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特開2023-171276緑茶由来の乳酸菌を含む肝機能改善用組成物
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  • 特開-緑茶由来の乳酸菌を含む肝機能改善用組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171276
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】緑茶由来の乳酸菌を含む肝機能改善用組成物
(51)【国際特許分類】
   C12N 1/20 20060101AFI20231124BHJP
   A23L 33/135 20160101ALI20231124BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20231124BHJP
   A61K 35/747 20150101ALI20231124BHJP
   A61P 39/06 20060101ALI20231124BHJP
   A61K 36/82 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
C12N1/20 E
C12N1/20 A
A23L33/135
A61P1/16
A61K35/747
A61P39/06
A61K36/82
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074401
(22)【出願日】2023-04-28
(31)【優先権主張番号】10-2022-0060804
(32)【優先日】2022-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】506213681
【氏名又は名称】アモーレパシフィック コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】AMOREPACIFIC CORPORATION
【住所又は居所原語表記】100, Hangang-daero, Yongsan-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョン, ヒョン ウ
(72)【発明者】
【氏名】チョ, ドンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】キム, ワンキ
(72)【発明者】
【氏名】ノ, ジョン ファ
【テーマコード(参考)】
4B018
4B065
4C087
4C088
【Fターム(参考)】
4B018LB09
4B018LE01
4B018LE02
4B018LE03
4B018LE05
4B018MD86
4B018ME04
4B065AA01X
4B065BA22
4B065BD01
4B065CA44
4B065CA56
4C087AA01
4C087AA02
4C087BC56
4C087CA09
4C087CA10
4C087CA11
4C087MA52
4C087NA14
4C087ZA75
4C088AB45
4C088CA25
4C088MA52
4C088NA14
4C088ZA75
(57)【要約】
【課題】肝機能改善用組成物を提供すること。
【解決手段】本発明の肝機能改善用組成物は、緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum)菌株;前記菌株の培養物;前記菌株の破砕物;前記菌株の抽出物;前記培養物の抽出物;又は前記破砕物の抽出物を有効成分として含む。一側面において、本発明の有効成分である緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルム菌株;前記菌株の培養物;前記菌株の破砕物;前記菌株の抽出物;前記培養物の抽出物;又は前記破砕物の抽出物は、肝細胞内脂肪の蓄積を抑制し且つ肝細胞内酸化ストレスを抑制して、脂肪肝を予防することができ且つ肝機能を改善することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum)菌株;
前記菌株の培養物;
前記菌株の破砕物;
前記菌株の抽出物;
前記培養物の抽出物;
又は前記破砕物の抽出物を有効成分として含む、肝機能改善用組成物。
【請求項2】
前記菌株は、ラクチプランチバチルス・プランタルムAPsulloc 331261(寄託番号:KCCM11179P)である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記肝機能改善は、脂肪肝の予防、改善又は治療を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記脂肪肝は、アルコール性脂肪肝及び非アルコール性脂肪肝の一方以上を含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
当該組成物は、肝細胞内脂肪蓄積を抑制する、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
当該組成物は、肝細胞内酸化ストレスを抑制する、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記菌株は死菌である、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
当該組成物は経口投与される、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
当該組成物は食品組成物である、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
当該組成物は薬学組成物である、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、肝機能改善用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
肝臓は、人体の中で最も大きな臓器であって、その主な機能は体外から流入した又は体内で生成された各種の物質を加工処理し、重要な物質を合成及び供給することである。また、血液の中には体内で重要な役割をする種々のタンパク質が含まれており、これらの約90%は肝臓で作られる。その他、肝臓は解毒作用及び免疫器官の役割などをし、体内に入ってきた各種の薬物や有害な物質は肝臓で害の少ない物質に変えられて、小便又は胆嚢汁を介して排泄される。さらには、肝臓にはクッパー細胞という兔疫細胞があり、体外から入ってくる細菌や毒素又は異物を食った後に分解させて体外に排出させる。また、肝臓は旺盛な再生力を持っており、75%を切除しても4~6ヶ月後にはその大きさと機能が回復する。
【0003】
肝臓は多様且つ重要な機能を果たすため、肝機能が低下すると様々な問題が発生する。特に、アルコールを過量摂取する現代人に発病しやすい脂肪肝は、代表的な肝疾患の一つである。脂肪肝で蓄積された脂肪の大部分は中性脂肪(triglyceride)であり、脂肪肝は飲みすぎによるアルコール性脂肪肝と肥満、糖尿病、高脂血症又は薬物などによる非アルコール性脂肪肝とに大別し得る。アルコール性脂肪肝は、アルコールを過量摂取して肝臓における脂肪合成が促進し、正常なエネルギー代謝が行われないことで発生するようになる。
【0004】
アルコール性脂肪肝と判明された患者の50%、非アルコール性脂肪肝と判明された患者の30%は肝硬変に発展するという事実を考慮するとき、脂肪肝は、単に肝に脂肪が蓄積される現象を超えて、非常に深刻な肝疾患の一つであるとみるべきである。特に、アルコール性脂肪肝は慢性肝疾患に進行することがあり、アルコール性脂肪肝の患者らの10~35%が肝炎に、8~20%が肝硬変症に進行することが報告されており、非アルコール性脂肪肝患者に比べてアルコール性脂肪肝患者らが肝硬変症をより多く持っている。また、肝炎に進行する可能性が高いことから、アルコール性脂肪肝はより深刻な問題である。
【0005】
現代人はストレスにさらされやすく、免疫力の減少とともに肝機能が低下しやすい環境に置かれている実情である。また肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれているほど、一定水準の肝損傷が進んでも異常症状を気づきにくい。したがって、肝機能の低下を予防し、肝機能を改善させることが現代人の全般的な健康を維持するうえで非常に重要である。そこで、肝機能改善食品又は薬物についての研究が活発になされている実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開特許公報第10-2013-0000003号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一側面において、本開示は、肝機能改善用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一側面において、本開示は、緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum)菌株;前記菌株の培養物;前記菌株の破砕物;前記菌株の抽出物;前記培養物の抽出物;又は前記破砕物の抽出物を有効成分として含む、肝機能改善用組成物を提供する。
【0009】
例示的な一具現例において、前記菌株は、ラクチプランチバチルス・プランタルムAPsulloc 331261(寄託番号:KCCM11179P)であってよい。
【0010】
例示的な一具現例において、前記肝機能改善は、脂肪肝の予防、改善又は治療を含んでよい。
【0011】
例示的な一具現例において、前記脂肪肝は、アルコール性脂肪肝及び非アルコール性脂肪肝の一方以上を含んでよい。
【0012】
例示的な一具現例において、前記組成物は、肝細胞内脂肪蓄積を抑制することができる。
【0013】
例示的な一具現例において、前記組成物は肝細胞内酸化ストレスを抑制することができる。
【0014】
例示的な一具現例において、前記有効成分は、10~500mg/kg/日の投与量で投与されてよい。
【0015】
例示的な一具現例において、前記組成物に係る緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルム菌株の投与量は、10~1013CFU/日であってよい。
【0016】
例示的な一具現例において、前記菌株は死菌であってよい。
【0017】
例示的な一具現例において、前記組成物は経口投与されてよい。
【0018】
例示的な一具現例において、前記組成物は食品組成物であってよい。
【0019】
例示的な一具現例において、前記組成物は薬学組成物であってよい。
【発明の効果】
【0020】
一側面において、本開示に係る組成物は、副作用がないながらも肝機能を改善させる効果に優れる。
【0021】
一側面において、本開示に係る組成物は、肝細胞内脂肪蓄積を抑制することができる。
【0022】
一側面において、本開示に係る組成物は、肝細胞内酸化ストレスを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本開示の一具現例に係る緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルムのオレイン酸による肝細胞内脂肪蓄積の抑制効能を測定した結果である。
図2】本開示の一具現例に係る緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルムのアルコールによる肝細胞内脂肪蓄積の抑制効能を測定した結果である。
図3】本開示の一具現例に係る緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルムのアルコールによる肝損傷の抑制効能を測定した結果である。
図4a】本開示の一具現例に係る緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルムによる脂肪酸合成関連遺伝子の発現量の変化を測定した結果である。
図4b】本開示の一具現例に係る緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルムによる脂肪酸酸化関連遺伝子の発現量の変化を測定した結果である。
図4c】本開示の一具現例に係る緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルムによるミトコンドリア関連遺伝子の発現量の変化を測定した結果である。
図5】本開示の一具現例に係る緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルムによる脂肪酸の酸化増加を測定した結果である。
図6】本開示の一具現例に係る緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルムによる肝細胞内酸化ストレスの抑制を測定した結果である。
図7】本開示の一具現例に係る緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルムの肝細胞内脂肪蓄積の抑制効能を測定した結果である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本明細書において用いられる用語は、本発明における機能を考慮し且つ可能な限り現在広く用いられる一般的な用語を選択したが、これは当該分野に携わる技術者の意図、判例、又は新しい技術の出現などに応じて変わり得る。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、この場合、当該発明の説明の部分で詳しくその意味を記載することにする。したがって、本明細書において用いられる用語は、単純な用語の名称ではない、該用語が持つ意味と本発明全般の内容を基に定義されるべきである。
【0025】
特に異なって定義しない限り、技術的又は科学的な用語を含めてここで用いられる全ての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者にとって一般的に理解される意味と同じ意味を持つ。一般的に理解される用語は、関連技術の文脈上持つ意味と同じ意味を持つと解釈されるべきであり、本発明で明らかに定義しない限り、理想的か過度に形式的な意味に解釈されない。
【0026】
数値範囲は、本発明で定義された数値を含む。本明細書に亘って与えられたあらゆる最大の数値制限は、低い数値制限が明確に示されているかのようにあらゆるより低い数値制限を含む。本明細書に亘って与えられたあらゆる最小の数値制限は、より高い数値制限が明確に示されているかのようにあらゆるより高い数値制限を含む。本明細書に亘って与えられたあらゆる数値制限は、より狭い数値制限が明確に示されているかのように、より広い数値範囲内のより好適なあらゆる数値範囲を含むものとする。
【0027】
本明細書において用いられた単語「含む」、「有する」、「含有する」は、包括的又は開放的であり、追加の言及していない要素又は方法段階を排除しない。本明細書において用いられた用語「又はこれらの組み合わせ物」は、当該用語に先立って挙げられた品目の全ての順列及び組み合わせを指す。例えば、「A、B、C、又はこれらの組み合わせ物」は、A、B、C、AB、AC、BC又はABC、及び特別な文脈において順序が重要な場合には、BA、CA、CB、CBA、BCA、ACB、BAC又はCABの少なくとも1つを含むものと意図される。この例とともに、一つ以上の品目又は用語の繰り返しを含有する組み合わせ、例えば、BB、AAA、MB、BBC、AAABCCCC、CBBAAA、CABABBなどが含まれてよい。通常の技術者であれば、文脈上特に自明ではない限り、典型的に任意の組み合わせにおいて品目又は用語の個数に制限がないことが理解できるはずである。
【0028】
以下、本開示の例示的な具現例を詳しく説明する。
【0029】
一側面において、本開示は、緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum)菌株;前記菌株の培養物;前記菌株の破砕物;前記菌株の抽出物;前記培養物の抽出物;又は前記破砕物の抽出物を有効成分として含む、肝機能改善用組成物を提供する。
【0030】
本明細書において「緑茶」は、茶科に属する常緑樹である茶の木(カメリア・シネンシス;Camellia sinensis)を意味するものであり、前記茶は、茶の木の葉、花、幹、実、根、及び根の芯材からなる群より選択される一つ以上が含まれてよい。
【0031】
本明細書において「緑茶由来」とは、茶の木の葉、茶の木の花、茶の木の幹、茶の木の実、茶の木の根又は隣近土壌などから分離されたものを意味してよい。例えば、茶の木の葉である緑茶から培養、分離されたラクチプランチバチルス・プランタルム菌株を意味してよい。
【0032】
本明細書において「菌株の破砕物」とは、菌株そのものを化学的又は物理的な力によって破砕して得た産物を意味してよい。
【0033】
本明細書において「培養物」とは、菌株を培養した培地内に含まれている全ての物質を含む物質を意味してよく、例えば、菌株培養の結果物である代謝物又は分泌物を含む物質又はその破砕物を意味してよく、菌株死菌体も培養物中に含まれていてよい。
【0034】
本明細書において「抽出物」とは、菌株そのもの、菌株の破砕物、菌株の培養物、菌株の死滅体、又はこれらの混合物を、抽出溶媒を用いて抽出した産物を意味してよい。
【0035】
本明細書において「有効成分」は、単独で目的とする活性を示すか又はそれ自体活性のない担体とともに活性を示し得る成分を意味する。
【0036】
本明細書において、「ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum)」菌株は、「ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)」とも呼ばれる。2020年にあったラクトバチルス(Lactobacillus)属に対する分類学的変更により「ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)」は、「ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum)」に変更された。
【0037】
一具現例において、前記菌株は、寄託番号がKCCM11179Pであるラクチプランチバチルス・プランタルムAPsulloc 331261(Lactiplantibacillus plantarum APsulloc 331261)であってよい。ラクチプランチバチルス・プランタルムAPsulloc 331261は、上述したように茶の木から分離された菌株であって、肝細胞内脂肪蓄積を抑制し且つ肝細胞内酸化ストレスを抑制するなどの肝機能を改善する効能に極めて優れるものである。
【0038】
一具現例において、前記組成物は、組成物の総重量を基準に、前記有効成分を0.000001~50重量%の量で含んでよい。含量が0.000001重量%未満であると、肝機能改善効果が微々たるものになることがあり、また50重量%を超えると、肝機能改善効率が低下することがある。例えば、前記組成物は、組成物の総重量を基準に、前記有効成分を0.0000001重量%以上、0.0000005重量%以上、0.0000007重量%以上、0.0000009重量%以上、0.000001重量%以上、0.000002重量%以上、0.000004重量%以上、0.000006重量%以上、0.000008重量%以上、0.00001重量%以上、0.00003重量%以上、0.00005重量%以上、0.00007重量%以上、0.00009重量%以上、0.0001重量%以上、0.0003重量%以上、0.0005重量%以上、0.0007重量%以上、0.0009重量%以上、0.001重量%以上、0.01重量%以上、0.1重量%以上、1重量%以上、3重量%以上、5重量%以上、7重量%以上、9重量%以上、10重量%以上、13重量%以上、15重量%以上、17重量%以上、19重量%以上、21重量%以上、23重量%以上、25重量%以上、27重量%以上、29重量%以上又は30重量%以上含んでよく、且つ50重量%以下、49.9重量%以下、49.8重量%以下、49.7重量%以下、49.5重量%以下、49重量%以下、48.5重量%以下、48重量%以下、47.5重量%以下、47重量%以下、46.5重量%以下、46重量%以下、45.5重量%以下、45重量%以下、44.5重量%以下、44重量%以下、43.5重量%以下、43重量%以下、42.5重量%以下、42重量%以下、41.5重量%以下、41重量%以下、40.5重量%以下、40重量%以下、39重量%以下、38重量%以下、37重量%以下、36重量%以下、35重量%以下、34重量%以下、33重量%以下、32重量%以下、31重量%以下、30重量%以下、29重量%以下、28重量%以下、26重量%以下、24重量%以下、22重量%以下、20重量%以下、18重量%以下、16重量%以下、14重量%以下、12重量%以下、10重量%以下、9重量%以下、8重量%以下、6重量%以下、4重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、0.1重量%以下、0.09重量%以下、0.04重量%以下、0.01重量%以下、0.006重量%以下、0.001重量%以下、0.0009重量%以下、0.0007重量%以下、0.00005重量%以下、0.00003重量%以下、0.00001重量%以下、0.000009重量%以下、0.000007重量%以下、0.000005重量%以下、0.000003重量%以下又は0.000001重量%以下の量で含んでよいが、これに制限されることではない。
【0039】
一具現例において、前記組成物の有効成分は、10~500mg/kg/日の投与量で投与されてよい。前記有効成分の投与量が10mg/kg/日未満であると、肝機能改善効果が微々たるものになることがあり、また500mg/kg/日を超えると、肝機能改善効率が低下することがある。具体的に、前記有効成分の投与量は、10mg/kg/日以上、11mg/kg/日以上、12mg/kg/日以上、14mg/kg/日以上、16mg/kg/日以上、18mg/kg/日以上、20mg/kg/日以上、22mg/kg/日以上、24mg/kg/日以上、26mg/kg/日以上、28mg/kg/日以上、30mg/kg/日以上、32mg/kg/日以上、34mg/kg/日以上、36mg/kg/日以上、38mg/kg/日以上又は40mg/kg/日以上、且つ500mg/kg/日以下、480mg/kg/日以下、460mg/kg/日以下、440mg/kg/日以下、420mg/kg/日以下、400mg/kg/日以下、380mg/kg/日以下、360mg/kg/日以下、340mg/kg/日以下、320mg/kg/日以下、300mg/kg/日以下、280mg/kg/日以下、260mg/kg/日以下、240mg/kg/日以下、220mg/kg/日以下、200mg/kg/日以下、180mg/kg/日以下、160mg/kg/日以下、140mg/kg/日以下、120mg/kg/日以下、100mg/kg/日以下、98mg/kg/日以下、96mg/kg/日以下、94mg/kg/日以下、92mg/kg/日以下、90mg/kg/日以下、88mg/kg/日以下、86mg/kg/日以下、84mg/kg/日以下、82mg/kg/日以下、80mg/kg/日以下、78mg/kg/日以下、76mg/kg/日以下、74mg/kg/日以下、72mg/kg/日以下又は70mg/kg/日以下であってよいが、これに制限されることではない。
【0040】
一具現例において、前記組成物に係る緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルム菌株の投与量は、10~1013CFU/日であってよい。前記緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルム菌株の投与量が10CFU/日未満であると、肝機能改善効果が微々たるものになることがあり、また1013CFU/日を超えると、肝機能改善効率が低下することがある。例えば、前記緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルム菌株の投与量は、1×10CFU/日以上、2×10CFU/日以上、3×10CFU/日以上、4×10CFU/日以上、5×10CFU/日以上、6×10CFU/日以上、7×10CFU/日以上、8×10CFU/日以上、9×10CFU/日以上、1×10CFU/日以上、2×10CFU/日以上、3×10CFU/日以上、4×10CFU/日以上、5×10CFU/日以上、6×10CFU/日以上、7×10CFU/日以上、8×10CFU/日以上、9×10CFU/日以上又は1×10CFU/日以上であってよく、且つ1×1013CFU/日以下、9×1012CFU/日以下、8×1012CFU/日以下、7×1012CFU/日以下、6×1012CFU/日以下、5×1012CFU/日以下、4×1012CFU/日以下、3×1012CFU/日以下、2×1012CFU/日以下、1×1012CFU/日以下、9×1011CFU/日以下、8×1011CFU/日以下、7×1011CFU/日以下、6×1011CFU/日以下、5×1011CFU/日以下、4×1011CFU/日以下、3×1011CFU/日以下、2×1011CFU/日以下、1×1011CFU/日以下、9×1010CFU/日以下、8×1010CFU/日以下、7×1010CFU/日以下、6×1010CFU/日以下、5×1010CFU/日以下、4×1010CFU/日以下、3×1010CFU/日以下、2×1010CFU/日以下又は1×1010CFU/日以下であってよい。
【0041】
一具現例において、前記肝機能改善は、脂肪肝の予防、改善又は治療を含んでよい。前記脂肪肝の予防、改善又は治療は、脂肪肝症状を予防するか、改善するか、治療することを含んでよい。前記脂肪肝はアルコール性脂肪肝及び非アルコール性脂肪肝の一方以上を含んでよい。
【0042】
一具現例において、前記組成物は、肝細胞内脂肪蓄積を抑制することができる。
【0043】
一具現例において、前記組成物は、肝細胞内酸化ストレスを抑制することができる。
【0044】
一具現例において、前記菌株は死菌であってよい。例えば、生菌である緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルム菌株を物理的又は化学的に処理して死菌である緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルム菌株にすることができる。また、生菌である緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルム菌株に超音波処理を施すか、生菌である緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルム菌株を破砕して死菌である緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルム菌株にすることができる。
【0045】
一具現例において、前記組成物は経口投与されてよいが、必ずしもこれに制限されることではない。
【0046】
一具現例において、前記組成物は食品組成物であってよい。前記食品組成物の剤形は特に限定されないが、例えば、錠剤、顆粒剤、丸剤、粉末剤、ドリンク剤といった液剤、キャラメル、ゲル、バー、ティーバッグなどに剤形化されてよい。各剤形の食品組成物は、有効成分の他、当該分野において通常用いられる成分を剤形又は使用目的に応じて、当業者が難なく適宜選定して配合してよく、他の原料と併せて適用した場合、相乗効果が生じることがある。
【0047】
一具現例に係る食品組成物は、種々の栄養剤、ビタミン、鉱物(電解質)、合成風味剤、及び天然風味剤などの風味剤、着色剤及び増進剤(チーズ、チョコレートなど)、ペクチン酸及びその塩、アルギン酸及びその塩、有機酸、保護性コロイド増粘剤、pH調節剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に用いられる炭酸化剤などを含んでよい。また、一具現例に係る食品組成物は、天然果物ジュース並びに果物ジュース飲料及び野菜飲料の製造のための果肉を含んでよい。これらの成分は、独立で、又は組み合わせて用いてよい。これらの添加剤の割合はそれほど重要ではないが、一具現例に係る組成物100重量部当たり0~約50重量部の範囲で含まれるのが一般的である。
【0048】
一具現例において、前記組成物は薬学組成物であってよい。前記薬学組成物は、経口、非経口、直腸、局所、経皮、静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下などに投与されてよい。経口投与のための剤形は、錠剤、丸剤、軟質及び硬質カプセル剤、顆粒剤、散剤、細粒剤、液剤、乳濁剤又はペレット剤であってよいが、これらに制限されるものではない。非経口投与のための剤形は、溶液剤、懸濁剤、乳液剤、ゲル、注射剤、点滴剤、坐剤、パッチ又は噴霧剤であってよいが、これらに制限されるものではない。前記剤形は、当該分野の通常的な方法に従い容易に製造することができ、界面活性剤、賦形剤、水和剤、乳化促進剤、懸濁剤、浸透圧調節のための塩又は緩衝剤、着色剤、香辛料、安定化剤、防腐剤、保存剤又は常用する補助剤をさらに含んでよい。
【0049】
一側面において、本開示は、肝機能改善用組成物の製造のための緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum)菌株;前記菌株の培養物;前記菌株の破砕物;前記菌株の抽出物;前記培養物の抽出物;又は前記破砕物の抽出物の用途を提供する。
【0050】
一側面において、本開示は、有効量の緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum)菌株;前記菌株の培養物;前記菌株の破砕物;前記菌株の抽出物;前記培養物の抽出物;又は前記破砕物の抽出物を含む組成物を、肝機能改善を必要とする対象体に投与する段階を含む、肝機能を改善する方法を提供する。
【0051】
一側面において、本開示は、緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum)菌株;前記菌株の培養物;前記菌株の破砕物;前記菌株の抽出物;前記培養物の抽出物;又は前記破砕物の抽出物の肝機能改善用途を提供する。
【0052】
以下、実施例などを通じて本発明をより詳しく説明することにする。なお、これらの実施例は、単に本発明を例示するためのものであって、本発明の範囲がこれらの実施例によって制限されると解釈されないことは、当業界における通常の知識を有する者にとって自明であろう。
【0053】
[実施例1]ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum)APsulloc 331261
1.ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum)APsulloc 331261の培養及び分離
茶の木の葉200gを一次蒸留水で2回洗浄して異物を除去した。洗浄した茶の木の葉についた水滴などを払い落としてから茶の木の葉の重量の8%に該当する食塩と混合した後、3時間室温で放置した。食塩に漬けられた茶の木の葉を1%フラクトオリゴ糖溶液1000mLに混合してから3日間32℃インキュベーターで培養した後、培養液のpHが5未満に落ちたか否かを確認し、pH5未満の場合、これを取ってディフコラクトバチリMRSアガー(登録商標)(Difco Lactobacilli MRS Agar(登録商標))培地で培養した。このとき、培養は32℃、嫌気条件のチャンバで行い、2日間培養してから白色集落を見せるコロニーを取ってラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum)APsulloc 331261を茶の木から分離した。前記ラクチプランチバチルス・プランタルムAPsulloc 331261(Lactiplantibacillus plantarum APsulloc 331261)は、2011年3月28日付で韓国微生物保存センター(Korean Culture Center of Microorganisms)に微生物寄託番号KCCM11179Pとして寄託した。
【0054】
2.ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum)APsulloc 331261の同定
(1)菌株の培養
前記で分離したラクチプランチバチルス・プランタルムAPsulloc 331261をMRSアガープレートにストリーキング(streaking)し37℃で2日間培養した。得られた単一コロニー(single colony)をMRSブロス(broth)10mLに接種し、さらに37℃で一晩培養して、ラクチプランチバチルス・プランタルムAPsulloc 331261培養液を製造した。
【0055】
(2)糖発酵パターンの分析
前記(1)のようにして製造したラクチプランチバチルス・プランタルムAPsulloc 331261菌株培養液をMRSブロス10mLに0.5%接種し37℃で一晩培養した。培養液を8,000rpmで5分間遠心分離して上澄液を除去して菌体だけ集めた後、0.85%緩衝食塩水(saline buffer)を2mL添加して懸濁した。次いで、API 50CHLキット(Biomerieux)を使用して製造元のプロトコルに従い進行した。その具体的な内容は次のとおりである。先ず、API懸濁媒(medium)5mLに菌株の懸濁液を少しずつ入れながらマクファーランドスタンダード2(McFarland Standard 2)(Biomerieux)程度の濁度になるのに必要な懸濁液の量を測定した。測定された懸濁液の量の2倍をAPI 50CHL媒10mLに入れてから振り混ぜた。それぞれ異なる基質が入っている殻斗(cupule)に前記混合物を入れた後、ミネラルオイルを一滴ずつ落として37℃で2日間培養してから、糖発酵パターンを分析した。
【0056】
ラクチプランチバチルス・プランタルム菌株(KCTC3108)を標準菌株として比較したラクチプランチバチルス・プランタルムAPsulloc 331261の糖発酵パターンの結果及びその結果を用いたAPsulloc 331261の同定の結果は、表1及び2のとおりである。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
前記表に見られるように、APsulloc 331261は、ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum)に対する一致度(%index)が99%以上を示し、ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum)に属することが分かる。また、APsulloc 331261は、標準菌株(KCTC3108)とはα-メチル-D-マンノサイド(mannoside)及びラピノ-ス(raffinose)の利用性質が異なることから、互いに異なる菌株であることを確認することができる。
【0060】
3.ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum)APsulloc 331261死菌体の製造
培養されたラクチプランチバチルス・プランタルムAPsulloc 331261を15分間100℃の熱を加えて死菌形態に転換させた後、3,000rpmで30分間遠心分離して培養液を分離した。残ったペレット(pellet)を凍結乾燥して、ラクチプランチバチルス・プランタルムAPsulloc 331261死菌体を製造した。
【0061】
[実験例1]脂肪肝抑制効能の評価
肝細胞株(HepG2 cell、ATCC)に実施例1のラクチプランチバチルス・プランタルムAPsulloc 331261を濃度別(10~10CFU/ml)に24時間前処理した後、オレイン酸(OA;500μM、Sigma Aldrich)を72時間処理して脂肪肝を誘導した。蓄積された脂肪を確認するためにNile-red(Sigma Aldrich)溶液を用いて染色し、その結果を図1に示した。
【0062】
図1から確認できるように、オレイン酸を処理すると、肝細胞内中性脂肪が増加するのに対し、緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルムを処理すると、オレイン酸による肝細胞内中性脂肪の蓄積が阻害されることを確認することができた。
【0063】
脂肪肝のまた他の主な原因であるアルコールに対しても同様な阻害効果を奏するかを調べるために、前記と同じ条件でラクチプランチバチルス・プランタルムAPsulloc 331261を前処理した後、エタノール(EtOH;2mM、Sigma Aldrich)を72時間処理した。蓄積された脂肪を確認するためにNile-red(Sigma Aldrich)溶液を用いて染色し、その結果を図2に示し、細胞生存率を測定し、その結果を図3に示した。
【0064】
図2から確認できるように、エタノールを処理すると、肝細胞内中性脂肪が増加するのに対し、緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルムを処理すると、エタノールによる肝細胞内中性脂肪の蓄積が阻害されることを確認することができた。また、図3に示したように、緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルムはエタノールによる肝損傷を抑制することが分かった。この結果をまとめると、緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルムは原因物質によらず脂肪肝を抑制することが分かった。
【0065】
[実験例2]脂肪代謝変化の評価
脂肪肝は、肝細胞内の異常な脂肪蓄積による現象であって、これは脂肪代謝変化と密接な関連がある。そこで、緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルムが肝細胞内脂肪代謝に影響を与えることで脂肪肝症状を緩和させることができるかを確認するために、実施例1のラクチプランチバチルス・プランタルムAPsulloc 331261を濃度別(10~10CFU/ml)に肝細胞株(HepG2 cell、ATCC)に処理した後、TAKARA MiniBEST Universal RNA Extraction kit(Takara Bio)及びRevertAid First Strand cDNA Synthesis kit(Thermo Fisher Scientific)を順次用いてRNA分離し、これに基づいてcDNAを合成した。CFX96 Touch Real-Time PCR Detection System(Bio-RAD)を用いて脂肪代謝関連遺伝子の発現量の変化を確認し、その結果を図4a~図4cに示し、脂肪酸酸化については細胞内酸素消耗率に基づいて脂肪酸酸化の度合いを測定するFatty Acid Oxidation Complete Assay Kit(abcam)を用いて脂肪酸酸化の度合いを測定し、その結果を図5に示した。
【0066】
緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルムを処理した場合、図4aに示されるように、オレイン酸によって誘導される脂肪酸合成関連遺伝子(SREBP1c、ACC、FAS、SCD1)の発現は抑制され、図4bに示されるように、脂肪酸酸化関連遺伝子(ACO、mCAD、CPT、PPARα)の発現は増加した。また、図4cに示されるように、緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルムは、細胞内ATPを供給する小器官であるミトコンドリアの生成及び活性調節関連遺伝子(tfam、NDUFA9、ATP5a、UCP2)の発現を増加させた。図5に示されるように、緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルムを処理した場合、肝細胞内脂肪酸の酸化が増加した。これらの結果から、緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルムが脂肪合成は抑制し脂肪酸化を促進し、エネルギー代謝が円滑に生じるようにミトコンドリアを増加させて細胞内脂肪蓄積を抑制するということが分かった。
【0067】
[実験例3]肝細胞内酸化ストレス抑制効能の評価
アルコールは代謝過程で活性酸素を発生させ、これは細胞内の多様な酸化ストレス反応を誘発する。酸化ストレスは細胞内の異常な代謝をもたらし炎症反応を誘発して肝硬化、肝臓癌などの2次疾患を発生させるため、肝細胞内酸化ストレスの抑制は肝細胞を保護し肝疾患を予防するうえで有効であると言える。緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルムが肝細胞内酸化ストレスを抑制することができるのか確認するために、実験例1のエタノール処理と同様な方法にて実施例1のラクチプランチバチルス・プランタルムAPsulloc 331261を24時間前処理し、エタノールによる72時間の処理後、DCFDA(Thermo Fisher Scientific)及びMalonedialdehyde(MDA)assay kit(Sigma Aldrich)を用いて細胞内活性酸素と脂質過酸化物の量を測定し、その結果を図6に示した。
【0068】
図5に示されるように、緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルムは、エタノール処理による活性酸素及び脂質過酸化物の生成を抑制することを確認することができた。このことから、緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルムは、肝細胞内酸化ストレスを抑制することが分かった。
【0069】
[実験例4]脂肪肝抑制効能の比較
ラクチプランチバチルス・プランタルムAPsulloc 331261と標準菌株のラクチプランチバチルス・プランタルムKCTC3108の脂肪肝抑制効能を比較した。肝細胞株(HepG2 cell、ATCC)に実施例1のラクチプランチバチルス・プランタルムAPsulloc 331261とラクチプランチバチルス・プランタルムKCTC3108をそれぞれ濃度別(10~10CFU/ml)に24時間前処理した後、オレイン酸(OA;500μM、Sigma Aldrich)を72時間処理して脂肪肝を誘導し、蓄積された脂肪をNile-red(Sigma Aldrich)溶液を用いて染色して確認した。その結果を図7に示した(図7中のAPはラクチプランチバチルス・プランタルムAPsulloc 331261を意味し、KCはラクチプランチバチルス・プランタルムKCTC3108を意味する)。
【0070】
図7の結果から確認できるように、10CFU/mlのラクチプランチバチルス・プランタルムKCTC3108よりも10CFU/mlのラクチプランチバチルス・プランタルムAPsulloc 331261の方が、肝細胞内中性脂肪蓄積の抑制効果に優れていることが分かる。このことから、ラクチプランチバチルス・プランタルムKCTC3108よりもラクチプランチバチルス・プランタルムAPsulloc 331261の方が、オレイン酸による肝細胞内中性脂肪蓄積を顕著に抑制することを確認することができた。
【0071】
[剤形例1]錠剤
本発明の実施例に係る緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルム(実施例1)10~1010CFU、ラクトース400mg、とうもろこし澱粉400mg、及びステアリン酸マグネシウム2mgを混合した後、通常の錠剤の製造方法に従い打錠して錠剤を製造した。具体的な組成を下記の表3に表した。
【0072】
【表3】
【0073】
[剤形例2]カプセル剤
本発明の実施例に係る緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルム(実施例1)10~1010CFU、大豆油220mg、パーム油2mg、植物性硬化油8mg、黄鉛4mg、及びレシチン6mgを混合し、通常の方法に従い1カプセルに充填してカプセル剤を製造した。具体的な組成を下記の表4に表した。
【0074】
【表4】
【0075】
[剤形例3]顆粒剤
本発明の実施例に係る緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルム(実施例1)10~1010CFU、無水結晶ブドウ糖250mg、及び澱粉550mgを混合し、流動層造粒機を用いて顆粒に成形した後、包に充填して顆粒剤を製造した。
【0076】
[剤形例4]散剤
本発明の実施例に係る緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルム(実施例1)10~1010CFU、乳糖500mg、及びとうもろこし澱粉500mgを混合し、気密包に充填して散剤を製造した。
【0077】
[剤形例5]健康機能食品
下記の表5に表した組成にて通常の方法に従い健康機能食品を製造した。
【0078】
【表5】
【0079】
[剤形例6]液剤
本発明の実施例に係る緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルム(実施例1)10~1010CFU、クエン酸1000mg、オリゴ糖15g、及びタウリン1gを混合してから精製水190mlを加えて各瓶に200mlずつ充填する。瓶に充填した後、130℃で4~5秒間殺菌してドリンク剤飲料を製造した。
【0080】
本開示は、請求の範囲を制限しない下記の具現例によってさらに説明される。
【0081】
具現例1.緑茶由来のラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum)菌株;前記菌株の培養物;前記菌株の破砕物;前記菌株の抽出物;前記培養物の抽出物;又は前記破砕物の抽出物を有効成分として含む、肝機能改善用組成物。
【0082】
具現例2.具現例1の組成物であって、前記菌株は、ラクチプランチバチルス・プランタルムAPsulloc 331261(寄託番号:KCCM11179P)である、組成物。
【0083】
具現例3.具現例1~2のいずれかの組成物であって、前記肝機能改善は、脂肪肝の予防又は改善を含む、組成物。
【0084】
具現例4.具現例1~3のいずれかの組成物であって、前記脂肪肝は、アルコール性脂肪肝及び非アルコール性脂肪肝の一方以上を含む、組成物。
【0085】
具現例5.具現例1~4のいずれかの組成物であって、当該組成物は、肝細胞内脂肪蓄積を抑制する、組成物。
【0086】
具現例6.具現例1~5のいずれかの組成物であって、当該組成物は、肝細胞内酸化ストレスを抑制する、組成物。
【0087】
具現例7.具現例1~6のいずれかの組成物であって、前記有効成分は、10~500mg/kg/日の投与量で投与される、組成物。
【0088】
具現例8.具現例1~7のいずれかの組成物であって、組成物の総重量を基準に、前記有効成分を0.000001~50重量%の量で含む、組成物。
【0089】
具現例9.具現例1~8の組成物であって、当該組成物は経口投与される、組成物。
【0090】
具現例10.具現例1~9のいずれかの組成物であって、当該組成物は食品組成物である、組成物。
【0091】
具現例11.具現例1~9のいずれかの組成物であって、当該組成物は薬学組成物である、組成物。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図5
図6
図7