(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171321
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】ハンドル付き手術器具
(51)【国際特許分類】
A61B 17/28 20060101AFI20231124BHJP
【FI】
A61B17/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023081403
(22)【出願日】2023-05-17
(31)【優先権主張番号】10 2022 112 562.9
(32)【優先日】2022-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】500503115
【氏名又は名称】チュービンゲン サイエンティフィック メディカル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【住所又は居所原語表記】FRIEDRICH-MIESCHER-STRASSE 9, 72076 TUEBINGEN, BUNDESREPUBLIK DEUTSCHLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】マルクス・ブラウン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160GG24
4C160GG30
4C160NN02
4C160NN03
4C160NN14
(57)【要約】
【課題】ユーザが手術器具を片手で操作できるように操作性が改善した手術器具を提供する。
【解決手段】ハンドル(2)と、該ハンドル(2)から遠位方向に延出したシャフト(4)と、該シャフト(4)の遠位端(8)にあるエフェクタ(6)、好ましくは(医療用/手術用)鉗子または鋏とを備える手術器具(1)。前記ハンドル(2)は、前記エフェクタ(6)を回転運動、傾動運動、および開閉運動のために操作するように適合された複数の手動の作動部材を備える。前記複数の手動の作動部材は、前記シャフト(4)の長手方向軸(14)であるまたは該長手方向軸に平行にオフセットした回転軸周りに回転可能な第一の作動部材(10)、および前記第一の作動部材(10)の前記回転軸と一致するまたは該回転軸に平行にオフセットした回転軸周りに回転可能であり、前記シャフト(4)の前記長手方向軸(14)に沿って(軸方向に)移動可能な第二の作動部材(12)からなる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドルと、該ハンドルから遠位方向に延出したシャフトと、該シャフトの遠位端にあるエフェクタとを備える手術器具であって、
前記ハンドルが、前記エフェクタを回転運動、傾動運動、および開閉運動のために操作するように適合された複数の手動の作動部材を備え、該複数の手動の作動部材が、
前記シャフトの長手方向軸であるまたは該長手方向軸に平行にオフセットした回転軸周りに回転可能な第一の作動部材、
前記第一の作動部材の前記回転軸と一致するまたは該回転軸に平行にオフセットした回転軸周りに回転可能であり、前記シャフトの前記長手方向軸に沿って移動可能な第二の作動部材からなる、手術器具。
【請求項2】
前記エフェクタが医療用の鉗子または鋏である、請求項1に記載の手術。
【請求項3】
前記第二の作動部材の軸方向移動により前記エフェクタが作動する、請求項1に記載の手術器具。
【請求項4】
前記第二の作動部材の前記軸方向移動により、前記鉗子または鋏の顎部の前記開閉運動が生じる、請求項3に記載の手術器具。
【請求項5】
前記第二の作動部材が、ロックばねに軸方向に固定的に接続され、該ロックばねに前記軸方向移動を伝達する、請求項3に記載の手術器具。
【請求項6】
前記ロックばねが、ばねに軸方向に固定的に接続され、前記ロックばねの軸方向移動により該ばねが圧縮される、請求項5に記載の手術器具。
【請求項7】
前記第二の作動部材の前記軸方向移動が、前記ロックばね、圧縮された前記ばね、およびコネクタを介して作動チューブに伝達され、該作動チューブの軸方向移動により前記エフェクタが作動する、請求項1に記載の手術器具。
【請求項8】
前記作動チューブの前記軸方向移動が、近位方向への移動で前記エフェクタの顎部を閉じ、前記遠位方向への移動で前記顎部を開く、請求項7に記載の手術器具。
【請求項9】
前記第一の作動部材の回転により前記遠位端部が傾動平面内で傾動する、請求項1に記載の手術器具。
【請求項10】
前記第一の作動部材が、前記第一の作動部材の前記回転を並進運動に伝達する送りねじに接続されている、請求項9に記載の手術器具。
【請求項11】
前記送りねじが、前記シャフトの前記長手方向軸に沿って軸方向に移動する、前記シャフト内に延在する傾動チューブに接続されている、請求項9に記載の手術器具。
【請求項12】
前記第二の作動部材の回転により、前記遠位端部が前記エフェクタとともに前記長手方向軸周りに回転する、請求項1に記載の手術器具。
【請求項13】
前記第二の作動部材が前記コネクタに回転的に固定されるように接続され、前記コネクタが回転チューブに回転的に固定されるようにかつ軸方向変位可能に接続され、該回転チューブの回転により前記遠位端部が前記長手方向軸周りに回転する、請求項12に記載の手術器具。
【請求項14】
前記遠位端部が前記第一の作動部材の前記回転によって傾動されているとき、前記遠位端部が前記第二の作動部材の回転によってその長手方向軸周りに回転可能である、請求項9に記載の手術器具。
【請求項15】
前記ハンドルが、前記第二の作動部材を静止位置で静止させ、前記第二の作動部材による前記長手方向軸に沿う前記軸方向移動を防止する静止手段を備える、請求項1に記載の手術器具。
【請求項16】
前記ロックばねが、近位位置から遠位位置への前記ロックばねの軸方向移動が阻止されるようにソケットのランプ上で静止する少なくとも一つのロックアームを備える、請求項15に記載の手術器具。
【請求項17】
前記第二の作動部材が少なくとも一つのモーションリンクを備え、該モーションリンクが、前記少なくとも一つのロックアームのピンを前記ランプの上方に持ち上げ、前記近位方向から前記遠位方向に移動する間に前記静止位置をロック解除する、請求項15に記載の手術器具。
【請求項18】
前記ハンドルが前記長手方向軸に対して回転対称である、請求項1に記載の手術器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、特に低侵襲手術用の手術器具に関する。
【背景技術】
【0002】
鉗子や鋏などの医療器具または手術器具が低侵襲手術に用いられている。低侵襲手術は、患者にとってオープン手術よりも外傷が少なく、回復時間が短くて済み、したがって治療費が顕著に低くなる。
【0003】
低侵襲手術用の手術器具は先行技術から周知である。先行技術に係る手術器具は例えば欧州特許第2377477号に開示されており、
図1に示す。前記手術器具は、近位ハンドルと、該ハンドルから遠位方向に延出したシャフトと、該シャフトの遠位端部にあるエフェクタとを備える。前記エフェクタは(医療用の)鉗子または鋏とすることができる。前記ハンドルは人間工学的形状のハンドルピースを備え、該ハンドルピースはヒンジ機構を介して結合部材に傾動可能に取り付けられている。前記結合部材は前記シャフトに枢動可能に接続されている。前記ハンドルピースは、回転ノブの形をした第一のマニピュレータと、ハンドルレバーまたはトリガの形をした第二のマニピュレータとを備える。このようにして、前記手術器具は、前記エフェクタの三つの独立した運動のための操作機構を備える。前記ハンドルレバーまたはトリガの作動により前記エフェクタが作動し、好ましくは前記エフェクタの顎部が開閉する。前記ハンドルピースの枢動運動または傾動運動により、前記エフェクタを含む前記シャフトの前記遠位端部が偏向する。前記回転ノブの回転運動により、前記遠位端部がその長手方向軸周りに回転する。さらに、前記シャフトは、第二の回転ノブを回転することによって、前記近位ハンドルに対して回転させることができる。
【0004】
前記エフェクタを含む前記遠位端部は、偏向中に手首の動きに追従する。しかしながら、前記手術器具の最大限の機能性を実現するためには、ユーザが一度に複数の操作機構を作動させる必要がある。例えば、ユーザは、前記遠位端部を偏向させるために前記ハンドルピースを傾動または枢動すると同時に、前記遠位端部を回転させるために前記回転ノブを回転しなければならない。したがって、前記個々のマニピュレータの精密制御は難しく、ユーザは手を不自然な位置で保持せざるを得ない。より具体的には、前記手術器具を保持することは、ユーザに窮屈な姿勢を強いる。ユーザが前記ハンドルピースを離すと、前記遠位端部はその元の位置に戻る。さらに、前記シャフトを回転させる前記第二の回転ノブは、片手だけでは届きづらい場合がある。
【0005】
したがって、全ての操作機構を逐次的にまたは互いから独立して操作することが好ましい。さらに、前記エフェクタが偏向されているまたは閉じているときに前記エフェクタをその位置に保持する必要がある。
【0006】
独国特許第19647761号明細書は、ハンドルおよび遠位エフェクタを備える内視鏡を開示している。前記ハンドルは三つの作動要素を備える。前記作動要素のうちの二つは、互いに前後に配置された、同じ回転軸周りに回転可能な回転ノブである。第一の回転ノブの回転により、シャフトの長手方向軸周りに遠位端部が回転する。第二の回転ノブの回転により、前記遠位端部が屈曲平面内で屈曲する。前記ハンドルはさらに、ユーザの掌によって作動されるレバーを備える。前記レバーの作動により前記遠位エフェクタが作動する、すなわち、鉗子の顎部が開閉する。
【0007】
しかしながら、前記器具の良好なユーザエクスペリエンス/良好な操作性のためには、作動要素が二つのみの器具を提供することが有利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許第2377477号明細書
【特許文献2】独国特許第19647761号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
先行技術の欠点に鑑みて、本開示の目的は、先行技術の欠点を克服すること、特に、ユーザが手術器具を片手で操作できるように操作性が改善した手術器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の前記目的は、請求項1に記載の手術器具によって達成される。
【0011】
本開示は、(近位)ハンドルと、該ハンドルから遠位方向に延出したシャフトと、該シャフトの遠位端部にあるエフェクタ、好ましくは(医療用/手術用)鉗子または鋏とを備える手術器具に関する。前記ハンドルは、前記エフェクタを回転運動、傾動運動、および開閉運動のために操作するように適合された複数の手動の作動部材を備える。前記複数の手動の作動部材は第一の作動部材および第二の作動部材からなる。前記第一の作動部材は、前記シャフトの長手方向軸であるまたは該長手方向軸に平行にオフセットした回転軸周りに回転可能である。前記第二の作動部材は、前記第一の作動部材の前記回転軸と一致するまたは該回転軸に平行にオフセットした回転軸周りに回転可能であり、前記シャフトの前記長手方向軸に沿って(軸方向に)移動可能である。
【0012】
前記手術器具の前記作動部材は、前記エフェクタを含む前記シャフトの前記遠位端部の異なる運動を生じさせる。前記作動部材の一つ一つの運動により、前記遠位端部または前記遠位エフェクタの異なりかつ独立した運動が生じる。前記遠位先端の前記異なる運動とは、前記シャフトの前記長手方向軸周りの回転、および傾動平面または屈曲平面内の傾動運動または屈曲運動である。さらに、前記エフェクタ、好ましくは前記鉗子または鋏は、開閉させることができる。前記遠位端部の前記運動のために、前記二つの作動部材が前記ハンドルに設けられている。前記二つの作動部材は、好ましくは前記シャフトおよび前記ハンドルの前記長手方向軸と一致する長手方向軸において互いに隣り合って配置される。前記第一の作動部材は前記軸周りに回転可能であり、前記第二の作動部材も前記軸周りに回転可能である。したがって、前記二つの作動部材は、好ましくは同じ回転軸周りに回転可能である。また、前記第二の作動部材は、前記長手方向軸に沿って軸方向移動可能または並進運動可能である。前記第二の作動部材の前記軸方向移動は、前記第二の作動部材の前記回転運動から独立している。前記第二の作動部材は、遠位位置から近位位置におよびその逆に移動させることができる。
【0013】
要約すると、本開示の核心は、片手のみで操作可能な前記二つの作動部材のみを用いて、前記シャフトの前記遠位端部および該遠位にある前記エフェクタの一つ一つの運動を導くことである。
【0014】
前記手術器具は次の利点を有する。ユーザは片手のみで前記手術器具を保持して操作することができる。前記ハンドルは、ユーザが前記手術器具の操作中に握りを変えてはならないように配置されている。ユーザは、握りの位置を変えることなく、全ての作動部材に手が届き、前記作動部材の全ての可能な運動を実行することができる。さらに、前記手術器具を操作するのに前記二つの作動部材だけで済む。前記二つの作動部材は互いから独立して作動させることができる。前記エフェクタの前記異なる運動は逐次的に起動させることができる。特に、ユーザは、前記作動部材のうちの一方を、他方を作動または移動させる間に保持してはならない。これにより前記手術器具の操作が簡単になる。
【0015】
本開示の有利な態様は、添付の従属請求項の一部である。
【0016】
好ましくは、前記シャフトの前記長手方向軸に沿う前記第二の作動部材の前記(軸方向)移動により前記遠位エフェクタが作動する、好ましくは前記鉗子の前記顎部が開閉する。前記第二の作動部材を軸方向にスライドさせると、前記エフェクタの前記開/閉運動が生じる。前記エフェクタを作動させるのは非常に容易である。ユーザは、前記エフェクタを開閉するために前記ハンドルの握りを変える必要がない。
【0017】
好ましくは、前記エフェクタは、前記第二の作動部材がその遠位位置にあるときに開いており、前記エフェクタは、前記第二の作動部材がその近位位置にあるときに閉じている。したがって、前記エフェクタは、前記第二の作動部材をユーザの方へ引くことによって閉じることができる。これにより、ユーザ/オペレータには前記エフェクタの直感的なハンドリングがもたらされる。
【0018】
好ましくは、前記第二の作動部材は、ロックばねに軸方向に固定的に接続されている。前記第二の作動部材は、少なくとも前記遠位から前記近位位置への移動中に、前記ロックばねを移動させることができる。前記第二の作動部材は、作動ホイールと、該作動ホイールから近位方向に延出したカラーとを備えてよい。前記カラーは、前記ロックばねと係合して前記ロックばねを軸方向に移動させるショルダを備えてよい。好ましくは、前記ロックばねは、前記第二の作動部材が前記近位位置にあるとき前記カラーから独立して軸方向に移動可能である。
【0019】
前記ロックばねは、前記ハンドルの前記長手方向軸と同軸的に位置決めされた丸い本体を備えてよい。二つのロックアームが前記本体から前記遠位方向に延出する。前記ロックアームは前記長手方向軸の互いに正反対の側に配置される。
【0020】
好ましくは、前記ロックばねは(線)ばねに軸方向に固定的に接続され、前記ロックばねの前記軸方向移動により該ばねが圧縮される。前記ロックばねは、前記ロックばねの前記軸方向移動の軸が前記ばねの長手方向軸に対応するように前記ばねに接続されてよい。前記ばねが最大限圧縮されると、前記ばねも前記軸方向に移動される。前記シャフトの前記遠位端部が傾動されると、前記エフェクタを備える前記遠位端部と前記第二の作動部材との間の距離が変化する。前記ばねはその長手方向の伸びを変化させることができ、前記距離の変化を補償することができる。
【0021】
前記ばねは、前記第二の作動部材を前記近位位置まで押すときにユーザに抵抗をもたらす。また、前記ばねは、前記エフェクタがユーザによって開かれるときに、前記第二の作動部材をその遠位位置まで押し戻す。
【0022】
好ましくは、前記ばねは、コネクタまたは接続部材に軸方向に固定的に接続されている。前記コネクタは、前記ばねの前記軸方向移動とともに軸方向に移動することができる。前記コネクタは、前記ばねが取り付けられたベースプレートを備えてよい。前記ロックばねが軸方向に移動され、前記ばねが圧縮されると、前記コネクタも前記軸方向に移動される。
【0023】
好ましくは、前記コネクタは、作動チューブに軸方向に固定的に接続された細長いベース部材を備える。前記細長いベース部材は、前記作動チューブを包囲するチューブである。これは、前記コネクタが移動されると前記作動チューブが軸方向に移動されることを意味する。好ましくは、前記作動チューブは前記手術器具の前記シャフトに沿って延在し、その遠位端部で前記エフェクタに接続されている。したがって、前記作動チューブの(軸方向)移動により前記遠位エフェクタが作動する。
【0024】
要するに、前記第二の作動部材の前記軸方向移動は、前記ロックばね、前記(圧縮された)線ばね、および前記コネクタを介して前記作動チューブに伝達することができる。前記作動チューブの前記軸方向移動により前記エフェクタが作動する、好ましくは前記近位方向の移動で前記エフェクタの前記顎部が閉じ、好ましくは前記遠位方向の移動で前記顎部が開く。
【0025】
本開示の有利な一態様によれば、前記第一の作動部材のその回転軸周りの回転により、前記遠位端が傾動平面または屈曲平面内で傾動/屈曲する。これは、前記シャフトの前記遠位端部が、前記シャフトの前記長手方向軸の方向に延在するのではなく、前記遠位端部の延長線(または長手方向軸)と前記シャフトの残りの部分の前記長手方向軸との間に傾動角度を含むことを意味する。前記傾動運動により、前記エフェクタは、真っ直ぐなシャフトではアクセスできないであろう患者の体腔内の場所に届くことが可能となる。前記第一の作動部材は、ユーザが前記第一の作動部材を放したときに前記遠位端部が傾動位置からその初期位置に戻らないように自動ロックする。したがって、ユーザは前記第一の作動部材を放し、前記第二の作動部材を逐次的に作動させることができる。
【0026】
好ましくは、前記第一の作動部材は、前記第一の作動部材の前記回転を並進運動/軸方向移動に伝達するスピンドル/送りねじに回転可能に接続されている。前記第一の作動部材は、前記ハンドルのハウジング内に回転可能に取り付けられている。
【0027】
好ましくは、前記送りねじは、前記シャフトの前記長手方向軸に沿って軸方向に移動する、前記シャフト内に延在する傾動チューブに接続されている。前記送りねじは、前記第一の作動部材の前記回転を前記傾動チューブの前記並進運動/軸方向移動に伝達する。前記傾動チューブは、前記シャフトに沿って中空のシャフトチューブ内に延在してよい。
【0028】
好ましくは、前記傾動チューブの前記軸方向移動により前記遠位端部が作動して傾動する。前記傾動チューブは前記シャフトから突出してよい。前記傾動チューブが前記送りねじの前記軸方向移動によって前記遠位方向に押されると、前記傾動チューブは前記遠位端部にあるレバーを押し、該レバーを傾動させる。前記遠位端部は前記レバーとともに傾動する。前記近位方向への前記傾動チューブの軸方向移動により前記レバーが引き戻され、前記遠位端部は真っ直ぐになる。傾動機構は欧州特許第2377477号から知られている。
【0029】
本開示の別の有利な態様によれば、前記第二の作動部材のその回転軸周りの回転により、前記遠位端部が回転軸周りに回転する。前記遠位端部にある前記エフェクタも前記回転軸周りに回転される。したがって、前記エフェクタの前記顎部は回転させることができ、前記エフェクタは様々な位置で組織を掴むことができる。前記遠位端部の前記回転軸は、前記遠位端部が傾動されていない場合、前記シャフトの前記長手方向軸と一致することができる。前記遠位端部が傾動されている場合、前記遠位端部の前記回転軸は前記遠位端部の長手方向軸と一致する。前記遠位端部の前記長手方向軸と前記シャフトの前記長手方向軸との間には前記傾動角度が設けられてよい。
【0030】
好ましくは、前記第二の作動部材は、前記コネクタに回転的に固定されるように接続され、前記コネクタは、回転チューブに回転的に固定されるようにかつ軸方向変位可能に接続されている。前記回転チューブの回転により、前記遠位端部は前記長手方向軸周りに回転することができる。前記回転チューブは前記シャフトの前記長手方向軸に沿って延在し、前記傾動チューブ内を通ってよい。前記回転チューブは前記遠位端で前記傾動チューブから突出してよく、前記遠位端部に接続することができる。
【0031】
好ましくは、前記コネクタは、前記コネクタから、好ましくは前記コネクタのベースプレートから径方向に延出した突出ノーズを備える。前記突出ノーズは、前記第二の作動部材の前記カラーの受容開口に入ってロックされる。前記受容開口は、前記コネクタと前記カラーとを回転的に固定するようにかつ軸方向変位可能に接続するように設計される。したがって、前記第二の作動部材の前記回転は前記コネクタに伝達される。前記コネクタの回転が前記回転チューブを駆動してよい。前記カラーが、前記コネクタの、好ましくは前記コネクタの前記ベースプレートの受容開口に嵌合する突出ノーズを備えることもできることに留意されたい。
【0032】
好ましくは、前記遠位端部は、前記遠位端部が前記第一の作動部材の前記回転によって傾動されているとき、前記第二の作動部材の前記回転によって前記長手方向軸周りに回転可能である。前記回転チューブの前記回転は、前記遠位端部が前記シャフトの前記長手方向軸から傾動されていても、前記遠位端部に伝達することができる。
【0033】
好ましくは、前記作動チューブは前記回転チューブ内に延在する。前記回転チューブは前記傾動チューブ内に延在してよい。前記傾動チューブは前記シャフト内に延在してよい。前記内側のチューブは前記それぞれの外側のチューブから突出する。
【0034】
本開示の別の有利な態様によれば、前記第二の作動部材は近位位置で静止させることができる。前記第二の作動部材は、前記エフェクタを作動させるために前記遠位位置から前記近位位置に前記長手方向軸に沿って移動可能である。好ましくは、前記エフェクタは、前記第二の作動部材が前記遠位から前記近位位置に引かれると閉じる。前記第二の作動部材は前記近位位置で静止させることができる。これにより前記エフェクタがロックされたままになる。前記静止位置により、前記エフェクタが不必要に開閉できないことが保証される。例えば、前記エフェクタで組織片を掴むことができる。そして、エフェクタを閉位置でロックして前記組織をしっかりと掴み、前記組織を患者の体腔から除去する。
【0035】
前記ハンドルは、前記第二の作動部材を静止位置で静止させて前記第二の作動部材による前記長手方向軸に沿う前記軸方向移動を防止する静止手段を備えてよい。好ましくは、前記ロックばねは、近位位置から遠位位置への前記ロックばねの軸方向移動が阻止されるようにソケットのランプ上で静止するいくつかのロックアームを備える。前記ソケットは、前記ハウジング内に回転可能にかつ軸方向に固定的に取り付けられてよく、前記回転チューブを包囲する。前記阻止/静止されたロックばねにより、前記エフェクタが閉じている一方で前記第二の作動部材が前記ロックばねから独立して回転可能かつ移動可能なままであることが保証される。ユーザは前記エフェクタを前記静止位置でロックすることができ、前記第二の作動部材を保持しなくても前記第一および第二の作動部材を逐次的に回転させることができる。
【0036】
好ましくは、前記第二の作動部材は、前記遠位から前記近位位置に移動する間、前記ロックばねに軸方向に固定的に接続されている。前記第二の作動部材は前記ショルダを備え、前記ショルダは、前記ロックばねを前記第二の作動部材とともに前記遠位から前記近位位置に移動させる。しかしながら、前記第二の作動部材および前記ロックばねは、前記近位位置にあるときおよび前記近位から前記遠位位置への移動中は軸方向に変位可能である。このようにして、前記第二の作動部材は、前記静止位置でその回転軸周りに回転することができる。
【0037】
好ましくは、前記ロックアームは、前記ロックアームの側部に互いに逆方向に突出したピンを備える。好ましくは、前記第二の作動部材はモーションリンクを備え、該モーションリンクは、前記ロックアームのピンを前記ランプの上方に持ち上げ、前記静止位置をロック解除する。オペレータ/ユーザは前記第二の作動部材を前記遠位方向に押す。前記ピンは前記モーションリンク内を通り、前記ロックアームが持ち上げられる。前記第二の作動部材および前記ロックばねは前記近位位置では互いから独立して移動可能なので、前記モーションリンクは、オペレータからの前記第二の作動部材の前記押しがなければ前記ロックアームを持ち上げることはない。
【0038】
好ましくは、前記モーションリンクは山の形をしている。前記山は、前記ソケットの前記静止ランプの上方に前記ロックアームを持ち上げるのに十分な高さである。
【0039】
好ましくは、前記ハンドルはその長手方向軸に対して回転対称である。したがって、前記ハンドルはねじ回しのように保持して操作することができる。これは、ユーザが、前記ハンドル保持した手をひねることによって、前記ハンドル全体および前記ハンドルを備える前記手術器具をその長手方向軸に沿って回すことができることを意味する。これにより、前記手術器具をその長手方向軸周りに回すのに簡単かつ直感的なやり方が提供される。前記手術器具を回転することによって、前記器具の前記シャフトがその長手方向軸周りに回転される。前記ハンドルに対して前記器具の前記シャフトを回転させるのにさらなる作動部材は必要ない。前記ハンドルは回転対称なので、ユーザは前記ハンドルを好きなようにかつ操作上必要なように保持することができる。前記ハンドルの形状によって窮屈な姿勢が生じることはない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図3】本開示に係る前記手術器具のハンドルの部分断面図を示す。
【
図4】本開示に係る前記手術器具の前記ハンドルの断面図を示す。
【
図6】本開示に係る前記手術器具の前記ハンドルの側面図を示す。
【
図8】前記第二の作動部材が近位位置にある、本開示に係る前記手術器具の前記ハンドルの側面図を示す。
【
図10】エフェクタが開いた状態の傾動された遠位端部の詳細図を示す。
【
図11】エフェクタが閉じた状態の傾動された遠位端部の詳細図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1は、先行技術に係る手術器具101を示す。前記手術器具101の構成および機能は欧州特許第2377477号に詳述されている。前記器具101は、近位ハンドル102と、該ハンドル102から延出したシャフト104と、該シャフト104の遠位端部108にあるエフェクタ106とを備える。前記ハンドル102はC字形の形状またはC字形の曲線を有する。ハンドルピース110が結合部材112を介して前記シャフト104に枢動可能に接続されている。前記ハンドルピース110はヒンジ機構114によって前記結合部材112に接続されている。前記ハンドルピース110を前記結合部材112または前記シャフト104の長手方向軸に対して傾動することにより、前記遠位端部108が前記シャフトの方向から偏向する。前記ハンドルピース110はハンドレバー116を備える。前記ハンドレバー116の作動により前記遠位エフェクタ106が作動する。前記ハンドルピース110はさらに、その近位端に第一の回転ノブ118を備える。前記第一の回転ノブ118の回転により、前記遠位端部108がその長手方向軸周りに回転する。前記結合部材112は第二の回転ノブ120を備える。前記第二の回転ノブ120の回転により、前記シャフト102がその長手方向軸周りに回転する。
【0042】
図2は本開示に係る手術器具1を示す。前記手術器具1は、近位ハンドル2と、該ハンドル2から遠位方向に延出したシャフト4と、該シャフト4の遠位端部8にある(エンド)エフェクタ6とを備える。前記エフェクタ6は、好ましくは医療用鉗子または鋏である。前記ハンドル2は、第一の作動部材/第一の回転ノブ10および第二の作動部材/第二の回転ノブ12を備える。前記第一の作動部材10の方が前記ハンドル2の遠位端寄りに配置されている。前記第一の作動部材10は回転軸周りに(のみ)回転可能であり、該回転軸は前記シャフト4の長手方向軸14である。前記第二の作動部材12は回転軸周りに回転可能であり、該回転軸は、好ましくは前記第一の作動部材10の前記回転軸と一致する。前記第二の作動部材12はまた、遠位位置から近位位置へおよびその逆に前記シャフト4の前記長手方向軸14に沿って軸方向に移動可能である。
【0043】
前記第一の作動部材10のその回転軸周りの回転により、前記遠位端部8が(前記シャフト4に対して)屈曲平面または傾動平面内で傾動/屈曲する。前記第二の作動部材12のその回転軸周りの回転により、前記遠位端部8および前記エフェクタ6が(前記シャフト4に対して)前記シャフト4の前記長手方向軸14周りに回転する。前記第二の作動部材12の軸方向移動により、前記遠位エフェクタ6が作動(開/閉運動)する。好ましくは、前記第二の作動部材12の前記軸方向移動により、前記医療用鉗子または鋏の顎部の開閉運動が生じる。前記第二の作動部材12が前記遠位位置に位置決めされているとき、前記エフェクタ顎部は開いている。前記第二の作動部材12の前記近位位置では、前記エフェクタ顎部は閉じている。
【0044】
図3は前記ハンドル2の部分断面を示し、
図4は前記ハンドルの断面を示す。前記ハンドル2は、前記ハンドル2のハウジング16内にいずれも回転可能に取り付けられた前記第一の作動部材10および前記第二の作動部材12を備える。前記第一の作動部材10、前記第二の作動部材12、および前記ハウジング16はいずれも回転対称に形成されている。前記第一の作動部材10は、グリップ部を備える丸いホイールであり、前記ハウジング16内に回転可能に取り付けられている。前記第一の作動部材10は、スピンドル/送りねじ18に回転的に固定されるように接続されている。前記送りねじ18は、前記第一の作動部材10の回転運動を並進運動/軸方向移動に伝達する。前記送りねじ18は、傾動チューブ(傾動バー)20に軸方向に固定的に接続されている。前記傾動チューブ20は、前記送りねじ18から前記シャフト4の前記遠位端部8に向かって前記シャフト4内に延在した中空のチューブ/パイプ/バーである。前記傾動チューブ20は、例えば接着剤で、前記送りねじ18に永久的に接続されている。前記第一の作動部材10がその回転軸周りに回転されると、前記送りねじ18は該回転を前記シャフト4の前記長手方向軸14に沿う前記並進運動に伝達し、したがって前記傾動チューブ20の軸方向移動/並進運動が生じる。前記傾動チューブ20はその遠位端でレバーに接続されている。前記レバーは、前記シャフト4の前記遠位端部8を前記傾動平面内で傾動/屈曲させる。傾動機構は欧州特許第2377477号から知られており、本開示では詳述しない。前記第一の作動部材10および前記送りねじ18は、前記第一の作動部材10の不要な回転を防止するために自動ロックする。特に、前記遠位端部8が傾動されているときにユーザが前記第一の作動部材10を離したとき、前記自動ロックにより、前記遠位端部8がその初期状態に戻ることが防止される。
【0045】
前記第二の作動部材12もその回転軸周りに回転可能である。前記第二の作動部材12は、グリップ部を備える丸い作動ホイール22と、該作動ホイール22から前記ハンドル2の近位方向に延出した(チューブ状)カラー24とを備える。前記カラー24は、コネクタ26に回転的に固定されるようにしかし軸方向自在に接続されている。前記コネクタ26は、細長いベース部材28と、該ベース部材28から径方向外方に突出した薄いベースプレート30とを備える回転対称な部品である。前記ベースプレート30は、その周囲面から前記径方向外方に突出/突設されたいくつかのラッチノーズ/突起56を備える。前記ラッチノーズ/突起56は、前記ラッチノーズ56を受容可能な前記カラー24のいくつかの受容開口/ノッチ58に嵌合する。したがって、前記カラー24は前記コネクタ26を駆動するが、前記コネクタ26は前記カラー24に対して軸方向に移動可能である。
【0046】
前記コネクタ26の前記細長いベース部材28は回転チューブ32を包囲し、該回転チューブ32に回転的に固定されるようにかつ軸方向変位可能に接続されている。前記回転チューブ32は、前記シャフト4に沿って前記遠位端部8まで延在している。前記回転チューブ32の回転により、前記長手方向軸14周りの前記遠位端部8の回転が生じる。前記エフェクタ6は前記遠位端部8とともに回転する。前記遠位端部8および前記エフェクタ6に対する前記回転チューブ32の接続は、欧州特許第2377477号から既知である。前記回転チューブ32は前記傾動チューブ20内に延在し、前記遠位端で前記傾動チューブ20から突出している。
【0047】
前記第二の作動部材12の前記カラー24は、ロックばね36に接触しているショルダ34を含む。前記第二の作動部材12およびそのカラー24が前記ハンドルの前記長手方向軸に沿って軸方向に移動されると、前記ロックばね36は前記カラー24とともに前記近位方向に移動される。前記ロックばね36の長手方向軸は前記ハンドル2の前記長手方向軸14と一致している。前記ロックばね36は、回転対称な本体38と、該本体38から前記遠位方向に延出した二つのロックアーム40とを有する。前記ロックアーム40は、前記ロックばね36の回転軸の互いに正反対の側に配置されている。前記ロックばね36は、前記長手方向軸に沿って延在した、前記回転チューブ32を包囲するスリーブ/ソケット42に対して前記長手方向軸に沿って移動可能である。前記ソケット42は、回転可能にかつ軸方向に固定的に前記ハウジング16に取り付けられている。好ましくは、前記ハウジング16は、前記ハウジング16から突出し、前記ソケット42をその遠位端で保持するラッチを備える。
【0048】
前記ロックばね36は(線)ばね44に接続されている。前記ばね44は、その長手方向軸が前記ハンドル2の前記長手方向軸14と一致するように配置されている。前記ロックばね36が前記カラー24によってその長手方向軸に沿って前記ハンドル2の前記近位方向に移動されると、前記ばね44は圧縮される。その近位側では、前記ばね44は前記コネクタ26に接続されている。前記ばね44が最大限圧縮されると、前記コネクタ26も前記ロックばね36によって前記近位方向に移動される。前記コネクタ26は作動チューブ/作動バー46に固定的に接続されているので、前記作動チューブ46は前記コネクタ26の前記移動とともに軸方向に移動される。前記作動チューブ46は前記ハンドル2から前記遠位エフェクタ6まで延在しており、前記エフェクタ6を作動させる。したがって、前記第二の作動部材12の前記軸方向移動により前記遠位エフェクタ6が作動する。
【0049】
前記ハンドル2の前記長手方向軸に沿っていくつかのチューブが延在している。前記作動チューブ46は前記いくつかのチューブの内側にあるチューブである。前記作動チューブ46はその近位端が前記ハウジング16内に取り付けられている。前記回転チューブ32は前記作動チューブ46を包囲している。前記傾動チューブ20は前記回転チューブ32を包囲している。前記いくつかのチューブの最外層が前記シャフト4である。
【0050】
前記スリーブ/ソケット42は前記作動チューブ46および前記回転チューブ32を包囲し、前記ソケット42の外表面から径方向外方に突出した二つのランプ48を備える。前記二つのランプ48は前記長手方向軸の互いに正反対の側に配置されている。前記ロックばね36が前記ソケット42に対して近位方向に軸方向に移動されると、前記ロックばね36の前記ロックアーム40は前記ランプ48を乗り越える。換言すると、前記ロックばねは、前記エフェクタ6を閉じるように移動される。前記ロックアーム40は、前記近位方向の前記移動中に前記それぞれのランプ48を乗り越える。前記ランプ48は対称的な形状ではない。各ランプ48の近位側の斜面は遠位側の斜面よりも格段に急勾配である。したがって、前記ロックアーム40は、前記近位方向に前記ランプ48を乗り越えることはできるが、前記逆の遠位方向に前記ランプ48を乗り越えることはできない。したがって、前記ロックばね36はその近位位置でロックされる。遠位位置に戻れない前記ロックばね36は、前記ハンドル2の静止機構を備える。前記第二の作動部材12はその近位位置でロックされる。したがって、前記エフェクタ6はその閉位置でロック/静止される。前記第二の作動部材12は前記静止機構から独立して回転可能である。
【0051】
前記第二の作動機構12の前記静止機構をロック解除したいときは、オペレータが前記第二の作動部材12を前記遠位方向に移動させる。前記第二の作動部材12は、前記ロックアーム40が配置されたキャビティ50を備える。前記ロックアーム40は、前記ロックアーム40から横向きに反対方向に突出したピン52を備える。前記第二の作動部材12の前記キャビティ50は、前記ロックアーム40の前記ピン52が通るモーションリンク54を備える。前記モーションリンク54は
図5に示されており、山の形をしている。前記ピン52が前記モーションリンク54の中を通ると、前記ピン52は前記ロックアーム40とともに持ち上げられ、前記ソケット42上の前記ランプ48の上方に持ち上げられる。このようにして、前記ロックアーム40は前記静止ランプ48を横断することができ、前記静止機構はロック解除される。
図5は、前記モーションリンク54を備える前記第二の作動部材12、前記ランプ48を備える前記ソケット42、および前記コネクタ26を通る長手方向断面を示す。
【0052】
前記ロックアーム40および前記ランプ48は、前記ロックばね36および前記ソケット42が前記第二の作動部材12とともに回転するように前記第二の作動部材12の前記キャビティ50内に位置決めされている。しかしながら、前記ソケットは、前記ソケット42内に延在する前記回転チューブ32には接続されていない。
【0053】
前記コネクタ26の前記プレート部材30は、前記第二の作動部材12の前記カラー24の受容開口58に係合する突出ノーズ56を備える。前記突出ノーズ56および前記受容開口58は、前記カラー24と前記コネクタ26が回転可能にしかし軸方向には独立して接続されるように形成される。
【0054】
図6は、前記第二の作動部材12が遠位位置にある前記ハンドル2を示す。前記遠位位置では、前記シャフト4の前記遠位端部8にある前記エフェクタ6は
図7に示すように開いている。前記第二の作動部材12は前記遠位位置において自在に回転可能である。
【0055】
図8は、前記第二の作動部材12が前記近位位置にある前記ハンドル2を示す。前記近位位置では、前記シャフト4の前記遠位端部8にある前記エフェクタ6は
図9に示すように閉じている。前記第二の作動部材12は前記近位位置において自在に回転可能である。前記エフェクタ6は、前記近位方向への前記第二の作動部材12の移動によって閉じられる。前記エフェクタ6を備える前記遠位端部8はその長手方向軸周りに回転可能である。前記回転可能な遠位端部8は、回転可能なカプラ64によって前記シャフト4に接続されている。
【0056】
図10は、エフェクタ6が閉じた状態の前記シャフト4の傾動された遠位端部8を示す。
図11は、エフェクタ6が開いた状態の前記シャフト4の傾動された遠位端部8を示す。前記遠位端部8は、前記遠位端部8が傾動されているときも、その回転軸周りに回転可能であることに留意されたい。前記遠位端部8はジョイント60によって前記シャフト4の残りの部分に接続されている。前記遠位端部8用の傾動機構は、前記シャフト4と前記遠位端部8とを接続するヒンジレバー62を備える。前記傾動機構は、例えば欧州特許第2377477号から知られており、この点で該欧州特許を参照することができる。
【符号の説明】
【0057】
1 手術器具
2 ハンドル
4 シャフト
6 エフェクタ
8 遠位端部
10 第一の作動部材
12 第二の作動部材
14 長手方向軸
16 ハウジング
18 送りねじ
20 傾動チューブ
22 作動ホイール
24 カラー
26 コネクタ
28 ベース部材
30 ベースプレート
32 回転チューブ
34 ショルダ
36 ロックばね
38 本体
40 ロックアーム
42 ソケット
46 作動チューブ
48 ランプ
50 キャビティ
52 ピン
54 モーションリンク
56 突出ノーズ
58 受容開口
60 ジョイント
62 ヒンジレバー
101 手術器具
102 ハンドル
104 シャフト
106 エフェクタ
108 遠位端部
110 ハンドルピース
112 結合部材
114 ヒンジ機構
116 ハンドレバー
118 回転ノブ
120 第二の回転ノブ
【外国語明細書】