(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171532
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】評価情報処理装置,情報処理装置の制御方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20231124BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023175379
(22)【出願日】2023-10-10
(62)【分割の表示】P 2022198769の分割
【原出願日】2018-10-10
(71)【出願人】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(72)【発明者】
【氏名】小野里 浩司
(72)【発明者】
【氏名】後藤 佑輔
(72)【発明者】
【氏名】鹿野 智愛
(72)【発明者】
【氏名】厳 隠
(72)【発明者】
【氏名】追田 泰宏
(72)【発明者】
【氏名】小松 茂敏
(72)【発明者】
【氏名】廣田 大地
(57)【要約】
【課題】一部の評価者による個別評価が総合評価に与え得る過度な影響を抑止する。
【解決手段】本発明の一態様に係る評価情報処理装置(例えば、サーバ4)は、評価対象に個別評価度(例えば、点数)を付与する評価行動(例えば、点数の入力,投銭入力)をしたユーザの実数(例えば、アカウント数,携帯端末数,実人数)を特定する特定手段(例えば、特定部83)と、上記評価対象に付与された個別評価度を累計して得られる総合評価度(例えば、評価総得点)を上記特定手段により特定される実数が変動すると当該総合評価度が変化するように調整する調整手段(例えば、調整部84)と、を備える。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
評価対象に個別評価度を付与する評価行動をしたユーザの実数を特定する特定手段と、
前記評価対象に付与された個別評価度を累計して得られる総合評価度を前記特定手段により特定される実数が変動すると該総合評価度が変化するように調整する調整手段と、
を備える評価情報処理装置。
【請求項2】
前記調整手段が、前記総合評価度を前記特定手段により特定される実数が増大すると該総合評価度が上昇するように調整する、
請求項1に記載の評価情報処理装置。
【請求項3】
前記特定手段が、ライブ配信される前記評価対象のライブ配信中に前記評価行動をしたユーザの実数を特定する、
請求項2に記載の評価情報処理装置。
【請求項4】
前記特定手段が、第1評価行動と比較して評価に関する制限が緩い第2評価行動をしたユーザの実数を特定する、
請求項2又は請求項3に記載の評価情報処理装置。
【請求項5】
前記特定手段が、前記第1評価行動と比較して評価の回数に関する前記制限が緩い前記第2評価行動をしたユーザの実数を特定する、
請求項4に記載の評価情報処理装置。
【請求項6】
前記特定手段が、前記第1評価行動に利用される第1要素と比較して入手数に関する前記制限が緩い第2要素を利用する前記第2評価行動をしたユーザの実数を特定する、
請求項4に記載の評価情報処理装置。
【請求項7】
前記特定手段が、前記第1要素と比較して入手コストが高い前記第2要素を利用する前記第2評価行動をしたユーザの実数を特定する、
請求項6に記載の評価情報処理装置。
【請求項8】
前記特定手段が、対価と引き換えに入手可能な電子情報を使用して実行可能である前記評価行動をしたユーザの実数を特定する、
請求項2又は請求項3に記載の評価情報処理装置。
【請求項9】
前記特定手段が、有効期限が定められた電子情報を使用して実行可能である前記評価行動をしたユーザの実数を特定する、
請求項2,請求項3又は請求項8に記載の評価情報処理装置。
【請求項10】
前記特定手段が、前記評価行動に使用された端末数を前記実数として特定する、
請求項2から請求項9までのいずれか一項に記載の評価情報処理装置。
【請求項11】
前記特定手段が、前記評価行動をしたユーザの実人数を前記実数として特定する、
請求項2から請求項9までのいずれか一項に記載の評価情報処理装置。
【請求項12】
評価対象に個別評価度を付与する評価行動をしたユーザの実数を特定する特定段階と、
前記評価対象に付与された個別評価度を累計して得られる総合評価度を前記特定段階において特定される実数が変動すると該総合評価度が変化するように調整する調整段階と、
を含む、情報処理装置の制御方法。
【請求項13】
評価対象に個別評価度を付与する評価行動をしたユーザの実数を特定する特定機能と、
前記評価対象に付与された個別評価度を累計して得られる総合評価度を前記特定機能により特定される実数が変動すると該総合評価度が変化するように調整する調整機能と、
を情報処理装置のコンピュータに実現させる制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、評価対象に対する個別評価を総合して総合評価を導出する仕組みに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の投票者がそれぞれ持点の範囲内で複数の候補曲のうち少なくともいずれかに対して投票することにより蓄積される得票点数に基づいて、高得点の候補曲を選択する投票方法が知られている。例えば、特許文献1には、無償で付与された通常持点を保有する無償投票者と有償で付与された割増持点を保有する有償投票者にそれぞれ持点の範囲内で投票させる投票方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載の投票方法では、割増持点を保有する有償投票者の投票行動が最終的な得票点数に対し大きく影響しやすい。そのため、最終的な得票点数に基づく候補曲の優劣が、一部の有償投票者による大量投票により決まってしまう不都合が発生しやすい。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、一部の評価者による個別評価が総合評価に与え得る過度な影響を抑止することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、ある評価対象に対し個別評価をした評価者の実数に応じて当該評価対象に対する総合評価を調整する。本発明は、下記の各態様を少なくとも包含する。
【0007】
〔A〕評価対象に個別評価度を付与する評価行動をしたユーザの実数を特定する特定手段と、前記評価対象に付与された個別評価度を累計して得られる総合評価度を前記特定手段により特定される実数が変動すると該総合評価度が変化するように調整する調整手段と、を備える評価情報処理装置。
【0008】
〔B〕評価対象に個別評価度を付与する評価行動をしたユーザの実数を特定する特定段階と、前記評価対象に付与された個別評価度を累計して得られる総合評価度を前記特定段階において特定される実数が変動すると該総合評価度が変化するように調整する調整段階と、を含む、情報処理装置の制御方法。
【0009】
〔C〕評価対象に個別評価度を付与する評価行動をしたユーザの実数を特定する特定機能と、前記評価対象に付与された個別評価度を累計して得られる総合評価度を前記特定機能により特定される実数が変動すると該総合評価度が変化するように調整する調整機能と、を情報処理装置のコンピュータに実現させる制御プログラム。
【0010】
〔D〕評価対象に個別評価度を付与する評価行動をしたユーザの実数を特定する特定機能と、前記評価対象に付与された個別評価度を累計して得られる総合評価度を前記特定機能により特定される実数が変動すると該総合評価度が変化するように調整する調整機能と、を情報処理装置のコンピュータに実現させる制御プログラムを非一時的に記録する記録媒体。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、一部の評価者による個別評価が総合評価に与え得る過度な影響が抑止され得る。
【0012】
(1)上記〔A〕の「情報処理装置」には、下記の技術的限定を加えてもよい。また、同様の技術的限定を、上記〔B〕の「制御方法」,上記〔C〕の「制御プログラム」及び上記〔D〕の「記録媒体」が記録する制御プログラムにそれぞれ加えてもよい。
【0013】
(2)前記調整手段が、前記総合評価度を前記特定手段により特定される実数が増大すると該総合評価度が上昇するように調整する。これにより、個別評価をしたユーザの実数が多いほど総合評価度が高くなるから、一部の評価者による個別評価の過度な影響が抑止され得る。
【0014】
(3)前記特定手段が、ライブ配信される前記評価対象のライブ配信中に前記評価行動をしたユーザの実数を特定する。当該実数により総合評価度を調整することとすれば、ライブ配信中の評価行動が促進される。
【0015】
(4)前記特定手段が、第1評価行動と比較して評価に関する制限が緩い第2評価行動をしたユーザの実数を特定する。当該実数により総合評価度を調整することとすれば、第2評価行動の反復が促進される。
【0016】
(5)前記特定手段が、前記第1評価行動と比較して評価の回数に関する前記制限が緩い前記第2評価行動をしたユーザの実数を特定する。当該実数により総合評価度を調整することとすれば、反復されやすい第2評価行動の過度な影響が抑止され得る。
【0017】
(6)前記特定手段が、前記第1評価行動に利用される第1要素と比較して入手数に関する前記制限が緩い第2要素を利用する前記第2評価行動をしたユーザの実数を特定する。当該実数により総合評価度を調整することとすれば、反復されやすい第2評価行動の過度な影響が抑止され得る。
【0018】
(7)前記特定手段が、前記第1要素と比較して入手コストが高い前記第2要素を利用する前記第2評価行動をしたユーザの実数を特定する。当該実数により総合評価度を調整することとすれば、第2評価行動の過度な反復が抑止され得る。
【0019】
(8)前記特定手段が、対価と引き換えに入手可能な電子情報を使用して実行可能である前記評価行動をしたユーザの実数を特定する。当該実数により総合評価度を調整することとすれば、評価行動の過度な反復が抑止され得る。
【0020】
(9)前記特定手段が、有効期限が定められた電子情報を使用して実行可能である前記評価行動をしたユーザの実数を特定する。当該実数により総合評価度を調整することとすれば、評価行動の過度な反復が抑止され得る。
【0021】
(10)前記特定手段が、前記評価行動に使用された端末数を前記実数として特定する。当該実数により総合評価度を調整することとすれば、一部の評価者による評価行動の反復の影響が抑止され得る。
【0022】
(11)前記特定手段が、前記評価行動をしたユーザの実人数を前記実数として特定する。当該実数により総合評価度を調整することとすれば、一部の評価者による評価行動の反復の影響が抑止され得る
【0023】
本明細書では、用語を下記のように用いる。
【0024】
(1)「評価対象」は、五感(特に、視覚と聴覚)の少なくともいずれかにより把握され得るオブジェクトを包含し得る。オブジェクトは、生物と非生物を包含し得る。オブジェクトは、視覚と聴覚の少なくともいずれかにより把握され得る身体的な動作(例えば、声を発すること,身体を動かすこと)によるパフォーマンス及び当該パフォーマンスを行うパフォーマーを包含し得る。また、オブジェクトは、情報処理端末において再生可能なデジタル情報及び当該デジタル情報への関与者を包含し得る。デジタル情報は、映像情報と音声情報の少なくともいずれかを含む。デジタル情報は、例えば、オンライン配信(例えば、ライブ配信,非ライブ配信),デジタルコンテンツを包含する。オンライン配信は、例えば、パフォーマーによるパフォーマンスの映像及び音声を含むパフォーマンス動画を包含する。パフォーマンスは、例えば、カラオケの歌唱を包含する。デジタル情報への関与者は、例えば、上記オンライン配信への関与者(例えば、配信者,出演者),上記デジタルコンテンツへの関与者(例えば、制作者,実演者)を包含する。
【0025】
(2)「評価」とは、評価対象に対する善悪,美醜,優劣等の価値を判定することをいう。判定される価値は、肯定的な価値と否定的な価値の両方を包含し得る。判定される価値は、肯定的な価値に限定されてもよい。
【0026】
(3)「個別評価」とは、1人の者による評価をいう。「個別評価」の手法は、例えば、肯定(否定)か否かの択一的な選択,肯定又は否定の択一的な選択,評価の度合い(例えば、レベル,点数)の入力等を包含する。「個別評価」の基準は、任意であってもよいし、事前に明示的に指定されていてもよい。「個別評価」により入力される評価の度合いを、特に「個別評価度」という。
【0027】
(4)「総合評価」とは、複数の個別評価を集計して得られる評価をいう。「総合評価」の集計手法は、累計値の算出や代表値の特定を包含し得る。累計値の算出に際し、少なくともいずれかの個別評価に何らかの基準で重みを設定してもよい。代表値は、例えば、平均値,中央値を包含する。個別評価度を集計して得られる評価の度合いを、特に「総合評価度」という。
【0028】
(5)「評価者」とは、個別評価の主体をいう。「評価者」は、例えば、パフォーマンスの観覧者,オンライン配信の視聴者,デジタルコンテンツの閲覧者を包含する。「評価者」は、評価対象を五感の少なくともいずれかで把握して、当該評価対象に個別評価をする。「評価者」は、例えば、評価対象たるオブジェクトを視覚的に,聴覚的に又は視聴覚的に把握して、当該評価対象に対する個別評価をする。
【0029】
(6)「評価行動」とは、評価者が評価対象に自身の個別評価を関連付ける行動をいう。「評価行動」は、オフラインでなされる行動であってもよいし、オンラインでなされる行動であってもよい。オンラインでなされる評価行動は、例えば、情報処理端末を用いる操作(評価操作)を包含する。情報処理端末は、評価者が所持する端末でもよいし、複数の評価者による評価操作の用に供する端末でもよい。評価操作は、情報処理端末の画面に表示される単数の要素(表示要素)を指定する指定操作であってもよいし、情報処理端末の画面に表示される複数の要素(表示要素)のうちからいずれかを選択する選択操作であってもよい。
【0030】
(7)「評価行動」は、「第1評価行動」と「第2評価行動」に区分され得る。「第1評価行動」と「第2評価行動」は、例えば、評価に関する制限の程度を基準にして区分されてもよいし、評価に利用される表示要素に応じて区分されてもよい。例えば、評価に関する制限が相対的に厳しい「第1評価行動」と当該制限が相対的に緩い「第2評価行動」に区分される。また例えば、入手に関する制限が相対的に厳しい「第1要素」が利用される「第1評価行動」と当該制限が相対的に緩い「第2要素」が利用される「第2評価行動」に区分される。評価に関する制限は、例えば、一の評価者による一の評価対象に対する個別評価の回数の上限,一の評価者により一の評価対象に対し付与される個別評価度の累計値の上限を包含する。
【0031】
(8)「第1要素」と「第2要素」は、例えば、入手に関する制限の程度を基準にして区分されてもよい。例えば、入手に関する制限が相対的に厳しい「第1要素」と当該制限が相対的に緩い「第2要素」に区分される。入手に関する制限は、例えば、入手手順1回あたりの入手数の上限,累計入手数の上限,保有数の上限を包含する。
【0032】
(9)「実数」とは、実際の数をいう。実際の数は、例えば、見かけの数から重複分をできる限り排除した数である。「評価行動をしたユーザの実数」は、例えば、評価行動の主体になったユーザアカウントの実数又はその近似値,個別評価に使用された端末の実数又はその近似値,個別評価を行った評価者の実数又はその近似値を包含する。
【0033】
(10)評価行動をしたユーザの実数が変動すると総合評価度が変化するように調整するという場合の調整の態様は、実数が増大すると総合評価度が上昇するように調整する態様,実数が減少すると総合評価度が下降するように調整する態様を少なくとも包含する。また、肯定的な評価行動をしたユーザの実数が増大すると総合評価度が上昇するように調整するとともに否定的な評価行動をしたユーザの実数が増大すると総合評価度が下降するように調整する態様を包含してもよい。
【0034】
(11)「電子情報」は、例えば、金銭的価値,権利,資格,地位,立場などが化体され得る情報である。「電子情報」は、例えば、対価との引換えにより入手可能である。「電子情報」には、有効期限が設定されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】カラオケシステムの構成例の説明図である。(実施例)
【
図2】サーバの電気的構成を例示するブロック図である。(実施例)
【
図3】携帯端末の電気的構成を例示するブロック図である。(実施例)
【
図4】歌唱動画の撮影手順における携帯端末の画面表示例の説明図である。(実施 例)
【
図5】歌唱動画の視聴手順における携帯端末の画面表示例の説明図である。(実施 例)
【
図6】対戦歌唱における視聴ユーザの携帯端末の画面表示例の説明図である。(実 施例)
【
図7】対戦歌唱で用いられる楽曲の分割領域を例示する模式図である。(実施例)
【
図8】対戦歌唱における視聴ユーザの携帯端末の画面表示例の説明図である。(実 施例)
【
図9】投銭エフェクト画像の選択手順における画面表示例の説明図である。(実施 例)
【
図10】投銭エフェクト画像が重畳された歌唱動画の説明図である。(実施例)
【
図11】対戦歌唱機能に関する機能ブロック図である。(実施例)
【
図12】対戦歌唱処理の流れを例示するフロー図である。(実施例)
【
図13】評価受付処理の流れを例示するフロー図である。(実施例)
【
図14】評価機能に関する機能ブロック図である。(実施例)
【
図15】評価導出処理の流れを例示するフロー図である。(実施例)
【発明を実施するための形態】
【0036】
[1.実施形態]
[1-1.概要]
本実施形態は、評価対象に対する複数の評価者による個別評価を総合して総合評価を導出する仕組みに関する。本実施形態に係る評価情報処理装置は、一部の評価者による個別評価が総合評価に与え得る過度な影響を抑止するため、ある評価対象に対し個別評価をした評価者の実数に応じて当該評価対象に対する総合評価を調整するように構成される。
【0037】
[1-2.評価情報処理装置]
実施形態に係る評価情報処理装置(例えば、サーバ4)は、評価対象に個別評価度を付与する評価行動をしたユーザの実数を特定する特定手段(例えば、特定部83)と、上記評価対象に付与された個別評価度を累計して得られる総合評価度を上記特定手段により特定される実数が変動すると当該総合評価度が変化するように調整する調整手段(例えば、調整部84)と、を備える。
【0038】
上記調整手段は、例えば、上記特定手段により特定されるユーザの実数が増大すると上記総合評価度が上昇するように調整するのが好適である。具体的には、上記調整手段は、例えば、[数1],[数2],[数3]に示す数式等により総合評価度を調整するとよい。これにより、ユーザが評価行動をとるよう誘導することができる。
【0039】
[数1]
総合評価度=累計評価度×{1+(重みw1×ユーザの実数)}
(ただし、w1>0である)
【0040】
[数2]
総合評価度=(重みw21×累計評価度)+(重みw22×ユーザの実数)
(ただし、w21>0,w22>0である)
【0041】
[数3]
総合評価度=(重みw31×累計評価度)×(重みw32×ユーザの実数)
(ただし、w31>0,w32>0である)
【0042】
上記特定手段は、例えば、ライブ配信される上記評価対象のライブ配信中に上記評価行動をしたユーザの実数を特定するのが好適である。これにより、ライブ配信をライブで視聴中のユーザが視聴中に評価行動をとるよう誘導することができる。
【0043】
上記特定手段は、例えば、第1評価行動と比較して評価に関する制限が緩い第2評価行動をしたユーザの実数を特定するのが好適である。これにより、ユーザが第2評価行動をとるよう誘導することができる。
【実施例0044】
[2.実施例]
[2-1.実施例の概要]
[2-1-1.評価機能の概要]
本実施例は、ライブ配信(「評価対象」の一例。)に対し当該配信を視聴する視聴ユーザ(「評価者」の一例。)が当該配信の視聴中に行う評価操作(「評価行動」の一例。)により付与される点数(「個別評価度」の一例。)を総合して当該配信に対する評価総得点(「総合評価度」の一例。)を導出する評価機能に関する。本実施例では、当該評価機能が、カラオケサービス(以下「実施例のサービス」という。)を提供するカラオケシステムに実装される。
【0045】
実施例のサービスでは、歌唱動画又は対戦歌唱動画のライブ配信を視聴中の視聴ユーザにより、視聴画面に表示される表示要素を対象とする評価操作がなされた場合に、当該表示要素に相応する点数が当該ライブ配信に対して付与される。付与された点数の累計(累計点数)が増大すると評価総得点が上昇する。評価総得点の大小により、複数のライブ配信に関する優劣又は順位が決定する。以下では、対戦歌唱動画のライブ配信中に視聴ユーザによりなされる個別評価を総合して総合評価を導出し優劣を決定する場合を主として説明する。
【0046】
[2-1-2.表示要素に関する主要な特徴]
表示要素には、第1要素(以下の説明では「操作アイコン58A」に相当する。)と第2要素(以下の説明では「投銭エフェクト画像」に相当する。)がある。第1要素及び第2要素には、相応する点数と画面上の外観との少なくともいずれかがそれぞれ相違する複数の種類がそれぞれあってよい。第1要素と第2要素を比較すると、例えば、入手に関する制限,入手コスト,利用に関する制限及び対応機能(発動させる演出)において差異がある。
【0047】
(1)入手に関する制限の差異
第1要素と比較して第2要素は、入手に関する制限が緩い。入手に関する制限は、例えば、入手手順1回あたりの入手数の上限,累計入手数の上限,保持数の上限等である。この点において、第2要素は一括取得や大量保持がされやすい。
【0048】
(2)入手コストの差異
第1要素と比較して第2要素は、入手コストが高い。本実施例のサービスでは、第1要素の取得が無償であるのに対し、第2要素の取得は有償である。具体的には、第1要素は、ライブ配信の視聴前や視聴中の所定のタイミングで自動的に(つまり、受動的に)入手可能である。一方、第2要素は、ライブ配信の視聴前や視聴中の任意のタイミングで対価
(金銭的価値)との直接の又は間接的な交換により(つまり、能動的に)入手可能である。この点において、第2要素の大量取得に対し一定の抑止力がはたらく。
【0049】
(3)利用に関する制限の差異
第1要素と比較して第2要素は、利用回数に関する制限が緩い。本実施例のサービスの視聴ユーザは、ライブ配信の視聴中に、入手済みの表示要素のうちいずれかを対象とする評価操作を行う。以下の説明では、第1要素を利用する第1評価操作(以下の説明では「点数の入力」に相当する。)の上限回数は1配信当たり1回であり、第2要素を利用する第2評価操作(以下の説明では「投銭入力」に相当する。)の上限回数は無制限である。すなわち、第1評価操作と比較して、第2評価操作による評価の回数の上限(「評価に関する制限」の一例。)は緩い。この点において、第2評価操作は反復されやすい。
【0050】
(4)対応機能の差異
第1要素を対象とする第1評価操作がなされると、画面上で第1演出が実行される。一方、第2要素を対象とする第2評価操作がなされると、画面上で第2演出が実行される。第1演出と比較して第2演出は、視覚的に又は聴覚的に派手(リッチ)である。視覚的に派手であるとは、例えば、視覚情報の表示領域が大きい,視覚情報の表示時間が長い,視覚情報に用いられる色数が多い,装飾的な視覚情報が多い,視覚情報の動きが大きい,視覚情報が動く時間が長いなど、表示内容を直接的に目立たせる工夫が施されていることをいう。聴覚的に派手であるとは、聴覚情報が再生される,聴覚情報の再生時間が長い,聴覚情報の再生音量が大きいなど、表示内容を間接的に目立たせる工夫が施されていることをいう。これらの工夫は、単独でなされてもよいし、複数の組合せでなされてもよい。
【0051】
[2-1-3.評価機能に関する主要な特徴]
本実施例のサービスでは、第2評価操作をした視聴ユーザのアカウント数に応じて評価総得点が調整される。具体的には、[数4]に示す数式により評価総得点が調整される。この特徴により、本実施例のサービスでは、第2評価操作により付与される点数の単純な累計値である累計点数の大小と評価総得点の大小が一致しないことがある。つまり、累計点数では劣勢であっても、第2評価操作をしたユーザのアカウント数しだいでは、評価総得点において逆転可能である。
【0052】
[数4]
評価総得点=累計点数×{1+(重みw4×アカウント数)}
(ただし、w4>0である)
【0053】
[2-2.実施例の詳細]
[2-2-1.カラオケシステムの構成]
図1は、カラオケシステム1の構成例の説明図である。
図1に例示されるように、カラオケシステム1は、通信回線2,複数の携帯端末3(携帯端末3A1,携帯端末3A2,携帯端末3B)及びサーバ4を含んで構成される。
【0054】
通信回線2は、コンピュータネットワークを形成するものであり、例えば、電気事業者によって提供される広域通信回線である。
【0055】
携帯端末3は、例えば、スマートフォン,タブレット端末,ノートパソコン等の情報処理端末であり、実施例のサービスをユーザが利用するために用いられる。携帯端末3は、画像を表示するタッチパネルディスプレイ3a,音を出力するスピーカ3b,音が入力されるマイクロフォン3c,被写体を撮影するカメラ3d,イヤホン(不図示)が接続されるイヤホン端子3e等を備える。なお、ここでいう撮影とは、カメラ3dが機能し、録画の有無にかかわりなく被写体がタッチパネルディスプレイ3aに表示されている状態である。タッチパネルディスプレイ3aは、例えばLCD(Liquid Crystal Display)及びタッチセンサを備える。LCDは、各種画像を表示し、タッチセンサは、指,スタイラス,ペン等の指示体を用いて行われる各種入力操作を受け付ける。以下の説明ではタッチパネルディスプレイ3aを画面3aともいう。
【0056】
サーバ4は、通信回線2を介して、携帯端末3へ実施例のサービスを提供する情報処理装置である。なお、複数の情報処理装置を連携させてサーバシステムを構成し、サーバ4の複数の機能を複数の情報処理装置にそれぞれ分担させてもよいし、サーバ4にかかる負荷を複数の情報処理装置に分散させてもよい。また、一部の機能を担う情報処理装置と他の機能を担う情報処理装置の管理主体が相違していてもよい。
【0057】
図1の例では、歌唱ユーザは、携帯端末3Aから自身の歌唱動画(歌唱動画データ)をサーバ4へ送信することで当該歌唱動画を動画投稿サイトにアップロードする。一方、視聴ユーザは、携帯端末3Bを用いて動画投稿サイトへアクセスし、当該歌唱動画を視聴する。なお、歌唱ユーザは、携帯端末3Aを用いて動画投稿サイトへアクセスすることで、自身がアップロードした歌唱動画を視聴することも可能である。また、携帯端末3Bのユーザが歌唱ユーザとなり、歌唱動画を動画投稿サイトにアップロードすることも可能である。
【0058】
[2-2-2.サーバの電気的構成]
図2は、サーバ4の電気的構成を例示するブロック図である。
図2に例示されるように、サーバ4は、サーバ4全体の動作を司る主制御部であるCPU(Central Processing Unit)20,各種プログラム及び各種データ等が予め記憶されたROM(Read Only Memory)22,CPU20による各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)24,各種プログラム及び各種データを記憶する記憶手段としてのHDD(Hard Disk Drive)26を備えている。
【0059】
HDD26は、携帯端末3Aから送信された歌唱動画データ、すなわち動画投稿サイトにアップロードされた歌唱動画データや、歌唱ユーザが歌唱可能な楽曲を示す楽曲データ等を記憶する。なお、記憶手段は、HDD26に限らず、例えば、フラッシュメモリ等の半導体メモリ等の他の記憶媒体であってもよい。
【0060】
さらに、サーバ4は、キーボード及びマウス等で構成されて各種操作の入力を受け付ける操作入力部28,各種画像を表示する例えば液晶ディスプレイ装置等のモニタ30,通信回線2を介して携帯端末3等の他の情報処理端末等と接続され、他の情報処理端末等との間で各種データの送受信を行う外部インタフェース32を備えている。
【0061】
これらCPU20,ROM22,RAM24,HDD26,操作入力部28,モニタ30及び外部インタフェース32は、システムバス34を介して相互に電気的に接続されている。したがって、CPU20は、ROM22,RAM24及びHDD26へのアクセス、操作入力部28に対する操作状態の把握、モニタ30に対する画像の表示、並びに外部インタフェース32を介した他の情報処理装置等との各種データの送受信等を行うことができる。
【0062】
[2-2-3.携帯端末の電気的構成]
図3は、携帯端末3の電気的構成を例示するブロック図である。
図3に例示されるように、携帯端末3は、
図1に示される構成に加え、主制御部40,主記憶部42,補助記憶部44,通信部46及び操作ボタン48を備える。
【0063】
主制御部40は、例えば、CPU,マイクロプロセッサ,DSP(Digital Signal Processor)等であり、携帯端末3の全体の動作を制御する。
【0064】
主記憶部42は、例えば、RAMやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成されており、主制御部40による各種プログラムに基づく処理の実行時のワークエリア等として用いられる。
【0065】
補助記憶部44は、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリであり、画像等の各種データ及び主制御部40の処理に利用されるプログラム等を保存する。補助記憶部44に記憶されるプログラムは、例えば、携帯端末3の基本的な機能を実現するためのOS(Operating System)、各種ハードウェアを制御するためのドライバ、電子メールやウェブブラウジング、その他各種機能を実現するためのプログラム等である。また、補助記憶部44には、歌唱動画の撮影や投稿及び動画投稿サイトに投稿された動画を視聴するためのアプリケーションプログラム(以下「動画投稿視聴アプリ」という。)が予め記憶されている。
【0066】
通信部46は、例えばNIC(Network Interface Controller)であり、通信回線2に接続する機能を有する。なお、通信部46は、NICに代えて又はNICと共に、無線LAN(Local Area Network)に接続する機能,無線WAN(Wide Area Network)に接続する機能,例えばBluetooth(登録商標)等の近距離の無線通信,赤外線通信等を可能とする機能を有してもよい。
【0067】
操作ボタン48は、携帯端末3の側面に設けられ、携帯端末3を起動させ又は停止させるための電源ボタンやスピーカ3bが出力する音のボリューム調整ボタン等である。
【0068】
これら主制御部40,主記憶部42,補助記憶部44,通信部46,操作ボタン48,タッチパネルディスプレイ3a,スピーカ3b,マイクロフォン3c,カメラ3d及びイヤホン端子3eは、システムバス49を介して相互に電気的に接続されている。したがって、主制御部40は、主記憶部42及び補助記憶部44へのアクセス,タッチパネルディスプレイ3aに対する画像の表示,ユーザによるタッチパネルディスプレイ3aや操作ボタン48に対する操作状態の把握,マイクロフォン3cへの音の入力,スピーカ3b又はイヤホン端子3eに接続されたイヤホンからの音の出力,カメラ3dに対する制御,通信部46を介した各種通信網や他の情報処理装置へのアクセス等を行うことができる。
【0069】
[2-2-4.歌唱ユーザによる歌唱動画の撮影]
歌唱ユーザが携帯端末3Aを用いて歌唱動画を撮影する手順を説明する。
【0070】
歌唱ユーザは、歌唱動画を撮影する場合、携帯端末3Aに動画投稿視聴アプリを起動させる。動画投稿視聴アプリが起動すると、携帯端末3Aは複数の楽曲データを記憶したサーバ4にアクセスする。そして、歌唱ユーザは、動画投稿視聴アプリから自身で歌唱するための楽曲を任意に選択し、サーバ4から楽曲データを携帯端末3Aへダウンロードする。そして、歌唱ユーザは、動画投稿視聴アプリを用いて任意のタイミングで楽曲を再生して歌唱を行う。動画投稿視聴アプリは、楽曲の再生を開始すると共に、カメラ3dによって動画の撮影を開始する。すなわち、歌唱動画は、携帯端末3Aから楽曲が再生されながら携帯端末3Aによって撮影された動画である。
【0071】
なお、楽曲データには、歌詞データも関連付けられており、楽曲データがサーバ4から携帯端末3Aにダウンロードされる場合には関連付けられている歌詞データも携帯端末3Aにダウンロードされる。なお、以下の説明において、楽曲データには歌詞データも含まれるものとする。
【0072】
図4は、歌唱動画の撮影手順における携帯端末3Aの画面3aにおける表示状態(以下「画面表示」という。)の一例(画面表示例)である。
【0073】
図4に示されるように画面3aは、歌詞表示領域50A及び撮影画像表示領域50Bに分けられる。歌詞表示領域50Aは、ユーザが歌唱する楽曲の歌詞を示す歌詞画像52,楽曲の音程を示す音程画像54及び撮影の進行度合いを示す進行バー56を含む。
【0074】
歌詞画像52及び音程画像54は、楽曲の進行に応じて更新される。実施例のサービスでは、一例として、歌詞画像52及び音程画像54は数フレーズずつ更新して歌詞表示領域50Aに表示される。なお、歌詞画像52と音程画像54の更新タイミングは同じであってもよいし、異なってもよい。
【0075】
歌詞画像52は、一例として、歌詞を複数段(
図4の例では2段)で表示し、歌唱ユーザが現在歌唱すべき歌詞を把握可能なように、上段の歌詞の色が楽曲の進行に合わせて左端から右端へ変化する。上段の歌詞の色の変化が右端に達すると、下段の歌詞が上昇して上段に表示されると共に新たな歌詞が下段に表示され、楽曲の進行に合わせて再び上段の歌詞の色が左端から右端へ変化する。
【0076】
音程画像54は、一例として、複数の音程バー54Aが音程の強弱に合わせて左右方向に階段状に表示される。そして、歌唱ユーザが現在歌唱すべき歌詞の音程を把握可能なように、楽曲の進行に合わせて音程バー54Aの色が左端から右端へ変化すると共にポインタ54Bが左端から右端へ移動する。音程バー54Aの色の変化及びポインタ54Bが右端に達すると、次の音程を示す音程画像54が更新表示される。
【0077】
進行バー56は、一例として、左端から右端までの長さが楽曲全体の長さを示す。楽曲の再生が開始すると楽曲の再生位置を示すポインタ56Aが左端から右端へ移動し、ポインタ56Aが右端に達すると楽曲の終了となる。なお、ポインタ56Aが通過した進行バー56は、進行前の位置に比べて太く表示される。
【0078】
歌唱動画の録画は、歌唱ユーザが楽曲を選択した後、画面3aに表示される録画開始ボタン(不図示)をタップしてから所定時間後(例えば10秒後)に開始される。また、動画の録画開始と終了は、楽曲の開始と終了に一致してもよいが、これに限らず、楽曲の開始所定時間前(例えば5秒前)から動画の録画が開始してもよいし、楽曲の終了所定時間後(例えば5秒後)に動画の録画が終了してもよい。
【0079】
歌唱ユーザは、イヤホンをイヤホン端子3eに接続して再生される楽曲をイヤホンを用いて聴き、当該楽曲に合わせて歌唱する。携帯端末3Aは、カメラ3dによって歌唱ユーザを撮影すると共に、マイクロフォン3cによって歌唱ユーザの歌唱を録音する。すなわち、マイクロフォン3cは再生される楽曲の音は取得しない。そして、携帯端末3Aはマイクロフォン3cで取得した歌唱ユーザの歌声を録音し、歌唱データとする。
【0080】
なお、歌唱データは、フィルタリング処理によって人間の声の周波数帯域を抽出したものとされてもよい。このフィルタリング処理によって、歌唱ユーザの周辺環境に起因する雑音が歌唱データから取り除かれることになるので、録音される歌唱ユーザの歌声がより鮮明となる。
【0081】
そして、動画投稿視聴アプリは、楽曲データ及び歌唱データに録画データを組み合わせることで、サーバ4へ送信可能な歌唱動画データとする。なお、ユーザは、一例として、歌唱動画データをサーバ4へ送信するタイミング、すなわち、動画投稿サイトへアップロードするタイミングとして下記の2種類のうち一つを選択できる。
【0082】
一つは、歌唱ユーザが歌唱しながらリアルタイムで歌唱動画データを動画投稿サイトへアップロードするライブ配信である。ライブ配信では、視聴ユーザは歌唱ユーザによる歌唱をリアルタイムで視聴することになる。もう一つは、楽曲の歌唱が完了した後に、歌唱ユーザが任意のタイミングで動画投稿サイトへ歌唱動画データをアップロードする非ライブ配信である。
【0083】
歌唱ユーザは、ライブ配信を行う場合には歌唱動画の録画前にライブ配信を行うための設定を行い、動画の録画開始と共に歌唱動画データが動画投稿サイトへアップロードされるようにする。なお、ライブ配信の場合には、歌唱動画データは携帯端末3Aに記憶されることなく、動画投稿サイトへアップロードされてもよい。
【0084】
なお、ライブ配信を行う場合の設定として、視聴ユーザがライブ配信で当該歌唱動画を視聴可能とする第1ライブ配信設定,ライブ配信後でも視聴ユーザが当該歌唱動画を視聴可能とする第2ライブ配信設定のいずれかを歌唱ユーザが設定可能とされる。すなわち、第1ライブ配信設定では、ライブ配信が終了するとサーバ4から歌唱動画データが削除され、視聴ユーザはライブ配信の終了後にライブ配信された歌唱動画の視聴ができない。一方、第2ライブ配信では、ライブ配信が終了してもサーバ4が当該歌唱動画データを記憶し続けるので、視聴ユーザはライブ配信の終了後でも非ライブ配信として当該歌唱動画の視聴ができる。
【0085】
なお、非ライブ配信を行う場合には、歌唱動画データは携帯端末3Aに一旦記憶され、歌唱ユーザが動画投稿視聴アプリを操作することで任意のタイミングで動画投稿サイトへ歌唱動画をアップロードする。
【0086】
[2-2-5.視聴ユーザによる歌唱動画の視聴]
視聴ユーザが携帯端末3Bを用いて歌唱動画を視聴する手順を説明する。
【0087】
視聴ユーザは、歌唱動画を視聴する場合、携帯端末3Bに動画投稿視聴アプリを起動させる。動画投稿視聴アプリが起動すると、携帯端末3Bは複数の歌唱動画データを記憶したサーバ4、すなわち動画投稿サイトにアクセスする。そして、視聴ユーザは、動画投稿視聴アプリを介して視聴したい歌唱動画を選択して画面3aに表示させる。なお、サーバ4による携帯端末3Bへの歌唱動画の配信手法は一例として、ストリーミング配信である。
【0088】
図5は、歌唱動画の視聴手順における携帯端末3Bの画面表示例であり、ライブ配信が行われている場合の画面表示を示している。
【0089】
画面3aには、歌唱動画が表示されると共に、歌唱ユーザ表示領域50C,歌詞表示領域50D,コメント入力表示領域50Eが設けられる。歌唱ユーザ表示領域50C,歌詞表示領域50D,コメント入力表示領域50Eは、歌唱動画に重畳して表示されてもよい。
【0090】
歌唱ユーザ表示領域50Cには、歌唱動画を投稿した歌唱ユーザのユーザ名、ライブ配信であるか否かの表示、歌唱している楽曲の名称が表示される。
【0091】
歌詞表示領域50Dには、歌唱動画の歌詞が表示される。なお、表示される歌詞は、一例として、複数フレーズずつであり、楽曲の進行に合わせて歌詞の色が左端から右端へ変化する。なお、歌詞表示領域50Dは、一例として、歌詞を複数段で表示してもよい。この場合、上段の歌詞の色の変化が右端に達すると、下段の歌詞が上昇して上段に表示されると共に新たな歌詞が下段に表示され、楽曲の進行に合わせて再び上段の歌詞の色が左端から右端へ変化する。
【0092】
コメント入力表示領域50Eには、コメントの入力欄が表示されると共に、歌唱動画を視聴している視聴ユーザのコメントがユーザ名と共に表示される。なお、一例として、視聴ユーザからのコメントが入力される毎にコメント入力表示領域50Eの最上段に当該コメントが追加表示され、それまでに表示されていたコメントは下方に繰り下がる。そして、コメントがコメント入力表示領域50Eに表示しきれなくなった場合には、コメント表示領域の右側にスクロールバー(不図示)が表示され、当該スクロールバーを視聴ユーザが操作することで、それまで画面3aに表示されなかったコメントが表示される。
【0093】
さらに、画面3aには、視聴ユーザが各種操作を行うための操作アイコン58A~58Dが表示される。
【0094】
操作アイコン58Aは、視聴ユーザが視聴している歌唱動画に視聴ユーザが共感等した場合にタップされるアイコンであり、当該歌唱動画に対する操作アイコン58Aのタップの総数が操作アイコン58Aの上方に表示される。
【0095】
操作アイコン58Bは、画面3aに表示されている歌唱動画をライブ配信している歌唱ユーザに対して視聴ユーザが対戦(以下「対戦歌唱」という。)を申し込む場合にタップされるアイコンである。対戦歌唱は、異なる歌唱ユーザによる複数の歌唱動画(第1歌唱動画、第2歌唱動画)を視聴ユーザの携帯端末3Bの画面3aに同時に表示し、歌唱動画が同じ楽曲を交互に歌唱するものである。すなわち、操作アイコン58Bをタップした視聴ユーザは、対戦歌唱を行う歌唱ユーザとなる。
【0096】
操作アイコン58Cは、動画投稿視聴アプリに対する各種設定を視聴ユーザが行う場合にタップされるアイコンである。
【0097】
操作アイコン58Dは、画面3aに表示されている歌唱動画に対して装飾画像を重畳させる場合に視聴ユーザによってタップされるアイコンである。なお、実施例のサービスにおける装飾画像は、その種類により金銭的価値が決められており、視聴ユーザが金銭的価値との交換(例えば、現金の支払い,仮想通貨の消費,ポイントの消費)により入手可能とされている。そして、視聴ユーザは、操作アイコン58Dをタップすることで、自身が視聴している歌唱動画に対して装飾画像を重畳させる。装飾画像が重畳された歌唱動画の歌唱ユーザは、重畳された装飾画像に応じた金銭を動画投稿サイトの運営者から受け取る。すなわち、視聴ユーザによる歌唱動画への装飾画像の重畳(表示指示)は、歌唱ユーザに対する、いわゆる投げ銭に相当する。
【0098】
[2-2-6.対戦歌唱機能の概要]
動画投稿視聴アプリは、パフォーマーである複数のユーザ同士が自身のパフォーマンス動画の優劣を競い合う対戦機能に対応している。実施例のサービスにおける対戦機能は、いわゆるカラオケバトルの一種であり、
図6に例示するように、異なる歌唱ユーザによる複数の歌唱動画(第1歌唱動画60A、第2歌唱動画60B)を視聴ユーザの携帯端末3Bの画面3aに同時に表示する対戦歌唱機能である。なお、対戦歌唱機能は、サーバ4によって実行される機能である。
【0099】
図6は、対戦歌唱における視聴ユーザの携帯端末3Bの画面表示例である。なお、
図6に示される「VS」の表示は、対戦歌唱の開始時に表示され、対戦歌唱が開始されてから所定時間経過後(例えば3秒後)に当該表示が停止される。また、歌唱ユーザの携帯端末3Aの画面表示は、例えば、
図6と同様であってもよいし、
図4に示されるような画面表示に対して対戦歌唱を行う他の歌唱ユーザが縮小表示(後述の
図8参照)されてもよい。
【0100】
対戦歌唱が行われるためには、歌唱ユーザ(以下「第1歌唱ユーザ」という。)から他の歌唱ユーザ(以下「第2歌唱ユーザ」という。)に対して歌唱動画の同時配信の要求(以下「対戦要求」という。)が行われ、当該対戦要求を第2歌唱ユーザが了承する必要がある。
【0101】
より具体的には、第1歌唱ユーザは自身の携帯端末3A1に動画投稿視聴アプリを起動させ、動画投稿視聴アプリを用いて歌唱動画をライブ配信している第2歌唱ユーザへ対戦要求を送信する。対戦要求の送信は、第1歌唱ユーザが操作アイコン58Bをタップすることで行われる。対戦歌唱で歌唱する楽曲は第1歌唱ユーザが選択する。選択した楽曲(以下「対戦楽曲」という。)を示す情報(タイトルや歌手名)は対戦要求と共に第2歌唱ユーザに送信される。
【0102】
携帯端末3A1から送信された対戦要求は、サーバ4を介して第2歌唱ユーザの携帯端末3A2に送信される。携帯端末3A2の画面3aには受信した対戦要求に応じた画像が表示され、第2歌唱ユーザは対戦要求を了承する場合には画面3aに表示される所定画像をタップする。
【0103】
そして、第2歌唱ユーザが第1歌唱ユーザからの対戦要求を了承した場合、サーバ4は、第1歌唱ユーザによる第1歌唱動画60A及び第2歌唱ユーザによる第2歌唱動画60Bが携帯端末3Bの画面3aに同時に表示されるように配信することで、対戦歌唱を開始する。これにより、視聴ユーザは、リアルタイムで第1歌唱ユーザと第2歌唱ユーザによる対戦歌唱(リアルタイム対戦)を視聴可能となる。なお、以下の説明では、対戦歌唱において配信される第1歌唱動画60A及び第2歌唱動画60Bを総称して対戦歌唱動画ともいう。
【0104】
このように、対戦歌唱機能は、第1歌唱ユーザから第2歌唱ユーザへの歌唱動画の対戦要求を受け付け、第2歌唱ユーザが対戦要求を了承した場合に、第1歌唱動画60A及び第2歌唱動画60Bを携帯端末3Bの画面3aに同時に表示されるように配信する。したがって、対戦歌唱機能は、歌唱ユーザ同士が自身の歌唱を各々の歌唱動画によって競い合うことを可能とすると共に、競い合っている複数の歌唱動画を視聴ユーザが同時に視聴することを可能とする。
【0105】
また、第2歌唱ユーザが対戦要求を了承する一方で対戦楽曲を了承しない場合も想定される。このような場合のために、対戦歌唱機能は、第2歌唱ユーザの携帯端末3A2から第1歌唱ユーザの携帯端末3A1へ対戦楽曲の変更及び第2歌唱ユーザが選択した対戦楽曲を示す情報を送信し、第1歌唱ユーザの了承を求める機能を有してもよい。
【0106】
[2-2-6-1.対戦歌唱における交互歌唱]
実施例に係る対戦歌唱機能では、第1歌唱ユーザと第2歌唱ユーザとが同じ楽曲を交互に歌唱(以下「交互歌唱」という。)する。
【0107】
交互歌唱は、例えば、第1歌唱ユーザが1曲を全て歌唱し終えた後に第2歌唱ユーザが同じ楽曲を全て歌唱する形態としてもよいが、実施例のサービスにおける対戦歌唱機能は、
図7に示されるように、楽曲を仮想的に複数領域に分割し、当該分割領域68毎に歌唱を行う歌唱ユーザの順番を設定(以下「交互パフォーマンス設定」という。)する。これにより、第1歌唱ユーザと第2歌唱ユーザは、交互パフォーマンス設定にしたがって同一の楽曲を交互に歌唱することになるので、視聴ユーザは、第1歌唱ユーザと第2歌唱ユーザとの歌唱力の差を明確に認識でき、より対戦歌唱を楽しむことができる。なお、以下の説明では、歌唱を行う歌唱ユーザの順番を交互歌唱順番という。
【0108】
なお、対戦歌唱機能は、一例として、歌唱ユーザが歌唱する歌詞部分を強調表示させることにより、歌唱ユーザに自身が歌唱する分割領域68を認識させる。強調表示は、歌詞の色変化や太さ変化等である。
【0109】
図7の例では、第1歌唱ユーザと第2歌唱ユーザとが交互に歌唱するように分割領域68が設定されると共に、第1歌唱ユーザと第2歌唱ユーザとが一緒に歌唱する分割領域68も設定されている。分割領域68は、例えば、楽曲のフレーズ,コーラス,小節等に基づいて予め設定され、各分割領域68の時間長さは必ずしも同じである必要はない。
【0110】
交互歌唱順番は、対戦歌唱の実行の決定に伴い決定される。例えば、対戦要求を行った第1歌唱ユーザが先に歌唱を行い、第2歌唱ユーザが後に歌唱を行うように設定される。なお、第1歌唱ユーザと第2歌唱ユーザとが一緒に歌唱する分割領域68は、楽曲毎に予め設定されてもよい。
【0111】
また、分割領域に基づいて設定される交互歌唱順番は、動的に変化してもよい。例えば、後述する評価機能によって得た総点数が相対的に多い歌唱ユーザほど歌唱する分割領域68が多くなってもよい。より具体的には、楽曲の予め定められたタイミング毎に歌唱ユーザ(歌唱動画)毎の総点数を比較し、総点数が相対的に多い歌唱ユーザがその後の複数の分割領域68を連続して歌唱する。この場合、連続して歌唱可能な分割領域68の最大数は予め定められている。
【0112】
これにより、総点数が相対的に多い歌唱ユーザは歌唱する分割領域68が多くなる一方、総点数が相対的に少ない歌唱ユーザは歌唱する分割領域68が少なくなる。したがって、総点数が相対的に多い歌唱ユーザは、視聴ユーザに対して自身の歌唱力をよりアピールし、視聴ユーザをより惹き付けやすくなる。
【0113】
[2-2-6-2.交互歌唱における画面表示と音声出力]
図6は、前述のように、対戦歌唱における視聴ユーザの携帯端末3Bの表示画面であり、第1歌唱動画60A及び第2歌唱動画60Bが共に同じ画像サイズで表示されている。そして、歌唱を実行中の歌唱動画に対しては、それを視聴ユーザが認識可能な表示(
図6の「NOW PLAYING」)が行われる。
【0114】
ここで、歌唱を実行中でない歌唱動画やその音声は視聴ユーザにとって興味を惹かれるものではなく、かえって実行中の歌唱を視聴している視聴ユーザの注意を散漫にしかねない。
【0115】
そこで、実施例のサービスでは、歌唱を実行中の歌唱動画の音声が出力され、歌唱を実行中でない歌唱動画の音声は出力されないように、歌唱動画が携帯端末3Bに配信される。また、サーバ4は、歌唱を実行中の歌唱動画が歌唱を実行中でない歌唱動画よりも大きく携帯端末3Bの画面3aに表示されるように、歌唱動画を携帯端末3Bに配信する。これらにより、視聴ユーザは、歌唱を実行中でない歌唱動画によって注意が散漫となることなく、対戦歌唱動画を視聴できる。
【0116】
図8は、対戦歌唱における携帯端末3Bの画面表示の一例である。
図8の例では、第1歌唱動画60Aが歌唱の実行中であり、第2歌唱動画60Bが歌唱の実行中でないため、第1歌唱動画60Aが拡大表示(全画面表示)される一方、第2歌唱動画60Bは縮小表示(ウィンドウ表示)される。歌唱動画が縮小表示される場合の画像サイズと画面3aにおける表示位置は予め定められてもよいし、視聴ユーザが任意の画像サイズ及び画面位置に変更可能としてもよい。
【0117】
なお、実施例のサービスでは、上述した交互歌唱順番に基づいて、第1歌唱動画60A及び第2歌唱動画60Bの音声出力、又は第1歌唱動画60A及び第2歌唱動画60Bの画面表示が行われるように歌唱動画を携帯端末3Bに配信する。
【0118】
すなわち、第1歌唱ユーザが歌唱を行う分割領域68では、第1歌唱動画60Aの音声が出力されると共に第1歌唱動画60Aが拡大表示される一方、第2歌唱動画60Bの音声は出力されずに第2歌唱動画60Bが縮小表示される。また、第2歌唱ユーザが歌唱を行う分割領域68では、第2歌唱動画60Bの音声が出力されると共に第2歌唱動画60Bが拡大表示される一方、第1歌唱動画60Aの音声は出力されずに第1歌唱動画60Aが縮小表示される。また、第1歌唱ユーザと第2歌唱ユーザとが一緒に歌唱を行う分割領域68では、
図6のように第1歌唱動画60Aと第2歌唱動画60Bとが同じ画像サイズで画面表示され、かつ共に音声出力される。
【0119】
このように、実施例のサービスでは、上述した交互パフォーマンス設定に基づいて、対戦歌唱動画の音声出力や画面表示が制御されるので、歌唱動画を同時に表示させる場合であっても視聴ユーザの携帯端末3Bにおける対戦歌唱動画の出力制御を簡易に行える。
【0120】
[2-2-6-3.評価機能]
動画投稿視聴アプリは、対戦歌唱動画毎の評価の入力(以下「評価行動」という。)を視聴ユーザの携帯端末3Bから受け付ける評価機能を有する。評価行動は、歌唱動画に対する肯定の感情を関連付ける第1評価行動と、当該歌唱動画に対する肯定の度合いを関連付ける第2評価行動と、を含む。
【0121】
(1)第1評価行動による印象評価と第1演出
第1評価行動による評価(以下「印象評価」という。)は、
図6,8に示されるように対戦歌唱動画毎に設けられている操作アイコン58Aを対象として視聴ユーザが第1評価操作(タップ)することで入力される。すなわち、視聴ユーザは、歌唱動画に共感等した場合に当該歌唱動画に対する好評価の意思表示として操作アイコン58Aをタップする。そして、対戦歌唱においては、受け付けられた歌唱動画毎の印象評価の経過を示す画像(以下「印象評価経過画像」という。)66が、歌唱動画と共に携帯端末3Bの画面3aに表示されるように配信される(第1演出)。
【0122】
このように実施例に係る評価機能は、一例として操作アイコン58Aを視聴ユーザがタップすることで歌唱動画に対し視聴ユーザが印象評価をすることができる。したがって、視聴ユーザは、対戦歌唱が行われた場合において、印象評価により当該対戦歌唱に参加することができる。なお、視聴ユーザは、一方の歌唱動画に対し印象評価をすると共に他方の歌唱動画に対して印象評価をすることもできる。
【0123】
実施例のサービスでは、操作アイコン58Aが一回タップされると印象評価が入力される。
図6,8に示される印象評価経過画像66の数字(21及び185)は、歌唱ユーザ
(歌唱動画)毎の印象評価獲得数であり、画面3aの左右に延伸し左右でハッチング(色)が異なるバー画像は、歌唱動画毎の印象評価獲得数を相対的に示したものである。
【0124】
また、各視聴ユーザが操作アイコン58Aをタップ可能な回数には上限(以下「タップ上限」という。)が設けられており、本実施例のサービスにおいてタップ上限は1回である。そして、タップ上限が満たされると、
図8に示されるように操作アイコン58Aの代わりに操作アイコン58Dが画面3aに表示される。
【0125】
(2)第2評価行動による点数評価と第2演出
視聴ユーザは、操作アイコン58Dをタップすることで、タップした操作アイコン58Dに対応する歌唱動画に対して装飾画像(以下「投銭エフェクト画像」という。)を重畳させること(第2演出)が可能となる。このように、評価機能は、歌唱動画に対する投銭エフェクト画像の重畳の指示を携帯端末3Bから受け付け、受け付けた指示に応じた投銭エフェクト画像を歌唱動画に重畳する投銭エフェクト機能を有する。なお、以下の説明では、視聴ユーザによる携帯端末3Bを介した投銭エフェクト画像の表示指示(選択)を、上述のように投銭入力という。
【0126】
すなわち、視聴ユーザは自身が共感する歌唱動画に対して投銭エフェクト画像69を重畳させることで当該歌唱動画を装飾するので、投銭エフェクト機能は、歌唱動画の配信中に視聴者や歌唱動画そのものを盛り上げることができる。なお、投銭エフェクト機能は、動画投稿視聴アプリを介した視聴ユーザからの表示指示に応じてサーバ4によって実行される機能である。
【0127】
図9は、視聴ユーザが操作アイコン58Dを長押しした場合に遷移する携帯端末3Bの画面表示であり、視聴ユーザが選択可能な複数の異なる投銭エフェクト画像69が表示されている。投銭エフェクト画像69には、所要ポイントがそれぞれ設定され、デザインが所要ポイントに応じて異なっている。視聴ユーザは、画面表示されている複数の投銭エフェクト画像69のうち、所有しているポイント(「電子情報」の一例。)で取得可能な一つを選択する。なお、デザインが異なるとは、例えば、形状や色彩又は向きが異なることをいう。
【0128】
一例として、ポイントは1ポイント毎に課金額が定められており、視聴ユーザはポイントを購入し、所有しているポイントに応じて選択可能な投銭エフェクト画像69の種類が増減する。視聴ユーザによって投銭エフェクト画像69が選択されると、視聴ユーザが所有しているポイントは選択した投銭エフェクト画像69の所要ポイントに応じて減少する。なお、ポイントは課金による取得だけでなく、他のオンラインサービス等の利用によって増加してもよい。また、ポイントには、有効期限が設定されていてもよい。有効期限は、年月日,時分等により設定されていてもよいし、ある基準時点を始期とする有効期間の終期として設定されていてもよい。
【0129】
図9に例示される投銭エフェクト画像69は、スポットライトを模した向きの異なる末広がりの4種類のスポットライト画像、スポットライト画像を複数組み合わせて各々色彩が異なる4種類の合体スポットライト画像である。投銭エフェクト画像69をスポットライトを模した画像とすることで、視聴ユーザはあたかもコンサート等に参加しているような感覚が得られる。なお、投銭エフェクト画像69は
図9の例に限らず、他の画像であってもよい。
【0130】
図10は、投銭エフェクト画像69として合体スポットライト画像が視聴ユーザによって選択され、投銭エフェクト画像69が重畳された歌唱動画(以下「エフェクト重畳歌唱動画」という。)の一例である。エフェクト重畳歌唱動画は、投銭エフェクト画像69の選択を行った視聴ユーザだけではなく、対戦歌唱を視聴している他の視聴ユーザも視聴可能とされる。
【0131】
なお、実施例に係る投銭エフェクト機能は、歌唱が実行されている歌唱動画に対して行うことが可能であり、投銭入力を行った後、略時間遅れなく投銭エフェクト画像69を歌唱動画に重畳する。すなわち、
図10の例では、視聴ユーザは、第1歌唱動画60Aに対して投銭エフェクト画像69を重畳させることができるが、歌唱ユーザが歌唱中ではない第2歌唱動画60Bに対しては投銭エフェクト画像69を重畳させることができない。より具体的には、歌唱ユーザが歌唱中でない歌唱動画に対応する操作アイコン58Dを視聴ユーザが長押ししても、投銭エフェクト機能は当該長押しを受け付けない。
【0132】
また、評価機能は、投銭エフェクト画像69の重畳指示を受け付けた場合、投銭エフェクト画像69に応じた点数の入力を評価(以下「点数評価」という。)として受け付ける。実施例のサービスでは、一例として投銭エフェクト画像に応じたポイントが点数評価の点数として入力される。
【0133】
第2評価行動による点数評価は、投銭エフェクト画像69を対象として視聴ユーザが第2評価操作(タップ)することで入力される。評価機能は、投銭エフェクト画像69に応じた点数の入力を受け付け、歌唱動画の配信中に入力された総点数(以下「評価総得点」という。)を評価結果として導出する。評価総得点は、複数の視聴ユーザによって第2評価行動により入力(付与)された点数の総和である。そして、評価機能は、対戦歌唱が終了するまでに入力された点数をベースとして導出される評価総得点によって対戦歌唱の勝者を決定する。すなわち、評価総得点が相対的に高い歌唱動画の歌唱ユーザが勝者とされる。このように、実施例のサービスによれば、複数の視聴ユーザは自身が応援する歌唱ユーザ(歌唱動画)に対して協同して第2評価行動をすることで、自身が応援する歌唱ユーザを勝利に近付けることができるので、視聴ユーザは歌唱ユーザに対してより感情移入しやすくなる。
【0134】
このように、実施例に係る評価機能は、投銭エフェクト画像69の重畳指示に応じて点数の入力を評価として受け付けることで、視聴ユーザによる投銭入力を促すことができる。なお、各視聴ユーザが可能な投銭入力の回数には上限はない。すなわち、視聴ユーザは、投銭エフェクト画像69を何度もタップすることで自身が共感等する歌唱動画の評価総得点を上げることができる。
【0135】
(3)評価総得点の調整
さらに、本実施例のサービスでは、投銭入力をした視聴ユーザのアカウント数に応じて評価総得点が調整される。具体的には、[数5]に示す数式により評価総得点が調整される。この特徴により、本実施例のサービスでは、点数評価により入力された点数の単純な累計値である累計点数の大小と評価総得点の大小が一致しないことがある。つまり、累計点数では劣勢であっても、投銭入力をした視聴ユーザのアカウント数しだいでは、評価総得点において逆転可能である。
【0136】
[数5]
評価総得点=累計点数×{1+(重みw5×アカウント数)}
(ただし、w5=5/10000である)
【0137】
(4)高評価ユーザの表示
さらに、歌唱動画に対して他の視聴ユーザよりも相対的に高い点数評価(第2評価行動)を行った視聴ユーザ、すなわち入力した点数の累計値が大きい視聴ユーザ(以下「高評価ユーザ」という。)を示す画像(アイコン画像64)が携帯端末3Bの画面3aに表示される。これにより、視聴ユーザは、他の視聴ユーザに対して、自身が応援している歌唱ユーザを認識させることができる。また、視聴ユーザは、歌唱ユーザに対しても自身が応援していることを認識させることができる。
【0138】
なお、実施例に係る評価機能では、入力した点数が多い順に上位3名を高評価ユーザとし、高評価ユーザのアイコン画像64を歌唱動画毎に画面3aに表示させるが、アイコン画像64が表示される高評価ユーザの数はこれに限られない。
【0139】
[2-2-6-4.その他の機能]
サーバ4は、歌唱ユーザ毎の情報(以下「歌唱ユーザ情報」という。)をHDD26に記憶してもよい。歌唱ユーザ情報には、歌唱ユーザが有するファンの数、歌唱ユーザの過去の対戦成績や勝率、及び得意とする楽曲等が含まれる。そして、対戦歌唱機能は、ファンの数が同程度の第1歌唱ユーザから第2歌唱ユーザへの対戦要求を受け付けてもよい。歌唱ユーザが有するファンの数は、歌唱ユーザの歌唱力に応じても異なると考えられる。このように、ファンの数が同程度であることを対戦歌唱を受け付ける条件とすることで、歌唱力が大きく異なる歌唱ユーザ同士による対戦歌唱が行われることが防止できる。
【0140】
より具体的には、第1歌唱ユーザが第2歌唱ユーザに対戦要求を行う場合に、対戦歌唱機能が、第1歌唱ユーザのファンの数と第2歌唱ユーザのファンの数を比較し、ファンの数の差異が予め定められた基準値内(例えば±20%内)である場合に、第1歌唱ユーザによる第2歌唱ユーザへの対戦要求を受け付ける。なお、ファンの数は、視聴ユーザが動画投稿視聴アプリを介して、自身が当該歌唱ユーザのファンであることを登録することで増加する。なお、視聴ユーザがファンとして登録できる歌唱ユーザの数に制限はない。
【0141】
なお、対戦歌唱機能は、ファンの数が同程度でも他の条件を満たしていれば、対戦要求を受け付けてもよいし、ファンの数が同程度でなくても第2歌唱ユーザが了承すれば対戦要求を受け付けてもよい。一方、対戦歌唱機能は、ファンの数が同程度の対戦要求のみを受け付けてもよい。ここでいう「のみ」とは、例えば、他の条件が満たされていても、ファンの数が同程度でない対戦要求は受け付けないことをいう。
【0142】
また、対戦歌唱機能は、対戦歌唱で勝利した歌唱ユーザが自身に対する評価行動によって獲得した評価総得点に応じた対価を、歌唱ユーザに与えてもよい。ここでいう対価とは、金銭であったり、動画投稿視聴アプリ(動画投稿サイト)や他のオンラインサービスで使用可能なポイント等である。また、対戦歌唱で勝利した歌唱ユーザが、自身の評価総得点だけでなく対戦相手の評価総得点をも合算した点数に応じた対価を得てもよい(いわゆる総取り)。
【0143】
[2-2-7.対戦歌唱機能,対戦歌唱処理,評価受付処理]
[2-2-7-1.対戦歌唱機能の機能ブロック]
図11は、本実施例に係る対戦歌唱機能に関する機能ブロック図である。サーバ4が備えるCPU20は、対戦要求受付部70,対戦了承判定部71,対戦設定部72,動画評価部73,投銭エフェクト重畳部74及び動画配信部75を備える。サーバ4が備える各機能によって実行される処理は、HDD26に記憶されている制御プログラムによって実現される。
【0144】
対戦要求受付部70は、第1歌唱ユーザから第2歌唱ユーザへの対戦要求を受け付ける。なお、対戦要求受付部70は、ファンの数が同程度の第1歌唱ユーザから第2歌唱ユーザへの対戦要求を受け付けてもよい。
【0145】
対戦了承判定部71は、第2歌唱ユーザが第1歌唱ユーザからの対戦要求を了承したか否かを判定する。
【0146】
対戦設定部72は、対戦歌唱を行うために楽曲の設定や歌唱順の設定等の各種設定を行う。対戦設定部72は、楽曲を時系列で複数領域に分割し、当該領域毎に歌唱を行う歌唱ユーザの順番(交互歌唱順番)を設定する。また、対戦設定部72は、分割領域68に基づいて設定される交互歌唱順番を動的に変化させてもよい。
【0147】
動画評価部73は、携帯端末3Bに配信されている歌唱動画毎の印象評価の入力、及び歌唱動画に対する投銭エフェクト画像69の重畳指示(投銭入力)を携帯端末3Bから受け付ける。また、動画評価部73は、受け付けた投銭入力に応じた投銭エフェクト画像69に対応する点数を特定する。そして、動画評価部73は、歌唱動画の配信中に入力された点数の累計(累計点数)に応じて評価総得点を導出し、対戦歌唱の勝敗判定を行う。
【0148】
投銭エフェクト重畳部74は、投銭入力を受け付けた場合に、受け付けた投銭入力に応じた投銭エフェクト画像69を歌唱動画に重畳する。
【0149】
動画配信部75は、歌唱動画を携帯端末3Bに配信する。また、動画配信部75は、第2歌唱ユーザが第1歌唱ユーザからの対戦要求を了承した場合、第1歌唱ユーザによる第1歌唱動画60A及び第2歌唱ユーザによる第2歌唱動画60Bを携帯端末3Bの画面3aに同時に表示されるように配信する。また、動画配信部75は、歌唱を実行中の歌唱動画の音声が出力され、歌唱を実行中でない歌唱動画の音声は出力されず、歌唱を実行中の歌唱動画が歌唱を実行中でない歌唱動画よりも大きく画面3aに表示されるように対戦歌唱動画を携帯端末3Bに配信する。
【0150】
[2-2-7-2.対戦歌唱処理のフロー]
図12は、サーバ4が備えるCPU20によって実行される本実施例に係る対戦歌唱処理の流れを例示するフロー図である。本実施例に係る対戦歌唱処理を実行するための制御プログラムはHDD26の所定領域に予め記憶されている。
【0151】
ステップS100では、第1歌唱ユーザによる第2歌唱ユーザへの対戦要求の有無を対戦要求受付部70が判定し、肯定判定の場合、すなわち第1歌唱ユーザからの対戦要求を受け付けた場合はステップS102へ移行する。一方、否定判定の場合は、対戦要求を受け付けるまで待ち状態となる。
【0152】
ステップS102では、第2歌唱ユーザが対戦要求を了承したか否かを対戦了承判定部71が判定し、肯定判定の場合はステップS104へ移行し、否定判定の場合はステップS100へ戻る。
【0153】
ステップS104では、対戦歌唱を行うための各種設定を対戦設定部72が行う。
【0154】
ステップS106では、対戦歌唱動画の配信を動画配信部75が開始する。
【0155】
ステップS108では、対戦歌唱の楽曲が終了したか否かを動画配信部75が判定し、肯定判定の場合はステップS110へ移行する。一方、否定判定の場合は、楽曲が終了するまで動画配信部75が対戦歌唱動画の配信を継続する。
【0156】
ステップS110では、動画配信部75が対戦歌唱動画の配信を終了しステップS100へ戻る。
【0157】
以上説明したように、本実施例に係るサーバ4(対戦歌唱機能)は、第1歌唱ユーザから第2歌唱ユーザへの歌唱動画の対戦要求を受け付け、第2歌唱ユーザが対戦要求を了承した場合に、第1歌唱動画60A及び第2歌唱動画60Bを携帯端末3Bの画面3aに同時に表示されるように配信する。したがって、本実施例に係るサーバ4(対戦歌唱機能)は、歌唱ユーザ同士が自身の歌唱を各々の歌唱動画によって競い合うことを可能とすると共に、競い合っている複数の歌唱動画を視聴ユーザが同時に視聴することを可能とする。
【0158】
[2-2-7-3.評価受付処理のフロー]
図13は、サーバ4が備えるCPU20によって実行される本実施例に係る評価受付処理の流れを例示するフロー図である。本実施例に係る評価受付処理を実行するための制御プログラムはHDD26の所定領域に予め記憶されている。
【0159】
ステップS200では、対戦歌唱が開始したか否かを動画評価部73が判定し、肯定判定の場合はステップS202へ移行する。一方、否定判定の場合は、対戦歌唱が開始するまで待ち状態となる。
【0160】
ステップS202では、視聴ユーザによって操作アイコン58Aがタップされたか否かを動画評価部73が判定し、肯定判定の場合はステップS204へ移行し、否定判定の場合はステップS206へ移行する。
【0161】
ステップS204では、印象評価獲得数を動画評価部73が計数し、印象評価経過画像66の表示を動画配信部75が更新する。
【0162】
ステップS206では、視聴ユーザによって投銭入力がされたか否かを動画評価部73が判定し、肯定判定の場合はステップS208へ移行し、否定判定の場合はステップS210へ移行する。
【0163】
ステップS208では、視聴ユーザが選択した投銭エフェクト画像69を投銭エフェクト重畳部74が対象の歌唱動画に重畳する。
【0164】
ステップS210では、歌唱動画に対する高評価ユーザに変化があったか否かを動画評価部73が判定し、肯定判定の場合はステップS212へ移行し、否定判定の場合はステップS214へ移行する。
【0165】
ステップS212では、高評価ユーザのアイコン画像64の表示を動画配信部75が更新する。
【0166】
ステップS214では、対戦歌唱の楽曲が終了したか否かを動画配信部75が判定し、肯定判定の場合はステップS216へ移行し、否定判定の場合はステップS202へ戻る。
【0167】
ステップS216では、動画評価部73が歌唱動画毎の評価総得点に基づいて勝敗を判定し、その結果を示す画像を動画配信部75が配信する。
【0168】
次のステップS218では、動画配信部75が対戦歌唱動画の配信を終了し本評価受付処理を終了する。
【0169】
以上説明したように、本実施例に係るサーバ4(評価受付機能)は、携帯端末3Bに配信されている歌唱動画毎の点数評価を携帯端末3Bから受け付ける。したがって、本実施例に係るサーバ4(評価受付機能)は、複数の歌唱ユーザ各々が配信したパフォーマンス動画の優劣判定を視聴ユーザが簡易に行うことを可能とする。
【0170】
[2-2-8.評価機能,評価導出処理]
[2-2-8-1.評価機能の機能ブロック]
図14は、本実施例に係る評価機能に関する機能ブロック図である。サーバ4が備えるCPU20は、取得部81,集計部82,特定部83,調整部84及び提供部85を備える。サーバ4が備えるRAM24は、記憶部80として機能する。サーバ4が備える各機能によって実行される処理は、HDD26に記憶されている制御プログラムによって実現される。
【0171】
記憶部80は、評価対象(歌唱動画の識別情報)と評価者(視聴ユーザのアカウント情報)と評価内容(入力された点数)とを対応付けて記憶する。また、記憶部80は、評価対象(歌唱動画の識別情報)と評価総得点とを対応付けて記憶する。
【0172】
取得部81は、対戦歌唱の進行中に、当該対戦歌唱に係る対戦歌唱動画を視聴中の携帯端末3Bから、視聴中の歌唱動画(つまり、第1歌唱動画60A又は第2歌唱動画60B)の識別情報と視聴ユーザを特定可能な情報(例えば、セッション識別情報)と入力された点数とを取得し、これらを対応付けて記憶部80に記憶させる。
【0173】
集計部82は、記憶部80を参照し、特定の歌唱動画に対して投銭入力により入力された点数を集計して累計点数を得る。
【0174】
特定部83は、特定の歌唱動画に対して当該歌唱動画の配信中に投銭入力をした視聴ユーザの実数を特定する。本実施例では、投銭入力をした視聴ユーザのアカウント数を特定する。
【0175】
調整部84は、上記[数5]に示す数式により、実数(アカウント数)が増大すると評価総得点が上昇するように当該評価総得点を調整し、評価対象(歌唱動画の識別情報)と評価総得点とを対応付けて記憶部80に記憶させる。
【0176】
提供部85は、記憶部80に記憶された調整後の評価総得点を歌唱動画の識別情報に関連付けて、携帯端末3Bに提供する。提供の態様は任意である。例えば、対戦歌唱の勝敗表示を表示させるデータや評価総得点のランキング表示を表示させるデータの一部として提供されるのが好適である。なお、勝敗表示及びランキング表示では、評価総得点とともに又はこれに代えて、累計点数と調整による加算点数とを分けて表示してもよいし、評価総得点のみを表示してもよい。
【0177】
なお、取得部81,集計部82,特定部83及び調整部84は、対戦歌唱機能における動画評価部73の一部機能に対応し又は相当する。また、提供部85は、対戦歌唱機能における動画配信部75の一部機能に対応し又は相当する。
【0178】
[2-2-8-2.評価導出処理のフロー]
図15は、サーバ4が備えるCPU20によって実行される本実施例に係る評価導出処理の流れを例示するフロー図である。本実施例に係る評価導出処理を実行するための制御プログラムはHDD26の所定領域に予め記憶されている。
【0179】
ステップS300では、集計部82が歌唱動画に対して投銭入力により入力された点数を集計して累計点数を得る。
【0180】
ステップS302では、特定部83が投銭入力をした視聴ユーザの実数を特定する。本実施例のサービスでは、投銭入力をしたアカウント数を上記実数として特定する。
【0181】
ステップS304では、調整部84が上記[数5]により評価総得点を調整して評価導出処理を終了する。
【0182】
以上説明したように、本実施例に係るサーバ4(評価機能)は、投銭入力をした視聴ユーザの実数(アカウント数)に応じて評価総得点を調整する。したがって、本実施例に係るサーバ4(評価機能)は、一部の視聴ユーザによる投銭入力が評価総得点に与え得る過度な影響を抑止し得る。
【0183】
[3.変形例]
[3-1.変形例1(評価総得点の算出に関する変形例)]
上記実施例において、集計部82は、特定の歌唱動画に対して投銭入力(点数評価)により入力された点数を集計して累計点数を得る。これに対し、集計部82が印象評価を加味して累計点数を得てもよい。例えば、集計部82は、投銭入力(点数評価)により入力された点数の合計値に印象評価獲得数を加算した数を累計点数としてもよい。なお、印象評価獲得数に適当な係数を乗じた値を上記合計値に加算した数を累計点数としてもよい。印象評価獲得数に乗じる係数は、評価総得点に対する印象評価の重みとして機能する。当該係数は任意に設定可能である。当該係数は、例えば、1より小さい正の実数でよい。
【0184】
[3-2.変形例2(実数の特定に関する変形例)]
(1)端末数を特定する例
上記実施例において、特定部83は、特定の歌唱動画に対して投銭入力をした視聴ユーザの実数として、投銭入力をした視聴ユーザのアカウント数を特定する。これに対し、特定部83が投銭入力に使用された端末数又はその近似値を特定してもよい。これにより、一部の視聴ユーザによる複数のアカウントからの不適正な投銭入力が評価総得点に与え得る過度な影響が抑止され得る。
【0185】
投銭入力に使用された端末数又はその近似値は、投銭入力がなされたアカウント数から携帯端末3Bの重複分を排除することで得られる。携帯端末3Bの重複は、セッション識別情報,IPアドレス等の比較によりある程度の精度で判別可能である。例えば、単一の携帯端末3Bを使用して複数のアカウントからそれぞれ投銭入力がなされた場合、セッション識別情報やIPアドレス(ここでは、携帯端末3BのIPアドレス)が同一である可能性がある。
【0186】
(2)実人数を特定する例
上記実施例において、特定部83は、特定の歌唱動画に対して投銭入力をした視聴ユーザの実数として、投銭入力をした視聴ユーザのアカウント数を特定する。これに対し、特定部83が投銭入力をした視聴ユーザの実人数又はその近似値を特定してもよい。これにより、一部の視聴ユーザによる複数のアカウントからの不適正な投銭入力が評価総得点に与え得る過度な影響が抑止され得る。
【0187】
投銭入力をした視聴ユーザの実人数又はその近似値は、投銭入力がなされたアカウント数から視聴ユーザの重複分を排除することで得られる。視聴ユーザの重複は、アカウント登録されている電子メールアドレス,投銭エフェクト画像を入手する際に使用したことがある決済手段の識別情報(例えば、クレジットカード番号,銀行口座番号,電子財布の識別情報,仮想口座の識別情報),IPアドレス等の比較によりある程度の精度で判別可能である。例えば、複数の携帯端末3Bを使用して複数のアカウントからそれぞれ投銭入力がなされた場合、セッション識別情報は相違しかつIPアドレス(ここでは、ルータのIPアドレス)が同一である可能性がある。
【0188】
[3-3.変形例3(画面表示に関する変形例)]
上記実施例において、動画評価部73が印象評価獲得数を計数し、動画配信部75が印象評価経過画像66の表示を更新する。したがって、印象評価経過画像66は、配信中の歌唱動画に対して印象評価をした視聴者の暫定数を表す。これに対し、動画評価部73が暫定的な評価総得点を集計し、動画配信部75が印象評価経過画像66に代えて又はこれとともに暫定的な評価総得点を表す数値又は画像の表示を更新してもよい。これにより、視聴ユーザが視聴中の対戦歌唱動画に係る歌唱動画の優劣を含む形勢を把握しやすくなる。