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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171466
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20231124BHJP
   H01L 25/04 20230101ALI20231124BHJP
   H02M 3/155 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
H01L25/04 C
H01L25/04 Z
H02M3/155 Y
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023171675
(22)【出願日】2023-10-02
(62)【分割の表示】P 2021526894の分割
【原出願日】2020-06-19
(31)【優先権主張番号】P 2019116622
(32)【優先日】2019-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(72)【発明者】
【氏名】坂入 寛之
(72)【発明者】
【氏名】中小原 佑輔
(72)【発明者】
【氏名】中原 健
(57)【要約】
【課題】複数の半導体素子が1パッケージ化された半導体装置であって、寄生インダクタンスの低減や寄生抵抗の低減を図った半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置A1は、互いに離間するリード4A、リード4Bおよびリード4Cを含むリードフレーム4と、素子主面1aを有し、素子主面1aにドレイン電極11、ソース電極12およびゲート電極13が配置された半導体素子1と、素子主面2aを有し、素子主面2aにドレイン電極21、ソース電極22およびゲート電極23が配置された半導体素子2と、を備えており、リード4Aは、ソース電極12およびドレイン電極21に導通し、リード4Bは、ソース電極22に導通し、かつ、z方向に見て、x方向に隣り合い、リード4Cは、ドレイン電極11に導通しており、かつ、リード4Aに隣り合う。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに離間する第1導電体、第2導電体および第3導電体を含む導電性部材と、
第1主面を有し、当該第1主面に第1ドレイン電極、第1ソース電極および第1ゲート電極が配置された第1半導体素子と、
第2主面を有し、当該第2主面に第2ドレイン電極、第2ソース電極および第2ゲート電極が配置された第2半導体素子と、
を備えており、
前記第1導電体は、前記第1ソース電極および前記第2ドレイン電極に導通し、
前記第2導電体は、前記第2ソース電極に導通し、かつ、前記第1主面に直交する第1方向に見て、前記第1方向に直交する第2方向に隣り合い、
前記第3導電体は、前記第1ドレイン電極に導通しており、かつ、前記第1導電体に隣り合う、半導体装置。
【請求項2】
前記第3導電体と前記第1ドレイン電極とを導通させる第1接続部材と、
前記第1ソース電極と前記第1導電体とを導通させる第2接続部材と、
前記第1導電体と前記第2ドレイン電極とを導通させる第3接続部材と、
前記第2ソース電極と前記第2導電体とを導通させる第4接続部材と、
をさらに備えており、
前記第1半導体素子は、前記第1導電体に搭載され、かつ、前記第1主面が、前記第1方向において前記第1導電体に対向する方向と反対側を向き、
前記第1半導体素子は、前記第2導電体に搭載され、かつ、前記第2主面が、前記第1方向において前記第2導電体に対向する方向と反対側を向く、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第3接続部材は、前記第1導電体に接合される接合部を有し、
前記接合部は、前記第1導電体のうち、前記第1半導体素子と前記第2半導体素子との間の領域に接合される、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1接続部材は、前記第1方向に見て、前記第1導電体と前記第3導電体とを絶縁する第1絶縁領域に重なる、請求項2または請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第3接続部材は、前記第1方向に見て、前記第1導電体と前記第2導電体とを絶縁する第2絶縁領域に重なる、請求項2または請求項3に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第2導電体と前記第3導電体とは、前記第2方向に見て、重なる、請求項2ないし請求項5のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項7】
第1素子電極および第2素子電極を含む制御素子と、
前記第1ゲート電極と前記第1素子電極とを導通させる第5接続部材と、
前記第2ゲート電極と前記第2素子電極とを導通させる第6接続部材と、
をさらに備えており、
前記制御素子は、前記第1半導体素子のスイッチング動作を制御する第1駆動信号を前記第1素子電極から出力し、かつ、前記第2半導体素子のスイッチング動作を制御する第2駆動信号を前記第2素子電極から出力する、請求項2ないし請求項6のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記導電性部材は、前記第1導電体、前記第2導電体および前記第3導電体から離間し、かつ、前記制御素子を搭載する第4導電体をさらに含んでおり、
前記第4導電体は、前記第1方向および前記第2方向の両方に直交する第3方向に見て、前記第1導電体に重なり、かつ、前記第2方向に見て、前記第1導電体よりも前記第3方向の一方に位置する、請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第4導電体は、前記第2方向に見て、前記第2導電体よりも前記第3方向の前記一方に位置する、請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第1導電体および前記第2導電体の各々は、前記第2方向に見て、前記第4導電体に重ならない、請求項9に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第5接続部材は、前記第1方向に見て、前記導電性部材のうち、前記第1導電体および前記第4導電体にのみ重なる、請求項8ないし請求項10のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記第6接続部材は、前記第1方向に見て、前記導電性部材のうち、前記第2導電体および前記第4導電体にのみ重なる、請求項8ないし請求項11のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記第1半導体素子のオン抵抗は、前記第2半導体素子のオン抵抗よりも小さい、請求項8ないし請求項12のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記第2半導体素子のオン抵抗は、前記第1半導体素子のオン抵抗よりも小さい、請求項8ないし請求項12のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記第1ドレイン電極は、各々が前記第1方向に直交する第1延出方向に延びる複数の第1ドレインパッド部を含んでおり、
前記第1ソース電極は、各々が前記第1延出方向に延びる複数の第1ソースパッド部を含んでおり、
前記複数の第1ドレインパッド部および前記複数の第1ソースパッド部は、前記第1方向および前記第1延出方向の両方に直交する第1配列方向において、交互に並んでいる、請求項1ないし請求項14のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項16】
前記第2ドレイン電極は、各々が前記第1方向に直交する第2延出方向に延びる複数の第2ドレインパッド部を含んでおり、
前記第2ソース電極は、各々が前記第2延出方向に延びる複数の第2ソースパッド部を含んでおり、
前記複数の第2ドレインパッド部および前記複数の第2ソースパッド部は、前記第1方向および前記第2延出方向の両方に直交する第2配列方向において、交互に並んでいる、請求項15に記載の半導体装置。
【請求項17】
前記第1半導体素子および前記第2半導体素子の各構成材料は、窒化ガリウムである、請求項1ないし請求項16のいずれか一項に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数の半導体素子を搭載した半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の半導体素子を1つの樹脂部材でモールドした半導体装置が知られている。当該半導体装置は、システムインパッケージと呼ばれる。特許文献1には、2つのスイッチング素子と制御用ICとを1パッケージ化した半導体装置が開示されている。制御用ICは、各スイッチング素子を制御する半導体素子である。各スイッチング素子は、制御用ICからの信号に応じて、スイッチング動作を行う。このような半導体装置は、たとえば電子機器などの回路基板に実装され、DC/DCコンバータなどの電源回路に用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-218309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、電子機器の省エネルギー化・高性能化に伴い、半導体装置は、消費電力の低減やスイッチング動作の応答性の向上などが求められている。消費電力の低減やスイッチング動作の応答性の向上を図る上で、寄生インダクタンスの低減や寄生抵抗の低減が有効である。
【0005】
上記事情に鑑み、本開示は、複数の半導体素子が1パッケージ化された半導体装置であって、寄生インダクタンスの低減や寄生抵抗の低減を図った半導体装置を提供することを一の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によって提供される半導体装置は、互いに離間する第1導電体、第2導電体および第3導電体を含む導電性部材と、第1主面を有し、当該第1主面に第1ドレイン電極、第1ソース電極および第1ゲート電極が配置された第1半導体素子と、第2主面を有し、当該第2主面に第2ドレイン電極、第2ソース電極および第2ゲート電極が配置された第2半導体素子と、を備えており、前記第1導電体は、前記第1ソース電極および前記第2ドレイン電極に導通し、前記第2導電体は、前記第2ソース電極に導通し、かつ、前記第1主面に直交する第1方向に見て、前記第1方向に直交する第2方向に隣り合い、前記第3導電体は、前記第1ドレイン電極に導通しており、かつ、前記第1方向に見て、前記第1導電体および前記第2導電体のそれぞれに隣り合うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示の半導体装置によれば、複数の半導体素子が1パッケージ化された半導体装置において、寄生インダクタンスや寄生抵抗を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態にかかる半導体装置を示す斜視図である。
図2図1の斜視図において、封止部材を想像線で示した図である。
図3】第1実施形態にかかる半導体装置を示す斜視図(底面側から見た状態)である。
図4】第1実施形態にかかる半導体装置を示す平面図である。
図5図4の平面図の一部を拡大した部分拡大図である。
図6図4のVI-VI線に沿う断面図である。
図7図4のVII-VII線に沿う断面図である。
図8図4のVIII-VIII線に沿う断面図である。
図9】第1実施形態にかかる電力変換装置を示す回路構成図である。
図10】第1実施形態にかかる電力変換装置を示す斜視図である。
図11】第1実施形態にかかる電力変換装置を示す平面図である。
図12】第2実施形態にかかる電力変換装置を示す平面図である。
図13】第2実施形態にかかる電力変換装置を示す回路構成図である。
図14】第3実施形態にかかる電力変換装置を示す平面図である。
図15】第3実施形態の変形例にかかる電力変換装置を示す平面図である。
図16】第4実施形態にかかる電力変換装置を示す平面図である。
図17】第4実施形態の変形例にかかる電力変換装置を示す平面図である。
図18】第5実施形態にかかる電力変換装置を示す平面図である。
図19】第6実施形態にかかる電力変換装置を示す平面図である。
図20図19のXX-XX線に沿う断面図である。
図21】第7実施形態にかかる電力変換装置を示す平面図である。
図22】第8実施形態にかかる電力変換装置を示す平面図である。
図23図22のXXIII-XXIII線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の半導体装置の好ましい実施の形態について、図面を参照して、以下に説明する。なお、同一あるいは類似の構成要素には、同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0010】
本開示において、「ある物Aがある物Bにある方向に見て重なる」とは、特段の断りのない限り、「ある方向に見て、ある物Aがある物Bのすべてに重なること」、および、「ある方向に見て、ある物Aがある物Bの一部に重なること」を含む。また、本開示における「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、単にラベルとして用いたものであり、必ずしもそれらの対象物に順列を付することを意図していない。
【0011】
第1実施形態にかかる半導体装置A1について、図1図11を参照して説明する。半導体装置A1は、たとえばインバータやコンバータなどの電力変換装置に用いられる。
【0012】
図1図8は、第1実施形態にかかる半導体装置A1のモジュール構造を示している。半導体装置A1は、そのモジュール構造において、2つの半導体素子1,2、制御素子3、リードフレーム4、複数のワイヤ5A~5L、および、封止部材6を備えている。また、半導体装置A1において、リードフレーム4は、互いに分離した複数のリード4A~4Hを含む。
【0013】
図1は、半導体装置A1を示す斜視図である。図2は、図1の斜視図において、封止部材6を想像線(二点鎖線)で示した図である。図3は、半導体装置A1を示す斜視図であって、底面側から見た場合を示している。図4は、半導体装置A1を示す平面図であって、封止部材6を想像線(二点鎖線)で示している。図5は、図4の一部を拡大した部分拡大図である。図6は、図4のVI-VI線に沿う断面図である。図7は、図4のVII-VII線に沿う断面図である。図8は、図4のVIII-VIII線に沿う断面図である。
【0014】
説明の便宜上、互いに直交する3つの方向を、x方向、y方向、z方向と定義する。z方向は、半導体装置A1の厚さ方向である。x方向は、半導体装置A1の平面図(図4参照)における左右方向である。y方向は、半導体装置A1の平面図(図4参照)における上下方向である。また、x方向の一方をx1方向、x方向の他方をx2方向とする。同様に、y方向の一方をy1方向、y方向の他方をy2方向とし、z方向の一方をz1方向、z方向の他方をz2方向とする。本開示において、z1方向を下、z2方向を上という場合もある。z方向が、特許請求の範囲に記載の「第1方向」に相当し、x方向が、特許請求の範囲に記載の「第2方向」に相当し、y方向が、特許請求の範囲に記載の「第3方向」に相当する。
【0015】
半導体装置A1は、電子機器などの回路基板に実装される。半導体装置A1は、たとえば表面実装形のパッケージ構造であり、本実施形態では、たとえばSON(Small Outline Non-lead)と呼ばれるパッケージ形式である。
【0016】
2つの半導体素子1,2はともに、半導体装置A1の電気的機能を発揮する要素である。各半導体素子1,2は、スイッチング素子であり、本開示では、MOSFETである。なお、各半導体素子1,2は、MOSFETに限定されず、MISFET(Metal-Insulator-Semiconductor FET)やHEMT(High Electron Mobility Transistor:高電子移動度トランジスタ)を含む電界効果トランジスタ、バイポーラトランジスタ、あるいは、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの他のトランジスタであってもよい。また、各半導体素子1,2は、n型MOSFETであってもよいし、p型MOSFETであってもよい。各半導体素子1,2は、好ましくは、トレンチゲート型であるが、プレーナーゲート型であってもよい。
【0017】
各半導体素子1,2は、図4に示すように、平面視において(z方向に見て)、たとえば矩形状である。図2および図4に示すように、半導体素子1は、リード4Aに搭載され、半導体素子2は、リード4Bに搭載されている。各半導体素子1,2の各構成材料は、たとえばGaN(窒化ガリウム)を含む。なお、各半導体素子1,2の各構成材料は、GaNに限定されず、たとえばSiC(炭化ケイ素)、Si(ケイ素)、GaAs(ヒ化ガリウム)あるいはGa2O3(酸化ガリウム)を含んでいてもよい。半導体素子1が、特許請求の範囲に記載の「第1半導体素子」に相当し、半導体素子2が、特許請求の範囲に記載の「第2半導体素子」に相当する。
【0018】
半導体素子1は、図6に示すように、素子主面1aおよび素子裏面1bを有する。素子主面1aおよび素子裏面1bは、z方向において離間している。素子主面1aは、z2方向を向き、素子裏面1bは、z1方向を向く。本例示において、素子主面1aおよび素子裏面1bは、z方向に直交する。素子裏面1bは、リード4Aに対向する。素子主面1aが、特許請求の範囲に記載の「第1主面」に相当し、素子裏面1bが、特許請求の範囲に記載の「第1裏面」に相当する。
【0019】
半導体素子1は、3つの電極を有する3端子素子である。本実施形態においては、半導体素子1は、図4図5および図6に示すように、ドレイン電極11、ソース電極12およびゲート電極13を含んでいる。ドレイン電極11、ソース電極12およびゲート電極13は、図6に示すように、素子主面1aに配置されている。ドレイン電極11が、特許請求の範囲に記載の「第1ドレイン電極」に相当し、ソース電極12が、特許請求の範囲に記載の「第1ソース電極」に相当し、ゲート電極13が、特許請求の範囲に記載の「第1ゲート電極」に相当する。
【0020】
ドレイン電極11は、図5に示すように、複数のパッド部111を含む。各パッド部111は、第1延出方向に延びる帯状である。図5に示す例示においては、各パッド部111は、y方向に延びており、第1延出方向とy方向とが略一致する。各パッド部111は、半導体素子1の内部において、ドレイン領域に導通する。パッド部111が、特許請求の範囲に記載の「第1ドレインパッド部」に相当する。
【0021】
ソース電極12は、図5に示すように、複数のパッド部121を含む。各パッド部121は、各パッド部111と同様に、第1延出方向に延びる帯状である。図5に示す例示においては、各パッド部121は、y方向に延びている。各パッド部121は、半導体素子1の内部において、ソース領域に導通する。パッド部121が、特許請求の範囲に記載の「第1ソースパッド部」に相当する。
【0022】
複数のパッド部111および複数のパッド部121は、第1配列方向に並んでおり、かつ、交互に配置されている。第1配列方向は、第1延出方向に略直交する方向であり、第1延出方向がy方向と略一致するとき、第1配列方向は、x方向と略一致する。
【0023】
ゲート電極13は、図5に示すように、2つのパッド部131,132を含む。各パッド部131,132は、半導体素子1の内部において、ゲート領域(チャネル領域)に導通する。2つのパッド部131,132は、素子主面1aのうち、y1方向側の端縁付近に配置されており、かつ、x方向において互いに離間している。図5に示す例示においては、パッド部131は、平面視において、x2方向側かつy1方向側の角部に配置されている。パッド部132は、平面視において、x1方向側かつy1方向側の角部に配置されている。2つのパッド部131,132はともに、同電位である。なお、ゲート電極13は、パッド部132を含んでいなくてもよい。
【0024】
半導体素子1は、制御素子3から駆動信号が入力され、当該駆動信号に応じて、導通状態と遮断状態とが切り替わる(スイッチング動作を行う)。当該駆動信号は、ワイヤ5Eを介して、ゲート電極13(パッド部131)に入力される。
【0025】
半導体素子2は、図7に示すように、素子主面2aおよび素子裏面2bを有する。素子主面2aおよび素子裏面2bは、z方向において離間している。素子主面2aは、z2方向を向き、素子裏面2bは、z1方向を向く。本例示において、素子主面2aおよび素子裏面2bは、z方向に直交する。素子裏面2bは、リード4Bに対向する。素子主面2aが、特許請求の範囲に記載の「第2主面」に相当し、素子裏面2bが、特許請求の範囲に記載の「第2裏面」に相当する。
【0026】
半導体素子2は、3つの電極を有する3端子素子である。本実施形態においては、半導体素子2は、図4図5および図7に示すように、ドレイン電極21、ソース電極22およびゲート電極23を含んでいる。ドレイン電極21、ソース電極22およびゲート電極23は、図7に示すように、素子主面2aに配置されている。ドレイン電極21が、特許請求の範囲に記載の「第2ドレイン電極」に相当し、ソース電極22が、特許請求の範囲に記載の「第2ソース電極」に相当し、ゲート電極23が、特許請求の範囲に記載の「第2ゲート電極」に相当する。
【0027】
ドレイン電極21は、図5に示すように、複数のパッド部211を含む。各パッド部211は、第2延出方向に延びる帯状である。第2延出方向は、第1延出方向に対して、10°以上170°以下の角度で傾いている。つまり、第1延出方向と第2延出方向とがなす角度が、10°以上170°以下である。図5に示す例示においては、各パッド部211は、x方向の延びており、第2延出方向とx方向とが略一致する。つまり、図5に示す例示においては、第1延出方向と第2延出方向とがなす角度が略90°である。各パッド部211は、半導体素子2の内部において、ドレイン領域に導通する。パッド部211が、特許請求の範囲に記載の「第2ドレインパッド部」に相当する。
【0028】
ソース電極22は、図5に示すように、複数のパッド部221を含む。各パッド部221は、各パッド部211と同様に、第2延出方向に延びる帯状である。図5に示す例示においては、各パッド部221は、x方向に延びている。各パッド部221は、半導体素子2の内部において、ソース領域に導通する。パッド部221が、特許請求の範囲に記載の「第2ソースパッド部」に相当する。
【0029】
複数のパッド部211および複数のパッド部221は、第1配列方向に並んでおり、かつ、交互に配置されている。第2配列方向は、第2延出方向に略直交する方向であり、第2延出方向がx方向と略一致するとき、第2配列方向は、y方向と略一致する。
【0030】
ゲート電極23は、図5に示すように、2つのパッド部231,232を含む。各パッド部231,232は、半導体素子2の内部において、ゲート領域(チャネル領域)に導通する。2つのパッド部231,232は、素子主面2aのうちx2方向側の端縁付近に配置され、かつ、y方向において互いに離間している。図5に示す例示においては、パッド部231は、平面視において、x2方向側かつy1方向側の角部に配置されている。パッド部232は、平面視において、x2方向側かつy2方向側の角部に配置されている。2つのパッド部231,232はともに、同電位である。なお、ゲート電極23は、パッド部232を含んでいなくてもよい。
【0031】
半導体素子2は、制御素子3から駆動信号が入力され、当該駆動信号に応じて、導通状態と遮断状態とが切り替わる(スイッチング動作を行う)。当該駆動信号は、ワイヤ5Fを介して、ゲート電極23(パッド部231)に入力される。
【0032】
制御素子3は、2つの半導体素子1,2の各スイッチング動作を制御する。制御素子3は、各半導体素子1,2を駆動させるための駆動信号を生成し、生成した駆動信号を半導体素子1,2のそれぞれに出力する。制御素子3は、たとえばIC(集積回路)である。制御素子3は、半導体材料を含んで構成された半導体素子である。制御素子3は、図2および図4に示すように、リード4Dに搭載されている。図4に示す例示においては、制御素子3は、y方向に見て、各半導体素子1,2のそれぞれ一部ずつに重なっている。
【0033】
制御素子3は、図8に示すように、素子主面3aおよび素子裏面3bを有する。素子主面3aおよび素子裏面3bは、z方向において離間しており。素子主面3aは、z2方向を向き、素子裏面3bは、z1方向を向く。素子裏面3bは、リード4Dに対向する。
【0034】
制御素子3は、図4に示すように、複数の素子電極31~38を含んでいる。複数の素子電極31~38はそれぞれ、素子主面3aに配置されている。素子電極31~38はそれぞれ、制御素子3における入力端あるいは出力端である。平面視における各素子電極31~38の配置は、図4に示す例示に限定されない。
【0035】
素子電極31は、図4に示すように、ワイヤ5Jの一端が接合されており、ワイヤ5Jを介して、リード4Fに導通する。
【0036】
素子電極32は、図4に示すように、ワイヤ5Hの一端が接合されており、ワイヤ5Hを介して、リード4Dに導通する。
【0037】
素子電極33は、図4に示すように、ワイヤ5Kの一端が接合されており、ワイヤ5Kを介して、リード4Gに導通する。
【0038】
素子電極34は、図4に示すように、ワイヤ5Lの一端が接合されており、ワイヤ5Lを介して、リード4Hに導通する。
【0039】
素子電極35は、図4に示すように、ワイヤ5Eの一端が接合されており、ワイヤ5Eを介して、半導体素子1のゲート電極13(パッド部131)に導通する。半導体素子1のスイッチング動作を制御する駆動信号(第1駆動信号)は、素子電極35から出力される。素子電極35が、特許請求の範囲に記載の「第1素子電極」に相当する。
【0040】
素子電極36は、図4に示すように、ワイヤ5Fの一端が接合されており、ワイヤ5Fを介して、半導体素子2のゲート電極23(パッド部231)に導通する。半導体素子2のスイッチング動作を制御する駆動信号(第2駆動信号)は、素子電極36から出力される。素子電極36が、特許請求の範囲に記載の「第2素子電極」に相当する。
【0041】
素子電極37は、図4に示すように、ワイヤ5Iの一端が接続されており、ワイヤ5Iを介して、リード4Eに導通する。
【0042】
素子電極38は、図4に示すように、ワイヤ5Gの一端が接合されており、ワイヤ5Gを介して、リード4Aに導通する。
【0043】
リードフレーム4は、2つの半導体素子1,2および制御素子3が搭載される。リードフレーム4は、複数のワイヤ5A~5Lとともに、半導体装置A1における導通経路をなす。リードフレーム4は、導電性の材料から構成される。リードフレーム4の構成材料は、たとえばCu(銅)を含む金属である。なお、当該構成材料は、Cu以外の他の金属であってもよい。また、リードフレーム4の表面に適宜、めっきを施してもよい。リードフレーム4は、図4に示すように、互いに離間した複数のリード4A~4Hを含む。複数のリード4A~4Hはそれぞれ、図3に示すように、一部ずつが封止部材6から露出しており、この露出した部分は半導体装置A1を外部の回路基板(たとえば後述の回路基板B1)に実装する際の端子である。
【0044】
リード4Aは、図4に示すように、半導体素子1を搭載する。リード4Aは、複数のワイヤ5Bの各一端が接合されており、複数のワイヤ5Bを介して、半導体素子1のソース電極12に導通する。また、リード4Aは、複数のワイヤ5Cの各一端が接合されており、複数のワイヤ5Cを介して、半導体素子2のドレイン電極21に導通する。さらに、リード4Aは、ワイヤ5Gの一端が接合されており、ワイヤ5Gを介して、制御素子3の素子電極38に導通する。
【0045】
リード4Bは、図4に示すように、半導体素子2を搭載する。リード4Bは、複数のワイヤ5Dの各一端が接合されており、複数のワイヤ5Dを介して、半導体素子2のソース電極22に導通する。
【0046】
リード4Cは、図4に示すように、複数のワイヤ5Aの各一端が接合されており、複数のワイヤ5Aを介して、半導体素子1のドレイン電極11に導通する。
【0047】
リード4Dは、図4に示すように、制御素子3を搭載する。リード4Dは、ワイヤ5Hの一端が接合されており、ワイヤ5Hを介して、制御素子3の素子電極32に導通する。
【0048】
リード4Eは、図4に示すように、ワイヤ5Iの一端が接合されており、ワイヤ5Iを介して、制御素子3の素子電極37に導通する。
【0049】
リード4Fは、図4に示すように、ワイヤ5Jの一端が接合されており、ワイヤ5Jを介して、制御素子3の素子電極31に導通する。
【0050】
リード4Gは、図4に示すように、ワイヤ5Kの一端が接合されており、ワイヤ5Kを介して、制御素子3の素子電極33に導通する。
【0051】
リード4Hは、図4に示すように、ワイヤ5Lの一端が接合されており、ワイヤ5Lを介して、制御素子3の素子電極34に導通する。
【0052】
リードフレーム4において、各リード4A~4Hは、図4に示すように、次に示す位置関係をとる。
【0053】
リード4Aとリード4Bとは、平面視において、x方向に隣り合っている。リード4Aとリード4Bとの間には、絶縁領域49A(理解の便宜上、図4においてドットで示す)が介在する。リード4Aとリード4Bとは、x方向に見て重なる。絶縁領域49Aが、特許請求の範囲に記載の「第2絶縁領域」に相当する。
【0054】
リード4Aとリード4Cとは、平面視において、y方向に隣り合っている。リード4Aとリード4Cとの間には、絶縁領域49B(理解の便宜上、図4においてドットで示す)が介在する。リード4Aとリード4Cとは、y方向に見て重なる。絶縁領域49Bが、特許請求の範囲に記載の「第1絶縁領域」に相当する。
【0055】
リード4Bとリード4Cとは、平面視において、x方向に隣り合っている。リード4Bとリード4Cとの間には、絶縁領域49C(理解の便宜上、図4においてドットで示す)が介在する。リード4Bとリード4Cとは、x方向に見て重なる。
【0056】
リード4Cは、半導体素子1に対して、第1延出方向上に配置されており、リード4Aは、半導体素子2に対して、第2延出方向上に配置されている。
【0057】
リード4Aおよびリード4Bはともに、リード4Dよりもy2方向に配置されている。リード4Aおよびリード4Bはともに、y方向に見てリード4Dに重なり、かつ、x方向に見てリード4Dに重ならない。
【0058】
リード4E、リード4F、リード4Gおよびリード4Hはそれぞれ、x方向に見て、リード4Dに重なる。リード4Eおよびリード4Fは、y方向に見て、リード4Aおよびリード4Cに重なり、リード4Gおよびリード4Hは、y方向に見て、リード4Bに重なる。リード4Eとリード4Gとは、x方向に見て重なり、リード4Fとリード4Hとは、x方向に見て重なる。リード4Dには、x2方向に突き出た突出部があり、当該突出部は、y方向において、リード4Gとリード4Hとの間に位置する。
【0059】
リードフレーム4において、x1方向側の端縁に沿って、リード4C、リード4A、リード4Eおよびリード4Fがこの順に並んでおり、x2方向側の端縁に沿って、リード4B、リード4G、リード4Dの上記突出部およびリード4Hがこの順に並んでいる。さらに、リードフレーム4において、y1方向側の端縁に沿って、リード4F、リード4Dおよびリード4Hがこの順に並んでおり、y2方向側の端縁に沿って、リード4Cおよびリード4Bがこの順に並んでいる。
【0060】
本実施形態においては、リードフレーム4が、特許請求の範囲に記載の「導電性部材」に相当する。リード4Aが、特許請求の範囲に記載の「第1導電体」に相当する。リード4Bが、特許請求の範囲に記載の「第2導電体」に相当する。リード4Cが、特許請求の範囲に記載の「第3導電体」に相当する。リード4Dが、特許請求の範囲に記載の「第4導電体」に相当する。リード4Eが、特許請求の範囲に記載の「第5導電体」に相当する。リード4Fが、特許請求の範囲に記載の「第6導電体」に相当する。リード4Gが、特許請求の範囲に記載の「第7導電体」に相当する。リード4Hが、特許請求の範囲に記載の「第8導電体」に相当する。
【0061】
複数のワイヤ5A~5Lはそれぞれ、離間した2つの部材を導通させる。各ワイヤ5A~5Lは、いわゆるボンディングワイヤである。各ワイヤ5A~5Lは、導電性の材料から構成される。各ワイヤ5A~5Lの構成材料は、たとえばAu(金)を含む金属、Al(アルミニウム)を含む金属、あるいはCuを含む金属などのいずれであってもよい。図4に示す例示においては、複数のワイヤ5A~5Dの線径(太さ)は、複数のワイヤ5E~5Lの線径(太さ)よりも大きいが、同じあるいは小さくてもよい。なお、ワイヤ5A~5Lの数はそれぞれ、図2に示す数に、限定されず、各パッド部111,121,131,132,211,221,231,232および各素子電極31~38のそれぞれの構成(平面視面積、配置および数など)、各ワイヤ5A~5Lの線径、および、各ワイヤ5A~5Lに流れる電流量などを考慮して、適宜変更してもよい。
【0062】
複数のワイヤ5Aはそれぞれ、図4および図5に示すように、一端が半導体素子1のドレイン電極11(複数のパッド部111のいずれか)に接合され、他端がリード4Cに接合される。図4および図5に示す例示においては、3つのパッド部111の各々に対して、それぞれ3つのワイヤ5Aが接合されている。各ワイヤ5Aは、ドレイン電極11(各パッド部111)とリード4Cとを導通させる。各ワイヤ5Aは、図4に示すように、平面視において、絶縁領域49Bに重なる。
【0063】
複数のワイヤ5Bはそれぞれ、図4および図5に示すように、一端が半導体素子1のソース電極12(複数のパッド部121のいずれか)に接合され、他端がリード4Aに接合される。図4および図5に示す例示においては、2つのパッド部121の各々に対して、それぞれ3つのワイヤ5Bが接合されている。各ワイヤ5Bは、ソース電極12(各パッド部121)とリード4Aとを導通させる。
【0064】
複数のワイヤ5Cはそれぞれ、図4および図5に示すように、一端が半導体素子2のドレイン電極21(複数のパッド部211のいずれか)に接合され、他端がリード4Aに接合される。図4および図5に示す例示においては、3つのパッド部211の各々に対して、それぞれ3つのワイヤ5Cが接合されている。各ワイヤ5Cは、ドレイン電極21(各パッド部211)とリード4Aとを導通させる。各ワイヤ5Cは、図4に示すように、平面視において、絶縁領域49Aに重なる。
【0065】
複数のワイヤ5Dはそれぞれ、図4および図5に示すように、一端が半導体素子2のソース電極22(複数のパッド部221のいずれか)に接合され、他端がリード4Bに接合される。図4および図5に示す例示においては、2つのパッド部221の各々に対して、それぞれ3つのワイヤ5Dが接合されている。各ワイヤ5Dは、ソース電極22(各パッド部221)とリード4Bとを導通させる。
【0066】
ワイヤ5Eは、図4に示すように、一端が制御素子3の素子電極35に接合され、他端が半導体素子1のゲート電極13(パッド部131)に接合される。ワイヤ5Eは、素子電極35とゲート電極13(パッド部131)とを導通させる。ワイヤ5Eは、図4に示すように、平面視において、リードフレーム4のうちリード4Aおよびリード4Dのみに重なる。つまり、ワイヤ5Eは、平面視において、リード4B,4C,4E~4Hに重ならない。
【0067】
ワイヤ5Fは、図4に示すように、一端が制御素子3の素子電極36に接合され、他端が半導体素子2のゲート電極23(パッド部231)に接合される。ワイヤ5Fは、素子電極36とゲート電極23(パッド部231)とを導通させる。ワイヤ5Fは、図4に示すように、平面視において、リードフレーム4のうちリード4Bおよびリード4Dのみに重なる。つまり、ワイヤ5Fは、平面視において、リード4A,4C,4E~4Hに重ならない。
【0068】
ワイヤ5Gは、図4に示すように、一端が制御素子3の素子電極38に接合され、他端がリード4Aに接合される。ワイヤ5Gは、素子電極38とリード4Aとを導通させる。
【0069】
ワイヤ5Hは、図4に示すように、一端が制御素子3の素子電極32に接合され、他端がリード4Dに接合される。ワイヤ5Hは、素子電極32とリード4Dとを導通させる。
【0070】
ワイヤ5Iは、図4に示すように、一端が制御素子3の素子電極37に接合され、他端がリード4Eに接合される。ワイヤ5Iは、素子電極37とリード4Eとを導通させる。
【0071】
ワイヤ5Jは、図4に示すように、一端が制御素子3の素子電極31に接合され、他端がリード4Fに接合される。ワイヤ5Jは、素子電極31とリード4Fとを導通させる。
【0072】
ワイヤ5Kは、図4に示すように、一端が制御素子3の素子電極33に接合され、他端がリード4Gに接合される。ワイヤ5Kは、素子電極33とリード4Gとを導通させる。
【0073】
ワイヤ5Lは、図4に示すように、一端が制御素子3の素子電極34に接合され、他端がリード4Hに接合される。ワイヤ5Lは、素子電極34とリード4Hとを導通させる。
【0074】
本実施形態においては、ワイヤ5Aが、特許請求の範囲に記載の「第1接続部材」に相当する。ワイヤ5Bが、特許請求の範囲に記載の「第2接続部材」に相当する。ワイヤ5Cが、特許請求の範囲に記載の「第3接続部材」に相当する。ワイヤ5Dが、特許請求の範囲に記載の「第4接続部材」に相当する。ワイヤ5Eが、特許請求の範囲に記載の「第5接続部材」に相当する。ワイヤ5Fが、特許請求の範囲に記載の「第6接続部材」に相当する。
【0075】
封止部材6は、半導体素子1,2および制御素子3の保護部材である。封止部材6は、図2に示すように、各半導体素子1,2、制御素子3、リードフレーム4の一部および複数のワイヤ5A~5Lを覆う。封止部材6の構成材料は、電気絶縁性の樹脂材料であり、たとえばエポキシ樹脂である。封止部材6は、たとえば平面視矩形状である。なお、封止部材6の形状は、図1図4に示す例示に、限定されない。封止部材6は、図1図3および図4に示すように、樹脂主面61、樹脂裏面62および複数の樹脂側面631~634を有する。
【0076】
樹脂主面61および樹脂裏面62は、z方向において離間する。樹脂主面61は、図1に示すように、z2方向を向き、樹脂裏面62は、図3に示すように、z1方向を向く。樹脂裏面62から、各リード4A~4Jの一部(z1方向を向く面)が露出する。複数の樹脂側面631~634の各々は、z方向において樹脂主面61および樹脂裏面62に挟まれており、かつ、これらの両方に繋がる。図4に示すように、樹脂側面631,632は、x方向において離間しており、樹脂側面631は、x1方向を向き、樹脂側面632は、x2方向を向く。図4に示すように、樹脂側面633,634は、y方向において離間しており、樹脂側面633は、y1方向を向き、樹脂側面634は、y2方向を向く。
【0077】
次に、半導体装置A1を備えた電力変換装置W1について、図9図11を参照して、説明する。なお、以下の説明において、基準電位をグラウンド電圧VGNDという場合がある。
【0078】
図9は、電力変換装置W1の回路構成図である。図9に示す電力変換装置W1は、同期整流型の降圧型DC/DCコンバータである。なお、電力変換装置W1は、定電流制御を行う回路構成、定電圧制御を行う回路構成、あるいは、定電力制御を行う回路構成のいずれであってもよい。電力変換装置W1は、入力電圧Vinを降圧して、所望の出力電圧Voutを生成する電源回路である。出力電圧Voutは、負荷LOに供給される。なお、図9に示す回路図は、一例である。
【0079】
電力変換装置W1は、図9に示すように、その回路構成において、半導体装置A1、2つの外部電源PS1,PS2および複数のディスクリート部品(複数のコンデンサC11~C14およびインダクタL1)を含んでいる。また、半導体装置A1は、図9に示すように、その回路構成において、複数の外部端子T1~T8、2つの半導体素子1,2および制御素子3を備えている。なお、複数のディスクリート部品の1つ以上が半導体装置A1に内蔵されていてもよい。
【0080】
外部電源PS1は、制御素子3を駆動するための電源電圧VCCを発生させる。外部電源PS1の高電位側の端子は、外部端子T1に接続されている。外部電源PS1の低電位側の端子は、第1接地端GND1に接続され、基準電位に接地されている。外部電源PS1には、コンデンサC11が並列に接続されている。コンデンサC11は、電源電圧VCCを安定させるバイパスコンデンサである。
【0081】
外部電源PS2は、入力電圧Vinを発生させる。外部電源PS2の高電位側の端子は、外部端子T3に接続されている。外部電源PS2の低電位側の端子は、第2接地端GND2に接続され、基準電位に接地されている。なお、第1接地端GND1および第2接地端GND2はともに同一の基準電位への接地端である場合を示すが、第1接地端GND1の基準電位と第2接地端GND2の基準電位とを異ならせてもよい。外部電源PS2には、コンデンサC12が並列に接続されている。コンデンサC12は、入力電圧Vinを安定させるバイパスコンデンサである。
【0082】
インダクタL1は、2つの端子を含んでおり、一方の端子が外部端子T7に接続され、他方の端子が負荷LOおよびコンデンサC13に接続されている。コンデンサC13は、第1端がインダクタL1に接続され、第2端が第2接地端GND2に接続されている。インダクタL1とコンデンサC13とは、LCフィルタ回路を構成する。コンデンサC14は、第1端が外部端子T7に接続され、第2端が外部端子T8に接続される。コンデンサC14は、後述のダイオードD1とともに、ブートストラップ回路を構成する。コンデンサC14は、ブート電圧VBを発生させる。
【0083】
外部端子T1は、電源電圧VCCの入力端である。外部端子T1は、外部電源PS1の高電位側の端子に接続されている。外部端子T1は、半導体装置A1の内部において、制御素子3(後述の接続端子TC1)に接続される。外部端子T1は、たとえば、半導体装置A1のモジュール構造におけるリード4Fに対応する。
【0084】
外部端子T2は、第1接地端GND1に接続され、基準電位に接地されている。外部端子T2は、半導体装置A1の内部において、制御素子3(後述の接続端子TC2)に接続される。外部端子T2は、たとえば、半導体装置A1のモジュール構造におけるリード4Dに対応する。
【0085】
外部端子T3は、入力電圧Vinの入力端である。外部端子T3は、外部電源PS2の高電位側の端子に接続されている。外部端子T3は、半導体装置A1の内部において、半導体素子1のドレインに接続される。外部端子T3は、たとえば、半導体装置A1のモジュール構造におけるリード4Cに対応する。
【0086】
外部端子T4は、第2接地端GND2に接続され、基準電位に接地されている。外部端子T4は、半導体装置A1の内部において、半導体素子2のソースに接続される。外部端子T4は、たとえば、半導体装置A1のモジュール構造におけるリード4Bに対応する。
【0087】
外部端子T5は、制御信号SHの入力端である。制御信号SHは、半導体素子1のスイッチング動作を制御するための信号である。制御信号SHは、たとえば、ハイレベルとローレベルとが交互に切り替わる矩形パルス波である。外部端子T5は、半導体装置A1の内部において、制御素子3(後述の接続端子TC3)に接続される。外部端子T5は、たとえば半導体装置A1のモジュール構造におけるリード4Gに対応する。
【0088】
外部端子T6は、制御信号SLの入力端である。制御信号SLは、半導体素子2のスイッチング動作を制御するための信号である。制御信号SLは、たとえば、ハイレベルとローレベルとが交互に切り替わる矩形パルス波である。制御信号SLと制御信号SHとは、ハイレベル期間とローレベル期間とが互いに反転している。外部端子T6は、半導体装置A1の内部において、制御素子3(後述の接続端子TC4)に接続される。外部端子T6は、たとえば半導体装置A1のモジュール構造におけるリード4Hに対応する。
【0089】
外部端子T7は、出力電圧VSWの出力端である。出力電圧VSWは、半導体素子1と半導体素子2との各スイッチング動作によって生成される電圧信号である。外部端子T7は、半導体装置A1の内部において、半導体素子1のソースと半導体素子2のドレインとの接続点に接続される。外部端子T7は、たとえば、半導体装置A1のモジュール構造におけるリード4Aに対応する。
【0090】
外部端子T8は、ブート電圧VBの入力端である。ブート電圧VBは、コンデンサC14および後述のダイオードD1によって生成される電圧信号である。外部端子T8は、コンデンサC14の第2端が接続されている。外部端子T8は、半導体装置A1の内部において、制御素子3(後述の接続端子TC7)に接続される。外部端子T8は、たとえば、半導体装置A1のモジュール構造におけるリード4Eに対応する。
【0091】
2つの半導体素子1,2は、図9に示すように、MOSFETである。各半導体素子1,2は、ゲートに入力される駆動信号GH,GLに応じて、導通状態(オン状態)と遮断状態(オフ状態)とが切り替わる。2つの半導体素子1,2は、ハーフブリッジ型のスイッチング回路を構成しており、半導体素子1は、当該スイッチング回路の上アームであり、半導体素子2は、当該スイッチング回路の下アームである。
【0092】
半導体素子1のドレインは、外部端子T3に接続され、半導体素子1のソースは、半導体素子2のドレインに接続されている。半導体素子1のゲートは、制御素子3(後述の接続端子TC5)に接続されている。
【0093】
半導体素子1は、制御素子3からゲートに駆動信号GH(第1駆動信号)が入力されることで、当該駆動信号GHに応じて、スイッチング動作を行う。半導体素子1は、ゲートに入力される駆動信号GHがハイレベルのとき、導通状態となり、ゲートに入力される駆動信号GHがローレベルのとき、遮断状態となる。なお、半導体素子1は、ノーマリーオフタイプであるものとするが、ノーマリーオンタイプであってもよい。
【0094】
半導体素子2のドレインは、半導体素子1のソースに接続され、半導体素子2のソースは、外部端子T4に接続されている。半導体素子2のゲートは、制御素子3(後述の接続端子TC6)に接続されている。
【0095】
半導体素子2は、制御素子3からゲートに駆動信号GL(第2駆動信号)が入力されることで、当該駆動信号GLに応じて、スイッチング動作を行う。半導体素子2は、ゲートに入力される駆動信号GLがハイレベルのとき、導通状態となり、ゲートに入力される駆動信号GLがローレベルのとき、遮断状態となる。なお、半導体素子2は、ノーマリーオフタイプであるものとするが、ノーマリーオンタイプであってもよい。
【0096】
半導体素子1のソースと半導体素子2のドレインとの接続点は、外部端子T7に接続されるとともに、制御素子3(後述の接続端子TC8)に接続されている。半導体素子1のスイッチング動作と半導体素子2のスイッチング動作によって、外部端子T7に、出力電圧VSWが印加される。
【0097】
制御素子3は、主に、2つの半導体素子1,2のスイッチング動作を制御する。制御素子3は、入力される各制御信号SH,SLに基づき、各駆動信号GH,GLを生成し、生成した各駆動信号GH,GLを各半導体素子1,2に入力する。制御素子3は、その内部回路において、複数の接続端子TC1~TC8、2つのドライブ回路DR1,DR2およびダイオードD1を含んでいる。制御素子3は、2つのドライブ回路DR1,DR2およびダイオードD1が1チップ化されたICである。
【0098】
接続端子TC1は、外部端子T1に接続されており、制御素子3における電源電圧VCCの入力端である。接続端子TC1は、半導体装置A1のモジュール構造における素子電極31に対応する。よって、素子電極31に電源電圧VCCが入力される。
【0099】
接続端子TC2は、外部端子T2に接続されており、第1接地端GND1に接地される。接続端子TC2は、半導体装置A1のモジュール構造における素子電極32に対応する。よって、素子電極32は第1接地端GND1に接地される。
【0100】
接続端子TC3は、外部端子T5に接続されており、制御素子3における制御信号SHの入力端である。接続端子TC3は、半導体装置A1のモジュール構造における素子電極33に対応する。よって、素子電極33に制御信号SHが入力される。
【0101】
接続端子TC4は、外部端子T6に接続されており、制御素子3における制御信号SLの入力端である。接続端子TC4は、半導体装置A1のモジュール構造における素子電極34に対応する。よって、素子電極34に制御信号SLが入力される。
【0102】
接続端子TC5は、駆動信号GHの出力端である。接続端子TC5は、半導体素子1のゲートに接続されている。接続端子TC5は、半導体装置A1のモジュール構造における素子電極35に対応する。よって、素子電極35から駆動信号GHが出力される。
【0103】
接続端子TC6は、駆動信号GLの出力端である。接続端子TC6は、半導体素子2のゲートに接続されている。接続端子TC6は、半導体装置A1のモジュール構造における素子電極36に対応する。よって、素子電極36から駆動信号GLが出力される。
【0104】
接続端子TC7は、外部端子T8に接続されており、制御素子3におけるブート電圧VBの入力端である。接続端子TC7は、半導体装置A1のモジュール構造における素子電極37に対応する。よって、素子電極37にブート電圧VBが入力される。
【0105】
接続端子TC8は、半導体素子1(ソース)と半導体素子2(ドレイン)との接続点に接続されており、出力電圧VSWの入力端である。接続端子TC8は、半導体装置A1のモジュール構造における素子電極38に対応する。よって、素子電極38から出力電圧VSWが入力される。
【0106】
ドライブ回路DR1は、入力される制御信号SHに基づき、駆動信号GHを生成する。駆動信号GHは、半導体素子1をスイッチング動作させるための信号であって、制御信号SHを、半導体素子1のスイッチング動作に必要なレベルまで引き上げた信号である。ドライブ回路DR1は、生成した駆動信号GHを接続端子TC5から出力する。接続端子TC5は半導体素子1のゲートに接続されているので、駆動信号GHは、半導体素子1のゲートに入力される。駆動信号GHは、ブート電圧VBをハイレベル、半導体素子1のソース電圧をローレベルとする信号である。半導体素子1のソース電圧は、接続端子TC8を介して、ドライブ回路DR1に入力される。半導体素子1のゲート電圧は、半導体素子1のソース電圧を基準に与えられる。なお、ドライブ回路DR1は、制御素子3の外部に配置されていてもよい。
【0107】
ドライブ回路DR2は、入力される制御信号SLに基づき、駆動信号GLを生成する。駆動信号GLは、半導体素子2をスイッチング動作させるための信号であって、制御信号SLを、半導体素子2のスイッチング動作に必要なレベルまで引き上げた信号である。ドライブ回路DR2は、生成した駆動信号GLを接続端子TC6から出力する。接続端子TC6は半導体素子2のゲートに接続されているので、駆動信号GLは、半導体素子2のゲートに入力される。駆動信号GLは、電源電圧VCCをハイレベル、グラウンド電圧VGNDをローレベルとする信号である。半導体素子2のゲート電圧は、グラウンド電圧VGNDを基準に与えられる。なお、ドライブ回路DR2は、制御素子3の外部に配置されていてもよい。
【0108】
ダイオードD1は、アノードが接続端子TC1に接続され、カソードが接続端子TC7に接続される。ダイオードD1は、コンデンサC14とともに、ブートストラップ回路を構成する。ブートストラップ回路は、ブート電圧VBを生成し、これをドライブ回路DR1に供給する。なお、ダイオードD1は、制御素子3の外部に配置されていてもよい。
【0109】
次に、半導体装置A1の動作例について、説明する。
【0110】
半導体装置A1は、外部端子T5,T6から制御素子3に制御信号SH,SLが入力されると、制御素子3によって、駆動信号GH,GLが生成される。そして、制御素子3から半導体素子1,2の各ゲートに、各駆動信号GH,GLが入力される。半導体装置A1は、各駆動信号GH,GLにより、半導体素子1が導通状態であり、かつ、半導体素子2が遮断状態である第1期間と、半導体素子1が遮断状態であり、かつ、半導体素子2が導通状態である第2期間とを交互に繰り返させる。このとき、第1期間においては、外部端子T7には入力電圧Vinが印加される。一方、第2期間においては、外部端子T7は基準電位に接地される(外部端子T7にはグラウンド電圧VGNDが印加される)。したがって、外部端子T7からの出力電圧VSWは、ハイレベルが入力電圧Vinであり、ローレベルがグラウンド電圧VGNDであるパルス波となる。そして、出力電圧VSWは、インダクタL1とコンデンサC13で平滑化されることで、直流電圧の出力電圧Voutに変換される。半導体装置A1は、以上のように動作することで、入力電圧Vinを出力電圧Voutに変圧(降圧)する。
【0111】
第1期間と第2期間とは所定の周期で交互に繰り返されており、1周期における第1期間と第2期間との比率に応じて、降圧比を変えることができる。たとえば、第1期間が1周期の25%(第2期間が1周期の75%)のとき、出力電圧Voutは、入力電圧Vinの1/4倍に変圧される(Vout=Vin×(25/100))。なお、第1期間と第2期間との間に、半導体素子1,2がともに遮断状態となるデッドタイムを設けてもよい。
【0112】
図10および図11は、電力変換装置W1の構造例であって、回路基板B1に半導体装置A1を含む電子部品を実装した状態を示している。図10は、電力変換装置W1を示す斜視図である。図11は、電力変換装置W1を示す平面図である。図10および図11において、半導体装置A1を想像線(二点鎖線)で示している。なお、図10および図11においては、電力変換装置W1の一部が示されており、すべての電子部品および配線パターンを記載したものではない。たとえば、インダクタL1やコンデンサC13などを省略している。
【0113】
回路基板B1は、たとえばガラスエポキシ基板などのプリント基板である。回路基板B1は、1つのレイヤを有する片面基板、2つのレイヤを有する両面基板および3つ以上のレイヤを有する多層基板のいずれであってもよい。回路基板B1は、電力変換装置W1における各電子部品が搭載されている。図10および図11に示す例示においては、回路基板B1には、半導体装置A1の他、複数のコンデンサC11,C12,C14が実装されている。回路基板B1には、複数の配線パターン91~98が形成されている。各配線パターン91~98の構成材料は、たとえば銅を含む金属である。複数の配線パターン91~98は、図9に示す回路図における配線の一部である。複数の配線パターン91~98は、互いに離間している。
【0114】
配線パターン91は、リード4Aが接合されており、リード4Aに導通する。配線パターン91には、リード4Aを介して、出力電圧VSW(半導体素子1と半導体素子2との各スイッチング動作によって生成される電圧)が印加される。
【0115】
配線パターン92は、リード4Bが接合されており、リード4Bに導通する。配線パターン92は、第2接地端GND2(基準電位)に接地される。よって、リード4B、複数のワイヤ5Dおよびソース電極22も、第2接地端GND2(基準電位)に接地される。
【0116】
配線パターン93は、リード4Cが接合されており、リード4Cに導通する。配線パターン93は、外部電源PS2の高電位側の端子が接続され、入力電圧Vinが印加される。配線パターン93に印加される入力電圧Vinは、リード4Cに伝達され、複数のワイヤ5Aを介して、ドレイン電極11に入力される。
【0117】
配線パターン94は、リード4Dが接合されており、リード4Dに導通する。配線パターン94は、第1接地端GND1(基準電位)に接地される。よって、リード4D、ワイヤ5Hおよび素子電極32も、第1接地端GND1(基準電位)に接地される。
【0118】
配線パターン95は、リード4Eが接合されており、リード4Eに導通する。配線パターン95には、ブート電圧VBが印加される。配線パターン95に入力されたブート電圧VBは、リード4Eに伝達され、ワイヤ5Iを介して、制御素子3の素子電極37に入力される。
【0119】
配線パターン96は、リード4Fが接合されており、リード4Fに導通する。配線パターン96は、外部電源PS1の高電位側の端子が接続され、電源電圧VCCが印加される。配線パターン96に印加された電源電圧VCCは、リード4Fに伝達され、ワイヤ5Jを介して、制御素子3の素子電極31に入力される。
【0120】
配線パターン97は、リード4Gが接合されており、リード4Gに導通する。配線パターン97は、制御信号SHが入力される。配線パターン97に入力された制御信号SHは、リード4Gに伝達され、ワイヤ5Kを介して、制御素子3の素子電極33に入力される。
【0121】
配線パターン98は、リード4Hが接合されており、リード4Hに導通する。配線パターン98は、制御信号SLが入力される。配線パターン98に入力された制御信号SLは、リード4Hに伝達され、ワイヤ5Lを介して、制御素子3の素子電極34に入力される。
【0122】
各配線パターン91~98と各リード4A~4Hとの上記各接合は、たとえばはんだ(図示略)による。
【0123】
コンデンサC11は、平面視において、配線パターン94と配線パターン96とに跨っている。コンデンサC11は、2つの端子を含んでおり、一方の端子が配線パターン94に接合され、他方の端子が配線パターン96に接合されている。これらの接合は、たとえばはんだ(図示略)による。コンデンサC11を介して、リード4Dとリード4Fとが導通している。これにより、図9の回路図に示すように、コンデンサC11が、外部端子T1と外部端子T2(第1接地端GND1)との間に接続されている。
【0124】
コンデンサC12は、平面視において、配線パターン92と配線パターン93とに跨っている。コンデンサC12は、2つの端子を含んでおり、一方の端子が配線パターン92に接合され、他方の端子が配線パターン93に接合されている。これらの接合は、たとえばはんだ(図示略)による。コンデンサC12を介して、リード4Bとリード4Cとが導通している。これにより、図9の回路図に示すように、コンデンサC12が、外部端子T3と外部端子T4(第2接地端GND2)との間に接続されている。
【0125】
コンデンサC14は、平面視において、配線パターン91と配線パターン95とに跨っている。コンデンサC14は、2つの端子を含んでおり、一方の端子が配線パターン91に接合され、他方の端子が配線パターン95に接合されている。これらの接合は、たとえばはんだ(図示略)による。コンデンサC14を介して、リード4Aとリード4Eとが導通している。これにより、図9の回路図に示すように、コンデンサC14が、外部端子T7と外部端子T8との間に接続されている。
【0126】
以上のように構成された半導体装置A1の作用効果は、次の通りである。
【0127】
半導体装置A1は、リード4A、リード4Bおよびリード4Cを備えている。リード4Cは、半導体素子1のドレイン電極11に導通し、リード4Aは、半導体素子1のソース電極12および半導体素子2のドレイン電極21に導通し、リード4Bは、半導体素子2のソース電極22に導通する。リード4Aとリード4Bとは、z方向に見て、x方向に隣り合い、リード4Cは、z方向に見て、リード4Aおよびリード4Bのそれぞれに隣り合う。この構成によると、リード4Aとリード4Bとリード4Cとが近接して配置することができる。よって、リード4Cから、半導体素子1のドレイン電極11-ソース電極12、リード4Aおよび半導体素子2のドレイン電極21-ソース電極22を介して、リード4Bに流れる電流の経路(パワー系電流経路)の配線を短くできる。したがって、半導体装置A1は、寄生インダクタンスや寄生抵抗の低減を図ることができるので、高効率化および省エネルギー化を図ることができる。
【0128】
半導体装置A1は、半導体素子1において、複数のパッド部111(ドレイン電極11)および複数のパッド部121(ソース電極12)はそれぞれ、第1延出方向に延びている。また、半導体素子2において、複数のパッド部211(ドレイン電極21)および複数のパッド部221(ソース電極22)はそれぞれ、第2延出方向に延びている。そして、第2延出方向は、第1延出方向に対して、傾いている。この傾き角度は、たとえば10°以上170°以下である。仮に、第1延出方向と第2延出方向とが同じであり、かつ、半導体素子1と半導体素子2とがこれらの延出方向と同じ方向に並んでいる場合を想定する。この場合、複数のワイヤ5A~5Dが短くなるように配線すると、リード4Cとリード4Bとが上記延出方向においてリード4Aを挟んで互いに反対側に位置される。一方、半導体装置A1においては、第1延出方向に対して第2延出方向に対して、傾いているため、リード4Bをリード4Cの近くに配置することができる。したがって、上記パワー系電流経路の配線を短くすることが可能となる。
【0129】
半導体装置A1は、半導体素子1を搭載するリード4A、半導体素子2を搭載するリード4B、および、制御素子3を搭載するリード4Dを備えている。リード4Aとリード4Bとは、x方向に見て、互いに重なっており、リード4Dは、y方向に見て、リード4Aおよびリード4Bの両方に重なっている。この構成によると、特許文献1に記載の半導体装置よりも、半導体素子1と半導体素子2との離間距離を短くすることができる。具体的には、特許文献1に記載の半導体装置では、平面視において、2つの半導体素子(スイッチング素子)が制御素子(制御用IC)を挟んで互いに反対側に配置されている。そのため、2つの半導体素子の接続を、制御素子を避けて配線する必要があり、配線距離が長くなる傾向があった。一方、半導体装置A1では、半導体素子1と半導体素子2との間に制御素子3が配置されていないため、半導体素子1と半導体素子2とを接続する配線の距離(本実施形態においては、各ワイヤ5B,5Cおよびリード4Aの一部の各長さ)を短くできる。したがって、半導体装置A1は、寄生インダクタンスや寄生抵抗の低減を図ることができるので、高効率化および省エネルギー化を図ることができる。
【0130】
半導体装置A1は、リード4Aおよびリード4Bがともに、リード4Dよりもy2方向に配置されており、y方向に見て、リード4Dに重なっている。よって、半導体素子1および半導体素子2をy方向の一方側に配置し、制御素子3をy方向の他方側に配置することができる。半導体装置A1の通電時において、半導体素子1,2および制御素子3が発熱する。半導体素子1,2の発熱量は、制御素子3の発熱量よりも大きい。この半導体素子1,2からの熱が、制御素子3に伝達すると、伝達された熱によって、制御素子3の動作不良や性能低下が生じる可能性がある。しかしながら、半導体装置A1は、リード4A,4Bを、リード4Dのy方向の一方側(y2方向側)に配置することで、各半導体素子1,2と制御素子3とを分けて配置している。これにより、半導体装置A1は、半導体素子1,2からの制御素子3に伝達される熱を抑制して、制御素子3の動作不良や性能低下を抑制できる。
【0131】
半導体装置A1は、ワイヤ5Eを備えており、当該ワイヤ5Eは、平面視において、リードフレーム4のうちリード4Aおよびリード4Dのみに重なる。この構成によると、半導体素子1と制御素子3との間に、他のリードが配置されないため、半導体素子1と制御素子3との離間距離を小さくすることが可能である。よって、ワイヤ5Eの長さを短くできるので、ワイヤ5Eの寄生インダクタンスや寄生抵抗を抑制できる。特に、ワイヤ5Eは、半導体素子1のスイッチング動作を制御する駆動信号(駆動信号GH)の伝送線であるので、半導体素子1のスイッチング動作の応答性の低下やスイッチング動作の誤動作を抑制できる。
【0132】
半導体装置A1は、ワイヤ5Fを備えており、当該ワイヤ5Fは、平面視において、リードフレーム4のうちリード4Aおよびリード4Dのみに重なる。この構成によると、半導体素子2と制御素子3との間に、他のリードが配置されないため、半導体素子2と制御素子3との離間距離を小さくすることが可能である。よって、ワイヤ5Fの長さを短くできるので、ワイヤ5Fの寄生インダクタンスや寄生抵抗を抑制できる。特に、ワイヤ5Fは、半導体素子2のスイッチング動作を制御する駆動信号(駆動信号GL)の伝送線であるので、半導体素子2のスイッチング動作の応答性の低下やスイッチング動作の誤動作を抑制できる。
【0133】
第1実施形態では、第1接地端GND1および第2接地端GND2はともに同一の基準電位への接地端である場合を示したが、第1接地端GND1の基準電位と第2接地端GND2の基準電位とを異ならせてもよい。半導体装置A1において、半導体素子1と半導体素子2との各スイッチング動作によって、第2接地端GND2の電位が揺れる可能性がある。このとき、仮に、第1接地端GND1と第2接地端GND2とが同電位であると、第2接地端GND2の電位の変動に応じて、第1接地端GND1の電位も変動することがある。この第1接地端GND1の変動は、制御素子3の誤動作の原因となる。そこで、第1接地端GND1の電位と第2接地端GND2の電位とを異ならせることで、第2接地端GND2の電位が揺れても、第1接地端GND1の電位の揺れを抑制できる。したがって、この変形例では、制御素子3の誤動作を抑制できる。たとえば、半導体装置A1においては、第1接地端GND1に接地されるリード4Dと、第2接地端GND2に接地されるリード4Bとを離間させているため、第1接地端GND1(リード4D)と第2接地端GND2(リード4B)との電位を異ならせることが可能である。
【0134】
次に、第2実施形態にかかる半導体装置A2について、図12および図13を参照して、説明する。図12は、半導体装置A2を備えた電力変換装置W2を示す平面図であって、封止部材6を想像線(二点鎖線)で示している。図13は、電力変換装置W2の回路構成図を示している。
【0135】
半導体装置A2は、図12および図13に示すように、半導体装置A1と比較して、複数のコンデンサC21,C22,C24,C25,C26,C27をさらに備えている。また、電力変換装置W2は、電力変換装置W1と比較して、複数の抵抗器R15,R16をさらに備えている。
【0136】
コンデンサC21は、2つの端子を含んでおり、図12に示すように、一方の端子がリード4Dに接合され、他方の端子がリード4Fに接合されている。これにより、リード4Dとリード4Fとは、第1実施形態と同様に、配線パターン94,96およびコンデンサC11を介して導通するとともに、コンデンサC21を介して導通する。コンデンサC21は、図13に示すように、コンデンサC11に対して並列に接続されている。なお、コンデンサC21の接合は、たとえばはんだ(図示略)による。コンデンサC21は、封止部材6に覆われており、半導体装置A2に内蔵されている。図12に示す例示においては、1つのコンデンサC21を備えているが、複数のコンデンサC21を備えていてもよい。このとき、複数のコンデンサC21はそれぞれ、リード4Dとリード4Fとに接合される。コンデンサC21の容量(複数のコンデンサC21を備える場合はそれらの合成容量)は、コンデンサC11の容量(複数のコンデンサC11を備える場合はそれらの合成容量)以下であり、かつ、コンデンサC21の平面視面積は、コンデンサC11の平面視面積以下である。なお、コンデンサC21の構成(容量や平面視面積など)は、これに限定されない。コンデンサC21が、特許請求の範囲に記載の「第3コンデンサ」に相当する。
【0137】
コンデンサC22は、2つの端子を含んでおり、図12に示すように、一方の端子がリード4Bに接合され、他方の端子がリード4Cに接合されている。これにより、リード4Bとリード4Cとは、第1実施形態と同様に、配線パターン92,93およびコンデンサC12を介して導通するとともに、コンデンサC22を介して導通する。コンデンサC22は、図13に示すように、コンデンサC12に対して並列に接続されている。なお、コンデンサC22の接合は、たとえばはんだ(図示略)による。コンデンサC22は、封止部材6に覆われており、半導体装置A2に内蔵されている。図12に示す例示においては、1つのコンデンサC22を備えているが、複数のコンデンサC22を備えていてもよい。このとき、複数のコンデンサC22はそれぞれ、リード4Bとリード4Cとに接合される。コンデンサC22の容量(複数のコンデンサC22を備える場合はそれらの合成容量)は、コンデンサC12の容量(複数のコンデンサC12を備える場合はそれらの合成容量)以下であり、かつ、コンデンサC22の平面視面積は、コンデンサC12の平面視面積以下である。なお、コンデンサC22の構成(容量や平面視面積など)は、これに限定されない。コンデンサC22が、特許請求の範囲に記載の「第1コンデンサ」に相当する。
【0138】
コンデンサC24は、2つの端子を含んでおり、図12に示すように、一方の端子がリード4Aに接合され、他方の端子がリード4Eに接合されている。これにより、リード4Aとリード4Eとは、第1実施形態と同様に、配線パターン91,95およびコンデンサC14を介して導通するとともに、コンデンサC24を介して導通する。コンデンサC24は、図13に示すように、コンデンサC14に対して並列に接続されている。なお、コンデンサC24の接合は、たとえばはんだ(図示略)による。コンデンサC24は、封止部材6に覆われており、半導体装置A2に内蔵されている。図12に示す例示においては、1つのコンデンサC24を備えているが、複数のコンデンサC24を備えていてもよい。このとき、複数のコンデンサC24はそれぞれ、リード4Aとリード4Eとに接合される。コンデンサC24の容量(複数のコンデンサC24を備える場合はそれらの合成容量)は、コンデンサC14の容量(複数のコンデンサC14を備える場合はそれらの合成容量)以下であり、かつ、コンデンサC24の平面視面積は、コンデンサC14の平面視面積以下である。なお、コンデンサC24の構成(容量や平面視面積など)は、これに限定されない。コンデンサC24が、特許請求の範囲に記載の「第2コンデンサ」に相当する。
【0139】
コンデンサC25は、2つの端子を含んでおり、図12に示すように、一方の端子がリード4Dに接合され、他方の端子がリード4Gに接合されている。これにより、リード4Dとリード4Gとは、コンデンサC25を介して導通する。なお、コンデンサC25の接合は、たとえばはんだ(図示略)による。コンデンサC25は、封止部材6に覆われており、半導体装置A2に内蔵されている。図12に示す例示においては、1つのコンデンサC25を備えているが、複数のコンデンサC25を備えていてもよい。このとき、複数のコンデンサC25はそれぞれ、リード4Dとリード4Gとに接合される。コンデンサC25が、特許請求の範囲に記載の「第4コンデンサ」に相当する。
【0140】
コンデンサC26は、2つの端子を含んでおり、図12に示すように、一方の端子がリード4Dに接合され、他方の端子がリード4Hに接合されている。これにより、リード4Dとリード4Hとは、コンデンサC26を介して導通する。なお、コンデンサC26の接合は、たとえばはんだ(図示略)による。コンデンサC26は、封止部材6に覆われており、半導体装置A2に内蔵されている。図12に示す例示においては、1つのコンデンサC26を備えているが、複数のコンデンサC26を備えていてもよい。このとき、複数のコンデンサC26はそれぞれ、リード4Dとリード4Hとに接合される。コンデンサC26が、特許請求の範囲に記載の「第5コンデンサ」に相当する。
【0141】
コンデンサC27は、2つの端子を含んでおり、図12に示すように、一方の端子がリード4Bに接合され、他方の端子がリード4Dに接合されている。これにより、リード4Bとリード4Dとは、コンデンサC27を介して導通する。なお、コンデンサC27の接合は、たとえばはんだ(図示略)による。コンデンサC27は、封止部材6に覆われており、半導体装置A2に内蔵されている。図12に示す例示においては、1つのコンデンサC27を備えているが、複数のコンデンサC27を備えていてもよい。このとき、複数のコンデンサC27はそれぞれ、リード4Bとリード4Dとに接合される。コンデンサC27が、特許請求の範囲に記載の「第6コンデンサ」に相当する。
【0142】
抵抗器R15は、2つの端子を含んでおり、図12に示すように、一方の端子が配線パターン97に接合され、他方の端子が各配線パターン91~98から離間した配線パターン971に接合されている。これにより、配線パターン97と配線パターン971とが、抵抗器R15を介して、導通する。なお、抵抗器R15の接合は、たとえばはんだ(図示略)による。図13に示すように、抵抗器R15とコンデンサC25とは、RCフィルタを構成する。当該RCフィルタは、外部から入力される制御信号SHに含まれるノイズを抑制する。なお、抵抗器R15の代わりに、インダクタを用いて、LCフィルタを構成してもよい。
【0143】
抵抗器R16は、2つの端子を含んでおり、図12に示すように、一方の端子が配線パターン98に接合され、他方の端子が各配線パターン91~98から離間した配線パターン981に接合されている。これにより、配線パターン98と配線パターン981とが、抵抗器R16を介して、導通する。なお、抵抗器R16の接合は、たとえばはんだ(図示略)による。図13に示すように、抵抗器R16とコンデンサC26とは、RCフィルタを構成する。当該RCフィルタは、外部から入力される制御信号SLに含まれるノイズを抑制する。なお、抵抗器R16の代わりに、インダクタを用いて、LCフィルタを構成してもよい。
【0144】
以上のように構成された半導体装置A2の作用効果は、次の通りである。
【0145】
半導体装置A2は、半導体装置A1と同様に、リード4Aとリード4Bとが、z方向に見て、x方向に隣り合い、リード4Cが、z方向に見て、リード4Aおよびリード4Bのそれぞれに隣り合う。これにより、半導体装置A2は、半導体装置A1と同様に、上記パワー系電流経路の配線を短くできる。したがって、半導体装置A2は、寄生インダクタンスや寄生抵抗の低減を図ることができるので、高効率化および省エネルギー化を図ることができる。
【0146】
半導体装置A2は、コンデンサC21を備えている。半導体装置A1においては、リード4Dとリード4Fとが、回路基板B1(配線パターン94,96およびコンデンサC11)を介して、導通していたが、半導体装置A2においては、リード4Dとリード4Fとが、さらに、コンデンサC21を介して、導通している。この構成によると、半導体素子2のゲート-ソース間(ゲート電極23-ソース電極22間)の電流経路が電力変換装置W1よりも小さい。したがって、半導体装置A2は、半導体素子2にかかるサージ電圧を抑制することが可能となり、当該サージ電圧に起因する問題を抑制できる。
【0147】
半導体装置A2は、コンデンサC22を備えている。半導体装置A1においては、リード4Bとリード4Cとが、回路基板B1(配線パターン92,93およびコンデンサC12)を介して、導通していたが、半導体装置A2においては、リード4Bとリード4Cとが、さらに、コンデンサC22を介して、導通している。この構成によると、上記パワー系電流経路が電力変換装置W1よりも小さい。したがって、半導体装置A2は、半導体装置A1よりも、パワー系電流経路における寄生インダクタンスや寄生抵抗を低減することが可能となり、サージ電圧の発生を抑制できる。
【0148】
半導体装置A2は、コンデンサC24を備えている。半導体装置A1においては、リード4Aとリード4Eとが、回路基板B1(配線パターン91,95およびコンデンサC14)を介して、導通していたが、半導体装置A2においては、リード4Aとリード4Eとが、さらに、コンデンサC24を介して、導通している。この構成によると、半導体素子1のゲート-ソース間(ゲート電極13-ソース電極12間)の電流経路が電力変換装置W2よりも小さい。したがって、半導体装置A2は、半導体素子1にかかるサージ電圧を抑制することが可能となり、当該サージ電圧に起因する問題を抑制できる。
【0149】
半導体装置A2は、コンデンサC25を備えており、回路基板B1は、抵抗器R15を備えている。この構成によると、電力変換装置W2において、コンデンサC25と抵抗器R15とによって、RCフィルタが形成される。当該RCフィルタは、上記するように、半導体素子1に入力する駆動信号GHに含まれるノイズを低減できる。したがって、半導体装置A2は、半導体素子1のスイッチング動作を、半導体装置A1よりも安定させることが可能となる。
【0150】
半導体装置A2は、コンデンサC26を備えており、回路基板B1は、抵抗器R16を備えている。この構成によると、電力変換装置W2において、コンデンサC26と抵抗器R16とによって、RCフィルタが形成される。当該RCフィルタは、上記するように、半導体素子1に入力する駆動信号GLに含まれるノイズを低減できる。したがって、半導体装置A2は、半導体素子2のスイッチング動作を、半導体装置A1よりも安定させることが可能となる。
【0151】
半導体装置A2は、コンデンサC27を備えている。仮に、コンデンサC27がないと、リード4Bとリード4Dとを導通させる場合、回路基板B1によって配線する必要がある。このとき、他の配線パターンを回避するように配線する必要があり、当該配線が長くなる傾向があった。しかしながら、半導体装置A2においては、コンデンサC27によって、リード4Bとリード4Dとを導通させているので、リード4Bとリード4Dとの電流経路を短くすることが可能となる。したがって、半導体装置A2は、リード4Bとリード4Dとの電流経路を短くできるので、半導体素子1,2の誤オンの抑制が可能となる。
【0152】
その他、半導体装置A2は、半導体装置A1と同様に構成された部分によって、半導体装置A1と同じ効果を奏する。
【0153】
第2実施形態では、半導体装置A2は、複数のコンデンサC21,C22,C24,C25,C26,C27の全てを備えていたが、これらを全て備えていなくてもよい。つまり、半導体装置A2は、複数のコンデンサC21,C22,C24,C25,C26,C27のうち、少なくとも1つ以上を備えた構成であってもよい。
【0154】
第2実施形態では、電力変換装置W2は、コンデンサC11を備えていたが、半導体装置A2のコンデンサC21の容量(複数のコンデンサC21を備えている場合、それらの合成容量)が適度に大きい場合には、回路基板B1にコンデンサC11を実装しなくてもよい。同様に、半導体装置A2のコンデンサC22の容量(複数のコンデンサC22を備えている場合、それらの合成容量)が適度に大きい場合には、回路基板B1にコンデンサC12を実装しなくてもよい。また、半導体装置A2のコンデンサC24の容量(複数のコンデンサC24を備えている場合、それらの合成容量)が適度に大きい場合には、回路基板B1にコンデンサC14を実装しなくてもよい。
【0155】
次に、第3実施形態にかかる半導体装置A3について、図14を参照して、説明する。図14は、半導体装置A3を備えた電力変換装置W3を示す平面図であって、封止部材6を想像線(二点鎖線)で示している。なお、図14に示す半導体装置A3においては、複数のワイヤ5A,5B,5C,5Dの数および線径が、半導体装置A1と異なっているが、これらを半導体装置A1と同様に構成してもよい。
【0156】
半導体装置A3の半導体素子1は、半導体装置A3の半導体素子2よりも高性能(たとえばオン抵抗が小さい)であり、かつ、半導体装置A1の半導体素子1よりも高性能(たとえばオン抵抗が小さい)である。また、図14に示すように、半導体装置A3の半導体素子1の平面視面積は、半導体装置A3の半導体素子2の平面視面積よりも大きく、かつ、半導体装置A1の半導体素子1の平面視面積よりも大きい。なお、半導体装置A3の半導体素子2は、半導体装置A1の半導体素子2と同じものである。
【0157】
半導体装置A3の半導体素子1は、図14に示すように、半導体装置A1の半導体素子1と比較して、半導体素子1の各電極(ドレイン電極11およびソース電極12)の構成が異なる。具体的には、各パッド部111,121の平面視形状が異なる。
【0158】
半導体装置A3の各パッド部111は、図14に示すように、テーパがつけられている。具体的には、各パッド部111は、y方向においてy2方向側の端縁からy1方向側の端縁に向かって、x方向の寸法が小さい。各パッド部111は、平面視において、略三角形である。各パッド部111と同様に、各パッド部121にもテーパがつけられている。具体的には、各パッド部121は、y方向においてy1方向側の端縁からy2方向側の端縁に向かって、x方向の寸法が小さい。各パッド部121は、平面視において、略三角形である。なお、半導体装置A3においても、複数のパッド部111,121は、各々が第1延出方向(図14においてはy方向)に延びており、かつ、第1配列方向(図14においてはx方向)に交互に並んでいる。
【0159】
以上のように構成された半導体装置A3の作用効果は、次の通りである。
【0160】
半導体装置A3は、半導体装置A1と同様に、リード4Aとリード4Bとが、z方向に見て、x方向に隣り合い、リード4Cが、z方向に見て、リード4Aおよびリード4Bのそれぞれに隣り合う。これにより、半導体装置A3は、半導体装置A1と同様に、上記パワー系電流経路の配線を短くできる。したがって、半導体装置A3は、寄生インダクタンスや寄生抵抗の低減を図ることができるので、高効率化および省エネルギー化を図ることができる。
【0161】
半導体装置A3は、半導体素子1のオン抵抗が、半導体素子2のオン抵抗よりも小さく、かつ、半導体装置A1の半導体素子1のオン抵抗よりも小さい。この構成によると、半導体素子1における導通損失が、半導体素子2における導通損失よりも小さく、かつ、半導体装置A1の半導体素子1における導通損失よりも小さい。したがって、半導体装置A3は、半導体装置A1よりも、半導体素子1における導通損失を低減できる。特に、半導体装置A3は、昇圧回路に用いる場合において、半導体装置A3の導通損失の低減に有効である。
【0162】
半導体装置A3は、半導体素子1の平面視面積が、半導体装置A1の半導体素子1の平面視面積よりも大きい。この構成によると、半導体装置A3は、半導体装置A1よりも、半導体素子1の素子主面1aの面積が大きいので、素子主面1aからの放熱性を向上させることができる。つまり、半導体装置A3は、半導体装置A1よりも、半導体素子1の熱抵抗を低減できる。
【0163】
その他、半導体装置A3は、半導体装置A1と同様に構成された部分によって、半導体装置A1と同じ効果を奏する。なお、半導体装置A3において、半導体装置A2と同様に、複数のコンデンサC21,C22,C24,C25,C26,C27を追加することで、半導体装置A2と同様の効果を奏することができる。
【0164】
図15は、第3実施形態にかかる半導体装置A3の変形例を示している。当該変形例にかかる半導体装置A31は、リード4Aの平面視面積が、半導体装置A3よりも大きい。具体的には、半導体装置A31のリード4A(図15参照)は、半導体装置A3のリード4A(図14参照)よりも、たとえば拡張領域ER1(理解の便宜上、図15においてドットで示す)が追加されている。なお、当該拡張領域ER1の追加に伴い、リード4Bも平面視において拡張されている。
【0165】
半導体装置A31によれば、リード4Aの平面視面積が、半導体装置A3のリード4Aの平面視面積よりも大きい。これにより、リード4Aから回路基板B1の配線パターン91への熱伝導効率を向上させることができる。つまり、半導体装置A31においては、半導体素子1からの熱を、素子主面1aおよび素子裏面1bの両方から放熱することができる。特に、リード4Aの平面視面積を、半導体素子1の平面視面積の1.1倍以上5倍以下にすることで、半導体装置A31の大型化の抑制を図りつつ、リード4Aから配線パターン91への熱伝導効率の向上を図ることができる。
【0166】
また、図15に示すように、平面視において、半導体素子1の中央と制御素子3の中央との距離は、リード4Aの中央と制御素子3の中央との距離もよりも小さい。理解の便利上、図16においては、半導体素子1の平面視中央、リード4Aの平面視中央、および、制御素子3の平面視中央にそれぞれ、×(バツ印)を付けている。つまり、平面視において、半導体素子1を制御素子3の近くに配置している。この構成によると、ワイヤ5Eの長さを短くできるので、ワイヤ5Eの寄生インダクタンスや寄生抵抗を低減できる。
【0167】
次に、第4実施形態にかかる半導体装置A4について、図16を参照して、説明する。図16は、半導体装置A4を備えた電力変換装置W4を示す平面図であって、封止部材6を想像線(二点鎖線)で示している。なお、図16に示す半導体装置A4においては、複数のワイヤ5A,5B,5C,5Dの数および線径が、半導体装置A1と異なっているが、これらを半導体装置A1と同様に構成してもよい。
【0168】
半導体装置A4の半導体素子2は、半導体装置A4の半導体素子1よりも高性能(たとえばオン抵抗が小さい)であり、かつ、半導体装置A1の半導体素子2よりも高性能(たとえばオン抵抗が小さい)である。また、図16に示すように、半導体装置A4の半導体素子2の平面視面積は、半導体装置A4の半導体素子1の平面視面積よりも大きく、かつ、半導体装置A1の半導体素子2の平面視面積よりも大きい。なお、半導体装置A4の半導体素子1は、半導体装置A1の半導体素子1と同じものである。
【0169】
半導体装置A4の半導体素子2は、図16に示すように、半導体装置A1の半導体素子2と比較して、半導体素子2の各電極(ドレイン電極21およびソース電極22)の構成が異なる。具体的には、各パッド部211,221の平面視形状が異なる。
【0170】
半導体装置A4の各パッド部211は、図16に示すように、テーパがつけられている。具体的には、各パッド部211は、x方向においてx2方向側の端縁からx1方向側の端縁に向かって、y方向の寸法が小さい。各パッド部211は、平面視において、略三角形である。各パッド部211と同様に、各パッド部221にもテーパがつけられている。具体的には、各パッド部221は、x方向においてx1方向側の端縁からx2方向側の端縁に向かって、y方向の寸法が小さい。各パッド部221は、平面視において、略三角形である。なお、半導体装置A4においても、複数のパッド部211,221は、各々が第2延出方向(図16においてはx方向)に延びており、かつ、第2配列方向(図16においてはy方向)に交互に並んでいる。
【0171】
なお、半導体装置A4において、リードフレーム4の各リード4A~4Hの構成(配置、平面視サイズおよび形状など)が適宜変更されている。たとえば、半導体素子2の平面視面積が大きくなったため、半導体素子2を搭載するリード4Bの大きさが大きくなっている。半導体装置A4のリード4Bは、図16に示すように、リードフレーム4の、y2方向側の端縁からy1方向側の端縁まで繋がっており、x方向に見て、他のリード4A,4C~4Hの全てに重なっている。
【0172】
以上のように構成された半導体装置A4の作用効果は、次の通りである。
【0173】
半導体装置A4は、半導体装置A1と同様に、リード4Aとリード4Bとが、z方向に見て、x方向に隣り合い、リード4Cが、z方向に見て、リード4Aおよびリード4Bのそれぞれに隣り合う。これにより、半導体装置A4は、半導体装置A1と同様に、上記パワー系電流経路の配線を短くできる。したがって、半導体装置A4は、寄生インダクタンスや寄生抵抗の低減を図ることができるので、高効率化および省エネルギー化を図ることができる。
【0174】
半導体装置A4は、半導体素子2のオン抵抗が、半導体素子1のオン抵抗よりも小さく、かつ、半導体装置A1の半導体素子2のオン抵抗よりも小さい。この構成によると、半導体素子2における導通損失が、半導体素子1における導通損失よりも小さく、かつ、半導体装置A1の半導体素子2における導通損失よりも小さい。したがって、半導体装置A4は、半導体装置A1よりも、半導体素子2における導通損失を低減できる。特に、半導体装置A4は、降圧回路に用いる場合において、半導体装置A4の導通損失の低減に有効である。
【0175】
半導体装置A4は、半導体素子2の平面視面積が、半導体装置A1の半導体素子2の平面視面積よりも大きい。この構成によると、半導体装置A4は、半導体装置A1よりも、半導体素子2の素子主面2aの面積が大きいので、素子主面2aからの放熱性を向上させることができる。つまり、半導体装置A4は、半導体装置A1よりも、半導体素子1の熱抵抗を低減できる。
【0176】
その他、半導体装置A4は、半導体装置A1と同様に構成された部分によって、半導体装置A4と同じ効果を奏する。なお、半導体装置A4において、半導体装置A2と同様に、複数のコンデンサC21,C22,C24,C25,C26,C27を追加することで、半導体装置A2と同様の効果を奏することができる。
【0177】
図17は、第4実施形態にかかる半導体装置A4の変形例を示している。当該変形例にかかる半導体装置A41は、リード4Bの平面視面積が、半導体装置A4よりも大きい。具体的には、半導体装置A41のリード4B(図17参照)は、半導体装置A4のリード4B(図16参照)よりも、たとえば拡張領域ER2(理解の便宜上、図17においてドットで示す)が追加されている。
【0178】
半導体装置A41によれば、リード4Bの平面視面積が、半導体装置A4のリード4Bの平面視面積よりも大きい。これにより、リード4Bから回路基板B1の配線パターン92への熱伝導効率を向上させることができる。つまり、半導体装置A41においては、半導体素子2からの熱を、素子主面2aおよび素子裏面2bの両方から放熱することができる。特に、リード4Bの平面視面積を、半導体素子2の平面視面積の1.1倍以上5倍以下にすることで、半導体装置A41の大型化の抑制を図りつつ、リード4Bから配線パターン92への熱伝導効率の向上を図ることができる。
【0179】
また、図17に示すように、平面視において、半導体素子2の中央と制御素子3の中央との距離は、リード4Bの中央と制御素子3の中央との距離よりも小さい。理解の便利上、図17においては、半導体素子2の平面視中央、リード4Bの平面視中央、および、制御素子3の平面視中央にそれぞれ、×(バツ印)を付けている。つまり、平面視において、半導体素子2を制御素子3の近くに配置している。この構成によると、ワイヤ5Fの長さを短くできるので、ワイヤ5Fの寄生インダクタンスや寄生抵抗を低減できる。
【0180】
次に、第5実施形態にかかる半導体装置A5について、図18を参照して、説明する。図18は、半導体装置A5を備えた電力変換装置W5を示す平面図であって、封止部材6を想像線(二点鎖線)で示している。
【0181】
半導体装置A5は、図18に示すように、半導体装置A3の半導体素子1(図14参照)と半導体装置A4の半導体素子2(図16参照)とを搭載している。つまり、半導体装置A5の各半導体素子1,2は、半導体装置A1の各半導体素子1,2よりも、高性能(たとえばオン抵抗が小さい)であり、かつ、各平面視面積が大きい。なお、半導体装置A5において、リードフレーム4の各リード4A~4Hの構成(配置、平面視サイズおよび形状など)が適宜変更されている。
【0182】
半導体装置A5においても、半導体装置A1と同様に、リード4Aとリード4Bとが、z方向に見て、x方向に隣り合い、リード4Cが、z方向に見て、リード4Aおよびリード4Bのそれぞれに隣り合う。これにより、半導体装置A5は、半導体装置A1と同様に、上記パワー系電流経路の配線を短くできる。したがって、半導体装置A5は、寄生インダクタンスや寄生抵抗の低減を図ることができるので、高効率化および省エネルギー化を図ることができる。
【0183】
半導体装置A5は、半導体装置A1よりも高性能(オン抵抗が小さい)の半導体素子1,2が搭載されている。これにより、半導体装置A5は、半導体装置A1と比較して、各半導体素子1,2における導通損失を低減することができる。
【0184】
次に、第6実施形態にかかる半導体装置A6について、図19および図20を参照して、説明する。図19は、半導体装置A6を備えた電力変換装置W6を示す平面図であって、封止部材6を想像線(二点鎖線)で示している。図20は、図19のXX-XX線に沿う断面図である。
【0185】
半導体装置A6は、図19に示すように、半導体装置A1と異なり、複数のワイヤ5A,5B,5C,5Dの代わりに、クリップ7A,7B,7C,7Dを用いている。
【0186】
クリップ7A~7Dはそれぞれ、図20に示すように、板状の金属部材が折り曲げられたものである。クリップ7A~7Dの構成材料は、たとえばCuを含む金属あるいはAlを含む金属などである。または、CIC(Copper-Invar-Copper)などのクラッド材であってもよい。なお、図20に示す例示においては、各クリップ7A~7Dは、リードフレーム4の上面に対して、垂直に折れ曲がっているが、z方向に対して傾斜していてもよい。
【0187】
クリップ7Aは、y方向の一方側(図19においてはy1方向側)が櫛歯状になっており、当該櫛歯状の部分が、複数のパッド部111にそれぞれ接合されている。クリップ7Bは、y方向の一方側(図19においてはy2方向側)が櫛歯状になっており、当該櫛歯状の部分が、複数のパッド部121にそれぞれ接合されている。クリップ7Cは、x方向の一方側(図19においてはx2方向側)が櫛歯状になっており、当該櫛歯状の部分が、複数のパッド部211にそれぞれ接合されている。クリップ7Dは、x方向の一方側(図19においてはx1方向側)が櫛歯状になっており、当該櫛歯状の部分が、複数のパッド部221にそれぞれ接合されている。なお、各クリップ7A~7Dの形状は、図19および図20に示す例示に限定されない。
【0188】
半導体装置A6においても、半導体装置A1と同様に、リード4Aとリード4Bとが、z方向に見て、x方向に隣り合い、リード4Cが、z方向に見て、リード4Aおよびリード4Bのそれぞれに隣り合う。これにより、半導体装置A6は、半導体装置A1と同様に、上記パワー系電流経路の配線を短くできる。したがって、半導体装置A6は、寄生インダクタンスや寄生抵抗の低減を図ることができるので、高効率化および省エネルギー化を図ることができる。
【0189】
半導体装置A6は、ワイヤ5Aの代わりに、クリップ7Aを備えている。クリップ7Aは、ワイヤ5Aよりも、配線抵抗を小さくできる。特に、クリップ7Aは、先述のパワー系電流経路の一部であるため、半導体装置A6は、半導体装置A1よりも、電力変換における電力損失を抑制できる。同様に、半導体装置A6は、ワイヤ5B,5C,5Dの代わりに、クリップ7B,7C,7Dを備えている。各クリップ7B,7C,7Dは、各ワイヤ5B,5C,5Dよりも、配線抵抗を小さくできる。特に、各クリップ7B,7C,7Dはそれぞれ、先述のパワー系電流経路の一部であるため、半導体装置A6は、半導体装置A1よりも、電力変換における電力損失を抑制できる。
【0190】
第6実施形態では、各クリップ7A~7Dは、一部が折れ曲がった構造である場合を示したが、これに限定されない。たとえば、各クリップ7A~7Dは、その一部の厚み(z方向の寸法)を変えた構造であってもよい。この場合、各クリップ7A~7Dは、半導体素子1あるいは半導体素子2に接合される部分が薄く、かつ、リード4A,4B,4Cのいずれかに接合される部分が厚い。
【0191】
第6実施形態では、クリップ7Aが、櫛歯状の部分を有し、この櫛歯状の部分が、複数のパッド部111(ドレイン電極11)に接合されている場合を示したが、これに限定されない。たとえば、各々が帯状の複数のクリップ7Aを備え、複数のパッド部111にそれぞれ1つずつクリップ7Aを接合してもよい。他のクリップ7B~7Dにおいても同様である。
【0192】
次に、第7実施形態にかかる半導体装置A7について、図21を参照して、説明する。図21は、半導体装置A7を備えた電力変換装置W7を示す平面図であって、封止部材6を想像線(二点鎖線)で示している。
【0193】
半導体装置A7は、図21に示すように、半導体装置A1と異なり、各半導体素子1,2がフリップチップ実装されている。つまり、半導体素子1は、素子主面1aがリードフレーム4に対向した姿勢で搭載されており、半導体素子2は、素子主面2aがリードフレーム4に対向した姿勢で搭載されている。
【0194】
半導体装置A7のリードフレーム4は、半導体素子1,2をフリップチップ実装するために、リード4A~4Cの形状が異なり、かつ、リード4I,4Jをさらに含んでいる。図21に示すように、リード4A~4Cにはそれぞれ、櫛歯状の部分(以下、「櫛歯部」という。)が形成されている。なお、リード4Aには、2つの櫛歯部が形成されている。
【0195】
図21に示すように、半導体素子1のドレイン電極11(複数のパッド部111)は、リード4Cの櫛歯部に導通接合されている。半導体素子1のソース電極12(複数のパッド部121)は、リード4Aの一方の櫛歯部に導通接合されている。半導体素子1のゲート電極13(2つのパッド部131,132のいずれか)は、リード4Iに導通接合されている。半導体素子2のドレイン電極21(複数のパッド部211)は、リード4Aの他方の櫛歯部に導通接合されている。半導体素子2のソース電極22(複数のパッド部221)は、リード4Bの櫛歯部に導通接合されている。半導体素子2のゲート電極23(2つのパッド部231,232のいずれか)は、リード4Jに導通接合されている。
【0196】
図21に示すように、ワイヤ5Eは、リード4Iに接合されている。半導体素子1のゲート電極13と素子電極35とは、リード4Iおよびワイヤ5Eを介して導通する。ワイヤ5Fは、リード4Jに接合されている。半導体素子2のゲート電極23と、制御素子3の素子電極36とは、リード4Jおよびワイヤ5Fを介して導通する。
【0197】
半導体装置A7においても、リード4Aとリード4Bとが、z方向に見て、x方向に隣り合い、リード4Cが、z方向に見て、リード4Aおよびリード4Bのそれぞれに隣り合う。これにより、半導体装置A7は、半導体装置A1と同様に、上記パワー系電流経路の配線を短くできる。したがって、半導体装置A7は、寄生インダクタンスや寄生抵抗の低減を図ることができるので、高効率化および省エネルギー化を図ることができる。
【0198】
次に、第8実施形態にかかる半導体装置A8について、図22および図23を参照して、説明する。図22は、半導体装置A8を示す平面図であって、封止部材6を想像線(二点鎖線)で示している。図23は、図22のXXIII-XXIII線に沿う断面図である。
【0199】
半導体装置A8は、図22および図23に示すように、半導体装置A1と異なり、リードフレーム4の代わりに、導電性基板8を備えている。
【0200】
導電性基板8は、基材81および複数の配線部82A~82Hを含んでいる。
【0201】
基材81は、絶縁性材料からなる。基材81の構成材料は、たとえば熱伝導性に優れたセラミックスである。このようなセラミックスとしては、たとえばAlN(窒化アルミニウム)、SiN(窒化ケイ素)、Al23(酸化アルミニウム)などが用いられる。基材81は、たとえば平板状である。なお、基材81の構成材料は、セラミックスに限定されず、プリント基板などで用いられる各種樹脂材料、あるいは、シリコンなどであってもよい。
【0202】
配線部82A~82Hは、基材81上に形成されている。各配線部82A~82Hは、導電性材料からなる。各配線部82A~82Hの構成材料は、たとえば銅を含む金属である。なお、当該構成材料は、銅ではなく、アルミニウムなどであってもよい。複数の配線部82A~82Hは、互いに離間して配置されている。
【0203】
配線部82Aは、リード4Aに対応する。配線部82Bは、リード4Bに対応する。配線部82Cは、リード4Cに対応する。配線部82Dは、リード4Dに対応する。配線部82Eは、リード4Eに対応する。配線部82Fは、リード4Fに対応する。配線部82Gは、リード4Gに対応する。配線部82Hは、リード4Hに対応する。図22に示す各配線部82A~82Hは、半導体装置A1の各リード4A~4Hと同様に配置され、各々の位置関係なども同じである。
【0204】
本実施形態においては、導電性基板8が、特許請求の範囲に記載の「導電性部材」に相当する。配線部82Aが、特許請求の範囲に記載の「第1導電体」に相当する。配線部82Bが、特許請求の範囲に記載の「第2導電体」に相当する。配線部82Cが、特許請求の範囲に記載の「第3導電体」に相当する。配線部82Dが、特許請求の範囲に記載の「第4導電体」に相当する。配線部82Eが、特許請求の範囲に記載の「第5導電体」に相当する。配線部82Fが、特許請求の範囲に記載の「第6導電体」に相当する。配線部82Gが、特許請求の範囲に記載の「第7導電体」に相当する。配線部82Hが、特許請求の範囲に記載の「第8導電体」に相当する。
【0205】
半導体装置A8は、半導体装置A1における各リード4A,4B,4Cと同様に配置された配線部82A,82B,82Cを備えている。この構成によると、半導体装置A8は、半導体装置A1と同様に、配線部82Aと配線部82Bとが、z方向に見て、x方向に隣り合い、配線部82Cが、z方向に見て、配線部82Aおよび配線部82Bのそれぞれに隣り合う。これにより、半導体装置A8は、半導体装置A1と同様に、上記パワー系電流経路の配線を短くできる。したがって、半導体装置A8は、寄生インダクタンスや寄生抵抗の低減を図ることができるので、高効率化および省エネルギー化を図ることができる。
【0206】
第1実施形態ないし第8実施形態においては、各半導体装置A1~A8が、SON型のパッケージ形式である場合を示したが、これに限定されず、他のパッケージ形式で構成されていてもよい。たとえば、BGA(Ball Grid Array)型、LGA(Land Grid Array)型、QFP(Quad Flat Package)型、QFN(Quad Flat Non-lead)型などのパッケージ形式で構成されていてもよい。なお、これらのパッケージ形式は、一例であって、これらに限定されない。
【0207】
本開示にかかる半導体装置は、上記した実施形態に限定されるものではない。本開示の半導体装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0208】
本開示にかかる半導体装置は、以下の付記に関する実施形態を含む。
[付記1]
互いに離間する第1導電体、第2導電体および第3導電体を含む導電性部材と、
第1主面を有し、当該第1主面に第1ドレイン電極、第1ソース電極および第1ゲート電極が配置された第1半導体素子と、
第2主面を有し、当該第2主面に第2ドレイン電極、第2ソース電極および第2ゲート電極が配置された第2半導体素子と、
を備えており、
前記第1導電体は、前記第1ソース電極および前記第2ドレイン電極に導通し、
前記第2導電体は、前記第2ソース電極に導通し、かつ、前記第1主面に直交する第1方向に見て、前記第1方向に直交する第2方向に隣り合い、
前記第3導電体は、前記第1ドレイン電極に導通しており、かつ、前記第1方向に見て、前記第1導電体および前記第2導電体のそれぞれに隣り合う、
ことを特徴とする半導体装置。
[付記2]
前記第3導電体と前記第1ドレイン電極とを導通させる第1接続部材と、
前記第1ソース電極と前記第1導電体とを導通させる第2接続部材と、
前記第1導電体と前記第2ドレイン電極とを導通させる第3接続部材と、
前記第2ソース電極と前記第2導電体とを導通させる第4接続部材と、
をさらに備えており、
前記第1半導体素子は、前記第1導電体に搭載され、かつ、前記第1主面が、前記第1方向において前記第1導電体に対向する方向と反対側を向き、
前記第1半導体素子は、前記第2導電体に搭載され、かつ、前記第2主面が、前記第1方向において前記第2導電体に対向する方向と反対側を向く、
付記1に記載の半導体装置。
[付記3]
前記第1導電体と前記第3導電体とは、前記第1方向に見て、前記第1方向および前記第2方向の両方に直交する第3方向に隣り合っている、付記2に記載の半導体装置。
[付記4]
前記第1接続部材は、前記第1方向に見て、前記第1導電体と前記第3導電体とを絶縁する第1絶縁領域に重なる、
付記3に記載の半導体装置。
[付記5]
前記第3接続部材は、前記第1方向に見て、前記第1導電体と前記第2導電体とを絶縁する第2絶縁領域に重なる、
付記3または付記4に記載の半導体装置。
[付記6]
前記第1導電体と前記第2導電体とは、前記第2方向に見て、重なり、
前記第1導電体と前記第3導電体とは、前記第3方向に見て、重なる、
付記3ないし付記5のいずれかに記載の半導体装置。
[付記7]
前記第2導電体と前記第3導電体とは、前記第2方向に見て、重なる、
付記6に記載の半導体装置。
[付記8]
第1素子電極および第2素子電極を含む制御素子と、
前記第1ゲート電極と前記第1素子電極とを導通させる第5接続部材と、
前記第2ゲート電極と前記第2素子電極とを導通させる第6接続部材と、
をさらに備えており、
前記制御素子は、前記第1半導体素子のスイッチング動作を制御する第1駆動信号を前記第1素子電極から出力し、かつ、前記第2半導体素子のスイッチング動作を制御する第2駆動信号を前記第2素子電極から出力する、
付記3ないし付記7のいずれかに記載の半導体装置。
[付記9]
前記導電性部材は、前記第1導電体、前記第2導電体および前記第3導電体から離間し、かつ、前記制御素子を搭載する第4導電体をさらに含んでおり、
前記第4導電体は、前記第3方向に見て、前記第1導電体および前記第3導電体に重なり、かつ、前記第3方向において、前記第1導電体を挟んで、前記第3導電体の反対側に位置する、
付記8に記載の半導体装置。
[付記10]
前記第5接続部材は、前記第1方向に見て、前記導電性部材のうち、前記第1導電体および前記第4導電体にのみ重なる、
付記9に記載の半導体装置。
[付記11]
前記第6接続部材は、前記第1方向に見て、前記導電性部材のうち、前記第2導電体および前記第4導電体にのみ重なる、
付記9または付記10に記載の半導体装置。
[付記12]
2つの端子を有する第1コンデンサをさらに備えており、
前記第1コンデンサは、一方の端子が前記第2導電体に接合され、他方の端子が前記第3導電体に接合されている、
付記9ないし付記11のいずれかに記載の半導体装置。
[付記13]
2つの端子を有する第2コンデンサをさらに備えており、
前記導電性部材は、前記第1導電体、前記第2導電体、前記第3導電体および前記第4導電体から離間し、かつ、前記制御素子に導通する第5導電体をさらに含み、
前記第2コンデンサは、一方の端子が前記第1導電体に接合され、他方の端子が前記第5導電体に接合されている、
付記9ないし付記12のいずれかに記載の半導体装置。
[付記14]
2つの端子を有する第3コンデンサをさらに備えており、
前記導電性部材は、前記第1導電体、前記第2導電体、前記第3導電体および前記第4導電体から離間し、かつ、前記制御素子に導通する第6導電体をさらに含み、
前記第3コンデンサは、一方の端子が前記第4導電体に接合され、他方の端子が前記第6導電体に接合されている、
付記9ないし付記13のいずれかに記載の半導体装置。
[付記15]
各々が2つの端子を有する第4コンデンサおよび第5コンデンサをさらに備えており、
前記導電性部材は、各々が、前記第1導電体、前記第2導電体、前記第3導電体および前記第4導電体から離間する第7導電体および第8導電体をさらに含み、
前記第7導電体と前記第8導電体とは、互いに離間し、かつ、各々が前記制御素子に導通しており、
前記第4コンデンサは、一方の端子が前記第4導電体に接合され、他方の端子が前記第7導電体に接合され、
前記第5コンデンサは、前記第4導電体に接合され、他方の端子が前記第8導電体に接合されている、
付記9ないし付記14のいずれかに記載の半導体装置。
[付記16]
2つの端子を有する第6コンデンサをさらに備え、
前記第6コンデンサは、一方の端子が前記第2導電体に接合され、他方の端子が前記第4導電体に接合されている、
付記9ないし付記15のいずれかに記載の半導体装置。
[付記17]
前記第1半導体素子のオン抵抗は、前記第2半導体素子のオン抵抗よりも小さい、
付記9ないし付記16のいずれかに記載の半導体装置。
[付記18]
前記第2半導体素子のオン抵抗は、前記第1半導体素子のオン抵抗よりも小さい、
付記9ないし付記16のいずれかに記載の半導体装置。
[付記19]
前記第1方向に見て、前記第1半導体素子の中央と前記制御素子の中央との距離は、前記第1導電体の中央と前記制御素子の中央との距離よりも小さい、
付記9ないし付記18のいずれかに記載の半導体装置。
[付記20]
前記第1方向に見て、前記第2半導体素子の中央と前記制御素子の中央との距離は、前記第2導電体の中央と前記制御素子の中央との距離よりも小さい、
付記9ないし付記19のいずれかに記載の半導体装置。
[付記21]
前記第2導電体は、前記第2方向に見て、前記第4導電体に重なる、
付記9ないし付記20のいずれかに記載の半導体装置。
[付記22]
前記第1ドレイン電極は、各々が前記第1方向に直交する第1延出方向に延びる複数の第1ドレインパッド部を含んでおり、
前記第1ソース電極は、各々が前記第1延出方向に延びる複数の第1ソースパッド部を含んでおり、
前記複数の第1ドレインパッド部および前記複数の第1ソースパッド部は、前記第1方向および前記第1延出方向の両方に直交する第1配列方向において、交互に並んでいる、付記1ないし付記21のいずれかに記載の半導体装置。
[付記23]
前記第2ドレイン電極は、各々が前記第1方向に直交する第2延出方向に延びる複数の第2ドレインパッド部を含んでおり、
前記第2ソース電極は、各々が前記第2延出方向に延びる複数の第2ソースパッド部を含んでおり、
前記複数の第2ドレインパッド部および前記複数の第2ソースパッド部は、前記第1方向および前記第2延出方向の両方に直交する第2配列方向において、交互に並んでおり、
前記第2延出方向は、前記第1延出方向に対して、傾いている、
付記22に記載の半導体装置。
[付記24]
前記第1延出方向に対する前記第2延出方向の傾きは、10°以上170°以下である、
付記23に記載の半導体装置。
[付記25]
前記第1半導体素子および前記第2半導体素子の各構成材料は、窒化ガリウムである、付記1ないし付記24のいずれかに記載の半導体装置。
【符号の説明】
【0209】
A1~A8,A31,A41:半導体装置
1,2 :半導体素子
1a,2a:素子主面
1b,2b:素子裏面
11,21:ドレイン電極
111,211:パッド部
12,22:ソース電極
121,221:パッド部
13,23:ゲート電極
131,132,231,232:パッド部
3 :制御素子
3a :素子主面
3b :素子裏面
31~38:素子電極
4 :リードフレーム
4A~4J:リード
49A,49B,49C:絶縁領域
5A~5L:ワイヤ
6 :封止部材
61 :樹脂主面
62 :樹脂裏面
631~634:樹脂側面
7A~7D:クリップ
8 :導電性基板
81 :基材
82A~82H:配線部
W1~W7:電力変換装置
B1 :回路基板
91~98,971,981:配線パターン
C11~C14,C21,C22,C24~C27:コンデンサ
R15,R16:抵抗器
D1 :ダイオード
DR1,DR2:ドライブ回路
ER1,ER2:拡張領域
GND1 :第1接地端
GND2 :第2接地端
L1 :インダクタ
LO :負荷
PS1,PS2:外部電源
T1~T8:外部端子
TC1~TC8:接続端子
図1
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図3
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