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特開2023-171281ロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171281
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】ロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/04 20060101AFI20231124BHJP
【FI】
B25J15/04 A
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076518
(22)【出願日】2023-05-08
(31)【優先権主張番号】111118533
(32)【優先日】2022-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】512304009
【氏名又は名称】直得科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】許 明哲
(72)【発明者】
【氏名】呉 軒俊
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707GS04
3C707GS15
(57)【要約】
【課題】第1連接板と第2連接板とを正確かつ容易に位置合わせできるロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構を提供すること。
【解決手段】第1連接板1をロボットアーム末端軸に固定し、第1連接板1に第1ガイドユニット、第1連結ユニット及び第1磁力作用ユニットを設け、ツール部材を固定する複数の第2連接板3に第2ガイドユニット、第2連結ユニット及び第2磁力作用ユニットを設け、複数の交換座体2に設置した第2連接板3が選択的に交換座体2から離脱され、第1連接板1を第2連接板3に接近させたとき、第1ガイドユニットと第2ガイドユニットが第1連接板1と第2連接板3をガイドして位置合わせさせ、第1磁力作用ユニットと第2磁力作用ユニットが吸着して第1連接板1と第2連接板3が結合され、第1連接板1と第2連接板3が第1連結ユニットと第2連結ユニットの機械式連結により固定される。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構であって、第1連接板と、複数の第2連接板と、複数の交換座体と、を含み、
前記第1連接板が前記ロボットアーム末端軸に固定され、前記ロボットアーム末端軸に伴って移動され、前記第1連接板に第1ガイドユニットと、第1連結ユニットと、第1磁力作用ユニットが設けられ、前記第1ガイドユニットが係合突起であり、前記係合突起が第3方向に沿う第1ガイド孔を備え、前記第1連結ユニットが前記第1ガイド孔内の第1ピンを含み、前記第1ピンが第1作用力を有し、
前記複数の第2連接板が、複数のツール部材を固定するために用いられ、各前記第2連接板に第2ガイドユニットと、第2連結ユニットと、第2磁力作用ユニットが設けられ、前記第2ガイドユニットが前記係合突起に対応する凹溝であり、前記第2連結ユニットが前記第3方向に沿って移動可能に各前記第2連接板に設置された第2ピンと、第1方向に沿って移動可能に各前記第2連接板に設置されたガイドロックを含み、前記ガイドロックが前記第2ピンを連動して前記凹溝に出入させ、
前記複数の交換座体に前記第2連接板がそれぞれ設置され、かつ前記第2連接板は選択的に前記交換座体から離脱可能であり、
前記ロボットアーム末端軸が前記第1連接板を動かして第2方向に沿って前記第2連接板に接近させ、前記第1連接板と前記第2連接板を所定の距離まで相対的に接近させたとき、前記係合突起の形態の前記第1ガイドユニットと前記凹溝の形態の前記第2ガイドユニットが相互に組み合わされて前記第1連接板と前記第2連接板をガイドし、相互に位置合わせさせ、前記第1磁力作用ユニットと前記第2磁力作用ユニットが前記第2方向上の所定の距離内で、磁力により相互に吸着して磁性結合力を形成し、前記第1連接板と前記第2連接板が前記磁性結合力により相互に結合され、前記磁性結合力の作用下で、前記第1連接板と前記第2連接板が前記第1連結ユニットと前記第2連結ユニットの機械式連結により相互に固定され、前記ロボットアーム末端軸が前記第1連接板と前記第2連接板を引っ張り前記第1方向に沿って前記交換座体から離隔させ、前記第1方向と前記第2方向が挟角を有し、前記ガイドロックが第2作用力を加えて前記第1作用力を克服し、前記第2ピンを駆動して前記第1ピンを押し動かし、前記第2ピンを前記第1ガイド孔に進入させて前記機械式連結を形成することにより、前記第1連接板と前記第2連接板を相互に固定する、ことを特徴とする、ロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構。
【請求項2】
前記第1磁力作用ユニットと前記第2磁力作用ユニットがいずれも磁石である、またはいずれか一方が磁石、他方が感磁部材である、ことを特徴とする、請求項1に記載のロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構。
【請求項3】
前記交換座体がいずれも第3付勢部材と、少なくとも1つの突起柱を含み、前記ロボットアーム末端軸で前記第1連接板と前記第2連接板を前記第1方向に沿って前記交換座体に向かって移動させると、前記突起柱が前記ガイドロックを押し動かして前記第2作用力を克服し、前記第1ピンが前記第1作用力により前記第2ピンを押し動かして前記第2ピンを前記凹溝に進入させ、前記機械式連結を解除させ、前記第3付勢部材が第3作用力を前記第2連接板に提供して、前記第2連接板を前記交換座体に設置可能にし、前記第1連接板が前記第2方向に沿って前記第2連接板から離隔される、ことを特徴とする、請求項1に記載のロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構。
【請求項4】
前記第1作用力と、前記第2作用力と、前記第3作用力が弾性力または磁力である、ことを特徴とする、請求項3に記載のロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構。
【請求項5】
前記第2連接板に少なくとも1つのガイドロック槽が設けられ、該ガイドロック槽に前記ガイドロックと第2付勢部材を収容し、前記ガイドロックに凹陥部とガイド斜面が設けられ、前記第2ピンに前記ガイド斜面に対応する第2ピン斜面が設けられ、前記第2連接板が前記交換座体から離隔されるとき、前記第2付勢部材が前記第2作用力を提供して前記ガイドロックを駆動し、前記ガイド斜面と前記第2ピン斜面の組み合わせにより、前記第2ピンを前記凹溝に延出させ、前記第1作用力を克服して前記第1ガイド孔に進入させ、前記第2連接板が前記交換座体に向かって移動されたとき、前記突起柱が前記ガイドロック槽に挿入され、前記突起柱が前記ガイドロックを押し動かして前記第2作用力を克服し、前記第1ピンが前記第1作用力により前記第2ピンを前記凹陥部に向かって押し動かし、前記第2ピンを前記第1ガイド孔から離脱させる、ことを特徴とする、請求項3に記載のロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構。
【請求項6】
前記第1ガイド孔内に第1付勢部材が設置され、前記第1付勢部材が前記第1ピンに対して前記第1作用力を加える、ことを特徴とする、請求項5に記載のロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構。
【請求項7】
前記第1連接板が第1接触面を含み、前記第1接触面上に第1溝部が設けられ、前記第1磁力作用ユニットが前記第1溝部に嵌置され、かつ前記第1磁力作用ユニットの表面と前記第1接触面が平らに揃い、前記第2連接板が第2接触面を含み、前記第2接触面上に第2溝部が設けられ、前記第2磁力作用ユニットが前記第2溝部に嵌置され、かつ前記第2磁力作用ユニットの表面と前記第2接触面が平らに揃っている、ことを特徴とする、請求項1に記載のロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構。
【請求項8】
前記磁性結合力の方向が、前記機械式連結の方向と異なる、ことを特徴とする、請求項1に記載のロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構に関し、特に、ツール交換過程において、第1連接板と第2連接板が第1磁力作用ユニットと第2磁力作用ユニット間の磁性結合力により相互に結合され、第1連接板の第1連結ユニットと第2連接板の第2連結ユニットにツール交換過程における正確な機械式連結が確保され、第1連接板と第2連接板を相互に固定させることができる、ロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構に関する。
【背景技術】
【0002】
加工機械で工作物を加工するとき、ツールの摩損や加工する部位の違いによってツールを交換する必要がある。
現在、自動加工機には自動化されたツール交換機構が多く使用されている。
【0003】
特許文献1に記載の「Tool coupler, tool changer, tool mounter, and tool change system having the same」や、特許文献2に記載の「TOOL CHANGER FOR COLLABORATIVE ROBOTS, A ROBOT TOOL CHANGER SYSTEM AND A METHOD FOR CONNECTING A TOOL TO A ROBOT ARM」等の従来技術があるが、これらの従来技術は、ロボットアームが交換座体に進入してツールを連結する連接板の方向と、ツール連接板を動かして交換座体から離脱させる方向を互いに垂直にすることにより、比較的小さい空間でツール交換を行うことができるものである。
【0004】
上記特許文献1に記載のものは、ロボットアーム上の交換装置が交換座体上のカプラを磁力で連結してツール交換を行うものであり、具体的には、ロボットアーム上の交換装置に磁性体が設置され、当該磁性体が磁性端子を交換座体上のツールを有するカプラの凹部内に伸入させて磁性モジュールと相互に吸着させることで、交換装置とカプラを結合し、ツール交換を完了する。しかしながら、磁性吸着に固定構造がないため、作業過程で衝撃を受けるとカプラが落下する可能性がある。
【0005】
上記特許文献2に記載のものは、第1ツール交換部材と第2ツール交換部材が第1ロック要素と第2ロック要素等の機構を利用して相互にロックされ、ツール交換を完了するが、ロボットアームが第1ツール交換部材と第2ツール交換部材を動かしてデバイスホルダーを離脱させる過程において、第1ロック要素と第2ロック要素が第1ツール交換部材と第2ツール交換部材をまだ完全にロックしていないとき、第2ツール交換部材が振動や不安定な挟持などの要因によって第1ツール交換部材との位置合わせにずれが生じ、第1ロック要素と第2ロック要素が第1ツール交換部材と第2ツール交換部材を正確にロックできない可能性がある。
上記特許文献2に開示されている通常の解決策は、ロボットアームが第1ツール交換部材と第2ツール交換部材に対して第1ロック要素と第2ロック要素の作用力の方向と異なる力を継続して加えることにより、第1ツール交換部材と第2ツール交換部材をツール交換過程で正確な結合位置を維持できるようにすることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公告第US11130243B2号明細書
【特許文献2】PCT特許出願公開第WO2020249465A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、ロボットアーム末端軸に固定された第1連接板と、ツール部材を固定するための第2連接板とを正確かつ容易に位置合わせできるロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構は、第1連接板と、複数の第2連接板と、複数の交換座体とを含み、前記第1連接板が前記ロボットアーム末端軸に固定され、前記ロボットアーム末端軸に伴って移動され、前記第1連接板に第1ガイドユニットと、第1連結ユニットと、第1磁力作用ユニットが設けられ、前記第1ガイドユニットが係合突起であり、前記係合突起が第3方向に沿う第1ガイド孔を備え、前記第1連結ユニットが前記第1ガイド孔内の第1ピンを含み、前記第1ピンが第1作用力を有し、前記複数の第2連接板が、複数のツール部材を固定するために用いられ、各前記第2連接板に第2ガイドユニットと、第2連結ユニットと、第2磁力作用ユニットが設けられ、前記第2ガイドユニットが前記係合突起に対応する凹溝であり、前記第2連結ユニットが前記第3方向に沿って移動可能に各前記第2連接板に設置された第2ピンと、第1方向に沿って移動可能に各前記第2連接板に設置されたガイドロックを含み、前記ガイドロックが前記第2ピンを連動して前記凹溝に出入させ、前記複数の交換座体に前記第2連接板がそれぞれ設置され、かつ前記第2連接板は選択的に前記交換座体から離脱可能であり、前記ロボットアーム末端軸が前記第1連接板を動かして第2方向に沿って前記第2連接板に接近させ、前記第1連接板と前記第2連接板を所定の距離まで相対的に接近させたとき、前記係合突起の形態の前記第1ガイドユニットと前記凹溝の形態の前記第2ガイドユニットが相互に組み合わされて前記第1連接板と前記第2連接板をガイドし、相互に位置合わせさせ、前記第1磁力作用ユニットと前記第2磁力作用ユニットが前記第2方向上の所定の距離内で、磁力により相互に吸着して磁性結合力を形成し、前記第1連接板と前記第2連接板が前記磁性結合力により相互に結合され、前記磁性結合力の作用下で、前記第1連接板と前記第2連接板が前記第1連結ユニットと前記第2連結ユニットの機械式連結により相互に固定され、前記ロボットアーム末端軸が前記第1連接板と前記第2連接板を引っ張り前記第1方向に沿って前記交換座体から離隔させ、前記第1方向と前記第2方向が挟角を有し、前記ガイドロックが第2作用力を加えて前記第1作用力を克服し、前記第2ピンを駆動して前記第1ピンを押し動かし、前記第2ピンを前記第1ガイド孔に進入させて前記機械式連結を形成することにより、前記第1連接板と前記第2連接板を相互に固定する。
【0009】
さらに、前記第1磁力作用ユニットと前記第2磁力作用ユニットがいずれも磁石である、またはいずれか一方が磁石、他方が感磁部材であってもよい。
【0010】
さらに、前記交換座体がいずれも第3付勢部材と、少なくとも1つの突起柱を含み、前記ロボットアーム末端軸で前記第1連接板と前記第2連接板を前記第1方向に沿って前記交換座体に向かって移動させると、前記突起柱が前記ガイドロックを押し動かして前記第2作用力を克服し、前記第1ピンが前記第1作用力により前記第2ピンを押し動かして前記第2ピンを前記凹溝に進入させ、前記機械式連結を解除させ、前記第3付勢部材が第3作用力を前記第2連接板に提供して、前記第2連接板を前記交換座体に設置可能にし、前記第1連接板が前記第2方向に沿って前記第2連接板から離隔されることがある。
【0011】
さらに、前記第1作用力と、前記第2作用力と、前記第3作用力が弾性力または磁力であってもよい。
【0012】
さらに、前記第2連接板に少なくとも1つのガイドロック槽が設けられ、該ガイドロック槽に前記ガイドロックと第2付勢部材を収容し、前記ガイドロックに凹陥部とガイド斜面が設けられ、前記第2ピンに前記ガイド斜面に対応する第2ピン斜面が設けられ、前記第2連接板が前記交換座体から離隔されるとき、前記第2付勢部材が前記第2作用力を提供して前記ガイドロックを駆動し、前記ガイド斜面と前記第2ピン斜面の組み合わせにより、前記第2ピンを前記凹溝に延出させ、前記第1作用力を克服して前記第1ガイド孔に進入させ、前記第2連接板が前記交換座体に向かって移動されたとき、前記突起柱が前記ガイドロック槽に挿入され、前記突起柱が前記ガイドロックを押し動かして前記第2作用力を克服し、前記第1ピンが前記第1作用力により前記第2ピンを前記凹陥部に向かって押し動かし、前記第2ピンを前記第1ガイド孔から離脱させることもある。
【0013】
さらに、前記第1連接板が第1接触面を含み、前記第1接触面上に第1溝部が設けられ、前記第1磁力作用ユニットが前記第1溝部に嵌置され、かつ前記第1磁力作用ユニットの表面と前記第1接触面が平らに揃い、前記第2連接板が第2接触面を含み、前記第2接触面上に第2溝部が設けられ、前記第2磁力作用ユニットが前記第2溝部に嵌置され、かつ前記第2磁力作用ユニットの表面と前記第2接触面が平らに揃っていてもよい。
【0014】
さらに、前記磁性結合力の方向が、前記機械式連結の方向と異なるとよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、次の効果を達成することができる。
1.ツール交換過程において、第1連接板と第2連接板が第1磁力作用ユニットと第2磁力作用ユニット間の磁性結合力により相互に結合されているため、当該第2連接板と交換座体の分離過程で揺動や振動がなく、当該第1連接板の第1連結ユニットと当該第2連接板の第2連結ユニットに正確な機械式連結を確保して、当該第1連接板と当該第2連接板を相互に固定させることができ、当該磁性結合力により、当該第1連接板が継続的に力を加える必要なく、当該第2連接板との位置合わせと結合を確保することができる。
【0016】
2.第1磁力作用ユニットと第2磁力作用ユニットの磁力配置を、例えば第2連接板とツールの重量に基づいて最適に調整することができる。
【0017】
3.当該第1磁力作用ユニットと当該第2磁力作用ユニットはいずれも磁石を使用するか、いずれか一方に磁石、他方に感磁部材を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施例を示すロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構の側面図である。
図2】本発明の実施例に係るロボットアーム末端軸、第1連接板、交換座体及び第2連接板の分解斜視図である。
図3】本発明の実施例を示すロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構の第1連接板が第2連接板に結合した状態の側面図である。
図4】本発明の実施例に係る第1連接板の斜視図である。
図5】本発明の実施例に係る第1連接板の第1接触面の概略図である。
図6図5のVI-VI断面図である。
図7】本発明の実施例に係る第2連接板の斜視図である。
図8】本発明の実施例に係る第2連接板の第2接触面の概略図である。
図9図8のIX-IX断面図である。
図10】本発明の実施例を示すロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構の第1連接板と第2連接板を結合させたときの要部斜視図である。
図11】本発明の実施例を示すロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構の第1連接板と第2連接板を結合させたときの要部側面図である。
図12図11のXII-XII断面図である。
図13】本発明の実施例を示すロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構の第1連接板と第2連接板を磁性結合力により結合させた状態の要部断面図である。
図14】本発明の実施例を示すロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構の第1連接板と第2連接板を交換座体から離脱させる過程における要部斜視図である。
図15】本発明の実施例を示すロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構の第1連接板と第2連接板を交換座体から離脱させる過程における要部側面図である。
図16図15のXVI-XVI断面図である。
図17】本発明の実施例を示すロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構の第1連接板と第2連接板を交換座体から完全に離脱させた状態の要部斜視図である。
図18】本発明の実施例を示すロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構の第1連接板と第2連接板を交換座体から完全に離脱させた状態の要部側面図である。
図19図18のXIX-XIX断面図である。
図20】本発明の実施例を示すロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構の第1連接板と第2連接板を交換座体から完全に離脱させた状態の要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態につき図面を参照する等して説明する。
なお、本発明は、実施形態に限定されないことはいうまでもない。
【0020】
以下の実施例の説明において、「結合」とは「磁力」による連接関係を表し、「固定」とは「機械式連結」による固定関係を表す。
磁性結合力とは、磁力吸着効果を利用して発生する結合力である。
結合とは、2つの部材に磁性結合力によって形成した連接関係であり、「結合」で2つの部材が磁力により連接を保持し、2つの部材が容易に分離しないようにする。
機械式連結は、2つの部材が実体部材間の選択的連結により、自由度に規制を生じさせ、2つの部材を相互に固定する。
固定とは、2つの部材に機械式連結によって形成した安定的な連結関係であり、当該機械式連結は選択的な実行と選択的な解除が可能で、機械式連結を解除するまで、固定により2つの部材は互いに分離することがない。
【0021】
本実施例において、自動工具交換機構は、図1に示すように、ロボットアーム末端軸Aにより実行される。
具体的には、ロボットアーム末端軸Aに第1連接板1を結合して固定するか、或いは第1連接板1がロボットアーム末端軸Aから延伸されてもよく、例えば第1連接板1はロボットアーム末端軸Aに成型されてもよい。
本実施例では、第1連接板1はロボットアーム末端軸Aに螺着される。
【0022】
図2図3に示すように、ロボットアーム末端軸Aは第1連接板1により工具庫でツール交換を行うものであり、当該工具庫には複数の交換座体2がある。
図2には2つの交換座体2が示されており、当該2つの交換座体2上に第2連接板3がそれぞれ設置され、かつ例えば加工工具のツール部材が第2連接板3上に固定されている(当該ツール部材を第2連接板3に結合する方法は、従来のツール交換機構の結合方法を採用することができるため、当該ツール部材は図示していない)。
【0023】
ロボットアーム末端軸Aを操作して第2方向D2に沿って交換座体2に近付け、第1連接板1を第2連接板3に接近させた後、ロボットアーム末端軸Aを操作して第1連接板1と第2連接板3を第1方向D1に沿って動かし、交換座体2から離脱させ、第1連接板1と第2連接板3を相互に固定させてツール交換動作が完了する。
第1方向D1と第2方向D2とは同じ方向ではなく挟角を有し、本実施例では、この挟角は90度である。
【0024】
図4から図6に示すように、第1連接板1は、第1接触面11を含み、第1接触面11に第1ガイドユニットが設置される。本実施例において、当該第1ガイドユニットは係合突起12であり、係合突起12の長手方向が第3方向D3と一致するように延伸されている。
第3方向D3は第1方向D1及び第2方向D2と異なる方向であり、本実施例では、第1方向D1と第2方向D2と第3方向D3とが互いに直交している。
第1接触面11にはさらに2つの第1溝部13が設置される。2つの第1溝部13は係合突起12を挟んでその短手方向の相対する二側にそれぞれ配置され、かつ第1磁力作用ユニット14が第1溝部13にそれぞれ嵌置され、第1磁力作用ユニット14の表面と第1接触面11が平らな面一に揃っている。
【0025】
図7から図9に示すように、第2連接板3は、第2接触面31を含み、第2接触面31に第2ガイドユニットが設置される。本実施例において、第2ガイドユニットは係合突起12に対応する凹溝32である。
第2接触面31にはさらに2つの第2溝部33が設置される。2つの第2溝部33は凹溝32を挟んでその短手方向の相対する二側にそれぞれ配置され、かつ第2磁力作用ユニット34が第2溝部33にそれぞれ嵌置され、第2磁力作用ユニット34と第2接触面31が平らな面一に揃っている。
【0026】
図10から図12に示すように、ロボットアーム末端軸A(後述の図面には描かれていない)が第1連接板1を動かして第2連接板3に所定の距離(本実施例においては係合突起12の高さ)まで接近させたとき、マッチする係合突起12を凹溝32に嵌置させることで、第1連接板1の第1接触面11を第2連接板3の第2接触面31に当接させて第1連接板1と第2連接板3を相互に位置合わせさせ、第1磁力作用ユニット14と第2磁力作用ユニット34が当該所定の距離内で磁力により相互に吸着して磁性結合力を形成し、第1連接板1と第2連接板3が当該磁性結合力により第2方向D2上で相互に結合される(図13参照)。
【0027】
当該磁性結合力の作用下で、第1連接板1と第2連接板3が第1連接板1上の第1連結ユニットと第2連接板3上の第2連結ユニットにより機械式連結を形成し、第1連接板1と第2連接板3を相互に固定することができる。
【0028】
詳細に説明すると、第1連接板1の係合突起12が第3方向D3に沿って第1ガイド孔121を備え、第1ガイド孔121内の中央部に第1付勢部材15が設置される。当該第1連結ユニットは第1ガイド孔121内の相対する二端に設置された第1ピン16を含み、第1ピン16が第1付勢部材15に押し当てられ、第1付勢部材15が第1ピン16に第1作用力を提供する。
第1ピン16の端部には径大のピン凸縁部161が設けられ、第1ガイド孔121の両端にスリーブ122がそれぞれ固定され、ピン凸縁部161がスリーブ122に当接されることで、第1ピン16が第1ガイド孔121から抜け落ちないように保持される。
【0029】
第2連接板3の凹溝32を挟んで相対する二側に、第1方向D1に沿ってガイドロック槽35が設置される。ガイドロック槽35の中間部は凹溝32の長手方向両端部に連通しており、ガイドロック槽35の一端には開口351が形成され、ガイドロック槽35内の他端部に第2付勢部材36が設置される。
第2連結ユニットは、ガイドロック槽35内に第1方向D1に沿って移動可能に設置されて第2付勢部材36に当接されたガイドロック37、及び、それぞれ第3方向D3に沿って移動可能であり、凹溝32の第3方向D3上における両端部に突出させたり、第2連接板3内に没入させることができる第2ピン38を含む。
【0030】
具体的には、ガイドロック37には、凹溝32の両端部に対向する凹陥部371と、凹陥部371に連続するガイド斜面372が設けられる。
また、第2ピン38はガイドロック37のガイド斜面372に対応して摺接するピン斜面381を備える。
第2ピン38にバネ39が被着され、バネ39が力を提供して第2ピン38を第2連接板3内に収縮させることができる。第2ピン38の凹溝32とは逆側の端部に当接片382が設置され、当接片382がガイドロック槽35に当接されることで、第2ピン38が凹溝32に突出される限界位置を規制することができる。
第2付勢部材36は第2作用力を提供し、第2ピン38をガイド斜面372と第2ピン斜面381の組み合わせにより凹溝32に突出させることができる。
本実施例の第1付勢部材15及び第2付勢部材36は弾性部材を使用しているが、これに限定されず、例えば磁性部材を使用することもできる。
【0031】
交換座体2には、第3作用力を提供することができる第3付勢部材21と、ガイドロック槽35に対応する突起柱22が設置される。第2連接板3が交換座体2上に設置されたとき、交換座体2の突起柱22が開口351から第2連接板3のガイドロック槽35に進入し、ガイドロック37を押して第2作用力を克服し、第2ピン38を凹陥部371に位置させて第2連接板3内に収縮させる。
【0032】
本実施例において、第3付勢部材21は磁性部材を使用し、第2連接板3に対応する感磁部材30が設置され、当該第3作用力は当該磁性部材の磁力であり、当該第3作用力を感磁部材30に作用させることで、第2連接板3を当該第3作用力により交換座体2上に設置できるようにし、当該第3作用力により、ツール交換過程において、第2連接板3が交換座体2から完全に離れるまで、当該第3作用力が第2連接板3に対する付勢を維持し、第2連接板3がツール交換過程で脱落しないようにすることができる。
同様に、第2連接板3が交換座体2に進入するときも、当該第3作用力が第2連接板3に対する付勢を維持し、当該第2連接板3がツール交換過程で脱落しないようにすることができる。
【0033】
図14から図16に示すように、ロボットアーム末端軸Aが第1連接板1と第2連接板3を第1方向D1に沿って引っ張り、交換座体2から徐々に離脱させると、第2連接板3が交換座体2の突起柱22から徐々に離脱され、第2付勢部材36がガイドロック37に対して第2作用力を加え、当該第2作用力はバネ39が第2ピン38に対して加える力及び第1付勢部材15が第1ピン16に対して加える第1作用力より大きいため、ガイドロック37のガイド斜面372と第2ピン38のピン斜面381の組み合わせを利用して、第2ピン38が凹溝32に延出され、かつ第1ガイド孔121内に進入し、当該機械式連結が形成される。これにより、第1連接板1と第2連接板3が互いに固定される。
【0034】
図17から図19に示すように、ロボットアーム末端軸Aがさらに第1連接板1と第2連接板3を第1方向D1に沿って引っ張り、交換座体2から完全に離脱させると、このとき第2連接板3が交換座体2の突起柱22から完全に離脱され、かつロボットアーム末端軸Aにより動かされて動作することが可能になる。
【0035】
図13図20に示すように、第2連接板3と交換座体2がまだ完全に分離されていない、または第1連接板1と第2連接板3がまだ完全に互いに固定されていないとき、第1連接板1及び第2連接板3は第1磁力作用ユニット14及び第2磁力作用ユニット34間の磁性結合力を通じて互いに結合可能であり、かつ当該磁性結合力の方向と当該機械式連結の方向が異なる。
【0036】
具体的には、当該磁性結合力の方向は第1付勢部材15及び第2付勢部材36の作用力の方向と異なり、第2連接板3と交換座体2の分離過程で揺動や振動がなく、ずれを生じないため、第1連接板1に正確な位置を保持させてしっかりと結合させることができ、第1連接板1に継続的に力を加える必要なく、第2連接板との位置合わせを確保することができる。
その磁力の配置は、例えば第2連接板3及びツールの重量に基づいて配置してもよく、必要に応じて、第1磁力作用ユニット14及び第2磁力作用ユニット34はいずれも磁石を使用する、あるいはいずれか一方に磁石、他方に感磁部材を使用してもよい。
【0037】
以上は、本発明の最良の実施例を説明するものであり、これらを以って本発明の権利範囲を限定することはできず、特許請求の範囲を逸脱しない簡単な変化や修飾はすべて本発明の権利範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0038】
A ロボットアーム末端軸
1 第1連接板
11 第1接触面
12 係合突起
121 第1ガイド孔
122 スリーブ
13 第1溝部
14 第1磁力作用ユニット
15 第1付勢部材
16 第1ピン
161 ピン凸縁部
2 交換座体
21 第3付勢部材
22 突起柱
3 第2連接板
31 第2接触面
32 凹溝
33 第2溝部
34 第2磁力作用ユニット
35 ガイドロック槽
351 開口
36 第2付勢部材
37 ガイドロック
371 凹陥部
372 ガイド斜面
38 第2ピン
381 ピン斜面
382 当接片
30 感磁部材
39 バネ
D1 第1方向
D2 第2方向
D3 第3方向
図1
図2
図3
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図5
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図7
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図10
図11
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