(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171436
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】ガラス板用合紙およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
D21H 27/00 20060101AFI20231124BHJP
D21H 17/67 20060101ALI20231124BHJP
B65D 57/00 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
D21H27/00 Z
D21H17/67
B65D57/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023166840
(22)【出願日】2023-09-28
(62)【分割の表示】P 2022198797の分割
【原出願日】2018-02-16
(31)【優先権主張番号】P 2017059844
(32)【優先日】2017-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】萩原 浩一
(72)【発明者】
【氏名】白井 和彦
(57)【要約】
【課題】樹脂分を主体とした凝集物がガラス板へ付着することを低減させたガラス板用合紙およびその製造方法を提供する。
【解決手段】セルロースパルプを主成分とし、タルクを含有するガラス板用合紙であって、前記タルクの含有率が0.1質量%未満であり、坪量が10~100g/m2であることを特徴とするガラス板用合紙である。また、セルロースパルプを主成分とし、タルクを使用するガラス板用合紙の製造方法であって、抄紙工程においてパルプスラリーに添加するタルク添加率を0質量%とし、前記タルクの含有率を0.1質量%未満とし、坪量を10~100g/m2とすることを特徴とするガラス板用合紙の製造方法である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルロースパルプを主成分とし、タルクを含有するガラス板用合紙であって、
前記タルクの含有率が0.1質量%未満であり、
坪量が10~100g/m2であることを特徴とするガラス板用合紙。
【請求項2】
抄紙用薬品の含有率合計が0.1質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のガラス板用合紙。
【請求項3】
セルロースパルプを主成分とし、タルクを使用するガラス板用合紙の製造方法であって、
抄紙工程においてパルプスラリーに添加するタルク添加率を0質量%とし、
前記タルクの含有率を0.1質量%未満とし、
坪量を10~100g/m2とすることを特徴とするガラス板用合紙の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス板同士の間に挿入する合紙およびその製造方法に関するものである。特に、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイといったフラットパネルディスプレイ用のガラス基板を複数枚積層して保管、運搬する流通過程や製造工程において使用されるガラス板用合紙およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ガラスの多用途化により、ガラス板用合紙に対する品質要求が厳しくなっている。例えば、液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイに用いられるガラス基板では、ガラス基板表面に対して微細な電子部材等が形成されるため、表面に僅かな傷や汚染があった場合、断線等の不良の原因となり製品欠陥となる。そのため、ガラス基板表面には高度の清澄性が求められる。
【0003】
近年では、ガラス基板の大型化・量産化に伴い、搬送効率を高める目的でガラス基板を重ねて搬送する場合が多い。ガラス基板を重ねると、ガラス板用合紙(以下、適宜「合紙」とも記載する)とガラス基板との接触圧力が高まるので、合紙中の異物等がガラス基板に付着する(汚染する)確率が高まる。その一方で、フラットパネルディスプレイの高精細化に伴い、ガラス基板表面にはより高度な清澄性が要求されている。このような事情により、合紙に対する品質要求水準は高度化しつつある。
【0004】
原料パルプの製造工程や原料パルプから合紙を抄造する工程では、原料中の異物が合紙に混入することがある。また、種々の化学物質が添加されるため、それらの添加剤が影響して汚染を引き起こすことがある。このような異物や汚染物質が、保管中または搬送の過程において、ガラス基板表面に極力付着しないことが望ましい。
【0005】
こうした異物や汚染物質には、木材、パルプおよび紙から遊離した天然樹脂およびガム物質、添加剤などに由来する有機系の非水溶性の物質などが含まれる。具体的には、木材由来の粘着性天然樹脂(ピッチ)、添加剤中の合成樹脂、ポリジメチルシロキサンに代表される有機ポリシロキサン化合物等の樹脂がある。
【0006】
ガラス板、特にフラットパネルディスプレイ用として用いられるガラス基板については、出荷前や電子部品等の実装工程前に、水を主体とする媒体を用いてガラス表面を洗浄する工程を経る。この工程により、ガラス基板表面に付着した紙粉等の異物はほとんど洗い流されるが、粘着性を有する樹脂(ピッチ)や異物、ガラスとの親和性の高い物質は、洗浄後もガラス表面に付着している可能性が高い。
【0007】
パルプの製造工程や抄紙工程においては、樹脂(ピッチ)による弊害を低減させるために、ピッチコントロール剤が使用されることがある。ピッチコントロール剤とは、樹脂(ピッチ)が製造工程や抄紙工程で付着しないようにするための物質であり、具体的には、タルク、硫酸バンド(硫酸アルミニウム)、界面活性剤、カチオン系ポリマー等が知られている。
【0008】
例えば、特許文献1には、表面に存在するタルクの割合を低減させ、代わりに、非タルク系のピッチコントロール剤として界面活性剤、カチオン系ポリマー、硫酸バンド(硫酸アルミニウム)等を使用することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特許文献1に記載のピッチコントロール剤を使用する方法では、樹脂(ピッチ)とピッチコントロール剤からなる凝集物が生じることがあるので、極めて高い清澄性が要求されるガラス基板向けの合紙用途には必ずしも十分なものではなかった。
【0011】
本発明は、上記のような状況に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の課題は、樹脂分を主体とした凝集物がガラス板へ付着することを低減させたガラス板用合紙およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、上記課題を解消するために、電子部材等の形成不良で製品欠陥をもたらした付着異物の分析を進めた。その結果、付着異物は、数十μm以上の大きさを有しており、樹脂分を含む凝集物であることが判明した。さらに分析を進めたところ、ピッチコントロール剤として添加された硫酸アルミニウムからアルミニウムイオンが解離し、アルミニウムイオンが有する強い凝集作用によってアニオン性の物質等が凝集し、凝集物が粗大化して付着異物となることが判明した。
【0013】
本発明は、このような知見を基に生まれたものである。すなわち、本発明は以下のような構成を有している。
【0014】
(1)セルロースパルプを主成分とし、タルクを含有するガラス板用合紙であって、前記タルクの含有率が0.1質量%未満であり、坪量が10~100g/m2であることを特徴とするガラス板用合紙。
(2)抄紙用薬品の含有率合計が0.1質量%以下であることを特徴とする前記1に記載のガラス板用合紙。
(3)セルロースパルプを主成分とし、タルクを使用するガラス板用合紙の製造方法であって、抄紙工程においてパルプスラリーに添加するタルク添加率を0質量%とし、前記タルクの含有率を0.1質量%未満とし、坪量を10~100g/m2とすることを特徴とするガラス板用合紙の製造方法。
【発明の効果】
【0015】
本発明のガラス板用合紙によれば、樹脂分を主体とした凝集物のガラス板への付着を低減させることができる。
本発明のガラス板用合紙の製造方法によれば、樹脂分を主体とした凝集物のガラス板への付着を低減できるガラス板用合紙を製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を具体的に説明する。以下に示す実施形態は一例であり、本発明はこれらの実施形態に限定して解釈されるものではない。
【0017】
本実施形態のガラス板用合紙は、セルロースパルプを主成分とし、アルミニウム含有率が0.2質量%未満であり、坪量が10~100g/m2である。
【0018】
(アルミニウム)
本発明者らは、電子部材等の製品欠陥をもたらす付着異物についての分析を進めた。その結果、当該付着異物は、樹脂分が凝集した凝集物であり、数十μm以上の大きさを有していることが判明した。さらに、当該付着異物は、アルミニウムを含有していることが判明した。
【0019】
アルミニウムは、主として、抄紙薬品として使用される硫酸アルミニウムに由来するものである。硫酸アルミニウムは、ピッチコントロール剤として機能するだけでなく、サイズ剤を定着させる機能、濾水性を向上させる機能、抄紙機材へパルプ粕が付着することを抑制する機能を有している。そのため、硫酸アルミニウムは、合紙製造の操業性を安定化させるために、添加されることが多い。
【0020】
硫酸アルミニウムがピッチコントロール剤として機能するメカニズムは次のとおりである。硫酸アルミニウムから解離したアルミニウムイオンは、カチオン性を有しているため、アニオン性の樹脂等とパルプ繊維とを結合させ、紙の中に抄き込ませる。その結果、樹脂等による弊害の発生が抑制される。
【0021】
ところが、硫酸アルミニウムを一定量以上添加すると、樹脂(ピッチ)等が凝集して粗大化した凝集物が発生し、いわゆる抄き込み異物となる。このような粗大化した凝集物が電子部材等の製品欠陥をもたらすおそれがある。
【0022】
以上の結果を踏まえて、本発明者らは、樹脂分を主体とした凝集物がガラス板用合紙に付着することを抑制するためには、アルミニウム含有率を0.2質量%未満とすることが必要であることを見出した。アルミニウム含有率は、0.01質量%未満とすることが好ましい。
【0023】
さらに、タルクが存在している場合には、樹脂(ピッチ)を吸着したタルクが凝集し、その凝集物が抄き込み異物となることがある。そこで、タルクの含有量の上限についても検討を加えた。その結果、タルク含有率は、0.1質量%未満とすることが好ましいことを見出した。タルク含有率は、0.01質量%未満とすることがより好ましい。
【0024】
なお、硫酸アルミニウムを抄紙用薬品として一定量以上使用した紙は、例えば、JIS P8133に準拠して測定した熱水抽出pHが4~5.5程度となると、いわゆる酸性紙となる。
【0025】
(セルロースパルプ)
本実施形態のガラス板用合紙は、セルロースパルプを主成分としている。セルロースパルプとしては、各種のセルロースパルプを1種または2種以上を混合して使用することができる。セルロースパルプとしては、例えば、クラフトパルプ(KP)、サルファイトパルプ(SP)、ソーダパルプ(AP)等の化学パルプ;セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグランドウッドパルプ(CGP)等の半化学パルプ;砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP、BCTMP)、リファイナーグランドウッドパルプ(RGP)等の機械パルプ;および楮、三椏、麻、ケナフ等を原料とする非木材繊維パルプ等が挙げられる。木材パルプの場合は、針葉樹パルプでも広葉樹パルプでもよく、またはこれらを混合したものでもよい。さらに、木材パルプとしては、木材由来の粘着性天然樹脂分の含有量が低いクラフトパルプ(KP)が好適である。ここで、セルロースパルプを主成分とするとは、合紙の質量に対して、セルロースパルプが50質量%を超えること、好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上であることを意味する。
【0026】
セルロースパルプの叩解度は、200~700mlcsfであることが好ましい。ここで、叩解度とは、JIS P8121によるカナダ標準ろ水度(Canadian standard freeness)のことである。叩解度を200~700mlcsfの範囲とすることによって、合紙として必要な機械的強度と加工性を有したものとすることができる。叩解度が200mlcsf未満の場合はガラス板用合紙の密度が高くなり、クッション性が低くなって、ガラス表面に傷が付きやすくなる。叩解度が700mlcsfより高い場合は紙力が弱くなって運搬する流通過程や製造工程において破断するおそれがある。叩解度は、350~600mlcsfであることがより好ましい。叩解度を200~700mlcsfに調製するために、パルプを叩解する方法については、公知の方法を使用することができる。
【0027】
(抄紙用薬品)
ガラス板用合紙の抄紙時に用いる抄紙用薬品については、ガラス表面を汚染せず、ガラス表面を傷付けない範囲内で、公知の各種薬品を使用することができる。抄紙用薬品としては、例えば、ロジン、スチレン・マレイン酸、アルケニル無水コハク酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、ポリアクリルアミド等の紙力増強剤、濾水歩留り向上剤、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン等の耐水化剤、柔軟剤、帯電防止剤、消泡剤、スライムコントロール剤、填料、染料等が挙げられる。これらの抄紙用薬品はいずれもガラス板を汚染する恐れを有するものであるので、添加する場合であっても、合計で0.1質量%以下とすることが好ましい。
【0028】
(合紙の製造方法)
ガラス板用合紙の製造方法には特に制限はなく、種々の抄紙機を用いて、適切な抄造条件を選択することによって、抄造することができる。抄紙機としては、具体的に、長網フォーマ、ツインワイヤーフォーマ、円網フォーマ、傾斜フォーマなどを挙げることができる。ガラス板用合紙の層構成は、単層であってもよいし、多層であってもよい。
【0029】
(ガラス板用合紙の特性)
ガラス板用合紙の坪量は、小さい方が運搬時の質量が少なくなるため好ましいが、小さ過ぎると、ガラス板に対して十分な緩衝性を付与することができない。一方、合紙の坪量は、ある程度大きい方が緩衝性の点で好ましいが、大き過ぎると運搬時の質量が大きくなり好ましくない。緩衝性と運搬容易性とのバランスを考慮して、合紙の坪量は10~100g/m2である。合紙の坪量は、好ましくは35~80g/m2である。
【0030】
ガラス板用合紙の厚さは、緩衝性、作業性の観点から、25~250μmであることが好ましい。また、ガラス板用合紙の密度は、0.4~1.2g/cm3であることが好ましい。
【実施例0031】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、配合を示す数値は、固形分または有効成分の質量基準の数値である。また、特に記載のない場合については、抄造した紙はJIS P8111に準じて処理を行なった後、測定および評価試験に供した。
【0032】
<合紙中のアルミニウム含有率>
合紙中のアルミニウム含有率(質量%)は、蛍光X線分析装置(スペクトリス社製、PW2404)を用い、予め所定量のアルミニウムを含有する合紙を用いて作成した検量線によって求めた。
【0033】
<合紙中のタルク含有率>
ガラス合紙をJIS P8251に準じて灰化処理した。次に、得られた灰中のタルク含有率(質量%)を蛍光X線回折装置(リガク社製、RINT-UltimaIII)を用い、予め所定量のタルクを含有する合紙を用いて作成した検量線によって求めた。ガラス合紙中のタルク含有率mは次式(1)によって求めた。
m=(b/a)×c×100 ・・・(1)
ここで、m:タルク含有率(質量%)
a:ガラス合紙の質量(g)
b:灰分の質量(g)
c:灰中のタルクの含有率(質量%)
【0034】
<ガラス板汚染性>
(ガラス板表面の汚染試験)
300mm×300mmのフラットパネルディスプレイ用ガラス板に、310mm×310mmガラス板用合紙を当て、0.7MPaで10秒間圧力を掛けるプレス操作を繰り返し行った。すなわち、300mm×300mmのフラットパネルディスプレイ用ガラス板は同一として、310mm×310mmガラス板用合紙を1回プレスする毎に新規なものに変えて、100回プレス操作を繰返し、試験後のフラットパネルディスプレイ用ガラス板を得た。
【0035】
(ガラス板表面の汚染性の評価)
上記試験後のフラットパネルディスプレイ用ガラス板の表面を水で洗い流し、次に、スポットライトをガラス板表面に当てて、ガラス板表面の汚れを目視および顕微鏡にてカウントした。ガラス板汚染性の評価は以下のように行った。
◎:汚れ0個
○:汚れ1個
×:2個以上の汚れあり
【0036】
<傷入り性>
(ガラス板表面の傷入り試験)
300mm×300mmのフラットパネルディスプレイ用ガラス板に、310mm×310mmガラス合紙を当て、0.7MPaで10秒間プレスを行なう方法において、300mm×300mmのフラットパネルディスプレイ用ガラス板は同一として、310mm×310mmガラス合紙を1回プレスする毎に新規なものに変えて、2000回プレスを繰返し、試験後のフラットパネルディスプレイ用ガラス板を得た。
【0037】
(ガラス板表面の傷入り性の評価)
上記試験後のフラットパネルディスプレイ用ガラス板表面をブラッシング洗浄した後、スポットライトをガラス板表面に当て、ガラス板表面の傷を目視及び顕微鏡にてカウントした。傷入り性の評価は以下のように行った。
○:0個~4個の傷あり
×:5個以上の傷あり
【0038】
[実施例1]
タルク含有率が0質量%の市販NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)100%のパルプスラリー(叩解度450mlcsf)に硫酸アルミニウムその他の抄紙薬品を添加せずに長網抄紙機で抄紙し、乾燥させ、坪量50g/m2のガラス板用合紙を得た。
【0039】
[実施例2]
絶乾パルプ質量に対して硫酸アルミニウム16水和物を1質量%添加したパルプスラリーを使用した以外は実施例1と同様にしてガラス板用合紙を得た。得られたガラス板用合紙のアルミニウム含有率は、0.08質量%であった。
【0040】
[実施例3]
タルク含有率が0.2質量%の市販NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)100%パルプスラリーを使用した以外は実施例1と同様にしてガラス板用合紙を得た。得られたガラス板用合紙のタルク含有率は、0.05質量%であった。
【0041】
[比較例1]
硫酸アルミニウム16水和物を4質量%添加した以外は実施例2と同様にしてガラス板用合紙を得た。得られたガラス板用合紙のアルミニウム含有率は、0.31質量%であった。
【0042】
[比較例2]
タルク含有率が1質量%の市販NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)100%パルプスラリーを使用した以外は実施例1と同様にしてガラス板用合紙を得た。得られたガラス板用合紙のタルク含有率は、0.25質量%であった。
【0043】
[比較例3]
叩解度を150mlcsfとした以外は比較例2と同様にしてガラス板用合紙を得た。
【0044】
【0045】
表1に、実施例1~3および比較例1~3の評価結果を示した。実施例1~3のガラス板用合紙は、ガラス板汚染性に優れていた。また、タルクを含有する実施例3に比べて、タルクを含有しない実施例1および実施例2は、ガラス板汚染性においてさらに優れたものであった。一方、比較例1と比較例2のガラス板用合紙は、ガラス板汚染性に劣っていた。比較例3のガラス板用合紙は、ガラス板汚染性と傷入り性に劣っていた。