(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171189
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】マルチシーン用扇風機
(51)【国際特許分類】
F04D 25/08 20060101AFI20231124BHJP
【FI】
F04D25/08 306A
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022129590
(22)【出願日】2022-08-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-26
(31)【優先権主張番号】202210553198.0
(32)【優先日】2022-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520066924
【氏名又は名称】▲蘇▼州▲貝▼昂智能科技股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】冉 宏宇
(72)【発明者】
【氏名】路 堯遠
(72)【発明者】
【氏名】劉 義剛
(72)【発明者】
【氏名】陳 其
(72)【発明者】
【氏名】李 鴻強
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB02
3H130AB26
3H130AB52
3H130AC25
3H130BA78Z
3H130DD01Z
3H130DE14X
3H130EA01Z
(57)【要約】 (修正有)
【課題】マルチシーン用扇風機を提供すること。
【解決手段】本発明で提供するマルチシーン用扇風機は、頭部と、ヒンジ関節機構と、伸縮ロッドと、ロック機構と、台座と、台座内に取り付けられた駆動機構とを含み、伸縮ロッドの片端はヒンジ関節機構を介して頭部とヒンジ接続され、他端は駆動機構とヒンジ接続され、かつ駆動機構との間にロック機構が設けられており、ロック機構は伸縮ロッドの駆動機構に対する位置をロック及びロック解除するために用いられ、駆動機構は伸縮ロッドを自転させるために用いられており、頭部と伸縮ロッドの間のヒンジ軸線は、伸縮ロッドと駆動機構の間のヒンジ軸線に平行である。本発明で提供するマルチシーン用扇風機は、基本的に家庭内で他のタイプの扇風機を購入する必要がなく、しかも扇風機の頭部を上向きにして送風する場合は、吸気通路が保持されて、上向き送風の使用シーンを実現することができる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチシーン用扇風機において、
頭部(1)と、ヒンジ関節機構(2)と、伸縮ロッド(3)と、ロック機構(4)と、台座(5)と、前記台座(5)内に取り付けられた駆動機構(6)とを含み、
前記伸縮ロッド(3)の片端は、前記ヒンジ関節機構(2)を介して前記頭部(1)とヒンジ接続され、他端は前記駆動機構(6)とヒンジ接続され、かつ前記駆動機構(6)との間に前記ロック機構(4)が設けられており、
前記ロック機構(4)は、前記伸縮ロッド(3)の前記駆動機構(6)に対する位置をロック及びロック解除するために用いられ、
前記駆動機構(6)は、前記伸縮ロッド(3)を自転させるために用いられており、
前記頭部(1)と前記伸縮ロッド(3)の間のヒンジ軸線が前記伸縮ロッド(3)と前記駆動機構(6)の間のヒンジ軸線に平行であることを特徴とする、マルチシーン用扇風機。
【請求項2】
前記ロック機構(4)は、アウタースリーブ(41)と、第1ネジ山(42)と、第2ネジ山(43)とを含み、
前記駆動機構(6)は、回転ベース(61)を含み、
前記回転ベース(61)の外表面は、前記第1ネジ山(42)を有し、
前記伸縮ロッド(3)の外表面は、前記第2ネジ山(43)を有しており、
前記アウタースリーブ(41)が前記伸縮ロッド(3)の外部に被装され、前記第2ネジ山(43)とのみ係合する場合は、前記ロック機構(4)が前記伸縮ロッド(3)の前記駆動機構(6)に対する位置のロックを解除し、
前記アウタースリーブ(41)が前記伸縮ロッド(3)と前記回転ベース(61)の外部に被装され、前記第1ネジ山(42)及び前記第2ネジ山(43)と係合する場合は、前記ロック機構(4)が前記伸縮ロッド(3)の前記駆動機構(6)に対する位置をロックすることを特徴とする、請求項1に記載のマルチシーン用扇風機。
【請求項3】
前記伸縮ロッド(3)の前記回転ベース(61)寄りの端部は、回転関節(31)を有し、
前記回転ベース(61)には、取付貫通溝(611)が開設されており、
前記取付貫通溝(611)は、前記回転ベース(61)の径方向に沿って前記回転ベース(61)を貫通しており、
前記取付貫通溝(611)内には、接続ベース(612)が固着され、
前記回転関節(31)が、前記接続ベース(612)とヒンジ接続されていることを特徴とする、請求項2に記載のマルチシーン用扇風機。
【請求項4】
前記駆動機構(6)は、さらにモータ及び伝動アセンブリ(62)を含み、
前記モータの動力出力軸は、前記伝動アセンブリ(62)と接続され、
前記伝動アセンブリ(62)は、前記回転ベース(61)と接続されていることを特徴とする、請求項2に記載のマルチシーン用扇風機。
【請求項5】
前記伸縮ロッド(3)は、第1支持管(32)と、調節機構(33)と、第2支持管(34)と、を含み、
前記第1支持管(32)は、前記調節機構(33)を介して前記第2支持管(34)内に挿着され、
前記調節機構(33)は、前記第1支持管(32)の挿着深さを調節するために用いられており、
前記第1支持管(32)の前記第2支持管(34)から遠い方の片端及び前記第2支持管(34)の前記第1支持管(32)から遠い方の片端のうちの一方が前記頭部(1)とヒンジ接続され、もう一方が前記駆動機構(6)とヒンジ接続されていることを特徴とする、請求項1に記載のマルチシーン用扇風機。
【請求項6】
前記調節機構(33)は、蓄力弾性部材(331)と、前記第2支持管(34)の外部に取り付けられたボタン(332)とを含み、
前記ボタン(332)の両端間の位置は、前記第2支持管(34)とヒンジ接続され、
前記ボタン(332)の片端と前記第2支持管(34)の間には、前記蓄力弾性部材(331)が設けられ、
前記ボタン(332)の他端は凸起(3321)を有しており、
前記第2支持管(34)には、前記凸起(3321)が貫通するための貫通孔(341)が設けられ、
前記第1支持管(32)の外壁には、自身の長手方向に沿って前記凸起(3321)と係合するための複数の凹溝(321)が開設されていることを特徴とする、請求項5に記載のマルチシーン用扇風機。
【請求項7】
前記第2支持管(34)と前記第1支持管(32)との間には、軸スリーブ(35)が設けられ、
前記軸スリーブ(35)は、前記第2支持管(34)の前記第1支持管(32)寄りの端部と接続されており、
前記第1支持管(32)の前記第2支持管(34)に伸入する端部には、リミットリング(323)が設けられ、
前記リミットリング(323)は、前記軸スリーブ(35)と当接して前記第1支持管(32)の極限伸長位置を限定するために用いられることを特徴とする、請求項6に記載のマルチシーン用扇風機。
【請求項8】
前記ヒンジ関節機構(2)は、トルクヒンジと、第1クランプ軸スリーブ(21)と、第2クランプ軸スリーブ(22)と、弛み止めアセンブリ(23)と、を含み、
前記トルクヒンジは、固定軸アセンブリ(24)と、前記固定軸アセンブリ(24)とヒンジ接続された回転カム(25)と、を含み、
前記回転カム(25)と前記固定軸アセンブリ(24)との間には、軸方向予圧があり、
前記第1クランプ軸スリーブ(21)及び前記第2クランプ軸スリーブ(22)は、前記弛み止めアセンブリ(23)によって前記固定軸アセンブリ(24)の両端にロックされ、
前記第1クランプ軸スリーブ(21)及び前記第2クランプ軸スリーブ(22)は、いずれも前記頭部(1)と固定接続されており、
前記回転カム(25)が、前記伸縮ロッド(3)の端部と固定接続されていることを特徴とする、請求項1に記載のマルチシーン用扇風機。
【請求項9】
前記第1クランプ軸スリーブ(21)及び/または前記第2クランプ軸スリーブ(22)に、前記固定軸アセンブリ(24)の軸方向に沿って、前記固定軸アセンブリ(24)との間に減衰リング(26)が挟設されていることを特徴とする、請求項8に記載のマルチシーン用扇風機。
【請求項10】
前記頭部(1)は、頭部本体(11)と、接続アーム(12)とを含み、
前記接続アーム(12)の片端は前記頭部本体(11)と固定接続され、他端は前記ヒンジ関節機構(2)を介して前記伸縮ロッド(3)とヒンジ接続されており、
前記接続アーム(12)の延伸方向と前記頭部本体(11)の送風端面(111)との間に夾角を有することを特徴とする、請求項1~9のいずれかに記載のマルチシーン用扇風機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は家庭用電気機器の技術分野に関わり、特にマルチシーン用扇風機に関わる。
【背景技術】
【0002】
扇風機は最も早く普及した家電であり、人々は扇風機の送風によって暑さを解消し、涼を得てきたが、社会の発展に伴って、扇風機の使用シーンに対する期待がより高まっている。しかし、従来の折り畳み式扇風機は、以下の点において不十分である。
【0003】
第一に、従来の折り畳み式扇風機は適用シーンがかなり少なく、家庭内で多くのタイプの扇風機を購入する必要があった。
第二に、市場にある既存の折り畳み式扇風機は、収納のしやすさという問題を解決するためにアルミ管型伸縮ロッドを採用しているが、伸縮ロッドは段階的に細くなっており、その支持強度と剛性では大型の扇風機を支持するには不十分なので、大部分は8インチ以下の扇風機となっている。
第三に、市場にある既存の折り畳み式扇風機は、折り畳みが完成すると、扇風機の頭部は扇風機の台座に密着するが、該状態では吸気通路がなく、折り畳んだ後に上向きに送風する使用シーンを実現することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、収納に便利で、使用シーンが多目的で、かつ扇風機の頭部を上向きにして送風する際に、吸気通路が保持され、上向き送風の使用シーンを実現することができるマルチシーン用扇風機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を実現するために、本発明では以下の技術手法を提供している。
本発明では、頭部と、ヒンジ関節機構と、伸縮ロッドと、ロック機構と、台座と、前記台座内に取り付けられた駆動機構とを含むマルチシーン用扇風機を提供しており、前記伸縮ロッドの片端は前記ヒンジ関節機構を介して前記頭部とヒンジ接続され、他端は前記駆動機構とヒンジ接続され、かつ前記駆動機構との間に前記ロック機構が設けられており、前記ロック機構は前記伸縮ロッドの前記駆動機構に対する位置をロック及びロック解除するために用いられ、前記駆動機構は前記伸縮ロッドを自転させるために用いられており、
前記頭部と前記伸縮ロッドの間のヒンジ軸線は、前記伸縮ロッドと前記駆動機構の間のヒンジ軸線に平行である。
【0006】
さらに、前記ロック機構は、アウタースリーブと、第1ネジ山と、第2ネジ山とを含み、
前記駆動機構は回転ベースを含み、前記回転ベースの外表面は前記第1ネジ山を有し、前記伸縮ロッドの外表面は前記第2ネジ山を有しており、
前記アウタースリーブが前記伸縮ロッドの外部に被装され、前記第2ネジ山とのみ係合する場合は、前記ロック機構が前記伸縮ロッドの前記駆動機構に対する位置のロックを解除し、
前記アウタースリーブが前記伸縮ロッドと前記回転ベースの外部に被装され、前記第1ネジ山及び前記第2ネジ山と係合する場合は、前記ロック機構が前記伸縮ロッドの前記駆動機構に対する位置をロックする。
【0007】
さらに、前記伸縮ロッドの前記回転ベース寄りの端部は回転関節を有し、前記回転ベースには取付貫通溝が開設されており、前記取付貫通溝は前記回転ベースの径方向に沿って前記回転ベースを貫通しており、前記取付貫通溝内には接続ベースが固着され、前記回転関節は前記接続ベースとヒンジ接続されている。
【0008】
さらに、前記駆動機構はモータ及び伝動アセンブリを含み、前記モータの動力出力軸は前記伝動アセンブリと接続され、前記伝動アセンブリは前記回転ベースと接続されている。
【0009】
さらに、前記伸縮ロッドは、第1支持管と、調節機構と、第2支持管とを含み、前記第1支持管は前記調節機構を介して前記第2支持管内に挿着され、前記調節機構は前記第1支持管の挿着深さを調節するために用いられており、前記第1支持管の前記第2支持管から遠い方の片端、及び前記第2支持管の前記第1支持管から遠い方の片端うちの一方は前記頭部とヒンジ接続され、他方は前記駆動機構とヒンジ接続されている。
【0010】
さらに、前記調節機構は蓄力弾性部材及び前記第2支持管の外部に取り付けられたボタンを含み、前記ボタンの両端間の位置は前記第2支持管とヒンジ接続され、前記ボタンの片端と前記第2支持管との間には前記蓄力弾性部材が設けられ、前記ボタンの他端には凸起があり、
前記第2支持管には前記凸起が貫通するための貫通孔が設けられ、前記第1支持管の外壁には自身の長手方向に沿って前記凸起と係合するための複数の凹溝が開設されている。
さらに、前記第2支持管と前記第1支持管との間には軸スリーブが設けられており、前記軸スリーブは前記第2支持管の前記第1支持管寄りの端部と接続されており、前記第1支持管の前記第2支持管に伸入する端部にはリミットリングが設けられ、前記リミットリングは前記軸スリーブと当接して前記第1支持管の極限伸長位置を限定するために用いられる。
【0011】
さらに、前記ヒンジ関節機構は、トルクヒンジと、第1クランプ軸スリーブと、第2クランプ軸スリーブと、弛み止めアセンブリとを含み、前記トルクヒンジは固定軸アセンブリ及び前記固定軸アセンブリとヒンジ接続された回転カムを含み、前記回転カムと前記固定軸アセンブリとの間には軸方向予圧があり、
前記第1クランプ軸スリーブ及び前記第2クランプ軸スリーブは前記弛み止めアセンブリによって前記固定軸アセンブリの両端にロックされ、前記第1クランプ軸スリーブ及び前記第2クランプ軸スリーブはいずれも前記頭部と固定接続されており、
前記回転カムは前記伸縮ロッドの端部と固定接続されている。
【0012】
さらに、前記第1クランプ軸スリーブ及び/または前記第2クランプ軸スリーブには、前記固定軸アセンブリの軸方向に沿って、前記固定軸アセンブリとの間に減衰リングが挟設されている。
【0013】
さらに、前記頭部は頭部本体及び接続アームを含み、前記接続アームの片端は前記頭部本体と固定接続され、他端は前記ヒンジ関節機構を介して前記伸縮ロッドとヒンジ接続されており、前記接続アームの延伸方向と前記頭部本体の送風端面との間に夾角を有している。
【0014】
本発明で提供するマルチシーン用扇風機は、以下のような有益な効果を生むことができる。
本発明で提供するマルチシーン用扇風機は、以下の数種類の使用モードを有する。
【0015】
モード1:伸縮ロッドが最長状態まで伸び、ロック機構が伸縮ロッドの駆動機構に対する位置をロックしており、駆動機構は伸縮ロッドの自転を制御して自動首振り機能を実現することができ、それと同時に、頭部の伸縮ロッドに対する上下方向の角度を手動で調節することができ、床置き式扇風機として使用される。
【0016】
モード2:伸縮ロッドが最短状態まで縮み、ロック機構が伸縮ロッドの駆動機構に対する位置をロックしており、駆動機構は伸縮ロッドの自転を制御して自動首振り機能を実現することができ、それと同時に、頭部の伸縮ロッドに対する上下方向の角度を手動で調節することができ、卓上またはデスクトップ式扇風機として使用される。
【0017】
モード3:モード2をベースとして、頭部を下向きに回転させ、扇風機の風を床に向けることで、住居の床を水拭きした後、風を送って床を乾かすために用いることができる。
【0018】
モード4;伸縮ロッドは最短状態まで縮み、ロック機構は伸縮ロッドの駆動機構に対する位置のロックを解消し、伸縮ロッドは台座付近で折り畳まれ、頭部は台座に背向して伸縮ロッドの上方に折り畳まれ、駆動機構は作業を行わず、折り畳んだ後は、ベッド下や収納庫内に収納することができる。折り畳まれた扇風機の頭部は上向きになり、頭部が伸縮ロッドの上方に折り畳まれているので、扇風機の頭部と台座の間に吸気通路が保持され、扇風機が上向きに送風するので、ベランダ上部に干した衣服を乾かすことに用いることができる。
【0019】
モード5:モード4をベースに、頭部を回転させ、頭部の折り畳み状態を解消し、頭部と床が仰角を形成することで、定点送風や空気循環に用いることができる。
【0020】
モード6:モード4をベースに、台座をネジなどの接続部材によって壁面に掛けることで、壁掛け式扇風機の使用シーンを実現する。
【0021】
従来技術に比べて、本発明で提供する扇風機は、収納に便利で、使用シーンが多元的で、人々の様々な使用需要を満たすことができ、基本的に家庭内で他のタイプの扇風機を購入する必要がなく、しかも扇風機の頭部を上向きにして送風すると、吸気通路が保持されて、上向き送風の使用シーンを実現することができる。
【0022】
本発明の具体的な実施形態または従来技術における技術手法をより明確に説明するために、以下では、具体的な実施形態または従来技術の記述において使用する必要がある図面について簡単に説明する。以下に記述する図面は、本発明のいくつかの実施形態であり、当業者であれば、創造的な労働を伴わないことを前提に、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができることは自明である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施例で提供するマルチシーン用扇風機の三次元構造概略図である。
【
図2】本発明の実施例で提供するマルチシーン用扇風機のモード1状態における構造概略図である。
【
図3】本発明の実施例で提供するマルチシーン用扇風機のモード2状態における構造概略図である。
【
図4】本発明の実施例で提供するマルチシーン用扇風機のモード3状態における構造概略図である。
【
図5】本発明の実施例で提供するマルチシーン用扇風機のモード4状態における構造概略図である。
【
図6】本発明の実施例で提供するマルチシーン用扇風機のモード5状態における構造概略図である。
【
図7】本発明の実施例で提供するマルチシーン用扇風機のモード6状態における構造概略図である。
【
図8】本発明の実施で提供するマルチシーン用扇風機(頭部及び台座の一部のない)の分解図である。
【
図10】本発明の実施例で提供する調節機構の構造概略図である。
【
図11】本発明の実施例で提供するヒンジ関節機構の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図面符号:1-頭部;11-頭部本体;111-送風端面;12-接続アーム;2-ヒンジ関節機構;21-第1クランプ軸スリーブ;22-第2クランプ軸スリーブ;23-弛み止めアセンブリ;24-固定軸アセンブリ;241-ネジロッド;242-リミットナット;243-蝶形バネ片;25-回転カム;26-減衰リング;3-伸縮ロッド;31-回転関節;32-第1支持管;321-凹溝;322-シュート;323-リミットリング;33-調節機構;331-蓄力弾性部材;332-ボタン;3321-凸起;34-第2支持管;341-貫通孔;35-軸スリーブ;4-ロック機構;41-アウタースリーブ;42-第1ネジ山;43-第2ネジ山;5-台座;6-駆動機構;61-回転ベース;611-取付貫通溝;612-接続ベース;62-伝動アセンブリ。
【0025】
以下では、図面と結び付けて本発明の技術手法を明確かつ完全に記述しているが、記述している実施例は本発明の実施例の一部であって、すべての実施例ではないことは明らかである。本発明の実施例に基づき、当業者が創造的な労働を行わないという前提において取得したその他の実施例は、すべて本発明の保護範囲に属するものとする。
【0026】
本発明の記述において説明しておかなければならないが、用語である「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内」、「外」などが示す方位または位置関係は、図面に示す方位または位置関係に基づくものであって、本発明を記述しやすくし、記述を簡略化するものであって、指している装置や素子が必ずしも特定の方位を有し、特定の方位によって構成及び操作されることを指示したり、暗示したりするものではないので、本発明に対する限定と理解することはできない。また、用語の「第1」、「第2」、「第3」は、目的を記述するために用いられているにすぎないので、相対的な重要性を指示または暗示するものと理解することはできない。
【0027】
本発明の記述において説明しておかなければならないが、別途明確な規定や限定がない限り、用語の「取付」、「連結」、「接続」は広義に理解しなければならない。例えば、固定接続でもよいし、着脱可能な接続でもよいし、一体式の接続でもよいし、機械接続でもよいし、電気接続でもよく、また直接的な連結でもよいし、中間媒体を介しての間接的な連結でもよいし、2つの素子の内部での連通でもよい。当業者であれば、本発明における上記の用語の具体的な意味を、具体的な状況において理解することができる。
【0028】
以下では、図面と結び付けて、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明する。ここに記載されている具体的な実施形態は、本発明を説明及び解釈するためのものにすぎず、本発明を限定するものではないことを理解しておかなければならない。
【0029】
本実施例で提供するマルチシーン用扇風機は、
図1~
図8に示すように、頭部1と、ヒンジ関節機構2と、伸縮ロッド3と、ロック機構4と、台座5と、台座5内に取り付けられた駆動機構6とを含み、伸縮ロッド3の片端はヒンジ関節機構2を介して頭部1とヒンジ接続され、他端は駆動機構6とヒンジ接続され、かつ駆動機構6との間にはロック機構4が設けられており、ロック機構4は伸縮ロッド3の駆動機構6に対する位置をロック及びロック解除するために用いられ、駆動機構6は伸縮ロッド3を自転させるために用いられており、頭部1と伸縮ロッド3の間のヒンジ軸線は、伸縮ロッド3と駆動機構6の間のヒンジ軸線に平行である。
【0030】
上記の実施例で提供するマルチシーン用扇風機は、具体的には以下の6つのシーンで使用することができる。
図1に示すように、比較的高い位置から首を振って送風することで、床置き式扇風機として使用することができる。
図2に示すように、卓上に置いて首を振って送風することで、卓上またはデスクトップ式の扇風機として使用することができる。
図3に示すように、頭部を振って下向きに送風することで、住居の床を水拭きした後、風を送って床を乾かすために用いることができる。
図4に示すように、伸縮ロッドと頭部を折り畳むことで、収納したり、頭部を上に向けて送風したりすることができ、ベランダ上部に干した衣類を乾かすことができる。
図5に示すように、伸縮ロッドを折り畳み、頭部を斜め上に向けて送風することで、定点送風や空気循環に用いることができる。
図6に示すように、台座を壁面に掛け、伸縮ロッドを折り畳み、頭部を斜め下に向けて送風することで、壁掛け式扇風機の使用シーンを実現することができる。
【0031】
説明しておかなければならないが、上記の実施例で提供する扇風機は、上記の6種類の使用状態に限定されるものではなく、また上記6種類の使用シーンに限定されるものでもない。上記の6種類のシーンは、扇風機の変形形態の例を挙げることで、上記の実施例の扇風機が様々に変形して様々なシーンに適応できることを説明するものである。
【0032】
上記の扇風機が様々な変形を実現するために依拠する構造は、伸縮ロッド3がヒンジ関節機構2を介して頭部1とヒンジ接続されること、伸縮ロッド3の伸縮、伸縮ロッド3と駆動機構6のヒンジ接続及び駆動機構6による伸縮ロッド3の自転に分けられる。
【0033】
具体的には、伸縮ロッド3は、ヒンジ関節機構2を介して頭部1とヒンジ接続することで、頭部1の上下方向の角度の変化を実現し、それにより頭部1の送風の向きを変更することができる。具体的には、
図4の頭部1の位置を初期位置とすると、頭部1が伸縮ロッド3に対して時計回りに回転する最大角度は少なくとも185°、具体的には185°、190°、195°または200°であってよく、回転の過程で、頭部1は任意の角度で静止することができる。
【0034】
伸縮ロッド3の伸縮により扇風機頭部1の高さを変えることができ、それと同時に、伸縮ロッド3の伸縮距離を制御することにより、扇風機を折り畳んだ後の頭部1の円心が台座5の中心軸を通ることも保証している。少なくとも1つの実施例では、台座5は円盤形を呈しており、折り畳んだ後の頭部1と台座5の頭部1の軸線方向に沿った投影は、円同心を形成している。
【0035】
伸縮ロッド3と駆動機構6のヒンジ接続により、伸縮ロッド3の折り畳みを実現することができ、伸縮ロッド3は0°~90°の範囲内で回転を実現することができ、伸縮ロッド3の回転が0°の時、伸縮ロッド3は直立状態になり、伸縮ロッド3が90°回転すると、伸縮ロッド3は折り畳まれた状態になる。
【0036】
駆動機構6は伸縮ロッド3を自転させて頭部1の首振り機能を実現し、それにより頭部1の送風方向を変えることができる。駆動機構6は伸縮ロッド3を動かして少なくとも±60°の自転を実現することができる。即ち、その回転範囲は少なくとも120°であり、もちろん130°、140°、150°、180°、さらには360°まで拡大することができ、360°まで拡大すると、円周360°方向の送風を実現することができる。
【0037】
上記の実施例で提供するマルチシーン用扇風機は、多様に変形し、様々なシーンに適用され、実用性がより高く、特に頭部1を上向きにして送風する際には、吸気通路が保持され、上向き送風の使用シーンを実現することができるので、普及させやすい。
【0038】
以下では、ロック機構4の構造について具体的に説明する。
【0039】
説明しておかなければならないが、伸縮ロッド3の駆動機構6に対する位置をロック及びロック解除が可能な構造であれば、すべて上記の実施例で言及しているロック機構4とすることができる。例えば、ロック機構4は、前記駆動機構6と前記伸縮ロッド3が挿着されたプラグを含み、またはロック機構4は前記駆動機構6と前記伸縮ロッド3を着脱可能に接続する位置限定フックを含むことができる。
【0040】
いくつかの実施例では、ロック機構4に伸縮ロッド3の駆動機構6に対する位置を有効的にロックさせるために、
図9に示すように、ロック機構4はアウタースリーブ41と、第1ネジ山42と、第2ネジ山43とを含み、駆動機構6は回転ベース61を含み、回転ベース61の外表面は第1ネジ山42を有し、伸縮ロッド3の外表面は第2ネジ山43を有しており、アウタースリーブ41の内壁は第1ネジ山42及び第2ネジ山43と係合する内ネジ山を有することができる。
【0041】
使用の際に、アウタースリーブ41を伸縮ロッド3の外部に被装して第2ネジ山43のみと係合させた場合は、
図4に示すように、ロック機構4が伸縮ロッド3の駆動機構6に対する位置のロックを解除するので、伸縮ロッド3は回転ベース61に対して回転することができ、回転軸線は台座5の頂面に平行である。アウタースリーブ41が伸縮ロッド3と回転ベース61の外部に被装され、第1ネジ山42及び第2ネジ山43と同時に係合する場合は、
図7に示すように、ロック機構4が伸縮ロッド3の駆動機構6に対する位置をロックするので、伸縮ロッド3は直立状態になる。
【0042】
上記の2種類の接続状態の切換は、アウタースリーブ41の回転によって実現することができ、アウタースリーブ41を回転ベース61から離脱するまで回転させることで、伸縮ロッド3の回転を実現することができ、アウタースリーブ41を回転ベース61上の第1ネジ山42と接続するまで回転させると、回転ベース61に妨害されて、伸縮ロッド3が回転できなくなる。上記のロック機構4は構造が簡単で、伸縮ロッド3の駆動機構6に対する位置を安定的にロックすることができ、しかも操作が簡単で、便利である。
【0043】
いくつかの実施例では、伸縮ロッド3と駆動機構6のヒンジ接続を容易にするために、
図9に示すように、伸縮ロッド3の回転ベース61寄りの端部は回転関節31を有しており、回転ベース61には取付貫通溝611が設けられ、取付貫通溝611は回転ベース61の径方向に沿って回転ベース61を貫通しており、取付貫通溝611内には接続ベース612が固着され、回転関節31が接続ベース612とヒンジ接続されて、伸縮ロッド3の駆動機構6に対する回転を実現している。
【0044】
組立時には、
図9に示すように、まず回転関節31と接続ベース612をヒンジ接続し、その後、接続ベース612を取付貫通溝611内に固着すると、伸縮ロッド3と駆動機構6の取付が容易になる。
【0045】
そのうち、回転関節31はフープ状であってよく、接続ベース612は左接続ベース及び右接続ベースを含み、左接続ベース及び右接続ベースは回転関節31の軸方向に沿って回転関節31の両側にヒンジ接続され、左接続ベースと右接続ベースの底端はネジなどの接続部材によって回転ベース61に固着することができる。
【0046】
以下では、駆動機構6の構造について具体的に説明する。
【0047】
説明しておかなければならないが、伸縮ロッド3を自転させることができる構造であれば、すべて上記の実施例で言及している駆動機構6とすることができる。例えば、駆動機構6は、ステップモータといった回転運動を行う構造であってもよいし、気圧シリンダや油圧シリンダといった直線運動を行う構造と連結ロッドアセンブリとの結合であってもよく、連結ロッドアセンブリは気圧シリンダ、油圧シリンダなどの構造の直線運動を回転運動に変換することができる。
【0048】
いくつかの実施例では、
図8に示すように、駆動機構6はさらにモータ(図中未表示)と、伝動アセンブリ62とを含み、モータの動力出力軸は伝動アセンブリ62と接続され、伝動アセンブリ62は回転ベース61と接続されて、モータの動力を回転ベース61に伝達する。
【0049】
具体的には、伝動アセンブリは主動歯車及び主動歯車と噛合する従動歯車を含むことができ、主動歯車はモータの動力出力軸と接続され、従動歯車は回転ベース61と固定接続されており、モータの動力出力軸が回転すると、伝動アセンブリがモータの動力を回転ベース61に伝達し、回転ベース61の回転を実現することができる。同様に、伝動アセンブリも、モータによってプーリとタイミングベルトを駆動してトルクの伝達を行い、回転運動を実現することができ、また、モータによってスプロケットとチェーンを駆動してトルクの伝達を行い、回転運動を実現することもできる。
【0050】
以下では、伸縮ロッド3の構成について具体的に説明する。
【0051】
伸縮ロッド3の長さ調節機能は、各ロッド間のネジ接続部材の着脱によって実現可能であり、また、各ロッド間のフックの係合位置によっても実現可能である。つまり、伸縮機能を実現できる構造であればよいのである。
【0052】
いくつかの実施例では、
図10を例として具体的に説明すると、伸縮ロッド3は、第1支持管32と、調節機構33と、第2支持管34とを含み、第1支持管32は調節機構33を介して第2支持管34内に挿着され、調節機構33は第1支持管32の挿着深さを調節するために用いられる。好適には、第1支持管32の第2支持管34から遠い方の片端は頭部1とヒンジ接続され、第2支持管34の第1支持管32から遠い方の片端は駆動機構6内の回転ベース61とヒンジ接続される。
【0053】
上記の伸縮ロッド3は支持管を2本しか含んでおらず、3本、4本またはそれ以上の支持管を設置することに比べると、2本の支持管は、一部の支持管が細すぎることによる伸縮ロッド3の支持強度不足を回避することができるので、頭部1の径方向寸法がより大きい扇風機にも適用することができる。
【0054】
もちろん、上記の実施例では、第1支持管32の第2支持管34から遠い方の片端を駆動機構6内の回転ベース61とヒンジ接続し、第2支持管34の第1支持管32から遠い方の片端を頭部1とヒンジ接続することもできる。
【0055】
いくつかの実施例では、
図10に示すように、調節機構33は蓄力弾性部材331と、第2支持管34の外部に取り付けられたボタン332とを含み、ボタン332の両端間の位置は第2支持管34とヒンジ接続され、ボタン332の片端と第2支持管34との間には蓄力弾性部材331が設けられ、ボタン332の他端は凸起3321を有している。
【0056】
自然な状態では、ボタン332は、蓄力弾性部材331の弾力の作用下で、その上の凸起3321が第2支持管34上の貫通孔341を貫通して第1支持管32外壁の凹溝321の1つに係入し、それによって第1支持管32の第2支持管34に対する位置を限定する。双方の相対的な位置を調節する必要がある場合は、蓄力弾性部材331の弾力を克服してボタン332の端部を下押しすればよく、ボタン332の両端間の位置は第2支持管34とヒンジ接続され、ボタン332の凸起3321のある方の一端が持ち上げられて、凸起3321が凹溝321から退出するので、第1支持管32が第2支持管34に対向して摺動することができる。
【0057】
自然な状態では、蓄力弾性部材331は圧縮状態にあるが、さらに圧縮量に余裕のあることは理解できる。
【0058】
上記の調節機構33は構造が簡単で、調節がしやすく、第1支持管32の第2支持管34に対する位置を安定的にロックすることができる。
【0059】
上記の実施例を基に、
図10に示すように、第1支持管32上にさらに第1支持管32の長手方向に沿って延伸するシュート322を設けることもでき、シュート322の底部には若干の凹溝321が開設されている。ボタン332と蓄力弾性部材331が当接する端部を押すと、凸起3321は凹溝321から退出することはできるが、シュート322からは退出せず、シュート322が凸起3321に対して案内作用を果たすので、第1支持管32を第2支持管34に対して伸縮させた時に、伸縮方向を第1支持管32の長手方向に平行にすることができ、凸起3321と他の凹溝321との係合に役立つ。
【0060】
また、ボタン332を取り付けやすくするために、第2支持管34の外壁に環状取付板を設けることもでき、ボタン332を環状取付板上に掛止させると、蓄力弾性部材331が環状取付板の内部に包囲される。
【0061】
少なくとも1つの実施例では、蓄力弾性部材331は螺旋バネである。もちろん、蓄力弾性部材は弾性片などの構造であってもよい。
【0062】
いくつかの実施例では、
図10に示すように、第2支持管34と第1支持管32との間に軸スリーブ35が設けられており、軸スリーブ35は第2支持管34の第1支持管32寄りの端部と接続され、軸スリーブ35及び第2支持管34は具体的にはネジ、ボルトなどの接続部材によって接続することができる。
【0063】
第1支持管32の軸方向の位置限定を実現しやすくするために、第1支持管32の第2支持管34に伸入する端部にはリミットリング323が設けられており、リミットリング323の外径は軸スリーブ35の内径より大きいので、第1支持管32が極限伸長位置にある場合、リミットリング323が軸スリーブ35に当接して、第1支持管32の伸長する長さを限定することができる。
【0064】
以下では、ヒンジ関節機構2の構成について具体的に説明する。
【0065】
ヒンジ関節機構2は、蝶形バネ片を組み合わせた静摩擦原理を利用して作成することができ、軸方向の圧力を増加させることによって回転摩擦力を増加させ、それによって頭部1を任意の角度で静止させることができる。
【0066】
いくつかの実施例では、
図11に示すように、ヒンジ関節機構2はトルクヒンジ、第1クランプ軸スリーブ21、第2クランプ軸スリーブ22及び弛み止めアセンブリ23を含み、トルクヒンジは固定軸アセンブリ24及び固定軸アセンブリ24とヒンジ接続された回転カム25を含み、回転カム25と固定軸アセンブリ24との間には軸方向予圧があり、固定軸アセンブリ24が回転カム25に対して回転する際に、任意の角度で静止させることができる。
【0067】
そのうち、第1クランプ軸スリーブ21及び第2クランプ軸スリーブ22は、弛み止めアセンブリ23によって固定軸アセンブリ24の両端にロックされており、弛み止めアセンブリ23は固定軸アセンブリ24と係合して第1クランプ軸スリーブ21と第2クランプ軸スリーブ22の軸方向の位置を限定することができる。
【0068】
具体的には、固定軸アセンブリ24はネジロッド241、リミットナット242、蝶形バネ片243などを含むことができ、回転カム25はネジロッド241とヒンジ接続されており、リミットナット242はネジロッド241上に取り付けられ、第1クランプ軸スリーブ21及び第2クランプ軸スリーブ22は固定軸アセンブリ24内のリミットナット242上に被装することができ、それにより第1クランプ軸スリーブ21と第2クランプ軸スリーブ22を回転させた時に、ネジロッド241を回転させることができる。蝶形バネ片243は軸方向予圧を生成するために用いることができ、それにより第1クランプ軸スリーブ21と第2クランプ軸スリーブ22がネジロッド241を回転カム25に対して回転させる際に、第1クランプ軸スリーブ21と第2クランプ軸スリーブ22が任意の角度で静止することができる。
【0069】
そのうち、第1クランプ軸スリーブ21及び第2クランプ軸スリーブ22はいずれも頭部1と固定接続され、第1クランプ軸スリーブ21上には頭部1の回転ストロークを限定するための位置限定溝が設けられ、伸縮ロッド3端部の一部の構造は位置限定溝内に伸入しており、回転カム25は伸縮ロッド3の端部と固定接続されている。頭部1が回転することで、第1クランプ軸スリーブ21と第2クランプ軸スリーブ22を回転させることができ、回転カム25が静止すると、軸方向予圧の作用下で、頭部1が任意の角度で静止することができる。
【0070】
弛み止めアセンブリ23は2つのロックナットを含み、2つのロックナットはそれぞれネジロッド241の両端に緊締され、それぞれが第1クランプ軸スリーブ21と第2クランプ軸スリーブ22の軸方向の位置を限定することができる。
【0071】
いくつかの実施例では、固定軸アセンブリ24の軸方向に沿って、第1クランプ軸スリーブ21と固定軸アセンブリ24との間に減衰リング26が挟設され、または、
図10に示すように、第2クランプ軸スリーブ22と固定軸アセンブリ24との間に減衰リング26が挟設され、または、第1クランプ軸スリーブ21と固定軸アセンブリ24との間、第2クランプ軸スリーブ22と固定軸アセンブリ24との間にいずれも減衰リング26が挟設されている。
【0072】
減衰リング26は騒音を減少させる目的を果たし、頭部1が回転する過程の音をより小さくすることができる。
【0073】
以下では、頭部1の構造について具体的に説明する。
いくつかの実施例では、
図7に示すように、頭部1は頭部本体11及び接続アーム12を含み、接続アーム12の片端は頭部本体11と固定接続され、他端はヒンジ関節機構2を介して伸縮ロッド3とヒンジ接続されており、接続アーム12の延伸方向と頭部本体11の送風端面111との間に夾角を有している。
図1に示すように、伸縮ロッド3を垂直にした状態で、頭部本体11を伸縮ロッド3に対して前傾させると、頭部本体11が下向きに回転しやすくなる一方で、
図4に示すように、扇風機を折り畳んだ状態で、頭部本体11をできる限り完全に伸縮ロッド3に密着させることができる。
【0074】
具体的には、接続アーム12の延伸方向と頭部本体11の送風端面111との間の夾角は鋭角であり、即ち、
図1に示すように、送風端面111が垂直に設置されている場合、接続アーム12は、伸縮ロッド3から徐々に遠ざかる方向に沿って、斜め上に延伸するのである。
【0075】
最後に説明しておかなければならないが、上記の各実施例は本発明の技術手法を説明するものにすぎず、それを限定するものではない。前述の各実施例を参照して本発明を詳細に説明してきたが、当業者は、前述の各実施例に記載されている技術手法について修正を行ったり、その中の一部または全部の技術的特徴について同等の置換を行ったりすることは可能であるが、それらの修正または置換は、対応する技術手法の本質を本発明の各実施例の技術手法の範囲から逸脱させるものではないことを理解しておかなければならない。
【符号の説明】
【0076】
1 扇風機頭部
2 ヒンジ関節機構
3 伸縮ロッド
4 ロック機構
5 台座
6 駆動機構
11 頭部本体
12 接続アーム
21 第1クランプ軸スリーブ
22 第2クランプ軸スリーブ
23 止めアセンブリ
24 固定軸アセンブリ
25 回転カム
26 減衰リング
31 回転関節
32 第1支持管
33 調節機構
34 第2支持管
35 軸スリーブ
41 アウタースリーブ
42 第1ネジ山
43 第2ネジ山
61 回転ベース
62 伝動アセンブリ
111 送風端面
241 ネジロッド
242 リミットナット
243 蝶形バネ片
321 凹溝
322 シュート
323 リミットリング
331 蓄力弾性部材
332 ボタン
341 貫通孔
611 取付貫通溝
612 接続ベース
3321 凸起
【手続補正書】
【提出日】2023-01-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチシーン用扇風機において、
頭部(1)と、ヒンジ関節機構(2)と、伸縮ロッド(3)と、ロック機構(4)と、台座(5)と、前記台座(5)内に取り付けられた駆動機構(6)とを含み、
前記伸縮ロッド(3)の片端は、前記ヒンジ関節機構(2)を介して前記頭部(1)とヒンジ接続され、他端は前記駆動機構(6)とヒンジ接続され、かつ前記駆動機構(6)との間に前記ロック機構(4)が設けられており、
前記ロック機構(4)は、前記伸縮ロッド(3)の前記駆動機構(6)に対する位置をロック及びロック解除するために用いられ、
前記駆動機構(6)は、前記伸縮ロッド(3)を自転させるために用いられており、
前記頭部(1)と前記伸縮ロッド(3)の間のヒンジ軸線が前記伸縮ロッド(3)と前記駆動機構(6)の間のヒンジ軸線に平行であり、
前記頭部(1)は、頭部本体(11)と、接続アーム(12)とを含み、
前記接続アーム(12)の片端は前記頭部本体(11)と固定接続され、他端は前記ヒンジ関節機構(2)を介して前記伸縮ロッド(3)とヒンジ接続されており、
前記頭部本体(11)の送風端面(111)が垂直に設置されている状態で、前記接続アーム(12)が、前記伸縮ロッド(3)から徐々に遠ざかる方向に沿って、斜め上に延伸し、そのまま前記頭部本体(11)の背面の略中央に固定接続されることで、前記接続アーム(12)の延伸方向と前記頭部本体(11)の送風端面(111)との間に夾角を有し、
前記頭部本体(11)の背面の略中央は、その周囲に比して突き出ていることを特徴とする、マルチシーン用扇風機。
【請求項2】
前記ロック機構(4)は、アウタースリーブ(41)と、第1ネジ山(42)と、第2ネジ山(43)とを含み、
前記駆動機構(6)は、回転ベース(61)を含み、
前記回転ベース(61)の外表面は、前記第1ネジ山(42)を有し、
前記伸縮ロッド(3)の外表面は、前記第2ネジ山(43)を有しており、
前記アウタースリーブ(41)が前記伸縮ロッド(3)の外部に被装され、前記第2ネジ山(43)とのみ係合する場合は、前記ロック機構(4)が前記伸縮ロッド(3)の前記駆動機構(6)に対する位置のロックを解除し、
前記アウタースリーブ(41)が前記伸縮ロッド(3)と前記回転ベース(61)の外部に被装され、前記第1ネジ山(42)及び前記第2ネジ山(43)と係合する場合は、前記ロック機構(4)が前記伸縮ロッド(3)の前記駆動機構(6)に対する位置をロックすることを特徴とする、請求項1に記載のマルチシーン用扇風機。
【請求項3】
前記伸縮ロッド(3)の前記回転ベース(61)寄りの端部は、回転関節(31)を有し、
前記回転ベース(61)には、取付貫通溝(611)が開設されており、
前記取付貫通溝(611)は、前記回転ベース(61)の径方向に沿って前記回転ベース(61)を貫通しており、
前記取付貫通溝(611)内には、接続ベース(612)が固着され、
前記回転関節(31)が、前記接続ベース(612)とヒンジ接続されていることを特徴とする、請求項2に記載のマルチシーン用扇風機。
【請求項4】
前記駆動機構(6)は、さらにモータ及び伝動アセンブリ(62)を含み、
前記モータの動力出力軸は、前記伝動アセンブリ(62)と接続され、
前記伝動アセンブリ(62)は、前記回転ベース(61)と接続されていることを特徴とする、請求項2に記載のマルチシーン用扇風機。
【請求項5】
前記伸縮ロッド(3)は、単一の第1支持管(32)と、調節機構(33)と、単一の第2支持管(34)と、を含み、
前記第1支持管(32)は、前記調節機構(33)を介して前記第2支持管(34)内に挿着され、
前記調節機構(33)は、前記第1支持管(32)の挿着深さを調節するために用いられており、
前記第1支持管(32)の前記第2支持管(34)から遠い方の片端及び前記第2支持管(34)の前記第1支持管(32)から遠い方の片端のうちの一方が前記頭部(1)とヒンジ接続され、もう一方が前記駆動機構(6)とヒンジ接続されていることを特徴とする、請求項1に記載のマルチシーン用扇風機。
【請求項6】
前記調節機構(33)は、蓄力弾性部材(331)と、前記第2支持管(34)の外部に取り付けられたボタン(332)とを含み、
前記ボタン(332)の両端間の位置は、前記第2支持管(34)とヒンジ接続され、
前記ボタン(332)の片端と前記第2支持管(34)の間には、前記蓄力弾性部材(331)が設けられ、
前記ボタン(332)の他端は凸起(3321)を有しており、
前記第2支持管(34)には、前記凸起(3321)が貫通するための貫通孔(341)が設けられ、
前記第1支持管(32)の外壁には、自身の長手方向に沿って前記凸起(3321)と係合するための複数の凹溝(321)が開設されていることを特徴とする、請求項5に記載のマルチシーン用扇風機。
【請求項7】
前記第2支持管(34)と前記第1支持管(32)との間には、軸スリーブ(35)が設けられ、
前記軸スリーブ(35)は、前記第2支持管(34)の前記第1支持管(32)寄りの端部と接続されており、
前記第1支持管(32)の前記第2支持管(34)に伸入する端部には、リミットリング(323)が設けられ、
前記リミットリング(323)は、前記軸スリーブ(35)と当接して前記第1支持管(32)の極限伸長位置を限定するために用いられることを特徴とする、請求項6に記載のマルチシーン用扇風機。
【請求項8】
前記ヒンジ関節機構(2)は、トルクヒンジと、第1クランプ軸スリーブ(21)と、
第2クランプ軸スリーブ(22)と、弛み止めアセンブリ(23)と、を含み、
前記トルクヒンジは、固定軸アセンブリ(24)と、前記固定軸アセンブリ(24)とヒンジ接続された回転カム(25)と、を含み、
前記回転カム(25)と前記固定軸アセンブリ(24)との間には、軸方向予圧があり、
前記第1クランプ軸スリーブ(21)及び前記第2クランプ軸スリーブ(22)は、前記弛み止めアセンブリ(23)によって前記固定軸アセンブリ(24)の両端にロックされ、
前記第1クランプ軸スリーブ(21)及び前記第2クランプ軸スリーブ(22)は、いずれも前記頭部(1)と固定接続されており、
前記回転カム(25)が、前記伸縮ロッド(3)の端部と固定接続されていることを特徴とする、請求項1に記載のマルチシーン用扇風機。
【請求項9】
前記第1クランプ軸スリーブ(21)及び/または前記第2クランプ軸スリーブ(22)に、前記固定軸アセンブリ(24)の軸方向に沿って、前記固定軸アセンブリ(24)との間に減衰リング(26)が挟設されていることを特徴とする、請求項8に記載のマルチシーン用扇風機。
【手続補正書】
【提出日】2023-06-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチシーン用扇風機において、
頭部(1)と、ヒンジ関節機構(2)と、伸縮ロッド(3)と、ロック機構(4)と、台座(5)と、前記台座(5)内に取り付けられた駆動機構(6)とを含み、
前記伸縮ロッド(3)の片端は、前記ヒンジ関節機構(2)を介して前記頭部(1)とヒンジ接続され、他端は前記駆動機構(6)とヒンジ接続され、かつ前記駆動機構(6)との間に前記ロック機構(4)が設けられており、
前記ロック機構(4)は、前記伸縮ロッド(3)の前記駆動機構(6)に対する位置をロック及びロック解除するために用いられ、
前記駆動機構(6)は、前記伸縮ロッド(3)を自転させるために用いられており、
前記頭部(1)と前記伸縮ロッド(3)の間のヒンジ軸線が前記伸縮ロッド(3)と前記駆動機構(6)の間のヒンジ軸線に平行であり、
前記頭部(1)は、頭部本体(11)と、接続アーム(12)とを含み、
前記接続アーム(12)の片端は前記頭部本体(11)と固定接続され、他端は前記ヒンジ関節機構(2)を介して前記伸縮ロッド(3)とヒンジ接続されており、
前記頭部本体(11)の送風端面(111)が垂直に設置されている状態で、前記接続アーム(12)が、前記伸縮ロッド(3)から徐々に遠ざかる方向に沿って、斜め上に延伸し、そのまま前記頭部本体(11)の背面の略中央に固定接続されることで、前記接続アーム(12)の延伸方向と前記頭部本体(11)の送風端面(111)との間に夾角を有し、
前記頭部本体(11)の背面の略中央は、その周囲に比して突き出ており、
前記接続アーム(12)の長さ及び前記夾角は、前記伸縮ロッド(3)が最短状態まで縮み前記台座(5)の上方に折り畳まれ、かつ前記頭部(1)が前記台座(5)に背向して前記伸縮ロッド(3)の上方に折り畳まれた状態で、前記頭部本体(11)の背面の略中央が前記台座(5)の略中央の上方に配置され、かつ前記送風端面(111)と前記台座(5)が略平行となる、長さ及び角度であることを特徴とする、マルチシーン用扇風機。
【請求項2】
前記ロック機構(4)は、アウタースリーブ(41)と、第1ネジ山(42)と、第2ネジ山(43)とを含み、
前記駆動機構(6)は、回転ベース(61)を含み、
前記回転ベース(61)の外表面は、前記第1ネジ山(42)を有し、
前記伸縮ロッド(3)の外表面は、前記第2ネジ山(43)を有しており、
前記アウタースリーブ(41)が前記伸縮ロッド(3)の外部に被装され、前記第2ネジ山(43)とのみ係合する場合は、前記ロック機構(4)が前記伸縮ロッド(3)の前記駆動機構(6)に対する位置のロックを解除し、
前記アウタースリーブ(41)が前記伸縮ロッド(3)と前記回転ベース(61)の外部に被装され、前記第1ネジ山(42)及び前記第2ネジ山(43)と係合する場合は、前記ロック機構(4)が前記伸縮ロッド(3)の前記駆動機構(6)に対する位置をロックすることを特徴とする、請求項1に記載のマルチシーン用扇風機。
【請求項3】
前記伸縮ロッド(3)の前記回転ベース(61)寄りの端部は、回転関節(31)を有し、
前記回転ベース(61)には、取付貫通溝(611)が開設されており、
前記取付貫通溝(611)は、前記回転ベース(61)の径方向に沿って前記回転ベース(61)を貫通しており、
前記取付貫通溝(611)内には、接続ベース(612)が固着され、
前記回転関節(31)が、前記接続ベース(612)とヒンジ接続されていることを特徴とする、請求項2に記載のマルチシーン用扇風機。
【請求項4】
前記駆動機構(6)は、さらにモータ及び伝動アセンブリ(62)を含み、
前記モータの動力出力軸は、前記伝動アセンブリ(62)と接続され、
前記伝動アセンブリ(62)は、前記回転ベース(61)と接続されていることを特徴とする、請求項2に記載のマルチシーン用扇風機。
【請求項5】
前記伸縮ロッド(3)は、第1支持管(32)と、調節機構(33)と、第2支持管(34)と、を含み、前記第1支持管(32)及び前記第2支持管(34)の他に支持管を含まず、
前記第1支持管(32)は、前記調節機構(33)を介して前記第2支持管(34)内に挿着され、
前記調節機構(33)は、前記第1支持管(32)の挿着深さを調節するために用いられており、
前記第1支持管(32)の前記第2支持管(34)から遠い方の片端及び前記第2支持管(34)の前記第1支持管(32)から遠い方の片端のうちの一方が前記頭部(1)とヒンジ接続され、もう一方が前記駆動機構(6)とヒンジ接続されていることを特徴とする、請求項1に記載のマルチシーン用扇風機。
【請求項6】
前記調節機構(33)は、蓄力弾性部材(331)と、前記第2支持管(34)の外部に取り付けられたボタン(332)とを含み、
前記ボタン(332)の両端間の位置は、前記第2支持管(34)とヒンジ接続され、
前記ボタン(332)の片端と前記第2支持管(34)の間には、前記蓄力弾性部材(331)が設けられ、
前記ボタン(332)の他端は凸起(3321)を有しており、
前記第2支持管(34)には、前記凸起(3321)が貫通するための貫通孔(341)が設けられ、
前記第1支持管(32)の外壁には、自身の長手方向に沿って前記凸起(3321)と係合するための複数の凹溝(321)が開設されていることを特徴とする、請求項5に記載のマルチシーン用扇風機。
【請求項7】
前記第2支持管(34)と前記第1支持管(32)との間には、軸スリーブ(35)が設けられ、
前記軸スリーブ(35)は、前記第2支持管(34)の前記第1支持管(32)寄りの端部と接続されており、
前記第1支持管(32)の前記第2支持管(34)に伸入する端部には、リミットリング(323)が設けられ、
前記リミットリング(323)は、前記軸スリーブ(35)と当接して前記第1支持管(32)の極限伸長位置を限定するために用いられることを特徴とする、請求項6に記載のマルチシーン用扇風機。
【請求項8】
前記ヒンジ関節機構(2)は、トルクヒンジと、第1クランプ軸スリーブ(21)と、
第2クランプ軸スリーブ(22)と、弛み止めアセンブリ(23)と、を含み、
前記トルクヒンジは、固定軸アセンブリ(24)と、前記固定軸アセンブリ(24)とヒンジ接続された回転カム(25)と、を含み、
前記回転カム(25)と前記固定軸アセンブリ(24)との間には、軸方向予圧があり、
前記第1クランプ軸スリーブ(21)及び前記第2クランプ軸スリーブ(22)は、前記弛み止めアセンブリ(23)によって前記固定軸アセンブリ(24)の両端にロックされ、
前記第1クランプ軸スリーブ(21)及び前記第2クランプ軸スリーブ(22)は、いずれも前記頭部(1)と固定接続されており、
前記回転カム(25)が、前記伸縮ロッド(3)の端部と固定接続されていることを特徴とする、請求項1に記載のマルチシーン用扇風機。
【請求項9】
前記第1クランプ軸スリーブ(21)及び/または前記第2クランプ軸スリーブ(22)に、前記固定軸アセンブリ(24)の軸方向に沿って、前記固定軸アセンブリ(24)との間に減衰リング(26)が挟設されていることを特徴とする、請求項8に記載のマルチシーン用扇風機。