(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171261
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】CO2に富む流れの冷却のためのプロセス及び装置
(51)【国際特許分類】
F25J 3/02 20060101AFI20231124BHJP
C10L 3/08 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
F25J3/02 Z
C10L3/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023061808
(22)【出願日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】2204833
(32)【優先日】2022-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード-ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】マルタン・ラベントス
(72)【発明者】
【氏名】リシャール・デュベティエ-グルニエ
(72)【発明者】
【氏名】マチュー・ルクレール
(72)【発明者】
【氏名】トマ・モレル
【テーマコード(参考)】
4D047
【Fターム(参考)】
4D047AA07
4D047AB00
4D047CA04
4D047CA07
4D047CA11
4D047CA16
4D047CA19
4D047DA04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】二酸化炭素の冷却、液化を行うプロセスにおいて二酸化炭素を凝固させるリスクを低減することによって既知のプロセスを改善するプロセスを提供する。
【解決手段】二酸化炭素に富む流れ5を冷却媒体である中間流体により冷却し、蒸留塔K1により液体二酸化炭素流7を得るためのプロセスにおいて、第1の熱交換器E1においてメタンに富む流体1を蒸発、気化することにより中間流体へ冷熱が提供されて、少なくとも1つの圧力レベルで少なくとも1つの凝縮された中間流体の流れが形成され、第2の熱交換器E2での二酸化炭素に富む流れとの熱交換により蒸発した中間流体の少なくとも一部は、第1の熱交換器で少なくとも1つの圧力で少なくとも1つの流れへと再度凝縮される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化炭素に富む流れ(5)の冷却、及びオプションで液化、実際には分離さえも行うためのメタンに富む流体、例えば液化天然ガス、からの冷熱の回収のためのプロセスであって、
i.前記二酸化炭素に富む流れは、5bar absよりも大きい、実際には13bar absよりも大きくさえある圧力で、第1の熱交換器(E1)中で、少なくとも部分的に、冷却、及びオプションで凝縮され、
ii.冷熱は、少なくとも1つの圧力レベル、好ましくは単一の圧力レベルでの少なくとも80mol%のエタン又はエチレンを含有する中間流体の蒸発によってステージi)に提供され、
iii.ステージii)で蒸発された前記中間流体の少なくとも一部は、前記メタンに富む流体(1)との熱交換によって、第2の熱交換器(E2)中で、少なくとも1つの圧力で少なくとも1つの流れへと、好ましくは単一の圧力で単一の流れへと凝縮されて、少なくとも1つの凝縮された中間流体の流れを形成し、
iv.前記少なくとも1つの凝縮された中間流体の流れは、ポンプ(P)によって加圧される、プロセスにおいて、
v.前記ポンプによって加圧された前記少なくとも1つの流れ(37)は、前記第2の熱交換器の中間温度まで前記第2の熱交換器中で加熱され、ステージii)に従って蒸発されるように前記第1の熱交換器に送られ、前記中間温度は、前記第2の熱交換器の低温端の温度よりも高く、前記第2の熱交換器の高温端の温度よりも低い温度であることを特徴とする、プロセス。
【請求項2】
前記中間流体の一部は、前記第2の熱交換器(E2)中で第1の圧力で凝縮され、前記中間流体の少なくとも別の一部は、前記第2の熱交換器中で少なくとも前記第1の圧力よりも低い圧力で凝縮される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
少なくとも前記第1の圧力よりも低い前記圧力で凝縮された前記中間流体の前記少なくとも別の一部は、前記ポンプ(P)中で前記第1の圧力まで加圧される、請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
ステージiv)に従って加熱された前記中間流体の前記少なくとも一部は、前記第1の圧力で凝縮された前記中間流体の前記一部と、前記ポンプによって加圧された前記中間流体の少なくとも一部とを備える、請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
前記第2の熱交換器(E2)中の前記中間流体の少なくとも1つの凝縮圧力は、前記第1の熱交換器中の前記中間流体の蒸発圧力よりも、好ましくは少なくとも2barだけ高いか、又は中間流体のいくつかの蒸発圧力があるときは、前記第1の熱交換器中の前記中間流体の前記蒸発圧力のうちの最も高い蒸発圧力よりも高い、請求項1~4のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
前記第1の熱交換器中の前記中間流体の蒸発圧力よりも、又は、中間流体のいくつかの蒸発圧力があるときは、前記蒸発圧力のうちの最も高い蒸発圧力よりも高い圧力で凝縮される蒸発された前記中間流体の前記一部の圧縮は、蒸発された前記中間流体の別の一部を減圧するタービン(T)によって駆動される圧縮器(C)によって実施される、請求項5に記載のプロセス。
【請求項7】
中間流体サイクルは、圧縮器を備えないか、又はモータによって駆動される圧縮器を備えない、請求項1~5のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記第1の熱交換器(E1)中の前記中間流体の蒸発圧力は、3bara~25bara、好ましくは4bara~21baraであり、及び/又は、前記第2の熱交換器(E2)中の前記中間流体の凝縮圧力は、1.05bara~50bara、好ましくは1.3bara~45baraである、請求項1~7のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記中間流体(11)は、85vol%よりも多いエタン、好ましくは90vol%よりも多いエタンを含有する、請求項1~8のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項10】
前記中間流体(11)は、85vol%よりも多いエチレン、好ましくは90vol%よりも多いエチレンを含有する、請求項1~8のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項11】
前記第1の熱交換器(E1)に送られる前記二酸化炭素に富む流れのモル流量に対する中間流体の少なくとも1つのモル流量の比は、1.0~1.5、好ましくは1~1.4である、請求項1~10のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項12】
前記第2の熱交換器に送られるメタンに富むガス(1)、例えばLNGのモル流量に対する中間流体の少なくとも1つのモル流量の比は、0.7~1.0、好ましくは0.75~0.95である、請求項1~11のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項13】
液化されたCO2に富むガスは、-40℃以下、好ましくは-50℃以下の温度で生成される、請求項1~12のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項14】
前記第1の熱交換器(E1)の入口における前記二酸化炭素に富む流れ(5)は、30vol%よりも多いCO2、好ましくは35vol%よりも多いCO2を含有する、請求項1~13のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項15】
前記第1の熱交換器(E1)の前記入口における前記二酸化炭素に富む流れは、90vol%よりも多いCO2、好ましくは95vol%よりも多いCO2を含有する、請求項14に記載のプロセス。
【請求項16】
前記第2の熱交換器(E2)中で加熱又は蒸発されたメタンに富むガスの少なくとも一部は、燃料又は反応物として、水蒸気メタン改質ユニット、自己熱改質ユニット、又は部分酸化ユニットに送られ、CO2に富む流れ(5)は、このユニットによって生成されるか、又はこのユニットからの生成物から導出される、請求項1~15のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項17】
前記二酸化炭素に富む流れの部分凝縮又は蒸留による液化又は分離によって生成されたCO2に富む液体(55)は、前記中間温度まで前記第2の熱交換器中で加熱された前記中間流体の前記少なくとも一部との熱交換によって前記第1の熱交換器(E1)中でサブクールされる、請求項1~16のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項18】
CO2に富む流れ(55)は、少なくとも1つの蒸留塔(K1)中で分離される、請求項1~17のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項19】
前記蒸留塔(K1)の底部から取り出されたCO2に富む液体の一部(57)は、前記中間温度よりも高い温度で前記第1の熱交換器中で蒸発され、前記蒸留塔の底部に戻される、請求項18に記載のプロセス。
【請求項20】
前記第1の熱交換器(E1)中で加熱された前記中間流体の一部(17)は、電気を生成するためにタービン(T)中で減圧される、請求項1~19のうちのいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項21】
二酸化炭素に富む流れ(5)の冷却、及びオプションで液化、実際には分離さえも行うためのメタンに富む流体(1)、例えば液化天然ガス、からの冷熱の回収のための装置であって、
前記装置は、第1の熱交換器(E1)、第2の熱交換器(E2)、第1の熱交換器(E1)中に前記二酸化炭素に富む流れを、少なくとも部分的に、冷却及びオプションで凝縮されるように送るための手段、及び閉鎖された中間流体サイクルを備え、
前記閉鎖された中間流体サイクルが、少なくとも1つの圧力レベル、好ましくは単一の圧力レベルで前記第1の熱交換器中で蒸発されるように、少なくとも80mol%のエタン又はエチレンを含有する中間流体を送るための手段、前記メタンに富む流体(1)との熱交換によって、前記第2の熱交換器(E2)中で、少なくとも1つの圧力で少なくとも1つの流れへと、好ましくは単一の圧力で単一の流れへと凝縮されて、少なくとも1つの凝縮された中間流体の流れを形成するように、蒸発された前記中間流体を送るための手段、及び前記少なくとも1つの凝縮された中間流体の流れを加圧するためのポンプを備える、装置において、
前記第2の熱交換器の中間温度まで加熱されるように、前記ポンプから前記第2の熱交換器に前記流れを送るための手段と、前記第1の熱交換器中に蒸発されるように、少なくとも80mol%のエタン又はエチレンを含有する前記中間流体を送るための手段に接続された手段であって、前記中間温度で前記第2の熱交換器から加熱された前記流れを抽出するための手段とを備え、
前記中間温度は、前記第2の熱交換器の低温端の温度よりも高く、前記第2の熱交換器の高温端の温度よりも低い温度であることを特徴とする、冷熱の回収のための装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CO2に富む流れの冷却のためのプロセス及び装置に関する。冷却、実際には液化さえ行うために必要とされる冷熱の少なくとも一部は、メタンに富む流体の加熱、例えば少なくとも80mol%のメタンを含有する、例えばメタンに富む液体の蒸発、又は濃厚相のメタンに富む流体の疑似蒸発によって提供される。そのような液体の例は、液化天然ガス(LNG)である。冷熱の伝達は、液化ガスからの、例えば液化天然ガスからの冷熱を伝達してCO2に富む流れを液化するために、エタン又はエチレンに富む中間流体を使用することによって実施される。
【0002】
CO2に富む流れは、少なくとも70mol%の二酸化炭素、好ましくは少なくとも90mol%の二酸化炭素、実際には少なくとも95mol%の二酸化炭素さえ備える。
【0003】
二酸化炭素に富む流れの液化は、一般に、必要とされる冷却を提供するために電気を消費する。液化天然ガスは、海水又は別の熱提供物に対して蒸発される。2つのシステムは、液化天然ガスの蒸発が熱を必要とし、二酸化炭素の液化が冷熱源を有することを必要とするので、相補的要件を有する。このことから、2つのシステムを統合する可能性を調査することが有利である。
【背景技術】
【0004】
原則として、冷媒として利用可能なLNGの量は「無制限」であるので、CO2が超臨界圧へと圧縮され、高密度化され、次いでストリッピング塔へと減圧される液化によって必要とされる液化エネルギーと比較して、液化エネルギーを最小限に抑えるために、かなり低い圧力でCO2を凝縮することが可能なはずである。他方では、非常に低い液化圧力を選ぶことは、ストリッピング塔中の温度のプロファイルが制限されるので、液化プロセスのCO2収率を制限する可能性がある。
【0005】
冷媒としてのLNG(典型的には-160℃~-145℃で利用可能)とCO2との間の熱の直接交換の使用は、CO2の凝固のリスクにより想定することができない。これは、中間流体がLNGからの冷熱をCO2に伝えるために使用されなければならないことを意味する。これは、2つの方法で実施することができる:
a)専ら中間流体の顕熱の形態でLNGからの冷熱を伝えること(この場合、後者は気体窒素、液体HFOであり得る)、
b)中間流体の顕熱及び潜熱を通してLNGからの冷熱を伝えること。
【0006】
選択肢a)の欠点は、熱交換器中の凝縮するCO2及び中間流体のエンタルピー/温度プロファイル間の不適合性である(熱の大部分は、一定温度でCO2によって生成され、それに対して、中間流体の温度は、その流量及びその比熱に従って一定の割合で増大する)。この障害は、例えば、中間流体の流量を増大させることによって、及び/又は臨界圧に近づき、実際にはそれを越えさえするために、CO2の圧力を増大させることによって回避することができる。どちらの解決策も、エネルギーを増大させることを必要とし、このことから、これらの解決策は、あまり魅力的ではない。
【0007】
FR 2 869 404、JP2004069215、及びJPH04148182から、冷却剤サイクルを使用することによって、二酸化炭素を凝縮させるために、蒸発するLNGの流れからの冷熱を使用することが知られており、ここで、冷却剤は、エタンである。
【0008】
JPH04-131688は、LNGの流れからの冷熱を液化されるCO2の流れに伝達する中間流体の閉鎖されたサイクルについて記載しており、ここで、サイクルは、中間流体を加圧するためにポンプを備える。使用される流体は、Freon(登録商標)である。
【0009】
FR 2 869 404は、LNGの流れからの冷熱を液化されるCO2の流れに伝達する中間流体の閉鎖されたサイクルについて記載しており、ここで、中間流体は、CO2に対して蒸発し、LNGに対して液化するエタンである。中間流体の圧力は一定である。
【0010】
冷熱の大部分は、CO2の液化の冷熱よりも低い温度で利用可能であるので、少なくとも熱力学の観点から、プロセスをゼロエネルギーコストと、実際にはエネルギーの生成とさえ統合することが可能なはずである。実際の文脈では、(例えば、タービンによって駆動されない圧縮を伴わずに、ポンプのみを使用することによる)限られたエネルギー消費のみを有し、小型の多流体熱交換器(例えば、ろう付けアルミニウムで作られたプレートアンドフィン型熱交換器)の使用と適合する統合の形態が求められる。理想的には、プロセスは、別個の加熱手段でLNGを加熱する必要なく、LNGを天然ガス供給網に注入するか、又は顧客に供給するために、LNGが周囲温度まで加熱されることを可能にするべきである。
【0011】
本発明は、二酸化炭素の冷却、実際には液化さえ行うプロセスにおいて二酸化炭素を凝固させるリスクを低減することによって既知のプロセスを改善することを対象とする。
【0012】
それは、メタンも備える可能性がある、エタン及び/又はエチレンから主に成るLNGから冷熱を回収するために中間流体を使用する。この流体は、C2流体として指定されるであろう。この流体は、好ましくは、少なくとも90mol%のエタン又はエチレンを含有する。
【0013】
この中間流体は、好ましくは、-60℃未満の温度まで下がった冷熱を回収することを可能にする。
【0014】
専用熱交換器(「LNG熱交換器」と呼ばれる)が、中間流体と、液体形態又は濃厚相のメタンに富む液体、例えば液化天然ガスLNGとの間で熱を交換するために使用される。LNGは、凝縮するC2流体に対して(その圧力に従って)加熱又は蒸発され、熱交換器の流体間の温度差を制限するために、単一のパスにおいて、又は異なる圧力(Pc1、Pc2、PcN、ここで、Nは、典型的には2~4である)での並行動作における複数のパスにおいて、-50℃未満の温度まで冷却される。LNG熱交換器は、典型的には、ろう付けアルミニウム又はステンレス鋼で作られたプレートアンドフィン型熱交換器、シェルアンドチューブ型熱交換器、又はプリント回路熱交換器であろう。
【0015】
多流体熱交換器が使用される場合、C2流体の流れは、好ましくは、熱交換器中のLNGの入口温度を上回る2~10Kの温度までサブクールされる。同じ熱交換器の低温端において、全てのサブクールされたC2流体は、オプションで少なくとも1つのポンプを使用して、圧力P1で混合され、圧力P1で混合された流れのバブルポイントを下回る2~5Kの温度まで同じ熱交換器の別の通路中で加熱される。-60℃に近いC2流体のサブクーリングは、単に熱交換器中の温度差を制限する手段である。
【0016】
圧力P1のC2流体の結果として得られる流れは、その後加熱され、凝縮するCO2に対して蒸発され、CO2は、理想的には、いくつかの流体について別の熱交換器中で10~16baraの単一の圧力であり、C2流体は、単一圧力で、又は2つの圧力P1及びP2<P1で並行に、のうちのいずれかでこの熱交換器を横断する。2つの蒸発圧力が使用される場合、P2は、典型的には、およそ-55℃のC2流体のバブルポイントに対応するはずである。この場合、P1で蒸発されたC2流体の流量は、P2で蒸発されたC2流体の流量よりも遙かに少なく(例えば、25~35倍少ない)、後者は、CO2の凝縮に関連する冷却の大部分を提供し、前者は、CO2のサブクーリングとCO2蒸留塔についての還流の生成とに関連する冷却の大部分を提供する。
【0017】
CO2が凝縮する熱交換器の高温端で得られる、P1で蒸発されたC2流体(又はP1及びP2で蒸発された流体)は、LNG熱交換器のために選ばれた凝縮圧力Pc1、Pc2、PcNで必要とされる流量を生成するように設計されなければならない。2つの異なる圧力で利用可能な2つの流れから始まって、圧力値Pc1、Pc2、PcNで、及び特定の流量でN個の流れを形成する必要がある。これは、少なくとも1つの流れを圧縮すること、及び/又は少なくとも1つの流れを減圧することを仮定する。元の流れの圧力を上げることが重要である(即ち、特にタービン中の別の流れの減圧によって駆動することができない場合に、圧縮を最小限に抑えることによって)。
【0018】
理想的には、凝縮圧力Pc1、Pc2、PcNのうちの1つのみが、P1よりも大きい。このような目的のもと、P1のガス状C2流体の一部は、凝縮圧力のうちの最も高い圧力まで遠心圧縮器によって圧縮される。他の凝縮圧力のC2流体は、少なくとも1つの弁JT及び遠心タービン中のC2流体の残りの部分を減圧することによって得られる。適切な圧力及び流量を選ぶことによって、タービンが圧縮器を駆動することが可能であり、そのため、唯一のエネルギー消費は、ポンプのエネルギー消費である。
【0019】
LNG熱交換器を通過する異なる圧力のC2流体の流量の数は、C2流体の組成及び使用される熱交換器のタイプに応じて選ばれる。一般論として、流れの数が多いほど、流体間の温度差が小さくなり、そのため、加熱を、例えば、ろう付けアルミニウムで作られたプレートアンドフィン型熱交換器中で実施することができる。
【0020】
CN105545390A及びJP H04 121573Aは、請求項1の前提部によるプロセスについて記載している。
【0021】
本発明の目的は、プロセスの効率を増大させるために、熱交換器のうちの1つの低温端における温度差を制限することである。
【発明の概要】
【0022】
本発明の主題によると、二酸化炭素に富む流れの冷却及びオプションで液化、実際には分離さえ行うためのメタンに富む流体、例えば液化天然ガスからの冷熱の回収のためのプロセスが提供され、
i.二酸化炭素に富む流れは、5bar absよりも大きい、実際には13bar absよりも大きくさえある圧力で第1の熱交換器中で、少なくとも部分的に、冷却及びオプションで凝縮され、
ii.冷熱は、少なくとも1つの圧力レベル、好ましくは単一の圧力レベルでの少なくとも80mol%のエタン又はエチレンを含有する中間流体の蒸発によってステージi)に提供され、
iii.ステージii)で蒸発された中間流体の少なくとも一部は、メタンに富む流体との熱交換によって、第2の熱交換器中で、少なくとも1つの圧力で少なくとも1つの流れへと、好ましくは単一の圧力で単一の流れへと凝縮されて、少なくとも1つの凝縮された中間流体の流れを形成し、
iv.少なくとも1つの凝縮された中間流体の流れは、ポンプによって加圧される、プロセスにおいて、
v.ポンプによって加圧された少なくとも1つの流れは、熱交換器の中間温度まで第2の熱交換器中で加熱され、ステージii)に従って蒸発されるように第1の熱交換器に送られ、中間温度は、第2の熱交換器の低温端の温度よりも高く、第2の熱交換器の高温端の温度よりも低い温度であることを特徴とする。
【0023】
本発明の他の任意選択の態様によると、
・メタンに富む流体は、気体又は液体であり、
・中間流体の一部は、第2の熱交換器中で第1の圧力で凝縮され、中間流体の少なくとも別の一部は、第2の熱交換器中で少なくとも第1の圧力よりも低い圧力で凝縮され、
・少なくとも第1の圧力よりも低い圧力で凝縮された中間流体の少なくとも別の一部は、ポンプ中で第1の圧力まで加圧され、
・ステージiv)に従って加熱された中間流体の少なくとも一部は、第1の圧力で凝縮された中間流体の一部と、ポンプによって加圧された中間流体の少なくとも一部とを備え、
・第2の熱交換器中の中間流体の少なくとも1つの凝縮圧力は、第1の熱交換器中の中間流体の蒸発圧力よりも、好ましくは少なくとも2barだけ高いか、又は中間流体のいくつかの蒸発圧力があるときは、第1の熱交換器中の中間流体の蒸発圧力のうちの最も高い蒸発圧力よりも高く、
・第1の熱交換器中の中間流体の蒸発圧力よりも、又は、中間流体のいくつかの蒸発圧力があるときは、蒸発圧力のうちの最も高い蒸発圧力よりも高い圧力で凝縮される蒸発された中間流体の一部の圧縮は、蒸発された中間流体の別の一部を減圧するタービンによって駆動される圧縮器によって実施され、
・中間流体サイクルは、圧縮器を備えないか、又はモータによって駆動される圧縮器を備えず、
・第1の熱交換器中の中間流体の蒸発圧力は、3bara~25bara、好ましくは4bara~21baraであり、及び/又は、第2の熱交換器中の中間流体の凝縮圧力は、1.05bara~50bara、好ましくは1.3bara~45baraであり、
・中間流体は、85vol%よりも多いエタン、好ましくは90vol%よりも多いエタンを含有し、
・中間流体は、85vol%よりも多いエチレン、好ましくは90vol%よりも多いエチレンを含有し、
・第1の熱交換器に送られる二酸化炭素に富む流れのモル流量に対する中間流体の少なくとも1つのモル流量の比は、1.0~1.5、好ましくは1~1.4であり、
・第2の熱交換器に送られるメタンに富むガス、例えばLNGのモル流量に対する中間流体の少なくとも1つのモル流量の比は、0.7~1.0、好ましくは0.75~0.95であり、
・液化されたCO2に富むガスは、-40℃以下、好ましくは-50℃以下の温度で生成され、
・第1の熱交換器の入口における二酸化炭素に富む流れは、30vol%よりも多いCO2、好ましくは35vol%よりも多いCO2を含有し、
・第1の熱交換器の入口における二酸化炭素に富む流れは、90vol%よりも多いCO2、好ましくは95vol%よりも多いCO2を含有し、
・第2の熱交換器中で加熱又は蒸発されたメタンに富むガスの少なくとも一部は、燃料又は反応物として、水蒸気メタン改質ユニット、自己熱改質ユニット、又は部分酸化ユニットに送られ、CO2に富む流れは、このユニットによって生成されるか、又はこのユニットからの生成物から導出され、
・二酸化炭素に富む流れの部分凝縮又は蒸留による液化又は分離によって生成されたCO2に富む液体は、中間温度まで第2の熱交換器中で加熱された中間流体の少なくとも一部との熱交換によって第1の熱交換器中でサブクールされ、
・二酸化炭素に富む流れの蒸留又は凝縮による液化又は分離によって生成されたCO2に富む液体は、中間温度まで第2の熱交換器中で加熱された中間流体の少なくとも一部との熱交換によって第1の熱交換器中でサブクールされ、
・CO2に富む流れは、少なくとも1つの蒸留塔中で分離され、
・蒸留塔の底部から取り出されたCO2に富む液体の一部は、中間温度よりも高い温度で第1の熱交換器中で蒸発され、蒸留塔の底部に戻され、
・第1の熱交換器中で加熱された中間流体の一部は、電気を生成するためにタービン中で減圧される。
【0024】
本発明の別の主題によると、二酸化炭素に富む流れの冷却及びオプションで液化、実際には分離さえ行うためのメタンに富む流体、例えば液化天然ガスからの冷熱の回収のための装置が提供され、装置は、第1の熱交換器、第2の熱交換器、第1の熱交換器中に二酸化炭素に富む流れを、少なくとも部分的に、冷却及びオプションで凝縮されるように送るための手段、閉鎖された中間流体サイクルを備え、閉鎖された中間流体サイクルは、少なくとも1つの圧力レベル、好ましくは単一の圧力レベルで第1の熱交換器中で蒸発されるように、少なくとも80mol%のエタン又はエチレンを含有する中間流体を送るための手段、メタンに富む流体との熱交換によって、第2の熱交換器中で、少なくとも1つの圧力で少なくとも1つの流れへと、好ましくは単一の圧力で単一の流れへと凝縮されて、少なくとも1つの凝縮された中間流体の流れを形成するように、蒸発された流体を送るための手段、少なくとも1つの凝縮された中間流体の流れを加圧するためのポンプを備える、装置において、熱交換器の中間温度まで加熱されるように、ポンプから第2の熱交換器に流れを送るための手段と、第1の熱交換器中に蒸発されるように、少なくとも80mol%のエタン又はエチレンを含有する中間流体を送るための手段に接続された、中間温度で第2の熱交換器から加熱された流れを抽出するための手段とを備え、中間温度は、第2の熱交換器の低温端の温度よりも高く、第2の熱交換器の高温端の温度よりも低い温度であることを特徴とする。
【0025】
本発明を、図を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】サイクルを使用する、メタンに富む液体、例えばLNGとの熱交換によるCO
2の凝縮のためのプロセスを表し、その流体は、100%エタンである。
【
図2】サイクルを使用する、メタンに富む液体、例えばLNGとの熱交換によるCO
2の凝縮のためのプロセスを表し、その流体は、100%エチレンである。
【
図3】サイクルを使用する、メタンに富む液体、例えばLNGとの熱交換によるCO
2の凝縮のためのプロセスを表し、その流体は、93.5mol%エタンであり、6.5mol%メタンである。
【
図4】サイクルを使用する、メタンに富む液体、例えばLNGとの熱交換によるCO
2の凝縮のためのプロセスを表し、その流体は、6~7%のメタンを有するエチレンである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、サイクルを使用する、メタンに富む液体、例えばLNGとの熱交換によるCO
2の凝縮のためのプロセスを表し、その流体は、100%エタンであり、流体の2つの流量が、2つの異なる凝縮圧力で熱交換器中で凝縮する。液化天然ガス(LNG)1の流れは、熱交換器E2の低温端に送られ、熱交換器E2は、プレートアンドフィン型熱交換器又はプリント回路熱交換器であり得る。液化天然ガスは、熱交換器E2中で蒸発及び加熱されて、高温端から出る天然ガス3を、好ましくは0℃を上回る温度、例えば周囲温度で生成する。流体1は、気体又は液体であり得る。
【0028】
熱交換器E2では、2つのC2流、この事例ではエタン19、21が冷却され、流れ21は、流れ19よりも低い圧力である。流れ21は、完全に凝縮されながら熱交換器E1を高温端から低温端へと通過する。凝縮された流れは、ドラムSへと送られる。ドラムSからの液体23は、ポンプPによって加圧され、凝縮し且つ弁中で減圧された流れ19と混合される。形成された流れ11は、熱交換器の中間温度、即ち、熱交換器の低温端の温度と高温端の温度との間の温度まで熱交換器E1中でサブクール解除され、従って加熱される。
【0029】
流れ11は、断熱パイプ中で、又は熱交換器E2及びCO2液化器に共通の断熱コールドボックスを通過することによって、のうちのいずれかで、CO2液化器に送られる。流れ11は2つに分割され、2つの部分13、15はそれぞれの弁中で減圧され、低温端から高温端へと通過する際に熱交換器E1中で加熱される。加熱後、流れ15は、2つに分割されて、流れ19、17を形成する。流れ19は、圧縮器C中で圧縮され、冷却器(例示せず)中で冷却され、冷却器の出口圧力で熱交換器E2に送られる。流れ17は、圧縮器Cを駆動するタービンT中で圧力P1から減圧され、流れ13と混合されて流れ21を形成し、流れ21は熱交換器E2に入る。
【0030】
10~16baraの二酸化炭素に富む流れ5は、2つの部分51、53に分割される。流れ53は、熱交換器E1を完全に通過し、蒸留塔K1の塔頂還流として送られ、熱交換器E1中で凝縮される。他方の部分51は、部分53と同じ圧力で熱交換器E1中で冷却されるが、高温端の温度と低温端の温度との中間の温度で熱交換器E1から出る。部分51は、その後、塔K1に送られる。
【0031】
塔K1の再沸騰は、塔K1から二酸化炭素が富化された塔底液体55の一部57を取り出すことによって提供される。塔底液体55は、流れ51の出口点よりも高温である熱交換器E1の中間レベルに送られる。一部57は蒸発され、加熱され、ガスとして塔K1の底部に戻される。液体55の残りの部分7は、中間流体11との熱交換によって熱交換器E1中でサブクールされ、プロセスの生成物である液体二酸化炭素を形成する。塔K1からの塔頂ガス9は、低温端から高温端まで熱交換器E1中で加熱され、システムから出る。このガス9は、窒素、水素、一酸化炭素などの軽い不純物が富化されている。
【0032】
第2の熱交換器E2中の中間流体の流れ19の凝縮圧力は、第1の熱交換器E1中の中間流体の蒸発圧力のうち最も高い圧力よりも、好ましくは少なくとも2barだけ高い。
【0033】
図2は、サイクルを使用する、メタンに富む液体、例えばLNGとの熱交換によるCO
2の凝縮のためのプロセスを表し、そのC
2流体は、100%エチレンである。CO
2液化器の詳細は与えられないが、液化のために、
図1のプロセスと同一又は類似のプロセスを使用することができる。
【0034】
この事例では、C2流体は、二酸化炭素に富むガスを凝縮するために、熱交換器E2中で2つの異なる圧力で蒸発させられる。熱交換器E1の高温端で取り出されたガス15は、2つに分割される。部分45は、圧縮器中で圧縮され、熱交換器E3中で冷却され、その後LNGに対して熱交換器E2中で凝縮される。ガス15の残りの部分25は、3つに分割され、1つの部分29は、ガス13と混合されてガス43を形成し、ガス43は、圧縮器を駆動するタービン中で減圧され、その後、完全に凝縮されるように熱交換器E2に送られて、ドラムSに送られる液体流47を形成する。
【0035】
ガス25の別の部分27は減圧され、次いで熱交換器E2に送られ、そこで凝縮され、サブクールされ、次いでサブクールされた液体47と混合される。
【0036】
ガス25の別の部分41は減圧され、次いで熱交換器E2に送られ、そこで凝縮され、サブクールされ、次いで液体47と混合される。
【0037】
このことから、流体C2、この事例ではエチレンは、熱交換器E2中で4つの異なる圧力で凝縮されることが分かる。
【0038】
熱交換器E2は、流れ45の圧縮の下流に冷却器があるので、例えばろう付けアルミニウムで作られたプレートアンドフィン型熱交換器であり得る。タービンは、圧力P2のC2流体、この事例ではエチレンの流れを供給される。
【0039】
熱交換器E3は、熱交換器E2の高温出口で取り出される蒸発されたLNGの流れ1Aによって冷却される。
【0040】
第2の熱交換器中の中間流体の流れ45の凝縮圧力は、第1の熱交換器中の中間流体の蒸発圧力のうち最も高い圧力よりも、好ましくは少なくとも2barだけ高い。
【0041】
図3は、サイクルを使用するLNGとの熱交換によるCO
2の凝縮のためのプロセスを表し、そのC
2流体は、93.5mol%エタンであり、6.5mol%メタンである。CO
2液化器の詳細は与えられないが、液化のために、
図1のプロセスと同一又は類似のプロセスを使用することができる。
【0042】
この事例、C2流体は、二酸化炭素に富むガスを凝縮するために、熱交換器E1中で2つの異なる圧力で蒸発させられる。熱交換器E1の高温端で取り出されたガス15は、2つに分割される。部分33は、圧縮器C中で圧縮され、熱交換器E3中で冷却され、その後LNGに対して熱交換器E2中で凝縮される。ガス15の残りの部分25は、2つに分割され、1つの部分29は、ガス13と混合されてガス43を形成し、ガス43は、圧縮器Cを駆動するタービンT中で減圧され、その後、完全に凝縮されるように熱交換器E2に送られて、ドラムSに送られる液体流35を形成する。
【0043】
ガス25の他方の部分27は、弁中で減圧され、次いで熱交換器E2に送られ、そこで凝縮され、次いでドラムSの上流で、サブクールされた流れ35と混合される。
【0044】
熱交換器E3は、熱交換器E2の高温出口で取り出される蒸発されたLNGの流れ1Aによって冷却される。
【0045】
熱交換器E2は、流れ33の圧縮の下流に冷却器E3があるので、例えばろう付けアルミニウムで作られたプレートアンドフィン型熱交換器であり得る。タービンは、圧力P2のC2流体の流れを供給される。
【0046】
第2の熱交換器中の中間流体の流れ33の凝縮圧力は、第1の熱交換器中の中間流体の蒸発圧力のうち最も高い圧力よりも、好ましくは少なくとも2barだけ高い。
【0047】
図4は、サイクルを使用する、メタンに富む液体、例えばLNGとの熱交換によるCO
2の凝縮のためのプロセスを表し、その流体は、93mol%エチレンであり、7mol%メタンであり、流体の単一の流れが、熱交換器E2中で凝縮する。液化天然ガス(LNG)1の流れは、熱交換器E2の低温端に送られ、熱交換器E2は、プレートアンドフィン型熱交換器又はプリント回路熱交換器であり得る。液化天然ガスは、熱交換器E2中で蒸発及び加熱されて、高温端から出る天然ガス3を、好ましくは0℃を上回る温度、例えば周囲温度で生成する。
【0048】
C2流21は、熱交換器E2中で冷却される。流れ21は、完全に凝縮され、サブクールされながら、熱交換器E1を高温端から低温端へと通過する。サブクールされた流れは、ドラムS中で分離される。ドラムSからのガス25は、熱交換器E2の入口において流れ21に再合流する。ドラムからの液体23は、ポンプPによって加圧される。ポンピングされた流れ11は、熱交換器の中間温度まで熱交換器E2中でサブクール解除され、従って加熱される。
【0049】
流れ11は、断熱パイプ中で、又は熱交換器E2及びCO2液化器に共通の断熱コールドボックスを通過することによって、のうちのいずれかで、CO2液化器に送られる。流れ11は、流れ13となり、低温端から高温端へと通過する間に熱交換器E1中で加熱される。加熱後、流れ13は、例えば60℃まで再び加熱され、熱交換器E2に加熱器Rの出口圧力で送られる。流れは、熱交換器E2に入る。
【0050】
最初に、流れ12は、中間流体が加熱器によって加熱されることを可能にするために、熱交換器E1を短絡する。
【0051】
10~16baraの二酸化炭素に富む流れ5は、2つの部分51、53に分割される。流れ53は、熱交換器E1を完全に通過し、蒸留塔K1の塔頂還流として送られ、熱交換器E1中で凝縮される。他方の部分51は、部分53と同じ圧力で熱交換器E1中で冷却されるが、高温端の温度と低温端の温度との中間の温度で熱交換器E1から出る。部分51は、その後、塔K1に送られる。
【0052】
塔K1の再沸騰は、塔K1から二酸化炭素が富化された塔底液体55の一部57を取り出すことによって提供される。塔底液体55は、流れ51の出口点よりも高温である熱交換器E1の中間レベルに送られる。一部57は蒸発され、加熱され、ガスとして塔K1の底部に戻される。液体55の残りの部分7は、中間流体11との熱交換によって熱交換器E1中でサブクールされ、プロセスの生成物である液体二酸化炭素を形成する。塔K1からの塔頂ガス9は、低温端から高温端まで熱交換器E1中で加熱され、システムから出る。このガス9は、窒素、水素、一酸化炭素などの軽い不純物が富化されている。
【0053】
第2の熱交換器中の中間流体の流れ19の凝縮圧力は、損失水頭だけ、第1の熱交換器中の中間流体の蒸発圧力のうちの最も高い蒸発圧力とは異なる。中間流体サイクルは、圧縮(ポンプの加圧は別として)もタービン中の減圧も備えない。ポンプPは、圧力降下を補償するためだけに使用される。
【0054】
図1、
図2、
図3、及び
図4は、それぞれ、熱交換器E2の上流にドラムS中で生成されたガスを搬送するためのパイプを備えることができる。このガスは、ドラムに熱が入ることから生じ、ガスは、含有する液体のごく一部を蒸発させる。形成されたガス25は、ドラムSから送られ、ガス21に再合流する。
【外国語明細書】