(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171370
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/10 20230101AFI20231124BHJP
【FI】
G06Q40/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023126391
(22)【出願日】2023-08-02
(62)【分割の表示】P 2022081833の分割
【原出願日】2022-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】519110124
【氏名又は名称】PayPay株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大塚 千壽子
(72)【発明者】
【氏名】川口 春香
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB63
(57)【要約】
【課題】キャッシュレスで送金を行うユーザの利便性を高めること。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、判定部と、提供部とを備える。判定部は、ユーザからの処理要求として、送金フラグを含むコード読取情報を受け付けた場合、コード読取情報に含まれる送金先識別情報に基づいて、送金先識別情報により識別される送金先が控除制度の適用対象であるか否かを判定する。提供部は、判定部により送金先が控除制度の適用対象であると判定された場合、送金先が控除制度の適用対象である旨を示す情報を表示された第1の画面をユーザに提供する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザからの処理要求として、送金フラグを含むコード読取情報を受け付けた場合、前記コード読取情報に含まれる送金先識別情報に基づいて、前記送金先識別情報により識別される送金先が控除制度の適用対象であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記送金先が前記控除制度の適用対象であると判定された場合、前記送金先が前記控除制度の適用対象である旨を示す情報が表示された第1の画面を前記ユーザに提供する提供部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記提供部は、
前記控除制度の適用対象となる旨の情報として、前記送金先に適用される控除の内容を示す情報が表示された前記第1の画面を提供する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記提供部は、
前記送金先となる送金先事業者から予め受け付けられる設定に従って、前記ユーザによる送金金額の入力が可能な前記第1の画面を提供する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記提供部は、
前記送金先事業者により設定された最低金額および最高金額の範囲で金額入力が可能な前記第1の画面を提供する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記提供部は、
前記送金先事業者により設定された送金単位で金額入力が可能な前記第1の画面を提供する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記提供部は、
前記第1の画面に対する操作に応じて、前記送金先に対して個人情報を共有することについて同意するか否かの問合せを行うための第2の画面を前記ユーザに提供し、
前記第2の画面を通じて前記ユーザから前記個人情報の共有についての同意が得られた場合、前記個人情報が所定の領域に自動入力された第3の画面を前記ユーザに提供する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記提供部は、
前記送金先識別情報に対応する送金先が前記個人情報の共有についての同意を前記ユーザから取得済みの送金先である場合、前記同意を取得済みの送金先に対する再送金に際して、前記第2の画面の提供を飛ばして、前記第3の画面を提供する
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記提供部は、
前記ユーザからの要求に応じて、前記送金先が前記控除制度の適用対象である送金に関する送金履歴を提供する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
ユーザからの処理要求として、送金フラグを含むコード読取情報を受け付けた場合、前記コード読取情報に含まれる送金先識別情報に基づいて、前記送金先識別情報により識別される送金先が控除制度の適用対象であるか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により前記送金先が前記控除制度の適用対象であると判定された場合、前記送金先が前記控除制度の適用対象である旨を示す情報が表示された第1の画面を前記ユーザに提供する提供工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータに、
ユーザからの処理要求として、送金フラグを含むコード読取情報を受け付けた場合、前記コード読取情報に含まれる送金先識別情報に基づいて、前記送金先識別情報により識別される送金先が控除制度の適用対象であるか否かを判定する判定手順と、
前記判定手順により前記送金先が前記控除制度の適用対象であると判定された場合、前記送金先が前記控除制度の適用対象である旨を示す情報が表示された第1の画面を前記ユーザに提供する提供手順と
を実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、紙幣や硬貨などの現金を離れ、災害が発生した際の義援金や、寺社仏閣に対する賽銭などをキャッシュレスで送金する方法が提案され始めている。また、近年では、クラウドファンディングのように、ネットワークを通じた資金調達が世間一般に認知され、個人から特定の団体に対して送金が行われる場合も日常的に想定される。
【0003】
また、寄付を目的とした送金について、たとえば、学校に対する寄付行為を促すことを目的とした技術や、寄付を受ける団体と寄付者の負担を軽減することを目的として寄付を統一的に処理する技術などが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-018115号公報
【特許文献2】特開2018-014149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術は、キャッシュレスで送金を行うユーザの利便性を高める上で改善の余地がある。たとえば、個人が所定の送付先に対して行った寄付は、所得控除や税額控除などの税制上の優遇措置を受けられる。しかし、従来の技術では、ユーザが寄付の送金を行う際、送金先が控除制度の適用対象となっているかを簡便に確認することはできず、ユーザ自らが事前に調査する必要がある。また、ユーザが控除制度の適用を受ける場合、申請に必要な書類の準備に少なからず手間がかかる。
【0006】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、キャッシュレスで送金を行うユーザの利便性を高めることができる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係る情報処理装置は、判定部と、提供部とを備える。判定部は、ユーザからの処理要求として、送金フラグを含むコード読取情報を受け付けた場合、コード読取情報に含まれる送金先識別情報に基づいて、送金先識別情報により識別される送金先が控除制度の適用対象であるか否かを判定する。提供部は、判定部により送金先が控除制度の適用対象であると判定された場合、送金先が控除制度の適用対象である旨を示す情報が表示された第1の画面をユーザに提供する。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、キャッシュレスで送金を行うユーザの利便性を高めることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る情報処理の前提となる処理の概要を示す図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る情報処理の概要を示す図である。
【
図3】
図3は、本実施形態に係る送金先データベースの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本実施形態に係る控除証明書送付方法データベースの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本実施形態に係る端末装置における画面遷移の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本実施形態に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、本実施形態に係る送金先データベースの概要を示す図である。
【
図8】
図8は、本実施形態に係る控除証明書送付方法データベースの概要を示す図である。
【
図9】
図9は、本実施形態に係る送金履歴データベースの概要を示す図である。
【
図10】
図10は、本実施形態に係る情報処理装置の処理手順例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、本実施形態または変形例に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「本実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
〔1.本実施形態に係る情報処理の前提となる処理一例〕
以下、本実施形態に係る情報処理の前提となる処理の一例について説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理の前提となる処理の概要を示す図である。なお、以下に説明する前提となる処理と、本実施形態に係る情報処理とは、同一の構成を有する情報処理システムSYSにおいて実行される。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係る情報処理システムSYSは、端末装置10と、情報処理装置100とを含む。なお、
図1は、本実施形態に係る情報処理システムSYSの一例を示しており、
図1には示されていない他の端末装置が含まれていてもよい。
【0013】
端末装置10および情報処理装置100は、有線または無線によりネットワークN(たとえば、
図6参照)に接続される。端末装置10および情報処理装置100は、ネットワークNを通じて相互に通信できる。
【0014】
図1に示す端末装置10は、情報処理装置100から提供される電子決済サービスの利用者であるユーザUによって使用される情報処理端末である。端末装置10の典型例としては、スマートフォンが該当するが、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)などにより実現されてもよい。
図1の例では、端末装置10として、スマートフォンが示されている。なお、以下の説明では、端末装置10をユーザUと言い換えて表記する場合がある。つまり、ユーザUを端末装置10と読み替えることができる。また、以下の説明において、情報処理装置100から提供される電子決済サービスの利用者を単に「ユーザ」と称する場合がある。
【0015】
また、端末装置10は、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation:第5世代移動通信システム)などの無線通信網や、Bluetooth(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)などの近距離無線通信を介してネットワークNに接続するための通信ユニットを有する。これにより、ユーザUは、端末装置10を操作して情報処理装置100にアクセスして、情報処理装置100により提供される電子決済サービスを利用できる。
【0016】
また、端末装置10は、情報処理装置100により提供される電子決済サービスを利用するための情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示できる。このとき、端末装置10は、ウェブブラウザやアプリケーションなどによる情報の表示処理を実現するための制御情報を情報処理装置100から受け取った場合には、受け取った制御情報に従って表示処理を実現する。
【0017】
図1に示す情報処理装置100は、ユーザUに対して電子決済サービスを提供する。情報処理装置100は、典型的にはサーバ装置であるが、メインフレームやワークステーションなどにより実現されてもよい。情報処理装置100がサーバ装置で実現される場合、単独のサーバにより実現されてもよいし、複数のサーバ装置及び複数のストレージ装置が協働して動作するクラウドシステムなどにより実現されてもよい。
【0018】
なお、情報処理装置100は、ユーザUが使用する端末装置10に制御情報を配信する配信装置として機能してもよい。ここで、制御情報は、たとえば、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語やCSS(Cascading Style Sheets)などのスタイルシート言語により記述される。なお、情報処理装置100から配信されるアプリケーションそのものを制御情報とみなしてもよい。
【0019】
ここで、実施形態に係る情報処理に先立ち、端末装置10を用いた決済(電子決済)の一例について説明する。なお、以下の説明では、電子決済サービスの加盟店である店舗などに配置された2次元コード(QRコード(登録商標))であって、店舗を識別する店舗識別情報を示す2次元コードを用いて、ユーザUが端末装置10を用いた決済を行う例について説明するが、実施形態は、これに限定されるものではない。以下に説明する決済の一例は、任意のユーザが任意の端末装置を用いて、任意の店舗にて決済を行う場合においても適用可能である。また、店舗識別情報は、QRコード(登録商標)のみならず、バーコードや所定のマーク、番号などであってもよい。
【0020】
たとえば、ユーザUが店舗にて各種の商品やサービスといった決済対象(取引対象)の利用や購入に伴う決済を行う場合、ユーザUは、端末装置10にインストールされた決済用のアプリケーション(決済アプリ)を起動する。そして、ユーザは、決済アプリを介して、店舗に設置された店舗識別情報を撮影する。このような場合、端末装置10は、決済対象の価格を入力するための画面を表示し、ユーザUまたは店舗の店員から決済金額の入力を受け付ける。そして、端末装置10は、ユーザUを識別する利用者識別情報と、店舗識別情報(若しくは、店舗識別情報が示す情報、すなわち、店舗を示す情報(例えば、店舗ID))と、決済金額とを示す決済情報を情報処理装置100へと送信する。
【0021】
このような場合、情報処理装置100は、利用者識別情報が示すユーザUの口座から、店舗識別情報が示す店舗の口座へと、決済金額が示す額の電子マネーを移行させる。そして、情報処理装置100は、決済が完了した旨の通知を端末装置10へと送信する。このような場合、端末装置10は、決済が完了した旨の画面や所定の音声を出力することで、電子マネーによる決済が行われた旨を通知する。
【0022】
なお、端末装置10を用いた決済は、上述した処理に限定されるものではない。たとえば、端末装置10を用いた決済は、店舗に設置された店舗端末を用いたものであってもよい。たとえば、端末装置10は、ユーザUを識別するための利用者識別情報を画面上に表示させる。このような場合、店舗に設置された店舗端末は、端末装置10に表示された利用者識別情報を読み取り、利用者識別情報(若しくは、利用者識別情報が示す情報、すなわち、ユーザUを示す情報(例えば、ユーザID))と、決済金額と、店舗を識別する情報とを示す決済情報を情報処理装置100へと送信する。このような場合、情報処理装置100は、利用者識別情報が示すユーザUの口座から、店舗の口座へと、決済金額が示す額の電子マネーを移行させ、店舗の店舗端末または端末装置10に対し、決済が完了した旨の画面や所定の音声を出力させることで、決済が行われた旨を通知してもよい。
【0023】
また、端末装置10を用いた決済は、ユーザUが予め電子マネーをチャージした口座から店舗の口座へと電子マネーを移行させる処理のみならず、たとえば、ユーザUが予め登録したクレジットカードを用いた決済であってもよい。このような場合、たとえば、端末装置10は、店舗の口座に対して決済金額の電子マネーを移行させるとともに、ユーザUのクレジットカードの運用会社に対し、決済金額を請求してもよい。
【0024】
なお、上述した決済手段や決済サービスは、商品の購入や役務の提供に対する対価の提供(債務の精算)のためのものに限定されるものではない。たとえば、上述したように、決済手段や決済サービスは、複数のユーザが有する口座間の送金に関する機能を有していてもよい。すなわち、上述した決済手段や決済サービスは、ユーザUや店舗など、電子マネーの所有者と紐づく任意の所有者の口座間における電子マネーの送受信を制御するサービスであればよい。すなわち、実施形態に係る決済手段や決済サービスは、電子マネーのやり取りを実現するための各種制御(電子マネーを介した各種の口座間送金制御のみならず、電子マネー口座と銀行口座間のやり取りに関する制御や、分割、ボーナス払いに伴う処理といった各種債権処理、その他電子マネーを含む財産のやり取りに関する各種制御)を実行する取引手段や取引サービスであれば、任意の態様で提供されるものであってもよい。また、このような取引手段や取引サービスが実現する各種の制御には、決済に関する制御と送金に関する制御の両方が含まれていてもよい。すなわち、「取引」とは、電子マネーに関する「決済」のみならず、電子マネーの「送金」やその他各種の処理をも含む概念である。すなわち、情報処理装置100は、任意の所有者間における電子マネーのやり取りを制御する取引手段を実現する情報処理装置であってもよい。
【0025】
また、
図1に示す情報処理装置100は、法人向けの法人アカウントサービスを提供する。法人アカウントサービスは、法人向けの内国為替取引に関する各種サービスを利用する際に用いられる。法人アカウントサービスにおいて、情報処理装置100から事業者Xに提供される法人アカウントには、たとえば、メインウォレットとサブウォレットとが含まれる。
【0026】
メインウォレットは、事業者Xが予め指定する金融機関口座と紐付けられている。たとえば、事業者Xは、このメインウォレットを通じて、事業者Xが予め利用登録する各種サービスの取引に充当するための原資の入金を行うことができる。また、たとえば、事業者Xは、このメインウォレットを通じて、各種サービスの取引に充当されずに残された資金の払出を受けることもできる。また、サブウォレットは、事業者Xが予め利用登録する各種サービスと紐付けられている。メインウォレットからサブウォレットに移行された残高は、各種サービスの取引に充当される。
【0027】
また、本実施形態に係る情報処理の前提として、情報処理装置100は、ユーザUから処理要求を適切な処理に振り分けることにより、電子マネーなどのデジタルマネーに関するサービスの処理を効率的に実行できる。以下、本実施形態に係る情報処理の前提となる処理について、この処理が実施される際に想定される流れに沿って具体的に説明する。なお、以下の説明において、事業者Xは、電子決済サービスおよび法人アカウントサービスを運営する事業者との間で、電子決済サービスの加盟店として加盟店契約を締結するとともに、法人アカウントサービスの利用契約を締結していることを前提とする。すなわち、事業者Xは、電子決済サービスおよび法人アカウントサービスを運営する事業者との間で所定の契約関係にあるサービス利用者であるともいえる。
【0028】
たとえば、ユーザUは、端末装置10を操作して、事業者Xに紐付く2次元コードであるコード情報Qを読み取り、コード情報Qに対応する処理要求を情報処理装置100に送信する。
図1に示すコード情報Qには、決済または送金のいずれかの処理が対応付けられている。コード情報Qは、ユーザUが処理要求を送信する際に端末装置10を用いて読込可能に構成される。コード情報Qが決済を目的とするコード情報であれば、電子決済サービスの加盟店である店舗に設置される場合などが想定される。また、コード情報Qが寄付や賽銭などの送金を目的とするコード情報であれば、寄付を募る募金会場や、寺社仏閣や、クラウドファンディングなどの資金調達用の所定のウェブサイトなどに配置される場合などが想定される。端末装置10から情報処理装置100に送信される処理要求には、処理要求に対応する処理内容を特定するための要求識別情報が含まれている。たとえば、要求識別情報は、コード情報Qを記述する際にコードの内部に予め埋め込まれる。
【0029】
情報処理装置100は、ユーザUから受信した処理要求を決済処理または送金処理に振り分ける振分処理を実行する(ステップS1)。たとえば、情報処理装置100は、ユーザUからの処理要求に含まれる要求識別情報に基づいて、処理要求に基づく処理を決済処理または送金処理のいずれか一方に振り分ける。
【0030】
また、情報処理装置100は、処理要求を決済処理に振り分けた場合、処理要求の内容に従って決済処理を実行する(ステップS2-1)。情報処理装置100は、決済処理が正常に完了した場合、電子決済サービスの加盟店契約の締結に基づいて事業者Xに提供される決済サービス対応ウォレットを通じて、決済金額に相当する額の電子マネーの入金を受け付ける。そして、情報処理装置100は、加盟店契約に準じた所定のタイミングで、決済サービス対応ウォレットの残高を事業者Xが振込先として予め指定する金融機関口座に払い出す。
【0031】
また、情報処理装置100は、処理要求を送金処理に振り分けた場合、処理要求の内容に従って送金処理を実行する(ステップS2-2)。情報処理装置100は、送金処理が正常に完了した場合、事業者Xの法人アカウントに紐付けられている送金サービス用のサブウォレットを通じて、送金金額に相当する額の電子マネーの入金を受け付ける。そして、情報処理装置100は、送金サービス対応のサブウォレットの残高を、事業者Xの受取金として法人アカウントが有するメインウォレットの残高に加算する。そして、情報処理装置100は、法人アカウントサービスの利用契約に準じた所定のタイミングで、法人ウォレットの残高を事業者Xが振込先として予め指定する金融機関口座に払い出す。
【0032】
このようにして、本実施形態に係る情報処理装置100は、ユーザUからの処理要求を適切な処理に振り分けることができ、電子マネーなどのデジタルマネーに関するサービスに関する処理を効率的に実行できる。また、本実施形態に係る情報処理装置100は、ユーザUに対して、決済処理および送金処理を同一のプラットフォーム上で処理するサービスを提供できる。
【0033】
〔2.本実施形態に係る情報処理の一例〕
以下、本実施形態に係る情報処理の一例について説明する。
図2は、本実施形態に係る情報処理の概要を示す図である。なお、本実施形態に係る情報処理は、上述の前提となる処理において、ユーザUからの処理要求が送金処理に振り分けられた場合、送金先が控除制度の適用対象であることを示す情報の提供を実現する。これにより、本実施形態に係る情報処理装置100は、キャッシュレスで送金を行うユーザUの利便性を高めることができる。
【0034】
たとえば、ユーザUは、端末装置10にインストールされた決済アプリを用いて、コード情報Qを読み取ることにより、簡便に電子決済または送金を実行できる。なお、送金に関する機能は、スーパーアプリとして機能する決済アプリにおいて動作するミニアプリとして予め設けられていてもよいし、個別のアプリケーションプログラムとして設けられていてもよい。
【0035】
以下、本実施形態に係る情報処理について、この情報処理が実施される際に想定される流れに沿って具体的に説明する。なお、以下では、ユーザUが、決済アプリを利用して、特定の送金先に対して電子マネーや仮想通貨などのデジタルマネーによる寄付の送金を行う場合について説明するが、実施形態に係る情報処理は、この事例には特に限定されることなく、デジタルマネーを利用してキャッシュレスで行われる種々の送金に対して適用できる。
【0036】
たとえば、ユーザUは、端末装置10を操作してコード情報Q1を読み取る(ステップS11)。コード情報Q1は、企業や団体などの法人からの要求に応じて、情報処理装置100において予め生成される。たとえば、コード情報Q1は、QRコード(登録商標)などの2次元コードにより構成され、ユーザUからの送金要求を受け付けるための受付手段として機能する。なお、コード情報Q1は、ユーザUからの送金要求を受け付けるための受付手段の一例であり、ユーザUからの送金要求を受付可能な任意の手段を採用できる。コード情報Q1には、法人向けサービスを利用する企業や団体などの法人に提供される法人アカウントに紐付けて、これらの法人を送金先として所定の目的での送金を行うための情報が記述される。たとえば、コード情報Q1は、ある法人が募金活動のために立ち上げたプロジェクトごとに予め用意された送金用画面(ウェブページ)にアクセスするための情報が記述される。たとえば、コード情報Q1に記述される情報には、送金先を識別するための送金先識別情報や、送金要求であることを示す送金フラグなどが含まれている。
【0037】
端末装置10は、情報処理装置100に対する処理要求として、コード情報Q1から読み取ったコード読取情報を情報処理装置100に送信する(ステップS12)。たとえば、コード読取情報には、送金先を識別するための送金先識別情報や、送金要求であることを示す送金フラグ(上述の「要求識別情報」に対応)や、送金元(ユーザU)を識別するための送金元識別情報が含まれている。たとえば、送金元識別情報には、電子決済サービスを利用するユーザUに対して、個別に割り振られているユーザID(たとえば、U#000)などが用いられる。
【0038】
情報処理装置100は、端末装置10から受信したコード読取情報に送金フラグが含まれる場合、送金処理であることを認識し、コード読取情報に含まれる送金先識別情報に基づいて、送金先データベース121および控除証明書送付方法データベース122から送金先情報を取得する(ステップS13)。
【0039】
図3に、情報処理装置100が備える送金先データベース121の概要を示す。
図3は、本実施形態に係る送金先データベース121の一例を示す図である。
図3に示すように、送金先データベース121は、「送金先識別情報」の項目や、「送金先」の項目や、「送金先表示名」の項目や、「控除フラグ」の項目や、「控除内容/対応制度」の項目や、「送金可能額」の項目や、「1口設定」の項目や、「1口金額」の項目や、「控除証明書の送付方法」の項目などを有している。
【0040】
「送金先識別情報」の項目には、企業や団体などの送金先に対して個別に割り振られている固有の識別情報が記憶されている。「送金先」の項目には、送金先である企業や団体などの名称が記憶されている。「送金先表示名」の項目には、端末装置10に表示される送金先の名称が記憶されている。
図3に示す例では、「送金先表示名」の項目に記憶される情報として、「A募金」が示されている。
【0041】
「控除フラグ」の項目には、送金先が控除制度の適用対象であるか否かを示す情報が記憶されている。
図3に示す例では、「控除フラグ」の項目に「ON」が記憶されている。「ON」は、控除制度の適用対象であることを示す情報の一例である。「控除内容/対応制度」の項目には、送金先に適用される控除の内容を示す情報と、対応する税制上の制度を示す情報が記憶されている。
図3に示す例では、送金先に適用される控除の内容を示す情報として「寄付金控除」が示され、対応する税制上の制度として「所得控除」が示されている。なお、「控除内容/対応制度」の項目は、一般原則を示す情報が記憶される項目であってよい。たとえば、政治活動に関する寄付金や、認定NPO法人などに対する寄付金や、公益社団法人などに対する寄付金のうち一定のものについては、所得控除に代えて、控除内容として「寄付金特別控除」が記憶され、対応する税制上の制度として「税額控除」が記憶されていてもよい。
【0042】
「送金可能額」の項目には、送金先となる企業や団体により設定される送金受付可能な金額を示す情報が記憶されている。
図3に示す例では、「送金可能額」の項目に記憶される送金可能な金額として、最低金額:100(円)~最高金額:1,000,000(円)が示されている。「1口設定」の項目には、送金先となる企業や団体が1口単位での送金の受付を設定しているか否かを示す情報が記憶されている。「1口金額」の項目には、1口単位での送金の受付が設定される場合の1口当たりの送金金額を示す情報が設定されている。
図3に示す例では、1口設定がなされていないことが示されている。
【0043】
「控除証明書の送付方法」の項目には、送金元であるユーザUが控除制度の適用を受ける際に必要となる控除証明書(領収書や預かり書)の送付方法を示す情報が記憶されている。
図3に示す例では、「控除証明書の送付方法」の項目に記憶される控除証明書の送付方法として、「郵送」が示されている。
【0044】
また、情報処理装置100は、送金元であるユーザUが控除証明書の送付を希望する場合、送金先に連携する必要がある個人情報の項目を控除証明書送付方法データベース122から取得する。
図4に、本実施形態に係る控除証明書送付方法データベース122の概要を示す。
図4は、本実施形態に係る控除証明書送付方法データベース122の一例を示す図である。
【0045】
図4に示すように、控除証明書送付方法データベース122は、「控除証明書の送付方法」の項目と、「アカウント連携時の連携項目」の項目とを有している。「控除証明書の送付方法」の項目には、控除証明書の送付方法を示す情報が記憶されている。「アカウント連携時の連携項目」の項目には、控除証明書の送付にあたり、個人情報の共有に同意する場合に送金先に連携される個人情報の項目を示す情報が記憶されている。
【0046】
図4に示す例では、控除証明書の送付方法が「郵送」である場合、送金先に連携する必要がある個人情報の項目として、「氏名・電話番号・住所」が示されている。
【0047】
情報処理装置100は、端末装置10から受信したコード読取情報に含まれる送金先識別情報に基づいて、送金先識別情報により識別される送金先が控除制度の適用対象であるか否かを判定する。そして、情報処理装置100は、送金先が控除制度の適用対象であると判定された場合、送金先が控除制度の適用対象である旨を示す情報が表示された送金額入力画面W1をユーザUに提供する。
【0048】
具体的には、情報処理装置100は、送金先識別情報に基づいて、送金先データベース121から送金先識別情報に対応付けられている「送金先」の項目や、「送金先表示名」の項目や、「控除フラグ」の項目や、「控除内容/対応制度」の項目や、「送金可能額」の項目や、「1口設定」の項目や、「1口金額」の項目に記憶されている各情報を参照し、送金先の名称や、送金先表示名や、送金先が控除制度の適用対象であるか否かを示す情報や、送金可能額などを取得する。また、情報処理装置100は、送金先が控除制度の適用対象である場合(控除フラグが「ON」である場合)、控除証明書の送付にあたり個人情報の共有に同意する場合に送金先に対して連携される個人情報の項目の情報を控除証明書送付方法データベース122から取得する。そして、情報処理装置100は、取得した各情報を送金先情報として端末装置10に送信する(ステップS14)。
【0049】
端末装置10は、情報処理装置100から送金先情報を受信すると、送金額入力画面W1(「第1の画面」の一例)を表示する(ステップS15)。また、端末装置10は、送金額入力画面に対する操作に応じて、送金先からの控除証明書の送付にあたり、送金先に対して個人情報を共有することについて同意するか否かの問合せを行うための同意画面W2(「第2の画面」の一例)を表示する(ステップS16)。また、端末装置10は、同意画面W2に対する操作に対応する送金受付画面W3(「第3の画面」の一例)を表示する(ステップS17)。そして、端末装置10は、送金受付画面W3に対する操作に応じて、情報処理装置100に対して送金指示を送信する(ステップS18)。
【0050】
情報処理装置100は、端末装置10から送金指示を受信すると、受信した送金指示に従って送金処理を実行する(ステップS19)。たとえば、送金要求には、送金元を示す送金元識別情報と、送金金額を示す情報と、送金先を表す事業者を識別するための事業者IDと、上述のプロジェクトを識別するためのコードIDが含まれる。たとえば、送金元識別情報には、電子決済サービスを利用するユーザUに対して、個別に割り振られているユーザID(たとえば、U#000)などが用いられる。以下、送金処理について簡潔に説明する。
【0051】
情報処理装置100は、ユーザUから送金要求を受信すると、送金金額に相当する電子マネーを、送金先の事業者のプロジェクト:「A募金」に対応するサブウォレットの残高に加算する。たとえば、情報処理装置100は、送金金額に相当する額を、送金要求に含まれる事業者IDおよびコードIDに紐付けられているサブウォレットの残高に加算する。続いて、情報処理装置100は、所定のタイミングで、サブウォレットの残高を、事業者Mのメインウォレットに移行する。そして、情報処理装置100は、所定のタイミングで、メインウォレットの残高を事業者Mの銀行口座に払い出す。
【0052】
そして、情報処理装置100は、送信処理が正常に完了すると、送金完了通知を端末装置10に送信する(ステップS20)。
【0053】
以下、
図5を用いて、端末装置10における画面遷移について具体的に説明する。
図5は、本実施形態に係る端末装置10における画面遷移の一例を示す図である。情報処理装置100から送金先情報が受信されると、端末装置10には、
図5に示す送金額入力画面W1が表示される(ステップS31)。
図5に示す送金額入力画面W1には、情報処理装置100から受信した送金先情報に含まれる送金先を示す情報J1が表示される。たとえば、送金先を示す情報J1には、送金先の企業や団体の名称(たとえば、「〇〇〇〇」)と、送金先表示名(たとえば、「A募金」)が含まれる。
【0054】
また、情報処理装置100から受信した送金先情報に送金先が控除制度の適用対象である旨の情報が含まれる場合、
図5に示す送金額入力画面W1には、控除制度の適用対象である旨のラベル情報J2が表示される。たとえば、ラベル情報J2には、控除の内容(たとえば、「寄付金控除」)が含まれている。ラベル情報J2は、送金先に応じて付与されてもよいし、送金元であるユーザU2の住所に応じて付与されてもよい。
【0055】
また、
図5に示す送金額入力画面W1には、送金金額の入力領域に関連付けて、送金先情報に含まれる送金可能額を示す情報J3が表示される。
図5に示す例では、送金可能額を示す情報J3として、「100~1,000,000で入力可能」が示されている。なお、情報処理装置100は、送金先事業者により設定された最低金額および最高金額の範囲でユーザUが自由に金額を入力できる送金額入力画面W-1をユーザUに提供する例には特に限られない。たとえば、情報処理装置100は、送金先事業者により設定された送金単位(1口単位および1口金額)で金額入力が可能な送金額入力画面W-1をユーザUに提供してもよい。
【0056】
また、
図5に示す送金額入力画面には、送金プロセスを次に進める場合にユーザUが操作するためのボタンB1が設けられている。
図5に示す送金額入力画面に設けられているボタンB1がユーザUにより操作されると、端末装置10には、同意画面W2が表示される(ステップS32)。同意画面W2には、控除証明書の送付にあたり個人情報の共有に同意する場合に送金先に対して連携される個人情報の項目を示す情報J4が表示される。
【0057】
また、
図5に示す同意画面W2には、送金先に対する個人情報の共有に同意する場合にユーザUが操作するためのボタンB2と、送金先に対する個人情報の共有に同意しない場合にユーザUが操作するためのボタンB3とが設けられている。
【0058】
たとえば、
図5に示す同意画面W1に設けられているボタンB2が操作されると、端末装置10には、個人情報を入力するための所定の領域である入力欄に対して個人情報が自動入力された状態の送金受付画面W3-1が表示される。一方、たとえば、
図5に示す同意画面W2に設けられているボタンB3が操作されると、端末装置10には、個人情報を入力するための所定の領域である入力欄が空欄の状態の送金受付画面W3-2が表示される。そして、
図5に示す送金受付画面W3-1や送金受付画面W3-2に設けられている送金ボタンが操作されると、端末装置10から情報処理装置100に対して送金指示(
図2参照)が送信される。
【0059】
このようにして、本実施形態に係る情報処理装置100によれば、キャッシュレスで送金を行うユーザUの利便性を高めることができる。すなわち、情報処理装置100は、送金先が寄付金控除などの控除制度の適用対象であるかを、送金実行前に事前にユーザUに確認させることが可能となる。また、情報処理装置100は、送金先が控除制度の適用対象である場合、ユーザUの同意を条件として、控除証明書の作成に必要となる個人情報の簡単な手続きのみで送金先に連携でき、ユーザ負担を軽減できる。一方、情報処理装置100は、送金元であるユーザUの同意があった場合、送金先となる企業や団体などに対して、ユーザUの個人情報を提供できる。また、情報処理装置100は、送金先となる企業や団体などの希望に応じた送金の受付を実現できる。
【0060】
また、本実施形態に係る情報処理において、情報処理装置100は、送金先識別情報に対応する送金先が個人情報の共有についての同意をユーザから取得済みの送金先である場合、同意を取得済みの送金先に対する再送金に際して、同意画面W2の提供を飛ばして、送金受付画面W3を提供するようにしてもよい。
【0061】
また、本実施形態に係る情報処理において、情報処理装置100は、ユーザUからの要求に応じて、送金先が控除制度の適用対象である送金に関する送金履歴を提供してもよい。たとえば、情報処理装置100は、ユーザUの全ての送金履歴から、控除制度の適用対象となる送金先への送金履歴のみをフィルタリングして抽出し、抽出した送金履歴をユーザUに提供してもよい。この場合、情報処理装置100は、送金金額の合計額を合わせて提供したり、送金金額のうち控除の上限となる金額を提供したりしてもよい。
【0062】
〔3.装置構成例〕
以下、本実施形態に係る情報処理装置100の構成について説明する。
図6は、本実施形態に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
【0063】
図6に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0064】
(通信部110について)
通信部110は、有線又は無線により、ネットワークNに接続される。通信部110は、ネットワークNを介して、端末装置10との間で情報の送受信を行う。通信部110は、たとえば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。ネットワークNは、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。なお、ネットワークNは、たとえば、LAN(Local Area Network)、電話網(たとえば、携帯電話網や固定電話網など)、地域IP(Internet Protocol)網などの通信ネットワークを含んでもよい。また、ネットワークNには、有線ネットワークが含まれていてもよいし、無線ネットワークが含まれていてもよい。
【0065】
(記憶部120について)
記憶部120は、制御部130による制御及び演算に用いられるプログラム及びデータを記憶する。記憶部120は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。
図6に示すように、記憶部120は、送金先データベース121と、控除証明書送付方法データベース122と、送金履歴データベース123と、利用サービス情報データベース124と、決済対応ウォレット情報データベース125と、法人アカウント情報データベース126とを有する。
【0066】
(送金先データベース122について)
送金先データベース122は、コード情報Qに対応付けられている送金先に関する情報を記憶する。
図7は、本実施形態に係る送金先データベースの概要を示す図である。なお、
図7は、本実施形態に係る送金先データベース121の一例を示すものであり、
図7に示す例とは異なる形態で構成されていてもよい。
【0067】
図7に示すように、送金先データベース121は、「送金先識別情報」の項目や、「送金先」の項目や、「送金先表示名」の項目や、「控除フラグ」の項目や、「控除内容/対応制度」の項目や、「送金可能額」の項目や、「1口設定」の項目や、「1口金額」の項目や、「控除証明書の送付方法」の項目などの複数の項目を有している。送金先データベース121が有するこれらの項目は相互に対応付けられている。
【0068】
「送金先識別情報」の項目には、企業や団体などの送金先に対して個別に割り振られている固有の識別情報が記憶されている。「送金先」の項目には、送金先である企業や団体などの名称が記憶されている。「送金先表示名」の項目には、端末装置10に表示される送金先の名称が記憶されている。
図7に示す例では、「送金先表示名」の項目に記憶される情報として、「A募金」や「B募金」などが示されている。
【0069】
「控除フラグ」の項目には、送金先が控除制度の適用対象であるか否かを示す情報が記憶されている。たとえば、「控除フラグ」の項目に「ON」が記憶されている場合、控除制度の適用対象であることを示し、「控除フラグ」の項目に「OFF」が記憶されている場合、控除制度の適用対象ではないことを示す。
【0070】
「控除内容/対応制度」の項目には、送金先に適用される控除の内容を示す情報と、対応する税制上の制度を示す情報が記憶されている。
図7に示す例では、送金先に適用される控除の内容を示す情報として「寄付金控除」が示され、対応する税制上の制度として「所得控除」が示されている。なお、「控除内容/対応制度」の項目は、一般原則を示す情報が記憶される項目であってよい。たとえば、政治活動に関する寄付金や、認定NPO法人などに対する寄付金や、公益社団法人などに対する寄付金のうち一定のものについては、所得控除に代えて、控除内容として「寄付金特別控除」が記憶され、対応する税制上の制度として「税額控除」が記憶されていてもよい。
【0071】
「送金可能額」の項目には、送金先となる企業や団体により設定される送金受付可能な金額を示す情報が記憶されている。
図7に示す例では、「送金可能額」の項目に記憶される送金可能な金額として、最低金額:100(円)~最高金額:1,000,000(円)が示されている。「1口設定」の項目には、送金先となる企業や団体が1口単位での送金の受付を設定しているか否かを示す情報が記憶されている。「1口金額」の項目には、1口単位での送金の受付が設定される場合の1口当たりの送金金額を示す情報が設定されている。
【0072】
「控除証明書の送付方法」の項目には、送金元であるユーザUが控除制度の適用を受ける際に必要となる控除証明書(領収書・預かり書)の送付方法を示す情報が記憶されている。
図7に示す例では、「控除証明書の送付方法」の項目に記憶される控除証明書の送付方法として、「郵送」や「電子メール」が示されている。
【0073】
図7によれば、送金先識別情報:「xxx.aaa」で識別される送金先:「〇〇〇〇」は、端末装置10に「A募金」として表示される。また、
図7によれば、送金先:「〇〇〇〇」に対する送金は、所得控除となる寄付金控除の適用対象であり、「100~1,000,000円」の範囲で送金者が自由に金額を入力でき、1口設定はない。また、
図7によれば、送金先:「〇〇〇〇」に対する送金について控除制度の適用を受ける場合に必要となる控除証明書は郵送で送付されることが示されている。
【0074】
(控除証明書送付方法データベース122について)
控除証明書送付方法データベース122は、控除証明書の送付方法に関する情報を記憶する。
図8は、本実施形態に係る控除証明書送付方法データベースの概要を示す図である。なお、
図8は、本実施形態に係る控除証明書送付方法データベース122の一例を示すものであり、
図8に示す例とは異なる形態で構成されていてもよい。
【0075】
図8に示すように、控除証明書送付方法データベース122は、「控除証明書の送付方法」の項目と、「アカウント連携時の連携項目」の項目とを有している。「控除証明書の送付方法」の項目には、控除証明書の送付方法を示す情報が記憶されている。「アカウント連携時の連携項目」の項目には、控除証明書の送付にあたり、個人情報の共有に同意する場合に送金先に連携される個人情報の項目を示す情報が記憶されている。
【0076】
図8に示す例では、控除証明書の送付方法が「電子メール」である場合、送金先に連携する必要がある個人情報の項目として、「氏名・電話番号・メールアドレス」が示されている。また、
図8に示す例では、控除証明書の送付方法が「郵送」である場合、送金先に連携する必要がある個人情報の項目として、「氏名・電話番号・住所」が示されている。
【0077】
(送金履歴データベース123について)
送金履歴データベース123は、ユーザUを含む各ユーザの送金履歴に関する情報を記憶する。
図9は、本実施形態に係る送金履歴データベースの概要を示す図である。なお、
図9は、送金履歴データベースの一例を示すものであり、
図9に示す例とは異なる形態で構成されていてもよい。
【0078】
図9に示すように、送金履歴データベース123は、「利用者ID」の項目と、「送金日」の項目と、「送金先事業者」の項目と、「送金先表示名」の項目と、「送金金額」の項目と、「控除情報」の項目と、「控除内容/対応制度」の項目とを有している。送金履歴データベース123が有するこれらの項目は相互に対応付けられている。
【0079】
「利用者ID」の項目には、送金を行ったユーザUに対して個別に割り振られている識別情報が記憶されている。「送金日」の項目には、送金が行われて日付を示す情報が記憶されている。「送金先事業者」の項目には、送金先である企業や団体などの事業者(法人)を示す情報が記憶されている。「送金先表示名」の項目には、端末装置10に表示される送金先の情報が記憶されている。「送金金額」の項目には、送金された金額を示す情報が記憶されている。「控除情報」の項目には、控除制度の適用対象であるか否かを示す情報が記憶されている。「控除内容/対応制度」の項目には、送金先に適用される控除の内容を示す情報と、対応する税制上の制度を示す情報が記憶されている。
【0080】
図9によれば、利用者ID:「#000」で識別されるユーザUが、令和4年4月14日に送金先事業者:「〇〇〇〇」に対して1,000円の送金を起こったことが示されている。また、
図9によれば、この送金は、所得控除となる寄付金控除の適用対象であることが示されている。
【0081】
(利用サービス情報データベース124について)
利用サービス情報データベース124は、法人アカウントを利用する企業や団体などの事業者(法人)であるサービス利用者が利用するサービスに関する情報を記憶する。たとえば、利用サービスには、加盟店契約を締結することにより利用可能となる決済サービス(収納代行サービス)や、法人アカウントサービスを提供する事業者との間で法人アカウントサービスの利用契約を締結した後、送金サービスの利用登録を行うことにより利用可能となる送金サービス(送金受取サービス)などが含まれる。
【0082】
(決済対応ウォレット情報データベース125について)
決済対応ウォレット情報データベース125は、決済サービスを利用する事業者が所有する決済対応ウォレットに関する決済対応ウォレット情報を記憶する。決済対応ウォレット情報には、電子決済サービスの加盟店として加盟店契約を締結した事業者を識別するための識別情報である事業者IDや、加盟店を識別するための識別情報である加盟店IDや、店舗を識別するための識別情報である店舗IDや、決済対応ウォレットを識別するための識別情報であるウォレットIDや、決済対応ウォレットのマネー残高を示す情報や、ウォレットに紐付けられる金融機関の口座を示す口座番号などが含まれる。
【0083】
(法人アカウント情報データベース126について)
法人アカウント情報データベース126は、法人アカウントサービスの利用契約を提携した事業者に対応する法人アカウントに関する情報を記憶する。法人アカウントに関する情報を記憶には、法人アカウントサービスを利用する事業者を識別するための識別情報である事業者IDや、法人アカウントを識別するための識別情報である法人アカウントIDや、メインウォレットやサブウォレットのマネー残高や、メインウォレットに紐付けられる金融機関の口座を示す口座番号などが含まれる。
【0084】
(制御部130について)
制御部130は、情報処理装置100の制御や演算を実行するコントローラ(controller)である。制御部130の各部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などによって、情報処理装置100の内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)、SoC(System on a Chip)などの集積回路により実現される。
【0085】
図6に示すように、制御部130は、振分処理部131と、判定部132と、提供部133と、決済処理部134と、送金処理部135とを有する。制御部130は、
図6に示す各部により、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0086】
(振分処理部131について)
振分処理部131は、ユーザUからの処理要求として受け付けられるコード読取情報に含まれる要求識別情報に基づいて、処理要求に基づく処理を決済処理または送金処理のいずれか一方に振り分ける。
【0087】
(判定部132について)
送金受付部132は、コード読取情報に送金フラグが含まれる場合、コード読取情報に含まれる送金先識別情報に基づいて、送金先識別情報により識別される送金先が控除制度の適用対象であるか否かを判定する。
【0088】
(提供部133について)
提供部132は、判定部132により送金先が控除制度の適用対象であると判定された場合、送金先が控除制度の適用対象である旨を示す情報を表示された送金額入力画面W1(たとえば、
図5参照)をユーザUに提供する。たとえば、提供部132は、控除制度の適用対象となる旨の情報として、送金に対応する控除の内容を示す情報が表示された送金額入力画面W1(たとえば、
図5参照)を提供する。
【0089】
また、たとえば、提供部133は、送金先となる送金先事業者から予め受け付けられる設定に従って、ユーザUによる送金金額の入力が可能な送金額入力画面W1を提供する。具体的には、提供部133は、送金先事業者により設定された最低金額および最高金額の範囲で金額入力が可能な送金額入力画面W1を提供する。また、提供部133は、送金先事業者により設定された送金単位で金額入力が可能な送金額入力画面W1を提供する。
【0090】
また、提供部133は、送金額入力画面W1に対するユーザUの操作(たとえば、ボタンB1に対する操作)に応じて、送金先に対して個人情報を共有することについて同意するか否かの問合せを行うための同意画面W2(たとえば、
図5参照)をユーザUに提供し、同意画面W2を通じてユーザUから個人情報の共有についての同意が得られた場合、個人情報が所定の領域に自動入力された送金受付画面W3(たとえば、
図5参照)をユーザUに提供する。
【0091】
また、提供部133は、送金先識別情報に対応する送金先が個人情報の共有についての同意をユーザUから取得済みの送金先である場合、同意を取得済みの送金先に対する再送金に際して、同意画面W2の提供を飛ばして、送金受付画面W3を提供する。
【0092】
また、提供部133は、ユーザUからの要求に応じて、送金先が控除制度の適用対象である送金に関する送金履歴を提供する。たとえば、提供部133は、ユーザUの全ての送金履歴から、控除制度の適用対象となる送金先への送金履歴のみをフィルタリングして抽出し、抽出した送金履歴をユーザUに提供してもよい。この場合、情報処理装置100は、送金金額の合計額を合わせて提供したり、送金金額のうち控除の上限となる金額を提供したりしてもよい。
【0093】
(決済処理部134について)
決済処理部134は、振分処理部131により処理要求が決済処理に振り分けられた場合、処理要求に含まれる決済金額に相当する額の電子マネーを、決済サービスのサービス利用者である事業者の売上金として決済処理に対応する決済サービスに紐付く決済サービス対応ウォレットの残高に加算する。また、決済処理部134は、加盟店契約に準じた所定のタイミングで、決済サービス対応ウォレットの残高を、決済サービスのサービス利用者である事業者が振込先として予め指定する金融機関口座に払い出す。
【0094】
(送金処理部135について)
送金処理部135は、振分処理部131により処理要求が送金処理に振り分けられた場合、処理要求に含まれる送金金額に相当する額の電子マネーを、送金サービスのサービス利用者である事業者の受取金として法人アカウントの残高に加算する。また、送金処理部135は、送金処理が正常に完了した場合、送金サービスのサービス利用者である事業者の法人アカウントに紐付けられている送金サービス用のサブウォレットを通じて、送金金額に相当する額の電子マネーの入金を受け付ける。また、送金処理部135は、送金サービス対応のサブウォレットの残高を、事業者の受取金として法人アカウントが有するメインウォレットの残高に加算する。また、送金処理部135は、法人アカウントサービスの利用契約に準じた所定のタイミングで、法人ウォレットの残高を、送金サービスの利用者である事業者が振込先として予め指定する金融機関口座に払い出す。
【0095】
〔4.処理手順〕
次に、
図10を用いて、本実施形態に係る情報処理装置100による処理手順について説明する。
図10は、本実施形態に係る情報処理装置の処理手順例を示すフローチャートである。なお、以下に示す処理手順は、情報処理装置100が有する制御部130により繰り返し実行される。
【0096】
図10に示すように、判定部132は、コード読取情報に送金フラグが含まれる場合、コード読取情報に含まれる送金先識別情報に基づいて、送金先識別情報により識別される送金先が控除制度の適用対象であるか否かを判定する(ステップS101)。
【0097】
また、提供部133は、送金受付部132は、判定部132により送金先が控除制度の適用対象であると判定された場合、送金先が控除制度の適用対象である旨を示す情報を表示された送金額入力画面W1をユーザUに提供する(ステップS102)。
【0098】
また、提供部132は、送金先に対して個人情報を共有することについて同意するか否かの問合せを行うための同意画面W2をユーザUに提供する(ステップS103)。
【0099】
また、提供部132は、同意画面W2を通じてユーザUから個人情報の共有についての同意が得られたかどうかを判定する(ステップS104)。提供部132は、同意画面W2を通じてユーザUから個人情報の共有についての同意が得られたと判定した場合(ステップS104:Yes)、個人情報が所定の領域である入力欄に自動入力された送金受付画面W3-1をユーザUに提供する(ステップS105)。
【0100】
また、送金処理部135は、ユーザUの送金指示を受け付けると(たとえば、送金ボタンが操作されると)、利用者であるユーザUの指示に従って、送金処理を実行し(ステップS107)、
図10に示す処理手順を終了する。
【0101】
上述のステップS104において、提供部132は、同意画面W2を通じてユーザUから個人情報の共有についての同意が得られなかったと判定した場合(ステップS104:No)、個人情報の入力欄が空欄の送金受付画面W3-2をユーザUに提供して(ステップS108)、上述のステップS107の処理手順に移る。
【0102】
〔5.変形例〕
上述してきた本実施形態は、本実施形態に係る情報処理の一例を示したものであり、種々の変更及び応用が可能である。
【0103】
(5-1.個人情報の共有の同意について)
たとえば、上述した本実施形態に係る情報処理の一例において、情報処理装置100は、控除制度の適用対象となる送金先であれば、送金先に対する個人情報の共有の同意を条件として、送金処理を実行してもよい。これにより、送金元であるユーザUに対して、確実に控除証明書を提供できる。
【0104】
(5-2.定期的な送金について)
たとえば、上述した本実施形態に係る情報処理の一例において、情報処理装置100は、コード情報Qを通じて、その場限りに送金を受け付けるだけでなく、ユーザUからの洋弓に応じて、定期的な送金を受け付けてもよい。
【0105】
(5-3.送金金額に対する上限の設定について)
たとえば、上述した本実施形態に係る情報処理の一例において、情報処理装置100は、ユーザUからの要求に応じて、ユーザUから控除制度を利用可能な金額を限度として、ユーザUからの送金を受け付けるように処理を行ってもよい。
【0106】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた本実施形態に係る情報処理装置100は、たとえば、
図11に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図11は、本実施形態または変形例に係るサービス提供装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【0107】
コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0108】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラムなどに基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAMなど、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD、フラッシュメモリ等により実現される。
【0109】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインターフェイスであり、たとえば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナなどといった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインターフェイスであり、たとえば、USBなどにより実現される。
【0110】
なお、入力装置1020は、たとえば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)などの光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリなどから情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリなどの外付け記憶媒体であってもよい。
【0111】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0112】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。たとえば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0113】
たとえば、コンピュータ1000が本実施形態に係る情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラム(たとえば、情報処理プログラム)を実行することにより、制御部330と同様の機能を実現する。すなわち、演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラム(たとえば、情報処理プログラム)との協働により、本実施形態に係る情報処理装置100による処理を実現する。
【0114】
また、コンピュータ1000が変形例に係る情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラム(たとえば、情報処理プログラム)を実行することにより、制御部430と同様の機能を実現する。すなわち、演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラム(たとえば、情報処理プログラム)との協働により、変形例に係る情報処理装置100による処理を実現する。
【0115】
〔7.効果〕
上述してきたように、本実施形態に係る情報処理装置100は、判定部132と、提供部133と備える。判定部132は、ユーザからの処理要求として、送金フラグを含むコード読取情報を受け付けた場合、コード読取情報に含まれる送金先識別情報に基づいて、送金先識別情報により識別される送金先が控除制度の適用対象であるか否かを判定する。提供部133は、判定部132により送金先が控除制度の適用対象であると判定された場合、送金先が控除制度の適用対象である旨を示す情報を表示された送金額入力画面W1(たとえば、
図5参照)をユーザUに提供する。
【0116】
また、提供部133は、控除制度の適用対象となる旨の情報として、送金に対応する控除の内容を示す情報が表示された送金額入力画面W1を提供する。
【0117】
また、提供部133は、送金先となる送金先事業者から予め受け付けられる設定に従って、ユーザUによる送金金額の入力が可能な送金額入力画面W1を提供する。具体的には、提供部133は、送金先事業者により設定された最低金額および最高金額の範囲で金額入力が可能な送金額入力画面W1を提供する。また、提供部133は、送金先事業者により設定された送金単位で金額入力が可能な送金額入力画面W1を提供する。
【0118】
また、提供部133は、送金額入力画面W1に対するユーザUの操作(たとえば、ボタンB1に対する操作)に応じて、送金先に対して個人情報を共有することについて同意するか否かの問合せを行うための同意画面W2(たとえば、
図5参照)をユーザUに提供し、同意画面W2を通じてユーザUから個人情報の共有についての同意が得られた場合、個人情報が所定の領域に自動入力された送金受付画面W3(たとえば、
図5参照)をユーザUに提供する。
【0119】
また、提供部133は、送金先識別情報に対応する送金先が個人情報の共有についての同意をユーザUから取得済みの送金先である場合、同意を取得済みの送金先に対する再送金に際して、同意画面W2の提供を飛ばして、送金受付画面W3を提供する。
【0120】
このようにして、本実施形態に係る情報処理装置100は、上述した各部により実行される処理、又は各部のうちのいずれかの組合せにより、キャッシュレスで送金を行うユーザUの利便性を高めることができる。すなわち、情報処理装置100は、送金先が寄付金控除などの控除制度の適用対象であるかを、送金実行前に事前にユーザUに確認させることが可能となる。また、情報処理装置100は、送金先が控除制度の適用対象である場合、ユーザUの同意を条件として、控除証明書の作成に必要となる個人情報の簡単な手続きのみで送金先に連携でき、ユーザ負担を軽減できる。
【0121】
また、提供部133は、ユーザUからの要求に応じて、送金先が控除制度の適用対象である送金に関する送金履歴を提供する。これにより、本実施形態に係る情報処理装置100は、キャッシュレスで送金を行うユーザUの利便性をさらに高めることができる。
【0122】
〔8.その他〕
以上、本実施形態および変形例のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0123】
また、上述した情報処理装置100は、機能によっては外部のプラットフォームなどをAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、その構成を柔軟に変更できる。
【0124】
また、特許請求の範囲に記載した「部」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【0125】
また、本願の実施形態に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本願の実施形態は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、実施形態の記載から当業者にとって明らかな他の効果を奏しうる。
【符号の説明】
【0126】
10 端末装置
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
121 送金先データベース
122 控除証明書送付方法データベース
123 送金履歴データベース
124 利用サービス情報データベース
125 決済対応ウォレット情報データベース
126 法人アカウント情報データベース
130 制御部
131 振分処理部
132 判定部
133 提供部
134 決済処理部
135 送金処理部