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特開2023-171511ボールねじ軸サポート構造とアクチュエータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171511
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】ボールねじ軸サポート構造とアクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   F16H 25/24 20060101AFI20231124BHJP
【FI】
F16H25/24 H
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023175064
(22)【出願日】2023-10-10
(62)【分割の表示】P 2020035168の分割
【原出願日】2020-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】391008515
【氏名又は名称】株式会社アイエイアイ
(74)【代理人】
【識別番号】100092842
【弁理士】
【氏名又は名称】島野 美伊智
(74)【代理人】
【識別番号】100166578
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 芳光
(72)【発明者】
【氏名】岩本 剛
(57)【要約】
【課題】 簡易且つコンパクトな構成によりボールねじ軸の撓みを防止して振動や騒音を抑制し高速に動作できるボールねじ軸サポート構造とアクチュエータを提供すること。
【解決手段】ボールねじ軸の両端を支持する端部材と、ボールねじ軸に螺合されたボールねじナットと、一方の端部材とボールねじナットとの間他方の端部材とボールねじナットとの間にそれぞれ独立して移動可能に設置された一対の中間サポートと、一方の中間サポートとボールねじナットとの間一方の中間サポートと一方の端部材との間他方の中間サポートとボールねじナットとの間他方の中間サポートと他方の端部材との間に設置された弾性手段と、を具備し、弾性手段により一方の中間サポートを一方の端部材とボールねじナットの中間位置、他方の中間サポートを他方の端部材とボールねじナットの中間位置、に位置させ、弾性手段はボールねじ軸の外周側に設置されたコイルスプリングであるもの。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボールねじ軸と、
上記ボールねじ軸の両端をそれぞれ支持する一対の端部材と、
上記ボールねじ軸に移動可能に螺合されたボールねじナットと、
上記一対の端部材の内一方の端部材と上記ボールねじナットとの間、他方の端部材と上記ボールねじナットとの間、にそれぞれ独立して移動可能に設置された一対の中間サポートと、
上記一方の中間サポートと上記ボールねじナットとの間、上記一方の中間サポートと上記一方の端部材との間、上記他方の中間サポートと上記ボールねじナットとの間、上記他方の中間サポートと上記他方の端部材との間、に設置された弾性手段と、
を具備し、
上記ボールねじナットが移動する際上記各弾性手段が弾性変形することにより上記一方の中間サポートを上記一方の端部材と上記ボールねじナットの中間位置、上記他方の中間サポートを他方の端部材と上記ボールねじナットの中間位置、にそれぞれ位置させるようにし、
上記弾性手段は上記ボールねじ軸の外周側に設置されたコイルスプリングであることを特徴とするボールねじ軸サポート構造。
【請求項2】
請求項1記載のボールねじ軸サポート構造において、
上記一対の中間サポートに加えて一対以上の中間サポートが追加して設置されていて、
上記中間サポート同士の間にも上記弾性手段が設置されていることを特徴とするボールねじ軸サポート構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のボールねじ軸サポート構造において、
上記ボールねじナットが駆動モータにより回転されるものであることを特徴とするボールねじ軸サポート構造。
【請求項4】
請求項3記載のボールねじ軸サポート構造において、
上記ボールねじナットが複数設置されていて、
上記ボールねじナット同士の間にも上記中間サポートが上記弾性手段を介して設置されていることを特徴とするボールねじ軸サポート構造。
【請求項5】
請求項1~請求項4の何れかに記載のボールねじ軸サポート構造において、
上記弾性手段が設けられた弾性部材ユニットがあり、上記弾性部材ユニットは単独で又は複数が連続で設置されていることを特徴とするボールねじ軸サポート構造。
【請求項6】
請求項5記載のボールねじ軸サポート構造において、
上記弾性部材ユニットは上記弾性手段と上記弾性手段の両端に設置された弾性部材ユニット連結部材とから構成されていて、
上記弾性部材ユニット連結部材を介して隣接する上記弾性部材ユニット同士が連結されることを特徴とするボールねじ軸サポート構造。
【請求項7】
請求項6記載のボールねじ軸サポート構造において、
上記弾性部材ユニットは上記端部材に対しても上記弾性部材ユニット連結部材を介して連結され、上記ボールねじナットに対しても上記弾性部材ユニット連結部材を介して連結されることを特徴とするボールねじ軸サポート構造。
【請求項8】
請求項1記載のボールねじ軸サポート構造において、
上記コイルスプリングの外周側は蛇腹部材で覆われていることを特徴とするボールねじ軸サポート構造。
【請求項9】
請求項8記載のボールねじ軸サポート構造において、
上記蛇腹部材は上記コイルスプリングに一体化されていることを特徴とするボールねじ軸サポート構造。
【請求項10】
請求項1~請求項9の何れかに記載のボールねじ軸サポート構造が設置されていることを特徴とするアクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボールねじ軸サポート構造とアクチュエータに係り、特に、簡易且つコンパクトな構成によりボールねじ軸の撓みを防止することができ、振動や騒音を抑制して高速化に対応することができるように工夫したものに関する。
【背景技術】
【0002】
ボールねじ軸サポート構造とアクチュエータの構成を開示するものとして、例えば、特許文献1、特許文献2がある。
まず、特許文献1に記載されたボールネジ装置は次のような構成をなしている。まず、軸受装置によって両端を支持されたネジ軸があり、上記ネジ軸にはナット部材が螺合されている。上記軸受装置と上記ナット部材の間には上記ネジ軸を支持する副支持部材が設置されている。上記副支持部材は上記ナット部材の進行方向両側に移動可能に設置されていて連結部材を介して連結されている。上記副支持部材は上記ナット部材に付勢されて移動される。
上記ネジ軸が回転駆動されると上記ナット部材が何れかの方向に移動し、その際、ナット部材が一方の副支持部材に当接することにより副支持部材と共に移動する。その際、他方の副支持部材も連結部材を介して一体的に移動する。
【0003】
次に、特許文献2に記載されたアクチュエータは次のような構成になっている。まず、ボールネジがあり、このボールネジにはボールナットが螺合されている。上記ボールナットの移動方向に沿った両側には中間サポートがそれぞれ配置されている。上記両中間サポートは連結棒体を介して一体化されている。上記ボールナットにはスライダが固着されている。上記両中間サポートにはプーリがそれぞれ設置されている。上記両プーリにはワイヤが巻回されていてそのワイヤの両端は上記スライダに固定されている。
上記ボールネジが回転駆動されると上記ボールナット及びスライダが何れかの方向に移動する。その際、上記両中間サポートはスライダの半分の移動量で移動しながら上記ボールネジを支持する。
【0004】
また、特許文献1、特許文献2に記載された発明のように、ネジ軸或いはボールネジを直接支持する構成ではないが、送りねじの振動を抑制する構成を開示するものとして、例えば、特許文献3、特許文献4がある。
特許文献3に記載された送りねじ装置は次のような構成をなしている。まず、駆動モータによって回転される送りねじがあり、上記送りねじにはナットが螺合されている。上記ナットの移動方向両側にはそれぞれ吸振器が移動可能に設置されている。上記両吸振器は連結棒を介して連結されている。上記吸振器は上記送りねじにゴム等の弾性体を介して嵌め込まれている。上記吸振器は上記ナットに当接される当て金を備えている。
上記送りねじが駆動モータによって回転駆動されると上記ナットが何れかの方向に移動する。その際、ナットが一方の吸振器に当接し共に移動し、他方の吸振器も連結棒を介して一体的に移動する。
なお、別のタイプとして連結棒の代わりにコイルスプリングを介して両吸振器を連結した構成の送りねじも開示されている。
【0005】
次に、特許文献4に記載された送りねじ装置は次のような構成をなしている。まず、ねじ軸があり、上記ねじ軸にはナットが螺合されている。上記ねじ軸の上記ナットの移動方向両側にはそれぞれ移動支持体が螺合されている。上記移動支持体同士は上記ナットを貫通するガイドバーによって連結されている。上記ナットと上記移動支持体の間であって上記ガイドバーの外周にはバネ部材が設置されている。
上記ねじ軸を回転させると上記ナットが何れかの方向に移動する。また、移動方向両側の移動支持体もガイドバーと共に移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005-240860号公報
【特許文献2】特開2007-228688号公報
【特許文献3】特開平2-150538号公報
【特許文献4】特開2007-255438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来の構成では次のような問題があった。
まず、特許文献1による送りねじ装置の場合には、ナット部材が何れかの方向に移動して何れか一方の副支持部材に当接することによりその副支持部材を同方向に移動させるとともに連結部材を介して他方の副支持部材をも移動させる構成であり、そのため、ナット部材と両端の軸受装置の間がその中間地点で常に副支持部材によって支持されているわけではなく、ネジ軸の撓みを効果的に防止できていないという問題があった。
これに対して、特許文献2によるアクチュエータの場合には、一対のプーリとワイヤによってボールナットの両側に配置された中間サポートの移動量をボールナットの移動量の半分に制御しているので、中間サポートによってボールナットと両端の軸受部との中間位置を常に支持することができる。しかしながら、プーリやワイヤといった複雑な構成を要してしまい構成が複雑化、大型化してしまうという問題があった。
特許文献3に記載された発明の場合には送りねじを直接支持する構成ではなく振動を吸収することを目的としたものであるが、吸振器がナットと両端の軸受との中間に常に位置していない点で、上記特許文献1の場合と同様の問題をかかえている。
特許文献4に記載された発明の場合も同様であり、送りねじを直接支持する構成ではなく振動を吸収することを目的としたものであるが、移動支持体がナットと両端の軸受との中間に常に位置していない点で、上記特許文献1の場合と同様の問題をかかえている。
【0008】
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、簡易且つコンパクトな構成によりボールねじ軸の撓みを防止することができ、振動や騒音を抑制して高速化に対応することができるボールねじ軸サポート構造とアクチュエータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するべく本願発明の請求項1によるボールねじ軸サポート構造は、ボールねじ軸と、上記ボールねじ軸の両端をそれぞれ支持する一対の端部材と、上記ボールねじ軸に移動可能に螺合されたボールねじナットと、上記一対の端部材の内一方の端部材と上記ボールねじナットとの間、他方の端部材と上記ボールねじナットとの間、にそれぞれ独立して移動可能に設置された一対の中間サポートと、上記一方の中間サポートと上記ボールねじナットとの間、上記一方の中間サポートと上記一方の端部材との間、上記他方の中間サポートと上記ボールねじナットとの間、上記他方の中間サポートと上記他方の端部材との間、に設置された弾性手段と、を具備し、上記ボールねじナットが移動する際上記各弾性手段が弾性変形することにより上記一方の中間サポートを上記一方の端部材と上記ボールねじナットの中間位置、上記他方の中間サポートを他方の端部材と上記ボールねじナットの中間位置、にそれぞれ位置させるようにし、上記弾性手段は上記ボールねじ軸の外周側に設置されたコイルスプリングであることを特徴とするものである。
又、請求項2によるボールねじ軸サポート構造は、請求項1記載のボールねじ軸サポート構造において、上記一対の中間サポートに加えて一対以上の中間サポートが追加して設置されていて、上記中間サポート同士の間にも上記弾性手段が設置されていることを特徴とするものである。
又、請求項3によるボールねじ軸サポート構造は、請求項1又は請求項2記載のボールねじ軸サポート構造において、上記ボールねじナットが駆動モータにより回転されるものであることを特徴とするものである。
又、請求項4によるボールねじ軸サポート構造は、請求項3記載のボールねじ軸サポート構造において、上記ボールねじナットが複数設置されていて、上記ボールねじナット同士の間にも上記中間サポートが上記弾性手段を介して設置されていることを特徴とするものである。
又、請求項5によるボールねじ軸サポート構造は、請求項1~請求項4の何れかに記載のボールねじ軸サポート構造において、上記弾性手段が設けられた弾性部材ユニットがあり、上記弾性部材ユニットは単独で又は複数が連続で設置されていることを特徴とするものである。
又、請求項6によるボールねじ軸サポート構造は、請求項5記載のボールねじ軸サポート構造において、上記弾性部材ユニットは上記弾性手段と上記弾性手段の両端に設置された弾性部材ユニット連結部材とから構成されていて、上記弾性部材ユニット連結部材を介して隣接する上記弾性部材ユニット同士が連結されることを特徴とするものである。
又、請求項7によるボールねじ軸サポート構造は、請求項6記載のボールねじ軸サポート構造において、上記弾性部材ユニットは上記端部材に対しても上記弾性部材ユニット連結部材を介して連結され、上記ボールねじナットに対しても上記弾性部材ユニット連結部材を介して連結されることを特徴とするものである。
又、請求項8によるボールねじ軸サポート構造は、請求項1記載のボールねじ軸サポート構造において、上記コイルスプリングの外周側は蛇腹部材で覆われていることを特徴とするものである。
又、請求項9によるボールねじ軸サポート構造は、請求項8記載のボールねじ軸サポート構造において、上記蛇腹部材は上記コイルスプリングに一体化されていることを特徴とするものである。
又、請求項10記載によるアクチュエータは、請求項1~請求項9の何れかに記載のボールねじ軸サポート構造が設置されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
以上述べたように、本願発明の請求項1記載のボールねじ軸サポート構造によると、ボールねじ軸と、上記ボールねじ軸の両端をそれぞれ支持する一対の端部材と、上記ボールねじ軸に移動可能に螺合されたボールねじナットと、上記一対の端部材の内一方の端部材と上記ボールねじナットとの間、他方の端部材と上記ボールねじナットとの間、にそれぞれ独立して移動可能に設置された一対の中間サポートと、上記一方の中間サポートと上記ボールねじナットとの間、上記一方の中間サポートと上記一方の端部材との間、上記他方の中間サポートと上記ボールねじナットとの間、上記他方の中間サポートと上記他方の端部材との間、に設置された弾性手段と、を具備し、上記ボールねじナットが移動する際上記各弾性手段が弾性変形することにより上記一方の中間サポートを上記一方の端部材と上記ボールねじナットの中間位置、上記他方の中間サポートを他方の端部材と上記ボールねじナットの中間位置、にそれぞれ位置させるようにし、上記弾性手段は上記ボールねじ軸の外周側に設置されたコイルスプリングであるので、簡易且つコンパクトな構成によりボールねじ軸の撓みを防止することができ、振動や騒音を抑制して高速化に対応できる。
又、請求項2記載のボールねじ軸サポート構造によると、請求項1記載のボールねじ軸サポート構造において、上記一対の中間サポートに加えて一対以上の中間サポートが追加して設置されていて、上記中間サポート同士の間にも上記弾性手段が設置されているので、更に振動や騒音を防止できる。
又、請求項3によるボールねじ軸サポート構造は、請求項1又は請求項2記載のボールねじ軸サポート構造において、上記ボールねじナットが駆動モータにより回転されるものであるので、構成をより簡易にできる。
又、請求項4記載のボールねじ軸サポート構造によると、請求項3記載のボールねじ軸サポート構造において、上記ボールねじナットが複数設置されていて、上記ボールねじナット同士の間にも上記中間サポートが上記弾性手段を介して設置されているので、複数の上記ボールねじナットが設置された場合でも、簡易且つコンパクトな構成によりボールねじ軸の撓みを防止することができ、振動や騒音を抑制して高速化に対応できる。
又、請求項5記載のボールねじ軸サポート構造によると、請求項1~請求項4の何れかに記載のボールねじ軸サポート構造において、上記弾性手段が設けられた弾性部材ユニットがあり、上記弾性部材ユニットは単独で又は複数が連続で設置されているので、容易に設計変更できる。
又、請求項6記載のボールねじ軸サポート構造によると、請求項5記載のボールねじ軸サポート構造において、上記弾性部材ユニットは上記弾性手段と上記弾性手段の両端に設置された弾性部材ユニット連結部材とから構成されていて、上記弾性部材ユニット連結部材を介して隣接する上記弾性部材ユニット同士が連結されるので、構成をより簡易にできる。
又、請求項7記載のボールねじ軸サポート構造によると、請求項6記載のボールねじ軸サポート構造において、上記弾性部材ユニットは上記端部材に対しても上記弾性部材ユニット連結部材を介して連結され、上記ボールねじナットに対しても上記弾性部材ユニット連結部材を介して連結されるので、構成をより簡易にできる。
又、請求項8記載のボールねじ軸サポート構造によると、請求項1記載のボールねじ軸サポート構造において、上記コイルスプリングの外周側は蛇腹部材で覆われているので、簡易な構成により騒音を防止するとともに上記ボールねじ軸の防塵ができる。
又、請求項9記載のボールねじ軸サポート構造によると、請求項8記載のボールねじ軸サポート構造において、上記蛇腹部材は上記コイルスプリングに一体化されているので、構成をより簡易にできる。
又、請求項10記載のアクチュエータによると、請求項1~請求項9の何れかに記載のボールねじ軸サポート構造が設置されているので、簡易且つコンパクトな構成によりボールねじ軸の撓みを防止することができ、振動や騒音を抑制して高速化に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1の実施の形態を示す図で、アクチュエータの斜視図である。
図2】本発明の第1の実施の形態を示す図で、図2(a)は図1のIIa-IIa断面図、図2(b)は図2(a)のIIb部の拡大図である。
図3】本発明の第1の実施の形態を示す図で、図1のIII-III断面図である。
図4】本発明の第1の実施の形態を示す図で、図4(a)は図1のIVa部の拡大図、図4(b)は図1のIVb部の拡大図である。
図5】本発明の第1の実施の形態を示す図で、図5(a)は図2(a)のVa部の拡大図、図5(b)は図2(a)のVb部の拡大図である。
図6】本発明の第1の実施の形態を示す図で、弾性ユニットに負荷が掛かっていない初期状態のアクチュエータをハウジングの一側を撤去して模式的に示す側面図である。
図7】本発明の第1の実施の形態を示す図で、ボールねじナットが初期状態から右側に移動した場合のアクチュエータをハウジングの一側を撤去して模式的に示す側面図である。
図8】本発明の第1の実施の形態を示す図で、ボールねじナットがさらに右端に移動した場合のアクチュエータをハウジングの一側を撤去して模式的に示す側面図である。
図9】本発明の第1の実施の形態を示す図で、模式的に示したアクチュエータの縦断面図で、ボールねじナットが初期状態から左端に移動した場合のアクチュエータをハウジングの一側を撤去して模式的に示す側面図である。
図10】本発明の第2の実施の形態を示す図で、弾性ユニットに負荷が掛かっていない初期状態のアクチュエータをハウジングの一側を撤去して模式的に示す側面図である。
図11】本発明の第2の実施の形態を示す図で、弾性ユニットに負荷が掛かっていない初期状態のアクチュエータをハウジングの一側を撤去して模式的に示す平面図である。
図12】本発明の第3の実施の形態を示す図で、弾性ユニットに負荷が掛かっていない初期状態のアクチュエータをハウジングの一側を撤去して模式的に示す側面図である。
図13】本発明の第4の実施の形態を示す図で、弾性ユニットに負荷が掛かっていない初期状態のアクチュエータをハウジングの一側を撤去して模式的に示す側面図である。
図14】本発明の第5の実施の形態を示す図で、アクチュエータの斜視図である。
図15】本発明の第5の実施の形態を示す図で、アクチュエータのスライダ付近の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図1乃至図9を参照しながら、本発明の第1の実施の形態について説明する。図1図2に示すように、上記アクチュエータ1には横断面形状が略U字型を成すベース3がある。上記ベース3の左右両内側面にはガイドレール5、5が設置されている。上記ガイドレール5、5にはガイド溝7、7がそれぞれ形成されている。
【0013】
また、上記ベース3内にはボールねじ軸17が内装されている。また、図1に示すように、上記ベース3の前端側(図1中右下側)には端部材9があり、上記ベース3の後端側(図2中左上側)には端部材11がある。上記ボールねじ軸17はこれら端部材9、11に内装された軸受13、15よって回転を規制された状態で支持されている。上記ボールねじ軸17には螺旋溝19が形成されている。
【0014】
図1図2に示すように、上記ベース3にはスライダ21が左右方向に移動可能に設置されている。上記スライダ21の図2(b)中右側にはエンドキャップ23が設置されている。また、上記スライダ21の図2(b)中左側にはエンドキャップ25が設置されている。上記エンドキャップ23、25内の幅方向(図2(b)中紙面に直交する方向)両端側には図示しないリターン路が形成されている。上記スライダ21内の幅方向(図2(b)中紙面に直交する方向)両側にはそれぞれ図示しない無負荷循環路が形成されている。また、上記スライダ21の幅方向(図2(b)中紙面に直交する方向)両側面には図示しないガイド溝が形成されている。
【0015】
上記スライダ21内の図示しない一方の無負荷循環路と、上記エンドキャップ23の一方のリターン路、上記エンドキャップ25の一方のリターン路、及び、上記一方のガイドレール5のガイド溝7と上記スライダ21の図示しない一方のガイド溝の間の空間には、図示しない複数の鋼球が転動・循環されている。また、上記スライダ21内の図示しない他方の無負荷循環路と、上記エンドキャップ23の他方のリターン路、上記エンドキャップ25の他方のリターン路、及び、上記他方のガイドレール5のガイド溝7と上記スライダ21の図示しない他方のガイド溝の間の空間にも、図示しない複数の鋼球が転動・循環されている。このような構成により、上記スライダ21は上記ベース3に対して移動可能となっている。
【0016】
また、図2(b)に示すように、上記スライダ21には、図2(b)中左右方向に開口されたボールねじナット収容部27があり、このボールねじナット収容部27内には軸受収容部材28が内装されている。この軸受収容部材28の内側にはボールねじナット取付部材31が軸受29、29を介して回転可能に支持されている。上記ボールねじナット取付部材31には貫通孔32が形成されていて、この貫通孔32の図2(b)中右端側は拡径されてボールねじナット取付用凹部33が形成されている。
【0017】
上記ボールねじナット取付用凹部33にはボールねじナット35が設置されている。上記ボールねじナット35は、円筒形状のボールねじナット本体36と上記ボールねじナット本体36の前後(図2(b)中左右)に設置されたエンドキャップ37、39とから構成されている。上記ボールねじ軸17は上記ボールねじナット取付部材31と上記ボールねじナット35を貫通している。上記ボールねじナット本体36の内周面には螺旋溝41が形成されている。また、上記エンドキャップ37、39内には図示しないリターン路が形成されている。また、上記ボールねじナット本体36内には図示しない無負荷循環路が形成されている。
【0018】
上記ボールねじナット本体36の図示しない無負荷循環路内、上記エンドキャップ37、39の図示しないリターン路、及び、上記ボールねじナット本体36の螺旋溝41と上記ボールねじ軸17の螺旋溝19の間の空間には複数の鋼球43が転動・循環されている。また、図1に示すように、上記スライダ21の側面(図1中右上側)にはモータユニット45が設置されている。このモータユニット45内には図示しないモータが内装されている。
【0019】
上記ボールねじナット取付部材31の図2(b)中左端にはプーリ47が固着されている。上記モータユニット45のモータの出力軸にもプーリが固着されていて、上記プーリ47と上記モータの出力軸のプーリにはベルト49が巻回されている。上記プーリ47と上記モータの出力軸のプーリと上記ベルト49によって、上記モータユニット45のモータの出力軸の回転が上記ボールねじナット取付部材31ひいては上記ボールねじナット35に伝達される。上記ボールねじナット35が回転されると、上記スライダ21が前後方向(図2中左右方向)に移動される。
【0020】
また、上記アクチュエータ1には、上記ボールねじ軸17を支持する中間サポート50、51が設置されている。上記中間サポート50には、図5(a)に示すように、中間サポート本体53がある。上記中間サポート本体53にはボールねじ軸用貫通孔55が形成されている。また、図3図4、及び、図5(a)に示すように、中間サポート本体53の図3中下側の幅方向(図3中左右方向)両側にはローラ取付部材57、57がある。それぞれの上記ローラ取付部材57には2個ずつのローラ59、59がローラ用軸61、61を介して回転可能に設置されている。上記ローラ59は上記ガイドレール5のガイド溝7に移動可能に係合されている。
【0021】
また、上記中間サポート51も上記中間サポート50と同じ構成をなしている。図1に示すように、上記中間サポート50と上記中間サポート51は中間サポート連結部材63によって連結されている。上記中間サポート連結部材63の両端側は上記中間サポート50の中間サポート本体53の幅方向(図1中左下から右上に向かう方向)両側と上記中間サポート51の中間サポート本体53の幅方向(図1中左下から右上に向かう方向)両側に固着されている。
【0022】
図1図2に示すように、上記中間サポート50と上記端部材9との間には、2つの弾性部材ユニット71、71が設置されている。同様に、上記スライダ21と上記中間サポート50との間にも、2つの弾性部材ユニット71、71が設置されている。
【0023】
上記弾性部材ユニット71は、図1図2図4(a)、及び、図5(a)に示すように、弾性手段としてのコイルスプリング73と、上記コイルスプリング73の両端側に設置された弾性部材ユニット連結部材75、75とから構成されている。また、図2に示すように、上記コイルスプリング73の外周側には蛇腹部材77が設置されている。
【0024】
上記弾性部材ユニット連結部材75は、図2(b)、図4(a)、図5(a)に示すように、フランジ部79と円筒部81とから構成されている。上記弾性部材ユニット連結部材75には上記ボールねじ軸17が挿通される。上記弾性部材ユニット連結部材75は上記ボールねじ軸17に対して摺動性のよい材料で構成されていて、上記弾性部材ユニット連結部材75の内周面により上記ボールねじ軸17が支持されている。上記円筒部81には円筒形の緩衝部材83が被冠されている。上記緩衝部材83の先端は上記円筒部81の先端よりも軸方向に突出されている。また、上記フランジ部79には環状凸部85が形成されていて、この環状凸部85の端面には環状溝であるコイルスプリング係合部87が設けられている。このコイルスプリング係合部87に上記コイルスプリング73の端が係合されている。また、上記蛇腹部材77の端は上記環状凸部85の外周側に係合されている。
【0025】
図4(b)に示すように、隣接する弾性部材ユニット71、71は、弾性部材ユニット連結部材75、75のフランジ部79、79間に環状の連結リング89を介挿させた状態で連結されている。その際、固定用ねじ91を一方の弾性部材ユニット連結部材75のフランジ部79に穿孔された貫通孔に一方側から通して上記連結リング89に形成された雌ねじ部に螺合させ、別の固定用ねじ91を他方の弾性部材ユニット連結部材75のフランジ部79に穿孔された貫通孔に他方側から通して上記連結リング89に形成された雌ねじ部に螺合されている。
【0026】
また、図4(a)に示すように、弾性部材ユニット71と中間サポート50は、固定用ねじ91を上記弾性部材ユニット連結部材75のフランジ部79に穿孔された貫通孔を通して上記中間サポート50の中間サポート部材本体53に螺合させることで連結されている。
なお、例えば、図2(a)に示すように、図2(a)中右側の弾性部材ユニット71の図2(a)中右側の弾性部材ユニット連結部材75と上記端部材9も、同様に、固定用ねじ91を上記弾性部材ユニット連結部材75のフランジ部79に穿孔された貫通孔を通して上記端部材9に内装された軸受13に螺合させることで連結されている。
【0027】
また、図2(b)に示すように、上記スライダ21のボールねじナット収容部27の図2(b)中右側には、連結部材用ブラケット92が設置されている。上記スライダ21と上記弾性部材ユニット71は上記連結部材用ブラケット92を介して連結されている。すなわち、固定用ねじ91を上記弾性部材ユニット連結部材75のフランジ部79をに穿孔された貫通孔を通して上記連結部材用ブラケット92に螺合させることで、上記連結部材用ブラケット92を介して上記弾性部材ユニット連結部材75と上記スライダ21が連結されている。
【0028】
次に、この第1の実施の形態による作用について説明する。
まず、スライダ21が図6に示す初期状態にあると仮定する。この初期状態においては弾性部材ユニット71には何ら負荷は作用していない。
その状態でモータユニット45の図示しないモータを駆動させて、上記スライダ21を図6右側に移動させると、図7に示すように、中間サポート50が、上記スライダ21と上記中間サポート50間の弾性部材ユニット71、71によって押圧されて上記スライダ21と同方向に移動される。このとき、上記スライダ21と上記中間サポート50間の弾性部材ユニット71、71及び上記中間サポート50と端部材9間の弾性部材ユニット71、71のコイルスプリング73は圧縮される。更に上記スライダ21を図7中右側へ移動させると、図8に示す状態となる。
図6図7図8の何れの状態においても、中間サポート50はスライダ21と端部材9の中間位置にあり、中間サポート51はスライダ21と端部材11の中間位置にある。
【0029】
また、図6に示す初期状態から、図6中左側に上記スライダ21を移動させると、図9に示す状態となる。このとき、上記スライダ21と上記中間サポート50間の弾性部材ユニット71、71及び上記中間サポート50と端部材9間の弾性部材ユニット71、71のコイルスプリング73は伸長される。この場合も中間サポート50はスライダ21と端部材9の中間位置にあり、中間サポート51はスライダ21と端部材11の中間位置にある。
【0030】
上記中間サポート50、51によって上記ボールねじ軸17が支持されているので、上記ボールねじ軸17の固有振動数が高くなり、上記スライダ21の移動に伴って生ずる振動が低減される。
【0031】
次に、この第1の実施の形態による効果について説明する。
まず、簡易且つコンパクトな構成によりボールねじ軸17の撓みを防止することができ、振動や騒音を抑制して高速化に対応することができる。以下、詳しく説明する。
まず、中間サポート50をスライダ21と端部材9の中間位置に位置させるとともに、中間サポート51をスライダ21と端部材11の中間位置に位置させるための構成が簡単になった。すなわち、従来は一対のプーリとワイヤとからなる複雑な構成を採用していたが、本実施の形態の場合には弾性部材ユニット71を適所に配置するだけで良いからである。
また、中間サポート50をスライダ21と端部材9の中間位置に位置させるとともに、中間サポート51をスライダ21と端部材11の中間位置に位置させることができるので、振動や騒音を効果的に抑制して高速化に対応することができる。
【0032】
また、アクチュエータのストロークが変更された場合には弾性部材ユニット71の個数を増減させることにより容易に対応することができる。
また、スライダ21の個数が増加された場合も同様であり、弾性部材ユニット71の個数、配置を適宜変更するだけで容易に対応することができる。
また、弾性部材ユニット71はボールねじ軸17を包囲するように配置されているので、スペースの有効利用を図ることができる。
また、弾性部材ユニット71のコイルスプリング73は蛇腹部材77によって覆われているので、静音化、防塵化を図ることができる。
また、弾性部材ユニット71の弾性部材ユニット連結部材75の円筒部81には円筒形の緩衝部材83が被冠されていて円筒部81よりも軸方向に突出されているので、弾性部材ユニット71が圧縮されて弾性部材ユニット連結部材75、75同士が当たってもその衝撃を緩和することができる。
【0033】
次に、図10及び図11を参照しながら、本発明の第2の実施の形態について説明する。
この第2の実施の形態におけるアクチュエータ201は、前記第1の実施の形態におけるアクチュエータ1と略同様の構成であるが、端部材9と端部材11の間の図10中上側の幅方向(図11中上下方向)両側のそれぞれには、スプリング支持軸203、203が設置されている。弾性部材ユニット71はコイルスプリング73が上記スプリング支持軸203によって貫通される状態で設置される。また、この第2の実施の形態の場合にはボールねじ軸17を覆う蛇腹部材は設けられていない。また、中間サポート50、51の中間サポート本体53、53のボールねじ軸用貫通孔55、55には、それぞれボールねじ軸17を支持する図示しない摺動性のよい軸受部材が設置されている。
なお、その他の構成は前記第1の実施の形態の場合と同じであり、図中同一部分には同一符号を付して示しその説明を省略する。
この第2の実施の形態の場合も、前記第1の実施の形態の場合と略同様の作用と効果を奏することができる。
【0034】
次に、図12を参照しながら、本発明の第3の実施の形態について説明する。
この第3の実施の形態によるアクチュエータ301には、二つのスライダ303、305が設置されている。端部材9と上記スライダ303の間には中間サポート307が設置されていて、上記スライダ303と上記スライダ305の間には中間サポート309が設置されていて、端部材11と上記スライダ305の間には中間サポート311が設置されている。上記端部材9と上記中間サポート307の間には2つの弾性部材ユニット71、71が設置されている。上記中間サポート307と上記スライダ303との間には2つの弾性部材ユニット71、71が設置されている。上記スライダ303と上記中間サポート309の間には2つの弾性部材ユニット71、71が設置されている。上記中間サポート309と上記スライダ305の間には2つの弾性部材ユニット71、71が設置されている。上記スライダ305と上記中間サポート311の間には2つの弾性部材ユニット71、71が設置されている。上記中間サポート311と上記端部材11の間には2つの弾性部材ユニット71、71が設置されている。
【0035】
上記スライダ303、305は前記第1の実施の形態におけるアクチュエータ1のスライダ21と同様の構成であり、ボールねじ軸17に螺合された図示しないボールねじナットが内装されていて、上記図示しないボールねじナットを回転させて駆動する図示しないモータが設置されている。
また、中間サポート307、309、311は連結されておらず、それぞれ独立している。
また、図12には図示しないが、第1の実施の形態の場合と同様に上記弾性部材ユニット71には蛇腹部材が設置されている。
なお、その他の構成は前記第1の実施の形態の場合と同じであり、図中同一部分には同一符号を付して示しその説明を省略する。
【0036】
この第3の実施の形態の場合は、二つのスライダ303、305がそれぞれ独立して移動する。上記スライダ303、305の移動によって、弾性部材ユニット71を介して中間サポート307、309、311が付勢され、それぞれ独立して移動する。
この第3の実施の形態の場合も、前記第1の実施の形態や第2の実施の形態の場合と同様の作用と効果を奏する。
【0037】
次に、図13を参照しながら、本発明の第4の実施の形態について説明する。
この第4の実施の形態におけるアクチュエータ401は、前記第3の実施の形態におけるアクチュエータ1と略同様の構成であるが、前記した第2の実施の形態のように、端部材9と端部材11の間にはスプリング支持軸303、303が設置されていて、弾性部材ユニット71はコイルスプリング73が上記スプリング支持軸203によって貫通される状態で設置されている。また、この第4の実施の形態の場合にもボールねじ軸17を覆う蛇腹部材は設けられていない。また、中間サポート307、309、311の中間サポート本体53のボールねじ軸用貫通孔55には、ボールねじ軸17を支持する図示しない摺動性のよい軸受部材が設置されている。
【0038】
この第4の実施の形態の場合も、前記第1の実施の形態乃至第3の実施の形態の場合と同様の作用と効果を奏する。
【0039】
次に、図14及び図15を参照しながら、本発明の第5の実施の形態について説明する。
この第5の実施の形態によるアクチュエータ501は前記した第1の実施の形態によるアクチュエータ1とほぼ同様の構成であるが、一対の中間サポート50、51の内側にもう一対の中間サポート503、505が設置されている。上記中間サポート503、505は中間サポート連結部材507によって連結されている。上記中間サポート503、505は上記中間サポート50、51と同様の構成である。
上記中間サポート50と上記中間サポート503の間には2つの弾性部材ユニット71、71が設置されていて、上記中間サポート50とスライダ21の間にも2つの弾性部材ユニット71、71が設置されている。
【0040】
この第5の実施の形態の場合も第1の実施の形態による作用・効果の他、次のような作用・効果を奏する。すなわち、一対の中間サポート50、51の他、もう一対の中間サポート503、505が設置されているので、更に振動や騒音を防止できる。
【0041】
なお、本発明は前記第1~第5の実施の形態に限定されない。
まず、前記第1、第2の実施の形態の場合には、一対の中間サポートが中間サポート連結部材を介して連結される構成としたが、それぞれ独立させて設けることも考えられる。その場合には、前期第1、第2の実施の形態の場合には弾性部材ユニットが設置されていない中間サポートと端部材11の間、及び、中間サポートとスライダとの間にも弾性部材ユニットを配置することになる。
また、前記第5の実施の形態の場合には、一対の中間サポートの内側にもう一対の中間サポートを設置したが、上記一対の中間サポートの外側に上記もう一対の中間サポートを設置してもよい。また、更に一対又は複数対の中間サポートを追加して設ける場合も考えられる。これらの場合には、追加して設置された中間サポートの対の一方の中間サポートにも弾性部材ユニットが弾性部材ユニット連結部材で接続される。
また、前記第1乃至第4の実施の形態の場合にはスライダと端部材の間に中間サポートを1個ずつ設置する構成を例に挙げて説明したが、それに限定されるものではなく、2個以上の中間サポートを設ける場合も考えられる。その場合には、中間サポート相互間にも弾性部材ユニットが介挿されることになる。
また、前記第1の実施形態、第3の実施の形態、及び、第5の実施の形態の場合には、弾性部材ユニット連結部材を摺動性の良い部材で構成し弾性部材ユニット連結部材のフランジ部及び円筒部に形成された貫通孔でボールねじ軸を支持する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、フランジ部及び円筒部に形成された貫通孔に摺動性のよい軸受部材を設置してもよい。また、中間サポート本体の貫通孔に摺動性のよい軸受部材を設置しボールねじ軸を支持させ、フランジ部及び円筒部に形成された貫通孔とボールねじ軸との間に隙間を設けることも考えられる。
また、前記第1乃至第5の実施の形態の場合には、弾性部材ユニットを2個ずつ介挿する場合を例に挙げて説明したが、それに限定されるものではなく、1個、3個以上であってもよい。
また、前記第1の実施の形態、第3の実施の形態では、蛇腹部材とコイルスプリングが別体になったものを例に挙げて説明したが、これを一体化させてもよい。
また、前記第1、第2、及び、第5の実施の形態の場合には、駆動モータによりボールねじナットを回転駆動するタイプを例に挙げて説明したが、駆動モータによりボールねじ軸を回転駆動するタイプに対しても適用可能である。その場合、モータユニットはベースに設置し、端部材に内装された軸受によってボールねじ軸を回転可能に支持し、ボールねじナットはスライダに回転不能に固定することになる。
その他、図示した構成はあくまで一例である。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、ボールねじ軸サポート構造とアクチュエータに係り、特に、簡易且つコンパクトな構成によりボールねじ軸の撓みを防止して振動や騒音を抑制し高速に動作できるように工夫したものに関し、例えば、産業用ロボットに好適である。
【符号の説明】
【0043】
1 アクチュエータ
9 端部材
11 端部材
17 ボールねじ軸
35 ボールねじナット
50 中間サポート
51 中間サポート
63 中間サポート連結部材
71 弾性部材ユニット
73 コイルスプリング(弾性手段)
75 弾性部材ユニット連結部材
77 蛇腹部材
201 アクチュエータ
301 アクチュエータ
307 中間サポート
309 中間サポート
311 中間サポート
401 アクチュエータ
501 アクチュエータ
503 中間サポート
505 中間サポート
507 中間サポート連結部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15