(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171260
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】半導体素子の形成方法及び半導体素子の形成のための基板処理システム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3205 20060101AFI20231124BHJP
【FI】
H01L21/88 J
H01L21/88 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060906
(22)【出願日】2023-04-04
(31)【優先権主張番号】10-2022-0061550
(32)【優先日】2022-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】520236767
【氏名又は名称】サムス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミニョン
(72)【発明者】
【氏名】リ、ハンリン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ユンサン
【テーマコード(参考)】
5F033
【Fターム(参考)】
5F033GG00
5F033GG01
5F033HH07
5F033HH13
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5F033VV10
5F033XX08
5F033XX34
(57)【要約】 (修正有)
【課題】工程コストを低減すると共に、基板の損傷を減少させることができる半導体素子の形成方法及びそのための基板処理システムを提供する。
【解決手段】方法は、電力伝達のための少なくとも1つの埋め込みパワーレールが形成された半導体基板の後面上に、前記少なくとも1つの埋め込みパワーレールと少なくとも部分的に整列するように少なくとも1つの金属触媒層を形成するステップと、半導体基板にエッチング液を供給し、金属促進ケミカルエッチング(MACE)を用いて、少なくとも1つの金属触媒層が半導体基板の内部に下降しながら、少なくとも1つの金属触媒層と少なくとも1つの埋め込みパワーレールとの間の前記半導体基板を異方性エッチングして、少なくとも1つの後面ビアホールを形成するステップと、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力伝達のための少なくとも1つの埋め込みパワーレールが形成された半導体基板の後面上に、前記少なくとも1つの埋め込みパワーレールと少なくとも部分的に整列するように少なくとも1つの金属触媒層を形成するステップと、
前記半導体基板にエッチング液を供給して、金属促進ケミカルエッチング(MACE)を用いて前記少なくとも1つの金属触媒層が前記半導体基板の内部に下降しながら、前記少なくとも1つの金属触媒層と前記少なくとも1つの埋め込みパワーレールとの間の前記半導体基板を異方性エッチングして、少なくとも1つの後面ビアホールを形成するステップとを含む、半導体素子の形成方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの後面ビアホールを形成するステップにおいて、前記半導体基板のエッチングは、前記少なくとも1つの埋め込みパワーレール上で少なくとも部分的に停止するように行う、請求項1に記載の半導体素子の形成方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの埋め込みパワーレールは、前記半導体基板の後面上から見たとき、少なくとも上部及び側壁がライナー絶縁層で取り囲まれており、
前記少なくとも1つの後面ビアホールを形成するステップにおいて、前記半導体基板のエッチングは、前記少なくとも1つの金属触媒層が前記ライナー絶縁層と少なくとも部分的に接触しながら停止するように行う、請求項2に記載の半導体素子の形成方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの金属触媒層の直径又は幅は、前記少なくとも1つの埋め込みパワーレールの幅よりも小さいかまたは同一であり、
前記半導体基板の断面から見たとき、前記少なくとも1つの金属触媒層が前記少なくとも1つの埋め込みパワーレールと垂直に整列して離隔配置されるか、または前記少なくとも1つの埋め込みパワーレールの幅内で垂直に離隔配置される、請求項1に記載の半導体素子の形成方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの埋め込みパワーレールは、前記半導体基板に形成された複数の埋め込みパワーレールを含み、
前記少なくとも1つの金属触媒層は、前記半導体基板の後面上に前記複数の埋め込みパワーレールと少なくとも部分的にそれぞれ整列するように形成された複数の金属触媒層を含む、請求項1に記載の半導体素子の形成方法。
【請求項6】
前記半導体基板の後面上に、前記複数の埋め込みパワーレールと少なくとも部分的に整列した開口を有するパッシベーション絶縁層を形成するステップをさらに含み、
前記少なくとも1つの金属触媒層を形成するステップは、前記パッシベーション絶縁層の前記開口内に前記複数の金属触媒層をそれぞれ形成するステップを含む、請求項5に記載の半導体素子の形成方法。
【請求項7】
前記パッシベーション絶縁層を形成するステップは、
前記パッシベーション絶縁層上に前記開口を露出するフォトレジスト層を形成するステップと、
前記フォトレジスト層をエッチング保護層として前記パッシベーション絶縁層をエッチングして前記開口を形成するステップとを含み、
前記少なくとも1つの金属触媒層を形成するステップは、
前記フォトレジスト層が残留した前記パッシベーション絶縁層上に金属触媒層を形成するステップと、
リフトオフ法を用いて前記金属触媒層の前記フォトレジスト層上の一部分を除去して、前記開口内に残留する前記複数の金属触媒層を形成するステップとを含む、請求項6に記載の半導体素子の形成方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの後面ビアホールの底面に下降した前記少なくとも1つの金属触媒層を除去するステップと、
前記少なくとも1つの後面ビアホールの少なくとも側壁上にライナー誘電層を形成するステップと、
前記少なくとも1つの後面ビアホールを埋めるように埋め込み導電層を形成するステップとをさらに含む、請求項1に記載の半導体素子の形成方法。
【請求項9】
前記金属触媒層を除去するステップの後に、前記少なくとも1つの後面ビアホールによって露出された、前記少なくとも1つの埋め込みパワーレール上のライナー絶縁層の少なくとも一部分を除去して、前記少なくとも1つの埋め込みパワーレールを露出するステップをさらに含む、請求項8に記載の半導体素子の形成方法。
【請求項10】
前記ライナー誘電層を形成するステップは、
前記少なくとも1つの後面ビアホールの内面上に前記ライナー誘電層を形成するステップと、
前記少なくとも1つの後面ビアホールの側壁上に前記ライナー誘電層が残留するように、前記少なくとも1つの後面ビアホールの底面上の前記ライナー誘電層を部分的に除去するステップとを含む、請求項8に記載の半導体素子の形成方法。
【請求項11】
前記ライナー誘電層を部分的に除去するステップは、異方性プラズマエッチングを用いる、請求項10に記載の半導体素子の形成方法。
【請求項12】
前記ライナー誘電層が部分的に除去された前記少なくとも1つの後面ビアホールの内面上に、前記少なくとも1つの埋め込みパワーレールと連結されるように拡散防止層を形成するステップをさらに含み、
前記埋め込み導電層は、前記拡散防止層と連結されるように前記少なくとも1つの後面ビアホール内に形成される、請求項10に記載の半導体素子の形成方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの埋め込みパワーレール、前記少なくとも1つの金属触媒層及び前記埋め込み導電層は同じ金属を含む、請求項8に記載の半導体素子の形成方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの埋め込みパワーレール、前記少なくとも1つの金属触媒層及び前記埋め込み導電層はルテニウム(Ru)を含む、請求項13に記載の半導体素子の形成方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの後面ビアホールを形成するステップにおいて、前記エッチング液は、H2O2とHFの混合液を含む、請求項1に記載の半導体素子の形成方法。
【請求項16】
電力伝達のための少なくとも1つの埋め込みパワーレールが形成された半導体基板を搬入又は搬出するための基板インアウトモジュールと、
前記半導体基板の後面上に、前記少なくとも1つの埋め込みパワーレールと少なくとも部分的に整列するように少なくとも1つの金属触媒層を形成するための金属蒸着モジュールと、
前記半導体基板にエッチング液を供給して、金属促進ケミカルエッチング(MACE)を用いて前記少なくとも1つの金属触媒層が前記半導体基板の内部に下降しながら、前記少なくとも1つの金属触媒層と前記少なくとも1つの埋め込みパワーレールとの間の前記半導体基板を異方性エッチングして、少なくとも1つの後面ビアホールを形成するための金属促進ケミカルエッチングモジュールとを含む、半導体素子の形成のための基板処理システム。
【請求項17】
前記少なくとも1つの後面ビアホールの少なくとも側壁上にライナー誘電層を形成するための誘電層蒸着モジュールをさらに含む、請求項16に記載の半導体素子の形成のための基板処理システム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの後面ビアホールの底面に下降した前記少なくとも1つの金属触媒層を除去するための湿式エッチングモジュールをさらに含む、請求項16に記載の半導体素子の形成のための基板処理システム。
【請求項19】
前記金属蒸着モジュールは、前記少なくとも1つの後面ビアホールを埋めるための埋め込み導電層の形成のために用いられる、請求項16に記載の半導体素子の形成のための基板処理システム。
【請求項20】
電力伝達のための少なくとも1つの埋め込みパワーレールが形成された半導体基板の後面上に、前記少なくとも1つの埋め込みパワーレールと少なくとも部分的に整列するように少なくとも1つの金属触媒層を形成するステップと、
前記半導体基板にエッチング液を供給して、金属促進ケミカルエッチング(MACE)を用いて前記少なくとも1つの金属触媒層が前記半導体基板の内部に下降しながら、前記少なくとも1つの金属触媒層の下部の前記半導体基板を異方性エッチングするが、前記少なくとも1つの埋め込みパワーレール上のライナー絶縁層が少なくとも部分的に露出されながら停止するように、前記少なくとも1つの金属触媒層と前記少なくとも1つの埋め込みパワーレールとの間の前記半導体基板をエッチングして、少なくとも1つの後面ビアホールを形成するステップと、
前記少なくとも1つの後面ビアホールの底面に下降した前記少なくとも1つの金属触媒層を除去するステップと、
前記少なくとも1つの後面ビアホールによって露出された、前記少なくとも1つの埋め込みパワーレール上の前記ライナー絶縁層の少なくとも一部分を除去するステップと、
前記少なくとも1つの後面ビアホールの少なくとも側壁上にライナー誘電層を形成するステップと、
前記ライナー誘電層が部分的に除去された前記少なくとも1つの後面ビアホールの内面上に、前記少なくとも1つの埋め込みパワーレールと連結されるように拡散防止層を形成するステップと、
前記少なくとも1つの後面ビアホールを埋めるように埋め込み導電層を形成するステップとを含む、半導体素子の形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体の製造に関し、半導体素子の形成方法及びそのための基板処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子の集積度が高くなるにつれ、半導体素子だけでなく配線構造も複雑になっている。これによって、半導体素子の電力伝達のための配線の抵抗が高くなり、電力伝達過程において配線で電圧降下が占める比重が大きくなっている。そのため、高集積半導体素子において低抵抗電力網の設計が求められている。
【0003】
例えば、半導体基板に埋め込みパワーレールを設置し、この埋め込みパワーレールに電力伝達のための貫通ビア電極を接続する構造が開発されている。通常、このような貫通ビア電極、例えば、貫通基板ビア(through substrate via、TSV)は、レーザ穴あけまたはプラズマエッチングを用いて形成されている。
【0004】
しかし、このような方法は工程コストを上昇させるという問題があり、さらに、プラズマエッチングの場合、基板内にプラズマによるイオン損傷(ion damage)を誘発することがある。そのため、工程コストを低減すると共に、基板の損傷を減少させることができる方法が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前述した問題点を解決するためのものであって、工程コストを低減すると共に、基板の損傷を減少させることができる半導体素子の形成方法及びそのための基板処理システムを提供することを目的とする。しかし、このような課題は例示的なものであって、これによって本発明の範囲が限定されるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術的課題を解決するための本発明の一態様に係る半導体素子の形成方法は、電力伝達のための少なくとも1つの埋め込みパワーレールが形成された半導体基板の後面上に、前記少なくとも1つの埋め込みパワーレールと少なくとも部分的に整列するように少なくとも1つの金属触媒層を形成するステップと、前記半導体基板にエッチング液を供給して、金属促進ケミカルエッチング(MACE)を用いて前記少なくとも1つの金属触媒層が前記半導体基板の内部に下降しながら、前記少なくとも1つの金属触媒層と前記少なくとも1つの埋め込みパワーレールとの間の前記半導体基板を異方性エッチングして、少なくとも1つの後面ビアホールを形成するステップとを含む。
【0007】
前記半導体素子の形成方法によれば、前記少なくとも1つの後面ビアホールを形成するステップにおいて、前記半導体基板のエッチングは、前記少なくとも1つの埋め込みパワーレール上で少なくとも部分的に停止するように行うことができる。
【0008】
前記半導体素子の形成方法によれば、前記少なくとも1つの埋め込みパワーレールは、前記半導体基板の後面上から見たとき、少なくとも上部及び側壁がライナー絶縁層で取り囲まれており、前記少なくとも1つの後面ビアホールを形成するステップにおいて、前記半導体基板のエッチングは、前記少なくとも1つの金属触媒層が前記ライナー絶縁層と少なくとも部分的に接触しながら停止するように行うことができる。
【0009】
前記半導体素子の形成方法によれば、前記少なくとも1つの金属触媒層の直径又は幅は、前記少なくとも1つの埋め込みパワーレールの幅よりも小さいかまたは同一であり、前記半導体基板の断面から見たとき、前記少なくとも1つの金属触媒層が前記少なくとも1つの埋め込みパワーレールと垂直に整列して離隔配置されるか、または前記少なくとも1つの埋め込みパワーレールの幅内で垂直に離隔配置されてもよい。
【0010】
前記半導体素子の形成方法によれば、前記少なくとも1つの埋め込みパワーレールは、前記半導体基板に形成された複数の埋め込みパワーレールを含み、前記少なくとも1つの金属触媒層は、前記半導体基板の後面上に前記複数の埋め込みパワーレールと少なくとも部分的にそれぞれ整列するように形成された複数の金属触媒層を含むことができる。
【0011】
前記半導体素子の形成方法によれば、前記半導体基板の後面上に、前記複数の埋め込みパワーレールと少なくとも部分的に整列した開口を有するパッシベーション絶縁層を形成するステップをさらに含み、前記少なくとも1つの金属触媒層を形成するステップは、前記パッシベーション絶縁層の前記開口内に前記複数の金属触媒層をそれぞれ形成するステップを含むことができる。
【0012】
前記半導体素子の形成方法によれば、前記パッシベーション絶縁層を形成するステップは、前記パッシベーション絶縁層上に前記開口を露出するフォトレジスト層を形成するステップと、前記フォトレジスト層をエッチング保護層として前記パッシベーション絶縁層をエッチングして前記開口を形成するステップとを含み、前記少なくとも1つの金属触媒層を形成するステップは、前記フォトレジスト層が残留した前記パッシベーション絶縁層上に金属触媒層を形成するステップと、リフトオフ法を用いて前記金属触媒層の前記フォトレジスト層上の一部分を除去して、前記開口内に残留する前記複数の金属触媒層を形成するステップとを含むことができる。
【0013】
前記半導体素子の形成方法によれば、前記少なくとも1つの後面ビアホールの底面に下降した前記少なくとも1つの金属触媒層を除去するステップと、前記少なくとも1つの後面ビアホールの少なくとも側壁上にライナー誘電層を形成するステップと、前記少なくとも1つの後面ビアホールを埋めるように埋め込み導電層を形成するステップとをさらに含むことができる。
【0014】
前記半導体素子の形成方法によれば、前記金属触媒層を除去するステップの後に、前記少なくとも1つの後面ビアホールによって露出された、前記少なくとも1つの埋め込みパワーレール上のライナー絶縁層の少なくとも一部分を除去して、前記少なくとも1つの埋め込みパワーレールを露出するステップをさらに含むことができる。
【0015】
前記半導体素子の形成方法によれば、前記ライナー誘電層を形成するステップは、前記少なくとも1つの後面ビアホールの内面上に前記ライナー誘電層を形成するステップと、前記少なくとも1つの後面ビアホールの側壁上に前記ライナー誘電層が残留するように、前記少なくとも1つの後面ビアホールの底面上の前記ライナー誘電層を部分的に除去するステップとを含むことができる。
【0016】
前記半導体素子の形成方法によれば、前記ライナー誘電層を部分的に除去するステップは、異方性プラズマエッチングを用いることができる。
【0017】
前記半導体素子の形成方法によれば、前記ライナー誘電層が部分的に除去された前記少なくとも1つの後面ビアホールの内面上に、前記少なくとも1つの埋め込みパワーレールと連結されるように拡散防止層を形成するステップをさらに含み、前記埋め込み導電層は、前記拡散防止層と連結されるように前記少なくとも1つの後面ビアホール内に形成され得る。
【0018】
前記半導体素子の形成方法によれば、前記少なくとも1つの埋め込みパワーレール、前記少なくとも1つの金属触媒層及び前記埋め込み導電層は同じ金属を含むことができる。
【0019】
前記半導体素子の形成方法によれば、前記少なくとも1つの埋め込みパワーレール、前記少なくとも1つの金属触媒層及び前記埋め込み導電層はルテニウム(Ru)を含むことができる。
【0020】
前記半導体素子の形成方法によれば、前記少なくとも1つの後面ビアホールを形成するステップにおいて、前記エッチング液は、H2O2とHFの混合液を含むことができる。
【0021】
上記技術的課題を解決するための本発明の他の態様に係る基板処理方法は、電力伝達のための少なくとも1つの埋め込みパワーレールが形成された半導体基板の後面上に、前記少なくとも1つの埋め込みパワーレールと少なくとも部分的に整列するように少なくとも1つの金属触媒層を形成するステップと、前記半導体基板にエッチング液を供給して、金属促進ケミカルエッチング(MACE)を用いて前記少なくとも1つの金属触媒層が前記半導体基板の内部に下降しながら、前記少なくとも1つの金属触媒層の下部の前記半導体基板を異方性エッチングするが、前記少なくとも1つの埋め込みパワーレール上のライナー絶縁層が少なくとも部分的に露出されながら停止するように、前記少なくとも1つの金属触媒層と前記少なくとも1つの埋め込みパワーレールとの間の前記半導体基板をエッチングして、少なくとも1つの後面ビアホールを形成するステップと、前記少なくとも1つの後面ビアホールの底面に下降した前記少なくとも1つの金属触媒層を除去するステップと、前記少なくとも1つの後面ビアホールによって露出された、前記少なくとも1つの埋め込みパワーレール上の前記ライナー絶縁層の少なくとも一部分を除去するステップと、前記少なくとも1つの後面ビアホールの少なくとも側壁上にライナー誘電層を形成するステップと、前記ライナー誘電層が部分的に除去された前記少なくとも1つの後面ビアホールの内面上に、前記少なくとも1つの埋め込みパワーレールと連結されるように拡散防止層を形成するステップと、前記少なくとも1つの後面ビアホールを埋めるように埋め込み導電層を形成するステップとを含むことができる。
【0022】
上記技術的課題を解決するための本発明の更に他の態様に係る基板処理システムは、電力伝達のための少なくとも1つの埋め込みパワーレールが形成された半導体基板を搬入又は搬出するための基板インアウトモジュールと、前記半導体基板の後面上に、前記少なくとも1つの埋め込みパワーレールと少なくとも部分的に整列するように少なくとも1つの金属触媒層を形成するための金属蒸着モジュールと、前記半導体基板にエッチング液を供給して、金属促進ケミカルエッチング(MACE)を用いて前記少なくとも1つの金属触媒層が前記半導体基板の内部に下降しながら、前記少なくとも1つの金属触媒層と前記少なくとも1つの埋め込みパワーレールとの間の前記半導体基板を異方性エッチングして、少なくとも1つの後面ビアホールを形成するための金属促進ケミカルエッチングモジュールとを含む。
【0023】
前記基板処理システムによれば、前記少なくとも1つの後面ビアホールの少なくとも側壁上にライナー誘電層を形成するための誘電層蒸着モジュールをさらに含むことができる。
【0024】
前記基板処理システムによれば、前記少なくとも1つの後面ビアホールの底面に下降した前記少なくとも1つの金属触媒層を除去するための湿式エッチングモジュールをさらに含むことができる。
【0025】
前記基板処理システムによれば、前記金属蒸着モジュールは、前記少なくとも1つの後面ビアホールを埋めるための埋め込み導電層の形成のために用いられ得る。
【発明の効果】
【0026】
前記のようになされた本発明の一部の実施例に係る半導体素子の形成方法及びそのための基板処理システムによれば、工程コストを低減すると共に、基板の損傷を減少させることができる。もちろん、このような効果によって本発明の範囲が限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の一実施例に係る半導体素子の形成方法を示す概略的なフローチャートである。
【
図2】本発明の一実施例に係る半導体素子の形成方法を示す断面図である。
【
図3】本発明の一実施例に係る半導体素子の形成方法を示す断面図である。
【
図4】本発明の一実施例に係る半導体素子の形成方法を示す断面図である。
【
図5】本発明の一実施例に係る半導体素子の形成方法を示す断面図である。
【
図6】本発明の一実施例に係る半導体素子の形成方法を示す断面図である。
【
図7】本発明の一実施例に係る半導体素子の形成方法を示す断面図である。
【
図8】本発明の一実施例に係る半導体素子の形成方法を示す断面図である。
【
図9】本発明の一実施例に係る半導体素子の形成方法を示す断面図である。
【
図10】本発明の一実施例に係る半導体素子の形成方法を示す断面図である。
【
図11】本発明の一実施例に係る半導体素子の形成方法を示す断面図である。
【
図12】本発明の一実施例に係る半導体素子の形成方法を示す断面図である。
【
図13】本発明の一実施例に係る半導体素子の形成方法を示す断面図である。
【
図14】本発明の他の実施例に係る半導体素子の形成方法の一部を示す断面図である。
【
図15】本発明の一実施例に係る半導体素子の形成のための基板処理システムを示す概略図である。
【
図16】本発明の他の実施例に係る半導体素子の形成のための基板処理システムを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好ましい様々な実施例を詳細に説明する。
【0029】
本発明の実施例は、当該技術分野における通常の知識を有する者に本発明をさらに完全に説明するために提供されるものであり、下記の実施例は様々な他の形態に変形可能であり、本発明の範囲が下記の実施例に限定されるものではない。むしろ、これらの実施例は、本開示をさらに充実かつ完全にし、当業者に本発明の思想を完全に伝達するために提供されるものである。また、図面において各層の厚さや大きさは、説明の便宜及び明確性のために誇張されたものである。
【0030】
以下、本発明の実施例は、本発明の理想的な実施例を概略的に示す図面を参照して説明する。図面において、例えば、製造技術及び/又は公差(tolerance)によって、図示された形状の変形が予想され得る。したがって、本発明の思想の実施例は、本明細書に図示された領域の特定の形状に制限されたものと解釈されてはならず、例えば、製造上招かれる形状の変化を含まなければならない。
【0031】
図1は、本発明の一実施例に係る半導体素子の形成方法を示す概略的なフローチャートであり、
図2乃至
図13は、本発明の一実施例に係る半導体素子の形成方法を示す断面図である。
【0032】
図1乃至
図5を参照すると、半導体基板105の後面108上に少なくとも1つの金属触媒層140を形成することができる(S10)。例えば、少なくとも1つの金属触媒層140は、半導体基板105の後面108上に、少なくとも1つの埋め込みパワーレール120と少なくとも部分的に整列するように形成されてもよい。
【0033】
半導体基板105は、半導体物質、例えば、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、またはシリコン-ゲルマニウム(Si-Ge)などを含む基板を指すことができる。半導体基板105において半導体物質は単結晶構造を有することができ、さらに、バルク単結晶構造に加えてエピタキシャル層をさらに含むことができる。半導体基板105は、様々な形状を有することができ、例えば、ウエハ形状を有することができる。
【0034】
さらに、半導体基板105には、基準面を表示するために、フラットゾーン、ノッチなどの表示構造が形成され得る。一部の実施例において、半導体基板105は、半導体物質以外に、半導体物質上に形成された積層物構造をさらに含むものとして理解され得る。
図2乃至
図5において、半導体基板105は、その前面106が下に向かい、その後面108が上に向かうようにひっくり返して配置されたものとして理解され得る。
【0035】
図2に示されたように、半導体基板105には素子構造110が形成され得る。素子構造110は、半導体基板105を用いて形成され得、例えば、半導体基板105の前面106に形成されるか、または半導体基板105に一部の構造が形成され、他の構造は半導体基板105の前面106上に積層されて形成されてもよい。
【0036】
一部の実施例において、素子構造110は、能動素子、例えば、電界効果トランジスタ(field effect transistor、FET)、ダイオード(diode)及びバイポーラ接合トランジスタ(bipolar junction transistor、BJT)のうちの1つ以上の集積構造を含むことができる。例えば、電界効果トランジスタ(FET)は、平面型ゲート(planar gate)構造のモスフェット(MOSFET)、リセスゲート(recess gate)構造のモスフェット、ゲートオールアラウンド(gate all around、GAA)構造のモスフェット、フィン(fin)構造のモスフェットなどの様々な構造を有することができる。さらに、素子構造110は、能動素子と共に、受動素子、例えば、抵抗(resistor)、インダクタ(inductor)及びキャパシタ(capacitor)のうちの1つ以上の集積構造をさらに含むこともできる。
【0037】
さらに、素子構造110上には、これらの素子を接続するための多層配線構造がさらに形成され得る。
【0038】
半導体基板105には、少なくとも1つの埋め込みパワーレール120が形成され得る。埋め込みパワーレール120は、素子構造110への電力伝達のために用いられ得る。例えば、素子構造110の駆動のための少なくとも1つの電源端子に埋め込みパワーレール120が接続され得る。
【0039】
素子構造110は複数の能動素子を含むことができ、各能動素子は少なくとも一対の電源端子を含むことができる。例えば、モスフェットは、ドレイン電極に駆動電圧(Vdd)が印加され、ソース電極に基準電圧(Vss)が接続され、ゲート電極にワードライン電圧が印加され得る。少なくとも1つの埋め込みパワーレール120は、能動素子への電力伝達のために半導体基板105に形成された複数の埋め込みパワーレール120を含むことができる。埋め込みパワーレール120の数は、素子構造110の電力伝達端子の数に応じて適宜選択され得る。
【0040】
一部の実施例において、埋め込みパワーレール120は、少なくとも一部分がライナー絶縁層122で取り囲まれるように形成され得る。例えば、半導体基板105の後面108上から見たとき、少なくとも上部及び側壁がライナー絶縁層122で取り囲まれていてもよい。より具体的に説明すると、埋め込みパワーレール120が半導体基板105内に形成される際に、半導体基板105と埋め込みパワーレール120との間の絶縁のために、埋め込みパワーレール120は、全体的にライナー絶縁層122で取り囲まれるように配置され得る。例えば、ライナー絶縁層122は、適切な絶縁物質、例えば、酸化物(oxide)、窒化物(nitride)及び/又は酸窒化物(oxynitride)を含むことができる。
【0041】
埋め込みパワーレール120は、ライナー絶縁層122内の埋め込み導電物質を含むことができる。例えば、埋め込み導電物質は、適切な導電物、例えば、タングステン(W)、ルテニウム(Ru)、金(Au)、白金(Pt)などを含むことができる。さらに、埋め込みパワーレール120は、このような埋め込み導電物質の形成前にライナー絶縁層122上に拡散防止層をさらに形成することができる。一方、拡散防止層も導電物質により形成されるという点で、埋め込み導電物質が拡散防止層を含むものと理解されることもできる。
【0042】
一部の実施例において、埋め込みパワーレール120は、半導体基板105内または半導体基板105上の絶縁層内に形成されてもよい。この場合、この絶縁層の少なくとも一部分がライナー絶縁層122として理解されることもできる。
【0043】
一部の実施例において、半導体基板105は、素子構造110の形成後、その後面108からその厚さを薄くすることができる。例えば、バックグラインディング(back grinding)工程などを通じて半導体基板105の後面が薄くなることができる。これによって、半導体基板105の後面108から埋め込みパワーレール120までの深さは、約1000nm以内、例えば、100~500nmの深さに減らすことができる。
【0044】
以下では、金属触媒層140の形成ステップ(S10)の一実施例についてより具体的に説明する。
【0045】
図2及び
図3を参照すると、半導体基板105の後面108上に、埋め込みパワーレール120と少なくとも部分的に整列した開口134を有するパッシベーション絶縁層130を形成することができる。
【0046】
より具体的に説明すると、
図2に示されたように、半導体基板105の後面108上にパッシベーション絶縁層130を形成することができる。例えば、パッシベーション絶縁層130は、適切な絶縁物質、例えば、酸化物(oxide)、窒化物(nitride)及び/又は酸窒化物(oxynitride)を含むことができる。
【0047】
図3に示されたように、パッシベーション絶縁層130上に開口134を露出するフォトレジスト層132を形成することができる。例えば、パッシベーション絶縁層130上に全体的にフォトレジスト層132を形成した後、露光(exposure)及び現像(develop)工程を用いてフォトレジスト層132をパターニングして開口134の上部を露出することができる。
【0048】
次いで、フォトレジスト層132をエッチング保護層として、パッシベーション絶縁層130をエッチングして開口134を形成することができる。例えば、パッシベーション絶縁層130のエッチングは、乾式エッチング、例えば、プラズマエッチングを用いることができる。
【0049】
図4を参照すると、フォトレジスト層132が残留したパッシベーション絶縁層130上に金属触媒層140を形成することができる。金属触媒層140は、後述するように、金属促進ケミカルエッチング(metal assisted chemical etching、MACE)のための金属触媒を含むことができる。一部の実施例において、金属促進ケミカルエッチング(MACE)は、触媒金属を用いるという点で、触媒促進ケミカルエッチング(catalyst assisted chemical etching)と呼ばれることもできる。
【0050】
例えば、金属触媒層140は、触媒の役割を行う様々な金属を含むことができる。例えば、金属触媒層140は、触媒金属として、ルテニウム(Ru)、タングステン(W)、白金(Pt)、金(Au)などを含むことができる。一部の実施例において、触媒金属として、金(Au)又は銅(Cu)などは深いレベルの不純物を半導体基板105内に残すことがあるため排除され、ルテニウム(Ru)又はタングステン(W)が選択され得る。さらに、触媒金属としてルテニウム(Ru)は、タングステン(W)に比べて比抵抗が低いという利点がある。金属触媒層140は、適切な蒸着法、例えば、化学気相蒸着(chemical vapor deposition、CVD)、原子層蒸着(atomic layer deposition、ALD)などを用いて形成されてもよい。
【0051】
図5を参照すると、リフトオフ(lift off)法を用いて金属触媒層140のフォトレジスト層132上の一部分を除去して、開口134内に残留する複数の金属触媒層140を形成することができる。これによって、金属触媒層140は、パッシベーション絶縁層130の開口134内にそれぞれ形成され得る。
【0052】
金属触媒層140は、半導体基板105の後面108上で埋め込みパワーレール120と少なくとも部分的に整列するように形成されることもできる。金属触媒層140の個数は、後述する埋め込みパワーレール120との連結のための後面ビアホール145の個数に応じて1つ又は複数で適宜選択され得る。
【0053】
一部の実施例において、金属触媒層140の直径又は幅は、埋め込みパワーレール120の幅よりも小さいかまたは同一であってもよい。さらに、半導体基板105の断面から見たとき、金属触媒層140は、埋め込みパワーレール120と垂直にそれぞれ整列して離隔配置されるか、または埋め込みパワーレール120の幅内で垂直に離隔配置されてもよい。このような構造によれば、半導体基板105の後面108上で投影して見たとき、金属触媒層140は、埋め込みパワーレール120の一部分と重なるように配置されるか、または埋め込みパワーレール120内に含まれるように配置され得る。
【0054】
前述によれば、金属触媒層140は、リフトオフ法を用いて比較的低いコストで形成され得る。
【0055】
但し、リフトオフ法では精密な微細パターンを形成することが容易でないという点で、本発明の他の実施例において、精密な微細パターンが必要な場合、金属触媒層140は、リフトオフ法の代わりに、フォトリソグラフィ(photo lithography)法を用いて形成されることもできる。
【0056】
図14は、本発明の他の実施例に係る半導体素子の形成方法の一部を示す断面図である。
【0057】
図14を参照すると、半導体基板105の後面108上に金属触媒層140を形成した後、その上に開口134aを有するフォトレジスト層132aを形成することができる。フォトレジスト層132aは、コーティング工程、露光工程及び現像工程を用いてパターンの形態で形成され得る。次いで、フォトレジスト層132aをエッチング保護膜として用いて金属触媒層140をエッチングして、埋め込みパワーレール120と少なくとも部分的に整列した金属触媒層140を形成することができる。この場合、パッシベーション絶縁層130が省略されてもよい。
【0058】
再び
図1及び
図6を参照すると、金属促進ケミカルエッチング(MACE)を用いて半導体基板105をエッチングして少なくとも1つの後面ビアホール145を形成することができる(S20)。例えば、このステップ(S20)において、少なくとも1つの後面ビアホール145は、半導体基板105にエッチング液を供給して、金属促進ケミカルエッチング(MACE)を用いて少なくとも1つの金属触媒層140が半導体基板105の内部に下降しながら、少なくとも1つの金属触媒層140と少なくとも1つの埋め込みパワーレール120との間の半導体基板105を異方性エッチングして形成され得る。
【0059】
より具体的に説明すると、
図6に示されたように、半導体基板105にエッチング液を供給して金属促進ケミカルエッチング(MACE)を誘導することができる。例えば、エッチング液は、半導体基板105のエッチングのために、酸化剤と酸化物除去剤の混合液を含むことができる。酸化剤としては、HNO
3またはH
2O
2などを含むことができ、酸化物除去剤としては、フッ素(F)または塩素(Cl)化合物、例えば、HFなどを含むことができる。例えば、エッチング液は、液滴の形態で半導体基板105上に提供されるか、または半導体基板105がエッチング液中に浸漬されて半導体基板105にエッチング液が供給されてもよい。
【0060】
通常の湿式エッチング法は等方性エッチングを誘導するが、金属促進ケミカルエッチング(MACE)は、エッチング液を用いる湿式エッチング法の一種として理解され得るが、異方性エッチングを誘導することができる。すなわち、金属触媒層140がない場合、エッチング液による半導体基板105のエッチングは非常に遅く進行し得る。しかし、金属促進ケミカルエッチング(MACE)によれば、金属触媒層140の下部では速い半導体基板105のエッチングが起こりながら金属触媒層140が下降して、異方性エッチングが行われ得る。
【0061】
例えば、半導体基板105上に金属触媒層140がある場合、金属触媒層140から電子の伝達を受けて酸化剤が還元され得る。さらに、金属触媒層140の直下で半導体物質と金属触媒との間で電子の伝達が起こり、酸化剤が供給されて半導体物質が酸化して半導体物質がエッチングされ得る。結果的に、金属促進ケミカルエッチング(MACE)は、還元反応と酸化反応が同時に対をなして起こる一種のマイクロ電池(micro galvanic cell)反応と類似しているといえる。
【0062】
これによって、金属促進ケミカルエッチング(MACE)によれば、金属触媒層140の下部の半導体基板105の局部的エッチングが起こり、その界面で物質の移動が起こり得る。これによって、金属触媒層140の下部の半導体基板105がエッチングされながら、金属触媒層140が半導体基板105の中に浸透して異方性エッチングが誘導され得る。これによって、プラズマ損傷を誘発しないと共に、金属促進ケミカルエッチング(MACE)を用いて複数の後面ビアホール145が形成され得る。
【0063】
一部の実施例において、少なくとも1つの後面ビアホール145を形成するステップ(S20)において、金属促進ケミカルエッチング(MACE)による半導体基板105のエッチングは、少なくとも1つの埋め込みパワーレール120上で少なくとも部分的に停止するように行われ得る。例えば、複数の後面ビアホール145のエッチングは、複数の埋め込みパワーレール120上で少なくとも部分的に停止するようにそれぞれ行われ得る。
【0064】
より具体的に説明すると、後面ビアホール145を形成するステップにおいて、半導体基板105のエッチングは、金属触媒層140がライナー絶縁層122と少なくとも部分的に接触しながら停止するように行われ得る。すなわち、金属促進ケミカルエッチング(MACE)は、金属触媒層140と埋め込みパワーレール120との間の半導体基板105がエッチング完了して、金属触媒層140が埋め込みパワーレール120上のライナー絶縁層122に会いながら自動的に停止することができる。
【0065】
例えば、半導体基板105の断面上で金属触媒層140が埋め込みパワーレール120と全体的に整列された場合、後面ビアホール145は、埋め込みパワーレール120上で埋め込みパワーレール120に整列するように形成され得る。
【0066】
他の例として、半導体基板105の断面上で金属触媒層140が埋め込みパワーレール120内に配置された場合、後面ビアホール145は、埋め込みパワーレール120の幅の範囲内で埋め込みパワーレール120に整列するように形成され得る。この場合、後面ビアホール145のエッチングは、埋め込みパワーレール120上のライナー絶縁層122上で全体的に停止することができ、後面ビアホール145の底面に下降した金属触媒層140の底面はライナー絶縁層122と全体的に接触することができる。
【0067】
一方、一部の実施例において、金属触媒層140が埋め込みパワーレール120と部分的にのみ整列されることも可能である。この場合、後面ビアホール145は、その一部分が埋め込みパワーレール120上のライナー絶縁層122上に繋がり、他の部分は埋め込みパワーレール120の側面に乗って下部に一部繋がり得る。
【0068】
図7を参照すると、後面ビアホール145の底面に下降した金属触媒層140を除去することができる。これによって、後面ビアホール145によって、埋め込みパワーレール120上のライナー絶縁層122が露出され得る。例えば、金属触媒層140は、半導体基板105内のプラズマ損傷を誘発しないように、湿式エッチングまたは化学的乾式エッチングを用いて除去することができる。他の例として、金属触媒層140の厚さが大きくないという点でプラズマエッチングを用いることもできる。
【0069】
図8を参照すると、金属触媒層140を除去した後、後面ビアホール145によって露出された埋め込みパワーレール120上のライナー絶縁層122の少なくとも一部分を除去することができる。これによって、埋め込みパワーレール120が後面ビアホール145によって露出され得る。
【0070】
例えば、ライナー絶縁層122の除去は、半導体基板105内のプラズマ損傷を誘発しないように、湿式エッチングまたは化学的乾式エッチングを用いて除去することができる。他の例として、ライナー絶縁層122の厚さが大きくないという点でプラズマエッチングを用いることもできる。
【0071】
図9及び
図10を参照すると、後面ビアホール145の少なくとも側壁上にライナー誘電層152を形成することができる。例えば、ライナー誘電層152は、酸化物、絶縁物及び酸窒化物の一つまたは複層構造を含むことができる。
【0072】
より具体的に説明すると、
図9に示されたように、後面ビアホール145の少なくとも内面上にライナー誘電層152を形成することができる。次いで、
図10に示されたように、後面ビアホール145の側壁上にライナー誘電層152が残留するように、後面ビアホール145の底面上のライナー誘電層152を部分的に除去することができる。例えば、ライナー誘電層152を部分的に除去するステップは、異方性プラズマエッチングを用いることができる。
【0073】
図1及び
図11乃至
図13を参照すると、少なくとも1つの後面ビアホール145内に埋め込み導電層156を形成することができる(S30)。
【0074】
より具体的に説明すると、
図11に示されたように、ライナー誘電層122が部分的に除去された後面ビアホール145の内面上に、埋め込みパワーレール120と連結されるように拡散防止層154を形成することができる。例えば、拡散防止層154は、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)などの金属あるいは金属窒化物を含むか、またはその積層構造を含むことができる。
【0075】
次いで、
図12に示されたように、後面ビアホール145を少なくとも埋めるように埋め込み導電層156を形成することができる。埋め込み導電層156は、拡散防止層154と連結され得る。例えば、埋め込み導電層156は、適切な金属、例えば、ルテニウム(Ru)、タングステン(W)、銅(Cu)などを含むことができる。
【0076】
次いで、
図13に示されたように、埋め込み導電層156を平坦化しながら複数個に分離することができる。例えば、埋め込み導電層156の平坦化は、化学的機械的研磨法(chemical mechanical polishing、CMP)またはエッチバック(etch back)などを用いることができる。
【0077】
さらに、埋め込み導電層156を平坦化しながら、半導体基板105の後面108上に存在する拡散防止層154の一部分も除去して、拡散防止層154を複数個に分離することができる。
【0078】
これによって、埋め込み導電層156が拡散防止層154を介して埋め込みパワーレール120とそれぞれ接続され得る。埋め込み導電層156は、埋め込みパワーレール120を外部端子と接続させる後面ビア電極として用いられ得る。
【0079】
このような構造によれば、埋め込みパワーレール120を、埋め込み導電層156、すなわち後面ビア電極を用いて外部電力と接続することができる。したがって、埋め込みパワーレール120と外部電力の接続抵抗を大きく低下させることで、配線による電圧降下を低減することができるので電力伝達効率を向上させることができる。
【0080】
前述したように製造された半導体素子100は、半導体基板105、このような半導体基板105に形成された少なくとも1つの埋め込みパワーレール120、及び半導体基板105の後面108を通って埋め込みパワーレール120に接続された埋め込み導電層156を含むことができる。少なくとも1つの埋め込みパワーレール120、例えば、複数の埋め込みパワーレール120は、素子構造110及び素子構造110への電力伝達のために半導体基板105内に形成され得る。埋め込み導電層156、すなわち後面ビア電極は、埋め込みパワーレール120に連結された後面ビアホール145を埋めて形成され得る。
【0081】
以下では、前述した半導体素子100を製造するための装置について説明する。
【0082】
図15は、本発明の一実施例に係る半導体素子の形成のための基板処理システム200を示す概略図である。
【0083】
図15を参照すると、基板処理システム200は、金属蒸着モジュール220、金属促進ケミカルエッチングモジュール235、湿式エッチングモジュール240、及び誘電層蒸着モジュール225のうちの2つ以上を含むことができる。
【0084】
より具体的に説明すると、金属蒸着モジュール220は、半導体基板105の後面108上に、少なくとも1つの埋め込みパワーレール120と少なくとも部分的に整列するように少なくとも1つの金属触媒層140を形成するのに用いることができる。例えば、金属蒸着モジュール220は、金属蒸着のためのスパッタリング(sputtering)装置、化学気相蒸着(CVD)装置、及び原子層蒸着(ALD)装置のうちの1つであってもよい。
【0085】
さらに、金属蒸着モジュール220は、少なくとも1つの後面ビアホール145を埋めるための埋め込み導電層156を形成するのに用いることもできる。この場合、金属蒸着モジュール220内で金属触媒層140と埋め込み導電層156をいずれも形成できるので、基板処理システム200を単純化することができる。さらに、金属触媒層140と埋め込み導電層156が同じ金属である場合、金属蒸着モジュール220において同じ工程により金属触媒層140と埋め込み導電層156を形成することができる。
【0086】
一部の実施例において、埋め込みパワーレール120、金属触媒層140及び埋め込み導電層156のうちの2つ以上または全てが同じ金属である場合、金属蒸着モジュール220において同じ金属が同一または類似の工程により形成されることもできる。例えば、埋め込みパワーレール120、金属触媒層140及び埋め込み導電層156のうちの2つ以上または全ては、ルテニウム(Ru)、タングステン(W)、白金(Pt)、金(Au)、銅(Cu)などを同一に含むことができ、また、深いレベルの不純物を低減させる必要がある場合、ルテニウム(Ru)またはタングステン(W)を同一に含むことができ、さらに、低い比抵抗を考慮する場合、ルテニウム(Ru)を含むことができる。
【0087】
但し、この実施例の変形された形態において、埋め込みパワーレール120、金属触媒層140及び埋め込み導電層156の蒸着を分離する場合、その金属物質は互いに同一でなくてもよい。
【0088】
金属促進ケミカルエッチングモジュール235は、半導体基板105にエッチング液を供給して、金属促進ケミカルエッチング(MACE)を用いて少なくとも1つの金属触媒層140が半導体基板105の内部に下降しながら、少なくとも1つの金属触媒層140と少なくとも1つの埋め込みパワーレール120との間の半導体基板105を異方性エッチングして、少なくとも1つの後面ビアホール145を形成するのに用いることができる。例えば、金属促進ケミカルエッチングモジュール235は、エッチング液を満たすことができるエッチング槽(etch bath)を有する湿式エッチング装置で構成されるか、または半導体基板105上にエッチング液を噴射できるエッチング液噴射装置で構成されてもよい。
【0089】
湿式エッチングモジュール240は、少なくとも1つの後面ビアホール145の底面に下降した少なくとも1つの金属触媒層140を除去するのに用いることができる。さらに、湿式エッチングモジュール240は、半導体基板105を洗浄するのに用いることもできる。
【0090】
一部の実施例において、金属促進ケミカルエッチングモジュール235及び湿式エッチングモジュール240は一つに統一され、金属促進ケミカルエッチング(MACE)と金属触媒層140のエッチング時のエッチング液を異ならせることもできる。
【0091】
誘電層蒸着モジュール225は、少なくとも1つの後面ビアホール145の少なくとも側壁上にライナー誘電層152を形成するのに用いることができる。例えば、誘電層蒸着モジュール225は、化学気相蒸着(CVD)または原子層蒸着(ALD)装置で構成されてもよい。
【0092】
半導体素子100の製造のために、基板処理システム200において、半導体基板105は金属蒸着モジュール220にローディングされ得る。例えば、半導体基板105は、容器50内に収納されて金属蒸着モジュール220のローディングポートに配置され得る。
【0093】
一部の実施例において、容器50としては、前面開放一体式ポッド(Front Open Unified Pod、FOUP)のような密閉用タイプが使用されてもよい。容器50内には複数の半導体基板105、例えばウエハが収納され得る。容器50は、工場内のオーバーヘッドトランスファー(Overhead transfer)、オーバーヘッドコンベア(Overhead conveyor)、または自動案内車両(Automatic guided vehicle)のような移送装置(図示せず)、ロボットまたは作業者によってローディングポートに載置され得る。
【0094】
半導体基板105は、金属蒸着モジュール220にローディングされて金属触媒層140がその後面108上に形成され、金属促進ケミカルエッチングモジュール235に移送されて、その一部分がエッチングされて後面ビアホール145が形成され、湿式エッチングモジュール240に移送されて金属触媒層140がエッチングされ、誘電層蒸着モジュール225に移送されてライナー誘電層152が形成され、金属蒸着モジュール220に移送されて埋め込み導電層156が形成され得る。
【0095】
基板処理システム200によれば、後面ビアホール145及び埋め込み導電層156の形成工程のほとんどが単一のシステム内で行われ得る。
【0096】
図16は、本発明の他の実施例に係る半導体素子の形成のための基板処理システム200aを示す概略図である。基板処理システム200aは、
図15の基板処理システム200において一部の構成を付加又は変形したものであって、互いに参照できるところ、実施例において重複する説明は省略する。
【0097】
図16を参照すると、基板処理システム200aは、基板インアウトモジュール210、金属蒸着モジュール220、金属促進ケミカルエッチングモジュール235、湿式エッチングモジュール240及び誘電層蒸着モジュール225を含むことができる。
【0098】
金属蒸着モジュール220及び誘電層蒸着モジュール225は、真空状態で工程が行われ、金属促進ケミカルエッチングモジュール235及び湿式エッチングモジュール240は、大気状態で工程が行われ得る。基板インアウトモジュール210は、大気状態で容器50がローディング又はアンローディングされ、基板インアウトモジュール210から金属蒸着モジュール220又は誘電層蒸着モジュール225に半導体基板105が移送される際には真空状態に転換され得る。基板インアウトモジュール210は、大気状態で容器50がローディングされ、基板インアウトモジュール210から金属促進ケミカルエッチングモジュール235又は湿式エッチングモジュール240に半導体基板105が移送される際には大気状態を維持することができる。
【0099】
付加的に、第1トランスファーモジュール215が、基板インアウトモジュール210と金属蒸着モジュール220との間、及び基板インアウトモジュール210と誘電層蒸着モジュール225との間にさらに介在していてもよい。第1トランスファーモジュール215内には移送ロボット217が設置され得る。第1トランスファーモジュール215は、真空状態で、基板インアウトモジュール210と金属蒸着モジュール220との間、基板インアウトモジュール210と誘電層蒸着モジュール225との間、または金属蒸着モジュール220と誘電層蒸着モジュール225との間で半導体基板105を移送することができる。
【0100】
付加的に、第2トランスファーモジュール230が、基板インアウトモジュール210と金属促進ケミカルエッチングモジュール235との間、及び基板インアウトモジュール210と湿式エッチングモジュール240との間にさらに介在していてもよい。第2トランスファーモジュール230内には移送ロボット232が設置され得る。第2トランスファーモジュール230は、大気状態で、基板インアウトモジュール210と金属促進ケミカルエッチングモジュール235との間、基板インアウトモジュール210と湿式エッチングモジュール240との間、または金属促進ケミカルエッチングモジュール235と湿式エッチングモジュール240との間で半導体基板105を移送することができる。
【0101】
選択的に、基板インアウトモジュール210内の容器50は、第1トランスファーモジュール215内の移送ロボット217または第2トランスファーモジュール230内の移送ロボット232が接近できるように、第1トランスファーモジュール215あるいは第2トランスファーモジュール230の方向に回転することもできる。
【0102】
選択的に、基板インアウトモジュール210と第1トランスファーモジュール215との間及び/又は基板インアウトモジュール210と第2トランスファーモジュール230との間に、半導体基板105の円滑な移送又は回転などのためにバッファモジュールがさらに付加されてもよい。
【0103】
前述した基板処理システム200,200aによれば、半導体基板105のローディングから、金属触媒層140、ライナー誘電層152及び埋め込み導電層156の形成と、後面ビアホール145の形成のための半導体基板105のエッチング及び金属触媒層140のエッチングなどが、全て同一のシステム内で行われ得る。これによって、蒸着工程及びエッチング工程などを一つの基板処理システム200a内で行うことができるので、容器50の移送を最小化することができ、工程処理時間を短縮することができるので経済性を確保することができる。
【0104】
前述した半導体素子の形成方法及び基板処理システム200,200aにおいて、埋め込みパワーレール120は素子構造110への電力伝達のためのものとして説明された。しかし、前述した実施例の変形された例において、埋め込みパワーレール120は、電力伝達と共にまたは電力伝達以外に信号伝達用として使用されることもできる。したがって、このように埋め込みパワーレール120が信号伝達用として使用される場合、埋め込み導電ラインと呼ばれもする。したがって、前述した説明において埋め込みパワーレール120を埋め込み導電ラインに変更することができ、このような説明を参照して、埋め込み導電ラインに連結されるように、金属促進ケミカルエッチング(MACE)を用いて半導体基板105をエッチングして後面ビアホール145が形成され、その後、埋め込み導電層156を形成するステップまで行われ得る。したがって、前述した半導体素子の形成方法及び基板処理システム200,200aによれば、半導体基板105内に形成された埋め込み導電ラインに接続される後面ビア電極の構造の形成時に、金属促進ケミカルエッチング(MACE)を用いて後面ビアホール145を形成することによって、後面ビアホール145内のプラズマ損傷を抑制すると共に、製造コストを低減することができる。
【0105】
本発明は、図面に示された実施例を参考にして説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、これから様々な変形及び均等な他の実施例が可能であるということが理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的な保護範囲は、添付の特許請求の範囲の技術的思想によって定められなければならない。
【符号の説明】
【0106】
100 半導体素子
105 半導体基板
120 埋め込みパワーレール
140 金属触媒層
145 後面ビアホール
156 埋め込み導電層
200,200a 基板処理システム
220 金属蒸着モジュール
225 誘電層蒸着モジュール
235 金属促進ケミカルエッチングモジュール
240 湿式エッチングモジュール