IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171437
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】拡張可能シース
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/89 20130101AFI20231124BHJP
【FI】
A61F2/89
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023167387
(22)【出願日】2023-09-28
(62)【分割の表示】P 2021562921の分割
【原出願日】2020-04-17
(31)【優先権主張番号】62/837,060
(32)【優先日】2019-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/876,466
(32)【優先日】2019-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100144417
【弁理士】
【氏名又は名称】堂垣 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147212
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】マイケル アール.ブロイルズ
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア シー.ハーラー
(72)【発明者】
【氏名】リード エー.ヒュージ
(72)【発明者】
【氏名】エドワード イー.ショー
(57)【要約】
【課題】良好なメディカルデバイスを提供すること。
【解決手段】記載された実施形態は、管状フレームワークを形成するように配置された、複数のストラット要素を含むフレーム、及び、前記フレームの一部に沿って延在しているカバリングであって、前記フレーム及び前記カバリングはシースを画定し、それを通って延在している管腔を有するカバリングを有するメディカルデバイスを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状フレームワークを形成するように配置された複数のストラット要素を含むフレーム、及び、
前記フレームの一部に沿って延在しているカバリングであって、前記フレーム及び前記カバリングは、シースを通って延在する管腔を有するシースを画定するように延在しているカバリング、
を含み、
前記フレームの前記ストラット要素は互いに相互作用して、軸方向の圧縮抵抗及びフープ強度を前記シースに備えさせ、前記管腔はある長さを有し、前記シースは半径方向に拡張可能であり、それにより、前記管腔の直径は初期直径から前記初期直径よりも大きい拡張直径に拡張して、それを通る1つ以上のデバイスの通過に対応するように動作可能であり、前記シースは、前記1つ以上のデバイスが前記管腔から取り外されるのに応答して、前記シースの長さに沿って前記拡張直径よりも小さいデリバリー後直径へと前記管腔の直径を自己回復するようにさらに構成されている、医療機器。
【請求項2】
前記カバリングは前記シースが半径方向に拡張可能であるように引き延ばすように構成されており、前記カバリングは、前記シースの管腔が前記拡張直径に拡張されるときにポテンシャルエネルギーを貯蔵し、前記カバリングのポテンシャルエネルギーは運動エネルギーに変換可能であり、それにより、前記シースが管腔の直径をデリバリー後直径に自己回復させる、請求項1記載の医療機器。
【請求項3】
前記フレームは、前記シースが拡張直径に拡張されたときにポテンシャルエネルギーを貯蔵するように構成されており、前記フレームのポテンシャルエネルギーは運動エネルギーに変換可能であり、それにより、前記シースが前記管腔の直径をデリバリー後直径に自己回復させる、先行の請求項のいずれか1項記載の医療機器。
【請求項4】
前記フレームは、前記シースの管腔の直径が初期直径よりも大きい初期構成に形状設定され、その結果、前記シースの管腔が初期直径を有するときに、前記フレームはポテンシャルエネルギーを貯蔵する、請求項1~3のいずれか1項記載の医療機器。
【請求項5】
前記デリバリー後直径は初期直径の115%以下である、先行の請求項のいずれか1項記載の医療機器。
【請求項6】
前記シースは、前記シースが前記管腔の直径をデリバリー後直径に自己回復させるときに滑らかな外面を有するように構成されている、先行の請求項のいずれか1項記載の医療機器。
【請求項7】
前記カバリングは、前記シースの潤滑性不透過性層を形成している、先行の請求項のいずれか1項記載の医療機器。
【請求項8】
複数の別個のゾーンは前記シースの軸方向長さに沿って画定されており、前記シースは漸進的に拡張及び自己回復され、その結果、前記複数の別個のゾーンのうちの第一のゾーンでの前記管腔の直径は、前記複数の別個のゾーンのうちの第二のゾーンでの前記管腔の直径に対して拡張可能であり、そして前記第一のゾーンでの前記管腔の直径は、前記デリバリー後直径に自己回復可能であるように構成されている、先行の請求項のいずれか1項記載の医療機器。
【請求項9】
前記管腔の直径は、前記シースの軸方向長さに沿った第二の断面で初期直径から前記管腔の直径の拡張を引き起こすことなく、前記シースの軸方向長さに沿った第一の断面で拡張直径に拡張可能であるように構成されており、そして前記管腔の直径は、前記第二の断面で前記管腔の直径の減少を引き起すことなく、前記第一の断面でデリバリー後直径に自己回復可能であるように構成されている、先行の請求項のいずれか1項記載の医療機器。
【請求項10】
遠位端部分を有するデリバリーカテーテル、
拡張可能シースを通って延在している管腔を有する拡張可能シースであって、前記管腔はある長さを有し、そして前記拡張可能シースは半径方向に拡張可能であり、その結果、前記管腔の直径は、初期直径から前記初期直径よりも大きい拡張直径に拡張するように動作可能である拡張可能シース、及び、
前記デリバリーカテーテルを受容し、前記デリバリーカテーテルの遠位端部分と解放可能に結合するように構成されたインラインシース拡張器であって、前記インラインシース拡張器及び前記デリバリーカテーテルは、前記拡張可能シースの管腔を通してスライド可能に挿入可能であり、前記拡張可能シースを初期直径から拡張直径まで拡張させるように構成されたインラインシース拡張器、
を含み、
前記デリバリーカテーテルの遠位端部分は、前記拡張可能シースを前記インラインシース拡張器により拡張直径まで拡張し、前記拡張可能シースを拡張直径に維持した後に、前記インラインシース拡張器から伸長可能である、デリバリーシステム。
【請求項11】
前記拡張可能シースは、管状フレームワークを形成するように配置された複数のストラット要素を含むフレーム、及び、前記フレームの一部に沿って延在しているカバリングを含み、前記フレームのストラット要素は互いに相互作用して、前記拡張可能シースに軸方向の圧縮抵抗及びフープ強度を備えさせる、請求項10記載のデリバリーシステム。
【請求項12】
前記インラインシース拡張器は、前記拡張可能シースを拡張直径に拡張した後に前記インラインシース拡張器から前記デリバリーカテーテルの遠位端部分を伸長した後に、前記デリバリーカテーテルの遠位端部分と再結合するように構成されている、請求項10又は11記載のデリバリーシステム。
【請求項13】
前記拡張可能シースは、前記インラインシース拡張器及び前記デリバリーカテーテルが管腔から除去されることに応答して、前記拡張可能シースの長さに沿って前記管腔の直径を拡張直径よりも小さいデリバリー後直径に自己回復するようにさらに構成されている、請求項10~12のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
【請求項14】
前記デリバリーカテーテルの遠位端部分に近接するデリバリーカテーテルに結合された1つ以上のデバイスをさらに含み、前記1つ以上のデバイスは、僧帽弁又は大動脈弁プロテーゼを含む、請求項10~13のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
【請求項15】
前記インラインシース拡張器は、近位開口部、遠位開口部及びそれらを通って延在している拡張器管腔を含み、前記拡張器管腔は前記デリバリーカテーテルをスライド可能に受容するように構成されており、前記遠位開口部は前記近位開口部よりも大きな直径を有する、請求項12~14のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
【請求項16】
複数の別個のゾーンは前記拡張可能シースの軸方向長さに沿って画定されており、前記拡張可能シースは漸進的に拡張及び自己回復され、その結果、前記複数の別個のゾーンのうちの第一のゾーンでの前記管腔の直径は、前記複数の別個のゾーンのうちの第二のゾーンでの前記管腔の直径に対して拡張可能であり、そして前記第一のゾーンでの前記管腔の直径は、前記第二のゾーンに対してデリバリー後直径に自己回復可能であるように構成されている、請求項10~15のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
【請求項17】
前記管腔の直径は、前記拡張可能シースの軸方向長さに沿った第二の断面で初期直径から前記管腔の直径の拡張を引き起こすことなく、前記拡張可能シースの軸方向長さに沿った第一の断面で拡張直径に拡張可能であるように構成されており、そして前記管腔の直径は、前記第二の断面で前記管腔の直径の減少を引き起すことなく、前記第一の断面でデリバリー後直径に自己回復可能であるように構成されている、請求項10~16のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
【請求項18】
経カテーテルメディカルデバイスを体内に配置する方法であって、
1つ以上のデバイスがデリバリーカテーテルの遠位端部分に拘束された状態で、デリバリーカテーテルの少なくとも一部の上にインラインシース拡張器を前進させること、
前記デリバリーカテーテルの遠位端部分に前記インラインシース拡張器を結合して、前記1つ以上のデバイスを覆うこと、
拡張可能シースを体の血管系に前進させること、
前記デリバリーカテーテルの遠位端部分が前記拡張可能シースの遠位端に隣接するように、前記デリバリーカテーテル及び前記インラインシース拡張器を前記拡張可能シース内に前進させることであって、前記インラインシース拡張器を前記拡張可能シース内に前進させると、前記拡張可能シースが初期直径から前記初期直径よりも大きい拡張直径まで拡張する、前進させること、及び、
前記インラインシース拡張器を前記デリバリーカテーテルの遠位端部分から脱結合させ、前記インラインシース拡張器で前記拡張可能シースを拡張直径に維持しながら、前記デリバリーカテーテルを前記インラインシース拡張器から伸長させること、
を含む、方法。
【請求項19】
前記1つ以上のデバイスを所望の位置にデリバリーするように前記デリバリーカテーテルを血管系内に前進させること、
前記1つ以上のデバイスを所望の位置に配置し、続いて、血管系から前記デリバリーカテーテルを引っ込めること、及び、
前記インラインシース拡張器を前記拡張可能シースから脱結合させ、続いて前記インラインシース拡張器を前記デリバリーカテーテルの遠位端部分に再結合させること、
をさらに含む、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記インラインシース拡張器及び前記デリバリーカテーテルを前記拡張可能シースの管腔から引っ込めて、前記拡張可能シースの長さに沿って、前記拡張可能シースに前記管腔の直径を拡張直径よりも小さいデリバリー後直径まで自己回復させることをさらに含む、請求項19記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年4月22日に出願された仮出願第62/837,060号の利益を主張し、また、2019年7月19日に出願された仮出願第62/876,466号の利益を主張し、これらは両方とも、あらゆる目的のために全体を参照により取り込む。
【0002】
分野
本開示は、内部人工器官及び他のメディカルデバイスを患者の血管系の治療領域にデリバリーすることを含む医療処置のためのイントロデューサシースに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
ヒト血管系に医療処置を提供するための現在の方法は、カテーテル及び血管内デリバリー可能なメディカルデバイスの使用を含む。非限定的な例として、例えば、ステント及びステントグラフト(自己拡張型又はその他)、分岐ステント及びステントグラフト、ドラッグ溶出ステント及び血管フィルタなどの内部人工器官、ならびに管腔内イメージングデバイスの血管内デリバリーが挙げられる。
【0004】
このようなカテーテル及び他のメディカルデバイスは、時折、オリフィス又は切開部を通って体内に入る。幾つかの例において、メディカル導管はオリフィス又は切開部を通して挿入され、カテーテル及び他のメディカルデバイスはメディカル導管を通される。このようなメディカル導管は、時々、イントロデューサシースと呼ばれる。カテーテル又は他のメディカルデバイスが体内に進められるのに必要な切開のサイズを最小限に抑え、カテーテル又はメディカルデバイスが患者の血管系を通って進められるときの患者への外傷を最小限に抑えるために、進歩が続けられている。しかしながら、幾つかの例において、患者の状態を効果的に治療するために、比較的大きな物体を切開部から挿入し、血管系を通って治療部位に進められなければならない。このような例において、メディカルデバイスのプロファイル又は断面を縮小することは不可能かもしれないが、医療処置中に患者の解剖学的構造に与えられる外傷を最小限に抑えるのに役立つイントロデューサシースを構成することは可能であろう。
【0005】
定義及び用語
本開示は、限定的に読まれることを意図するものではない。例えば、本出願で使用される用語は、その分野の用語がそのような用語に帰する意味の関係で広く読まれるべきである。
【0006】
不正確さの用語に関して、「約」及び「ほぼ」は、交換可能に、測定値を指すために使用され、前記測定値は、記載された測定値を含み、また、記載された測定値に合理的に近い測定値を含むことができる。記載された測定値に合理的に近い測定値は、関連技術の当業者によって理解され、容易に確認されるように、合理的に少量だけ記載された測定値から逸脱している。このような逸脱は、測定誤差、測定及び/又は製造装置の校正の違い、測定値の読み取り及び/又は設定における人為的誤差、他の構成要素に関連する測定値の違いを考慮して性能及び/又は構造パラメータを最適化するために行われた微細な調整、特定の実装シナリオ、人又は機械による対象物の不正確な調整及び/又は操作などに起因する可能性がある。関連技術の当業者がそのような合理的に小さな差異の値を容易に確認できないと判断された場合には、「約」及び「ほぼ」という用語は、記載された値の±10%を意味すると理解することができる。
【0007】
本明細書で使用されるときに、「制御された収縮」という用語は、肉眼で見える得られる物品の折り目、プリーツ又はシワを抑制するようにして、熱の適用、溶媒での湿潤又は他の適切な手段又はそれらの組み合わせによって、物品の長さを少なくとも一方向で短くすることを指す。
【0008】
本明細書で使用されるときに、「弾性」という用語は、収縮、拡張、伸長又は他の歪み力の除去時に、収縮、拡張、伸長又は他の歪みの後に自発的に材料又は物品がそのおおよその元の寸法に回復又は戻る材料又は物品の能力を指す。本明細書で使用される「非弾性」という用語は、収縮、拡張、伸長又は他の歪み力の除去時に、収縮、拡張、伸長又は他の歪みの後に自発的に材料又は物品がそのおおよその元の寸法に回復又は戻ることができないことを指す。
【0009】
テクスチャ又は表面特徴の関係で本明細書に使用されるときに、「滑らかな」という用語は、表面の特定の部分又は領域に沿った拡大によって支援されずに肉眼で見ることができるシワ、折り目、クリース、プリーツ及び同様の表面の特徴がないことを意味する。表面の50%超が滑らかであるときに、物品の表面(例えば、管状部材の内面又は外面)の「主要部分」は滑らかである。表面の90%以上が滑らかであるときに、物品の表面(例えば、内面又は外面)の「実質的にすべて」は滑らかである。そして、表面全体が滑らかであるときに、物品の「全面」(例えば、内面又は外面)は滑らかである。非限定的な例として、表面の主要部分は滑らかであり、ここで、物品の主要次元(例えば、長さ)に沿って測定されたときに表面の50%超が滑らかである(例えば、長さが10cmの管状部材は、管状部材の長さの5cm超に沿ってシワがない)。同様に、そして別の非限定的な例として、物品の実質的にすべての表面は滑らかであり、ここで、物品の主要次元(例えば、長さ)に沿って測定されたときに表面の90%以上が滑らかである(例えば、長さが10cmである管状部材は、管状部材の長さの少なくとも9cmの長さがシワがない)。
【0010】
本開示の目的のために、構成要素の1cmの長さ内で、構成要素の表面が拡大による支援なしに肉眼で見ることができるシワ、折り目、クリース、プリーツ及び同様の表面特徴を欠いているならば、構成要素は「シワがない」と考えられる。「折り目がない(free of folds)」、「折り目を欠いている(devoid of folds)」及び「折り目がない(fold free)」という用語は、本明細書で交換可能に使用されることに留意されたい。
【発明の概要】
【0011】
要旨
1つの例(「例1」)によれば、医療機器は、管状フレームワークを形成するように配置された複数のストラット要素を含むフレーム、及び、前記フレームの一部に沿って延在しているカバリングであって、前記フレーム及び前記カバリングは、シースを通って延在する管腔を有するシースを画定するように延在しているカバリングを含み、前記フレームの前記ストラット要素は互いに相互作用して、軸方向の圧縮抵抗及びフープ強度を前記シースに備えさせ、前記管腔はある長さを有し、前記シースは半径方向に拡張可能であり、それにより、前記管腔の直径は初期直径から前記初期直径よりも大きい拡張直径に拡張して、それを通る1つ以上のデバイスの通過に対応するように動作可能であり、前記シースは、前記1つ以上のデバイスが前記管腔から取り外されるのに応答して、前記シースの長さに沿って前記管腔の直径を前記拡張直径よりも小さいデリバリー後直径へと自己回復させるようにさらに構成されている。
【0012】
別の例(「例2」)によれば、例1の医療機器に加えて、前記カバリングは前記シースが半径方向に拡張可能であるように引き延ばすように構成されており、前記カバリングは、前記シースの管腔が前記拡張直径に拡張されるときにポテンシャルエネルギーを貯蔵し、前記カバリングのポテンシャルエネルギーは運動エネルギーに変換可能であり、それにより、前記シースが管腔の直径をデリバリー後直径に自己回復させる。
【0013】
別の例(「例3」)によれば、上述の例のいずれかの医療機器に加えて、医療機器は、エラストマー材料及びエラストマーのうちの1つを含み、前記カバリングの細孔内に存在し、それにより、エラストマー材料又はエラストマーは、前記シースの管腔が拡張直径に拡張されるときにポテンシャルエネルギーを貯蔵し、前記エラストマー材料又はエラストマーのポテンシャルエネルギーは運動エネルギーに変換可能であり、それにより、シースが管腔の直径をデリバリー後直径に自己回復させる。
別の例(「例4」)によれば、上述の例のいずれかに加えて、前記フレームは、前記シースが拡張直径に拡張されたときにポテンシャルエネルギーを貯蔵するように構成されており、前記フレームのポテンシャルエネルギーは運動エネルギーに変換可能であり、それにより、前記シースが前記管腔の直径をデリバリー後直径に自己回復させる。
【0014】
別の例(「例5」)によれば、例4の医療機器に加えて、前記フレームは、前記シースの管腔が初期直径を有する初期構成に形状設定される。
【0015】
別の例(「例6」)によれば、例1~4の医療機器に加えて、前記フレームは、シースの管腔の直径が初期直径よりも大きい初期構成に形状設定され、その結果、前記シースの管腔が初期直径を有するときに、前記フレームはポテンシャルエネルギーを貯蔵する。
【0016】
別の例(「例7」)によれば、例6の医療機器に加えて、前記カバリングは、前記シースの管腔が初期直径を有するときにポテンシャルエネルギーを貯蔵し、ここで、前記カバリングのポテンシャルエネルギーに関連する第一の力及び前記フレームのポテンシャルエネルギーに関連する第二の力は、前記シースの管腔が初期直径を有するときに、及び、前記シースの管腔がデリバリー後直径を有するときに、互いに平衡状態にある。
【0017】
別の例(「例8」)によれば、上述の例のいずれかの医療機器に加えて、前記デリバリー後直径及び初期の直径は実質的に同じである。
【0018】
別の例(「例9」)によれば、上述の例のいずれかの医療機器に加えて、前記デリバリー後直径は初期直径の115%以下である。
【0019】
別の例(「例10」)によれば、例5~9のいずれかの医療機器に加えて、前記フレームは初期構成にヒートセットされる。
【0020】
別の例(「例11」)によれば、例6~10のいずれかの医療機器に加えて、前記シースの管腔が初期直径を有するときに、前記フレームは、半径方向外向きのベクトルで前記シースにバイアスをかける。
【0021】
別の例(「例12」)によれば、例6~10のいずれかの医療機器に加えて、前記シースの管腔が初期直径を有するときに、前記カバリングは、半径方向内向きのベクトルで前記シースにバイアスをかける。
【0022】
別の例(「例13」)によれば、上述の例のいずれかの医療機器に加えて、前記フレームは血液透過性であり、そして前記カバリングは血液不透過性であり、その結果、前記シースは血液不透過性である。
【0023】
別の例(「例14」)によれば、上述の例のいずれかの医療機器に加えて、前記シースは、半径方向に均一に拡張するように構成されている。
【0024】
別の例(「例15」)によれば、上述の例のいずれかの医療機器に加えて、前記カバリングは、前記フレームの内部に沿って延在して、前記管腔の管腔壁を画定している。
【0025】
別の例(「例16」)によれば、上述の例のいずれかの医療機器に加えて、前記カバリングはePTFEを含む。
【0026】
別の例(「例17」)によれば、上述の例のいずれかの医療機器に加えて、前記カバリングは、前記フレームの端部にわたって裏返されるePTFEチューブであり、その結果、前記ePTFEチューブは前記フレームの内側と外側に沿って前記フレームの近位端まで延在している。
【0027】
別の例(「例18」)によれば、上述の例のいずれかの医療機器に加えて、前記シースは、前記管腔が初期直径にあるときに前記シースが滑らかな外面を有するように構成されている。
【0028】
別の例(「例19」)によれば、上述の例のいずれかの医療機器に加えて、前記シースは、前記管腔が拡張直径に拡張されたときに前記シースが滑らかな外面を有するように構成されている。
【0029】
別の例(「例20」)によれば、上述の例のいずれかの医療機器に加えて、前記シースは、前記シースが前記管腔の直径をデリバリー後直径に自己回復させるときに滑らかな外面を有するように構成されている。
【0030】
別の例(「例21」)によれば、上述の例のいずれかの医療機器に加えて、前記フレームの複数のストラットは、1つ以上のらせん及びダイアモンド開口部を形成する。
【0031】
別の例(「例22」)によれば、上述の例のいずれかの医療機器に加えて、前記フレームの複数のストラットは、少なくとも2つの周方向に隣接する閉鎖セルを画定している。
【0032】
別の例(「例23」)によれば、上述の例のいずれかの医療機器に加えて、前記フレームは金属合金を含む。
【0033】
別の例(「例24」)によれば、例23の医療機器に加えて、前記フレームはニチノールを含む。
【0034】
別の例(「例25」)によれば、例1~22のいずれかの医療機器に加えて、前記フレームはポリマーを含む。
【0035】
別の例(「例26」)によれば、上述の例のいずれかの医療機器に加えて、前記フレームはモノリシックである。
【0036】
別の例(「例27」)によれば、上述の例のいずれかの医療機器に加えて、前記フレームはレーザ切断管である。
【0037】
別の例(「例28」)によれば、上述の例のいずれかの医療機器に加えて、前記カバリングは、前記シースの潤滑性不透過性層を形成している。
【0038】
別の例(「例29」)によれば、上述の例のいずれかの医療機器に加えて、前記フレームのキンク性は、前記カバリングのキンク性よりも小さい。
【0039】
別の例(「例30」)によれば、上述の例のいずれかの医療機器に加えて、前記シースはイントロデューサシースであり、前記管腔は、前記イントロデューサシースを通した1つ以上のデバイスの通路を提供するように構成された作動管腔である。
【0040】
別の例(「例31」)によれば、上述の例のいずれかの医療機器に加えて、前記シースは、前記管腔の拡張直径が初期直径の100パーセント(100%)~200パーセント(200%)の範囲内にあるように構成されている。
【0041】
別の例(「例32」)によれば、上述の例のいずれかの医療機器に加えて、複数の別個のゾーンは前記シースの軸方向長さに沿って画定されており、前記シースは漸進的に拡張及び自己回復され、その結果、前記複数の別個のゾーンのうちの第一のゾーンでの前記管腔の直径は、前記複数の別個のゾーンのうちの第二のゾーンでの前記管腔の直径に対して拡張可能であり、そして前記第一のゾーンでの前記管腔の直径は、前記第二のゾーンに対してデリバリー後直径に自己回復可能であるように構成されている。
【0042】
別の例(「例33」)によれば、例1~32のいずれかの医療機器に加えて、前記管腔の直径は、前記シースの軸方向長さに沿った第二の断面で初期直径から前記管腔の直径の拡張を引き起こすことなく、前記シースの軸方向長さに沿った第一の断面で拡張直径に拡張可能であるように構成されており、そして前記管腔の直径は、前記第二の断面で前記管腔の直径の減少を引き起すことなく、前記第一の断面でデリバリー後直径に自己回復可能であるように構成されている。
【0043】
別の例(「例34」)によれば、例1~33のいずれかの医療機器に加えて、前記シースは、前記シースの管腔が初期直径にあるときに、及び前記シースの管腔が拡張直径に拡張されたときに、滑らかな内面を提供するように構成された潤滑性ライナー層を含む。
【0044】
別の例(「例35」)によれば、例1~33のいずれかの医療機器に加えて、前記シースは、前記シースが初期直径にあるとき及び前記シースが拡張直径に拡張されたときの両方で、前記シースの内面が滑らかであり、前記シースの外面が滑らかであるように構成されている。
【0045】
別の例(「例36」)によれば、デリバリーシステムは、遠位端部分を有するデリバリーカテーテル、拡張可能シースを通って延在している管腔を有する拡張可能シース、ここで、前記管腔はある長さを有し、そして前記拡張可能シースは半径方向に拡張可能であり、その結果、前記管腔の直径は、初期直径から前記初期直径よりも大きい拡張直径に拡張するように動作可能である、及び、前記デリバリーカテーテルを受容し、前記デリバリーカテーテルの遠位端部分と解放可能に結合するように構成されたインラインシース拡張器であって、前記インラインシース拡張器及び前記デリバリーカテーテルは、前記拡張可能シースの管腔を通してスライド可能に挿入可能であり、前記拡張可能シースを初期直径から拡張直径まで拡張させるように構成されたインラインシース拡張器、ここで、前記デリバリーカテーテルの遠位端部分は、前記拡張可能シースを前記インラインシース拡張器により拡張直径まで拡張し、前記拡張可能シースを拡張直径に維持した後に、前記インラインシース拡張器から伸長可能である、を含む。
【0046】
別の例(「例37」)によれば、例36のデリバリーシステムに加えて、前記拡張可能シースは、管状フレームワークを形成するように配置された複数のストラット要素を含むフレーム、及び、前記フレームの一部に沿って延在しているカバリングを含み、前記フレームのストラット要素は互いに相互作用して、前記拡張可能シースに軸方向の圧縮抵抗及びフープ強度を備えさせる。
【0047】
別の例(「例38」)によれば、例36又は37のデリバリーシステムに加えて、前記インラインシース拡張器は、前記拡張可能シースを拡張直径に拡張した後に前記インラインシース拡張器から前記デリバリーカテーテルの遠位端部分を伸長した後に、前記デリバリーカテーテルの遠位端部分と再結合するように構成されている。
【0048】
別の例(「例39」)によれば、例36~38のいずれか1つのデリバリーシステムに加えて、前記拡張可能シースは、前記インラインシース拡張器及び前記デリバリーカテーテルが管腔から除去されることに応答して、前記拡張可能シースの長さに沿って前記管腔の直径を拡張直径よりも小さいデリバリー後直径に自己回復するようにさらに構成される。
【0049】
別の例(「例40」)によれば、例36~39のいずれか1つのデリバリーシステムに加えて、前記デリバリーシステムは、前記デリバリーカテーテルの遠位端部分に近接するデリバリーカテーテルに結合された1つ以上のデバイスを含む。
【0050】
別の例(「例41」)によれば、例40のデリバリーシステムに加えて、前記1つ以上のデバイスは、僧帽弁又は大動脈弁プロテーゼを含む。
【0051】
別の例(「例42」)によれば、例36~41のいずれか1つのデリバリーシステムに加えて、前記インラインシース拡張器は、近位開口部、遠位開口部及びそれらを通って延在している拡張器管腔を含み、前記拡張器管腔は前記デリバリーカテーテルをスライド可能に受容するように構成されており、前記遠位開口部は前記近位開口部よりも大きな直径を有する。
【0052】
別の例(「例43」)によれば、例36~42のいずれか1つのデリバリーシステムに加えて、前記インラインシース拡張器の外面は潤滑性材料を含み、そして前記拡張可能シースの内面は半径方向に拡張可能なエラストマーを含む。
【0053】
別の例(「例44」)によれば、例43のデリバリーシステムに加えて、前記潤滑性材料は、PTFE、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリイミド、又は、親水性コーティングが適用された熱可塑性プラスチックを含む。
【0054】
別の例(「例45」)によれば、例43又は44のデリバリーシステムに加えて、前記半径方向に拡張可能なエラストマーは、シリコーン、ポリウレタン、熱可塑性エラストマー(TPE)又は熱可塑性加硫物(TPV)を含む。
【0055】
別の例(「例46」)によれば、例36~45のいずれか1つのデリバリーシステムに加えて、前記シースは、前記インラインシース拡張器の外面と前記拡張可能シースの内面との間の摩擦を低減するように構成されている潤滑性ライナー層を含む。
【0056】
別の例(「例47」)によれば、例46のデリバリーシステムに加えて、前記潤滑性ライナー層は、前記管腔が初期直径にあるときに、及び前記管腔が拡張直径に拡張されたときに、滑らかな内面を提供するように構成されている。
【0057】
別の例(「例48」)によれば、例36~47のいずれか1つのデリバリーシステムに加えて、前記シースは、前記シースが初期直径にあるとき及び前記シースが拡張直径に拡張されたときの両方で、滑らかな内面及び滑らかな外面を提供するように構成されている。
【0058】
別の例(「例49」)によれば、例46のデリバリーシステムに加えて、前記潤滑性ライナー層は、非弾性のプリーツ付き長尺管状部材として形成されている。
【0059】
別の例(「例50」)によれば、例39のデリバリーシステム又は例39に加えて例40~例49のいずれか1つのデリバリーシステムに加えて、前記カバリングは、拡張可能シースが半径方向に拡張可能であるように引き延ばすように構成されており、ここで、前記カバリングは、前記拡張可能シースの管腔が拡張直径に拡張されるときにポテンシャルエネルギーを貯蔵し、前記カバリングのポテンシャルエネルギーは、前記拡張可能シースが前記管腔の直径をデリバリー後直径まで自己回復させる運動エネルギーに変換可能である。
【0060】
別の例(「例51」)によれば、例39のデリバリーシステム又は例39に加えて例40~例51のいずれか1つのデリバリーシステムに加えて、エラストマー材料及びエラストマーのうち1つは、前記拡張可能シースの管腔が拡張直径に拡張されたときに前記エラストマー材料又はエラストマーがポテンシャルエネルギーを貯蔵するように前記カバリングの細孔内に存在し、前記エラストマー材料又はエラストマーのポテンシャルエネルギーは前記拡張可能シースが前記管腔の直径をデリバリー後直径まで自己回復させる運動エネルギーに変換可能である。
【0061】
別の例(「例52」)によれば、例39のデリバリーシステム、又は例39に加えて例40~例51のいずれか1つに加えて、前記フレームは、拡張可能シースが拡張直径に拡張されたときにポテンシャルエネルギーを貯蔵するように構成されており、前記フレームのポテンシャルエネルギーは前記拡張可能シースが前記管腔の直径をデリバリー後直径まで自己回復させる運動エネルギーに変換可能である。
【0062】
別の例(「例53」)によれば、例52のデリバリーシステムに加えて、前記フレームは、前記拡張可能シースの管腔が初期直径を有する初期構成に形状設定されている。
【0063】
別の例(「例54」)によれば、例39のデリバリーシステム、又は例39に加えて例40~例52のいずれか1つのデリバリーシステムに加えて、前記フレームは、前記拡張可能シースの管腔の直径が初期直径よりも大きい初期構成に形状設定されており、その結果、前記フレームは前記拡張可能シースの管腔が初期直径を有するときにポテンシャルエネルギーを貯蔵する。
【0064】
別の例(「例55」)によれば、例54のデリバリーシステムに加えて、前記カバリングは、前記拡張可能シースの管腔が初期直径を有するときにポテンシャルエネルギーを貯蔵し、前記カバリングのポテンシャルエネルギーに関連する第一の力及び前記フレームのポテンシャルエネルギーに関連する第二の力は、前記拡張可能シースの管腔が初期直径を有するとき及び前記拡張可能シースの管腔がデリバリー後直径を有するときに、互いに平衡状態にある。
【0065】
別の例(「例56」)によれば、例39~55のいずれか1つのデリバリーシステムに加えて、前記デリバリー後直径及び初期直径は実質的に同じである。
【0066】
別の例(「例57」)によれば、例39~56のいずれか1つのデリバリーシステムに加えて、前記デリバリー後直径は前記初期直径の115%以下である。
【0067】
別の例(「例58」)によれば、例53~57のいずれか1つのデリバリーシステムに加えて、前記フレームは前記初期構成にヒートセットされている。
【0068】
別の例(「例59」)によれば、例37に加えて例51~例58のいずれか1つのデリバリーシステムに加えて、前記拡張可能シースの管腔が初期直径を有するときに、前記フレームは、半径方向外向きのベクトルで前記拡張可能シースにバイアスをかける。
【0069】
別の例(「例60」)によれば、例37に加えて例51~例58のいずれか1つのデリバリーシステムに加えて、前記拡張可能シースの管腔が初期直径を有するときに、前記カバリングは、半径方向内向きのベクトルで前記拡張可能シースにバイアスをかける。
【0070】
別の例(「例61」)によれば、例37に加えて例51~例60のいずれか1つのデリバリーシステムに加えて、前記フレームは血液透過性であり、前記カバリングは拡張可能シースが血液不透過性となるように血液不透過性である。
【0071】
別の例(「例62」)によれば、例36~61のいずれか1つのデリバリーシステムに加えて、前記拡張可能シースは半径方向に均一に拡張するように構成されている。
【0072】
別の例(「例63」)によれば、例37のデリバリーシステムに加えて、又は例37に加えて例38~62のいずれか1つのデリバリーシステムに加えて、前記カバリングは、前記フレームの内部に沿って延在して管腔壁を画定している。
【0073】
別の例(「例64」)によれば、例37のデリバリーシステムに加えて、又は例37に加えて例38~63のいずれか1つのデリバリーシステムに加えて、前記カバリングはePTFEを含む。
【0074】
別の例(「例65」)によれば、例63のデリバリーシステムに加えて、前記カバリングは、ePTFEチューブが前記フレームの内側及び外側に沿って前記フレームの近位端まで延在するように前記フレームの端部上に裏返されたePTFEチューブである。
【0075】
別の例(「例66」)によれば、例36~65のいずれか1つのデリバリーシステムに加えて、前記拡張可能シースは、前記管腔が初期直径にあるときに前記拡張可能シースが滑らかな外面を有するように構成されている。
【0076】
別の例(「例67」)によれば、例36~66のいずれか1つのデリバリーシステムに加えて、前記拡張可能シースは、前記管腔が拡張直径に拡張されたときに前記拡張可能シースが滑らかな外面を有するように構成されている。
【0077】
別の例(「例68」)によれば、例39~67のいずれか1つのデリバリーシステムに加えて、前記拡張可能シースは、前記拡張可能シースが前記管腔の直径をデリバリー後直径へ自己回復させるときに、前記拡張可能シースが滑らかな外面を有するように構成されている。
【0078】
別の例(「例69」)によれば、例37のデリバリーシステム、又は例37に加えて例38~68のいずれか1つのデリバリーシステムに加えて、前記フレームの複数のストラットは、1つ以上のらせん及びダイアモンド開口部を形成している。
【0079】
別の例(「例70」)によれば、例37のデリバリーシステムに加えて、又は例37に加えて例38~69のいずれか1つのデリバリーシステムに加えて、前記フレームの複数のストラットは、少なくとも2つの周方向に隣接する閉鎖セルを画定している。
【0080】
別の例(「例71」)によれば、例37のデリバリーシステム、又は例37に加えて例38~70のいずれか1つのデリバリーシステムに加えて、前記フレームは金属合金を含む。
【0081】
別の例(「例72」)によれば、例71のデリバリーシステムに加えて、前記フレームはニチノールを含む。
【0082】
別の例(「実施例73」)によれば、例37のデリバリーシステム、又は例37に加えて例38~70のいずれか1つのデリバリーシステムに加えて、前記フレームはポリマーを含む。
【0083】
別の例(「例74」)によれば、例37のデリバリーシステム、又は例37に加えて例38~73のいずれか1つのデリバリーシステムに加えて、前記フレームはモノリシックである。
【0084】
別の例(「例75」)によれば、例37のデリバリーシステム、又は例37に加えて例38~74のいずれか1つのデリバリーシステムに加えて、前記フレームはレーザ切断管である。
【0085】
別の例(「例76」)によれば、例37のデリバリーシステムに加えて、又は例37に加えて例38~75のいずれか1つのデリバリーシステムに加えて、前記カバリングは、シースの潤滑性不透過性層を形成する。
【0086】
別の例(「例77」)によれば、例37のデリバリーシステム、又は例37に加えて例38~76のいずれか1つのデリバリーシステムに加えて、前記フレームのキンク性は、前記カバリングのキンク性よりも小さい。
【0087】
別の例(「例78」)によれば、例36~77のいずれか1つのデリバリーシステムに加えて、前記拡張可能シースはイントロデューサシースであり、前記管腔は前記イントロデューサシースを通る1つ以上のデバイスの通路を提供するように構成された作動管腔である。
【0088】
別の例(「例79」)によれば、例36~78のいずれか1つのデリバリーシステムに加えて、前記拡張可能シースは、前記管腔の拡張直径が初期直径の100パーセント(100%)~200パーセント(200%)の範囲内にあるように構成されている。
【0089】
別の例(「例80」)によれば、例39~79のいずれか1つのデリバリーシステムに加えて、複数の別個のゾーンは前記拡張可能シースの軸方向長さに沿って画定されており、前記拡張可能シースは漸進的に拡張及び自己回復され、その結果、前記複数の別個のゾーンのうちの第一のゾーンでの前記管腔の直径は、前記複数の別個のゾーンのうちの第二のゾーンでの前記管腔の直径に対して拡張可能であり、そして前記第一のゾーンでの前記管腔の直径は、前記第二のゾーンに対してデリバリー後直径に自己回復可能であるように構成されている。
【0090】
別の例(「例81」)によれば、例39~80のいずれか1つのデリバリーシステムに加えて、前記管腔の直径は、前記拡張可能シースの軸方向長さに沿った第二の断面で初期直径から前記管腔の直径の拡張を引き起こすことなく、前記拡張可能シースの軸方向長さに沿った第一の断面で拡張直径に拡張可能であるように構成されており、そして前記管腔の直径は、前記第二の断面で前記管腔の直径の減少を引き起すことなく、前記第一の断面でデリバリー後直径に自己回復可能であるように構成されている。
【0091】
別の例(「例82」)によれば、経カテーテルメディカルデバイスを体内に配置する方法は、1つ以上のデバイスがデリバリーカテーテルの遠位端部分に拘束された状態で、デリバリーカテーテルの少なくとも一部の上にインラインシース拡張器を前進させること、前記デリバリーカテーテルの遠位端部分に前記インラインシース拡張器を結合して、前記1つ以上のデバイスを覆うこと、拡張可能シースを体の血管系に前進させること、前記デリバリーカテーテルの遠位端部分が前記拡張可能シースの遠位端に隣接するように、前記デリバリーカテーテル及び前記インラインシース拡張器を前記拡張可能シース内に前進させること、ここで、前記インラインシース拡張器を前記拡張可能シース内に前進させると、前記拡張可能シースが初期直径から前記初期直径よりも大きい拡張直径まで拡張する、及び、前記インラインシース拡張器を前記デリバリーカテーテルの遠位端部分から脱結合させ、前記インラインシース拡張器で前記拡張可能シースを拡張直径に維持しながら、前記デリバリーカテーテルを前記インラインシース拡張器から伸長させること、を含む。
【0092】
別の例(「例83」)によれば、例82に加えて、この方法は、前記1つ以上のデバイスを所望の位置にデリバリーするように前記デリバリーカテーテルを血管系内に前進させること、前記1つ以上のデバイスを所望の位置に配置し、続いて、血管系から前記デリバリーカテーテルを引っ込めること、及び、前記インラインシース拡張器を前記拡張可能シースから脱結合させ、続いて前記インラインシース拡張器を前記デリバリーカテーテルの遠位端部分に再結合させることを含む。
【0093】
別の例(「例84」)によれば、例83に加えて、この方法は、前記インラインシース拡張器及び前記デリバリーカテーテルを前記拡張可能シースの管腔から引っ込めて、前記拡張可能シースの長さに沿って、前記拡張可能シースに管腔の直径を拡張直径よりも小さいデリバリー後直径まで自己回復させることを含む。
【0094】
別の例(「例85」)によれば、例82~84のいずれか1つに加えて、前記インラインシース拡張器の外面は、前記拡張可能シースの内面よりも滑らかである。
【0095】
別の例(「例86」)によれば、例82~85のいずれか1つに加えて、前記インラインシース拡張器の外面と前記拡張可能シースの内面との間の摩擦は、前記拡張可能シースの内面に結合された潤滑性ライナー層によって低減され、さらに、前記デリバリーカテーテル及び前記インラインシース拡張器を前記拡張可能シース内に前進させることは、潤滑性ライナー層を初期直径から前記初期直径よりも大きい拡張直径に拡張することを含む。
【0096】
別の例(「例87」)によれば、例86に加えて、前記潤滑性ライナー層は、弾性の長尺管状部材として形成されている。
【0097】
別の例(「例88」)によれば、例86に加えて、前記潤滑性ライナー層は、プリーツ付き長尺管状部材として形成されている。
【0098】
複数の実施形態が開示されているが、さらに他の実施形態は、例示的な実施形態を示し、記載する以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。したがって、図面及び詳細な説明は、本質的に例示的なものであり、限定的なものではないと考えられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0099】
図面の簡単な説明
添付の図面は、本開示のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に取り込まれ、その一部を構成し、実施形態を示し、記載とともに、本開示の原理を説明するのに役立つ。
【0100】
図1図1は、1つの実施形態による拡張可能なイントロデューサシースを含む医療システムの図である。
【0101】
図2図2は、1つの実施形態による図1の医療システムの拡張可能なイントロデューサシースの遠位端の詳細図である。
【0102】
図3図3は、1つの実施形態による図1の医療システムの拡張可能なイントロデューサシースの遠位端の詳細図である。
【0103】
図3A図3Aは、線3A-3Aに沿って取った図3の拡張可能なイントロデューサシースの断面図である。
【0104】
図4図4は、1つの実施形態による拡張可能なイントロデューサシースの支持フレームワークの図である。
【0105】
図5図5は、1つの実施形態による拡張可能なイントロデューサシースの支持フレームワークの図である。
【0106】
図6図6は、1つの実施形態による部分的に拡張された拡張可能なイントロデューサシースを含む医療システムの図である。
【0107】
図7図7は、1つの実施形態によるデリバリーカテーテルの遠位端部分に近接して取り付けられたメディカルデバイスを運ぶデリバリーカテーテル上に配置されたインラインシース拡張器を含む医療機器の図である。
【0108】
図8図8は、メディカルデバイスがコンパクト化構成にある図7の医療機器の図である。
【0109】
図9図9は、インラインシース拡張器がメディカルデバイスの上に配置されている図8の医療機器の図である。
【0110】
図10図10は、1つの実施形態による、拡張器の助けを借りてガイドワイヤに沿って配置された拡張可能シースを含む医療機器の図である。
【0111】
図11図11は、拡張器を取り外した状態の図10の医療機器の図である。
【0112】
図12図12は、図11の医療機器の図であって、ガイドワイヤに沿って拡張可能シースに向かって前進している図9に示される医療機器の図である。
【0113】
図13図13は、インラインシース拡張器が拡張可能シースに挿入されて、拡張可能シースを拡張する図12の医療機器の図である。
【0114】
図14図14は、デリバリーカテーテルがインラインシース拡張器から伸長されている、図13の医療機器の図である。
【0115】
図15図15は、1つの実施形態による図14の医療機器の図であり、デリバリーカテーテルの遠位端部分が患者の体の標的部位に配置されるメディカルデバイスを運ぶ状態が示されている。
【0116】
図16図16は、メディカルデバイスの展開後の図14の医療機器の図である。
【0117】
図17図17は、デリバリーカテーテルがインラインシース拡張器内に引っ込められた状態である、図16の医療機器の図である。
【0118】
図18図18は、インラインシース拡張器が拡張可能シースから引っ込められた状態である、図17の医療機器の図である。
【0119】
図19図19は、1つの実施形態による、患者の体から拡張可能シースが引き込まれた後の図18の医療機器の図である。
【0120】
図20A図20Aは、1つの実施形態による、プリーツ及び非プリーツ構成の非弾性潤滑性ライナーを備えた拡張可能シースの図である。
図20B図20Bは、1つの実施形態による、プリーツ及び非プリーツ構成の非弾性潤滑性ライナーを備えた拡張可能シースの図である。
【0121】
図21A図21A及は、1つの実施形態による、プリーツ及び非プリーツ構成の非弾性潤滑性ライナーを備えた拡張可能シースの図である。
図21B図21Bは、1つの実施形態による、プリーツ及び非プリーツ構成の非弾性潤滑性ライナーを備えた拡張可能シースの図である。
【0122】
図22A図22Aは、1つの実施形態による、圧縮構成及び拡張構成の拡張可能シースの図である。
図22B図22Bは、1つの実施形態による、圧縮構成及び拡張構成の拡張可能シースの図である。
【発明を実施するための形態】
【0123】
詳細な説明
当業者は、本開示の様々な態様が、意図された機能を発揮するように構成された任意の数の方法及び装置によって実現されうることを容易に理解するであろう。言い換えれば、他の方法及び機器は、意図される機能を発揮するように本明細書に取り込まれることができる。本明細書で参照される添付の図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、本開示の様々な態様を例示するために誇張されていることがあり、その点で、図面は限定として解釈されるべきではないことにも留意されたい。
【0124】
本明細書の実施形態は、拡張可能なイントロデューサシースのための様々な装置、システム及び方法を含み、限定するわけではないが、血管内処置などの医療処置に関連して使用するためのイントロデューサシースなどを含む。したがって、本明細書で論じられる実施形態は、大動脈などの患者の血管系の様々な領域への低侵襲アクセスを提供するための血管内イントロデューサシースを含む。イントロデューサシースは一般に管状であり、近位端、遠位端及び中央貫通管腔を含む。イントロデューサシースは、現場で拡張できるように(例えば、患者の解剖学的構造内で伸長しながら)、拡張後に現場で収縮(例えば、自己回復)するように適合されるように構成されている。例えば、様々な実施形態において、イントロデューサシースは、イントロデューサシースの管腔を通る1つ以上のメディカルデバイスの通過に対応するために、初期直径からより大きな拡張直径(本明細書では拡張直径とも呼ばれる)に拡張されるように適合される。イントロデューサシースはまた、イントロデューサシースがより大きな拡張直径からより大きな拡張直径よりも小さい直径に自己回復することができるように適合されている。すなわち、様々な実施形態において、本開示のイントロデューサシースは、そのような回復のために外部の影響力を必要とせずに、大きな拡張直径からより小さな直径へ自己回復するように適合されている。
【0125】
様々な例において、イントロデューサシースは、イントロデューサシースの管腔内から加えられる外向きの圧力に応答して、周囲において拡張可能である。そのように拡張及び収縮することにより、本開示のイントロデューサシースは、縮小されたプロファイル又は断面積を維持するように動作可能であり、それにより、それが内部に位置する周囲解剖学的構造への外傷を最小限に抑える。本開示のイントロデューサシースの動作はまた、イントロデューサシースが、メディカルデバイスと、イントロデューサシースが配置されている患者の血管壁などの患者の解剖学的構造との間の支持面として機能するようなものである。そのような支持面として、イントロデューサシースの管腔を通過するメディカルデバイスは、例えば、血管壁に直接接触しない。幾つかの従来のイントロデューサシースは、より大きい直径に展開するように構成されうるが、例えば、そのような従来のデバイスは、拡張後の展開された、より大きい直径よりも小さい直径に回復しない。
【0126】
図1は、医療システム10の斜視図である。示されるように、医療システム10は、イントロデューサシース1000を含む。様々な例において、医療システム10は、場合により、1つ以上の補助構成要素2000を含み、これは、限定されないが、制御ハンドル、止血弁などの弁、器具の通過を容易にするように構成されたハブ、及び医療システム10の1つ以上の構成要素を通る流体の逆流を制御するのに使用されるルアーフィッティングなどを含むコネクタ(例えば、Tuohy-Borstコネクタ)を含むことができる。
【0127】
医療システム10のイントロデューサシース1000は、近位端1002、遠位端1004及び管腔1006を有する長尺要素である。管腔1006は、イントロデューサシース1000を通って近位端1002から遠位端1004まで延在し、それにより、近位端及び遠位端1002及び1004はそれぞれ管腔1006に対して開放されている。図2は、イントロデューサシース1000の遠位部分の詳細図であり、イントロデューサシース1000の遠位端1004で開放されている管腔1006を示している。様々な実施形態において、管腔1006は、イントロデューサシース1000を通る1つ以上のメディカルデバイスの通過を容易にするように構成されている。したがって、管腔1006は、そのようなメディカルデバイスを収容するように構成されている。様々な例において、以下でさらに論じられるように、イントロデューサシース1000は、管腔1006の直径がそのようなメディカルデバイスを収容するように拡張されうるように構成されている。幾つかの例において、管腔1006は、イントロデューサシース1000の長さに沿って漸進的に拡張して、メディカルデバイスが管腔1006を通って遠位に前進するときにメディカルデバイスを収容するように構成されている。管腔1006のこの漸進的な拡張は、以下でさらに論じられるように、連続的又は段階的であることができる。例えば、イントロデューサシース1000は、3~20フレンチ(Fr)の範囲の導入外直径及び40cm~200cmの範囲の作業長さを有することができる。例えば、イントロデューサシース1000は、75cm~150cmの作業長さを有することができる。幾つかの例において、導入外直径は5Fr~10Frであることができる。幾つかのそのような例において、イントロデューサシース1000は、30Frまでの範囲の器具がイントロデューサシース1000の管腔1006を通過できるように拡張するように構成されている。したがって、イントロデューサシース1000の外直径は、そのような条件下で30Frを超える直径に拡大されることが理解される。幾つかの例において、イントロデューサシース1000は、3Fr~30Fr又はそれ以上の外直径に拡張可能であることができる。
【0128】
ここで図3に目を向けると、イントロデューサシース1000は、一般に、支持フレームワーク1100及びカバリング1200を含む。支持フレームワーク1100は、カバリング1200を支持し、イントロデューサシース1000に1つ以上の軸方向圧縮強度及びフープ強度を提供するように適合されている。幾つかの例において、支持フレームワーク1100は、イントロデューサシース1000のキンク性を最小化するように動作する。例えば、幾つかの例において、支持フレームワークのキンク性は、カバリング1200のキンク性よりも小さい。
【0129】
カバリング1200は、イントロデューサシース1000の管腔1006を隔離し、イントロデューサシース1000の内部とイントロデューサシース1000の外部との間のバリアを少なくとも部分的に画定するのを助けるように構成されている。幾つかの例において、カバリング1200は支持フレームワーク1100を1つ以上の患者の血管系から隔離するのに役立ち、メディカルデバイスは、イントロデューサシース1000の管腔1006を通って前進される。このような隔離は、イントロデューサ1000の管腔1006を通って前進しているメディカルデバイスが支持フレームワーク1100と絡み合う、可能性を最小限に抑えるのに役立つ。幾つかの例において、カバリング1200は、イントロデューサシース1000と1つ以上の患者の血管系との間の摩擦を低減するのに役立つ潤滑層を場合により画定し、メディカルデバイスはイントロデューサシース1000の管腔1006を通して前進される。
【0130】
図4は、支持フレームワーク1100の例示的な図を提供する。支持フレームワーク1100は、カバリング1200と組み合わせて、外力がイントロデューサシース1000に作用しないときにイントロデューサシース1000の管腔1006が初期直径を有する初期プロファイル又は形態をイントロデューサシース1000に採用させるように構成されうる。そのような例において、イントロデューサシース1000の初期外直径は、一般に、患者の血管系内に挿入するように構成されたものである(例えば、3Fr~20Fr)。
【0131】
支持フレームワーク1100はまた、イントロデューサシース1000の1つ以上の部分の、初期構成から、イントロデューサシース1000の管腔が初期直径を超える直径を有する拡張構成への拡張を容易にするように拡張可能であるように構成されている。これらの初期構成又は収縮構成、及び、拡張又は拡大構成は、円形プロファイル及び非円形プロファイル(例えば、楕円形など)を含む様々な形状を含むことができる。支持フレームワーク1100は、上記の初期構成及び拡張構成に従ってフレームワークが弾性的に変形することを可能にする弾性又は弾力性のある材料から形成されうる。
【0132】
示されるように、支持フレームワーク1100は、一般に、近位端1102及び遠位端1104ならびに貫通管腔1106を有する管状部材を含む。支持フレームワークは、近位端及び遠位端1102及び1104の間に位置する複数のストラット要素1108を含む。様々な例において、1つ以上のストラット要素1108は、交点又はノード1110で互いに交差する。示されるように、相互接続されたストラット要素1108は、1つ以上の閉鎖セル1112を画定する。幾つかの例において、閉鎖セルはダイアモンド形状であるが、他の形状も考えられる。幾つかの例において、隣接する閉鎖セル1112は、図4に示されるように、共通の交点又はノード1110を共有する。幾つかの例において、それぞれのセルのそれぞれの近位端及び遠位端にある交点又はノード1110は、頂点1116を画定する。
【0133】
幾つかの例において、閉鎖セル1112は、セルの1つ以上の列1114を画定することができる。支持フレームワーク1100が複数列の閉鎖セル1112を含む場合に、閉鎖セルの隣接する列(例えば、長手方向に隣接する列)は、直接的又は間接的に互いに結合されうる。隣接する列1114間の直接結合は、一般に、隣接する列1114が互いに交差する頂点1116で発生する。間接結合は、隣接する列1114を一緒に結合するように動作する1つ以上の長手方向コネクタを含むことができる。様々な例において、そのような長手方向コネクタは、隣接する列1114の頂点間に延在することができるか、又は、ストラット要素1108の端部間の中間点など、ストラット要素1108の他の部分の間に延在することができる。
【0134】
幾つかの例において、閉鎖セル1112に加えて又はその代わりに、相互接続されたストラットは、図5に示されるように、うねりを有する1つ以上の円周部材及び/又はらせん要素を画定することができる。うねりは、屈曲部又は頂点で相互接続されたストラットによって形成されることができ、波状の構成に配置されうる。うねりは、正弦波パターン、ジグザグパターン又は同様の幾何学的パターンなど、様々なパターンを形成することができる。らせん要素のうねりは、支持フレームワークの長さに沿って一連の列又はターンを形成することができる。
【0135】
図5は、1つの実施形態による、筒形本体1302を備えた支持フレームワーク1300を示している。支持フレームワーク1300は、様々な長さ及び内直径を含む様々な形態で製造されうる。
【0136】
うねりの連続パターン1306は、図3及び図5に示される線B-Bに沿って長手方向軸の周りに一連のらせん状のターンを形成する。らせんターン1321、1322は、実質的に筒形の管状らせん要素1320を形成することができる。らせんターン1321、1322は、幾つかの頂点1323を有する。これらの頂点1323は、2つ以上のストラット1324が相互接続する場所に形成される。図5において、らせん要素1320は、閉鎖セルの近位列及び遠位列の間に軸方向に挿入され、それらに直接接続されうる(例えば、図4を参照されたい)。ステントの長手方向の安定性に寄与するために、様々な接続ストラット1325を提供することができる。例えば、これらの接続ストラット又はコネクタは、支持フレームワーク1100を参照して上記で同様に記載したように、支持フレームワーク1300の隣接する構造、ターン又は列を結合することができる。
【0137】
支持フレームワーク(例えば、1100及び/又は1300)は、金属及びプラスチックを含む、多種多様な材料又は材料の組み合わせから形成することができる。使用できる金属には、ステンレス鋼、チタン、タンタル、Elgiloy(登録商標)及びPhynox(登録商標)ばね合金などの合金、316ステンレス鋼、MP35N(登録商標)合金及びニチノールニッケル-チタン合金がある。上記の合金の超弾性形態又は形状記憶形態も使用できる。ニチノール合金を使用すると、支持フレームワークにバイアス特性を与えることができる。そのようなニチノール支持フレームワークにおいて、材料の相挙動を選択することができ、支持フレームワークは、初期構成、1つ以上の拡張構成又はそれらの間の幾つかの構成を採用するようにイントロデューサシース1000に影響を与える傾向があるように処理される。適切なプラスチックとしては、PEEK、PEBAX、PTFE、ナイロン、ポリエチレンなどを挙げることができる。
【0138】
様々な例において、必要な特性を備えた支持フレームワーク(例えば、1100及び/又は1300)を生成するあらゆる技術を使用することができる。例えば、支持フレームワークを、レーザを使用するなどして、材料(例えば、ニチノール)の連続チューブから所望のパターンに切断することができる。したがって、幾つかのそのような例において、支持フレームワークはモノリシック構造又はユニボディを形成する。支持フレームワークはまた、必要な支持フレームワーク及び関連する材料特性が達成されうる限り、機械加工、化学エッチング、レーザアブレーション、ダイカッティング、プラズマエッチング、スタンピング、ウォータージェット切断又は他の適切な手段などの様々な既知の技術によって製造することができる。支持フレームワークはまた、材料の平らなシートを所望のパターンに切断し、次に一緒に結合して、シームを有する管を形成することから形成されうる。最後に、支持フレームワークは、所望の形状に加工されてワイヤ又はリボンとし、次に、例えば溶接によって、最終的なパターンに一緒に結合することから製造することができる。
【0139】
上記のように、様々な実施形態において、イントロデューサシース1000はカバリング1200を含む。カバリング1200は、図2に示されるように、支持フレームワーク1100の内面又は外面、あるいはその両方に提供されうる。様々な例において、カバリング1200は、一般に、1つ以上の材料で強化されて、エラストマー特性を備えたカバリング1200を提供する膜を含む。そのようなエラストマー特性は、カバリング1200が、イントロデューサシース1000の拡張により弾性的に引き延ばすように適合されることを提供する。幾つかの例において、膜1200は多孔性であるか、又は、さもなければ複数のボイド空間を含む。幾つかの例において、カバリング1200は、強化膜及び強化されない別の層の1つの層を含む。
【0140】
カバリング1200に適した膜材料としては、限定するわけではないが、オレフィン、PEEK、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、シリコーン、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)及びテトラフルオロエチレン/ポリメチルビニルエーテル(TFE/PMVE)コポリマーなどのフルオロエラストマーなどのポリマーが挙げられる。好ましい実施形態において、カバリング1200の膜は、一方向に高度に配向されるように異方性であることができる。
【0141】
初期のより小さな直径及び拡張されたより大きな直径の両方で比較的折り畳みのない物品(例えば、管状形態)をもたらす膜材料複合材を取り込むことができる。そのような材料は、高度の伸び(長手方向及び/又は半径方向)を示すように構成されうる。そのような高い伸長能力は、比較的真っ直ぐなフィブリルを蛇行したフィブリル(又はさもなければ曲がった又は圧縮されたフィブリル)に加工することによって促進されることができ、圧縮方向と反対の方向に力を加えると実質的に真っ直ぐになる。蛇行したフィブリルの作成は、限定するわけではないが、イソプロピルアルコール又はFluorinert(登録商標)(過フッ素化溶媒、3M,Inc., ミネソタ州セントポールから市販されている)などの溶媒で膜を濡らすことによる、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜の熱誘導制御収縮により、又はそのような技術の組み合わせによって実現できる。物品の収縮は、機械的圧縮中に発生するものとは異なり、ePTFEの目に見えるプリーツ、折り目又はシワをもたらさない。そのような収縮は、非常に薄い膜に適用することができ、次に、膜を1つ以上の他の材料(例えば、エラストマー及び/又は潤滑性材料)と組み合わせて、滑らかである(例えば、表面の主要部分、実質的に全部又は全体に、シワ、折り目、プリーツなどがほとんど又はまったくない)、初期のより小さな直径から高度の伸長性を有する複合膜であって、それはまた、拡張された、より大きな直径で滑らかである複合膜を形成することができる。収縮された膜及び関連する形成技術の追加の例は、2018年2月22日に出願されたCullyらの米国特許出願公開第2018/0177583号明細書に見出すことができる。
【0142】
適切な強化材料としては、限定するわけではないが、コポリマーを含む芳香族及び脂肪族ポリウレタン、スチレンブロックコポリマー、シリコーン、熱可塑性エラストマー、フルオロシリコーン、フルオロエラストマー、THV及びラテックスが挙げられる。幾つかの例において、強化材料としては、Tecothane(商標)などの芳香族ポリエステルベースの熱可塑性ポリウレタン(TPU)が挙げられる。
【0143】
様々な例において、カバリング1200の膜は、吸収又は他の既知のプロセスによって強化材料で強化されて、エラストマー特性を有するカバリング1200を形成することができる。様々な例において、カバリング1200は血液不透過性であることができ、それにより、イントロデューサシース1000は血液不透過性である(支持フレームワークがさもなければ血液に対して透過性である場合でも)。そのような構成により、イントロデューサシース1000からの血液の漏出を最小限に抑えることができる。幾つかの例において、カバリング1200は、シース1000の潤滑性及び/又は不透過性部分(例えば、1つ以上の層)を形成する。
【0144】
強化材料は、限定するわけではないが、ラミネート化、転写ロールコーティング、巻線バーコーティング、逆ロールコーティング、溶液コーティング、又は、膜材料の細孔の一部を強化材料で少なくとも部分的に満たす(例えば、吸収する)ように操作する他の既知のプロセスを含む、任意の数の従来の方法を介してカバリング1200の膜に適用されうる。例えば、幾つかの例において、強化材料は、カバリング1200の膜材料に溶液吸収される。幾つかのそのような例において、連続ポリマー層は、適切な溶媒に溶解され、巻線ロッドプロセスを使用して膜材料上及び膜材料全体にコーティングされる。次に、コーティングされた膜材料を溶媒オーブンに通し、溶媒を除去して、膜材料上及び膜全体にコーティングされた強化材料の連続ポリマー層を残す。したがって、幾つかの例において、吸収された強化材料が膜材料の細孔を満たすように、強化材料を膜材料に吸収させることができる。
【0145】
シリコーンを強化材料として使用する場合など、幾つかの例において、コーティングされた膜材料は溶媒の除去を必要としないことがある。別の実施形態において、強化材料は、膜材料の少なくとも片側にコーティングされ、次いで、硬化される。例えば、紫外線(UV)硬化性ウレタンを膜材料に適用し、続いてUV光に曝露し、硬化させてカバリング1200を形成することができる。
【0146】
強化材料は、膜材料の片面又は両面にコーティングされて、カバリング1200を形成することができる。膜及び/又は強化材料は、カバリング1200がイントロデューサシース1000の潤滑層を形成するように構成されうる。このような潤滑層は、イントロデューサシース1000及び1つ以上のメディカルデバイスと血管系との間の摩擦を低減するように動作する。
【0147】
様々な例において、カバリング1200は、支持フレームワーク(例えば、1100及び/又は1300)の長さの全体又は一部のみにわたって、支持フレームワーク(例えば、1100及び/又は1300)に結合することができる。カバリング1200は、断続的に接合することができる(例えば、支持フレームワークの近位端及び遠位端で、ストラット要素1108の1つ以上のノード1110で、及び/又は、1つ以上のストラット要素1108に沿って)。あるいは、カバリング1200は、ストラット要素1108の実質的にすべての外向き及び/又は内向きの部分に接合することができる。したがって、カバリング1200は、フレームワーク(例えば、1100及び/又は1300)の外側、フレームワーク(例えば、1100及び/又は1300)の内側、又は両方に配置できることを理解されたい。カバリング1200がフレームワーク(例えば、1100及び/又は1300)の内側及び外側の両方に沿って延在している幾つかの例において、カバリング1200は、それ自体の上に裏返されて内部部分1202及び外部部分1204を、それらの間に位置するフレームワーク(例えば、1100及び/又は1300)とともに形成する連続管を含むことができる(例えば、図3Aを参照されたい)。幾つかの例において、内部部分及び外部部分1202及び1204は、本明細書に開示される製造プロセスに従って一緒に結合されうる。幾つかのそのような例において、カバリング1200は、近位端1002と遠位端1004との間の距離がイントロデューサシース1000の軸方向長さを画定するように、イントロデューサシース1000の近位端1002と遠位端1004のいずれかで裏返される(したがって、内部部分と外部部分との間の遷移を含む)ことができる。カバリング1200が裏返され、フレームワーク(例えば、1100及び/又は1300)の外側及び内側の両方に沿って延在している幾つかの例において、カバリング1200の自由端(例えば、遷移の反対側の端部)は、カバリング1200が実質的に連続するように(例えば、さもなければ支持フレームワークを露出するギャップを含まないように)互いに結合することができる。幾つかの例において、カバリング1200は、支持フレームワーク(例えば、1100及び/又は1300)の1つ以上の部分の周りに、本明細書に記載のカバリング1200を形成する材料の1つ以上のラップ又は巻線を追加的又は代替的に備えるか、又はそれらから形成されうる。
【0148】
幾つかの例において、フレームワーク(例えば、1100及び/又は1300)へのカバリング1200の取り付けは、繊維、接着剤又は個別の機械的取り付け点(クリップなど)などの機械的手段によって達成することができる。これらの構成要素は、熱処理(材料の焼結など)又はフレームワーク(1100及び/又は1300など)の外側の周りのラップ(チューブ、テープ、メンブレンなど)の使用、及び、熱可塑性又は熱硬化性接着剤のいずれかを介して接着されたカバリング1200(連続又は不連続)によって共に結合することもできる。これらの方法を組み合わせて使用することもできる。
【0149】
適切な生体適合性接着剤としては、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリウレタン、シアノアクリレート、フルオロエラストマーを含む熱可塑性フルオロポリマーなどの熱可塑性接着剤が挙げられる。ウレタン又は室温加硫(RTV)シリコーンを含むシリコーンなどの熱硬化性接着剤も有用である。
【0150】
ここで、図1及び図6を参照すると、イントロデューサシース1000は、イントロデューサシース1000の管腔1006を介した1つ以上のメディカルデバイスのデリバリーを容易にするために拡張及び収縮するように動作可能である。図6は、イントロデューサシース1000の近位端1002においてイントロデューサシース1000の管腔1006から延在しているメディカルデバイス1400を有するイントロデューサシース1000の図を提供する。示されるように、イントロデューサシース1000の近位端1002は、イントロデューサシース1000の遠位端1004(例えば、デリバリー後直径d)に対して拡張される(例えば、直径d)。同様に、イントロデューサシース1000の近位端1002は、近位端1002と遠位端1004との間のイントロデューサシース1000の中間部分1008に対して拡張される。イントロデューサシース1000の近位端1002のこの拡張は、初期直径(例えば、図2)を超えるメディカルデバイス1400のプロファイルに応答する。
【0151】
図6のこの例示の例において、メディカルデバイス1400は、イントロデューサシース1000の管腔1006を通って、そしてイントロデューサシース1000の遠位端1004から遠位方向に前進した後に、イントロデューサシース1000の管腔1006から矢印1401の方向に近位方向に引き抜かれる過程にあることを理解されたい。したがって、イントロデューサシース1000の中間部分1008及び遠位端1004はそれぞれ、拡張直径dからdとして示されるデリバリー後直径まで収縮していることも理解されたい。すなわち、中間部分1008及び遠位端1004は、メディカルデバイス1400のプロファイルに対応するために直径が事前に拡張されたが、中間部分1008及び遠位端1004のそれぞれは、メディカルデバイス1400の遠位端1403が中間部分1008及び遠位端1004のそれぞれに対して近位にある結果として、デリバリー後直径dに収縮した。
【0152】
図6に示されるように、イントロデューサシース1000の拡張領域の閉鎖セル(例えば、破線で示される列1114aの閉鎖セル1112a)は、イントロデューサシース1000の非拡張領域の閉鎖セル(例えば、破線で示される列1114bの閉鎖セル1112b)に対して拡張されている。
【0153】
上記のように、様々な実施形態において、イントロデューサシース1000は、イントロデューサシース1000が、より大きな拡張直径から、より大きな拡張直径よりも小さい直径に自己回復できるように構成されており、そのような回復のために外部の影響力を必要としない。したがって、イントロデューサシース1000のこの拡張及び収縮は、イントロデューサシース1000の長さに沿って漸進的であることができる。したがって、イントロデューサシース1000の全長が拡張構成又は縮小/初期構成のいずれかでなければならないように構成されていないことを理解されたい。代わりに、イントロデューサシース1000は、1つ以上の部分(例えば、領域、長さ又はセクション)が、イントロデューサシース1000の1つ以上の他の部分に対して拡張可能であるように構成されていることを理解されたい。したがって、イントロデューサシース1000の第一の部分は初期構成にあることができ(例えば、d図1を参照されたい)、一方、イントロデューサシース1000の第二の部分は拡張構成(例えば、直径d)にあり、及び/又は、一方、イントロデューサシース1000の第三の部分は回復構成(例えば、直径d)にある。同様に、イントロデューサシース1000の一部は拡張構成(例えば、直径d)にあることができ、一方、イントロデューサシース1000の別の部分は回復構成(例えば、直径d)にある。イントロデューサシース1000の1つ以上の部分(例えば、領域、長さ又はセクション)は任意の長さであることができ、したがって、明確な(discreet)長さ又は明確な(discreet)セクションに限定されないことを理解されたい。
【0154】
様々な例において、拡張直径(例えば、d)は、一般に、イントロデューサシース1000の所与の部分に加えられる外向きの力に応答して生じる管腔1006の初期直径よりも大きい管腔1006の任意の直径である。様々な例において、管腔1006の初期直径を超えるプロファイル(例えば、直径)を有するメディカルデバイスが、イントロデューサシース1000の管腔1006を通って前進するときに、そのようなメディカルデバイスは、(例えば、管腔の管腔壁に沿って)イントロデューサシース1000に接触し、そしてそれにより、イントロデューサシース1000に外向きの力を加え、イントロデューサシース1000の管腔1006に、メディカルデバイスのプロファイルに対応するために接触の領域を拡張させる。
【0155】
幾つかの例において、イントロデューサシース1000は、イントロデューサシース1000が管腔の直径をデリバリー後直径に自己回復させることができる能力を維持しながら、管腔の直径を初期直径の300パーセントまで拡大させるように動作可能である。幾つかの例において、イントロデューサシース1000は、イントロデューサシース1000が管腔の直径をデリバリー後直径に自己回復させることができる能力を維持しながら、管腔直径を初期直径の25~100パーセント、100~125、125~200、又は200~300パーセント拡大させるように動作可能である。
【0156】
様々な例において、デリバリー後直径(例えば、d)は、一般に、イントロデューサシース1000が外向きの力の除去に応答して管腔の直径を自己回復した(例えば、回復構成)後の管腔1006の直径を指す。すなわち、様々な例において、イントロデューサシースは、外力の影響を受けずに、デリバリー後直径に自動的に回復するように構成されている。本明細書で述べたように、そのような能力は、支持フレームワーク(例えば、1100及び/又は1300)とカバリング1200との間の相互作用の結果である、イントロデューサシース1000の内部バイアスに基づく。したがって、デリバリー後直径は、拡張直径よりも小さくなる。
【0157】
幾つかの例において、デリバリー後直径と初期直径は同じ直径である。幾つかの例において、デリバリー後直径は、初期直径よりも10パーセント以下で大きく(例えば、初期直径よりも1、2、3、4、5、6、7、8又は9パーセント以下で大きい)、そして拡張直径よりも小さい。幾つかの例において、デリバリー後直径は、初期直径の10~15パーセントの範囲にある。幾つかの例において、イントロデューサシース1000は、イントロデューサシース1000が配置されている解剖学的構造の直径よりも小さい静止直径(例えば、初期直径又はデリバリー後直径)を有するように構成されている。例えば、支持フレームワーク(例えば、1100及び/又は1300)とカバリング1200との組み合わされた内力は、外力(すなわち、カバリングの支持フレームの内力以外の力)(例えば、イントロデューサシース1000の管腔1006内に配置されたデバイスによって加えられる力)がイントロデューサシース1000に加えられないときに、イントロデューサシース1000を周囲の解剖学的構造の直径よりも小さい直径に維持するように構成されている。したがって、イントロデューサシース1000は、外力の影響を受けていないときに周囲の組織との接触を低減又は最小化するように構成されている。
【0158】
幾つかの例において、イントロデューサシース1000は、1つ以上の潤滑性ライナー層を含み、デリバリーされるメディカルデバイス又は機器とイントロデューサシース1000との間の摩擦を低減して、イントロデューサシース1000を介したメディカルデバイス又は機器のデリバリーを容易にする潤滑性界面を提供する。例えば、潤滑性ライナー層は、イントロデューサシース1000の内部部分1202などの内面に配置され、それを画定し又はさもなければそれに含まれることができ、その結果、潤滑性ライナー層によって提供される潤滑はデリバリー中のメディカルデバイスと内部部分1202との間の摩擦を低減する。イントロデューサシース1000の管腔1006が初期直径にあるときに、及び管腔1006が拡張直径に拡張されるときに、潤滑性ライナー層は、滑らかな内面(例えば、表面の主要部分、実質的にすべて又は全体)を有する。幾つかの例において、潤滑性ライナー層は、イントロデューサシース1000の外部部分1204などの外面の周りに配置され、それを画定し又はさもなければそれに含まれることができ、その結果、例えば、イントロデューサシース1000は、手術中にイントロデューサシース1000に結合する別個のカテーテルの内部などの別の管腔を通って前進することができる。幾つかの例において、イントロデューサシース1000は、シース1000が初期直径にあるときに、及びシース1000が拡張直径に拡張されるときの両方で、滑らかな連続内面及び滑らかな連続外面(例えば、表面の主要部分、実質的にすべて又は全体)を有する。
【0159】
幾つかの例において、シース1000の弾性により、表面の滑らかさが維持される。これは、拡張直径から初期直径に崩潰したときに、例えば、折り目、シワ、クリース、プリーツ又はさもなければ滑らかでなくなる、弾性の低い又は弾性のない設計とは対照的であることができる。様々な実施形態は、ヒドロゲルコーティング又は任意の他の適切な潤滑剤、又は潤滑表面処理を組み込む一方で、滑らかなままであるために初期直径と拡張直径との間で移行するのに必要な弾性も組み込むという点で特に有利である。潤滑性ライナー層の材料及び構成の様々な例は本明細書でさらに説明される。
【0160】
自己回復することができるイントロデューサシース1000の能力は、メディカルデバイスがイントロデューサシース1000の領域に存在することの結果として拡張されないイントロデューサシース1000のそのような領域が、血管系内の最小プロファイルを維持するように動作可能であることを提供し、血管の閉塞を減らし、血管への外傷を減らす。
【0161】
上記のように、イントロデューサシース1000の自己回復能力は、1つ以上の支持フレームワーク(例えば、1100及び/又は1300)及びカバリング1200に存在するバイアスに基づく。様々な例において、そのようなバイアスは、支持フレームワーク(例えば、1100及び/又は1300)の1つ以上及びカバー1200に貯蔵されたポテンシャルエネルギーの形態にあり、それは運動エネルギーに変換されて、イントロデューサシース1000に管腔1006の直径を自己回復させることができる。幾つかの例において、1つ以上の支持フレームワーク(1100及び/又は1300)及びカバリング1200は弾性的に変形可能である。したがって、様々な例において、イントロデューサシース1000は、少なくとも部分的に、弾性変形したときの支持フレームワーク(例えば、1100及び/又は1300)の1つ以上及びカバリング1200の弾性のために弾性変形可能である。
【0162】
幾つかの例において、カバリング1200は、拡張されているイントロデューサシース1000に従って伸長するように構成され、ここで、カバリング1200は、引き伸ばされた(例えば、カバリング1200が弾性変形された)ときにポテンシャルエネルギーを貯蔵する。幾つかの例において、イントロデューサシース1000の管腔1006が初期直径にあるときに、カバリング1200は引き伸ばされる又は弾性変形される。したがって、幾つかのそのような例において、カバリング1200は、イントロデューサシース1000が、管腔1006が初期直径にある初期構成にあるときにポテンシャルエネルギーを貯蔵するように構成されている。様々な例において、カバリング1200のポテンシャルエネルギーは運動エネルギーに変換可能であり、イントロデューサシース1000が、初期直径及びデリバリー後直径のそれぞれよりも大きい直径に拡張された後に、管腔1006の直径をデリバリー後直径に自己回復させるのを助ける。幾つかの例において、ポテンシャルエネルギーは、カバリング1200の膜材料に貯蔵されている。幾つかの例において、ポテンシャルエネルギーは、追加的又は代替的に、カバリング1200の強化材料に貯蔵されている。
【0163】
追加的又は代替的に、幾つかの例において、支持フレームワーク(例えば、1100及び/又は1300)は、イントロデューサシース1000の上記の1つ以上の構成でポテンシャルエネルギーを貯蔵するように構成されている。例えば、幾つかの例において、支持フレームワーク(1100及び/又は1300)は、イントロデューサシース1000の管腔1006が、初期直径及びデリバリー後直径のそれぞれよりも大きい直径に拡張されるときに、ポテンシャルエネルギーを貯蔵している。幾つかのそのような例において、支持フレームワークは、イントロデューサシース1000の管腔1006が初期直径(例えば、d)にあるときに支持フレームワークが採用するプロファイルに形状設定されうる。すなわち、幾つかの例において、支持フレームワークは、イントロデューサシース1000が初期構成にあるときに支持フレームワークが採用するプロファイルに形状設定されうる。したがって、支持フレームワーク(1100及び/又は1300)は、イントロデューサシース1000が拡張されたときに支持フレームワークによって採用される構成とは異なる構成に形状設定される形状記憶材料を含むことができる。
【0164】
しかしながら、他の例において、支持フレームワーク(1100及び/又は1300)は、イントロデューサシース1000が、管腔1006が初期直径である初期構成であるときに、支持フレームワークによって採用される構成とは異なる構成に形状設定されうる。幾つかのそのような例において、支持フレームワーク(1100及び/又は1300)は、イントロデューサシース1000の管腔1006が初期直径及びデリバリー後直径のうちの1つ以上にあるときにポテンシャルエネルギーを貯蔵する。幾つかの例において、支持フレームワークは、イントロデューサシース1000が初期構成と拡張構成との間の構成(例えば、管腔の直径が初期直径を超え、そして管腔の直径が拡張直径よりも小さい中間構成)にあるときに支持フレームワークが採用するプロファイルに形状設定されうる。様々な例において、支持フレームワークのポテンシャルエネルギーは運動エネルギーに変換可能であり、イントロデューサシース1000が、初期直径及びデリバリー後直径のそれぞれよりも大きい直径に拡張された後に、管腔1006の直径をデリバリー後直径に自己回復させるのを助ける。
【0165】
支持フレームワーク(例えば、1100及び/又は1300)が中間構成に形状設定されている例において、支持フレームワークは、イントロデューサシース1000の管腔が初期直径を有するときに、及びイントロデューサシース1000が拡張構成にあるときに、ポテンシャルエネルギーを貯蔵することを理解されたい。したがって、幾つかの例において、イントロデューサシース1000は、イントロデューサシース1000が初期構成にあるときに、支持フレームワーク(例えば、1100及び/又は1300)及びカバリング1200のそれぞれがポテンシャルエネルギーを貯蔵するように構成されうることを理解されたい。例えば、支持フレームワーク(例えば、1100及び/又は1300)は、上記の中間構成に形状設定されることができ、カバリング1200は、イントロデューサシース1000を、管腔直径が初期直径よりも小さい収縮構成に向けてカバリング1200がバイアスするように、支持フレームワークに適用されうる。そのような条件下で、イントロデューサシース1000の管腔1006が初期直径を有するときに、支持フレームワーク(例えば、1100及び/又は1300)及びカバリング1200は弾性的に張力がかけられる。
【0166】
したがって、弾性的に半径方向に収縮した支持フレームワーク(1100及び/又は1300)は、イントロデューサシース1000を半径方向外向きに(例えば、半径方向外向きのベクトルで)バイアスし、したがって、カバリング1200は、イントロデューサシース1000を半径方向内向きに(例えば、半径方向内向きのベクトルで)バイアスする。幾つかのそのような例において、支持フレームワーク(1100又は1300)の半径方向外向きバイアス及びカバリング1200の半径方向内向きバイアスは、イントロデューサシース1000の管腔1006が初期直径を有するときに平衡にある。言い換えると、幾つかの例において、イントロデューサシース1000は、カバリング1200のポテンシャルエネルギーに関連する第一の力と、支持フレームワーク(例えば、1100及び/又は1300)のポテンシャルエネルギーに関連する第二の力とが、イントロデューサシース1000の管腔1006が初期直径を有するときに、互いに平衡状態にあるように構成されうる。様々な例において、そのような第一の力及び第二の力との間の平衡は、イントロデューサシース1000の管腔1006がデリバリー後直径を有するときにも生じることを理解されたい。
【0167】
本明細書に記載のイントロデューサシース1000の様々な構成は、イントロデューサシース1000の長手方向軸に対してなど、イントロデューサシースが半径方向に均一に拡張するように構成されるようなものである。例えば、幾つかの従来のシステムとは異なり、本開示のイントロデューサシース1000は、イントロデューサシース1000の拡張を容易にするように動作するフラップ又は折り目又はレリーフを含まない。その代わりに、本明細書に記載されるように、本開示のイントロデューサシース1000は、カバリング1200がイントロデューサシース1000の拡張に対応するように伸びるように配置されるフレームワーク(例えば、1100及び/又は1300)及びカバリングを含む。支持フレームワークの構成はまた、支持フレームワークが半径方向に均一に拡張するようなものである。言い換えれば、イントロデューサシース1000は、イントロデューサシース1000の管腔の直径の増加を容易にする折り目、フラップ、レリーフ又は他の機構を含まない。
【0168】
様々な例において、半径方向に均一に拡張することに加えて、イントロデューサシース1000は、管腔が初期直径、拡張直径(又は拡張直径)及びデリバリー後直径であるときに滑らかな外面(例えば、表面の主要部分、実質的にすべて又は全体)を維持するように構成されている。例えば、イントロデューサシース1000の外面は、初期直径の約50%以上で半径方向に拡張されたときに滑らかでかつシワのないままであることができ、イントロデューサシース1000は、イントロデューサシース1000の管腔内に折り畳み又はさもなければ内向きに偏向することなく、イントロデューサシース1000が体内の血管に展開された後に半径方向に拡張及び収縮することができる。幾つかの例において、カバリング1200が、上記のように、導入直径、拡張直径及びデリバリー後直径の各々で支持フレームワークの周りに張力がかけられる(例えば、ポテンシャルエネルギーを貯蔵する)ように、カバリング1200は支持フレームワーク(例えば、1100及び/又は1300)に適用される。少なくとも、カバリング1200が、上記のように、導入直径、拡張直径及びデリバリー後直径のそれぞれにおいてシワがないように、カバリング1200は支持フレームワークに適用される。
【0169】
様々な例において、イントロデューサシース1000は、管状フレームワークを形成するように配置された複数のストラット要素を含むフレームを提供し、前記フレーム及びカバリング1200がシースを画定して、そこを通って延在する管腔を有するようにカバリング1200をフレームに結合することによって形成されうる。フレームは、本明細書に記載の支持フレームワーク(例えば、1100及び/又は1300)のいずれかに対応する。カバリング1200は、本明細書に記載のカバリング1200のいずれかに対応する。
【0170】
幾つかの例において、この方法は、フレームを初期直径を有する初期構成に形状設定することを含む。幾つかの例において、フレームは、シースの管腔が本明細書で参照される初期直径(例えば、d)にある初期構成に形状設定される。他の幾つかの例において、フレームは、シースの管腔が初期直径よりも大きい直径である構成に形状設定される。そのような他の例において、カバリング1200は、シースの管腔が本明細書で参照される初期直径(例えば、d)にあるときに、ポテンシャルエネルギーがフレームに貯蔵されるように、フレームが収縮構成へと半径方向に圧縮されるようにフレームに結合されうる。追加的又は代替的に、カバリング1200をフレームに結合することは、シースの管腔が本明細書で参照される初期直径(例えば、d)を有するときに、カバリング1200がポテンシャルエネルギーを貯蔵するようにカバリング1200をフレームに結合させることを含むことができる。幾つかのそのような例において、カバリング1200は、それがフレームに結合されるときに引き伸ばされることができる。
【0171】
様々な例において、フレームは、カバリング1200がフレームに結合される前又は後に、初期構成に形状設定されうる。幾つかの例において、カバリング1200をフレームに結合してシースを画定することは、成形マンドレルの使用を含む。幾つかのそのような例において、カバリング1200はマンドレルの周りに配置され、次にフレームはカバリング1200の周りに配置される。幾つかの例において、カバリング1200は、カバリング1200の第一の部分がフレームの第一の端部と第二の端部との間に配置されるように、カバリング1200の第二の部分がフレームの第一の端部及び第二の端部のうちの1つを超えて延在するように、マンドレル上のカバリング1200の周りに配置されうる。このような例において、カバリング1200の第二の部分をトリミングすることができる。あるいは、フレームがカバリング1200の第一の部分と第二の部分との間に位置するように、第二の部分をフレーム上に裏返すことができる。
【0172】
図7~19は、イントロデューサシース1000を使用して、1つ以上のメディカルデバイス2100を展開するプロセスを示している。前記メディカルデバイスとしては、限定するわけではないが、経カテーテル僧帽弁置換(TMVR)人工器官及び経カテーテル大動脈弁置換(TAVR)人工器官などの弁人工器官ならびに他のタイプの適切なメディカルデバイスを挙げることができる。
【0173】
図7に示されるように、メディカルデバイス2100は、デリバリーカテーテル1500の遠位端部分1502に近接するデリバリーカテーテル1500に取り付けられる。本明細書に記載のとおりのデリバリーカテーテル1500は、とりわけ、シリコーンゴム、ナイロン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ラテックス及び熱可塑性エラストマーなどのポリマーを使用して形成されうる。幾つかの例において、デリバリーカテーテルはまた、限定するわけではないが、医療グレードのステンレス鋼などの金属を含む材料、例えば、AISI 300シリーズステンレス鋼合金、チタン、タンタル、Elgiloy(登録商標)及びPhynox(登録商標)ばね合金などの合金、MP35N(登録商標)合金及びニチノールニッケル-チタン合金を使用して形成されたレーザ切断ハイポチューブを含むことができ、これにより、カテーテルの機械的特性は、例えば、増加した可撓性及び/又はより良いトルク特性を達成するように改善される。適切なデリバリーカテーテル1500及び関連するインプラント可能なメディカルデバイスの例は、2018年9月12日に出願された「Transcatheter Deployment Systems and Associated Methods」の米国特許出願公開第2019/0125534号明細書に見出すことができる。
【0174】
図7の例示において、メディカルデバイス2100(例えば、人工心臓弁)は、拡張構成又はデリバリー構成で示されている。インラインシース拡張器1504は、デリバリーカテーテル1500がインラインシース拡張器1504の内腔を通過するように、デリバリーカテーテル1500の外面上に配置されている。インラインシース拡張器1504は、近位開口部1514、遠位開口部1516、そして、それを通って延在している拡張器管腔1518を有する。幾つかの例において、拡張器管腔1518は、デリバリーカテーテル1500をスライド可能に受容し、遠位開口部1516は近位開口部1514よりも大きな直径を有する。
【0175】
図8は、コンパクト化構成又はデリバリー構成のメディカルデバイス2100を示している。幾つかの例において、メディカルデバイス2100は、例えば、6Fr~16Frの範囲の初期直径又はコンパクト化直径を有する。コンパクト化構成のメディカルデバイス2100の直径は、インラインシース拡張器1504の内腔のおよそ直径以下であることができる。
【0176】
図9は、幾つかのデリバリー方法に従って、メディカルデバイス2100を覆うように、コンパクト化されたメディカルデバイス2100上で遠位端部分1502に向かって前進されているインラインシース拡張器1504を示している。示されているように、インラインシース拡張器1504は、遠位端部分1502と係合するように構成されている(例えば、遠位端部分1502は、場合により、インラインシース拡張器1504のおよそ内直径以上の直径を有する。
【0177】
図10は、初期の拡張されていない状態のイントロデューサシース1000を示している。図10に示されるように、弾性拡張器1508は、シース1000の内腔を通して挿入される(例えば、シース1000の患者の体内への導入を容易にするために)。示されるように、ガイドワイヤ1506は、シース1000を通して受容される。示されるように、ガイドワイヤ1506を受容しているシース1000を残すようにして拡張器1508を引っ込めることができる。
【0178】
その後、図12に示されるように、図9に示されるようなインラインシース拡張器1504を備えたデリバリーカテーテル1500は、ガイドワイヤ1506を介してイントロデューサシース1000に向かって前進される。例えば、デリバリーカテーテル1500は、場合により、補助構成要素2000(例えば、止血弁ハブ)を通して通過される。
【0179】
図13に示されるように、デリバリーカテーテル1500及びインラインシース拡張器1504は、インラインシース拡張器1504の近位係合部分1510がイントロデューサシース1000の近位部分(例えば、補助構成要素2000)と接触するまで、イントロデューサシース1000を通して挿入される。この段階で、デリバリーカテーテル1500の遠位端部分1502は、イントロデューサシース1000及びインラインシース拡張器1504から突出する。幾つかの例において、近位係合部分1510は、イントロデューサシース1000の近位部分に結合されている(例えば、解放可能な係合)。インラインシース拡張器1504がイントロデューサシース1000を通って伸長されると、イントロデューサシース1000がインラインシース拡張器1504の形状及びサイズに一致するときに、インラインシース拡張器は、シース1000を初期直径よりも大きい拡張直径に拡張させる。視覚化のために、図13、14、16及び17において、インラインシース拡張器1504の位置は点線で示されている。
【0180】
図14に示されるように、デリバリーカテーテル1500の遠位端が患者の体内の所望のデリバリー部位の近くに配置された後に、デリバリーカテーテル1500は、インラインシース拡張器1504から脱結合されるか、又はさもなければ、インラインシース拡張器1504の遠位端部分1502から伸長されることができ、その結果、デリバリーカテーテル1500は、コンパクト化構成でメディカルデバイス2100と共に前方に前進されうる。図14に示されるように、インラインシース拡張器1504は、イントロデューサシース1000を拡張状態に維持するために固定される。
【0181】
図15は、メディカルデバイス2100が、体の血管系を通して所望の場所にデリバリーされる方法の一例を示している。示されるように、イントロデューサシース1000は、経皮導入部位1512を介して導入され、これは、デリバリーカテーテル1500を挿入するために外科的に開かれた開口部であることができる。ガイドワイヤ1506は、デリバリーカテーテル1500の遠位端部分1502をガイドし、したがってメディカルデバイス2100を、メディカルデバイス2100が展開され又は他の操作が実行されうる血管系1515内の所望の位置にガイドするのを助ける。
【0182】
図16は、血管系1515内でメディカルデバイス2100を展開した後のデリバリーカテーテル1500を示す。幾つかの例において、デバイスデリバリーに続いて、デリバリーカテーテル1500は、図17に示されるように、遠位端部分1502がインラインシース拡張器1504と再結合するように引っ込められる。例えば、そのような結合は、デリバリーカテーテル1500及びインラインシース拡張器1504を体から除去するための滑らかな外側プロファイル(例えば、表面の主要部分、実質的にすべて又は全体)を提供することができる。
【0183】
図18は、インラインシース拡張器1504と結合され、イントロデューサシース1000から一斉に引き出されるようにガイドワイヤ1506に沿ってさらに引っ込められたデリバリーカテーテル1500を示す。デリバリーカテーテル1500及びインラインシース拡張器1504が引っ込められた後に、イントロデューサシース1000は図19に示されるように、血管系1515から引き出される。
【0184】
上記の例において、イントロデューサシース1000を介したインラインシース拡張器1504の楽な挿入を容易にするために、潤滑性界面(例えば、1つ以上の潤滑層)を、インラインシース拡張器1504とイントロデューサシース1000との間に配置して、それらの間の摩擦を減らすことができる。幾つかの例において、潤滑性界面は、比較的非膨張性であるか又は比較的非弾性である。
【0185】
図20A、20B、21A及び21Bに示される例において、潤滑性界面は、別の管状部材であるイントロデューサシース1000に結合された非弾性潤滑性ライナー1602を画定する管状部材を含む。イントロデューサシース1000は、非弾性(例えば、図20A及び20B)又は弾性(例えば、図21A及び21B)のいずれかであることができる。
【0186】
図20Aは、イントロデューサシース1000が、非弾性潤滑性ライナー1602を備えた非弾性シース1600を含む例を示す。示されるように、非弾性シース1600は、非弾性潤滑性ライナー1602と結合され、その結果、非弾性シース1600及び非弾性潤滑性ライナー1602の両方は初期直径を有するように崩潰されたときにプリーツ構成を有する。プリーツ1604は、非弾性シース1600及び非弾性潤滑性ライナー1602の両方のある部分が非弾性シース1600及び非弾性潤滑性ライナー1602内の別の部分とオーバーラップするように折り返されることにより形成される。オーバーラップの量は、様々な直径と拡張能力を達成するように調整されうる。特に、非弾性シース1600及び非弾性潤滑性ライナー1602が初期直径よりも大きい拡張直径に拡張されると、プリーツ1604は解放され、非弾性シース1600及び非弾性潤滑ライナー1602は、図20Bに示されるように、プリーツがなくなる。単一のプリーツが示されているが、任意の数のプリーツを所望のとおりに組み込むことができる(例えば、2つ、3つ、4つ、6つ、12など)。
【0187】
図21Aは、イントロデューサシース1000が、弾性的に拡張されるように構成された弾性シース1606及び非弾性潤滑性ライナー1602を含む例を示す。示されるように、プリーツ1608は、非弾性潤滑性ライナー1602に形成され、非弾性潤滑性ライナー1602のある部分がオーバーラップ構成で別の部分に折り畳まれている。単一のプリーツが示されているが、任意の数のプリーツを所望のとおりに組み込むことができる(例えば、2つ、3つ、4つ、6つ、12など)。弾性シース1606は、弾性シース1606が初期直径であるか又は拡張直径であるかに関係なく、プリーツのない構成(例えば、比較的シワがない)のままである。一方、図21Bに示されるように、非弾性潤滑性ライナー1602が拡張直径に拡張されると(例えば、インラインシース拡張器1504及び/又はデリバリーカテーテル1500がシースを通過するときの状態に対応する)、非弾性潤滑性ライナー1602のプリーツ1608は解放され、非弾性潤滑性ライナー1602はプリーツがなくなる。
【0188】
さらに他の実施形態において、インラインシース拡張器1504は、潤滑性界面を有する。幾つかの例において、インラインシース拡張器1504の外面は、限定するわけではないが、PTFE、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリイミド、又は、親水性コーティングが適用された熱可塑性プラスチックを含む潤滑性材料を含む。幾つかの例において、弾性シース1606の内面は、限定するわけではないが、シリコーン、ポリウレタン、熱可塑性エラストマー(TPE)又は熱可塑性加硫物(TPV)を含む半径方向に拡張可能なエラストマーを含む。
【0189】
1つの例として、図22Aは、関連する潤滑性ライナーのない弾性シース1606を含むシース1000を示している。幾つかの例において、非弾性潤滑性ライナー1602などの潤滑性層は、インラインシース拡張器1504の外面と結合されている。幾つかの例において、潤滑性層は、インラインシース拡張器1504の外面上に適用されたヒドロゲルコーティングであり、その結果、インラインシース拡張器1504が弾性シース1606内に挿入されて弾性シース1606を拡張して拡張直径を達成するときに、弾性シース1606はインラインシース拡張器1504の外面に沿ってより容易にスライドできる。
【0190】
潤滑性コーティング又は他のタイプのライナー及び界面が考えられるが、幾つかの例において、弾性シース1606は、弾性シース1606内に追加又は補足の潤滑性ライナーを必要としないように潤滑性である内面を有する。例えば、弾性シースは、限定するわけではないが、潤滑性ヒドロゲルを吸収したPTFE又はePTFEを含むポリマーから形成された内面を含むことができる。1つの例において、潤滑性ヒドロゲルは、限定するわけではないが、ポリオール、ポリビニルピロリドン(PVP)、イソシアネート又は任意の他の適切な潤滑剤を含む有機化合物である。潤滑性内面又は潤滑性ライナー層を組み込むことにより、インラインシース拡張器1504の外面と弾性シース1606の内面との間の摩擦を低減するのに役立つことができる。幾つかの例において、潤滑性ライナー層は弾性シース1606の管腔が初期のより小さな直径にあるときに滑らかな内面を提供し、また、弾性シース1606の管腔が拡張されたより大きな直径にあるときにも滑らかな内面を提供する。上記の収縮膜及び収縮膜複合材など、初期のより小さな直径及び拡張されたより大きな直径の両方で滑らかな構成(例えば、表面の主要部分、実質的にすべて又は全体)を達成するために、様々な材料を実装することができる。
【0191】
拡張可能な潤滑性ライナーを組み込むことにより、分割、展開、解放可能なプリーツ形成又はその他の方法で比較的に非伸張性材料をライナー中に収容するための特徴を組み込む必要なしに、連続的で滑らかな表面(例えば、表面の主要部分、実質的なすべて又は全体)を提供する能力を提供し、初期直径からより大きな直径への拡張を可能にする。
【0192】
幾つかの例において、弾性シース1606の内面が潤滑性であるときに、弾性シース1606の外面は潤滑性ではない。幾つかの例において、弾性シース1606は、異なるポリマー膜の2つ以上の層を一緒に融合又は付着することによって形成され、ここで、1つ以上の外膜層は、弾性シース1606の外面の特性を規定し、1つ以上の内層は、弾性シース1606の内面の特性を規定する。幾つかの例において、弾性シース1606が潤滑性内面及び非潤滑性外面を有するように、外層は潤滑性ヒドロゲル材料が吸収されていない(例えば、潤滑性成分を比較的に含まない)ポリマーであるが、内層は潤滑性ヒドロゲル材料(又は他の潤滑性成分)が吸収されたポリマーである。
【実施例0193】

拡張可能なイントロデューサシースを以下の方法に従って製造した。吸収されていないポリマーテープを円筒形マンドレルの周りに20回シガレット巻きで巻き付けた(例えば、テープの横断方向がマンドレルの長さに垂直になるように長手方向に巻き付けた)。次に、マンドレル及びテープを約10分間加熱した。冷却後に、強化材料が吸収されたポリマーテープの15層を、強化材料がマンドレルに面するように、既存の20層の吸収されていないポリマーテープの上にシガレット巻きで巻き付けた。次に、マンドレル及びテープを約5分間加熱した。次に、本明細書の開示に一貫する支持フレームワークを、巻き付けられたポリマーテープの周りに配置した。次に、支持フレームワークの端部を超えて延在している過剰な長さのポリマーテープを、支持フレームワークの外側に裏返した。次に、別のポリマーテープを構造物の一部の周りに巻き付けて、テープ及び支持フレームワークの相対的な位置を維持した。次に、構造物を5分間加熱した。冷却後に、構造物をマンドレルから取り外した。
【0194】
デバイス及び/又は方法の構造及び機能の詳細とともに様々な代替案を含む、多数の特徴及び利点が上述の説明に記載されている。本開示は、例示のみを目的としており、それ自体、網羅的であることを意図するものではない。添付の特許請求の範囲が表現される用語の広範で一般的な意味による、示された完全な範囲で、特に、開示の原理内の組み合わせを含む部品の構造、材料、要素、構成要素、形状、サイズ及び配置に関して、様々な変更を行うことができることは当業者に明らかであろう。これらの様々な変更が添付の特許請求の範囲の主旨及び範囲から逸脱しない限り、そこに含まれることが意図されている。
図1
図2
図3
図3A
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20A
図20B
図21A
図21B
図22A
図22B
【手続補正書】
【提出日】2023-10-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0194
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0194】
デバイス及び/又は方法の構造及び機能の詳細とともに様々な代替案を含む、多数の特徴及び利点が上述の説明に記載されている。本開示は、例示のみを目的としており、それ自体、網羅的であることを意図するものではない。添付の特許請求の範囲が表現される用語の広範で一般的な意味による、示された完全な範囲で、特に、開示の原理内の組み合わせを含む部品の構造、材料、要素、構成要素、形状、サイズ及び配置に関して、様々な変更を行うことができることは当業者に明らかであろう。これらの様々な変更が添付の特許請求の範囲の主旨及び範囲から逸脱しない限り、そこに含まれることが意図されている。
(態様)
(態様1)
管状フレームワークを形成するように配置された複数のストラット要素を含むフレーム、及び、
前記フレームの一部に沿って延在しているカバリングであって、前記フレーム及び前記カバリングは、シースを通って延在する管腔を有するシースを画定するように延在しているカバリング、
を含み、
前記フレームの前記ストラット要素は互いに相互作用して、軸方向の圧縮抵抗及びフープ強度を前記シースに備えさせ、前記管腔はある長さを有し、前記シースは半径方向に拡張可能であり、それにより、前記管腔の直径は初期直径から前記初期直径よりも大きい拡張直径に拡張して、それを通る1つ以上のデバイスの通過に対応するように動作可能であり、前記シースは、前記1つ以上のデバイスが前記管腔から取り外されるのに応答して、前記シースの長さに沿って前記拡張直径よりも小さいデリバリー後直径へと前記管腔の直径を自己回復するようにさらに構成されている、医療機器。
(態様2)
前記カバリングは前記シースが半径方向に拡張可能であるように引き延ばすように構成されており、前記カバリングは、前記シースの管腔が前記拡張直径に拡張されるときにポテンシャルエネルギーを貯蔵し、前記カバリングのポテンシャルエネルギーは運動エネルギーに変換可能であり、それにより、前記シースが管腔の直径をデリバリー後直径に自己回復させる、態様1記載の医療機器。
(態様3)
前記フレームは、前記シースが拡張直径に拡張されたときにポテンシャルエネルギーを貯蔵するように構成されており、前記フレームのポテンシャルエネルギーは運動エネルギーに変換可能であり、それにより、前記シースが前記管腔の直径をデリバリー後直径に自己回復させる、先行の態様のいずれか1項記載の医療機器。
(態様4)
前記フレームは、前記シースの管腔の直径が初期直径よりも大きい初期構成に形状設定され、その結果、前記シースの管腔が初期直径を有するときに、前記フレームはポテンシャルエネルギーを貯蔵する、態様1~3のいずれか1項記載の医療機器。
(態様5)
前記デリバリー後直径は初期直径の115%以下である、先行の態様のいずれか1項記載の医療機器。
(態様6)
前記シースは、前記シースが前記管腔の直径をデリバリー後直径に自己回復させるときに滑らかな外面を有するように構成されている、先行の態様のいずれか1項記載の医療機器。
(態様7)
前記カバリングは、前記シースの潤滑性不透過性層を形成している、先行の態様のいずれか1項記載の医療機器。
(態様8)
複数の別個のゾーンは前記シースの軸方向長さに沿って画定されており、前記シースは漸進的に拡張及び自己回復され、その結果、前記複数の別個のゾーンのうちの第一のゾーンでの前記管腔の直径は、前記複数の別個のゾーンのうちの第二のゾーンでの前記管腔の直径に対して拡張可能であり、そして前記第一のゾーンでの前記管腔の直径は、前記デリバリー後直径に自己回復可能であるように構成されている、先行の態様のいずれか1項記載の医療機器。
(態様9)
前記管腔の直径は、前記シースの軸方向長さに沿った第二の断面で初期直径から前記管腔の直径の拡張を引き起こすことなく、前記シースの軸方向長さに沿った第一の断面で拡張直径に拡張可能であるように構成されており、そして前記管腔の直径は、前記第二の断面で前記管腔の直径の減少を引き起すことなく、前記第一の断面でデリバリー後直径に自己回復可能であるように構成されている、先行の態様のいずれか1項記載の医療機器。
(態様10)
遠位端部分を有するデリバリーカテーテル、
拡張可能シースを通って延在している管腔を有する拡張可能シースであって、前記管腔はある長さを有し、そして前記拡張可能シースは半径方向に拡張可能であり、その結果、前記管腔の直径は、初期直径から前記初期直径よりも大きい拡張直径に拡張するように動作可能である拡張可能シース、及び、
前記デリバリーカテーテルを受容し、前記デリバリーカテーテルの遠位端部分と解放可能に結合するように構成されたインラインシース拡張器であって、前記インラインシース拡張器及び前記デリバリーカテーテルは、前記拡張可能シースの管腔を通してスライド可能に挿入可能であり、前記拡張可能シースを初期直径から拡張直径まで拡張させるように構成されたインラインシース拡張器、
を含み、
前記デリバリーカテーテルの遠位端部分は、前記拡張可能シースを前記インラインシース拡張器により拡張直径まで拡張し、前記拡張可能シースを拡張直径に維持した後に、前記インラインシース拡張器から伸長可能である、デリバリーシステム。
(態様11)
前記拡張可能シースは、管状フレームワークを形成するように配置された複数のストラット要素を含むフレーム、及び、前記フレームの一部に沿って延在しているカバリングを含み、前記フレームのストラット要素は互いに相互作用して、前記拡張可能シースに軸方向の圧縮抵抗及びフープ強度を備えさせる、態様10記載のデリバリーシステム。
(態様12)
前記インラインシース拡張器は、前記拡張可能シースを拡張直径に拡張した後に前記インラインシース拡張器から前記デリバリーカテーテルの遠位端部分を伸長した後に、前記デリバリーカテーテルの遠位端部分と再結合するように構成されている、態様10又は11記載のデリバリーシステム。
(態様13)
前記拡張可能シースは、前記インラインシース拡張器及び前記デリバリーカテーテルが管腔から除去されることに応答して、前記拡張可能シースの長さに沿って前記管腔の直径を拡張直径よりも小さいデリバリー後直径に自己回復するようにさらに構成されている、態様10~12のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
(態様14)
前記デリバリーカテーテルの遠位端部分に近接するデリバリーカテーテルに結合された1つ以上のデバイスをさらに含み、前記1つ以上のデバイスは、僧帽弁又は大動脈弁プロテーゼを含む、態様10~13のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
(態様15)
前記インラインシース拡張器は、近位開口部、遠位開口部及びそれらを通って延在している拡張器管腔を含み、前記拡張器管腔は前記デリバリーカテーテルをスライド可能に受容するように構成されており、前記遠位開口部は前記近位開口部よりも大きな直径を有する、態様12~14のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
(態様16)
複数の別個のゾーンは前記拡張可能シースの軸方向長さに沿って画定されており、前記拡張可能シースは漸進的に拡張及び自己回復され、その結果、前記複数の別個のゾーンのうちの第一のゾーンでの前記管腔の直径は、前記複数の別個のゾーンのうちの第二のゾーンでの前記管腔の直径に対して拡張可能であり、そして前記第一のゾーンでの前記管腔の直径は、前記第二のゾーンに対してデリバリー後直径に自己回復可能であるように構成されている、態様10~15のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
(態様17)
前記管腔の直径は、前記拡張可能シースの軸方向長さに沿った第二の断面で初期直径から前記管腔の直径の拡張を引き起こすことなく、前記拡張可能シースの軸方向長さに沿った第一の断面で拡張直径に拡張可能であるように構成されており、そして前記管腔の直径は、前記第二の断面で前記管腔の直径の減少を引き起すことなく、前記第一の断面でデリバリー後直径に自己回復可能であるように構成されている、態様10~16のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
(態様18)
経カテーテルメディカルデバイスを体内に配置する方法であって、
1つ以上のデバイスがデリバリーカテーテルの遠位端部分に拘束された状態で、デリバリーカテーテルの少なくとも一部の上にインラインシース拡張器を前進させること、
前記デリバリーカテーテルの遠位端部分に前記インラインシース拡張器を結合して、前記1つ以上のデバイスを覆うこと、
拡張可能シースを体の血管系に前進させること、
前記デリバリーカテーテルの遠位端部分が前記拡張可能シースの遠位端に隣接するように、前記デリバリーカテーテル及び前記インラインシース拡張器を前記拡張可能シース内に前進させることであって、前記インラインシース拡張器を前記拡張可能シース内に前進させると、前記拡張可能シースが初期直径から前記初期直径よりも大きい拡張直径まで拡張する、前進させること、及び、
前記インラインシース拡張器を前記デリバリーカテーテルの遠位端部分から脱結合させ、前記インラインシース拡張器で前記拡張可能シースを拡張直径に維持しながら、前記デリバリーカテーテルを前記インラインシース拡張器から伸長させること、
を含む、方法。
(態様19)
前記1つ以上のデバイスを所望の位置にデリバリーするように前記デリバリーカテーテルを血管系内に前進させること、
前記1つ以上のデバイスを所望の位置に配置し、続いて、血管系から前記デリバリーカテーテルを引っ込めること、及び、
前記インラインシース拡張器を前記拡張可能シースから脱結合させ、続いて前記インラインシース拡張器を前記デリバリーカテーテルの遠位端部分に再結合させること、
をさらに含む、態様18記載の方法。
(態様20)
前記インラインシース拡張器及び前記デリバリーカテーテルを前記拡張可能シースの管腔から引っ込めて、前記拡張可能シースの長さに沿って、前記拡張可能シースに前記管腔の直径を拡張直径よりも小さいデリバリー後直径まで自己回復させることをさらに含む、態様19記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状フレームワークを形成するように配置された複数のストラット要素を含むフレーム、及び、
前記フレームの一部に沿って延在しているカバリングであって、前記フレーム及び前記カバリングはシースを画定するように延在しているカバリング、
を含み、
記シースは、1つ以上のデバイスが管腔から取り外されるのに応答して、前記シースの長さに沿って拡張直径よりも小さいデリバリー後直径へと直径を自己回復するように構成されている、医療機器。
【外国語明細書】