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特開2023-171445HMI制御装置およびHMI制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171445
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】HMI制御装置およびHMI制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20231124BHJP
   B60W 50/10 20120101ALI20231124BHJP
   B60W 50/14 20200101ALI20231124BHJP
   B60K 35/00 20060101ALI20231124BHJP
   B60W 60/00 20200101ALI20231124BHJP
【FI】
G08G1/16 F
B60W50/10
B60W50/14
B60K35/00 Z
B60W60/00
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023168582
(22)【出願日】2023-09-28
(62)【分割の表示】P 2022176617の分割
【原出願日】2020-11-04
(31)【優先権主張番号】P 2019214229
(32)【優先日】2019-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】太田 祐司
(72)【発明者】
【氏名】永田 麻子
(72)【発明者】
【氏名】山元 健史
(72)【発明者】
【氏名】横山 静香
(72)【発明者】
【氏名】久米 拓弥
(72)【発明者】
【氏名】和泉(小島) 一輝
(57)【要約】
【課題】自動運転中にてセカンドタスクをよりいっそう快適に利用可能とする技術を提供すること。
【解決手段】自動運転可能な車両に搭載されるHMI装置(20)を制御するように構成されたHMI制御装置(23)は、自動運転中に運転席乗員が実行可能なセカンドタスクをHMI装置により提示する、セカンドタスク提示部(234)を備えている。かかるセカンドタスク提示部は、実行所要時間の異なる複数のセカンドタスクを選択可能に提示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動運転可能な車両に搭載されるHMI装置(20)を制御するように構成された、HMI制御装置(23)であって、
自動運転中に運転席乗員が実行可能なセカンドタスクを前記HMI装置により提示する、セカンドタスク提示部(234)を備え、
前記セカンドタスク提示部は、実行所要時間の異なる複数のセカンドタスクを選択可能に提示する、
HMI制御装置。
【請求項2】
自動運転可能な車両に搭載されるHMI装置(20)を制御するように構成された、HMI制御装置(23)であって、
自動運転中に運転席乗員が実行可能なセカンドタスクを前記HMI装置により提示する、セカンドタスク提示部(234)を備え、
前記セカンドタスクの実行中であって自動運転を所定の継続時間継続した場合、前記車両の周辺情報を前記HMI装置により提示するように構成された、
HMI制御装置。
【請求項3】
自動運転可能な車両に搭載されるHMI装置(20)を制御するように構成されたHMI制御装置(23)により実行されるHMI制御プログラムであって、
前記HMI制御装置により実行される処理は、
自動運転中に運転席乗員が実行可能なセカンドタスクを前記HMI装置により提示する処理を含み、
前記セカンドタスクを提示する処理にて、実行所要時間の異なる複数のセカンドタスクを選択可能に提示する、
HMI制御プログラム。
【請求項4】
自動運転可能な車両に搭載されるHMI装置(20)を制御するように構成されたHMI制御装置(23)により実行されるHMI制御プログラムであって、
前記HMI制御装置により実行される処理は、
自動運転中に運転席乗員が実行可能なセカンドタスクを前記HMI装置により提示する処理と、
前記セカンドタスクの実行中であって自動運転を所定の継続時間継続した場合、前記車両の周辺情報を前記HMI装置により提示する処理と、
を含む、HMI制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動運転可能な車両に搭載されるHMI装置を制御する、HMI制御装置およびHMI制御プログラムに関する。HMIはヒューマン マシン インタフェースの略である。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両における自動運転システムが種々提案されている(例えば特許文献1等参照)。自動運転中においては、車両における運転席乗員である運転者は、セカンドタスクを自由に実行することが可能となる。セカンドタスクとは、運転者が実行する、運転操作以外のタスクである。具体的には、セカンドタスクには、例えば、携帯通信端末操作、映像コンテンツ視聴、等が含まれる。セカンドタスクは、「運転外タスク」あるいは「セカンダリーアクティビティ」とも称される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-107502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
セカンドタスクの実行所要時間は様々である。すなわち、例えば、携帯電話等の携帯通信端末を操作する場合は、実行所要時間が比較的短い。これに対し、映画鑑賞の場合は、実行所要時間が長時間となり得る。よって、例えば、実行所要時間が長時間のセカンドタスクが実行途中で中断されたり、実行所要時間が短時間のセカンドタスクの選択操作が頻繁に要求されたりすると、利便性が損なわれ得る。
【0005】
本発明は、上記に例示した事情等に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、例えば、自動運転中にてセカンドタスクをよりいっそう快適に利用可能とする技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
HMI制御装置(23)は、自動運転可能な車両に搭載されるHMI装置(20)を制御するように構成されている。
請求項1に記載のHMI制御装置は、
自動運転中に運転席乗員が実行可能なセカンドタスクを前記HMI装置により提示する、セカンドタスク提示部(234)を備え、
前記セカンドタスク提示部は、実行所要時間の異なる複数のセカンドタスクを選択可能に提示する。
請求項2に記載のHMI制御装置は、
自動運転中に運転席乗員が実行可能なセカンドタスクを前記HMI装置により提示する、セカンドタスク提示部(234)を備え、
前記セカンドタスクの実行中であって自動運転を所定の継続時間継続した場合、前記車両の周辺情報を前記HMI装置により提示するように構成されている。
HMI制御プログラムは、自動運転可能な車両に搭載されるHMI装置(20)を制御するように構成されたHMI制御装置(23)により実行されるプログラムである。
請求項3に記載のHMI制御プログラムにおいて、前記HMI制御装置により実行される処理は、
自動運転中に運転席乗員が実行可能なセカンドタスクを前記HMI装置により提示する処理を含み、
前記セカンドタスクを提示する処理にて、実行所要時間の異なる複数のセカンドタスクを選択可能に提示する。
請求項4に記載のHMI制御プログラムにおいて、前記HMI制御装置により実行される処理は、
自動運転中に運転席乗員が実行可能なセカンドタスクを前記HMI装置により提示する処理と、
前記セカンドタスクの実行中であって自動運転を所定の継続時間継続した場合、前記車両の周辺情報を前記HMI装置により提示する処理と、
を含む。
【0007】
なお、出願書類中の各欄において、各要素に括弧付きの参照符号が付されている場合がある。この場合、参照符号は、単に、同要素と後述する実施形態に記載の具体的構成との対応関係の一例を示すものであるにすぎない。よって、本発明は、参照符号の記載によって、何ら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る運転制御ECUおよびHMI制御装置を含む車載システムの概略構成を示すブロック図である。
図2図1に示されたHMI装置における表示態様の一例を示す概略図である。
図3図1に示されたHMI装置における表示態様の他の一例を示す概略図である。
図4図1に示されたHMI装置における表示態様のさらに他の一例を示す概略図である。
図5図1に示されたHMI装置における表示態様のさらに他の一例を示す概略図である。
図6図1に示された車載システムの一動作例を示すフローチャートである。
図7図1に示された運転制御ECUの一動作例を示すフローチャートである。
図8図1に示されたHMI制御装置の一動作例を示すフローチャートである。
図9図1に示された運転制御ECUの一動作例を示すフローチャートである。
図10図1に示されたHMI装置における表示態様のさらに他の一例を示す概略図である。
図11図1に示されたHMI制御装置の他の一動作例を示すフローチャートである。
図12図1に示されたHMI制御装置のさらに他の一動作例を示すフローチャートである。
図13図1に示された車載システムの他の一動作例を示すフローチャートである。
図14図1に示された運転制御ECUの他の一動作例を示すフローチャートである。
図15図1に示されたHMI制御装置のさらに他の一動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態)
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、一つの実施形態に対して適用可能な各種の変形例については、当該実施形態に関する一連の説明の途中に挿入されると、当該実施形態の理解が妨げられるおそれがある。このため、変形例については、当該実施形態に関する一連の説明の途中ではなく、その後にまとめて説明する。
【0010】
(構成)
図1を参照すると、車載システム10は、自動運転可能な車両に搭載されている。「自動運転」とは、SAE Internationalが公開している規格「SAE J3016」におけるレベル3~5に該当する、車載システム10が全ての動的運転タスクを担当する運転自動化レベルをいうものとする。SAEはSociety of Automotive Engineersの略である。「動的運転タスク」の定義は後述する。「SAE J3016」におけるレベルXを、以下「SAEレベルX」と称する。Xは0~5のうちのいずれかである。本実施形態においては、車載システム10は、車両としての自動車に搭載されることで、当該車両における運転自動化レベルをSAEレベル0~3のいずれかに設定可能に構成されている。車載システム10を搭載した車両を、以下「自車両」と称することがある。
【0011】
(システム全体構成)
車載システム10は、車載通信回線10Aおよびこの車載通信回線10Aを介して相互に接続された複数のノード等を含む車載ネットワークであって、自車両運転時の各種車両制御およびこれに伴う各種表示動作等を実行可能に構成されている。車載システム10は、CAN(国際登録商標:国際登録番号1048262A)等の所定の通信規格に準拠するように構成されている。CAN(国際登録商標)はController Area Networkの略である。
【0012】
車載システム10は、車両状態センサ11と、外界状態センサ12と、周辺監視センサ13と、ロケータ14と、DCM15と、ナビゲーション装置16と、運転制御ECU17と、DSM18と、操作部19と、HMI装置20とを備えている。DCMはData Communication Moduleの略である。ECUはElectronic Control Unitの略である。DSMはDriver Status Monitorの略である。車両状態センサ11~HMI装置20は、車載通信回線10Aを介して相互に接続されている。
【0013】
HMI装置20は、メータパネル21と、CID装置22と、HMI制御装置23とを備えている。CIDはCenter Information Displayの略である。メータパネル21およびCID装置22は、車載通信回線10Aとは異なるサブ通信回線を介して、HMI制御装置23と情報通信可能に接続されている。HMI制御装置23は、車載通信回線10Aに接続されたノードとして設けられている。
【0014】
(各種センサ)
車両状態センサ11は、自車両の運転状態に関連する諸量に対応する出力を発生するように設けられている。「運転状態に関連する諸量」は、例えば、アクセル操作量、ブレーキ操作量、シフトポジション、操舵角、等の、運転者による運転操作状態に関連する諸量を含む。「運転者」とは、動的運転タスクを担当あるいは実行する乗員、典型的には、自車両における運転席に搭乗する乗員をいい、「運転席乗員」とも称され得る。また、「運転状態に関連する諸量」は、例えば、走行速度、角速度、前後方向加速度、左右方向加速度、等の、自車両の挙動に関連する物理量を含む。すなわち、車両状態センサ11は、アクセル開度センサ、操舵角センサ、車輪速センサ、角速度センサ、加速度センサ、等の、運転制御に必要な周知のセンサ類を、図示および説明の簡略化のために総称したものである。車両状態センサ11は、車載通信回線10Aを介して、運転制御ECU17等の各部に検出出力を提供可能に設けられている。
【0015】
外界状態センサ12は、自車両の周囲の自然環境に関連する諸量に対応する出力を発生するように設けられている。「自然環境に関連する諸量」は、例えば、外気温、降雨量、照度、等の物理量を含む。すなわち、外界状態センサ12は、外気温センサ、雨滴センサ、照度センサ、等の周知のセンサ類を、図示および説明の簡略化のために総称したものである。外界状態センサ12は、車載通信回線10Aを介して、運転制御ECU17等の各部に検出出力を提供可能に設けられている。
【0016】
周辺監視センサ13は、自車両の周囲の交通環境のうち、主として、外界状態センサ12により検知可能なもの以外を検知するように設けられている。具体的には、周辺監視センサ13は、自車両の周囲の所定の検知範囲における、移動物体および静止物体を検知可能に構成されている。「移動物体」は、歩行者、サイクリスト、動物、および走行中の他車両を含む。「静止物体」は、路上落下物、ガードレール、縁石、駐停車車両、道路標識、および道路標示に加えて、道路脇の構造物(例えば、中央分離帯、建造物、等。)を含む。周辺監視センサ13は「ADASセンサ」とも称され得る。ADASはAdvanced Driver-Assistance Systemsの略である。本実施形態においては、周辺監視センサ13は、移動物体および静止物体を検知するための構成として、フロントカメラ131とレーダセンサ132とを有している。
【0017】
フロントカメラ131は、自車両の前方および前側方の画像を撮影するように設けられている。本実施形態においては、フロントカメラ131は、デジタルカメラ装置であって、CCDあるいはCMOS等の画像センサを備えている。CCDはCharge Coupled Deviceの略である。CMOSはComplementary MOSの略である。
【0018】
レーダセンサ132は、レーダ波を送受信するように構成された、ミリ波レーダセンサ、サブミリ波レーダセンサ、またはレーザレーダセンサであって、自車両における車体の前面部に装着されている。レーダセンサ132は、反射点の、位置および相対速度に対応する信号を出力するように構成されている。「反射点」は、自車両の周囲に存在する物体の表面上における、レーダ波を反射したと推定される点である。「相対速度」は、反射点すなわちレーダ波を反射した物体の、自車両に対する相対速度である。
【0019】
(ロケータ)
ロケータ14は、いわゆる複合測位により、自車両の高精度な位置情報等を決定するように構成されている。具体的には、ロケータ14は、GNSS受信器141と、慣性取得部142と、高精度地図DB143と、ロケータECU144とを有している。GNSSはGlobal Navigation Satellite Systemの略である。DBはデータベースの略である。「高精度な位置情報」とは、例えば、SAEレベル2以上の、高度運転支援あるいは自動運転に利用可能な程度、具体的には、誤差が10cm未満となるような程度の位置精度を有する位置情報である。
【0020】
GNSS受信器141は、複数の測位衛星すなわち人工衛星から送信された測位信号を受信するように設けられている。本実施形態においては、GNSS受信器141は、GPS、QZSS、GLONASS、Galileo、IRNSS、北斗衛星導航系統、等の衛星測位システムのうちの少なくとも1つにおける測位衛星からの測位信号を受信可能に構成されている。GPSはGlobal Positioning Systemの略である。QZSSはQuasi-Zenith Satellite Systemの略である。GLONASSはGlobal Navigation Satellite Systemの略である。IRNSSはIndian Regional Navigation Satellite Systemの略である。
【0021】
慣性取得部142は、自車両に作用する加速度および角速度を取得するように構成されている。本実施形態においては、慣性取得部142は、ロケータ14における箱状の筐体内に内蔵された3軸ジャイロセンサおよび3軸加速度センサとして設けられている。
【0022】
高精度地図DB143は、高精度地図情報を書き換え可能に記憶するとともに電源遮断中にも記憶内容を保持するように、不揮発性リライタブルメモリを主体に構成されている。不揮発性リライタブルメモリは、例えば、ハードディスク、EEPROM、フラッシュROM、等である。EEPROMはElectronically Erasable and Programmable ROMの略である。ROMはRead Only Memoryの略である。高精度地図情報は、高精度地図データとも称され得る。高精度地図情報には、数メートル程度の位置誤差に対応する従来のカーナビゲーションシステムにて用いられていた地図情報よりも、高精度な地図情報が含まれている。具体的には、高精度地図DB143には、ADASIS規格等の所定の規格に準拠して、三次元道路形状情報、レーン数情報、規制情報、等の、高度運転支援あるいは自動運転に利用可能な情報が格納されている。ADASISはAdvanced Driver Assistance Systems Interface Specificationの略である。
【0023】
ロケータECU144は、図示しないCPU、ROM、RAM、入出力インタフェース、等を備えた、いわゆる車載マイクロコンピュータとして構成されている。CPUはCentral Processing Unitの略である。RAMはRandom Access Memoryの略である。ロケータECU144は、GNSS受信器141にて受信した測位信号、慣性取得部142にて取得した加速度および角速度、車両状態センサ11から取得した走行速度、等に基づいて、自車両の位置および方角等を逐次決定するように構成されている。そして、ロケータ14は、ロケータECU144による位置および方角等の決定結果を、車載通信回線10Aを介して、ナビゲーション装置16、運転制御ECU17、およびHMI制御装置23等の各部に提供可能に設けられている。
【0024】
(DCM)
DCM15は、車載通信モジュールであって、LTEあるいは5G等の通信規格に準拠した無線通信により、自車両の周囲の基地局との間で情報通信可能に設けられている。LTEはLong Term Evolutionの略である。5Gは5th Generationの略である。具体的には、例えば、DCM15は、クラウド上のプローブサーバから最新の高精度地図情報を取得するように構成されている。また、DCM15は、取得した最新の高精度地図情報を、ロケータECU144と連携することで、高精度地図DB143に格納するようになっている。さらに、DCM15は、渋滞情報等の交通情報を、上記のプローブサーバおよび/または所定のデータベースから取得するように構成されている。交通情報は「道路交通情報」とも称される。
【0025】
(ナビゲーション装置)
ナビゲーション装置16は、自車両の現在位置から所定の目的地までの走行予定経路を算出するように設けられている。本実施形態においては、ナビゲーション装置16は、自車両の運転者等により設定された目的地と、ロケータ14から取得した高精度地図情報と、ロケータ14から取得した自車両の位置情報および方角情報とに基づいて、走行予定経路を算出するように構成されている。また、ナビゲーション装置16は、算出結果である経路情報を含む各種情報を、運転制御ECU17およびHMI制御装置23等の各部に車載通信回線10Aを介して提供可能に設けられている。すなわち、ナビゲーション装置16は、地図表示および経路表示等のためナビゲーション画面表示を、HMI装置20にて表示させるようになっている。
【0026】
(運転制御ECU)
運転制御ECU17は、車両状態センサ11、外界状態センサ12、周辺監視センサ13、ロケータ14、等から取得した信号および情報に基づいて、自車両の運転を制御するように設けられている。すなわち、運転制御ECU17は、所定の運転制御動作を実行するように構成されている。「所定の運転制御動作」は、本実施形態においては、SAEレベル1~3に対応する、車両制御動作すなわち動的運転タスク実行動作である。「動的運転タスク」の定義は、「SAE J3016」に準拠したものである。すなわち、「動的運転タスク」とは、道路交通において車両を操作する際にリアルタイムで行う必要がある全ての操作上および戦術上の機能であって、戦略上の機能を除いたものである。「戦略上の機能」は、行程計画、経由地選択、等である。
【0027】
本発明の運転制御装置としての運転制御ECU17は、特定区間走行中および/または渋滞中に、SAEレベル3の自動運転可能な車両の運転を制御するように構成されている。「特定区間」とは、あらかじめSAEレベル3の自動運転可能に設定された走行区間である。特定区間においては、自動運転中、所定の高速度域で走行可能である。所定の高速度域は、例えば、60km/h以上法定速度以下である。このような、特定区間にて高速度域での走行が可能な、SAEレベル3の自動運転を、以下「高速度域自動運転」と称する。一方、渋滞中に実行されるSAEレベル3の自動運転を、以下「渋滞時自動運転」と称する。SAEレベル3の自動運転では、運転者が自車両の周辺を監視する義務はない。
【0028】
運転制御ECU17は、図示しないCPU、ROM、不揮発性リライタブルメモリ、RAM、入出力インタフェース、等を備えた、いわゆる車載マイクロコンピュータとしての構成を有している。具体的には、運転制御ECU17は、車載マイクロコンピュータ上にて実現される機能構成あるいは機能部として、情報取得部171と、運転レベル決定部172と、車速制御部173とを有している。
【0029】
情報取得部171は、少なくとも自車両の走行状態を取得するように設けられている。「走行状態」には、車両状態センサ11、外界状態センサ12、周辺監視センサ13、等によって検出あるいは取得される、運転状態、自然環境、交通環境、等が含まれる。また、情報取得部171は、自車両の現在位置と、自車両が現在走行中の道路における交通情報とを取得するように設けられている。すなわち、情報取得部171は、SAEレベル1~3に対応する車両制御に必要な情報を、車両状態センサ11、外界状態センサ12、周辺監視センサ13、ロケータ14、DCM15、等から取得するようになっている。
【0030】
運転レベル決定部172は、情報取得部171により取得した走行状態等に基づいて、自動運転の実行可否を決定するように設けられている。すなわち、運転レベル決定部172は、自車両における運転自動化レベルを、SAEレベル0~3のいずれかに設定するようになっている。具体的には、運転レベル決定部172は、自動運転開始条件の成否を判定するとともに、かかる条件成立中に運転者の承認操作を受け付けた場合にSAEレベル3の自動運転を開始するようになっている。また、運転レベル決定部172は、SAEレベル3の自動運転を実行中に自動運転継続条件が不成立となった場合に、かかる自動運転を終了するために必要な制御を実行するようになっている。運転制御ECU17は、運転レベル決定部172による運転自動化レベルの設定結果を、HMI制御装置23等の各部に車載通信回線10Aを介して提供可能に設けられている。
【0031】
車速制御部173は、運転レベル決定部172によって決定された、自動運転の実行可否に応じて、自車両の走行速度を制御するように設けられている。具体的には、車速制御部173は、運転自動化レベルがSAEレベル1~3のいずれかに設定された場合に、設定された運転自動化レベルに応じた走行速度制御を実行するようになっている。なお、運転制御ECU17には、設定された運転自動化レベルに応じた操舵制御、制動制御、等を実行する、不図示の操舵制御部、制動制御部、等も設けられている。すなわち、運転制御ECU17は、運転レベル決定部172によって決定された運転自動化レベルに応じた、車速制御、操舵制御、制動制御、等の車両運動制御サブタスクを実行する、車両制御ユニットとしての構成を備えている。
【0032】
(DSM)
DSM18は、CCDあるいはCMOS等の画像センサを備えた車内カメラによる撮影画像に基づく画像認識により、運転者の状態を検出するように構成されている。また、DSM18は、運転者の状態の検出結果に基づいて、ダッシュボード等に設けられた不図示のスピーカ等を用いて脇見運転等に関する警告等を行うように構成されている。さらに、DSM18は、運転者の状態の検出結果を、運転制御ECU17およびHMI制御装置23等の各部に車載通信回線10Aを介して提供可能に設けられている。
【0033】
(操作部)
操作部19は、自車両における運動制御入力以外の、運転者の手動入力操作を受け付けるように構成されている。「運動制御入力」とは、自車両の手動運転時における、横方向あるいは縦方向の運動制御に直接関連する制御入力であって、具体的には、例えば、シフト操作、アクセル操作、ブレーキ操作、ステアリング操作、等である。なお、SAEレベル2に含まれる、ウィンカスイッチ191の操作に連動した車線変更機能における、ウィンカスイッチ191の操作は、上記の「運動制御入力」とは異なる。
【0034】
具体的には、操作部19は、ウィンカスイッチ191を有している。ウィンカスイッチ191は、ステアリングコラムに設けられた操作レバーである不図示のウィンカーレバーの操作状態に応じた信号を出力するように構成されている。また、操作部19は、ステアリングホイールにおけるスポーク部に設けられた不図示のステアスイッチを有している。さらに、操作部19は、運転席を含む各乗員座席に対応して設けられた、座席位置調整スイッチ、着座姿勢調整スイッチ、窓開閉スイッチ、等を有している。操作部19は、運転者による入力操作の受け付け結果を、車載通信回線10Aを介して、運転制御ECU17およびHMI制御装置23等の各部に提供可能に設けられている。
【0035】
(HMI装置)
HMI装置20は、運転者に自車両に関する各種情報を少なくとも視覚的に提示するとともに、提示内容に対応する運転者の入力操作を受け付けるように設けられている。本実施形態においては、自動運転可能な自車両に搭載されたHMI装置20は、自動運転に関する各種の情報提示と運転者による入力操作の受け付けとを実行可能に構成されている。「情報提示」は、例えば、各種案内、入力操作指示、入力操作内容報知、警告、等である。
【0036】
上記の通り、HMI装置20は、不図示のダッシュボードに設けられた、メータパネル21およびCID装置22を備えている。すなわち、本実施形態においては、HMI装置20は、不図示のダッシュボードに取り付けられる、いわゆる「ダッシュボードHMI」としての構成を有している。また、HMI装置20は、音声による情報提示を実行するための不図示のスピーカを備えている。
【0037】
メータパネル21は、メータ211と、メータディスプレイ212と、メータスイッチ213とを有している。メータ211は、自車両の走行速度、冷却水温、燃料残量、等のメータ表示を実行するように設けられている。メータディスプレイ212は、メータパネル21の中央に設けられた情報表示部であって、日時、外気温、走行距離、ラジオ受信局、等の各種情報表示を実行するように設けられている。メータスイッチ213は、メータ211および/またはメータディスプレイ212における表示状態あるいは表示内容に関する各種操作、例えば、トリップメータのリセット操作等を受け付け可能に設けられている。
【0038】
CID装置22は、ダッシュボードに設けられている。CID装置22は、ナビゲーション装置16による地図表示および経路表示等のためナビゲーション表示画面を表示可能に設けられている。また、CID装置22は、かかるナビゲーション表示画面とは異なる情報および内容も表示可能に設けられている。具体的には、CID装置22は、例えば、「コンフォート」、「ノーマル」、「スポーツ」、「サーキット」、等の走行モードに関連する表示を実行可能に構成されている。また、CID装置22は、SAEレベル3の自動運転中に運転者が実行可能なセカンドタスクに関連する表示を実行可能に構成されている。
【0039】
CID装置22は、CIDディスプレイ221と、入力デバイス222と、CIDスイッチ223とを有している。CIDディスプレイ221は、ダッシュボードの車幅方向における略中央部にて、少なくとも運転者から視認可能に設けられている。CIDディスプレイ221は、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイである表示デバイスとしての構成を有している。ELはエレクトロ ルミネッセンスの略である。
【0040】
入力デバイス222は、透明なタッチパネルであって、CIDディスプレイ221を覆うように設けられている。すなわち、入力デバイス222は、CIDディスプレイ221における表示を運転者等に視認させつつ、運転者等による入力操作を受け付けるように構成されている。CIDスイッチ223は、CIDディスプレイ221および入力デバイス222の周囲に配置された複数の手動操作スイッチを有している。
【0041】
図2図5は、CIDディスプレイ221における、自動運転中のセカンドタスクに関連する表示画面例を示す。図2および図3は、長時間コンテンツの一例である映画を鑑賞中の場合を示す。図4は、短時間コンテンツの一例である携帯通信端末操作の実行を許可する場合を示す。図5は、実行所要時間の異なる複数のコンテンツを選択可能に提示するメニュー画面を示す。
【0042】
「長時間コンテンツ」は、登録コンテンツのうち、実行所要時間が比較的長い(例えば30分以上の)コンテンツである。「登録コンテンツ」は、自車両の製造販売者あるいは運転者を含む自車両の使用者によってあらかじめ登録あるいは利用可能化された、セカンドタスクとして利用可能なコンテンツである。「短時間コンテンツ」は、登録コンテンツのうち、長時間コンテンツよりも実行所要時間が短い(例えば30分未満の)コンテンツである。「コンテンツ」は、例えば、映像コンテンツ、文字コンテンツ、等である。「映像コンテンツ」は、例えば、映画、コンサート映像、ミュージックビデオ、テレビ放送、ゲーム、テレビ電話、等である。「文字コンテンツ」は、例えば、書籍、雑誌、文字放送、等である。
【0043】
図2図5を参照すると、CIDディスプレイ221による表示画面は、第一表示領域DAと第二表示領域DBとを有している。第一表示領域DAは、主として映像コンテンツおよび文字コンテンツを比較的大画面で表示する領域であって、「メイン表示領域」とも称され得る。
【0044】
第二表示領域DBは、画面上下方向について、第一表示領域DAの上方に設けられている。「画面上下方向」とは、CIDディスプレイ221に正対する運転者等を基準とした上下方向であって、図2図5における上下方向である。第二表示領域DBは、CIDディスプレイ221による表示画面における最上部に設けられた表示領域であって、交通情報等の各種文字情報を表示可能となっている。第二表示領域DBは「情報表示バー」とも称され得る。なお、第二表示領域DBは、CIDディスプレイ221による表示画面内であれば、どこに設けてもよい。また、第二表示領域DBを、CIDディスプレイ221に隣接する表示機器に設けてもよい。
【0045】
図2および図3を参照すると、第一表示領域DAは、中央表示領域DA1と、左マージン領域DA2と、右マージン領域DA3とを有している。中央表示領域DA1は、映像コンテンツおよび文字コンテンツを表示する領域であって、画面左右方向について左マージン領域DA2と右マージン領域DA3との間に設けられている。「画面左右方向」とは、CIDディスプレイ221に正対する運転者等を基準とした左右方向であって、図2図5における左右方向である。
【0046】
左マージン領域DA2は、画面左右方向について、中央表示領域DA1の左側に設けられている。左マージン領域DA2には、矢印状の種類変更ボタンDA4が設けられている。種類変更ボタンDA4は、コンテンツの種類を映画、ミュージックビデオ、テレビ放送、ゲーム、書籍、等の間で変更するために操作される操作ボタンであって、左マージン領域DA2の略中央部に配置されている。
【0047】
右マージン領域DA3は、画面左右方向について、中央表示領域DA1の右側に設けられている。右マージン領域DA3にも、種類変更ボタンDA4が設けられている。種類変更ボタンDA4は、右マージン領域DA3の略中央部に配置されている。右マージン領域DA3における種類変更ボタンDA4は、左マージン領域DA2における種類変更ボタンDA4とは逆順にコンテンツの種類を変更するために操作されるように設けられている。
【0048】
右マージン領域DA3には、また、コンテンツ変更ボタンDA5が設けられている。コンテンツ変更ボタンDA5は、同一の時間カテゴリ間でのコンテンツの変更のために操作される操作ボタンであって、右マージン領域DA3の画面上下方向における下端部に配置されている。「時間カテゴリ」は、短時間コンテンツと長時間コンテンツとのうちのいずれであるかという種別である。
【0049】
図3に示されているように、右マージン領域DA3は、必要に応じて、承認ボタンDA6が表示されるようになっている。承認ボタンDA6は、運転者による各種承認操作を受け付けるために操作される操作ボタンであって、右マージン領域DA3の画面上下方向における上端部に配置されるようになっている。なお、承認ボタンDA6は、承認操作の内容に応じて、矩形状のボタン形状の内側に「OK」、「START」、「CONTINUE」等の文字列が表示されるようになっている。
【0050】
第二表示領域DBは、ステータス表示領域DB1と情報表示領域DB2とを有している。ステータス表示領域DB1は、自車両の現時点での運転自動化レベルに対応する情報を表示するように、画面左右方向における左端部に設けられている。ステータス表示領域DB1に表示される情報は、例えば、高速度域自動運転の場合は「専用区間走行」であり、渋滞時自動運転の場合は「渋滞走行」である。
【0051】
情報表示領域DB2は、画面左右方向について、ステータス表示領域DB1の右側に設けられている。情報表示領域DB2は、交通情報および運転状態に関する、各種の情報およびメッセージを、必要に応じて文字表示するようになっている。具体的には、情報表示領域DB2における表示は、情報表示ボックスDB3およびメッセージ表示ボックスDB4を含む。情報表示ボックスDB3は、渋滞情報等の交通情報を表示するようになっている。メッセージ表示ボックスDB4は、交通情報以外の、各種のメッセージあるいは警告を表示するようになっている。
【0052】
図4を参照すると、セカンドタスクとして、携帯電話等の携帯通信端末の操作を許可する場合、第一表示領域DAは、携帯端末許可画面DA7を表示するようになっている。携帯端末許可画面DA7は、運転者に携帯通信端末の操作を許可する旨の、文字および/または画像による表示により構成されている。なお、図4に示された表示画面においても、第二表示領域DBは、上記と同様の表示機能を有している。また、CIDディスプレイ221は、携帯端末許可画面DA7における任意の箇所がタッチされたことを入力デバイス222が検知した場合に、図5に示されたメニュー画面を表示するようになっている。
【0053】
図5を参照すると、メニュー画面において、第一表示領域DAは、複数のコンテンツ選択ボタンDA8と、複数の種類選択ボタンDA9とを表示するようになっている。コンテンツ選択ボタンDA8は、映画、コンサート映像、テレビ放送、ゲーム、等の各コンテンツ種類における、利用頻度の高い個別コンテンツを、サムネイル表示により提示するものである。種類選択ボタンDA9は、映画、コンサート映像、テレビ放送、ゲーム、等の各コンテンツ種類に対応して設けられている。なお、図5に示されたメニュー画面においても、第二表示領域DBは、上記と同様の表示機能を有している。
【0054】
(HMI制御装置)
再び図1を参照すると、HMI制御装置23は、HMI装置20の動作を制御するように構成されている。すなわち、HMI制御装置23は、HMI装置20に含まれる、メータパネル21およびCID装置22等の動作を制御するHCUとして構成されている。HCUはHMI Control Unitの略である。
【0055】
HMI制御装置23は、図示しないCPU、ROM、不揮発性リライタブルメモリ、RAM、入出力インタフェース、等を備えた、いわゆる車載マイクロコンピュータとしての構成を有している。HMI制御装置23は、マイクロコンピュータ上にて実現される機能構成あるいは機能部として、車両情報取得部231と、挙動取得部232と、時間取得部233と、セカンドタスク提示部234と、継続操作受付部235と、表示制御部236とを有している。
【0056】
車両情報取得部231は、車両状態センサ11等によって検出あるいは取得される、自車両の走行状態を取得するようになっている。また、車両情報取得部231は、自車両の現在位置と、走行予定経路と、自車両が現在走行中の道路を含む走行予定経路における交通情報とを取得するようになっている。さらに、車両情報取得部231は、運転レベル決定部172による運転自動化レベルの決定結果を、運転制御ECU17から取得するようになっている。
【0057】
挙動取得部232は、運転者の挙動の検出結果を取得するように設けられている。すなわち、挙動取得部232は、DSM18による挙動検出結果を、DSM18から車載通信回線10Aを介して取得するようになっている。なお、挙動取得部232は、入力デバイス222への操作による挙動検出結果を取得するようにしてもよい。
【0058】
時間取得部233は、車両情報取得部231における取得内容に基づいて、自動運転の継続可能時間を取得するように設けられている。具体的には、時間取得部233は、あらかじめ自動運転可能に設定された走行区間である特定区間を走行する場合、かかる特定区間の距離に基づいて、継続可能時間を取得するようになっている。一方、時間取得部233は、渋滞により自動運転が開始される場合に、かかる渋滞の継続予測時間に基づいて、継続可能時間を取得するようになっている。
【0059】
セカンドタスク提示部234は、時間取得部233により取得した継続可能時間に基づいて、自動運転中に運転者が実行可能なセカンドタスクをHMI装置20により提示するように設けられている。すなわち、セカンドタスク提示部234は、継続可能時間の取得結果に応じて、長時間コンテンツ提示画面、短時間コンテンツ提示画面、およびメニュー画面のうちのいずれかを、CIDディスプレイ221に表示するようになっている。「長時間コンテンツ提示画面」および「短時間コンテンツ提示画面」は、図2あるいは図3に対応する表示画面である。すなわち、長時間コンテンツ提示画面は、継続可能時間内に終了可能な長時間コンテンツのうちの1つを中央表示領域DA1に提示あるいは表示した表示画面である。一方、短時間コンテンツ提示画面は、継続可能時間内に終了可能な短時間コンテンツのうちの1つを中央表示領域DA1に提示あるいは表示した表示画面である。
【0060】
具体的には、本実施形態においては、セカンドタスク提示部234は、取得した継続可能時間が所定の閾値未満である場合に、短時間コンテンツ提示画面をCIDディスプレイ221に表示するようになっている。一方、セカンドタスク提示部234は、取得した継続可能時間が所定の閾値以上である場合に、長時間コンテンツ提示画面をCIDディスプレイ221に表示するようになっている。また、セカンドタスク提示部234は、何らかの理由で時間取得部233が継続可能時間を取得できなかった場合、メニュー画面をCIDディスプレイ221に表示することで、実行所要時間の異なる複数のセカンドタスクを選択可能に提示するようになっている。
【0061】
継続操作受付部235は、渋滞の一時的解消が検知された場合、実行中のセカンドタスクを継続するための入力操作である継続操作を受け付けるように設けられている。「渋滞の一時的解消が検知された場合」は、例えば、取得した渋滞情報による渋滞区間内に自車両の現在位置が存在し、且つ、周辺監視センサ13が自車両前方にて所定距離以上の加速可能区間を検知した場合である。あるいは、「渋滞の一時的解消が検知された場合」は、例えば、取得した渋滞情報による渋滞区間内に自車両の現在位置が存在し、且つ、自車両の車速が所定の解消下限車速(例えば10km/h)以上且つ所定の解消上限車速(例えば60km/h)未満となったことを検知した場合である。なお、自車両の車速が上記の解消上限車速(以上となった場合、渋滞が完全に解消したと検知され、セカンドタスクが実施不可能な運転自動化レベルとなる。
【0062】
具体的には、継続操作受付部235は、渋滞の一時的解消が検知された場合、一時的渋滞解消を示す交通情報を情報表示ボックスDB3にて表示するとともに、承認ボタンDA6を表示するようになっている。また、継続操作受付部235は、承認ボタンDA6の表示位置に対応する位置にて、継続操作すなわち入力デバイス222におけるタッチ入力操作があったか否かを検出するようになっている。
【0063】
また、本実施形態においては、継続操作受付部235は、渋滞の一時的解消が検知された場合、運転者に前方すなわち自車両の進行先の道路状況を確認させるための「前方注意」というメッセージを、メッセージ表示ボックスDB4にて表示するようになっている。そして、継続操作受付部235は、運転者が車両進行先の道路状況を確認中である旨の検出結果を挙動取得部232にて取得した場合に、継続操作を有効化するようになっている。さらに、継続操作受付部235は、継続操作の受け付けを有効化した場合、運転制御ECU17にて所定速度範囲を超えないように自車両の走行速度を制御させるために、継続操作を有効化したことを運転制御ECU17に通知するようになっている。
【0064】
表示制御部236は、セカンドタスク提示部234および継続操作受付部235における表示制御以外の表示制御を実行するように設けられている。具体的には、例えば、表示制御部236は、渋滞情報等の交通情報に変更が生じた場合に、最新の情報を情報表示ボックスDB3により表示するようになっている。また、表示制御部236は、セカンドタスク実行不可であるSAEレベル0~2の運転自動化レベルにおける、CID装置22による各種表示制御を実行するようになっている。
【0065】
(動作概要:第一実施形態)
以下、本実施形態に係る運転制御ECU17およびHMI制御装置23の動作、ならびに、これらにより実行される方法およびプログラムの概要について、本実施形態の構成により奏される効果とともに説明する。
【0066】
運転制御ECU17における情報取得部171は、自車両の走行状態を含む各種情報を取得する。具体的には、情報取得部171は、運転状態および交通環境を、車両状態センサ11、外界状態センサ12、および周辺監視センサ13から取得する。また、情報取得部171は、自車両の高精度な位置情報と、自車両位置およびその周辺における交通規制情報等とを、ロケータ14から取得する。また、情報取得部171は、自車両の現在位置から所定の目的地までの走行予定経路を、ナビゲーション装置16から取得する。
【0067】
また、情報取得部171は、走行状態としての渋滞状態を、周辺監視センサ13およびDCM15から取得する。「渋滞状態」とは、自車両の走行予定経路内での、自車両の進行先における渋滞の発生状態である。すなわち、「渋滞状態」は、例えば、自車両の走行予定経路内における、渋滞先頭位置、渋滞最後尾位置、渋滞長さ、等を含む。また、「渋滞状態」は、自車両が渋滞に突入したか否か、渋滞が一時的に解消したか否か、等を含む。
【0068】
また、情報取得部171は、運転者の状態を、DSM18から取得する。また、情報取得部171は、運転者による操作部19の操作状態を、操作部19から取得する。さらに、情報取得部171は、運転者によるセカンドタスクの実行状態を、HMI制御装置23から取得する。
【0069】
運転レベル決定部172は、情報取得部171により取得した走行状態等の各種情報に基づいて、自動運転の実行可否を決定する。具体的には、運転レベル決定部172は、情報取得部171により取得した各種情報等に基づいて、SAEレベル1~3に相当する運転自動化レベルの開始条件を判定する。例えば、本実施形態においては、SAEレベル3の自動運転の開始条件は、特定区間走行中または渋滞中であること、自動運転可能な交通環境であること、等を含む。「自動運転可能な交通環境であること」は、例えば、各種センサあるいは目視による交通環境の確認を良好に行うことが可能であること、自動運転予定区間内にて事故あるいは道路工事等の阻害事象がないこと、等を含む。
【0070】
運転制御ECU17は、運転レベル決定部172によって決定された、自動運転の実行可否に応じて、車速制御、操舵制御、制動制御、等を実行する。例えば、車速制御部173は、運転レベル決定部172によって決定された、自動運転の実行可否に応じて、自車両の走行速度を制御する。具体的には、車速制御部173は、SAEレベル3の自動運転中は、自車両の走行速度を所定速度範囲内に維持しつつ、先行車両との車間距離を走行速度に応じた所定距離確保するように、自車両の走行速度を制御する。さらに、SAEレベル3の自動運転中は、運転制御ECU17は、自車両が現在走行中の車線内から逸脱しないように、操舵制御を実行する。
【0071】
運転レベル決定部172にて、運転自動化レベルをSAEレベル3に設定するためには、HMI装置20を用いた運転者の承認操作が必要となる。そこで、HMI装置20は、自動運転に関する各種情報を提示するとともに、提示した情報に対応する運転者の操作を受け付ける。
【0072】
具体的には、HMI制御装置23は、SAEレベル3の自動運転の開始条件が成立した場合、自動運転を実行可能である旨をメータパネル21およびCIDディスプレイ221に表示させる。また、HMI制御装置23は、自動運転実行を承認して自車両の自動運転を開始させるための実行ボタンと、自動運転実行を承認せず自車両の自動運転開始を回避するための不実行ボタンとを、CIDディスプレイ221に表示させる。
【0073】
そして、HMI制御装置23は、入力デバイス222の操作状態をモニタすることで、実行ボタンと不実行ボタンとのうちのいずれか一方が所定時間内に選択操作されたか否かを判定する。HMI制御装置23は、実行ボタンと不実行ボタンとのうちのいずれか一方が所定時間内に選択操作されると、これら双方の表示を消去するとともに、操作の受け付け結果を運転制御ECU17に通知すなわち送信する。所定時間内に実行ボタンと不実行ボタンとの双方がともに選択操作されなかった場合、HMI制御装置23は、不実行ボタンが選択操作された場合と同様の処理を行う。なお、入力デバイス222の操作に代えて、ステアリングホイールに設けられたステアスイッチ等の入力ボタンを運転者が操作することで、自動運転の実行または不実行が選択されるようにしてもよい。
【0074】
上記のように、実行ボタンの選択操作等により、SAEレベル3の自動運転が開始する。すると、運転者による操作により、セカンドタスクの実行が可能となる。HMI制御装置23は、CIDディスプレイ221に、セカンドタスクとして利用可能なコンテンツを、運転者により選択操作可能に表示する。かかるコンテンツは、例えば、自車両の現在の運転者を含む使用者によりあらかじめ登録され得る。また、かかるコンテンツは、DCM15を用いたV2X通信により、サーバから提供され得る。V2XはVehicle to Xの略である。
【0075】
HMI制御装置23は、入力デバイス222の操作状態をモニタすることで、運転者による選択操作を受け付ける。CIDディスプレイ221にて提示すなわち表示されたコンテンツを運転者が選択操作することで、選択操作されたコンテンツの利用が開始される。
【0076】
ところで、セカンドタスクの実行所要時間は様々である。すなわち、例えば、携帯電話等の携帯通信端末を操作する場合は、実行所要時間が比較的短い。これに対し、映画鑑賞の場合は、実行所要時間が長時間となり得る。
【0077】
例えば、セカンドタスクの実行可能時間すなわち自動運転の継続可能時間が30分程度という比較的短時間である場合があり得る。このような場合に、CIDディスプレイ221にて提示されたコンテンツが、所要時間が1時間以上の映画のみであると、利用者である運転者が不便さを感じることがあり得る。映画の上映が途中で終了してしまうからである。
【0078】
これに対し、例えば、セカンドタスクの実行可能時間が1時間以上という比較的長時間である場合があり得る。このような場合に、CIDディスプレイ221にて提示されたコンテンツが、所要時間が5分程度のミュージックビデオのみであると、利用者である運転者が不便さを感じることがあり得る。コンテンツの選択操作を何度も繰り返し行わなければならなくなるからである。
【0079】
一方、セカンドタスクの実行可能時間は、多くの場合、或る程度の精度で事前に予測可能である。すなわち、例えば、高速度域自動運転の場合、自動運転可能な特定区間の距離は既知である。このため、高速度域自動運転の場合、自動運転の継続可能時間を概算することが可能である。また、例えば、渋滞時自動運転の場合、自動運転の継続可能時間すなわち渋滞の継続予測時間は、渋滞中の自車両の平均走行速度と、渋滞情報から取得される渋滞距離とに基づいて概算することが可能である。あるいは、例えば、渋滞の継続予測時間は、「ABCインターチェンジ-XYZインターチェンジ間 渋滞**分」という渋滞情報から直接的に取得すなわち読み取られ得る。そして、セカンドタスクの実行可能時間は、自動運転の継続可能時間の概算値に基づいて予測可能である。
【0080】
そこで、HMI制御装置23は、時間取得部233により自動運転の継続可能時間を取得する。そして、HMI制御装置23は、時間取得部233により取得した継続可能時間に基づいて、自動運転中に運転者が実行可能なセカンドタスクをHMI装置20により提示する。
【0081】
具体的には、車両情報取得部231は、車両状態センサ11等によって検出あるいは取得される、自車両の走行状態を取得する。また、車両情報取得部231は、自車両の現在位置と、走行予定経路と、自車両が現在走行中の道路を含む走行予定経路における交通情報とを取得する。
【0082】
時間取得部233は、車両情報取得部231における取得内容に基づいて、自動運転の継続可能時間を取得する。セカンドタスク提示部234は、時間取得部233により取得した継続可能時間に基づいて、自動運転中に運転者が実行可能なセカンドタスクをHMI装置20により提示する。
【0083】
このように、本実施形態に係るHMI制御装置23、並びに、これにより実行されるHMI制御方法およびHMI制御プログラムによれば、以下の効果が奏される。すなわち、例えば、セカンドタスクの実行可能時間すなわち自動運転の継続可能時間に適合したセカンドタスクコンテンツを、運転者に提示することが可能となる。換言すれば、自動運転が可能となった原因あるいは状況に応じた実行所要時間のセカンドタスクコンテンツを、運転者に提示することが可能となる。したがって、自動運転中にてセカンドタスクをよりいっそう快適に利用可能となる。
【0084】
例えば、自車両が、最低速度制限を有する自動車専用道路における特定区間外の走行区間を走行中に、渋滞に突入する場合があり得る。あるいは、自車両が、最低速度制限を有しない一般道路を走行中に、渋滞に突入する場合があり得る。あるいは、最低速度制限を有する自動車専用道路における特定区間において、事故または工事等により渋滞が発生する場合があり得る。これらの場合、所定の高速度域で走行可能な高速度域自動運転の開始条件が不成立となり得る。
【0085】
一方、これらの場合であっても、渋滞中であるため、所定の中低速域、例えば、10km/h未満で走行可能な、渋滞時自動運転の開始条件が成立可能となり得る。よって、これらの場合において、開始条件に含まれる他の条件が成立することで、SAEレベル3の渋滞時自動運転を実行してセカンドタスクを利用することが可能となる。したがって、本実施形態においては、運転レベル決定部172は、渋滞時自動運転における所定速度範囲に含まれる最低制限速度が設定された自動車専用道路を走行中且つ渋滞中である場合に、渋滞時自動運転の実行を決定する。なお、高速度域自動運転において渋滞に突入した場合、渋滞時自動運転に移行することなく、高速度域自動運転を継続する運転制御ECU17も存在する。この運転制御ECU17では、高速度域自動運転において渋滞に突入した場合、ただ先行車両との車間距離を確保するように、自車両の走行速度を制御する。これにより、セカンドタスクが継続される。
【0086】
上記の一例のように、SAEレベル3の渋滞時自動運転を実行してセカンドタスクの利用を開始した後に、渋滞が一時的に解消する場合があり得る。このような場合、自車両が渋滞の一時的解消区間に到達すると、自車両が増速制御される。なお、「増速制御」は、「増速側の加速制御」、「増速方向の加速制御」、あるいは単に「加速制御」とも称され得る。その後、自車両が再び渋滞の最後尾に到達する際に、自車両が減速制御される。
【0087】
上記のような、渋滞の一時的解消の場面において、自車両の増速制御により、走行速度が渋滞時自動運転の上限速度を一時的に超えてしまうと、渋滞時自動運転の継続条件が不成立となる。すると、運転自動化レベルが渋滞時SAEレベル3からSAEレベル2に変更され、セカンドタスクが利用不可となる。もっとも、その後の渋滞区間再突入により、SAEレベル3の渋滞時自動運転およびこれに伴うセカンドタスク利用が可能となる。
【0088】
このように、渋滞の一時的解消の場面において、自車両の増速制御により渋滞時自動運転が一時的に中断されると、セカンドタスク利用も一時的に中断され、利便性が悪い。そこで、運転制御ECU17およびHMI制御装置23は、渋滞の一時的解消が検知された場合、渋滞の一時的解消中に渋滞時自動運転およびこれに伴うセカンドタスク利用を継続するために必要な処理を実行する。
【0089】
具体的には、HMI制御装置23における継続操作受付部235は、渋滞の一時的解消が検知された場合、実行中のセカンドタスクを継続するための入力操作である継続操作を受け付ける。HMI制御装置23は、継続操作受付部235による継続操作の受け付け結果を、運転制御ECU17に送信する。
【0090】
運転制御ECU17における情報取得部171は、渋滞状態を取得する。また、情報取得部171は、HMI制御装置23から運転者によるセカンドタスクの実行状態を取得する。さらに、情報取得部171は、HMI制御装置23から継続操作の受け付け状態を取得する。すなわち、情報取得部171は、実行中のセカンドタスクの継続要求があったか否かを、HMI制御装置23から取得する。そして、車速制御部173は、取得した渋滞状態が渋滞の一時的解消であり、且つ、実行中のセカンドタスクの継続要求があった場合、走行速度を、所定速度範囲内すなわち自動車専用道路の最低制限速度より速く且つ渋滞時自動運転が継続される制限速度範囲内で増速制御する。
【0091】
本実施形態においては、渋滞の一時的解消の場面にて運転者がセカンドタスクの継続を希望した場合における、渋滞時自動運転およびセカンドタスクの、運転者の希望に反する一時的中断が、良好に回避され得る。したがって、本実施形態によれば、自動運転中にてセカンドタスクをよりいっそう快適に利用可能とすることが可能となる。
【0092】
渋滞の一時的解消が検知された場合であっても、必ずしも渋滞時自動運転がそのまま継続されるとは限らない。渋滞の一時的解消に伴って渋滞時自動運転が解除される場合、システムから運転者への運転の引き継ぎが円滑に行われる必要がある。このため、実行中の渋滞時自動運転およびセカンドタスクの、継続要求操作は、運転者が自車両前方の交通状況すなわち道路状況を充分把握している状態で行われることが望ましい。
【0093】
そこで、本実施形態においては、継続操作受付部235は、渋滞の一時的解消が検知された場合、運転者に前方(すなわち自車両の進行先)の道路状況を確認させるための「前方注意」というメッセージを表示する。また、継続操作受付部235は、運転者が車両進行先の道路状況を確認中である旨の検出結果を挙動取得部232にて取得した場合に、継続操作を有効化する。さらに、継続操作受付部235は、継続操作の受け付けを有効化した場合、運転制御ECU17にて所定速度範囲を超えないように自車両の走行速度を制御させるために、継続操作を有効化したことを運転制御ECU17に通知する。
【0094】
運転制御ECU17は、継続操作受付部235から、継続操作を有効化したことの通知を受けると、自動運転を継続するための処理を実行する。すなわち、運転レベル決定部172は、実行中のセカンドタスクを継続するための入力操作である継続操作がHMI装置20にて有効に受け付けられてHMI装置20から継続要求が通知された場合、自動運転の継続を決定する。具体的には、運転レベル決定部172は、運転者の挙動の検出結果が、車両進行先の道路状況を確認中である旨である場合に、継続操作がHMI装置20にて有効に受け付けられたものとして、渋滞時自動運転の継続を決定する。
【0095】
(動作例)
以上に説明した制御動作あるいは制御方法、および、これらに対応する制御プログラムの一具体例について、図6図9に示されたフローチャートを用いて説明する。なお、図示されたフローチャートにおいて、「S」は「ステップ」の略記である。
【0096】
(自動運転制御)
図6は、自動運転に関する車載システム10の一連の動作の流れを示す。図6に示された一連の動作を、以下「自動運転制御動作」と称する。
【0097】
ステップ601にて、車載システム10は、自動運転開始条件の成否を判定する。ステップ601の処理は、例えば、運転レベル決定部172の動作に対応するものとして、運転制御ECU17により実行される。ステップ601の処理内容の詳細については後述する。ステップ601の処理の後、車載システム10は、ステップ602に処理を進行させる。
【0098】
ステップ602にて、車載システム10は、自動運転を開始可能であるか否かを判定する。すなわち、車載システム10は、ステップ601における判定結果が、自動運転開始条件の成立と不成立とのうちのいずれであるかを判定する。
【0099】
自動運転を開始可能である場合(すなわちステップ602=YES)、車載システム10は、ステップ603の処理を実行する。ステップ603にて、車載システム10は、自動運転可能メッセージをHMI装置20に出力させる。自動運転可能メッセージは、自動運転が可能となった理由と、自動運転開始可能である旨とを含むメッセージであって、CIDディスプレイ221にて表示されるとともに、不図示のスピーカにより音声出力される。また、車載システム10は、上記の実行ボタンと不実行ボタンとをCIDディスプレイ221に表示させる。
【0100】
一方、自動運転を開始不可能である場合(すなわちステップ602=NO)、車載システム10は、ステップ603以降の処理を全てスキップして、自動運転制御動作を終了する。ステップ602の処理は、例えば、車両情報取得部231および表示制御部236の動作に対応するものとして、HMI制御装置23により実行される。ステップ603の処理は、例えば、表示制御部236の動作に対応するものとして、HMI制御装置23により実行される。
【0101】
ステップ603の処理の後、車載システム10は、ステップ604に処理を進行させる。ステップ604にて、車載システム10は、自動運転実行を承認して自車両の自動運転を開始させるための実行ボタンの操作により、運転者が自動運転開始を承認したか否かを判定する。ステップ604の処理は、HMI制御装置23の動作に対応するものとして、HMI制御装置23により実行される。
【0102】
運転者が実行ボタンを選択操作して自動運転開始を承認した場合(すなわちステップ604=YES)、車載システム10は、ステップ605~ステップ607の処理を順に実行する。一方、運転者が自動運転開始を承認しなかった場合(すなわちステップ604=NO)、車載システム10は、ステップ605以降の処理を全てスキップして、自動運転制御動作を終了する。なお、ステップ602またはステップ604における判定結果が「NO」であるために、自動運転制御動作が一旦終了した後であっても、所定の再開条件成立により、ステップ601からの処理が再開され得る。かかる再開条件は、例えば、所定の自動運転開始トリガー操作(例えば、操作部19に含まれる不図示のステアスイッチの操作、等。)、所定のインターバル時間の経過、あるいは、自車両の走行先における渋滞の発生の検知、等である。具体的には、例えば、高速度域自動運転可能な特定区間に進入した直後の段階で、自動運転開始がステップ604にて不承認とされる場合があり得る。このような場合、かかる特定区間から自車両が退出するまでに、かなりの走行距離あるいは走行時間を要することとなり得る。このため、このような場合、不承認操作後に運転者の気が変わったり渋滞に巻き込まれたりすることで、運転者が自動運転の実行を事後的に所望したときに、自動運転が充分利用可能となる。
【0103】
ステップ605にて、車載システム10は、自動運転を開始する。具体的には、例えば、ステップ601にて高速度域自動運転の開始条件が成立した場合、車載システム10は、高速度域自動運転の実行を開始する。一方、ステップ601にて渋滞時自動運転の開始条件が成立した場合、車載システム10は、渋滞時自動運転の実行を開始する。ステップ605の処理は、例えば、運転レベル決定部172の動作に対応するものとして、運転制御ECU17により実行される。
【0104】
ステップ606にて、車載システム10は、自動運転中に利用するセカンドタスクコンテンツの選択動作を実行する。ステップ606の処理は、HMI制御装置23の動作に対応するものとして、HMI制御装置23により実行される。ステップ606の処理内容の詳細については後述する。
【0105】
ステップ607にて、車載システム10は、ステップ606にて選択されたセカンドタスクコンテンツの実行すなわち利用を開始する。ステップ607の処理は、HMI制御装置23の動作に対応するものとして、HMI制御装置23により実行される。
【0106】
自動運転中、車載システム10は、ステップ608およびステップ609の処理を、繰り返し実行する。ステップ608にて、車載システム10は、自動運転を継続するか否かを判定する。ステップ608の処理は、運転制御ECU17およびHMI制御装置23により実行される。ステップ608の処理内容の詳細については後述する。
【0107】
ステップ609にて、車載システム10は、ステップ608における判定結果が、自動運転の終了であるか否かを判定する。自動運転を継続する場合(すなわちステップ609=NO)、車載システム10は、ステップ608に処理を戻す。なお、自動運転継続中に、ステップ606にて選択されたセカンドタスクコンテンツが終了した場合、処理がステップ606に戻される。一方、自動運転を終了する場合(すなわちステップ609=YES)、車載システム10は、ステップ610以降の処理を実行する。ステップ609の処理は、例えば、運転レベル決定部172の動作に対応するものとして、運転制御ECU17により実行される。
【0108】
ステップ610にて、車載システム10は、セカンドタスクを終了する。続くステップ611にて、車載システム10は、交代指示メッセージを、メータディスプレイ212およびCIDディスプレイ221にて表示させるとともに不図示のスピーカにて音声出力させる。交代指示メッセージは、運転交代を運転者に促すためのメッセージである。「運転交代」とは、システムから運転者への運転操作の引き継ぎ、すなわち、動的運転タスクの実行担当をシステムから運転者に交代することである。ステップ610およびステップ611の処理は、HMI制御装置23の動作に対応するものとして、HMI制御装置23により実行される。
【0109】
ステップ611の処理に続いて、車載システム10は、ステップ612の処理を実行する。ステップ612にて、車載システム10は、運転交代準備が完了して運転交代可能であるか否かを判定する。運転交代準備とは、運転交代のために運転者が運転態勢を整えることをいう。具体的には、車載システム10は、運転者におけるステアリングホイール把持状態および視線方向の検出結果に基づいて、運転交代準備が完了したか否かを判定する。ステップ612の処理は、例えば、情報取得部171および運転レベル決定部172の動作に対応するものとして、運転制御ECU17により実行される。
【0110】
運転交代準備が完了して運転交代可能である場合(すなわちステップ612=YES)、車載システム10は、処理をステップ613に進行させる。ステップ613にて、車載システム10は、運転交代を実行する。すなわち、車載システム10は、自動運転を終了し、運転自動化レベルをSAEレベル2に設定する。ステップ613の処理は、例えば、運転レベル決定部172の動作に対応するものとして、運転制御ECU17により実行される。その後、車載システム10は、自動運転制御動作を終了する。
【0111】
運転交代準備が完了していない場合(すなわちステップ612=NO)、車載システム10は、処理をステップ614に進行させる。ステップ614にて、車載システム10は、ステップ611による交代指示メッセージの表示開始から所定時間T1経過したか否かを判定する。所定時間T1経過前の場合(すなわちステップ614=NO)、車載システム10は、処理をステップ612に戻す。一方、所定時間T1経過した場合(すなわちステップ614=YES)、車載システム10は、処理をステップ615およびステップ616に進行させる。ステップ614の処理は、HMI制御装置23の動作に対応するものとして、HMI制御装置23により実行される。
【0112】
ステップ615にて、車載システム10は、交代警告メッセージを、メータディスプレイ212およびCIDディスプレイ221に表示させるとともにスピーカに音声出力させる。交代警告示メッセージは、運転交代準備が完了していないために運転交代が不可能である旨を警告するためのメッセージである。ステップ615の処理は、例えば、表示制御部236の動作に対応するものとして、HMI制御装置23により実行される。
【0113】
ステップ616にて、車載システム10は、ステップ611による交代指示メッセージの表示開始から所定時間T2経過したか否かを判定する。T2>T1である。所定時間T2経過前の場合(すなわちステップ616=NO)、車載システム10は、処理をステップ612に戻す。一方、所定時間T2経過した場合(すなわちステップ616=YES)、車載システム10は、処理をステップ617およびステップ618に進行させる。ステップ616の処理は、HMI制御装置23の動作に対応するものとして、HMI制御装置23により実行される。
【0114】
ステップ617にて、車載システム10は、自車両を緊急停止させる旨の緊急停止メッセージを、メータディスプレイ212およびCIDディスプレイ221に表示させるとともにスピーカに音声出力させる。ステップ617の処理は、例えば、表示制御部236の動作に対応するものとして、HMI制御装置23により実行される。
【0115】
ステップ618にて、車載システム10は、自車両を安全な場所に緊急停止させるために必要な処理を実行する。具体的には、運転制御ECU17における情報取得部171は、緊急停止メッセージを表示した旨の情報を、HMI制御装置23から受け取る。これにより、運転制御ECU17は、所定時間T2経過前に運転交代準備が完了していないことを検知する。すると、運転制御ECU17は、自車両を安全な場所(例えば緊急駐車帯等)に緊急停止させるために必要な車両制御を実行する。その後、車載システム10は、自動運転制御動作を終了する。
【0116】
(自動運転開始条件判定)
図7は、自動運転開始条件の成否を判定する、図6に示されたステップ601の処理内容の詳細を示す。かかる自動運転開始条件の判定処理において、運転制御ECU17は、まず、ステップ701の処理を実行する。
【0117】
ステップ701にて、運転制御ECU17は、区間条件が成立しているか否かを判定する。「区間条件」は、自車両が特定区間を現在走行中であることである。区間条件が成立している場合(すなわちステップ701=YES)、運転制御ECU17は、処理をステップ702に進行させる。
【0118】
ステップ702にて、運転制御ECU17は、環境条件が成立しているか否かを判定する。「環境条件」は、自動運転可能な運転環境であることである。環境条件は、例えば、自動運転可能な交通環境であること、自動運転に必要なセンサ等の各部に異常がないこと、等を含む。交通環境は、具体的には、例えば、霧あるいは豪雨による視界不良がないこと、自動運転予定区間内にて事故あるいは道路工事等の阻害事象がないこと、等を含む。
【0119】
環境条件が成立している場合(すなわちステップ702=YES)、運転制御ECU17は、ステップ703の処理を実行した後、自動運転開始条件の判定処理を終了する。ステップ703にて、運転制御ECU17は、自動運転開始条件の成立を判定する。具体的には、この場合、運転制御ECU17は、高速度域自動運転の開始条件の成立を判定する。
【0120】
一方、環境条件が成立していない場合(すなわちステップ702=NO)、運転制御ECU17は、ステップ704の処理を実行した後、自動運転開始条件の判定処理を終了する。ステップ704にて、運転制御ECU17は、自動運転開始条件の不成立を判定する。
【0121】
区間条件が成立していない場合(すなわちステップ701=NO)、運転制御ECU17は、処理をステップ705に進行させる。ステップ705にて、運転制御ECU17は、渋滞条件が成立しているか否かを判定する。「渋滞条件」は、自車両が渋滞区間を現在走行中であること、あるいは、自車両が現在渋滞区間に突入しようとしていることである。具体的には、自車両の現在位置が渋滞区間内あるいはその近傍であることが交通情報に基づいて判定され、且つ、以下の(A)~(D)のうちのいずれかに該当することが検知された場合に、渋滞条件が成立する。(A)前方車両との車間距離が急激に減少している。(B)前方車両の速度が急激に低下している。(C)前方車両がハザードランプを点滅させている。(D)前方車両との車間距離が所定の短距離(例えば10m以下)であり、且つ自車両の走行速度が所定の低速度域(例えば20km/h未満)である。
【0122】
渋滞条件が成立している場合(すなわちステップ705=YES)、運転制御ECU17は、処理をステップ706に進行させる。一方、渋滞条件が成立していない場合(すなわちステップ705=NO)、運転制御ECU17は、ステップ704の処理を実行した後、自動運転開始条件の判定処理を終了する。ステップ704にて、運転制御ECU17は、自動運転開始条件の不成立を判定する。
【0123】
ステップ706にて、運転制御ECU17は、情報取得部171にて最新の交通情報が現在取得されているか否かを判定する。「最新」とは、例えば、日本道路交通情報センター等における交通情報の提供時刻が現時点からN分以内であることをいうものとする。Nは例えば5~10である。
【0124】
最新の交通情報が取得されている場合(すなわちステップ706=YES)、運転制御ECU17は、ステップ703の処理を実行した後、自動運転開始条件の判定処理を終了する。ステップ703にて、運転制御ECU17は、自動運転開始条件の成立を判定する。具体的には、この場合、運転制御ECU17は、渋滞時自動運転の開始条件の成立を判定する。
【0125】
一方、最新の交通情報が取得されていない場合(すなわちステップ706=NO)、運転制御ECU17は、処理をステップ707に進行させる。ステップ707にて、運転制御ECU17は、渋滞条件が成立している状態が所定時間継続しているか否かを判定する。
【0126】
渋滞条件が成立している状態が所定時間継続している場合(すなわちステップ707=YES)、運転制御ECU17は、ステップ703の処理を実行した後、自動運転開始条件の判定処理を終了する。ステップ703にて、運転制御ECU17は、自動運転開始条件の成立を判定する。具体的には、この場合、運転制御ECU17は、渋滞時自動運転の開始条件の成立を判定する。
【0127】
一方、渋滞条件が成立している状態が所定時間継続してはいない場合(すなわちステップ707=NO)、運転制御ECU17は、ステップ704の処理を実行した後、自動運転開始条件の判定処理を終了する。ステップ704にて、運転制御ECU17は、自動運転開始条件の不成立を判定する。
【0128】
(コンテンツ選択)
図8は、自動運転中に利用するセカンドタスクコンテンツを選択する、図6に示されたステップ606の処理内容の詳細を示す。かかるコンテンツ選択処理において、HMI制御装置23は、まず、ステップ801およびステップ802の処理を実行する。
【0129】
ステップ801にて、HMI制御装置23は、セカンドタスク許可メッセージを、CIDディスプレイ221に表示させる。セカンドタスク許可メッセージは、運転者にセカンドタスクの利用が可能となったことを通知するためのメッセージである。ステップ802にて、HMI制御装置23は、区間条件が成立しているか否かを判定する。すなわち、HMI制御装置23は、今回実行開始された自動運転が高速度域自動運転であるか否かを判定する。
【0130】
今回実行開始された自動運転が高速度域自動運転である場合(すなわちステップ802=YES)、HMI制御装置23は、ステップ803、ステップ804、およびステップ805の処理を実行する。一方、今回実行開始された自動運転が渋滞時自動運転である場合(すなわちステップ802=NO)、HMI制御装置23は、ステップ806およびステップ807の処理を実行する。
【0131】
ステップ803~ステップ805は、特定区間にて高速度域での走行が可能な、SAEレベル3の自動運転である、高速度域自動運転の継続可能時間Tcを取得するための処理である。ステップ803にて、HMI制御装置23は、現在走行中の特定区間の残存距離を取得する。残存距離は、自車両の現在位置から、自車両が特定区間から退出する地点(例えば、自車両が退出する出口インターチェンジ、あるいは、特定区間の終点。)までの走行予定距離である。
【0132】
ステップ804にて、HMI制御装置23は、ステップ803にて取得した残存距離に基づいて、区間走行時間Tvを算出する。具体的には、区間走行時間Tvは、例えば、ステップ803にて取得した残存距離を、自車両の現在走行中の特定区間における平均走行速度で除算することによって算出することができる。
【0133】
ステップ805にて、HMI制御装置23は、ステップ804にて算出した区間走行時間Tvに基づいて、継続可能時間Tcを取得する。具体的には、継続可能時間Tcは、例えば、ステップ804にて算出した区間走行時間Tvに対して所定の補正定数を用いて乗算あるいは減算することにより算出することができる。
【0134】
なお、何らかの理由で、ステップ804にて区間走行時間Tvが算出不能となる場合があり得る。この場合、HMI制御装置23は、継続可能時間Tcを、設定可能な最大値に設定する。具体的には、例えば、継続可能時間Tcの値を「0000」から「FFFF」までの4桁の16進数を用いて設定する仕様においては、区間走行時間Tvが算出不能の場合の継続可能時間Tcの値は「FFFF」に設定される。
【0135】
ステップ806およびステップ807は、渋滞中にて中低速度域での走行が可能な、SAEレベル3の自動運転である、渋滞時自動運転の継続可能時間Tcを取得するための処理である。ステップ806にて、HMI制御装置23は、渋滞の継続予測時間である渋滞予測時間Tjを取得する。渋滞予測時間Tjは、自車両が現在走行中の渋滞区間を走行終了するまでの所要時間の概算値である。具体的には、渋滞予測時間Tjは、例えば、現在の渋滞中の自車両の平均走行速度と、渋滞情報から取得される渋滞区間残存距離とに基づいて算出することができる。
【0136】
ステップ807にて、HMI制御装置23は、ステップ806にて取得した渋滞予測時間Tjに基づいて、継続可能時間Tcを取得する。具体的には、継続可能時間Tcは、例えば、ステップ806にて取得した渋滞予測時間Tjに対して所定の補正定数を用いて乗算あるいは減算することにより算出することができる。なお、何らかの理由で、ステップ806にて渋滞予測時間Tjが取得不能となる場合があり得る。この場合、HMI制御装置23は、継続可能時間Tcを、設定可能な最大値に設定する。この場合の具体例は、例えば、上記と同様に「FFFF」である。
【0137】
上記のようにして、自動運転の開始原因あるいは種別に応じた継続可能時間Tcの取得が完了すると、HMI制御装置23は、処理をステップ808に進行させる。ステップ808にて、HMI制御装置23は、継続可能時間Tcが第一閾値Tc1未満であるか否かを判定する。
【0138】
継続可能時間Tcが第一閾値Tc1未満である場合(すなわちステップ808=YES)、HMI制御装置23は、処理をステップ809に進行させる。ステップ809にて、HMI制御装置23は、短時間コンテンツを、提案コンテンツとして決定する。提案コンテンツとは、運転者に利用を提案するセカンドタスクコンテンツである。
【0139】
継続可能時間Tcが第一閾値Tc1以上である場合(すなわちステップ808=NO)、HMI制御装置23は、処理をステップ810に進行させる。ステップ810にて、HMI制御装置23は、継続可能時間Tcが第二閾値Tc2未満であるか否かを判定する。すなわち、ステップ810の判定は、継続可能時間Tcが第一閾値Tc1以上第二閾値Tc2未満であるか否かの判定である。第二閾値Tc2は、継続可能時間Tcが最大値に設定されたか否かを判定するための閾値である。第一閾値Tc1<<第二閾値Tc2である。したがって、ステップ810の判定は、時間取得部233が継続可能時間Tcを取得できたか否かの判定である。
【0140】
継続可能時間Tcが第二閾値Tc2未満である場合(すなわちステップ810=YES)、HMI制御装置23は、処理をステップ811に進行させる。ステップ811にて、HMI制御装置23は、長時間コンテンツを、提案コンテンツとして決定する。
【0141】
継続可能時間Tcが第二閾値Tc2以上である場合(すなわちステップ810=NO)、時間取得部233が継続可能時間Tcを取得できなかったことになる。すなわち、何らかの理由で区間走行時間Tvまたは渋滞予測時間Tjが取得不能となり、継続可能時間Tcが最大値に設定されている。そこで、この場合、HMI制御装置23は、処理をステップ812に進行させる。ステップ812にて、HMI制御装置23は、複合コンテンツを、提案コンテンツとして決定する。複合コンテンツは、短時間コンテンツと長時間コンテンツとの双方を複合したものである。
【0142】
上記のようにして提案コンテンツの種別が決定された後、HMI制御装置23は、処理をステップ813およびステップ814に進行させる。ステップ813にて、HMI制御装置23は、決定された提案コンテンツの提示画面を、CIDディスプレイ221に表示させる。
【0143】
具体的には、HMI制御装置23は、提案コンテンツが短時間コンテンツである場合、短時間コンテンツ提示画面をCIDディスプレイ221に表示させる。短時間コンテンツ提示画面は、短時間コンテンツを提示するための表示画面であって、図2における中央表示領域DA1に「おすすめ」の短時間コンテンツを実行あるいは再生開始可能に表示した画面である。
【0144】
また、HMI制御装置23は、提案コンテンツが長時間コンテンツである場合、長時間コンテンツ提示画面をCIDディスプレイ221に表示させる。短時間コンテンツ提示画面は、長時間コンテンツを提示するための表示画面であって、図2における中央表示領域DA1に「おすすめ」の長時間コンテンツを実行あるいは再生開始可能に表示した画面である。
【0145】
また、HMI制御装置23は、提案コンテンツが複合コンテンツである場合、実行所要時間の異なる複数のセカンドタスクコンテンツである短時間コンテンツおよび長時間コンテンツを、選択可能に提示する。具体的には、HMI制御装置23は、図5に示されたメニュー画面をCIDディスプレイ221に表示させる。
【0146】
ステップ814にて、HMI制御装置23は、運転者等によるコンテンツ選択操作が終了したか否かを判定する。コンテンツ選択操作が未了である間は、ステップ814における判定が「NO」となり、HMI制御装置23は、処理をステップ813に戻す。すなわち、HMI制御装置23は、コンテンツ選択操作の終了を待機する。コンテンツ選択操作が終了すると(すなわちステップ814=YES)、HMI制御装置23は、コンテンツ選択処理を終了する。これにより、選択されたセカンドタスクコンテンツの利用が開始する。
【0147】
(自動運転継続判定)
図9は、自動運転を継続するか否かを判定する、図6に示されたステップ608の処理内容の詳細を示す。かかる自動運転の継続判定処理において、運転制御ECU17は、まず、ステップ901の処理を実行する。
【0148】
ステップ901にて、運転制御ECU17は、ステップ705にて渋滞条件が成立したことが判定されたか否かを判定する。すなわち、運転制御ECU17は、現在実行中のSAEレベル3の自動運転が渋滞時自動運転であるか高速度域自動運転であるかを判定する。
【0149】
現在実行中の自動運転が高速度域自動運転である場合(すなわちステップ901=NO)、運転制御ECU17は、処理をステップ902に進行させる。ステップ902にて、運転制御ECU17は、高速度域自動運転の終了条件が成立しているか否かを判定する。終了条件は、例えば、自車両が特定区間から退出する地点(例えば、自車両が退出する出口インターチェンジ、あるいは、特定区間の終点。)までの距離または所要時間が、所定値未満となったことを含む。また、終了条件は、例えば、自車両の前方の交通環境あるいは道路状況を考慮した場合に、所定時間(例えば15秒)先までの自車両の挙動が予測不能となったことを含む。
【0150】
終了条件が成立していない場合(すなわちステップ902=NO)、運転制御ECU17は、処理をステップ903に進行させた後、自動運転の継続判定処理を一旦終了する。ステップ903にて、運転制御ECU17は、自動運転およびセカンドタスクの継続を決定する。
【0151】
終了条件が成立した場合(すなわちステップ902=YES)、運転制御ECU17は、処理をステップ904に進行させた後、自動運転の継続判定処理を終了する。ステップ904にて、運転制御ECU17は、自動運転およびセカンドタスクの終了を決定する。
【0152】
現在実行中の自動運転が渋滞時自動運転である場合(すなわちステップ901=YES)、運転制御ECU17は、処理をステップ905に進行させる。ステップ905にて、運転制御ECU17は、渋滞の一時的解消シーンが発生したか否かを判定する。すなわち、運転制御ECU17は、渋滞の一時的解消が検知されたか否かを判定する。
【0153】
渋滞の一時的解消シーンが発生していない場合(すなわちステップ905=NO)、運転制御ECU17は、処理をステップ903に進行させた後、自動運転の継続判定処理を一旦終了する。ステップ903にて、運転制御ECU17は、自動運転およびセカンドタスクの継続を決定する。
【0154】
渋滞の一時的解消シーンが発生した場合(すなわちステップ905=YES)、運転制御ECU17は、処理をステップ906に進行させる。ステップ906にて、運転制御ECU17は、情報取得部171にて最新の渋滞情報が現在取得されているか否かを判定する。
【0155】
最新の渋滞情報が現在取得されていない場合(すなわちステップ906=NO)、運転制御ECU17は、処理をステップ904に進行させた後、自動運転の継続判定処理を終了する。ステップ904にて、運転制御ECU17は、自動運転およびセカンドタスクの終了を決定する。
【0156】
最新の渋滞情報が現在取得されている場合(すなわちステップ906=YES)、運転制御ECU17は、処理をステップ907に進行させる。ステップ907にて、運転制御ECU17は、現在の自車両の走行位置が渋滞区間内であるか否かを判定する。
【0157】
現在の自車両の走行位置が渋滞区間内ではない場合(すなわちステップ907=NO)、運転制御ECU17は、処理をステップ904に進行させた後、自動運転の継続判定処理を終了する。ステップ904にて、運転制御ECU17は、自動運転およびセカンドタスクの終了を決定する。
【0158】
現在の自車両の走行位置が渋滞区間内である場合(すなわちステップ907=YES)、運転制御ECU17は、処理をステップ908およびステップ909に進行させる。ステップ908にて、運転制御ECU17は、CIDディスプレイ221に継続提案表示を実行させるための指令を、HMI制御装置23に送信する。これにより、HMI制御装置23は、CIDディスプレイ221に継続提案表示を実行させる。継続提案表示は、自動運転の継続を提案する継続提案メッセージと、図3に示された継続承認のための承認ボタンDA6とを含む。継続提案メッセージは、例えば、図3に示されたメッセージ表示ボックスDB4に、「前方注意」という表記である前方注意メッセージと交互に表示される。また、HMI制御装置23は、継続提案表示内容に対応した音声案内を、不図示のスピーカを用いて実行する。
【0159】
ステップ909にて、運転制御ECU17は、HMI装置20にて運転者等による承認操作が実行されたか否かを判定する。すなわち、運転制御ECU17は、図3に示された承認ボタンDA6が選択操作されたか否かの判定結果を、HMI制御装置23から受信する。
【0160】
承認操作が実行されていない場合(すなわちステップ909=NO)、運転制御ECU17は、処理をステップ910に進行させる。ステップ910にて、運転制御ECU17は、継続提案表示の開始から所定時間経過したか否かを判定する。所定時間経過前は、ステップ910における判定が「NO」となり、運転制御ECU17は、処理をステップ909に戻す。すなわち、運転制御ECU17は、承認操作を所定時間待機する。
【0161】
承認操作が実行されないまま所定時間が経過すると、ステップ910における判定が「YES」となる。この場合、運転制御ECU17は、処理をステップ904に進行させた後、自動運転の継続判定処理を終了する。ステップ904にて、運転制御ECU17は、自動運転およびセカンドタスクの終了を決定する。
【0162】
所定時間内に承認操作が実行されると、ステップ909における判定が「YES」となる。この場合、運転制御ECU17は、処理をステップ911に進行させる。ステップ911にて、運転制御ECU17は、運転者が前方すなわち車両進行先の道路状況を確認中であるか否かを判定する。
【0163】
運転者が前方確認中である場合(すなわちステップ911=YES)、運転制御ECU17は、処理をステップ903に進行させた後、自動運転の継続判定処理を一旦終了する。ステップ903にて、運転制御ECU17は、自動運転およびセカンドタスクの継続を決定する。
【0164】
運転者が前方確認中ではない場合(すなわちステップ911=NO)、運転制御ECU17は、処理をステップ912に進行させる。ステップ912にて、運転制御ECU17は、承認操作から所定時間経過したか否かを判定する。所定時間経過前は、ステップ912における判定が「NO」となり、運転制御ECU17は、処理をステップ911に戻す。すなわち、運転制御ECU17は、運転者の前方確認を所定時間待機する。
【0165】
運転者が前方確認しないまま、承認操作から所定時間経過すると、ステップ912における判定が「YES」となる。この場合、運転制御ECU17は、処理をステップ904に進行させた後、自動運転の継続判定処理を終了する。ステップ904にて、運転制御ECU17は、自動運転およびセカンドタスクの終了を決定する。
【0166】
(第二実施形態)
以下、第二実施形態について、図1図9に加えて図10および図11を参照しつつ説明する。なお、以下の第二実施形態の説明においては、主として、上記第一実施形態と異なる部分について説明する。また、第一実施形態と第二実施形態とにおいて、互いに同一または均等である部分には、同一符号が付されている。したがって、以下の第二実施形態の説明において、第一実施形態と同一の符号を有する構成要素に関しては、技術的矛盾または特段の追加説明なき限り、上記第一実施形態における説明が適宜援用され得る。後述する第三以降の実施形態においても同様である。
【0167】
本実施形態に係る車載システム10の基本構成は、図1と同様である。また、本実施形態に係る車載システム10の基本動作は、図2図9と同様である。本実施形態においては、上記第一実施形態に加えて、以下の機能が追加されている。
【0168】
例えば、自車両の進行先に事故、渋滞、故障車、工事、等の交通障害事象が存在しているために、運転者がセカンドタスクの最中であってもCIDディスプレイ221から目を離して前方を何度も確認することがあり得る。そこで、本実施形態においては、表示制御部236は、運転者が自車両の進行先の道路状況を確認中である旨の検出結果を挙動取得部232にて取得した場合に、道路状況をHMI装置20により表示するようになっている。具体的には、表示制御部236は、運転者が前方確認を所定頻度実行した場合に、図10に示されているように、情報表示ボックスDB3に道路状況を表示させるようになっている。
【0169】
図11は、HMI制御装置23により実行される、セカンドタスクの表示制御処理である。かかるセカンドタスクの表示制御処理は、図6に示されたフローチャートにおける、処理がステップ607に進行した時点から処理がステップ610に進行する時点までの間に、所定時間(例えば100msec)間隔で繰り返し実行される。
【0170】
セカンドタスクの表示制御処理においては、まず、ステップ1101にて、HMI制御装置23は、表示コンテンツのデータをRAM等の一時記憶領域に読み込む。表示コンテンツは、CIDディスプレイ221に表示させるセカンドタスクコンテンツである。次に、ステップ1102にて、HMI制御装置23は、ステップ1101にて読み込んだデータを用いて、表示コンテンツをCIDディスプレイ221に表示させる。
【0171】
続いて、ステップ1103にて、HMI制御装置23は、今回承認処理を実行するか否かを判定する。承認処理は、運転者による各種承認操作を受け付けるため処理である。
【0172】
承認処理を実行する場合(すなわちステップ1103=YES)、HMI制御装置23は、ステップ1104およびステップ1105の処理を実行した後、セカンドタスクの表示制御処理を一旦終了する。ステップ1104にて、HMI制御装置23は、承認要求メッセージをCIDディスプレイ221に表示させる。ステップ1105にて、HMI制御装置23は、承認ボタンDA6をCIDディスプレイ221に表示させる。
【0173】
承認処理を実行しない場合(すなわちステップ1103=NO)、HMI制御装置23は、処理をステップ1106に進行させる。ステップ1106にて、HMI制御装置23は、今回警告処理を実行するか否かを判定する。警告処理は、運転者に対して各種警告を行うため処理である。
【0174】
警告処理を実行する場合(すなわちステップ1106=YES)、HMI制御装置23は、ステップ1107の処理を実行した後、セカンドタスクの表示制御処理を一旦終了する。ステップ1107にて、HMI制御装置23は、警告コンテンツをCIDディスプレイ221に表示させる。警告コンテンツは、各種警告のためのメッセージおよび/または図形を含む。
【0175】
警告処理を実行しない場合(すなわちステップ1106=NO)、HMI制御装置23は、処理をステップ1108に進行させる。ステップ1108にて、HMI制御装置23は、運転者が前方確認を行っているか否かを判定する。
【0176】
運転者が前方確認を行っていない場合(すなわちステップ1108=NO)、HMI制御装置23は、セカンドタスクの表示制御処理を一旦終了する。一方、運転者が前方確認を行っている場合(すなわちステップ1108=YES)、HMI制御装置23は、処理をステップ1109に進行させる。
【0177】
ステップ1109にて、HMI制御装置23は、運転者の前方確認が所定頻度に達しているか否かを判定する。「所定頻度」は、所定の基準時間あたりの回数であり、例えば5秒間に3回以上である。運転者の前方確認が所定頻度に達していない場合(すなわちステップ1109=NO)、HMI制御装置23は、セカンドタスクの表示制御処理を一旦終了する。一方、運転者の前方確認が所定頻度に達している場合(すなわちステップ1109=YES)、HMI制御装置23は、処理をステップ1110に進行させる。
【0178】
ステップ1110にて、HMI制御装置23は、車両情報取得部231により自車両周辺に関する交通情報が取得されているか否かを判定する。「自車両周辺」は、自車両の進行先であって、自車両の現在位置から所定の走行予定距離(例えば5km)の範囲内である。
【0179】
自車両周辺に関する交通情報が取得されていない場合(すなわちステップ1110=NO)、HMI制御装置23は、セカンドタスクの表示制御処理を一旦終了する。一方、自車両周辺に関する交通情報が取得されている場合(すなわちステップ1110=YES)、HMI制御装置23は、ステップ1111の処理を実行した後、セカンドタスクの表示制御処理を一旦終了する。ステップ1111にて、HMI制御装置23は、取得されている自車両周辺に関する交通情報を、情報表示ボックスDB3に表示させる。
【0180】
このように、本実施形態においては、セカンドタスクの最中に運転者が前方を所定頻度で複数回確認した場合に、自車両周辺に関する交通情報がHMI装置20にて表示される。したがって、本実施形態によれば、実際の交通状況に即した適切な交通情報表示をHMI装置20にて実行することが可能となる。
【0181】
(追加実施形態1:第三実施形態)
以下、第三実施形態について説明する。本実施形態の説明においても、上記第二実施形態の説明と同様に、先行する実施形態における説明を適宜援用しつつ、主として、本実施形態に特有の部分について説明する。
【0182】
本実施形態は、時間取得部233により取得した自動運転の継続可能時間Tcが極短時間である場合の処理に関する。「極短時間」とは、例えば、数十秒未満、あるいは、走行距離1000m未満に相当する時間である。本実施形態においては、運転制御ECU17は、継続可能時間Tcが極短時間の場合、渋滞時自動運転の実行は運転者の選択により可能とする一方で、高速度域自動運転の実行は不可とする。
【0183】
具体的には、図7を参照しつつ、本実施形態の動作について説明する。本実施形態においては、区間条件成立時(すなわちステップ701=YES)に実行するステップ702にて環境条件が成立しているか否かを判定する際の「環境条件」に、継続可能時間Tcが所定の実行下限時間以上であることが含まれる。ここで、「実行下限時間」は、継続可能時間Tcが上記の極短時間に相当するかを判定するための判定基準値であって、ステップ808における第一閾値Tc1よりも充分小さな値(例えば30秒)である。
【0184】
そして、継続可能時間Tcが実行下限時間よりも短い場合、継続可能時間Tcが上記の極短時間に相当するものとなるため、ステップ702における判定結果が「NO」となり、ステップ704にて、運転制御ECU17は、自動運転開始条件の不成立を判定する。この場合、図6に示されたフローチャートにおけるステップ602の判定結果が「NO」となり、車載システム10は、ステップ603以降の処理を全てスキップして、自動運転制御動作を終了する。このとき、HMI制御装置23は、継続可能時間Tcが実行下限時間よりも短いために自動運転およびセカンドタスクの実行が不許可となったことをHMI装置20により提示することが好ましい。
【0185】
一方、区間条件の成立ではなく渋滞条件が成立した場合(すなわちステップ705=YES)、継続可能時間Tcが実行下限時間以上であることを含む「環境条件」の成立判定(すなわちステップ702)には処理が進行しない。すなわち、渋滞時自動運転については、継続可能時間Tcが所定の実行下限時間以上であることは、実行条件には含まれない。これにより、HMI制御装置23において、極短時間の渋滞時自動運転中のセカンドタスクの実行が可能となる。このとき、HMI制御装置23は、ステップ603にて、自動運転の実行およびこれに伴うセカンドタスクの利用の所要時間が極短時間であることをHMI装置20により提示することが好ましい。
【0186】
このように、本実施形態によれば、極短時間の自動運転の実行およびこれに伴うセカンドタスクの利用は、渋滞時には可能となる一方で、高速度域自動運転に対応する走行条件では禁止される。したがって、本実施形態によれば、自動運転の実行、および、セカンドタスク利用が、より適切に行われ得る。
【0187】
ところで、自動運転の継続可能時間Tcが短い場合、運転者の意識がセカンドタスクにより自車両の運転(すなわち走行状態および運転操作)から可能な限り離れないようにすることで、自動運転終了時のスムーズな運転交代が可能となる。そこで、このような場合、セカンドタスクを実行するHMI装置20を車載機器すなわちCID装置22に限定することが好ましい。
【0188】
図12は、かかる例に対応して図8のフローチャートの一部を変容した場合の、変容部分を抜き出して示す。具体的には、図12を参照すると、継続可能時間Tcが第一閾値Tc1未満である場合(すなわちステップ808=YES)、HMI制御装置23は、処理をステップ1201に進行させる。ステップ1201にて、HMI制御装置23は、継続可能時間Tcが機種限定閾値TcS以上であるか否かを判定する。機種限定閾値TcS<第一閾値Tc1である。すなわち、機種限定閾値TcSは、ステップ808における第一閾値Tc1よりも充分小さな値である。
【0189】
継続可能時間Tcが機種限定閾値TcS以上である場合(すなわちステップ1201=YES)、HMI制御装置23は、処理をステップ809に進行させ、短時間コンテンツを提案コンテンツとして決定する。これに対し、継続可能時間Tcが機種限定閾値TcS未満である場合(すなわちステップ1201=NO)、HMI制御装置23は、処理をステップ1202に進行させる。ステップ1202にて、HMI制御装置23は、制限コンテンツを、提案コンテンツとして決定する。制限コンテンツは、短時間コンテンツのうち、車載機器であるCID装置22による実行に制限され、極短時間の利用に馴染み、且つ、運転者が意識を自車両の運転に向けることが容易なものである。具体的には、制限コンテンツは、例えば、実行所要時間が比較的短く且つ音声の聴取だけでも問題がないミュージックビデオ、実行所要時間が概念できないテレビ放送、等である。
【0190】
図12に示された例は、自動運転の継続可能時間Tcが極短時間である場合に、特に有効である。すなわち、セカンドタスク提示部234は、渋滞予測時間Tjに基づいて取得された継続可能時間Tcが所定の機種限定時間よりも短い場合、渋滞走行中にセカンドタスクを実行するHMI装置20を車載機器すなわちCID装置22に限定することが好適である。「所定の機種限定時間」は、機種限定閾値TcSである。この場合、機種限定閾値TcSは上記の実行下限時間と等しくてもよいし、機種限定閾値TcSと実行下限時間との間に若干の差が設けられてもよい。
【0191】
(追加実施形態2:第四実施形態)
以下、第四実施形態について説明する。本実施形態は、上記第一実施形態および/または第三実施形態を若干変容したものである。具体的には、本実施形態は、渋滞時自動運転が極短時間で実行される場合に、セカンドタスク許可メッセージを、より早期に提示するものである。
【0192】
すなわち、本実施形態において、セカンドタスク提示部234は、自動運転の継続可能時間Tcが所定の制限時間よりも短い場合、以下のように動作する。セカンドタスク提示部234は、継続可能時間Tcに基づく実行可能なセカンドタスクの提示に代えて、または、かかる提示に先駆けて、セカンドタスクが実行可能であることを示す情報をHMI装置20により提示する。
【0193】
図13および図14は、本実施形態に対応する一動作例を示す。図13は、本動作例に対応して図6のフローチャートの一部を変容した場合の、変容部分の周辺を抜き出して示す。図14は、本動作例に対応して図7のフローチャートの一部を変容したものである。
【0194】
具体的には、図13を参照すると、ステップ601にて、車載システム10は、自動運転開始条件の成否を判定する。このとき、後述するように、自動運転の実行時間が極短時間であるか否かを示す極短時間フラグFsの設定処理が実行される。ステップ602~605の処理内容は、上記第一実施形態の場合と同様である。
【0195】
ステップ605の処理に続いて、車載システム10は、処理をステップ1301に進行させる。ステップ1301にて、車載システム10は、極短時間フラグFsの設定状態を判定する。具体的には、車載システム10は、極短時間フラグFsがリセットされている場合(すなわちFs=0)にステップ1301の判定結果を「YES」とする一方、極短時間フラグFsがセットされている場合(すなわちFs=1)にステップ1301の判定結果を「NO」とする。
【0196】
極短時間フラグFsがセットされていない場合(すなわちステップ1301=YES)、今回ステップ605にて開始された自動運転の実行時間は、極短時間ではない。そこで、この場合、車載システム10は、処理をステップ606に進行させる。ステップ606にて、車載システム10は、自動運転中に利用するセカンドタスクコンテンツの選択動作を実行する。なお、本実施形態においては、ステップ606のコンテンツ選択処理として、図8そのもの、あるいは、図12によって変容された図8が適用され得る。
【0197】
極短時間フラグFsがセットされている場合(すなわちステップ1301=NO)、今回ステップ605にて開始された自動運転の実行時間は、極短時間である。そこで、この場合、車載システム10は、処理をステップ1302およびステップ1303に進行させる。
【0198】
ステップ1302にて、車載システム10は、セカンドタスク許可メッセージを、CIDディスプレイ221に表示させる。ステップ1302における処理内容は、図8に示されたフローチャートにおけるステップ801と同様である。
【0199】
ステップ1302によるセカンドタスク許可メッセージの提示により、運転者は、セカンドタスクが開始可能であることを把握することができる。よって、運転者等は、HMI装置20を自ら任意に操作して、所望のセカンドタスクコンテンツを選択して実行すなわち利用を開始することが可能である。そこで、ステップ1303にて、車載システム10は、運転者等によるセカンドタスク開始操作があったか否かを判定する。
【0200】
セカンドタスク開始操作が未だなされていない場合(すなわちステップ1303=NO)、車載システム10は、かかる操作を所定時間待機する。具体的には、車載システム10は、ステップ1303の判定結果が「NO」である場合、処理をステップ1304に進行させる。ステップ1304にて、車載システム10は、ステップ1302によるセカンドタスク許可メッセージの提示タイミングから所定の待機時間が経過したか否かを判定する。待機時間経過前は(すなわちステップ1304=NO)、車載システム10は、処理をステップ1303に戻す。一方、待機時間経過後は(すなわちステップ1304=YES)、車載システム10は、処理をステップ606に進行させる。これにより、通常通りのコンテンツ選択処理が実行される。
【0201】
待機時間経過前にセカンドタスク開始操作がなされると(すなわちステップ1303=YES)、車載システム10は、処理をステップ1305に進行させる。ステップ1305にて、車載システム10は、セカンドタスク開始操作により実行指示されたセカンドタスクが実行可能であるか否かを判定する。具体的には、例えば、車載システム10は、セカンドタスク開始操作により実行指示されたセカンドタスクが、極短時間の自動運転中に実行可能な上記の制限コンテンツであるか否かを判定する。
【0202】
セカンドタスク開始操作により実行指示されたセカンドタスクが実行可能である場合(すなわちステップ1305=YES)、車載システム10は、処理をステップ607に進行させる。ステップ607にて、車載システム10は、セカンドタスク開始操作により選択されたセカンドタスクコンテンツの実行すなわち利用を開始する。すなわち、この場合、ステップ606のコンテンツ選択処理はスキップされる。一方、セカンドタスク開始操作により実行指示されたセカンドタスクが実行可能ではない場合(すなわちステップ1305=NO)、車載システム10は、処理をステップ1304に進行させる。
【0203】
図14を参照すると、ステップ701の処理内容は、上記第一実施形態の場合と同様である。ステップ702に処理が進行した場合、自車両は、高速度域自動運転を実行可能な特定区間を現在走行中であることとなる。
【0204】
ステップ702にて環境条件が成立していないと判定した場合(すなわちステップ702=NO)、運転制御ECU17は、ステップ704の処理を実行した後、自動運転開始条件の判定処理を終了する。ステップ704にて、運転制御ECU17は、自動運転開始条件の不成立を判定する。一方、ステップ702にて環境条件が成立していると判定した場合(すなわちステップ702=YES)、運転制御ECU17は、処理をステップ1401およびステップ1402に進行させる。
【0205】
なお、この場合の「環境条件」には、自動運転予定区間内にて事故あるいは道路工事等の阻害事象がないこと、および、継続可能時間Tcが所定の実行下限時間以上であることは、以下の理由により、含まれないものとする。自動運転予定区間内にて事故あるいは道路工事等の阻害事象があるか否かは、継続可能時間Tcの長さに反映されるからである。また、継続可能時間Tcが実行下限時間以上であるか否かは、本実施形態においては、ステップ702における環境条件の成否ではなく、極短時間フラグFsがセットされるか否かとして処理されるからである。
【0206】
ステップ1401にて、運転制御ECU17は、高速度域自動運転の継続可能時間Tcを取得すなわち算出する。ステップ1401の処理内容は、図8に示されたフローチャートにおけるステップ803~ステップ805と同様である。
【0207】
ステップ1402にて、運転制御ECU17は、算出した継続可能時間Tcが制限時間TcL以上であるか否かを判定する。制限時間TcLは、上記の機種限定閾値TcSまたは実行下限時間と等しくてもよいし、これらとの間に若干の差が設けられてもよい。制限時間TcL<第一閾値Tc1である。すなわち、制限時間TcLは、ステップ808における第一閾値Tc1よりも充分小さな値である。
【0208】
高速度域自動運転の継続可能時間Tcが制限時間TcLよりも短い場合(すなわちステップ1402=NO)、運転制御ECU17は、ステップ704の処理を実行した後、自動運転開始条件の判定処理を終了する。ステップ704にて、運転制御ECU17は、自動運転開始条件の不成立を判定する。すなわち、高速度域自動運転の継続可能時間Tcが制限時間TcLよりも短い場合、高速度域自動運転は実行されず、したがってセカンドタスクの実行も不許可となる。
【0209】
これに対し、高速度域自動運転の継続可能時間Tcが制限時間TcL以上である場合(すなわちステップ1402=YES)、運転制御ECU17は、ステップ703の処理を実行した後、自動運転開始条件の判定処理を終了する。ステップ703にて、運転制御ECU17は、高速度域自動運転の開始条件の成立を判定する。
【0210】
図14におけるステップ705の処理内容は、上記第一実施形態の場合と同様である。また、ステップ706およびステップ707の判定内容は、上記第一実施形態の場合と同様である。渋滞時自動運転の開始条件が成立した場合、ステップ705における判定結果が「YES」となり、且つ、ステップ706またはステップ707における判定結果が「YES」となる。
【0211】
本実施形態においては、渋滞時自動運転の開始条件が成立した場合、処理がステップ703に進行する前に、ステップ1403等による極短時間フラグFsの設定処理が実行される。具体的には、まず、ステップ1403にて、運転制御ECU17は、渋滞時自動運転の継続可能時間Tcを取得すなわち算出する。ステップ1403の処理内容は、図8に示されたフローチャートにおけるステップ806およびステップ807と同様である。
【0212】
次に、ステップ1404にて、運転制御ECU17は、渋滞時自動運転の継続可能時間Tcが制限時間TcL以上であるか否かを判定する。渋滞時自動運転の継続可能時間Tcが制限時間TcL以上である場合(すなわちステップ1404=YES)、運転制御ECU17は、ステップ1405にて極短時間フラグFsをリセットした後(すなわちFs=0)、処理をステップ703に進行させる。一方、渋滞時自動運転の継続可能時間Tcが制限時間TcLよりも短い場合(すなわちステップ1404=NO)、運転制御ECU17は、ステップ1406にて極短時間フラグFsをセットした後(すなわちFs=1)、処理をステップ703に進行させる。
【0213】
このように、本実施形態においては、自動運転の継続可能時間Tcが極短時間である場合、極短時間フラグFsがセットされる(すなわちステップ1406にてFs=1)。すると、自動運転の開始直後であってコンテンツ選択処理(すなわちステップ606)が開始される前に、セカンドタスク許可メッセージが提示される(すなわちステップ1302)。これにより、自動運転が極短時間で実行される場合に、セカンドタスクの利用が可能となったことを運転者等に通知するためのセカンドタスク許可メッセージが、より早期に提示される。したがって、本実施形態によれば、極短時間の自動運転中であっても、運転者等がセカンドタスクを利用可能な時間を良好に確保することが可能となり、利便性が向上する。
【0214】
(追加実施形態3:第五実施形態)
以下、第五実施形態について説明する。本実施形態は、自動運転が長時間あるいは長距離で実行される場合に、運転者の意識がセカンドタスクにより自車両の運転(すなわち走行状態および運転操作)から離れすぎないようにすることで、自動運転終了時のスムーズな運転交代を可能とする技術に関連する。具体的には、本実施形態においては、車載システム10すなわちHMI制御装置23は、セカンドタスクの実行開始から所定の割込待機時間以上自動運転を継続可能である場合、自車両の走行状態または周辺情報をHMI装置20により提示するように構成されている。「周辺情報」は、自車両周辺に関する交通環境(例えば前方および隣接車線における他車両の存在状態等)に関する情報、および/または、自車両周辺に関する交通情報を含む。すなわち、「周辺情報」は、典型的には、自車両の進行先の道路状況を含む。
【0215】
図15は、本実施形態に対応する一動作例を示す。HMI制御装置23は、図15に示されている情報割込提示ルーチンを、セカンドタスク実行中に、所定時間(例えば100msec)間隔で繰り返し起動する。「セカンドタスク実行中」とは、図6または図13に示されたフローチャートにおける処理がステップ607に進行した時点から、図6に示されたフローチャートにおける処理がステップ610に進行する時点までの間である。かかるルーチンにおける各処理は、セカンドタスク提示部234および/または表示制御部236の動作に対応する。
【0216】
かかるルーチンが起動されると、まず、ステップ1501にて、HMI制御装置23は、自動運転の継続可能時間Tcが所定の割込待機時間Tw1以上であるか否かを判定する。継続可能時間Tcが割込待機時間Tw1よりも短い場合(すなわちステップ1501=NO)、ステップ1502以降の処理が全てスキップされ、本ルーチンが一旦終了する。
【0217】
継続可能時間Tcが割込待機時間Tw1以上である場合(すなわちステップ1501=YES)、HMI制御装置23は、処理をステップ1502に進行させる。ステップ1502にて、HMI制御装置23は、残存時間Trが割込待機時間Tw1以上であるか否かを判定する。残存時間Trは、現時点から、現在実行中の自動運転が終了すると予想される時刻までの所要時間である。すなわち、残存時間Trは、自動運転開始時に算出された継続可能時間Tcから、自動運転の継続時間Twを差し引くことで算出される。
【0218】
残存時間Trが割込待機時間Tw1よりも短い場合(すなわちステップ1502=NO)、ステップ1503以降の処理が全てスキップされ、本ルーチンが一旦終了する。一方、残存時間Trが割込待機時間Tw1以上である場合(すなわちステップ1502=YES)、HMI制御装置23は、処理をステップ1503に進行させる。
【0219】
ステップ1503にて、HMI制御装置23は、継続時間Twが割込待機時間Tw1以上であるか否かを判定する。継続時間Twは、所定の継続基準時点から現時点までの所要時間である。継続基準時点は、現在実行中の自動運転が開始した時点と、HMI装置20により自車両の走行状態または周辺情報の提示動作を前回実行した時点とのうちの、より現時点に近接する一方である。
【0220】
継続時間Twが割込待機時間Tw1よりも短い場合(すなわちステップ1503=NO)、ステップ1504以降の処理が全てスキップされ、本ルーチンが一旦終了する。一方、継続時間Twが割込待機時間Tw1以上である場合(すなわちステップ1503=YES)、HMI制御装置23は、処理をステップ1504に進行させる。
【0221】
ステップ1504にて、HMI制御装置23は、現在、特定コンテンツの実行あるいは利用の途中であるか否かを判定する。「特定コンテンツ」とは、利用あるいは実行の途中で情報提示の割込が生じると乗員が煩わしさを感じるような種類のセカンドタスクコンテンツであって、例えば、映画、ゲーム、等である。
【0222】
現在、特定コンテンツの実行あるいは利用の途中である場合(すなわちステップ1504=YES)、自車両の走行状態または周辺情報の情報を現時点でHMI装置20にて提示してしまうと、セカンドタスク利用中の乗員に煩わしさを感じさせてしまう。このため、この場合、かかる情報提示は、特定コンテンツが一旦終了したタイミングまで待機することが好ましい。そこで、この場合、HMI制御装置23は、ステップ1505およびステップ1506の処理をスキップして、本ルーチンを一旦終了する。
【0223】
現在、特定コンテンツの実行あるいは利用の途中ではない場合(すなわちステップ1504=NO)、自車両の走行状態または周辺情報の情報を現時点でHMI装置20にて提示しても、セカンドタスク利用中の乗員に煩わしさを感じさせてしまう可能性は低い。このため、この場合、かかる情報提示は、現時点で実行することが好ましい。そこで、この場合、HMI制御装置23は、情報提示動作に関連するステップ1505およびステップ1506の処理を実行した後、本ルーチンを一旦終了する。なお、特定コンテンツがゲームである場合、プレイヤーが操作するキャラクタの状態によって、ゲームの進行が一時的に停止する場面がある。例えば、プレイヤーが操作するキャラクタが敵キャラクタに倒されたり、プレイヤーの意思決定による選択結果の入力が待機されたりする場面が、これに該当する。このような場面が生じた場合、ステップ1504の判定結果は「NO」となり得る。
【0224】
ステップ1505にて、HMI制御装置23は、自車両の走行状態または周辺情報の情報を、HMI装置20により提示する。ステップ1506にて、HMI制御装置23は、継続時間Twをリセットする。これにより、現在実行中の自動運転が終了するまで、自車両の走行状態または周辺情報を、割込待機時間Tw1間隔で繰り返し提示することが可能となる。
【0225】
このように、本実施形態によれば、自動運転が長時間あるいは長距離で実行される場合に、自車両の車両情報または周辺情報、すなわち、運転状態、交通環境、および交通情報のうちの少なくとも一部が、運転交代期間前に、少なくとも1回提示される。これにより、自動運転終了時のスムーズな運転交代が可能となる。また、セカンドタスクコンテンツの中断あるいは終了の時点で情報提示を実行することで、セカンドタスク利用中の乗員に煩わしさを感じさせてしまうことが良好に回避され得る。なお、かかる観点からすれば、例えば、セカンドタスク提示部234により、長時間コンテンツと短時間コンテンツとを交互に提案することが好適である。
【0226】
(追加実施形態総括)
SAEレベル3~5に該当する、運転者等の乗員に周辺監視義務が課されていない「自動運転」が実行される期間は、道路種別および自車両周辺の状況等に応じて変化し得る。このため、運転者等に周辺監視義務が課されていない自動運転が実行される期間が長い場合であっても短い場合であっても、運転者等にとって利便性の良い走行環境を実現することが求められている。この点、上記第三~第五実施形態によれば、運転者等に周辺監視義務が課されていない自動運転が実行される期間が極短時間の場合においても、運転者等に対して、利便性の良い走行環境を提供することが可能となる。
【0227】
(変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。故に、上記実施形態に対しては、適宜変更が可能である。以下、代表的な変形例について説明する。以下の変形例の説明においては、上記実施形態との相違点を主として説明する。また、上記実施形態と変形例とにおいて、相互に同一または均等である部分には、同一符号が付されている。したがって、以下の変形例の説明において、上記実施形態と同一の符号を有する構成要素に関しては、技術的矛盾または特段の追加説明なき限り、上記実施形態における説明が適宜援用され得る。
【0228】
本発明は、上記実施形態にて示された具体的な装置構成に、何ら限定されるものではない。すなわち、例えば、車載システム10を搭載する車両は、四輪自動車に限定されない。具体的には、かかる車両は、三輪自動車であってもよいし、貨物トラック等の六輪または八輪自動車でもよい。車両の種類は、内燃機関のみを備えたコンベンショナル自動車であってもよいし、内燃機関を備えない電気自動車または燃料電池車であってもよいし、いわゆるハイブリッド車であってもよい。車両における車体の形状および構造も、箱状すなわち平面視における略矩形状に限定されない。車両の用途、ステアリングホイールの位置、乗員数、等についても、特段の限定はない。
【0229】
車載システム10を構成する通信規格としては、CAN(国際登録商標)以外のもの、例えば、FlexRay(国際登録商標)等も採用され得る。また、車載システム10を構成する通信規格は、一種類に限定されない。例えば、車載システム10は、LIN等の通信規格に準拠したサブネットワーク回線を有していてもよい。LINはLocal Interconnect Networkの略である。
【0230】
車両状態センサ11、外界状態センサ12、および周辺監視センサ13についても、上記の例示に限定されない。例えば、周辺監視センサ13は、ソナーすなわち超音波センサを含んだ構成であってもよい。あるいは、周辺監視センサ13は、ミリ波レーダセンサ、サブミリ波レーダセンサ、レーザレーダセンサ、および超音波センサのうちの2種類以上を備えていてもよい。各種センサの設置個数についても特段の限定はない。
【0231】
ロケータ14についても、上記の例示に限定されない。例えば、ロケータ14は、ジャイロセンサおよび加速度センサを内蔵した構成ではなくてもよい。具体的には、慣性取得部142は、車両状態センサ11としてロケータ14の外部に設けられた角速度センサおよび加速度センサからの出力信号を受信するようになっていてもよい。
【0232】
DCM15は、省略され得る。すなわち、交通情報は、ナビゲーション装置16によって取得され得る。あるいは、ナビゲーション装置16は、ロケータ14およびDCM15を含んだ構成を有していてもよい。
【0233】
ナビゲーション装置16は、車載通信回線10Aとは異なるサブ通信回線を介して情報通信可能に、HMI制御装置23と接続されていてもよい。
【0234】
ナビゲーション装置16は、HMI装置20とは別の、ナビゲーション画面表示専用の表示画面を有していてもよい。あるいは、ナビゲーション装置16は、HMI装置20の一部を構成するものとして設けられていても良い。具体的には、例えば、ナビゲーション装置16は、CID装置22と一体化されてもよい。
【0235】
各国の道路交通制度においては、自動運転の種類、自動運転中の最高速度、等の自動運転の実行条件について、国内事情等に応じた適宜の考慮がなされ得る。このため、上記実施形態は、各国の道路交通制度に沿った仕様に適宜変容され得る。具体的には、例えば、上記実施形態において、運転制御ECU17は、特定区間にて高速度域での走行が可能な高速度域自動運転と、渋滞中にて中低速域での走行が可能な渋滞時自動運転との双方を実行可能に構成されていた。しかしながら、本発明は、かかる態様に限定されない。すなわち、例えば、運転制御ECU17は、高速度域自動運転のみ実行可能であってもよい。あるいは、運転制御ECU17は、渋滞時自動運転のみ実行可能であってもよい。
【0236】
渋滞時自動運転は、特定区間の設定の有無にかかわらず、自動車専用道路のみで実行可能であってもよい。あるいは、渋滞時自動運転は、特定区間のみで実行可能であってもよい。これらの場合に、渋滞の一時的解消の場面における、走行速度が渋滞時自動運転の上限速度を超えないようにする車速制御が、特に有益である。また、渋滞時自動運転における走行条件は、各国の道路交通制度に応じて適宜設定され得る。具体的には、例えば、渋滞時自動運転は、上記実施形態においては、解消下限車速が10km/hであり、且つ、解消上限車速が60km/hであった。しかしながら、本発明は、かかる態様に限定されない。すなわち、例えば、渋滞時自動運転は、渋滞の一時的解消状態をも含めて、60km/h以下あるいはこれ未満の速度域にて、継続操作を要せず安定的に実行され得る。かかる条件の自動運転は、「低速自動運転」と称され得る。「低速自動運転」は、渋滞の発生の有無にかかわらず実行され得るものであってもよい。
【0237】
上記実施形態において、運転制御ECU17は、SAEレベル1~3に対応する車両制御動作を実行可能に構成されている。しかしながら、本発明は、かかる態様に限定されない。すなわち、例えば、本発明は、SAEレベル1~5に対応する車両制御動作を実行可能な場合にも、好適に適用され得る。また、本発明における運転自動化のレベルあるいはカテゴリも、「SAE J3016」に規定されたものに限定されない。さらに、車速制御部173は、車速制御に加えて、操舵制御、制動制御、等の車両運動制御サブタスクを実行する、車両制御部として設けられ得る。
【0238】
DSM18は、車載通信回線10Aとは異なるサブ通信回線を介して情報通信可能に、HMI制御装置23と接続されていてもよい。
【0239】
DSM18は、運転者の視線あるいは顔の向きを画像認識により検出する構成に限定されない。すなわち、例えば、DSM18は、運転者の着座姿勢およびステアリングホイール把持状態を、画像センサとは異なる種類のセンサにより検出する構成を有していてもよい。
【0240】
操作部19は、運転者の発話を検出する音声入力装置を有していてもよい。
【0241】
操作部19は、HMI装置20の一部として設けられてもよい。
【0242】
HMI装置20は、メータパネル21とCID装置22とを備えた構成に限定されない。すなわち、例えば、HMI装置20は、ヘッドアップディスプレイを備えていてもよい。よって、HMI制御装置23は、上記実施形態にてCIDディスプレイ221に表示させた各種の情報およびメッセージを、CIDディスプレイ221に代えて、あるいはこれとともに、ヘッドアップディスプレイに表示させてもよい。なお、ヘッドアップディスプレイの機能および構成についても、特段の限定はない。
【0243】
ヘッドアップディスプレイとしては、例えば、自車両の前方路面を含む前景に虚像を重畳表示させるタイプのものが用いられ得る。「重畳表示」とは、前景に含まれる重畳対象物(例えば建物)の関連情報(例えば建物名)を、重畳対象物と重なるように表示したり重畳対象物の近傍に表示したりすることで、重畳対象物と関連情報とを互いに関連付けつつ表示することをいう。前方路面への経路表示、進行方向表示、交通情報表示、等も、「重畳表示」に該当する。
【0244】
メータ211とメータディスプレイ212とは、1つの表示デバイスによって実現され得る。この場合、メータ211は、液晶または有機ELディスプレイである1つの表示デバイスにおける左右両端部の表示領域として設けられ得る。すなわち、メータ211は、タコメータ、スピードメータ、水温計、等に対応する、ベゼル、指針、目盛、等を、画像表示することによって実現され得る。また、メータディスプレイ212は、かかる表示デバイスにおける、メータ211以外の表示領域として設けられ得る。
【0245】
入力デバイス222は、CIDディスプレイ221と重畳されるタッチパネルに代えて、あるいはこれとともに、運転者の手元で操作されるポインティングデバイス等を有していてもよい。入力デバイス222は、運転者の発話を検出する音声入力装置を有していてもよい。
【0246】
上記実施形態において、運転制御ECU17およびHMI制御装置23は、CPU等を備えた、いわゆる車載マイクロコンピュータとしての構成を有していた。しかしながら、本発明は、かかる構成に限定されない。
【0247】
例えば、運転制御ECU17の全部または一部は、上記のような動作を可能に構成されたデジタル回路、例えばASICあるいはFPGAを備えた構成であってもよい。ASICはApplication Specific Integrated Circuitの略である。FPGAはField Programmable Gate Arrayの略である。すなわち、運転制御ECU17において、車載マイクロコンピュータ部分とデジタル回路部分とは併存し得る。HMI制御装置23についても同様である。
【0248】
上記実施形態にて説明した、各種の動作、手順、あるいは処理を実行可能とする、本発明に係るプログラムは、DCM15等によるV2X通信を介して、ダウンロードあるいはアップグレードされ得る。あるいは、かかるプログラムは、車両の製造工場、整備工場、販売店、等に設けられた端末装置を介して、ダウンロードあるいはアップグレードされ得る。かかるプログラムの格納先は、メモリーカード、光学ディスク、磁気ディスク、等であってもよい。
【0249】
このように、上記の各機能構成および方法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つあるいは複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、上記の各機能構成および方法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、上記の各機能構成および方法は、一つあるいは複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移的実体的記憶媒体に記憶されていてもよい。すなわち、上記の各機能構成および方法は、これを実現するための手順を含むコンピュータプログラム、あるいは、当該プログラムを記憶した非遷移的実体的記憶媒体としても表現可能である。
【0250】
本発明は、上記実施形態にて示された具体的な機能構成および動作例に限定されない。例えば、継続提案メッセージ、前方注意メッセージ、等の各種メッセージは、CIDディスプレイ221に代えて、あるいはこれとともに、他の表示デバイスに表示されてもよい。「他の表示デバイス」は、例えば、メータディスプレイ212、および/または、不図示のヘッドアップディスプレイである。
【0251】
継続操作受付部235は、継続操作以外の各種入力操作を受け付ける操作受付部として設けられていてもよい。
【0252】
図2等に示された表示画面におけるデザインおよび操作機能も、適宜変更され得る。例えば、図2を参照すると、中央表示領域DA1内でのスワイプ操作により、種類変更ボタンDA4あるいはコンテンツ変更ボタンDA5と同様の機能が実現され得る。
【0253】
図6等に示されたフローチャートも、適宜変更され得る。例えば、ステップ604の判定結果が「NO」である場合、通常は、ステップ910と同様の、承認操作を所定時間待機する処理が実行される。しかしながら、図6においては、図面の紙面の関係、および、明細書における説明の簡略化の関係で、かかる待機処理の図示および説明は省略されている。
【0254】
ステップ607の処理において、HMI制御装置23は、セカンドタスク開始の報知を実行してもよい。セカンドタスク開始の報知は、例えば、文字表示および/または音声出力によって行われ得る。
【0255】
短時間コンテンツと長時間コンテンツとの区別の境界は、30分に限定されない。すなわち、例えば、両者の境界は、45分であってもよいし、60分であってもよいし、75分であってもよい。また、セカンドタスクコンテンツの種別は、短時間コンテンツと長時間コンテンツとの2つに限定されない。すなわち、例えば、セカンドタスクコンテンツの種別は、実行所要時間に応じて、3つ以上に分類され得る。この場合、図8におけるステップ808以降の処理において、継続可能時間Tcが第三閾値TcZ未満であるか否かの判定が追加され得る。Zは3以上の自然数である。
【0256】
図7に示された、自動運転開始条件の判定処理において、最初に、区間条件が成立しているか否かの判定処理(すなわちステップ701)が実行されている。しかしながら、本発明は、かかる態様に限定されない。すなわち、例えば、最初に、渋滞条件が成立しているか否かの判定処理(すなわちステップ705)が実行されてもよい。かかる変形例においては、渋滞条件が成立していない場合(すなわちステップ705=NO)、運転制御ECU17は、処理をステップ701に進行させて、区間条件が成立しているか否かを判定する。ステップ702の処理は、ステップ706あるいはステップ707における判定結果が「YES」の場合にも実行され得る。
【0257】
ステップ705における渋滞条件も、上記の具体例に限定されない。すなわち、例えば、自車両の前方所定距離範囲内に他車両が存在し、自車両が走行中の車線の隣車線に低速走行中の他車両が存在し、且つ自車両の走行速度が所定の速度閾値未満である場合に、渋滞条件成立が判定されてもよい。所定の速度閾値は、例えば、10km/hである。
【0258】
ステップ706および/またはステップ707は、省略され得る。すなわち、情報取得部171にて最新の交通情報が現在取得されていること、および/または、渋滞条件が成立している状態が所定時間継続していることは、渋滞時自動運転の開始条件から除外され得る。
【0259】
交通情報から渋滞情報が取得できなかった場合においても、渋滞予測時間Tjを算出することは可能である。具体的には、例えば、渋滞発生頻度が高い特定の走行区間は、地図情報上にて統計的に特定可能である。かかる走行区間を「渋滞予測区間」と称する。そこで、自車両が渋滞予測区間を走行中に自車両が実際の渋滞区間に突入した場合、渋滞予測時間Tjは、現在の渋滞中の自車両の平均走行速度と、渋滞予測区間の残存距離とに基づいて算出することができる。
【0260】
図11に示された、セカンドタスクの表示制御処理と、図15に示された情報割込提示処理とは、併合され得る。具体的には、例えば、図11に示されたフローチャートにおいて、ステップ1108~ステップ1110のうちのいずれかの判定結果が「NO」である場合に、図15に示された情報割込提示処理が実行されてもよい。図15におけるステップ1505の処理内容は、図11におけるステップ1111の処理内容と同一であってもよい。
【0261】
「閾値未満」は「閾値以下」に変更され得る。同様に、「閾値以上」と「閾値を超える」とは、相互に置換可能である。すなわち、「<」と「≦」とは、相互に置換可能である。同様に、「>」と「≧」とは、相互に置換可能である。
【0262】
「取得」「算出」「推定」「検出」「検知」「決定」等の類似の表現とは、技術的に矛盾しない範囲内において、相互に適宜置換可能である。「検出」あるいは「検知」と「抽出」とも、技術的に矛盾しない範囲内において、適宜置換可能である。
【0263】
上記実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、構成要素の個数、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数値に限定される場合等を除き、その特定の数値に本発明が限定されることはない。同様に、構成要素等の形状、方向、位置関係等が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に特定の形状、方向、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、方向、位置関係等に本発明が限定されることはない。
【0264】
変形例も、上記の例示に限定されない。例えば、複数の実施形態が、技術的に矛盾しない限り、互いに組み合わされ得る。また、複数の変形例が、技術的に矛盾しない限り、互いに組み合わされ得る。さらに、上記実施形態の全部または一部と、変形例の全部または一部とが、技術的に矛盾しない限り、互いに組み合わされ得る。
【0265】
(まとめ)
(1)上記実施形態および変形例によって示された本開示は、HMI制御方法およびHMI制御プログラムに関する、以下の各観点を含む。なお、下記の各観点は、技術的に矛盾しない限り、互いに組み合わせて適用可能である。
【0266】
第1の観点によれば、HMI制御方法は、自動運転可能な車両に搭載されるHMI装置(20)を制御する方法であって、
自動運転の継続可能時間を取得する処理と、
取得した前記継続可能時間に基づいて、自動運転中に運転席乗員が実行可能なセカンドタスクを前記HMI装置により提示する処理と、
を含む。
また、HMI制御プログラムは、自動運転可能な車両に搭載されるHMI装置(20)を制御するように構成されたHMI制御装置(23)により実行されるプログラムであって、
前記HMI制御装置により実行される処理は、
自動運転の継続可能時間を取得する処理と、
取得した前記継続可能時間に基づいて、自動運転中に運転席乗員が実行可能なセカンドタスクを前記HMI装置により提示する処理と、
を含む。
【0267】
第2の観点によれば、前記継続可能時間を取得する前記処理は、あらかじめ自動運転可能に設定された走行区間の距離に基づいて、前記継続可能時間を取得する処理を含む。
【0268】
第3の観点によれば、前記継続可能時間を取得する前記処理は、渋滞により自動運転が開始される場合に、かかる渋滞の継続予測時間に基づいて、前記継続可能時間を取得する処理を含む。
【0269】
第4の観点は、渋滞の一時的解消が検知された場合、実行中の前記セカンドタスクを継続するための入力操作を受け付ける、継続操作受付処理をさらに含む。
【0270】
第5の観点は、前記運転席乗員の挙動の検出結果を取得する、挙動取得処理をさらに含み、
前記継続操作受付処理は、前記運転席乗員が車両進行先の道路状況を確認中である旨の前記検出結果を前記挙動取得処理にて取得した場合に、前記入力操作を有効化する処理を含む。
【0271】
第6の観点によれば、
前記車両は、渋滞中に所定速度範囲内にて自動運転可能であり、
前記継続操作受付処理は、前記入力操作の受け付けを有効化した場合、前記車両の運転を制御する運転制御装置(17)にて前記所定速度範囲を超えないように前記車両の走行速度を制御させるために、前記入力操作を有効化したことを前記運転制御装置に通知する処理を含む。
【0272】
第7の観点は、前記運転席乗員が前記道路状況を確認中である旨の前記検出結果を前記挙動取得部にて取得した場合に、前記道路状況を前記HMI装置により表示する処理をさらに含む。
【0273】
第8の観点は、
前記運転席乗員の挙動の検出結果を取得する、挙動取得処理と、
前記運転席乗員が車両進行先の道路状況を確認中である旨の前記検出結果を前記挙動取得処理にて取得した場合に、前記道路状況を前記HMI装置により表示する、表示制御処理と、
をさらに含む。
【0274】
第9の観点によれば、前記セカンドタスクを前記HMI装置により提示する前記処理は、前記継続可能時間を取得できなかった場合、実行所要時間の異なる複数の前記セカンドタスクを選択可能に提示する処理を含む。
【0275】
第10の観点は、あらかじめ自動運転可能に設定された走行区間の走行による前記継続可能時間が所定の実行下限時間よりも短い場合、かかる走行区間におけるセカンドタスクの実行を不許可とする処理を含む。
【0276】
第11の観点は、渋滞の継続予測時間に基づいて取得された前記継続可能時間の長短にかかわらず、渋滞走行中のセカンドタスクの実行を許可する処理を含む。
【0277】
第12の観点によれば、前記セカンドタスクを前記HMI装置により提示する前記処理は、渋滞の継続予測時間に基づいて取得された前記継続可能時間が所定の機種限定時間よりも短い場合、渋滞走行中にセカンドタスクを実行する前記HMI装置を車載機器(22)に限定する処理を含む。
【0278】
第12の観点によれば、前記セカンドタスクを前記HMI装置により提示する前記処理は、前記継続可能時間が所定の制限時間よりも短い場合、当該継続可能時間に基づく実行可能なセカンドタスクの提示に代えて、または、かかる提示に先駆けて、セカンドタスクが実行可能であることを示す情報を前記HMI装置により提示する処理を含む。
【0279】
第13の観点は、前記セカンドタスクの実行開始から所定の割込待機時間以上自動運転を継続可能である場合、前記車両の走行状態または周辺情報を前記HMI装置により提示する処理を含む。
【0280】
(2)上記実施形態および変形例によって示された本開示は、運転制御方法および運転制御プログラムに関する、以下の各観点を含む。なお、下記の各観点は、技術的に矛盾しない限り、互いに組み合わせて適用可能である。
【0281】
第1の観点によれば、運転制御方法は、渋滞中に所定速度範囲内にて自動運転可能な車両の運転を制御する方法であって、
少なくとも前記車両の走行状態を取得する、情報取得処理と、
前記情報取得処理により取得した前記走行状態に基づいて、自動運転の実行可否を決定する、運転レベル決定処理と、
前記運転レベル決定処理によって決定された、自動運転の実行可否に応じて、前記車両の走行速度を制御する、車速制御処理と、
を含み、
前記情報取得処理は、前記走行状態としての渋滞状態を取得するとともに、前記車両に搭載されたHMI装置(20)を制御するHMI制御装置(23)から運転席乗員によるセカンドタスクの実行状態を取得する処理を含み、
前記車速制御処理は、取得した前記渋滞状態が渋滞の一時的解消であり、且つ、実行中の前記セカンドタスクの継続要求があった場合、前記走行速度を、前記所定速度範囲内で増速制御する処理を含む。
また、運転制御プログラムは、渋滞中に所定速度範囲内にて自動運転可能な車両の運転を制御するように構成された運転制御装置(17)により実行される運転制御プログラムであって、
前記運転制御装置により実行される処理は、
少なくとも前記車両の走行状態を取得する、情報取得処理と、
前記情報取得処理により取得した前記走行状態に基づいて、自動運転の実行可否を決定する、運転レベル決定処理と、
前記運転レベル決定処理によって決定された、自動運転の実行可否に応じて、前記車両の走行速度を制御する、車速制御処理と、
を含み、
前記情報取得処理は、前記走行状態としての渋滞状態を取得するとともに、前記車両に搭載されたHMI装置(20)を制御するHMI制御装置(23)から運転席乗員によるセカンドタスクの実行状態を取得する処理を含み、
前記車速制御処理は、取得した前記渋滞状態が渋滞の一時的解消であり、且つ、実行中の前記セカンドタスクの継続要求があった場合、前記走行速度を、前記所定速度範囲内で増速制御する処理を含む。
【0282】
第2の観点によれば、
前記運転レベル決定処理は、前記所定速度範囲に含まれる最低制限速度が設定された専用道路を走行中且つ渋滞中である場合に、自動運転の実行を決定する処理を含み、
前記車速制御処理は、取得した前記走行状態が前記専用道路走行中における渋滞の一時的解消であり、且つ、前記継続要求があった場合、前記走行速度を、前記所定速度範囲内で前記最低制限速度以上に制御するする処理を含む。
【0283】
第3の観点によれば、前記運転レベル決定処理は、実行中の前記セカンドタスクを継続するための入力操作が前記HMI装置にて有効に受け付けられて前記HMI装置から前記継続要求が通知された場合、自動運転の継続を決定するする処理を含む。
【0284】
第4の観点によれば、前記運転レベル決定処理は、前記運転席乗員の挙動の検出結果が、車両進行先の道路状況を確認中である旨である場合に、前記入力操作が前記HMI装置にて有効に受け付けられたものとして、自動運転の継続を決定する処理を含む。
【0285】
第5の観点によれば、前記運転レベル決定処理は、あらかじめ自動運転可能に設定された走行区間の走行による継続可能時間が所定の実行下限時間よりも短い場合、かかる走行区間における自動運転の実行を不許可とする処理を含む。
【0286】
第6の観点によれば、前記運転レベル決定処理は、渋滞の継続予測時間に基づいて取得された継続可能時間の長短にかかわらず、渋滞走行中の自動運転の実行を許可する処理を含む。
【符号の説明】
【0287】
17 運転制御ECU(運転制御装置)
171 情報取得部
172 運転レベル決定部
173 車速制御部
23 HMI制御装置
232 挙動取得部
233 時間取得部
234 セカンドタスク提示部
235 継続操作受付部
236 表示制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15