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特開2023-171609現像カートリッジ、ドラムカートリッジ、ベルトユニットおよび画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171609
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】現像カートリッジ、ドラムカートリッジ、ベルトユニットおよび画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20231124BHJP
   G03G 15/08 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
G03G21/00 512
G03G21/00 388
G03G15/08 330
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023176674
(22)【出願日】2023-10-12
(62)【分割の表示】P 2019063075の分割
【原出願日】2019-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】京谷 忠雄
(57)【要約】
【課題】複数の種別を持つ消耗品に対して、適正な寿命管理をする。
【解決手段】現像カートリッジは、現像ローラと現像メモリとを備える。現像メモリは、現像カートリッジの複数の種別の中から特定の種別を識別する現像識別情報を記憶する第1現像記憶領域と、現像カートリッジを用いて印刷された現像累積印刷枚数、累積現像ローラ回転数および累積ドットカウントの少なくとも1つを記憶させる第2現像記憶領域と、を有する。現像カートリッジは、現像識別情報と対応する印刷の上限枚数を表す現像上限印刷枚数、現像ローラの回転数の上限回数を表す上限現像ローラ回転数および印刷可能な上限のドット数を表す上限ドットカウントの少なくとも1つと、第2現像記憶領域に記憶された現像累積印刷枚数、累積現像ローラ回転数および累積ドットカウントの少なくとも1つと、を用いて、現像カートリッジの寿命に到達したかを判定可能である(S15~S17)。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像カートリッジであって、
現像ローラと、
現像メモリであって、
前記現像カートリッジの種別を識別する現像識別情報であって、前記現像カートリッジの複数の種別の中から特定の種別を識別する現像識別情報を記憶する第1現像記憶領域と、
前記第1現像記憶領域と異なる第2現像記憶領域であって、前記現像カートリッジの累積現像ローラ回転数および累積ドットカウントを記憶させることを許容する第2現像記憶領域と、
を有する現像メモリと、
を備え、
前記現像識別情報と対応する現像ローラの回転数の上限回数を表す上限現像ローラ回転数および印刷可能な上限のドット数を表す上限ドットカウントと、前記第2現像記憶領域に記憶された前記累積現像ローラ回転数および前記累積ドットカウントと、を用いて、前記現像カートリッジが寿命に到達したかを判定可能であり、
前記累積現像ローラ回転数が前記上限現像ローラ回転数より小さく、かつ、前記累積ドットカウントが前記上限ドットカウントより小さい場合に、前記現像カートリッジが寿命に到達していないと判定可能であることを特徴とする現像カートリッジ。
【請求項2】
前記上限現像ローラ回転数および前記上限ドットカウントは、前記現像識別情報としての、メーカ、容量およびランクの組合せに応じて割り当てられていることを特徴とする請求項1に記載の現像カートリッジ。
【請求項3】
画像形成装置であって、
装置本体と、
前記装置本体に対して装着可能な現像カートリッジであって、
現像ローラと、
前記現像カートリッジの種別を識別する現像識別情報であって、前記現像カートリッジの複数の種別の中から特定の種別を識別する現像識別情報を記憶する第1現像記憶領域と、前記第1現像記憶領域とは異なる第2現像記憶領域とを有する現像メモリと、
を有する現像カートリッジと、
複数の前記現像識別情報を記憶する本体メモリであって、前記複数の現像識別情報のそれぞれに対して、前記現像ローラの回転数の上限回数を表す上限現像ローラ回転数および印刷可能な上限のドットカウントを表す上限ドットカウントを対応付けて記憶する本体メモリと、
制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記現像カートリッジの累積現像ローラ回転数および累積ドットカウントを前記第2現像記憶領域に記憶させる記憶処理と、
前記現像メモリに記憶された前記現像識別情報を読み出す読出処理と、
前記本体メモリに記憶された前記複数の現像識別情報の中から、読み出された前記現像識別情報に対応する前記上限現像ローラ回転数および前記上限ドットカウントと、前記第2現像記憶領域に記憶された前記累積現像ローラ回転数および前記累積ドットカウントを用いて、前記現像カートリッジが寿命に到達したかを判定する判定処理と、
を実行可能であり、
前記累積現像ローラ回転数が前記上限現像ローラ回転数より小さく、かつ、前記累積ドットカウントが前記上限ドットカウントより小さい場合に、前記現像カートリッジが寿命に到達していないと判定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
前記上限現像ローラ回転数および前記上限ドットカウントは、前記現像識別情報としての、メーカ、容量およびランクの組合せに応じて割り当てられていることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御装置は、前記判定処理において、前記累積現像ローラ回転数が前記上限現像ローラ回転数を超えた場合および前記累積ドットカウントが前記上限ドットカウントを超えた場合の少なくとも1つを判定した場合に前記現像カートリッジが寿命に達したとするエラーとすることを特徴とする請求項3または請求項4に記載に画像形成装置。
【請求項6】
前記制御装置は、前記本体メモリに記憶された前記複数の現像識別情報の中に、読み出された前記現像識別情報が無い場合にエラーとすることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画像形成装置は、さらに、ディスプレイを備え、
前記制御装置は、前記判定処理によりエラーとされた場合、前記ディスプレイに、エラーに関する情報を表示させることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、現像カートリッジ、および現像カートリッジを装着可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、現像カートリッジを装着可能な画像形成装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-265401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像形成装置に装着する現像カートリッジ、ドラムカートリッジ、ベルトユニットなどの消耗品は、複数の種別(製造メーカーや容量種別など)を有する場合がある。しかしながら、従来の画像形成装置では、消耗品の種別ごとに異なる寿命を判断することができなかった。このため、複数の種別を持つ消耗品に対しては、適正な寿命管理ができないという問題点があった。
【0005】
そこで、本開示は、複数の種別を持つ消耗品に対して、適正な寿命管理をすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するため、本開示の現像カートリッジは、現像ローラと、現像メモリとを備える。現像メモリは、現像カートリッジの種別を識別する現像識別情報であって、現像カートリッジの複数の種別の中から特定の種別を識別する現像識別情報を記憶する第1現像記憶領域と、第1現像記憶領域と異なる第2現像記憶領域であって、現像カートリッジを用いて印刷された現像累積印刷枚数、累積現像ローラ回転数および累積ドットカウントの少なくとも1つを記憶させることを許容する第2現像記憶領域と、を有する。
現像カートリッジは、現像識別情報と対応する印刷の上限枚数を表す現像上限印刷枚数、現像ローラの回転数の上限回数を表す上限現像ローラ回転数および印刷可能な上限のドット数を表す上限ドットカウントの少なくとも1つと、第2現像記憶領域に記憶された現像累積印刷枚数、累積現像ローラ回転数および累積ドットカウントの少なくとも1つと、を用いて、現像カートリッジの寿命に到達したかを判定可能である。
【0007】
この構成によれば、複数の現像識別情報の中から、現像識別情報に対応する現像上限印刷枚数、上限現像ローラ回転数および上限ドットカウントの少なくとも1つと、現像累積印刷枚数、累積現像ローラ回転数および累積ドットカウントの少なくとも1つを用いて、現像カートリッジが寿命に到達したかを判定することができる。このため、複数の種別を持つ現像カートリッジに対して、適正な寿命管理をすることができる。
【0008】
前記した構成において、現像カートリッジは、現像上限印刷枚数、上限現像ローラ回転数および上限ドットカウントと、現像累積印刷枚数、累積現像ローラ回転数および累積ドットカウントと、を用いて現像カートリッジの寿命に到達したかを判定可能である構成としてもよい。
【0009】
上述の課題を解決するため、本開示の画像形成装置は、装置本体と、現像カートリッジと、本体メモリと、制御装置とを備える。現像カートリッジは、装置本体に対して装着可能であり、現像ローラと現像メモリとを有する。現像メモリは、現像カートリッジの種別を識別し、現像カートリッジの複数の種別の中から特定の種別を識別する現像識別情報を記憶する第1現像記憶領域と、第1現像記憶領域とは異なる第2現像記憶領域とを有する。本体メモリは、複数の現像識別情報を記憶し、複数の現像識別情報のそれぞれに対して、印刷の上限枚数を表す現像上限印刷枚数、現像ローラの回転数の上限回数を表す上限現像ローラ回転数および印刷可能な上限のドットカウントを表す上限ドットカウントの少なくとも1つを対応付けて記憶する。
制御装置は、現像カートリッジを用いて印刷された現像累積印刷枚数、累積現像ローラ回転数および累積ドットカウントの少なくとも1つを第2現像記憶領域に記憶させる記憶処理と、現像メモリに記憶された現像識別情報を読み出す読出処理と、本体メモリに記憶された複数の現像識別情報の中から、読み出された現像識別情報に対応する現像上限印刷枚数、上限現像ローラ回転数および上限ドットカウントの少なくとも1つと、第2現像記憶領域に記憶された現像累積印刷枚数、累積現像ローラ回転数および累積ドットカウントの少なくとも1つを用いて、現像カートリッジが寿命に到達したかを判定する判定処理と、を実行可能である。
【0010】
この構成によれば、複数の現像識別情報の中から、現像識別情報に対応する現像上限印刷枚数、上限現像ローラ回転数および上限ドットカウントの少なくとも1つと、現像累積印刷枚数、累積現像ローラ回転数および累積ドットカウントの少なくとも1つを用いて、現像カートリッジが寿命に到達したかを判定することができる。このため、複数の種別を持つ現像カートリッジに対して、適正な寿命管理をすることができる。
【0011】
前記した構成において、本体メモリには、複数の現像識別情報のそれぞれに対して、現像上限印刷枚数、上限現像ローラ回転数および上限ドットカウントを対応付けて記憶され、制御装置は、判定処理において、現像上限印刷枚数、上限現像ローラ回転数および上限ドットカウントと、第2現像記憶領域に記憶された現像累積印刷枚数、累積現像ローラ回転数および累積ドットカウントと、を用いて現像カートリッジが寿命に到達したかを判定する構成としてもよい。
【0012】
この構成によれば、現像累積印刷枚数、累積現像ローラ回転数および累積ドットカウントと、を用いて現像カートリッジが寿命に到達したかを判定するので、さらに確実に寿命管理をすることができる。
【0013】
前記した構成において、制御装置は、判定処理において、現像累積印刷枚数が現像上限印刷枚数を超えた場合、累積現像ローラ回転数が上限現像ローラ回転数を超えた場合および累積ドットカウントが上限ドットカウントを超えた場合の少なくとも1つを判定した場合に現像カートリッジが寿命に達したとするエラーとする構成としてもよい。
【0014】
前記した構成において、制御装置は、本体メモリに記憶された複数の現像識別情報の中に、読み出された現像識別情報が無い場合にエラーとする構成としてもよい。
【0015】
前記した構成において、画像形成装置は、さらに、ディスプレイを備え、制御装置は、判定処理によりエラーとされた場合、ディスプレイに、エラーに関する情報を表示させる構成としてもよい。
【0016】
前記した構成において、画像形成装置は、装置本体に対して装着可能なドラムカートリッジをさらに備え、ドラムカートリッジは、感光体ドラムと、ドラムカートリッジの種別を識別するドラム識別情報であって、ドラムカートリッジの複数の種別の中から特定の種別を識別するドラム識別情報を記憶する第1ドラム記憶領域と、第1ドラム記憶領域とは異なる第2ドラム記憶領域とを有するドラムメモリと、を備え、本体メモリには、複数のドラム識別情報が記憶され、複数のドラム識別情報のそれぞれに対して、印刷の上限枚数を表すドラム上限印刷枚数および感光体ドラムの回転数の上限回数を表す上限ドラム回転数の少なくとも1つが対応付けて記憶され、制御装置は、ドラムカートリッジを用いて印刷されたドラム累積印刷枚数および累積ドラム回転数の少なくとも1つを第2ドラム記憶領域に記憶させる記憶処理と、ドラムメモリに記憶されたドラム識別情報を読み出す読出処理と、本体メモリに記憶された複数のドラム識別情報の中から、読み出されたドラム識別情報に対応するドラム上限印刷枚数および上限ドラム回転数の少なくとも1つと、第2ドラム記憶領域に記憶されたドラム累積印刷枚数および累積ドラム回転数の少なくとも1つと、を用いて、ドラムカートリッジが寿命に到達したかを判定する判定処理と、を実行可能である構成としてもよい。
【0017】
この構成によれば、複数のドラム識別情報の中から、ドラム識別情報に対応するドラム上限印刷枚数および上限ドラム回転数の少なくとも1つと、ドラム累積印刷枚数および累積ドラム回転数の少なくとも1つを用いて、ドラムカートリッジが寿命に到達したかを判定することができる。このため、複数の種別を持つドラムカートリッジに対して、適正な寿命管理をすることができる。
【0018】
前記した構成において、画像形成装置は、装置本体に対して装着可能なベルトユニットをさらに備え、ベルトユニットは、ベルトと、ベルトユニットの種別を識別するベルト識別情報であって、ベルトユニットの複数の種別の中から特定の種別を識別するベルト識別情報を記憶する第1ベルト記憶領域と、第1ベルト記憶領域とは異なる第2ベルト記憶領域とを有するベルトメモリと、を備え、本体メモリには、複数のベルト識別情報が記憶され、複数のベルト識別情報のそれぞれに対して、印刷の上限枚数を表すベルト上限印刷枚数およびベルトの回転数の上限回数を表す上限ベルト回転数の少なくとも1つが対応付けて記憶され、制御装置は、ベルトユニットを用いて印刷されたベルト累積印刷枚数および累積ベルト回転数の少なくとも1つを第2ベルト記憶領域に記憶させる記憶処理と、ベルトメモリに記憶されたベルト識別情報を読み出す読出処理と、本体メモリに記憶された複数のベルト識別情報の中から、読み出されたベルト識別情報に対応するベルト上限印刷枚数および上限ベルト回転数の少なくとも1つと、第2ベルト記憶領域に記憶されたドラム累積印刷枚数および累積ベルト回転数の少なくとも1つと、を用いて、ベルトユニットが寿命に到達したかを判定する判定処理と、を実行可能である構成としてもよい。
【0019】
この構成によれば、複数のベルト識別情報の中から、ベルト識別情報に対応するベルト上限印刷枚数および上限ベルト回転数の少なくとも1つと、ベルト累積印刷枚数および累積ベルト回転数の少なくとも1つを用いて、ベルトユニットが寿命に到達したかを判定することができる。このため、複数の種別を持つベルトユニットに対して、適正な寿命管理をすることができる。
【0020】
上述の課題を解決するため、本開示のドラムカートリッジは、感光体ドラムと、ドラムメモリとを備える。ドラムメモリは、ドラムカートリッジの種別を識別するドラム識別情報であって、前記ドラムカートリッジの複数の種別の中から特定の種別を識別するドラム識別情報を記憶する第1ドラム記憶領域と、第1ドラム記憶領域とは異なる第2ドラム記憶領域であって、ドラムカートリッジを用いて印刷されたドラム累積印刷枚数および累積ドラム回転数の少なくとも1つを記憶させることを許容する第2ドラム記憶領域とを有する。
ドラムカートリッジは、ドラム識別情報に対応する印刷の上限枚数を表すドラム上限印刷枚数、感光体ドラムの回転数の上限回数を表す上限ドラム回転数の少なくとも1つと、第2ドラム記憶領域に記憶されたドラム累積印刷枚数および累積ドラム回転数の少なくとも1つと、を用いて、ドラムカートリッジが寿命に到達したかを判定可能である。
【0021】
この構成によれば、複数のドラム識別情報の中から、ドラム識別情報に対応するドラム上限印刷枚数および上限ドラム回転数の少なくとも1つと、ドラム累積印刷枚数および累積ドラム回転数の少なくとも1つを用いて、ドラムカートリッジが寿命に到達したかを判定することができる。このため、複数の種別を持つドラムカートリッジに対して、適正な寿命管理をすることができる。
【0022】
前記した構成において、ドラムカートリッジは、ドラム上限印刷枚数および上限ドラム回転数と、ドラム累積印刷枚数および累積ドラム回転数と、を用いてドラムカートリッジが寿命に到達したかを判定する構成としてもよい。
【0023】
上述の課題を解決するため、本開示のベルトユニットは、ベルトと、ベルトメモリとを備える。ベルトメモリは、ベルトユニットの種別を識別するベルト識別情報であって、前記ベルトユニットの複数の種別の中から特定の種別を識別するベルト識別情報を記憶する第1ベルト記憶領域と、第1ベルト記憶領域とは異なる第2ベルト記憶領域であって、ベルトユニットを用いて印刷されたベルト累積印刷枚数および累積ベルト回転数の少なくとも1つを記憶させることを許容する第2ベルト記憶領域とを有する。
ベルトユニットは、ベルト識別情報に対応する印刷の上限枚数を表すベルト上限印刷枚数、ベルトの回転数の上限回数を表す上限ベルト回転数の少なくとも1つと、第2ベルト記憶領域に記憶されたベルト累積印刷枚数および累積ベルト回転数の少なくとも1つと、を用いて、ベルトユニットが寿命に到達したかを判定可能である。
【0024】
この構成によれば、複数のベルト識別情報の中から、ベルト識別情報に対応するベルト上限印刷枚数および上限ベルト回転数の少なくとも1つと、ベルト累積印刷枚数および累積ベルト回転数の少なくとも1つを用いて、ベルトユニットが寿命に到達したかを判定することができる。このため、複数の種別を持つベルトユニットに対して、適正な寿命管理をすることができる。
【0025】
前記した構成において、ベルトユニットは、ベルト上限印刷枚数および上限ベルト回転数と、ベルト累積印刷枚数および累積ベルト回転数と、を用いてベルトユニットが寿命に到達したかを判定する。
【発明の効果】
【0026】
本開示の現像カートリッジによれば、複数の種別に対応して適正な寿命管理をすることができる。
本開示の画像形成装置によれば、複数の種別を持つ消耗品に対して、適正な寿命管理をすることができる。
本開示のドラムカートリッジによれば、複数の種別に対応して適正な寿命管理をすることができる。
本開示のベルトユニットによれば、複数の種別に対応して適正な寿命管理をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】実施形態に係る画像形成装置の断面図である。
図2】本体筐体からドラムカートリッジとベルトユニットを取り出した状態を示す図である。
図3】現像識別情報に対応する現像カートリッジの寿命情報を示すテーブルである。
図4】ドラム識別情報に対応するドラムカートリッジの寿命情報を示すテーブルである。
図5】ベルト識別情報に対応するベルトユニットの寿命情報を示すテーブルである。
図6】記憶処理を示すフローチャートである。
図7】現像カートリッジの寿命チェック処理のフローチャートである。
図8】ドラムカートリッジの寿命チェック処理のフローチャートである。
図9】ベルトユニットの寿命チェック処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に、本開示の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、画像形成装置1はモノクロ用のレーザプリンタである。画像形成装置1は、装置本体2と、フィーダ部3と、画像形成部4と、制御装置100と、本体メモリ110と、ディスプレイ26とを備える。
【0029】
装置本体2は、中空のケース状である。装置本体2は、左右一対の側壁21と、側壁21を繋ぐ前壁22とを有している。前壁22は、本体開口22Aを有する。前壁22には、本体開口22Aを開閉するフロントカバー23が設けられている。
【0030】
フィーダ部3は、供給トレイ31と、供給機構32とを備えている。供給トレイ31は、装置本体2の下部に着脱可能に装着される。供給機構32は、供給トレイ31と、供給トレイ31内のシートSを画像形成部4に向けて給紙する。
【0031】
画像形成部4は、スキャナユニット5と、ベルトユニット6と、定着装置7と、ドラムカートリッジ8と、現像カートリッジ9とを備えている。
【0032】
スキャナユニット5は、装置本体2内の上部に設けられ、図示しないレーザ発光部、ポリゴンミラー、レンズおよび反射鏡などを備えている。このスキャナユニット5では、レーザビームを、後述する感光体ドラム81の表面上に高速走査にて照射する。
【0033】
ベルトユニット6は、ベルト61と、駆動ローラ62と、従動ローラ63と、ベルトメモリ65とを有している。ベルトユニット6は、装置本体2に対して着脱可能である(図2参照)。ベルトユニット6は、消耗品の一例である。
【0034】
ベルト61は、無端状である。駆動ローラ62は、ベルト61を駆動する。従動ローラ63は、ベルト61の駆動に従い回転する。
【0035】
ベルトメモリ65は、例えば、ICチップなどの情報を記憶する媒体であり、ICチップに限られない。ベルトメモリ65は、第1ベルト記憶領域と第2記憶領域とを有する。第2記憶領域は、第1ベルト記憶領域とは異なる記憶領域である。
【0036】
制御装置100は、例えば、CPU、RAM、ROMおよび入出力回路を備えており、装着されたカートリッジの情報やROMに記憶されたプログラムやデータなどに基づいて演算処理を行うことによって、印刷制御を実行している。
【0037】
ディスプレイ26は、装置本体2の外表面に位置している。ディスプレイ26は、制御装置100の指令に基づいて、各種メッセージを表示する。
【0038】
ドラムカートリッジ8は、フィーダ部3とスキャナユニット5との間に配置されている。ドラムカートリッジ8は、装置本体2に対して着脱可能である。具体的に、ドラムカートリッジ8は、装置本体2のフロントカバー23で開閉される本体開口22Aを通して、装置本体2に対して着脱可能である。ドラムカートリッジ8は、消耗品の一例である。
【0039】
図2に示すように、現像カートリッジ9は、装置本体2に装着可能である。本実施形態では、現像カートリッジ9は、ドラムカートリッジ8に対して着脱可能である。現像カートリッジ9は、ドラムカートリッジ8に組み付けられた状態で、装置本体2に装着される。現像カートリッジ9は、消耗品の一例である。
【0040】
図1に戻り、ドラムカートリッジ8は、フレーム80と、感光体ドラム81と、転写ローラ82と、帯電器83と、ドラムメモリ85とを有している。フレーム80は、現像カートリッジ9を装着可能である。感光体ドラム81および転写ローラ82は、フレーム80に回転可能に支持されている。
【0041】
ドラムメモリ85は、例えば、ICチップなどの情報を記憶する媒体であり、ICチップに限られない。ドラムメモリ85は、第1ドラム記憶領域と第2ドラム記憶領域とを有する。第2ドラム記憶領域は、第1ドラム記憶領域とは異なる記憶領域である。
【0042】
現像カートリッジ9は、筐体90と、現像ローラ91と、供給ローラ92と、ブレード93と、現像メモリ95とを有している。筐体90は、内部にトナーを収容可能である。現像ローラ91は感光体ドラム81にトナーを供給する。供給ローラ92は筐体90のトナーを現像ローラ91に供給する。ブレード93は、現像ローラ91に供給されたトナーの層厚を規制する。
【0043】
現像メモリ95は、例えば、ICチップなどの情報を記憶する媒体であり、ICチップに限られない。現像メモリ95は、第1現像記憶領域と第2現像記憶領域とを有する。第2現像記憶領域は、第1現像記憶領域とは異なる記憶領域である。
【0044】
このドラムカートリッジ8では、回転する感光体ドラム81の表面が、帯電器83により一様に帯電された後、スキャナユニット5からのレーザビームの高速走査により露光される。これにより、露光された部分の電位が下がって、感光体ドラム81の表面に画像データに基づく静電潜像が形成される。
【0045】
次いで、回転駆動される現像ローラ91によって現像カートリッジ9内のトナーが感光体ドラム81の静電潜像に供給されて、感光体ドラム81の表面上にトナー像が形成される。その後、感光体ドラム81と転写ローラ82の間でシートSが搬送されることで、感光体ドラム81の表面に担持されているトナー像がシートS上に転写される。
【0046】
定着装置7は、加熱ローラ71と、加圧ローラ72とを備えている。加圧ローラ72は、加熱ローラ71と向かいあって位置している。加圧ローラ72は、加熱ローラ71を押圧する。定着装置7は、シートS上に転写されたトナーを、シートSが加熱ローラ71と加圧ローラ72との間を通過する間に熱定着する。
【0047】
定着装置7で熱定着されたシートSは、定着装置7の下流側に配設される排紙ローラ24に搬送され、この排紙ローラ24から排紙トレイ25上に送り出される。
【0048】
本体メモリ110には、図3に示す複数の現像識別情報に対応する現像カートリッジ9の寿命情報が記憶されている。図3に示すように、複数の現像識別情報のそれぞれに対して、現像上限印刷枚数、上限現像ローラ回転数および上限ドットカウントが対応付けられている。現像識別情報とは、現像カートリッジ9の種別を識別する情報である。
【0049】
本実施形態では、現像識別情報は、メーカ、容量、ランクの組合せに応じて1つのユニークな識別情報が割り当てられている。例えば、メーカは、X社とY社の種別がある。容量は、標準(STD)、大(HY)、特大(SHY)の種別がある。X社の製品におけるランクは、A,B,Cの種別がある。Y社の製品におけるランクは、A,Bの種別がある。このように、本実施形態においては、現像カートリッジ9は、複数の種別の組合せに対応して001~015が複数の現像識別情報として割り当てられている。
【0050】
本体メモリ110には、各現像識別情報に対応してそれぞれ、現像上限印刷枚数、上限現像ローラ回転数および上限ドットカウントが記憶されている。例えば、001の現像識別情報に対応して、上限現像ローラ回転数=160000回転、上限ドットカウント=10000000dot、現像上限印刷枚数=4000枚、と記憶されている。上限現像ローラ回転数は、現像ローラ91の回転数の上限回数を表す数である。上限ドットカウントは、印刷可能な上限のドットカウントを表す数である。現像上限印刷枚数は、印刷の上限枚数を表す数である。
【0051】
一方、現像メモリ95には、現像カートリッジ9の複数の種別の中から特定の種別を識別する現像識別情報が第1現像記憶領域に記憶されている。具体的には、001~015の現像識別情報のうち、1つの現像識別情報が現像メモリ95の第1現像記憶領域に記憶されている。
【0052】
制御装置100は、記憶処理と、読出処理と、判定処理とを実行可能である。
【0053】
記憶処理は、現像カートリッジ9を用いて印刷された現像累積印刷枚数、累積現像ローラ回転数および累積ドットカウントの少なくとも1つを現像メモリ95の第2現像記憶領域に記憶させる処理である。具体的には、制御装置100は、画像形成装置1に印刷ジョブが入力され、所定枚数の印刷が実行された場合に、現像カートリッジ9における所定枚数の印刷が実行される前までの現像印刷枚数、現像ローラ回転数、ドットカウントに、所定枚数の印刷が実行された分をプラスした現像累積印刷枚数、累積現像ローラ回転数、累積ドットカウントを現像メモリ95の第2現像記憶領域に記憶させる。この記憶処理は、印刷ジョブがすべて終了するまで所定枚数ごとに繰り返し行われる。
【0054】
読出処理は、現像メモリ95に記憶された現像識別情報を読み出す処理である。具体的には、現像メモリ95の第2現像記憶領域から現像累積印刷枚数、累積ドットカウント、累積現像ローラ回転数を読み出す処理である。
【0055】
判定処理は、本体メモリ110に記憶された複数の現像識別情報の中から、読み出された現像識別情報に対応する現像上限印刷枚数、上限現像ローラ回転数および上限ドットカウントの少なくとも1つと、現像メモリ95の第2現像記憶領域に記憶された現像累積印刷枚数、累積現像ローラ回転数および累積ドットカウントの少なくとも1つを用いて、現像カートリッジ9が寿命に到達したかを判定する処理である。
【0056】
本実施形態では、判定処理において、現像上限印刷枚数、上限現像ローラ回転数および上限ドットカウントと、現像累積印刷枚数、累積現像ローラ回転数および累積ドットカウントと、を用いて現像カートリッジ9が寿命に到達したかを判定する。つまり、現像累積印刷枚数、累積現像ローラ回転数および累積ドットカウントのうちのどれか1つが上限に達した場合に寿命と判定する。
【0057】
制御装置100は、判定処理において、現像累積印刷枚数が現像上限印刷枚数を超えた場合、累積現像ローラ回転数が上限現像ローラ回転数を超えた場合、累積ドットカウントが上限ドットカウントを超えた場合、の少なくとも1つを判定した場合に現像カートリッジ9が寿命に達したとするエラーとする。
制御装置100は、判定処理によりエラーとされた場合、ディスプレイ26に、エラーに関する情報を表示させる。
【0058】
制御装置100は、本体メモリ110に記憶された複数の現像識別情報の中(図3参照)に、読み出された現像識別情報が無い場合、エラーとする。具体的に、制御装置100は、現像メモリ95の第1現像記憶領域から現像識別情報を読み出した場合に、本体メモリ110のテーブルに対応する現像識別情報がない場合には、現像カートリッジ9の種別のエラーと判定し、エラーをディスプレイ26に表示する。
【0059】
本体メモリ110には、図4に示す複数のドラム識別情報に対応するドラムカートリッジ8の寿命情報が記憶されている。図4に示すように、複数のドラム識別情報のそれぞれに対して、ドラム上限印刷枚数および上限ドラム回転数が対応付けられている。ドラム識別情報とは、ドラムカートリッジ8の種別を識別する情報である。
【0060】
本実施形態では、ドラム識別情報は、メーカ、モデル、ランクの組合せに応じて1つのユニークな識別情報が割り当てられている。例えば、メーカは、X社とY社の種別がある。モデルは、基本(BASE)、大(HY)、フラッグシップ(Flagship)の種別がある。X社の製品におけるランクは、A,B,Cの種別がある。Y社の製品におけるランクは、A,Bの種別がある。このように、本実施形態においては、ドラムカートリッジ8は、複数の種別の組合せに対応して001~015のIDが複数のドラム識別情報として割り当てられている。
【0061】
本体メモリ110には、各ドラム識別情報に対応してそれぞれ、ドラム上限印刷枚数および上限ドラム回転数が記憶されている。例えば、001のドラム識別情報に対応して、上限ドラム回転数=200000回転、ドラム上限印刷枚数=50000枚、と記憶されている。上限ドラム回転数は、感光体ドラム81の回転数の上限回数を表す数である。ドラム上限印刷枚数は、印刷の上限枚数を表す数である。
【0062】
一方、ドラムメモリ85には、ドラムカートリッジ8の複数の種別の中から特定の種別を識別するドラム識別情報が第1ドラム記憶領域に記憶されている。具体的には、001~015のドラム識別情報のうち、1つのドラム識別情報がドラムメモリ85の第1ドラム記憶領域に記憶されている。
【0063】
制御装置100は、記憶処理と、読出処理と、判定処理とを実行可能である。
【0064】
記憶処理は、ドラムカートリッジ8を用いて印刷されたドラム累積印刷枚数および累積ドラム回転数の少なくとも1つをドラムメモリ85の第2ドラム記憶領域に記憶させる処理である。具体的には、制御装置100は、画像形成装置1に印刷ジョブが入力され、所定枚数の印刷が実行された場合に、ドラムカートリッジ8における所定枚数の印刷が実行される前までのドラム印刷枚数、ドラム回転数に、所定枚数の印刷が実行された分をプラスしたドラム累積印刷枚数、累積ドラム回転数をドラムメモリ85の第2ドラム記憶領域に記憶させる。この記憶処理は、印刷ジョブがすべて終了するまで所定枚数ごとに繰り返し行われる。
【0065】
読出処理は、ドラムメモリ85に記憶されたドラム識別情報を読み出す処理である。具体的には、ドラムメモリ85の第2ドラム記憶領域からドラム累積印刷枚数、累積現像ローラ回転数を読み出す処理である。
【0066】
判定処理は、本体メモリ110に記憶された複数のドラム識別情報の中から、読み出されたドラム識別情報に対応するドラム上限印刷枚数および上限ドラム回転数の少なくとも1つと、ドラムメモリ85の第2ドラム記憶領域に記憶されたドラム累積印刷枚数および累積ドラム回転数の少なくとも1つを用いて、ドラムカートリッジ8が寿命に到達したかを判定する処理である。
【0067】
本実施形態では、判定処理において、ドラム上限印刷枚数および上限ドラム回転数と、現像累積印刷枚数および累積現像ローラ回転数と、を用いてドラムカートリッジ8が寿命に到達したかを判定する。つまり、ドラム累積印刷枚数および累積ドラム回転数のうちのどれか1つが上限に達した場合に寿命と判定する。
【0068】
制御装置100は、判定処理において、ドラム累積印刷枚数がドラム上限印刷枚数を超えた場合、累積ドラム回転数が上限ドラム回転数を超えた場合、の少なくとも1つを判定した場合にドラムカートリッジ8が寿命に達したとするエラーとする。
制御装置100は、判定処理によりエラーとされた場合、ディスプレイ26に、エラーに関する情報を表示させる。
【0069】
制御装置100は、本体メモリ110に記憶された複数のドラム識別情報の中(図4参照)に、読み出されたドラム識別情報が無い場合、エラーとする。具体的に、制御装置100は、ドラムメモリ85の第1ドラム記憶領域からドラム識別情報を読み出した場合に、本体メモリ110のテーブルに対応するドラム識別情報がない場合には、ドラムカートリッジ8の種別のエラーと判定し、エラーをディスプレイ26に表示する。
【0070】
本体メモリ110には、図5に示す複数のベルト識別情報に対応するベルトユニット6の寿命情報が記憶されている。図5に示すように、複数のベルト識別情報のそれぞれに対して、ベルト上限印刷枚数および上限ベルト回転数が対応付けられている。ベルト識別情報とは、ベルトユニット6の種別を識別する情報である。
【0071】
本実施形態では、ベルト識別情報は、メーカ、モデル、ランクの組合せに応じて1つのユニークな識別情報が割り当てられている。例えば、メーカは、X社とY社の種別がある。モデルは、基本(BASE)、大(HY)、フラッグシップ(Flagship)の種別がある。X社の製品におけるランクは、A,B,Cの種別がある。Y社の製品におけるランクは、A,Bの種別がある。このように、本実施形態においては、ベルトユニット6は、複数の種別の組合せに対応して001~015のIDが複数のベルト識別情報として割り当てられている。
【0072】
本体メモリ110には、各ベルト識別情報に対応してそれぞれ、ベルト上限印刷枚数および上限ドラム回転数が記憶されている。例えば、001のベルト識別情報に対応して、上限ベルト回転数=300000回転、ベルト上限印刷枚数=60000枚、と記憶されている。上限ベルト回転数は、ベルト61の回転数の上限回数を表す数である。ベルト上限印刷枚数は、印刷の上限枚数を表す数である。
【0073】
一方、ベルトメモリ65には、ベルトユニット6の複数の種別の中から特定の種別を識別するベルト識別情報が第1ベルト記憶領域に記憶されている。具体的には、001~015のベルト識別情報のうち、1つのベルト識別情報がベルトメモリ65の第1ベルト記憶領域に記憶されている。
【0074】
制御装置100は、記憶処理と、読出処理と、判定処理とを実行可能である。
【0075】
記憶処理は、ベルトユニット6を用いて印刷されたベルト累積印刷枚数および累積ベルト回転数の少なくとも1つをベルトメモリ65の第2ベルト記憶領域に記憶させる処理である。具体的には、制御装置100は、画像形成装置1に印刷ジョブが入力され、所定枚数の印刷が実行された場合に、ベルトユニット6における所定枚数の印刷が実行される前までのベルト印刷枚数、ベルト回転数に、所定枚数の印刷が実行された分をプラスしたベルト累積印刷枚数、累積ベルト回転数をベルトメモリ65の第2ベルト記憶領域に記憶させる。この記憶処理は、印刷ジョブがすべて終了するまで所定枚数ごとに繰り返し行われる。
【0076】
読出処理は、ベルトメモリ65に記憶されたベルト識別情報を読み出す処理である。具体的には、ベルトメモリ65の第2ベルト記憶領域からベルト累積印刷枚数、累積現像ローラ回転数を読み出す処理である。
【0077】
判定処理は、本体メモリ110に記憶された複数のベルト識別情報の中から、読み出されたベルト識別情報に対応するベルト上限印刷枚数および上限ベルト回転数の少なくとも1つと、ベルトメモリ65の第2ベルト記憶領域に記憶されたベルト累積印刷枚数および累積ベルト回転数の少なくとも1つを用いて、ベルトユニット6が寿命に到達したかを判定する処理である。
【0078】
本実施形態では、判定処理において、ベルト上限印刷枚数および上限ベルト回転数と、ドラム累積印刷枚数および累積現像ローラ回転数と、を用いてベルトユニット6が寿命に到達したかを判定する。つまり、ベルト累積印刷枚数および累積ベルト回転数のうちのどれか1つが上限に達した場合に寿命と判定する。
【0079】
制御装置100は、判定処理において、ベルト累積印刷枚数がベルト上限印刷枚数を超えた場合、累積ベルト回転数が上限ベルト回転数を超えた場合、の少なくとも1つを判定した場合にベルトユニット6が寿命に達したとするエラーとする。
制御装置100は、判定処理によりエラーとされた場合、ディスプレイ26に、エラーに関する情報を表示させる。
【0080】
制御装置100は、本体メモリ110に記憶された複数のベルト識別情報の中(図4参照)に、読み出されたベルト識別情報が無い場合、エラーとする。具体的に、制御装置100は、ベルトメモリ65の第1ベルト記憶領域からベルト識別情報を読み出した場合に、本体メモリ110のテーブルに対応するベルト識別情報がない場合には、ベルトユニット6の種別のエラーと判定し、エラーをディスプレイ26に表示する。
【0081】
次に、制御装置100が実行する記憶処理の一例について、図6のフローチャートを参照して説明する。
【0082】
図6に示すように、制御装置100は、画像形成装置1に印刷ジョブが入力された判定した場合(S1,Yes)、所定枚数の印刷を実行する(S2)。所定枚数は、予め設定されており、1枚であってもよく、2枚以上であってもよい。制御装置100は、画像形成装置1に印刷ジョブが入力されない場合(S1,No)、印刷ジョブが入力されるまで待つ。
【0083】
ステップS2の後、制御装置100は、記憶処理として、現像カートリッジ9を用いて印刷された現像累積印刷枚数、累積現像ローラ回転数、累積ドットカウントを現像メモリ95の第2現像記憶領域に記憶させる(S3)。
【0084】
ステップS3の後、制御装置100は、記憶処理として、ドラムカートリッジ8を用いて印刷されたドラム累積印刷枚数、累積ドラム回転数をドラムメモリ85の第2ドラム記憶領域に記憶させる(S4)。
【0085】
ステップS4の後、制御装置100は、記憶処理として、ベルトユニット6を用いて印刷されたベルト累積印刷枚数、累積ベルト回転数をベルトメモリ65の第2ベルト記憶領域に記憶させる(S5)。
【0086】
ステップS5の後、制御装置100は、印刷ジョブはすべて終了したかを判定する(S6)。制御装置100は、印刷ジョブがすべて終了していない判定した場合(S6,No)、ステップS2に戻り、さらに所定枚数の印刷を実行する。一方、制御装置100は、印刷ジョブがすべて終了したと判定した場合(S6,Yes)、本制御を終了する。
【0087】
次に、制御装置100が実行する現像カートリッジ9の寿命チェック処理の一例について、図7のフローチャートを参照して説明する。寿命チェック処理は、画像形成装置1がONされてからOFFされるまで繰り返し行われる。
【0088】
図7に示すように、制御装置100は、現像メモリ95の第1現像記憶領域から現像識別情報を読み出す(S10)。
【0089】
ステップS10の後、制御装置100は、本体メモリ110のテーブル(図3参照)に、読み出した現像識別情報があるかを判定する(S11)。
【0090】
ステップS11において、制御装置100は、本体メモリ110のテーブルに読み出した現像識別情報がないと判定した場合(S11,No)、現像カートリッジ9が画像形成装置1に適さないものであるとして、現像カートリッジ9の種別エラーをディスプレイ26に表示し(S12)、本制御を終了する。
【0091】
一方、ステップS11において、制御装置100は、本体メモリ110のテーブルに読み出した現像識別情報があると判定した場合(S11,Yes)、本体メモリ110のテーブルに基づいて、現像識別情報に対応する現像上限印刷枚数、上限ドットカウント、上限現像ローラ回転数を決定する(S13)。
【0092】
ステップS13の後、制御装置100は、読出処理として現像メモリ95の第2現像記憶領域から現像累積印刷枚数、累積ドットカウント、累積現像ローラ回転数を読み出す(S14)。
【0093】
ステップS14の後、制御装置100は、現像累積印刷枚数が現像上限印刷枚数より小さいかを判定する(S15)。ステップS15において、制御装置100は、現像累積印刷枚数が現像上限印刷枚数より小さくないと判定した場合(S15,No)、現像カートリッジ9が寿命に達したとして、現像カートリッジ9の寿命到達エラーをディスプレイ26に表示する(S18)。
【0094】
ステップS15において、制御装置100は、現像累積印刷枚数が現像上限印刷枚数より小さいと判定した場合(S15,Yes)、累積ドットカウントが上限ドットカウントより小さいかを判定する(S16)。ステップS16において、制御装置100は、累積ドットカウントが上限ドットカウントより小さくないと判定した場合(S16,No)、現像カートリッジ9が寿命に達したとして、現像カートリッジ9の寿命到達エラーをディスプレイ26に表示する(S18)。
【0095】
ステップS16において、制御装置100は、累積ドットカウントが上限ドットカウントより小さいと判定した場合(S16,Yes)、累積現像ローラ回転数が上限現像ローラ回転数より小さいかを判定する(S17)。ステップS17において、制御装置100は、累積現像ローラ回転数が上限現像ローラ回転数より小さくないと判定した場合(S17,No)、現像カートリッジ9が寿命に達したとして、現像カートリッジ9の寿命到達エラーをディスプレイ26に表示する(S18)。
【0096】
ステップS17において、制御装置100は、累積現像ローラ回転数が上限現像ローラ回転数より小さいと判定した場合(S17,Yes)、現像カートリッジ9は寿命に達していないと判定する。
【0097】
次に、制御装置100が実行するドラムカートリッジ8の寿命チェック処理の一例について、図8のフローチャートを参照して説明する。寿命チェック処理は、画像形成装置1がONされてからOFFされるまで繰り返し行われる。
【0098】
図8に示すように、制御装置100は、ドラムメモリ85の第1ドラム記憶領域からドラム識別情報を読み出す(S20)。
【0099】
ステップS20の後、制御装置100は、本体メモリ110のテーブル(図4参照)に、読み出したドラム識別情報があるかを判定する(S21)。
【0100】
ステップS21において、制御装置100は、本体メモリ110のテーブルに読み出したドラム識別情報がないと判定した場合(S21,No)、ドラムカートリッジ8が画像形成装置1に適さないものであるとして、ドラムカートリッジ8の種別エラーをディスプレイ26に表示し(S22)、本制御を終了する。
【0101】
一方、ステップS21において、制御装置100は、本体メモリ110のテーブルに読み出したドラム識別情報があると判定した場合(S21,Yes)、本体メモリ110のテーブルに基づいて、ドラム識別情報に対応するドラム上限印刷枚数、上限ドラム回転数を決定する(S23)。
【0102】
ステップS23の後、制御装置100は、読出処理としてドラムメモリ85の第2ドラム記憶領域からドラム累積印刷枚数、累積ドラム回転数を読み出す(S24)。
【0103】
ステップS24の後、制御装置100は、ドラム累積印刷枚数がドラム上限印刷枚数より小さいかを判定する(S25)。ステップS25において、制御装置100は、ドラム累積印刷枚数がドラム上限印刷枚数より小さくないと判定した場合(S25,No)、ドラムカートリッジ8が寿命に達したとして、ドラムカートリッジ8の寿命到達エラーをディスプレイ26に表示する(S27)。
【0104】
ステップS25において、制御装置100は、ドラム累積印刷枚数がドラム上限印刷枚数より小さいと判定した場合(S25,Yes)、累積ドラム回転数が上限ドラム回転数より小さいかを判定する(S26)。ステップS26において、制御装置100は、累積ドラム回転数が上限ドラム回転数より小さくないと判定した場合(S26,No)、ドラムカートリッジ8が寿命に達したとして、ドラムカートリッジ8の寿命到達エラーをディスプレイ26に表示する(S27)。
【0105】
ステップS26において、制御装置100は、累積ドラム回転数が上限ドラム回転数より小さいと判定した場合(S26,Yes)、ドラムカートリッジ8は寿命に達していないと判定する。
【0106】
次に、制御装置100が実行するベルトユニット6の寿命チェック処理の一例について、図9のフローチャートを参照して説明する。寿命チェック処理は、画像形成装置1がONされてからOFFされるまで繰り返し行われる。
【0107】
図9に示すように、制御装置100は、ベルトメモリ65の第1ベルト記憶領域からベルト識別情報を読み出す(S30)。
【0108】
ステップS30の後、制御装置100は、本体メモリ110のテーブル(図5参照)に、読み出したベルト識別情報があるかを判定する(S31)。
【0109】
ステップS31において、制御装置100は、本体メモリ110のテーブルに読み出したベルト識別情報がないと判定した場合(S31,No)、ベルトユニット6が画像形成装置1に適さないものであるとして、ベルトユニット6の種別エラーをディスプレイ26に表示し(S22)、本制御を終了する。
【0110】
一方、ステップS31において、制御装置100は、本体メモリ110のテーブルに読み出したベルト識別情報があると判定した場合(S31,Yes)、本体メモリ110のテーブルに基づいて、ベルト識別情報に対応するベルト上限印刷枚数、上限ベルト回転数を決定する(S33)。
【0111】
ステップS33の後、制御装置100は、読出処理としてベルトメモリ65の第2ベルト記憶領域からベルト累積印刷枚数、累積ベルト回転数を読み出す(S34)。
【0112】
ステップS34の後、制御装置100は、ベルト累積印刷枚数がベルト上限印刷枚数より小さいかを判定する(S35)。ステップS35において、制御装置100は、ベルト累積印刷枚数がベルト上限印刷枚数より小さくないと判定した場合(S35,No)、ベルトユニット6が寿命に達したとして、ベルトユニット6の寿命到達エラーをディスプレイ26に表示する(S37)。
【0113】
ステップS35において、制御装置100は、ベルト累積印刷枚数がベルト上限印刷枚数より小さいと判定した場合(S35,Yes)、累積ベルト回転数が上限ベルト回転数より小さいかを判定する(S36)。ステップS36において、制御装置100は、累積ベルト回転数が上限ベルト回転数より小さくないと判定した場合(S36,No)、ベルトユニット6が寿命に達したとして、ベルトユニット6の寿命到達エラーをディスプレイ26に表示する(S27)。
【0114】
ステップS36において、制御装置100は、累積ベルト回転数が上限ベルト回転数より小さいと判定した場合(S36,Yes)、ベルトユニット6は寿命に達していないと判定する。
【0115】
以上に説明したように、本実施形態の画像形成装置1および現像カートリッジ9によれば、次のような効果を奏することができる。
【0116】
画像形成装置1によれば、複数の現像識別情報の中から、現像識別情報に対応する現像上限印刷枚数、上限現像ローラ回転数および上限ドットカウントの少なくとも1つと、現像累積印刷枚数、累積現像ローラ回転数および累積ドットカウントの少なくとも1つを用いて、現像カートリッジ9が寿命に到達したかを判定することができる。このため、複数の種別を持つ現像カートリッジ9に対して、適正な寿命管理をすることができる。
【0117】
また、現像累積印刷枚数、累積現像ローラ回転数および累積ドットカウントと、を用いて現像カートリッジが寿命に到達したかを判定することで、さらに確実に寿命管理をすることができる。
【0118】
また、複数のドラム識別情報の中から、ドラム識別情報に対応するドラム上限印刷枚数および上限ドラム回転数の少なくとも1つと、ドラム累積印刷枚数および累積ドラム回転数の少なくとも1つを用いて、ドラムカートリッジが寿命に到達したかを判定することができる。このため、複数の種別を持つドラムカートリッジに対して、適正な寿命管理をすることができる。
【0119】
また、ドラム累積印刷枚数および累積ドラム回転数を用いてドラムカートリッジが寿命に到達したかを判定することで、さらに確実に寿命管理をすることができる。
【0120】
また、複数のベルト識別情報の中から、ベルト識別情報に対応するベルト上限印刷枚数および上限ベルト回転数の少なくとも1つと、ベルト累積印刷枚数および累積ベルト回転数の少なくとも1つを用いて、ベルトユニット6が寿命に到達したかを判定することができる。このため、複数の種別を持つベルトユニットに対して、適正な寿命管理をすることができる。
【0121】
また、ベルト累積印刷枚数および累積ベルト回転数を用いてベルトユニット6が寿命に到達したかを判定することで、さらに確実に寿命管理をすることができる。
【0122】
なお、本開示は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。
【0123】
上述した実施形態においては、消耗品の種別を識別する識別情報は、メーカ、容量、ランクなどに応じて識別情報が割り当てられていたが、識別情報を割り当てる種別の種類、数などは特に限定されるものではなく、消耗品に応じて適宜決定すればよい。
【0124】
上述した実施形態においては、現像カートリッジはドラムカートリッジに組み付けられた状態で装置本体に対して着脱可能であったが、現像カートリッジが装置本体に対して装着可能であってもよい。この場合には、現像カートリッジおよびドラムカートリッジは、装置本体に対して、単独で、別個に着脱される。
【0125】
上述した実施形態においては、現像メモリ、ドラムメモリおよびベルトメモリが第1記憶領域と第2記憶領域を有していたが、各メモリは、第2記憶領域を有さず、第1記憶領域のみを有する構成としてもよい。この場合には、第1記憶領域に識別情報のみならず、累積印刷枚数なども記憶されるようにすればよい。
【0126】
上述した実施形態においては、画像形成装置として、モノクロ用のレーザプリンタを例示したが、画像形成装置は、カラー用のレーザプリンタであってもよく、コピー機や複合機であってもよい。
【0127】
上述した実施形態においては、エラーメッセージをディスプレイ26に表示していたが、エラーメッセージを他の場所(例えば画像形成装置に接続されたパソコンなど)に表示してもよいし、音声など他の方法でユーザーに報知してもよい。
【0128】
上述した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施することもできる。
【符号の説明】
【0129】
1 画像形成装置
2 装置本体
6 ベルトユニット
8 ドラムカートリッジ
9 現像カートリッジ
26 ディスプレイ
61 ベルト
65 ベルトメモリ
81 感光体ドラム
85 ドラムメモリ
91 現像ローラ
95 現像メモリ
100 制御装置
110 本体メモリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9