(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171602
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】血液サンプルを取得するための装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/151 20060101AFI20231124BHJP
【FI】
A61B5/151 200
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023176633
(22)【出願日】2023-10-12
(62)【分割の表示】P 2022109845の分割
【原出願日】2017-08-23
(31)【優先権主張番号】62/378,971
(32)【優先日】2016-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミラン イヴォセビッチ
(72)【発明者】
【氏名】ジャヨン キム
(72)【発明者】
【氏名】キショア ケー.ボッカ スリニヴァサ ラオ
(72)【発明者】
【氏名】ミシェル ブルウィラー
(57)【要約】
【課題】制御された方法で、指をランセット切開し圧搾し、サンプルを収集し、サンプルを安定させ、続いてサンプルを分配する能力を有する装置を提供する。
【解決手段】血液サンプルを取得するための装置であって、前記装置が、サンプル源を受容するためのホルダであって、前記ホルダが、第1の開口部を画定する指受容部分と、作動部分と、第2の開口部を画定するポートと、停止部分を提供する指ガードとを有する、ホルダを含み、前記作動部分が、前記ホルダ(12)が第1の楕円を画定する第1の位置と前記ホルダが第2の楕円を画定する第2の位置との間で移行可能であり、前記第2の楕円は前記第1の楕円とは異なる、装置である。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液サンプルを取得するための装置であって、前記装置が、
サンプル源を受容するためのホルダであって、前記ホルダが、第1の開口部を画定する指受容部分と、作動部分と、第2の開口部を画定するポートと、停止部分を提供する指ガードとを有する、ホルダを含み、
前記作動部分が、前記ホルダ(12)が第1の楕円を画定する第1の位置と前記ホルダが第2の楕円を画定する第2の位置との間で移行可能であり、前記第2の楕円は前記第1の楕円とは異なる、装置。
【請求項2】
前記作動部分が接触部材を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記作動部分が、前記接触部材が係合解除位置にある前記第1の位置と前記接触部材が係合位置にある前記第2の位置との間で移行可能である、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記接触部材が前記係合位置にある状態で、前記接触部材が前記サンプル源に圧力を加える、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記作動部分が、前記サンプル源に圧力を加えるための圧送部材を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記圧送部材が一対の対向するタブを含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記サンプル源が指である、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記指が前記ホルダ内に受容された状態で、前記ポートが前記指の一部と連通している、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記ホルダが安定延長部分を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記ポートに取り外し可能に接続可能なランセットハウジングであって、前記ランセットハウジングが入口と内部分とを有する、ランセットハウジングと、
穿刺要素が前記内部分に保持される作動前位置と、前記穿刺要素の少なくとも一部が前記入口を通って延在する穿刺位置との間で移動可能である穿刺要素と、
前記ランセットハウジングの一部に取り外し可能に接続可能な容器であって、前記容器が収集キャビティを画定している、容器と、
を更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記ポートが、前記ランセットハウジングおよび前記収集容器を前記ポート内にしっかりと受容するためのロック部分を含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記ホルダ、前記ランセットハウジング、および前記収容容器が一体化されて単一のコンポーネントになっている、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
ホルダが、ユーザーが第1の位置と第2の位置との間で一対の対向するタブを圧搾することを可能にするように構成された一体ヒンジ部分を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項14】
前記ホルダが、板ばね、二重板ばね、又は三重板ばねを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記指受容部分が、可撓性材料で形成されている、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、「指ベースの毛細管血液収集装置」と題された、2016年8月24日に出願された米国仮出願第62/378,971号の優先権を主張し、その全開示内容が参照により本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
1.開示の分野
本開示は、概して、生物学的サンプルを取得するための装置に関する。より具体的には、本開示は、制御された方法で、指をランセット切開(lance)して圧搾し、血液サンプルを収集し、安定化して、分配する能力を有する、一体型指ベースの毛細管血液収集装置に関する。
【0003】
2.関連技術の説明
血液サンプルなどの生物学的サンプルを取得および収集するための装置は、医療業界で一般的に使用されている。医療業界で一般的に行われている1つのタイプの血液収集は毛細管血液収集であり、これは検査のための血液サンプルを収集するためにしばしば行われている。糖尿病などのある種の疾患は、例えば患者の血糖値を監視するために、患者の血液を定期的に検査することを必要とする。さらに、コレステロール検査キットなどの検査キットは、分析のために血液サンプルをしばしば必要とする。血液収集手順は通常、血液サンプルを取得するために指または他の適切な身体部分を刺すことを伴う。典型的には、そのような検査に必要とされる血液の量は比較的少なく、小さな穿刺創傷または切開が通常はこれらの検査に十分な量の血液を提供する。患者の皮膚を穿刺して患者から毛細管血液サンプルを取得するのに使用される様々な種類のランセット(lancet)装置が開発されてきた。
【0004】
多くの異なる種類のランセット装置が、病院、診療所、医院などや、個々の消費者にも市販されている。そのような装置は、通常、針のような鋭く尖った部材、または刃のような鋭い縁の部材を含み、これらは、血液の少量の流出を提供するために患者の皮膚に迅速な穿刺創傷または切開を行うために使用される。手持ちの針や刃で自分の指を刺すのは、多くの人にとって生理的にも心理的にも困難である。結果として、ランセット装置は、トリガー機構の作動時に患者の皮膚を穿刺または切断する自動装置へと進化してきた。いくつかの装置では、針または刃は、それが患者、または患者自身から血液を引き出すことを担当する医療専門家であり得るユーザーによって引き起こされるまで、待機位置に保たれる。引き金を引くと、針または刃は、例えば指の上で患者の皮膚を穿刺または切開する。多くの場合、患者の皮膚を穿刺または切断するのに必要な「自動の」力を提供するために、ばねが装置に組み込まれている。
【0005】
穿刺要素または切断要素の装置からの自動排出および装置内への引き込みを特徴とする1つのタイプの接触作動式ランセット装置は、本出願の譲受人であるBecton、Dickinson and Companyによって所有されている米国特許第9,380,975号(特許文献1)である。このランセット装置は、ハウジングと、穿刺要素を有するランセット構造とを含む。ランセット構造は、ハウジング内に配置され、穿刺要素がハウジング内に保持される保持または事前作動位置と、穿刺要素がハウジングの前端を通って延在する穿刺位置との間の移動に適合されている。ランセット装置は、ランセット構造を穿刺位置に向かって付勢するためにハウジング内に配置された駆動ばねと、駆動ばねの付勢に抗してランセット構造を後退位置に保持する保持ハブとを含む。保持ハブは、ランセット構造と干渉係合する旋回レバーを含む。ハウジング内のアクチュエータがレバーを旋回させ、それによって駆動ばねを少なくとも部分的に圧縮するようにランセット構造をハウジングの後方端部に向かって移動させ、ランセット構造との干渉係合からレバーを解放する。受容された血液サンプルは、次いで収集されおよび/または検査される。この検査は、ポイントオブケア(POC)検査装置によって行うことができるか、または収集して検査施設に移送することができる。
【0006】
現在、毛細管血液収集ワークフローは、高度な技術レベルを必要とする複雑な多段階プロセスである。このプロセスの多段階の性質は、溶血、不十分なサンプル安定化、およびマイクロクロットなどのサンプル品質の問題を引き起こす可能性があるいくつかの変動性を持ち込む。血液サンプルを収集するためのランセット装置の使用は、検査中にランセットを保持すること、穿刺部位から十分な血液流を収集すること、血液を適切に収集すること、凝固を防ぐことなどを含むがこれらに限定されない、毛細管血液サンプルの収集に影響を及ぼすいくつかの変動性を持ち込む。プロセスの変動性の最も一般的な原因のいくつかは、(1)不適切なランセット切開部位の洗浄および最初の液滴の除去により、汚染されたサンプルが生じる可能性がある、(2)不充分なランセット切開位置および深さが、潜在的に不十分なサンプル容量および大きな割合の間質液をもたらし得る、(3)調和しない圧搾技術およびランセット切開部位付近の過剰な圧力が血液抽出(例えば、血液搾乳)を促進することが、溶血サンプルを潜在的に生じさせ得る、(4)可変移送インターフェースおよび収集技術が、溶血または汚染されたサンプルを潜在的にもたらす可能性がある、および(5)抗凝血剤とのサンプル混合が不十分であり、それが潜在的に微小凝血塊を生じ得る。
【0007】
したがって、当該技術分野では、制御された方法で、指をランセット切開し圧搾し、サンプルを収集し、サンプルを安定させ、続いてサンプルを分配する能力を有する装置が必要とされている。当該技術分野において、溶血および微小凝血塊を含む低いサンプル品質に典型的に関連するワークフローの変動性を排除することによって、毛細管血液収集を単純化および合理化する装置もまた必要とされている。当該技術分野では、血液曝露および装置の再使用を排除する、閉鎖系の収集および移送のためのさらなる必要性がある。当該技術分野においては、(1)異なる毛細管血液収集及び移送の容器の収容に柔軟性を導入する、(2)高品質で均一に混合/安定化された毛細管血液サンプルを生成する能力を有する、(3)毛細管血漿サンプルから装置内血漿を発生させる能力を有する、(4)痛みを軽減しながら大量の毛細管血液サンプル(>50~500μL)を収集する能力を有する、(5)収集時に患者情報と対になっている固有のサンプル識別子を含む、(6)毛細管血液を収集して装置内診断を実行する能力を有する、および(7)同じまたは異なる抗凝固剤を有する異なる容器に血液サンプルを収集するための複数の収集ポートを有する、装置に対する更なる必要性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第9,380,975号
【特許文献2】米国特許出願公開第2006/0052809号
【発明の概要】
【0009】
発明の要約
本開示は、上述の必要性を満たし、かつ、制御された方法で、指をランセット切開し圧搾し、サンプルを収集し、サンプルを安定化し、続いてサンプルを分配する能力を有する毛細管血液収集装置のような、生物学的サンプルを収集する装置に向けられている。この装置はまた、溶血および微小凝血塊を含む低いサンプル品質に典型的に関連する作業フローの変動性を排除することにより、毛細管血液収集を単純化および合理化する。
【0010】
本開示は、例えば最大500マイクロリットルまでまたはそれを超える大容量の毛細管血液サンプルをランセット切開、収集および安定化する能力を有する、内蔵型かつ完全に一体型の指ベースの毛細管血液収集装置を含む。この装置は、溶血、微小凝血塊、および患者の不快感を含む低いサンプル品質に典型的に関連するワークフローステップおよび変動性を排除することによって、大量の毛細管血液収集を単純化および合理化する。この装置は、指をランセット切開することができる引き込み式のランセット切開機構と、穿刺された指の部位から収集容器への毛細管血液の付着および移動を確実にする関連する血液流経路とを含む。この装置はまた、指から出る血液流を刺激する、すなわち圧送するように周期的に圧搾することができるホルダと、また流れの経路または収集容器に沈着した収集されたサンプルを安定化させるための抗凝固剤と含む。
【0011】
一設計によれば、装置は、ホルダ、ランセット、および収集容器などの個別の構成要素を含むことができる。別の設計によれば、ランセットおよび収集容器は、次いでホルダと共に使用される1つの装置に一体化され得る。さらに別の設計によれば、ホルダ、ランセット、および収集容器は単一のシステムに一体化され得る。これらの設計のいずれも、自立型使い捨て装置として、および/または疼痛軽減制御のための外部電源と関連づけられて、使用されることが想定されている。毛細管血液収集装置は、小管から毛細管分配器に及ぶ様々な毛細管血液収集容器、ならびに装置内血漿分離モジュールのためのプラットフォームとして機能することができる。この機能により、ポイントオブケア(POC)カートリッジへの分配や、遠心分離機や分析機器で使用できる小型の収集管への移送など、さまざまな用途に製品の柔軟性が広がる。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、血液サンプルを取得するための装置は、サンプル源を受容するためのホルダを含み、ホルダは作動部分とポートとを有し、ポート内に固定されたランセットハウジングを含み、ランセットハウジングは入口と内部とを有し、穿刺要素が内部に保持される作動前位置と、穿刺要素の少なくとも一部が入口を通って延在する穿刺位置との間で移動可能な穿刺要素を含みランセットハウジングの一部に取り外し可能に接続可能な容器を含み、容器は収集キャビティを画定する。
【0013】
一構成では、作動部分は、ホルダが第1の楕円などの第1の直径を画定する第1の位置と、ホルダが第2の楕円などの第2の直径を画定する第2の位置との間で移行可能であり、第2の直径は第1の直径より小さく、第1の楕円は第2の楕円とは異なる。別の構成では、作動部分は接触部材を含む。さらに別の構成では、作動部分は、接触部材が係合解除位置にある第1の位置と、接触部材が係合位置にある第2の位置との間で移行可能である。一構成では、接触部材が係合位置にあるとき、接触部材はサンプル源に圧力を加える。別の構成では、作動部分は、サンプル源に圧力を加えるための圧送部材を含む。さらに別の構成では、圧送部材は一対の対向するタブを含む。一構成では、サンプル源は指である。別の構成では、指がホルダ内に受容された状態で、ポートは指の一部と連通している。さらに別の構成では、穿刺要素は中空針を含む。一構成では、容器がランセットハウジングに接続された状態で、ポートの長手方向軸、ランセットハウジング、および容器が整列している。別の構成では、ランセットハウジングは出口を含む。さらに別の構成では、容器がランセットハウジングに接続された状態で、ランセットハウジングの出口は容器の収集キャビティと流体連通している。一構成では、指がホルダ内に受容されかつ穿刺要素が穿刺位置にある状態で、穿刺要素が指をランセット切開して血液サンプルを引き込む。別の構成では、血液サンプルは中空針を通って収集キャビティへの出口に流れる。さらに別の構成では、容器がランセットハウジングに接続された状態で、ランセットハウジングの長手方向軸は容器の長手方向軸に対して角度をなしている。一構成では、装置は毛細管を含む。別の構成では、容器がランセットハウジングに接続された状態で、毛細管はランセットハウジングの入口および容器の収集キャビティと流体連通している。さらに別の構成では、指がホルダ内に受容されかつ穿刺要素が穿刺位置にある状態で、穿刺要素が指をランセット切開して血液サンプルを引き込む。一構成では、血液サンプルは、毛細管束管を通って収集キャビティに流れる。
【0014】
本発明の別の実施形態によれば、血液サンプルを取得するための装置は、サンプル源を受容するためのホルダを含み、ホルダは作動部分とポートとを有し、作動部分は、ホルダが第1の楕円などの第1の直径を画定する第1の位置と、ホルダが第2の楕円などの第2の直径を画定する第2の位置との間で移動可能であり、第2の直径は第1の直径より小さく、第1の楕円は第2の楕円と異なる。
【0015】
一構成では、作動部分は接触部材を含む。別の構成では、作動部分は、接触部材が係合解除位置にある第1の位置と接触部材が係合位置にある第2の位置との間で移行可能である。さらに別の構成では、接触部材が係合位置にあるとき、接触部材はサンプル源に圧力を加える。一構成では、作動部分は、サンプル源に圧力を加えるための圧送部材を含む。別の構成では、圧送部材は一対の対向するタブを含む。さらに別の構成では、サンプル源は指である。一構成では、指がホルダ内に受容された状態で、ポートは指の一部と連通している。別の構成では、ホルダは安定延長部分を含む。さらに別の構成では、装置は、ポートに取り外し可能に接続可能なランセットハウジングを含み、ランセットハウジングは入口と内部とを有し、穿刺要素が内部に保持される作動前位置と、穿刺要素の少なくとも一部が入口を通って延在する穿刺位置との間で移動可能な穿刺要素を含む。一構成において、装置は、ポートに取り外し可能に接続可能な容器を含み、容器は収集キャビティを画定する。別の構成では、装置は、ポートに取り外し可能に接続可能なランセットハウジングを含み、ランセットハウジングは入口と内部とを有し、穿刺要素が内部に保持される作動前位置と、穿刺要素の少なくとも一部が入口を通って延在する穿刺位置との間で移動可能な穿刺要素を含み、ランセットハウジングの一部に取り外し可能に接続可能な容器を含み、容器は収集キャビティを画定する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本開示の上記および他の特徴および利点、ならびにそれらを達成する方法は、添付の図面と併せて本開示の実施形態の以下の説明を参照することによってより明らかになり、本開示自体はよりよく理解されるであろう。ここで、
【0017】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態によるホルダの斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態による、第1の位置にあるホルダの斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態による、第2の位置にあるホルダの斜視図である。
【
図4A】
図4Aは、本発明の別の実施形態によるホルダの斜視図である。
【
図4B】
図4Bは、本発明の別の実施形態によるホルダの斜視図である。
【
図5】
図5は、本発明の別の実施形態によるホルダの斜視図である。
【
図6A】
図6Aは、本発明の別の実施形態によるホルダの斜視図である。
【
図6B】
図6Bは、本発明の別の実施形態によるホルダの斜視図である。
【
図7A】
図7Aは、本発明の別の実施形態によるホルダの斜視図である。
【
図7B】
図7Bは、本発明の別の実施形態によるホルダの斜視図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態による、血液サンプルを取得するための個別の構成要素を有する装置の分解斜視図である。
【
図9】
図9は、本発明の一実施形態による、ポート内に固定されたランセットハウジングを有するホルダの斜視図である。
【
図10】
図10は、本発明の一実施形態による、ポート内に固定された容器を有するホルダの斜視図である。
【
図11】
図11は、本発明の別の実施形態による、角度を有する流れで血液サンプルを取得するための半一体型装置の斜視図である。
【
図12】
図12は、本発明の別の実施形態による、ポート内に固定されたランセットハウジングおよび容器を有するホルダの斜視図である。
【
図14】
図14は、本発明の別の実施形態による、一直線の流れで血液サンプルを取得するための半一体型装置の斜視図である。
【
図15】
図15は、本発明の別の実施形態による、ランセットハウジングと容器がポート内に固定されたホルダの斜視図である。
【
図17】
図17は、本発明の別の実施形態による、角度を有する流れで血液サンプルを取得するための一体型装置の斜視図である。
【
図19】
図19は、本発明の別の実施形態による、血液流経路を示す
図17の装置の断面図である。
【
図20】
図20は、本発明の別の実施形態による、一直線の流れで血液サンプルを取得するための一体型装置の斜視図である。
【
図22】
図22は、本発明の別の実施形態による、血液流経路を示す
図20の装置の断面図である。
【
図23】
図23は、本発明の一実施形態による、本開示の一体型装置を使用する第1のステップの斜視図である。
【
図24】
図24は、本発明の一実施形態による、本開示の一体型装置を使用する第2のステップの斜視図である。
【
図25】
図25は、本発明の一実施形態による本開示の一体型装置を使用する第3のステップの斜視図である。
【
図26】
図26は、本発明の一実施形態による、本開示の一体型装置を使用する第4のステップの斜視図である。
【
図27】
図27は、本発明の別の実施形態による、本開示の個別部品を有する装置を使用する第1のステップの斜視図である。
【
図28】
図28は、本発明の他の実施形態による、本開示の個別部品を有する装置を使用する第2のステップの斜視図である。
【
図29】
図29は、本発明の他の実施形態による、本開示の個別部品を有する装置を使用する第3のステップの斜視図である。
【
図30】
図30は、本発明の他の実施形態による、本開示の個別部品を有する装置を使用する第4のステップの斜視図である。
【
図31】
図31は、本発明の他の実施形態による、本開示の個別部品を有する装置を使用する第5のステップの斜視図である。
【0018】
対応する参照文字は、いくつかの図を通して対応する部分を示す。ここで説明されている例示は、本開示の例示的な実施形態を示すものであり、そのような例示はいかなる方法によっても本開示の範囲を限定するものとして決して解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の説明は、当業者が本発明の実施のために企図された記載された実施形態を製造および使用することを可能にするために提供される。しかしながら、様々な修正、等価物、変形、および代替が、当業者には容易に明らかになるだろう。そのような修正、変形、等価物、および代替のありとあらゆるものは、本発明の思想と範囲内に収まることが意図されている。
【0020】
以下の説明の目的のために、用語「上方」、「下方」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「上部」、「下部」、「横」、「縦」、およびその派生語は、それが図面で配向されている発明に関連するものとする。しかし、本発明は、そうではないと明示的に指定されている場合を除き、代替の変形形態およびステップの流れを想定し得ることを理解されたい。添付の図面に示され、以下の明細書に記載される特定の装置および工程は、本発明の単なる例示的な実施形態であることもまた理解されるべきである。したがって、本明細書に開示されている実施形態に関連する特定の寸法および他の物理的特性は、限定的であるとみなされるべきではない。
【0021】
本開示は、毛細管血液収集装置のような、生物学的サンプルを収集するための装置に関し、これは上述の必要性を満たし、かつ、制御された方法で、指をランセット切開して圧搾し、サンプルを取得し、サンプルを安定させ、続いてサンプルを分配する能力を有する。この装置はまた、溶血および微小凝血塊を含む低いサンプル品質に典型的に関連する作業フローの変動性を排除することによって、毛細管血液収集を単純化および合理化する。
【0022】
本開示は、例えば最大500マイクロリットルまでまたはそれを超える大容量の毛細管血液サンプルをランセット切開、収集および安定化する能力を有する、内蔵型かつ完全に一体化された指ベースの毛細管血液収集装置を含む。この装置は、溶血、微小凝血塊、および患者の不快感を含む低いサンプル品質に典型的に関連するワークフローステップおよび変動性を排除することによって、大量の毛細管血液収集を単純化および合理化する。この装置は、指をランセット切開することができる引き込み式の穿刺機構と、穿刺された指の部位から収集容器への毛細管血液の付着および移動を確実にする関連する血液流経路とを含む。この装置はまた、周期的に圧搾されて指から出る血液流を刺激すなわちポンプで流すことができるホルダと、また収集されたサンプルを安定化させるために流れの経路または収集容器に沈着する抗凝固剤を含む。
【0023】
一設計によれば、装置は、ホルダ、ランセット、および収集容器などの個別の構成要素を備えることができる。別の設計によれば、ランセットおよび収集容器は、1つの装置に一体化されることが可能であり、次いでホルダと共に使用される。さらに別の設計によれば、ホルダ、ランセット、および収集容器を単一のシステムに一体化することができる。これらの設計のいずれも、自立型使い捨て装置として、および/または疼痛軽減制御のための外部電源と関連して、使用されることが想定されている。毛細管血液収集装置は、小型の管から毛細管分配器に及ぶ様々な毛細管血液収集容器、ならびに装置内血漿分離モジュールのためのプラットフォームとして機能することができる。この機能により、ポイントオブケア(POC)カートリッジへの分配や、遠心分離機や分析機器で使用できる小型の収集管への移送など、さまざまな用途に製品の柔軟性が広がる。
【0024】
図8~
図10を参照すると、例示的な実施形態では、本開示の装置10は、個別の構成要素、例えばホルダ12(
図1~
図7Bに示すように)、ランセットハウジングまたはランセット14、および収集容器16を含む。
【0025】
図11~13を参照すると、別の例示的な実施形態では、本開示の半一体型装置300は、角度を有する(at-angle)流れを有し、別個のホルダと接続することができる一体型ランセットハウジングおよび収集容器を含む。
図14~
図16を参照すると、別の例示的実施形態では、本開示の半一体型装置400が一直線の(in-line)流れを有し、別個のホルダと接続することができる一体型ランセットハウジングおよび収集容器を含む。
【0026】
図17~19を参照すると、別の例示的な実施形態では、本開示の一体型装置100は角度を有する流れを有し、一体型ホルダ、ランセットハウジング、および収集容器を含む。
図20~22を参照すると、別の例示的実施形態では、本開示の一体型装置200は一直線の流れを有し、一体型ホルダ、ランセットハウジング、および収集容器を含む。
【0027】
図8~10を参照すると、例示的な実施形態では、血液サンプル18を取得するための装置10は、別個の構成要素、例えばホルダ12、ランセットハウジングまたはランセット14、および収集容器16を含む。
図1~7Bは、本開示のホルダすなわち指ハウジング12の例示的実施形態を図示する。
【0028】
図1~7Bを参照すると、血液サンプル18などの生物学的サンプルを供給するためのサンプル源、例えば指19、を受容することができる本開示のホルダ12の例示的実施形態が示されている。本開示のホルダ12は、第1の開口部22(
図5)を有する指受容部分20と、作動部分24と、第2の開口部28を有するポート26と、指端部ガード30とを一般に含む。一実施形態では、指端部ガード30は、指19をホルダ12内に適切に位置合わせして固定するための停止部分を提供する。
【0029】
指受容部分20の第1の開口部22は、血液サンプル18などの生物学的サンプルを供給するためのサンプル源、例えば指19を受容するように構成されている。サンプル源が、第1の開口部22内に嵌合することができる本体の他の部分を含み得ることが理解され得る。ポート26は指受容部分20と連通している。例えば、指19がホルダ12内に受容された状態で、ポート26は指19の一部と連通している。本開示のホルダ12は、全ての指のサイズを収容するようにサイズ決定され得る。
【0030】
ポート26の第2の開口部28は、以下により詳細に説明されるように、ランセットハウジング14および収集容器16を受容するように構成されている。一実施形態では、ポート26は、ランセットハウジング14および収集容器16をポート26内にしっかりと受容するためのロック部分32を含む。
【0031】
一実施形態では、作動部分24は、ホルダ12が第1の直径を画定する第1の位置(
図2)と、ホルダ12が第2の直径を画定する第2の位置(
図3)との間で移行可能である。第2の直径は第1の直径より小さい。一実施形態では、作動部分24は、ホルダ12が第1の楕円を画定する第1の位置(
図2)と、ホルダ12が第2の楕円を画定する第2の位置(
図3)との間で移行可能であり、第1の楕円は第2の楕円とは異なる。このようにして、ホルダ12が小径の第2の位置にある状態で、ホルダ12の一部がサンプル源に接触し、ホルダ12の作動部分24が、以下により詳細に説明するように、血液18を圧送および/または抽出することができる。
【0032】
図2および
図3を参照すると、一実施形態では、作動部分24が接触部材34を含む。
図2を参照すると、作動部分24が第1の位置にあるとき、接触部材34は係合解除位置にあり、すなわち接触部材34はサンプル源、例えば指19に対して第1の位置に設けられていて、接触部材34がそことわずかに接触することができるようになっている。
図3を参照すると、作動部分24が第2の位置にあるとき、接触部材34は係合位置にあり、すなわち接触部材34はサンプル源、例えば指19に対して第2の位置に設けられていて、接触部材34が指19と加圧接触するように、およびホルダ12の作動部分24が血液18を圧送および/または抽出することができるようになっている。例えば、接触部材34が係合位置にあるとき、接触部材34はサンプル源に圧力を加える。
【0033】
図2および
図3を参照すると、一実施形態では、作動部分24は、サンプル源、例えば指19に圧力を加えるための圧送部材36を含む。一実施形態では、圧送部材36は、一対の対向するタブまたはウイング38を備える。そのような実施形態では、各タブ38は接触部材34を含み得る。
図1~3を参照すると、一実施形態では、ホルダ12は一体ヒンジ部分42を含む。一体ヒンジ部分42は、ユーザーが第1の位置(
図2)と第2の位置(
図3)との間でウイング38を圧搾することを可能にする。
【0034】
有利には、本開示のホルダ12は、所望量の血液18が収集容器16内に充填されるまで、ユーザーがウイング38を繰り返し圧迫および解放して指19から血液18を圧送および/または抽出することを可能にする。
【0035】
有利には、ホルダ12が指19の上に置かれた状態で、ホルダ12は血液流を収縮させずにランセット切開および指圧搾の位置を画定する。圧搾タブまたはウイング38は、指19全体に一貫して加えられる所定の範囲の圧搾圧力を提供する。そうすることによって、ホルダ12は、血液抽出を刺激していかなる潜在的な溶血も最小限にする、穏やかに制御された指のマッサージを提供する。
【0036】
図5を参照すると、一実施形態では、ホルダ12は安定延長部分40を含む。これは、ホルダ12が指19上にしっかりと配置されるための追加の支持を提供する。一実施形態では、指受容部分20は、全体としてC字形の部材を形成し、ホルダ12を指12上にしっかりと置かれるようにさらに把持して支持するための複数の内側把持部材を含む。
【0037】
一実施形態では、指受容部分20は可撓性材料で形成されている。いくつかの実施形態では、指受容部分20およびポート26は可撓性材料から形成されている。
【0038】
図4A~7Bは、本開示のホルダ12の他の例示的実施形態を示す。
図4A~4Bを参照すると、ホルダ12は板ばね44を含む。
図6A~6Bを参照すると、ホルダ12は二重板ばね46を含む。
図7A~7Bを参照すると、ホルダ12は三重板ばね48を含む。
【0039】
本開示の血液サンプル18を取得するための装置10は、ホルダ12のポート26に取り外し可能に接続可能なランセットハウジングまたはランセット14を含む。
図8、9、および13を参照すると、一実施形態では、ランセットハウジング14は、入口または開口部50、内部52、穿刺要素54、係合部分56、引き込み(retractable)機構58、および駆動ばね60を含む。一実施形態では、穿刺要素54は、穿刺要素54がランセットハウジング14の内部52内に保持される作動前位置と、穿刺要素54の少なくとも一部がランセットハウジング14の入口50を通って延在して指19の一部をランセット切開する穿刺位置との間で移動可能である。
【0040】
一実施形態では、本開示のランセット14は、接触作動式ランセットであり、「接触作動式ランセット装置」という名称で2005年5月6日に出願された米国特許出願公開第2006/0052809号(特許文献2)に開示された特徴に従って構成され得る。その全開示内容は参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0041】
図8~10を参照すると、一実施形態では、ランセットハウジング14は、ホルダ12および収集容器16とは別の構成要素であり得る。
図11~16を参照すると、いくつかの実施形態において、収集容器16およびランセットハウジング14は、ホルダ12のポート26に取り外し可能に接続可能な単一の構成要素を形成する。
図17~22を参照すると、いくつかの実施形態では、収集容器16、ランセットハウジング14、およびホルダ12は単一の構成要素を形成する。
【0042】
図8~10を参照すると、一実施形態では、ホルダ12とランセットハウジング14とが別々の構成要素であるとき、ランセットハウジング14はホルダ12のポート26に取り外し可能に接続可能である。そのような実施形態では、ランセットハウジング14は係合部分56を含む。
図9を参照すると、一実施形態では、ランセットハウジング14の係合部56がホルダ12のロック部分32内にロックされるように、ランセットハウジング14がホルダ12のポート26に押し込まれる。このようにして、ランセットハウジング14はホルダ12にしっかりと接続されかつロックされて、ランセットハウジング14の穿刺要素54が作動されてサンプル源、例えば指19をランセット切開または穿刺することができるようになっている。いくつかの実施形態では、ホルダ12のポート26は、ランセット14または収集容器16をポート26内に固定しかつロックするための複数のリブを含む。
【0043】
ランセット14を作動させるために、ランセット14が指19に押し付けられてランセット14の引き込み機構58を作動させて指19をランセット切開する。本開示のランセット14は、正確なランセット切開深さおよび所定のランセット切開位置を一貫してもたらし、これによって十分なサンプル体積を確実にする。
【0044】
一実施形態では、ランセット14は、穿刺要素54を穿刺位置に向けて付勢するためにランセットハウジング14の内部52内に配置された駆動ばね60を含む。穿刺後、穿刺要素54は直ちに引き込まれてランセットハウジング14の内部52内に安全に固定される。
【0045】
図8~10を参照すると、一実施形態では、本開示のランセット14が使用されて指19の皮膚をランセット切開し、その後、以下により詳細に説明するように、血液サンプル18が収集容器16内に押し込まれる。
【0046】
図19を参照すると、一実施形態では、本開示のランセットハウジング14は、ランス経路(lance path)に沿って指19の皮膚をランセット切開するために使用され、その後、血液サンプル18は、以下により詳細に説明されるように、ランス経路に対して角度を有する血液流経路を流下する。
【0047】
図21および
図22を参照すると、一実施形態では、ランセット14は中空針62を含む。そのような実施形態では、本開示のランセットハウジング14は、ランス経路に沿って指19の皮膚をランセット切開するために使用され、次いで、血液サンプル18は、いかにより詳細に記載されるように、中空針62を通る平行な血液流経路に沿って流れる。
【0048】
本開示の血液サンプル18を取得するための装置10は、ホルダ12のポート26に取り外し可能に接続可能な収集容器16を含む。収集容器16は、血液サンプル18を受容するための収集キャビティ70、容器係合部分72、血液収集部分74、およびキャップまたはセプタム76を画定する。所望量の血液18が容器16内に収集されると、収集されたサンプル18を診断機器および/または検査装置に移送するために、血液収集部分74が収集装置10から取り外される。血液収集部分74は、収集装置10から取り外されるとキャップまたはセプタム76を介してシールされて、血液サンプル18を収集キャビティ70内に保護可能にシールする。
【0049】
図8~10を参照すると、一実施形態では、収集容器16は、ホルダ12およびランセットハウジング14とは別の構成要素であり得る。
図11~16を参照すると、いくつかの実施形態において、収集容器16およびランセットハウジング14は、ホルダ12のポート26に取り外し可能に接続可能な単一の構成要素を形成する。
図17~22を参照すると、いくつかの実施形態では、収集容器16、ランセットハウジング14、およびホルダ12は単一の構成要素を形成する。
【0050】
図8~10を参照すると、一実施形態では、ホルダ12と収集容器16とが別々の構成要素であるとき、容器16はホルダ12のポート26に取り外し可能に接続可能である。そのような実施形態では、容器16は容器係合部分72を含む。
図10を参照すると、一実施形態では、容器16がホルダ12のポート26に押し込まれて、容器16の容器係合部分72がホルダ12のロック部分32内でロックされるようになっている。このようにして、容器16は、ホルダ12にしっかりと接続されかつロックされて、血液サンプル18がホルダ12内の指19から容器16の収集キャビティ70へ安全に流れることができるようになっている。
【0051】
いくつかの種類の収集容器16は、本開示の装置10と共に使用され得ることを理解されたい。また、収集容器16は別個の分配ユニットと関連付けられることができ、あるいは収集容器16が血液18を検査装置に分配するための一体型分配部分を含むことができることも理解されよう。
【0052】
次に
図8~10および
図27~31を参照して、個別の構成要素、例えばホルダ12、ランセットハウジングまたはランセット14、および収集容器16を有する本開示の装置10の使用について説明する。
【0053】
図27を参照すると、最初に所望の指19が洗浄され、所望の指19に適したサイズを有するホルダ12が選択されて指19上にしっかりと置かれる。次に、
図28を参照して、ランセットハウジング14がホルダ12のポート26に接続される。上述したように、ランセットハウジング14がホルダ12のポート26内に押し込まれて、ランセットハウジング14の係合部分56がホルダ12のロック部分32内でロックされるようになっている。このようにして、ランセットハウジング14は、ホルダ12にしっかりと接続されかつロックされて、ランセットハウジング14の穿刺要素54(
図13)が作動されてサンプル源、例えば指19をランセット切開または穿刺することができるようになっている。ランセット14がホルダ12のポート26に接続された状態で、ランセットは指19と連絡している。
【0054】
図28を参照すると、ランセット14を作動させて指19の皮膚をランセット切開することが望まれる場合、ランセット14が指19に対して押し付けられて、ランセット14の引き込み機構58(
図13)を作動させて指19をランセット切開する。本開示のランセット14は、正確なランセット切開深さおよび所定のランセット切開位置を一貫してもたらし、こうして十分なサンプル体積を確実にする。
【0055】
指19がランセット切開されて指19からの血液18(
図30)の流れを生成した後、ランセット14はホルダ12から取り外され、収集容器16がホルダ12のポート26に押し込まれる。
図29を参照すると、容器16がホルダ12のポート26に押し込まれて、容器16の容器係合部72がホルダ12のロック部分32内でロックされるようになっている。このようにして、容器16は、ホルダ12にしっかりと接続されかつロックされて、血液サンプル18がホルダ12内の指19から容器16の収集キャビティ70へ安全に流れることができるようになっている。
【0056】
図29および30を参照すると、血液サンプル18の収集のために容器16がホルダ12に適切に固定された状態で、ユーザーは、ホルダ12のウイング38を繰り返し圧搾および解放して、所望量の血液18が収集容器16内に充填されるまで、指19から血液18を圧送および/または抽出することができる。有利には、ホルダ12が指19の上に置かれた状態で、ホルダ12は、血液流を収縮させずに、ランセット切開および指圧搾の位置を画定する。圧搾タブまたはウイング38は、指19全体に一貫して加えられる所定の範囲の圧搾圧力を提供する。そうすることによって、ホルダ12は、血液抽出を刺激していかなる潜在的な溶血も最小限にする、穏やかに制御された指19マッサージを提供する。
【0057】
例えば、
図2および3を参照すると、一実施形態では、作動部分24は接触部材34を含む。
図2を参照すると、作動部分24が第1の位置にあるとき、接触部材34は係合解除位置にあり、すなわち、接触部材34はサンプル源、例えば指19に対して第1の位置にある。
図3を参照すると、作動部分24が第2の位置にあるとき、接触部材34は係合位置にあり、すなわち接触部材34は第2の位置にあり、サンプル源、例えば指19と加圧接触していて、ホルダ12の作動部分24は、血液18を圧送および/または抽出することができる。例えば、接触部材34が係合位置にあるとき、接触部材34はサンプル源に圧力を加える。
【0058】
図31を参照すると、所望量の血液18が容器16内に収集されると、収集されたサンプル18を診断機器および/または検査装置に移送するために、血液収集部分74が収集装置10から取り外される。血液収集器部分74は、収集装置10から取り外された後にキャップまたはセプタム76を介してシールされて、血液サンプル18を収集キャビティ70内に保護的にシールする。
【0059】
本開示の装置は、検査装置が現場外であるかまたは診療現場での検査装置であるかにかかわらず、任意の既知の検査装置と互換性がある。様々な診療現場での検査装置が当該技術分野において既知である。そのような診療現場での検査装置は、検査片、スライドガラス、診断カートリッジ、または検査および分析用の他の検査装置を含む。検査片、スライドガラス、および診断カートリッジは、血液サンプルを受容し、その血液を1つまたは複数の生理学的および生化学的状態について検査する診療現場での検査装置である。分析のためにサンプルを研究室に移送する必要なしに、非常に少量の血液ベッドサイドを分析するための、カートリッジベースのアーキテクチャを使用する多くの診療現場の装置がある。これは結果を得るための時間を長期的に節約できるが、非常に慣例的な研究環境に対する異なる傾向の課題が生じる。そのような検査カートリッジの例には、Abbotグループの会社からのi-STAT(登録商標)検査カートリッジが含まれる。i-STAT(登録商標)カートリッジなどの検査用カートリッジは、化学物質および電解質の存在、血液学、血液ガス濃度、凝固、または心臓マーカーを含む様々な状態について検査するために使用され得る。このようなカートリッジを使用した検査の結果は、すぐに臨床医に提供される。
【0060】
収集容器16はまた、その中に配置された血液サンプルおよび/または血液サンプルの成分を安定化させるためのサンプル安定化剤、例えば抗凝固剤を含み得る。収集容器16はまた、所定量のサンプルに対応する少なくとも1つの充填ラインを含み得る。収集容器はまた、収集された血液量を表示/計量してもよい。
【0061】
図17~19を参照すると、別の例示的な実施形態では、本開示の血液サンプル18を取得するための装置100は、角度を有する流れを有し、一体型ホルダ12、ランセットハウジング14、および収集容器16を含む。そのような実施形態では、ユーザーは、別個のランセットハウジング14をホルダ12のポート26に接続し、指19の皮膚をランセット切開した後にランセット14を取り外し、次いで収集容器16をホルダ12のポート26に接続する必要はない。
【0062】
図17~19を参照すると、ランセットハウジング14は、ホルダ12のポート26内に恒久的に固定されている。ランセットハウジング14は血液流チャネル120を含む。収集容器16はランセットハウジング14に固定されており、ランセットハウジング14の一部に取り外し可能に接続可能な血液収集部分74を含んでいる。
【0063】
図19を参照すると、一実施形態では、容器16がランセットハウジング14に接続された状態で、ランセットハウジング14の長手方向軸102は容器16の長手方向軸104に対して角度を有している。
図19を参照すると、一実施形態では、ランセットハウジング14が使用されてランス経路103に沿って指19の皮膚をランセット切開し、次いで血液サンプル18がランス経路103に対して角度を有して血液流経路105を流下する。
【0064】
図17~19を参照すると、一実施形態では、装置100は毛細管110を含む。
図19を参照すると、ランセットハウジング14に接続された容器16、すなわち血液取得部分74を用いて、毛細管110はランセットハウジング14の入口または開口部50および容器16の収集キャビティ70と流体連通している。一実施形態では、毛細管110の一部はランセットハウジング14の血液流チャネル120を通って延在している。
【0065】
図17~19を参照して装置100の血液流経路105を説明する。指19がホルダ12内に受容されかつ穿刺要素54が穿刺位置にあるとき、穿刺要素54は、指19をランセット切開して血液サンプル18を引き出す。例えば、ランセット14を作動させて指19の皮膚をランセット切開することが望まれる場合、ランセット14を指19に押し付けてランセット14の引き込み機構58を作動させて指19をランセット切開する。本開示のランセット14は、正確なランセット切開深さおよび所定のランセット切開位置を一貫してもたらし、これによって十分なサンプル体積を確実にする。
【0066】
血液18は、指19からランセットハウジング14の血液流チャネル120に流れる。血液18は、血液流経路105を介して、ランス経路103に対して角度を有して流れる。例えば、血液サンプル18は毛細管110を通って容器16の収集キャビティ70に流れる。
【0067】
図20~22を参照すると、別の例示的実施形態では、本開示の血液サンプル18を取得するための装置200は、一直線の流れを有し、一体型ホルダ12、ランセットハウジング14、および収集容器16を含む。そのような実施形態では、ユーザーは、別個のランセットハウジング14をホルダ12のポート26に接続し、指19の皮膚をランセット切開した後にランセット14を取り外し、次いで収集容器16をホルダ12のポート26に接続する必要はない。
【0068】
図20~22を参照すると、ランセットハウジング14は、ホルダ12のポート26内に恒久的に固定されている。ランセットハウジング14は、中空針62を含む。例えば、ランセット14の穿刺要素54が中空針62を含む。収集容器16はランセットハウジング14に固定されており、ランセットハウジング14の一部に取り外し可能に接続可能な血液収集部分74を含んでいる。
【0069】
図21を参照すると、一実施形態では、容器16がランセットハウジング14に接続された状態で、ポート26の長手方向軸202、ランセットハウジング14、および容器16が整列している。
【0070】
図21および22を参照すると、一実施形態では、ランセット14は中空針62を含む。そのような実施形態では、本開示のランセットハウジング14が使用されて、ランス経路203に沿って指19の皮膚をランセット切開し、次いで血液サンプル18が中空針62を通って平行な血液流経路205に沿って流れる。
【0071】
図20~22を参照すると、一実施形態では、ランセットハウジング14は出口210を含む。容器16がランセットハウジング14に接続された状態で、ランセットハウジング14の出口210は容器16の収集キャビティ70と流体連通している。
【0072】
図20~22を参照して、装置200の血液流経路205について説明する。指19がホルダ12内に受容され、穿刺要素54が穿刺位置にあるとき、穿刺要素54は、指19をランセット切開して血液サンプル18を引き出す。例えば、ランセット14を作動させて指19の皮膚をランセット切開することが望まれる場合、ランセット14が指19に押し付けられてランセット14の引き込み機構58を作動させて指19をランセット切開する。本開示のランセット14は、正確なランセット切開深さおよび所定のランセット切開位置を一貫してもたらし、これによって十分なサンプル体積を確実にする。
【0073】
血液18は、指19から中空針62を通って、容器16の収集キャビティ70へのランセットハウジング14の出口210に流れる。血液18は、血液流経路205を介してランス経路203と一致して流れる。
【0074】
図23~26を参照して、一直線の流れを有し、一体型ホルダ12、ランセットハウジング14、および収集容器16を含む本開示の装置200の使用について説明する。
【0075】
図23を参照すると、最初に所望の指19が洗浄され、所望の指19に適したサイズを有するホルダ12が選択され、指19の上にしっかりと置かれる。本開示の一体型装置200では、ホルダ12、ランセットハウジング14、および収集容器16のそれぞれが一体化されて単一のコンポーネントになっているので、別個のランセット14および容器16を選択してホルダ12のポート26に接続する必要はない。
【0076】
図24を参照すると、ランセット14を作動させて指19の皮膚をランセット切開することが望まれる場合、ランセット14が指19に対して押し付けられてランセット14の引き込み機構58(
図21)を作動させて指19をランセット切開する。本開示のランセット14は、正確なランセット切開深さおよび所定のランセット切開位置を一貫してもたらし、これによって十分なサンプル体積を確実にする。
【0077】
図25を参照すると、指19がランセット切開されて指19から血液18の流れを作り出した後、ユーザーは、ホルダ12の翼38を繰り返し圧搾および解放して、所望量の血液18が収集容器16内に充填されるまで、指19から血液18を圧送および/または抽出することができる。有利には、ホルダ12が指19の上に置かれた状態で、ホルダ12は血液流を収縮させずにランセット切開および指圧搾の位置を画定する。圧搾タブまたはウイング38は、指19全体に一貫して加えられる所定の範囲の圧搾圧力を提供する。そうすることによって、ホルダ12は、血液抽出を刺激していかなる潜在的な溶血も最小限にする、穏やかに制御された指19マッサージを提供する。
【0078】
図26を参照すると、所望量の血液18が容器16内に収集されると、血液収集部分74が収集装置200から取り外され、キャップまたはセプタム76で封止されて、収集されたサンプル18が診断機器および/または検査装置に移送される。上述のように、収集容器16はまた、血液を安定化させるためのサンプル安定剤、例えば抗凝固剤を含んでも良いし、収集された血液18の量を表示/計量するためのラインを満たしてもよい。
【0079】
図11~16を参照して、角度を有する流れを有し、別個のホルダ12と接続することができる一体型ランセットハウジング14および収集容器302を含む装置300(
図11~13)と、一直線の流れを有し、別個のホルダ12と接続することができる一体型ランセットハウジング14および収集容器402を含む装置400(
図14~16)について説明する。
【0080】
図11~13を参照すると、半一体型装置300は、
図17~19を参照して上述した一体型ホルダ、ランセットハウジング、および収集容器を含む、角度を有する流れを有する装置100と同様に、使用される。半一体型装置300を使用するとき、ユーザーは、別個のランセットハウジング14をホルダ12のポート26に接続し、指19の皮膚をランセット切開した後にランセット14を取り外し、次いで収集容器16をホルダ12のポート26に接続する必要がない。
図11~13に示す実施形態では、ユーザーは一体型ランセットハウジングおよび収集容器構成要素302をホルダ12のポート26に接続するだけでよい。
【0081】
図14~16を参照すると、半一体型装置400は、一直線の流れを有し、
図20-22を参照して上述した一体型ホルダ、ランセットハウジング、および収集容器を含む装置200と同様に、使用される。半一体型装置400を使用するとき、ユーザーは、別個のランセットハウジング14をホルダ12のポート26に接続し、指19の皮膚をランセット切開した後にランセット14を取り外し、次いで収集容器16をホルダ12のポート26に接続する必要がない。
図14~16に示す実施形態では、ユーザーは一体型ランセットハウジングおよび収集容器構成要素402をホルダ12のポート26に接続するだけでよい。
【0082】
本開示の血液サンプルを取得するための装置のいずれも、自立型使い捨て装置として、および/または疼痛軽減制御のための外部電源と組み合わせて使用することができる。例えば、ホルダ12の一部は埋め込み電極を含むことができ、これは外部の疼痛制御モジュールから信号を受信して、疼痛軽減制御のための熱、振動、または経皮的電気神経刺激(TENS)のうちの少なくとも1つをもたらす。本開示の血液サンプルを取得するための装置はまた、装置内血漿分離のための様々な選択肢を含み得る。本開示の血液サンプルを取得するための装置はまた、収集時に患者情報と対にされ得る固有のサンプル識別子を含み得る。本開示の血液サンプルを取得するための装置はまた、収集時に装置内診断フィードバックを含み得る。本開示の血液サンプルを取得するための装置はまた、二重収集、例えば同じ供給源からの複数のサンプルの収集を可能にする複数の収集口を使用し、このサンプルを抗凝固剤などの異なるサンプル安定剤で処理する、2つのサンプルの2つの別々の容器への収集、を可能にする。
【0083】
本開示の血液サンプルを取得するための装置は、ランセットおよび毛細管を使用する従来の毛細管収集と比較して、指からの大量の毛細管収集を著しく単純化して熟練労働不要にする。本開示の装置は、血液の曝露を排除し、装置の再使用を防止する。
【0084】
本開示の血液サンプルを取得するための装置は、収集プロセスを単純化し、熟練労働不要にして、合理化する。これはすべて、自己完結型の閉鎖型システム装置によって達成され、それが指の上に置かれた後、ランセット切開、血液抽出、安定化および封じ込め機能をすべて1つのユニットで提供する。
【0085】
本開示の血液サンプルを取得するための装置は、自動圧送、制御された指の圧搾、および自動サンプルラベリングおよび処理を提供する自立型ユニットと関連していてもよい。
【0086】
本開示は例示的な設計を有するものとして説明されてきたが、本開示の精神および範囲内で本開示はさらに修正することができる。したがって、本出願は、その一般的な原理を用いた本開示のあらゆる変形、使用、または適合を網羅することを意図している。さらに、本出願は、添付の特許請求の範囲内に含まれる、当該技術分野における既知のまたは慣習的な実施の範囲内にあるような、本開示からの発展を網羅することを意図している。