(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171334
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】積層型キャパシタ
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20231124BHJP
【FI】
H01G4/30 201L
H01G4/30 515
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081792
(22)【出願日】2023-05-17
(31)【優先権主張番号】10-2022-0060985
(32)【優先日】2022-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0083989
(32)【優先日】2022-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0186948
(32)【優先日】2022-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】鄭 先▲ミン▼
(72)【発明者】
【氏名】姜 秉成
(72)【発明者】
【氏名】孫 瑩豪
(72)【発明者】
【氏名】金 ▲ミン▼會
(72)【発明者】
【氏名】金 潤
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AE02
5E001AE03
5E082AA01
5E082AB03
5E082EE01
5E082FF05
5E082FG26
5E082GG10
(57)【要約】
【課題】積層型キャパシタを提供する。
【解決手段】誘電体層および内部電極を含むキャパシタ本体、そしてキャパシタ本体の外側に配置される外部電極を含み、誘電体層は複数の誘電体結晶粒を含み、複数の誘電体結晶粒の少なくとも一つ以上はマルチコアシェル(multicore-shell)構造を有し、マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒は2個以上の誘電体コアおよびコアの少なくとも一部を囲むシェルを含む、積層型キャパシタを開示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体層および内部電極を含むキャパシタ本体、及び
前記キャパシタ本体の外側に配置される外部電極を含み、
前記誘電体層は複数の誘電体結晶粒を含み、
前記複数の誘電体結晶粒の少なくとも一つ以上はマルチコアシェル(multicore-shell)構造を有し、
前記マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒は2個以上の誘電体コアおよび前記コアの少なくとも一部を囲むシェルを含む、積層型キャパシタ。
【請求項2】
前記マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒は前記誘電体コアを2個~5個含む、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項3】
前記誘電体の単位面積(0.5μm×0.5μm)当たりの前記マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒の平均面積は5%~100%である、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項4】
前記誘電体の単位面積(0.5μm×0.5μm)当たりの前記マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒の平均個数は1個~10個である、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項5】
前記マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒の平均直径に対する前記マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒が含むコア1個の平均直径比率は5%~50%である、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項6】
前記マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒の全体平均面積に対する前記マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒が含むシェルの平均面積比率は50%~95%である、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項7】
前記マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒の全体平均面積に対する前記マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒が含むコアの平均面積の和の比率は5%~30%である、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項8】
前記マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒においてコアの平均面積の和と前記シェルの平均面積比率は0.5:9.5~5:5である、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項9】
前記複数の誘電体結晶粒の少なくとも一つ以上はシングルコアシェル(single core-shell)構造を有し、
前記シングルコアシェル構造を有する誘電体結晶粒は1個の誘電体コアおよび前記コアの少なくとも一部を囲むシェルを含む、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項10】
前記シングルコアシェル構造を有する誘電体結晶粒の平均直径は100nm~1,000nmであり、
前記シングルコアシェル構造を有する誘電体結晶粒が含むコア1個の平均直径は50nm~500nmである、請求項9に記載の積層型キャパシタ。
【請求項11】
前記マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒の平均直径は100nm~1,000nmであり、
前記マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒が含むコア1個の平均直径は50nm~300nmである、請求項9に記載の積層型キャパシタ。
【請求項12】
前記シングルコアシェル構造を有する誘電体結晶粒の平均直径に対する前記シングルコアシェル構造を有する誘電体結晶粒が含むコア1個の平均直径比率は30%~80%である、請求項9に記載の積層型キャパシタ。
【請求項13】
前記シングルコアシェル構造を有する誘電体結晶粒の全体平均面積に対する前記シングルコアシェル構造を有する誘電体結晶粒が含むシェルの平均面積比率は20%~70%である、請求項9に記載の積層型キャパシタ。
【請求項14】
前記誘電体結晶粒は誘電材料を含む主成分と、副成分とを含み、
前記コアと前記シェルは前記主成分に対する前記副成分のモル比が互いに異なる、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項15】
前記コアは前記主成分100モル部に対する前記副成分を0.1モル部以下で含み、
前記シェルは前記主成分100モル部に対する前記副成分を0.1モル部超過30.0モル部以下で含む、請求項14に記載の積層型キャパシタ。
【請求項16】
前記主成分はBamTiO3(0.995≦m≦1.010)、(Ba1-XCax)m(Ti1-yZry)O3(0.995≦m≦1.010,0≦x≦0.10,0<y≦0.20)、Bam(Ti1-xZrx)O3(0.995≦m≦1.010,0≦x≦0.10)、(Ba1-XCax)m(Ti1-ySny)O3(0.995≦m≦1.010,0≦x≦0.10,0<y≦0.20)、またはこれらの組み合わせを含む、請求項14に記載の積層型キャパシタ。
【請求項17】
前記副成分はマンガン(Mn)、クロム(Cr)、バリウム(Ba)、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、ジルコニウム(Zr)、またはこれらの組み合わせを含む、請求項14に記載の積層型キャパシタ。
【請求項18】
前記副成分はランタン(La)、イットリウム(Y)、アクチニウム(Ac)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)、またはこれらの組み合わせをさらに含む、請求項17に記載の積層型キャパシタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本記載は積層型キャパシタに関する。
【背景技術】
【0002】
積層型キャパシタ(multi-layer ceramic capacitor,MLCC)は、電子機器の小型化、集積化および複合化により技術発展と共に苛酷条件での信頼性確保が競争力となった。
【0003】
このような傾向により高信頼性製品の場合、耐電圧を増加させるためにチタン酸バリウム(BaTiO3)の結晶粒(grain)のサイズを低減し、誘電体に添加剤として希土類元素を増量し、内部電極の平滑度を高めて、誘電体チタン酸バリウム母材のサイズを低減して結晶粒当たり印加される電圧を増加させる方向に設計する。
【0004】
しかし、初期の局部的な欠陥(defect)、微細構造(microstructure)、電気的特性との関連性を糾明するためにより多くの研究が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の一側面は、コア-シェル構造の誘電体結晶粒において固有抵抗成分が高いシェルの比率を増加させて固有抵抗を増加させることによって、苛酷条件でもIR低下を防ぐことができ、結晶粒の微粒化時にも誘電率の減少を補償して容量を満たし得る積層型キャパシタを提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一側面による積層型キャパシタは、誘電体層および内部電極を含むキャパシタ本体、そしてキャパシタ本体の外側に配置される外部電極を含み、誘電体層は複数の誘電体結晶粒を含み、複数の誘電体結晶粒の少なくとも一つ以上はマルチコアシェル(multicore-shell)構造を有し、マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒は2個以上の誘電体コアおよびコアの少なくとも一部を囲むシェルを含む。
【0007】
マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒は誘電体コアを2個~5個含み得る。
誘電体の単位面積(0.5μm×0.5μm)当たりのマルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒の平均面積は5%~100%であり得る。
【0008】
誘電体の単位面積(0.5μm×0.5μm)当たりのマルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒の平均個数は1個~10個であり得る。
【0009】
マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒の平均直径に対するマルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒が含むコア1個の平均直径比率は5%~50%であり得る。
【0010】
マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒の全体平均面積に対するマルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒が含むシェルの平均面積比率は50%~95%であり得る。
【0011】
マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒の全体平均面積に対するマルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒が含むコアの平均面積の和の比率は5%~30%であり得る。
【0012】
マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒でコアの平均面積の和とシェルの平均面積の比率は0.5:9.5~5:5であり得る。
【0013】
複数の誘電体結晶粒の少なくとも一つ以上はシングルコアシェル(single core-shell)構造を有し、シングルコアシェル構造を有する誘電体結晶粒は1個の誘電体コアおよびコアの少なくとも一部を囲むシェルを含み得る。
【0014】
シングルコアシェル構造を有する誘電体結晶粒の平均直径は100nm~1,000nmであり得る。
【0015】
シングルコアシェル構造を有する誘電体結晶粒が含むコア1個の平均直径は50nm~500nmであり得る。
【0016】
マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒の平均直径は100nm~1,000nmであり得る。
【0017】
マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒が含むコア1個の平均直径は50nm~300nmであり得る。
【0018】
シングルコアシェル構造を有する誘電体結晶粒の平均直径に対するシングルコアシェル構造を有する誘電体結晶粒が含むコア1個の平均直径比率は30%~80%であり得る。
【0019】
シングルコアシェル構造を有する誘電体結晶粒の全体平均面積に対するシングルコアシェル構造を有する誘電体結晶粒が含むシェルの平均面積比率は20%~70%であり得る。
【0020】
誘電体結晶粒は誘電材料を含む主成分と、副成分を含み得る。
コアとシェルは主成分に対する副成分のモル比が互いに異なり得る。
【0021】
コアは主成分100モル部に対して副成分を0.1モル部以下で含み得る。
シェルは主成分100モル部に対して副成分を0.1モル部超過30.0モル部以下で含み得る。
【0022】
主成分はBamTiO3(0.995≦m≦1.010)、(Ba1-XCax)m(Ti1-yZry)O3(0.995≦m≦1.010,0≦x≦0.10,0<y≦0.20)、Bam(Ti1-xZrx)O3(0.995≦m≦1.010,0≦x≦0.10)、(Ba1-XCax)m(Ti1-ySny)O3(0.995≦m≦1.010,0≦x≦0.10,0<y≦0.20)、またはこれらの組み合わせを含み得る。
【0023】
副成分はマンガン(Mn)、クロム(Cr)、バリウム(Ba)、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、ジルコニウム(Zr)、またはこれらの組み合わせを含み得る。
【0024】
副成分はランタン(La)、イットリウム(Y)、アクチニウム(Ac)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)、またはこれらの組み合わせをさらに含み得る。
【発明の効果】
【0025】
一側面による誘電体によれば、コア-シェル構造の誘電体結晶粒において固有抵抗成分が高いシェルの比率を増加させて固有抵抗を増加させることによって、苛酷条件でもIR低下を防ぐことができ、結晶粒の微粒化時にも誘電率の減少を補償して容量を満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】一実施形態による積層型キャパシタを示す斜視図である。
【
図2】
図1のI-I’線に沿って切断した積層型キャパシタの断面図である。
【
図3】
図1のキャパシタ本体の内部電極層の積層構造を示す分離斜視図である。
【
図4】
図2の誘電体層を拡大して示す断面図である。
【
図5】BT1、BT2、およびBT3のHALT故障時間を図式化したWeibull plotグラフおよび各母材による誘電体の最終微細構造および結晶粒サイズ分布を示す写真である。
【
図6】BT1、BT2、BT3の容量(Cp)、DF、およびMTTFを示すグラフである。
【
図7】raw BT powderのサイズによる最終結晶粒形状および成分分析結果であって、(a)はBT1のHAADFイメージであり、(b)はBT1のDyのEDSマッピングであり、(c)はBT1のSiのEDSマッピングであり、(d)はBT3のHAADFイメージであり、(e)はBT3のDyのEDSマッピングであり、(f)はBT3のSiのEDSマッピングである。
【
図8】サンプルによってSEMイメージで測定した結晶粒サイズとコアサイズを図式化した結果である(測定母数:30個)。
【
図9】母材サイズおよび温度による誘電率特性を示すグラフである。
【
図10】BT3の焼成温度による誘電率特性を示すグラフである。
【
図11】bulk領域抵抗のインピーダンス(impedance)測定結果を示すグラフである。
【
図12】結晶粒界抵抗のインピーダンス測定結果を示すグラフである。
【
図13】BTによるIV curve測定結果を示すグラフである(測定温度:170℃)。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付する図面を参照して本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように本発明の実施形態を詳細に説明する。図面では本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素に対しては同じ参照符号を付けた。また、添付する図面は本明細書に開示された実施形態の理解を容易にするためのものであり、本明細書に開示された技術的思想は添付する図面によって制限されず、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物ないし代替物を含むものとして理解しなければならない。
【0028】
第1、第2などのように序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するために使用できるが、前記構成要素は前記用語によって限定されない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的にのみ使用される。
【0029】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」または「接続されて」いると言及されたときには、その他の構成要素に直接連結されているか、接続されているか、または対向していることもできるが、中間に他の構成要素が存在し得ると理解しなければならない。反面、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」または「直接接続されて」いると言及された時には、中間に他の構成要素が存在しないものとして理解されなければならない。
【0030】
明細書全体で、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定するためであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性をあらかじめ排除しないものとして理解しなければならない。したがって、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対の意味を示す記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0031】
図1は一実施形態による積層型キャパシタ100を示す斜視図であり、
図2は
図1のI-I’線に沿って切断した積層型キャパシタ100の断面図であり、
図3は
図1のキャパシタ本体110で内部電極層の積層構造を示す分離斜視図である。
【0032】
本実施形態を明確に説明するために方向を定義すると、図面に示すL軸、W軸およびT軸はそれぞれキャパシタ本体110の長手方向、幅方向および厚さ方向を示す。ここで、厚さ方向(T軸方向)はシート形状の構成要素の広い面(主面)に垂直な方向であり得、一例として誘電体層111が積層される積層方向と同じ概念で使用することができる。長手方向(L軸方向)はシート形状の構成要素の広い面(主面)に並んで延びる方向に厚さ方向(T軸方向)と概ね垂直な方向になり、一例として両側に第1外部電極131および第2外部電極132が位置する方向であり得る。幅方向(W軸方向)はシート形状の構成要素の広い面(主面)に並んで延びる方向に厚さ方向(T軸方向)および長手方向(L軸方向)と概ね垂直な方向であり得、シート形状の構成要素の長手方向(L軸方向)の長さは幅方向(W軸方向)の長さより長くてもよい。
【0033】
図1~
図3を参照すると、本実施形態による積層型キャパシタ100は、キャパシタ本体110、そしてキャパシタ本体110の長手方向(L軸方向)に対向する両端に配置される第1外部電極131および第2外部電極132を含むことができる。
キャパシタ本体110は一例として、概ね六面体形状であり得る。
【0034】
本実施形態では説明の便宜上、キャパシタ本体110で厚さ方向(T軸方向)に互いに対向する両面を第1面および第2面、第1面および第2面と連結されて長手方向(L軸方向)に互いに対向する両面を第3面および第4面、第1面および第2面と連結されて第3面および第4面と連結されて幅方向(W軸方向)に互いに対向する両面を第5面および第6面と定義する。下面である第1面が実装基板に向かう面になる。
【0035】
キャパシタ本体110の形状、サイズおよび誘電体層111の積層数は、本実施形態の図面に示すものに限定されるものではない。
【0036】
キャパシタ本体110は複数の誘電体層111を厚さ方向(T軸方向)に積層した後に焼成したものであって、複数の誘電体層111と誘電体層111を間に置いて厚さ方向(T軸方向)に交互に配置される第1内部電極層121および第2内部電極層122を含む。
【0037】
この時、キャパシタ本体110の互いに隣接するそれぞれの誘電体層111の間の境界は走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を用いないと確認が困難である程度に一体化することができる。
【0038】
また、キャパシタ本体110はアクティブ領域とカバー領域112,113を含み得る。
【0039】
アクティブ領域は積層型キャパシタ100の容量形成に寄与する部分である。一例として、アクティブ領域は厚さ方向(T軸方向)に沿って積層される第1内部電極層121または第2内部電極層122が重畳(overlap)された領域であり得る。
【0040】
カバー領域112,113は厚さ方向マージン部として厚さ方向(T軸方向)にアクティブ領域の第1面および第2面側にそれぞれ位置し得る。このようなカバー領域112,113は、単一誘電体層111または2個以上の誘電体層111がアクティブ領域の上面および下面にそれぞれ積層されたものであり得る。
【0041】
また、キャパシタ本体110は側面カバー領域をさらに含み得る。側面カバー領域は幅方向マージン部として幅方向(W軸方向)にアクティブ領域の第5面および第6面側にそれぞれ位置し得る。このような側面カバー領域は、誘電体グリーンシート表面に内部電極層形成用導電性ペースト層を塗布するとき、誘電体グリーンシート表面の一部の領域にのみ導電性ペースト層を塗布し、誘電体グリーンシート表面の両側の側面には導電性ペースト層を塗布していない誘電体グリーンシートを積層した後、焼成することによって形成されることができる。
【0042】
カバー領域112,113と側面カバー領域は、物理的または化学的ストレスによる第1内部電極層121および第2内部電極層122の損傷を防止する役割をする。
【0043】
図4は
図2の誘電体層111を拡大して示す断面図である。以下、
図4を参照して誘電体層111を詳細に説明する。
【0044】
誘電体層111は複数の誘電体結晶粒1111,1112を含む。
複数の誘電体結晶粒1111,1112の少なくとも一つ以上は、マルチコアシェル(multicore-shell)構造を有する誘電体結晶粒1111である。
【0045】
マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒1111は、1個の誘電体結晶粒1111内に2個以上の誘電体コア1111aおよびコア1111aの少なくとも一部を囲むシェル1111bを含む。
【0046】
苛酷な駆動条件(例、高電圧および高温)でも安定した性能を示す高信頼性積層型キャパシタ100を開発するために、誘電体材料、一例としてチタン酸バリウム(BaTiO3)に温度特性を改善するための添加剤を添加してコア-シェル(core-shell)構造を有する誘電体結晶粒1112を形成する。
【0047】
また、積層型キャパシタ100の耐電圧を増加させるために、誘電体材料のサイズを低減して誘電体結晶粒1112当たりに印加される電圧を増加させる。しかし、誘電体材料のサイズを微粒化すると、一般的な焼成条件で製造された誘電体結晶粒1112のサイズも小さくなり、そのため誘電率が減少して容量が減少する問題がある。
【0048】
しかし、誘電体層111がマルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒1111を含む場合、誘電体材料のサイズを微粒化しても、誘電体結晶粒1111のサイズは既存の微粒化されていない誘電体材料を使用した場合と比較すると、類似し、かつ積層型キャパシタ100の高信頼性を確保することができる。
【0049】
すなわち、誘電体層111がマルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒1111を含む場合、誘電体結晶粒1111のサイズを既存のように維持して容量を満たし、かつ誘電体結晶粒1111内のコア1111aの比率を相対的に高めて誘電率減少を補償し、固有抵抗成分が高いシェル1111bの比率を増加させて固有抵抗を増加させることによって苛酷条件でもIR低下を防ぐことができる。
【0050】
誘電体結晶粒1111,1112は主成分と副成分を含む。
主成分はBamTiO3(0.995≦m≦1.010)、(Ba1-XCax)m(Ti1-yZry)O3(0.995≦m≦1.010,0≦x≦0.10,0<y≦0.20)、Bam(Ti1-xZrx)O3(0.995≦m≦1.010,x≦0.10)、(Ba1-XCax)m(Ti1-ySny)O3(0.995≦m≦1.010,0≦x≦0.10,0<y≦0.20)、またはこれらの組み合わせを含む誘電材料であり得る。
【0051】
副成分は、マンガン(Mn)、クロム(Cr)、バリウム(Ba)、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、ジルコニウム(Zr)、またはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0052】
また、副成分は、ランタン(La)、イットリウム(Y)、アクチニウム(Ac)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)、またはこれらの組み合わせをさらに含むことができる。
【0053】
コア1111a,1112aとシェル1111b,1112bは、主成分に対する副成分のモル比が互いに異なり、例えば、コア1111a,1112aとシェル1111b,1112bの境界で主成分に対する副成分のモル比が急激に変化し得る。そのため、コア1111a,1112aとシェル1111b,1112bの境界を簡単に区分でき、TEM-EDS分析によりこれを確認することができる。
【0054】
一例として、キャパシタ本体110のW軸方向の中央でL軸方向およびT軸方向に切断した断面において、L軸方向およびT軸方向中央に位置した誘電体層111の誘電体結晶粒1111,1112を透過電子顕微鏡(TEM,Transmission Electron Microscope)に設けられたEDS(Energy Disperse X-Ray Spectrometer)ライン(line)分析を行って、誘電体結晶粒1111,1112の中心で誘電体結晶粒1111,1112の外部方向に分析時、副成分のうち少なくともいずれか一つ、例えば、シリコン(Si)の濃度が急激に増加し始める部分をコア1111a,1112aとシェル1111b,1112bの境界とし、コア1111a,1112aとシェル1111b,1112bを区分することができ、これにより誘電体結晶粒1111,1112内に含まれたコア1111a,1112aの個数を測定することができる。
【0055】
例えば、コア1111a,1112aは、主成分100モル部に対して副成分を0.1モル部以下で含み、シェル1111b,1112bは主成分100モル部に対して副成分を0.1モル部超過30.0モル部以下で含むことができる。コア1111a,1112aが主成分100モル部に対する副成分を0.1モル部超過で含む場合、純粋なBaTiO3の材料的な特性が変わり得、シェル1111b,1112bが主成分100モル部に対する副成分を0.1モル部以下で含む場合、温度による誘電率の変化幅が大きくなり、30.0モル部超過で含む場合、初期絶縁抵抗が低くなる。
【0056】
すなわち、コア1111a,1112aには副成分が存在しないか存在しても微量のみが存在し得る。したがって、コア1111a,1112aは、不純物を含まずに純粋な主成分のみからなり、純粋な主成分は一般に不純物元素がドープされた主成分に比べて高い誘電率を有する。そのため、コア1111a,1112aは誘電率を維持する役割をすることができる。
【0057】
シェル1111b,1112bは副成分をコア1111a,1112aより多く含む。シェル1111b,1112bで主成分(ペロブスカイトABO3構造)のB-siteにドープされた副成分は他の希土類およびドープ元素が誘電体結晶粒1111,1112の内部に拡散するバンドギャップエネルギ(Band gap energy)を高める効果がある。そのため、他の希土類およびドープ元素が誘電体結晶粒1111,1112の内部に拡散することを抑制する障壁(barrier)の役割をすることができる。シェル1111b,1112bは誘電体結晶粒1111,1112が成長することを抑制する役割をして誘電体結晶粒1111,1112の微粒化に寄与することができる。また、シェル1111b,1112bで主成分のA-siteにドープされた副成分は信頼性および誘電率を向上させる役割をすることができる。
【0058】
マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒1111は、誘電体コア1111aを2個~5個、例えば2個~4個、または2個~3個含むことができる。マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒1111が誘電体コア1111aを2個未満で含む場合、信頼性の向上が難しく、5個を超えて含む場合は温度による容量変化率が高くなる。
【0059】
以下で説明する誘電体結晶粒1111,1112の平均直径、コア1111a,1112aの平均直径、誘電体結晶粒1111,1112の平均面積、コア1111a,1112aの平均面積、およびシェル1111b,1112bの平均面積は、次の方法により測定する。
【0060】
キャパシタ本体110のL軸方向およびT軸方向面(第5面または第6面)をW軸方向に誘電体層111が露出するまで、例えば約1/2地点まで研磨して、L軸方向およびT軸方向の断面を露出させて、L軸方向およびT軸方向の断面で任意の誘電体層111を選択し、アクティブ領域のうち0.5μm×0.5μmサイズ(単位面積)の領域を測定対象とする。または、キャパシタ本体110のL軸方向およびW軸方向面(第1面または第2面)をT軸方向に誘電体層111が露出するまで、例えば、約1/2地点まで研磨して、L軸方向およびW軸方向の断面に誘電体層111を露出させて、アクティブ領域のうち0.5μm×0.5μmサイズ(単位面積)の領域を測定対象とすることもできる。ただし、単位面積は少なくとも1個のマルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒を含む領域として設定する。
【0061】
測定対象に対して、透過電子顕微鏡(TEM,Transmission Electron Microscope)を用いて、加速電圧200kV,WD 115mmの条件で、誘電体結晶粒1111,1112の直径および誘電体結晶粒1111,1112の面積を測定する。この時、誘電体結晶粒1111,1112の直径は最大長軸とそれに直交する短軸のうち最大短軸の平均値で計算し、誘電体結晶粒1111,1112の面積は誘電体結晶粒1111,1112を円と仮定して直径を用いて計算する。
【0062】
また、測定対象に対して、透過電子顕微鏡(TEM,Transmission Electron Microscope)に設けられたEDS(Energy Disperse X-Ray Spectrometer)を用いて、加速電圧200kV、WD 115mm、Mapping scan(Dwell time)30usの条件で、誘電体結晶粒1111,1112の組成および元素分布を測定して、コア1111a,1112aとシェル1111b,1112bを区分することによって、コア1111a,1112aの直径、コア1111a,1112aの面積、およびシェル1111b,1112bの面積を測定する。この時、コア1111a,1112aの直径は長軸とそれに直交する短軸の平均値で計算し、コア1111a,1112aの面積はコア1111a,1112aを円と仮定して直径を用いて計算し、誘電体結晶粒1111,1112の面積からコア1111a,1112aの面積を除いて計算する。
【0063】
また、測定された誘電体結晶粒1111,1112の直径、コア1111a,1112aの直径、誘電体結晶粒1111,1112の面積、コア1111a,1112aの面積、およびシェル1111b,1112bの面積の平均値は、前記得られたL軸方向およびT軸方向の断面においてそれぞれ異なる3層の誘電体層111で測定した3個の値の算術平均値であるか、またはL軸方向およびT軸方向の断面においてそれぞれ異なる3層の誘電体層111でアクティブ領域の中央、片方の端、および他の片方の端で測定した合計9個の値の算術平均値であり得る。
【0064】
誘電体層111の単位面積(0.5μm×0.5μm)当たりのマルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒1111の平均面積は、5%以上、例えば15%以上、25%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、または100%以上であり得、100%以下、例えば90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、25%以下、または15%以下であり得、5%~100%、例えば15%~100%、25%~100%、または25%~90%であり得る。マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒1111の平均面積が100%以上である場合は、マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒1111の平均面積が単位面積(0.5μm×0.5μm)よりも大きい場合であり、この場合、マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒1111の平均面積は、単位面積(0.5μm×0.5μm)の100%以上、例えば110%以上、120%以上、130%以上、140%以上、150%以上、160%以上、170%以上、180%以上、190%以上、または200%以上であり得る。マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒1111の平均面積が5%未満である場合信頼性向上の効果観測が難しい。
【0065】
誘電体層111の単位面積(0.5μm×0.5μm)当たりのマルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒1111の平均個数は、1個~10個、例えば1個~7個、1個~5個、または1個~3個であり得る。マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒1111の平均個数が1個未満の場合、信頼性向上の効果観測が難しい。
【0066】
マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒1111の平均直径に対するマルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒1111が含むコア1111a1個の平均直径比率は、5%~50%、例えば12.8%~46.6%であり得る。マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒1111が含むコア1111a1個の直径比率が46.6%を超える場合、温度による誘電率変化率が増加し得る。
【0067】
マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒1111の全体平均面積に対するマルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒1111が含むシェル1111bの平均面積比率は、50%~95%、例えば70%~92%であり得る。マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒1111が含むシェル1111bの平均面積比率が95%を超える場合、温度による誘電率変化率が増加し得る。
【0068】
マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒1111の全体平均面積に対するマルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒1111が含むコア1111aの平均面積の和の比率は、5%~30%、例えば8%~24%であり得る。ここで、コア1111aの平均面積は、マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒1111が含むコア1111aの平均面積の和である。例えば、マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒1111が2個のコア1111aを含む場合、コア1111aの平均面積は2個のコア1111aの平均面積の和である。マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒1111が含むコア1111aの平均面積の和の比率が30%を超える場合、温度による誘電率変化率が増加し得る。
【0069】
マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒1111においてコア1111aとシェル1111bの平均面積比率は、0.5:9.5~5:5、例えば1:9~4:6であり得る。マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒1111においてシェル1111bの面積比率が9を超える場合、温度による誘電率変化率が増加し得る。
【0070】
一方、複数の誘電体結晶粒1111,1112の少なくとも一つ以上は、シングルコアシェル(single core-shell)構造を有する誘電体結晶粒1112である。
【0071】
シングルコアシェル構造を有する誘電体結晶粒1112は、1個の誘電体結晶粒1112内に1個の誘電体コア1112aおよびコア1112aの少なくとも一部を囲むシェル1112bを含む。
【0072】
シングルコアシェル構造を有する誘電体結晶粒1112の平均直径は100nm~1,000nmであり、シングルコアシェル構造を有する誘電体結晶粒1112が含むコア1112a1個の平均直径は50nm~500nmであり得る。
【0073】
反面、マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒1111の平均直径は100nm~1,000nmであり、マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒1111が含むコア1111a1個の平均直径は50nm~300nmであり得る。
【0074】
また、シングルコアシェル構造を有する誘電体結晶粒1112の平均直径に対するシングルコアシェル構造を有する誘電体結晶粒1112が含むコア1112a1個の平均直径比率は30%~80%、例えば36%~78%であり得る。
【0075】
また、シングルコアシェル構造を有する誘電体結晶粒1112の全体平均面積に対するシングルコアシェル構造を有する誘電体結晶粒1112が含むシェル1112bの平均面積比率は20%~70%、例えば30%~70%であり得る。
【0076】
すなわち、誘電体層111がマルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒1111を含む場合、シングルコアシェル構造を有する誘電体結晶粒1112のみを含む場合に比べて、誘電体材料のサイズを微粒化しても、誘電体結晶粒1111のサイズは既存の微粒化されていない誘電体材料を使用した場合と比較すると、類似し、1個の誘電体結晶粒1111内でコア1111aを含んで誘電率を確保しながらも、シェル1111bの比率を増加させることができる。
【0077】
一例として、誘電体層111の平均厚さは0.5μm~10μmであり得る。
第1内部電極121と第2内部電極122は互いに異なる極性を有する電極であって、誘電体層111を間に置いてT軸方向に沿って互いに対向するように交互に配置され、一端がキャパシタ本体110の第3および第4面を介してそれぞれ露出し得る。
【0078】
第1内部電極121と第2内部電極122は中間に配置された誘電体層111によって電気的に絶縁され得る。
【0079】
キャパシタ本体110の第3および第4面により交互に露出する第1および第2内部電極121,122の端部は第1外部電極131および第2外部電極132とそれぞれ接続されて電気的に接続され得る。
【0080】
第1内部電極層121および第2内部電極層122は、導電性金属を含み、例えばNi、Cu、Ag、Pd、またはAuなどの金属やこれらの合金、例えばAg-Pd合金を含むことができる。
【0081】
また、第1内部電極層121および第2内部電極層122は誘電体層111に含まれるセラミック材料と同一組成系の誘電体粒子を含むこともできる。
【0082】
第1内部電極層121および第2内部電極層122は導電性金属を含む導電性ペーストを使用して形成される。導電性ペーストの印刷方法はスクリーン印刷法またはグラビア印刷法などを用いることができる。
【0083】
一例として、第1内部電極層121および第2内部電極層122の平均厚さは0.1μm~2μmであり得る。
【0084】
第1外部電極131および第2外部電極132は互いに異なる極性の電圧が提供され、第1内部電極121および第2内部電極層122の露出する部分とそれぞれ接続されて電気的に接続され得る。
【0085】
上記のような構成により、第1外部電極131および第2外部電極132に所定の電圧を印加すれば、互いに対向する第1内部電極121および第2内部電極122の間に電荷が蓄積される。この時、積層型キャパシタ100の静電容量はアクティブ領域でZ方向に沿って互いに重なる第1内部電極121および第2内部電極122のオーバーラップした面積と比例する。
【0086】
第1外部電極131および第2外部電極132は、キャパシタ本体110の第3面および第4面にそれぞれ配置されて第1内部電極層121および第2内部電極層122と接続される第1接続部および第2接続部と、キャパシタ本体110の第1面および第2面と第3面および第4面が接するエッジに配置される第1バンド部および第2バンド部をそれぞれ含むことができる。
【0087】
第1バンド部および第2バンド部は第1接続部および第2接続部でキャパシタ本体110の第1面および第2面の一部までそれぞれ延び得る。第1バンド部および第2バンド部は第1接続部および第2接続部でキャパシタ本体110の第5面および第6面の一部までそれぞれさらに延び得る。第1バンド部および第2バンド部は第1外部電極131および第2外部電極132の固着強度を向上させるなどの役割をすることができる。
【0088】
一例として、第1外部電極131および第2外部電極132は、キャパシタ本体110と接触する第1ベース電極および第2ベース電極、第1ベース電極および第2ベース電極をそれぞれ覆うように配置される第1中間電極および第2中間電極、および第1中間電極および第2中間電極をそれぞれ覆うように配置される第1表面電極および第2表面電極をそれぞれ含むことができる。
【0089】
第1ベース電極および第2ベース電極は銅(Cu)を含むことができる。また、第1ベース電極および第2ベース電極は銅(Cu)を主成分として含有し、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、タングステン(W)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、またはこれらの合金のうちの一つ以上の物質とガラスを含むことができる。
【0090】
一例として、第1ベース電極および第2ベース電極の形成方法は、導電性金属およびガラスを含む導電性ペーストにキャパシタ本体110をディッピングして形成するか、導電性ペーストをキャパシタ本体110の表面にスクリーン印刷法またはグラビア印刷法などで印刷するか、導電性ペーストをキャパシタ本体110の表面に塗布するかまたは導電性ペーストを乾燥させた乾燥膜をキャパシタ本体110上に転写して形成することができる。
【0091】
第1ベース電極および第2ベース電極を前述した導電性ペーストで形成することによって十分な伝導性を維持しながらも、添加したガラスによって第1外部電極131および第2外部電極132の緻密度を高めることによってメッキ液および/または外部水分の浸透を効果的に抑制することができる。
【0092】
一例として、第1ベース電極および第2ベース電極に含まれるガラス成分は酸化物が混合された組成であり得、ケイ素酸化物、ホウ素酸化物、アルミニウム酸化物、遷移金属酸化物、アルカリ金属酸化物およびアルカリ土金属酸化物からなる群より選ばれた一つ以上であり得る。遷移金属は亜鉛(Zn)、チタン(Ti)、銅(Cu)、バナジウム(V)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)およびニッケル(Ni)からなる群より選択され、アルカリ金属はリチウム(Li)、ナトリウム(Na)およびカリウム(K)からなる群より選ばれ、アルカリ土金属はマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびバリウム(Ba)からなる群より選ばれた一つ以上であり得る。
【0093】
第1中間電極および第2中間電極は第1ベース電極および第2ベース電極の上に形成され、第1ベース電極および第2ベース電極を完全に覆う形態で形成されることができる。
【0094】
第1中間電極および第2中間電極は、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、またはこれらの混合物を含む導電性金属とベース樹脂を含むことができる。
【0095】
第1中間電極および第2中間電極に含まれるベース樹脂は、接合性および衝撃吸水性を有し、導電性金属粉末と混合してペーストを作ることができるものであれば特に制限されず、例えばエポキシ系樹脂を含むことができる。
【0096】
第1中間電極および第2中間電極に含まれる導電性金属は、第1ベース電極および第2ベース電極と電気的に接続できる材質であれば、特に制限されず、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、またはこれらの混合物を含むことができる。
【0097】
第1中間電極および第2中間電極は、キャパシタ本体110の第1面および第2面に延びて、第1中間電極および第2中間電極がキャパシタ本体110の第1面および第2面に延びて配置された領域の長さは第1ベース電極および第2ベース電極がキャパシタ本体110の第1面および第2面に延びて配置された領域の長さより長い。
【0098】
すなわち、第1中間電極および第2中間電極は、それぞれ第1ベース電極および第2ベース電極の上に形成され、第1ベース電極および第2ベース電極を完全に覆う形態で形成されることができる。
【0099】
一例として、第1表面電極および第2表面電極は、ニッケル(Ni)を主成分として含有することができ、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、スズ(Sn)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、タングステン(W)、チタン(Ti)または鉛(Pb)などの単独またはこれらの合金をさらに含むことができる。第1表面電極および第2表面電極は、積層型キャパシタ100の基板との実装性、構造的信頼性、外部に対する耐久度、耐熱性および等価直列抵抗値(Equivalent Series Resistance,ESR)を改善することができる。
【0100】
一例として、第1表面電極および第2表面電極はメッキによって形成される。第1表面電極および第2表面電極はスパッタまたは電解メッキ(Electric Deposition)により形成される。
【0101】
以下では発明の具体的な実施形態を提示する。ただし、下記に記載された実施形態は発明を具体的に例示または説明するためのものに過ぎず、発明の範囲はこれにより制限されるものではない。
【0102】
[実験方法]
固相法で合成されたチタン酸バリウム(BaTiO3,以下BT)母材を選定してDy、Mn、およびSiを主成分とする添加剤を使用する。同一焼成雰囲気(H2,0.7%)および温度で焼成してサンプルを準備する。サイズが異なる母材のサンプル命名は母材パウダーサイズを代表して、BT1(250nm~350nm)、BT2(150nm~250nm)、およびBT3(100nm~200nm)と命名する。BT3の場合、焼成温度を1150℃~1250℃(BT3-1~BT3-4)に変化させて最終誘電体結晶粒のサイズを調節する。
【0103】
[実験結果]
積層型キャパシタの誘電体として使用するBTは、焼成条件および添加剤により最終粒子の構造が決定されるが、これが結晶粒(grain)の結晶性およびコア-シェル形成に最も大きな影響を及ぼす。何よりもBTの結晶粒は部分的に添加剤が固溶されることによりコア-シェル構造を形成するため温度による容量変化率および誘電率を調節することができる。コアと呼ばれる部分は強誘電性正方晶(ferroelectric tetragonal)結晶格子を維持しており、コアを囲んだシェルの部分は添加剤が固溶された形態で擬立方晶(pseudocubic)結晶格子を維持し、コアとシェルは結晶粒を構成する要素である。
【0104】
誘電体に持続的に印加される直流電圧(DC bias)下での劣化(degradation)は酸素活性度に依存し、荷電欠陥(charged defect)の移動に起因する。誘電体結晶粒のコア-シェル構造は純粋なBTに対する低い温度による容量変化、低い誘電損が可能であり、高信頼性(reliability)および誘電体層の低い伝導度を有することができる。これは結晶粒界でドーパント(dopant)が多い領域が酸素空孔の移動を妨げるからである。
【0105】
図5はBT1、BT2、およびBT3のHALT(Highly Acceralated Life Test)故障時間を図式化したワイブルプロット(Weibull plot)グラフおよび各母材による誘電体の最終微細構造および結晶粒サイズ分布を示す写真であり、
図6はBT1、BT2、BT3の容量(Cp)、DF(Dissipation Factor)、およびMTTF(Mean time to Failure)を示すグラフである。
【0106】
図5を参照すると、BT1、BT2、およびBT3の電気的特性を確認した結果、加速寿命評価(HALT、170℃、33V/μmであるか)におけるMTTFは、各10h、37h、83hで母材が減るほどBT3が優勢であることを確認することができる。
【0107】
図6を参照して、BT3の場合、適正容量およびDFを有する1200℃を適正焼成温度に選定する。また、MTTFも母材100nm級のうち、1200℃で最も高い時間を記録することがわかる。
【0108】
平均結晶粒サイズはBT1、BT2、BT3-3の三つのサンプルが類似するが(~214nm)、出発母材サイズが減少するほどMTTFが増加する傾向を示す。このような結果は、積層型キャパシタでMTTFは誘電体層を構成する結晶粒の個数と相関関係があるという既存の理論では直接的な解析は難しい。
【0109】
また、同じサイズを有する母材BT3-2,BT3-3の場合を比較すると、平均結晶粒サイズは各165nm、214nm、MTTFは各78h、83hで既存の結晶粒数とMTTFの相関関係を解析した理論では説明しにくいので、誘電体の材料物性に焦点を合わせてアプローチする必要があり、材料の特性を理解するために微細構造および添加剤の固溶程度、電気的特性を理解する必要がある。
【0110】
また、母材の微粒化により粒成長(grain growth)挙動で差異を示すことがわかる。焼成(sintering)における駆動力(driving force)は、系の界面エネルギを低減する方向に進行し、自由表面(free surface)を減らそうとする方向に進行する。粒子のサイズにより粒子を構成する表面積が異なるので、粒子のサイズが小さくなるほど焼成駆動力である表面エネルギー(surface energy)は増加して拡散による粒成長のkineticsは速く起こる。
【0111】
添加剤が母材パウダー表面に拡散する過程を調べた結果、一つの結晶粒内のコアが2個以上のマルチコアシェルのメカニズムを提案する。また、SEMによりマルチコアシェルを確認する。
【0112】
図7はraw BT powderのサイズによる最終結晶粒形状および成分分析結果であって、(a)はBT1のHAADFイメージであり、(b)はBT1のDyのEDSマッピングであり、(c)はBT1のSiのEDSマッピングであり、(d)はBT3のHAADFイメージであり、(e)はBT3のDyのEDSマッピングであり、(f)はBT3のSiのEDSマッピングである。
【0113】
図7を参照すると、元素によってEDS(Energy Dispersive Spectrometer)mappingにより区別できる。添加剤の元素種類によってドープされる程度が変わるので、コアの界面および結晶粒界を正確に定義できるからである。
【0114】
添加剤元素のうちの一つであるジスプロシウム(Dy)は、コア(純粋BaTiO3)の内部に拡散できず、シェルに存在してコアとの境界を確認することができ、液相焼結剤の目的で使用するシリコン(Si)はBTの固溶性が低くて内部に拡散できず、結晶粒界で存在する。
【0115】
従来のBTコア-シェルの形態は1個のコアの周囲をシェルが囲んだ一つの結晶粒形態である。微粒化されることにより粒成長挙動が従来の発表されている内容と差別性がある、一つの結晶粒内のコアが複数含まれたマルチコアシェル構造の形成メカニズム(mechanism)について説明する。
【0116】
相対的に広い表面積を有する微粒粒子での添加剤の拡散体積は大きくなり、粒子成長が進行することにより他の結晶粒と接しているシェル界面で添加剤の拡散が進行し、シェルの体積が増加することにより粒子の界面に存在していたSiは結晶粒界面の外に析出されて二つのコア-シェルが一つの結晶粒に成長する。
【0117】
このような過程は粒子あるいは原子単位の物質移動性が自由な温度区間で行われ、相対的に粒子のサイズが小さくなるほど表面エネルギ(surface energy)が高くなり、不安定状態であるから同じ温度下では微粒化した粒子の粒成長が著しく現れる。互いに融合した粒子が各結晶粒界の移動および再整列によりマルチコアシェルを有する結晶粒を形成するのに必要なエネルギー消費(energy expense)はシングルコアシェル形成に比べて多く必要とされ、整合歪み(coherency strain)を解消するためにマルチコアシェル形成過程でシングルコアシェルに対する欠陥(point defect,dislocationなど)の頻度は高いと類推される。マルチコアシェル形成過程で粒子間のシェルが接触(contact)した結晶粒界の移動あるいは原子の整列により形成されると推定される。
【0118】
サンプルによってSEMイメージで測定した結晶粒サイズとコアサイズを図式化した結果を
図8に示す。
【0119】
図8を参照すると、母材サイズが減少することによりコアサイズが共に減少する。また、微粒母材を使用したBT3の場合、焼成温度が増加するほど結晶粒サイズは増加するがコアのサイズは類似水準を維持する。
【0120】
BT1の場合、結晶粒サイズが増加することによりコアサイズに増加する傾向を示すのでシェルが結晶粒サイズに応じて同一比率(平均シェル体積比:70.8%)で成長する。
【0121】
それより相対的に小さいBT2,BT3の場合、コアは類似するが、相対的にシェルの体積が増加して結晶粒が大きくなる傾向を示す。
【0122】
参考までに、平均シェル体積比は、BT2は85.1%、BT3-1は85.0%、BT3-2は85.3%、BT3-3は85.5%、BT3-4は88.2%である。
【0123】
さらに、BT3は、焼成温度の変化に応じて(1150℃~1250℃)コアサイズは維持され、結晶粒サイズがコアに対して2倍以上増加してシェルの併合(shell merging)が行われてマルチコアシェルへの成長の可能性を示す。結局、微粒化されるほど一つの結晶粒でコアに対するシェルの比率は増加し、これは電気的特性にも影響を与える。
【0124】
図9は母材サイズに応じた温度による誘電率特性を示すグラフであり、
図10はBT3の焼成温度に応じた温度による誘電率特性を示すグラフである。
【0125】
図9および
図10を参照すると、温度による誘電率特性を図式化したグラフからバルク(bulk)チップの特性が分かる。結晶粒サイズが330nm帯の純粋なBTは正方晶(tetragonal)から立方晶(cubic)に相転移されるキュリー(Curie)温度が125℃で明らかである。
【0126】
Dy、Mn、およびSiを主成分として有する添加剤を使用した時、最終サンプルでは誘電率が常温で2200~2700であることを確認することができる。
【0127】
BT1の場合、微細構造形状を比較すると、コアに対するシェルの体積が相対的に他のサンプルに比べて小さく、125℃を基準として温度による誘電率変化率が変わることを確認することができる。
【0128】
それに準じてBT2、BT3の場合、最大誘電率は70℃でそれぞれ3279、2500である。微粒によってコアサイズが減少して誘電率は減少するが、シェルの形成によってmax誘電率の位置が低温に移動する。
【0129】
BT2の場合、温度に対する誘電率変化率が変化する変曲点を純粋BTと同じ温度で行われ、シェルの形成により相転移温度に対する敏感度を鈍化させたことが分かる。
【0130】
微粒化による信頼性向上の原因を明らかにするためにインピーダンス(impedance)および直流電源での電流挙動を確認する。
【0131】
図11はバルク領域抵抗のインピーダンス(impedance)測定結果を示すグラフであり、
図12は結晶粒界抵抗のインピーダンス測定結果を示すグラフであり、
図13はBTによるIV curve測定結果を示すグラフである(測定温度:170℃)。
【0132】
インピーダンスは抵抗成分をバルクと結晶粒界の2個の抵抗成分に設定してフィッティング(fitting)する。母材サイズおよび結晶粒形態を比較するためにBT1、BT2、BT3-2、BT3-3サンプルを選定する。先に、母材サイズが小さくなるほど(BT1、BT2、BT3)バルクと結晶粒界の抵抗が急増する。
【0133】
BT2とBT3の場合、結晶粒界の抵抗が増加する。BT3の場合、シングルコアシェルとマルチコアシェルの比較のために焼成温度を異にした試料を選定し、先に計算した平均結晶粒サイズは母材のサイズが小さくなるほどバルク部分(コアとシェル)と結晶粒界の抵抗成分が増加する。
【0134】
焼成温度を増加するとシェルの体積が相対的に増え、バルク部分の抵抗が増加し、結晶粒界は微小に減少する。これは
図11で予想したように抵抗の成分が増加してバルク部分の抵抗が増加したものと解釈される。
【0135】
HALTと同じ温度条件である170℃で測定したI-V curve結果を調べれば、母材サイズが減少することにより漏洩電流(leakage current)が減少する。これは直流電界下にインシュレータ(insulator)の役割を抵抗の増加と結び付けることができる。母材微粒化時、インピーダンスで測定した抵抗の効果と相関関係を見ると、結晶粒界抵抗が増加するほど、電圧が増加するときの漏洩電流が相対的に減少する。
【0136】
また、劣化の程度とHALTで予想した故障寿命との相関関係を見ることができる。
結果的に、高信頼性製品を保証するために、母材BTの微粒化により寿命向上を確認することができる。しかし、微細構造での平均結晶粒サイズは類似するため直接的なMTTFに誘電体層内の結晶粒数と直接結び付けるのは難しい。これをBT微粒化の場合、既存のシングルコアシェルだけでなくマルチコアシェルが共に存在する微細構造的な差異を有すると説明することができる。また、加速寿命評価において信頼性改善の効果を一つの結晶粒内のエネルギ障壁(energy barrier)の増加による抵抗成分の増加も確認することができる。
【0137】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、請求範囲と発明の説明および添付する図面の範囲内で多様に変形して実施することが可能であり、これもまた本発明の範囲に属するのは当然である。
【符号の説明】
【0138】
100:積層型キャパシタ
110:キャパシタ本体
111:誘電体層
1111:マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒
1111a:マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒のコア
1111b:マルチコアシェル構造を有する誘電体結晶粒のシェル
1112:シングルコアシェル構造を有する誘電体結晶粒
1112a:シングルコアシェル構造を有する誘電体結晶粒のコア
1112b:シングルコアシェル構造を有する誘電体結晶粒のシェル
112,113:カバー領域
121:第1内部電極
122:第2内部電極
131:第1外部電極
132:第2外部電極