、前記振動ユニット2が往復直線運動するように駆動し、振動効果を生成する。
【0034】
関連技術に比べて、本発明のリニア振動モータは、前記2つの鉄芯延伸部のそれぞれの前記振動方向に沿って他方の前記鉄芯延伸部から離れる2つの外側面の面間隔d1と前記鉄芯本体の前記振動方向に沿う両端面の面間隔d2を2つの不等値とすることにより、前記鉄芯端部は前記振動方向に垂直な平面において凹凸特徴を有する。他の製造プロセスに影響を与えない状況で、前記リニア振動モータは、前記鉄芯端部に凹凸特徴を設置することにより、コイルアセンブリを位置決めして組み立てることをより容易にできる。
【0035】
上述したのは、本発明の実施形態に過ぎず、ここで明確にすべきことは、当業者にとって、本発明の創造構想から逸脱しない前提で、さらに改良することができるが、これらはいずれも本発明の保護範囲に属する。
【手続補正書】
【提出日】2022-12-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リニア振動モータであって、
収容空間を有するケースと、前記収容空間に設置された振動ユニットと、前記振動ユニットを前記収容空間に懸架する弾性部材と、前記ケースに固定され、且つ前記振動ユニットを振動駆動するコイルアセンブリとを含み、前記振動ユニットは、貫通孔を有する質量体と、前記貫通孔内に收容された磁性鋼とを含み、前記コイルアセンブリは、前記貫通孔内に挿設され、且つ前記磁性鋼と間隔をあけて設けられた鉄芯と、前記鉄芯に固定されたコイルとを含み、前記鉄芯は、前記コイルを巻設するための鉄芯本体と、前記鉄芯本体の両端に外嵌された2つの鉄芯延伸部とを含み、2つの前記鉄芯延伸部は、第1鉄芯延伸部と、第2鉄芯延伸部とを含み、2つの前記鉄芯延伸部は、前記振動ユニットの振動方向に垂直な方向に沿って、前記ケースに固定されるように延伸し、2つの前記鉄芯延伸部のそれぞれの、前記振動方向に沿って他方の前記鉄芯延伸部から離れる面が外側面であり、2つの前記鉄芯延伸部のそれぞれの、前記振動方向に沿って他方の前記鉄芯延伸部に向かう面が内側面であり、前記2つの鉄芯延伸部の2つの外側面の面間隔は、d1であり、前記鉄芯本体の前記振動方向に沿う両端面の面間隔は、d2であり、前記d1、d2は、条件式d1<d2を満たす、ことを特徴とするリニア振動モータ。
【請求項2】
リニア振動モータであって、
収容空間を有するケースと、前記収容空間に設置された振動ユニットと、前記振動ユニットを前記収容空間に懸架する弾性部材と、前記ケースに固定され、且つ前記振動ユニットを振動駆動するコイルアセンブリとを含み、前記振動ユニットは、貫通孔を有する質量体と、前記貫通孔内に收容された磁性鋼とを含み、前記コイルアセンブリは、前記貫通孔内に挿設され、且つ前記磁性鋼と間隔をあけて設けられた鉄芯と、前記鉄芯に固定されたコイルとを含み、前記鉄芯は、前記コイルを巻設するための鉄芯本体と、前記鉄芯本体の両端に外嵌された2つの鉄芯延伸部とを含み、2つの前記鉄芯延伸部は、第1鉄芯延伸部と、第2鉄芯延伸部とを含み、2つの前記鉄芯延伸部は、前記振動ユニットの振動方向に垂直な方向に沿って、前記ケースに固定されるように延伸し、2つの前記鉄芯延伸部のそれぞれの、前記振動方向に沿って他方の前記鉄芯延伸部から離れる面が外側面であり、2つの前記鉄芯延伸部のそれぞれの、前記振動方向に沿って他方の前記鉄芯延伸部に向かう面が内側面であり、
前記2つの鉄芯延伸部の2つの外側面の面間隔は、d1であり、前記鉄芯本体の前記振動方向に沿う両端面の面間隔は、d2であり、前記2つの鉄芯延伸部の2つの内側面の面間隔は、d3であり、前記d1、d2、d3は、条件式d3<d2<d1を満たす、ことを特徴とするリニア振動モータ。
【請求項3】
前記コイルは、前記振動方向に沿って前記鉄芯本体に巻設され、前記コイルの前記振動方向に垂直な平面における正投影は、前記鉄芯延伸部の正投影と少なくとも部分的に重なる、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のリニア振動モータ。
【請求項4】
前記鉄芯延伸部の幾何学的中心と前記コイルの幾何学的中心は、前記振動方向に沿って重なり合う、ことを特徴とする請求項3に記載のリニア振動モータ。
【請求項5】
前記磁性鋼は、第1磁性鋼と、前記第1磁性鋼に対向して設けられた第2磁性鋼とを含み、前記第1磁性鋼と前記第2磁性鋼は、前記振動方向に垂直な方向に沿って着磁され、且つ磁極が逆になる、ことを特徴とする請求項4に記載のリニア振動モータ。
【請求項6】
前記第1磁性鋼は、前記振動方向に沿って、順に第1着磁領域、第2着磁領域及び第3着磁領域が設けられ、前記第1着磁領域、前記第2着磁領域及び前記第3着磁領域は、前記振動方向に垂直な方向に沿って着磁され、前記第1着磁領域と前記第2着磁領域は、着磁方向が逆であり、且つその間に第1無磁領域が設けられ、前記第2着磁領域と前記第3着磁領域は、着磁方向が逆であり、且つその間に第2無磁領域が設けられている、ことを特徴とする請求項5に記載のリニア振動モータ。
【請求項7】
前記第2磁性鋼は、前記振動方向に沿って、それぞれ前記第1着磁領域、前記第2着磁領域及び前記第3着磁領域に対して磁極が逆になる第4着磁領域、第5着磁領域及び第6着磁領域が設けられ、前記第4着磁領域、前記第5着磁領域及び前記第6着磁領域は、前記振動方向に垂直な方向に沿って着磁され、前記第4着磁領域と前記第5着磁領域は、着磁方向が逆であり、且つその間に第3無磁領域が設けられ、前記第5着磁領域と前記第6着磁領域は、着磁方向が逆であり、且つその間に第4無磁領域が設けられている、ことを特徴とする請求項6に記載のリニア振動モータ。
【請求項8】
前記質量体は、非導磁性材料で製造される、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のリニア振動モータ。