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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171350
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】ローラ装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/02 20060101AFI20231124BHJP
   A61F 13/15 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
B65H5/02 B
A61F13/15 300
B65H5/02 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023082753
(22)【出願日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】22174697.7
(32)【優先日】2022-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】518127956
【氏名又は名称】カート ジー.ジョア、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ギファイ,ザカリー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー,サムエル エー.
【テーマコード(参考)】
3B200
3F049
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200AA03
3B200EA27
3F049AA10
3F049DA12
3F049LA16
3F049LB12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ウェブの弾性を低減するために伸縮性のあるウェブを処理するためのローラ装置を提供する。
【解決手段】第1の円筒体14の形態を成し、第1の円筒体14の長尺軸Aの周りで回転するように取り付けられるパターンローラ12と、第2の円筒体18の形態を成し、第2の円筒体18の長尺軸Bの周りで回転するように取り付けられるアンビルローラ16とを備える。第1の円筒体14の外側円筒面14aは、第1の円筒体14の幅方向及び周方向の両方向で延在する所定の形状を有する隆起輪郭部24を画定する。パターンローラ12は、第1の円筒体14の長尺軸Aに沿って幅方向に延びる長尺カートリッジヒータを組み込む。カートリッジヒータは、中央に位置する中間ゾーンの両側に幅方向で位置する少なくとも2つの外側ゾーンを画定する。カートリッジヒータは、使用時に、中間ゾーンよりも多くの熱を外側ゾーンで生成するように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローラ装置であって、該装置を通過する少なくとも1つのウェブを処理し、前記装置は、第1の円筒体の形態を成し、前記第1の円筒体の長尺軸の周りで回転するように取り付けられるパターンローラと、第2の円筒体の形態を成し、前記第2の円筒体の長尺軸の周りで回転するように取り付けられるアンビルローラとを備え、前記パターンローラ及び前記アンビルローラは、前記第1及び第2の円筒体の外側円筒面間にニップを画定するように互いに隣り合って位置され、前記第1及び第2の円筒体は、使用時に、前記第1及び第2の円筒体の前記外側円筒面間に画定される前記ニップを通じて前記少なくとも1つのウェブを引き込むように互いに反対方向に回転するように構成され、
前記第1の円筒体の前記外側円筒面は、前記第1の円筒体の幅方向及び周方向の両方向で延在する所定の形状を有する隆起輪郭部を画定し、
前記パターンローラは、前記第1の円筒体の前記長尺軸に沿って又は前記長尺軸付近で前記第1の円筒体の幅方向に延在する長尺カートリッジヒータを組み込み、前記カートリッジヒータは、中央に位置された中間ゾーンの両側で幅方向に位置する少なくとも2つの外側ゾーンを画定し、前記カートリッジヒータは、使用時に、前記中間ゾーンよりも多くの熱を前記外側ゾーンで生成するように構成される、ローラ装置。
【請求項2】
前記アンビルローラは、前記第2の円筒体の前記長尺軸に沿って又は前記長尺軸付近で前記第2の円筒体の幅方向に延在する長尺カートリッジヒータを組み込み、前記カートリッジヒータは、中央に位置する中間ゾーンの両側で幅方向に位置する少なくとも2つの外側ゾーンを画定し、前記カートリッジヒータは、使用時に、前記中間ゾーンよりも多くの熱を前記外側ゾーンで生成するように構成される、請求項1に記載のローラ装置。
【請求項3】
前記パターンローラは、前記第1の円筒体の幅方向に延在する複数の長尺カートリッジヒータを組み込み、前記長尺カートリッジヒータは、前記第1の円筒体の前記長尺軸と略平行に幅方向で延在するように前記第1の円筒体の前記長尺軸の周りに等間隔で離間する形態で配置される、請求項1又は2に記載のローラ装置。
【請求項4】
前記アンビルローラは、前記第2の円筒体の幅方向に延在する複数の長尺カートリッジヒータを組み込み、前記長尺カートリッジヒータは、前記第2の円筒体の前記長尺軸と略平行に幅方向で延在するように前記第2の円筒体の前記長尺軸の周りに等間隔で離間する形態で配置される、請求項1から3のいずれか一項に記載のローラ装置。
【請求項5】
前記パターンローラ及び前記アンビルローラの前記カートリッジヒータは、使用時に、前記第1及び第2の円筒体の前記外側円筒面の温度を独立して制御するように選択的に制御可能である、請求項1から4のいずれか一項に記載のローラ装置。
【請求項6】
前記カートリッジヒータ又は各カートリッジヒータは、その中間ゾーンで熱を生成しないように構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載のローラ装置。
【請求項7】
前記カートリッジヒータ又は各カートリッジヒータの前記外側ゾーンで生成された熱は、使用時に、前記それぞれの円筒体の前記外側円筒面の幅に沿って一貫した温度を維持するように制御可能である、請求項1から6のいずれか一項に記載のローラ装置。
【請求項8】
前記隆起輪郭部は、前記第1の円筒体の前記外側円筒面の残りの部分に対して等距離で突出する滑らかな処理面を画定する、請求項1から7のいずれか一項に記載のローラ装置。
【請求項9】
前記パターンローラ及びアンビルローラは、前記第1及び第2の円筒体の前記外側円筒面間に画定された前記ニップを調整するために互いに対して移動可能である、請求項1から8のいずれか一項に記載のローラ装置。
【請求項10】
前記第1及び第2の円筒体のそれぞれの回転は、使用時に、前記第1及び第2の円筒体の回転速度を独立して制御するように選択的に制御可能である、請求項1から9のいずれか一項に記載のローラ装置。
【請求項11】
ウェブを処理する方法において、
ウェブを該ウェブを処理するためのローラ装置に供給するステップであって、前記装置が、第1の円筒体の形態を成し、前記第1の円筒体の長尺軸の周りで回転するように取り付けられるパターンローラと、第2の円筒体の形態を成し、前記第2の円筒体の長尺軸の周りで回転するように取り付けられるアンビルローラとを備え、前記パターンローラ及び前記アンビルローラが、前記第1及び第2の円筒体の外側円筒面間にニップを画定するように互いに隣り合って位置する、ステップと、
前記パターンローラを第1の方向に回転させるとともに、前記アンビルローラを第2の反対方向に回転させて、前記ウェブを前記ニップを通じて引き込むステップと、
前記第1の円筒体の前記外側円筒面によって画定された隆起輪郭部によって前記ウェブの別個の領域に圧力を印加するステップであって、前記隆起輪郭部が、前記第1の円筒体の幅方向及び円周方向の両方向で延在する所定の形状を有する、ステップと、
前記第1の円筒体を加熱するとともに、前記ウェブが前記ニップを通じて引き込まれるときに前記第1の円筒体の前記外側円筒面と接触している前記ウェブの前記外面を加熱するために、前記パターンローラに組み込まれたカートリッジヒータを動作させるステップであって、前記カートリッジヒータが、前記第1の円筒体の前記長尺軸に沿って又は前記長尺軸付近で前記第1の円筒体の幅方向に延在するとともに、中央に位置された中間ゾーンの両側で幅方向に位置する少なくとも2つの外側ゾーンを画定し、前記カートリッジヒータが、前記中間ゾーンよりも多くの熱を前記外側ゾーンで生成する、ステップと、
を含む方法。
【請求項12】
前記第2の円筒体を加熱するとともに、前記第2の円筒体の前記外側円筒面と接触して前記ニップを通じて引き込まれている前記ウェブの外面を加熱するために、前記アンビルローラに組み込まれたカートリッジヒータを動作させるステップを更に含み、前記カートリッジヒータは、前記第2の円筒体の前記長尺軸に沿って又は前記長尺軸付近で前記第2の円筒体の幅方向に延在するとともに、中央に位置された中間ゾーンの両側で幅方向に位置する少なくとも2つの外側ゾーンを画定し、前記カートリッジヒータが、前記中間ゾーンよりも多くの熱を前記外側ゾーンで生成する、請求項11に記載のウェブを処理する方法。
【請求項13】
前記パターンローラは、前記第1の円筒体の幅方向に延在する複数の長尺カートリッジヒータを組み込み、前記長尺カートリッジヒータは、前記第1の円筒体の前記長尺軸と略平行に幅方向で延在するように前記第1の円筒体の前記長尺軸の周りに等間隔で離間する形態で配置される、請求項11又は12に記載のウェブを処理する方法。
【請求項14】
前記アンビルローラは、前記第2の円筒体の幅方向に延在する複数の長尺カートリッジヒータを組み込み、前記長尺カートリッジヒータは、前記第2の円筒体の前記長尺軸と略平行に幅方向で延在するように前記第2の円筒体の前記長尺軸の周りに等間隔で離間する形態で配置される、請求項11から13のいずれか一項に記載のウェブを処理する方法。
【請求項15】
前記パターンローラ及び前記アンビルローラの前記カートリッジヒータは、前記第1及び第2の円筒体の前記外側円筒面の温度を独立して制御するように選択的に且つ独立に制御される、請求項12に記載のウェブを処理する方法。
【請求項16】
前記カートリッジヒータ又は各カートリッジヒータは、その中間ゾーンで熱を生成しないように動作される、請求項11から15のいずれか一項に記載のウェブを処理する方法。
【請求項17】
前記カートリッジヒータ又は各カートリッジヒータの前記外側ゾーンで生成された熱は、前記それぞれの円筒体の前記外側円筒面の幅に沿って一貫した温度を維持するように制御される、請求項11から16のいずれか一項に記載のウェブを処理する方法。
【請求項18】
前記隆起輪郭部は、前記第1の円筒体の前記外側円筒面の残りの部分に対して等距離で突出する滑らかな処理面を画定する、請求項11から17のいずれか一項に記載のウェブを処理する方法。
【請求項19】
前記パターンローラ及びアンビルローラの位置は、前記ウェブの厚さに応じて前記第1及び第2の円筒体の前記外側円筒面間に画定された前記ニップを調整するために互いに対して移動される、請求項11から18のいずれか一項に記載のウェブを処理する方法。
【請求項20】
前記第1及び第2の円筒体のそれぞれの回転は、前記第1及び第2の円筒体の回転速度を独立して制御するように選択的に且つ独立に制御される、請求項11から19のいずれか一項に記載のウェブを処理する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置を通過する少なくとも1つのウェブを処理するためのローラ装置、及びウェブを処理する方法に関する。より具体的には、本発明は、ウェブの弾性を低減するために伸縮性のあるウェブを処理するためのローラ装置及び関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、成人用失禁製品、夜尿パンツ、トレーニングパンツ及びおむつを含む着用可能な吸収性物品は、一般に、使用中に物品を着用者に対してぴったりとした状態に保つために、物品の前側及び/又は後側にわたって伸縮性のある部分を組み込む。幾つかの物品は、必要な弾力性を与えるために、前後のウエストパネル内に多数の弾性ストランドを使用する。他の物品は、単独で提供されてもよく又は1つ以上の織層又は不織層に取り付けられてもよい、例えばメルトブローンエラストマー繊維ウェブ、共押出エラストマーフィルム、弾性スクリム、又はエラストマーフィルムなどの弾性不織ウェブを備えてもよいエラストマーウェブを使用する。また、特定の女性用衛生製品は、前述のエラストマー材料から製造される伸縮性のある領域を含む。
【0003】
そのような吸収性物品は、尿又は他の体液を吸収するために、木材パルプフラッフ、高吸収性ポリマー及び/又は他の吸収性材料から形成された吸収性部材を含む。吸収性部材は、一般に股下領域に位置するが、物品の前後部へと延びる場合がある。吸収性部材と物品の伸縮性のある領域との間に重なりがある場合、ウエストパネルに組み込まれた弾性ストランド又はエラストマーウェブによって生み出される張力は、吸収性部材の集群化を引き起こす可能性がある。
【0004】
そのような集群化は、吸収性物品のフィット性に影響を与えるため望ましくない。前側又は後側の領域に集群化される吸収性物品は、使用時に着用者にピッタリとフィットしにくい。その結果、漏れ易くなる。また、集群化される吸収性物品は、嵩が大きいため、外衣を通して視認され易い。これは、成人用失禁製品及び夜尿パンツを着用している人にとって特に厄介である。
【0005】
吸収性物品の前後領域にわたる集群化を低減するために、前後のウエスト部を形成するために用いられるウェブの弾力性が損なわれることが多い。吸収性部材と重なり合う領域におけるウェブの弾力性の低下は、さもなければ吸収性部材の集群化を引き起こす可能性のある張力を除去し、それによって吸収性物品の嵩を減少させる。
【発明の概要】
【0006】
本発明の一態様によれば、ローラ装置が提供され、このローラ装置は、該装置を通過する少なくとも1つのウェブを処理するとともに、第1の円筒体の形態を成し、第1の円筒体の長尺軸の周りで回転するように取り付けられるパターンローラと、第2の円筒体の形態を成し、第2の円筒体の長尺軸の周りで回転するように取り付けられるアンビルローラとを備え、パターンローラ及びアンビルローラは、第1及び第2の円筒体の外側円筒面間にニップを画定するように互いに隣り合って位置され、第1及び第2の円筒体は、使用時に、第1及び第2の円筒体の外側円筒面間に画定されるニップを通じて少なくとも1つのウェブを引き込むように互いに反対方向に回転するように構成され、
第1の円筒体の外側円筒面は、第1の円筒体の幅方向及び周方向の両方向で延在する所定の形状を有する隆起輪郭部を画定し、
パターンローラは、第1の円筒体の長尺軸に沿って又は長尺軸付近で第1の円筒体の幅方向に延在する長尺カートリッジヒータを組み込み、カートリッジヒータは、中央に位置された中間ゾーンの両側で幅方向に位置する少なくとも2つの外側ゾーンを画定し、カートリッジヒータは、使用時に、中間ゾーンよりも多くの熱を外側ゾーンで生成するように構成される。
【0007】
ローラ装置は、例えば吸収性物品の製造に使用するための伸縮性のあるウェブの弾力性を低減するための機構を備える。パターンローラとアンビルローラとの間に画定されたニップは、ローラ間に引き込まれる伸縮性のあるウェブに圧力を印加し、この場合、第1の円筒体の周面によって画定される隆起輪郭部が、ウェブの別個の領域に印加される圧力を増大させる。
【0008】
パターンローラに組み込まれたカートリッジヒータの結果としての熱の印加と組み合わせて、ウェブの別個の領域に増大した圧力を印加すると、ウェブの別個の領域の弾力性が低下する。
【0009】
第1の円筒体の長尺軸に沿って又は長尺軸付近で第1の円筒体の幅方向に延在するとともに中間ゾーンの両側に幅方向で位置する少なくとも2つの外側ゾーンを画定するカートリッジヒータであって、中間ゾーンよりも多くの熱を外側ゾーンで生成するように構成されるカートリッジヒータを設けると、それによって第1の円筒体の幅に沿ってより一貫した温度がもたらされるため、特に有利である。
【0010】
そうでなければ、円筒体の幅に沿って温度が異なると、円筒体の異なる領域が他の領域よりも大きく膨張する。上記のローラ装置において、第1の円筒体の幅に沿う温度の非一貫性は、第1及び第2の円筒体の長さに沿うニップのサイズの非一貫性をもたらす。
【0011】
第1の円筒体の幅に沿って一貫した温度を維持することは、ニップのサイズが第1の円筒体の幅に沿って一貫したままであるようにするのに役立ち、また、ニップを通過するウェブに加えられる熱の量もローラの幅に沿って一貫している。
【0012】
また、ローラ装置のアンビルローラも、第2の円筒体の長尺軸に沿って又は長尺軸付近で第2の円筒体の幅方向に延在する長尺カートリッジヒータを組み込み、カートリッジヒータは、中央に位置する中間ゾーンの両側で幅方向に位置する少なくとも2つの外側ゾーンを画定し、カートリッジヒータは、使用時に、中間ゾーンよりも多くの熱を外側ゾーンで生成するように構成される。
【0013】
パターンローラと同様に、カートリッジヒータ形態は、第2の円筒体の幅に沿ってより一貫した温度をもたらす。
【0014】
両方のローラを加熱することにより、ローラ装置は、両側からニップを通じて引き込まれた伸縮性のあるウェブを加熱することができ、それにより、パターンローラの第1の円筒体の外周面によって画定された隆起輪郭部の結果としてより大きな圧力を受けるウェブの領域にわたって伸縮性のあるウェブの弾力性を減少させるローラ装置の性能を改善する。
【0015】
本発明の実施形態において、パターンローラ、及び任意選択的にアンビルローラは、それぞれの円筒体の長尺軸に沿って延びる加熱された単一のカートリッジを含んでもよい。これにより、円筒体全体にわたって熱の均一な分布が確保される。
【0016】
他の実施形態において、パターンローラは、第1の円筒体の幅方向に延在する複数の長尺カートリッジヒータを組み込み、長尺ヒータは、第1の円筒体の長尺軸と略平行に幅方向で延在するように第1の円筒体の長尺軸の周りに等間隔で離間する形態で配置される。この配置は、特に比較的大きな直径を有する円筒体が使用される場合に、円筒体の全体にわたって熱の均一な分布を同様に確保する。
【0017】
好ましくは、パターンローラ及びアンビルローラのカートリッジヒータは、使用時に、第1及び第2の円筒体の外側円筒面の温度を独立して制御するように選択的に制御可能である。そうすることにより、ウェブの両側で使用される異なる不織層を受け入れるために、第1及び第2の円筒体の外側円筒面で異なる動作温度を達成することが可能である。
【0018】
これは、エラストマーフィルムの弾力性の所要の低下をもたらすべく、外層を貫通してエラストマーフィルムを加熱するために異なる量の熱エネルギーを必要とする1つ以上の不織層にエラストマーフィルムが結合される場合に有利である。
【0019】
パターンローラ及びアンビルローラの動作温度を互いに独立して制御することにより、例えば、パターンローラと接触することになるウェブの側のより薄い不織層と比較した場合に比較的厚いアンビルローラと接触することになるウェブの側の不織層を含むニップを通じて伸縮性のあるウェブが引き込まれる際に、アンビルローラをパターンローラよりも高い温度に加熱することが可能である。
【0020】
特に好ましい実施形態において、カートリッジヒータ又は各カートリッジヒータは、その中間ゾーンで熱を生成しないように構成される。
【0021】
本出願人は、予想外にも、カートリッジヒータ又は各カートリッジヒータの幅方向の中央位置にいわゆる「低温ゾーン」を形成することによって、カートリッジヒータから円筒体を通じた熱エネルギーのより一貫した流れを得ることができ、その結果、外側円筒面の幅に沿ってより一貫した温度を得ることができることを見出した。
【0022】
好ましくは、カートリッジヒータ又は各カートリッジヒータの外側ゾーンで生成された熱は、使用時に、それぞれの円筒体の外側円筒面の幅に沿って一貫した温度を維持するように制御可能である。
【0023】
例えば、本発明の特に好ましい実施形態において、コントローラは、外側円筒面又はその近くの温度を測定するために円筒体の一方又は両方に組み込まれた温度センサから受信した測定値に応じてカートリッジヒータの外側ゾーンの動作を制御することができる。
【0024】
より多い又はより少ない熱を生成するようにカートリッジヒータ又は各カートリッジヒータの外側ゾーンを制御することにより、それぞれの円筒体の外側円筒面の動作温度の変動を調整して、外側円筒面の幅に沿って一貫した温度を確保することができる。
【0025】
本発明の実施形態において、隆起輪郭部は、第1の円筒体の外側円筒面の残りの部分に対して等距離で突出する滑らかな処理面を画定する。
【0026】
滑らかな処理面を設けることにより、第1及び第2の円筒体のニップ間に供給される伸縮性のあるウェブの弾力性を低減するために、パターンローラ、及び任意選択的にアンビルローラからの熱と組み合わせて、圧力の一貫した印加が確保される。
【0027】
連続的な処理面の使用は、パターン化された表面とは対照的に、パターンローラ、及び任意選択的にアンビルローラの外側円筒面の幅に沿って一貫した温度をもたらすことによって可能になる。これにより、弾力性が低下する度合いを慎重に制御するべく、伸縮性のあるウェブの別個の領域への圧力及び熱の印加のより大きな制御が可能になる。圧力及び熱は、例えば、弾力性を特定の割合だけ低下させるために制御されてもよく、又は、例えば、最終製品においてウェブから要求される性能に応じて弾力性を減衰させるために制御されてもよい。
【0028】
第1及び第2の円筒体間のニップを介してウェブに加えられる圧力の量を更に調整するために、パターンローラ及びアンビルローラは、第1及び第2の円筒体の外側円筒面間に画定されたニップを調整するために互いに対して移動可能であってもよい。
【0029】
これにより、例えば、少なくとも1つのウェブの厚さに応じて、及び/又はウェブの弾力性が低減される度合いを調整するべく、隆起輪郭部によってウェブの別個の領域に加えられる圧力の量を調整するために、ニップの調整が可能になる。
【0030】
本発明の第2の態様によれば、ウェブを処理する方法が提供され、該方法は、
ウェブを該ウェブを処理するためのローラ装置に供給するステップであって、装置が、第1の円筒体の形態を成し、第1の円筒体の長尺軸の周りで回転するように取り付けられるパターンローラと、第2の円筒体の形態を成し、第2の円筒体の長尺軸の周りで回転するように取り付けられるアンビルローラとを備え、パターンローラ及びアンビルローラが、第1及び第2の円筒体の外側円筒面間にニップを画定するように互いに隣り合って位置する、ステップと、
パターンローラを第1の方向に回転させるとともに、アンビルローラを第2の反対方向に回転させて、ウェブをニップを通じて引き込むステップと、
第1の円筒体の外側円筒面によって画定された隆起輪郭部によってウェブの別個の領域に圧力を印加するステップであって、隆起輪郭部が、第1の円筒体の幅方向及び円周方向の両方向で延在する所定の形状を有する、ステップと、
第1の円筒体を加熱するとともに、ウェブがニップを通じて引き込まれるときに第1の円筒体の外側円筒面と接触しているウェブの外面を加熱するために、パターンローラに組み込まれたカートリッジヒータを動作させるステップであって、カートリッジヒータが、第1の円筒体の長尺軸に沿って又は長尺軸付近で第1の円筒体の幅方向に延在するとともに、中央に位置された中間ゾーンの両側で幅方向に位置する少なくとも2つの外側ゾーンを画定し、カートリッジヒータが、中間ゾーンよりも多くの熱を外側ゾーンで生成する、ステップと、
を含む。
【0031】
本発明の他の好ましい特徴は、添付の特許請求の範囲の請求項10~16に記載される。
ここで、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を非限定的な例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の一実施形態に係るローラ装置の側面図を示す。
図2図1のローラ装置の斜視図を示す。
図3図1のローラ装置の断面図を示す。
図4a図1のローラ装置のカートリッジヒータを示す。
図4b図1のローラ装置のカートリッジヒータを示す。
図5a図1のローラ装置のパターンローラの斜視図を示す。
図5b図1のローラ装置のパターンローラの側面図を示す。
図5c図1のローラ装置のパターンローラの断面図を示す。
図6a図5a~図5cのパターンローラのボンダーローラの斜視図を示す。
図6b図5a~図5cのパターンローラのボンダーローラの側面図を示す。
図6c図5a~図5cのパターンローラのボンダーローラの断面図を示す。
図7a図5a~図5cのパターンローラのパターンスリーブの斜視図を示す。
図7b図5a~図5cのパターンローラのパターンスリーブの側面図を示す。
図7c図5a~図5cのパターンローラのパターンスリーブの断面図を示す。
図8a図1のローラ装置のアンビルローラの斜視図を示す。
図8b図1のローラ装置のアンビルローラの断面図を示す。
図9図1のローラ装置によって処理された後の伸縮性のあるウェブの部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の一実施形態に係るローラ装置10が図1及び図2に示される。
【0034】
ローラ装置10は、第1の円筒体14の形態を成し、第1の円筒体14の長尺軸Aの周りで回転するように取り付けられるパターンローラ12と、第2の円筒体18の形態を成し、第2の円筒体18の長尺軸Bの周りで回転するように取り付けられるアンビルローラ16とを含む。
【0035】
パターンローラ及びアンビルローラ12、16は、第1の及び第2の円筒体14、18の外側円筒面14a、18a間にニップ22を画定するべく互いに隣り合って位置するようにフレーム20内に取り付けられる。パターンローラ12及びアンビルローラ16の相対位置は、第1の及び第2の円筒体14及び18の外側円筒面14a、18aを互いに接近又は離間させるために、ローラ12、16の一方又は両方をフレーム内で摺動させることによって調整可能である。これにより、外側円筒面14a、18a間のニップ22の大きさの調整が容易になる。
【0036】
モータ(図示せず)が、パターンローラ及びアンビルローラ12、16に結合されて、ローラ12、16の回転を互いに反対方向に駆動する。
【0037】
第1の円筒体14の円筒面14aは、第1の円筒体14の幅方向及び周方向の両方向で延びる所定の形状を有する隆起輪郭部24を画定する。
【0038】
本発明との関連で、第1及び第2の円筒体14、18のそれぞれの「幅」は、図1においてCとして識別されて円筒体14、18の長尺軸と位置合わせされる長尺な寸法であることが分かる。
【0039】
図3を参照すると、パターンローラ12は、第1の円筒体14の長尺軸Aに沿って幅方向で延びる長尺カートリッジヒータ26を含むことが分かる。図3図4a及び図4bに示されるように、カートリッジヒータ26は、中央に位置する中間ゾーン26bの両側に幅方向で位置する少なくとも2つの外側ゾーン26a、26cを画定する。
【0040】
図1に示される実施形態において、アンビルローラ16は、第2の円筒体28の長尺軸Bに沿って幅方向で延びる長尺カートリッジヒータ18(図3)も含む。パターンローラ12と同様に、アンビルローラ16のカートリッジヒータは、中央に位置する中間ゾーン28bの両側に幅方向で位置する少なくとも2つの外側ゾーン28a、28cを画定する。
【0041】
他の実施形態において、パターン及びアンビルローラ16、18の一方又は両方は、それぞれの円筒体14、18の幅方向で延在する複数の長尺カートリッジヒータ26、28を含む。そのような実施形態において、長尺ヒータ16、18は、円筒体14、18の長尺軸A、Bと略平行に幅方向で延在するように円筒体14、18の長尺軸A、Bの周りに等距離で離間する形態で配置される。この配置は、円筒体14、18の全体にわたって均一な熱分布を確保するために、比較的大きな直径を有する円筒体14、18が使用される場合に特に有用である。
【0042】
カートリッジヒータ26、28は、カートリッジヒータ26、28の動作を制御するコントローラ(図示せず)に接続される。ゾーン26a~26cは、1つのゾーンが他のゾーンの1つ以上よりも多い又は少ない熱を生成することができるように、独立して制御されるように構成される。
【0043】
図1に示される実施形態において、2つのカートリッジヒータ26、28の外側ゾーン26a、26c及び28a、28cは熱を生成するように構成され、一方、カートリッジヒータ26、28の中間ゾーン26b及び28bは熱を生成せず、いわゆる「低温ゾーン」を形成するように構成される。
【0044】
カートリッジヒータ26を参照すると、中間又は低温ゾーン26bは、外側ゾーン26a、26cのそれぞれよりも幅に関して2倍のサイズであることが分かる。この構成は、加熱された外側ゾーン26a、26cから円筒体14の本体を通じた熱の一貫した流れを可能にし、したがって外側円筒面14aにおける一貫した温度を可能にするという点で、特に有益な加熱形態をもたらす。これは、熱エネルギーが円筒体14の端部を介して周囲の空気及びフレーム20へと失われ、したがって十分な量の熱がカートリッジヒータ26の中間又は低温ゾーン26bの周りの円筒体14の中央部分に流れ込まず、中間ゾーン26bからの加熱も必要とされることが予想されるため、驚くべき結果である。しかしながら、出願人は、そうではないことを発見した。
【0045】
典型的な大人用パンツユニットの製造に使用することを意図した図1に示される実施形態では、幅が550mm~650mmの範囲であり、直径が15mm~25mmの範囲であるカートリッジヒータ26が、幅が550mm~650mmであり、直径が200mm~250mmであるパターンローラ12に組み込まれる。外側ゾーン26a、26cはそれぞれ、パターンローラ12の全幅の15~35%の範囲の幅を有し、中間ゾーン26bは、パターンローラ12の全幅の30~70%の範囲の幅を有する。この構成では、カートリッジヒータ26の端部は加熱されない。
【0046】
それぞれの円筒体14、18のサイズに応じて、他の実施形態では異なる幅のカートリッジヒータ26、28を使用してもよい。一般に、40mm~950mmの範囲の幅及び15mm~55mmの範囲の直径を有するカートリッジヒータ26、28が使用される。
【0047】
本発明との関連で、カートリッジヒータ26、28の「幅」は、それぞれの円筒体14、18の長尺軸と位置合わせされた長尺寸法であることが理解され得る。アンビルローラ16に組み込まれたカートリッジヒータ28は、同じ寸法を有するが、アンビルローラ16は、550mm~650mmの範囲の幅及び200mm~250mmの範囲の直径を有する。
【0048】
パターンローラ及びアンビルローラ12、16における異なるサイズの円筒体14、18は、異なる吸収性製品の製造に使用するために使用される。当然ながら、大人サイズの製品に必要なサイズは、幼児サイズの製品又は女性用衛生製品に必要なサイズよりも大幅に大きい。一般に、円筒体14、18は、50mm~1mの範囲の幅を有し、150mm~510mmの範囲の直径を有することができる。これらの範囲のより小さい寸法は、乳児用製品及び女性用衛生製品などのより小さい製品に適している。これらの範囲のより大きな寸法は、複数の隆起パターン領域がパターンローラ12の周囲にわたって離間されるマルチアップ態様でパターンローラ12が利用される大人用パンツ製品に適用可能である。
【0049】
図1に示される実施形態では、各カートリッジヒータ26、28の電力が5500Wである。他の実施形態では、円筒体14、18のサイズ、円筒体14、18を作製する材料、及び/又はローラ12、16のそれぞれから要求される加熱特性に応じて、異なる電力を有するカートリッジヒータを使用することができる。一般に、電力は100W~10,000Wの範囲であり得る。
【0050】
パターンローラ12及びアンビルローラ16は、円筒体14、18の外側円筒面14a、18a又はその近くに位置された温度センサを含む。これにより、コントローラは、円筒体14、18の外側円筒面14a、18aの幅に沿って一貫した温度を維持するために、外側円筒面14a、18aの温度を効果的に監視し、2つのカートリッジヒータ26、28の外側ゾーン26a、26c及び28a、28cを制御することができる。
【0051】
パターンローラ12は、図5a~図5cにより詳細に示される。パターンローラ12は、ボンダーローラ30の長尺軸Aに沿って幅方向で延びるカートリッジヒータ26を組み込むボンダーローラ30を含む。中空の円筒形パターンシェル32が、ボンダーローラ30の外側円筒面30aの上にわたって摺動される。ボンダーローラ30及びパターンシェル32は、組み合わさって、パターンローラ12の第1の円筒体14を画定し、パターンシェル32の外側円筒面は、外側円筒面14aを画定する。
【0052】
第1の円筒体14の外側円筒面14aによって画定された隆起輪郭部24が、図5c及び図7cに示される。隆起輪郭部24は、所定の形状を有し、第1の円筒体14の外側円筒面の残りの部分に対して等距離に突出する。
【0053】
図5a及び図7aに示されるように、隆起輪郭部24は、滑らかな処理面24aを画定する。隆起輪郭部24の形状は、処理されたウェブの最終的な使用によって決定される。したがって、隆起輪郭部24の形状及びサイズ、したがって滑らかな処理面24aの形状及びサイズは、図5a及び図7aに示されるものとは異なり得ることが理解され得る。更に、第1の円筒体14は、第1の円筒体14の外周にわたって互いに離間した2つ以上の隆起輪郭部24を有してもよい。パターンロールのそのようなマルチアップ形態は、比較的小さな製品ピッチで製造される、幼児用おむつ、軽失禁、及び女性用衛生製品を含むより小さなサイズの製品に使用することができる。また、第1の円筒体14は、機械横断方向で不連続な脆弱領域を形成するために第1の円筒体14の幅方向で離間される複数の隆起輪郭部24も含み得る。
【0054】
アンビルローラ16は、図8a及び図8bに更に詳細に示される。アンビルローラ16は、パターンローラ12と同様に、ボンダーローラ30の長尺軸Bに沿って幅方向で延びるカートリッジヒータ28を組み込むボンダーローラ30を含む。ボンダーローラ30の円筒面30a上にわたって中空円筒状のアンビルシェル38が摺動される。ボンダーローラ30及びアンビルシェル38は、組み合わさって、アンビルローラ16の第2の円筒体18を画定し、アンビルシェル38の外側円筒面が外側円筒面18aを画定する。
【0055】
アンビルローラ16の第2の円筒体18の外側円筒面18a又はその近傍の温度を測定するためにアンビルシェル38に形成された開口部40(図8b)内に温度センサ(図示せず)を受けられる。
【0056】
同様に、パターンローラ12の第1の円筒体の外側円筒面14a又はその近傍の温度を測定するために、パターンローラ12のパターンシェル32に形成された対応する開口部(図示せず)内に温度センサが受けられる。
【0057】
ローラ装置10は、ウェブ34の別個の領域における弾力性を低減するべく伸縮性のあるウェブ34を処理するために使用されてもよく、ローラ装置10の動作は、ここで、不織外層間に挟まれたエラストマーウェブの形態を成す伸縮性のあるウェブ34の処理に関連して説明される。
【0058】
使用時、パターンローラ12及びアンビルローラ16は、互いに反対方向に回転するようにモータによって駆動され、それにより、ウェブ34がローラ装置10のニップ22内へと供給されると、ウェブがローラ12、16の回転によってニップ22を通じて引き込まれる。
【0059】
パターンローラ及びアンビルローラ12、16のカートリッジヒータ26、28は、外側円筒面14a、18aを加熱することによってウェブがニップ22を通じて引き込まれるときにウェブ34を加熱するために、2つの外側ゾーン26a、26c及び28a、28cを加熱するように動作される。
【0060】
熱を加えるだけでなく、パターンローラ及びアンビルローラ12、16の外側円筒面14a、18aは、ウェブ34に圧力を加える。この圧力は、パターンローラ14の外側円筒面12aによって画定された隆起輪郭部24の滑らかな処理面24aと接触するウェブ34の別個の領域にわたって、処理面がウェブ34と接触するにつれて増大される。
【0061】
ウェブ34の別個の領域に加えられる圧力の増大は、パターンローラ及びアンビルローラの外側円筒面14a、18aによって加えられる熱と組み合わせて、ウェブ34の別個の領域にわたるウェブ34の弾力性を減少させるように作用する。
【0062】
動作中、パターンローラ及びアンビルローラの外側円筒面14a、18aの温度は、パターンシェル32及びアンビルシェル38に取り付けられたセンサによって測定される。これらの温度は、パターンローラ12及びアンビルローラ16の両方の外側円筒面14a、18の幅に沿って一貫した温度を維持するために、カートリッジヒータ26、28の動作を制御するべく使用される。前述したように、カートリッジヒータ26、28の動作を制御するために設けられたコントローラは、カートリッジヒータ26、28の外側ゾーン26a、26c及び28a、28cで生成される熱を必要に応じて増減することによって外側円筒面14a、18aの温度を維持する。カートリッジヒータ26、28の中間ゾーン26b、28bでは熱が生成されない。
【0063】
他のあまり好ましくない実施形態では、ウェブ34を形成するために使用される材料の性質に応じて、カートリッジヒータ26、28の一方又は両方を動作させて中間ゾーン26b、28bで熱を生成することができることが想定される。しかしながら、全ての状況において、外側ゾーン26a、26c及び28a、28cは、パターンローラ及びアンビルローラ12、16の外側円筒面14a、18aの長さに沿って一貫した温度を維持するために、中間ゾーン26b、26cで生成されるよりも多くの熱を生成することになる。
【0064】
パターンローラ及びアンビルローラ12、16の外側円筒面14a、18aの両方のうちの一方の幅に沿って一貫しない温度は、より高い温度の円筒体の領域をより低い温度の領域よりも大きく膨張させる。これは、パターンローラ及びアンビルローラ12、16の外側円筒面14a、18a間のニップ22のサイズに非一貫性をもたらし、したがって、ウェブ34がニップ22を通じて引き込まれるときにウェブ34に不均一な圧力が印加される。これは、パターンローラ12の隆起輪郭部24の処理面24aによって処理された別個の領域においてウェブ34の弾性の一貫性のない減少をもたらす可能性があるため、望ましくない。
【0065】
外側円筒面14a、18aの長さに沿って一貫した温度を維持できる能力により、隆起輪郭部24上に滑らかな処理面24aを使用することが可能になる。これにより、処理面24と接触するウェブ34の個別の領域に加えられる圧力のより大きな均一性が可能になる。パターンローラ及びアンビルローラ12、16の外側円筒面14a、18aの長さに沿った熱の一貫した印加は、滑らかな処理面24aによる均一な圧力の印加と共に、ウェブ34の別個の領域における弾力性の低減におけるローラ装置10の性能を大幅に改善する。
【0066】
所与のウェブ34の弾力性が低減される程度は、フレーム20内のローラ12、16の相対位置を調整することによってパターンローラ及びアンビルローラ12、16の外周面14a、18a間のニップ22のサイズを調整することにより調整され得る。
【0067】
図1に示される実施形態では、ニップ22のサイズは、0mm~0.254mmの範囲内である。隆起輪郭部24は、パターンローラ12の外周面14aの非起伏部分と比較して、1mm~10mmの範囲の径方向高さを有する。ニップ22のサイズ及び/又は隆起輪郭部24の径方向高さは、他の実施形態では、ニップ22に供給される伸縮性のあるウェブ34の個々の材料層の厚さに応じて変化し得る。
【0068】
弾力性の低下の程度は、カートリッジヒータ26、28の外側ゾーン26a、26c及び28a、28cで生成される熱を調整することによりパターンローラ及びアンビルローラ12、16の外周面14a、18aの温度を調整することによっても調整され得る。カートリッジヒータ26、28は、例えば、外周面14a、18aが異なる温度で動作するようにパターンローラ及びアンビルローラ12、16を加熱するべく制御されてもよい。
【0069】
図1に示される実施形態において、パターンローラ及びアンビルローラの外周面14a、18aの動作温度は、50°C~180°Cの範囲内、より好ましくは80°C~100°Cの範囲内である。他の実施形態において、外周面14a、18aの動作温度は、伸縮性のあるウェブ34の材料特性に基づいて変化してもよい。
【0070】
特に好ましい実施形態では、処理前に伸縮性のあるウェブ34によって示される弾力性の25%以上までウェブ34の別個の領域の弾力性を低減するために、伸縮性のあるウェブ34は、ローラ装置10を通じて引き込まれることによって処理される。代替実施形態において、伸縮性のあるウェブの弾力性は、処置前に伸縮性のあるウェブ34によって示される弾性の25%未満まで低減され又は完全に排除されてもよい。
【0071】
これは、アンビルローラ16と接触してニップ22を通じて引き込まれるウェブ34の不織外層が、パターンローラ12と接触してニップ22を通じて引き込まれるウェブ34の不織層よりも厚い又はさもなければ密度が高い場合に特に有利であり得る。このような状況において、アンビルローラ16の外周面18aの動作温度は、パターンローラ12の外周面14aの動作温度よりも高くなり得る。
【0072】
結果として、ローラ装置10を使用してウェブ34を処理し、弾力性が様々な程度まで低減される又は完全に排除される伸縮性のあるウェブ34に個別の領域を作成することができる。
【0073】
また、ニップ22は、厚さが異なるウェブ34をニップ22に供給してニップを通じ引き込むことができるようにするべく調整されてもよい。
【0074】
また、パターンローラ及びアンビルローラの外周面14a、18aの動作温度は、ウェブ34の不織外層の一方又は両方が感熱性材料から形成される状況で調整されてもよい。
【0075】
ウェブ34の外面の変化を可能にするために、パターンローラ及びアンビルローラ12、16の回転速度は、互いに対して変化してもよい。これは、例えば、アンビルローラ16と接触しているウェブ34の不織外層間に生じる摩擦が、パターンローラ12と接触しているウェブ34の反対側の表面の不織外層間に生じる摩擦よりも大きい場合に望ましい。そのような状況では、ウェブ34がニップ22を通じて最小の歪みで引き込まれるようにするために、アンビルローラ16の回転速度を増大させることができる。
【0076】
ウェブ34の連続長さがパターンローラ及びアンビルローラ12、16の外周面14a、18a間に画定されるニップ22を通じて引き込まれると、パターンローラ14の外周面12aによって画定された隆起輪郭部24の滑らかな処理面24aは、ウェブ34の等間隔で離間する領域と繰り返し接触する。結果として、ニップ22から出るウェブ34は、ウェブ34の弾力性が低減された一連の等間隔に離間した領域を有し、これらの領域のそれぞれは、形状及びサイズが、隆起輪郭部24の処理面24aの形状及びサイズに対応する。
【0077】
弾力性が低減された隣り合う領域間の距離は、パターンローラ12上の隆起輪郭部24の縁部間の外周面14aの非隆起部分の周方向距離によって決定される。
【0078】
ウェブが大人用失禁パンツの前後のウエスト部を形成するために使用されるようになっている場合、隆起輪郭部24は、吸収性部材が前後のウエスト部と位置合わせされるときに吸収性部材の集群化を防止するべくウェブの弾力性が低減された部分と位置合わせするように、パンツに用いるようになっている吸収性部材に形状及びサイズが対応するべく成形されてもよい。
【0079】
パターンローラ12の外周面の周方向サイズは、異なるパターンシェル32を使用することによって変えることができる。より大きな周方向サイズを有するパターンシェル32が、例えば、より大きな処理面24aを受け入れて、隆起輪郭部24の縁部間の外周面14aの非隆起部分の十分な距離を可能にするために望ましい場合がある。処理されたウェブ34の弾力性が低減した別個の領域は、さもなければ互いに十分に離間されない可能性がある。また、パターンローラ12の回転速度は、処理されたウェブの弾力性が低下した別個の領域間の間隔を制御するために、カム又はリンケージなどの機械的要素を使用して変化させることもできる。
【0080】
ウェブ34の構造の観点から、エラストマーフィルムが1つ以上の不織外層に結合されるとき、不織層は、異なる層間の滑りを防止するようにエラストマーフィルムに結合されることが好ましい。エラストマーフィルム及び外側不織層は、例えば、接着剤を介して互いに結合されてもよく、又はローラ装置10に供給される前に機械的結合ユニット、熱的結合ユニット、もしくは超音波結合ユニットを介して供給されて、外側不織層とエラストマーフィルムとの間に結合の全パターンを形成することができる。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5a
図5b
図5c
図6a
図6b
図6c
図7a
図7b
図7c
図8a
図8b
図9
【外国語明細書】