(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171641
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】視線追跡を使用する医療装置、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 34/30 20160101AFI20231124BHJP
A61B 34/20 20160101ALI20231124BHJP
【FI】
A61B34/30
A61B34/20
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023177204
(22)【出願日】2023-10-13
(62)【分割の表示】P 2021088601の分割
【原出願日】2015-03-18
(31)【優先権主張番号】61/955,355
(32)【優先日】2014-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/955,314
(32)【優先日】2014-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510253996
【氏名又は名称】インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ジャーク,アンソニー マイケル
(72)【発明者】
【氏名】リン,ヘンリー シー
(72)【発明者】
【氏名】ソージャー,ジョナサン マイケル
(57)【要約】
【課題】手術野で医療処置を実行するための遠隔操作医療システムを提供する。
【解決手段】遠隔操作医療システムは、視標追跡ユニット200及び制御ユニットを有する。視標追跡ユニットは、手術野の画像をユーザに表示するように構成される画像ディスプレイ202a,202b、ユーザの注視点に関するデータを測定するように構成される少なくとも1つのアイトラッカ204a,204b、及びユーザの注視点が向けられている表示された画像における視点を決定するためにデータを処理するように構成されるプロセッサ206、を含む。制御ユニットは、決定された視点に基づいて遠隔操作医療システムの少なくとも1つの機能を制御するように構成される。
【選択図】
図2B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔操作手術システムであって、前記遠隔操作手術システムは:
視標追跡ユニットであって:
手術野のリアルタイム画像をユーザに表示するように構成される画像ディスプレイと;
前記遠隔操作手術システムを使用して実行される手術処置の間に前記ユーザの視線動態に対応するデータを測定するように構成されるアイトラッカと;
測定された前記データに基づいて前記ユーザのストレス又は疲労レベルを評価するように構成されるプロセッサと;
を含む、視標追跡ユニット;
を有する、
遠隔操作手術システム。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記測定されたデータを、前記ユーザを評価するためのベースラインデータと比較することによって、前記ユーザの前記ストレス又は疲労レベルを評価するように構成される、
請求項1に記載の遠隔操作手術システム。
【請求項3】
前記ベースラインデータは、前記手術処置より前に前記ユーザから取得される、
請求項2に記載の遠隔操作手術システム。
【請求項4】
前記ベースラインデータは、前記ユーザが通常の状態の下で作業しているときの前記手術処置の間に前記ユーザから取得される、
請求項2に記載の遠隔操作手術システム。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記測定されたデータを前記ベースラインデータと比較することが異常な視線動態を示すときに通知又はアラームを生成するように構成される、
請求項2に記載の遠隔操作手術システム。
【請求項6】
前記ユーザの前記視線動態は:視線サッケードの周波数、瞳孔径変動の周波数、又は瞳孔径変動の大きさのうちの1つ又は複数を含む、
請求項1に記載の遠隔操作手術システム。
【請求項7】
前記画像ディスプレイは、前記手術野の3D画像を前記ユーザに表示するように構成される3D画像ディスプレイであり、
前記アイトラッカは、さらに、前記手術野の前記3D画像内の前記ユーザの注視点を測定するように構成される、
請求項1に記載の遠隔操作手術システム。
【請求項8】
手術器具をさらに有し、
前記プロセッサは、前記ユーザの前記注視点を追跡することに基づいて前記手術器具を操作するように構成される、
請求項7に記載の遠隔操作手術システム。
【請求項9】
遠隔操作手術システムの作動方法であって、前記方法は:
画像ディスプレイに手術野のリアルタイム画像を表示するステップと;
前記遠隔操作手術システムを用いて実行される手術処置の間にアイトラッカを用いてユーザの注視点を測定するステップと;
前記手術処置の間の前記ユーザの視線動態に対応するデータを測定するステップと;
プロセッサが、測定された前記データに基づいて前記ユーザのストレス又は疲労レベルを評価するステップと;
を含む、
方法。
【請求項10】
前記ユーザの前記ストレス又は疲労レベルを評価するステップは、前記測定されたデータを、前記ユーザを評価するためのベースラインデータと比較するステップを含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ベースラインデータは、前記手術処置より前に前記ユーザから取得される、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ユーザが通常の状態の下で作業しているときの前記手術処置の間に前記ユーザから前記ベースラインデータを取得するステップをさらに含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記測定されたデータを前記ベースラインデータと比較するステップが異常な視線動態を示すときに通知又はアラームを生成するステップをさらに含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記ユーザの前記視線動態は:視線サッケードの周波数、瞳孔径変動の周波数、又は瞳孔径変動の大きさのうちの1つ又は複数を含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記画像ディスプレイは、前記手術野の3D画像を前記ユーザに表示するように構成される3D画像ディスプレイであり、前記方法はさらに:
測定された前記注視点に基づいて前記手術野内の手術器具の動きを操作するステップを含む、
請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、"Medical Devices, Systems, and Methods Using Eye Gaze Tracking"と題する、2014年3月19日に出願された米国仮特許出願第61/955,314号、及び
"Medical Devices, Systems, and Methods Using Eye Gaze Tracking for Secondary Imaging"と題する、2014年3月19日に出願された米国仮特許出願第61/955,355号の優先権及び出願日の利益を主張し、これらは全てその全体が参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
外科手術は、遠隔操作医療システムを使用して低侵襲な方法で実行されることができる。低侵襲手術の利点は良く知られており、従来の、開放切開手術と比べるとき、より少ない患者の外傷、より少ない失血、より早い回復時間を含む。加えて、カリフォルニア州SunnyvaleのIntuitive Surgical, Inc.により商業化されているDA VINCI(登録商標)手術システムのような、遠隔操作医療システムの使用が知られている。このような遠隔操作医療システムは、手動低侵襲手術と比べるとき、外科医が、直観的な制御及び増加した精度で手術することを可能にするかもしれない。
【0003】
遠隔操作医療システムは、1又は複数のロボットアームに結合される1又は複数の器具を含むかもしれない。システムが、低侵襲手術を行うために使用される場合、器具は、小さい切開部又は、例えば、口、尿道、又は肛門等、自然の開口のような、患者の1又は複数の小さい開口部を通って手術領域にアクセスするかもしれない。幾つかの場合には、開口(複数可)を通って器具を直接挿入するのではなく、カニューレ又は他のガイド要素が、それぞれの開口に挿入されることができ、器具は、手術領域にアクセスするためにカニューレを通って挿入されることができる。内視鏡のようなイメージングツールが手術領域を見るために使用されることができ、イメージングツールによって取り込まれた画像は、手術中に外科医が見るために画像ディスプレイに表示されることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
低侵襲医療処置中に様々な用途のために効果的に制御され且つ監視されることができる遠隔操作医療システムを提供することが望ましい。本明細書に開示されるシステム及び方法は、従来技術の欠陥の1又は複数を克服する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの例示的な態様において、本開示は、視標追跡(eye tracking)ユニット及び制御ユニットを有する遠隔操作医療システムを対象にする。1つの態様では、視標追跡ユニットは、手術野の画像をユーザに表示するように構成される画像ディスプレイ、及びユーザの注視点(gaze point)に関するデータを測定するように構成される少なくとも1つのアイトラッカ(eye tracker)を含む。1つの態様では、視標追跡ユニットは、ユーザの注視点が向けられている表示される画像における視点(viewing location)を決定するためにデータを処理するように構成されるプロセッサを含む。1つの態様では、制御ユニットは、決定された視点に基づいて遠隔医療システムの少なくとも1つの機能を制御するように構成される。
【0006】
他の例示的な態様では、本開示は、遠隔医療システムを動作させるための方法を対象にする。1つの態様では、方法は、画像ディスプレイに、手術野画像を含む、画像を表示するステップを含む。1つの態様では、方法は、画像ディスプレイにおけるユーザの注視点を測定するステップを含む。1つの態様では、方法は、ユーザの注視点が向けられる表示された画像における視点を決定するステップを含む。1つの態様では、方法は、決定された視点に基づいて遠隔医療システムの少なくとも1つの機能を生業するステップを含む。
【0007】
他の例示的な態様では、本開示は、第1の視標追跡ユニット及び第2の視標追跡ユニットを有する遠隔医療システムを対象にする。1つの態様では、第1の視標追跡ユニットは、1又は複数の第1の画像ディスプレイ、1又は複数の第1のアイトラッカ、及び1又は複数の第1のアイトラッカに結合され且つ第1のユーザが1又は複数の第1の画像ディスプレイによって表示される第1の画像を見るときに第1のユーザの第1の注視点を計算するように構成される、第1のプロセッサを含む。1つの態様では、第2の視標追跡ユニットは、1又は複数の第2の画像ディスプレイ、1又は複数の第2のアイトラッカ、及び1又は複数の第2のアイトラッカに結合され且つ第2のユーザが1又は複数の第2の画像ディスプレイによって表示される第2の画像を見るときに第2のユーザの第2の注視点を計算するように構成される、第2のプロセッサを含む。1つの態様では、1又は複数の第1の画像ディスプレイは、第2のプロセッサに結合される。1つの態様では、1又は複数の第2の画像ディスプレイは、第1のプロセッサに結合される。
【0008】
他の例示的な態様では、本開示は、遠隔操作医療システムを動作させるための方法を対象にする。1つの態様では、方法は、手術部位の3D画像ディスプレイにおける視線動態(eye gaze dynamics)を追跡するステップを含む。1つの態様では、方法は、ユーザが3D画像ディスプレイを見ているときのユーザの状態を決定するステップを含む。
【0009】
他の例示的な態様では、本開示は、手術システムを動作させるための方法を対象にする。1つの態様では、方法は、第1のディスプレイにおける3D画像を見ている第1のユーザに関する3D注視点を決定するステップ及び第2のディスプレイにおける3D画像に3D注視点を表示するステップを含む。1つの態様では、方法は、第2のディスプレイ上の第1のユーザの3D注視点を見ている第2のユーザからの指令を受信するステップを含む。
【0010】
他の例示的な態様では、本開示は、器具及び3Dディスプレイを有する手術システムを動作させるための方法を対象にする。1つの態様では、方法は、3Dディスプレイに3D画像を表示するステップ及び3D画像を見ているユーザの3D注視点の位置を決定するステップを含む。1つの態様では、方法は、3D画像及び3D注視点の位置を比較するステップを含む。
【0011】
これらの及び他の実施形態は、以下の図に関して、以下にさらに詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本開示の態様は、添付の図面と併せて読むとき、以下の詳細な説明から最も良く理解される。この業界での標準的な慣例に従って、様々な特徴は一定の縮尺で描かれていないことを強調しておく。実際、様々な特徴の寸法は、議論を明確にするために適宜拡大又は縮小される場合がある。また、本開示は、様々な例において参照数字及び/又は文字を繰り返して使用する場合がある。この繰返しは、簡略化と明瞭化を目的として行われており、論じられる様々な実施形態及び/又は構成の間の関係をそれ自体で規定するものではない。
【
図1A】本開示の1つの実施形態による、例示の遠隔操作医療システムを示す。
【
図1B】本開示の1つの実施形態による、遠隔操作医療システムの例示の構成要素を示し、特に、本開示の1つの実施形態による例示の遠隔操作アセンブリの正面図を示す。
【
図1C】本開示の1つの実施形態による、遠隔操作医療システムの例示の構成要素を示し、本開示の1つの実施形態による例示のオペレータ入力システムの正面図を示す。
【
図1D】本開示の1つの実施形態による、遠隔操作医療システムの例示の構成要素を示し、本開示の1つの実施形態による例示のビジョンカート構成要素の正面図を示す。
【
図2A】本開示の1つの実施形態による例示の画像ディスプレイ及び手術野に対するユーザの3D座標フレームのブロック図を示す。
【
図2B】本開示の1つの実施形態による、
図1A、1B、及び1Cの遠隔操作医療システムによって使用される例示の視標追跡ユニットを示す。
【
図2C】本開示の1つの実施形態による、遠隔操作医療システム及び/又は手術器具を制御するために且つ遠隔操作医療システム及び/又は手術器具に作用するように視標追跡ユニットを使用する例示の方法を示すフローチャートである。
【
図2D】本開示の1つの実施形態による、訓練されている外科医の例示の視標追跡ユニットに結合される例示の試験監督の視標追跡ユニットを示す。
【
図3A】本開示の1つの実施形態による
図2Bの視標追跡ユニット200を使用する外科医の3D注視点を決定し且つ表示するための例示の方法を示す。
【
図3B】本開示の1つの実施形態による
図2Dのデュアル視標追跡ユニットを使用する例示の訓練する/試験監督する方法を示す。
【
図3C】本開示の1つの実施形態による、動作において使用されることになる所定の手術器具を配送するために対応する制御インタフェースを確認し且つ作動させる例示の注視点確認方法を示す。
【
図4】本開示の1つの実施形態による
図2Bの視標追跡ユニットを使用する手術の間の外科医の能力を評価するための例示の方法を示す。
【
図5】本開示の1つの実施形態による、3D座標系で手術部位の3D画像を示す外科医用コンソールの3D画像ディスプレイの例である。
【
図6A】本開示による
図1A-1Cの遠隔医療システムで使用されることができる内視鏡の様々な実施形態を示す。
【
図6B】本開示による
図1A-1Cの遠隔医療システムで使用されることができる内視鏡の様々な実施形態を示す。
【
図6C】本開示の1つの実施形態による
図6A-6Bの内視鏡のイメージングモジュールとして使用されることができる立体カメラの概略図である。
【
図7A】本開示の1つの実施形態による内視鏡システムのブロック図を示し、内視鏡システムは、
図6A-6Bに示された例示の内視鏡を組み込んでいる。
【
図7B】本開示の実施形態による、画像修正を適用するために遠隔医療システムを使用する方法を示すフローチャートである。
【
図8A】本開示の実施形態による、一次画像に重なる拡大画像を表示するために内視鏡システムを使用する遠隔医療システムの1又は複数の内視鏡を制御するための方法を示すフローチャートである。
【
図8B】本開示の実施形態による、仮想的に拡大された領域内に表示された所定の視標追跡精度閾値を示す。
【
図8C】本開示の実施形態による、一次画像に重なる拡大画像を表示することの例を示す。
【
図8D】本開示の実施形態による、
図8Cに示された一次画像及び拡大画像を取り込み且つ生成するために
図6Aの内視鏡を使用することを示す概略図である。
【
図8E】本開示の実施形態による、
図8Cに示された一次画像及び拡大画像を取り込み且つ生成するために
図6Bの2つの内視鏡を使用することを示す概略図である。
【
図9】本開示の実施形態による、異なるイメージングモダリティを取込且つ表示するために制御システムを使用する遠隔操作医療システムの1又は複数の内視鏡を制御するための方法を示すフローチャートである。
【
図10A】本開示の実施形態による、内視鏡がディスプレイ上の一次画像にわたって走査する外科医の視線に従う時に取り込まれる複数の画像を表示するための方法を示すフローチャートである。
【
図10B】本開示の様々な実施形態による、内視鏡がディスプレイ上の一次画像にわたって走査する外科医の視線に従う時に取り込まれ且つ表示される複数の画像の例を示す。
【
図10C】本開示の様々な実施形態による、内視鏡がディスプレイ上の一次画像にわたって走査する外科医の視線に従う時に取り込まれ且つ表示される複数の画像の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の原理の理解を促進する目的のために、図面で例示される実施形態をここで参照し、特定の言語を、これを説明するために使用する。それにもかかわらず、本開示の範囲の限定は意図されないことが理解されるであろう。本発明の態様の以下の詳細な説明では、開示された実施形態の完全な理解を提供するために、多数の特定の詳細について説明する。しかし、本開示の実施形態は、これら特定の詳細がなくても実施できることは当業者には明らかであろう。他の例では、周知の方法、手順、構成要素、及び回路は、本発明の実施形態の態様を不必要に曖昧にしないように詳細に説明していない。
【0014】
説明される装置、器具、方法、及び本開示の原理の任意のさらなる適用に対する任意の代替及びさらなる修正は、本開示が関連する分野の当業者が通常想起し得るように完全に企図される。具体的には、1つの実施形態について説明される特徴、構成要素、及び/又はステップは、本開示の他の実施形態について説明される特徴、構成要素、及び/又はステップと組み合わせることができることが完全に企図される。これらの組合せの多数の繰り返しは別々に記載されない。加えて、本明細書で提供される寸法は特定の例に関するものであり、異なるサイズ、寸法、及び/又は比が、本開示の概念を実現するために用いられてよいことが企図される。説明の不要な重複を避けるために、1つの例示的な実施形態にしたがって記載された1又は複数の構成要素又は動作は、他の例示的な実施形態に必要に応じて使用することができる又は他の例示的な実施形態から必要に応じて省略され得る。単純にするために、いくつかの場合、同じ参照番号が、同じ又は同様の部分を言及するために図面全体を通して使用される。
【0015】
以下の実施形態は、様々な器具及び器具の部分を、三次元空間におけるそれらの状態の観点から、説明する。本明細書で使用されるとき、用語「位置」は、三次元空間(例えば、デカルトX,Y,Z座標に沿った並進3自由度)における対象物又は対象物の一部の場所を指す。本明細書で使用されるとき、用語「向き」は、対象物又は対象物の一部の回転配置(回転の3自由度-例えば、ロール、ピッチ、及びヨー)を指す。本明細書で使用されるとき、用語「姿勢」は、並進自由度の少なくとも1つの自由度における対象物又は対象物の一部の位置、及び回転自由度の少なくとも1つの自由度における対象物又は対象物の一部の向き(合計6つの自由度まで)を指す。本明細書で使用されるとき、用語「形状」は、細長い対象物に沿って測定された姿勢、位置、又は向きのセットを指す。
【0016】
用語「近位」及び「遠位」は、本明細書では、臨床医から手術部位に延びる器具の端部を操作する臨床医に関連して使用されることが理解されるであろう。用語「近位」は、臨床医により近い器具の部分を指し、用語「遠位」は、臨床医から離れ且つ手術部位により近い器具の部分を指す。簡潔さ及び明瞭さのために、「水平」、「垂直」、「より上」、及び「より下」のような空間に関する用語は、本明細書では図面に関して使用され得る。しかし、手術器具は、多くの方向及び位置で使用され、これらの用語は、限定すること及び絶対的であることを意図されていない。
【0017】
本開示は、概して、限定ではなく、診断、手術、及び/又は治療処置を含む、様々な医療処置で使用される遠隔操作医療システム及び/又は器具の使用中のユーザの目の特性を観察し且つ測定する(例えば、視線追跡)ための視標追跡システムに関する。特に、幾つかの実施形態では、本明細書に開示される視標追跡システムは、手術コンソール、ディスプレイシステム、又は他の医療若しくは手術システム構成要素へのユーザの視線の正確な位置(例えば、2D又は3D位置)を追跡する能力に依存する。幾つかの実施形態では、視標追跡システムは、システム器具を直接操作することによって及び/又はシステム全体の変化を生じさせるようにシステムの特性に影響を及ぼすことによって、遠隔操作システムを制御するために使用され得る。特に、本開示の幾つかの実施形態は、システム及び器具制御に、特に、低侵襲処置中にオペレータが遠隔操作医療システムを使用する間にオペレータの視線を追跡することによるシステム及び器具制御に関する。幾つかの実施形態では、複数の視標追跡システム(例えば、訓練者/試験監督及び学生のため)が、与えられた処置を通じて試験監督する及び訓練することを可能にするために、一緒に使用され得る。幾つかの実施形態では、視標追跡システムは、与えられた処置の間に遠隔操作システムを動作させることにおける能力メトリクス(performance metrics)を得るために又はユーザ技能(user skill)を評価するために使用され得る。特に、幾つかの実施形態では、遠隔医療システムに組み込まれる視標追跡システムは、外科医の技能レベル、一貫性(consistency)、生理状態(physical state)、及び/又は手術中の任意の他の能力測定(performance measure)を評価するために外科医の視線を追跡し得る。当業者は、本明細書に開示される視標追跡システムが、システム/器具制御、訓練/試験監督、及び/又は能力評価から恩恵を受ける同様の(例えば、非遠隔操作の)実装で用いられ得ることを認識するであろう。本明細書に開示される視標追跡システム及び方法を用いることによって、ユーザは、遠隔操作医療システムとのより直感的且つより効率的な相互作用を経験し得る。
【0018】
様々な実施形態によれば、低侵襲医療処置は、器具配送(instrument delivery)及び操作を誘導するために遠隔操作システムを使用して実行され得る。図面の
図1Aを参照すると、例えば、診断、治療、又は外科処置を含む医療処置で用いる遠隔操作医療システムが、参照数字10によって概して示されている。記載されるように、本開示の遠隔操作医療システムは、外科医の遠隔操作の制御下にある。代替実施形態では、遠隔操作医療システムは、処置又は下位処置(sub-procedure)を実行するようにプログラムされたコンピュータの部分的な制御下にあってよい。さらに他の代替実施形態では、処置又は下位処置を実行するようにプログラムされたコンピュータの完全な制御下の、完全に自動化された医療システムが、処置又は下位処置を実行するために使用されてよい。
図1に示されるように、遠隔操作医療システム10は、概して、患者Pが位置する手術台Oの近くに又は手術台Oに取り付けられた遠隔操作アセンブリ12を含む。遠隔操作アセンブリ12は、患者側マニピュレータ(PSM)と称され得る。医療器具システム14が、遠隔操作アセンブリ12に動作可能に結合される。オペレータ入力システム16は、外科医又は他の種類の臨床医Sが手術部位の画像又は手術部位の表示を見ること及び医療器具システム14の動作を制御することを可能にする。オペレータ入力システム16は、マスタコンソールまたは外科医用コンソールと称され得る。この開示に記載されたシステム及び技術を実装するために使用されることができる遠隔操作手術システムの1つの例は、カリフォルニア州SunnyvaleのIntuitive Surgical, Inc.によって製造されているda Vinci(登録商標)手術システムである。
【0019】
遠隔操作アセンブリ12は、医療器具システム14を支持し、且つ1又は複数の非サーボ制御リンク(例えば、所定の位置に手動で位置決めされ且つロックされる1又は複数のリンク、一般的にセットアップ構造と呼ばれる)及び遠隔操作マニピュレータ(例えば、
図2参照)の運動学的構造を含み得る。遠隔操作アセンブリ12は、医療器具システム14の入力部を駆動する複数のモータを含む。これらのモータは、制御システム22からの指令に応じて動く。モータは、医療器具システム14に結合されるとき、自然の又は外科的に作られた解剖学的構造の開口部(anatomical orifice)の中に医療器具を前進させ得る駆動システムを含む。他のモータ駆動システムは、医療器具の遠位端部を多自由度で動かすことができ、この多自由度は、3自由度の直線運動(例えば、X,Y,Zデカルト座標軸に沿った直線運動)及び3自由度の回転運動(例えば、X,Y,Zデカルト座標軸回りの回転)を含み得る。さらに、モータは、器具の関節動作可能なエンドエフェクタを作動させるために使用されることができる。
【0020】
遠隔操作医療システム10はまた、内視鏡のような、画像キャプチャ装置を含む、画像キャプチャシステム18、並びに関連付けられる画像処理ハードウェア及びソフトウェアを含む。遠隔操作医療システム10はまた、遠隔操作アセンブリ12のセンサ、モータ、アクチュエータ、及び他のコンポーネント、オペレータ入力システム16並びに画像キャプチャシステム18に動作可能に連結される制御システム12を含む。
【0021】
オペレータ入力システム16は、外科医用コンソールに位置することができ、この外科医用コンソールは、通常、手術台Oと同じ部屋に位置する。しかし、外科医Sは、患者Pとは異なる部屋又は完全に異なる建物に位置し得ることが理解されるべきである。オペレータ入力システム16は、一般的に、医療器具システム14を制御するための1又は複数の制御装置を含む。より具体的には、外科医の入力指令に応じて、制御システム22は、医療器具システム14のサーボ機構運動を生じさせる。制御装置(複数可)は、ハンドグリップ、ジョイスティック、トラックボール、データグローブ、トリガーガン、手動操作制御装置、フット操作制御装置、音声認識装置、タッチスクリーン、身体動き又は存在センサ等のような、任意の数の様々な入力装置の1又は複数を含んでもよい。幾つかの実施形態では、制御装置(複数可)は、テレプレゼンス、手術部位にいるかのように外科医が器具を直接的に制御する強い感覚を有するよう制御装置(複数可)が器具と一体化されるような知覚を外科医に提供するために、遠隔操作アセンブリの医療器具と同じ自由度を備える。他の実施形態では、制御装置(複数可)は、関連する医療器具より多い又は少ない自由度を有し得るとともに、依然としてテレプレゼンスを外科医に提供し得る。幾つかの実施形態では、制御装置(複数可)は、6自由度で動く手動入力装置であり、この手動入力装置は、(例えば、把持ジョーを閉じる、電位を電極に印加する、薬物療法を送達する等のための)器具を作動させるための作動可能ハンドルも含み得る。
【0022】
システムオペレータは、オペレータ入力システム16に動作可能に結合された又は組み込まれたディスプレイシステム20上で見るために提示される、画像キャプチャシステム18によって取り込まれた、画像を見る。ディスプレイシステム20は、画像キャプチャシステム18のサブシステムによって生成されるような、手術部位及び医療器具システム(複数可)14の画像又は表現を表示する。ディスプレイシステム20及びオペレータ入力システム16は、オペレータが、テレプレゼンスの知覚を伴って医療器具システム14及びオペレータ入力システム16を制御できるように、向きを合わせされ得る。ディスプレイシステム20は、オペレータのそれぞれの目に別々の画像を提示するための別個の右及び左ディスプレイのような複数のディスプレイを含むことができ、その結果、オペレータが立体画像を見ることを可能にする。
【0023】
代替的に又は追加的に、ディスプレイシステム20は、コンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴画像診断(MRI)、X線透視法、サーモグラフィ、超音波、光コヒーレンストモグラフィー(OCT)、サーマルイメージング、インピーダンスイメージング、レーザーイメージング、ナノチューブX線イメージング等のようなイメージング技術を使用して手術前又は手術中に記録された及び/又は画像化された手術部位の画像を提示し得る。提示された手術前又は手術中画像は、2次元、3次元、又は4次元(例えば、時間ベース又は速度ベースの情報を含む)画像及び画像を再構成するための関連する画像データセットを含み得る。
【0024】
制御システム22は、遠隔操作システム12、医療器具システム14、オペレータ入力システム16、画像キャプチャシステム18、及びディスプレイシステム20の間で制御を行うための、少なくとも1つのメモリ及び少なくとも1つのプロセッサ(図示せず)、典型的には複数のプロセッサを含む。制御システム22はまた、本明細書に開示される態様に従う記載された方法の幾つか又は全てを実装するプログラムされた指令(例えば、指令を格納するコンピュータ可読媒体)も含む。制御システム22は、
図1の概略図に単一のブロックとして示されているが、このシステムは、処理のある部分が、オプションで、遠隔操作アセンブリ12で又はこれに隣接して実行され、処理の他の部分が、オペレータ入力システム16等で実行される、2以上のデータ処理回路を含んでよい。多種多様な集中型又は分散型データ処理アーキテクチャのいずれかが用いられてよい。同様に、プログラムされた指令は、多数の別々のプログラム又はサブルーチンとして実装されてよい、又はそれらは、本明細書に記載される遠隔操作システムの多数の他の態様に組み込まれてよい。1つの実施形態では、制御システム22は、ブルートゥース(登録商標)、IrDA、ホームRF、IEEE802.11、DECT、及び無線テレメトリのような無線通信プロトコルをサポートする。
【0025】
幾つかの実施形態では、制御システム22は、医療器具システム14から力フィードバック及び/又はトルクフィードバックを受ける1又は複数のサーボコントローラを含み得る。フィードバックに応じて、サーボコントローラは、オペレータ入力システム16に信号を送信する。サーボコントローラ(複数可)はまた、患者の身体の開口部を介してこの身体内の内部手術部位内に延びる医療器具システム(複数可)14を移動させるように遠隔操作アセンブリ12に命令する信号を送信し得る。任意の適切な従来の又は専用のサーボコントローラが使用され得る。サーボコントローラは、遠隔操作アセンブリ12から分離され得る、又は遠隔操作アセンブリ12と一体にされ得る。幾つかの実施形態では、サーボコントローラ及び遠隔操作アセンブリは、患者の身体に隣接して位置決めされる遠隔操作アームカートの一部として設けられる。
【0026】
この実施形態では、遠隔操作医療システム10はまた、オペレータ入力システム16に動作可能に結合され得る又はオペレータ入力システム16の中に組み込まれ得る視標追跡ユニット24を含む。視標追跡ユニット24は、オペレータがディスプレイ20を見ている及び/又はオペレータ入力システム16のオペレータ制御部を操作している間に、オペレータの目に関連する情報を検知し、測定し、記録し、伝達するための制御システム22に動作可能に結合される。
【0027】
遠隔操作医療システム10は、照明システム、操向(steering)制御システム、洗浄システムのような流体管理システム及び/又は吸引システムのような動作及びサポートシステム(図示せず)をさらに含み得る。代替実施形態では、遠隔操作システムは、1より多い遠隔操作アセンブリ及び/又は1より多いオペレータ入力システムを含み得る。マニピュレータアセンブリの正確な数は、他の要因の中でもとりわけ、外科処置及び手術室内の空間的制約に依存する。オペレータ入力システムは、併置されてもよく、又はそれらは別々の位置に配置されてもよい。複数のオペレータ入力システムは、1より多いオペレータが1又は複数のマニピュレータアセンブリを種々の組合せで制御することを可能にする。
【0028】
図1Bは、1つの実施形態による遠隔操作アセンブリ100(例えば、
図1Aに示される遠隔操作アセンブリ12)の正面図である。アセンブリ100は、床の上に置かれるベース102、ベース102に取り付けられる支持タワー104、及び手術器具(画像キャプチャシステム18の部分を含む)を支持する幾つかのアーム106を含む。
図1Bに示されるように、アーム106a、106b、106cは、組織を操作するために使用される手術器具を支持し且つ動かす器具アームであり、アーム108は、内視鏡を支持し且つ動かすカメラアームである。
図1Bはさらに、器具アーム106a、106b、106cそれぞれに取り付けられた交換可能な手術器具110a、110b、110cを示し、またカメラアーム108に取り付けられた内視鏡112を示している。内視鏡は、手術部位の立体画像を取り込み且つ別個の立体画像をディスプレイシステム20に提供するための立体内視鏡であり得る。知識のある人は、器具及びカメラを支持するアームがまた天井若しくは壁、又はある例では、手術室の設備の他の部分(例えば、手術台)に(固定して又は移動可能に)取り付けられるベースプラットホームによって支持され得ることを認めるであろう。同様に、彼らは、2以上の別個のベースが使用され得る(例えば、1つのベースが各アームを支持する)ことを認めるであろう。
【0029】
図1Bにさらに示されるように、器具110a、110b、110c、及び内視鏡112は、それぞれ、器具インタフェース150a、150b、150c、及び150dを並びにそれぞれ、器具シャフト152a、152b、152c、及び152dを含む。幾つかの実施形態では、遠隔操作アセンブリ100は、器具110a、110b、110c、及び内視鏡112をカニューレに対して固定するカニューレ用支持部を含み得る。幾つかの実施形態では、器具アーム106a、106b、106c、及び108のそれぞれの部分は、患者に対して器具110a、110b、110c、及び内視鏡112を位置決めするために手術室の人員によって調整可能であり得る。アーム106a、106b、106c、及び108の他の部分は、(
図1Cに示されるような)オペレータ入力システム120のオペレータによって作動され且つ制御され得る。手術器具110a、110b、110c、及び内視鏡112はまた、オペレータ入力システム120のオペレータによって制御され得る。
【0030】
図1Cは、オペレータ入力システム120(例えば、
図1Aに示されたオペレータ入力システム16)の正面図である。オペレータ入力システム120は、左及び右複数自由度(DOF)制御インタフェース122a及び122bを備えるコンソール121を含み、この制御インタフェースは、手術器具110a、110b、110c、及び内視鏡112を制御するために使用される運動学的チェーン(kinematic chains)である。外科医は、典型的には親指及び人差し指で、制御インタフェース122のそれぞれの挟持体アセンブリ(pincher assembly)124a、124bを把持し、挟持体アセンブリを様々な位置及び向きに動かすことができる。ツール制御モードが選択されるとき、制御インタフェース122のそれぞれは、対応する手術器具及び器具アーム106を制御するように構成される。例えば、左制御インタフェース122aが、器具アーム106a及び手術器具110aを制御するように結合され得るとともに、右制御インタフェース122bが、器具アーム106b及び手術器具110bを制御するように結合され得る。第3の器具アーム106cが外科処置の間に使用され且つ左側に位置している場合、左制御インタフェース122aは、アーム106a及び手術器具110aを制御することからアーム106c及び手術器具110cを制御することに切り替えられることができる。同様に、第3の器具アーム106cが外科処置の間に使用され且つ右側に位置している場合、右制御インタフェース122bは、アーム106b及び手術器具110bを制御することからアーム106c及び手術器具110cを制御することに切り替えられることができる。幾つかの例では、制御インタフェース122a、122bと、アーム106a/手術器具110aの組合せと、アーム106b/手術器具110bの組合せとの間の制御の割り当ては、交換されてもよい。これは、例えば、内視鏡が180度回転される場合、内視鏡視野で動く器具が、外科医が動かしている制御インタフェースと同じ側にあるように見えるように、行われ得る。挟持体アセンブリは、典型的には、手術器具110の遠位端部のジョー式(jawed)手術エンドエフェクタ(例えば、鋏、把持開創器等)を操作するために使用される。
【0031】
追加の制御装置は、フットペダル128を備える。フットペダル128のそれぞれは、器具110の選択された1つの特定の機能を作動させることができる。例えば、フットペダル128は、ドリル又は焼灼ツールを作動させることができる又は洗浄、吸引、若しくは他の機能を動作させ得る。複数の器具が、ペダル128の複数のものを押すことによって作動されることができる。器具110の特定の機能は、他の制御装置によって作動されてもよい。
【0032】
外科医用コンソール120はまた、立体画像ビューワシステム126(例えば、
図1Aに示されるディスプレイシステム20)を含む。立体画像ビューワシステム126は、外科医が外科医の左目及び右目それぞれを使用して立体画像ビューワシステム126の中の左及び右立体画像を見ることができるように、左接眼レンズ125a及び右接眼レンズ125bを含む。内視鏡112によって取り込まれる左側及び右側画像は、対応する左及び右画像ディスプレイに出力され、外科医は、ディスプレイシステム(例えば、
図1Aに示されたディスプレイシステム20)上で三次元画像を認識する。有利な構成では、制御インタフェース122は、ディスプレイに示される手術ツールの画像がディスプレイの下の外科医の手の近くに位置するように見えるように、立体画像ビューワシステム126の下に配置される。この特徴は、外科医が、あたかも手を直接見ているかのように、様々な手術器具を三次元ディスプレイの中で直観的に制御することを可能にする。したがって、関連付けられる器具アーム及び器具のサーボ制御は、内視鏡画像基準座標系(endoscopic image reference frame)に基づく。
【0033】
内視鏡画像基準座標系はまた、制御インタフェース122がカメラ制御モードに切り替えられる場合に使用される。幾つかの場合には、カメラ制御モードが選択される場合、外科医は、内視鏡122の遠位端部を、制御インタフェース122の一方又は両方と一緒に動かすことによって動かし得る。外科医はその後、あたかも画像を彼又は彼女の手に持つかのように、制御インタフェース122を動かすことによって表示された立体画像を直感的に動かし(例えば、パンする、チルトする、ズームする)得る。
【0034】
図1Cにさらに示されるように、ヘッドレスト130が、立体画像ビューワシステム126の上に配置されている。外科医が、立体画像ビューワシステム126を通して見ているとき、外科医の額はヘッドレスト130に対して位置決めされる。本開示の幾つかの実施形態では、内視鏡112又は他の手術器具の操作は、制御インタフェース122の利用の代わりにヘッドレスト130の操作を通じて達成されることができる。幾つかの実施形態では、ヘッドレスト130は、圧力センサ、ロッカープレート(rocker plate)、光学的に監視されるスリッププレート、又は外科医の頭の運動を検出することができる他のセンサを含むことができる。内視鏡カメラを制御するためにヘッドレストを操作するための検知方法を使用することのさらなる詳細は、例えば、"ENDOSCOPE CONTROL SYSTEM”と題する米国出願第61/865,996号に見出すことができ、これは本明細書に参照により援用される。
【0035】
図1Dは、手術システムのビジョンカート構成要素140の正面図である。例えば、1つの実施形態では、ビジョンカート構成要素140は、
図1Aに示された医療システム10の一部である。ビジョンカート140は、手術システムの中央電子データ処理ユニット142(例えば、
図1Aに示される制御システム22の全て又は一部)及びビジョン装置144(例えば、
図1Aに示される画像キャプチャシステム18の一部)を収容することができる。中央電子データ処理ユニット142は、手術システムを動作させるために使用されるデータ処理の多くを含む。しかし、様々な実装では、中央電子データ処理は、外科医コンソール120及び遠隔操作アセンブリ100に分散され得る。ビジョン装置144は、内視鏡112の左及び右画像取込機能のためのカメラ制御ユニットを含み得る。ビジョン装置144はまた、手術部位を撮像するために照明を提供する照明装置(例えば、キセノンランプ)を含み得る。
図1Dに示されるように、ビジョンカート140は、オプションのタッチスクリーンモニタ146(例えば、24インチモニタ)を含み、これは、アセンブリ100上又は患者側カート上のような、その他の所に取り付けられてもよい。ビジョンカート140はさらに、電気手術ユニット、注入器(insufflators)、吸引洗浄器具(suction irrigation instruments)、又はサードパーティーの焼灼装置のようなオプションの補助手術装置のためのスペース148を含む。遠隔操作アセンブリ100及び外科医用コンソール120は、3つの構成要素が一緒に、外科医に直観的なテレプレゼンスを提供する単一の遠隔操作低侵襲手術システムとして機能を果たすように、例えば、光ファイバ通信リンクを介してビジョンカート140に結合される。
【0036】
幾つかの実施形態では、遠隔操作手術システムのアセンブリ100の幾つか又は全てが、仮想の(シミュレートされた)環境の中で実装されることができ、外科医用コンソール120で外科医によって見られる画像の幾つか又は全ては、器具及び/又は解剖学的構造の人工的な画像であることができることに留意されたい。幾つかの実施形態では、このような人工的な画像は、ビジョンカート構成要素140によって提供されることができる及び/又は外科医用コンソール120で(例えば、シミュレーションモジュールによって)直接的に生成されることができる。
【0037】
図1A-1Dを参照して記載された遠隔操作手術システムでの典型的な低侵襲手術の間、少なくとも2つの切開部が、患者の体に(通常、関連付けられるカニューレを配置するためにトロカールを使用して)作られる。1つの切開部は、内視鏡カメラ器具のためであり、他のものは、手術器具のためである。幾つかの手術処置では、幾つかの器具及び/又はカメラポートが、手術部位のアクセス及びイメージングを提供するために使用される。切開部は、従来の観血手術のために使用される大きい切開部と比較して比較的小さいが、最小の数の切開部が、患者の外傷をさらに減らすために及び改良された整容性(cosmesis)のために望まれている。他の実施形態では、遠隔操作医療システム10は、患者の解剖学的構造への単一の切開部アクセスを伴って又は、鼻、口、肛門、膣等のような自然開口を通るアクセスを伴って使用され得る。
【0038】
典型的な遠隔操作手術の間、外科医は、手術システム、イメージング装置、及び/又はシステムに関連付けられる他の手術器具を制御するために様々な制御装置を物理的に操作することがしばしば必要である。例えば、外科医は、装置を誘導し且つ装置に影響を及ぼすために制御部を物理的に操作することによってイメージング装置の視野を調整する必要があるかもしれない。外科医は、ジョイスティック又はマウスを手動で制御するために彼若しくは彼女の手を、或いは、手術システムにログインするために、内視鏡の視野内のターゲット手術部位を探すために、クランプのような手術器具の運動を操作するために、及び/又はシステム設定若しくはディスプレイ設定を調整するために、外科医コンソールのフットペダルを軽く叩く(tap)するために彼若しくは彼女の足を、使用し得る。従来の方法は、外科医が手術動作から一方の手を自由にすることを、又はフットペダルを軽く叩くために一方の足を使用することを必要とし、これらの両方は、手術動作を不必要に遅延又は中断させるかもしれない。例えば、手又は足の動作は、外科医の視線及び注意をターゲットの手術部位から外科医用コンソールに向け直すかもしれず、これは、操作を遅延又は中断させ得る。必要な手動調整を実行した後、外科医は、彼又は彼女の注意及び注視点をターゲットの手術部位に再び焦点を合わせる追加の時間を使う必要があるかもしれない。
【0039】
本明細書に開示される実施形態は、1又は複数のユーザ(例えば、外科医及び/又は訓練者)が手術システムとインタフェースで接続する方法を向上させるために視線検出を利用する。ユーザの視線(例えば、手術コンソール、ディスプレイシステム又は他の医療若しくは手術システム構成要素に対するユーザの視線の3D位置)を手術システムに向けられる指令に変換することによって、本明細書に開示される実施形態は、従来の制御方法によって提供されるより、遠隔医療システム10に対してより速い且つより効率的な制御を可能にし得る。視標追跡、又は視線追跡は、注視点(point-of-gaze)(POG)(すなわち、典型的には3D空間内で、ユーザが見ている所)、又は頭に対する目の運動のいずれかを測定するプロセスである。言い換えると、POGは、人の視線が向けられている空間内のポイントであり、それぞれの目の網膜(すなわち、網膜中心窩(fovea)の最高の明瞭な領域(highest acuity region)の中心に画像化される空間内のポイントとしても規定されている。
【0040】
図2Aは、画像ディスプレイ151(例えば、
図1Aに示された画像ディスプレイシステム20)及び手術野155(例えば、患者Pの内部の解剖学的構造の領域)に対するユーザU(例えば、外科医S又は試験監督)を概略的に示す。ユーザ(及び彼又は彼女の目)は、ユーザ3Dデカルト基準座標系160(すなわち、ユーザフレーム)に存在する。理解のし易さ及び余計な言葉を省くために、用語「デカルト基準座標系」は、この明細書の残りの部分において単に「フレーム」と称される。画像ディスプレイ151は、二次元又は3次元画像フレーム165に存在し、手術野は、手術フレーム170に存在する。それぞれのフレーム160、165、170は、他のものと異なる寸法及び特性を含む。ユーザが、第2のフレーム165における画像ディスプレイ151に対して第1のフレーム160にいて彼又は彼女の視線を動かすとき、本明細書に開示される実施形態は、ディスプレイのフレーム165において可視であり且つ手術野のフレーム170に存在する手術器具を含む遠隔医療システム10に対応して影響を及ぼすように、その目の運動を制御信号に変換することができる。
【0041】
1つの態様では、視線追跡及び他の目の特性の観察は、全体として、遠隔操作医療システム10と通信するために及び/又は遠隔操作医療システム10の挙動に影響を及ぼすために使用されることができる。例えば、
図1Aに示される視標追跡ユニット24によって観察される目の特性及び動態(dynamics)は、(例えば、網膜スキャンと同様の方法の)外科医の認識及びログインのために使用され得る。この特徴は、
図4A及び4Bに関連して以下にさらに詳細に記載される。幾つかの例では、ユーザの視線は、手術野フレーム170における手術器具の3D位置を較正するために及び遠隔ロボットアーム運動学的チェーンの可能性のある不正確さを考慮するために使用されることができる。幾つかの例では、遠隔操作医療システム10は、ユーザの視線が画像ディスプレイフレーム165に向かって又はフレーム165内の特定の視点に向けられていない場合に、手術フレーム170の手術器具の運動を防ぐように構成されることができる(すなわち、ユーザを締め出す)。幾つかの例では、遠隔操作医療システム10は、ユーザの目がアイトラッカによって検出されない場合に、手術フレーム170の手術器具の運動を防ぐように構成されることができる(すなわち、ユーザを締め出す)。幾つかの実施形態では、ユーザインタフェース(例えば、メニュー)が、画像ディスプレイ上に示された手術野の画像の上に重ねられ得る。ユーザフレーム160におけるユーザの視線は、フレーム165における画像ディスプレイ151上に表示された画像における視点を決定するために使用され得るとともに、決定された視点に対応するユーザインタフェースのユーザ選択可能なオプションの中のユーザの選択を特定することができる。幾つかの例では、画像ディスプレイの画像フレーム165に対するユーザの視線の3D位置は、画像ディスプレイ151上の表示されたユーザインタフェースの深さ、位置、及びサイズを決定し得る。例えば、ユーザインタフェースは、ユーザの視線の現在の3D位置に最も良く対応する深さ、位置、及びサイズで自動的に表示されることができ、それによって、ユーザインタフェースと相互に作用するために彼又は彼女の目を、焦点を合わせ直す必要を最小にする。幾つかの例では、ユーザの視線の3D位置は、ユーザが、2つの目の間の観察される動態に基づいて立体を見ているか否かを測るために使用され得る。幾つかの例では、ユーザの視線の3D位置は、ユーザが、ディスプレイ全体を見ることができる(及びその逆にユーザの視線がスクリーン全体に渡って決定されることができる)ように立体ビューワの人間工学的設定(例えば、高さ、向き等)を調整するために、又はスクリーンの中央にユーザの視線を中心化するために、使用され得る。
【0042】
他の態様では、リアルタイム視線追跡が、非限定例として、イメージング装置及び/又はエネルギ供給装置のような、遠隔操作医療システム10に結合される別個の手術器具を手術フレーム170において、作動させる、作動停止させる、及びその他の方法で制御するために使用されることができる。例えば、システム10は、画像ディスプレイにおける画像に対する視点が、手術器具の位置と所定時間一致することを制御システムが決定する場合に、手術器具を作動させるように構成され得る。1つの実施形態では、視線検出は、ユーザが視野を定めるためにイメージング装置を誘導したいところを定めるために使用されることができる。本明細書に開示される実施形態は、ユーザが手動でイメージング装置の位置又は観測角度を変える必要無しに、ディスプレイ上にユーザの所望の視界(例えば、ターゲットの手術部位)を連続的に保つようにユーザに視線の方向にイメージング装置を自動的に動かすように構成され得る。例えば、幾つかの実施形態では、ユーザの視線は、ユーザの視線の方向に対応するようにイメージング装置の視界を自動的に中心に置くために使用されることができる。幾つかの実施形態では、ユーザの視線は、器具を1つのモダリティ(modality)から他のものに切り替えるために使用され得る。例えば、1つの例では、ユーザの視線は、イメージング装置の動作モードを変更する(例えば、カラーイメージング、白黒イメージング、蛍光イメージング(fluorescence imaging)、超音波イメージング、及び/又は任意の他のイメージングモダリティのような、イメージングモード間で切り替える)ように解釈され得る。同様に、他の例では、ユーザは、イメージング装置の動作モードを変更する(例えば、カラーイメージング、白黒イメージング、蛍光イメージング、超音波イメージング、及び/又は任意の他のイメージングモダリティのような、イメージングモード間で切り替える)ために、特定のパターンのまばたき又は他の目の運動を実行し得る。
【0043】
他の例では、視線方向は、手術野のリアルタイムで表示された画像にラベルを付ける又はその他の方法でマーキングするのを支援し得る。外科医は、解剖学的構造の関心領域を特定するために手術野に及び/又は表示された画像150上に仮想の標識を付けるように、手術野の3D位置を見るとともに二次動作(例えば、非限定の例として、別個のボタンを押すことによって、延長した凝視を維持することによって、又は特定のパターンでまばたきすることによって)で確認し得る。
【0044】
他の例では、特定の手術器具は、外科医の視線がその特定の器具に所定期間焦点を合わせられていることを視標追跡ユニットが確認するときにのみ作動され得る。例えば、遠隔操作医療システム10は、ステープラ器具がステープラの針を送ることを許容される前に外科医の視線がステープラ器具に所定期間焦点を合わせられることを必要とするように構成され得る。これは、外科医の視界の中の器具の意図された起動を促進するとともに、視野の外にあった及び/又は注意を払われていなかった器具の不注意の起動を妨げ得る。外科医の視線が、他の場所に特定の期間向けられているとき、手術器具は、動作を停止され得る。他の実施形態では、特定の手術器具に対する制御は、視標追跡ユニットが、第2のユーザの視線が、その特定の器具に所定期間焦点を合わせられている又はその特定の器具にある方法で焦点を合わせられていることを確認するとき、第1のユーザから第2のユーザに移動され得る。これらの実施形態の幾つかは、
図3Cを参照して以下にさらに記載される。
【0045】
他の態様では、リアルタイム視線追跡は、処置中の外科医の訓練又は試験監督を容易にするために使用されることができる。1つの例では、
図2Dに示されるように、遠隔操作医療システム10は、外科医及び試験監督のための別個の手術コンソール及び別個の視標追跡ユニットのセットを含んでよく、視標追跡ユニットの各セットは、遠隔医療システム10及び/又は手術器具の動作に影響を及ぼすように、外科医又は試験監督のいずれかの視線運動を認識し且つ伝達するように構成される。試験監督する又は訓練する例示の方法は、
図3A及び3Bを参照して以下に記載される。外科医の目の3D位置は、リアルタイムでフィードバック及び指導を提供するために、試験監督(例えば、試験監督する外科医)が見るとともに評価するために外部3D画像ディスプレイに表示され得る。同様に、試験監督の目の3D位置は、リアルタイムで、外科医が見るとともに指導されるために、手術コンソールの外部3D画像ディスプレイに表示され得る。例えば、遠隔操作システム10の動作中(例えば、訓練中又は実際の手術中)、外科医が手術部位の正しい部分に焦点を
合わせていることを確実にすることが望ましくなり得る。手術コンソールの中の画像ディスプレイ上で試験監督の視線の3D位置を見ることによって、外科医は、(例えば、試験監督が手術野の中を見ている所を見ることによって)手術野の中のどこを見るべきかを知り得る。幾つかの例では、試験監督の視線は、非限定の例として、ビジョンカート140、手術コンソール120、デュアル又は共用コンソール、タッチスクリーンディスプレイ、及び/又はタブレットデバイスのようなリモートデバイスを含む、様々な可能な装置の画像ディスプレイから取り込まれることができる。
【0046】
幾つかの例では、外科医の画像ディスプレイは、試験監督の視線の3D位置を反映させるためにリアルタイムで変更され得る。1つの実施形態では、試験監督が手術フレーム170の中の特定の3D位置に対応する彼又は彼女の画像ディスプレイの特定の領域を見ていることをシステム10が検出するとき、システム10は、外科医の画像ディスプレイの対応する領域(例えば、手術フレーム170内の同じ3D位置に対応する外科医の画像ディスプレイの領域)を強調する又は他の方法で示し得る。例えば、外科医の画像ディスプレイ151は、試験監督の視線の3D位置に対応する画像ディスプレイの領域を、シャープにする(例えば、解像度を上げる)又はより明るくさせ得る。追加の又は代替実施形態では、外科医の画像ディスプレイは、試験監督の視線が向けられていない3D位置に対応する画像ディスプレイの領域を薄暗くする(dim)又はよりぼやけさせ得る。
【0047】
他の態様では、リアルタイム視線追跡は、処置の間及び/又は処置の後に外科医の技能を評価し且つ採点するために使用されることができる。本明細書に開示される視線追跡の実施形態は、限定ではなく、視線固定、サッケード(saccade)、及び/又はスクリーンのどの部分を視線が占めているかを含む、様々な目の特性に基づいて遠隔医療システム10を操作する外科医の技能レベルを測定し且つ定量化するために使用されることができる。加えて、外科医の視線動態(eye gaze dynamics)及び/又は瞳孔径変動(pupil diameter fluctuations)をリアルタイムで追跡することは、外科医の状態(例えば、ストレスレベル及び/又は仕事量)を監視するために使用されることができる。幾つかの例では、システム10は、その状態の低下が、視線の検出される変化又はパターンに基づいて決定される場合、警告を提供するように構成されることができる。この特徴は、
図4A及び4Bに関連して以下にさらに詳細に記載される。
【0048】
図2Bは、本開示の幾つかの実施形態による
図1A、1B、及び1Cの遠隔医療システム10によって使用され得る視標追跡ユニット200の幾つかの例を示す。上述のように、視線追跡、又は視標追跡は、POG(例えば、ユーザが見ている所)又は頭に対する目の運動のいずれかを測定することのプロセスである。したがって、視標追跡ユニット200は、目の位置及び目の運動のようなユーザの目の特性を測定するための装置を有する。目の運動及び視線方向を測定するための幾つかの方法がある。幾つかの方法は、そこから目の位置が抽出されるビデオ画像を使用し、他の方法は、サーチコイルを使用する、又は電気眼球運動図に基づく。さらに他の方法では、赤外光が、赤外線カメラ又は検出器を有する或いは赤外線カメラ又は検出器と通信する装置によって放射される。赤外光は、ユーザの網膜から反射して赤外線カメラ又は検出器に戻り、反射赤外光の量は、エミッタに対する人の視線の方向に基づく。3D空間におけるユーザの注視点は、いったん反射IR光がある期間の間に特定の閾値に達すると決定され得る。視線の小さいそれは、まばたきと解釈されることができ、典型的には無視される。
【0049】
描かれた実施形態では、視標追跡ユニット200は、左及び右接眼レンズ125a及び125b、左及び右目画像ディスプレイ202a及び202b、左及び右アイトラッカ204a及び204b、並びにプロセッサ206を含む。他の実施形態では、視標追跡ユニット200は、(例えば、左及び右目は独立した画像ディスプレイ202a、202bを有するが)左及び右目両方を同時に追跡するように構成される単一のアイトラッカを含み得る。幾つかの実施形態では、視標追跡ユニット200はさらに、注視点を追跡するためにアイトラッカのために外科医の目を照射するための反射システム及び/又は光エミッタを含む。幾つかの実施形態では、反射システムは、光エミッタからの光を外科医の目に反射させるように、及び外科医の目の注視点をアイトラッカに反射させるように、配置される複数のミラーを含み得る。立体ビューワ126の様々な実施形態のさらなる詳細は、例えば、"MEDICAL DEVICES, SYSTEMS, AND METHODS INTEGRATING EYE GAZE TRACKING FOR STEREO VIEWER"と題する、2014年3月19日に出願された米国仮出願第61/955,334号に、見いだされることができ、これは、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0050】
幾つかの実施形態では、遠隔操作アセンブリ100に配置される内視鏡112は、手術中に手術野の画像を取り込むように操作されることができ、これらの画像は、左及び右画像ディスプレイ202a及び202bに示される。内視鏡112によって取り込まれる画像は、次に、左及び右立体画像を生成するようにプロセッサ206によって処理され得る。幾つかの例では、プロセッサ206は、例えば、中央電子データ処理ユニット142の一部としてのビジョンカートに配置され得る。代替的には、プロセッサ206は、遠隔操作アセンブリ100及び/又は外科医用コンソール120に配置され得る。幾つかの実施形態では、視標追跡ユニット200はまた、シミュレーションモジュール、例えば、da Vinci(登録商標)Skills Simulator(商標)と統合された外科医用コンソール120で使用されてもよく、そこでは仮想画像が、左及び右画像ディスプレイ208a及び208bに示されることができる。
【0051】
図2Bを参照すると、生成された左及び右立体画像は、左及び右画像ディスプレイ202a及び202bそれぞれに示され得る。左及び右接眼レンズ125a及び125bはレンズを含み、外科医は、右及び左画像ディスプレイ202a及び202bを、左及び右接眼レンズ125a及び125bを通じて、外科医の左及び右目それぞれで見ることができる。手術野の3D立体画像が、視標追跡ユニット200を介して外科医によって知覚され得る。幾つかの実施形態では、左及び右接眼レンズ125a及び125bの間の距離は、異なるユーザの異なる瞳孔間距離に適応するように調整可能である。幾つかの実施形態では、左及び右接眼レンズ125a及び125bは、外科医の左及び右目視力それぞれの必要に基づいて独立して調整され得る。左目及び右目画像ディスプレイは、2D又は3Dディスプレイスクリーンであり得る。幾つかの実施形態では、左目及び右目画像ディスプレイは、液晶ディスプレイ(LCD)スクリーンである。
【0052】
依然として
図2Bを参照すると、左アイトラッカ204aは、外科医の左目の注視点を追跡するために使用されることができ、右アイトラッカ204bは、外科医の右目の注視点を追跡するために使用されることができる。幾つかの実施形態では、視標追跡ユニット200はまた、外科医の左及び右目の注視点が、左及び右アイトラッカ204a及び204bそれぞれによって取り込まれ得るように、外科医の目を照射するように光を放射することができる光エミッタを含み得る。光エミッタは、左及び/又は右アイトラッカ204a及び204bと一体にされてもされなくてもよい。幾つかの実施形態では、光エミッタは、赤外発光ダイオード(IR LED)のような、赤外(IR)光エミッタであり得る。幾つかの実施形態では、左及び右接眼レンズ125a及び125bは、光エミッタ並びに/又は左及び右目画像ディスプレイ202a及び202bからの光の反射を最小に且つ透過を最大にするように構成される、適切な光学コーティングを含み得る。幾つかの実施形態では、左及び右アイトラッカ204a及び204bは、立体カメラを含み得る。幾つかの実施形態では、左及び右アイトラッカ204a及び204bは、電荷結合素子(CCD)カメラである。幾つかの実施形態では、左及び右アイトラッカ204a及び204bは、IR光に敏感であるIRカメラであり且つIR光エミッタから放射されたIR光を取り込むことができる、赤外(IR)カメラである。左及び右アイトラッカ204a及び204bは、立体画像ビューワ126に配置され得るとともに、左目及び右目画像ディスプレイ202a及び202bのベース部に取り付けられ得る。左及び右アイトラッカ204a及び204b並びに左及び右画像ディスプレイ202a及び202bは、米国仮出願61/955,334号で論じられるように、任意の適切な配置に配置され得る。
【0053】
幾つかの実施形態では、プロセッサ206は、左及び右アイトラッカ204a及び204bに結合されるとともに、画像ディスプレイ151の画像フレーム165に対する外科医の注視点の3D位置を計算するように且つその3D位置を、(
図2Aに示された)手術野155の手術フレーム170の対応する3D位置に変換するように構成される。例えば、左及び右アイトラッカ204a及び204bによって取り込まれた注視点は、修正される(rectified)ことができ、外科医の左及び右目の注視点間の相違(disparity)が決定されることができる。外科医の注視点の3D位置は次に、左及び右アイトラッカ204a及び204b間の距離、左及び右アイトラッカ204a及び204bのそれぞれの焦点距離に関連するパラメータ、並びに決定された相違を使用して計算されることができる。幾つかの実施形態では、プロセッサ206は、外科医用コンソール120の視標追跡イメージングシステム200に含まれる。幾つかの実施形態では、プロセッサ206は、例えば、中央電子データ処理ユニット142の一部として、
図1Dに示されるビジョンカート140に含まれる。幾つかの実施形態では、プロセッサは、制御システム22の一部である。幾つかの実施形態では、プロセッサ206はまた、3D注視点測定、位置合わせ、及び較正データを格納するためにメモリに結合されることができる。幾つかの実施形態では、プロセッサ206は、外科医の注視点の2D位置を計算するために使用され得る。幾つかの実施形態では、外科医の注視点の計算された2D又は3D位置は、外科医の注視点の変化を示す点(dots)、フラグ(flags)、又はベクター(vectors)のような、様々な適切な表現のいずれかで表示されることができ、外科医の注視点は、左及び右画像ディスプレイ202a及び202b上に手術野155の画像と組み合わせて表示されることができる。
【0054】
幾つかの実施形態では、手術中の外科医の頭/顔の運動が、左及び右アイトラッカ204a及び204bを使用して追跡されることができる。2D又は3D注視点位置に位置し得る、計算された視点はさらに、外科医の追跡された頭/顔の運動に基づいて調整又は補償され得る。頭/顔の運動の追跡及び補償のプロセスのさらなる詳細は、例えば、米国仮出願第61/955334号、及び"ENDOSCOPE CONTROL SYSTEM"と題する米国仮出願第61/865,996号に見出すことができ、これらは、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0055】
視標追跡ユニット200は、画像ディスプレイ又は
図2Bに示されるように注視点ディスプレイ210に結合され得る。幾つかの実施形態では、注視点ディスプレイ210は、3D注視点ディスプレイである。幾つかの実施形態では、注視点ディスプレイ210は、
図2Aに示される画像ディスプレイ151と同じである。外科医の注視点の生成された2D又は3D位置は、外科医の注視点の変化を示す点、フラグ、又はベクターのような、任意の適切な表現として注視点ディスプレイ210に出力され得る。手術野155の画像は、注視点ディスプレイ210上に外科医の注視点の3D位置と組み合わせて表示され得る。幾つかの実施形態では、注視点ディスプレイ210は、外部3D画像ディスプレイであり得る。例えば、注視点ディスプレイ210は、
図1Dに示されるビジョンカート140に位置する3Dタッチスクリーンモニタ146であり得る。幾つかの例では、注視点ディスプレイ210は、
図1Bに示される遠隔操作アセンブリ100に取り付けられ得る。幾つかの例では、注視点ディスプレイ210は、タブレットのような、ポータブルディスプレイデバイスであり得る。幾つかの例では、注視点ディスプレイ210は、複数のディスプレイスクリーン又はデバイス上に同時に提示され得る。
【0056】
したがって、視標追跡ユニット200は、ユーザに画像を表示するように構成される注視点ディスプレイ210、ユーザの注視点を反映するデータを測定するように構成される少なくとも1つのアイトラッカ、並びにユーザの注視点が向けられている注視点ディスプレイ210上の画像の視点を決定するためにデータを処理するように、及び決定された視点に基づいて遠隔操作医療システム10の少なくとも1つの機能を制御するように、構成されるプロセッサ206を有する。例えば、幾つかの実施形態では、視標追跡ユニット200のプロセッサ206は、少なくとも1つの手術器具の運動及びエネルギ放出を制御するように構成される器具制御ユニット212に結合され得る。この器具制御ユニット212は、制御システム22の構成要素であり得る。器具制御ユニット212は、別個のプロセッサ及び1又は複数の器具の機能を制御する1又は複数のアクチュエータを含み得る。幾つかの実施形態では、器具制御ユニット212は、1又は複数の手術器具の起動、活動停止、及び運動を制御するように構成される。幾つかの実施形態では、器具制御ユニット212のプロセッサは、1又は複数のモータに制御信号を供給する。例えば、1つの実施形態では、1又は複数のモータは、ステープラのような手術器具を放出する(release)又は発射する(fire)ように構成される発射モータを含み得る。
【0057】
幾つかの実施形態では、視標追跡ユニット200のプロセッサ206は、遠隔操作医療システム100の様々なシステムパラメータ及び特性を調整するように構成されるシステム制御ユニット214に結合され得る。システム制御ユニット214は、制御システム22の構成要素であり得る。システム制御ユニット214は、1又は複数の別個のプロセッサを含み得る。システム制御ユニット214は、外科医と遠隔操作医療システム100との間の相互作用を提供する1又は複数のユーザインタフェースを含み得る。幾つかの例では、ユーザインタフェースは、外科医用コンソール、ディスプレイ、タッチスクリーン、又は他の適切な入力装置を含む。ユーザインタフェースはまた、1又は複数のソフトウェアアプリケーションを含み得る。
【0058】
図2Cは、遠隔操作医療システム100及び/又は任意の関連付けられる医療器具を制御するように且つ遠隔操作医療システム100及び/又は任意の関連付けられる医療器具に影響を及ぼすように、視標追跡ユニット200を使用する例示の方法を記載するフローチャート215を示す。本明細書に記載される方法ステップのいずれかは、少なくとも部分的に、1又は複数のプロセッサによって実行され得る、非一時的、有形、機械可読媒体に格納される実行可能なコードの形態で、実装され得る。ステップ216において、ユーザUは、
図2Aに示されるユーザフレーム160において、画像フレーム165にある画像ディスプレイ151に示される画像の特定の視点(すなわち、3D位置)を凝視する。プロセス218において、視標追跡ユニット200の左及び右アイトラッカ204a、204bは、ユーザUの目の特性(例えば、視線を反映する特性)を観察し且つ測定する。幾つかの実施形態では、アイトラッカ204a、204bは、画像フレーム165に対するユーザのそれぞれの目の視線を測定する。ステップ220において、プロセッサ206は、ユーザの目が向けられている(画像フレーム165内の)画像ディスプレイ151上の画像における3D視点を決定するためにアイトラッカ204a、204bからの測定された視線データを使用する。幾つかの実施形態では、プロセッサ206は、目から出る反射からアイトラッカ204a、204bによって受光される光の入射角を追跡することによって見られる位置を決定し得る。幾つかの実施形態では、プロセッサ206は、ユーザが画像ディスプレイ151の既知の場所に表示されるターゲットの印(target indicia)を見るときのベースライン入射角を決定するために較正プロセス(例えば、
図4Aに記載される較正プロセス302)を最初に実行し得るとともに、検出された角度と画像ディスプレイ151上の見られる場所との間の機能的関係(functional relationship)を生成し得る。プロセッサ206は次に、ユーザが画像ディスプレイ151上の他の場所を見るときの入射角を追跡することができ、対応する見られる場所を決定する(較正された角度及び場所から外挿する)ために生成された機能的関係を使用することができる。
【0059】
ステップ222において、プロセッサ206は、画像ディスプレイ151上の表示された印(例えば、メニューオプション)の1つが、その印の選択のための規定された条件を満たす方法でユーザによって見られている(例えば、印が、視点の中にある及び/又は所定期間視点の中にある)かどうかを決定する。そうである場合、ステップ224において、ユーザの印の選択は、プロセッサ206に、表示された印に対応する機能を起動させる。例えば、幾つかの実施形態では、ユーザの視線は、遠隔操作医療システム100へのログオン、又は画像ディスプレイ151の照明、又は様々な他のシステム設定と関連付けられる印の選択を示し得る。
【0060】
そうでない場合、ステップ206において、プロセッサ206は、画像フレーム165における見られる3D位置を、手術フレーム170における手術野155の対応する3D位置に位置合わせする(co-register)。ステップ228において、プロセッサは、ユーザが、イメージング装置又は画像ディスプレイ151上で可視である手術野の中の他の手術器具を操作するための規定された条件を満たす方法で手術野を見ているかどうかを決定する。そうである場合、ステップ230において、手術野の特定の領域又は手術野の中の特定の手術器具へのユーザの視線は、プロセッサ206に、ユーザの視線の特性に対応する様式で関連する器具に影響を及ぼさせる。例えば、幾つかの実施形態では、上述のように、ユーザが手術野155の特定の領域を凝視する場合、イメージング装置は、ユーザに視線に「追従し」得るとともに、(例えば、その視野の中心をユーザの注視点に配置するように)その視野を再度中心に移し得る。他の実施形態では、ユーザが所定の時間特定の手術器具を凝視する場合、手術器具が自動的に又は第2のユーザイベントによって(例えば、ペダルを押すこと、フットスイッチ、フィンガスイッチ等により)起動され得る。そうでない場合、ステップ232において、アイトラッカは、起こり得る指令のためにユーザの視線を評価し続ける。
【0061】
幾つかの実装では、
図2Dに示されるように、2以上の外科医用コンソール120(共同設置される(co-located)又は互いから離れるかのいずれか)が、2つのユーザが手術部位を同時に見るとともにツールを制御することができるように、一緒にネットワーク化され得る。幾つかの実施形態では、2つの異なる外科医用コンソール120が、訓練プロセスの間に、試験監督及び被訓練者によって使用され得るので、各ユーザは、2つの別個の視標追跡ユニット200(例えば、各コンソール120の1つの視標追跡ユニット200)から得られる視線データを表示する別個の立体画像を見ることができる。
図2Dは、本開示の幾つかの実施形態による、被訓練者の視標追跡ユニット240に結合される試験監督の視標追跡ユニット200を含む訓練/試験監督システムを示す。被訓練者の視標追跡ユニット240は、試験監督の視標追跡ユニット200と実質的に同じ設計及び機能を有し得る。
図2Dに示されるように、試験監督の視標追跡ユニット200のプロセッサ206は、被訓練者の視標追跡ユニット240の左及び右画像ディスプレイ204a及び204bに結合される。同様に、被訓練者の視標追跡ユニット240のプロセッサ248は、試験監督の視標追跡ユニット200の左及び右画像ディスプレイ204a及び204bに結合される。したがって、試験監督の注視点表示が、被訓練者に表示され得るとともに、被訓練者の注視点表示が、試験監督に表示され得る。
【0062】
例えば、幾つかの実施形態では、試験監督の3D注視点は、被訓練者が処置中にリアルタイムで試験監督の注視点の直接視(direct view)を有し得るように、被訓練者の視標追跡ユニット240の3D注視点ディスプレイ250上に示される(demonstrated)ことができる。幾つかの実施形態では、試験監督の3D注視点が、被訓練者が、従うべき視覚ガイドとして試験監督の注視点を使用して手術を完了させるためにリアルタイムで支援され得るように、被訓練者の視標追跡ユニット240の左及び右画像ディスプレイ244a及び244b上に立体画像として示され得る。幾つかの実施形態では、訓練プロセスの間、被訓練者の3D注視点は、外科医の能力が試験監督によってリアルタイムでモニタされ且つ評価され得るように、ディスプレイ210又は試験監督の視標追跡ユニット200の左及び右画像ディスプレイ202a及び202bに示され得る。他の実施形態では、試験監督及び被訓練者の注視点両方が、試験監督及び被訓練者ディスプレイの両方に示されてよく、それによって、一方或いは両方のユーザが彼らの注視点の間の任意の相違を見ることを可能にし得る。この方法では、試験監督は、被訓練者が、リアルタイムで正しい手術部位に焦点を合わせることができ且つ正しくない動作を避けることができるように、被訓練者にタイムリーな指示を提供でき得る。
【0063】
幾つかの実施形態では、内視鏡112及び/又は他の手術器具110の制御は、試験監督と被訓練者との間で切り替えられ得る。代替的には、内視鏡112及び/又は他の手術器具110は、試験監督及び被訓練者の両方によって同時に操作され得る。
図2Dでは、プロセッサ206及び248は、視標追跡ユニット200及び240に別々に含まれているが、当業者は、他の変形を認識するであろう。例えば、訓練/試験監督システムは、両方のユーザの視標追跡ユニットのための1つのプロセッサを含むことができる。
【0064】
図3Aは、本開示の実施形態による
図2Bの視標追跡システム200を使用する画像フレームにおける外科医の3D注視点を決定するための方法300を示す。外科医の視点は、記載されたような3D注視点であり得る。しかし、代替実施形態では、2D注視点が使用され得る。方法300は、3つのプロセス:較正プロセス302、測定プロセス304、及び出力プロセス306を含む。幾つかの実施形態では、較正プロセス302は、3D較正プロセスであり、そこでは、画像フレームの3D空間における外科医の注視点が、既知の3D位置パラメータを持つ画像フレームの3D空間における所定のターゲットと比較される。
【0065】
較正プロセス302は、画像フレームおいてターゲットを示すことによってステップ312から始まる。幾つかの例では、ターゲットは、手術ツールアイコンであり得る。ターゲットは、移動するターゲット、又は動的にサイズが変わり得るターゲットであり得る。代替的には、ターゲットは、手術野の中の実際の手術ツールであってもよく、この位置は、任意の適切なツール追跡技術を使用して追跡され且つ特定されることができる。例えば、較正プロセスは、2005年5月16日に出願された、"Methods and system for performing 3D tool tracking by fusion of sensor and/or camera derived data during minimally invasive robotic surgery"と題する、米国特許出願公開第2006/0258938号に開示された特徴を組み込んでよく、これはその全体が本出願に参照により援用される。3D画像フレームに示されるターゲットの画像は、左及び右立体画像に分離され得るとともに、
図2Bに示される左及び右画像ディスプレイ202a及び202bそれぞれに表示され得る。較正プロセス302の間、ターゲットの3D位置は、例えば、3D画像フレームにおける既知の3D位置パラメータを使って、測定されたデータが、後続のステップの様々なモデルを決定するためにターゲットの既知の位置パラメータと比較され得るように、予め決定される。
【0066】
描かれた実施形態では、較正プロセス302は、左及び右アイトラッカ204a及び204bそれぞれによって取り込まれる左及び右目の瞳孔の2D位置及び2D角膜反射データを受信することによってステップ314に進む。幾つかの実施形態では、2Dの瞳孔位置及び2D角膜反射データは、座標値、変位、及び/又は角度を含み得る。幾つかの実施形態では、外科医の頭/顔の運動も、左及び右アイトラッカ204a及び204bによって取り込まれ得る。
【0067】
較正プロセス302は、外科医の左及び右目の瞳孔の2D位置及び2D角膜反射データを使用して外科医の瞳孔位置及び角膜反射データを決定することによって、プロセス316に進む。幾つかの実施形態では、左及び右アイトラッカは、立体カメラを含み、2D瞳孔位置及び2D角膜反射データを含む立体画像は、2つの立体画像間の相違を計算するために、プロセッサ206によって取り込まれ且つ処理されることができる。幾つかの実施形態では、決定された位置データは、外科医の瞳孔の2D位置及び2D角膜反射データを含み得る。各目の決定された2Dデータは次に、外科医の3D視線位置を推定するために組み合わせられ得る。幾つかの実施形態では、決定された位置データは、瞳孔の3D位置及び3D角膜反射データを含み得る。外科医の瞳孔及び角膜反射の深さを含む3Dデータは、相違を使用して推定され得る。例えば、外科医の左目の3Dデータは、左アイトラッカ204a間の距離、左アイトラッカ204aのそれぞれの焦点距離、及び計算された相違を使用して計算され得る。深さ変換マップに対する相違は、この方法を使用する較正プロセスの間に取得され得る。幾つかの実施形態では、瞳孔の位置及び角膜反射データは、取り込まれた頭/顔の運動のために補償され得る。
【0068】
較正プロセス302のステップ318において、瞳孔の決定された3D位置及び3D角膜反射データが、注視点決定モデルを決定するために所定のターゲットの所定の3D位置パラメータと比較される。幾つかの実施形態では、注視点決定モデルは、瞳孔の決定された位置及び角膜反射データを使用して3D視線位置をマッピング(map)するために使用されることができる関数を含み得る。幾つかの実施形態では、複数の較正ターゲットが較正プロセスのために使用され、関数のパラメータは、較正プロセスから集められた瞳孔の位置及び角膜反射データを使用して決定され得る。幾つかの例では、最小二乗法最適化、又は最尤推定のような方法論が、関数のパラメータを決定するために使用され得る。幾つかの実施形態では、注視点決定モデルはまた、瞳孔の3D位置及び3D角膜反射データから3D空間における座標系のターゲットTの3D位置への変換を示す行列を含み得る。幾つかの実施形態では、注視点決定モデルは、プロセッサ206に結合されるメモリにセーブされ得る。瞳孔の3D位置及び3D角膜反射データをどのように決定するかのさらなる詳細並びに注視点決定モデルに関する詳細は、例えば、その全体が本明細書に参照により援用される、2014年3月19日に出願された米国仮出願第61/955,334号に見出され得る。
【0069】
幾つかの実施形態では、較正プロセス302は、注視点決定モデルの精度が所定のシステム要求を満たすよう向上され得るように、複数回繰り返され得る。幾つかの実施形態では、第1の注視点決定モデルが形成された後、実在の(real)ターゲットが第1の注視点決定モデルの精度を推定するために使用され得る。例えば、実在のターゲットを使用するマッピング最適化を再実行することによって、第1の注視点決定モデルは第2の注視点決定モデルを形成するように更新され得る。第1と第2のモデルとの間の精度は、より正確な注視点決定モデルが形成され得るように、比較され且つ評価される。
【0070】
較正プロセス302が完了した後、方法300は、測定プロセス304に進む。測定プロセス304は、内視鏡112が手術部位の画像を取り込んでいるときの手術又は訓練プロセス中に実行され得る。
【0071】
測定プロセス304は、外科医が左及び右画像ディスプレイ202a及び202bに表示される手術部位を見ているとき、外科医の左及び右目に関する瞳孔の2D位置及び2D角膜反射データを受信することによってステップ320で開始する。手術部位の画像は、内視鏡112によって取り込まれ、処理され、左及び右画像ディスプレイ202a及び202bそれぞれに表示される左及び右立体画像に分離され得る。外科医の左及び右目の瞳孔の2D位置及び2D角膜反射データは、左及び右アイトラッカ204a及び204bそれぞれによって取り込まれる。幾つかの実施形態では、外科医の頭/顔の運動も、左及び右アイトラッカ204a及び204bによって取り込まれ得る。
【0072】
測定プロセス304は、較正プロセス302の間に得られた注視点決定モデルを使用して外科医の3D注視点位置を決定することによって、ステップ322に進む。瞳孔の3D位置及び3D角膜反射データは、前述の方法300のステップ316に関する実質的に同様の方法を使用する瞳孔の2D位置及び2D角膜反射データを使用して最初に決定され得る。幾つかの実施形態では、ステップ320で取り込まれた頭/顔の運動もまた、瞳孔の位置及び角膜反射データ又は外科医の3D注視点を補償するために使用され得る。幾つかの実施形態では、較正プロセス302の間に、外科医の目の端は、外科医が、彼又は彼女の瞳孔を使用して較正ターゲットに焦点を合わせ且つ彼又は彼女の頭を回転させる間に、追跡され得る。頭/顔の運動と目の端の追跡される運動との間の関数が、較正プロセスの間に形成されることができる。測定プロセス304の間、目の端の運動も追跡され得るとともに、外科医の頭/顔の運動が、較正プロセス302からの形成された関数を使用して推定され得る。瞳孔の3D位置及び3D角膜反射データは次に、ステップ318で得られた注視点決定モデルを使用することによって、プロセッサ206によって外科医の3D注視点位置に変換され得る。
【0073】
出力プロセス306のステップ324において、決定された3D注視点位置は、
図2Bに示される注視点ディスプレイ210上に示され得る。3D注視点位置は、限定ではなく、点、線、ベクター、矢印、及び半透明の円のような、様々な適切な表現のいずれかで表され得る。幾つかの実施形態では、試験監督の3D注視点(例えば、試験監督の視標追跡ユニット200のプロセッサ206によって決定される)は、訓練されている外科医が試験監督の注視点の直接視を有し得るように、(
図2Dに示されるような)外科医の視標追跡ユニット240の3D注視点ディスプレイ250上に示され得る。幾つかの実施形態では、試験監督の3D注視点は、外科医が試験監督の注視点を直感的に使用して手術を完了させるために指導され得るように、外科医の視標追跡ユニット240の左及び右画像ディスプレイ244a及び244b上に示され得る。幾つかの実施形態では、外科医の3D注視点(例えば、外科医の視標追跡ユニット240のプロセッサ2486によって決定される)は、外科医の注視点が手術中にリアルタイムで試験監督によってモニタされ得るように、試験監督の視標追跡ユニット200のディスプレイ210に示され得る。上述のように遠隔操作医療システム10によって測定される注視点は、様々な用途で使用され得る。
【0074】
図3Bは、
図2Dのデュアル視標追跡ユニット200及び240を使用する訓練/試験監督方法340を示す。方法340は、手術中に3D注視点ディスプレイ上で第2のユーザによって第1のユーザの3D注視点をモニタすることによって、ステップ342から始まる。第1のユーザの3D注視点は、
図3Aに示された方法300で示されたような第1の視標追跡ユニット(例えば、視標追跡ユニット200)を使用して決定され得る。決定された3D注視点は、第2のユーザによってモニタされ且つ評価されるように、第2の視標追跡ユニット(例えば、視標追跡ユニット240)の3D注視点ディスプレイ(例えば、画像ディスプレイ244又は注視点ディスプレイ250)に表示され得る。方法340は、第2のユーザが第1にユーザに指示を送ることによって、ステップ344に進む。幾つかの実施形態では、第1のユーザは外科医であってよく、第2のユーザは手術中に外科医を訓練する試験監督であってよい。例えば、1つの例では、外科医が手術部位の中のターゲット領域と違う手術部位内の領域を見ていること、又は外科医が誤った手術器具を選択したことに試験監督が気付くとき、試験監督は、リアルタイムで外科医の動作及び/又は見ているポイントを正すように外科医に指示を送り得る。例えば、試験監督は、視線起動メニュー選択、ボタンを手動で押すこと、又は試験監督のコンソールのフットペダルを軽く叩くことによって、外科医に指示し得る。1つの例では、試験監督の指示は、外科医を正しいアプローチに向かって誘導するように様々な方法のいずれかで外科医の画像ディスプレイに現れる。1つの実施形態では、外科医の画像ディスプレイは(例えば、視標追跡ユニット200の左及び右画像ディスプレイ202a及び202b)は、暗くなり得る。他の実施形態では、外科医の画像ディスプレイの注視点領域は、誤った動作を伴って進むことを外科医に警告するために、可視(例えば、赤を点滅させる)、可聴(例えば、ブザーを鳴らす)、又は触覚(例えば、手動制御部の一部を振動させる)警告を提示し得る。幾つかの実施形態では、試験監督はまた、タッチスクリーン上でテレストレータ(telestrator)若しくはビデオマーカを又は外科医のコンソール若しくは別個のコンソール上で3Dポインタを使用して指示を送り得る。
【0075】
上述のように、幾つかの実施形態では、外科医は、手術部位に標識を付け(label)且つ手術部位の位置を特定するために、外科医の3D注視点を使用し得る。例えば、外科医が、解剖学的構造のある位置に標識を付けたいとき、外科医は、視標追跡ユニット200が外科医の3D注視点を取り込むとともに方法300を使用して3D座標値を決定するように、その位置を凝視し得る。次に、外科医はさらに、フラグのような、アイコンを使用して画像ディスプレイ上の現在の注視点においてその位置に標識を付けるために、外科医用コンソール120のボタンを押し得る、又はフットペダル128を軽く叩き得る。内視鏡112が、解剖学的環境内(anatomical environment)の他の象限(quadrants)に焦点を合わせるとき、標識された3D位置は、次のカメラ運動のために、又は標識された位置を保持するように外部位置センサから参照されることによって、補償され得る。標識された位置は、外科医が所望の手術部位を効率的且つ効果的に特定するのに役立つであろう基準位置として使用され得る。
【0076】
図3Aに示された方法300に関して、幾つかの実施形態では、視標追跡ユニット200によって取り込まれた3D注視点位置は、外科医の3D注視点が、視野の中心にあるように、内視鏡112を調整するために使用され得る。例えば、外科医の3D注視点が、手術部位にあることが確認されるとき、外科医は、例えば、ボタンを押すことによって及び/又はフットペダルを軽く叩くことによって、確認指示を送り得る。内視鏡112の制御ユニットは次に、内視鏡112が、画像の中心に位置する外科医の3D注視点を有する更新された画像を取り込むよう調整され得るように、プロセッサ206から3D注視点の位置データを受信し得る。3D注視点を使用して内視鏡112を調整することのさらなる詳細は、"MEDICAL DEVICES, SYSTEMS, AND METHODS USING EYE GAZE TRACKING FOR SECONDARY IMAGING"と題する、2014年3月19日に出願された米国仮出願第61/955,355号に見出されることができ、これは、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0077】
図3Cは、手術中に外科医の集視点を使用して、遠隔操作アセンブリ100に取り付けられた、手術器具(例えば、器具システム14)を起動させるための注視点起動方法350を示す。外科医は、視標追跡ユニット200を通じて、ファスナ配送ツール(fastener delivery tool)(例えば、ステープラ)又はエネルギ印加ツール(例えば、アブレーション器具)のような、手術で使用されることになる手術器具の画像に焦点を合わせることを最初に要求される。画像フレームにおける手術器具の3D位置データは、メモリのようなコンピュータ可読媒体に格納される。画像フレームにおける手術器具の3D画像の3D位置データは、手術フレームにおける手術器具の3D位置を参照される。ステップ351において、内視鏡112によって取り込まれた手術器具の画像が、外科医が見るためにディスプレイに(例えば、視標追跡ユニット200の画像ディスプレイ202a及び202bに)表示される。方法350のステップ352において、画像フレームにおける外科医の注視点は、外科医がディスプレイの手術器具の画像に焦点を合わせることを要求されるとき、方法300に示されたのと実質的に同様の方法を使用して決定される。幾つかの実施形態では、外科医は、手術器具の画像に又は手術器具の先端近くの組織のような手術器具の近くの画像の領域に、彼又は彼女の注視点の焦点を合わせ得る。ステップ354において、外科医の3D注視点の決定された位置が、コンピュータ可読媒体に格納された手術器具の3D位置データと比較される。外科医の3D注視点の決定された位置が、手術器具の3D位置と一致する場合、又は外科医の3D注視点の決定された位置が、手術器具の近くの所定の領域内にある場合、ステップ354は、手術器具を起動するためにステップ356に進む。例えば、視線追跡システムのプロセッサ206は、ステープラのような手術器具のエネルギ放出を可能にするために、器具制御ユニット212に信号を送信し得る。外科医は次に、対応する制御インタフェース122を使用してステープラを制御及び発射できる。幾つかの実施形態では、プロセッサ206はまた、手術のために外科医によって使用されることになる手術器具に伝える(deliver)ために、制御インタフェース122を起動し且つ制御することができる。外科医の3D注視点の決定された位置が、手術器具の近くの所定の領域の中にない場合、ステップ358において、手術器具は動作停止にされる。ステップ358において、外科医は器具を見ていないので、器具制御ユニット212は、外科医の物理的な指令のいずれか(例えば、これは不注意であり得る)によって起動されることができず、手術器具はロックされる。したがって、手術器具は、方法350において論じられたように外科医の注視点の確認なしに、いかなる発射動作又は運動も実行できない。
【0078】
訓練プロセスの間、訓練を受けている外科医の現在の3D注視点は、技能レベル及び/又はストレスレベルのような、様々な観点(perspective)から試験監督によってモニタされ且つ評価され得る。幾つかの実施形態では、外科医の技能レベルは、手術プロセスの間の注視点運動を追跡することによって特徴付けられ得る。
図4Aは、
図2Bの視標追跡ユニット200を使用して手術中に外科医を評価するための方法400を示す。評価は、外科医の技能レベル、ストレスレベル、疲労、及び/又は任意の他の視線に示される能力(gaze-indicated performance)若しくは挙動の計量(behavioral metric)を含み得る。
図5は、3D画像フレーム座標系で手術部位の3D画像を示す3D画像ディスプレイ450の例である。
【0079】
方法400は、外科医の技能レベルを評価し且つ定量化するための基準としてベースラインデータを取得することによってオプションのステップ402から始まる。幾つかの実施形態では、ベースラインデータは、標準的な動作の間の経験を積んだ外科医の注視点運動を測定することによって、訓練プロセスを開始する前に取得され得る。幾つかの実施形態では、ベースラインデータは、シミュレーション演習の間に取得されてもよく、このシミュレーション演習は、カメラターゲティング(camera targeting)、ニードル駆動(needle driving)、操作練習(manipulation exercises)、縫合、焼灼/エネルギ印加、及び/又は任意の他の練習を含み得る。幾つかの実施形態では、ベースラインデータは、ターゲットの手術領域と手術器具との間で行き来して動く注視点の時間及び/又は変位、並びに初期位置からターゲットの手術領域に動く注視点の時間及び/又は変位、の時間比(T)及び/又は変位比(D)に関する情報を含み得る。幾つかの実施形態では、ベースラインデータはまた、各トラッキングポイントへの注視点固定の時間を含み得る。幾つかの実施形態では、ベースラインデータは、システム運動学及びイベントデータと組み合わせて取り込まれ得る。幾つかの実施形態では、技能の様々なレベルを表す時間比(T)及び/又は変位比(D)の異なる値があり得る。幾つかの実施形態では、ベースラインデータは、将来繰り返して使用されるために、コンピュータ可読媒体にセーブされ得る。
【0080】
方法400は、
図5にしめされた3D画像ディスプレイ450上のターゲットPを確認することによってオプションのステップ404に進む。確認プロセスの開始を示す第1の信号が、確認モードを選択するためにボタンを押すことによって、又は外科医用コンソールのフットペダルを軽く叩くことによって、訓練を受けている外科医によって出力され得る。
図5に示されるように、ターゲット領域Pが、手術が必要な領域であると特定された後、ターゲットPは、画像ディスプレイ450のターゲットPに外科医の注視点の焦点を合わせることによって3D画像ディスプレイ450上で確認され得る。幾つかの実施形態では、ターゲットPはまた、外科医用コンソール120上でボタンを押すことによって、又はフットペダル128を軽く叩くことによって、確認され且つ標識を付けられ得る。幾つかの実施形態では、ターゲットPは、ディスプレイ450の中の所定の位置若しくは領域にあり得る、又は外科医によってアクセスされる実際の視線位置(複数可)によってその場で確立されることさえできる。
【0081】
視標追跡ユニット200が確認を受信した後、ボタンを押すこと及び/又はフットペダルを軽く叩くことのような、他の指示を受信することによって、内視鏡112の制御ユニットは、内視鏡112が画像ディスプレイ450の中心に位置するターゲットPを有するために調整され得るように、プロセッサ206から注視点(例えば、ターゲットP)の位置データをオプションで受信し得る。幾つかの実施形態では、ターゲットPは、現在の3D座標系の原点として、(0,0,0)の座標を自動的に割り当てられ得る。
【0082】
方法400は、3D画像ディスプレイ450上で手術器具110a、110b又は110cの先端の初期位置を確認することによってオプションのステップ406に進む。例えば、
図5に示されるように、手術器具の先端の初期位置は、位置Q
0において特定され得る。位置Q
0は、次に、外科医の注視点を3D画像ディスプレイ450上の位置Q
0に焦点を合わせることによって、3D画像ディスプレイ450上で確認され得る。視標追跡ユニット200が確認を受信した後、位置Q
0は、ステップ404において定められる対応する3D座標系に対して(q
x0,q
y0,q
z0)の3D座標を自動的に割り当てられ得る。幾つかの実施形態では、位置Q
0はまた、外科医用コンソール120上でボタンを押すことによって、又はフットペダル128を軽く叩くことによって、確認され得る。他の実施形態では、手術器具の先端の初期位置は、システム運動学、位置センサ、及び/又はオプションのツール追跡のような、任意の他の方法によって確立されてもよい。
【0083】
方法400は、例えば、器具先端及びターゲットTに対する、外科医の注視点運動を測定することによってステップ408に進む。他の実施形態では、ステップ406の完了に際し、測定プロセスの開始を示す信号が、外科医用コンソール120上で外科医がボタンを押すこと、又はフットペダルを軽く叩くことのような、任意の適切な方法によって生成され得る。他の実施形態では、測定プロセスは、進行中であり得る又は器具の特定の状態によって開始され得る。幾つかの実施形態では、外科医の注視点は、3D画像ディスプレイ450上のターゲット領域Pから始まり得る。幾つかの実施形態では、外科医の注視点は、3D画像ディスプレイ450上の手術器具の初期位置Q0から始まり得る。
【0084】
図5を参照すると、幾つかの実施形態では、外科医の技能レベルは、外科医の注視点運動によって反映され得る。例えば、手術中、未熟な外科医は、彼若しくは彼女が手術器具を初期位置からターゲットポイントに動かす、又は初期位置からターゲットポイントへの動作を実行するとき、彼若しくは彼女の注視点を、手術器具(例えば、Q
0,Q
1,Q
2...)とターゲットポイント(例えばP)との間を確認するために複数回行き来して動かす可能性がある。対照的に、経験を積んだ外科医は、彼若しくは彼女が手術器具を動かす、又は動作を実行するとき、初期注視点(例えば、Q
0)とターゲットポイント(例えばP)との間でより滑らか且つより少ない頻度の注視点運動を有する可能性がある。したがって、1つの実施形態では、外科医の注視点運動の変位及び/又は時間が、外科医の技能レベルを評価するための1又は複数の要因として使用され得る。
【0085】
ステップ408において、外科医の注視点の位置データは、
図3Aに示された方法に関連して上述されたように、リアルタイムで、左及び右アイトラッカ204a及び204bによって取り込まれ、注視点の3D位置データを受信するためにプロセッサ206によって処理され、メモリにセーブされ得る。外科医の注視点の位置データは、外科医の注視点が3D画像ディスプレイ450上の初期位置Q0からQ1,Q2,...Qnに動くときの(q
x0,q
y0,q
z0)、(q
x1,q
y1,q
z1)、(q
x2,q
y2,q
z2)...(q
xn,q
yn,q
zn)の3D座標値を含み得る。
【0086】
ステップ408において、1つのポイントから次への外科医の注視点運動の時間もまた、
リアルタイムで、左及び右アイトラッカ204a及び204bによって取り込まれ、プロセッサ206によって処理され、メモリにセーブされ得る。幾つかの実施形態では、外科医の注視点運動の時間は、移動方向に関連する情報を含み得る。幾つかの実施形態では、ステップ408において、各注視点における固定時間もまた追跡され得る。
【0087】
方法400は、評価要因を決定することによってステップ410に進む。評価要因は、変位比要因Dを含み得る。変位比要因Dは、外科医の技能レベルを定量化するために使用され得る。例えば、変位比要因Dは、D=(|Q0P|+|PQ1|+|Q1P|+|PQ2|+|Q2P|+...|PQn|+|QnP|)/|Q0P|として計算され、ここで、|AB|は、3D画像ディスプレイ450上のポイントA及びBの座標値を使用する注視点Bに向かう注視点Aの変位を示す。例えば、|PQ1|は、注視点P(0,0,0)から注視点(qx1,qy1,qz1)に向かう変位を示し、|Q1P|は、注視点Q1(qx1,qy1,qz1)から注視点P(0,0,0)に向かう変位を示す。
【0088】
幾つかの実施形態では、評価要因は、時間比要因Tを含み得る。時間比要因Tもまた、外科医の技能レベルを定量化するために使用され得る。例えば、時間比要因Tは、T=(t1+t2+...+tn)/tiとして計算されることができ、ここで、t1,t2,...,tnは、測定プロセスが終わるまでの、1つのポイントから次に移動するために必要な外科医の注視点の時間を示す。測定プロセスの間、変位(例えば、|PQ1|)及び時間(例えば、t1)の両方は、任意の2つの移動ポイントの間で取り込まれ、任意の2つのポイント間を動く集視点の速度(vi)もまた計算され得る。平均速度(v)がさらに、測定プロセスの完了において計算され得る。平均速度(v)は、次に、現在のユーザが、彼又は彼女の注視点を初期ポイント(例えば、Q0)からターゲットポイント(例えば、P)に動かすための時間tiを計算するために使用され得る。
【0089】
幾つかの実施形態では、評価要因は、各注視点で測定される固定時間に関連する要因を含み得る。例えば、外科医の視線の平均固定時間が、ステップ408において、複数の注視点における複数の固定時間を測定した後に計算され得る。視線固定の平均時間が次に、外科医の技能レベルを評価するためにベースラインデータに格納された注視点固定情報と比較され得る。
【0090】
方法400は、ベースラインデータ(例えば、ステップ402において取得される)に対して評価要因(例えば、変位比要因D、時間比要因T、及び/又は視線固定時間)を比較することにより外科医の技能レベルを決定することによってステップ412に進む。幾つかの実施形態では、外科医の技能レベルはまた、外科医の手、器具、及び/又はカメラの運動から測定されるデータのような、システム運動学データ及び/又はイベントデータと組み合わされた評価要因を使用して決定され得る。外科医の手、器具、及び/又はカメラの運動は、適切な方法を使用して追跡され且つ分析され得る。
【0091】
幾つかの実施形態では、上述のように、視標追跡ユニット200によって取り込まれる外科医の3D注視点位置は、外科医の能力及び/又は状態をモニタするために並びにその能力及び/又は状態の低下が示されるべき警告を提供するために使用され得る。例えば、3D注視点は、外科医のストレス又は疲労レベルを決定するために使用されることができ、これは、幾つかの実施形態では、外科医の視線動態の変化に反映され得る。視線動態は、瞳孔径変動、及び/又は視線サッケードを含み得る。幾つかの例では、測定プロセス(例えば、
図4Aの方法400のステップ402)の前に、外科医が通常の状態で作業しているときの外科医の視線動態の情報を含むベースラインが最初に取得され得る。例えば、ベースラインは、外科医の視線サッケードの周波数、並びに/又は外科医の瞳孔径変動の周波数及び大きさを含み得る。測定プロセス(例えば、方法400のステップ408)の間、視線動態は、左及び右アイトラッカ204a及び204bを使用してモニタされ得るとともに、通常の作業状態の下で取得されたベースラインと比較され得る。視線動態が、通常の状態に比較して異常であるように見えるとき(例えば、方法400のステップ412)、通知又はアラームが、外科医が如何なる動作を進めることを防ぐために、与えられ得る。異常な視線動態は、限定ではなく、急激な瞳孔径変動又は通常より頻繁な視線サッケードのような、様々な目の特性によって示され得る。幾つかの実施形態では、外科医の視線動態はまた、遠隔操作アセンブリ100に配置されるタッチスクリーン上でモニタされてもよく、外科医の目の動態の異常状態を知らせる通知又はアラームは、手術室(OR)スタッフがタイムリーな方法で反応し得るように、手術室(OR)スタッフに送られ得る。
【0092】
幾つかの実施形態では、医療処置中の外科医のストレスレベルをモニタすることに加えて、追跡される視線動態情報はまた、処置の後に収集され且つ分析され得る。幾つかの例では、分析結果は、外科医がなぜ特定の訓練演習又は手術の特定の部分に苦労しているのかを理解するために使用され得る。
【0093】
幾つかの実施形態では、追跡される外科医の3D注視点は、システムのログイン/ログアウト並びにユーザ識別のために使用されることができる。例えば、1つの実施形態では、外科医は、システムにログインするようになる前に、ターゲットポイントに焦点を合わせるように要求される。ターゲットポイントは、3D位置データがコンピュータ可読媒体に格納されている手術器具を含み得る。外科医の3D注視点の位置が、前述の方法300を使用して視標追跡システムによって追跡された後、外科医の3D注視点の位置が、ターゲットポイントの3D位置と比較される。外科医の3D注視点が、3D位置ターゲットポイントと一致するとき、外科医は遠隔操作医療システム10に自動的にログインされ得る。幾つかの実施形態では、外科医の3D注視点が、ターゲットポイントの3D位置に合わない場合、外科医は遠隔操作医療システム10にログインできない。幾つかの実施形態では、遠隔操作医療システム10は、外科医の目(及び/又は外科医の注視点)が検出できない場合、ロックダウン(locked down)又は動作停止にされる。
【0094】
幾つかの実施形態では、虹彩特性、目の動態、又は視線運動速度のような、ユーザの格納された目の情報が、ユーザ認識及びシステムログインのために使用されることができる。例えば、手術を始める前に、外科医は、幾つかの視線運動演習を実行することを要求され得る。視標追跡ユニット200は、外科医の目の動態を取り込み得るとともに、対応する目の動態に関連するプロファイルデータと比較し得る。幾つかの実施形態では、視標追跡ユニット200は、ユーザの様々な虹彩特性を観察又は測定し得るとともに、異なるユーザの虹彩認識を可能にするようにこれらの虹彩特性を格納された虹彩プロファイルのデータベースと比較し得る。いったん外科医が、メモリにセーブされたプロファイルを持つ再来ユーザ(reoccurring user)であると識別されると、外科医は、カスタマイズされた設定を持つ彼又は彼女自身のプロファイルに自動的にログインされ得る。
【0095】
幾つかの実施形態では、視標追跡ユニット200によって取り込まれる外科医の3D注視点位置は、
図2Bに示されるシステム制御ユニット214を使用して遠隔操作医療システム10のシステム特性を調整するために使用され得る。例えば、外科医の測定される視線は、(生きている患者、死体、動物、モデル、又は部分的/完全コンピュータシミュレーションであることができる)手術部位の3D位置データを含む。3D位置データは、外科医が手術中に3D画像ディスプレイ上で手術部位を見ることができ且つ手術器具を直感的に制御することができるように、ユーザインタフェース(例えば、
図1Bの制御インタフェース122a及び122b)を、3D画像ディスプレイ上の手術部位に対して適切な位置(例えば、適切な深さ)に位置合わせするために使用されることができる。幾つかの実施形態では、外科医の測定される視線は、ユーザが妨害なしに画像ディスプレイ全体を見ることができるように、ユーザの頭に対する画像ディスプレイの位置及び向きのような外科医コンソールの人間工学的設定を調整するために使用されることができる。
【0096】
幾つかの実施形態では、3D空間における3D位置をより正確に較正するために、外科医の注視点は、画像ディスプレイ上の手術器具に焦点を合わせられることができ、視標追跡ユニット200は、外科医の3D注視点を取り込み得るむとともに視標追跡ユニット200によって受信された注視点データに基づいて手術器具の正確な3D位置情報を提供し得る。
【0097】
例示的な実施形態では、第1の遠隔操作医療システムが、1又は複数の第1の画像ディスプレイと、1又は複数の第1のアイトラッカと、1又は複数の第1のアイトラッカに結合され且つ第1のユーザが1又は複数の第1の画像ディスプレイによって表示される第1の画像を見ているとき第1のユーザの第1の注視点を計算するように構成される第1のプロセッサと、を含む、第1の視標追跡ユニットを有する。システムはまた、1又は複数の第2の画像ディスプレイと、1又は複数の第2のアイトラッカと、1又は複数の第2のアイトラッカに結合され且つ第2のユーザが1又は複数の第2の画像ディスプレイによって表示される第2の画像を見ているとき第2のユーザの第2の注視点を計算するように構成される第2のプロセッサと、を含む、第2の視標追跡ユニットを有する。1又は複数の第1の画像ディスプレイは、第2のプロセッサに結合され、1又は複数の第2の画像ディスプレイは、第1のプロセッサに結合される。
【0098】
第1の遠隔操作医療システムの他の実施形態では、第1の画像及び第2の画像は、手術部位の画像を含む。
【0099】
第1の遠隔操作医療システムの他の実施形態では、第1の画像はさらに、第2の注視点の表現を含む。
【0100】
第1の遠隔操作医療システムの他の実施形態では、第2の画像はさらに、第1の注視点の表現を含む。
【0101】
第1の遠隔操作医療システムの他の実施形態では、第1の画像はさらに、第1の注視点の表現を含む。
【0102】
第1の遠隔操作医療システムの他の実施形態では、1又は複数の第1のアイトラッカは、左アイトラッカ及び右アイトラッカを含む。
【0103】
第1の遠隔操作医療システムの他の実施形態では、1又は複数の第2のアイトラッカは、左アイトラッカ及び右アイトラッカを含む。
【0104】
例示の実施形態では、遠隔操作医療システムを動作させる第1の方法が、手術部位の3D画像ディスプレイにおける3D注視点の運動を追跡するステップ、及び3D注視点の運動から評価要因を決定するステップ、を含む。
【0105】
遠隔操作医療システムを動作させる第1の方法の他の実施形態では、方法はさらに、3D画像ディスプレイにおいてターゲットスポット及び初期スポットを確認するステップを含み、運動はターゲットスポットと初期スポットとの間にある。
【0106】
遠隔操作医療システムを動作させる第1の方法の他の実施形態では、ターゲットスポット及び初期スポットを確認するステップは、ターゲットスポット及び初期スポットの座標値を取得するステップを含む。
【0107】
遠隔操作医療システムを動作させる第1の方法の他の実施形態では、ターゲットスポットの取得された座標値は、内視鏡を再び中心に合わせる(re-center)ために使用される。
【0108】
遠隔操作医療システムを動作させる第1の方法の他の実施形態では、ターゲットスポット及び初期スポットを確認するステップは、ボタンを押すステップ又はフットペダルを軽く叩くステップを含む。
【0109】
遠隔操作医療システムを動作させる第1の方法の他の実施形態では、ターゲットスポットを確認するステップは、3D画像ディスプレイ上でターゲットスポットに焦点を合わせるステップを含む。
【0110】
遠隔操作医療システムを動作させる第1の方法の他の実施形態では、初期スポットを確認するステップは、3D画像ディスプレイ上で初期スポットに焦点を合わせるステップを含む。
【0111】
他の実施形態では、遠隔操作医療システムを動作させる第1の方法は、注視点運動に関するベースラインデータと評価要因を比較することによって技能レベルを決定するステップを含む。
【0112】
遠隔操作医療システムを動作させる第1の方法の他の実施形態では、ターゲットスポットと初期スポットとの間の3D注視点の運動は、3D注視点の複数のセグメント運動(segmental movement)を含み、各セグメント運動は、器具スポットからターゲットスポットまでであり、器具スポットは初期スポットとターゲットスポットとの間にある。
【0113】
遠隔操作医療システムを動作させる第1の方法の他の実施形態では、3D注視点の運動を測定するステップは、器具スポットの3D座標値を測定するステップを含む。
【0114】
遠隔操作医療システムを動作させる第1の方法の他の実施形態では、評価要因は、変位比要因を含み、変位比要因は、ターゲットスポットと初期スポットとの間の変位によって割られる、3D注視点のセグメント運動の変位の合計の間の比である。
【0115】
遠隔操作医療システムを動作させる第1の方法の他の実施形態では、3D注視点の運動を測定するステップは、ターゲットスポットと器具スポットとの間の3D注視点の各セグメント運動のために必要とされる時間を測定するステップを含む。
【0116】
遠隔操作医療システムを動作させる第1の方法の他の実施形態では、評価要因は、時間比要因を含み、時間比要因は、平均3D注視点移動速度を使用して計算される初期スポットからターゲットスポットに移動するために3D注視点に必要とされる時間によって割られた、セグメント運動に必要とされる時間の合計の間の比である。
【0117】
遠隔操作医療システムを動作させる第1の方法の他の実施形態では、平均3D注視点移動速度は、全ての3D注視点移動速度の平均値であり、3D注視点移動速度のそれぞれは、各セグメント運動の変位及び時間を使用して計算される。
【0118】
遠隔操作医療システムを動作させる第1の方法の他の実施形態では、3D注視点の運動を測定するステップは、初期スポットとターゲットスポットとの間の器具スポットにおける3D注視点の固定時間を測定するステップを含む。
【0119】
遠隔操作医療システムを動作させる第1の方法の他の実施形態では、評価要因は、初期スポットとターゲットスポットとの間の複数の器具スポットで測定された複数の固定時間を使用することによって計算される平均固定時間を含む。
【0120】
例示的な実施形態では、遠隔操作医療システムを動作させる第2の方法であって、方法は、手術部位の3D画像ディスプレイにおける視線動態を追跡するステップ、及びユーザが3D画像ディスプレイを見ているときユーザの状態を決定するステップ、を含む。
【0121】
遠隔操作医療システムを動作させる第2の方法の他の実施形態では、視線動態を追跡するステップは、1又は複数のアイトラッカを使用しているユーザの瞳孔径変動又は視線サッケードのうちの少なくとも一方を追跡するステップを含む。
【0122】
遠隔操作医療システムを動作させる第2の方法の他の実施形態では、ユーザの状態は、ユーザのストレスレベル又は疲労レベルのうちの少なくとも一方を含む。
【0123】
遠隔操作医療システムを動作させる第2の方法の他の実施形態では、ストレスレベルを決定するステップは、視線動態を、視線動態に関するベースラインと比較するステップを含む。
【0124】
遠隔操作医療システムを動作させる第2の方法の他の実施形態では、ベースラインデータは、外科医が通常の状態で作業しているときに測定される視線動態を含む。
【0125】
遠隔操作医療システムを動作させる第2の方法の他の実施形態では、視線動態は、システムログインプロセスの間のユーザ認識のために使用される。
【0126】
例示的な方法では、手術システムを動作させる第1の方法は、第1のディスプレイにおいて3D画像を見ている第1のユーザに関する3D注視点を決定するステップと、第2のディスプレイにおいて3D注視点を表示するステップと、第2のディスプレイ上で第1のユーザの3D注視点を見ている第2のユーザからの指示を受信するステップと、を含む。
【0127】
手術システムを動作させる第1の方法の他の実施形態では、第1のユーザは、第2のユーザによって訓練を受けている。
【0128】
手術システムを動作させる第1の方法の他の実施形態では、第1のユーザの3D注視点は、視標追跡ユニットによって決定される。
【0129】
手術システムを動作させる第1の方法の他の実施形態では、第2のユーザからの指示は、第2のディスプレイ上でテレストレータを使用することによって送信される。
【0130】
例示的な方法では、器具及び3Dディスプレイを含む、手術システムを動作させる第2の方法は、3Dディスプレイに3D画像を表示するステップと、3D画像を見ているユーザに関する3D注視点の位置を決定するステップと、3D画像と3D注視点の位置とを比較するステップと、を含む。
【0131】
手術システムを動作させる第2の方法の他の実施形態では、3D注視点の位置は、視標追跡ユニットを使用して決定される。
【0132】
手術システムを動作させる第2の方法の他の実施形態では、3D画像は、視標追跡ユニットの1又は複数の画像ディスプレイに表示される器具の3D画像を含む。
【0133】
手術システムを動作させる第2の方法の他の実施形態では、3D注視点の位置が、3D画像の周りの所定の領域内にあるとき、器具を起動させるステップを含む。
【0134】
手術システムを動作させる第2の方法の他の実施形態では、器具を起動するステップは、ユーザによって使用されることになる器具に伝達するように制御インタフェースを起動するステップを含む。
【0135】
手術システムを動作させる第2の方法の他の実施形態では、器具を起動するステップは、器具のエネルギ放出を可能にするように器具制御ユニットを制御するステップを含む。
【0136】
他の実施形態では、手術システムを動作させる第2の方法は、3D注視点の位置が3D画像の周りの所定領域の外にあるとき、器具を動作停止させるステップを含む。
【0137】
他の実施形態では、手術システムを動作させる第2の方法は、3D注視点の位置が3D画像の周りの所定領域の中にあるとき、手術システムへの自動ログインを可能にするステップを含む。
【0138】
他の実施形態では、手術システムを動作させる第2の方法は、システム特性を調整するステップを含む。
【0139】
遠隔操作医療システムを動作させる第2の方法の他の実施形態では、3D画像は、手術部位の3D画像を含む。
【0140】
手術システムを動作させる第2の方法の他の実施形態では、システム特性を調整するステップは、3Dディスプレイに表示される手術部位に対してユーザインタフェースを位置合わせするステップを含む。
【0141】
様々な実施形態では、視標追跡ユニット200、制御ユニット210及びイメージングシステム(例えば、イメージング装置112)は、ユーザに一次画像及び、オプションで、多様な二次的に調整された画像を提供するように協調して動作する。調整された画像は、非限定の例として、拡大された画像、明るくされた画像、シャープにされた画像、色づけされた画像、標識を付けられた画像、及び/又は異なる波長範囲を含む画像(例えば、可視光範囲と対照的に近赤外範囲)を含み得る。手術領域の調製された画像は、外科医の視線によって、少なくとも部分的に、制御され得る。一次及び二次画像を提供するために、イメージングシステムは、単一のイメージングモジュール及び調整された画像を提供するためのポストイメージング(post-imaging)操作(例えば、デジタル操作)を使用し得る。代替的に又は追加的に、様々な実施形態において以下に記載されるように、イメージングシステムは、複数のイメージングモジュールを含む。複数のイメージングモジュールは、単一の患者開口部を通って展開される共通の器具に設けられ得る、又は、複数の患者開口部を通って展開される複数の器具に設けられ得る。幾つかの実施形態では、イメージングシステムは、硬質鏡(すなわち、硬質シャフトを有する)を含んでよく、それに関して姿勢(例えば、位置、向き、ロール)が、特定のカメラ又は取り付けられている器具アームの運動によって決定される。他の実施形態では、イメージング装置112は、追加的に又は代替的に、組み込まれた関節動作能力(integrated articulation capabilities)を含み得る。
【0142】
図6Aは、
図1Bの遠隔操作アセンブリ100のイメージング装置112として使用されることができる例示のイメージングシステム112aを示す。イメージングシステム112aは、単一のイメージング装置の構成要素として2つのイメージングモジュール714、715を含む。イメージングモジュール714、715は、ユーザの関心のある異なる情報又は視界を示す関心領域の、一次画像及び、拡大画像重ね合わせのような、二次画像を作るために、互いに独立して制御され得る。イメージングシステム112aはさらに、器具インタフェース150d(例えば、
図1Bに示されるカメラアーム108に結合される)、インタフェース150dに接続されるシャフト152d、シャフト152dを通るケーブル、ロッド、及び/又は光ファイバのグループ710及び711、シャフト152dに接続されるリスト部(例えば、関節動作セクション)712及び713、並びに、イメージング装置112aの遠位端部のイメージングモジュール714及び715を含む。
【0143】
幾つかの実施形態では、器具インタフェース150dは、
図2Cに示される制御ユニット210から指令を受信し得る。イメージングモジュール714、715のそれぞれ又は両方は、手術領域を照明するための光学(optics)及び機構を含み得る。幾つかの実施形態では、イメージングモジュール714及び/又はイメージングモジュール715はまた、手術領域の画像(例えば、立体画像)を取り込むことができる装置を含み得る。幾つかの実施形態では、イメージング装置は、立体カメラを有する。
【0144】
関心のある手術領域の画像は、補助イメージングモジュール715によって取り込まれることができ、調整された画像は、ディスプレイ(
図2Cに示される画像ディスプレイ(202a、202b、注視点ディスプレイ207、及び/又は
図4に示されるディスプレイ416)に表示されることができる。
【0145】
図6Aに示されるように、イメージング装置112aのシャフト152dは、ケーブル、ロッド及び/又は光ファイバ710及び711を保持するように構成される。幾つかの実施形態では、ケーブル、ロッド及び/又は光ファイバの第1のグループ710が、リスト部712を通ってイメージングモジュール714に結合され得るとともに、ケーブル、ロッド及び/又は光ファイバの第2のグループ711が、リスト部713を通ってイメージングモジュール715に結合され得る。このような構成は、ケーブル、ロッド及び/又は光ファイバの2つの異なるセット710、711を介して異なる指示を提供することによって並びに異なる運動制御でリスト部712、713を制御することによって、イメージングモジュール714と715との間の独立した制御及び操作を提供することができる。リスト部712、713は、シャフト152dの遠位端部でシャフト152dに接続されるとともに、イメージングモジュール714、715にそれぞれ結合される。リスト部712は、少なくとも2自由度でのイメージングモジュール714の運動を可能にし、シャフト152dを通るケーブル又はロッド710の第1のセットで制御され得る。同様に、リスト部713は、少なくとも2自由度でのイメージングモジュール715の運動を可能にし、シャフト152dを通るケーブル又はロッド711の第2のセットで制御され得る。光ファイバ710、711は、照明を提供する及び画像を伝送する両方のために、イメージングモジュール714、715の光学に結合され得る。
【0146】
幾つかの実施形態では、器具インタフェース150dは、カメラアーム108の作動モータをケーブル及びロッド710及び711それぞれにシャフト152d内で結合する。幾つかの実施形態では、器具インタフェース150dは、イメージングモジュール714及び715をそれぞれ操作するようにリスト部712及びリスト部713を制御するためにカメラアーム108の作動モータによって駆動されることができる機構を含み得る。例えば、1つの実施形態では、イメージングモジュール714が一次イメージングモジュールとして使用され且つイメージングモジュール715が補助又は二次イメージングモジュールとして使用されるとき、器具インタフェース1520dは、補助イメージングモジュール715が、(例えば、
図2B及び2Cに関連して上述されたように画像ディスプレイ202a、202bに対する検出された注視点に基づいて)イメージングモジュール715を外科医の注視点に動かすように作動モータによって駆動され得るように、作動モータに指示を送信し得る。
【0147】
イメージングモジュール714及び/又はイメージングモジュール715は、イメージング装置によって得られる画像の種類を調整することができる。例えば、1つの実施形態では、イメージングモジュール714、715は、手術領域のより詳細な及びより詳細でない画像を得るために手術領域に「ズーム」イン又は「ズーム」アウトすることができる。幾つかの実施形態では、イメージングモジュール714、715は、遠位端部716に対してシャフト152dの長手方向軸LAに沿って位置を変えることができ、それによって、物理的、距離ベースのズーム機能を提供する。イメージングモジュール714及び/又はイメージングモジュール715はまた、リスト部712、713それぞれを操作することによって、(例えば、球面空間内で)多次元で再び向きを合わせられる(reoriented)ことができる。遠隔操作医療システム10で動作するソフトウェアは、リスト部712、713及び/又はイメージングモジュール714、715の物理的な位置及び向きを制御することによって、或いは、(例えば、デジタル拡大又は画像調整を通して)イメージングモジュール714、715によって得られる画像のデジタル操作を制御することによって、ズーム機能を制御することができる。追加的に又は代替的に、ズーム機能は、イメージングモジュール714及び/又はイメージングモジュール715自体によって制御され得る。
【0148】
図6Bは、イメージング装置112c及びイメージング装置112dを含むイメージングシステム112bを示す。1つの実施形態では、イメージング装置112c、112dは、
図1Bに示される遠隔操作アセンブリ100の2つの別個のカメラアーム108とともに使用されることができ、各イメージング装置112c、112dは独立してカメラアーム108a、108bにそれぞれ取り付けられる。描かれた実施形態では、イメージング装置112c、112dはそれぞれ、独立したイメージングモジュール720、722をそれぞれ含む。例えば、描かれた実施形態では、イメージングモジュール720は、イメージング装置112dの遠位端部に取り付けられ、イメージングモジュール722は、イメージング装置112cの遠位端部に取り付けられる。イメージング装置112c、112dは、イメージングモジュール720、722から独立して取得された画像両方の単一のディスプレイ(すなわち、
図4に示されるディスプレイ416)への位置合わせを支援するために手術野の中で互いに接近して位置合わせされ得る。イメージング装置112c、112dは、ここに記載される違いを除いて、
図6Aに関連して上述されたイメージングモジュール112aと実質的に同様である。例えば、イメージング装置112dは、器具インタフェース150e、インタフェース150eに接続されるシャフト152e、シャフト152eに接続されるリスト部724、リスト部724に接続されるイメージングモジュール720、並びにシャフト152eを通るケーブル、ロッド、及び/又は光ファイバ726を含む。同様に、イメージング装置112cは、器具インタフェース150f、インタフェース150fに接続されるシャフト152f、シャフト152fに接続されるリスト部727、リスト部727に接続されるイメージングモジュール722、並びにシャフト152fを通るケーブル、ロッド、及び/又は光ファイバ728を含む。イメージング装置112c及び/又はイメージング装置112dの構成要素の機能は、上述のイメージング装置112aの対応する構成要素と実質的に同様である。
【0149】
図6Cは、本開示の1つの実施形態による立体カメラ730の概略図である。立体カメラ730は、
図6Aのイメージングモジュール714、715及び
図6Bのイメージングモジュール720、722を含む、上述のイメージングモジュールのいずれかとして使用され得る。立体カメラ730は、3D画像になるように、人間の左及び右目に表示され且つ知覚されることができる立体画像を取り込むために使用されることができる。
【0150】
イメージングモジュール(例えば、イメージングモジュール714、715、720、722)は、手術領域の異なる画像を提供するために3D空間内で独立して動かされることができる。例えば、イメージング装置112aのイメージングモジュール714及び/又はイメージング装置112bのイメージングモジュール720は、手術領域の一次画像を提供するために使用されることができる。イメージング装置112aのイメージングモジュール715及び/又はイメージング装置112cのイメージングモジュール722は、
図8Cで画像960として示される、外科医の現在の注視点に対応する手術領域の拡大された画像のような、二次又は調整された画像を提供するために使用されることができる。幾つかの例では、イメージングモジュール715及び内視鏡エフェクタ732はまた、拡大された画像領域の中で構造を識別及び/又は強調するために使用されることができる、蛍光又は超音波イメージングのような、他のイメージングモダリティを提供するために使用され得る。幾つかの実施形態では、以下により詳細に記載されるように、イメージング装置112aのイメージングモジュール715及び/又はイメージング装置112cのイメージングモジュール722は、外科医の注視点が、関心領域(例えば、病変部)を特定するために領域(例えば、患者の腹腔)にわたって走査されるときに、重ならない様式で配置される異なる領域の画像を取り込むために使用されることができる。関心領域に対応する画像は、さらに拡大され得る又は(例えば、光学操作及び/又はデジタル処理によって)他のイメージングモダリティで処理され得る。
【0151】
視標追跡ユニット200及び1又は複数のイメージング装置112を含む、遠隔操作医療システム10は、外科医の視線領域(gaze region)及び非視線領域(non-gaze region)に様々な画像修正(image modifications)を適用するために使用されることができる。例えば、画像修正は、限定ではなく、拡大、ズームイン若しくはズームアウト、強調表示、再着色(recolorizing)、脱色、標識化、増光(brightening)、ぼかし、及びシャープ化を含む、様々なイメージング効果のいずれかを含み得る。幾つかの実施形態では、画像修正は、非視線領域の強調を抑えながら、視線領域を強調又は変化させ得る。例えば、幾つかの実施形態では、画像修正は、コントラストによって視線領域を強調するために、非視線領域の焦点をぼかすこと、非視線領域を脱色すること、又は非視線領域をぼかすことを含み得る。幾つかの実施形態では、画像修正は、外科医の指示に応じた外科医の視線領域の拡大を含む。幾つかの実施形態では、画像修正は、手術部位の一次ビュー(primary view)の上に外科医の拡大された視線領域を重ね合わせることを含む。幾つかの実施形態では、画像修正は、外科医の視線領域に様々な画像モダリティを適用することを含む。幾つかの実施形態では、遠隔操作医療システム10は、画像修正を始動するために、(ユーザ視線に加えて)追加のユーザ入力を必要とする。幾つかの実施形態では、遠隔操作医療システム及び視標追跡ユニット200は、どのイメージング装置が一次画像を取得するか及びどのイメージング装置が補助又は二次画像を取得又は作るかを決定するためにユーザの視線を解釈する。
【0152】
図7Aは、所望の画像修正を実現するために、
図6A-6Bに示されたイメージング装置112a、112b、112c、112dのいずれかと結び付けられることができる、画像処理システム800のブロック図を示す。画像処理システム800は、
図2Cに示された制御ユニット210と同じであり得る制御ユニット802を含む。制御ユニット802は、入力データを処理し且つコマンドを出すための1又は複数のプロセッサを含み得る。プロセッサは、データ及びプログラム命令を保持するために、メモリ(揮発性、不揮発性、又は組合せ)と結合され得る。制御ユニット802は、
図2Cに示された視線プロセッサ206から指示信号を受信し得る。制御ユニット802はまた、
図1Cに示された制御インタフェース122からの入力信号のような、他の形態の入力の指示を受信し得る。プログラム命令は、例えば、視線プロセッサ206から受信したデータ信号を、イメージング装置112によって生成されたオリジナル画像の要求された修正を示すコマンド信号に変換するための指示を含み得る。これらの信号を使用して、制御ユニット802は、外科医が意図する画像変更の種類及び/又は範囲を決定することができる。例えば、制御ユニット802は、外科医がズーム若しくは拡大機能を要求しているかどうか又は外科医が異なるイメージングモダリティ表示を要求しているかどうかを決定することができる。幾つかの実施形態では、制御ユニット802は、外科医の注視点に対応する領域(例えば、視線領域)及び画像フィールドの残り(すなわち、非視線領域)に異なる画像モダリティを適用するために指示を受信し得る。
【0153】
命令を受信した後、制御ユニット802は、修正器計算ユニット(modifier calculation unit)804に信号を送信し得る。幾つかの実施形態では、修正器計算ユニットはまた、内視鏡操作計算ユニットとしても知られ得る。幾つかの実施形態では、修正器計算ユニット804は、イメージング装置112(例えば、112a、112b、112c、112d)の器具インタフェース150(例えば、150d、150e、150f)に含まれ得る。修正器計算ユニット804は、制御ユニット802から受信した信号をコマンド又は動作信号に変換するためのプロセッサを含み得る。幾つかの実施形態では、コマンド信号は、コマンド信号によって指示されたように画像をデジタル的に変更するように内視鏡プロセッサによって直接処理される。追加的に又は代替的に、コマンド信号は、イメージング装置112の運動に影響を及ぼすことができるアクチュエータ806に送られ得る。幾つかの実施形態では、外科医の意図した画像修正(例えば、拡大、ズームイン、又はズームアウト)は、アクチュエータ806が適切な乃至用又はイメージングモジュールの対応する運動を生じさせるとき、実現され得る。修正器計算ユニット804は、データ及びプログラミング(例えば、注視点データ、運動関連コマンドデータ、注視点追跡アルゴリズム、画像修正アルゴリズム)を保持するメモリ(揮発性、不揮発性、又は組合せ)に結合される1又は複数のプロセッサを含み得る。幾つかの実施形態では、制御ユニット802、修正器計算ユニット804、及び/又は内視鏡プロセッサ808の上述の機能は、単一のプロセッサによって実行され得る。
【0154】
アクチュエータ806は、イメージング装置112の器具インタフェース150に機械的に結合されることができる。例えば、アクチュエータ806は、
図6Aに示されるように、イメージング装置112aの器具インタフェース150dに機械的に結合されることができる。アクチュエータ806は、例えば、遠隔操作アセンブリ100のカメラアーム108(例えば、カメラアーム108、108a、及び/又は108b)に収容される回転モータであることができ、このカメラアームの上に対応するイメージング装置112が取り付けられる。上述のように、幾つかの実施形態では、器具インタフェース150の修正器計算ユニット804は、アクチュエータ806の機械的な入力を、対応するリスト部及びイメージング装置のイメージングモジュールの運動に変換し得る。
【0155】
制御ユニット802はまた、照明ユニット810の光出力を制御することができる。照明ユニット810は、手術領域を照明するために、
図6Aのイメージング装置112aの光ファイバ710及び/又は711、
図6Bの、イメージング装置112dの光ファイバ726、及びイメージング装置112cの光ファイバ728のような、1又は複数の光ファイバを通じて光を提供し得る。
【0156】
画像処理システム800は、それぞれ、イメージングモジュール714、715、720、又は722のような対応するイメージングモジュールのために、画像取込、画像処理、及び/又は画像表示機能を実行するように構成される、複数の内視鏡プロセッサ808を含み得る。内視鏡プロセッサ808は、例えば、中央電子データ処理ユニット142の一部として、ビジョンカート140に配置され得る。内視鏡プロセッサ808はまた、遠隔操作アセンブリ100及び/又は外科医コンソール120に配置され得る。内視鏡プロセッサ808は、データ及びプログラミングを保持するメモリ(揮発性、不揮発性、又は組合せ)に結合され得る。
【0157】
内視鏡プロセッサ808によって処理される画像は、
図4Aに示されるディスプレイ816上に出力され得る。幾つかの実施形態では、ディスプレイ816は、
図2Cに示される視標追跡ユニット200の画像ディスプレイ202a、画像ディスプレイ202b、及び/又は注視点ディスプレイ207を含み得る。幾つかの実施形態では、ディスプレイ816は、
図1Dに示されるビジョンカート140に取り付けられたタッチスクリーンモニタ146である。幾つかの実施形態では、ディスプレイ816は、例えば、外科医コンソール120においてディスプレイ202a及び202bに表示される、一次画像に重なる二次又は修正画像を示すことができる。幾つかの実施形態では、ディスプレイ816は、重ね合わせ又は非重ね合わせの様式で並んで表示される複数の画像(例えば、一次画像及び修正画像)を示すことができる。
【0158】
イメージングモジュール、例えば、イメージングモジュール714、715、720、又は722は、手術領域の立体画像を取り込むことができる立体カメラを有し得る。手術領域の立体画像は、光ファイバ710、711、726、又は728のような、光ファイバによって、内視鏡プロセッサ808に送られ得る。内視鏡プロセッサ808は、イメージングモジュールによって取り込まれた立体画像をデジタル化することができ、立体画像をディスプレイ816に提供することができる。ディスプレイ816上に表示される立体画像は、3D立体画像として、視標追跡ユニット200(
図2Cに示される)を通じて外科医によって知覚されることができる。外科医の指示は、アイトラッカ204a、204bによって取り込まれた外科医の視線データを使用して、認識され且つ起動され(initiated)得る。視線プロセッサ206は、これらの指示を処理し且つそれらを制御ユニット802に伝達することができる。アイトラッカ204a、204b及び視線プロセッサ206は、
図2A-2Cに関連して詳述されたように、外科医の3D視線を取り込み且つ外科医の3D視線の画像を生成することができる。
【0159】
図6Aに関して、幾つかの実施形態では、イメージング装置112aが遠隔操作医療システム10で使用されるとき、2つのイメージングモジュール714、715は、同じ器具インタフェース150dを共有し得る。上述のように、幾つかの実施形態では、イメージングモジュール714は、手術領域の一次画像を取り込むために使用され、イメージングモジュール715は、外科医の指示に基づいて二次(例えば修正)画像を取り込むために使用される。イメージングモジュール714が、手術部位の一次画像と取り込む間、視線プロセッサ206は、外科医の注視点に対応する手術野における領域の調製された画像(例えば、非限定の例として、拡大画像、シャープ化された画像、カラー化された画像、脱色された画像)を取り込み且つ表示するよう、イメージングモジュール715に指示するために、外科医の指示を解釈し得るとともに外科医の指示を制御ユニット802に送信し得る。指示は、制御ユニット802及び修正器計算ユニット804の1又は複数のプロセッサによって処理され得る。
【0160】
幾つかの実施形態では、結果として生じるコマンド信号は、イメージングモジュール714、715によって受信された画像にデジタル的に影響を及ぼす(デジタル的に拡大する又はその他の方法で修正する)ために内視鏡プロセッサ808に送信される。幾つかの実施形態では、結果として生じるコマンド信号は、イメージングモジュール715のイメージングモードを変更する(例えば、非限定の例として、撮像される波長範囲、光学倍率、又は視野の幅を変更する)ために内視鏡プロセッサ808に送信される。幾つかの実施形態では、結果として生じるコマンド信号は、イメージングモジュール715の運動を制御するために、ケーブル、ロッド又は光ファイバ711を介して送信され得るとともに、イメージングモジュール715は、外科医の指示に基づいて動く又は調整し得る。例えば、外科医が、彼又は彼女の注視点によって特定される領域の拡大画像を見ることを望むとき、イメージングモジュール715は、「ズームイン」又は拡大画像を得るために、シャフト152dの長手方向軸LAに沿って移動し得る。幾つかの実施形態では、イメージングモジュール715は、手術領域の一次画像を取り込み且つ表示するために制御され得るとともに、イメージングモジュール714は、外科医の指示に基づいて二次画像を取り込み且つ表示し得る。二次画像は、一次画像の視覚的に調整された部分を含み得る。
【0161】
幾つかの実施形態では、
図6Bに示されるように、イメージング装置112b及びイメージング装置112cは、遠隔操作医療システム10で使用され得る。
図6Bに示されるように、イメージング装置112bは、器具インタフェース150dを含み、イメージング装置112cは、器具インタフェース150fを含む。幾つかの実施形態では、1より多い制御ユニット802があってよく、各制御ユニット802は、器具インタフェース150s及び150fの一方に結合される。代替実施形態では、両方の器具インタフェース150d、150fに結合され、且つ器具インタフェース150d、150fに独立した指示を送ることができる、1つの制御ユニット802があってよい。例えば、幾つかの実施形態では、イメージング装置112bは、器具インタフェース150dによって受信された指示に基づいて手術領域の一次画像を取り込むために使用されてよく、イメージング装置112cは、器具インタフェース150fによって受信された指示に基づいて二次又は修正画像を取り込むために使用されてよい。
【0162】
1つの実施形態では、イメージングモジュール620が手術部位の一次画像を取り込む間、視線プロセッサ206は、外科医の注視点に対応する手術野の領域の調製された画像(例えば、非限定の例として、拡大画像、シャープ化された画像、カラー化された画像、脱色された画像)を取り込み且つ表示するように、外科医の指示を解釈し且つ外科医の指示を制御ユニット802へ送信する。指示は、制御ユニット802及び修正器計算ユニット804の1又は複数のプロセッサによって処理され得る。
【0163】
幾つかの実施形態では、結果として生じるコマンド信号は、イメージングモジュール720、722によって受信された画像にデジタル的に影響を及ぼす(例えば、デジタル的に拡大する又はその他の方法で修正する)ために、内視鏡プロセッサ808に送信される。幾つかの実施形態では、結果として生じるコマンド信号は、イメージングモジュール722のイメージングモードを変える(例えば、非限定の例として、撮像される波長範囲、光学倍率、又は視野の幅を変更する)ために、内視鏡プロセッサ808に送信される。幾つかの実施形態では、結果として生じるコマンド信号は、イメージングモジュール722の運動を制御するためにケーブル、ロッド又は光ファイバ728を経由して送信され得るとともに、イメージングモジュール722は、外科医の指示に基づいて動く又は調整し得る。例えば、外科医が、彼又は彼女の注視点によって特定された領域の拡大画像を見ることを望むとき、イメージングモジュール722は、「ズームインされた」又は拡大された画像を得るために、シャフト152fの長手方向軸に沿って移動し得る。代替実施形態では、イメージングモジュール722は、手術領域の一次画像を取り込み且つ表示するように制御され得るとともに、イメージングモジュール720は、外科医の指示に基づいて二次画像を取り込み且つ表示し得る。
【0164】
図7Bは、本開示の実施形態による様々なイメージング修正を適用するために遠隔操作医療システム10のイメージング装置(複数可)を制御するための方法850を示すフローチャートである。プロセス852において、第1のイメージングモジュールは、手術領域の第1の又は一次画像を取り込む。第1のイメージングモジュールは、手術領域の立体画像を取り込むように構成される立体カメラであり得る。第1のイメージングモジュールが焦点を合わせる手術野の中の位置は、ユーザ以外の人、例えば、患者の隣の手術室の中の人員によって調整され得る。追加的に又は代替的に、第1のイメージングモジュールは、(
図1Cに示されるような)外科医コンソール120又は遠隔操作医療システム10の他の構成要素によって、作動され且つ制御され得る。幾つかの実施形態では、
図2A-2Cに関連して上述されたように、第1のイメージングモジュールは、外科医の注視点によって制御されることができる。特に、外科医の注視点は、第1のイメージングモジュールに影響を及ぼすように、
図2Cに示された視標追跡ユニット200によって追跡され且つ解釈されることができる。幾つかの実施形態では、第1の画像は、ゼロ又は低倍率での、患者の腹部のような、手術領域の全体画像(overview image)である。幾つかの実施形態では、第1の画像は、ゼロ又は低倍率での、手術領域(例えば、外科医が作業している手術領域)の一次画像を含む。
【0165】
方法850のプロセス854において、第1の画像は、
図7Aに示される内視鏡プロセッサ808によって表示のために処理され、この内視鏡プロセッサは第1のイメージングモジュールに結合される。内視鏡プロセッサ808は、第1の画像を表すデータを受信するとともに、第1の画像の位置、境界、及び/又は倍率のような、画像データの様々な特性をデジタル化する。デジタル化された情報は、内視鏡プロセッサ808に結合される1又は複数のメモリにセーブされ得る。内視鏡プロセッサ808は、第1の画像のイメージング情報を処理するとともに、
図7Aに示されるディスプレイ816に第1の画像を表示する。第1のイメージングモジュールが立体カメラであるとき、第1の画像は、立体画像である。立体画像は、外科医コンソール120の左及び右目画像ディスプレイ202a、202bに表示されることができる。手術領域の3D一次画像が、その後、外科医によって見られることができる。
【0166】
プロセス856において、視標追跡システム200は、第1の画像の表示に対する外科医の注視点を追跡する。例えば、第1の画像が、左及び右目画像ディスプレイ202a、202bに表示されるとき、
図2Cの視標追跡システムは、第1の画像に対する外科医の注視点を決定し得る。視線プロセッサ206は、例えば、外科医の注視点の3D位置を提供するために、視線情報をデジタル化し得る。デジタル化された情報は、視線プロセッサ206に結合される(
図2Cに示される)1又は複数のメモリ208にセーブされ得る。外科医が外科医の視線を通じて指示を送るとき、視線プロセッサ206は、デジタル化された情報を制御ユニット210に提供することができる。視線追跡による遠隔操作医療システムの制御のための装置、システム、及び方法のさらなる詳細は、例えば、"MEDICAL DEVICES, SYSTEMS, AND METHODS INTEGRATING EYE GAZE TRACKING FOR STEREO VIEWER”と題する、2014年3月19日に出願された、米国仮出願第61/955334号に見出すことができ、これはその全体が本明細書に援用される。
【0167】
プロセス858において、遠隔操作医療システム10は、様々な画像修正を提供するために外科医から指示を受信する。幾つかの実施形態では、外科医からの指示は、外科医の視線領域の拡大画像を提供することを含む。幾つかの実施形態では、外科医からの指示はまた、第1の画像に第2の、修正された画像を重ね合わせることを含む。外科医からの指示はまた、任意の適切なイメージングモダリティで第2の画像を表示することを含み得る。
【0168】
プロセス860において、遠隔操作医療システム10は、プロセス858において受信された支持及びプロセス856において追跡された外科医の注視点に基づいて、第2の画像を取り込む。幾つかの実施形態では、第2の画像は、指示及び制御ユニット210によって受信される視線情報を使用して、第2のイメージングモジュールによって取り込まれ得る。幾つかの実施形態では、第2のイメージングモジュールの位置及び向きは、第2の画像を取り込むために、
図7Aに示される画像処理システム800により、適宜調整されることができる。他の実施形態では、所望の第2の画像は、第2のイメージングモジュールの光学的操作なしに、デジタル処理を通じて得られる。幾つかの実施形態では、光学的操作及びデジタル操作の両方が、所望の第2の画像を得るために使用される。
【0169】
プロセス862において、第2の画像は、
図7Aに示されるディスプレイ816に表示される。例えば、第2の画像は、外科医の注視点の拡大画像、又は外科医によって要求される異なるイメージングモダリティで表示される画像であることができる。
【0170】
図8A、9、及び10Aは、遠隔操作医療システム10を使用して達成されることができる異なる画像修正を示す(demonstrate)様々な方法900、1000、及び1100を示すフローチャートである。これらの方法は、事実上単なる例示であり、限定することを意図するものではないことが理解されるべきである。他の画像修正が想定される。
【0171】
図8Aは、本開示の遠隔操作医療システム10を使用する一次画像に重なる拡大画像を表示するために方法900を示すフローチャートである。特に、方法900は、一次イメージングモジュールを使用する一次画像の取り込み及び表示、並びに補助イメージングモジュールを使用する外科医の注視点に対応する領域の拡大画像の取り込み及び表示を対象にする。
図8Bは、本開示の幾つかの実施形態による拡大領域内に表示された所定の視標追跡閾値領域935を示す。
図8Cは、一次画像950の上に拡大画像960を表示することの例を示す。
図8Dは、
図8Cに示された一次画像950及び拡大画像960を取り込み且つ生成するための、
図6Aのイメージング装置112aの使用を示す概略図である。
図8Eは、
図8Cに示された一次画像950及び拡大画像960を取り込み且つ生成するための、
図6Bのイメージング装置112b及び112cの使用を示す概略図である。
図8A-8Eは、単純さのために拡大画像として補助又は二次画像を記載しており、他のイメージング効果(非限定例として、カラー/グレースケールイメージング、シャープ/ぼかしイメージング、及びブライト(bright)/ダル(dull)イメージング)が想定され得ることが理解されるべきである。
【0172】
方法900は、
図8A及び8C-8Eを参照して以下に記載される。プロセス902において、手術領域の一次画像950は、
図8Dの一次イメージングモジュール714又は
図8Eの一次イメージングモジュール720によって取り込まれる。幾つかの実施形態では、一次イメージングモジュールは、
図8Bに示される方法950のプロセス952で論じされる第1のイメージングモジュールであり得る。
【0173】
方法900のプロセス904において、取り込まれた一次画像950は、一次イメージングモジュール714又は一次イメージングモジュール720に結合される、内視鏡プロセッサ908によって処理され、一次画像はディスプレイ816に表示される。
【0174】
プロセス906において、
図2Cの視標追跡ユニット200は、外科医の注視点を追跡し且つ解釈する。視線情報は、外科医の注視点の3D位置を含み得る。視線情報は、
図8Bのプロセス956に関連して論じられたように、制御ユニット210に提供されることができる。
【0175】
幾つかの実施形態では、外科医は、手術領域内の関心領域をより詳細に調べたいかもしれない。例えば、外科医は、神経、血管、及び病変部のような、手術領域の微細構造の拡大ビューを調べることを望むかもしれない。幾つかの例では、外科医はまた、一次画像の上で又は一次画像950に重なって顕微鏡下手術(microsurgery)アプリケーションを始めたいかもしれない。方法900のプロセス908において、遠隔操作医療システム10は、関心領域の仮想的に拡大された画像を見るために、外科医から指示を受信する。幾つかの実施形態では、外科医は、関心領域の位置を特定するために、彼又は彼女の注視点を使用し得るとともに、様々な他の入力方法のいずれかを使用して確認指示を入力し得る。例えば、外科医は、外科医コンソールのボタンを押し得る、フットペダルを軽く叩き得る、音声メッセージを送り得る、又はウインクし得る。確認指示は、
図8Dのイメージングモジュール715又は
図8Eのイメージングモジュール722のような、補助イメージングモジュールの制御ユニット210に送信され得る。幾つかの実施形態では、確認指示はまた、選択された画像修正の特性又は範囲に関するより詳細な情報を含む。例えば、幾つかの実施形態では、確認指示は、拡大の外科医の好ましいレベルに関する情報を含む。加えて、視線プロセッサ206によって提要される外科医の注視点に関する位置情報もまた、対応する補助イメージングモジュールに結合される制御ユニット210に送信され得る。
【0176】
上述のように、
図8Bは、仮想拡大領域930の中に表示された所定の視標追跡閾値領域935を示す。仮想拡大領域930は、外科医の視線に関するデジタル化された位置情報(例えば、視線プロセッサ206によって提供される)、及び外科医の指示に含まれる拡大の所望のレベル(例えば、プロセス908で取得される)を使用して生成され得る。所定の視標追跡閾値領域は、遠隔操作医療システム10の現在のユーザの特徴的な眼球運動を反映する。一般的に、人間の眼球運動は頻繁なサッケードを含み得るとともに、眼球運動挙動は人によって異なる。したがって、視標追跡閾値領域935は、その中で外科医の視線が頻繁にサッケードする領域を含み、外科医の観察される眼球運動挙動に対応し得る。異なる外科医は、異なるサッケード周波数、速度、及び振幅を有し得るので、視標追跡閾値領域935の形状及びサイズは、外科医ごとに変わり得る。特定の外科医の視標追跡閾値領域935は、視標追跡較正プロセスの間に決定され得る。
【0177】
外科医の所定の視標追跡閾値領域935は、この外科医の視線測定の正確さ及び精度の範囲を反映し得る。幾つかの実施形態では、視標追跡閾値領域935は、外科医の注視点の中心位置及びそのポイントにおける繰り返される測定の一貫性を確かめるために使用され得る。所定の視標追跡閾値領域935は、視標追跡閾値領域935と拡大領域930との間の比較を容易にするために、拡大領域930と共通の中心に置かれる(co-centered)ように配置され得る。
【0178】
拡大領域930及び視標追跡閾値領域935の円形形状は、本開示の説明のための単なる例示であり、領域930、935は、非限定の例として、長方形、楕円形、又は正方形を含む、様々な適切な形状のいずれかに形成され得ることが理解されるべきである。幾つかの実施形態では、外科医の所定の視標追跡閾値領域935が蓄積されたストレス又は疲労のために変化し得るので、外科医は、視標追跡閾値領域935を更新するために、他の較正セッションを受けてもよい。幾つかの実施形態では、外科医の眼球運動挙動(eye movement behavior)は、外科医の異常な眼球挙動が検出されるときに外科医及び/又は他の健康管理要員に警告するために、視標追跡システム200によってリアルタイムでモニタされ得る。例えば、視標追跡システム200が、外科医の異常な及び/又は特徴的でない眼球運動挙動を検出する場合、再較正プロセスを要求する警告がシステム200によって外科医に(例えば、ディスプレイ816を介して)送られ得る又は外科医は現在の作業セッションを停止するように勧められ得る。
【0179】
方法900のプロセス910において、外科医(例えば、現在のユーザ)の所定の視標追跡閾値領域935のサイズは、拡大されたビューにおける不慮のジッタリング(jittering)を避けるために、(例えば、
図7Aに示される画像処理システム800によって)仮想拡大領域930のサイズと比較される。この比較は、視線プロセッサ206及び/又は制御ユニット210のプロセッサによって実行されることができる。拡大領域930が、所定の視標追跡閾値領域935より小さい場合、外科医の現在の注視点は、正確さ及び精密さの所望の範囲の中に無いかもしれず、外科医の現在の注視点の拡大画像930は、不慮のジッタリング又はサッケードを伴って表示され得る。言い換えると、外科医の注視点が所定の視標追跡閾値領域935の外側に位置する場合、拡大画像930によって示される手術領域は、外科医の視線が、
図7Aに示される画像ディスプレイ816(例えば、
図2Cに示される画像ディスプレイ202a、202b)に対して移動するにつれて変化する。幾つかの実施形態では、平均注視点(例えば、特定の期間又は画像フレームの特定の数Nにわたる注視点の時間平均重み付け)が、視線プロセッサ206及び/又は制御ユニット210のプロセッサによって計算されることができ、平均注視点は、所定の視標追跡閾値領域935と比較され得る。例えば、平均注視点(例えば、最後のN画像フレームにわたる)が、所定の視標追跡閾値領域935の外側に動く場合、拡大領域930の位置は、
図7Aに示される画像ディスプレイ816(例えば、
図2Cに示される画像ディスプレイ202a、202b)に対して移動する。したがって、所定の視標追跡閾値領域935は、拡大ビューの位置の不慮のジッタリングなしに(例えば、外科医の視線の自然のサッケードを追跡又は反映するように拡大画像930を変えることなしに)、ユーザの視線の自然のサッケード又は移動を可能にする。
【0180】
幾つかの実施形態では、外科医の注視点が、所定の視標追跡閾値領域935の外側に位置する場合、外科医の現在の注視点は、拡大されなくてよく、方法900は、外科医の視線を追跡し続けるためにプロセス906に戻る。幾つかの実施形態では、外科医が一次イメージングモジュールの焦点位置を変えることによって一次画像を変えることを望む場合、方法900は、異なる一次画像を取り込むためにプロセス902に戻る。
【0181】
しかし、外科医の視線を反映する拡大領域930が、(例えば、
図7Aに示される画像処理システム800によって)所定の視標追跡閾値領域935より大きいことが決定される場合、(例えば、視標追跡システム200によって測定される)外科医の現在の注視点は、現在の外科医の視線測定の正確さ及び精密さの所望の範囲内にあると見なされ得る。言い換えると、外科医の注視点が、所定の視標追跡閾値領域935の中にあることが決定される場合、拡大画像930は静止したままである。外科医の現在の注視点の拡大画像930は、不慮のジッタリング又は目のサッケードを反映することなしに(例えば、拡大領域930として)表示され得る。
【0182】
プロセス911において、視線プロセッサ206及び/又は制御ユニット210のプロセッサは、拡大領域930が一次画像の中にあるかどうかを問い合わせる。幾つかの例では、外科医の視線は、一次イメージングモジュール714又は一次イメージングモジュール720によって取り込まれた一次画像の外又は端に意図的又は不注意のいずれかで移動し得る。一般的に、一次画像の外又は端より、一次画像の中心領域の近くにユーザの拡大された視野(magnified vision)(例えば、関心領域の拡大領域930)を配置し且つ制御ことはより容易且つより正確であり得る。したがって、プロセス911において、外科医の視線の仮想拡大領域930はさらに、外科医の注視点が一次画像の中にあるかを確認するために一次イメージングモジュールによって取り込まれた一次画像950と比較される。
【0183】
拡大領域930が、一次画像950の外又は端にある場合、方法900は、新しい一次及び拡大画像を得るために一次イメージングモジュール及び/又は補助イメージングモジュールの位置及び向きを調整することによってプロセス902に戻って進む。幾つかの例では、一次イメージングモジュールは、手術野の中で補助イメージングモジュールの運動又は方向に「追従」し得る。例えば、
図7Aに示される画像処理システム800は、外科医の注視点の移動と協調して補助イメージングモジュール715又は722(
図8D及び8Eそれぞれに示される)を移動させ得るとともに、拡大領域930に「追従」するように一次イメージングモジュール(
図8D及び8Eそれぞれに示される)を移動させ得るので、一次画像の中心部分内に拡大領域を維持する。幾つかの実施形態では、デジタル化された外科医の視線情報は、対応する一次イメージングモジュールの位置を適切に調整するために、対応する一次イメージングモジュールの制御ユニット200によって使用され得る。
【0184】
遠隔操作医療システム10(例えば、
図7Aに示される画像処理システム800)が、外科医の拡大された視線の仮想拡大領域930が一次画像950の中にあることを決定するとき、方法900はプロセス912に進む。プロセス912において、制御ユニット210は、外科医の視線及び/又は他の入力により外科医の指示を受信し且つ処理する。例えば、制御ユニット210は、視線プロセッサ206から外科医の注視点のデジタル化された位置情報を受信する。制御ユニット210はまた、外科医による好ましい倍率入力を受信し得る。制御ユニット210は、器具インタフェース150(例えば、補助イメージングモジュール715又は補助イメージングモジュール722それぞれに接続される器具インタフェース150d又は器具インタフェース150f)に、位置及び倍率データを送信し得る。上述のように、幾つかの実施形態では、器具インタフェース150d又は器具インタフェース150fは、補助イメージングモジュール715又は補助イメージングモジュール722に結合されるアクチュエータ806に位置および倍率情報を送信し得るとともに、アクチュエータ806は、
図8D-8Eに示されるように、対応するイメージングモジュールを外科医の注視点の位置に動かすように補助イメージングモジュールを駆動することができる。シャフト152d/リスト部713若しくはシャフト152f/リスト部727、及び対応する補助イメージングモジュール715又はイメージングモジュール722はそれぞれ、倍率の所望のレベルに対応するある距離へ外科医の注視点に向かってシャフトの長手方向軸に沿って延び得るとともに、(
図8D及び8Eに示されるような)拡大画像960は、対応する補助イメージングモジュール715又は722によって取り込まれ得る。
【0185】
プロセス914において、補助イメージングモジュール(例えば、715又は722)は、アクチュエータ806が外科医の指示に応じて補助イメージングモジュールを調整した後、外科医の注視点によって示された関心領域の二次又は修正画像を取り込む。補助イメージングモジュールは、外科医の注視点によって示された関心領域の拡大画像960を取り込む。幾つかの実施形態では、補助イメージングモジュールは、立体画像を取り込むことができる
図6Cに示される立体カメラ730を含む。
【0186】
プロセス916において、画像処理システム800(
図7Aに示される)は、一次画像950上に重ね合わされた画像として外科医の注視点の拡大画像960を処理し且つ表示する。幾つかの実施形態では、拡大画像960は、光学的拡大方法(例えば、外科医の注視点によって示される関心領域に対する補助イメージングモジュールの物理的調整)により取り込まれていてよい。追加的に又は代替的に、拡大画像960は、(例えば、デジタル操作により)内視鏡プロセッサ808によって作られていてよい。内視鏡プロセッサ808は、補助イメージングモジュールによって取り込まれた拡大画像960をデジタル化することができ、その後、拡大画像960をディスプレイ816の一次画像950の上に重ねるために、拡大画像960を位置合わせすることができる。
【0187】
幾つかの実施形態では、共通の特徴ベースの方法(例えば、共通のランドマークの方法)が、拡大画像960を一次画像の上に重ねるように拡大画像960を位置合わせするために使用され得る。例えば、幾つかの実施形態では、内視鏡プロセッサ808は、一次画像950及び拡大画像960の両方に存在する、
図8Cの特徴955のような、共通の特徴を識別することができる。内視鏡プロセッサ808は次に、拡大画像960の共通の特徴955を、一次画像950の共通の特徴955と空間的に位置合わせし得る。共通の特徴ベースの方法が、拡大画像960を一次画像950と共に位置合せする方法としてここでは記載されているが、非限定例として、強度ベースの方法又は特徴ベースの方法のような、任意の適切な方法が、拡大画像960を一次画像950の上に重ねるように拡大画像960を位置合わせするために使用され得ることが理解されるべきである。
【0188】
幾つかの実施形態では、ディスプレイ816は、画像ディスプレイ202a及び202bと同じであり得る。補助イメージングモジュールが
図6Cに示される立体カメラを含むとき、立体カメラは、必要な倍率で立体画像を取り込み得るとともに、内視鏡プロセッサ808は、表示されるために且つ一次画像950の立体画像を画像ディスプレイ202a及び202bそれぞれに重ねるために、左及び右立体画像を生成し得る。外科医は、立体画像を拡大された注視点の3D画像であるように視覚し得る。追加的に又は代替的に、ディスプレイ816は、
図1Dに示されるタッチスクリーン146のような、外部ディスプレイを含み得る。
【0189】
プロセス918において、遠隔操作医療システム10は、拡大画像が外科医に望まれているかどうかを問い合わせる。処置の間、外科医は、拡大画像をオン及びオフにし得る、又は拡大画像をオン及びオフに「トグルで切り替え」得る。外科医が拡大画像960を見た後、外科医は、拡大画像960をオフにする、隠す、又は閉じるために終了指示を送信し得る。外科医は、任意の方法を使用して終了指示を送信してよく、例えば、外科医は、外科医コンソールのボタンを押し得る、フットペダルを軽く叩き得る、又は音声メッセージを送り得る、又はさらにはウインクし得る。
【0190】
拡大画像960をオフにする、隠す、又は閉じるための外科医からの指示を受信すると、方法900は、プロセス920に進む。プロセス920において、画像処理システム800は、画像ディスプレイ816から拡大画像をオフにする、隠す、又は閉じる。拡大画像960が、オフにされる又は視界から隠されるとき、ディスプレイ816は、一次画像950のみを表示する。終了指示は、一次画像の上の拡大画像960の重ねられた出現が消えるように、画像ディスプレイ816の拡大画像960を登録解除するために対応する補助イメージングモジュールに結合された制御ユニット210に送信され得る。幾つかの実施形態では、補助イメージングモジュールは、拡大画像960はディスプレイ816に表示されていないが、拡大画像960を入手し続ける。他の実施形態では、補助イメージングモジュールは、動作停止にされる。制御ユニット210は、補助イメージングモジュールをオフにし得るとともに、補助イメージングモジュールを、アクチュエータ806を制御することによって外科医の注視点の位置の外に動かし得る。幾つかの実施形態では、補助イメージングモジュールは、所定の時間が、外科医が(例えば、再開指示により)拡大画像816をオンにする又はその他の方法でディスプレイ816に拡大画像を示す指示を送信することなしに経過した後にのみ、動作停止にされ得る。
【0191】
幾つかの例では、外科医は、手術野の中の他の関心領域の拡大画像を見たい場合がある。方法900は、画像処理システム900が拡大を終了させる指示を受信しない場合又はシステム900が外科医から拡大を再開するように指示を受信する場合、プロセス908に戻り得る。幾つかの実施形態では、外科医は、彼又は彼女の注視点を変え得るとともに、新しい指示は、(例えば、プロセス910-918に概説されたように)外科医の新しい注視点の拡大画像を取り込むこと及び表示することを含み得る。幾つかの実施形態では、現在の倍率が微細構造を適切に調べるのに不十分であるとき、新しい指示は、プロセス910-918を使用して、外科医の注視点の現在の拡大画像への更なる拡大又は「ズームイン」を指示し得る。
【0192】
図9は、本開示の1つの実施形態による、異なるイメージングモダリティを使用して一次及び二次画像を取り込み且つ表示するように、イメージング装置112a、112b、及び/又は112cを制御するために画像処理システム800を使用するための方法1000を示すフローチャートである。
図6Aのイメージング装置112aが使用されるとき、第1のイメージングモダリティにおける一次画像が、一次イメージングモジュール714を使用して取り込まれ且つ表示され得るとともに、補助又は二次画像が、蛍光透視法又は超音波法のような、異なるイメージングモダリティを使用する補助イメージングモジュール715を使用して取り込まれ得る。補助画像は、外科医の注視点に対応する関心領域内の構造を特徴づける及び/又は特定するのに外科医を支援し得る。幾つかの実施形態では、補助イメージングモジュール715は、異なるイメージングモダリティで外科医の注視点の拡大画像を提供するように構成される又は調整され得る。
【0193】
幾つかの実施形態では、
図6Bのイメージング装置112bが使用されるとき、一次画像が、一次イメージングモジュール720を持つ一次イメージング装置112bを使用して取り込まれ且つ表示され得るとともに、二次又は補助画像が、外科医の注視点における構造を特徴づける及び/又は特定するために、補助イメージング装置112cの補助イメージングモジュール722を使用して、蛍光透視法又は超音波法のような、異なるイメージングモダリティで取り込まれ得る。幾つかの実施形態では、補助イメージングモジュール722は、異なるイメージングモダリティで外科医の注視点の拡大画像を提供するように調整され得る。
【0194】
手術の開始に先立って、補助画像を提供するように構成される画像処理システム800は、外科医の要求に基づいて変更され得る。幾つかの実施形態では、例えば、外科医が蛍光透視法の補助画像を得たい場合、照明ユニット810は、X線源を用い得るとともに、ディスプレイ816は、蛍光スクリーンであり得る。幾つかの実施形態では、画像処理システム800は、X線を可視光出力に変換する任意の既知の技術を含み得るとともに、ディスプレイ816を、CCDビデオカメラを持つ補助イメージングモジュールに結合し得る。蛍光透視法のための画像処理システム800は、画像が記録され且つディスプレイ816に示されることを可能にし得る。
【0195】
幾つかの実施形態では、外科医が超音波法の補助画像を得たい場合、照明ユニット810は、超音波を発生するように構成される圧電トランスデューサを用い得るとともに、補助イメージングモジュールは、適切な周波数範囲で動作する超音波スキャナであり得、内視鏡プロセッサ808は、受信した音波をディスプレイ816に表示されることになるデジタル画像に処理し且つ変換することができ得る。したがって、画像処理システム800は、外科医の要求に基づいて所望のイメージングモダリティを取り込み且つ表示できるように、要求された構成要素の任意の適切な配置を伴う任意の適切な技術に適合するように、変更され且つ構成され得る。
【0196】
方法1000のプロセス1002において、一次イメージングモジュールは、手術野の一次画像を取り込むために使用される。プロセス1004において、画像処理システム800は、ディスプレイ816に一次画像を処理し且つ表示する。プロセス1006において、視標追跡システム200(
図2Cに示される)は、外科医の注視点を追跡する。幾つかの実施形態では、一次画像は、立体画像を含み得るとともに、外科医の注視点の3D位置が追跡される。方法1000のプロセス1002、1004、及び1006は、
図8Aに示された方法850のプロセス902、904、及び906と実質的に同様であり得る。
【0197】
方法1000のプロセス1008において、外科医は、彼又は彼女の注視点を関心領域に向け得るとともに、任意の適切な方法を使用して(例えば、二次画像を見るための)指示を入力し得る。例えば、外科医は、外科医コンソールのボタンを押すこと、フットペダルを軽く叩くこと、音声メッセージを送ること、又はウインクすることによって、指示を送り得る。指示は、補助イメージングモジュールに結合された制御ユニット802(
図6Aに示される)に送信され得る。幾つかの実施形態では、指示はまた、好ましい種類のイメージングモダリティ、及び/又は好ましい倍率のような情報を含み得る。加えて、視線プロセッサ206(
図2Cに示される)によって提供される外科医の注視点の位置情報もまた、補助イメージングモジュールの制御ユニット802に送信され得る。
【0198】
プロセス1010において、
図8Aのプロセス911と同様に、画像処理システム400は、外科医の視線が、一次イメージングモジュールによって取り込まれた一次画像によって示される領域の外側の領域に向けられているかどうかを決定する。外科医の注視点が、一次画像によって示される領域の外側にあることが決定される場合、方法1000は、外科医の注視点に対応する領域を含む更新された一次画像を形成するように、一次イメージングモジュールの位置及び向きを調整することによって、プロセス1002に戻って進み得る。外科医の注視点が、一次画像の中にあるとき、方法1000はプロセス1012に進む。
【0199】
プロセス1012において、制御ユニット802は、プロセス1008において受信された外科医の指示を処理し、所望の二次画像を取り込むために補助イメージングモジュールを準備する。幾つかの実施形態では、制御ユニット802は、要求された画像を取り込むために補助イメージングモジュールを物理的に位置決め又は調整するようアクチュエータ806に命じ得る。
【0200】
プロセス1014において、補助イメージングモジュールは、外科医の指示にしたがって要求されたモダリティで画像を取り込み得る。追加的に又は代替的に、制御ユニット7802は、内視鏡プロセッサ808に、所望のモダリティで二次画像をデジタル的に準備するように指示する。
【0201】
プロセス1016において、内視鏡プロセッサ808は、ディスプレイ816に要求された画像を処理し且つ表示する。幾つかの実施形態では、上述のように、内視鏡プロセッサ808は、二次画像がディスプレイ816上の一次画像の上にオーバーレイ(overlay)として位置合わせされ且つ表示されることができりょうに、二次画像と一次画像との間の共通の特徴と処理し且つ特定する。他の適切な方法が、二次画像と位置合わせするために及び二次画像を一次画像の上に重ねるために使用され得ることが理解されるべきである。他の実施形態では、二次画像は、重なる又は重ならない様式で、一次画像に隣接して表示され得る。
【0202】
プロセス1018において、画像処理システム800は、外科医が補助イメージングプロセスを続けること及び/又は補助画像を見続けることを望んでいるかどうかを決定する。継続する補助イメージングが外科医によって要求される場合、異なる位置の画像か異なるモダリティでの画像かにかかわらず、方法1000は、外科医から新しい指示を得るためにプロセス1008に戻る。画像処理システム800が、外科医が補助イメージングを終わらせること及び/又は補助画像を見ることを停止することを望んでいることを決定する場合、補助イメージングプロセスは、プロセス1020において、終了されることができる及び/又は補助画像が隠される(例えば、オフにトグルで切り替えられる)ことができる。方法1000のプロセス1012-1020は、
図8Aの方法900のプロセス912-920と実質的に同様である。
【0203】
図10Aは、イメージングモジュールが、外科医の視線に追従し且つ画像ディスプレイ816に一次画像によって表される領域にわたって走査するときに取り込まれる複数の画像(例えば、
図10Bに示された画像1150-1154、1160-1164、及び1170-1174)を表示するための方法1100を示す。
図10Bは、イメージングモジュールが、画像ディスプレイ816上の一次画像にわたって走査するように、外科医の視線によって伝えられる指示に従うときに取り込まれ且つ表示される複数の例示の画像を示す。
【0204】
プロセス1102において、画像処理システム800は、一次イメージングモジュール(例えば、
図6Aの一次イメージングモジュール714又は
図6Bの一次イメージングモジュール720)を使用して一次画像を取り込み且つ表示する。上述のように、一次イメージングモジュールは、手術領域の立体画像を取り込むように構成される立体カメラであり得る。一次イメージングモジュールはまた、(
図1Cに示されるような)外科医コンソール120の外科医によって作動され且つ制御され得る。一次イメージングモジュールはまた、手術室の他の人員によって調整され得る。幾つかの実施形態では、一次画像は、ゼロ又は低倍率における患者の腹腔のような、手術領域の全体画像であり得る。取り込まれた一次画像は、内視鏡プロセッサ808によって処理されることができ、この内視鏡プロセッサ808は一次イメージングモジュールに結合され得る。内視鏡プロセッサ808は、一次画像を受信し得るとともに、一次画像の位置、境界、及び/又は倍率レベルのような、様々な種類の一次画像データをデジタル化し得る。デジタル化された情報は、内視鏡プロセッサ808に結合された1又は複数のメモリにセーブされ得る。内視鏡プロセッサ808はまた、一次画像をディスプレイ816に表示するために一次画像のイメージング情報を処理することができる。
【0205】
プロセス1104において、
図2Cの視標追跡システム200は、外科医の目がプロセス1102において得られた一次画像にわたって走査するとき、外科医の注視点を追跡する。外科医の視線は、視標追跡システム200のアイトラッカ204a及び204bを使用して追跡され得る。視線プロセッサ206は、アイトラッカ204a及び204bによって提供された視線情報を処理し得るとともに、画像ディスプレイ202及び/又は手術野に対する外科医の注視点の3D位置のような、外科医の注視点に関するデータをデジタル化し得る。デジタル化された情報は、視線プロセッサ206に結合された1又は複数のメモリ208にセーブされ得る。視線プロセッサ206はまた、外科医が外科医の視線に基づいて指示を送るとき、制御ユニット802に情報を提供し得る。
【0206】
プロセス1106において、画像処理システム800は、外科医から支持を受信する。幾つかの実施形態では、外科医は、1又は複数の関心領域を特定し得る一方、さらなる調査のために一時画像を走査する。外科医は、関心領域の修正されたビュー(例えば、非限定の例として、拡大された視界、異なるイメージングモダリティの視界、強調された又はシャープにされた視界、明るくされた又はカラー化された視界、又はその他の方法でグラフィカルに調整された視界)を要求し得る。例えば、外科医はまた、関心構造をさらに調査する及び/又は特徴付けるために、異なるイメージングモダリティの関心領域の視界を要求し得る。幾つかの実施形態では、外科医は、関心領域内の構造のより詳細な画像を見るために、関心領域の拡大された視界を要求し得る。
【0207】
外科医が関心領域を凝視するとき、外科医は、様々な適切な入力方法のいずれかを使用して確認指示を入力し得る。例えば、外科医は、所望の指示を入力するために、外科医コンソールの対応するボタンを教える、フットペダルを軽く叩きうる、音声メッセージを送り得る、又は特定のパターンでウインクし得る。確認指示は、制御ユニット802に送信されることができ、この制御ユニットは、一次イメージングモジュールと同じであってもなくてもよいイメージングモジュールに結合される。イメージングモジュールが、一次イメージングモジュール714又は一次イメージングモジュール720と異なるとき、
図6Aの補助イメージングモジュール715又は
図6Bの補助イメージングモジュール722は、制御ユニット802によって起動され得る。幾つかの実施形態では、確認指示はまた、好ましいイメージングモダリティ、「ズームインされた」画像のための所望の倍率レベル、及び/又は他の種類の視覚/グラフィカル効果のような、外科医の所望の調査モード情報を含み得る。加えて、視線プロセッサ206によって提供される外科医の注視点の3D位置情報は、制御ユニット802に送信される。幾つかの実施形態では、外科医の確認指示を制御ユニット802に送信する前に、画像処理システム800(例えば、制御ユニット802のプロセッサ及び/又は視線プロセッサ206)は、方法900のプロセス910及び911と同様である1又は複数の決定プロセスを実行し得る。
【0208】
プロセス1108において、画像処理システム800は、外科医の確認指示を処理する。制御ユニット802は、視線プロセッサ206から外科医の注視点の位置情報及び確認指示(外科医の所望の調査モード情報を含む)を受信する。制御ユニット802は、適切なイメージングモジュールに接続される器具インタフェース150に位置データ及び確認指示を送信し得る。幾つかの実施形態では、器具インタフェース150は、位置データ及び確認指示をアクチュエータ806に送信し得るとともに、アクチュエータ806は、イメージングモジュールが、外科医の注視点によって提示される関心領域の所望の画像を得ることができる物理的な位置にイメージングモジュールを動かし得る。例えば、外科医が外科医の注視点によって特定された関心領域の拡大画像を要求したとき、イメージングモジュールは、所望のレベルの倍率で拡大画像を取り込むためにシャフトの軸に沿って延びるようにアクチュエータ806によって動かされ得る。
【0209】
プロセス1110において、イメージングモジュールは、(例えば、プロセス1106で送信された外科医の指示に基づいて)外科医の注視点によって示される関心領域の二次画像を取り込む。特に、幾つかの実施形態では、アクチュエータ806は、外科医の注視点によって示される関心領域にイメージングモジュールの位置及び向きを調整し、イメージングモジュールは、外科医の調査のために関心領域の二次画像を取り込む。幾つかの実施形態では、イメージングモジュールはまた、イメージングモジュールが外科医の注視点によって反映される関心領域に達する前に関心領域に向かう手術野を横切るイメージングモジュールの運動の間に画像を取り込み得る。幾つかの実施形態では、イメージングモジュールは、立体画像を取り込むことができる
図6Cに示されるような立体カメラを含み得る。
【0210】
プロセス1112において、画像処理システム800は、外科医の注視点によって反映される関心領域の取り込まれた二次画像及び/又はイメージングモジュールが関心領域に向かって移動したときに取り込まれた画像を処理する。内視鏡プロセッサ808は、画像をディスプレイ816に提示する前に、二次画像をデジタル化し得る。例えば、幾つかの実施形態では、内視鏡プロセッサ808は、一次画像からデジタル的に拡大された二次画像を作り得る及び/又は取り込まれた二次画像に様々なグラフィック効果を適用し得る。内視鏡プロセッサ808はまた、外科医の注視点に関する位置情報、並びに画像を取り込むために使用されるイメージングモジュールに関する位置及び向きの情報のような、二次画像のデジタル化された情報を生成し得る。このデジタル化されたデータは、非限定の例として、
図2Cのメモリ208及び/又は
図7Aのメモリ812のような、メモリに格納され得る。
【0211】
プロセス1114において、画像処理システム800は、ディスプレイ816に外科医の注視点によって示された関心領域の取り込まれた二次画像を表示する。幾つかの実施形態では、内視鏡プロセッサ808は、二次画像と一次画像との間の共通の特徴を比較し且つ特定し得るとともに、その後、二次画像を一時画像の上に共通の特徴を使用して正しく位置合わせし且つ重ねるために、取り込まれた画像を空間的に位置合わせし得る。任意の他の適切な方法が、取り込まれた画像と一次画像を共に位置合わせするために使用され得ることが理解されるべきである。幾つかの実施形態では、イメージングモジュールが
図6Cに示されるような立体カメラを含むとき、立体カメラは立体画像を取り込み得るとともに、内視鏡プロセッサ808は、外科医が注視点によって示される領域の3D立体画像を知覚し得るように、ディスプレイ816に表示されることになる左及び右立体画像を生成し得る。
【0212】
プロセス1116において、画像処理システム800は、外科医が一次画像上の走査を終了したかどうかを問い合わせる。外科医が一次画像の走査を終了していない場合、又は外科医が1又は複数の以前に走査されたスポットをダブルチェックすることを望むとき、方法1100は、外科医の視線を追跡し続けるために、プロセス1104に戻って進み得る。
図10Bに示されるように、外科医がシステム10に、彼又は彼女が一次画像を走査するときの異なる位置における彼又は彼女の注視点の複数の二次画像を取り込むように指示する場合、注視点によって示される関心領域の複数の画像1150-1154、1160-1164、及び1170-1174は、処理され且つディスプレイ816に示される。画像1150-1154、1160-1164、及び1170-1174は、一次画像の上の重ねられた画像としてディスプレイ816に示され得る又は一時画像に隣接して示され得る。
【0213】
処置の間、外科医は、いつでも任意の理由であれ一次画像を走査することを停止したい可能性があり、外科医は、任意の適切な方法を使用してシステム10に指示を送ることができる。プロセス1116において、外科医が一次画像の走査を終了したことを画像処理システム800が決定するとき、視線プロセッサ206は、二次画像の取り込みの終了を外科医に知らせることによって走査プロセスの終了を確認し得る。幾つかの実施形態では、画像処理システム800はまた、複数の画像を再検討し且つさらなる評価のために1つの画像を選択するように外科医に促し得る。
【0214】
プロセス1118において、外科医は、外科医が一次画像にわたって走査するとき外科医の注視点を使用して追跡され且つ取り込まれた複数の関心領域を示す複数の画像1150-1154、1160-1164、及び1170-1174を再検討し得る。外科医は、さらなる調査のために、ディスプレイ816に示されることになる1又は複数の画像を選択し得る(例えば、
図10Cに示されるディスプレイ816の中心画像1162)。外科医は、彼若しくは彼女の注視点を使用することによって、又は任意の他の適切な方法を使用して彼若しくは彼女の選択を入力することによって、画像を選択し得る、
【0215】
プロセス1120において、画像処理システム800は、外科医の選択を処理する。外科医は、選択された画像のさらなる調査のために、特定のイメージング効果又はイメージングモダリティの種類を要求し得る。例えば、外科医は、選択された画像1162の拡大画像1176を表示するようにシステム800に指示し得るとともに、拡大画像1176は、
図10Cに示されるように、画像1162の上に重ねられ得る。要求されたイメージング機能を実行するイメージングモジュールに結合される画像処理システム800は、外科医の要求を満たすように、任意の適切な配置の任意の適切なテクノロジーを有するように構成され得る。受信された選択及び画像処理指示は、処理されるように制御ユニット802に送信され得る。幾つかの実施形態では、制御ユニット802はまた、新たに選択された関心領域の位置データ、並びに関心のあるポイントの画像を取り込んだイメージングモジュールの位置及び向きのデータを読み出すために、メモリ208及び/又は812と情報を交換し得る。幾つかの実施形態では、読み出されたデータは、外科医の要求に基づく選択された画像に対応する関心領域の保管お画像を取り込むために、イメージングモジュールを再位置決めするように、アクチュエータ806を調整するために使用され得る。
【0216】
プロセス1122において、選択された画像の要求された画像が、取り込まれる又はデジタル的に作られ、次に、外科医の調査のためにディスプレイ816に表示される。
図10Cは、
図10Bの複数の画像から外科医に要求に基づいて画像1162の拡大画像1176を表示することの例を示す。描かれた実施形態では、拡大画像1176は、選択された画像1162の上に重ねられて示されている。幾つかの実施形態では、要求された画像(例えば、拡大画像1176)は、ディスプレイ816の選択された画像の元の位置にかかわらず、ディスプレイ816の中心部分に示され得る。幾つかの実施形態では、立体カメラが、拡大画像を取り込むためにイメージングモジュールとして使用され得るとともに、立地画像が、選択された画像1162の3D拡大画像であるよう外科医によって知覚されるように、表示され得る。幾つかの実施形態では、新たに作られた又は取り込まれた画像は、プロセス1114に関連して先に論じられたのと実質的に同様の方法を使用して先に取り込まれた画像に上にあるように共に位置合わせされ得る。プロセス1118-1122は、幾つかの外科医の走査においてオプションであり得る。
【0217】
第1の医療システムの実施形態は、手術野の一次画像をユーザに表示するように構成される画像ディスプレイ、ユーザの注視点データを測定するように及び注視点データに基づいてユーザの注視点が向けられている一次画像における見ている位置を決定するように構成される視標追跡システム、並びに、画像ディスプレイに結合されるとともに、見ている位置に基づいて画像ディスプレイの一次画像を調整するように構成される画像処理システム、を有する。
【0218】
第1の医療システムでは、画像処理システムは、ユーザからの指示を受信するように及び指示に基づいて一次画像を調整するように構成される。
【0219】
第1の医療システムでは、画像処理システムは、注視点データに基づいて、画像ディスプレイに見ている位置の二次画像を表示することによって一次画像を調整するように構成される。
【0220】
第1の医療システムでは、画像処理システムは、見ている位置の二次画像が、画像ディスプレイに一次画像の上のオーバーレイとして表示されるように、二次画像を一次画像と共に位置合わせするように構成される。
【0221】
第1の医療システムでは、画像処理システムは、見ている位置の二次画像が画像ディスプレイに隣接する一次画像として表示されるように、二次画像を一次画像と共に位置合わせするように構成される。
【0222】
画像処理システムはさらに、第1のイメージングモジュール及び第2のイメージングモジュールを有し、第1のイメージングモジュールは、注視点データに基づいて二次画像を取り込むように構成され、第1のイメージングモジュール及び第2のイメージングモジュールは独立して制御される。
【0223】
第1の医療システムでは、第1及び第2のイメージングモジュールは、第1のイメージング装置の構成要素部品である。
【0224】
第1の医療システムでは、第1のイメージングモジュールは第1のイメージング装置を有し、第2のイメージングモジュールは第2のイメージング装置を有する。
【0225】
第1の医療システムでは、第1及び第2のイメージングモジュールの少なくとも一方は、立体カメラを含む。
【0226】
第1の医療システムでは、第1のイメージングモジュールは第1のイメージングモダリティで動作し、第2のイメージングモジュールは第2のイメージングモダリティで動作する。
【0227】
第1の医療システムでは、第1のイメージングモジュールは第1の波長範囲で動作し、第2のイメージングモジュールは第2の波長範囲で動作し、第1の波長範囲は、第2の波長範囲と異なる。
【0228】
第1の医療システムは、二次画像の中に視標追跡閾値領域を含み、視標追跡閾値領域は、二次画像より小さく、画像処理システムは、視標追跡閾値領域内のユーザの視線の移動を反映する注視点データにおける変化に応じて一次画像及び二次画像を維持するように構成される。
【0229】
第1の医療システムはさらに、第1のイメージングモジュール及び第2のイメージングモジュールに結合された内視鏡プロセッサを有し、内視鏡プロセッサは、決定された視点及びユーザからの指示入力に応じて、一次画像及び二次画像の少なくとも一方を調整するように構成される。
【0230】
第1の医療システムでは、内視鏡プロセッサは、一次画像における決定された視点に基づいて、第1のイメージングモジュールの少なくとも1つの機能及び第2のイメージングモジュールの少なくとも1つの機能を独立して制御するように構成される。
【0231】
第1の医療システムでは、内視鏡プロセッサは、ユーザからの指示入力及び一次画像における決定された視点に基づいて、二次画像を取り込むために、手術野の中で二次イメージングモジュールを配向し且つ位置決めするように構成される。
【0232】
第1の医療システムはさらに、第1のイメージングモジュールの位置及び向きを調整するための第1の関節動作リスト部、及び第2のイメージングモジュールの位置及び向きを調整するための第2の関節動作リスト部、を有し、第1及び第2の関節動作リスト部は、内視鏡プロセッサからのコマンド信号に応じて動く。
【0233】
第1の医療システムはさらに、第2のイメージングモジュールに結合される第1のシャフトを有し、第2のイメージングモジュールは、内視鏡プロセッサからのコマンド信号に応じて、第1のシャフトの長手方向軸に沿って動くように構成される。
【0234】
第1の医療システムでは、内視鏡プロセッサは、注視点データ及び一次画像における決定された視点に基づいて、二次画像を一次画像の中に維持するために、手術野の中に第1のイメージングモジュールを配向及び位置決めするように構成される。
【0235】
第1の医療システムでは、内視鏡プロセッサは、ユーザからの指示入力に基づいて第2のイメージングモジュールによって取得された二次画像を調整するように構成される。
【0236】
第1の医療システムでは、内視鏡プロセッサは、画像ディスプレイ上で一次画像に対して二次画像を強調するように構成される。
【0237】
第1の医療システムでは、内視鏡プロセッサは、画像ディスプレイ上で一次画像に対して二次画像をデジタル的に変更するように構成される。
【0238】
第1の医療システムでは、内視鏡プロセッサは、画像ディスプレイ上で一次画像に対して二次画像をデジタル的に拡大するように構成される。
【0239】
第1の医療システムでは、視標対的システムは、少なくとも2つのアイトラッカを有する。
【0240】
第1の医療システムでは、画像ディスプレイは、視標追跡システムに含まれるとともに、左目画像ディスプレイ及び右目画像ディスプレイを有する。
【0241】
第1の医療システムでは、画像ディスプレイは、一次画像の3D画像をユーザに表示するように構成される3D画像ディスプレイである。
【0242】
手術システムを動作させる第1の方法は、画像ディスプレイに一次画像を表示するステップ、ユーザが画像ディスプレイの一次画像を見るときに視標追跡システムを使用してユーザの注視点データを追跡するステップ、及び注視点データに基づいて一次画像を調整するステップ、を含む。
【0243】
手術システムを動作させる第1の方法はさらに、ユーザから指示入力を受信するステップを含む。
【0244】
手術システムを動作させる第1の方法では、ユーザからの指示入力に基づいて注視点データによって特定された関心領域の二次画像を表示するステップを含む。
【0245】
手術システムを動作させる第1の方法では、二次画像は、注視点データに基づいて一次画像の仮想的に調整された部分を含む。
【0246】
手術システムを動作させる第1の方法では、二次画像は、注視点データに基づいて一次画像の拡大部分を含む。
【0247】
手術システムを動作させる第1の方法では、二次画像は、注視点データに基づいて一次画像のシャープにされた部分を含む。
【0248】
手術システムを動作させる第1の方法では、二次画像は、注視点データに基づいて一次画像のハイライトされた部分を含む。
【0249】
手術システムを動作させる第1の方法では、一次画像と異なるイメージングモダリティである。
【0250】
手術システムを動作させる第1の方法はさらに、ユーザからの指示入力及び注視点データに基づいてイメージングモジュールを使用して二次画像を取り込むステップを含む。
【0251】
手術システムを動作させる第1の方法では、注視点データに基づいてユーザの注視点が向けられている一次画像における視点を決定するステップ、視点が所定の視標追跡閾値領域の外側にあるかどうかを決定するステップ、及び視点が所定の視標追跡閾値領域の外側にある場合に視点に基づいて二次画像を更新するステップを含む。
【0252】
手術システムを動作させる第1の方法では、イメージングモジュールの位置及び向きは、視点及び指示入力に基づいて調整される。
【0253】
手術システムを動作させる第1の方法では、イメージングモジュールは、ユーザが一次画像を走査するとき、複数の二次画像を取り込むように構成される。
【0254】
手術システムを動作させる第1の方法では、一次画像は、一次イメージングモジュールを使用して取り込まれ、二次画像は、二次イメージングモジュールを使用して取り込まれる。
【0255】
手術システムを動作させる第1の方法では、一次イメージングモジュールは、第1のイメージング装置に配置され、二次イメージングモジュールは、第1のイメージング装置と異なる第2のイメージング装置に配置される。
【0256】
手術システムを動作させる第1の方法では、視点が所定の視標追跡閾値領域の外側にあるかどうかを決定するステップは、画像フレームの所定の数にわたる平均の視点を所定の視標追跡閾値領域と比較するステップを含む。
【0257】
手術システムを動作させる第1の方法では、視点が所定の視標追跡閾値領域の外側にあるかどうかを決定するステップは、所定の期間にわたる平均の視点を所定の視標追跡閾値領域と比較するステップを含む。
【0258】
例示の実施形態が説明されるとともに示されているが、広範囲の修正、変更及び置換が、前述の記載において考えられ、幾つかの例では、実施形態の幾つかの特徴が、他の特徴の対応する使用なしに用いられ得る。当業者は、多くの変形形態、代替形態、及び変更形態を認識するであろう。したがって、本発明の範囲は、以下の請求項のみによって限定されるべきであり、請求項は広く且つ本明細書に開示される実施形態の範囲と一致する方法で解釈されることが適切である。
【0259】
次の付記を記す。
(付記1) 手術野で医療処置を実行するための遠隔操作医療システムであって、
前記手術野の画像をユーザに表示するように構成される画像ディスプレイ、
前記ユーザの注視点に関するデータを測定するように構成される少なくとも1つのアイトラッカ、
前記ユーザの前記注視点が向けられている表示された前記画像における視点を決定するために前記データを処理するように構成されるプロセッサ、及び
決定された前記視点に基づいて前記遠隔操作医療システムの少なくとも1つの機能を制御するように構成される制御ユニット、を含む、
視標追跡ユニットを有する、
遠隔操作医療システム。
(付記2) 前記画像ディスプレイは、前記手術野の3D画像を前記ユーザに表示するように構成される3D画像ディスプレイである、
付記1に記載の遠隔操作医療システム。
(付記3) 手術器具をさらに含み、前記制御ユニットは、表示された前記画像における決定された前記視点に基づいて、前記手術野における前記手術器具の少なくとも1つの機能を制御するように構成される、
付記1に記載の遠隔操作医療システム。
(付記4) 前記手術器具は、前記視点において表示された前記画像に表示される、
付記3に記載の遠隔操作医療システム。
(付記5) 前記制御ユニットは、表示された前記画像における決定された前記視点に基づいて、前記手術野において前記手術器具の3D位置を較正するように構成される、
付記3に記載の遠隔操作医療システム。
(付記6) 前記手術器具は、エネルギ印加器具であり、前記制御ユニットは、決定された前記視点に基づいて前記手術野の中にエネルギを供給するために、前記エネルギ印加器具を動作させるように構成される、
付記3に記載の遠隔操作医療システム。
(付記7) 前記手術器具は、留め具適用器具であり、前記制御ユニットは、決定された前記視点に基づいて前記手術野の中に留め具を供給するために、前記留め具適用器具を動作させるように構成される、
付記3に記載の遠隔操作医療システム。
(付記8) 前記手術器具は、流体管理器具であり、前記制御ユニットは、決定された前記視点に基づいて前記手術野の中に流体を運ぶために、前記流体管理器具を動作させるように構成される、
付記3に記載の遠隔操作医療システム。
(付記9) 前記制御ユニットは、前記視点が所定期間前記画像ディスプレイの前記手術器具の位置と一致することを前記プロセッサが決定する場合に、前記手術器具を起動するように構成される、
付記3に記載の遠隔操作医療システム。
(付記10) 前記制御ユニットは、前記視点が所定期間前記画像ディスプレイの前記手術器具の位置と一致しないことを前記プロセッサが決定する場合に、前記手術器具を動作停止するように構成される、
付記3に記載の遠隔操作医療システム。
(付記11) 前記制御ユニットは、表示された前記画像における決定された前記視点に基づいて、前記手術野の中で前記手術器具を動かすように構成される、
付記3に記載の遠隔操作医療システム。
(付記12) 前記制御ユニットは、第2のユーザの表示された前記画像における決定された視点が、所定期間前記画像ディスプレイにおける前記手術器具の位置と一致する場合に、前記ユーザから前記第2のユーザに前記手術器具の制御を移行するように構成される、
付記3に記載の遠隔操作医療システム。
(付記13) マーキングアプリケーションをさらに有し、前記制御ユニットは、決定された前記視点に基づいて、前記画像ディスプレイ上で可視である仮想マークを前記手術野に付けるために前記マーキングアプリケーションを制御するように構成される、
付記1に記載の遠隔操作医療システム。
(付記14) イメージング装置をさらに有し、前記制御ユニットは、決定された前記視点に基づいて、前記手術野において前記イメージング装置の少なくとも1つの機能を制御するように構成される、
付記1に記載の遠隔操作医療システム。
(付記15) 前記イメージング装置の前記少なくとも1つの機能は、前記イメージング装置の運動を含む、
付記14に記載の遠隔操作医療システム。
(付記16) 前記イメージング装置の前記少なくとも1つの機能は、前記イメージング装置のズーム動作を含む、
付記14に記載の遠隔操作医療システム。
(付記17) 前記イメージング装置の前記少なくとも1つの機能は、前記イメージング装置の焦点合わせ動作を含む、
付記14に記載の遠隔操作医療システム。
(付記18) 前記イメージング装置の前記少なくとも1つの機能は、前記イメージング装置のモード変更動作を含む、
付記14に記載の遠隔操作医療システム。
(付記19) 決定された前記視点に基づいて前記制御ユニットによって制御される前記少なくとも1つの機能は、ユーザログイン機能を含む、
付記1に記載の遠隔操作医療システム。
(付記20) 前記制御ユニットは、前記プロセッサが、前記画像ディスプレイ上の前記視点を決定し損なう場合に、前記遠隔操作医療システムから前記ユーザを締め出すように構成される、
付記1に記載の遠隔操作医療システム。
(付記21) 前記制御ユニットは、前記少なくとも1つのアイトラッカが前記ユーザの目を検出し損なう場合に、前記遠隔操作医療システムから前記ユーザを締め出すように構成される、
付記1に記載の遠隔操作医療システム。
(付記22) 前記画像ディスプレイは、複数の機能オプションを有するユーザインタフェースの画像を前記ユーザに表示するように構成される、
付記1に記載の遠隔操作医療システム。
(付記23) 前記制御ユニットは、決定された前記視点が、前記ユーザインタフェースの表示された前記画像における少なくとも1つの前記機能オプションの位置と一致する場合に、前記複数の機能オプションのうちの前記少なくとも1つを始動するように構成される、
付記22に記載の遠隔操作医療システム。
(付記24) 前記制御ユニットは、決定された前記視点に基づいて、表示された前記画像における前記ユーザインタフェースの位置的深さを調整するように構成される、
付記22に記載の遠隔操作医療システム。
(付記25) 前記プロセッサは、評価画像ディスプレイ上で、前記ユーザの前記注視点が向けられている前記視点の評価画像を生成するように構成される、
付記1に記載の遠隔操作医療システム。
(付記26) 前記画像ディスプレイは、前記手術野を見ている他のユーザの注視点を前記ユーザに表示するように構成される、
付記1に記載の遠隔操作医療システム。
(付記27) 前記プロセッサは、前記ユーザから指示入力を受信するように及び前記指示に基づいて表示される前記画像を調整するように構成される、
付記1に記載の遠隔操作医療システム。
(付記28) 前記プロセッサは、ズーム機能を実行することによって、表示される前記画像を調整するように構成される、
付記27に記載の遠隔操作医療システム。
(付記29) 前記プロセッサは、前記注視点データに基づいて前記画像ディスプレイに、オーバーレイとして、前記視点の二次画像を表示することによって、表示される前記画像を調整するように構成される、
付記27に記載の遠隔操作医療システム。
(付記30) 第1のイメージングモジュール及び第2のイメージングモジュールをさらに有し、前記第1のイメージングモジュールは、表示される前記画像を取得するように構成され、前記第2のイメージングモジュールは、前記注視点データに基づいて前記二次画像を取り込むように構成され、前記第1のイメージングモジュール及び前記第2のイメージングモジュールは、独立して制御される、
付記29に記載の遠隔操作医療システム。
(付記31) 遠隔操作医療システムを動作させる動作方法であって、
画像ディスプレイに、手術野画像を含む、画像を表示するステップと、
前記画像ディスプレイでのユーザの注視点を測定するステップと、
前記ユーザの前記注視点が向けられている表示された前記画像における視点を決定するステップと、
決定された前記視点に基づいて、前記遠隔操作医療システムの少なくとも1つの機能を制御するステップと、を含む、
方法。
(付記32) 前記遠隔操作医療システムの前記少なくとも1つの機能は、既知の3次元位置パラメータを持つ表示された前記画像における所定のターゲットと、前記視点を比較するステップを含む、3次元構成機能である、
付記31に記載の方法。
(付記33) 前記遠隔操作医療システムの前記少なくとも1つの機能は、前記視点を他のユーザに表示するステップを含む、評価機能である、
付記31に記載の方法。
(付記34) 他のユーザの注視点が向けられている表示された前記画像における教示位置を提供するステップをさらに含む、
付記31に記載の方法。
(付記35) 表示される前記手術野画像は、3D画像である、
付記31に記載の方法。
(付記36) 前記遠隔操作医療システムの前記少なくとも1つの機能は、表示された前記画像における決定された前記視点に基づいて前記手術野において手術器具の少なくとも1つの機能を制御するステップを含む、手術器具動作機能である、
付記31に記載の方法。
(付記37) 前記手術器具は、前記視点において前記手術野画像に表示される、
付記36に記載の方法。
(付記38) 前記遠隔操作医療システムの前記少なくとも1つの機能は、器具動作機能である、
付記35に記載の方法。
(付記39) 前記器具動作機能は、決定された前記視点に基づいて前記手術野の中のある位置でエネルギを供給するようにエネルギ印加器具を動作させることを含む、
付記38に記載の方法。
(付記40) 前記器具動作機能は、決定された前記視点に基づいて前記手術野の中のある位置で留め具を供給するように留め具適用器具を動作させることを含む、
付記38に記載の方法。
(付記41) 前記器具動作機能は、決定された前記視点に基づいて前記手術野の中のある位置で流体を運ぶように流体管理器具を動作させることを含む、
付記38に記載の方法。
(付記42) 前記器具動作機能は、前記視点が所定期間表示される前記画像における前記手術器具の位置と一致する場合に、前記手術器具を起動することを含む、
付記36に記載の方法。
(付記43) 前記器具動作機能は、第2のユーザの視点が、所定期間表示された前記画像における前記手術器具の位置と一致する場合に、前記ユーザから前記第2のユーザに前記手術器具の制御を移行することを含む、
付記32に記載の方法。
(付記44) 前記器具動作機能は、前記視点が所定期間表示された前記画像における前記手術器具の位置と一致しない場合に、前記手術器具を動作停止することを含む、
付記32に記載の方法。
(付記45) 前記器具動作機能は、決定された前記視点に基づいて、前記手術野の中で前記手術器具を動かすことを含む、
付記32に記載の方法。
(付記46) 前記遠隔操作医療システムの前記少なくとも1つの機能は、決定された前記視点に基づいて、前記画像ディスプレイ上で可視である仮想マークを前記手術野に作るステップを含む、マーキング機能である、
付記31に記載の方法。
(付記47) 前記遠隔操作医療システムの前記少なくとも1つの機能は、決定された前記視点に基づいて、前記手術野においてイメージング装置の少なくとも1つの機能を制御するステップを含む、イメージング装置動作機能である、
付記31に記載の方法。
(付記48) 前記イメージング装置の前記少なくとも1つの機能は、前記イメージング装置の運動を含む、
付記47に記載の方法。
(付記49) 前記イメージング装置の前記少なくとも1つの機能は、前記イメージング装置のズーム動作を含む、
付記47に記載の方法。
(付記50) 前記イメージング装置の前記少なくとも1つの機能は、前記イメージング装置の焦点合わせ動作を含む、
付記47に記載の方法。
(付記51) 前記遠隔操作医療システムの前記少なくとも1つの機能は、ユーザログイン機能である、
付記31に記載の方法。
(付記52) 前記遠隔操作医療システムの前記少なくとも1つの機能は、前記ユーザの前記注視点が表示された前記画像から離れて向けられている場合に、前記遠隔操作医療システムから前記ユーザを締め出すためのロックアウト機能である、
付記31に記載の方法。
(付記53) 表示される前記画像は、複数の機能オプションを有するユーザインタフェースを含む、
付記31に記載の方法。
(付記54) 決定された前記視点が、前記ユーザインタフェースの表示された前記画像における少なくとも1つの前記機能オプションの位置と一致する場合に、前記複数の機能オプションのうちの前記少なくとも1つを始動するステップをさらに含む、
付記53に記載の方法。
(付記55) 決定された前記視点に基づいて、表示された前記画像における前記ユーザインタフェースの位置的深さを調整するステップをさらに含む、
付記54に記載の方法。
(付記56) 前記ユーザから指示入力を受信するステップ及び前記指示に基づいて表示される前記画像を調整するステップをさらに含む、
付記31に記載の方法。
(付記57) 表示される前記画像は、ズーム機能を実行することによって調整される、
付記56に記載の方法。
(付記58) 表示される前記画像は、前記注視点データに基づいて前記画像ディスプレイにオーバーレイ画像を表示することによって調整される、
付記56に記載の方法。
【外国語明細書】