IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ NECネットワーク・センサ株式会社の特許一覧

特開2023-17157電子モジュールおよび電子モジュールの制御方法
<>
  • 特開-電子モジュールおよび電子モジュールの制御方法 図1
  • 特開-電子モジュールおよび電子モジュールの制御方法 図2
  • 特開-電子モジュールおよび電子モジュールの制御方法 図3
  • 特開-電子モジュールおよび電子モジュールの制御方法 図4
  • 特開-電子モジュールおよび電子モジュールの制御方法 図5
  • 特開-電子モジュールおよび電子モジュールの制御方法 図6
  • 特開-電子モジュールおよび電子モジュールの制御方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023017157
(43)【公開日】2023-02-07
(54)【発明の名称】電子モジュールおよび電子モジュールの制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/00 20060101AFI20230131BHJP
【FI】
G06F3/00 A
G06F3/00 S
G06F3/00 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021121196
(22)【出願日】2021-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】599161890
【氏名又は名称】NECネットワーク・センサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】柳川 智紀
(57)【要約】
【課題】特殊用途の規格の電気装置に専用コネクタで接続される電子モジュールを電気装置から取り外した際に、保守用の専用コネクタを別に用意することなく検査等を行うことができる電子モジュールを提供する。
【解決手段】電子モジュールは、特殊用途の規格の電気装置に取り付けられる電子モジュールであって、電子回路と、開閉が可能な蓋を備えた前記電子回路を収容する筐体と、前記電子回路に電力を供給するために前記筐体に取り付けられ、前記特殊用途の規格に準拠する専用コネクタと、前記電子回路に電力を供給するために前記筐体の内部に配置され、一般用途の規格に準拠する汎用コネクタと、前記蓋の開閉に連動するスイッチと、を有し、前記スイッチは、前記蓋が閉じている時には前記専用コネクタと前記電子回路とを接続し、前記蓋が開いている時には前記汎用コネクタと前記電子回路とを接続する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特殊用途の規格の電気装置に取り付けられる電子モジュールであって、
電子回路と、
開閉が可能な蓋を備えた前記電子回路を収容する筐体と、
前記電子回路に電力を供給するために前記筐体に取り付けられ、前記特殊用途の規格に準拠する専用コネクタと、
前記電子回路に電力を供給するために前記筐体の内部に配置され、一般用途の規格に準拠する汎用コネクタと、
前記蓋の開閉に連動するスイッチと、
を有し、
前記スイッチは、
前記蓋が閉じている時には前記専用コネクタと前記電子回路とを接続し、
前記蓋が開いている時には前記汎用コネクタと前記電子回路とを接続する、
電子モジュール。
【請求項2】
前記専用コネクタが、
ARINC600規格に準拠するコネクタである
請求項1に記載の電子モジュール。
【請求項3】
前記汎用コネクタが、
JIS_C_8303規格またはIEC-6032規格に準拠するコネクタである、
請求項1または2に記載の電子モジュール。
【請求項4】
前記スイッチが、前記蓋に物理的に押されることによって接続の切り替えを行う、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電子モジュール。
【請求項5】
前記スイッチが、前記蓋の開閉における照度の差に基づいて接続の切り替えを行う、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電子モジュール。
【請求項6】
前記スイッチが、前記蓋の開閉における前記蓋との距離の差に基づいて接続の切り替えを行う、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電子モジュール。
【請求項7】
特殊用途の規格の電気装置に取り付けられる電子モジュールの制御方法であって、
前記電子モジュールは、電子回路と、開閉が可能な蓋を備えた前記電子回路を収容する筐体と、前記電子回路に電力を供給するために前記筐体に取り付けられ、特殊用途の規格に準拠する専用コネクタと、前記電子回路に電力を供給するために前記筐体の内部に配置され、一般用途の規格に準拠する汎用コネクタと、前記蓋の開閉に連動するスイッチと、を有し、
前記電子モジュールの制御方法は、
前記蓋が閉じている時には前記専用コネクタと前記電子回路とが接続し、前記蓋が開いている時には前記汎用コネクタと前記電子回路とが接続する、ように前記スイッチを制御する、
電子モジュールの制御方法。
【請求項8】
前記専用コネクタが、
電力と信号とを仲介するコネクタである、
請求項7に記載の電子モジュールの制御方法。
【請求項9】
前記専用コネクタが、
ARINC600に準拠するコネクタである
請求項8に記載の電子モジュールの制御方法。
【請求項10】
前記スイッチが、前記蓋に物理的に押されることによって接続の切り替えを行う、
請求項8または9に記載の電子モジュールの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子モジュールおよび電子モジュールの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
商用電源を利用する一般的な電気装置では、電源との接続に汎用のコネクタが用いられている。代表的なものは、JIS_C_8303に則ったプラグ(オス)/レセプタクル(メス)や、IEC-60320の規格に則ったインレット(メス)/アウトレット(オス)である。ここで、JISはJapanese Industrial Standards:日本産業規格の略、IECは、International Electrotechnical Commissionの略である。一方、特殊な用途の電気装置では、汎用コネクタでなく、特殊規格の専用コネクタを用いるものが存在する。例えば、航空機や防衛車両等の用途の電気装置では、ARINC(Aeronautical Radio, Incorporated)600の規格に則った専用コネクタが用いられている。ARINC600規格のコネクタは複数の信号線と電源線とを同時に接続する仕様になっている。ARINC600規格に準拠した電気装置の一例に、航空機等で用いられるモジュールラックがある。このモジュールラックのバックプレーンボードには、ARINC600規格の専用コネクタ(レセプタクル側)が複数配置されている。また、それぞれの専用コネクタ(レセプタクル側)には電子モジュール(例えば、スライドインモジュール)の専用コネクタ(プラグ側)が接続される。
それぞれの電子モジュールには、筐体(ハウジング)に所定の機能を果たす電子回路が収容されている。電子モジュールの電子回路は、専用コネクタ(レセプタクル側およびプラグ側)を介して、電気装置(例えば、モジュールラック)の電源および信号線に接続されている。これにより、電気装置(例えば、モジュールラック)の電源および信号が、専用コネクタ(レセプタクル側およびプラグ側)を介して、電子モジュールの電子回路に供給される。
【0003】
このような電気装置は、航空機や防衛車両等のコックピット等、狭くて、手や工具を入れることが難しい場所に設置されることが多い。このため、それぞれの電子モジュールを電気装置から取り外して保守する際に、取り外しが困難になったり、時間を要したりする場合がある。そこで、電子モジュールの保守を迅速化する方法が検討されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、上記のアビオニクス装置キャリアシステム(電気装置)に専用コネクタで接続されたスライドインモジュール(電子モジュール)の保守を迅速化する技術が開示されている。この技術では、スライドインモジュール(電子モジュール)のハウジング(筐体)として、ARINC600など共通の規格に準拠する寸法を備えたハウジングが使用される。共通寸法の筐体を電子モジュールに用いることで、作業者は電子モジュールを交換する際に、電子モジュールを取り付ける複数のラック(アビオニクスラック)で空いている領域に電子モジュールを挿入することができる(特許文献1の段落0017参照)。このため、ARINC600など共通の規格に準拠する電気装置に取り付けられた電子モジュールの交換を迅速に行うことができる。
【0005】
なお、関連技術が、例えば、特許文献2にも開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2009-509222号公報
【特許文献2】特開2015-122024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の通り、特許文献1に記載された技術によれば、特殊規格の電気装置に取り付けられた電子モジュールの交換(取り付けや取り外し)を迅速化することが可能になる。一方で、電気装置から取り外された電子モジュールに電力を供給しながら当該電子モジュールの検査等を行う場合、電子モジュールを電源に接続するために、電気装置に取り付けられている専用コネクタと同じ仕様の専用コネクタを別に用意する必要がある。このため、電子モジュールの検査などの保守の対象となる電子モジュールの数だけ、保守用の専用コネクタを用意する必要があるいう問題点があった。
【0008】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものである。そして、特殊用途の規格の電気装置に専用コネクタで接続される電子モジュールを電気装置から取り外した際に、保守用の専用コネクタを別に用意することなく検査等を行うことができる電子モジュールを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明の電子モジュールは、特殊用途の規格の電気装置に取り付けられる電子モジュールであって、電子回路と、開閉が可能な蓋を備えた前記電子回路を収容する筐体と、前記電子回路に電力を供給するために前記筐体に取り付けられ、前記特殊用途の規格に準拠する専用コネクタと、前記電子回路に電力を供給するために前記筐体の内部に配置され、一般用途の規格に準拠する汎用コネクタと、前記蓋の開閉に連動するスイッチと、を有し、前記スイッチは、前記蓋が閉じている時には前記専用コネクタと前記電子回路とを接続し、前記蓋が開いている時には前記汎用コネクタと前記電子回路とを接続する。
【0010】
また、本発明の電子モジュールの制御方法は、特殊用途の規格の電気装置に取り付けられる電子モジュールの制御方法であって、前記電子モジュールは、電子回路と、開閉が可能な蓋を備えた前記電子回路を収容する筐体と、前記電子回路に電力を供給するために前記筐体に取り付けられ、特殊用途の規格に準拠する専用コネクタと、前記電子回路に電力を供給するために前記筐体の内部に配置され、一般用途の規格に準拠する汎用コネクタと、前記蓋の開閉に連動するスイッチと、を有し、前記電子モジュールの制御方法は、前記蓋が閉じている時には前記専用コネクタと前記電子回路とが接続し、前記蓋が開いている時には前記汎用コネクタと前記電子回路とが接続する、ように前記スイッチを制御する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果は、特殊用途の規格の電気装置に専用コネクタで接続される電子モジュールを電気装置から取り外した際に、保守用の専用コネクタを別に用意することなく検査等を行うことができる電子モジュール等を提供できることである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施形態の電子モジュールを示すブロック図である。
図2】第1の実施形態の電子モジュールの蓋が空いた状態を示すブロック図である。
図3】第1の実施形態の電子モジュールの具体的な構成例を示すブロック図である。
図4】第1の実施形態の電子モジュールの具体的な構成例で蓋が空いた状態を示すブロック図である。
図5】第1の実施形態の電子モジュールの具体的な構成の変形例を示すブロック図である。
図6】第2の実施形態の電子モジュールの構成を示すブロック図である。
図7】第2の実施形態の電子モジュールの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がされているが、発明の範囲を以下に限定するものではない。なお各図面の同様の構成要素には同じ番号を付し、説明を省略する場合がある。
【0014】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の電子モジュール1000を示すブロック図である。また、図2は、第1の実施形態の電子モジュール1000の蓋210が空いた状態を示すブロック図である。電子モジュール1000は、電子回路100と、筐体200と、専用コネクタ300と、汎用コネクタ400と、スイッチ500とを有している。
【0015】
電子回路100は電力の供給を受けて所定の機能を果たすものである。筐体200に収容されるものであれば、その機能、形状は限定されない。
【0016】
電子回路100を収容する筐体200は、電子回路100を収容する。筐体200は、箱状であり、開閉可能な蓋210を有する。
【0017】
専用コネクタ300は、電子回路100に電力を供給するために筐体200に取り付けられている。専用コネクタ300は、特殊用途の規格に準拠している。専用コネクタ300は、第1の電源600に接続することができる。ここで、特殊用途の規格とは、一般的な用途のJIS_C_8303やIEC-60320などの規格とは異なる規格である。特殊用途の規格は、例えば、航空機や防衛車両等の用途の電気装置で用いられるARINC600の規格である。なお、ARINC600規格のコネクタは複数の信号線と電源線とを同時に接続する仕様になっている。
【0018】
汎用コネクタ400は、電子回路100に電力を供給するために筐体200の内部に配置されている。汎用コネクタ400は、一般用途の規格に準拠している。汎用コネクタ400には、第1の電源600に接続することができる。あるいは、図2に例示するように、汎用コネクタ400は、第2の電源610(第1の電源600とは別の電源)と接続することができる。一般用途の規格の代表的なものには、例えば、JIS_C_8303やIEC-60320がある。
【0019】
スイッチ500は、筐体200に取り付けられている。図1の例では、スイッチ500は、筐体200の内部に設けられている。スイッチ500は、蓋210の開閉に連動する。すなわち、スイッチ500は、筐体200の蓋210が閉じている時には専用コネクタ300と電子回路100とを接続し、蓋210が開いている時には汎用コネクタ400と電子回路100とを接続するように動作する。図1に記載した構成では、蓋210が閉じているため、スイッチ500は、専用コネクタ300と電子回路100とを接続している。
【0020】
図1では、蓋210が閉じられている電子モジュール1000の状態を示している。スイッチ500の接続端子は、付勢部材(不図示。例えば、ばねなど)により、蓋210が開く方向に付勢されている。蓋210が閉じられている状態では、スイッチ500の接続端子は上記の付勢に逆らって蓋210に押され、専用コネクタ300と電子回路100とを接続している。ここで、スイッチ500の接続端子とは、図1にて、専用コネクタ300に接続されているリード線の先端の端子に接続されている部分である。これにより、スイッチ500の接続端子が専用コネクタ300に接続され、専用コネクタ300と電子回路100とがスイッチ500により接続されている。このとき、図1を参照して、専用コネクタ300は第1の電源600に接続されているので、第1の電源600の電力が専用コネクタ300およびスイッチ500を介して電子回路100に供給される。
【0021】
図2は、蓋210が開かれている電子モジュール1000の状態を示している。蓋210が開かれることによって、スイッチ500の接続端子が付勢部材に押され、汎用コネクタ400と電子回路100とを接続する方向に移動される。これにより、スイッチ500の接続端子が汎用コネクタ400に接続され、汎用コネクタ400と電子回路100とがスイッチ500により接続される。このとき、図2を参照して、汎用コネクタ400は第2の電源610に接続されているので、第2の電源610の電力が汎用コネクタ400およびスイッチ500を介して電子回路100に供給される。
【0022】
このように、図1および図2では、付勢部材を用いて蓋210の開閉を行い、専用コネクタ300および汎用コネクタ400の電子回路100との接続を切り替えるタイプのスイッチを例示している。しかしながら、スイッチのタイプはこれに限られない。例えば、電子回路100の周辺の照度を検出し、蓋210が閉じて照度が低い時に専用コネクタ300と電子回路100とを接続し、蓋210が開いて照度が高い時に汎用コネクタ400と電子回路100とを接続するものでも良い。また、例えば、蓋210との距離を検出して蓋210の開閉と連動するものであっても良い。
【0023】
図1の状態から蓋210が開くと、スイッチ500の接続が、電子回路100と専用コネクタ300とを接続するルートから、電子回路100と汎用コネクタ400とを接続するルートに切り替わる。図2は、電子モジュール1000で、蓋210が開いて、スイッチの500によって電子回路100と汎用コネクタ400とが接続している状態を示すブロック図である。汎用コネクタ400は、第2の電源610に接続することができる。
【0024】
以上に説明した構成とすることにより、筐体200の蓋210が閉じている状態、すなわち、電子モジュール1000の稼働時の状態では、電子回路100は専用コネクタ300と接続し、専用コネクタ300を介して第1の電源600の電力の供給を受ける。一方、蓋210が開いている状態、すなわち、電子回路100の保守を行う状態では、電子回路100は汎用コネクタ400と接続し、汎用コネクタ400を介して第2の電源610の電力の供給を受ける。このため、電子モジュール1000の蓋210を開いて電子回路100の検査や動作確認等の保守を行う際に、電源(例えば、第1の電源600や第2の電源610)と電子モジュール1000とを接続するための専用コネクタ300を準備することが不要になる。そして、安価で入手しやすい一般用途の規格の汎用コネクタ400を用いて電子回路100に第2の電源610の電力を供給し、電子モジュール1000の電子回路100の検査や動作確認等の保守を行うことができる。なお、上述のように、汎用コネクタ400には、第1の電源600に接続することができる。このため、図2において、第2の電源610に代えて、第1の電源600を設けることができる。この場合、電子モジュール1000の蓋210を開いて電子回路100の保守を行う際には、第1の電源600の電力が汎用コネクタ400を介して電子回路100に供給される。
【0025】
次に、電子モジュール1000の具体的な構成例について説明する。図3は、第1の実施形態の電子モジュールの具体的な構成例を示すブロック図である。また図4は、第1の実施形態の電子モジュールの具体的な構成例で蓋が空いた状態を示すブロック図である。
【0026】
図3に示すように、筐体200は、蓋210を有し、蓋210は、ねじ220によってねじ止めされている。なお、蓋210の固定は、ねじ止めに限られるものではなく、例えば係止機構を用いたものであっても良い。
【0027】
専用コネクタ300は、電源線110(スイッチまでの配線)と電子回路100の信号線120に接続されている。専用コネクタ300は、例えば、ARINC600の規格に準拠するコネクタである。汎用コネクタ400は、例えば、JIS_C_8303やIEC-6032に準拠するコネクタである。専用コネクタ300は、電源側専用コネクタ310に接続することができる。
【0028】
スイッチ500の固定端は電子回路100の電源線111に接続し、可動端は専用コネクタ300側と汎用コネクタ400側とを切り替えるようになっている。図3では、蓋210が閉じているため、スイッチ500は、電子回路100の電源線111と専用コネクタ300とを接続している。この状態では、専用コネクタ300を電源に接続し電子回路100を稼働させることができる。
【0029】
図4は、電子モジュール1000の蓋が空いた状態を示すブロック図である。筐体200の端部には、ねじ220を螺合するためのねじ穴230が設けられている。図4の構成では、蓋210が開いているため、スイッチ500は、電子回路100の電源線111と汎用コネクタ400とを接続している。汎用コネクタ400には、電源側汎用コネクタ410を接続する。この接続により、電子回路100は、第2の電源610から、電力の供給を受ける。こうして、汎用コネクタ400を用いて電子回路100に電力を供給し、検査等の保守を行うことができる。
【0030】
図5は、第1の実施形態の電子モジュールの具体的な構成の変形例1001を示すブロック図である。電子モジュール1001は、電子モジュール1000の構成に加えて、スイッチ500と汎用コネクタ400との間に、電圧変換器700を備えている。電圧変換器700は、汎用コネクタ400に接続する第2の電源610から供給された電力の電圧を、電子回路100に適合する電圧に変換する。電圧変換器700の作用により、電子回路100の動作電圧が商用電源の電圧(例えばAC100VやAC200V)と異なっていても、電子回路100を動作させることができる。これにより、ユーザは、電子モジュール1001および電子回路100の保守を行うことができる。
【0031】
以上、第1の実施形態の電子モジュールについて説明した。
【0032】
本発明の第1の実施形態における電子モジュール1000は、特殊用途の規格の電気装置に取り付けられる電子モジュールである。電子モジュール1000は、電子回路100と、筐体200と、専用コネクタ300と、汎用コネクタ400と、スイッチ500とを有している。筐体200は、開閉が可能な蓋210を備え、電子回路100を収容する。専用コネクタ300は、特殊用途の規格に準拠し、電子回路100に電力を供給するために筐体200に取り付けられたコネクタである。汎用コネクタ400は、電子回路100に電力を供給するために筐体200の内部に配置され、一般用途の規格に準拠するコネクタである。スイッチ500は、蓋210の開閉に連動する。スイッチ500は、蓋210が閉じている時には専用コネクタ300と電子回路100とを接続し、蓋210が開いている時には汎用コネクタ400と電子回路100とを接続する。この構成では、蓋210が開いている時には汎用コネクタ400と電子回路100とを接続するので、蓋210が開いている時には汎用コネクタ400を介して電子回路100に電力が供給される。このため、保守の際に、汎用コネクタ400を介して電子回路100に電力を供給することができる。専用コネクタ300に適合する特殊なコネクタを数多く用意するのは困難であるが、汎用コネクタ400に適合するコネクタを数多く用意することは容易である。このため、電子回路100の保守の準備を容易に行うことができる。
【0033】
上記の専用コネクタ300は、電子回路100と第1の電源600との間で、電源の電力の伝送と同時に信号の伝送を中継する機能を有するものであっても良い。
【0034】
この専用コネクタ300は、例えば、ARINC600に準拠するコネクタとすることができる。ARINC600に準拠するコネクタを用いると、航空機や防衛車両などに必要な堅牢な接続を行うことができる。
【0035】
上記の汎用コネクタ400には、JIS_C_8303またはIEC-6032に準拠するコネクタとすることができる。これらの規格に準拠するコネクタは安価で入手が容易である。このため保守の準備を容易に行うことができる。
【0036】
電子モジュール1000のスイッチ500は、蓋210に物理的に押されることによって接続の切り替えを行うものとすることができる。このスイッチ500によれば、蓋210の開閉に連動するスイッチ500を容易に構成することができる。
【0037】
また、電子モジュール1000のスイッチ500は、前記蓋の開閉における照度の差に基づいて接続の切り替えを行うものとすることができる。このスイッチ500によっても、蓋210の開閉に連動するスイッチ500を容易に構成することができる。
【0038】
また、電子モジュール1000のスイッチ500は、前記蓋の開閉における前記蓋との距離の差に基づいて接続の切り替えを行うものとすることができる。このスイッチ500によっても、蓋210の開閉に連動するスイッチ500を容易に構成することができる。
【0039】
また、本発明の第1の実施形態における電子モジュール1000の制御方法は、電子回路100と、筐体200と、専用コネクタ300と、汎用コネクタ400と、スイッチ500とを有する電子モジュールを制御する。電子モジュール1000は、特殊用途の規格の電気装置に取り付けられる電子モジュールである。この電子モジュール1000では、筐体200は、開閉が可能な蓋210を備え、電子回路100を収容する。専用コネクタ300は、特殊用途の規格に準拠し、電子回路100に電力を供給するために筐体200に取り付けられたコネクタである。汎用コネクタ400は、電子回路100に電力を供給するために筐体200の内部に配置され、一般用途の規格に準拠するコネクタである。スイッチ500は、蓋210の開閉に連動する。そして電子モジュール1000の制御方法では、スイッチ500を、蓋210が閉じている時には専用コネクタ300と電子回路100とが接続し、蓋210が開いている時には汎用コネクタ400と電子回路100とが接続するように制御する。このような制御とすることにより、上記電子モジュール1000で示した効果と同様に、汎用コネクタ400に適合する入手が容易なコネクタを用いて保守を行うことができる。このため、電子回路100の保守の準備を容易に行うことができる。
【0040】
電子モジュールの制御方法の対象となる電子モジュール1000においては、専用コネクタ300が、電子回路100と第1の電源600との間で、電力の伝送と信号の伝送とを中継する機能を有するコネクタであっても良い。
【0041】
この専用コネクタ300は、例えば、ARINC600に準拠するコネクタとすることができる。ARINC600に準拠するコネクタを用いると、航空機や防衛車両などに必要な堅牢な接続を行うことができる。
【0042】
また電子モジュール1000の制御方法では、スイッチ500が、蓋210に物理的に押されることによって接続の切り替えを行うものであっても良い。
【0043】
(第2の実施形態)
図6は、第2の実施形態の電子モジュール10の構成を示すブロック図である。また、図7は、第2の実施形態の電子モジュール10の動作を示すフローチャートである。第1の実施形態の電子モジュール1000は、電子モジュール10の一例である。
【0044】
電子モジュール10は、電子回路1と、筐体2と、専用コネクタ3と、汎用コネクタ4と、スイッチ5とを有している。電子モジュール10は、特殊用途の規格の電気装置に取り付けられる電子モジュールである。電子回路1は、開閉が可能な蓋を備え筐体2に収容される。専用コネクタ3は、特殊用途の規格に準拠し、電子回路1に電力を供給するために筐体2に取り付けられたコネクタである。汎用コネクタ4は、電子回路1に電力を供給するために筐体2の内部に配置され、一般用途の規格に準拠するコネクタである。スイッチ5は、筐体2の蓋の開閉に連動する。そしてスイッチ5は、蓋が閉じている時には専用コネクタ3と電子回路1とを接続し、蓋が開いている時には汎用コネクタ4と電子回路1とを接続するように動作する。このような構成では、蓋が開いている時には汎用コネクタ4と電子回路1とを接続するので、蓋を開いて電子モジュール10の電子回路1の保守を行う際に、汎用コネクタ4を用いて電子回路1に電力を供給することができる。専用コネクタ3に適合する特殊なコネクタを数多く用意するのは困難であるが、汎用コネクタ4に適合するコネクタを数多く用意することは容易である。このため、電子回路1の保守の準備を容易に行うことができる。
【0045】
図7は、上記の電子モジュール10の動作を示すフローチャートである。電子モジュール10の動作では、スイッチ5の動作が筐体2の蓋の開閉に連動する(S1)。ここで、蓋が閉じている場合には(S2_Yes)、電子回路1と専用コネクタ3が接続する(S3)。一方、蓋が開いている場合には(S2_No)、電子回路1と汎用コネクタ4が接続する(S4)。
【0046】
上記の、本発明の第2の実施形態における電子モジュール10の制御方法は、電子回路1と、筐体2と、専用コネクタ3と、汎用コネクタ4と、スイッチ5とを有する電子モジュールを制御する。この電子モジュール10では、筐体2は、開閉が可能な蓋を備え、電子回路1を収容する。専用コネクタ3は、特殊用途の規格に準拠し、電子回路1に電力を供給するために筐体2に取り付けられたコネクタである。汎用コネクタ4は、電子回路1に電力を供給するために筐体2の内部に配置され、一般用途の規格に準拠するコネクタである。スイッチ5は、蓋の開閉に連動する。そして電子モジュール10の制御方法では、スイッチ5を、蓋が閉じている時には専用コネクタ3と電子回路1とが接続し、蓋が開いている時には汎用コネクタ4と電子回路1とが接続するように制御する。このような制御とすることにより、上記電子モジュール10で示した効果と同様に、汎用コネクタ4に適合する入手が容易なコネクタを用いて保守を行うことができる。このため、電子回路1の保守の準備を容易に行うことができる。
【0047】
以上、上述した実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は、上記実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
【符号の説明】
【0048】
1、100 電子回路
2、200 筐体
3、300 専用コネクタ
4、400 汎用コネクタ
5、500 スイッチ
10、1000、1001 電子モジュール
110、111 電源線
120 信号線
210 蓋
220 ねじ
230 ねじ穴
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7