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特開2023-171204マルチモジュール燃料電池システム制御装置及びその方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171204
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】マルチモジュール燃料電池システム制御装置及びその方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04858 20160101AFI20231124BHJP
   H01M 8/249 20160101ALI20231124BHJP
   H01M 8/04537 20160101ALI20231124BHJP
   H01M 8/04313 20160101ALI20231124BHJP
   H01M 8/04302 20160101ALI20231124BHJP
   H01M 8/04225 20160101ALI20231124BHJP
   H01M 8/04664 20160101ALI20231124BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
H01M8/04858
H01M8/249
H01M8/04537
H01M8/04313
H01M8/04302
H01M8/04225
H01M8/04664
H02J3/38 170
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189565
(22)【出願日】2022-11-28
(31)【優先権主張番号】10-2022-0062109
(32)【優先日】2022-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、ジェウォン
【テーマコード(参考)】
5G066
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
5G066HA15
5G066HB07
5H126AA21
5H127AB04
5H127AB14
5H127AB29
5H127BA02
5H127BB02
5H127BB12
5H127BB37
5H127CC07
5H127DA01
5H127DB49
5H127DB66
5H127DB69
5H127DC42
5H127DC43
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、燃料電池スタックのセル当たりの電圧を適正範囲に制御してスタック耐久性を確保することができるマルチモジュール燃料電池システムの燃料電池モジュールを個別的に制御する装置及びその方法に関する。
【解決手段】本発明によると、駆動個数算出部(110)が、実時間で要求される総出力及び既設定された燃料電池スタック当たりの基準出力を基盤として第1個数を算出し、燃料電池スタック駆動決定部(120)が、1つ以上の燃料電池スタックに対する優先順位及び第1個数を基盤として、1つ以上の燃料電池スタックのうち駆動される燃料電池スタックを決定し、燃料電池スタック出力制御部(130)が、要求される総出力を基盤として、駆動される燃料電池スタックの出力を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の燃料電池スタックと連結され、実時間で要求される総出力及び既設定された燃料電池スタック当たりの基準出力を基盤として第1個数を算出する駆動個数算出部、
前記1つ以上の燃料電池スタックに対する優先順位及び前記第1個数を基盤として、前記1つ以上の燃料電池スタックのうち駆動される燃料電池スタックを決定する燃料電池スタック駆動決定部、及び
前記要求される総出力を基盤として、前記駆動される燃料電池スタックの出力を制御する燃料電池スタック出力制御部を含むマルチモジュール燃料電池システム制御装置。
【請求項2】
前記既設定された燃料電池スタック当たりの基準出力は、前記1つ以上の燃料電池スタックの連続的な駆動時間が制限されない出力範囲を基盤に設定される、請求項1に記載のマルチモジュール燃料電池システム制御装置。
【請求項3】
前記駆動個数算出部は、
前記要求される総出力を前記既設定された燃料電池スタック当たりの基準出力で割った値を基盤として前記第1個数を算出する、請求項1に記載のマルチモジュール燃料電池システム制御装置。
【請求項4】
前記燃料電池スタック駆動決定部は、
前記1つ以上の燃料電池スタックの状態をモニタリングして、
前記モニタリングされた前記1つ以上の燃料電池スタックの状態を基盤として、前記1つ以上の燃料電池スタックに対する優先順位を決定する、請求項1に記載のマルチモジュール燃料電池システム制御装置。
【請求項5】
前記1つ以上の燃料電池スタックの状態は、前記1つ以上の燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間のうち少なくとも1つ以上を含む、請求項4に記載のマルチモジュール燃料電池システム制御装置。
【請求項6】
前記燃料電池スタック駆動決定部は、
前記1つ以上の燃料電池スタックの前記累積出力量及び前記累積駆動時間にそれぞれの加重値を掛けて合算した結果を基盤として、前記1つ以上の燃料電池スタックに対する優先順位を決定する、請求項5に記載のマルチモジュール燃料電池システム制御装置。
【請求項7】
前記燃料電池スタック駆動決定部は、
実時間で算出された前記第1個数が現在駆動される燃料電池スタックの個数である第2個数より特定個数以上大きいか否かを判断し、
前記第1個数が前記第2個数より前記特定個数以上大きい場合、前記1つ以上の燃料電池スタックに対する優先順位及び前記実時間で算出された第1個数を基盤として追加で駆動する燃料電池スタックを決定し、
前記燃料電池スタック出力制御部は、
前記要求される総出力を基盤として、前記追加で駆動する燃料電池スタックの出力を制御する、請求項1に記載のマルチモジュール燃料電池システム制御装置。
【請求項8】
前記燃料電池スタック出力制御部は、
前記追加で駆動する燃料電池スタックの始動が完了するまで、前記現在駆動される燃料電池スタックが前記要求される総出力を生成するように前記現在駆動される燃料電池スタックの出力を制御する、請求項7に記載のマルチモジュール燃料電池システム制御装置。
【請求項9】
前記燃料電池スタック出力制御部は、
実時間で算出された前記第1個数が現在駆動される燃料電池スタックの個数である第2個数より特定個数以上大きいか否かを判断し、
前記第1個数が前記第2個数より前記特定個数以上大きくない場合、前記現在駆動される燃料電池スタックが前記要求される総出力を生成するように前記現在駆動される燃料電池スタックの出力を制御する、請求項1に記載のマルチモジュール燃料電池システム制御装置。
【請求項10】
前記燃料電池スタック駆動決定部は、
前記要求される総出力が現在駆動される燃料電池スタックの最小出力の和より小さいか否かを判断し、
前記要求される総出力が前記現在駆動される燃料電池スタックの最小出力の和より小さい場合、前記優先順位を基盤として、前記現在駆動される燃料電池スタックのうち停止する燃料電池スタックを決定する、請求項1に記載のマルチモジュール燃料電池システム制御装置。
【請求項11】
前記燃料電池スタック出力制御部は、
前記要求される総出力を現在駆動されるスタックの個数である第2個数で割った値を基盤として、前記駆動される燃料電池スタックの出力を決定し、
前記決定された出力を基盤として、前記駆動される燃料電池スタックの出力を制御する、請求項1に記載のマルチモジュール燃料電池システム制御装置。
【請求項12】
前記燃料電池スタック出力制御部は、
前記駆動される燃料電池スタックを構成する燃料電池セルの個別的な電圧が上限及び下限が定められた既設定された特定範囲に含まれるように前記駆動される燃料電池スタックの出力を制御する、請求項1に記載のマルチモジュール燃料電池システム制御装置。
【請求項13】
前記上限及び下限が定められた特定範囲は、前記1つ以上の燃料電池スタックの劣化度又は耐久度を考慮して設定される、請求項12に記載のマルチモジュール燃料電池システム制御装置。
【請求項14】
1つ以上の燃料電池スタックと連結される駆動個数算出部が、実時間で要求される総出力及び既設定された燃料電池スタック当たりの基準出力を基盤として第1個数を算出する段階、
燃料電池スタック駆動決定部が、前記1つ以上の燃料電池スタックに対する優先順位及び前記第1個数を基盤として、前記1つ以上の燃料電池スタックのうち駆動される燃料電池スタックを決定する段階、及び
燃料電池スタック出力制御部が、前記要求される総出力を基盤として、前記駆動される燃料電池スタックの出力を制御する段階を含むマルチモジュール燃料電池システム制御方法。
【請求項15】
前記駆動個数算出部が、第1個数を算出する段階は、
前記駆動個数算出部が、前記要求される総出力を前記既設定された燃料電池スタック当たりの基準出力で割った値を基盤として、前記第1個数を算出する段階を含む、請求項14に記載のマルチモジュール燃料電池システム制御方法。
【請求項16】
前記燃料電池スタック駆動決定部が、前記1つ以上の燃料電池スタックのうち駆動される燃料電池スタックを決定する段階は、
前記燃料電池スタック駆動決定部が、前記1つ以上の燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間のうち少なくとも1つ以上をモニタリングする段階、及び
前記燃料電池スタック駆動決定部が、前記モニタリングされた前記1つ以上の燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間のうち少なくとも1つ以上を基盤として、前記1つ以上の燃料電池スタックに対する優先順位を決定する段階を含む、請求項14に記載のマルチモジュール燃料電池システム制御方法。
【請求項17】
前記燃料電池スタック駆動決定部が、前記1つ以上の燃料電池スタックのうち駆動される燃料電池スタックを決定する段階は、
前記燃料電池スタック駆動決定部が、実時間で算出された前記第1個数が現在駆動される燃料電池スタックの個数である第2個数より特定個数以上大きいか否かを判断する段階、及び
前記燃料電池スタック駆動決定部が、前記第1個数が前記第2個数より前記特定個数以上大きい場合、前記1つ以上の燃料電池スタックに対する優先順位及び前記実時間で算出された第1個数を基盤として、追加で駆動する燃料電池スタックを決定する段階を含み、
前記燃料電池スタック出力制御部が、前記要求される総出力を基盤として、前記追加で駆動する燃料電池スタックの出力を制御する段階をさらに含む、請求項14に記載のマルチモジュール燃料電池システム制御方法。
【請求項18】
前記燃料電池スタック駆動決定部が、前記要求される総出力が現在駆動される燃料電池スタックの最小出力の和より小さいか否かを判断する段階、及び
前記燃料電池スタック駆動決定部が、前記要求される総出力が前記現在駆動される燃料電池スタックの最小出力の和より小さい場合、前記優先順位を基盤として、前記現在駆動される燃料電池スタックのうち停止する燃料電池スタックを決定する段階をさらに含む、請求項14に記載のマルチモジュール燃料電池システム制御方法。
【請求項19】
前記燃料電池スタック出力制御部が、前記駆動される燃料電池スタックの出力を制御する段階は、
前記燃料電池スタック出力制御部が、前記要求される総出力を現在駆動されるスタックの個数である第2個数で割った値を基盤として、前記駆動される燃料電池スタックの出力を決定する段階、及び
前記燃料電池スタック出力制御部が、前記決定された出力を基盤として、前記駆動される燃料電池スタックの出力を制御する段階を含む、請求項14に記載のマルチモジュール燃料電池システム制御方法。
【請求項20】
前記燃料電池スタック出力制御部が、前記駆動される燃料電池スタックの出力を制御する段階は、
前記燃料電池スタック出力制御部が、前記駆動される燃料電池スタックを構成する燃料電池セルの個別的な電圧が上限及び下限が定められた既設定された特定範囲に含まれるように前記駆動される燃料電池スタックの出力を制御する段階を含む、請求項14に記載のマルチモジュール燃料電池システム制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
マルチモジュール燃料電池システム制御装置及びその方法に関し、より詳細には、マルチモジュール燃料電池システムの燃料電池モジュールを個別的に制御する装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、燃料電池車両は、動力源として用いる複数の燃料電池セルを積層させた燃料電池スタック、燃料電池スタックに燃料である水素などを供給する燃料供給システム、電気化学反応に必要な酸化剤である酸素を供給する空気供給システム、燃料電池スタックの温度を制御する水と熱管理システムなどを含む。
【0003】
燃料電池発電システムは、複数個の燃料電池モジュールを含むことができる。燃料電池システムのそれぞれの燃料電池スタックに要求される出力が総要求される出力をスタックの個数で割った値に均等に定められたとすると、一部の燃料電池スタックに故障が発生した場合、燃料電池システムの出力が低下するという問題が発生し得る。また、燃料電池スタックが高電位又は低電位で作動する場合、スタックの耐久度に良くない影響が及ぶことがある。よって、このような問題点を解決するための技術の開発が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、マルチモジュール燃料電池システムの燃料電池モジュールを個別的に制御する装置及びその方法の提供を図る。
【0005】
本発明の他の実施形態は、燃料電池スタックのセル当たりの電圧を適正範囲に制御してスタック耐久性を確保する燃料電池システム制御装置、それを含んだシステム及びその方法の提供を図る。
【0006】
本発明のまた他の実施形態は、マルチモジュール燃料電池システムの燃料電池モジュールそれぞれのEOL(End Of Life)到達時点を均等に制御する装置及びその方法の提供を図る。
【0007】
本発明のまた他の実施形態は、一部の燃料電池スタックに非可逆的な故障の発生時に燃料電池システムの出力が低下するという問題点を解決する燃料電池システム制御装置、それを含んだシステム及びその方法の提供を図る。
【0008】
本発明のまた他の実施形態は、マルチモジュール燃料電池システムの特性上、最小出力の制御時に個別スタック出力量の和が大きい問題点を解決する燃料電池システム制御装置、それを含んだシステム及びその方法の提供を図る。
【0009】
本発明の技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及されていないまた他の技術的課題は、下記の記載から当業者に明確に理解され得るであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態によるマルチモジュール燃料電池システム制御装置は、1つ以上の燃料電池スタックと連結され、実時間で要求される総出力及び既設定された燃料電池スタック当たりの基準出力を基盤として第1個数を算出する駆動個数算出部、前記1つ以上の燃料電池スタックに対する優先順位及び前記第1個数を基盤として、前記1つ以上の燃料電池スタックのうち駆動される燃料電池スタックを決定する燃料電池スタック駆動決定部、及び前記要求される総出力を基盤として、前記駆動される燃料電池スタックの出力を制御する燃料電池スタック出力制御部を含むことができる。
【0011】
一実施形態において、前記既設定された燃料電池スタック当たりの基準出力は、前記1つ以上の燃料電池スタックの連続的な駆動時間が制限されない出力範囲を基盤として設定されてよい。
【0012】
一実施形態において、前記駆動個数算出部は、前記要求される総出力を前記既設定された燃料電池スタック当たりの基準出力で割った値を基盤として前記第1個数を算出することができる。
【0013】
一実施形態において、前記燃料電池スタック駆動決定部は、前記1つ以上の燃料電池スタックの状態をモニタリングして、前記モニタリングされた前記1つ以上の燃料電池スタックの状態を基盤として、前記1つ以上の燃料電池スタックに対する優先順位を決定することができる。
【0014】
一実施形態において、前記1つ以上の燃料電池スタックの状態は、前記1つ以上の燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間のうち少なくとも1つ以上を含むことができる。
【0015】
一実施形態において、前記燃料電池スタック駆動決定部は、前記1つ以上の燃料電池スタックの前記累積出力量及び前記累積駆動時間にそれぞれの加重値を掛けて合算した結果を基盤として、前記1つ以上の燃料電池スタックに対する優先順位を決定することができる。
【0016】
一実施形態において、前記燃料電池スタック駆動決定部は、実時間で算出された前記第1個数が現在駆動される燃料電池スタックの個数である第2個数より特定個数以上大きいか否かを判断し、前記第1個数が前記第2個数より前記特定個数以上大きい場合、前記1つ以上の燃料電池スタックに対する優先順位及び前記実時間で算出された第1個数を基盤として追加で駆動する燃料電池スタックを決定し、前記燃料電池スタック出力制御部は、前記要求される総出力を基盤として、前記追加で駆動する燃料電池スタックの出力を制御することができる。
【0017】
一実施形態において、前記燃料電池スタック出力制御部は、前記追加で駆動する燃料電池スタックの始動が完了するまで、前記現在駆動される燃料電池スタックが前記要求される総出力を生成するように前記現在駆動される燃料電池スタックの出力を制御することができる。
【0018】
一実施形態において、前記燃料電池スタック出力制御部は、実時間で算出された前記第1個数が現在駆動される燃料電池スタックの個数である第2個数より特定個数以上大きいか否かを判断し、前記第1個数が前記第2個数より前記特定個数以上大きくない場合、前記現在駆動される燃料電池スタックが前記要求される総出力を生成するように前記現在駆動される燃料電池スタックの出力を制御することができる。
【0019】
一実施形態において、前記燃料電池スタック駆動決定部は、前記要求される総出力が現在駆動される燃料電池スタックの最小出力の和より小さいか否かを判断し、前記要求される総出力が前記現在駆動される燃料電池スタックの最小出力の和より小さい場合、前記優先順位を基盤として、前記現在駆動される燃料電池スタックのうち停止する燃料電池スタックを決定することができる。
【0020】
一実施形態において、前記燃料電池スタック出力制御部は、前記要求される総出力を現在駆動されるスタックの個数である第2個数で割った値を基盤として、前記駆動される燃料電池スタックの出力を決定し、前記決定された出力を基盤として、前記駆動される燃料電池スタックの出力を制御することができる。
【0021】
一実施形態において、前記燃料電池スタック出力制御部は、前記駆動される燃料電池スタックを構成する燃料電池セルの個別的な電圧が上限及び下限が定められた既設定された特定範囲に含まれるように前記駆動される燃料電池スタックの出力を制御することができる。
【0022】
一実施形態において、前記上限及び下限が定められた特定範囲は、前記1つ以上の燃料電池スタックの劣化度又は耐久度を考慮して設定されてよい。
【0023】
本発明の他の一実施形態によるマルチモジュール燃料電池システム制御方法は、1つ以上の燃料電池スタックと連結される駆動個数算出部が、実時間で要求される総出力及び既設定された燃料電池スタック当たりの基準出力を基盤として第1個数を算出する段階、燃料電池スタック駆動決定部が、前記1つ以上の燃料電池スタックに対する優先順位及び前記第1個数を基盤として、前記1つ以上の燃料電池スタックのうち駆動される燃料電池スタックを決定する段階、及び燃料電池スタック出力制御部が、前記要求される総出力を基盤として、前記駆動される燃料電池スタックの出力を制御する段階を含むことができる。
【0024】
一実施形態において、前記駆動個数算出部が、第1個数を算出する段階は、前記駆動個数算出部が、前記要求される総出力を前記既設定された燃料電池スタック当たりの基準出力で割った値を基盤として前記第1個数を算出する段階を含むことができる。
【0025】
一実施形態において、前記燃料電池スタック駆動決定部が、前記1つ以上の燃料電池スタックのうち駆動される燃料電池スタックを決定する段階は、前記燃料電池スタック駆動決定部が、前記1つ以上の燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間のうち少なくとも1つ以上をモニタリングする段階、及び前記燃料電池スタック駆動決定部が、前記モニタリングされた前記1つ以上の燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間のうち少なくとも1つ以上を基盤として、前記1つ以上の燃料電池スタックに対する優先順位を決定する段階を含むことができる。
【0026】
一実施形態において、前記燃料電池スタック駆動決定部が、前記1つ以上の燃料電池スタックのうち駆動される燃料電池スタックを決定する段階は、前記燃料電池スタック駆動決定部が、実時間で算出された前記第1個数が現在駆動される燃料電池スタックの個数である第2個数より特定個数以上大きいか否かを判断する段階、及び前記燃料電池スタック駆動決定部が、前記第1個数が前記第2個数より前記特定個数以上大きい場合、前記1つ以上の燃料電池スタックに対する優先順位及び前記実時間で算出された第1個数を基盤として追加で駆動する燃料電池スタックを決定する段階を含み、前記燃料電池スタック出力制御部が、前記要求される総出力を基盤として、前記追加で駆動する燃料電池スタックの出力を制御する段階をさらに含むことができる。
【0027】
一実施形態において、前記燃料電池スタック駆動決定部が、前記要求される総出力が現在駆動される燃料電池スタックの最小出力の和より小さいか否かを判断する段階、及び前記燃料電池スタック駆動決定部が、前記要求される総出力が前記現在駆動される燃料電池スタックの最小出力の和より小さい場合、前記優先順位を基盤として、前記現在駆動される燃料電池スタックのうち停止する燃料電池スタックを決定する段階をさらに含むことができる。
【0028】
一実施形態において、前記燃料電池スタック出力制御部が、前記駆動される燃料電池スタックの出力を制御する段階は、前記燃料電池スタック出力制御部が、前記要求される総出力を現在駆動されるスタックの個数である第2個数で割った値を基盤として、前記駆動される燃料電池スタックの出力を決定する段階、及び前記燃料電池スタック出力制御部が、前記決定された出力を基盤として、前記駆動される燃料電池スタックの出力を制御する段階を含むことができる。
【0029】
一実施形態において、前記燃料電池スタック出力制御部が、前記駆動される燃料電池スタックの出力を制御する段階は、前記燃料電池スタック出力制御部が、前記駆動される燃料電池スタックを構成する燃料電池セルの個別的な電圧が上限及び下限が定められた既設定された特定範囲に含まれるように前記駆動される燃料電池スタックの出力を制御する段階を含むことができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によるマルチモジュール燃料電池システム制御装置及びその方法の効果に対して説明する。
【0031】
本発明の実施形態のうち少なくとも1つによると、マルチモジュール燃料電池システムの燃料電池モジュールを個別的に制御する装置及びその方法を提供することができる。
【0032】
また、本発明の実施形態のうち少なくとも1つによると、燃料電池スタックのセル当たりの電圧を適正範囲に制御してスタック耐久性を確保する燃料電池システム制御装置、それを含んだシステム及びその方法を提供することができる。
【0033】
また、本発明の実施形態のうち少なくとも1つによると、マルチモジュール燃料電池システムの燃料電池モジュールそれぞれのEOL(End Of Life)到達時点を均等に制御する装置及びその方法を提供することができる。
【0034】
また、本発明の実施形態のうち少なくとも1つによると、一部の燃料電池スタックに非可逆的な故障が発生したとき、燃料電池システムの出力が低下するという問題点を解決する燃料電池システム制御装置、それを含んだシステム及びその方法を提供することができる。
【0035】
また、本発明の実施形態のうち少なくとも1つによると、マルチモジュール燃料電池システムの特性上、最小出力の制御時に個別スタック出力量の和が大きい問題点を解決する燃料電池システム制御装置、それを含んだシステム及びその方法を提供することができる。
【0036】
その他、本文書を介して直接的又は間接的に把握される多様な効果が提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明の一実施形態によるマルチモジュール燃料電池システム制御装置を示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態によるマルチモジュール燃料電池システムの具体的な構成を示す図である。
図3】燃料電池スタックの下限電圧による劣化度を比較した結果を示すグラフである。
図4】本発明の一実施形態によるマルチモジュール燃料電池システム制御装置の動作を示すフローチャートである。
図5】本発明の一実施形態によるマルチモジュール燃料電池システム制御装置が燃料電池モジュールの優先順位を決定する動作を示すフローチャートである。
図6】本発明の一実施形態によるマルチモジュール燃料電池システム制御装置が燃料電池モジュールを追加で駆動又は停止することを示すフローチャートである。
図7】本発明の一実施形態によるマルチモジュール燃料電池システム制御方法を示すフローチャートである。
図8】本発明の一実施形態によるコンピュータシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の一部の実施形態を例示的な図を介して詳細に説明する。各図の構成要素に参照符号を付加することにおいて、同一の構成要素に対しては、たとえ他の図上に表示されていても、できるだけ同一の符号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明の実施形態を説明するにあたり、関連する公知の構成または機能に関する具体的な説明が本発明の実施形態に対する理解を妨げると判断される場合は、その詳細な説明は省略する。
【0039】
本発明の実施形態の構成要素を説明するにあたり、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。かかる用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語によって当該構成要素の本質や順番または順序などが限定されない。また、別に定義されない限り、技術的もしくは科学的な用語をはじめ、ここで使用される全ての用語は、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有するものと解釈されなければならず、本出願で明らかに定義しない限り、理想的もしくは過度に形式的な意味に解釈されない。
【0040】
以下、図1から図8を参照しつつ、本発明の実施形態を具体的に説明する。
【0041】
図1は、本発明の一実施形態によるマルチモジュール燃料電池システム制御装置を示すブロック図である。
【0042】
本発明によるマルチモジュール燃料電池システム制御装置100は、マルチモジュール燃料電池システムの内部又は外部に具現化されてよい。このとき、マルチモジュール燃料電池システム制御装置100は、マルチモジュール燃料電池システムの内部制御ユニットと一体に形成されてよく、別途のハードウェア装置に具現され、連結手段によってマルチモジュール燃料電池システムの制御ユニットと連結されてもよい。
【0043】
一例として、マルチモジュール燃料電池システム制御装置100は、マルチモジュール燃料電池システムと一体に具現化されてもよく、マルチモジュール燃料電池システムと別の構成でマルチモジュール燃料電池システムに設置/付着される形態に具現化されてもよく、又は一部はマルチモジュール燃料電池システムと一体に具現化され、他の一部はマルチモジュール燃料電池システムと別の構成でマルチモジュール燃料電池システムに設置/付着される形態に具現化されてもよい。
【0044】
一例として、マルチモジュール燃料電池システムは車両に備えられ、車両のモーター、系統及び/又はその他補機類に電力を供給することができる。
【0045】
マルチモジュール燃料電池システムは、複数の燃料電池モジュール(PMC、Power Module Complete)が並列に連結されて高出力を生成する燃料電池システムを意味することができる。
【0046】
図1を参照すると、マルチモジュール燃料電池システム制御装置100は、駆動個数算出部110、燃料電池スタック駆動決定部120及び燃料電池スタック出力制御部130を含むことができる。
【0047】
駆動個数算出部110、燃料電池スタック駆動決定部120及び燃料電池スタック出力制御部130は、後述されるデータ処理及び/又は計算を行うプロセッサを含むことができる。また、駆動個数算出部110、燃料電池スタック駆動決定部120及び燃料電池スタック出力制御部130は、データ処理及び/又は計算を行う過程において必要なデータ又はアルゴリズムが貯蔵されるメモリを含むことができる。
【0048】
駆動個数算出部110、燃料電池スタック駆動決定部120及び燃料電池スタック出力制御部130に含まれ得るプロセッサは、ソフトウェアの命令を行う電気回路となってよい。例えば、駆動個数算出部110、燃料電池スタック駆動決定部120及び燃料電池スタック出力制御部130に含まれるプロセッサは、FCU(Fuel-cell Control Unit)、ECU(Electronic Control Unit)、MCU(Micro Controller Unit)又は他の下位制御機であってよい。
【0049】
駆動個数算出部110、燃料電池スタック駆動決定部120及び燃料電池スタック出力制御部130に含まれ得るメモリは、フラッシュメモリタイプ(Flash memory type)、ハードディスクタイプ(Hard disk type)、マイクロタイプ(Micro type)、又はカードタイプ(例えば、SDカード(Secure Digital Card)又はXDカード(eXtream Digital Card))などのメモリと、ラム(RAM、Random Access Memory)、SRAM(Static RAM)、ロム(ROM、Read-Only Memory)、PROM(Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable PROM)、磁気メモリ(MRAM、Magnetic RAM)、磁気ディスク(Magnetic disk)、又は光ディスク(Optical disk)タイプのメモリのうち少なくとも1つのタイプの記録媒体(Storage medium)を含むことができる。
【0050】
駆動個数算出部110は、1つ以上の燃料電池スタックと連結され、実時間で要求される総出力及び既設定された燃料電池スタック当たりの基準出力を基盤として第1個数を算出することができる。
【0051】
ここで、1つ以上の燃料電池スタックは、並列に連結された1つ以上の燃料電池モジュール(PMC、Power Module Complete)に含まれるそれぞれの燃料電池スタックを意味することができる。
【0052】
ここで、第1個数は、個別燃料電池スタックが適正水準の出力を生成し、全体の燃料電池システムが要求される総出力を生成するために計算される燃料電池スタックの目標駆動個数を意味することができる。
【0053】
ここで、既設定された燃料電池スタック当たりの基準出力は、1つ以上の燃料電池スタックの連続的な駆動時間が制限されない出力範囲を基盤として設定されてよい。
【0054】
連続的な駆動時間が制限されない出力範囲は、燃料電池の正規量産基準による低出力領域を意味してよく、44kW以上、68kW未満の出力範囲に定められていてよい。
【0055】
他の一例として、燃料電池スタック当たりの基準出力は、燃料電池のセル当たりの電圧を0.7~0.8Vに維持する出力範囲(約40~60kWの定出力範囲)を基盤として定められてもよい。
【0056】
例示的に、燃料電池スタック当たりの基準出力は、当該出力範囲の中間値などに定められてよい。
【0057】
一例として、燃料電池スタック当たりの基準出力は50kWに定められてよい。
【0058】
一例として、駆動個数算出部110は、上位制御機から要求される総出力に対する情報を受信することにより、要求される総出力に対する情報を獲得することができる。
【0059】
一例として、駆動個数算出部110は、要求される総出力を既設定された燃料電池スタック当たりの基準出力で割った値を基盤として第1個数を算出することができる。
【0060】
一例として、駆動個数算出部110は、要求される総出力を既設定された燃料電池スタック当たりの基準出力で割った値が整数に割り切れない場合、四捨五入又は切り上げた整数の値に第1個数を算出することができる。
【0061】
一例として、駆動個数算出部110は、算出した第1個数に対する情報を燃料電池スタック駆動決定部120に伝達することができる。
【0062】
燃料電池スタック駆動決定部120は、1つ以上の燃料電池スタックに対する優先順位及び第1個数を基盤として、1つ以上の燃料電池スタックのうち駆動される燃料電池スタックを決定することができる。
【0063】
一例として、燃料電池スタック駆動決定部120は、優先順位が高い順に第1個数の燃料電池スタックを駆動される燃料電池スタックとして決定することができる。
【0064】
一例として、燃料電池スタック駆動決定部120は、1つ以上の燃料電池スタックの累積出力量、累積駆動時間などの状態を個別的にモニタリングして、モニタリングされた1つ以上の燃料電池スタックの状態を基盤として、1つ以上の燃料電池スタックに対する優先順位を決定することができる。
【0065】
一例として、燃料電池スタック駆動決定部120は、個別燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間のうち少なくとも1つ以上に対する情報を貯蔵する不揮発性メモリ(NVM、Non-Volatile Memory)を含むことができる。
【0066】
一例として、燃料電池スタック駆動決定部120は、燃料電池スタックの駆動が終了すると、不揮発性メモリに貯蔵された個別燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間のうち少なくとも1つ以上に対する情報をアップデートすることができる。
【0067】
この過程において、燃料電池スタック駆動決定部120は、燃料電池スタックの駆動が終了すると、以前の駆動過程まで累積された個別燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間に最近駆動での個別燃料電池スタックの出力量又は駆動時間を加えて、不揮発性メモリに貯蔵された個別燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間に対する情報をアップデートすることができる。
【0068】
一例として、燃料電池スタック駆動決定部120は、不揮発性メモリに貯蔵された以前の駆動過程まで累積された個別燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間のうち少なくとも1つ以上に対する情報、及び実時間で測定された個別燃料電池スタックの出力量又は駆動時間のうち少なくとも1つ以上を介して、実時間で個別燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間のうち少なくとも1つ以上を判断することができる。
【0069】
一例として、燃料電池スタック駆動決定部120は、1つ以上の燃料電池スタックの累積出力量及び駆動時間にそれぞれの加重値を掛けて合算した結果を基盤として、1つ以上の燃料電池スタックに対する優先順位を決定することができる。
【0070】
具体的な一例として、燃料電池スタック駆動決定部120は、累積駆動時間に0.6の加重値を掛け、累積出力量に0.4の加重値を掛けて加えた値により1つ以上の燃料電池スタックに対する優先順位を決定することができる。
【0071】
ここで、個別燃料電池スタックの状態を示すパラメーターとして累積出力量及び累積駆動時間が例示されたが、実施形態によって別のパラメーターが用いられてもよい。
【0072】
一例として、燃料電池スタック駆動決定部120は、実時間で算出された第1個数が現在駆動される燃料電池スタックの個数である第2個数より特定個数以上大きいか否かを判断し、第1個数が第2個数より特定個数以上大きい場合、1つ以上の燃料電池スタックに対する優先順位及び実時間で算出された第1個数を基盤として、追加で駆動する燃料電池スタックを決定することができる。
【0073】
一例として、燃料電池スタック駆動決定部120は、実時間で現在駆動される燃料電池スタックの個数を確認することができる。
【0074】
実時間で算出された第1個数が現在駆動される燃料電池スタックの個数より大きいが特定個数以上大きくない場合には、現在駆動されている燃料電池スタックを介して要求される総出力が生成され得る。
【0075】
燃料電池スタック駆動決定部120は、実時間で算出された第1個数が現在駆動される燃料電池スタックの個数より特定個数以上大きいか否かを判断することによって、過度に頻繁な燃料電池の始動又は停止を防止し、基準出力水準の個別燃料電池スタックの出力を維持することができる。
【0076】
一例として、燃料電池スタック駆動決定部120は、要求される総出力が現在駆動される燃料電池スタックの最小出力の和より小さいか否かを判断し、要求される総出力が現在駆動される燃料電池スタックの最小出力の和より小さい場合、優先順位を基盤として、現在駆動される燃料電池スタックのうち停止する燃料電池スタックを決定することができる。
【0077】
実時間で算出された第1個数が現在駆動される燃料電池スタックの個数より小さい場合にも、駆動されている燃料電池スタックを停止するよりは、駆動される燃料電池スタックの個別出力を下げることが、不要な燃料電池の停止を防止することができる。
【0078】
要求される総出力が現在駆動される燃料電池スタックの最小出力の和より小さい場合は、要求される総出力より大きい出力が生成され得るので、現在駆動される燃料電池スタックが停止されなければならない必要がある。
【0079】
燃料電池スタック出力制御部130は、要求される総出力を基盤として、駆動される燃料電池スタックの出力を制御することができる。
【0080】
一例として、燃料電池スタック出力制御部130は、要求される総出力を駆動される燃料電池スタックの個数で割ってそれぞれの燃料電池スタックの出力を算出し、算出された出力によって個別燃料電池スタックの出力を制御することができる。
【0081】
一例として、燃料電池スタック出力制御部130は、燃料電池スタックが追加で駆動される場合、要求される総出力を既存に駆動されていた燃料電池スタックの個数に追加される燃料電池スタックの個数まで含まれた総燃料電池の個数で割ってそれぞれの燃料電池スタックの出力を算出し、算出された出力によって個別燃料電池スタックの出力を制御することができる。
【0082】
一例として、燃料電池スタック出力制御部130は、燃料電池スタックが追加で駆動される場合、追加で駆動される燃料電池スタックの始動が完了するまで、既存に駆動されている燃料電池スタックが要求される総出力を生成するように、要求される総出力を既存に駆動されていた燃料電池スタックの個数で割った値に現在駆動される燃料電池スタックの出力を制御することができる。
【0083】
一例として、燃料電池スタック出力制御部130は、実時間で算出された第1個数が現在駆動される燃料電池スタックの個数である第2個数より特定個数以上大きいか否かを判断し、第1個数が第2個数より特定個数以上大きくない場合、現在駆動される燃料電池スタックが要求される総出力を生成するように現在駆動される燃料電池スタックの出力を制御することができる。
【0084】
実時間で算出された第1個数が現在駆動される燃料電池スタックの個数である第2個数より特定個数以上大きいか否かは、燃料電池スタック駆動決定部120及び/又は燃料電池スタック出力制御部130によって判断されてよい。
【0085】
一例として、燃料電池スタック出力制御部130は、駆動される燃料電池スタックを構成する燃料電池セルの個別的な電圧が上限及び下限が定められた既設定された特定範囲に含まれるよう、駆動される燃料電池スタックの出力を制御することができる。
【0086】
ここで、上限及び下限が定められた特定範囲は、1つ以上の燃料電池スタックの劣化度又は耐久度を考慮して設定されてよい。
【0087】
燃料電池セルの個別的な電圧が0.7~0.8Vに維持される場合、燃料電池スタックの劣化度又は耐久度が増大され得る。
【0088】
図2は、本発明の一実施形態によるマルチモジュール燃料電池システムの具体的な構成を示す図である。
【0089】
図2を参照すると、マルチモジュール燃料電池システムは、1つ以上の燃料電池スタック201、1つ以上のFDC(Fuel-cell DC-DC Converter)202及び制御部203を含むことができる。
【0090】
また、一例として、マルチモジュール燃料電池システムは、車両のその他補機類204、負荷205及び高電圧バッテリー206と連結されてよい。
【0091】
1つ以上の燃料電池スタック201は、その他補機類204及び負荷205に供給される電力を生成することができる。
【0092】
それぞれの燃料電池スタック201は、それぞれに対応するFDC202と連結されてよい。
【0093】
FDC202は、燃料電池スタック201で生成された電力の電圧を昇圧又は減圧させることができる。
【0094】
FDC202は、昇圧された電力が負荷205又はその他補機類204に伝達されるか、又は高電圧バッテリー206を充電するようにすることができる。
【0095】
また、FDC202は、燃料電池スタック201の電流及び電圧を制御することで、個別燃料電池スタック201の電力生産量を制御することができる。
【0096】
制御部203は、1つ以上のFDC202と連結された1つの制御機として、データ処理及び命令を行う1つ以上のプロセッサを含むことができる。
【0097】
制御部203は、FCUを含むことができる。
【0098】
制御部203は、1つ以上のFDC202を介して、1つ以上の燃料電池スタック201の駆動可否、出力、駆動時間などの状態をモニタリング又は診断することができる。
【0099】
また、制御部203は、モニタリング又は診断された1つ以上の燃料電池スタック201の状態によって、1つ以上の燃料電池スタック201の出力を制御することができる。
【0100】
制御部203は、1つ以上の燃料電池スタック201を介して生産される全体の電力生産量を制御することができる。
【0101】
制御部203は、生産される電力の分配を制御することができる。
【0102】
マルチモジュール燃料電池システムに要求される出力は、負荷205及びその他補機類204に要求される出力を含むことができる。
【0103】
その他補機類204は、燃料電池システム及び車両の空気圧縮機、加湿器、COD(Cathode Oxygen Depletion)ヒーター、冷却水ポンプなどを含むことができる。
【0104】
燃料電池スタック201及び高電圧バッテリー206を介して生成される電力を介して、負荷205及びその他補機類204に電力が供給されなければならないことがある。
【0105】
したがって、燃料電池スタック201及び高電圧バッテリー206を介して生成される電力が負荷205及びその他補機類204で要求される電力以上にならなければならないことがあり、そのために制御部203が電力の生産及び分配を制御することができる。
【0106】
図3は、燃料電池スタックの下限電圧による劣化度を比較した結果を示すグラフである。
【0107】
特に、図3は、FC Stop(Fuel Cell Stop)の適用時、燃料電池セルの下限電圧による劣化度を比較した実験の結果を示すグラフである。
【0108】
グラフを参照すると、FC stopが適用されていない場合は、1000サイクル(cycle)当たり3mVの電圧性能が減少する。
【0109】
FC Stopの適用時、燃料電池セルの下限電圧がα+1.5Vである場合には、1000サイクル当たり3.8mVの電圧性能が減少する。ここで、αは、必要に応じて別に設定され得るエンジニアリング値であり、本発明と関連して当該αは、特定値に限定されない。
【0110】
FC Stopの適用時、燃料電池セルの下限電圧がα+1Vである場合には、1000サイクル当たり4.2mVの電圧性能が減少する。
【0111】
FC Stopの適用時、燃料電池セルの下限電圧がαVである場合には、1000サイクル当たり5.8mVの電圧性能が減少する。
【0112】
下限電圧がα+1.5Vである場合、α+1Vである場合、αVである場合の順に、燃料電池の劣化される速度が加速され得る。
【0113】
したがって、燃料電池の劣化度又は耐久度を考慮して、FC Stop時の下限電圧を考慮した運転領域を設定することが必要である。
【0114】
FC Stopだけでなく、燃料電池スタックの正常な運転時にも燃料電池セルの下限電圧を維持する必要がある。
【0115】
また、燃料電池スタックは、低電位だけでなく、高電位も耐久度に良くない影響を及ぼすことがある。
【0116】
燃料電池セル当たりの電圧は、燃料電池スタックの耐久度又は劣化度の側面を考慮して制御するのが好ましい。
【0117】
したがって、燃料電池スタックの耐久度を向上させるため、高出力領域(例えば、80kW以上の出力領域)運転を最小化し、これより相対的に出力が低い領域(例えば、約40~50kW出力領域)においてそれぞれの燃料電池スタックの出力を制御するのが最も効率的であり得る。
【0118】
このような数値は例示されたものであって、実験的に決定されるか計算された他の数値が用いられてよい。
【0119】
図4は、本発明の一実施形態によるマルチモジュール燃料電池システム制御装置の動作を示すフローチャートである。
【0120】
図4を参照すると、マルチモジュール燃料電池システム制御装置は、要求される総出力を決定することができる(S401)。
【0121】
一例として、マルチモジュール燃料電池システム制御装置は、上位制御機からマルチモジュール燃料電池システムに要求される総出力に対する情報の伝達を受けることができる。
【0122】
マルチモジュール燃料電池システム制御装置は、要求される総出力を既設定された燃料電池スタック当たりの基準出力で割った値を基盤として新規スタックの始動個数を決定することができる(S402)。
【0123】
一例として、マルチモジュール燃料電池システム制御装置は、全ての燃料電池スタックが停止されている状況で新たに燃料電池スタックを始動する場合、要求される総出力を既設定された燃料電池スタック当たりの基準出力で割った値を整数単位で四捨五入又は切り上げた数を新規スタックの始動個数として決定することができる。
【0124】
マルチモジュール燃料電池システム制御装置は、燃料電池スタックの優先順位によって新規スタックの始動個数の駆動スタックを決定することができる(S403)。
【0125】
一例として、マルチモジュール燃料電池システム制御装置は、個別燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間を基盤として算出された優先順位による、新規スタックの始動個数の燃料電池スタックを決定することができる。
【0126】
マルチモジュール燃料電池システム制御装置は、要求される総出力を新規スタックの始動個数で割った値に駆動される燃料電池スタックの出力を決定することができる(S404)。
【0127】
マルチモジュール燃料電池システム制御装置は、決定された出力を基盤として駆動される燃料電池スタックの出力を制御することができる(S405)。
【0128】
一例として、マルチモジュール燃料電池システム制御装置は、決定された新規スタックの始動個数の燃料電池スタックが決定された出力を生成するように当該燃料電池スタックの出力を制御することができる。
【0129】
図5は、本発明の一実施形態によるマルチモジュール燃料電池システム制御装置が燃料電池モジュールの優先順位を決定する動作を示すフローチャートである。
【0130】
図5を参照すると、マルチモジュール燃料電池システム制御装置は、個別燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間をモニタリングすることができる(S501)。
【0131】
一例として、マルチモジュール燃料電池システム制御装置は、個別燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間に対する情報を不揮発性メモリ(NVM)に貯蔵することができる。
【0132】
一例として、マルチモジュール燃料電池システム制御装置は、個別燃料電池スタックの駆動が終了すると、駆動されるうちに生成された出力量又は所要された駆動時間を、不揮発性メモリ(NVM)に既貯蔵された累積出力量又は累積駆動時間に累積して貯蔵することができる。
【0133】
マルチモジュール燃料電池システム制御装置は、個別燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間を基盤として燃料電池スタックの優先順位を決定することができる(S502)。
【0134】
一例として、マルチモジュール燃料電池システム制御装置は、累積出力量が少ないほど、累積駆動時間が短いほど、燃料電池スタックの優先順位を高く付与することができる。
【0135】
一例として、マルチモジュール燃料電池システム制御装置は、累積出力量及び累積駆動時間に既設定されたそれぞれの加重値を掛けて合算した値を基盤として、燃料電池スタックの優先順位を決定することができる。
【0136】
一例として、マルチモジュール燃料電池システム制御装置は、累積出力量及び累積駆動時間に既設定されたそれぞれの加重値を掛けて合算した値が低いほど高い優先順位を付与することができる。
【0137】
図6は、本発明の一実施形態によるマルチモジュール燃料電池システム制御装置が燃料電池モジュールを追加で駆動又は停止することを示すフローチャートである。
【0138】
図6を参照すると、マルチモジュール燃料電池システム制御装置は、実時間で要求される総出力を決定することができる(S601)。
【0139】
一例として、マルチモジュール燃料電池システム制御装置は、上位制御機からマルチモジュール燃料電池システムに要求される総出力に対する情報の伝達を受けることができる。
【0140】
マルチモジュール燃料電池システム制御装置は、実時間で要求される総出力を既設定された燃料電池スタック当たりの基準出力で割った値を基盤として第1個数を計算することができる(S602)。
【0141】
一例として、マルチモジュール燃料電池システム制御装置は、要求される総出力を既設定された燃料電池スタック当たりの基準出力で割った値を整数単位で四捨五入又は切り上げた数を第1個数として決定することができる。
【0142】
マルチモジュール燃料電池システム制御装置は、計算された第1個数が現在駆動される燃料電池スタックの個数より2以上大きいか否かを確認することができる(S603)。
【0143】
ここで、2という特定個数は、例示を挙げるために定められた値であり、実際には燃料電池スタックの追加駆動のための他の特定個数に定められてよい。
【0144】
マルチモジュール燃料電池システム制御装置は、計算された第1個数が現在駆動される燃料電池スタックの個数より2以上大きい場合、優先順位によって燃料電池スタックを追加で駆動することができる(S604)。
【0145】
一例として、マルチモジュール燃料電池システム制御装置は、駆動されていない燃料電池スタックのうち優先順位が高い順に、第1個数から現在駆動される燃料電池スタックの個数を引いた個数の燃料電池スタックを追加で新たに駆動することができる。
【0146】
マルチモジュール燃料電池システム制御装置は、計算された第1個数が現在駆動される燃料電池スタックの個数より2以上大きくない場合、要求される総出力が現在駆動される燃料電池スタックの最小出力の和より小さいか否かを確認することができる(S605)。
【0147】
ここで、燃料電池スタックの最小出力は、燃料電池スタックが始動されて終了する前の状態で出力可能な最小電力を意味することができる。
【0148】
マルチモジュール燃料電池システム制御装置は、要求される総出力が現在駆動される燃料電池スタックの最小出力の和より小さい場合、優先順位によって燃料電池スタックを停止させることができる(S606)。
【0149】
一例として、マルチモジュール燃料電池システム制御装置は、要求される総出力が現在駆動される燃料電池スタックの最小出力の和より小さい場合、優先順位が小さい順に要求される総出力が駆動される燃料電池スタックの最小出力の和以上となるように、1つ以上の燃料電池スタックを停止させることができる。
【0150】
マルチモジュール燃料電池システム制御装置は、要求される総出力が現在駆動される燃料電池スタックの最小出力の和より小さくない場合、駆動される燃料電池スタックの出力を制御することができる(S607)。
【0151】
一例として、マルチモジュール燃料電池システム制御装置は、駆動される燃料電池スタックの出力を、要求される総出力を駆動される燃料電池スタックの個数で割った値に制御することができる。
【0152】
図7は、本発明の一実施形態によるマルチモジュール燃料電池システム制御方法を示すフローチャートである。
【0153】
図7を参照すると、マルチモジュール燃料電池システム制御方法は、実時間で要求される総出力及び既設定された燃料電池スタック当たりの基準出力を基盤として第1個数を算出する段階(S710)、1つ以上の燃料電池スタックに対する優先順位及び第1個数を基盤として、1つ以上の燃料電池スタックのうち駆動される燃料電池スタックを決定する段階(S720)、及び要求される総出力を基盤として、駆動される燃料電池スタックの出力を制御する段階(S730)を含むことができる。
【0154】
実時間で要求される総出力及び既設定された燃料電池スタック当たりの基準出力を基盤として第1個数を算出する段階(S710)は、駆動個数算出部によって行われてよい。
【0155】
一例として、第1個数を算出する段階(S710)は、駆動個数算出部が、要求される総出力を既設定された燃料電池スタック当たりの基準出力で割った値を基盤として第1個数を算出する段階を含むことができる。
【0156】
1つ以上の燃料電池スタックに対する優先順位及び第1個数を基盤として、1つ以上の燃料電池スタックのうち駆動される燃料電池スタックを決定する段階(S720)は、燃料電池スタック駆動決定部によって行われてよい。
【0157】
一例として、1つ以上の燃料電池スタックのうち駆動される燃料電池スタックを決定する段階(S720)は、燃料電池スタック駆動決定部が、1つ以上の燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間のうち少なくとも1つ以上をモニタリングする段階、及び燃料電池スタック駆動決定部が、モニタリングされた1つ以上の燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間のうち少なくとも1つ以上を基盤として、1つ以上の燃料電池スタックに対する優先順位を決定する段階を含むことができる。
【0158】
一例として、1つ以上の燃料電池スタックのうち駆動される燃料電池スタックを決定する段階(S720)は、燃料電池スタック駆動決定部が、実時間で算出された第1個数が現在駆動される燃料電池スタックの個数である第2個数より特定個数以上大きいか否かを判断する段階、及び燃料電池スタック駆動決定部が、第1個数が第2個数より特定個数以上大きい場合、1つ以上の燃料電池スタックに対する優先順位及び実時間で算出された第1個数を基盤として、追加で駆動する燃料電池スタックを決定する段階を含むことができる。
【0159】
一例として、マルチモジュール燃料電池システム制御方法は、燃料電池スタック出力制御部が、要求される総出力を基盤として、追加で駆動する燃料電池スタックの出力を制御する段階をさらに含むことができる。
【0160】
一例として、マルチモジュール燃料電池システム制御方法は、燃料電池スタック駆動決定部が、要求される総出力が現在駆動される燃料電池スタックの最小出力の和より小さいか否かを判断する段階、及び燃料電池スタック駆動決定部が、要求される総出力が現在駆動される燃料電池スタックの最小出力の和より小さい場合、優先順位を基盤として、現在駆動される燃料電池スタックのうち停止する燃料電池スタックを決定する段階をさらに含むことができる。
【0161】
要求される総出力を基盤として駆動される燃料電池スタックの出力を制御する段階(S730)は、燃料電池スタック出力制御部によって行われてよい。
【0162】
一例として、駆動される燃料電池スタックの出力を制御する段階(S730)は、燃料電池スタック出力制御部が、要求される総出力を現在駆動されるスタックの個数である第2個数で割った値を基盤として、駆動される燃料電池スタックの出力を決定する段階、及び燃料電池スタック出力制御部が、決定された出力を基盤として、駆動される燃料電池スタックの出力を制御する段階を含むことができる。
【0163】
一例として、駆動される燃料電池スタックの出力を制御する段階(S730)は、燃料電池スタック出力制御部が、駆動される燃料電池スタックを構成する燃料電池セルの個別的な電圧が上限及び下限が定められた既設定された特定範囲に含まれるように、駆動される燃料電池スタックの出力を制御する段階を含むことができる。
【0164】
図8は、本発明の一実施形態によるコンピュータシステムを示す図である。
【0165】
図8を参照すると、コンピュータシステム1000は、バス1200を介して連結される少なくとも1つのプロセッサ1100、メモリ1300、使用者インターフェース入力装置1400、使用者インターフェース出力装置1500、ストレージ1600、及びネットワークインターフェース1700を含むことができる。
【0166】
プロセッサ1100は、中央処理装置(CPU)又はメモリ1300及び/又はストレージ1600に貯蔵された命令語に対する処理を行う半導体装置であってよい。メモリ1300及びストレージ1600は、多様な種類の揮発性又は不揮発性貯蔵媒体を含むことができる。例えば、メモリ1300は、ROM(Read-Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を含むことができる。
【0167】
したがって、本明細書に開示されている実施形態に関して説明された方法又はアルゴリズムの段階は、プロセッサ1100によって実行されるハードウェア、ソフトウェアモジュール、又はその2つの組み合わせに直接具現化されてよい。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスター、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROMのような貯蔵媒体(すなわち、メモリ1300及び/又はストレージ1600)に常在してもよい。
【0168】
例示的な貯蔵媒体は、プロセッサ1100に結合され、そのプロセッサ1100は、貯蔵媒体から情報を読み取ることができ、貯蔵媒体に情報を書き込むことができる。他の方法として、貯蔵媒体は、プロセッサ1100と一体型であってもよい。プロセッサ及び貯蔵媒体は、注文型集積回路(ASIC)内に常在してもよい。ASICは、使用者端末機内に常在してもよい。他の方法として、プロセッサ及び貯蔵媒体は、使用者端末機内に個別コンポネントとして常在してもよい。
【0169】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎないものであって、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から外れない範囲で多様な修正及び変形が可能なはずである。
【0170】
したがって、本発明に開示されている実施形態は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく、説明するためのものであり、このような実施形態により本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護の範囲は、下記の特許請求の範囲により解釈されるべきであり、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8