(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171505
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】着脱機構及び着脱機構を備えた作業機
(51)【国際特許分類】
A01B 61/02 20060101AFI20231124BHJP
A01D 34/64 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
A01B61/02
A01D34/64 H
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023174982
(22)【出願日】2023-10-10
(62)【分割の表示】P 2020084471の分割
【原出願日】2020-05-13
(71)【出願人】
【識別番号】000171746
【氏名又は名称】株式会社ササキコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100086184
【弁理士】
【氏名又は名称】安原 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100167634
【弁理士】
【氏名又は名称】扇田 尚紀
(72)【発明者】
【氏名】中村 太秋
(72)【発明者】
【氏名】長畑 友之
(57)【要約】
【課題】着脱に係る構造を簡素化し軽量化する着脱機構及び同着脱機構を有する作業機を提供する。
【解決手段】
先端部に装着部60を備えた本体部aと、装着部60に連結する係合部65を有した作業部51が本体部aと着脱するための着脱機構6であって、装着部60は、係合部65方向に尖った稜線を有し、端面は稜線につながる三角山状からなる峰状部604を備え、係合部65は、峰状部604の稜線が当接可能な当接面653、を備えたことを特徴とする着脱機構6。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部に装着部を備えた本体部と、前記装着部に連結する係合部を有した作業部が本体部と着脱するための着脱機構であって、
前記装着部は、係合部方向に尖った稜線を有し、端面は稜線につながる三角山状からなる峰状部を備え、
前記係合部は、前記峰状部の稜線が当接可能な当接面、
を備えたことを特徴とする着脱機構。
【請求項2】
前記装着部は、前記装着部の側方に半円状に開口した陥没溝と、
前記陥没溝の中心軸線と平行に配置し、前記作業部と連結する連結軸を挿入するボス部と、
前記陥没溝と前記ボス部の近傍に配置し、前記陥没溝の中心軸線及び前記ボス部の中心軸線と交差する方向に稜線を有し、前記陥没溝と前記ボス部にかけて配置した峰状部と、
を備え、
前記係合部は、前記陥没溝と係合可能な係合ピンと、
前記ボス部とともに前記連結軸を挿入して前記係合部及び装着部を固定可能な孔部と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の着脱機構。
【請求項3】
前記係合部は前記係合ピン及び前記ボス部を取り付ける接続板と、
前記接続板は前記係合部を挿入するための傾斜部を有する開口部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の着脱機構。
【請求項4】
前記装着部は前記本体部に対して回動可能な回動部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2又は3のいずれかに記載の着脱機構。
【請求項5】
先端部に装着部を備えた本体部と、前記装着部に連結する係合部を有した作業部が本体部と着脱するための着脱機構であって、
前記装着部は、係合部方向に尖った稜線を有し、端面は稜線につながる三角山状からなる峰状部を備え、
前記係合部は、前記峰状部の稜線が当接可能な当接面、
を備えた着脱機構を備え、
前記本体部は走行機体に装着可能な装着部と、
前記作業部は対地作業が可能である作業部である、
を備えたことを特徴とする作業機。
【請求項6】
前記装着部は、前記装着部の側方に半円状に開口した陥没溝と、
前記陥没溝の中心軸線と平行に配置し、前記作業部と連結する連結軸を挿入するボス部と、
前記陥没溝と前記ボス部の近傍に配置し、前記陥没溝の中心軸線及び前記ボス部の中心軸線と交差する方向に稜線を有し、前記陥没溝と前記ボス部にかけて配置した峰状部と、
を備え、
前記係合部は、前記陥没溝と係合可能な係合ピンと、
前記ボス部とともに前記連結軸を挿入して前記係合部及び装着部を固定可能な孔部と、
を備えた着脱機構
を備えたことを特徴とする請求項5に記載の作業機。
【請求項7】
前記係合部は前記係合ピン及び前記ボス部を取り付ける接続板と、
前記接続板は前記係合部を挿入するための傾斜部を有する開口部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項5又は6のいずれかに記載の作業機。
【請求項8】
前記装着部は前記本体部に対して回動可能な回動部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項5又は6又は7のいずれかに記載の作業機。
【請求項9】
前記装着部が固定される主フレームと、
前記主フレーム及び前記着脱機構を連結する伸縮手段と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項5又は6又は7又は8のいずれかに記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、着脱機構及び着脱機構を備えた作業機に係る。
【背景技術】
【0002】
作業機等において、伸縮するアーム部材の先端部に作業部を取り付けて、作業者及び作業者が搭乗する機体から離れた場所で作業可能にする場合、作業の形態に合わせた作業部を複数用意して、それぞれの作業部のみを交換して作業すると作業効率が良い。
作業部の着脱機構としては、特許文献1および特許文献2記載のものが知られている。
これら従来例では、アーム部材を含む本体は同一のまま、作業部のみを交換すればよいので、作業が効率的に行える。
【0003】
特許文献1に記載の着脱機構は、油圧シリンダによって回動駆動する把持爪と第2の凹部との間で第2の結合用ピンを把持するとともに、第1の結合用ピンを第1の凹部に係合させて、着脱する機構である。
特許文献2に記載の着脱構造は、アーム部材の先端部に有した取付け部材は平板部を備えるとともに、作業部であるバケット背面のブラケットが平板部の平面を沿わせる基板を備えるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-171696号公報
【特許文献2】特開2000-104276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
農業用トラクタに装着する農作業機は、農業用トラクタを特定して装着することは、通常において考えにくい。農業用トラクタは重量や機体寸法の諸元値は、製造会社や仕様によって千差万別である。したがって、農業用トラクタ装着する農作業機は、装着するトラクタとの重量配分となるトラクタの接地荷重が悪い組み合わせ条件になったとしても、安全に作業をおこなえる必要がある。このため、農作業機の全体重量を軽量にすることが求められる。
【0006】
農業用トラクタから遠方に離れた場所で作業する農作業機の場合、伸縮するアーム部の先端部に位置する作業部が軽量であった方が、伸縮するアーム部の先端部を遠方に位置させても、この農作業機を装着したトラクタの接地荷重が適正に保たれ、安全に作業が行える。
この種の農作業機に特許文献1の機構を採用すると、アーム部の先端部に油圧シリンダやこれによって駆動する部材等が必要で、農作業機の全体重量はおろか、アーム部材先端の重量が増加することによって、トラクタの接地荷重が悪化する問題がある。
【0007】
特許文献2に記載の着脱構造は、簡素な構成である反面、当接面である平面部に異物が噛み込むと、着脱がスムーズにできない問題がある。このため、平面部は清浄に保つ必要があり、作業者にとって負担となる。また、平面部の面積は広く設けた方が装着安定性は良くなるが、着脱する作業部の形状によっては、この平面部を広く設けることが困難な場合もある。
【0008】
本発明は、上記課題に着眼してなされたものであり、着脱に係る構造を簡素化するとともに軽量化できる着脱機構及び同着脱機構を有する作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、
先端部に装着部を備えた本体部と、前記装着部に連結する係合部を有した作業部が本体部と着脱するための着脱機構であって、
前記装着部は、係合部方向に尖った稜線を有し、端面は稜線につながる三角山状からなる峰状部を備え、
前記係合部は、前記峰状部の稜線が当接可能な当接面、
を備えたことを特徴とする着脱機構、
に係る。
【0010】
この発明は、更に、
前記装着部は、前記装着部の側方に半円状に開口した陥没溝と、
前記陥没溝の中心軸線と平行に配置し、前記作業部と連結する連結軸を挿入するボス部と、
前記陥没溝と前記ボス部の近傍に配置し、前記陥没溝の中心軸線及び前記ボス部の中心軸線と交差する方向に稜線を有し、前記陥没溝と前記ボス部にかけて配置した峰状部と、
を備え、
前記係合部は、前記陥没溝と係合可能な係合ピンと、
前記ボス部とともに前記連結軸を挿入して前記係合部及び装着部を固定可能な孔部と、
を備えたことを特徴とする着脱機構、
に係る。
【0011】
この発明は、更に、
前記係合部は前記係合ピン及び前記ボス部を取り付ける接続板と、
前記接続板は前記係合部を挿入するための傾斜部を有する開口部と、
をさらに備えたことを特徴とする着脱機構、
に係る。
【0012】
この発明は、更に、
前記装着部は前記本体部に対して回動可能な回動部と、
をさらに備えたことを特徴とする着脱機構、
に係る。
【0013】
この発明は、
先端部に装着部を備えた本体部と、前記装着部に連結する係合部を有した作業部が本体部と着脱するための着脱機構であって、
前記装着部は、係合部方向に尖った稜線を有し、端面は稜線につながる三角山状からなる峰状部を備え、
前記係合部は、前記峰状部の稜線が当接可能な当接面、
を備えた着脱機構を備え、
前記本体部は走行機体に装着可能な装着部と、
前記作業部は対地作業が可能である作業部である、
を備えたことを特徴とする作業機、
に係る。
【0014】
この発明は、更に、
前記装着部は、前記装着部の側方に半円状に開口した陥没溝と、
前記陥没溝の中心軸線と平行に配置し、前記作業部と連結する連結軸を挿入するボス部と、
前記陥没溝と前記ボス部の近傍に配置し、前記陥没溝の中心軸線及び前記ボス部の中心軸線と交差する方向に稜線を有し、前記陥没溝と前記ボス部にかけて配置した峰状部と、
を備え、
前記係合部は、前記陥没溝と係合可能な係合ピンと、
前記ボス部とともに前記連結軸を挿入して前記係合部及び装着部を固定可能な孔部と、
を備えた着脱機構
を備えたことを特徴とする作業機、
に係る。
【0015】
この発明は、更に、
前記係合部は前記係合ピン及び前記ボス部を取り付ける接続板と、
前記接続板は前記係合部を挿入するための傾斜部を有する開口部と、
をさらに備えたことを特徴とする作業機、
に係る。
【0016】
この発明は、更に、
前記装着部は前記本体部に対して回動可能な回動部と、
をさらに備えたことを特徴とする作業機、
に係る。
【0017】
この発明は、更に、
前記装着部が固定される主フレームと、
前記主フレーム及び前記着脱機構を連結する伸縮手段と、
をさらに備えたことを特徴とする作業機、
に係る。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、着脱に係る構造を簡素化するとともに軽量化できる着脱機構及び同着脱機構を有する作業機を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】この発明の実施例に係る着脱機構の作業部の平面図である。
【
図2】この発明の実施例に係る着脱機構の作業部の左側面一部拡大図である。
【
図3】この発明の実施例に係る着脱機構の作業部の正面一部拡大図である。
【
図4】この発明の実施例に係る着脱機構の作業部の左側面一部拡大端面図である。
【
図5】この発明の実施例に係る着脱機構の作業部の右側面一部拡大端面図である。
【
図6】この発明の実施例に係る着脱機構の装着部の一部拡大正面図であって、装着部の着脱手順をあらわす図である。
【
図7】この発明の実施例に係る着脱機構の装着部の一部拡大正面図であって、装着部の着脱手順をあらわす図である。
【
図8】この発明の実施例に係る着脱機構の装着部の一部拡大正面図であって、装着部の着脱手順をあらわす図である。
【
図9】この発明の実施例に係る着脱機構の装着部の一部拡大正面図であって、装着部の着脱手順をあらわす図である。
【
図10】この発明の実施例の着脱機構に係る作業機の作業部展開状態時の進行方向後方から見た作業部展開状態図である。
【
図11】この発明の実施例の着脱機構に係る作業機の作業部展開状態であり作業部通常状態の平面図であって、図中上方が進行方向である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図10、
図11において、Aは、作業機である。作業機Aは、この発明の実施例では、草刈等の作業を行う作業機に係る。作業機Aは、トラクタ等からなる走行機体Bの装着用装着部111、112に取り付け駆動する。
トラクタ等からなる走行機体Bは、実施例では、
図10に図示する作業機Aの奥側に位置する。
【0021】
図10、
図11に図示する11は、主フレームである。主フレーム11は、作業機Aに取り付ける。主フレーム11には、図示するように走行機体Bへの装着用の装着部111、112を設ける。2個の111は下部に設ける装着部(ロア)、112は上部に設ける装着部(トップ)であり、3点で作業機Aを走行機体Bに装着する。
【0022】
操作部(図示せず)は、走行機体Bに設け、後述する方向制御弁25を操作する。
図10、
図11に図示する22は、入力軸である。入力軸22は、取り付ける走行機体Bから駆動力を作業機Aに取り入れる。
図10、
図11に図示する23は、変速部である。変速部23では、入力軸22により走行機体Bから入力した駆動力を変速する。
【0023】
図10、
図11に図示する24は、流体圧発生源である油圧ポンプである。油圧ポンプ24は、入力軸22により走行機体Bから入力し、変速機23で変速した駆動力により、駆動する。油圧ポンプ24により、作業機Aの油圧で作動する油圧機器関係に油圧を配送する。
図10、
図11に図示する25は、方向制御弁であるバルブユニットである。バルブユニット25では、油圧の流れを切換制御する。
【0024】
図10、
図11に図示する21は、マストフレームである。211は、マストフレーム回動軸である。マストフレーム21は、マストフレーム回動軸211によって、主フレーム11に回動自在に取り付ける。
マストフレーム21は、作業機Aの、主フレーム11の進行方向左右に対する一端部あるいは中央部に設ける。マストフレーム21は、伸縮手段41を、水平方向へ回動可能である。マストフレーム21は、伸縮手段41を鉛直軸周りであるマストフレーム回動軸211周りに回動可能である。この実施例において、一端側を支点に回動するマストフレーム21は、マストフレーム21の他端側を進行方向と直交する方向に位置させた時を通常位置及び通常状態、通常位置より後方側にマストフレーム21の他端側を回動させた時は退避位置及び退避状態としている。
【0025】
212は、水平回動シリンダ(マストフレーム回動軸用シリンダ)である。水平回動シリンダであるマストフレーム回動軸用シリンダ212は、油圧シリンダからなり油圧により伸縮する。
水平回動シリンダ212は、一端を主フレーム11に取り付け、他端はマストフレーム21に取り付ける。そのため、水平回動シリンダ212は、ストロークの移動によって水平回動シリンダ212を伸縮して、主フレーム11に対して、マストフレーム21を回動駆動する。
【0026】
31は、タンクである。タンク31は、実施例では、オイルタンクである。この実施例では、タンク31は、作業機Aの進行方向左右に対する主フレーム11の他端部に設ける。作業機Aに使用される各シリンダは油圧シリンダであるため、タンク31は各オイルシリンダ駆動用のオイルを貯蔵する。
タンク31の前端部は、主フレーム11の前端部とほぼ同じ、あるいは、主フレーム11の前端部よりやや後方に位置する。
【0027】
41は、伸縮手段である。伸縮手段41は、一端側を主フレーム11近傍で回動可能なマストフレーム21に連結する。伸縮手段41は、作業部51に伸縮手段41を折り畳んで主フレーム11上に作業部51を位置させた格納状態と、
図10乃至
図11に図示するように、伸縮手段41を伸展させて、主フレーム11より進行方向に対する側方に位置させた作業部51の作業状態を取らせる。すなわち、伸縮手段41は、主フレーム11の近傍に折り畳んだ収納状態と、主フレーム11の側方に伸長させた伸張状態とに変更可能である。また、説明において伸張状態は展開状態と呼ぶことがある。
伸縮手段41は、第1ブーム411、第1連結体412、第2ブーム413、第2連結体414、第1シリンダ415、第2シリンダ416、第3シリンダ417、第4シリンダ418を有する。
【0028】
第1ブーム411は、マストフレーム21に一端部を連結し、上下方向へ回動可能に設ける。
第1連結体412は、第1ブーム411の他端側の先端部に一端部を連結し、上下方向へ回動可能に設ける。
第2ブーム413は、第1連結体412の他端側の先端部に一端部を連結し、マストフレーム21が通常位置において、進行方向に対して前後方向へ回動可能に設ける。
第2連結体414は、第2ブーム413の他端側の先端部に一端部を設け、マストフレーム21が通常位置において、第1連結体412に対して前後方向へ並行に移動可能である。
【0029】
第1シリンダ415は、油圧シリンダからなり、マストフレーム21と第1ブーム411とを、マストフレーム21と第1ブーム411を連結させたリンク機構42を介して連結する。第1シリンダ415は、第1ブーム411回動用であり、第1ブーム411に設け、伸縮すると同時に第1ブーム411共に回動して第1ブーム411を上下回動させる。
第1シリンダ415は、伸縮手段41をマストフレーム21に設けた水平軸である第1ブーム回動軸411A周りに回動駆動させる。
第1ブーム411は上下方向に、第1ブーム回動軸411Aを回動中心として回動自在にマストフレーム21に連結される。
【0030】
第2シリンダ416は、油圧シリンダからなり、第1ブーム411と第1連結体412の他端側とを連結する。第2シリンダ416は、第1連結体412の上下回動用である。
第3シリンダ417は、前後回動シリンダであって、油圧シリンダからなり、第1連結体412と第2ブーム413とを連結する。第3シリンダ417は、第2ブーム413の第1ブーム411に対する前後回動用である。第3シリンダ(前後回動シリンダ)417は、ストロークの伸縮により、マストフレーム21が通常位置において、伸縮手段41を前後方向へ回動駆動させる。
【0031】
第4シリンダ418は、油圧シリンダからなり、第2連結体414と作業部51とを連結する。第4シリンダ418は、作業部51の上下回動用である。
【0032】
51は、作業部である。作業部51は、対地作業が可能である。作業部51は、第2連結体414の他端側の先端部且つ第2連結体414の進行方向に対する前方側に設ける。
作業部51は、更に、第2連結体414に対して上下方向へ回動可能に設ける。
作業部51は、この実施例では、マストフレーム21が通常位置において、進行方向と直交する方向に向けた回転軸512に複数の刃部を配置し、複数の刃部を回転駆動させることで草刈等の作業を行う。ただし、作業目的や作業部51の構造は開示した実施例に限定はされない。
【0033】
作業部51は、
図10、
図11に図示する展開姿勢と、第1ブーム411及び第2ブーム413のそれぞれがほぼ水平状態をとって折り畳んで、第1ブーム411及び第1連結体412及び第2ブーム413及び第2連結体414はタンク31の上方に位置する格納姿勢をとることが可能である。
【0034】
着脱機構6および装着部60について説明する。
図10、
図11に図示するaは、本体部である。本体部aは、着脱機構6と作業部51とを備える。本体部aの先端部に、着脱機構6を設ける。着脱機構6には、装着部60を設ける。装着部60は、本体部aを介して、走行機体Bに装着可能である。着脱機構6は、装着部60により、本体部aから作業部51を脱着する。
【0035】
図10、
図11に図示する41は、伸縮手段である。伸縮手段41は、主フレーム11及び着脱機構6を連結する。主フレーム11には、装着部60が固定される。
装着部60は、陥没溝601と、ボス部603と、稜線605と、峰状部604とを有する。
【0036】
装着部60は、
図2乃至
図10に図示するように、正面視全体として台形状の表裏面二枚の板状体を、間隔を空けて積層する。装着部60端面は、
図2、
図4、
図5に図示するように両方の板状体を図中下端部である係合部65の当接面653側で接合して図中下方先端V字状に装着部60下端に突設する稜線605を有する五角形からなる。
【0037】
装着部60の二枚の板状体の間隔が狭まり、先端である着脱方向である係合部65方向に尖り、
図2、
図4、
図5に図示するように稜線605にまで至る傾斜面を設け、峰状部604とする。峰状部604は、
図4、
図5に図示するように、表裏面の端面形状は下端先端が突設する稜線605につながる三角山状からなる。峰状部604端面は、いわば、斧の形状のような端面形状からなる。
三角形状の角度は、60度乃至120度からなる。望ましくは90度からなる。これら角からなるため、装着部60は強度に優れるとともに、本体部aと作業部51の連結時に係合部65の当接面653に異物があっても、これをかき分けて避けることができる。
峰状部604は、陥没溝601と前記ボス部603にかけて配置する。
【0038】
606は、回動部である。回動部606は、軸状からなり、
図1乃至
図11に図示するように、伸縮手段41先端の第2連結体414に向けて装着部60に設ける。回動部606は、本体部aに対して回動可能に設ける。
陥没溝601は、
図6乃至
図9に図示するように、装着部60に設けた回動部606の下部の装着部60の側方に装着部60の表裏面に亘り、半円状に開口する。
ボス部603は、装着部60の表裏面に亘り、貫通穴状に、陥没溝601の中心軸線と平行に設ける。
【0039】
62は、連結軸である。
ボス部603には、連結軸62を挿入する。ボス部603に、連結軸62を挿入することで、連結軸62は、ボス部603と作業部51と連結する。
稜線605は、陥没溝601と前記ボス部603の近傍に配置し、前記陥没溝601の中心軸線及び前記ボス603部の中心軸線と交差する方向に有する。
【0040】
65は、係合部である。係合部65は、前記陥没溝601と係合可能な係合ピン651と、ボス部603とともに前記連結軸62を挿入して前記係合部65及び装着部60を固定可能な孔部652と、峰状部604の稜線605が当接可能な当接面653とを備える。
【0041】
係合部65は前記係合ピン651及び前記ボス部603を取り付ける接続板654と、接続板654は前記装着部60を挿入するための傾斜部656を有する開口部655とを備える。
着脱機構6は、装着部60に連結する係合部65を有した本体部aから作業部51を着脱する。
【0042】
この発明の実施例の装着部60の着脱手順(取付手順)について説明する。
(1)
図6に図示するように、陥没溝601の開口部を下方に向けて、係合部65に向けて装着部60を下降させる。
(2)
図7に図示するように、陥没溝601に係合部65の係合ピン651を嵌め入れる。
(3)
図8に図示するように、陥没溝601及び係合ピン651を支点にして、装着部60を旋回(回動)させる。
(4)
図9に図示するように、峰状部604が旋回し、峰状部604が当接面に接触する。
(5)
図9に図示するように、孔部652とボス部603が一致するので、孔部652とボス部603に連結軸62を通す。連結軸62に抜け止めを行い装着部60と係合部65との固定作業が完了する。
取外手順は、取付時の逆の手順で行う。
【0043】
この発明の実施例の作用効果について説明する。
本体部aと作業部51の固定は、陥没溝601と係合ピン651、ボス部603及び孔部652に連結軸62を貫通することによって、完了する。
【0044】
峰状部604が当接面653に当接するので、必然的にボス部603と孔部652が一致し、孔部652に連結軸62を簡単に挿入できる。
【0045】
峰状部604は、
図9に図示するように、本体部aと作業部51の連結固定時においても、孔部652から係合ピン651にかけた距離で接触するので、本体部aと作業部51の接触面積が増大し、固定時における本体部aと作業部51の安定感、一体感が向上する。
【0046】
さらに、本体部aと作業部51の連結固定時において、係合部65に備える接続板654に装着部60の側部が可能な限り広い面積が接触するので、本体部aと作業部51の安定感(一体感)が一層向上する。
【0047】
固定する場合、作業者は必然的に一致するボス部603と孔部652に連結軸62を挿入するだけで良いので、連結作業時に孔を合させるなどの調整作業をすることがない。そのため、効率的な着脱作業が可能である。
【0048】
図2、
図4、
図5に図示する峰状部604表裏面の端面形状は、下端先端が突設する三角山状からなるため、峰状部604により、本体部aと作業部51の連結時に係合部65の当接面653に異物があっても、これをかき分けて避けることができる。したがって、峰状部604と当接面653の接触部はきれいに保つことができる。峰状部604の峰先端は、当接面653に対し無視できる程度の小さな接触面や加工上形成される等の平面や円弧部があってもよい。
【0049】
峰状部604の傾斜面により、装着部60を係合部65の上部から下方に向かって挿入する場合に、案内の役割を果たすことができる。このため、装着部60と係合部65や互いの位置や向きがずれても傾斜面に沿って倣うように、向きのずれを修正しながら係合できる。
【0050】
接続板654の開口部に傾斜部656を設けることによって、峰状部604の傾斜面と同様の効果を得ることができる。実施形態では、進行方向の前方側の接続板654に傾斜部656を設けているが、後方側の接続板654にも傾斜部656を設けてもよい。
【0051】
峰状部604の端面形状は、当接面653側の
図4、
図5図中下端先端が突設する三角山状からなるため、本体部aと作業部51の連結時に係合部65の当接面653に異物があっても、これをかき分けて避けることができる。したがって、峰状部604と当接面653の接触部はきれいに保つことができる。
回動部によって、陥没溝601及びボス部603が、係合ピン651及び孔部652との位置合わせが容易に行え、着脱作業が効率的になる。
【0052】
付記1
先端部に装着部を備えた本体部と、前記装着部に連結する係合部を有した作業部が本体部と着脱するための着脱機構であって、
前記装着部は、係合部方向に尖った稜線を有し、端面は稜線につながる三角山状からなる峰状部を備え、
前記係合部は、前記峰状部の稜線が当接可能な当接面、
を備えたことを特徴とする着脱機構。
【0053】
付記2
前記装着部は、前記装着部の側方に半円状に開口した陥没溝と、
前記陥没溝の中心軸線と平行に配置し、前記作業部と連結する連結軸を挿入するボス部と、
前記陥没溝と前記ボス部の近傍に配置し、前記陥没溝の中心軸線及び前記ボス部の中心軸線と交差する方向に稜線を有し、前記陥没溝と前記ボス部にかけて配置した峰状部と、
を備え、
前記係合部は、前記陥没溝と係合可能な係合ピンと、
前記ボス部とともに前記連結軸を挿入して前記係合部及び装着部を固定可能な孔部と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の着脱機構。
【0054】
付記3
前記係合部は前記係合ピン及び前記ボス部を取り付ける接続板と、
前記接続板は前記係合部を挿入するための傾斜部を有する開口部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の着脱機構。
【0055】
付記4
前記装着部は前記本体部に対して回動可能な回動部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2又は3のいずれかに記載の着脱機構。
【0056】
付記5
先端部に装着部を備えた本体部と、前記装着部に連結する係合部を有した作業部が本体部と着脱するための着脱機構であって、
前記装着部は、係合部方向に尖った稜線を有し、端面は稜線につながる三角山状からなる峰状部を備え、
前記係合部は、前記峰状部の稜線が当接可能な当接面、
を備えた着脱機構を備え、
前記本体部は走行機体に装着可能な装着部と、
前記作業部は対地作業が可能である作業部である、
を備えたことを特徴とする作業機。
【0057】
付記6
前記装着部は、前記装着部の側方に半円状に開口した陥没溝と、
前記陥没溝の中心軸線と平行に配置し、前記作業部と連結する連結軸を挿入するボス部と、
前記陥没溝と前記ボス部の近傍に配置し、前記陥没溝の中心軸線及び前記ボス部の中心軸線と交差する方向に稜線を有し、前記陥没溝と前記ボス部にかけて配置した峰状部と、
を備え、
前記係合部は、前記陥没溝と係合可能な係合ピンと、
前記ボス部とともに前記連結軸を挿入して前記係合部及び装着部を固定可能な孔部と、
を備えた着脱機構
を備えたことを特徴とする請求項5に記載の作業機。
【0058】
付記7
前記係合部は前記係合ピン及び前記ボス部を取り付ける接続板と、
前記接続板は前記係合部を挿入するための傾斜部を有する開口部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項5又は6のいずれかに記載の作業機。
【0059】
付記8
前記装着部は前記本体部に対して回動可能な回動部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項5又は6又は7のいずれかに記載の作業機。
【0060】
付記9
前記装着部が固定される主フレームと、
前記主フレーム及び前記着脱機構を連結する伸縮手段と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項5又は6又は7又は8のいずれかに記載の作業機。
【符号の説明】
【0061】
11 主フレーム
111 装着用装着部(ロワ)
112 装着用装着部(トップ)
21 マストフレーム
211 マストフレーム回動軸
22 入力軸
23 変則部
24 油圧ポンプ
25 方向制御弁(バルブユニット)
212 水平回動シリンダ
24 流体圧発生源
25 方向制御弁
31 オイルタンク
41 伸縮手段
411 第1ブーム
411A 第1ブーム回動軸
412 第1連結体
413 第2ブーム
414 第2連結体
415 第1シリンダ
416 第2シリンダ
417 第3シリンダ
418 第4シリンダ
42 リンク機構
51 作業部
512 回転軸
6 着脱機構
60 装着部
601 陥没溝
603 ボス部
604 峰状部
605 稜線
606 回動部
62 連結軸
65 係合部
651 係合ピン
652 孔部
653 当接面
654 接続板
655 開口部
656 傾斜部
a 本体部
A 作業機
B 走行機体